説明

ペプチドの多種多様なファミリーのメンバーとしての、遺伝的パッケージの提示ライブラリーを構築する方法

【課題】ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多種多様なファミリーのメンバーを集合的に提示するライブラリーの構築において有用な方法、およびこの方法を使用して生成されるライブラリーが提供する。
【解決手段】一本鎖核酸を選択された位置で切断する方法に関し、この切断された核酸は、ライブラリーの遺伝的パッケージ上に提示されたペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質を少なくとも部分的にコードする。この遺伝的パッケージは、糸状ファージまたはファージミドである。このようなスクリーニングによって同定されるペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質が提供される。また発現に有害であり得る任意の配列が、クローニングおよび提示の前に、増幅されたDNAから除去される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメ
ンバーを提示し、そしてこのファミリーの多様性の少なくとも一部を集合的に提
示する、遺伝的パッケージのライブラリーを構築することに関する。好ましい実
施形態では、提示されるポリペプチドはヒトFabである。
【0002】
より詳細には、本発明は、一本鎖核酸を選択された位置で切断する方法に関し
、この切断された核酸は、本発明のライブラリーの遺伝的パッケージ上に提示さ
れたペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質を少なくとも部分的にコードする
。好ましい実施形態では、この遺伝的パッケージは、糸状ファージまたはファー
ジミドである。
【0003】
本発明はさらに、有用なペプチド、ポリペプチドおよびタンパク質を提示する
遺伝的パッケージのライブラリーをスクリーニングする方法、ならびにこのよう
なスクリーニングによって同定されたペプチド、ポリペプチドおよびタンパク質
に関する。
【背景技術】
【0004】
(発明の背景)
ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提
示し、そしてこのファミリーの多様性の少なくとも一部を集合的に提示する、遺
伝的パッケージのライブラリーを調製することは現在、当該分野において一般的
な方法である。多くの通常のライブラリーでは、提示されるペプチド、ポリペプ
チドまたはタンパク質は、抗体に関連する。しばしば、これらはFabまたは単
鎖抗体である。
【0005】
一般に、提示されるべきファミリーのメンバーをコードするDNAは、クロー
ニングされて遺伝的パッケージの表面に所望のメンバーを提示するように使用さ
れる前に増幅されなければならない。このような増幅は代表的に、正方向プライ
マーおよび逆方向プライマーを利用する。
【0006】
このようなプライマーは、増幅されるべきDNAに対してネイティブな配列に
対して相補的であり得るか、またはそのDNAの5’末端もしくは3’末端に結
合したオリゴヌクレオチドに対して相補的であり得る。増幅されるべきDNAに
対してネイティブである配列に相補的であるプライマーは、提示されるべきファ
ミリーのメンバーを偏らせるという点で不利である。ネイティブなDNA中にこ
のプライマーに対して実質的に相補的である配列を含むメンバーのみが増幅され
る。そうでないメンバーはこのファミリーから存在しなくなる。増幅されるメン
バーについては、プライマー領域内の何らかの多様性が抑制される。
【0007】
例えば、特許文献1では、使用されるプライマーは、抗体遺伝子のV領域の5’末端に存在する。これは、ネイティブなDNA中の、単一種内で「充分によく保存された」と呼ばれる配列領域にアニーリングする。このようなプライマーは、増幅されるメンバーを、この「保存された」領域を有するメンバーに偏らせる。この領域内の何らかの多様性は失われる。
【0008】
ヒトの抗体遺伝子が、VおよびJ、またはV、DおよびJの組合せ選択、続い
て体細胞変異を含むプロセスを通して生じることが一般に受け入れられている。
大部分の多様性は相補性決定領域(CDR)に生じるが、多様性はまた、より保
存されたフレームワーク領域(FR)において生じ、そしてこの多様性の少なく
ともいくつかは、抗原(Ag)に対する特異的結合を付与または増強する。その
結果、ライブラリーは、可能な限り多くのCDRおよびFR多様性を含むべきで
ある。
【0009】
コードするペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の遺伝的パッケージ上で
の提示のために、増幅されたDNAをクローニングするために、DNAは、ベク
ターへの連結のために適切な末端を生じるように切断されなければならない。こ
のような切断は一般に、プライマーに保有された制限エンドヌクレアーゼ認識部
位を用いてもたらされる。RNAの逆転写から生成されるDNAの5’末端にプ
ライマーが存在する場合、このような制限処理は、増幅されたDNA中に有害な
5’非翻訳領域を残す。これらの領域は、クローニングされた遺伝子の発現を妨
害し、従って、これらによってコードされるペプチド、ポリペプチドおよびタン
パク質の提示を妨害する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】欧州特許第368,684号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
(発明の要旨)
本発明の目的は、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリ
ーのメンバーを提示し、そしてこのファミリーの多様性の少なくとも一部を集合
的に提示する、遺伝的パッケージのライブラリーを構築するための新規方法を提
供することである。これらの方法は、増幅のために用いられるプライマーに相補
的であるネイティブな配列を含むDNAには偏っていない。これらの方法はまた
、発現に有害であり得る任意の配列が、クローニングおよび提示の前に、増幅さ
れたDNAから除去されることを可能にする。
【0012】
本発明の別の目的は、一本鎖核酸配列を所望の位置で切断するための方法を提
供することであり、この方法は、以下の工程を包含する:
(i)この核酸を一本鎖オリゴヌクレオチドと接触させる工程であって、この
オリゴヌクレオチドは、切断が所望される領域においてこの核酸に機能的に相補
的であり、そしてその核酸中の相補体とともに、制限処理の際に所望の位置での
核酸の切断をもたらす制限エンドヌクレアーゼ認識部位を形成する配列を含む、
工程;および
(ii)この核酸のみを、この核酸とこのオリゴヌクレオチドとの相補によっ
て形成された認識部位で切断する工程;
接触工程および切断工程は、実質的に一本鎖形態の核酸を維持するに充分な温度
で行われ、このオリゴヌクレオチドは、二本の鎖が会合し、その結果、選択され
た温度および所望の位置で切断が生じ得るのを可能にするに充分に大きな領域に
わたってこの核酸に対して機能的に相補的であり、そして切断は、選択された温
度で活性である制限エンドヌクレアーゼを用いて行われる。
【0013】
本発明のさらなる目的は、一本鎖核酸配列を所望の位置で切断するための代替
的な方法を提供することであり、この方法は以下の工程を包含する:
(i)この核酸を部分的に二本鎖のオリゴヌクレオチドと接触させる工程であ
って、このオリゴヌクレオチドの一本鎖領域は、切断が所望される領域において
この核酸に機能的に相補的であり、そしてこのオリゴヌクレオチドの二本鎖領域
は、II−S型制限エンドヌクレアーゼ認識部位を有し、その切断部位は、この
認識部位から既知の距離に位置する、工程;および
(ii)この核酸のみを、この核酸とこのオリゴヌクレオチドの一本鎖領域と
の相補によって形成された切断部位で切断する工程;
接触工程および切断工程は、実質的に一本鎖形態の核酸を維持するに充分な温度
で行われ、このオリゴヌクレオチドは、二本の鎖が会合し、その結果、選択され
た温度および所望の位置で切断が生じ得るのを可能にするに充分に大きな領域に
わたってこの核酸に対して機能的に相補的であり、そして切断は、選択された温
度で活性である制限エンドヌクレアーゼを用いて行われる。
【0014】
本発明の別の目的は、DNAの多様なファミリーのメンバーを含み、そしてこ
のファミリーの多様性の少なくとも一部を集合的に含む、DNA分子を捕獲する
方法を提供することである。一本鎖形態のこれらのDNA分子は、本発明の方法
のうちの1つによって切断されている。この方法は、このファミリーの個々の一
本鎖DNAメンバーを、部分的に二重鎖のDNA複合体に連結することを含む。
この方法は以下の工程を包含する:
(i)制限エンドヌクレアーゼで切断された一本鎖核酸配列を、部分的に二本
鎖のオリゴヌクレオチドと接触させる工程であって、このオリゴヌクレオチドの
一本鎖領域は、切断後に残る領域においてこの核酸に対して機能的に相補的であ
り、このオリゴヌクレオチドの二本鎖領域は、切断後に残っている配列を、発現
に適切なリーディングフレームに戻すために必要な任意の配列を含み、そしてこ
れらの配列の5’側に制限エンドヌクレアーゼ認識部位を含む、工程;および
(ii)この部分的に二本鎖のオリゴヌクレオチド配列のみを、この部分的に
二本鎖のオリゴヌクレオチドの二本鎖領域内に含まれる制限エンドヌクレアーゼ
認識部位で切断する工程。
【0015】
本発明の別の目的は、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファ
ミリーを提示し、そしてこのファミリーの多様性の少なくとも一部を集合的に提
示する、ライブラリーを、上記の方法およびDNAを用いて調製することである

