説明

ペプチドエポキシケトンを用いた併用療法

本発明は、一種以上の他の治療薬をペプチドエポキシケトン又はその薬学的に許容可能な塩と一緒に投与する併用療法を提供する。本発明の別の局面は、ペプチドエポキシケトンを別の治療薬と組み合わせて投与する、癌処置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、引用をもってその教示全体をここに援用することとする、2008年10月21日に提出された米国仮特許出願第61/196,945号に基づく優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
真核生物においてタンパク質分解は主にユビキチン経路を通じて媒介されるが、該経路では、分解の標的となるタンパク質は76個のアミノ酸から成るポリペプチドであるユビキチンに連結される。標的化されたユビキチン化タンパク質はその後、タンパク質をその三つの主要なタンパク質分解活性の作用によりより短いペプチドに切断する多重触媒性プロテアーゼである26Sプロテアソームの基質として働く。プロテアソーム媒介型の分解はまた、細胞内タンパク質のターンオーバーにおいて一般的な機能を有する一方で、主要組織適合複合体 (MHC) クラスI提示、アポトーシス、細胞分裂、及びNF-κB活性化など、数多くのプロセスでも鍵となる役割を果たす。
【0003】
20S プロテアソームは700kDaの筒型の多重触媒性プロテアーゼ複合体であり、4つの環に構築された28サブユニットから成り、細胞成長の調節、主要組織適合複合体クラスI提示、アポトーシス、抗原プロセッシング、NF-κB活性化、及び炎症誘発シグナルの伝達において重要な役割を果たす。酵母及び他の真核生物では、7つの異なるαサブユニットが外側の環を形成し、7つの異なるβサブユニットが内側の環を成す。αサブユニットは、19S (PA700) 及び11S (PA28) 調節複合体の結合部位としてや、二つのβサブユニット環が形成する内側のタンパク質分解チャンバーにとっての物理的障壁として、働く。このように、in vivoでは、このプロテアソームは26S 粒子(「26Sプロテアソーム」)として存在すると考えられる。In vivo実験ではこの20S型プロテアソームの阻害を26Sプロテアソームの阻害に容易に相関付けることができることが示されている。粒子形成中にβサブユニットのアミノ末端プロ配列が切断されると、アミノ末端のスレオニン残基が露出して触媒性求核として働く。このように、プロテアソーム中で触媒活性を担うサブユニットはアミノ末端の求核性残基を持つが、これらのサブユニットはN末端求核性 (Ntn) ヒドロラーゼ(この場合、求核性N末端残基は、例えばCys、Ser、Thr、及び他の求核性部分である)のファミリーに属する。このファミリーには、例えばペニシリンGアシラーゼ(PGA)、ペニシリンVアシラーゼ (PVA)、グルタミンPRPPアミドトランスフェラーゼ (GAT)、及び細菌性グリコシルアスパラギナーゼがある。より高等な脊椎動物は、広範に発現するβサブユニットに加え、それぞれそれらの通常の相対物であるX、Y、及びZを置換することでこのプロテアソームの触媒活性を変化させる三つのγ-インターフェロン誘導性βサブユニット(LMP7、LMP2 及びMECLl)を持つ。さまざまなペプチド基質を用いて三つの主要なタンパク質分解活性が、真核生物の20Sプロテアソームについて定義された:大型の疎水性残基の後ろを切断するキモトリプシン様活性(CT-L);塩基性残基の後ろを切断するトリプシン様活性(T-L);そして酸性残基の後ろを切断するペプチジルグルタミルペプチド加水分解活性 (PGPH)である。更にプロテアソームには二つの付加的な、余り特徴付けられていない活性も結び付けられている:分枝状アミノ酸の後ろを切断するBrAAP活性と、小型の中性アミノ酸の後ろを切断するSNAAP活性である。主たるプロテアソームタンパク質分解活性には異なる触媒部位が貢献しているようである。なぜなら、阻害剤、βサブユニット中の点変異、及びγインターフェロン誘導性サブユニットの交換がこれらの活性を様々な程度、変化させるからである。
【0004】
発明の概要
本発明の局面の一つは、ペプチドエポキシケトン又はその薬学的に許容可能な塩を一種以上の他の治療薬と一緒に投与し、その併用が、いずれかの作用薬を単独で投与した場合の効験よりも高い効験(例えば相乗的又は付加的な抗腫瘍効果など)を示すような併用療法に関する。このような併用処置は、当該処置の個々の成分の同時、逐次、又は別々の投薬により行われてよい。
【0005】
本発明の別の局面は、ペプチドエポキシケトンを一種以上の他の治療薬と一緒に投与するステップを含み、その併用が、いずれかの作用薬を単独で投与した場合の効験よりも高い効験(例えば相乗的又は付加的な抗腫瘍効果など)を示すような癌処置の方法に関する。このような併用処置は、当該処置の個々の成分の同時、逐次、又は別々の投薬により行われてよい。
【0006】
本発明の別の局面は、ペプチドエポキシケトンを一種以上の他の治療薬と一緒に投与するステップを含み、その併用が、いずれかの作用薬を単独で投与した場合の効験よりも高い効験(例えば相乗的又は付加的な抗腫瘍効果など)を示すような自己免疫疾患処置の方法に関する。このような併用処置は、当該処置の個々の成分の同時、逐次、又は別々の投薬により行われてよい。
【0007】
いくつかの実施態様では、前記一種以上の治療薬は
HDAC阻害剤、抗生物質、タキサン、抗増殖性/抗有糸分裂性アルキル化剤、プラチナ配位錯体、ステロイド、免疫調節剤、トポイソメラーゼ阻害剤、m-TOR阻害剤、及びタンパク質キナーゼ阻害剤から選択される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、RL細胞腫瘍が大きさで約50mm3に達した後に、賦形剤、化合物1、又は、化合物1とSAHAとの組合せで処置したマウスの経時的な腫瘍体積のグラフを示す。
