説明

ペプチドの投与のための経皮治療システム

本発明は、切除法で処置した皮膚を通してペプチドを患者に投与するのに適した経皮治療システム(TTS)に関する。該経皮治療システムは、裏打ち層及び少なくとも1つのペプチド及び担体物質を含有する活性物質含有層を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、ペプチド及び他の高分子量の分子を投与するための経皮治療システム(TTS)である。この点で特に好適なのは、活性薬剤成分として使用することができるペプチドである。これらとしては、特に、ペプチドホルモンが挙げられる。
【背景技術】
【0002】
薬剤投与形態としての経皮治療システム(TTS)は、古くから知られている。TTSによる活性薬剤成分の経皮投与にとって、皮膚の最外層である角質層(SC)が、たいていの場合、活性薬剤成分の浸透性及び通過率に対する実質的な障壁となる。
【0003】
ペプチド及びタンパク質そして同様に500ダルトンより大きい分子量を持つ他の高分子量の分子、例えばタクロリムス、ヘパリン、及び多数のβ−メタゾンの塩などは、それらの分子サイズ及びそれらの物理化学的性質の所為で、一般的には経皮的に吸収されない。
【0004】
その上、大多数のペプチドは、経口のバイオアベイラビリティが低く、消化管において厳しいタンパク質分解を受ける。これらの理由によって、ペプチドは一般に非経口的に、消化管を迂回して投与される。これは、皮膚の下、筋肉内又は直接血流内に投与する注射又は注入を意味する。
【0005】
経皮経路は、ここで、この侵襲性の非経口投与に代わる、患者の薬剤遵守性が高い非侵襲性の別の方法を提案することになる。その結果として、500ダルトンを超す分子量を有する分子の皮膚の浸透性を促進させる多くの取り組みがある。これらの取り組みには、主に、浸透促進剤の使用又は熱の付加的な使用が含まれる。
【0006】
皮膚通過性が低い分子を経皮投与に順応させるための別の技術は、予め角質層を部分的に破壊する又は除去することによって、この種の活性成分の角質層の通過を促進させることである。「皮膚切除(skin ablation)」と呼ばれるこれらの技術は、角質層に部分的な破壊又は除去を生じさせ、従って、生きた表皮内に直接的なチャネルを創るために、熱又は機械的なエネルギーを使用する。皮膚の浸透性は上昇し、従って高分子量分子の経皮吸収を可能にすることができる。
【0007】
この皮膚の前処置の結果、さらに親水性の活性成分も、これまでその親水性の理由からそのような成分に対して閉ざされていた経皮的な経路で、経皮的に投与することが可能である。ここで予期される成分としては、例えば、クエン酸フェンタニル、グラニセトロン・HCl、Na・ジクロフェナック、及び硫酸アポモルフィンが挙げられる。さらに、同じ血中濃度を得るための、現在のTTSシステムのTTS面積を、皮膚切除前処置することによって縮小させることができる。
【0008】
皮膚切除技術は、一般的に角質層を通る非常に多数のマイクロチャネルを発生させる、そしてそれにも拘らず、処置された皮膚面積のパーセント「穿孔された」比率は、比較的小さい。レーザー皮膚切除技術の説明は、特許文献1に記載されている。
【0009】
トリプトレリンは、1311Daの分子量を有するペプチドホルモンである。それは、進行性前立腺がん、子宮内膜症、及び性的早熟の処置のために使われる。別の適応領域は、体外受精(補助的不妊治療)である。これらの目的のために、トリプトレリンは、すぐに注射できる溶液として(Decapeptyl(登録商標)、Uropeptyl Depot(登録商標)の商標で)、及び注射用懸濁液を作る溶媒が付いた乾燥物質として(Pamorelin(登録商標)の商標で)入手することができる。トリプトレリンは、本明細書では、それぞれ二酢酸塩又はパモ酸塩(embonate)の形態で、塩として使われる。トリプトレリン処置では、溶液投与の少し前に患者が任意に調製した溶液を、注射によって投与する。トリプトレリン療法は、数週間から数か月間にわたって続いてもよく、1日1回の注射が必要であってもよい。
【0010】
デスモプレシンは、1069Daの分子量を有する、ペプチドホルモンであるバソプレシンの合成類似体であり、薬剤(抗利尿薬)として使われる。デスモプレシンは、抗利尿薬である。また、夜尿症(寝小便)に対する適応症もある。デスモプレシンは、例えば、血友病、尿毒症性血小板傷害、又はWillebrand-Jurgens 症候群などの場合に、抗出血薬として投与することもできる。これらの目的に対して、デスモプレシンは、錠剤(Minirin(登録商標))、注射液(Minirin parenteral(登録商標))又は鼻腔用スプレー(Minirin(登録商標)、Desmopressin TAD(登録商標))の形態で市販されている。
【0011】