【0016】
本発明の目的は、これらのライブラリーをスクリーニングして、有用なペプチ
ド、ポリペプチドおよびタンパク質を同定し、そしてこれらの物質をヒトの治療
において使用することである。たとえば、本発明は以下を提供する:
(項目1) 一本鎖核酸配列を所望の位置で切断するための方法であって、
該方法は、以下の工程:
(i)該核酸を、一本鎖オリゴヌクレオチドと接触させる工程であって、該オ
リゴヌクレオチドは、切断が所望される領域において該核酸に対して機能的に相
補的であり、そして制限の際に該核酸の該所望の位置での切断を生じる制限エン
ドヌクレアーゼ認識部位を、その補体を用いて該核酸中に形成する配列を含む、
工程;および
(ii)該核酸および該オリゴヌクレオチドの相補性によって形成される該認
識部位で、該核酸を単独で切断する工程;
を包含し、該接触工程および該切断工程は、該核酸を実質的に一本鎖形態で維持
するために十分な温度で行われ、該オリゴヌクレオチドは、切断が選択された該
温度および該所望の位置で起こり得るように、該二本の鎖の会合を可能にするた
めに十分大きな領域にわたって該核酸と機能的に相補的であり、そして該選択さ
れた温度で活性である制限エンドヌクレアーゼを使用して、該切断が行われる、
方法。
(項目2) 一本鎖核酸配列を所望の位置で切断するための方法であって、
該方法は、以下の工程:
(i)該核酸を、部分的に二本鎖のオリゴヌクレオチドと接触させる工程であ
って、該オリゴヌクレオチドの一本鎖領域は、切断が所望される該領域において
該核酸に対して機能的に相補的であり、そして該オリゴヌクレオチドの二本鎖領
域は、II型−S制限エンドヌクレアーゼ認識部位を有し、該切断部位は、該認
識部位から既知の距離に位置する、工程;および
(ii)該核酸および該オリゴヌクレオチドの該一本鎖領域の相補性によって
形成されるII型−S切断部位で、該核酸を単独で切断する工程;
を包含し、該接触工程および該切断工程は、該核酸を実質的に一本鎖形態で維持
するために十分な温度で行われ、該オリゴヌクレオチドは、切断が選択された該
温度および該所望の位置で起こり得るように、該二本の鎖の会合を可能にするた
めに十分大きな領域にわたって該核酸と機能的に相補的であり、そして該選択さ
れた温度で活性である制限エンドヌクレアーゼを使用して、該切断が行われる、
方法。
(項目3) 遺伝的パッケージの表面上のペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多種多様なファミリーのメンバーを提示し、そして集合的に、該ファミリーの多様性の少なくとも一部を提示する方法であって、改善が、提示されるペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質の少なくとも一部が、
以下の工程:
(i)核酸を、一本鎖オリゴヌクレオチドと接触させる工程であって、該オリ
ゴヌクレオチドは、切断が所望される領域において該核酸に対して機能的に相補
的であり、そして制限の際に該核酸の所望の位置での切断を生じる制限エンドヌ
クレアーゼ認識部位を、その補体を用いて該核酸中に形成する配列を含む、工程
;および
(ii)該核酸および該オリゴヌクレオチドの相補性によって形成される該認
識部位で、該核酸を単独で切断する工程;
を包含する方法によって所望の位置で切断される該核酸によって、少なくとも一
部がコードされることを特徴とし、該接触工程および該切断工程は、該核酸を実
質的に一本鎖形態で維持するために十分な温度で行われ、該オリゴヌクレオチド
は、切断が選択された該温度および該所望の位置で起こり得るように、該二本の
鎖の会合を可能にするために十分大きな領域にわたって該核酸と機能的に相補的
であり、そして該選択された温度で活性である制限エンドヌクレアーゼを使用し
て、該切断が行われる、方法。
(項目4) 遺伝的パッケージの表面上のペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多種多様なファミリーのメンバーを提示し、そして集合的に、該ファミリーの多様性の少なくとも一部を提示する方法であって、改善が、提示されるペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質が、以下の工程:
(i)該核酸を、部分的に二本鎖のオリゴヌクレオチドと接触させる工程であ
って、該オリゴヌクレオチドの一本鎖領域は、切断が所望される領域において該
核酸に対して機能的に相補的であり、該オリゴヌクレオチドの該二本鎖領域は、
II型−S制限エンドヌクレアーゼ認識部位を有し、該切断部位は、該認識部位
から既知の距離に位置する、工程;および
(ii)該核酸および該オリゴヌクレオチドの該一本鎖領域の相補性によって
形成されるII型−S切断部位で、該核酸を単独で切断する工程;
によって所望の位置で切断される核酸を含むDNA配列によってコードされるこ
とを特徴とし、該接触工程および該切断工程は、該核酸を実質的に一本鎖形態で
維持するために十分な温度で行われ、該オリゴヌクレオチドは、切断が選択され
た該温度および該所望の位置で起こり得るように、該二本の鎖の会合を可能にす
るために十分大きな領域にわたって該核酸と機能的に相補的であり、そして該選
択された温度で活性である制限エンドヌクレアーゼを使用して、該切断が行われ
る、方法。
(項目5) 遺伝的パッケージの表面上のペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多種多様なファミリーのメンバーを提示し、そして集合的に、該ファミリーの多様性の少なくとも一部を提示する方法であって、
該方法は、以下の工程:
(i)該多種多様なファミリーのメンバーの少なくとも一部をコードする核酸
の収集物を調製する工程;
(ii)該核酸を一本鎖にする工程;
(iii)以下の工程:
(a)該核酸を、一本鎖オリゴヌクレオチドと接触させる工程であって、該
オリゴヌクレオチドは、切断が所望される領域において該核酸に対して機能的に
相補的であり、そして制限の際に該核酸の所望の位置での切断を生じる制限エン
ドヌクレアーゼ認識部位を、その補体を用いて該核酸中に形成する配列を含む、
工程;および
(b)該核酸および該オリゴヌクレオチドの相補性によって形成される該認
識部位で、該核酸を単独で切断する工程;
を包含する方法によって、所望の位置で該一本鎖核酸を切断する工程であって
、該接触工程および該切断工程は、該核酸を実質的に一本鎖形態で維持するため
に十分な温度で行われ、該オリゴヌクレオチドは、切断が選択された該温度およ
び該所望の位置で起こり得るように、該二本の鎖の会合を可能にするために十分
大きな領域にわたって該核酸と機能的に相補的であり、そして該選択された温度
で活性である制限エンドヌクレアーゼを使用して、該切断が行われる、工程;な
らびに
(iv)該遺伝的パッケージの該表面上の該切断された核酸によって少なくと
も一部がコードされるペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の該ファミリー
のメンバーを提示し、そして集合的に、該ファミリーの該多様性の少なくとも一
部を提示する工程、
を包含する、方法。
(項目6) 遺伝的パッケージの表面上のペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多種多様なファミリーのメンバーを提示し、そして集合的に、該ファミリーの多様性の少なくとも一部を提示する方法であって、
該方法は、以下の工程:
(i)該多種多様なファミリーのメンバーの少なくとも一部をコードする核酸
の収集物を調製する工程;
(ii)該核酸を一本鎖にする工程;
(iii)以下の工程:
(a)該核酸を、部分的に二本鎖のオリゴヌクレオチドと接触させる工程で
あって、該オリゴヌクレオチドの一本鎖領域は、切断が所望される領域において
該核酸に対して機能的に相補的であり、該オリゴヌクレオチドの該二本鎖領域は
、II型−S制限エンドヌクレアーゼ認識部位を有し、該切断部位は、該認識部
位から既知の距離に位置する、工程;および
(b)該核酸および該オリゴヌクレオチドの該一本鎖領域の相補性によって
形成されるII型−S切断部位で、該核酸を単独で切断する工程;
を包含する方法によって、所望の位置で該一本鎖核酸を切断する工程であって
、該接触工程および該切断工程は、該核酸を実質的に一本鎖形態で維持するため
に十分な温度で行われ、該オリゴヌクレオチドは、切断が選択された該温度およ
び該所望の位置で起こり得るように、該二本の鎖の会合を可能にするために十分
大きな領域にわたって該核酸と機能的に相補的であり、そして該選択された温度
で活性である切断エンドヌクレアーゼを使用して、該制限が行われる、工程;な
らびに;
(iv)該遺伝的パッケージの該表面上の該切断された核酸によって少なくと
も一部がコードされるペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の該ファミリー
のメンバーを提示し、そして集合的に、該ファミリーの多様性の少なくとも一部
を提示する工程、
を包含する、方法。
(項目7) ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多種多様なファミリーのメンバーを提示する遺伝的パッケージの収集物を含に、そして集合的に、該ファミリーの多様性の少なくとも一部を提示するライブラリーであって、該ライブラリーは、項目3、4、5または6に記載の方法を使用して作製される、ライブラリー。
(項目8) ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多種多様なファミリーのメンバーを提示し、そして集合的に、該ファミリーの少なくとも一部を提示する遺伝的パッケージの収集物を含むライブラリーであって、該提示されるペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質は、以下の工程:
(i)該核酸を、一本鎖オリゴヌクレオチドと接触させる工程であって、該オ
リゴヌクレオチドは、切断が所望される領域において該核酸に対して機能的に相
補的であり、そして制限の際に該核酸の所望の位置での切断を生じる制限エンド
ヌクレアーゼ認識部位を、その補体を用いて該核酸中に形成する配列を含む、工
程;および
(ii)該核酸および該オリゴヌクレオチドの相補性によって形成される該認
識部位で、該核酸を単独で切断する工程;
を包含する方法によって、所望の位置で一本鎖核酸配列を切断することによって
生成される配列の少なくとも一部を含むDNA配列によってコードされ、該接触
工程および該切断工程は、該核酸を実質的に一本鎖形態で維持するために十分な
温度で行われ、該オリゴヌクレオチドは、切断が選択された該温度および該所望
の位置で起こり得るように、該二本の鎖の会合を可能にするために十分大きな領
域にわたって該核酸と機能的に相補的であり、そして該選択された温度で活性で
ある制限エンドヌクレアーゼを使用して、該切断が行われる、ライブラリー。
(項目9) ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多種多様なファミリーのメンバーを提示し、そして集合的に、該提示されるペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の該ファミリーの多様性の少なくとも一部を提示する遺伝的パッケージの収集物を含むライブラリーであって、該提示されるペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質は、以下の工程:
(i)該核酸を、部分的に二本鎖のオリゴヌクレオチドと接触させる工程であ
って、該オリゴヌクレオチドの一本鎖領域は、切断が所望される領域において該
核酸に対して機能的に相補的であり、該オリゴヌクレオチドの該二本鎖領域は、
II型−S制限エンドヌクレアーゼ認識部位を有し、該切断部位は、該核酸の該
切断が所望される該認識部位から既知の距離に位置する、工程;および
(ii)該核酸および該オリゴヌクレオチドの該一本鎖領域の相補性によって
形成されるII型−S切断部位で、該核酸を単独で切断する工程;
を包含する方法によって、所望の位置で一本鎖核酸配列を切断することによって
生成される配列の少なくとも一部を含むDNA配列によってコードされ、該接触
工程および該切断工程は、該核酸を実質的に一本鎖形態で維持するために十分な
温度で行われ、該オリゴヌクレオチドは、切断が選択された該温度および該所望
の位置で起こり得るように、該二本の鎖の会合を可能にするために十分大きな領
域にわたって該核酸と機能的に相補的であり、そして該選択された温度で活性で
ある制限エンドヌクレアーゼを使用して、該切断が行われる、ライブラリー。
(項目10) 前記核酸が、免疫グロブリンの少なくとも一部をコードする、項目1〜9のいずれか1項に記載の方法。
(項目11) 前記免疫グロブリンが、Fabまたは単鎖Fvを含む、請求項10に記載の方法。
(項目12) 前記免疫グロブリンが、重鎖の少なくとも部分を含む、請求項10または11に記載の方法。
(項目13) 前記重鎖の少なくとも一部がヒトである、項目12に記載の方法。
(項目14) 前記免疫グロブリンが、FR1の少なくとも一部を含む、
項目10または11に記載の方法。
(項目15) 前記FR1の少なくとも一部がヒトである、項目14に記載の方法。
(項目16) 前記免疫グロブリンが、軽鎖の少なくとも一部を含む、請求項10または11に記載の方法。
(項目17) 前記軽鎖の少なくとも一部がヒトである、項目16に記載の方法。
(項目18) 前記核酸配列の少なくとも一部が、少なくとも1つの自己免疫疾患および/または癌に罹患した患者由来である、項目1〜9のいずれか1項に記載の方法。
(項目19) 前記自己免疫疾患が、狼瘡、エリテマトーデス、全身性硬化症、慢性関節リウマチ、抗リン脂質症候群、または脈管炎からなる群から選択される、項目18に記載の方法。
(項目20) 前記核酸の少なくとも一部が、末梢血球、骨髄細胞、脾臓細胞またはリンパ節細胞からなる群から単離される、項目18に記載の方法。
(項目21) さらに、核酸の増幅工程を、工程(i)と工程(ii)との間、工程(ii)と工程(iii)との間、または工程(iii)と工程(iv)との間に包含する、項目5または6に記載の方法。
(項目22) 前記増幅工程が、geneRACETMを使用する、請求項21に記載の方法。
(項目23) 前記温度が、45℃と75℃との間である、項目1〜9のいずれか1項に記載の方法。
(項目24) 前記温度が、50℃と60℃との間である、項目23に記載の方法。
