説明

ペプチド−ペプチド結合ドメイン相互作用を調節するための生成物および方法

本発明は、細胞増殖性疾患を治療するための治療的化合物およびこれらの治療的化合物の使用の方法に関する。本発明はまた、ポロ様キナーゼの3次元構造、およびこれらの構造を用いて小分子阻害剤を設計または選択するための方法、およびそのような化合物の治療的使用を提供する。本発明はまた、新規なリンペプチド結合ドメインを同定するための方法を含む。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のものをその中に保存している、メモリーと通信するプロセッサーを含むコンピューター:
(i)ポロボックスドメイン(Polo-box domain)の以下の残基:His-538、Lys-540、Trp-414もしくはLeu-491のそれぞれについての表5からの少なくとも1つの原子座標もしくはその代用物、または3Å未満の該座標の標準偏差を有する原子座標;および
(ii)該座標の3次元モデルを作成するためのプログラム。
【請求項2】
前記座標がヘテロ原子についてである、請求項1記載のコンピューター。
【請求項3】
前記座標が側鎖原子についてである、請求項1記載のコンピューター。
【請求項4】
前記座標が側鎖およびヘテロ原子についてである、請求項1記載のコンピューター。
【請求項5】
以下のものをその中に保存している、メモリーと通信するプロセッサーを含むコンピューター:
(i)ポロボックスドメインの残基:His-538、Lys-540、Trp-414もしくはLeu-491の非水素原子の少なくとも1つについてのX線回折データ、または3Å未満の該残基のバックボーン原子からの標準偏差を有するアミノ酸についてのX線回折データ;および
(ii)ポロボックスドメインの3次元モデルを作成するためのプログラム。
【請求項6】
メモリーと通信するプロセッサーを含むコンピューターであって、メモリーがその中に、ポロボックスドメインを結合するリンペプチドのファルマコフォアモデル、および該モデルを示すためのプログラムを保存しており、該モデルが以下の少なくとも1つを含むコンピューター:
(i)少なくとも1つの水素結合相互作用に関与するトレオニンにおけるリン酸基;および
(ii)pThr-1位におけるセリンであって、Ser-1側鎖がPlk1表面へ向けられている、セリン。
【請求項7】
前記セリンが以下の少なくとも2つに関与する、請求項6記載のコンピューター:
(i)PBDのTrp-414主鎖原子との水素結合相互作用;
(ii)PBDのLeu-491主鎖カルボニルとの水素結合相互作用;および
(iii)PBDのTrp-414インドール側鎖からのCδ1とのファンデルワールス相互作用。
【請求項8】
前記モデルがpThr+1位にプロリンをさらに含み、該プロリンが、pThr+2主鎖アミノ基がPBDと接触するのを可能にするねじれを導入する、請求項6記載のコンピューター。
【請求項9】
以下の段階を含む、ポロボックスドメインの候補リガンドを選択または設計する方法:
(a)以下の残基:His-538、Lys-540、Trp-414もしくはLeu-491のそれぞれについての表5からの少なくとも1つの原子座標もしくはその代用物、または3Å未満の該座標からの標準偏差を有する原子座標を有するポロボックスドメインの3次元構造を作成する段階;および
(b)水溶液においてポロボックスドメインを結合するのに該構造に相補的な十分な表面を有する候補リガンドを選択または設計する段階。
【請求項10】
以下の段階を含む、ポロボックスドメインリガンドを製造するための方法:
(a)リガンドを有するポロボックスドメインの少なくとも1つの残基の原子座標を得る段階;
(b)修飾されるべき該リガンドにおける1つまたは複数の部分を決定する段階であって、該修飾されたリガンドが該ポロボックスドメインを結合する能力を維持している、段階;および
(c)該決定に基づいて該リガンドを修飾する段階。
【請求項11】
ポロボックスドメインをリガンドと共に結晶化する段階をさらに含む、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記リガンドがポロボックスドメインを特異的に結合する、請求項10記載の方法。
【請求項13】
修飾が前記リガンドのポロボックスドメインへの親和力を増加させる、請求項10記載の方法。
【請求項14】
修飾が前記リガンドの溶解性を増加させる、請求項10記載の方法。
【請求項15】
修飾がインビボで前記リガンドの半減期を増加させる、請求項10記載の方法。
【請求項16】
ポロボックスドメインを結合するリガンドを製造する段階を含む、ポロボックスドメインリガンドを製造するための方法であって、該リガンドが、ポロボックスドメインの少なくとも一部の原子座標のモデルを用いて得られる情報に基づいて設計または選択される、方法。