バソプレシンは、1084Daの分子量を有するペプチドホルモンである。バソプレシンは、ショック状態の患者に強力な昇圧物質として効果的に使われる。中枢性尿崩症(ICD−10:E23.3及びN25.1)は、バソプレシンの投与によって処置することができる。
【0012】
しかしながら、既知の製品は、特に溶液中のペプチドの安定性の低さ、周知の事実であるこの低い安定性、に起因する幾つかの欠点を有する。
【0013】
例えば、すぐ注射できる溶液を保存できる期間は、僅か3週間である。しかし、最大の欠点は、処置が侵襲性であることによる患者の注射順守レベルの低さである。高分子量の分子は、それらの物理化学的特性の結果として、今日まで、経皮投与から封鎖されている。これらの分子の経皮投与は、皮膚の前処置によってのみ可能になる。
【0014】
安定性を高めるために、従って、ペプチド製剤の保存できる期間を長くするために、注射液は、乾燥(通常は凍結乾燥)した活性成分を溶媒と混合することによる調製を、投与の直前まで行わない。患者による注射用懸濁液の調製を投与のすぐ前まで行わせないと云うやり方は、不正確な投薬のリスクを伴う。また、工業的な規模での粉末の調剤は、正確さに関して、特にペプチドホルモンのような高性能の活性成分の場合、非常に厳しい要求を課す作業を意味する。製薬企業では、従って、出来る限りの目標は、固体を用いる作業を回避することである。
【0015】
最後に、注射はそれ自体が、主として適用中の疼痛、損傷のリスク、及び感染のリスクに潜む困難を伴う可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】国際公開公報第2007/039664号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、ペプチド及び皮膚進入不良な他の分子の投与のための経皮治療システム(TTS)を提供することである。
【0018】
TTSは、その室温保存を安定にするため及び微生物に対する脆弱性を小さくするため、可能な限り少ない水分を含有すべきである。
【0019】
ここでTTSは、前もって角質層の小区域が少なくとも破壊された又は除去された皮膚の範囲に適用されなければならない。
【0020】
特に意図するところは、活性成分のトリプトレレリン、デスモプレシン、バソプレシンの中の1つ、又は薬学的に許容されるそれらの塩の1つを持つTTSを製造し、それによって治療的投与量のペプチドを皮膚を介して患者に投与することができることである。
【0021】
皮膚は、好ましくは、「切除的」前処置を受け、ある割合の角質層が除去された皮膚である。
【0022】
ここでの意図は、注射による投与の経路を回避することだけではない。TTS自体は、角質層へのさらなる機械的傷害を避ける又は排除するために、できるだけマイクロインジェクションニードル、マイクロブレード及び/又は他のニードル及びかかり(barbs)を装備しない。しかし適切な場合、TTSは、この種の構築エレメントを装備してもよい。
【0023】
長期適用の一環として、ペプチドを経皮治療システムによって適用できることもまた、その意図である。
【0024】
製品はまた、粉末状の投与形態に典型的な生産上の問題を考慮する必要なしに、簡単でコスト効率のよい方法での生産に適していなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本目的は、ペプチドを投与するための経皮治療システム(TTS)によって達成され、それはペプチド及び好ましくはペプチド用の親水性担体物質を含む少なくとも1つの活性成分層を含む。
【0026】
TTSは、さらにペプチド不浸透性の裏打ち層(backing layer)を含んでもよい。
【0027】
ペプチド及びペプチド用担体物質を含む活性成分層は、感圧接着剤であってもよい。
【0028】
活性成分層は、TTSにとって日常的なコーティング及び乾燥操作によって、全域として製造できる。
【0029】
活性成分層は、親水性担体物質として、ポリビニルピロリドン(PVP)及び/又はポリビニルアルコール(PVA)及び/又はセルロース、及びそれらの誘導体、例えば、Kollidon 90などを含んでもよい。
【0030】
少なくとも1つの活性成分層は、グリセロール、中鎖脂肪酸トリグリセリド(Mygliol(登録商標))、又は他の炭化水素のような可塑剤と混合されてもよい。
【0031】
活性成分層は、さらに、活性成分を安定化する賦形剤、好ましくは緩衝物質又は糖を含んでもよい。
【0032】
TTSはまた、さらに少なくとも1つの付加的な感圧接着剤の層を含んでもよく、それは実質的に活性成分を含まない感圧接着剤である。この種の感圧接着剤の付加的な層は、活性成分層が感圧接着性をもたない又は十分でない場合に、TTSの皮膚への確実な付着を確保する。
【0033】
TTSは、活性ペプチド性成分、より具体的には、2500Da未満の低分子量ペプチドを含んでもよい。
【発明を実施するための形態】
【0034】
1つの特定の実施態様では、TTSは、活性成分トリプトレリン及び/又は少なくとも1つの薬学的に許容されるその塩を含む。
