説明

ペットボトルのリーク検査装置

【課題】スプール型電磁弁の持つ欠点であるシール性が不完全であることが原因で起こる良品を不良品と判定する誤検出を防止することができるペットボトルのリーク検査装置を提供する。
【解決手段】メインロータ10に設置されペットボトルの口部に係合して口部をシールするシール部材を有するとともに気体をペットボトル1内に供給する加圧ヘッド35とを備え、加圧ヘッド35を第1電磁弁EV1を介して圧縮空気源43に接続し、加圧ヘッド35と第1電磁弁EV1との間に加圧ヘッド側から第1電磁弁側への圧縮空気の流れを阻止する第1逆止弁CV1を設け、加圧ヘッド35を第2逆止弁CV2に接続し、第2逆止弁CV2を閉止するための背圧を第2逆止弁CV2に加えるための第2電磁弁EV2を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペットボトルのリーク検査装置に係り、特に、ペットボトルに飲料等の液体を充填する前にペットボトルにピンホール等の欠陥がないかを検出する装置であって、ペットボトル内に圧縮空気を充填してペットボトルから圧縮空気がリークするか否かを検出するペットボトルのリーク検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、清涼飲料などを充填するために軽量のプラスチックボトルであるペットボトル(PETボトル)が多用されている。ペットボトルに飲料等の液体を充填する前には、ペットボトルにピンホール等の欠陥がないかを検査する必要があり、従来からペットボトルのリーク検査装置が用いられている。このペットボトルのリーク検査装置においては、ペットボトルをスターホイールで移送してメインロータに供給し、ペットボトルをメインロータの容器台上に載置し、加圧ヘッドを下降させてペットボトルの口部に当接させ、加圧ヘッドのパッキンによりペットボトルの口部をシールし、この状態で圧縮空気源から圧縮空気を加圧ヘッドを介してペットボトル内に供給する。そして、ペットボトル内へ所定圧の圧縮空気を供給した後に、ペットボトル内を密閉し、メインロータによりペットボトルを搬送しつつ、所定時間経過後に加圧ヘッドに接続された圧力センサによりペットボトル内の圧力を測定し、ペットボトルからのリーク(漏れ)を検出するようにしている。
【0003】
従来、特許文献1に記載されているように、ペットボトル内に圧縮空気を送り込む配管系統の切替装置として、初期圧値を一定にするために高速応答を主目的として、スプール型電磁弁を使用している。この場合、スプール型電磁弁を開き、圧縮空気源から所定圧の圧縮空気をペットボトル内に送り込んだ後に、スプール型電磁弁を閉じ、ペットボトル内を密閉するようにしている。
【特許文献1】特開2004−205453号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のスプール型電磁弁は、円筒形のスリーブ内を軸方向に運動するスプールによって流路の開閉を行う弁であり、機械工学辞典(株式会社朝倉書店発行)に、「スプール弁は、スプールが制御オリフィスの開口面に平行に動くすべり形弁であるため、流れを完全に遮断することはできない。しかし構造上、軸方向に作用する力をほぼ平衡させることができるため弁の操作力は小さく、また弁開度の小さい範囲を除いて弁の流量特性は粘性の影響をうけにくいなど、多くの長所を有している。そのため電気・油圧サーボ弁にはもっぱらスプール弁が使用される。」と記載されているように、スプール弁は、操作性が良く汎用性は高いが、シール性が完全ではなく、ペットボトル内の圧縮空気がスプール型電磁弁を介してわずかにリークするという問題がある。このリークに起因して、良品のペットボトルにも拘わらず、ピンポール等の欠陥がある不良品と誤検出を起こすことがあるという問題がある。そして、スプール型電磁弁を継続使用することによって、シール性がさらに低下し、誤検出の頻度が高まるという問題があり、またリーク検査装置の下流側の工程が原因でリーク検査装置の稼働を停止せざるを得ない場合などにスプール型電磁弁からのリークが継続することにより誤検出の頻度が更に高まるという問題がある。
【0005】
