説明

ペット遊戯装置

【課題】
この発明は、支持台に荷重がかかってもペットを安定して支持できるよう支柱に対して支持台をしっかりと取り付けることができ、また、支柱に対する支持台の着脱を容易に行うことができるペット遊戯装置の提供を目的とする。
【解決手段】
設置面と天井との間で突張り状態で設置する支柱11と、ペットが載上可能な支持台21とを備えて構成したペット用遊戯装置10であって、上記支柱11の上下方向の所定部位に上記支持台21を支持可能に形成した鍔状のフランジ部31に対して上記支持台21を取り外し可能に固定する固定手段35を備え、上記支持台21に上記支柱11の挿通を許容する挿通許容部23A,23Bを形成し、上記支持台21に、上記支柱11の太さに相当する幅Dを有して外周側から上記挿通許容部23Aまで切り欠いた切欠き溝24Aを形成し、上記切欠き溝24Aを隠蔽可能に該切欠き溝24Aに嵌め込む溝嵌め込み具41を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、屋内の床と天井との間で突張り状態で設置され、ペットが上り下りして遊んだり、高い所で休憩することのできる猫科のペットに好適なペット遊戯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ペットの中でも、例えば、猫は、野性的な習性が残っているため、紐に繋いだり狭小な空間に収容して飼育するとストレスが溜まりがちになり健康上好ましくない。しかし、屋外で放し飼いした場合、近隣の住民に迷惑がかかり、トラブルのもとになるため、室内で放し飼いすることが多い。
【0003】
ところが、猫は、外敵から身を守るため、或いは、獲物を捕獲するために本能的に木などの高い所に登る習性を有しており、室内で放し飼いした場合、家具や部屋の壁を伝って上り下りすることにより、これら家具や部屋の壁に傷をつけてしまうという課題を有していた。
【0004】
このような背景の下、室内に設置するだけで猫が遊戯できる環境を容易に構築することのできる遊戯装置が知られている。例えば、特許文献1において開示されている「室内用ペットの遊戯装置」もその1つである。
【0005】
上記「室内用ペットの遊戯装置」は、床と天井の間に架設される支柱と、該支柱に取り付けられ、ペットが上下に伝わって移動したり留まることのできる複数のステップ部材とを備えている。
【0006】
ステップ部材は、平面視一方向へ長いステップ部材本体と、該ステップ部材本体の長手方向の一端側に有する筒状の固定部とで構成している。
【0007】
ステップ部材本体には、上記筒状の固定部の内部空間と上下方向に連通する貫通孔を形成し、支柱を差込可能に形成している。
【0008】
ステップ部材は、ステップ部材の貫通孔に支柱を差し込み、その状態でボルトなどのストッパを固定部の側から支柱の側方に押し当てて固定する。ステップ部材は、支柱に対して片持ち支持状態で取り付けることができる。
【0009】
しかし、ステップ部材は、このように支柱の側方にボルトの先端を押し当てることで支柱に対して取り付けた構成であるため、ペットが載ったときの荷重をしっかりと支持することができないおそれがある。
【0010】
特に、ステップ部材は、支柱に対して片持ち支持状態で取り付けられるため、ステップ部材に猫が載ったとき、固定部には、曲げモーメントも加わり、上述したストッパのみでは、十分な強度を確保することは困難である。
【0011】
さらにまた、ペット遊戯装置を収納する場合又は部屋に設置する場合や、支柱に対するステップ部材の取り付け個数を変更する場合において、ステップ部材の貫通孔に支柱をいちいち挿入したり、抜き出す必要があり、面倒である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2000−253771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこでこの発明は、ペットが支持台を上り下りするなどして該支持台に荷重がかかってもペットを安定して支持できるよう支柱に対して支持台をしっかりと取り付けることができ、また、支柱に対する支持台の着脱を容易に行うことができるペット遊戯装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、設置面と天井との間で突張り状態で設置する支柱と、ペットが載上可能な支持台と、上記支柱の上下方向の所定部位に上記支持台を支持可能に形成した鍔状のフランジ部とを備えて構成したペット用遊戯装置であって、上記フランジ部と上記支持台とを取り外し可能に固定する固定手段を備え、上記支持台に上記支柱の挿通を許容する挿通許容部を形成し、上記支持台に、上記支柱の太さに相当する幅を有して外周側から上記挿通許容部まで切り欠いた切欠き溝を形成し、上記切欠き溝を隠蔽可能に該切欠き溝に嵌め込む溝嵌め込み具を備えたことを特徴とする。