【0035】
別の特定の実施態様では、TTSは、活性成分デスモプレシン及び/又は少なくとも1つの薬学的に許容されるその塩を含む。
【0036】
別の特定の実施態様では、TTSは、活性成分バソプレシン及び/又は少なくとも1つの薬学的に許容されるその塩を含む。
【0037】
「経皮治療システム」(TTS)は、積層構造の製品である。その最も単純な実施態様では、それは裏打ち層、活性成分層、及びTTSが使われる前に活性成分層を内張りする保護シートから成る。この種の単純な構造では、活性成分層は、好ましくは感圧的に粘着性に作られる。しかし、活性成分層の付着強度が十分でないなら、TTSは、付加的な感圧接着剤の層が特色をなしてもよい。
【0038】
この付加的な感圧接着剤の層は、活性成分層と保護シートの間に配置されてもよい。
【0039】
1つの好ましい実施態様では、付加的な感圧接着剤の層は、活性成分層と裏打ち層の間に配置される。この場合、活性成分層の1つ又は複数のサイドマージン部に沿った少なくとも1つのセクションで、感圧接着剤の層が活性成分層を越えてはみ出す。付加的な感圧接着剤の層は、その結果、TTSが適用されている間皮膚への確実な接着を確保する。
【0040】
TTSはまた、活性成分層から活性成分が出現する速度を制御する膜を有してもよい。その膜は従って、TTSが適用される間皮膚と向き合う活性成分層の側に位置される。
【0041】
TTSそれ自体は、最終的にニードル層を所有し、それは皮膚と直接接触し、その底面にマイクロインジェクションニードル(即ち、活性成分の流路のための中空ニードル)、マイクロブレード(皮膚の最上層をけがく(score)ため)、ニードル(皮膚の最上層に穿孔するため)及び/又はかかり(barbs)(皮膚に固定するため)が装備される。1つの好ましい実施態様では、しかしながら、TTSはそのような層を装備しない。
【0042】
別の実施態様では、経皮治療システムは2つ以上の活性成分層を含んでもよい。これらの活性成分層は、上下に(少なくとも2層の積層を形成)又は互いに隣り合わせに配置されてもよい。2つ以上の活性成分層を有するこの種のTTSの場合、個々の層は同じ構成又は異なる構成を有してもよい。しかし、この種の「多層システム」では、これらの層は、好ましくはそれらの組成又は使用する活性成分に基づいて異なる。
【0043】
活性成分層は、液体入りポーチ又は液体入りチャンバの形態で存在してもよく、そこには活性成分が溶解、分散又は懸濁した形態で存在する。
【0044】
最後に、活性成分層内の活性成分は、活性成分層内に分散した状態の微小液体貯蔵器内に存在してもよい。本明細書で説明したTTSを使って、優先して活性ペプチド成分を経皮経路で投与することが可能である。しかし、他の生理学的活性物質、原則として、これまで経皮治療を利用できなかったようなもの(親水性の活性成分)又は500ダルトンを超える分子量を有するものを含む他の生理学的活性物質に対しては、原理的に、技術的な教示を利用することもできる。
【0045】
本明細書の目的のための「ペプチド」は、ペプチド結合で酸アミド様式に連結したアミノ酸縮合生成物である。分子が2個のアミノ酸残基で構成される場合、それらはまた、ジペプチドと呼ばれ;3個又はそれ以上の場合は、トリペプチド、テトラ−、ペンタペプチドなど、と呼ばれる。2〜10個のアミノ酸残基を有するペプチドは、従って一般にまとめてオリゴペプチドと呼ばれ、10〜100個のものはポリペプチドと呼ばれる。しかし、後者からより高分子量のタンパク質までの遷移状態は、正確に定義されない。通常のα−アミノ基とカルボキシル基の間のペプチド結合の代わりに、ジアミノカルボン酸のペンダントアミノ基とアミノジカルボン酸のペンダントカルボキシル基の間の結合を有するペプチドは、イソペプチドと呼ばれ;グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、及びアルギニンなどの多官能性アミノ酸に由来する付加的な結合は、ペプチドネットワーク構造の形成に関与する。
【0046】
好ましいペプチドとしては、ペプチドホルモンが挙げられる。ホルモン又はホルモン様の作用を発現する高い生理活性を持つペプチドがある。一般的に言えば、ペプチドホルモンは、オリゴペプチド及び(最大で100個のアミノ酸を有する)ポリペプチドであるが、場合によって、より高分子量のタンパク質(プロテオホルモン)でもある。これらとしては、下垂体の腺性ペプチドホルモン(例えば、コルチコトロピン、ホリトロピン、ルトロピン、メラノトロピン、プロラクチン、ソマトトロピン、チロトロピン、オキシトシン、バソプレシン)、視床下部の放出ホルモン及び制御因子、膵臓、胃又は腸由来(例えば、グルカゴン、インスリン、ソマトスタチン、セクレチン、ガストリン、コレシストキニン)、及び甲状腺由来のペプチドホルモン(例えば、Hカルシトニン、パラチリン(parathyrin))が挙げられる。ある種のオリゴペプチドは、従来型のホルモン活性だけでなく、成長因子活性、神経伝達物質活性又は神経調節物質(メディエイター)活性も有する。そのような例として、内因性麻薬、エンケファリン及びエンドルピンが挙げられる。