(項目25) 前記温度が、55℃と60℃との間である、項目24に記載の方法。
(項目26) 前記一本鎖オリゴヌクレオチドの長さが、17塩基と30塩基との間である、項目1、3、5または8に記載の方法。
(項目27) 前記一本鎖オリゴヌクレオチドの長さが、18塩基と24塩基との間である、項目26に記載の方法。
(項目28) 前記制限エンドヌクレアーゼが、MaeIII、Tsp451、HphI、BsaJI、AluI、BlpI、DdeI、BglII、MslI、BsiEI、EaeI、EagI、HaeIII、Bst4CI、HpyCH4III、HinfI、MlyI、PleI、MnlI、HpyCH4V、BsmAI、BpmI、XmnI、またはSacIからなる群から選択される、
項目1、3、5または8に記載の方法。
(項目29) 前記制限エンドヌクレアーゼが、Bst4CI、TaaI、HpyCH4III、BlpI、HpyCH4VまたはMslIを含む群から選択される、項目28に記載の方法。
(項目30) 前記部分的に二本鎖のオリゴヌクレオチドの前記一本鎖領域の長さが、14塩基と22塩基との間である、項目2、4、6または9に記載の方法。
(項目31) 前記部分的に二本鎖のオリゴヌクレオチドの前記一本鎖領域の長さが、14塩基と17塩基との間である、項目30に記載の方法。
(項目32) 前記オリゴヌクレオチドの前記一本鎖領域の長さが、18塩基と20塩基との間である、項目31に記載の方法。
(項目33) 前記部分的に二本鎖のオリゴヌクレオチドの前記二本鎖領域の長さが、幹およびそのパリンドロームによって形成される10塩基対と14塩基対との間である、項目2、4、6または9に記載の方法。
(項目34) 前記部分的に二本鎖のオリゴヌクレオチドが、前記幹と前記パリンドロームとの間に、3〜8塩基のループを含む、項目33に記載の方法。
(項目35) 前記II型−S制限エンドヌクレアーゼが、AarICAC、AceIII、Bbr7I、BbvI、BbvII、Bce831、BceAI、BcefI、BciVI、BfiI、BinI、BscAI、BseRI、BsmFI、BspMI、EciI、Eco57I、FauI、FokI、GsuI、HgaI、HphI、MboII、MlyI、MmeI、MnlI、PleI、RleAI、SfaNI、SspD5I、Sthl32I、StsI、TaqII、Tth111II、またはUbaPIを含む群から選択される、請求項2、4、6または9に記載の方法。
(項目36) 前記II型−S制限エンドヌクレアーゼが、FokIである、項目35に記載の方法。
(項目37) ベクターにクローニングするための一本鎖核酸を調製するための方法であって、該方法は、以下の工程:
(i)制限エンドヌクレアーゼで切断された一本鎖核酸配列を、部分的に二本
鎖のオリゴヌクレオチドと接触させる工程であって、該オリゴヌクレオチドの一
本鎖領域は、切断の後に残る領域において該核酸と機能的に相補的であり、該オ
リゴヌクレオチドの該二本鎖領域は、発現のために切断後に残る配列を適切かつ
本来のリーディングフレームに戻すのに必要とされる任意の配列を含み、そして
これらの配列の制限エンドヌクレアーゼ認識部位5’を含む、工程;および
(ii)該部分的に二本鎖のオリゴヌクレオチドの該二本鎖領域内に含まれる
該制限エンドヌクレアーゼ認識部位で、単独で該部分的に二本鎖のオリゴヌクレ
オチド配列を切断する工程、
を包含する、方法。
(項目38) 前記部分的に二本鎖のオリゴヌクレオチドの前記一本鎖部分の長さが、2塩基と15塩基との間である、項目37に記載の方法。
(項目39) 前記部分的に二本鎖のオリゴヌクレオチドの前記一本鎖部分の長さが、7塩基と10塩基との間である、項目38に記載の方法。
(項目40) 前記部分的に二本鎖のオリゴヌクレオチドの前記二本鎖部分の長さが、12塩基対と100塩基対との間である、項目37に記載の方法。
(項目41) 前記部分的に二本鎖のオリゴヌクレオチドの前記二本鎖部分の長さが、20塩基対と100塩基対との間である、項目40に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、VH配列に特異的なプライマーを用いることなくVH遺伝子を増幅するために用いられ得る種々の方法の模式図である。
【図2】図2は、VL配列を用いることなくVL遺伝子を増幅するために用いられ得る種々の方法の模式図である。
【図3】図3は、実施例2からの切断されたκDNAのゲル分析を示す。
【図4】図4は、実施例2からの切断されたκDNAのゲル分析を示す。
【図5】図5は、実施例2からの増幅されたκDNAのゲル分析を示す。
【図6】図6は、実施例2からの、ゲル精製された増幅されたκDNAを示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(用語)
この出願では、以下の用語および略号を用いる:
センス鎖:通常記載されるように、ds DNAの上の鎖(upper st
rand)。センス鎖では、5’−ATG−3’はMetをコードする。
【0019】
アンチセンス鎖:通常記載されるように、ds DNAの下の鎖(lower
strand)。アンチセンス鎖では、3’−TAC−5’は、センス鎖にお
けるMetコドンに対応する。
【0020】
正方向(forward)プライマー:「正方向」プライマーは、センス鎖の
一部に対して相補的であり、そして新たなアンチセンス鎖分子の合成を開始する
。「正方向プライマー」および「下の鎖のプライマー」は等価である。
【0021】
逆方向(backward)プライマー:「逆方向」プライマーは、アンチセ
ンス鎖の一部に対して相補的であり、そして新たなセンス鎖分子の合成を開始す
る。「逆方向プライマー」および「上の鎖のプライマー」は等価である。
【0022】
塩基:塩基は、コドンおよび塩基による遺伝子内のそれらの位置として、ベク
ターまたは遺伝子のいずれかにおけるそれらの位置によって特定される。例えば
、「89.1」は、コドン89の最初の塩基であり、89.2は、コドン89の
二番目の塩基である。
【0023】
Sv:ストレプトアビジン。
【0024】
Ap:アンピシリン。
【0025】
ap:アンピシリン耐性を付与する遺伝子。
【0026】
RE:制限エンドヌクレアーゼ。
【0027】
URE:一般的な制限エンドヌクレアーゼ。
【0028】
機能的に相補的:2つの配列が、選択された条件下でアニールするように十分
に相補的である。
【0029】
RERS:制限エンドヌクレアーゼ認識部位。
【0030】
AA:アミノ酸。
【0031】
PCR:ポリメラーゼ連鎖反応。
【0032】
GLG:生殖系列遺伝子。
【0033】
Ab:抗体:免疫グロブリン。この用語はまた、免疫グロブリン結合ドメイン
に相同である結合ドメインを有する任意のタンパク質をカバーする。この定義内
の抗体のいくつかの例は、特に、免疫グロブリンンアイソタイプならびにFab
、F(ab、scfv、Fv、dAbおよびFdフラグメント。
【0034】
Fab:Abの軽鎖および重鎖の部分を含む二鎖分子。
【0035】
scFv:VH::リンカー::VLまたはVL::リンカーVHのいずれか
を含む単鎖Ab。
【0036】
w.t.:野生型。
【0037】
HC:重鎖。
【0038】
LC:軽鎖。
【0039】
VK:κ軽鎖の可変領域。
【0040】
VH:重鎖の可変領域。
【0041】
VL:λ軽鎖の可変領域。
【0042】
本願において、参照される全ての参考文献は、参考として詳細に援用される。
【0043】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
本発明の方法において有用である核酸配列(すなわち、本発明の遺伝子パッケ
ージに関して示される、少なくとも一部の個々のペプチド、ポリペプチドおよび
タンパク質)は、天然に存在する配列、合成配列またはその組み合わせであり得
る。これらは、mRNA、DNAまたはcDNAであり得る。好ましい実施形態
において、核酸は抗体をコードする。最も好ましくは、これらはFabをコード
する。
【0044】
本発明において有用な核酸は、天然に多様性であり、合成多様性は、これらの
天然に多様性のメンバーに導入され得るか、またはこの多様性は、全体的に合成
であり得る。例えば、合成多様性は、抗体遺伝子の1つ以上のCDRに導入され
得る。
【0045】
合成多様性は、例えば、TRIM技術(米国特許第5,869,644号)の
使用を介して作製され得る。TRIM技術は、変化される位置で、どのアミノ酸
型が可能で、そしてどんな割合でかを正確に制御することが可能である。TRI
M技術において、多様化されるコドンは、三ヌクレオチドの混合物を使用して合
成される。これは、任意の組のアミノ酸型が、任意の位置に含まれるのを可能に
する。
【0046】
多様化されたDNAを作製するために使用され得る別の代替法は、混合オリゴ
ヌクレオチド合成である。TRIM技術を用いて、AlaおよびTrpが可能で
あり得る。混合オリゴヌクレオチド合成を用いて、AlaおよびTrpを含む混
合物はまた、SerおよびGlyもまた必然的に含む。変性された位置において
可能なアミノ酸型は、抗体の構造、または他のペプチド、ファミリーのポリペプ
チドまたはタンパク質、生殖系列遺伝子において観察された多様性、頻繁に観察
される観察された体細胞変異、および変性の所望の領域および型を参照して選択
される。
【0047】
本発明の好ましい実施形態において、ファミリーのペプチド、ポリペプチドま
たはタンパク質の少なくとも1つのCDRまたは他の領域の核酸配列は、mRN
Aからの逆転写によって生成されたcDNAである。より好ましくは、mRNA
は、関連遺伝子の天然に多様性の組のメンバーを発現する末梢血液細胞、骨髄細
胞、脾臓細胞またはリンパ節細胞(例えば、Bリンパ球細胞またはプラズマ細胞
)から得られ得る。より好ましくは、mRNAは、抗体の多様なファミリーをコ
ードする。最も好ましくは、mRNAは、少なくとも1つの自己免疫障害または
癌に罹患する患者から得られる。好ましくは、自己免疫疾患(例えば、全身性エ
リテマトーデス、全身性硬化症、慢性関節リウマチ、抗リン脂質症候群および脈
管炎)の高い多様性を含むmRNAが使用される。
【0048】
本発明の好ましい実施形態において、cDNAは、逆転写を使用してmRNA
から生成される。この好ましい実施形態において、mRNAは、細胞から分離さ
れ、標準的な方法を使用して分解され、その結果、全長(すなわち、キャップさ
れた)mRNAのみが残る。次いで、キャップは除去され、そしてcDNAを生
成するために逆転写が使用される。
【0049】
第1(アンチセンス)鎖の逆転写は、任意の適切なプライマーを用いて任意の
様式で行なわれ得る。例えば、HJ de Haardら、Journal o
f Biological Chemistry,274(26):18218
−30(1999)を参照のこと。mRNAが抗体をコードする本発明の好まし
い実施形態において、抗体遺伝子の定常領域に相補的なプライマーが使用され得
る。これらのプライマーは有用である。なぜなら、これらは、抗体のサブクラス
に対して偏りを生じないためである。別の実施例において、ポリdTプライマー
が使用され得る(そして重鎖遺伝子に対して好ましくあり得る)。あるいは、プ
ライマーに相補的な配列は、アンチセンス鎖の末端に付加され得る。
【0050】
本発明の1つの好ましい実施形態において、逆転写プライマーは、ビオチン化
プライマーであり得、従って、cDNA産物がストレプトアビジン(Sv)ビー
ズに固定されるのを可能にする。固定化はまた、a)遊離アミノ基、b)チオー
ル、c)カルボン酸、またはd)不溶性媒体の既知のパートナーに対して強力な
結合を形成するように反応し得るDNAにおいて見出されない別の基、のうちの
1つを用いて5’末端において標識されたプライマーを使用して行なわれ得る。
例えば、遊離アミン(好ましくは、主にアミン)が、DNAプライマーの5’末
端において提供される場合、このアミンは、標準的なアミド形成化学を使用して
、ポリマービーズ上のカルボン酸と反応され得る。このような好ましい固定が、
逆転写の間に使用される場合、上方鎖RNAは、固定の前または後に、周知の酵
素(例えば、RNAseHおよびRNAseAの組み合わせ)を使用して分解さ
れる。
【0051】
本発明において有用な核酸配列は、一般に、これらがコードするペプチド、ポ
リペプチド、またはタンパク質を表示するために使用される前に増幅される。増
幅の前に、一本鎖DNAは、前に記載された方法のいずれかを使用して切断され
得る。あるいは、一本鎖DNAは増幅され得、次いで、これらの方法のうちの1
つを使用して切断される。
【0052】
核酸配列を増幅するための周知の方法のいずれかが、このような増幅のために
使用され得る。多様性を最大化し、偏らせない方法が好ましい。核酸配列が、抗
体遺伝子に由来する本発明の好ましい実施形態において、本発明は、好ましくは
、重鎖および軽鎖遺伝子の定常領域中のプライマーならびにセンス鎖の5’末端
に付加された合成配列に対するプライマーを利用する。このような合成配列にお
けるプライミングは、抗体遺伝子の可変領域内の配列の使用を回避する。これら
の可変領域プライミング部位は、まれなサブクラスのいずれかであるか、または
プライミング部位において変異されたV遺伝子に対する偏りを生じる。この偏り
は、プライマー領域内の多様性の抑制に部分的に起因し、そして多数の変異がプ
ライマーに相補的な領域中に存在する場合のプライミングの欠如に部分的に起因
する。本発明において開示された方法は、特定のV遺伝子型についての増幅され
た抗体遺伝子の集団を偏らせない利点を有する。
【0053】
合成配列は、DNA配列を共に連結させるために周知の種々の方法によってD
NA鎖の5’末端に付加され得る。RTキャップ伸長CapExtention
は、1つの好ましい方法である。
【0054】
RTキャップ伸長(Smart RCR(TM)に由来する)において、短い
重複(上方鎖プライマー(USP−GGG)における5’−...GGG−3’
は、下方鎖における3’−CCC....5’を補完する)および逆転写酵素を
使用して、上方鎖プライマーの逆相補体が、下方鎖に付加される。
【0055】
本発明の好ましい実施形態において、上方鎖および下方鎖プライマーはまた、
a)遊離アミノ基、b)チオール、c)カルボン酸、またはd)不溶性媒体の既
知のパートナーに対して強力な結合を形成するように反応し得るDNAにおいて
見出されない別の基、のうちの1つを用いて、5’末端においてビオチン化また
は標識され得る。次いで、これらは、増幅後の標識された鎖を固定するために使
用され得る。固定されたDNAは、一本鎖または二本鎖のいずれかであり得る。
【0056】