本発明は、上述の事情に鑑みなされたもので、高速応答が可能なスプール型電磁弁を用いた場合も、このスプール型電磁弁の持つ欠点であるシール性が不完全であることが原因で起こる良品を不良品と判定する誤検出を防止することができるペットボトルのリーク検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するため、本発明のペットボトルのリーク検査装置は、複数のペットボトルを支持して所定円周上を搬送するメインロータと、該メインロータに設置されペットボトルの口部に係合して該口部をシールするシール部材を有するとともに気体をペットボトル内に供給する加圧ヘッドとを備えたペットボトルのリーク検査装置において、前記加圧ヘッドを第1電磁弁を介して圧縮空気源に接続し、加圧ヘッドと第1電磁弁との間に加圧ヘッド側から第1電磁弁側への圧縮空気の逆流を防止する第1逆止弁を設け、前記加圧ヘッドを第2逆止弁に接続し、第2逆止弁を閉止するための背圧を第2逆止弁に加えるための第2電磁弁を設けたことを特徴とするものである。
【0007】
本発明によれば、加圧ヘッドのシール部材とペットボトルの口部との間のシールが完了すると、第1電磁弁を開き、加圧ヘッドと圧縮空気源が連通され、加圧ヘッドからペットボトル内に所定量の圧縮空気が供給され、ペットボトル内は所定圧力を有した圧縮空気が満たされる。そして、第1電磁弁を閉じる。このとき、第1電磁弁のシール性が完全ではなくとも、第1電磁弁と加圧ヘッドとの間には、加圧ヘッド側から第1電磁弁側への圧縮空気の逆流を防止する第1逆止弁が設けられているので、ペットボトル内の圧縮空気は第1電磁弁からリークすることはない。このとき、第2電磁弁を介して第2逆止弁には背圧が加えられており、第2逆止弁は閉止したままの状態であり、加圧ヘッド側から第2電磁弁側へ圧縮空気が流れることはない。この状態で、ペットボトルはメインロータの円周上に沿って搬送され、この搬送中の所定時間経過後に、圧力センサによりペットボトル内の圧力が測定される。そして、この所定時間経過後のペットボトル内の圧力が当初の圧力と同一であればペットボトルからのリーク(漏れ)はなく、ペットボトルにピンホール等の欠陥がないと判定される。
【0008】
本発明の1態様によれば、前記第2電磁弁を前記圧縮空気源に接続し、前記第2逆止弁に前記背圧を加えるようにしたことを特徴とする。
本発明の1態様によれば、前記第2電磁弁の1つのポートは大気に連通されており、前記第2逆止弁に加わる前記背圧を解除することにより、ペットボトル内の圧縮空気を前記第2逆止弁および前記第2電磁弁を介して外部に排気可能であることを特徴とする。
本発明の1態様によれば、前記第1電磁弁および前記第2電磁弁はスプール型電磁弁からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、以下に列挙する効果を奏する。
1)第1電磁弁と加圧ヘッドとの間には、加圧ヘッド側から第1電磁弁側への圧縮空気の逆流を防止する第1逆止弁が設けられているので、ペットボトル内の圧縮空気は第1電磁弁からリークすることはない。したがって、第1電磁弁にシール性が不完全なスプール型電磁弁を用いても、シール性が不完全であることが原因で起こる良品を不良品と判定する誤検出を防止することができる。
2)リーク検査終了後に第2電磁弁を作動させ、第2逆止弁の背圧を解除することにより、ペットボトル内の圧縮空気を第2逆止弁および第2電磁弁を介して外部に排気することができる。また、第2電磁弁により第2逆止弁の背圧を解除することにより、ペットボトル内の圧縮空気が大気に開放されるので、長時間滞留時の内圧によるペットボトルの変形を防止することができる。
3)第2逆止弁を閉止するための背圧よりも高い圧力が第2逆止弁に加わった際に、第2逆止弁が開いて安全弁の作用を果たすため、ペットボトル内に誤って異常に高い圧力がかかったときにも第2逆止弁を介してこの高圧を逃がすことができる。