【0047】
ペプチドは、薬学的に許容される塩の形で使用できることが好ましい。
【0048】
本明細書という意味でペプチドに分類されるのは、天然のペプチド及びペプチドホルモンだけでなく、性状が同じ及び/又は修飾された(即ち、合成で作られた)ペプチド及びペプチドホルモン、複合タンパク質(即ち、糖ペプチド及び糖タンパク質、リポタンパク質、金属タンパク質)、及びその他も含まれる。
【0049】
「皮膚」とは、人間又は哺乳類の正常な、無傷の皮膚を意味する。皮膚は層構造を有し、外側から内側に向かって見ると、表皮、真皮、及び皮下組織から成る。これら3つの構成エレメントの中で、当業者はさらなる層に区別してもよい。
【0050】
表皮の場合、5つの層:角質層(stratum corneum)、透明層(stratum lucidum)、顆粒層(stratum granulosum)、有棘細胞層(stratum spinosum)、及び基底層(stratum basale)が識別される。
【0051】
「切除処置された皮膚」とは、人間の正常で無傷な皮膚で、その表皮の角質層が、少なくとも部分的に破壊又は除去されていることを意味する。この切除処置された皮膚の範囲で、「正常で無傷な皮膚で、その表皮の角質層が残存する総領域」(図2の領域Aに相当)に対する「正常で無傷な皮膚で、その表皮の少なくとも角質層が破壊又は除去された領域の比率」(図2の領域Xの合計に相当)は、50%未満、好ましくは20%未満、そしてより好ましくは10%未満であればよい。角質層が除去された表皮の部分は、形が不規則でもよい。しかし、それらは明確な形及び面積であることが好ましい。予期される好適な形は、長方形、六角形、八角形、正方形、円、及び点である。切除的処置によって除かれる表皮の部分は、少なくともその場所の角質層が除去され、そしてその領域Xの下に「マイクロチャネル」が形成されるような深さを有する(図2を参照)。しかし、切除的処置によって除かれる表皮の部分は、好ましくは、真皮に至る深さ以上に延長しないことである。これは、対応するレーザー出力の適合及び同時検査測定によって達成できる。
【0052】
用語「経皮的な」とは、人間又は哺乳類の皮膚を経由した投与経路を言う。ここで皮膚とは、正常で無傷の皮膚及び上記定義の意味の「切除処置された皮膚」の両者を意味する。
【0053】
活性成分層用の「担体物質」として予期される物質としては、少なくとも1つのペプチドに関して適合的に挙動する物質が挙げられる。ペプチドの場合には、例えば酸、塩又は有機溶媒などの化学的影響のみならず、高温又は低温或いは圧力などの物理的な暴露によって、二次及び三次構造、従って最終的に四次構造も変化する(変性する)。変性は、また、ペプチドの物理的及び生理学的特性に変化を引き起こす。ペプチドの化学的切断(タンパク質分解)の場合、それらからフラグメントが生成され、それらはペプトンと呼ばれる。
【0054】
担体物質の適合性に関する要件が問題である限り、これは、ペプチドが担体物質に埋め込まれた場合、ペプチドの構造にそのような変化又はその薬理学的性質に起こしかねない劣化をもたらすペプチドとの相互作用があってはならない。
【0055】
担体物質の効果は、少なくとも1つのペプチドが、活性成分層に均一に分配されることである。担体物質は、ペプチド分子が個別に、即ち真の「溶液」の形で存在する効果を有することが好ましい。
【0056】
好適な担体物質は、より具体的には、「親水性」のものであることが明らかになっている。親水性(「水を好む」)とは、水を結合する又は水が浸入する容量、そしてさらなる意味の、「水で効果的に湿される」ことを意味する。
【0057】
従って、特に好ましいのは、水と接触したとき膨潤する潜在能力(「膨潤容量」)を有する又は実際に水に溶解する(「水溶解性」)担体物質である。膨潤は、水に接触したとき固体の容積及び形態が変わるプロセスであり、ここで、水は、液体、蒸気、気体の形態で存在してもよい。もし無制限の膨潤が起こると、膨潤物質は究極的には、溶液又は懸濁液の形態へ移行され;膨潤が制限される場合、反対に、凝集性(ゲル形成)に留まる。
【0058】
セルロース及びその誘導体の場合、膨潤は、セルロースの非結晶領域への水分子の侵入、及び付随したセルロース鎖の拡大として理解される。
【0059】
従って最も好適な担体物質としては、特に、分子内に少なくとも1つの親水基を有するものが挙げられる。
【0060】
具体的に好適な担体物質として挙げられるのは、下記のものである:
・SiO2、化学修飾したSiO2、より具体的には「Aerosil」商標の親水性ヒュームド・シルカ;
・ポリビニルアルコール(PVA)及び誘導体;
・ポリビニルピロリドン(PVP;例えば、Kollidon(登録商標))、同様に架橋PVP;
・ポリビニルアルコール−ポリビニルピロリドン共重合体;
・メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース(Methocel(登録商標)、Pharmacoat、Metolose)などのセルロース及びその誘導体;
・デンプン、アミロペクチン、グリコーゲン、イヌリン、キチン、ペクチンなど。
【0061】
少なくとも2つの担体物質の混合物も、同様に可能である。
【0062】
担体物質は、室温で固体である物質が好ましい。しかし、液状担体物質が同様に使用されてもよい。
【0063】
担体物質は、繊維、粉末又はフィルムの形態で活性成分層に存在してもよい。担体物質は、好ましくは、一定の層厚さを有するフィルムを形成する。この層厚さは、20μmと200μmの間、好ましくは30μmと80μmの間であればよい。
【0064】
活性成分層は、その中に規定されたpHを維持するため及び活性成分の安定性を増すために、「緩衝液」を含んでもよい。緩衝システム及びそれらを使って設定できるpH値は、当業者が周知している。
【0065】
「裏打ち層」として予期される層は、密閉性及び非密閉性の層であるが、密閉性の層が好ましい。これらの層は、フィルム/ホイル、織物及び/又は編地で構成されるが、フィルム/ホイルが好ましい。関係する素材は、天然又は合成のポリマー及び金属である。特に好ましいのは、合成ポリマー及び金属を含む薄板の形態の複合材料である。裏打ち層は、可撓性で活性成分不浸透性であることが好ましい。
【0066】
「活性成分層」は、既に述べたように、少なくとも1つのペプチド及び少なくとも1つのペプチド用の担体物質を含む。それは、0.1cm2から100cm2、好ましくは1cm2から80cm2、そしてより好ましくは2cm2と20cm2の間の面積を有すればよい。活性成分層の厚さは、20μmと200μmの間、好ましくは30μmと80μmの間であればよい。
【0067】
活性成分層内の少なくとも1つのペプチドの「濃度」は、治療指標、問題のペプチドの活性、及びその分子量に重く依存する。濃度は、従って、広い範囲で変わり、活性成分層では0.1質量%から70質量%の間、好ましくは1質量%から20質量%の間であればよい。
【0068】
ペプチド及びペプチド用担体物質を含む活性成分層に「感圧的に接着的に」を付与するには、それを少なくとも1つの感圧接着剤と混合すればよい。好適な感圧接着剤は、後に下に提示する。別の可能性は、可塑剤、粘着付与剤などの添加により活性成分層に「感圧的に接着的に」を付与することに関連する。特に、担体物質が高親水性の場合、パントテニルアルコール、蜂蜜、低分子量炭水化物(蔗糖、グルコース、フルクトースなど)及びそれらの誘導体(例えば、シュクロース・アセタート・イソブチラートなど)、及びそれらの組み合わせ、のような親水性粘着付与剤を使用することが有利である。
【0069】
1つの特定の実施態様では、活性成分層は水を含んでもよい。しかし、水分含量(残存含湿率)は、活性成分層の機械的安定性を損なわないため及び水が存在する故の他のリスク、より具体的には微生物のリスクを最小にするために、低いことが好ましい。活性成分層の「水分含量」は、好ましくは20%未満、より好ましくは10%未満、非常に好ましくは5%未満、そしてさらにより好ましくは3%未満である。
【0070】
付加的な「感圧的に接着的な層」は、当業者が知る「感圧接着剤」で構成されてもよい。感圧接着剤は、貼り付ける物の表面に押し付けるだけで、溶媒や熱による活性化なしに、室温で十分な接着力を生み出す「湿り」を誘導することができる。
【0071】
「感圧接着剤」として、モノマーの組成によって圧力感受的に接着特性を有する「ポリマー」を使うことができる。それらとしては、合成ゴム及び天然ゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−ビニルアセタート共重合体、アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソブチレン、ポリビニルエーテル、スチレン−ブタジエン−スチレン・ブロック重合体、スチレン−イソプレン−スチレン・ブロック重合体、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリウレタン、及びポリシロキサンが挙げられる。ポリメリゼーションで得られるポリマーの接着特性は、これらのポリマーのモノマーの官能基によって変えることができる。
【0072】
これら前述のポリマーの接着特性を変える別の方法は、接着剤の調法を、添加剤、例えば、樹脂、可塑剤、粘着付与剤、充填剤及び/又は安定化剤などの添加を通して目的の特性に適合させることによって得られる。
【0073】
特に好適な感圧的接着特性を有するポリマーは、ポリアクリレート、ポリイソブチレン、シリコンである。
【0074】
ペプチドとの高い物理的適合性が顕著であると同時に、使用中に、皮膚刺激、アレルギー又は感作のいかなる事例も誘発しないような感圧接着剤を使用することが好ましい。