【図2A】図2Aは、ドキシル及び化合物1による併用療法の投薬計画を示す。
【図2B】図2Bは、ドキシルを10又は20 mg/kg投与し、化合物1を5 mg/kg投与したときのドキシル及び化合物1による併用療法の毒性研究を示す。
【図3】図3は、賦形剤、ドキシル(3mg/kg)、化合物1(5 mg/kg)、及び化合物1とドキシルの組合せで処置したときの経時的な結腸直腸HT29腫瘍サイズを示す。
【図4】図4は、賦形剤、ドキシル(3 mg/kg)、化合物1(5mg/kg)、及び化合物1とドキシルの組合せで処置したときの経時的な非小細胞肺A549腫瘍サイズを示す。
【図5A】図5Aは、ドセタキセル及び化合物1による併用療法投薬計画を示す。
【図5B】図5Bは、ドセタキセルを10 mg/kg投与し、化合物1を5 mg/kg投与したときの併用療法の毒性研究を示す。
【図6】図6は、賦形剤、化合物1(5 mg/kg)、ドセタキセル (5 mg/kg)、及び化合物1とドセタキセルの組合せで処置したときの経時的な非小細胞肺A549腫瘍サイズを示す。
【図7】図7は、賦形剤、化合物1(3 mg/kg)、ドセタキセル (3 mg/kg)、及び化合物1とドセタキセルの組合せで処置したときの経時的な非小細胞肺A549腫瘍サイズを示す。
【図8A】図8Aは、SAHA及び化合物1による併用療法の投薬計画を示す。
【図8B】図8Bは、SAHAを50 mg/kg投与し、化合物1を3 又は5 mg/kg投与する、ボリノスタット及び化合物1による併用療法の毒性研究を示す。
【図9】図9は、賦形剤、化合物1(3 mg/kg)、SAHA (50 mg/kg)、及び化合物1とSAHAの組合せで処置したときの経時的なリンパ腫RL腫瘍サイズを示す。
【図10】図10は、賦形剤、化合物1(5 mg/kg)、SAHA (50 mg/kg)、及び化合物1とSAHAの組合せで処置したときの経時的な卵巣ES2腫瘍サイズを示す。
【図11】図11は、MM1.S細胞に対する化合物及びメルファランの組合せの効果を示す。
【図12A】図12Aは、再発性多発性骨髄腫患者におけるカルフィルゾミブ+レナリドミド、そして低用量のデキサメタゾンのIb相用量強化研究の予備結果を示す。最初の三つのコホート内では、17人の患者が応答及び毒性について評価可能であった。最大許容用量 (MTD) にはそれでも達せず、薬物に関連する3又は4等級の重篤な悪影響は報告されなかった。
【図12B】図12Bは、再発性多発性骨髄腫患者におけるカルフィルゾミブ+レナリドミド、そして低用量のデキサメタゾンのIb相用量強化研究の予備結果を示す。応答は耐性のあるものだった。
【0009】
発明の詳細な説明
いくつかの実施態様では、ペプチドエポキシケトンが1乃至7群のいずれかひとつの化合物から選択される。以下の群のそれぞれにおいて、多様な部分の数値(例えばR1など)は群内で統一されていると考えられるが、ある群(例えば第1群)にとっての数値が別の群にもあてはまることはない。
【0010】
第1群
ある実施例では、当本ペプチドエポキシケトンは式(1)又はその薬学的に許容可能な塩の構造を有し、
【0011】
【化1】

【0012】
但し式中、Xは酸素であり、R1、R2、R3 及びR4 は、個別に、分枝状もしくは非分枝状 C1-6アルキル又は分枝状もしくは非分枝状 C1-6 ヒドロキシアルキル又は分枝状もしくは非分枝状 C1-6 アルコキシアルキル、アリール、及びアリール置換分枝状もしくは非分枝状 C1-6アルキルから成る群より選択され、この場合、このような基には更に:アミド結合;アミン;カルボン酸及びその塩;C1-5 アルキルエステル及びアリールエステルを含むカルボキシルエステル;チオール及びチオエーテルを含めることができ;そしてR5 は、例えば、アミノ酸の更なる鎖、水素、アセチル、又は、t-ブトキシカルボニル(BOC)、ベンゾイル(Bz)、フルオレン-9-イルメトキシカルボニル
(Fmoc)、トリフェニルメチル(トリチル)及び トリクロロエトキシカーボンキシル(原語:trichloroethoxycarbonxyl)(Troc) などを含め、ペプチド合成業で公知のN末端保護基などの保護基である。例えばベンジルオキシカルボニル基又はt-ブチルオキシカルボニル基
(BOC)などの多様なN保護基、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1,3-ジイソプロピルカルボジイミド (DIC)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド (EDC)、N-ヒドロキシアザベンゾチロアゾール(HATU)、カルボニルジイミダゾール又は1-ヒドロキシベンゾトリアゾールモノヒドレート(HBT)などの多様なカップリング試薬;そしてトリフルオロ酢酸などの多様な切断条件;塩酸のジオキサン溶液;メタノール又は酢酸エチルなどの有機溶媒に入れたPd-C上の水素添加;ボロントリス(トリフルオロアセテート);及び臭化シアンの使用や、中間性生物の単離及び精製を伴う溶液中の反応は、公知の伝統的なペプチド法である。
【0013】
キモトリプシン様活性阻害剤のいくつかの実施態様では、R1は分枝状もしくは非分枝状 C1-6
アルキルである。キモトリプシン様活性阻害剤のいくつかの実施態様では、R1はイソブチルである。キモトリプシン様活性阻害剤のいくつかの実施態様では、R2 は分枝状もしくは非分枝状 C1-6
アルキル又はアリールである。キモトリプシン様活性阻害剤のいくつかの実施態様では、R2はフェニル、フェニルメチル、又は1-ナフチルである。キモトリプシン様活性阻害剤のいくつかの実施態様では、R3
は分枝状もしくは非分枝状 C1-6アルキル又はアリールである。キモトリプシン様活性阻害剤のいくつかの実施態様では、R3