図1は、VH遺伝子の増幅の概略図を示す。図1、パネルAは、第1の下方鎖
の3’UTRプライミング合成のポリdT領域に特異的なプライマーを示す。定
常領域において結合するプライマーもまた、適切である。パネルBは、mRNA
に相補的でない3つのCによって、その3’末端において伸長した下方鎖を示す
。パネルCは、3’末端のCCCにハイブリダイズする3つのGGGにおける合
成上方鎖プライマーのアニーリング、および合成プライマー配列の逆相補体によ
る下方鎖を伸長する逆転写の伸長の結果を示す。パネルDは、パネルCの合成プ
ライマーの5’末端を複製する5’ビオチン化合成上方鎖プライマーおよび定常
ドメインの部分に相補的な下方鎖プライマーを使用するPCR増幅の結果を示す
。パネルEは、5’ビオチン化上方鎖プライマーを使用することによって得られ
た固定二本鎖(ds)cDNAを示す。
【0057】
図2は、VL遺伝子の増幅のための同様の概略図を示す。図2、パネルAは、
第1の下方鎖の3’末端プライミング合成の領域またはその近くの定常領域に特
異的なプライマーを示す。ポリdT領域において結合するプライマーはまた、適
切である。パネルBは、mRNAに相補的でない3つのCによって、その3’末
端において伸長した下方鎖を示す。パネルCは、3’末端のCCCにハイブリダ
イズする3つのGGGにおける合成上方鎖プライマーのアニーリング、および合
成プライマー配列の逆相補体による下方鎖を伸長する逆転写の伸長の結果を示す
。パネルDは、パネルCの合成プライマーの5’末端を複製する5’ビオチン化
合成上方鎖プライマーおよび定常ドメインの部分に相補的な下方鎖プライマーを
使用するPCR増幅の結果を示す。下方鎖プライマーはまた、有用な制限エンド
ヌクレアーゼ部位(例えば、AscI)を含む。パネルEは、5’ビオチン化上
方鎖プライマーを使用することによって得られた固定ds cDNAを示す。
【0058】
図1および2において、各V遺伝子は、5’非翻訳領域(UTR)および分泌
シグナル(これには可変領域が続き、これには定常領域が続き、これには3’非
翻訳領域(これは、代表的にはポリAで終わる)が続く)からなる。逆転写のた
めの最初のプライマーは、定常領域または3’UTRのポリAセグメントに対し
て相補的であり得る。ヒト重鎖遺伝子については、15Tプライマーが好ましい
。逆転写酵素は、新しく合成されたDNAの3’末端にいくつかのC残基を付加
する。RTキャップ伸長は、この特徴を利用する。逆転写反応は、第1に、下方
鎖プライマーのみと作動される。約1時間後、プライマーは、GGG(USP−
GGG)で終了し、そして多くのRTaseが添加される。これは、下方鎖cD
NAが、USP−GGGの逆相補体によって最終GGGまで伸長されることを引
き起こす。付加された合成配列の部分に同一な1つのプライマーおよびセンス鎖
の3’末端における既知の配列の領域に相補的な第2のプライマーを使用して、
全てのV遺伝子は、それらのV遺伝子サブクラスに関わらず、増幅される。
【0059】
増幅後、本発明のDNAは、一本鎖とされる。例えば、この鎖は、ビオチン化
プライマーを使用すること、ストレプトアビジン樹脂上のビオチン化産物を捕獲
することによって、DNAを変成することによって、および相補的な鎖を洗い流
すことによって、分離され得る。捕獲されたDNAのどの末端が望まれているか
に依存して、上方(センス)鎖または下方(アンチセンス)鎖のいずれかを固定
することを選択する。
【0060】
これらのDNAによって(少なくとも部分的に)コードされるポリペプチド、
ポリペプチドまたはタンパク質の表示を行なうために、遺伝子パッケージへのク
ローニングのための一本鎖増幅DNAを調製し、クローニングおよび発現のため
に適切な末端を提供するように操作されなければならない。詳細には、任意の5
’非翻訳領域および最小のシグナル配列が除去され、そしてインフレームで、表
示宿主において機能する適切なシグナル配列によって置換され得る。さらに、可
変ドメイン(抗体遺伝子における)の部分は、除去され、そして合成多様性を含
む合成セグメントによって置換される。他の遺伝子ファミリーの多様性は、同様
に、合成多様性を用いて拡大され得る。
【0061】
本発明の方法に従って、クローニングのための一本鎖増幅DNAを操作するた
めの2つの方法が存在する。第1の方法は、以下の工程:
(i)核酸と一本鎖オリゴヌクレオチドとを接触させる工程であって、オリゴ
ヌクレオチドが、切断が望ましい領域における核酸に機能的に相補的であり、そ
して制限が核酸の切断を所望の位置で生じる制限エンドヌクレアーゼ認識部位を
形成する核酸中にその相補体を有する配列を含む、工程;および
(ii)核酸およびオリゴヌクレオチドの補完によって形成された認識部位の
みで核酸を切断する工程;
を包含し、接触および切断工程は、実質的に一本鎖形態で核酸を維持するのに十
分な温度で行なわれ、オリゴヌクレオチドは、切断が選択された温度および所望
の位置で生じ得るように、2つの鎖が会合するのを可能にするのに十分に大きい
領域にわたって核酸と機能的に相補的であり、そして切断は、選択された温度で
活性である制限エンドヌクレアーゼを使用して行なわれる。
【0062】
この第1の方法において、短いオリゴヌクレオチドを、1本鎖DNAにアニー
ルさせ、現在の局部的なDNAの2本鎖領域内に形成される制限エンドヌクレア
ーゼ認識部位を切断し得る。特に、1本鎖DNAの実質的な画分の同じ位置に生
じる認識部位は同一である。
【0063】
抗体遺伝子に関して、これは、生殖系列(germline)配列のカタログ
を用いてなされ得る。例えば、「http://www.mrc−cpe.ca
m.ac.uk/imt−doc/restricted/ok.html.」
を参照のこと。アップデータは、表題「Amino acid and nuc
leotide sequence alignments」の下でこのサイト
から獲得され得る。他のファミリーに関して、類似の比較が存在し、そして切断
のための適切な領域を選択するために、および多様性を維持するために用いられ
得る。
【0064】
例えば、表195は、51の公知のヒトVH生殖系列遺伝子のFR3領域のD
NA配列を示す。この領域において、この遺伝子は、表200に示される制限エ
ンドヌクレアーゼ認識部位を含む。同じ部位で生殖系列遺伝子の大画分を切断す
る制限エンドヌクレアーゼは、種々の部位で切断するエンドヌクレアーゼ以上に
好ましい。さらに、1本鎖DNA上で短いオリゴヌクレオチドが結合する領域(
例えば、制限エンドヌクレアーゼ認識部位のいずれかの側面の約10塩基)内に
制限エンドヌクレアーゼのための1つのみの部位が存在することが好ましい。
【0065】
FR3における下流を切断する酵素もまた、より好ましい。なぜならば、それ
は、フレームワークにおける少数の変異を捕捉するからである。このことは、い
くつかの場合、有利であり得る。しかし、フレームワークの変異が存在し、そし
て抗体結合を付与しそして増強することが周知である。本発明は、適切な制限部
位の選択により、FR3の多様性の全てまたは一部を捕捉することを可能とする
。従って、この方法はまた、広範囲の多様性を捕捉することを可能とする。
【0066】
最後に、本発明の方法において、約45℃と約75℃との間で活性な制限エン
ドヌクレアーゼが用いられる。好ましくは、50℃以上で活性な酵素、より好ま
しくは、約55℃で活性な酵素が用いられる。このような温度は、核酸配列が、
実質的に1本鎖形態で切断されることを維持する。
【0067】
表200に示される、単一の位置で重鎖FR3生殖系列遺伝子の多くを切断す
る酵素として、以下が挙げられる:MaeIII(24@4)、Tsp45I(
21@4)、HphI(44@5)、BsaJI(23@65)、AluI(2
3@47)、BlpI(21@48)、DdeI(29@58)、BglII(
10@61)、MslI(44@72)、BsiEI(23@74)、EaeI
(23@74)、EagI(23@74)、HaeIII(25@75)、Bs
t4CI(51@86)、HpyCH4III(51@86)、HinfI(3
8@2)、MlyI(18@2)、PleI(18@2)、MnlI(31@6
7)、HpyCH4V(21@44)、BsmAI(16@11)、BpmI(
19@12)、XmnI(12@30)、およびSacI(11@51)(使用
される表記は、例えば、BsmAIが、FR3の塩基11で開始する制限エンド
ヌクレアーゼ認識部位で16のFR3生殖系列遺伝子を切断することを意味する
)。
【0068】
FR3におけるヒト重鎖の切断について、好ましい制限エンドヌクレアーゼは
、以下のようなものである:Bst4CI(またはTaaIもしくはHpyCH
4III)、BlpI、HpyCH4V、およびMslI。ACNGT(Bst
4CI、TaaI、およびHpyCH4IIIのための制限エンドヌクレアーゼ
認識部位)は、全てのヒトFR3生殖系列遺伝子において一致する部位に見出さ
れるため、これらの酵素の1つは、重鎖CDR3の多様性の捕捉のために最も好
ましい。BlpIおよびHpyCH4Vは相補的である。BlpIは、VH1お
よびVH4ファミリーのほとんどのメンバーを切断し、HpyCH4Vは、VH
3、VH5、VH6、およびVH7のファミリーのほとんどのメンバーを切断す
る。両方の酵素ともVH2を切断しないが、これは非常に小さいファミリーであ
り、3つのメンバーを含むのみである。従って、これらの酵素はまた、本発明の
方法の好ましい実施形態において用いられ得る。
【0069】
制限エンドヌクレアーゼHpyCH4III、Bst4CI、およびTaaI
は全て、5’―ACnGT―3’を認識し、そしてnの後の上方のストランドD
NAおよびnに相補的な塩基の前の下方ストランドDNAを切断する。これは、
ヒト重鎖上でのこの方法のために最も好ましい制限エンドヌクレアーゼ認識部位
である。なぜならば、それは、全ての生殖系列遺伝子において見出されるからで
ある。さらに、制限エンドヌクレアーゼ認識領域(ACnGT)は、表206に
示されるような、チロシンコドン(tay)およびそれに続くシステインコドン
(tgy)の第2および第3の塩基に適合する。これらのコドン(特に、成熟抗
体遺伝子におけるシステイン)は、高度に保存されている。
【0070】
表250Eは、長さ22塩基(長さ20の最後の1つを除く)の別個のオリゴ
ヌクレオチドを示す。表255Cは、1617の実際の重鎖抗体遺伝子の分析を
示す。これらの中で、1511つはこの部位を有し、そして4つの不適合内で候
補オリゴヌクレオチドの1つに適合する。8つのオリゴヌクレオチドが、ほとん
どの適合の原因であり、表250F.1.に示す。8つのオリゴヌクレオチドは
非常に類似しており、その結果、満足のいく切断が、温度、pH、塩分などを調
整することにより、1つのみのオリゴヌクレオチド(例えば、H43.77.9
7.1−02#1)を用いて達成されるようである。1つまたは2つのオリゴヌ
クレオチドは、生殖系列遺伝子配列がごくわずかしか異ならない場合であっても
、そして特に切断される制限エンドヌクレアーゼ認識領域付近でごくわずかしか
異ならない場合、同様に満足し得る。表255Dは、8つの選択されたオリゴヌ
クレオチドのみを用いた、1617つの実際の重鎖抗体遺伝子の反復分析を示す
。これは、1463つの配列が、4つの不適合内で少なくとも1つのオリゴヌク
レオチドで適合すること、および期待するような部位を有することを示す。7つ
の配列のみが、この領域内に第2のHpyCH4III制限エンドヌクレアーゼ
認識領域を有する。
【0071】
適切な制限エンドヌクレアーゼ認識部位を選択する別の説明は、ヒト重鎖のF
R1における切断に関する。FR1における切断は、重鎖のCDRの多様性全体
の捕捉を可能にする。
【0072】
ヒト重鎖FR1についての生殖系列遺伝子を表217に示す。表220は、ヒ
ト生殖系列遺伝子FR1において見出される制限エンドヌクレアーゼ認識部位を
示す。好まし部位は、BsgI(GTGCAG;39@4)、BsoFI(GC
ngc;43@6、11@9、2@3、1@12)、TseI(Gcwgc;4
3@6、11@9、2@3、1@12)、MspAlI(CMGckg;46@
7、2@1)、PvuII(CAGctg;46@7、2@1)、AluI(A
Gct;48@82@2)、DdeI(Ctnag;22@52、9@48)、
HphI(tcacc;22@80)、BssKI(Nccngg;35@39
、2@40)、BsaJI(Ccnngg;32@40、2@41)、BstN
I(CCwgg;33@40)、ScrFI(CCngg;35@40、2@4
1)、Eco0109I(RGgnccy;22@46、11@43)、Sau
96I(Ggncc;23@47、11@44)、AvaII(Ggwcc;2
3@47、4@44)、PpuMI(RGgwccy;22@46、4@43)
、BsmFI(gtccc;20@48)、HinfI(Gantc;34@1
6、21@56、21@77)、TfiI(21@77)、MlyI(GAGT
C;34@16)、MlyI(gactc;21@56)、およびAlwNI(
CAGnnnctg;22@68)である。より好ましい部位は、MspAIお
よびPvuIIである。MspAIおよびPvuIIは、7〜12での46つの
部位および1〜6での2つの部位を有する。両方の部位での切断を回避するため
に、1〜6での部位を完全に覆わないオリゴヌクレオチドが用いられる。従って
、DNAは、その部位で切断されない。本発明者らは、PvuII部位を超えて
3、4、または5塩基延びるDNAが効果的に切断され得ることを示した。
【0073】
適切な制限エンドヌクレアーゼ認識部位を選択する別の説明は、ヒトκ軽鎖の
FR1における切断に関する。表300は、ヒトκFR1生殖系列を示し、そし
て表302は、一致する部位で実質的に多くのヒトκFR1生殖系列遺伝子にお
いて見出される制限エンドヌクレアーゼ認識部位を示す。列挙される制限エンド
ヌクレアーゼ認識部位の中で、BsmAIおよびPflFIが最も好ましい酵素
である。BsmAI部位は、40の生殖系列遺伝子の中の35において塩基18
にて見出される。PflFI部位は、40の生殖系列遺伝子の中の35において
塩基12にて見出される。
【0074】
適切な制限エンドヌクレアーゼ認識部位を選択する別の例は、ヒトλ軽鎖のF
R1における切断に関する。表400は、31の公知のヒトλFR1生殖系列遺
伝子配列を示す。表405は、ヒトλFR1生殖系列遺伝子において見出される
制限エンドヌクレアーゼ認識部位を示す。HinfIおよびDdeIが、FR1
におけるヒトλ鎖を切断するための最も好ましい制限エンドヌクレアーゼである