【0075】
経皮治療システムの「保護シート」として、当業者に知られるフィルム、例えば、シリコン処置ポリエステルフィルムなどを使うことができる。
【0076】
活性成分層及び少なくとも1つのペプチド並びに少なくとも1つのペプチド用担体物質を含む経皮治療システム(TTS)の利用法は、本発明によって提供されるさらなる解決策である。
【0077】
この目的のため、TTSの適用に先立って、皮膚の角質層(角質層)が、好ましくは皮膚切除技術によって、少なくとも部分的に除去される。1つの好ましい実施態様では、この切除処置された皮膚は、角質層のこの領域にマイクロチャネルを有する。
【0078】
その後のTTSの適用は、ペプチドの経皮的吸収を可能にする。この目的のために、TTSを切除処置された皮膚に直接置く。ペプチド及びペプチド用担体物質を含む活性成分層は、この場合、切除処置された皮膚の上に直接位置するようになる。
【0079】
角質層の少なくとも局部的な除去のせいで、ペプチドは、皮膚の下にある層に到達し、最終的には経皮的に循環系に入ることができる。角質層の下の皮膚の層に由来する水分は、角質層の少なくとも局部的に除去された部分を通る(即ち、マイクロチャネルを通る)ペプチドの移送を容易にしてもよい。
【0080】
付加的な感圧的接着層は、皮膚上のTTSの固定をさらに有効にするために、任意に使用されればよい。
【0081】
1つの特定の実施態様では、「皮膚切除技術」を適用する間、切除処置される領域の皮膚に色で印を付け、次のTTSの適用が正確且つ容易に行われるようにする。
【0082】
1回適用の適用時間は、数時間(例えば、2時間から6時間)から1日又はそれ以(例えば、3日から7日)であってもよい。繰り返しの適用も可能である。このためには、TTSは、切除処置されTTSが既に適用されていた皮膚の上に置けばよい。好ましくは、特に比較的長期の治療への適用の場合、TTSが、常に直前に切除処置された皮膚の領域に置かれることである。
【0083】
裏打ち層並びにペプチド及び親水性担体物質を含む活性成分層を含み、切除処置された皮膚を通してペプチドを患者に投与するための、経皮治療システム(TTS)を使って、前立腺がん、子宮内膜症又は性的早熟の患者を処置することが可能であり、この場合のペプチドはトリプトレリンである。
【0084】
裏打ち層並びにペプチド及び親水性担体物質を含む活性成分層を含み、切除処置された皮膚を通してペプチドを患者に投与するための、経皮治療システム(TTS)を使って、補助的不妊治療を必要とする患者を処置することが可能であり、この場合のペプチドはトリプトレリンである。
【0085】
裏打ち層並びにペプチド及び親水性担体物質を含む活性成分層を含み、切除処置された皮膚を通してペプチドを患者に投与するための、経皮治療システム(TTS)を使って、抗利尿薬を必要とする、夜尿症に罹患する、抗出血薬を必要とする、血友病、尿毒症性血小板障害又はWillebrand−Jurgens症候群に罹患する、ヒトを処置することが可能であり、この場合のペプチドはデスモプレシンである。
【0086】
裏打ち層並びにペプチド及び親水性担体物質を含む活性成分層を含み、切除処置された皮膚を通してペプチドを患者に投与するための、経皮治療システム(TTS)を使って、高度の昇圧物質を必要とする又は中枢性尿崩症に罹患しているヒトを処置することが可能であり、この場合のペプチドはバソプレシンである。
【0087】
少なくとも1つのペプチド及び少なくとも1つのペプチド用担体物質を含む活性成分層を含んでなる、ペプチドを投与するための経皮治療システム(TTS)を製造する方法は、多数の工程を含む。
【0088】
最初の工程では、ペプチドを、好ましくは対応する緩衝液に溶解する。特に、予期される好適な溶媒としては、等張の生理食塩水及び相当するpHを有する緩衝水溶液が挙げられる。
【0089】
担体物質は、次に、エタノール、水、及び低沸点溶媒などの適切な溶媒で同様に溶解する。2つの溶液を混合する。
【0090】
安定化剤(例えば、マンニトール)、感圧接着剤、可塑剤、粘着付与剤などのさらなる賦形剤が、2つの溶液の1つ(即ち、ペプチド溶液又は担体物質溶液)に又は2つの溶液の混合物に添加されてもよい。
【0091】
得られた組成物は、10μmから500μmの層厚さで、基質上に被膜させる(coat out)ことができる。
【0092】
さらなる作業工程では、この様にして得られた層状の組成物は、溶媒を除くために乾燥し、好ましくは目的の残存水分含量が20%未満、より好ましくは10%未満に下げられる。
【0093】
個々のセクション(section)は、得られた活性成分層から打ち抜くことができ、そして積層法によって裏打ち層及び保護層に接合される。
【0094】
或いは、さらなるTTSの構成材、より具体的には裏打ち層及び保護シートを、前もって作られた活性成分層と積層法によって接合させることも可能である。
【0095】