はイソブチル、フェニル又は1-ナフチルである。キモトリプシン様活性阻害剤のいくつかの実施態様では、R4は分枝状もしくは非分枝状 C1-6 アルキル、アリール、及びアリール置換された分枝状もしくは非分枝状C1-6
アルキルである。キモトリプシン様活性阻害剤のいくつかの実施態様では、R4はイソブチル、フェニル、1-ナフチル、フェニルメチル、又は2-フェニルエチルである。キモトリプシン様活性阻害剤のいくつかの実施態様では、R5
は水素、C1-6 アルカノイル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換へテロアリールであり、但しこの場合、置換基にはハロゲン、カルボニル、ニトロ、ヒドロキシ、アリール、及びC1-5 アルキルが含まれる。キモトリプシン様活性阻害剤のいくつかの実施態様では、R5 は水素、アセチル、置換もしくは非置換アリールである。
【0014】
キモトリプシン様活性阻害剤のいくつかの好適な実施態様では、同時に、R1 はイソブチルであり、R2
はフェニルメチルであり、R3
はイソブチルであり、そしてR4
は2-フェニルエチルであり、そしてR5 はアセチルである。このような数値を有するペプチドをここではペプチド(b)と言及する。
【0015】
PGPH活性阻害剤のいくつかの実施態様では、R1は水素、分枝状もしくは非分枝状
C1-6 アルキルである。PGPH活性阻害剤のいくつかの実施態様では、R1 はイソブチルである。PGPH活性阻害剤のいくつかの実施態様では、R2 は水素、分枝状もしくは非分枝状
C1-6 アルキル又はアリールである。PGPH活性阻害剤のいくつかの実施態様では、R2 はフェニル、フェニルメチル、又は1-ナフチルである。PGPH活性阻害剤のいくつかの実施態様では、R3 は、R3骨格ユニットに結合した水素、分枝状もしくは非分枝状 C1-6 環状アルキレンである。PGPH活性阻害剤のいくつかの実施態様では、R3 は 、例えばアミノ酸プロリンの場合など、R3 アミノ酸骨格のアミンに結合したエチレンである。PGPH活性阻害剤のいくつかの選択的実施態様では、R4 は水素、分枝状もしくは非分枝状
C1-6 アルキル、アリール、及びアリール置換された分枝状もしくは非分枝状 C1-6 アルキルである。PGPH活性阻害剤のいくつか他の選択的実施態様では、R4 は水素、又はイソプロピルである。PGPH活性阻害剤のいくつかの選択的実施態様では、R5 は水素、C1-6 アルカノイル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換へテロアリールであり、この場合置換基にはハロゲン、カルボニル、一置換-、二置換-、又は非置換アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、アリール、及びC1-5 アルキルが含まれる。
【0016】
PGPH活性阻害剤のいくつかの選択的実施態様では、R5 はアセチル、N-アセチル-ピペリジンカルボニル、N-ジメチルアミノベンジル、イソオクタノイック(原語:isooctanoic)又はベンゾイルベンゾイック(原語:benzoylbenzoic)である。
【0017】
PGPH活性阻害剤のいくつかの好適な実施態様では、同時に、R1 はイソブチルであり、R2
はフェニルであり、R3 はアミノ酸骨格のR3 アミンに結合したエチレンであり、そしてR4 は水素であり、そしてR5 はアセチルである。
【0018】
第2群
いくつかの実施態様では、当該のペプチドエポキシケトンは式(2)又はその薬学的に許容可能な塩の構造を有し;
【0019】
【化2】

【0020】
但し式中、各Aは、個別に、C=O、C=S、及びSO2から選択され、好ましくはC=Oであり;あるいは
Aは選択的に、Zの位置に隣接する場合には共有結合であり;
L は存在しないか、あるいはC=O、C=S、及びSO2から選択され、好ましくはL は存在しないか又はC=Oであり;
M は存在しないか、あるいはC1-12アルキルであり、好ましくはC1-8アルキルであり;
Q は存在しないか、あるいはO、NH、及びN-C1-6アルキルから選択され、好ましくはQ は存在しないか、O又はNHであり、最も好ましくはQは存在しないか又はOであり;
X はOであり;
Y は存在しないか、又はO、NH、N-C1-6アルキル、S、SO、SO2、CHOR10、及びCHCO2R10から選択され;
各ZはO、S、NH、及びN-C1-6アルキルから個別に選択され、好ましくはOであり;あるいはZは選択的に、Aの位置に隣接する場合には共有結合であり;
R1、R2、R3、及びR4
はそれぞれ個別に、選択的に置換されたC1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6アルコキシアルキル、アリール、及びC1-6アラルキルから選択され、但しこの場合の置換基には、限定はしないが、一つ以上のアミド、アミン、カルボン酸(又はその塩)、エステル(C1-5アルキルエステル及びアリールエステルを含む)、チオール、又はチオエーテル置換基が含まれてもよく;
R5 はN(R6)LQR7であり;
R6、R12、R13及びR14
は個別に 水素、OH、C1-6アルキル、及び式(3)の基から選択され;好ましくは、R6 は水素、OH、及びC1-6アルキルから選択され、そしてR12、R13、及びR14は個別に水素及びC1-6アルキルから選択され、好ましくは水素であり;
【0021】
【化3】

【0022】