【0015】
上記構成により、支持台を、外側から切欠き溝を通じて支柱の取り付け部分に側方から差し込んで挿通許容部に支柱を配したり、或いは、挿通許容部から切欠き溝を通じて支柱を抜き出して支持台の外側へ配したりすることができる。
【0016】
よって、例えば、支持台に、支柱に挿通可能な貫通孔を形成し、該貫通孔を通じて支持台を支柱に差し込んだり抜き出したりしなくても、支持台を、支柱に対して容易に着脱することができる。
【0017】
支持台は、支柱を挿通許容部に配した状態で支柱に対して取り付けることができるが、この場合、支持台には、切欠き溝が露出した形態となり、そのままの状態では見栄えが悪く、ペットが支持台間を上り下りする際に怪我をするおそれもある。
【0018】
このため、溝嵌め込み具を切欠き溝に嵌め込むことにより、上記切欠き溝を外側から隠蔽することができ、支持台を、支柱に取り付けた状態において優れた外観形状とすることができる。
【0019】
支持台は、フランジ部に支持された状態で支柱に対して取り付けることができるため、支柱に対する支持台の取り付け方向を変える際には、フランジ部に支持された状態で、容易に向きを変えることができる。
【0020】
さらにまた、支持台は、フランジ部に支持された状態で支柱に対してしっかりと取り付けることができるため、ペットが支持台間を伝って上り下りしても安定してペットを支持することができる。
【0021】
この発明の態様として、上記挿通許容部を上記支持台の重心位置よりも平面視側方へ偏移した位置に形成し、上記切欠き溝を、上記支持台における上記挿通許容部と上記支持台の外周側との経路が最短となる最短経路部分に形成することができる。
【0022】
上述したように、上記挿通許容部を上記支持台の重心位置よりも平面視側方へ偏移した位置に形成することにより、支持台は、支柱が邪魔になることのないペットが載上し易い広い面を確保することができる。
【0023】
さらに、上記切欠き溝を、上記支持台における上記挿通許容部と上記支持台の外周側との経路が最短となる最短経路部分に形成することにより、上記切欠き溝の大きさ(長さ)を最小限に構成することができる。それに伴って切欠き溝に嵌め込む溝嵌め込み具の大きさ(長さ)を最小限にすることができ、切欠き溝に取り付けたときの溝嵌め込み具の外観形状を目立たなくすることができる。溝嵌め込み具自体をコンパクトにできるため、溝嵌め込み具単体での扱いが邪魔になることがない。
【0024】
またこの発明の態様として、上記固定手段を締結ボルトで構成し、上記支持台に締結ボルトの挿入を許容する差込み孔を形成し、上記締結ボルトの挿入を許容するとともに上記差込み孔と連通可能な連通孔を、上記フランジ部の周方向において等分配部分に形成し、上記溝嵌め込み具の下部に、上記連通孔へ差し込んで係合する係合突部を形成することができる。
【0025】
連通孔を、上記フランジ部の周方向において等分配部分に形成することにより、等分配して形成した連通孔のピッチに応じてフランジ部に対する支持台の取り付け方向を段階的に選択することができる。
【0026】
溝嵌め込み具を切欠き溝に取り付ける際に、係合突部を連通孔に差し込んで該連通孔の周縁部に係合させた状態とすることができるため、強固に取り付けることができる。
【0027】
さらに、係合突部を連通孔に差し込んで係合することにより、フランジ部の周方向における溝嵌め込み具の取り付け位置を位置決めすることができ、それに伴って、フランジ部の周方向に対する支持台の取り付け位置も位置決めすることができる。
【0028】
これにより、連通孔と支持台に形成された締結ボルトの差込み孔とを互いに周方向において一致した状態で連通することができるため、締結ボルトで容易にフランジ部に対して支持台を取り付けることができる。
【0029】
またこの発明の態様として、上記支柱の下部に、設置面に設置される設置台を備え、上記設置台を上記支柱に対して取り外し可能に構成し、上記支柱を長手方向において分割可能に構成することができる。
【0030】
上記構成により、設置台は、設置面に設置可能に支柱に対して外側へ突出した形態となるが、該設置台を取り外すことにより、コンパクトな形態にすることができる。さらに、上記支柱は、その長手方向において分割可能に構成しているため、支柱の長さを短くすることができ、不使用時に邪魔にならずにコンパクトに収納することができる。
【0031】