4)第1逆止弁自体がレギュレータ的な働きを持つためにペットボトルへの給気時の突入圧(急激な圧力上昇)が大幅に低減されるので、ペットボトル内の圧力が安定するまでの時間が速まり、より速い速度で容器内圧のシール動作ができる。また、圧力測定時使用している圧力センサに加わる最高圧が下がることで、圧力センサの負担が軽減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明に係るペットボトルのリーク検査装置の一実施形態を図1乃至図5を参照して説明する。
図1はペットボトルのリーク検査装置の全体構成を示す平面図である。図1に示すように、ペットボトルのリーク検査装置は、検査すべきペットボトル1をメインロータ10に搬入する入口スターホイール2と、検査後のペットボトル1をメインロータ10から搬出する出口スターホイール3とを備えている。入口スターホイール2の上流側には、入口スターホイール2にペットボトル1を搬入するためのガイドレール5,5が設置されている。また、出口スターホイール3の下流側には、出口スターホイール3からペットボトル1を搬出するためのガイドレール6,6が設置されている。これら入口側ガイドレール5,5および出口側ガイドレール6,6は、進行方向に下り勾配になっている。入口スターホイール2の外周側、メインロータ10の外周側及び出口スターホイール3の外周側には、それぞれスターホイール用ガイド7,8,9が設けられている。
【0011】
図2はメインロータの詳細構造を示す図であり、メインロータの断面図である。図2に示すように、メインロータ10は、図示しない駆動源により回転駆動されるとともにカップリング11により一体に連結された上下の回転軸12と、回転軸12に固定されて回転軸12と一体的に回転するベースプレート13と、回転軸12の上端部に固定され回転軸12と一体的に回転する支持プレート14と、上下動してリーク検査時にペットボトル1の口部1mに係合する複数の加圧ヘッド35とを備えている。回転軸12の下部は、軸受17Aが内設された軸受ハウジング18を介して支持フレーム19により支持され、回転軸12の上方には回転軸12と同軸上に回転軸20が配置されている。回転軸20は中空軸21内に支持されており、中空軸21は軸受17Bを保持するとともに支持プレート14に固定された軸受ハウジング22内に挿入されている。回転軸20内には貫通孔20aが形成されており、外部電源と接続される電源ケーブル100が貫通孔20a内を通され、第1スプール型電磁弁EV1、第2スプール型電磁弁EV2および圧力センサSに電力が供給される。
【0012】
メインロータ10は、ペットボトル1のネックリング1aを支持するネックリングスターホイール25と、ペットボトル1の肩部を支持する肩押さえスターホイール26とを備えており、ネックリングスターホイール25および肩押さえスターホイール26は、ベースプレート13にサポート27を介して固定されている。ネックリングスターホイール25の外周部には、ペットボトル1のネックリング1aに係合するとともにネックリング1aを支持する円弧状のポケット26aが複数形成されている(図1参照)。肩押さえスターホイール26の外周部には、ペットボトル1の肩部に係合する円弧状のポケット(図示せず)が複数形成されている。また、ネックリングスターホイール25の外周側には、ペットボトル1の飛び出し防止とペットボトルの位置決めのために、前記スターホイール用ガイド8が設けられている。なお、スターホイール用ガイド8はプーリに支持されて回転可能なベルトに替えることもできる。ネックリングスターホイール25、入口スターホイール2および出口スターホイール3とは同一平面に配置されている。
【0013】
前記支持プレート14には複数のガイドバー28が立設されており、これらガイドバー28は所定の円周上に所定の間隔で配置されている。そして、各ガイドバー28には、カムフォロワ29を有したスライド部材30が上下動可能に取り付けられている。各スライド部材30には加圧ヘッド35が固定されており、加圧ヘッド35とスライド部材30とは一体的に上下動するようになっている。
【0014】
一方、回転軸20の外周側に設けられた中空軸21には、固定プレート32が固定されており、固定プレート32にはサポート33を介して円筒体34が固定されている。円筒体34の上端面はカム面34aを構成しており、カム面34aは円筒体34の上端面の全周に亘って高低差を設けて形成されている。そして、メインロータ10の回転に伴って支持プレート14が回転すると、各スライド部材30のカムフォロワ29がカム面34aに追従して上下動し、これにより、スライド部材30及び加圧ヘッド35がガイドバー28に沿って上下動するようになっている。