但し式中、R7は水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、アリール、C1-6アラルキル、ヘテロアリール、C1-6ヘテロアラルキル、R8ZAZ-C1-8アルキル-、R11Z-C1-8アルキル-、(R8O)(R9O)P(=O)O-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、R8ZAZ-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、ヘテロシクリルMZAZ-C1-8アルキル-、(R8O)(R9O)P(=O)O-C1-8アルキル-、(R10)2N-C1-12アルキル-、(R10)3N+-C1-12アルキル-、ヘテロシクリルM-、カルボシクリルM-、R11SO2C1-8アルキル-、及びR11SO2NHから選択され;好ましくはC1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、アリール、C1-6アラルキル、ヘテロアリール、C1-6ヘテロアラルキル、R8ZA-C1-8アルキル-、R11Z-C1-8アルキル-、(R8O)(R9O)P(=O)O-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、(R8O)(R9O)P(=O)O-C1-8アルキル-Z-C1-8アルキル-、R8ZA-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、ヘテロシクリルMZAZ-C1-8アルキル-、(R8O)(R9O)P(=O)O-C1-8アルキル-、(R10)2N-C1-8アルキル-、(R10)3N+-C1-8アルキル-、ヘテロシクリルM-、カルボシクリルM-、R11SO2C1-8アルキル-、及びR11SO2NHから選択され、但しこの場合、Z 及びA はそれぞれ存在する箇所において個別に共有結合以外であり;あるいは
R6 及びR7 は共にC1-6アルキル-Y-C1-6アルキル、C1-6アルキル-ZAZ-C1-6アルキル、ZAZ-C1-6アルキル-ZAZ-C1-6アルキル、ZAZ-C1-6アルキル-ZAZ、又はC1-6アルキル-Aであることで一個の環を形成し;好ましくはC1-2アルキル-Y-C1-2アルキル、C1-2アルキル-ZA-C1-2アルキル、A-C1-2アルキル-ZA-C1-2アルキル、A-C1-3アルキル-A、又はC1-4アルキル-Aであり、但しこの場合、Z及びAはそれぞれ存在する箇所において個別に共有結合以外であり;
R8 及びR9 は個別に水素、金属陽イオン、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、アリール、ヘテロアリール、C1-6アラルキル、及びC1-6ヘテロアラルキルから選択され、好ましくは水素、金属陽イオン、及びC1-6アルキルから選択され、あるいはR8 及びR9 は共にC1-6アルキルであることで一個の環を形成し;
各々のR10 は個別に水素及びC1-6アルキルから選択され、好ましくはC1-6アルキルであり;
R11 は個別に水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-6アラルキル、及びC1-6ヘテロアラルキルから選択され;
R15 及びR16 は個別に水素及びC1-6アルキルから選択され、あるいはR15及びR16 は共に3-乃至6-員環の炭素環又は複素環の環を形成し;そして
R17 及びR18 は個別に水素、金属陽イオン、C1-6アルキル、及びC1-6アラルキルから選択され、あるいはR17 及びR18 は共にC1-6アルキルを表すことで一個の環を形成し;
但し条件として、R6、R12、R13、及びR14
がH 又はCH3であり、Q が存在しない場合、LR7
は水素、非置換C1-6アルキルC=O、アミノ酸の更なる鎖、t-ブトキシカルボニル (Boc)、ベンゾイル (Bz)、フルオレン-9-イルメトキシカルボニル (Fmoc)、トリフェニルメチル(トリチル)、ベンジルオキシカルボニル (Cbz)、トリクロロエトキシカルボニル
(Troc);又は置換もしくは非置換アリールもしくはヘテロアリールではなく;そして
配列ZAZが存在する箇所では必ず、該配列の少なくとも一つのメンバーは共有結合以外でなくてはならない。
【0023】
いくつかの実施態様では、R6
がHであり、L がC=Oであり、そしてQが存在しない場合、R7は水素、C1-6アルキル、又は置換もしくは非置換アリールもしくはヘテロアリールではない。いくつかの実施態様では、R6 がH であり、そしてQが存在しない場合、R7 Greene, .W. and Wuts, P.G.M., “Protective Groups in
Organic Synthesis”, John Wiley & Sons, 1999 or Kocienski, P. J.,
“Protecting Groups”, Georg Thieme Verlag, 1994に解説されたものなどの保護基ではない。
【0024】
またいくつかの実施態様では、R1、R2、R3、及びR4
はC1-6アルキル又はC1-6アラルキルから選択される。好適な実施態様では、R2 及びR4 はC1-6アルキルであり、そしてR1
及びR3 はC1-6アラルキルである。最も好適な実施態様では、R2及びR4はイソブチルであり、R1 は2-フェニルエチルであり、そしてR3 はフェニルメチルである。
【0025】
いくつかの実施態様では、L 及びQは存在せず、そしてR7 はC1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、C1-6アラルキル、及びC1-6ヘテロアラルキルから選択される。いくつかのこのような実施態様では、R6
はC1-6アルキルであり、そしてR7はブチル、アリル、プロパルギル、フェニルメチル、2-ピリジル、3-ピリジル、及び4-ピリジルから選択される。
【0026】
他の実施態様では、L はSO2であり、Q は存在せず、そしてR7はC1-6アルキル及びアリールから選択される。いくつかのこのような実施態様では、R7 はメチル及びフェニルから選択される。