【0075】
切断のための1つかまたは複数の適切な部位が選択された後に、1つ以上の短
いオリゴヌクレオチドが、1つかまたは組み合わせて、選択された認識部位を機
能的に補うために調製される。このオリゴヌクレオチドはまた、増幅された遺伝
子の大部分において認識部位に隣接する配列を含む。この隣接配列は、この配列
が、選択された部位に特異的な制限エンドヌクレアーゼにより切断されるのに十
分に、1本鎖DNAにアニールすることを可能にする。
【0076】
このオリゴヌクレオチドの実際の長さおよび配列は、認識部位ならびに接触お
よび切断のために用いられる状態に依存する。この長さは、オリゴヌクレオチド
が、2つのストランドが結合し、その結果、選択された温度および所望の位置の
みでの切断が生じるのに十分大きな領域にわたって、1本鎖DNAに機能的に相
補性であるために十分でなければならない。
【0077】
代表的に、本発明の好ましい方法のオリゴヌクレオチドは、約17〜約30ヌ
クレオチド長である。約17塩基未満では、アニーリングが弱すぎ、そして30
塩基より上では、特異性の喪失が存在し得る。好ましい長さは、18〜24塩基
である。
【0078】
この長さのオリゴヌクレオチドは、生殖系列遺伝子の同一の相補体である必要
はない。むしろ、生じる数個の不適合が寛容され得る。しかし、好ましくは、1
〜3の不適合のみが許容される。このような不適合は、1本鎖DNAに対するこ
のオリゴヌクレオチドのアニーリングに逆に影響しない。従って、この2つのD
NAは、機能的に相補性であると呼ばれる。
【0079】
クローニングのために本発明の増幅した1本鎖DNAを操作するための第2の
方法は、以下の工程を包含する:
(i)核酸と部分的に2本鎖のオリゴヌクレオチドを接触される工程であっ
て、このオリゴヌクレオチドの1本鎖領域が、切断が所望される領域においてこ
の核酸に機能的に相補的であり、そしてこのオリゴヌクレオチドの2本鎖領域が
、II−S型制限エンドヌクレアーゼ認識部位を有し、それらの切断部位が、認
識部位から既知の距離で配置される、工程;および
(ii)核酸とオリゴヌクレオチドの1本鎖領域との補完により形成される
切断部位のみでこの核酸を切断する工程。
接触工程および切断工程は、この核酸を実質的に1本鎖形態で維持するために十
分な温度にて実施され、オリゴヌクレオチドは、2つのストランドが結合し、そ
の結果、選択された温度および所望の位置で切断が生じ得るのに十分に大きな領
域にわたってこの核酸に対して機能的に相補性であり、そして切断は、選択され
た温度で活性な制限エンドヌクレアーゼを用いて実施される。
【0080】
この第2の方法は、ユニバーサル制限エンドヌクレアーゼ(「URE」)を用
いる。UREは、部分的に2本鎖オリゴヌクレオチドである。1本鎖部分または
UREの重複は、1本鎖DNAにおいて切断されるためにこの配列に対して機能
的に相補性であるDNAアダプターからなる。2本鎖部分は、II−S型制限エ
ンドヌクレアーゼ認識部位でからなる。
【0081】
本発明のURE方法は、特異的かつ正確であり、そして相補領域においていく
つか(例えば、1〜3)の不適合を寛容し得る(すなわち、それはその領域に対
して機能的に相補性である)。さらに、UREが用いられる条件が調整され、そ
の結果、増幅されるほとんどの遺伝子が切断され、それらの遺伝子から生成され
るライブラリー中の偏りを減少させ得る。
【0082】
1本鎖DNAアダプターの配列またはUREの重複部分は、代表的に、約14
〜22塩基からなる。しかし、より長いかまたはより短いアダプターが用いられ
得る。大きさは、アダプターが1本鎖DNAの機能的な相補体と結合する能力、
ならびにII−S型酵素を用いてこのDNAを切断するために用いられる温度に
てUREと1本鎖DNAを接触させるために用いられる温度に依存する。アダプ
ターは、2つのストランドが結合し、その結果、選択された温度および所望の位
置で切断が生じ得るのに十分に大きな領域にわたって1本鎖DNAに対して機能
的に相補性でなければならない。本発明者らは、14〜17塩基長、より好まし
くは18〜20塩基長の1本鎖部分または重複部分を好む。
【0083】
UREを用いて切断のために選択される部位は、好ましくは、増幅されたDN
Aのファミリーにおいて実質的に保存される部位である。本発明の第1の切断方
法と比較する場合、これらの部位は、エンドヌクレアーゼ認識部位である必要が
ない。しかし、第1の方法のように、選択される部位は、ネイティブのDNAに
存在するというよりも合成性であり得る。このような部位は、公知の抗体または
遺伝子の他のファミリーの配列に関する参照により選択され得る。例えば、多く
の生殖系列遺伝子の配列は、http://www.mrc−cpe.cam.
ac.uk/imt−doc/restricted/ok.htmlにて報告
されている。例えば、1つの好ましい部位は、FR3の末端付近(コドン89〜
コドン93の第2の塩基)で生じる。CDR3は、コドン95で開始する。
【0084】
79のヒト重鎖遺伝子の配列もまた、http://www.ncbi.nl
m.nih.gov/entre2/nucleotide.htmlにて利用
可能である。このサイトは、本発明の方法に従うURE切断のための適切な配列
を同定するために用いられ得る。例えば、表8Bを参照のこと。
【0085】
最も好ましくは、1つ以上の配列が、これらのサイトまたは他の利用可能な配
列情報を用いて同定される。これらの配列は、共に、増幅されたDNAの実質的
な画分に存在する。例えば、複数の配列が、生殖系列遺伝子における公知の多様
性または頻度の高い体細胞変異を可能にするために用いられ得る。合成性の変性
配列もまた、用いられ得る。好ましくは、2〜3の不適合のみを有する試験され
た遺伝子の少なくとも65%において生じる配列が、選択される。
【0086】
次いで、URE1本鎖アダプターまたは重複は、選択される領域に相補性であ
るように作製される。UREを使用する条件は、経験的に決定される。これらの
条件は、2〜3の不適合のみを有する機能的に相補性の配列を含むDNAの切断
を可能にするが、このような配列を欠くDNAの切断を可能にしない。
【0087】
上記のように、UREの二本鎖部分として、II−S型エンドヌクレアーゼ認
識部位が挙げられる。一本鎖DNAを実質的にその形態で保持し、そして一本鎖
DNAが所望される部位で切断されるのを可能にするために、UREの一本鎖D
NAアダプター部分が十分な長さでアニーリングすることを可能にするのに必要
な温度で活性な任意のII−S型酵素が使用され得る。
【0088】
本発明のURE方法での使用のための好ましいII−S型酵素は、一本鎖DN
Aの非対称的な切断を提供する。とりわけ、表800にこれらの酵素を列挙する
。もっとも好ましいII−S型酵素が、FokIである。
【0089】
好ましいFokIを含むUREが使用される場合、切断を起こすためのいくつ
かの条件を使用することが好ましい:
1)酵素を活性化するための標的DNA全体のUREの発現が存在するべきで
ある。標的DNAに対して等モル量しか存在しないUREは、ssDNAの少な
い切断を生じる。なぜなら、利用可能な活性な酵素の量は限られているからであ
る。
【0090】
2)アクチベーターを使用してFokI酵素の一部を活性化し、切断を生じる
ことなく二量体化させ得る。適切なアクチベーターの例を、表510に示す。
【0091】
3)切断の制限は、45℃〜75℃の間の温度、好ましくは50℃より高い温
度、そして最も好ましくは55℃より高い温度で実施される。
【0092】
先行技術で使用されているUREは、14の塩基の一本鎖セグメント、10の
塩基のステム(FokI部位を含む)、それに続く10塩基のステムのパリンド
ロームを含んだ。このようなUREを本発明の本方法で使用し得るが、本発明の
好ましいUREはまた、セグメントを含むFokI制限エンドヌクレアーゼ認識
部位の間の3〜8塩基(1つのループ)のセグメントも含む。好ましい実施形態
において、ステム(FokI部位を含む)およびそのパリンドロームはまた、1
0塩基よりも長い。好ましくは、これらは、10〜14塩基長である。これらの
「ロリポップ(lollipop)」UREアダプターの例を表5に示す。
【0093】
UREを使用して、一本鎖DNAを切断する1つの例としては、ヒト重鎖のF
R3領域が挙げられる。表508は、示されるURE認識配列を有する840の
全長成熟ヒト重鎖の分析を示す。大部分(718/840=0.85)は、5つ
のURE(VHS881−1.1、VHS881−1.2、VHS881−2.
1、VHS881−4.1、およびVHS881−9.1)を使用して、2以下
のミスマッチを認識される。これらのそれぞれは、生殖系列の遺伝子に相補的な
20塩基のアダプター配列、FokI部位を含む10塩基のステムセグメント、
5つの塩基ループ、および第一のステムセグメントの逆の相補体を有する。これ
らのアダプターを、単独でまたは組合せて一本鎖アンチセンス重鎖DNAにアニ
ーリングし、そして例えば、アクチベーターFOKIactの存在下でFokI
を用いて処理することによって、指示された位置でアンチセンス鎖の切断を生じ
る。
【0094】
UREを使用して一本鎖DNAを切断する別の例としては、ヒトκ軽鎖のFR
1領域が挙げられる。表512は、4つの示された19塩基のプローブ配列によ
る一致についての182の全長ヒトκ鎖の分析を示す。96%の配列は、2以下
のミスマッチを有するプローブの1つと一致する。表512に示されるUREア
ダプターは、κ鎖のセンス鎖の切断のためである。従って、アダプター配列は、
生殖系列の遺伝子配列の逆の相補体である。UREは、10塩基のステム、5塩
基のループ、ステムの逆の相補体およびその相補配列から構成される。ループは
、ここではTTGTTを示すが、他の配列が使用され得る。その機能は、ロリポ
ップ単量体の形成が二量体化よりも好まれるように、ステムのパリンドロームを
妨げることである。表512はまた、センス鎖が切断される場所を示している。
【0095】
UREを使用して一本鎖DNAを切断する別の例としては、ヒトλ軽鎖が挙げ
られる。表515は、4つの示された19塩基のプローブを一致させるための1
28のヒトλ軽鎖の分析を示している。3以下のミスマッチを有し、128のう
ちの88(69%)の鎖がプローブの1つと一致する。表515はまた、これら
のプローブに対応するUREアダプターを示している。これらのアダプターを、
λ鎖の上側の鎖ssDNAにアニーリングし、そしてFOKIactの存在下、
45℃またはそれより高い温度で、FokIで処理することによって、これらの
鎖の特異的かつ正確な切断が生じる。
【0096】
第一の方法の短いオリゴヌクレオチド配列および第二の方法のUREが、一本
鎖DNAと接触する条件下で、経験的に決定され得る。この条件は、一本鎖DN
Aが、実質的に一本鎖の形態で保持されるようでなければならない。より詳細に
は、これらの条件は、一本鎖DNAが、ループを形成しないような条件でなけれ
ばならず、このループは、それが関係するオリゴヌクレオチド配列もしくはUR
Eを妨害し得るか、または選択的制限エンドヌクレアーゼによってループ自身が
切断の部位を提供し得る。
【0097】
短いオリゴヌクレオチド(第一の方法)およびURE(第二の方法)の効率お
よび特異性は、UREアダプター/オリゴヌクレオチドならびに基質DNAの濃
度、温度、pH、金属イオン濃度、イオン強度、カオトロープ(chaotro
pe)(例えば、尿素およびホルムアミド)の濃度、制限エンドヌクレアーゼ(
例えば、FokI)の濃度、および消化の時間を制御することによって調整され
得る。これらの条件は、以下を有する合成オリゴヌクレオチドを用いて最適化さ
れ得る:1)標的生殖系列遺伝子配列、2)成熟標的遺伝子配列、または3)幾
分関連する非標的配列。目標は、標的配列のほとんどを切断しかつ非標的の最小
量を切断することである。
【0098】
本発明の好ましい実施形態において、一本鎖DNAは、45℃〜75℃の間の
温度を使用して、実質的に一本鎖DNAの形態で維持される。より好ましくは、
50℃〜60℃の間であり、最も好ましくは55℃〜60℃の間の温度が使用さ
れる。これらの温度は、DNAがオリゴヌクレオチドまたはUREと接触する場
合、および本発明の方法を使用してDNAを切断する場合の両方で使用される。
【0099】
本発明の2つの切断方法は、いくつかの利点を有する。第一の方法は、一本鎖
DNAのファミリーの個々のメンバーを、1つの実質的に保存されたエンドヌク
レアーゼ認識部位で単独に切断することを可能にする。この方法はまた、逆転写
または増幅プライマーに構築されるエンドヌクレアーゼ認識部位を必要としない
。ファミリー中の任意のネイティブな部位または合成部位が使用され得る。
【0100】
第二の方法は、これらの利点の両方を有する。さらに、UREの方法は、一本
鎖DNAが、天然に存在するか、または合成で構築されたエンドヌクレアーゼ認