またこの発明の態様として、天井に押し当てる天井押当て部材を備え、上記支柱の上部に、上記天井押当て部材の高さ調節を可能とする第一高さ調節手段と第二高さ調節手段を備え、上記第一高さ調節手段を、上記支柱に対してスライド可能に構成した押上げ杆と、該押上げ杆を上記支柱に固定する押上げ杆固定部材とで構成し、上記第二高さ調節手段を、上記押上げ杆の上部から突出した螺旋軸と、該螺旋軸に螺動可能に係合するとともに、上記天井押当て部材を下側から押し当て可能な押当て部を上端部に備えた押上げ部材とで構成することができる。
【0032】
上記押上げ杆固定部材は、例えば、ボルトなどで構成することができ、上記押上げ杆を固定できる手段であればよい。
【0033】
本発明のペット遊戯装置は、上記第一高さ調節手段と、上記第二高さ調節手段とを備えているため、これらを用いて高さ調節を容易に行うことができる。
【0034】
詳しくは、上記第一高さ調節手段を用いれば、例えば、高さ調節する距離(ストローク)が長い場合であっても、押上げ杆をスライドさせることにより一気に高さ調節を行なうことができる。
【0035】
さらにその後で、上記第二高さ調節手段を用いれば、押当て部が上記天井押当て部材に押し当たった状態で螺旋軸に対して押上げ部材を螺動させて上記天井押当て部材を押し上げるなどすることで微妙な高さ調整を行うことができる。
【0036】
以上により、ペット遊戯装置を、天井押当て部材を天井に押し当てて天井と接地面との間で突張った状態で、しっかりと設置することができる。
【0037】
さらに、上記天井押当て部材は、第一高さ調節手段と第二高さ調節手段とは別部材で独立した部材で構成しているため、支柱の上端部に有する天井押当て部材を支柱に対して容易に分離して取り外すことができ、不使用時に収納する際に容易に分離してコンパクトな形態で収納することができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明では、ペットが棚間を上り下りしても安定してペットを支持できるよう支柱に対して棚をしっかりと取り付けることができ、また、支柱に対する棚の着脱を容易に行うことができるペット遊戯装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】猫用遊戯装置の外観図。
【図2】猫用遊戯装置の正面図(a)、右側面図(b)。
【図3】図2(a)のA−A線矢視図(c)、図2(a)のB−B線矢視図(d)、猫用遊戯装置の底面図(e)。
【図4】支柱に対する棚の取付け部分の構成説明図。
【図5】支持台の構成説明図。
【図6】溝嵌め込み具の構成説明図。
【図7】高さ調節部の構成説明図。
【図8】猫用遊戯装置の各部の構成説明図。
【図9】支柱に対する支持台の取り付け手順を示す説明図。
【図10】溝嵌め込み具の作用説明図。
【図11】他の実施例における猫用遊戯装置の外観図。
【図12】他の実施例における猫用遊戯装置の正面図(a)、右側面図(b)。
【図13】図12(a)のA−A線矢視図(c)、図12(a)のB−B線矢視図(d)、猫用遊戯装置の底面図(e)。
【図14】他の実施形態における支持台の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0040】
この発明の一実施形態を、以下図面を用いて説明する。
本実施形態における猫用遊戯装置10は、図1から図7に示すように構成している。
なお、図1は、猫用遊戯装置10の外観図であり、猫Cが遊戯したり休息している様子を示す。図2は、猫用遊戯装置10の正面図(a)、右側面図(b)である。図3は、図2(a)のA−A線矢視図(c)、図2(a)のB−B線矢視図(d)、猫用遊戯装置10の底面図(e)である。図4は、支柱11に対する棚21Aの取付け部分の構成説明図である。図5は、棚21Aの平面図(a1)、A−A線断面図(a2)、ハンモック型支持台21Bの長手方向の断面図(b)を示す。図6は、溝嵌め込み具41の平面図(a)、右側面図(b)、底面図(c)、B−B線断面図(d)、A−A線断面図(e)を示す。図7は、高さ調節部61の正面図である。
【0041】
上記猫用遊戯装置10は、床と天井との間で突張り状態で設置する支柱11と、ペットを支持する支持台21と、上記支柱11の上下方向の後述する各部位に上記支持台21を支持可能に形成した鍔状のフランジ部31と、溝嵌め込み具41を備えて構成している。
【0042】
上記猫用遊戯装置10は、上記支柱11の上方に天井に押し当てる天井押当て部材51を備え、該支柱11と天井押当て部材51との間に、天井押当て部材51の高さを調節する高さ調節部61を構成している。さらに、支柱11の下端部には、下端部に床面に設置可能な円板状のベース板71を鍔状に取り付けている。