【請求項17】
以下の段階を含む、候補リガンドの、ポロボックスドメインを結合する能力を評価する方法:
(a)以下の残基:His-538、Lys-540、Trp-414もしくはLeu-491のそれぞれについての表5からの少なくとも1つの原子座標もしくはその代用物、または3Å未満の該座標からの標準偏差を有する原子座標を有するポロボックスドメインの3次元構造を作成する段階;および
(b)候補リガンドと該ポロボックスドメインとの間の相互作用を測定する手段を使用する段階。
【請求項18】
以下の段階を含む、ポロボックスドメインの候補リガンドを同定する方法:
(a)請求項6のコンピューターを用いてポロボックスドメインリガンドの3次元ファルマコフォアモデルを作成する段階;および
(b)該ファルマコフォアモデルの基準を満たす候補リガンドを選択する段階。
【請求項19】
前記候補リガンドの、インビトロまたはインビボでポロボックスドメインを結合する能力を測定する段階をさらに含む、請求項10、16、17または18のいずれか一項記載の方法。
【請求項20】
前記候補リガンドの、インビトロまたはインビボでポロボックスドメインの酵素活性を変化させる能力を測定する段階をさらに含む、請求項10、16、17または18のいずれか一項記載の方法。
【請求項21】
前記3次元構造が、残基:His-538、Lys-540、Trp-414またはLeu-491の水素原子をさらに含む、請求項10、16、17または18のいずれか一項記載の方法。
【請求項22】
リンペプチド複合体に結合したポロボックスドメインを含む、ポロ様キナーゼ複合体の結晶。
【請求項23】
前記ポロ様(Polo-like)キナーゼがPlk-1である、請求項22記載の結晶。
【請求項24】
Plk-1がSEQ ID NO:1の少なくともアミノ酸1位〜603位を含む、請求項22記載の結晶。
【請求項25】
Plk-1が少なくともアミノ酸95位〜603位を含む、請求項24記載の結晶。
【請求項26】
Plk-1が少なくともアミノ酸326位〜603位を含む、請求項22記載の結晶。
【請求項27】
Plk-1が少なくともアミノ酸367位〜603位を含む、請求項22記載の結晶。
【請求項28】
リンペプチドがアミノ酸配列

を含み、ここでφが疎水性アミノ酸を表している、請求項22記載の結晶。
【請求項29】
リンペプチドがアミノ酸配列

を含む、請求項22記載の結晶。
【請求項30】
前記ポロ様キナーゼがPlk-2である、請求項22記載の結晶。
【請求項31】
ポロ様キナーゼがPlk-3である、請求項22記載の結晶。
【請求項32】
表5における原子座標の少なくとも一部および対象となるポロボックスドメインのアミノ酸配列の少なくとも一部を用い、それにより対象となるポロボックスドメインのモデルを作成する相同性モデリングを含む、対象となるポロボックスドメインの構造的モデルを得る方法。
【請求項33】
以下の段階を含む、対象となるポロボックスドメイン/リンペプチド複合体の3次元構造を測定する方法:
(a)対象となるポロボックスドメイン/リンペプチド複合体を結晶化する段階;
(b)対象となる結晶化ポロボックスドメインからX線回折パターンを作成する段階;および
(c)対象となるポロボックスドメイン/リンペプチド複合体の少なくとも一部の3次元電子密度図を作成するために、表5における電子座標の少なくとも一部を該回折パターンに適用する段階。
【請求項34】
Xが任意のアミノ酸である、S-[pS/pT]-P/Xを含むリンペプチドと複合した、ヒトPlk-1 ポロボックスドメインの残基367位〜603位を含む、単離された、ポロボックスドメインの完全長未満の断片。
【請求項35】
Xが任意のアミノ酸である、S-[pS/pT]-P/Xを含むリンペプチドと複合した、ヒトPlk-2 ポロボックスドメインの残基500位〜685位を含む、単離された、ポロボックスドメインの完全長未満の断片。
【請求項36】
Xが任意のアミノ酸である、S-[pS/pT]-P/Xを含むリンペプチドと複合した、ヒトPlk-3 ポロボックスドメインの残基421位〜607位を含む、単離された、ポロボックスドメインの完全長未満の断片。
【請求項37】
以下の突然変異を含む、単離されたポロボックスドメインタンパク質またはその断片:
(a)ポロボックスドメインの結晶化する能力を増強する突然変異;
(b)組換え発現に用いられる生物体において別なふうに翻訳後修飾される残基の突然変異;
(c)ポロボックスドメインのNH2もしくはCOOH末端残基の突然変異;
(d)リンペプチドへのポロボックスドメインの親和力を増加させるもしくは減少させる突然変異;または
(e)ポロボックスドメインの折り畳みを変化させる突然変異。