【0015】
図3は、加圧ヘッド35および加圧ヘッド35に圧縮空気を供給するための圧縮空気供給系統を示す模式図である。加圧ヘッド35はメインロータ10の所定円周上に複数個(本実施形態では36個)配置されており、図3に示すように各加圧ヘッド35は、スライド部材30に固定された支持棒36と、支持棒36の下端に固定された加圧ヘッド本体37と、加圧ヘッド本体37の下端面に貼着されシール部材を構成するパッキン38と、加圧ヘッド本体37から下方に突出した略半球状のノズル39とを備えている。
【0016】
図3に示すように、前記ノズル39内には圧縮空気をペットボトル1内に噴出する開口39aが形成されており、この開口39aは加圧ヘッド本体37内に形成された連通孔37aを介して配管41に連通されている。配管41は、第1逆止弁CV1を介して第1スプール型電磁弁EV1のポートP1に連通されている。第1逆止弁CV1は、第1スプール型電磁弁EV1側から加圧ヘッド35側への圧縮空気の流れのみを許容し、加圧ヘッド35側から第1スプール型電磁弁EV1側への圧縮空気の逆流を防止するように構成されている。そして、第1スプール型電磁弁EV1のポートP2は、配管42を介して下側の回転軸12内の連通路12aに連通されており、連通路12aは圧縮空気源43に連通されている(図2参照)。なお、第1スプール型電磁弁EV1のもう1つのポートP3はプラグ49により閉止されている。また、加圧ヘッド本体37内の連通路37aはセンサ用チューブ44を介して圧力センサSに接続されている。圧力センサSは各加圧ヘッド35に対応して設置されており、本実施形態では36個設置されている。
【0017】
また、加圧ヘッド37内の連通路37aは、配管51および第2逆止弁CV2を介して第2スプール型電磁弁EV2のポートP1に連通されている。第2逆止弁CV2は、加圧ヘッド35側から第2スプール型電磁弁EV2側への圧縮空気の流れのみを許容し、第2スプール型電磁弁EV2側から加圧ヘッド35への圧縮空気の逆流を防止するように構成されている。そして、第2スプール型電磁弁EV2のポートP2は、配管52を介して下側の回転軸12内の連通路12aに連通されており、連通路12aは圧縮空気源43に連通されている。なお、第2スプール型電磁弁EV2のもう1つのポートP3は大気に開放されている。この構成により、第2スプール型電磁弁EV2のポートP1、ポートP2を介して第2逆止弁CV2に所定圧の背圧が加えられるようになっている。
【0018】
図4は、第1スプール型電磁弁EV1、第2スプール型電磁弁EV2の構造を示す縦断面図である。図4に示すように、バルブ本体60内にスプール61が軸方向に往復移動可能に収容されている。バルブ本体60に隣接してスプール61を作動させるためのパイロット弁62が配置されており、このパイロット弁62は電磁石63により作動されるように構成されている。バルブ本体60には、3つのポートP1,P2,P3が形成されている。
上述の構成において、図4(a)に示すように、スプール61が左側に移動して、ポートP1とポートP2が連通する。また、図4(b)に示すように、スプール61が右側に移動して、ポートP1とポートP3が連通する。
【0019】
図5は、第1逆止弁CV1、第2逆止弁CV2の構造を示す縦断面図である。図5に示すように、バルブ本体70内に、弁座71と、弁座71に接離自在に配置された弁体72が収容されている。弁体72にはパッキン73が装着されている。弁体72はスプリング74により弁座71に密接するように付勢されている。図5(a)に示すように、弁体72に背圧を加えることにより、弁体72は弁座71に密接し圧縮空気の逆流が防止されるようになっている。なお、スプリング74が介装されているため、背圧がなくとも、弁体72は弁座71に密接するようになっている。