【0043】
上記支柱11は、金属製の円柱パイプで構成し、該支柱11の下端部において円板状のベース板71を支柱固定ビス72(図3(e)参照)により一体に取り付けている。
詳しくは、図2(b)中の拡大断面図に示すように、支柱11の下端部には、上方へ向けて穿孔された螺旋穴81が形成され、ベース板71の中心部分には、貫通孔82が形成されている。支柱11の下端部にベース板71の中心部分が一致するよう配した状態で支柱固定ビス72をベース板71の底面側から貫通孔82を通じて螺旋穴81に螺合することにより、支柱11に対してベース板71を一体に取り付けている。
【0044】
支柱11は、軸方向の略中間部分において2分割可能に構成している。
詳しくは、支柱11は、図8に示すように、軸方向の上側に位置する上側分割柱体11Uと、下側に位置する下側分割柱体11Dとの2部材で構成し、下側分割柱体11Dの上端部には、上方へ突出した螺旋軸12を形成され、上側分割柱体11Uの下端部には、上記螺旋軸12と螺合可能な螺旋孔13が形成されている。
【0045】
上記支持台21は、平面視円形状をした木製の棚21Aと、ハンモック型支持台21Bとの2種類で構成している。なお、図1、及び、図2中、支柱11に取り付けた支持台21のうち、最上部に取り付けた支持台21がハンモック型支持台21Bであり、それ以外の支持台21が棚21Aである。
【0046】
上記棚21Aは、一方向がそれと直交する直交方向よりも僅かに長い平面視略正円をした楕円形状で形成している。棚21Aの表面には、ポリエステル生地で表面を柔軟な起毛状に形成した棚被覆カバー22Aにより被覆されている(図3参照)。上記棚21Aは、図5(a1),(a2)に示すように、その重心位置(中心位置)よりも長軸部分の一方の端部側へ偏移した位置、すなわち、長軸方向の一端側部分に支柱11の挿通を許容する挿通許容孔23Aを形成し、さらに、棚21Aの外周側と上記挿通許容孔23Aまでの間には、上記支柱11の太さに相当する幅を有して切り欠いた切欠き溝24Aを形成している。
【0047】
上記切欠き溝24Aは、上記棚21Aにおける上記挿通許容孔23Aと上記棚21Aの外周側との経路が最短となる最短経路部分に形成している。
【0048】
棚21Aの上記挿通許容孔23Aの外周側部分には、フランジ部31に取り付けるための4つの螺旋穴25Aを挿通許容孔23Aの外周側に90度のピッチで合計4つ形成している。
【0049】
ハンモック型支持台21Bは、図3(c)、図5(b)に示すように、ハンモック本体部26とフランジ取付部27とで構成している。
ハンモック部本体部26は、円環状の外周フレーム28と、外周フレーム28を含む全体を被覆可能にポリエステル生地で表面を柔軟な起毛状に形成した布22Bとで構成している。
【0050】
フランジ取付部27は、ハンモック本体部26の外周側の一部位から外側へ突出した突片状に形成し、支柱11に対して取り付け可能に挿通許容孔23B、及び、切欠き溝24Bを、それぞれ棚21Aに形成した挿通許容孔23A、切欠き溝24Aと同様の構成で形成し、棚21Aの螺旋孔13に相当する部位には、貫通孔25Bを形成している。
【0051】
フランジ部31は、図3(d)、図4に示すように、外周部分に対して中央部分が凹状である円板状に形成している。フランジ部31の中央部分に有する凹状部32には、支柱11を挿通可能な挿通孔34が形成されている。フランジ部31の外周部分には、棚21Aに形成した螺旋穴25Aと挿通可能な連通孔34を、周方向に8等分配するよう形成し、締結ボルト35を差込み可能に形成している。すなわち、連通孔34は周方向において45度ピッチで合計8つ形成し、これら8つの連通孔34のうち、4つの連通孔34が棚21Aの螺旋穴25Aと連通可能に形成している。
【0052】
フランジ部31は、合計6つ備え、それぞれ支柱11の軸方向において略7等分割する6つの各部分において一体に固着されている(図3(d)参照)。
【0053】
フランジ部31は、挿通孔33を通じて支柱11に挿通された状態で、支柱11に対する接触部分を一体に熱溶着されている。熱溶着部分Yは、凹状部32に有するため、フランジ部31に支持台21を載置したとき、熱溶着部分Yは、フランジ部31と支持台21との内側に配され、これらフランジ部31と支持台21とに隠蔽されるため、外観上の見栄えを良好に保つことができる(図4参照)。
【0054】
また、図2(b)の一部拡大図、及び、図8に示すように、支柱11には、支持台21を支持するための上述したフランジ部31とは別に、ベース板当接用フランジ部85を溶着している。
【0055】