1つの好ましい実施態様では、活性成分層は、場合によって個々のセクションの形態で、付加的な感圧接着剤の層上に置かれ、そして次に、TTSの他の構成材、より具体的には裏打ち層及び保護シートと積層法によって接合される。
【実施例】
【0096】
以下の実施例は、本発明を例証するものであり、本発明を限定しない。
【0097】
〔実施例1〕
酢酸トリプトレリンは、水性酢酸緩衝液(pH5.0)に溶解した。この溶液に、マンニトールを3%のマンニトール濃度になるまで添加した。エタノール性ポリビニルピロリドン溶液(Kollidon 90 F)及びグリセロールを添加して組成物を得、そこからコーティング及び溶媒(水、エタノール)の乾燥によって、均一な厚さのフィルムを作成した。
【0098】
下の表は、得られた乾燥状態の活性成分層の組成を示す。
【表1】

【0099】
層厚さは、合計約40μmになる。
【0100】
乾燥したフィルムから、3mgのトリプトレリン含有量を有する5cm2の正方形シートセクションを切り取った。これは、0.6mg/cm2の負荷量に相当した。
【0101】
活性成分層のこれらのシートセクションは、厚さ60μmの感圧接着剤の付加的な層をその内面に備えた大きさ10cm2の正方形の裏打ち層の中央に配置した。感圧接着剤の層の原料は、85質量%の高分子量ポリイソブチレン(Oppanol B 100)と15質量%の中間分子量ポリイソブチレン(Oppanol B 10)の混合物を含む。
【0102】
活性成分層及び感圧接着剤の層のはみ出た縁は、シリコン処置したポリエステルフィルムで内側を覆った。
【0103】
〔実施例2〕
実施例1により、酢酸トリプトレリンの負荷が0.1mg/cm2、0.2mg/cm2、及び0.3mg/cm2に相当する違いを持つ試料を作成した。
【0104】
〔実施例3〕
酢酸トリプトレリンを活性成分として実施例1及び2で作成した経皮治療システムの試料は、それらの透過挙動についてFranz拡散セルで調査した。切除的にレーザー前処置した牛の乳房皮膚をモデル膜に使用して調査したこれらの結果は図4に示した。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】無傷の、正常な皮膚の概略的構造を、最外層の拡大した断面と共に示す。そこの定義は、次の通りである: E=表皮、 D=真皮、 S=皮下組織、 B=血管、 s.c.=角質層、 s.l.=透明層、 s.gr.=顆粒層、 s.sp.=有棘層、 s.b.=基底層。
【図2】切除処置された皮膚の概略的構造を示す。ここで、Aは皮膚の切除処置された領域を、そしてXは角質層が除去された領域を示す。
【図3】実施例1のとおり、経皮治療システムの概略的構造を示す。定義は、次の通りである:1=裏打ち層、2=感圧接着剤の層、3=活性成分層、4=保護シート。
【図4】実施例1及び2のとおり、生体外で浸透に及ぼすトリプトレリン量の効果を示す。研究に使用した透過障害物は、切除処置された1200μm厚に皮膚採取した牛の乳房皮膚である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
切除処置された皮膚上にペプチドを患者に投与するための経皮治療システム(TTS)であって、裏打ち層、保護シート及び少なくとも1つのペプチド及び親水性担体物質を含む、少なくとも1つの活性成分層を含んでなる、経皮治療システム。
【請求項2】
担体物質が、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリビニルピロリドン、特に790000Daと1500000Daの間の分子量を有するポリビニルピロリドン、架橋ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール−ポリビニルピロリドン共重合体、セルロース、セルロース誘導体、多糖類、及びそれらの混合物から成るグループから選択されることを特徴とする、請求項1に記載のTTS。
【請求項3】
ペプチドが、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質、イソペプチド、ペプチドホルモン又はそれらの組み合わせであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のTTS。
【請求項4】
ペプチドが、下垂体の腺性ペプチドホルモン、視床下部の放出ホルモン、視床下部の抑制因子、膵臓由来のペプチドホルモン、胃由来のペプチドホルモン又は腸由来のペプチドホルモン又は薬学的に許容されるこのペプチドの塩であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のTTS。
【請求項5】
ペプチドが、トリプトレリン、デスモプレシン若しくはバソプレシン、又は薬学的に許容されるその塩であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のTTS。