識部位を有さない位置で切断されることを可能にする。
【0101】
最も重要なことは、両方の切断方法が、多様性を最大にするように5’および
3’プライマーの使用を可能にし、次いでクローニングおよびディスプレイの前
に所望でないか、または有害な配列を除去するような切断を可能にする。
【0102】
増幅されたDNAを、本発明の方法の1つを使用して切断した後、このDNA
はクローニングのために調製される。これは、部分的に二重鎖の合成DNAアダ
プター(この末端配列は、特定の切断部位に基づいており、増幅されたDNAは
、この部位で切断される)を使用することによってなされる。
【0103】
合成DNAは、切断された一本鎖DNAに連結される場合、DNAが、所望の
ペプチド、ポリペプチドまたは遺伝子パッケージの表面タンパク質をディスプレ
イするように正確なリーディングフレームに発現されることを可能にするように
設計される。好ましくは、アダプターの二本鎖部分は、ペプチド、ポリペプチド
または切断部位までのタンパク質のファミリーのアミノ酸配列の特徴をコードす
るいくつかのコドン配列を含む。ヒト重鎖について、好ましくは、3〜23のフ
レームワークのアミノ酸を使用して、切断されたDNAの発現に必要な配列を提
供する。
【0104】
好ましくは、アダプターの二本鎖部分は、約12〜100塩基長である。より
好ましくは、約20〜100塩基が使用される。アダプターの二本鎖領域はまた
、好ましくは、DNAを適切なディスプレイベクター(または多様性を保存する
ために使用されるレシピエントベクター)にクローニングするために有用な少な
くとも1つのエンドヌクレアーゼ認識部位を含む。このエンドヌクレアーゼ制限
部位は、DNA配列を伸長するために使用される生殖系列遺伝子配列に対してネ
イティブであり得る。これはまた、ネイティブな生殖系列遺伝子配列に対して縮
重した配列を使用して構築され得る。または、これは全合成であり得る。
【0105】
アダプターの一本鎖部分は、一本鎖DNAにおける切断領域に相補的である。
このオーバーラップは、約2塩基〜約15塩基までであり得る。オーバーラップ
がより長くなるにつれて、連結がより効率的になるようである。オーバーラップ
について好ましい長さは、7〜10である。これは、領域における多様性が捕捉
され得るようにこの領域のいくつかのミスマッチを可能にする。
【0106】
一本鎖領域または部分的二重鎖のアダプターのオーバーラップが有利である。
なぜなら、これは、DNAが選択された部位で切断されることを可能にするが、
捕捉される他のフラグメントは切断されないからである。このようなフラグメン
トは、適切な抗体に折り畳まれず、そして非特異的粘着性であるらしい遺伝子コ
ード配列を有するライブラリーを汚染する。
【0107】
本発明の方法における部分的二重鎖のアダプターの使用の1つの例示としては
、このようなアダプターを上記のように、5’−ACnGT−3’において、H
pyCH4III、Bst4CIまたはTaaIを使用して切断されるヒトFR
3領域に連結する工程を包含する。
【0108】
表250F.2は、切断された下側の鎖であるDNAに連結するためにアダプ
ターの二本鎖部分の下側の鎖を示している。HpyCH4III部位は、右(表
206に示されるような)に対して非常に遠いので、AflII部位およびXb
aI部位を含む配列が、付加され得る。部分的に二重鎖のアダプターのこの下側
の鎖部分(H43.XAExt)は、XbaIおよびAflII部位の両方を組
込む。アダプターの二重鎖部分の上側の鎖は、いずれの部位も有さない(H43
.XAExtのXbaIおよびAflII部位に逆のセグメントにおける計画さ
れたミスマッチのため)が、H43.XAExtに非常に強固アニーリングする
。H43AExtは、AflII部位のみを含み、そして上側鎖H43.ABr
1およびH43.ABr2(これは、AflII部位を破壊するために意図的な
変更を有する)とともに使用される。
【0109】
連結後に、所望の捕獲されたDNAは、さらにPCR増幅され得、所望である
場合、好ましい実施形態において、抗体遺伝子の下流の定常領域に対するプライ
マー、およびアダプターの二本鎖領域の部分に対するプライマーを使用する。こ
れらのプライマーはまた、増幅されたDNAのクローニングに使用するための制
限エンドヌクレアーゼ部位を保有する。
【0110】
部分的な二本鎖アダプターの一本鎖増幅DNAへの連結、およびおそらく増幅
の後、複合体DNAは、選択された5’側および3’側エンドヌクレアーゼ認識
部位で切断される。
【0111】
クローニングに有用な切断部位は、カセットが挿入されるファージまたはファ
ージミドおよび抗体遺伝子におけるその利用可能な部位に依存する。表1は、7
5のヒト軽鎖についての制限エンドヌクレアーゼのデータを提供する。表2は、
79のヒト重鎖についての対応するデータを示す。各表において、エンドヌクレ
アーゼは、切断の頻度が増す順番で並べられている。これらの表において、Nc
hは、酵素によって切断される鎖の数であり、Nsは、部位の数(いくつかの鎖
は1より多い部位を有する)である。
【0112】
この分析から、SfiI、NotI、AflII、ApaLIおよびAscI
が非常に適切である。SfiIおよびNotIは、好ましくは、重鎖ディスプレ
イセグメントを挿入するためのpCES1において使用される。ApaLIおよ
びAscIは、好ましくは、軽鎖ディスプレイセグメントを挿入するためにpC
ES1において使用される。
【0113】
BstEII部位は、生殖系列JH遺伝子の97%に生じる。再配列されたV
遺伝子において、重鎖遺伝子の54/79(68%)のみが、BstEII部位
を含み、そしてこれらの7/61が、2つの部位を含む。従って、47/79(
59%)が、1つのBstEII部位を含む。BstEIIを使用することの代
替策は、JH末端でのUREを介する切断、およびCH1の部分をコードする合
成オリゴヌクレオチドへの連結である。
【0114】
本発明の方法を使用するDNA配列のファミリーを調製する1つの例として、
ヒトCDR3多様性を捕捉することが挙げられる。上記のように、種々の自己免
疫の患者からのmRNAは、cDNAへ逆転写される。mRNAが分解された後
、cDNAを固定化し、そして短いオリゴヌクレオチドを使用してcDNA上流
のCDR3を切断する。次いで、部分的に二重鎖の合成DNAアダプターは、D
NAにアニーリングされ、そしてこのDNAは、アダプターに対するプライマー
および定常領域(FR4の後)に対するプライマーを使用して増幅される。次い
で、DNAはBstEII(FR4中)および部分的二本鎖アダプター(例えば
、XbaIおよびAflII(FR3中))に適切な制限エンドヌクレアーゼを
使用して切断される。次いで、DNAは合成VH骨格(例えば、3〜23)に連
結される。
【0115】
URE方法を使用して切断された一本鎖DNAを調製する1つの例として、ヒ
トκ鎖が挙げられる。この鎖のセンス鎖の切断部位は、表512に示される。オ
リゴヌクレオチドkapextUREは、オリゴヌクレオチド(kaBR01U
R、kaBR02UR、kaBR03UR、およびkaBR04UR)にアニー
リングされて部分的二重鎖DNAを形成する。次いで、このDNAは、切断され
た可溶性のκ鎖に連結される。次いで、連結産物は、プライマーkapextU
REPCRおよびCKForeAsc(これは、Cκ末端後のAscI部位に挿
入する)を使用して増幅される。次いで、この産物は、ApaLIおよびAsc
Iを用いて切断され、そして同様にレシピエントベクターを切断するために連結
される。
【0116】
別の例としては、表515に示される切断が挙げられる。切断後、エクステン
ダー(extender)(ON_LamEx133)オリゴヌクレオチドおよ
び4つのブリッジ(bridge)オリゴヌクレオチド(ON_LamB1−1
33、ON_LamB2−133、ON_LamB3−133およびON_La
mB4−133)は、アニーリングされて部分的二重鎖DNAを形成する。この
DNAは、切断されたλ鎖センス鎖に連結される。連結後、DNAは、ON_L
am133PCRおよびλ定常ドメインに特異的な前進プライマー(例えば、C
L2ForeAscまたはCL7ForeAsc(表130))を用いて増幅さ
れる。
【0117】
ヒト重鎖において、FR4のほとんど全ての遺伝子は、ヒト重鎖V遺伝子の非
常に大きな画分中の定常位置で生じるBstEII部位で切断され得る(下流、
すなわち、CDR3のセンス鎖の3’末端へ向かって)。次いで、CDR3の多
様性のみが捕捉される場合、FR3中の部位が、CDR2およびCDR3の多様
性が所望される場合、FR2中の部位が、またはCDRの多様性全てが所望され
る場合、FR1中の部位が必要である。これらの部位は、好ましくは、部分的二
重鎖のアダプターの一部として挿入される。
【0118】
本発明の好ましいプロセスは、軽鎖または重鎖のいずれかのクローニングを可
能にする部位を有するレシピエントベクターを提供することである。このような
ベクターは、周知であり、当該分野で広く使用される。本発明に従った好ましい
ファージ提示ベクターは、ファージMALIA3である。これは、遺伝子III
において提示する。ファージMALIA3の配列を、表120A(注釈付)およ
び表120B(要約)に示す。
【0119】
軽鎖または重鎖の選択された領域をコードするDNAを、軽鎖または重鎖のい
ずれかを非常に稀にしか切断しないエンドヌクレアーゼを使用してベクターに移
入し得る。例えば、軽鎖は、ApaLIおよびAscIによって捕捉される。重
鎖遺伝子は、好ましくは、SfiI、NcoI、XbaI、AflII、Bst
EII、ApaIおよびNotI部位を有するレシピエントベクターにクローニ
ングされる。軽鎖は、好ましくは、ApaLI−AscIフラグメントとしてラ
イブラリー中に移される。重鎖は、好ましくは、SfiI−NotIフラグメン
トとしてライブラリーに移される。
【0120】
最も好ましくは、この提示は、M13ファージの誘導体の表面上に有される。
最も好ましいベクターは、M13の全ての遺伝子、抗生物質耐性遺伝子、および
提示カセットを含む。好ましいベクターは、遺伝子の多様なファミリーのメンバ
ーの導入および切除を可能にする制限部位をカセットとして提供される。好まし
いベクターは、ファージを増幅させるために使用される増殖条件下での再編成に
対して安定である。
【0121】
本発明の別の実施形態において、本発明の方法によって捕捉される多様性は、
IIIタンパク質上にペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質を提示するファ
スミドベクター(例えば、pCES1)において提示され得る。このようなベク
ターはまた、他のベクターまたはファージを使用する引き続く提示のための多様
性を保存するために使用され得る。
【0122】
別の実施形態において、提示の様式は、3つの可能性のあるアンカードメイン
に対する短いリンカーを介し得る。M13 III(「IIIスタンプ」)の最
終部分である1つのアンカードメイン、全長III成熟タンパク質である第二の
アンカー、およびM13 VIII成熟タンパク質である第三のアンカー。
【0123】
IIIスタンプフラグメントは、ファージに構築するためのM13 IIIを
十分に含むが、感染性の媒介に関するドメインを含まない。野生型のIIIおよ
びVIIIタンパク質が存在することから、このファージは、抗体遺伝子を除去
しないようであるが、非常に低い増殖の利点のみを受けるこれらのセグメントを
欠失する。各々のアンカードメインのために、このDNAは野生型のAA配列を
コードするが、非常に高い程度で野生型のDNA配列とは異なる。これは、提示
アンカーと野生型遺伝子(これもまた存在する)との間の相同組換えの可能性を
非常に減少させる。
【0124】
最も好ましくは、本発明は、抗生物質耐性遺伝子(例えば、アンピシリン耐性
遺伝子)および提示カセットを保有する完全なファージを使用する。野生型ii
iおよびviii遺伝子が存在することから、野生型タンパク質もまた存在する
。この提示カセットは、調節可能なプロモーター(例えば、PLacZ)から転
写される。調節可能なプロモーターの使用は、対応する野生型コートタンパク質
に対する融合提示遺伝子の比を制御することを可能にする。この比は、ファージ
(またはファスミド)粒子当たりの提示融合の平均コピー数を決定する。
【0125】
本発明の別の局面は、糸状ファージ上にペプチド、ポリペプチドまたはタンパ
ク質(および特にFab)を提示する方法である。最も好ましい実施形態におい
て、この方法は、FABを提示し、以下を包含する:
a)以下のエレメントをコードするDNAの断片の送達を捕捉するカセットを得
る工程:
reg::RBS1::SS1::VL::CL::停止::RBS2::
SS2::VH::CH1::リンカー::アンカー::停止::、
ここで、Pregは、調節可能なプロモーターであり、PBS1は、第一のリボ