上述の構成において、図5(a)に示すように、背圧が弁体72に加わっている場合、あるいは背圧が加わっていなくともスプリング74の付勢力により、A側からB側への流体の逆流が防止されるようになっている。そして、B側の圧力がA側の背圧より高くなった場合には、B側の流体の圧力により弁体72が開き、B側からA側に流体が流れるようになっている。
【0020】
次に、前述のように構成されたペットボトルのリーク検査装置の作用を説明する。
図6は、加圧ヘッド35とネックリングスターホイール25により支持されたペットボトル1との関係を示す模式図である。ペットボトル1は入口側ガイドレール5,5から入口スターホイール2に供給される。入口スターホイール2により移送されたペットボトル1は、メインロータ10に受け渡される。このとき、ペットボトル1はメインロータ10のネックリングスターホイール25によりネックリング1aが支持されるとともに、肩押さえスターホイール26により肩部が支持される。図6(a)はこの状態を示す模式図である。図6(a)に示す状態で、メインロータ10の回転に伴って、ペットボトル1はメインロータ10のピッチ円に沿う搬送が開始される。
【0021】
ペットボトル1がメインロータ10に移送されると、カムフォロワ29の作用により加圧ヘッド35が下降し、加圧ヘッド35の加圧ヘッド本体37がペットボトル1の口部1mに当接する。このとき、図6(b)に示すように、加圧ヘッド本体37の下端面にはパッキン38が設けられているため、パッキン38はペットボトル1の口部1mの天面に密接する。パッキン38とペットボトル1の口部1mの天面との間のシールを確実に行うために、加圧ヘッド本体37はパッキン38をペットボトル1の口部1mに対して所定の荷重で押圧するが、この荷重はペットボトル1のネックリング1aを支持するネックリングスターホイール25によって受けられる。ペットボトル1におけるネックリング1a及び口部1mは、キャップを取りつける等の目的のため、胴部より肉厚で強度が高く作られている。したがって、パッキン38のシール機能を充分に働かせるために加圧ヘッド本体37がペットボトルの口部1m及びネックリング1aに比較的高い荷重を加えたとしても、ペットボトルの口部1m及びネックリング1aは変形することはない。
【0022】
このように、加圧ヘッド本体37の下端面に設けられたパッキン38とペットボトル1の口部1mとの間のシールが完了すると、第1スプール型電磁弁EV1を開き、加圧ヘッド35のノズル39と圧縮空気源43が第1逆止弁CV1を介して連通され、ノズル39からペットボトル1内に所定量の圧縮空気が供給される。このとき、第1逆止弁CV1自体がレギュレータ的な働きを持つため、ペットボトル1への給気時の突入圧(急激な圧力上昇)が大幅に低減されるので、ペットボトル1内の圧力が安定するまでの時間が速まり、より速い速度で容器内圧のシール動作ができる。また、圧力測定時使用している圧力センサSに加わる最高圧が下がることで、圧力センサSの負担が軽減される。こうして、ペットボトル1内は所定圧力を有した圧縮空気が充たされる。そして、第1スプール型電磁弁EV1は閉じる。このとき、第1スプール型電磁弁EV1のシール性が完全ではないが、第1スプール型電磁弁EV1と加圧ヘッド35との間には、加圧ヘッド35側から第1スプール型電磁弁EV1側への逆流を防止するための第1逆止弁CV1が設置されているので、ペットボトル1内の圧縮空気が第1スプール型電磁弁EV1からリーク(漏れ)することはない。このとき、第2スプール型電磁弁EV2のポートP1とポートP2は連通しており、第2逆止弁CV2には圧縮空気源43から背圧が加えられる。そのため、第2逆止弁CV2は閉じたままの状態であり、圧縮空気が加圧ヘッド35側から第2スプール型電磁弁EV2側へ流れることはない。
【0023】
この状態で、ペットボトル1はメインロータ10のピッチ円に沿って搬送され、この搬送中の所定時間経過後に、図6(c)に示すように、圧力センサSによりペットボトル1内の圧力が測定される。そして、この所定時間経過後のペットボトル内の圧力が当初の圧力と同一であればペットボトルからのリーク(漏れ)はなく、ペットボトル1にピンホール等の欠陥がないと判定される。
【0024】