【請求項6】
ペプチドが、0.1質量%から70質量%の濃度で、好ましくは1質量%と20質量%の間の濃度で活性成分層に存在することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のTTS。
【請求項7】
活性成分層が、20%未満、好ましくは10%未満、より好ましくは5%未満の水分含量を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のTTS。
【請求項8】
活性成分層が、感圧接着性に作られ、そして/又は好ましくは活性成分層と裏打ち層の間に配列され、そして活性成分層の1つ又は複数のサイドマージン部に沿った少なくとも1つのセクションで活性成分層を越えてはみ出す少なくとも1つの感圧接着剤層を更に含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のTTS。
【請求項9】
活性成分層から活性成分が出現する速度を制御する膜を有ることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のTTS。
【請求項10】
活性成分層が、0.1cm2から100cm2、好ましくは1cm2から80cm2、そしてより好ましくは2cm2及び20cm2の間の面積、および20μmと200μmの間、好ましくは30μmと80μmの間の厚さを有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載のTTS。
【請求項11】
裏打ち層;少なくとも1つのペプチド及び親水性担体物質を含む活性成分層;及び保護シートを含んでなるTTSの製造法であって:
a.ペプチドを親水性担体物質の溶液と混合する工程;
b.このように得られた組成物を下層上に一定の厚さに展延する工程;
c.展延した組成物を20%未満の、より好ましくは10%未満の所定の水分含量に乾燥して、活性成分層を形成させる工程;及び
d.活性成分層の個々のセクションを作り、それらを裏打ち層に接合させる工程;
による、上記TTSの製造方法。
【請求項12】
活性成分層の個々のセクションが、更なる感圧接着剤層によって裏打ち層に接合されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
裏打ち層;及びペプチドのトリプトレリン又は薬学的に許容されるその塩を含んでなる活性成分層;を含んでなる、前立腺がん、子宮内膜症、性的早熟、又は補助的不妊治療の一環として女性を処置するための経皮治療システム(TTS)であって、最初の工程で、処置しようとするヒトの正常な無傷の皮膚を、好ましくはレーザーで切除処置し、さらなる工程でTTSを切除処置された皮膚に接着させ、そしてペプチドが、治療的に有効な量で、好ましくは少なくとも2時間にわたって、経皮的に送達される、上記経皮治療システム(TTS)。
【請求項14】
裏打ち層;及びペプチドのデスモプレシン又は薬学的に許容されるその塩を含む活性成分層;を含んでなる、抗利尿薬を必要とする、夜尿症に罹患する、抗出血薬を必要とする、血友病に罹患する、尿毒症性血小板障害に罹患する、又はWillebrand−Jurgens症候群に罹患する、ヒトを処置するための経皮治療システム(TTS)であって、最初の工程で、処置しようとする患者の正常な無傷の皮膚を好ましくはレーザーで切除処置し、さらなる工程でTTSを切除処置された皮膚に接着させ、そしてペプチドが、治療的に有効な量で、好ましくは少なくとも2時間にわたって、経皮的に送達される、上記経皮治療システム(TTS)。
【請求項15】
裏打ち層;及びペプチドのバソプレシン又は治療的に許容されるその塩を含んでなる活性成分層;を含んでなる、高度の昇圧物質を必要とする又は中枢性尿崩症に罹患しているヒトを処置するための経皮治療システム(TTS)であって、最初の工程で、処置しようとするヒトの正常な無傷の皮膚を好ましくはレーザーで切除処置し、さらなる工程でTTSを切除処置された皮膚に接着させ、そしてペプチドが、治療的に有効な量で、好ましくは少なくとも2時間にわたって、経皮的に送達される、上記経皮治療システム(TTS)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−512864(P2013−512864A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541359(P2012−541359)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際出願番号】PCT/EP2010/007322
【国際公開番号】WO2011/066970
【国際公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(300005035)エルテーエス ローマン テラピー−ジステーメ アーゲー (128)
【Fターム(参考)】