ソーム結合部位であり、SS1は、宿主株において作動可能なシグナル配列であ
り、VLは、軽鎖可変領域の種々のセットのメンバーであり、CLは、軽鎖定常
領域であり、停止は、1以上の停止コドンであり、PBS2は、第二のリボソー
ム結合部位であり、SS2は、宿主株において作動可能な第二のシグナル配列で
あり、VHは、重鎖可変領域の種々のセットのメンバーであり、CH1は、抗体
重鎖の第一の定常領域であり、リンカーは、1〜約50残基のアミノ酸の配列で
あり、アンカーは、糸状ファージ粒子に構築されるタンパク質であり、そして停
止は、1以上の停止コドンの第二の例である;ならびに
b)ファージの生存性を最大化し、そしてこのカセットまたはその部分の欠失の
可能性を最小化するためにファージゲノム内にカセットを配置する工程。
【0126】
上記の好ましいカセット中のアンカータンパク質をコードするDNAは、同じ
(または密接に関連する)アミノ酸配列(ファージのコートタンパク質の1つに
見出されるような)をコードするが、別個のDNA配列を有するように設計され
る。これは、野生型遺伝子との望まない相同組換えを防止する。さらに、このカ
セットは、遺伝子間領域に配置されるべきである。提示カセットの配置および方
向は、ファージの挙動に影響し得る。
【0127】
本発明の1つの実施形態において、転写ターミネーターは、上記の提示カセッ
トの第二の停止(例えば、Trp)の後に配置され得る。これは、提示カセット
とファージ抗体提示ベクター(PADV)中の他の遺伝子との間の相互作用を減
少させる。
【0128】
本発明の方法の別の実施形態において、このファージまたはファージミドは、
Fab以外のタンパク質を、他のタンパク質遺伝子で置換することによって、上
記のFab部分を提示し得る。
【0129】
種々の宿主を、本発明の提示ファージまたはファージミドの増殖のために使用
し得る。このような宿主は、当該分野で周知である。好ましい実施形態において
、Fabが提示される場合、好ましい宿主は30℃で増殖し、そしてRecA
(望まない遺伝子組み換えを減少させるため)およびEndA(RF DNA
の回収を容易化するため)であり得る。エレクトロポレーションによって容易に
形質転換される宿主株もまた好ましい。
【0130】
XL1−Blue MRF’は、これらの好ましさのほとんどを満足させるが
、30℃ではあまり増殖しない。XL1−Blue MRF’は、38℃でゆっ
くりと増殖し、従って、許容可能な宿主である。TG−1はまた、中間宿主とし
てより好ましいが、RecAおよびEndAである。XL1−Blue M
RF’は、ライブラリーの最終構築の前の多様性を蓄積するために使用される中
間宿主としてより好ましい。
【0131】
提示後、本発明のライブラリーを、周知かつ慣用的に使用される技術を使用し
てスクリーニングし得る。次いで、選択されたペプチド、ポリペプチドまたはタ
ンパク質を、疾患を処置するために使用し得る。一般に、治療または薬学的組成
物における使用のためのペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質を、選択され
るライブラリーのメンバーから所望のペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質
をコードするDNAを単離することによって生成する。次いで、このDNAを、
慣用的な方法において使用して、適切な宿主細胞、好ましくは、哺乳動物細胞(
例えば、CHO細胞)においてコードされるペプチド、ポリペプチドまたはタン
パク質を生成する。単離後、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質を、単独
でか、または疾患を処置するための治療において薬学的に受容可能な組成物と共
に使用する。
【実施例】
【0132】
(実施例)
(実施例1:BsmAIを用いるκ鎖の捕捉)
ヒトκ鎖mRNAのレパートリーを、種々の自己免疫疾患を有する患者の集団
から単離した総RNAまたはポリ(A+)RNAを仔ウシ腸ホスファターゼで処
理して、例えば、リボソームRNA、フラグメント化mRNA、tRNAおよび
ゲノムDNAを有する全ての分子から5’−リン酸を除去することによって調製
した。全長のmRNA(保護的7−メチルキャップ構造を含む)は、影響されな
い。次いで、RNAを、タバコ酸ピロホスファターゼで処理して、5’−一リン
酸基を残して全長のmRNAからキャップ構造を除去する。
【0133】
全長のmRNAを、5’末端でアダプターによって改変し、次いで、逆転写し
、そしてGenerRACETM方法およびキット(Invitrogen)を
使用して増幅した。アダプターに相補的な5’ビオチン化プライマー、および構
築物の領域の一部に相補的な3’プライマーを使用した。
【0134】
上方の鎖の5’末端にビオチンを結合した約2マイクログラム(μg)のヒト
κ鎖(Igκ)遺伝子RACE材料を、200マイクロリットル(μL)のSe
radyn磁気ビーズ上に固定した。下方の鎖を、2アリコートの200μLの
0.1M NaOH(pH13)で、第一のアリコートについて3分間、次いで
第二のアリコートについて30秒間、DNAを洗浄することによって除去した。
これらのビーズを、200μLの10mM Tris(pH7.5)100mM
NaClで中和した。表525に示した短いオリゴヌクレオチドを、100μ
LのNEB緩衝液2(50mM NaCl、10mM Tris−HCl、10
mM MgCl、1mM ジチオトレイトール pH7.9)中に40倍モル
過剰に、乾燥ビーズに添加した。この混合物を、95℃で5分間インキュベート
し、次いで、30分かけて55℃まで冷却した。過剰なオリゴヌクレオチドを、
NEB緩衝液3(100mM NaCl、50mM Tris−HCl、10m
M MgCl、1mM ジチオトレイトール pH7.9)で2回洗浄して除
去した。10単位のBsmAI(NEB)を、NEB緩衝液3に添加し、そして
55℃で1時間インキュベートした。切断された下流のDNAを、収集し、そし
てQiagen PCR精製カラムで精製した(図3および図4)。
【0135】
部分的に二本鎖のアダプターを、表525に示したオリゴヌクレオチドを使用
して調製した。このアダプターを、1000単位のT4 DNAリガーゼ(NE
B)と共に100倍モル過剰に一本鎖DNAに添加し、そして16℃で一晩イン
キュベートした。過剰なオリゴヌクレオチドを、Qiagen PCR精製カラ
ムで除去した。この連結材料を、表525に示したプライマーkapPCRt1
およびkapforを使用するPCRによって、表530に示したプログラムで
10サイクル増幅した。
【0136】
可溶性PCR産物を、ゲルで泳動し、そして予測されるような約700nのバ
ンドを示した(図5および図6)。このDNAを、酵素ApaLIおよびAsc
Iで切断し、ゲル精製し、そして同様に切断したベクターpCES1に連結した
。正確なサイズの挿入物の存在を、図15に示したように、いくつかのクローン
でPCRによってチェックした。
【0137】
表500は、この手順によって捕捉されたκ軽鎖のDNA配列を示す。表50
1は、この手順によって捕捉された第二の配列を示す。最も近い架橋配列は、配
列5’−agccacc−3’に相補的であったが、捕捉された配列は5’−T
gccacc−3’と読め、これは、重複領域中にいくつかのミスマッチを寛容
したことを示す。
【0138】
(実施例2:V−3−23 VHフレームワークにおける合成CDR1および
CDR2の多様性の構築)
合成相補性決定基領域(CDR)1および2の多様性を、二段階のプロセスで
3−23 VHフレームワークにおいて構築した:第一に、3−23 VHフレ
ームワークを含むベクターを構築し、次いで、合成CDR1および2を、構築し
てこのベクター中にクローニングした。
【0139】
V3−23フレームワークの構築のために、重複する8つのオリゴおよび2つ
のPCRプライマー(表600に示した長いオリゴヌクレオチド:TOPFR1
A、BOTFR1B、BOTFR2、BOTFR3、F06、BOTFR4、O
N−vgC1、およびON−vgC2ならびにプライマー:SFPREMTおよ
びBOTPCRPRIM)を、V323 VHのGenbankの配列に基づい
て設計した。この設計は、表600に示されるような、各々のフレームワークに
おける少なくとも1つの有用な制限部位を取り込んだ。表600において、合成
された断片を太字として示し、重複する領域に下線を付し、そして各末端でのP
CRプライマー領域に下線を付した。これら8つのオリゴの混合物を、20μl
のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)反応中の2.5μMの最終濃度で組み合わせ
た。このPCR混合物は、200μM dNTP、2.5mM MgCl、0
.02U Pfu TurboTMDNAポリメラーゼ、1U Qiagen
HotStart Taq DNA ポリメラーゼ、および1×Qiagen
PCR緩衝液を含んだ。このPCRプログラムは、94℃で30秒、55℃で3
0秒、および72℃で30秒の10サイクルからなった。次いで、100μl
PCR反応における最初のPCRからの10倍希釈の2.5μlを使用して、構
築されたV3−23 DNA配列を増幅した。このPCR反応は、200μM
dNTP、2.5mM MgCl、0.02U Pfu TurboTMDN
Aポリメラーゼ、1U Qiagen HotStart Taq DNA ポ
リメラーゼ、1×Qiagen PCR緩衝液、および1μMの濃度での2つの
外側のプライマー(SFPRMETおよびBOTPCRPRIM)を含んだ。こ
のPCRプログラムは、94℃で30秒、55℃で30秒、および72℃で60
秒の23サイクルからなった。このV3−23 VH DNA配列を、設計し、
そしてSfiIおよびBstEII制限エンドヌクレアーゼ部位を使用してpC
ES1(ファスミドベクター)にクローニングした(本明細書中で記載した全て
の制限酵素は、New England BioLabs、Beverly、M
Aによって供給され、そして製造業者の指示通りに使用した)。
【0140】
CDR1/CDR2多様性のクローニング前に、スタッファー(stuffe
r)配列(表610および表620に示す)を、pCES1に導入してCDR1
/CDR2配列(BspEI制限酵素部位とXbaI制限酵素部位との間の90
0塩基)およびCDR3配列(AflIIとBstEIIとの間の358塩基)
を置換した。新規のベクターは、pCES5であり、そしてその配列を、表62
0に与える。CDRの代わりにスタッファーを有することは、親配列がライブラ
リーにおいて過剰に提示される危険性を回避する。このCDR1−2スタッファ
ーは、BglII、Bsu36I、BclI、XcmI、MluI、PvuII
、HpaIおよびHincIIについての制限部位、ベクターpCES5内に独
自である、強調された領域を含む。CDR3を置換するこのスタッファーは、独
自の制限エンドヌクレアーゼ部位、RsrIIを含む。このスタッファー配列は
、E.coliのペニシリン遺伝子由来のフラグメントである。
【0141】
CDR1およびCDR2多様性の構築のために、CDR1/2および隣接領域
をコードする4つの重複オリゴヌクレオチド(表600および表630に示した
ON−vgC1、ON_Br12、ON_CD2Xba、およびON−vgC2
)を設計した。これら4つのオリゴの混合物を、40μl PCR反応物中2.
5μMの最終濃度で組み合わせた。4つのオリゴのうち2つは、CDR1および
CDR2に位置する、変化させた配列を含んだ。このPCR混合物は、200μ
M dNTP、2.5U Pwo DNAポリメラーゼ(Roche)、および
2mM MgSOを含む1×Pwo PCR緩衝液を含んだ。このPCRプロ
グラムは、94℃で30秒、60℃で30秒、および72℃で60秒の10サイ
クルからなった。これは、100μl PCR反応物中の2.5μlの混合物を
使用して、増幅されたCDR1/2 DNA配列を構築した。このPCR反応物
は、200μM dNTP、2.5U Pwo DNAポリメラーゼ、2mM
MgSOを含む1×Pwo PCR緩衝液、および1μMの濃度で2つの外側
のプライマーを含んだ。このPCRプログラムは、94℃で30秒、60℃で3
0秒、および72℃で60秒の10サイクルからなった。これらの変化された配
列を、消化し、そしてCDR1/2スタッファーの代わりにV3−23フレーム
ワーク中にクローニングした。
【0142】
本発明者らは、約7×10の独立形質転換体を得た。この多様性に、本発明
者らは、ドナー集団または合成DNAのいずれかからCDR3多様性をクローニ
ングし得る。
【0143】
上記は、本発明の原理を例示するのみであり、そして本発明の範囲および精神
から逸脱することなく当業者によって種々の改変がなされ得ることが理解される。
【0144】
【表1−1】