詳しくは、ベース板当接用フランジ部85は、支柱11をベース板71に取り付けたとき、ベース板71の中央に形成された貫通孔82の周縁部に当接可能に支柱11の下部に溶着している。さらに、このベース板当接用フランジ部85は、外周部分に挿通孔34を形成していない以外は上述したフランジ部31と同一形状であるが、フランジ部31の取り付け形態に対して上下反転させた取り付け形態、すなわち、外周部分に対して中央部分が上方へ突出した取り付け形態で支柱11に溶着している。
【0056】
溝嵌め込み具41は、切欠き溝24Aに嵌め込み可能に構成している。
溝嵌め込み具41は、図6に示すように、溝嵌込み具本体42と、該溝嵌込み具本体42の下面から上記連通孔34へ差し込んで係合可能に突出した係合突部43とで合成樹脂による一体成形により構成している。
【0057】
溝嵌込み具本体42は、上記切欠き溝24Aに嵌め込み可能に切欠き溝24Aの溝幅D(図5(a1)参照)に相当する幅d(図6(d)参照)を有した直方体形状で形成し、長手方向の一方の側は、支柱11の外周面に当接可能に平面視円弧状に凹んだ支柱当接部44を形成している。
【0058】
溝嵌込み具本体42の外壁面は、溝嵌込み具本体42を切欠き溝24Aに嵌め込んだとき、棚21Aの外周面と同じ曲率の円弧状の外周面部42aと、棚21Aの上面と同じ平坦状の上面部42bとで構成し、切欠き溝24Aに嵌め込んだとき、棚21Aの上面と外周面に対して略面一になるよう構成している。
【0059】
上記天井押当て部材51は、ポリアミド(P.A樹脂)により形成し、下面中央部に後述する押当て部67の押し当てを許容する凹状の押当て許容部51aを形成している。
【0060】
高さ調節部61は、図7に示すように、第一高さ調節部61Aと第二高さ調節部61Bとで構成している。
なお、図7は、高さ調節部61の構成を一部断面で示した構成説明図である。
【0061】
上記第一高さ調節部61Aは、上記天井押当て部材51を下側から押し上げ可能に支柱11に対して上下動する押上げ杆62と、該押上げ杆62を支柱11に対して固定する押上げ杆調節固定ノブ63とで構成している。
【0062】
上記押上げ杆62は、図8に示すように、例えば、500mm程度の長さを有した円柱型パイプで構成するとともに、支柱11の上側分割柱体11Uの中空部11Aに上端部から差込み可能な外径で構成している。
【0063】
押上げ杆調節固定ノブ63は、支柱11の上端部に取り付けられ、中空部11Aへ螺子込み可能に備えている。
【0064】
押上げ杆調節固定ノブ63を、支柱11の中空部11Aにおいて上記押上げ杆62へ側方から押し当てることにより、本体フレーム14に対する上記押上げ杆62を所定の高さ位置(上方への突き出し量)で固定(保持)することができる。
【0065】
一方、上記第二高さ調節部61Bは、上記押上げ杆62の上部から突出した螺旋軸64と、該螺旋軸64に螺動可能に係合するとともに、上記天井押当て部材51を下側から押し当て可能な押当て部67を上端部に備えた高さ調節パイプ65と、高さ調節パイプ65を上方へ付勢すべく押上げ杆62の上部と高さ調節パイプ65との間に介在させた付勢バネ66とで構成している。
【0066】
上記高さ調節パイプ65は、合成樹脂により筒状に形成し、その内周部に上記螺旋軸64と螺合可能な螺子部65bを形成しているため、押上げ杆62の軸方向に沿ってナットのように螺動する。
【0067】
さらに、高さ調節パイプ65の外周部には、人が摘んで螺動可能に180°のなす角でそれぞれ半径方向外側へ突出した一対の摘み片部65aを形成している。
【0068】
次に、上述した構成の猫用遊戯装置10を、室内に設置する手順について説明する。
猫用遊戯装置10は、床面と天井との間での突張りにより設置することができる。このような突張り状態で設置するため、天井押当て部材51を支柱11に対して天井に押し当て可能な適切な高さに調節する。
【0069】
詳しくは、まず支柱11のベース板71を部屋内の所望の設置箇所に設置する。
なお、このとき、フランジ部31には、支持台21を取り付けた状態であってもなくてもいずれでも構わない。
【0070】
天井押当て部材51の第一の高さ調節として、支柱11の上端に対して押上げ杆62をそれぞれ天井に達するまで上方へスライドさせることにより、大まかな高さ調節を行う。
【0071】
この第一の高さ調節により、天井押当て部材51を天井に軽く押し当てることができるため、支柱11が不測に転倒することを回避することができる。このように押上げ杆62を上方へスライドさせればよいため、高さ調節すべき間隔(ストローク)が長い場合であっても、容易に高さ調節を行うことができる。