【0027】
いくつかの実施態様では、L はC=Oであり、そしてR7 はC1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、アリール、C1-6アラルキル、ヘテロアリール、C1-6ヘテロアラルキル、R8ZA-C1-8アルキル-、R11Z-C1-8アルキル-、(R8O)(R9O)P(=O)O-C1-8アルキル-、(R8O)(R9O)P(=O)O-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、(R8O)(R9O)P(=O)O-C1-8アルキル-Z-C1-8アルキル-、R8ZA-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、ヘテロシクリルMZAZ-C1-8アルキル-、(R10)2N-C1-8アルキル-、(R10)3N+-C1-8アルキル-、ヘテロシクリルM-、カルボシクリルM-、R11SO2C1-8アルキル-、及びR11SO2NH-から選択され、但しこの場合、Z 及びA はそれぞれ存在する箇所において個別に、共有結合以外である。いくつかの実施態様では、L はC=Oであり、Qは存在せず、そしてR7 はHである。
【0028】
いくつかの実施態様では、R6
はC1-6アルキルであり、R7 はC1-6アルキルであり、Q は存在せず、そしてL はC=Oである。いくつかのこのような実施態様では、R7 はエチル、イソプロピル、2,2,2-トリフルオロエチル、又は2-(メチルスルホニル)エチルである。
【0029】
他の実施態様では、L はC=Oであり、Qは存在せず、そしてR7 はC1-6アラルキルである。いくつかのこのような実施態様では、R7 は2-フェニルエチル、フェニルメチル、(4-メトキシフェニル)メチル、(4-クロロフェニル)メチル、及び(4-フルオロフェニル)メチルから選択される。
【0030】
他の実施態様では、LはC=Oであり、Qは存在せず、R6 はC1-6アルキルであり、そしてR7はアリールである。いくつかのこのような実施態様では、R7は置換もしくは非置換フェニルである。
【0031】
いくつかの実施態様では、L はC=Oであり、Q は存在しないか、又はOであり、nは0又は1であり、そしてR7 は-(CH2)nカルボシクリルである。いくつかのこのような実施態様では、R7 はシクロプロピル又はシクロヘキシルである。
【0032】
いくつかの実施態様では、L及びAはC=Oであり、Qは存在せず、Z はOであり、n は1乃至8(好ましくは1)の整数であり、そしてR7 はR8ZA-C1-8アルキル-、R11Z-C1-8アルキル-、R8ZA-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、(R8O)(R9O)P(=O)O-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、(R8O)(R9O)P(=O)O-C1-8アルキル-Z-C1-8アルキル-、及びヘテロシクリルMZAZ-C1-8アルキル-から選択され、但しこの場合、Aはそれぞれ存在する箇所において個別に共有結合以外である。いくつかのこのような実施態様では、R7はヘテロシクリルMZAZ-C1-8アルキル-であり、但しこの場合のヘテロシクリルは置換もしくは非置換オキソジオキソレニル又はN(R12)(R13)であり、但しこの場合のR12 及びR13
は共にC1-6アルキル-Y-C1-6アルキル、好ましくはC1-3アルキル-Y-C1-3アルキルであることで一個の環を形成する。
【0033】
いくつかの好適な実施態様では、LはC=Oであり、Q は存在せず、n は1乃至8の整数であり、そしてR7 は(R8O)(R9O)P(=O)O-C1-8アルキル-、(R10)2NC1-8アルキル、(R10)3N+(CH2)n-、及びヘテロシクリル-M-から選択される。いくつかのこのような実施態様では、R7 は-C1-8アルキルN(R10)2 又は-C1-8アルキルN+(R10)3であり、但しこの場合のR10 はC1-6アルキルである。いくつかの他のこのような実施態様では、R7はヘテロシクリルM-であり、但しこの場合のヘテロシクリルはモルホリノ、ピペリジノ、ピペラジノ、及びピロリジノから選択される。
【0034】
いくつかの実施態様では、LはC=Oであり、R6 はC1-6アルキルであり、Q はO 及びNHから選択され、R7 はC1-6アルキル、シクロアルキル-M、C1-6アラルキル、及びC1-6ヘテロアラルキルから選択される。他の実施態様では、LはC=Oであり、R6 はC1-6アルキルであり、QはO 及びNHから選択され、そしてR7はC1-6アルキルであり、但しこの場合のC1-6アルキルはメチル、エチル、及びイソプロピルから選択される。更なる実施態様では、LはC=Oであり、R6 はC1-6アルキルであり、Q はO及びNH から選択され、そしてR7 はC1-6アラルキルであり、但しこの場合のアラルキルはフェニルメチルである。 他の実施態様では、LはC=Oであり、R6はC1-6アルキルであり、QはO 及びNHから選択され、そしてR7はC1-6ヘテロアラルキルであり、但しこの場合のヘテロアラルキルは (4-ピリジル)メチルである。
【0035】
いくつかの実施態様では、L は存在しないか、又はC=Oであり、そしてR6及びR7 は共にC1-6アルキル-Y-C1-6アルキル、C1-6アルキル-ZA-C1-6アルキル、又はC1-6アルキル-Aであり、但しこの場合、Z 及びAはそれぞれ存在する箇所において個別に共有結合以外であることで一個の環を形成する。いくつかの好適な実施態様では、L はC=Oであり、Q 及びYは存在せず、そしてR6及びR7は共にC1-3アルキル-Y-C1-3アルキルである。別の好適な実施態様では、L及びQは存在せず、そしてR6及びR7 は共にC1-3アルキル-Y-C1-3アルキルである。別の好適な実施態様では、L はC=Oであり、Qは存在せず、Y はNH及びN-C1-6アルキルから選択され、そしてR6