【請求項38】
His-538、Lys-540、Trp-414またはLeu-491に突然変異をさらに含む、請求項34記載のタンパク質または断片。
【請求項39】
請求項34〜38のいずれか一項記載のタンパク質をコードする核酸。
【請求項40】
φが疎水性アミノ酸を表している、アミノ酸配列

を含むリンペプチド。
【請求項41】
Pro-Met-Gln-Ser-pThr-Pro-Leuを含むリンペプチドであって、該リンペプチドがヒトPlk-1を結合する、請求項40記載のリンペプチド。
【請求項42】
アミノ酸配列、

を含むリンペプチドであって、pSerおよびpThrがリン酸化セリンおよびリン酸化トレオニンであり、P-3、P-2またはP-1に指定されたアミノ酸が天然または非天然のアミノ酸でありうる、リンペプチド。
【請求項43】
アミノ酸配列、

をさらに含むリンペプチドであって、X1aaおよびX2aaが任意のアミノ酸であり、かつpSerおよびpThrがリン酸化セリンおよびリン酸化トレオニンである、請求項40記載のリンペプチド。
【請求項44】
X1aaがプロリンであり、かつX2aaが任意のアミノ酸である、請求項42記載のリンペプチド。
【請求項45】
X1aaが任意のアミノ酸であり、かつX2aaがアラニン、ロイシン、バリン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシンおよびトリプトファンである、請求項42記載のリンペプチド。
【請求項46】
X2aaがロイシンである、請求項42記載のリンペプチド。
【請求項47】
P-3位のアミノ酸がメチオニンである、請求項42記載のリンペプチド。
【請求項48】
P-2位のアミノ酸がグルタミンである、請求項42記載のリンペプチド。
【請求項49】
P-1位のアミノ酸がセリンである、請求項42記載のリンペプチド。
【請求項50】
P0位のアミノ酸がリン酸化セリンである、請求項42記載のリンペプチド。
【請求項51】
P0位のアミノ酸がリン酸化トレオニンである、請求項42記載のリンペプチド。
【請求項52】
P+1位のアミノ酸がプロリンである、請求項42記載のリンペプチド。
【請求項53】
アミノ酸配列が

であり、ここでX1aaが任意のアミノ酸であり、かつpThrがリン酸化トレオニンであり、かつpSerがリン酸化セリンである、請求項42記載のリンペプチド。
【請求項54】
前記リンペプチドが25個のアミノ酸残基を超えない、請求項42記載のリンペプチド。
【請求項55】
前記リンペプチドが15個のアミノ酸残基を超えない、請求項54記載のリンペプチド。
【請求項56】
リンペプチドが10個のアミノ酸残基を超えない、請求項53記載のリンペプチド。
【請求項57】
請求項40〜56のいずれか一項記載のリンペプチドのうちの任意のリンペプチドの治療的有効量、および薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物であって、該薬学的組成物が、不適当な細胞周期調節により特徴付けられる疾患の治療のために有用である、薬学的組成物。
【請求項58】
細胞増殖性疾患が新生物である、請求項57記載の薬学的組成物。
【請求項59】
第二の化学療法薬をさらに含む、請求項57記載の薬学的組成物。
【請求項60】
第二の化学療法薬がパクリタクセル、ゲムシタビン、ドキソルビシン、ビンブラスチン、エトポシド、5-フルオロウラシル、カルボプラチン、アルトレタミン(altretamine)、アミノグルテチミド、アムサクリン、アナストロゾール、アザシチジン、ブレオマイシン、ブスルファン、カルムスチン、クロラムブシル、2-クロロデオキシアデノシン、シスプラチン、コルヒチン、シクロホスファミド、シタラビン、シトキサン(cytoxan)、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドセタキセル、リン酸エストラムスチン、フロクスウリジン、フルダラビン(fludarabine)、ゲンツツマブ(gentuzumab)、ヘキサメチルメラミン、ヒドロキシウレア、イホスファミド、イマチニブ、インターフェロン、イリノテカン、ロムスチン、メクロレタミン、メルファレン、6-メルカプトプリン、メトトレキセート、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ペントスタチン、プロカルバジン、アレムツツマブ(alemtuzumab)、リツキシマブ、ストレプトゾシン、タモキシフェン、テモゾロマイド(temozolomide)、テニポシド(teniposide)、6-チオグアニン、トポテカン(topotecan)、トラスツツマブ、ビンクリスチン、ビンデシン、ロフェコキシブ、セレコキシブ、エトドラク(etodolac)およびビノレルビン(vinorelbine)からなる群より選択される、請求項59記載の薬学的組成物。