【0145】
【表1−2】

【0146】
【表2−1】

【0147】
【表2−2】

【0148】
【表3−1】

【0149】
【表3−2】

【0150】
【表3−3】

【0151】
【表4−1】

【0152】
【表4−2】

【0153】
【表5】

【0154】
【表6−1】

【0155】
【表6−2】

【0156】
【表6−3】

【0157】
【表6−4】

【0158】
【表6−5】

【0159】
【表7−1】

【0160】
【表7−2】

【0161】
【表7−3】

【0162】
【表7−4】

【0163】
【表7−5】

【0164】
【表8】

【0165】
【表9−1】

【0166】
【表9−2】

【0167】
【表10】

【0168】
【表11−1】

【0169】
【表11−2】

【0170】
【表11−3】

【0171】
【表11−4】

【0172】
【表11−5】

【0173】
【表11−6】

【0174】
【表11−7】

【0175】
【表11−8】

【0176】
【表11−9】

【0177】
【表11−10】

【0178】
【表11−11】

【0179】
【表11−12】

【0180】
【表11−13】

【0181】
【表11−14】

【0182】
【表11−15】

【0183】
【表11−16】

【0184】
【表11−17】

【0185】
【表11−18】

【0186】
【表12−1】

【0187】
【表12−2】

【0188】
【表12−3】

【0189】
【表12−4】

【0190】
【表12−5】

【0191】
【表12−6】

【0192】
【表12−7】

【0193】
【表12−8】

【0194】
【表12−9】

【0195】
【表13】

【0196】
【表14−1】

【0197】
【表14−2】

【0198】
【表14−3】

【0199】
【表15−1】

【0200】
【表15−2】

【0201】
【表15−3】

【0202】
【表15−4】

【0203】
【表15−5】

【0204】
【表15−6】

【0205】
【表15−7】

【0206】
【表15−8】

【0207】
【表15−9】

【0208】
【表16−1】

【0209】
【表16−2】

【0210】
【表16−3】

【0211】
【表16−4】

【0212】
【表17】

【0213】
【表18−1】

【0214】
【表18−2】

【0215】
【表18−3】

【0216】
【表19−1】

【0217】
【表19−2】

【0218】
【表19−3】

【0219】
【表19−4】

【0220】
【表19−5】

【0221】
【表19−6】

【0222】
【表19−7】

【0223】
【表19−8】

【0224】
【表20−1】

【0225】
【表20−2】

【0226】
【表20−3】

【0227】
【表21−1】

【0228】
【表21−2】

【0229】
【表21−3】

【0230】
【表21−4】

【0231】
【表21−5】

【0232】
【表22−1】

【0233】
【表22−2】

【0234】
【表22−3】

【0235】
【表23−1】

【0236】
【表23−2】

【0237】
【表23−3】

【0238】
【表23−4】

【0239】
【表23−5】

【0240】
【表24−1】

【0241】
【表24−2】

【0242】

【0243】
【表25−1】

【0244】
【表25−2】

【0245】
【表26】

【0246】
【表27−1】

【0247】
【表27−2】

【0248】
【表27−3】

【0249】
【表27−4】

【0250】
【表27−5】

【0251】
【表27−6】

【0252】
【表27−7】

【0253】
【表27−8】

【0254】
【表27−9】

【0255】
【表27−10】

【0256】
【表27−11】

【0257】
【表27−12】

【0258】
【表27−13】

【0259】
【表27−14】

【0260】
【表28−1】

【0261】
【表28−2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書中に記載される発明。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−135893(P2011−135893A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−44525(P2011−44525)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【分割の表示】特願2001−577464(P2001−577464)の分割
【原出願日】平成13年4月17日(2001.4.17)
【出願人】(502024122)ダイアックス コーポレイション (1)
【Fターム(参考)】