及びR7 は共にC1-3アルキル-Y-C1-3アルキルである。別の好適な実施態様では、L はC=Oであり、Yは存在せず、そしてR6 及びR7 は共にC1-3アルキル-Y-C1-3アルキルである。別の好適な実施態様では、L 及びAはC=Oであり、そしてR6及びR7は共にC1-2アルキル-ZA-C1-2アルキルである。別の好適な実施態様では、L及びAはC=Oであり、そしてR6及びR7は共にC2-3アルキル-Aである。
【0036】
いくつかの実施態様で、式(2)の化合物は以下の立体化学を有し:
【0037】
【化4】

【0038】
好適な実施態様では、本ペプチドエポキシケトンは式(4)又はその薬学的に許容可能な塩の構造を有し、
【0039】
【化5】

【0040】
但し式中、各Aは個別にC=O、C=S、及びSO2、から選択され、好ましくはC=Oであり;あるいは
Aは、Zの存在する箇所に隣接する場合には選択的に共有結合であり;
Lは存在しないか、又はC=O、C=S、及びSO2から選択され、好ましくはLは存在しないか、又はC=Oであり;
Mは存在しないか、又はC1-12アルキルであり、好ましくはC1-8アルキルであり;
Qは存在しないか、又はO、NH、及びN-C1-6アルキルから選択され、好ましくはQは存在しないか、O、又はNHであり、最も好ましくはQは存在しないか、又はOであり;
XはOであり;
Yは存在しないか、又はO、NH、N-C1-6アルキル、S、SO、SO2、CHOR10、及びCHCO2R10から選択され;
各Zは個別にO、S、NH、及びN-C1-6アルキルから選択され、好ましくは Oであり;あるいは
Z は、Aの存在する箇所に隣接する場合には選択的に共有結合であり;
R2 及び R4 はそれぞれ個別に置換C1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6アルコキシアルキル、アリール、及び C1-6アラルキルから選択され、但しこの場合の置換基には、限定はしないが、一つ以上のアミド、アミン、カルボン酸 (又はその塩)、エステル(C1-5アルキルエステル及びアリールエステルを含む)、チオール、又はチオエーテル置換基が含まれてもよく;
R5 はN(R6)LQR7であり;
R6 は水素、OH、及び C1-6アルキルから選択され、好ましくは
C1-6アルキルであり;
R7 は水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、アリール、C1-6アラルキル、ヘテロアリール、C1-6ヘテロアラルキル、R8ZAZ-C1-8アルキル-、R11Z-C1-8アルキル-、(R8O)(R9O)P(=O)O-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、R8ZAZ-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、ヘテロシクリルMZAZ-C1-8アルキル-、(R8O)(R9O)P(=O)O-C1-8アルキル-、(R10)2N-C1-12アルキル-、(R10)3N+-C1-12アルキル-、ヘテロシクリルM-、カルボシクリルM-、R11SO2C1-8アルキル-、及び R11SO2NHから選択され; 好ましくは C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、アリール、C1-6アラルキル、ヘテロアリール、C1-6ヘテロアラルキル、R8ZA-C1-8アルキル-、R11Z-C1-8アルキル-、(R8O)(R9O)P(=O)O-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、(R8O)(R9O)P(=O)O-C1-8アルキル-Z-C1-8アルキル-、R8ZA-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、ヘテロシクリルMZAZ-C1-8アルキル-、(R8O)(R9O)P(=O)O-C1-8アルキル-、(R10)2N-C1-8アルキル-、(R10)3N+-C1-8アルキル-、ヘテロシクリルM-、カルボシクリルM-、R11SO2C1-8アルキル-、及び R11SO2NHであり、但しこの場合、Z 及び Aはそれぞれ存在する箇所において個別に共有結合以外であり;あるいは
R6 及び R7は共にC1-6アルキル-Y-C1-6アルキル、C1-6アルキル-ZAZ-C1-6アルキル、ZAZ-C1-6アルキル-ZAZ-C1-6アルキル、ZAZ-C1-6アルキル-ZAZ、又はC1-6アルキル-Aであることで一個の環を形成し;好ましくは C1-2アルキル-Y-C1-2アルキル、C1-2アルキル-ZA-C1-2アルキル、A-C1-2アルキル-ZA-C1-2アルキル、A-C1-3アルキル-A、又はC1-4アルキル-Aであり、但しこの場合、Z及びAはそれぞれ存在する箇所において個別に共有結合以外であり;
R8及びR9 は水素、金属陽イオン、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、アリール、ヘテロアリール、C1-6アラルキル、及び C1-6ヘテロアラルキルから、好ましくは水素、金属陽イオン、及び C1-6アルキルから、個別に選択され、あるいはR8及びR9 は共にC1-6アルキルであることで一個の環を形成し;
各R10 は個別に水素及び C1-6アルキルから選択され、好ましくはC1-6アルキルであり;そして