【0072】
続いて、第二の高さ調節として、高さ調節パイプ65を螺旋軸64に対して螺動させることにより、より微妙(厳密)な高さ調節を行う。
【0073】
この第二の高さ調節は、第一の高さ調節に比べて調節可能なストロークが短いが、微妙な調節が可能であるため、支柱11を設置後にペットが使用してもガタつくことなく、また、天井に押し当て過ぎて天井材を破損することもなく、押当て部67により天井押当て部材51を押し上げることで適切な押し当て力で天井押当て部材51を天井に押し当てることができる。
【0074】
続いて、この支柱11への支持台21の取り付けについて図9を用いて説明する。
なお、図9は、支柱11に対して棚21Aを取り付ける手順を示す説明図であり、図9(a)は、支柱11に対して棚21Aを差し込んで仮止めする様子を示し、図9(b)は、締結ボルト35により棚21Aをフランジ部31に対して一体に締結する様子を示し、図9(c1),(c2)は、切欠き溝24Aに溝嵌め込み具41を嵌め込む様子を示し、ている。
【0075】
図9(a)に示すように、棚21Aを支柱11の側へ移動させて棚21Aの切欠き溝24Aに支柱11を側方から差し込むことにより、支柱11が挿通許容孔23Aに配されるようフランジ部31の上方において支柱11に対して仮止めすることができる。
【0076】
また、挿通許容孔23Aは、上述したように、棚21Aの重心位置から偏移した位置、詳しくは、楕円形状の長軸部分の一端側に形成しているため、棚21Aは、支柱11に対して外側の一方向へ突出した差し込み形状となる(図9(a)中の仮想線で示した棚21A参照)。このため、支柱11が挿通許容孔23Aに配された状態で棚21Aを支柱11回りに棚21Aを回動させながら棚21Aの取り付け方向(支柱11に対する突出方向)を決定することができる。
【0077】
フランジ部31には、周方向において連通孔34を45度ピッチで形成しているため、支持台21をフランジ部31に対して45度ピッチの任意の取り付け方向で選択して取り付けることができる。
【0078】
支持台21を所望の取り付け方向で取り付けることを決定すると、締結ボルト35によりフランジ部31に対して支持台21を一体に締結することでフランジ部31に対して支持台21を一体に取り付けることができる。
【0079】
支持台21が棚21Aである場合は、図9(b)に示すように、締結ボルト35をフランジ部31の下側からフランジ部31の連通孔34、及び、棚21Aの螺旋穴25Aに対して差し込んで、これら棚21Aとフランジ部31とを一体に締結することができる。
【0080】
なお、支持台21がハンモック型支持台21Bの場合は、図5(b)に示すように、締結ボルト35をフランジ取付部27の上方から該フランジ取付部27の貫通孔25B、及び、フランジ部31の連通孔34に対して差し込み、該締結ボルト35に対して、フランジ部31の下側からワッシャ83を介してナット84を取り付け、該締結ボルト35とナット84とでこれらフランジ取付部27とフランジ部31とを一体に締結している。
【0081】
最後に、支持台21が棚21Aである場合、図9(c1),(c2)に示すように、棚21Aに有する切欠き溝24Aに溝嵌め込み具41を嵌め込む。このとき、溝嵌め込み具41の下方から突出した係合突部43は、フランジ部31の連通孔34に差し込まれ、該連通孔34の周縁部に係合した状態で取りつけることができる。
【0082】
切欠き溝24Aは、溝嵌め込み具41により隠蔽されるため、棚21Aの表面に凹みがなく、見栄えのよい取り付け状態とすることができる。
【0083】
このように支柱11に対して複数の支持台21を取り付けることにより、例えば、図1に示すように、支持台21を高さが高くなるに連れ90度ピッチずつずらした螺旋階段状に取り付けることができる。
【0084】
上述した一連の取り付け作業において、支持台21は、フランジ部31に支持された状態となるため、棚21Aの荷重を受けずに棚21Aに軽く手を添える程度で棚21Aを支柱11に取り付けたり、棚21Aの取り付け方向を変更することが容易にできる。
【0085】
また、棚21Aのフランジ部31に対する上述とは異なる取り付け手順について説明する。
棚21Aを所望の取り付け方向で取り付けることを選択した後において、棚21Aをフランジ部31に対して締結ボルト35により締結する前に、溝嵌め込み具41を切欠き溝24Aに嵌め込んでもよい。
これにより、棚21Aをフランジ部31に対して周方向において位置決めした状態で仮止めすることができ、締結ボルト35で容易に本締めすることができる。
【0086】