【請求項61】
請求項16記載のリンペプチドの薬学的組成物を投与する段階を含む、患者において細胞増殖性疾患を治療または抑制するための方法であって、該リンペプチドが、患者において細胞増殖性疾患を治療または抑制するのに十分な量である、方法。
【請求項62】
第二の化学療法薬を投与する段階を含み、リンペプチドおよび該化学療法薬が患者において細胞増殖性疾患を治療または抑制するのに十分な量であり、かつ該化学療法薬が同時に、または14日間のリンペプチド投与の間に投与される、請求項61記載の方法。
【請求項63】
第二の化学療法薬がパクリタクセル、ゲムシタビン、ドキソルビシン、ビンブラスチン、エトポシド、5-フルオロウラシル、カルボプラチン、アルトレタミン、アミノグルテチミド、アムサクリン、アナストロゾール、アザシチジン、ブレオマイシン、ブスルファン、カルムスチン、クロラムブシル、2-クロロデオキシアデノシン、シスプラチン、コルヒチン、シクロホスファミド、シタラビン、シトキサン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドセタキセル、リン酸エストラムスチン、フロクスウリジン、フルダラビン、ゲンツツマブ、ヘキサメチルメラミン、ヒドロキシウレア、イホスファミド、イマチニブ、インターフェロン、イリノテカン、ロムスチン、メクロレタミン、メルファレン、6-メルカプトプリン、メトトレキセート、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ペントスタチン、プロカルバジン、アレムツツマブ、リツキシマブ、ストレプトゾシン、タモキシフェン、テモゾロマイド、テニポシド、6-チオグアニン、トポテカン、トラスツツマブ、ビンクリスチン、ビンデシン、ロフェコキシブ、セレコキシブ、エトドラクおよびビノレルビンからなる群より選択される、請求項62記載の方法。
【請求項64】
細胞増殖性疾患が新生物である、請求項61、62または63のいずれか一項記載の方法。
【請求項65】
ポロ様キナーゼ生物活性を調節するペプチド模倣化合物を同定するための方法であって、以下の段階:
(a)請求項1記載のリンペプチドおよびポロボックスドメイン(PBD)ポリペプチドを、該リンペプチドと該PBDとの間で複合体を形成するように接触させる段階;
(b)該複合体を候補化合物と接触させる段階;ならびに
(c)PBDからの該リンペプチドの置換を測定する段階
を含み、ここでPBDからの該リンペプチドの該置換が、候補化合物がポロ様キナーゼ生物活性を調節するペプチド模倣化合物であることを示している、方法。
【請求項66】
ポロ様キナーゼ生物活性を調節するペプチド模倣化合物を同定するための方法であって、以下の段階:
(a)候補化合物の存在下において、請求項1記載のリンペプチドおよびPBDを接触させる段階;ならびに
(b)該リンペプチドとPBDの結合を測定する段階
を含み、ここで候補化合物の非存在下における該リンペプチドとポリペプチドの結合量と比較した結合量の低下が、候補化合物がポロ様キナーゼ生物活性を調節するペプチド模倣化合物であることを示している、方法。
【請求項67】
前記リンペプチドまたはPBDが検出可能に標識されている、請求項65または66記載の方法。
【請求項68】
前記リンペプチドおよびPBDが異なって標識されている、請求項65または66記載の方法。
【請求項69】
PBDが、Cdc5、Plo-1、Polo、Plx-1、Plx-2、Plx-3、Plk-1、Prk/Fnk、SnkおよびCnkのPBDからなる群より選択される、請求項65または66記載の方法。
【請求項70】
PBDがPlk-1 PBDである、請求項69記載の方法。
【請求項71】
Plk-1 PBDがヒトPlk-1 PBDである、請求項69記載の方法。
【請求項72】
以下の段階を含む、ペプチドおよびペプチド結合ドメインからなる結合ペアを同定するための方法:
(a)各ペプチドが、位置が不変である少なくとも2つの既知のアミノ酸残基を有する、固体支持体に固定されたペプチドの集合を含む偏ったペプチドライブラリーを提供する段階;
(b)プールされたcDNAライブラリーを提供する段階であって、cDNAライブラリーがタンパク質発現について位置している、段階;
(c)検出可能な標識の存在下において、プールされたcDNAライブラリーを発現させる段階;
(d)ペプチドライブラリーおよび発現されたcDNAライブラリーを接触させる段階;ならびに
(e)ペプチドとペプチド結合ドメインの相互作用を検出する段階であって、相互作用がペプチドとペプチド結合ドメインの結合ペアを同定する、段階。
【請求項73】