R11 は個別に水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-6アラルキル、及び C1-6ヘテロアラルキルから選択され、
但し条件としてR6 がH又はCH3 であり、そしてQが存在しない場合、LR7 は水素、非置換C1-6アルキルC=O、アミノ酸の更なる鎖、t-ブトキシカルボニル (Boc)、ベンゾイル (Bz)、フルオレン-9-イルメトキシカルボニル(Fmoc)、トリフェニルメチル(トリチル)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、トリクロロエトキシカルボニル
(Troc);あるいは置換もしくは非置換アリールもしくはヘテロアリールではなく;そして
配列ZAZが存在する箇所では必ず、該配列の少なくとも一つのメンバーは共有結合でなくてはならない。
【0041】
いくつかの実施態様では、LはC=Oであり、Q は存在せず、R6
はHであり、そしてR2 及び R4 はC1-6アルキル
及び C1-6アラルキルから選択される。好適なこのような実施態様では、R2及び R4 はC1-6アルキルである。最も好適なこのような実施態様では、R2 及び R4
はイソブチルである。
【0042】
いくつかの実施態様では、L はC=Oであり、Q は存在せず、R6
はHであり、R2 及び R4 はイソブチルであり、そしてR7 はヘテロシクリルM-であり、但しこの場合の複素環は含窒素複素環、例えばピペラジノ(N-(低級アルキル)ピペラジノを含む)、モルホリノ、及びピペリジノなどである。好適なこのような実施態様では、M はCH2である。
【0043】
第3群
いくつかの実施態様では、本ペプチドエポキシケトンは式(5)又はその薬学的に許容可能な塩の構造を有し:
【0044】
【化6】

【0045】
但し式中、X はOであり;
R1、R2、R3、及びR4
は、個別に、水素及び式(6)の基から選択され、但し条件としてR1、R2、R3、及びR4 のうちの少なくとも一つは式(6)の基であり;
【0046】
【化7】

【0047】
R5、R6、R7及びR8 は、個別に、選択的に置換されたC1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6アルコキシアルキル、アリール、及びC1-6アラルキルから選択され、但しこの場合の置換基には、限定はしないが、アミド、アミン、カルボン酸又はその薬学的に許容可能な塩、カルボキシルエステル、チオール、及びチオエーテルが含まれてもよく;
R9 は、アミノ酸の更なる鎖、水素、C1-6アシル、保護基、アリール、又はヘテロアリールであり、但しこの場合の置換基にはハロゲン、カルボニル、ニトロ、ヒドロキシ、アリール、及びC1-5アルキルが含まれてよく;
R10 及びR11 は、個別に、水素及びC1-6アルキルから選択され、あるいはR10及びR11 は共に3- 乃至6-員環の炭素環又は複素環の環を形成し;
R12 及びR13 は、個別に、水素、金属陽イオン、C1-6アルキル、及びC1-6アラルキルから選択され、あるいはR12 及びR13 は共にC1-6アルキルを表すことで一個の環を形成し;そして
Lは存在しないか、あるいは-CO2 又は-C(=S)Oから選択される。
【0048】
ペプチド合成業で公知の適したN-末端保護基には、t-ブトキシ カルボニル (Boc)、ベンゾイル(Bz)、フルオレン-9-イルメトキシカルボニル(Fmoc)、トリフェニルメチル (トリチル)及びトリクロロエトキシカルボニル(Troc)等がある。例えばベンジルオキシカルボニル基又はt-ブチルオキシカルボニル基 (Boc)などの多様なN-保護基、また例えばジシクロヘキシルカルボジイミド (DCC)、1,3-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド (EDC)、N-ヒドロキシアザベンゾトリアゾール (HATU)、カルボニルジイミダゾール、又は1-ヒドロキシベンゾトリアゾールモノヒドレート(HOBT)などの多様なカップリング試薬の使用、そして多様な切断条件:例えばトリフルオロ酢酸 (TFA)、塩酸のジオキサン溶液、有機溶媒(例えばメタノール又は酢酸エチル)、トリス(トリフルオロアセテート)ホウ素及び臭化シアンに入れたPd-Cでの水素化、そして中間生成物を単離及び精製しながらの溶液中での反応はペプチド合成業で公知であり、対象化合物の調製に等しく適用することができる。
【0049】
またいくつかの実施態様では、R1、R2、R3、及びR4
のいずれか二つは水素であり、そしてR1、R2、R3、及びR4
のいずれか二つは式(6)の構造である。好適な実施態様では、R1、R2、R3、及びR4 のいずれか三つは水素であり、そしてR1、R2、R3、及びR4のいずれか一つは式(6)の構造を有する。いくつかの好適な実施態様では、R1 は式(6)の構造を有し、そしてR2、R3、及びR4 は水素である。
【0050】
いくつかの実施態様では、R5、R6、R7、及びR8 はC1-6アルキル又はC1-6アラルキルである。好適な実施態様では、R6 及びR8 はC1-6アルキルであり、そしてR5 及びR7 はC1-6アラルキルである。最も好適な実施態様では、R6 及びR8 はイソブチルであり、R5 は2-フェニルエチルであり、そしてR7 はフェニルメチルである。いくつかの実施態様では、R9 は水素、C1-6アシル、又は保護基から選択される。好適な実施態様では、R9 は水素又はアセチルである。最も好適な実施態様では、R9 はアセチルである。
【0051】
いくつかの実施態様では、R10
及びR11 は水素及びC1-6アルキルから選択される。ある好適な実施態様では、R10 は水素であり、そしてR11はC1-6アルキルである。更なる好適な実施態様では、R10は水素であり、そしてR11