詳しくは、棚21Aの切欠き溝24Aに支柱11の側方部分を差込んで、棚21Aがフランジ部31に支持された状態としたとき、該棚21Aが支柱11に対してフランジ部31の周方向において僅かに位置ずれした差込状態ととなることがある。
【0087】
この場合、フランジ部31の連通孔34と棚21Aの螺旋穴25Aとが周方向において一致せずに上下方向に真直ぐに連通しないため、締結ボルト35を螺旋穴25Aに差し込むことが困難になる。
【0088】
このため、締結ボルト35を螺旋穴25Aに差し込む前に、図10(a1)に示すように、上記溝嵌め込み具41を、棚21Aに形成された切欠き溝24Aに嵌め込む。嵌込み具本体42は、切欠き溝24Aの溝幅に嵌め込み可能であり、且つ、切欠き溝24Aの溝幅と略同じ幅で形成しているため、切欠き溝24Aに嵌め込んだとき、該切欠き溝24Aの幅方向の両側に当接した状態で嵌め込むことができる。
【0089】
このため、フランジ部31に対して棚21Aが周方向において僅かに位置ずれしている場合、上記溝嵌め込み具41を、棚21Aに形成された切欠き溝24Aに嵌め込む際に、係合突部43のテーパ状の先端部の一部分が連通孔34の周縁部に対して過度に当接することになる(図10(a1)の拡大図X参照)。
【0090】
この当接により、上記溝嵌め込み具41を切欠き溝24Aに嵌め込む力を、棚21Aを周方向へスライドさせる力へと変換することができる(図10(a1)の拡大図Y1、図10(b1)の拡大図Y2参照)。
【0091】
よって、図10(a2)に示すように、上記溝嵌め込み具41を切欠き溝24Aに嵌め込んで、係合突部43が連通孔34に差し込まれたとき、フランジ部31に対する棚21Aの周方向への位置ずれを矯正することができ、図10(b2)に示すように、螺旋穴25Aと連通孔34とが周方向において一致した状態となり、棚21Aを、フランジ部31の周方向において位置決めすることができる。
【0092】
よって、図10(b3)に示すように、締結ボルト35を連通孔34を通じて螺旋孔13へ容易に差し込んでフランジ部31と棚21Aとを一体に締結することができる。
【0093】
なお、係合突部43が連通孔34に差し込まれたとき、該係合突部43は、連通孔34の周縁部分に係合した状態になるため、不測に上記溝嵌め込み具41が切欠き溝24Aから取り外れることなく、強固に取り付けることができる。
【0094】
上記猫用遊戯装置10は、上述した効果にも、以下のような優れた効果を奏することができる。
上記猫用遊戯装置10は、上述したように、支柱11に対する支持台21の取り付け方向を任意に変更することができるため、図1に示したように支持台21を螺旋階段状に取り付けるに限らず、様々な取り付け形態で取り付けることができる。
【0095】
例えば、図11、図12に示すように、上記猫用遊戯装置10は、支柱11の周方向のおける一方向において支柱11に対して各側に支持台21を交互に配した状態で取り付けることができる。
【0096】
また、上述したように、上記挿通許容孔23Aを上記支持台21の重心位置よりも平面視側方へ偏移した位置、すなわち、平面視外周縁部分に形成することにより、支持台21は、支柱11が邪魔になることのないペットが載上し易い広い面を確保することができる。
【0097】
また、猫用遊戯装置10は、上記第一高さ調節部61Aと、上記第二高さ調節部61Bとを備えているため、これらを用いて高さ調節を容易に行うことができる(図7参照)。
【0098】
詳しくは、上記第一高さ調節部61Aを用いれば、例えば、高さ調節する距離(ストローク)が長い場合であっても、押上げ杆62をスライドさせることにより一気に高さ調節を行なうことができる。
さらにその後で、上記第二高さ調節部61Bを用いれば、押当て部67が上記天井押当て部材51に押し当たった状態で螺旋軸64に対して押上げ部材を螺動させて上記天井押当て部材51を押し上げるなどすることで微妙な高さ調整を行うことができる。
【0099】
以上により、猫用遊戯装置10を、天井押当て部材51を天井に押し当てて天井と接地面との間で突張った状態で、しっかりと設置することができる。
【0100】
さらに、上記天井押当て部材51は、第一高さ調節部61Aと第二高さ調節部61Bとは別部材で独立した部材で構成しているため、支柱11の上端部に有する天井押当て部材51を支柱11に対して容易に分離して取り外すことができ、屋内に設置する際や不使用時に収納する際に容易に分離してコンパクトな形態で収納することができる。
【0101】
上記構成により、ベース板71を上記支柱11に対して取り外し可能に構成し、上記支柱11は、その長手方向において上側分割柱体11Uと下側分割柱体11Dとの2部材に分割可能に構成しているため、不使用時に邪魔にならずにコンパクトな形態とすることができ、場所を要さずに収納することができる。