前記偏ったペプチドライブラリーが固体支持体に共有結合的に結合している、請求項72記載の方法。
【請求項74】
前記偏ったペプチドライブラリーが固体支持体に非共有結合的に結合している、請求項72記載の方法。
【請求項75】
ペプチドがリンペプチドであり、かつペプチド結合ドメインがリンペプチド結合ドメインである、請求項72記載の方法。
【請求項76】
以下の段階を含む、リンペプチドおよびリンペプチド結合ドメインを含む結合ペアを同定するための方法:
(a)各ペプチドが、位置が不変である少なくとも2つの既知のアミノ酸残基を有する、固体支持体に固定されたペプチドの集合を含む偏ったリンペプチドライブラリーを提供する段階であって、各リンペプチドがアミノ末端のビオチン基に共有結合的に連結している、段階;
(b)プールされたcDNAライブラリーを提供する段階であって、プールされたcDNAライブラリーがタンパク質発現について位置している、段階;
(c)検出可能な標識の存在下において、プールされたcDNAライブラリーを発現させる段階;
(d)該リンペプチドライブラリーおよび該発現されたcDNAライブラリーを接触させる段階;ならびに
(e)リンペプチドとリンペプチド結合ドメインの相互作用を検出する段階であって、相互作用の存在がリンペプチドとリンペプチド結合ドメインを同定する、段階。
【請求項77】
以下の段階:
(f)段階(a)の非リン酸化ペプチドを提供する段階、および
(g)ペプチドとリンペプチド結合ドメインの相互作用を検出する段階
をさらに含み、相互作用の非存在が、リンペプチドとリンペプチド結合ドメインの相互作用が信頼できることを示している、請求項76記載の方法。
【請求項78】
以下の段階を含む、ペプチドおよびペプチド結合ドメインからなる結合ペアを同定するための方法:
(a)各ペプチドが、位置が不変である少なくとも2つの既知のアミノ酸残基を有する、固体支持体に固定されたペプチドの集合を含む偏ったペプチドライブラリーを提供する段階;
(b)偏ったペプチドライブラリーを検出可能に標識されたペプチドライブラリーと接触させる段階;ならびに
(c)偏ったペプチドと検出可能に標識されたペプチドの相互作用を検出する段階であって、相互作用がペプチドとペプチド結合ドメインの結合ペアを同定する、段階。
【請求項79】
以下の段階を含む、リンペプチド結合モジュールを同定するための方法:
(a)固定化リンペプチドライブラリーおよび固定化ペプチドライブラリーを提供する段階;
(b)該ライブラリーをポリペプチドまたはポリペプチド断片と接触させる段階;ならびに
(c)優先的な結合を検出する段階であって、該ペプチドライブラリーと比較した該リンペプチドライブラリーへの優先的結合が、ポリペプチドまたはポリペプチド断片をリンペプチド結合モジュールとして同定する、段階。
【請求項80】
以下の段階を含む、非リンペプチド結合モジュールを同定するための方法:
(a)固定化変性リンペプチドライブラリーおよび固定化ペプチドライブラリーを提供する段階;
(b)該ライブラリーをポリペプチドまたはポリペプチド断片と接触させる段階;ならびに
(c)優先的な結合を検出する段階であって、該リンペプチドライブラリーと比較した該ペプチドライブラリーへの優先的結合が、該ポリペプチドまたはポリペプチド断片を非リンペプチド結合モジュールとして同定する、段階。
【請求項81】
以下の段階を含む、DNA損傷応答経路におけるリンペプチド結合モジュールを同定するための方法:
(a)固定化pSerまたはpThr変性リンペプチドライブラリーおよび固定化SerまたはThrペプチドライブラリーを提供する段階;
(b)該ライブラリーをポリペプチドまたはポリペプチド断片と接触させる段階;ならびに
(c)示差的結合を検出する段階であって、該ペプチドライブラリーと比較した該リンペプチドライブラリーへの優先的結合がポリペプチドまたはポリペプチド断片をリンペプチド結合モジュールとして同定する、段階。
【請求項82】
前記リンペプチドまたはペプチドライブラリーが、該ライブラリーにおいて変性した位置にアミノ酸Arg、LysまたはHisをもたない、請求項81記載の方法。
【請求項83】
ポリペプチドまたはポリペプチド断片がインビトロ翻訳(IVT)ポリペプチドである、請求項81記載の方法。
【請求項84】
BRCTドメインを結合するpSerまたはpThrを含む変性リンペプチド。
【請求項85】
pSerまたはpThr +3位に芳香族または脂肪族残基をさらに含む、請求項84記載の変性リンペプチド。
【請求項86】
pSerもしくはpThr +3または+5位に芳香族または脂肪族残基をさらに含む、請求項84記載の変性リンペプチド。
【請求項87】
+1位にGlnまたは芳香族もしくは脂肪族残基をさらに含む、請求項84記載の変性リンペプチド。
【請求項88】