リーク検査終了後に、第2スプール型電磁弁EV2が作動して、第2スプール型電磁弁EV2のポートP3とポートP1とが連通し、ポートP1が大気圧となって第2逆止弁CV2の背圧が解除され、ペットボトル1内の圧縮空気が第2逆止弁CV2および第2スプール型電磁弁EV2を介して外部へ排気される。その後、ペットボトル1はメインロータ10から出口スターホイール3に受け渡され、正常なペットボトル1は出口スターホイール3によって移送され、出口側ガイドレール6,6を介して次工程に移送される。一方、不良品と判断されたペットボトル1は、不良品排出シュート46の位置で出口スターホイール3による支持が解除され、ペットボトル1は不良品排出シュート46に排出される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】ペットボトルのリーク検査装置の全体構成を示す平面図である。
【図2】メインロータの詳細構造を示す図であり、メインロータの断面図である。
【図3】加圧ヘッドおよび加圧ヘッドに圧縮空気を供給するための圧縮空気供給系統を示す模式図である。
【図4】第1スプール型電磁弁、第2スプール型電磁弁の構造を示す縦断面図である。
【図5】第1逆止弁、第2逆止弁の構造を示す縦断面図である。
【図6】加圧ヘッドとネックリングスターホイールにより支持されたペットボトルとの関係を示す模式図である。
【符号の説明】
【0026】
1 ペットボトル
1a ネックリング
1m 口部
2 入口スターホイール
3 出口スターホイール
5,6 ガイドレール
7,8,9 スターホイール用ガイド
10 メインロータ
11 カップリング
12,20 回転軸
13 ベースプレート
14 支持プレート
17A,17B 軸受
18,22 軸受ハウジング
19 支持フレーム
20a 貫通孔
21 中空軸
25 ネックリングスターホイール
26 肩押さえスターホイール
27,33 サポート
28 ガイドバー
29 カムフォロワ
30 スライド部材
32 固定プレート
34 円筒体
34a カム面
35 加圧ヘッド
36 支持棒
37 加圧ヘッド本体
37a 連通路
38 パッキン
39 ノズル
39a 開口
39b 連通孔
41,42,51,52 配管
43 圧縮空気源
44 センサ用チューブ
46 不良品排出シュート
60 バルブ本体
61 スプール
62 パイロット弁
63 電磁石
70 バルブ本体
71 弁座
72 弁体
73 パッキン
74 スプリング
EV1 第1スプール型電磁弁
EV2 第2スプール型電磁弁
CV1 第1逆止弁
CV2 第2逆止弁
S 圧力センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のペットボトルを支持して所定円周上を搬送するメインロータと、該メインロータに設置されペットボトルの口部に係合して該口部をシールするシール部材を有するとともに気体をペットボトル内に供給する加圧ヘッドとを備えたペットボトルのリーク検査装置において、
前記加圧ヘッドを第1電磁弁を介して圧縮空気源に接続し、加圧ヘッドと第1電磁弁との間に加圧ヘッド側から第1電磁弁側への圧縮空気の逆流を防止する第1逆止弁を設け、
前記加圧ヘッドを第2逆止弁に接続し、第2逆止弁を閉止するための背圧を第2逆止弁に加えるための第2電磁弁を設けたことを特徴とするペットボトルのリーク検査装置。
【請求項2】
前記第2電磁弁を前記圧縮空気源に接続し、前記第2逆止弁に前記背圧を加えるようにしたことを特徴とする請求項1記載のペットボトルのリーク検査装置。
【請求項3】
前記第2電磁弁の1つのポートは大気に連通されており、前記第2逆止弁に加わる前記背圧を解除することにより、ペットボトル内の圧縮空気を前記第2逆止弁および前記第2電磁弁を介して外部に排気可能であることを特徴とする請求項1又は2記載のペットボトルのリーク検査装置。
【請求項4】
前記第1電磁弁および前記第2電磁弁はスプール型電磁弁からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のペットボトルのリーク検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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