【0102】
また、猫用遊戯装置は、上述した実施形態に限らず、様々な実施形態で構成することができる。
例えば、棚は、上述したように平面視略正円をした楕円形状に限らず、図14(a)に示す棚21Cのように、平面視長方形状、図14(b)に示す棚21Dのように、短軸に対して長軸が十分に長い(約二倍以上の長さである)平面視長方形状、図14(c)に示す棚21Eのように、先端側に進むに連れ幅広となる平面視形状、図14(d)に示す棚21Fのように、平面視楕円形状、図14(e)に示す棚21Gのように、耳部を有する熊の頭部をした平面視形状など、様々な平面視形状で形成することができる。
【0103】
上述した実施形態と、この発明の構成との対応において、猫用遊戯装置10は、ペット用遊戯装置に対応し、以下同様に、
挿通許容孔23A,23Bは、挿通許容部に対応し、
螺旋穴25A、又は、貫通孔25Bは、差込み孔に対応し、
締結ボルト35は、締結手段に対応し、
高さ調節パイプ65は、押上げ部材に対応し、
第一高さ調節部61Aは、第一高さ調節手段に対応し、
第二高さ調節部61Bは、第二高さ調節手段に対応し、
押上げ杆調節固定ノブ63は、押上げ杆固定部材に対応し、
ベース板71は、設置台に対応するものとする。
【符号の説明】
【0104】
10…猫用遊戯装置
11…支柱
11U…上側分割柱体
11D…下側分割柱体
21…支持台
21A…棚
21B…ハンモック型支持台
23A,23B…挿通許容孔
24A,24B…切欠き溝
25A…螺旋穴
25B…貫通孔
31…フランジ部
35…締結ボルト
34…連通孔
41…溝嵌め込み具
43…係合突部
51…天井押当て部材
61A…第一高さ調節部
61B…第二高さ調節部
62…押上げ杆
63…押上げ杆調節固定ノブ
64…螺旋軸
65…高さ調節パイプ
67…押当て部
71…ベース板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置面と天井との間で突張り状態で設置する支柱と、
ペットが載上可能な支持台と、
上記支柱の上下方向の所定部位に上記支持台を支持可能に形成した鍔状のフランジ部とを備えて構成したペット用遊戯装置であって、
上記フランジ部と上記支持台とを取り外し可能に固定する固定手段を備え、
上記支持台に上記支柱の挿通を許容する挿通許容部を形成し、
上記支持台に、上記支柱の太さに相当する幅を有して外周側から上記挿通許容部まで切り欠いた切欠き溝を形成し、
上記切欠き溝を隠蔽可能に該切欠き溝に嵌め込む溝嵌め込み具を備えた
ペット用遊戯装置。
【請求項2】
上記挿通許容部を上記支持台の重心位置よりも平面視側方へ偏移した位置に形成し、
上記切欠き溝を、上記支持台における上記挿通許容部と上記支持台の外周側との経路が最短となる最短経路部分に形成した
請求項1に記載のペット用遊戯装置。
【請求項3】
上記固定手段を締結手段で構成し、
上記支持台に締結手段の挿入を許容する差込み孔を形成し、
上記締結手段の挿入を許容するとともに上記差込み孔と連通可能な連通孔を、上記フランジ部の周方向において等分配部分に形成し、
上記溝嵌め込み具の下部に、上記連通孔へ差し込んで係合する係合突部を形成した
請求項1、又は、2に記載のペット用遊戯装置。
【請求項4】
上記支柱の下部に、設置面に設置される設置台を備え、
上記設置台を上記支柱に対して取り外し可能に構成し、
上記支柱を長手方向において分割可能に構成した
請求項1から3のいずれかに記載のペット用遊戯装置。
【請求項5】
天井に押し当てる天井押当て部材を備え、
上記支柱の上部に、上記天井押当て部材の高さ調節を可能とする第一高さ調節手段と第二高さ調節手段を備え、
上記第一高さ調節手段を、
上記支柱に対してスライド可能に構成した押上げ杆と、
該押上げ杆を上記支柱に固定する押上げ杆固定部材とで構成し、
上記第二高さ調節手段を、
上記押上げ杆の上部から突出した螺旋軸と、
該螺旋軸に螺動可能に係合するとともに、上記天井押当て部材を下側から押し当て可能な押当て部を上端部に備えた押上げ部材とで構成した
請求項1から4のいずれかに記載のペット用遊戯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−103797(P2011−103797A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−260843(P2009−260843)
【出願日】平成21年11月16日(2009.11.16)
【出願人】(000137188)株式会社ボンビ (30)