ポリペプチドがアミノ酸配列Y-D-I-(pSerまたはpThr)-Q-V-F-P-Fを含む、請求項87記載の変性リンペプチド。
【請求項89】
BRCTタンデムドメインを含む、リンペプチド結合モジュール。
【請求項90】
BRCTタンデムドメインがPTIPの第三および第四のBRCTドメインの少なくとも100個のアミノ酸を含む、請求項89記載のリンペプチド結合モジュール。
【請求項91】
BRCTペアがBRCA1のBRCTドメインの少なくとも100個のアミノ酸を含む、請求項89記載のリンペプチド結合モジュール。
【請求項92】
前記タンデムドメインがリンペプチド結合において単一モジュールとして機能する、請求項89記載のBRCTタンデムドメイン。
【請求項93】
pSerまたはpThrアミノ酸を含むリンペプチドと複合したPTIPのタンデムBRCTドメインの単離された断片。
【請求項94】
タンデムBRCTリンペプチド結合モジュール、およびpSerまたはpThrを含むリンペプチドを含む複合体。
【請求項95】
タンデムBRCTリンペプチド結合モジュールがリンペプチドと複合したPTIPの断片である、請求項94記載の複合体。
【請求項96】
前記リンペプチドが(pSerまたはpThr)+3位に芳香族または脂肪族残基をさらに含む、請求項94記載の複合体。
【請求項97】
前記リンペプチドが(pSerもしくはpThr)+3位または+5位に芳香族または脂肪族残基をさらに含む、請求項94記載の複合体。
【請求項98】
前記リンペプチドが+1位にGlnまたは芳香族もしくは脂肪族残基をさらに含む、請求項94記載の複合体。
【請求項99】
前記リンペプチドがアミノ酸配列Y-D-I-(pSerまたはpThr)-Q-V-F-P-Fをさらに含む、請求項94記載の複合体。
【請求項100】
新形成の治療または予防のための候補化合物を同定するための方法であって、該方法が、該候補化合物の存在下においてリンペプチド結合モジュールのリンペプチドへの結合を検出する段階を含み、ここで該結合を調節する候補化合物が新形成の治療または予防に有用な化合物である、方法。
【請求項101】
前記結合が免疫学的アッセイ、酵素的アッセイまたはラジオイムノアッセイを用いて検出される、請求項100記載の方法。
【請求項102】
リンペプチド結合モジュールまたはその断片が単離されたリンペプチド結合モジュールである、請求項100記載の方法。
【請求項103】
リンペプチドがpSerまたはpThrを含む単離されたリンペプチドである、請求項100記載の方法。
【請求項104】
リンペプチドが固体支持体に固定されている、請求項100記載の方法。
【請求項105】
リンペプチド結合モジュールがタンデムBRCT結合ドメインである、請求項100記載の方法。
【請求項106】
リンペプチド結合モジュールが固体支持体に固定されている、請求項100記載の方法。
【請求項107】
結合が免疫学的アッセイ、酵素的アッセイまたはラジオイムノアッセイを用いてアッセイされる、請求項100記載の方法。
【請求項108】
前記候補化合物がリンペプチド結合モジュールとプレインキュベートされる、請求項100記載の方法。
【請求項109】
前記候補化合物がリンペプチドとプレインキュベートされる、請求項100記載の方法。
【請求項110】
リンペプチド結合モジュールおよびリンペプチドが、前記候補化合物と接触する前に複合体を形成する、請求項100記載の方法。
【請求項111】
前記候補化合物、リンペプチドおよびリンペプチド結合モジュールが同時に接触する、請求項100記載の方法。
【請求項112】
以下の段階を含む、対象において新形成を治療または予防するのに有用な候補化合物を同定するための方法:
(a)リンペプチド結合モジュールまたはその断片、およびpSerもしくはpThrを含むリンペプチドを発現させる細胞を提供する段階;
(b)該細胞を候補化合物と接触させる段階;ならびに
(c)該候補化合物と接触した該細胞におけるリンペプチド結合モジュールおよび該リンペプチドの結合を、対照細胞における該結合と比較する段階であって、該結合の調節が該候補化合物を、対象において新形成を治療または予防するのに有用な化合物として同定する、段階。
【請求項113】
リンペプチド結合モジュールおよび前記リンペプチドがインビトロで原核細胞または真核細胞において発現される、請求項112記載の方法。
【請求項114】
リンペプチド結合モジュールが前記細胞により内因的に発現される、請求項112記載の方法。
【請求項115】
リンペプチド結合モジュールが組換えタンパク質として発現される、請求項112記載の方法。
【請求項116】
前記細胞が新生物細胞である、請求項112記載の方法。
【請求項117】
新生物細胞が哺乳動物細胞である、請求項112記載の方法。
【請求項118】
新生物細胞がヒト細胞である、請求項112記載の方法。
【請求項119】
前記候補化合物が前記結合の親和力を減少させる、請求項112記載の方法。
【請求項120】
(i)pSerまたはpThrを含むリンペプチドおよび(ii)薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物であって、該リンペプチドが、対象に投与される場合、新生物疾患を改善させる量で存在している、薬学的組成物。
【請求項121】
第二の化学療法薬をさらに含む、請求項120記載の薬学的組成物。
【請求項122】
第二の化学療法薬がパクリタクセル、ゲムシタビン、ドキソルビシン、ビンブラスチン、エトポシド、5-フルオロウラシル、カルボプラチン、アルトレタミン、アミノグルテチミド、アムサクリン、アナストロゾール、アザシチジン、ブレオマイシン、ブスルファン、カルムスチン、クロラムブシル、2-クロロデオキシアデノシン、シスプラチン、コルヒチン、シクロホスファミド、シタラビン、シトキサン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドセタキセル、リン酸エストラムスチン、フロクスウリジン、フルダラビン、ゲンツツマブ、ヘキサメチルメラミン、ヒドロキシウレア、イホスファミド、イマチニブ、インターフェロン、イリノテカン、ロムスチン、メクロレタミン、メルファレン、6-メルカプトプリン、メトトレキセート、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ペントスタチン、プロカルバジン、アレムツツマブ、リツキシマブ、ストレプトゾシン、タモキシフェン、テモゾロマイド、テニポシド、6-チオグアニン、トポテカン、トラスツツマブ、ビンクリスチン、ビンデシン、ロフェコキシブ、セレコキシブ、エトドラクおよびビノレルビンからなる群より選択される、請求項120記載の薬学的組成物。
【請求項123】
請求項120記載のリンペプチドの薬学的組成物を投与する段階を含む、患者において細胞増殖性疾患を治療または抑制するための方法であって、該リンペプチドが患者において細胞増殖性疾患を治療または抑制するのに十分な量である、方法。
【請求項124】
第二の化学療法薬を投与する段階を含む、方法であって、前記リンペプチドおよび該化学療法薬が患者において細胞増殖性疾患を治療または抑制するのに十分な量であり、かつ該化学療法薬が同時に、または14日間のリンペプチド投与の間に投与される、請求項123記載の方法。
【請求項125】
第二の化学療法薬がパクリタクセル、ゲムシタビン、ドキソルビシン、ビンブラスチン、エトポシド、5-フルオロウラシル、カルボプラチン、アルトレタミン、アミノグルテチミド、アムサクリン、アナストロゾール、アザシチジン、ブレオマイシン、ブスルファン、カルムスチン、クロラムブシル、2-クロロデオキシアデノシン、シスプラチン、コルヒチン、シクロホスファミド、シタラビン、シトキサン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドセタキセル、リン酸エストラムスチン、フロクスウリジン、フルダラビン、ゲンツツマブ、ヘキサメチルメラミン、ヒドロキシウレア、イホスファミド、イマチニブ、インターフェロン、イリノテカン、ロムスチン、メクロレタミン、メルファレン、6-メルカプトプリン、メトトレキセート、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ペントスタチン、プロカルバジン、アレムツツマブ、リツキシマブ、ストレプトゾシン、タモキシフェン、テモゾロマイド、テニポシド、6-チオグアニン、トポテカン、トラスツツマブ、ビンクリスチン、ビンデシン、ロフェコキシブ、セレコキシブ、エトドラクおよびビノレルビンからなる群より選択される、請求項123記載の方法。
【請求項126】
細胞増殖性疾患が新生物である、請求項123記載の方法。
【請求項127】
以下の段階を含む、BRCT生物活性を調節するペプチド模倣化合物を同定するための方法:
(a)リンペプチドとPBDの間に複合体を形成するように請求項1記載のリンペプチドおよびBRCT結合ドメインドメインポリペプチドを接触させる段階;
(b)該複合体を候補化合物と接触させる段階;ならびに
(c)該リンペプチドのBRCT結合ドメインからの置換を測定する段階であって、該リンペプチドのBRCT結合ドメインからの該置換が、候補化合物がBRCT結合ドメイン生物活性を調節するペプチド模倣化合物であることを示している、段階。
【請求項128】
以下の段階を含む、BRCT結合ドメイン生物活性を調節するペプチド模倣化合物を同定するための方法:
(a)候補化合物の存在下において、請求項1記載のリンペプチドおよびBRCT結合ドメインを接触させる段階;ならびに
(b)該リンペプチドとBRCT結合ドメインの結合を測定する段階であって、候補化合物の非存在下における該リンペプチドとポリペプチドの結合量と比較した結合量の低下が、候補化合物がBRCT結合ドメイン生物活性を調節するペプチド模倣化合物であることを示している、段階。
【請求項129】
前記リンペプチドまたはBRCT結合ドメインが検出可能に標識される、請求項127または128記載の方法。
【請求項130】
前記リンペプチドおよびBRCT結合ドメインが異なって標識される、請求項127または128記載の方法。
【請求項131】
BRCT結合ドメインがBRCA1およびPTIPからなる群より選択される、請求項127または128記載の方法。
【請求項132】
BRCT結合ドメインがヒトBRCA1のドメインである、請求項127または128記載の方法。
【請求項133】
BRCT結合ドメインがヒトPTIPのドメインである、請求項127または128記載の方法。
【請求項134】
(i)BRCT結合ドメインを結合する小分子、および(ii)該小分子を、新形成と診断されたまたは新形成を発生する傾向がある患者へ投与するための説明書を含む、キット。
【請求項135】
第二の化学療法化合物をさらに含む、請求項134記載のキット。
【請求項136】
患者試料においてBRCT結合ドメイン核酸分子またはポリペプチドの発現のレベルを測定する段階を含む、新形成を有する、または発生する傾向があると患者を評価する方法であって、対照試料における発現のレベルと比較した発現のレベルの増加が、該患者が新形成を有する、または発生する傾向があることを示している、方法。
【請求項137】
患者試料が血液または組織試料である、請求項136記載の方法。
【請求項138】
BRCT結合ドメイン核酸分子の発現のレベルを測定する段階を含む、請求項136記載の方法。
【請求項139】
BRCT結合ドメインポリペプチドの発現のレベルを測定する段階を含む、請求項136記載の方法。
【請求項140】
発現のレベルが免疫学的アッセイにおいて測定される、請求項132記載の方法。
【請求項141】
患者を、新形成を有すると診断するために用いられる、請求項132記載の方法。
【請求項142】
以下の段階を含む、ペプチド結合モジュールを同定するための方法:
(a)固定化修飾ペプチドライブラリーおよび固定化ペプチドライブラリーを提供する段階;
(b)該ライブラリーをポリペプチドまたはポリペプチド断片と接触させる段階;ならびに
(c)優先的な結合を検出する段階であって、該ペプチドライブラリーと比較した該修飾ペプチドライブラリーへの優先的結合が、ポリペプチドまたはポリペプチド断片を修飾ペプチド結合モジュールとして同定する、段階。
【請求項143】
以下の段階を含む、修飾ペプチドおよびペプチド結合ドメインからなる結合ペアを同定するための方法:
(a)各ペプチドが、位置が不変である1つのアミノ酸残基を有する、固体支持体に固定された修飾ペプチドの集合を含む偏ったペプチドライブラリーを提供する段階;
(b)プールされたcDNAライブラリーを提供する段階であって、cDNAライブラリーがタンパク質発現について位置している、段階;
(c)検出可能な標識の存在下において、プールされたcDNAライブラリーを発現させる段階;
(d)ペプチドライブラリーおよび発現されたcDNAライブラリーを接触させる段階;ならびに
(e)修飾ペプチドとペプチド結合ドメインの相互作用を検出する段階であって、相互作用が修飾ペプチドとペプチド結合ドメインの結合ペアを同定する、段階。
【請求項144】
アミノ酸が天然または非天然である修飾を含む、請求項138または139記載の修飾ペプチド。
【請求項145】
修飾がメチル化、アセチル化、ユビキチン化、グリコシル化、スモーレーション(sumolation)もしくはアルセニル化(arsenylation)からなる群より選択される、請求項140記載の修飾ペプチド。

【公表番号】特表2007−525143(P2007−525143A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−570398(P2004−570398)
【出願日】平成15年11月14日(2003.11.14)
【国際出願番号】PCT/US2003/036392
【国際公開番号】WO2004/046317
【国際公開日】平成16年6月3日(2004.6.3)
【出願人】(596060697)マサチューセッツ・インスティテュート・オブ・テクノロジー (233)
【出願人】(306003350)
【出願人】(306003361)
【出願人】(306003372)
【出願人】(306003383)
【出願人】(306003394)
【出願人】(306003408)
【Fターム(参考)】