はメチルである。別の好適な実施態様では、R10及びR11の両者は水素である。いくつかの実施態様では、R12及びR13
はC1-6アルキル、金属陽イオン、又はC1-6アラルキルである。いくつかの好適な実施態様では、R12 及びR13 はベンジル、tert-ブチル、及びナトリウム陽イオンから選択される。より好適な実施態様では、R12 及びR13
の両者はベンジル又はtert-ブチルである。最も好適な実施態様では、R12 及びR13 の少なくとも一方はナトリウム陽イオンである。
【0052】
いくつかの実施態様では、式(5)の化合物は以下の立体化学を有し:
【0053】
【化8】

【0054】
好適な実施態様では、本ペプチドエポキシケトンは式(7)又はその薬学的に許容可能な塩の構造を有し:
【0055】
【化9】

【0056】
但し式中、XはOであり;
R1、R2、R3、及びR4
は、個別に、水素 及び式(6)の基から選択され、但し条件としてR1、R2、R3、及びR4 のうちの少なくとも一つは式(6)の基であり;
R6 及びR8 は、個別に、選択的に置換されたC1-6アルキル、C1-6ヒドロキシ アルキル、C1-6アルコキシアルキル、アリール、及びC1-6アラルキルから選択され、但しこの場合の置換基には、限定はしないが、アミド、アミン、カルボン酸 又はその薬学的に許容可能な塩、カルボキシルエステル、チオール、及びチオエーテルが含まれてよく;
R9 はアミノ酸の更なる鎖、水素、アシル、保護基、アリール、又はヘテロアリールであり、但しこの場合の置換基には、ハロゲン、カルボニル、ニトロ、ヒドロキシ、アリール、及びC1-5アルキルが含まれてよい。ペプチド合成業で公知の適したN-保護基にはt-ブトキシ カルボニル (Boc)、ベンゾイル (Bz)、フルオレン-9-イルメトキシカルボニル (Fmoc)、トリフェニルメチル (トリチル) 及びトリクロロエトキシカルボニル (Troc) 等があり;そして。
【0057】
またいくつかの実施態様では、R1、R2、R3、及びR4
のうちのいずれか二つは水素であり、R1、R2、R3、及び R4
のうちのいずれか二つは式(6)の構造を有する。好適な実施態様では、R1、R2、R3、及び R4 のうちのいずれか三つは水素であり、そしてR1、R2、R3、及び R4 のうちのいずれか一つは式(6)の構造を有する。いくつかの好適な実施態様では、R1 は式(6)の構造を有し、そしてR2、R3、及び R4 は水素である。
【0058】
いくつかの実施態様では、R6
及び R8 はC1-6アルキル又はC1-6アラルキルである。好適な実施態様では、R6 及び R8
はC1-6アルキルである。最も好適な実施態様では、R6 及び R8 はイソブチルである。いくつかの実施態様では、R9 は水素、C1-6アシル、又は保護基から選択される。好適な実施態様では、R9 は水素又はアセチルである。最も好適な実施態様では、R9 はアセチルである。
【0059】
いくつかの実施態様では、R10
及び R11は水素及びC1-6アルキルから選択される。ある好適な実施態様では、R10 は水素であり、そしてR11 はC1-6アルキルである。更なる好適な実施態様では、R10 は水素であり、そしてR11はメチルである。別の好適な実施態様では、R10及び R11の両者は水素である。いくつかの実施態様では、R12 及び R13 はC1-6アルキル、金属陽イオン、又はC1-6アラルキルである。いくつかの好適な実施態様では、R12 及び R13
はベンジル、tert-ブチル、及び
ナトリウム陽イオンから選択される。より好適な実施態様では、R12 及び R13 の両者はベンジル又はtert-ブチルである。最も好適な実施態様では、R12 及び R13
の少なくとも一方はナトリウム陽イオンである。
【0060】
いくつかの実施態様では、R6
及び R8はC1-6アルキルである。好適な実施態様では、R6 及び R8はイソブチルである。好適な実施態様では、R9 は水素又はアセチルである。最も好適な実施態様では、R9 はアセチルである。ある好適な実施態様では、R10は水素であり、そしてR11 はメチルである。別の好適な実施態様では、R10 及び R11 の両者は水素である。いくつかの実施態様では、R12 及び R13 はC1-6アルキル、金属陽イオン、又はC1-6アラルキルである。いくつかの好適な実施態様では、R12 及び R13
はベンジル、tert-ブチル、及び
ナトリウム陽イオンから選択される。より好適な実施態様では、R12 及び R13 の両者はベンジル又はtert-ブチルである。最も好適な実施態様では、R12 及び R13
の少なくとも一方はナトリウム陽イオンである。
【0061】
第4群
いくつかの実施態様では、本ペプチドエポキシケトンは式(8)又はその薬学的に許容可能な塩の構造を有し;
【0062】
【化10】

【0063】
但し式中、各A は、個別に、C=O、C=S、及び SO2から選択され、好ましくはC=Oであり;
各Bは、個別に、C=O、C=S、及びSO2から選択され、好ましくは C=Oであり;
Dは存在しないか、又はC1-8アルキルであり;
GはO、NH、及び N-C1-6アルキルから選択され;
Kは存在しないか、あるいはC=O、C=S、及び SO2から選択され、好ましくは Kは存在しないか、あるいはC=Oであり;
L は存在しないか、又はC=O、C=S、及び SO2、から選択され、好ましくは L は存在しないか、又はC=Oであり;
M は存在しないか、又は C1-8アルキルであり;
Q は存在しないか、又はO、NH、及びN-C1-6アルキルから選択され、好ましくは Q は存在しないか、O又はNHであり、最も好ましくはQ は存在せず;
X はOであり;
各V は個別に存在しないか、又はO、S、NH、及びN-C1-6アルキルから選択され、好ましくはVは存在しないか、又はOであり;
W は存在しないか、又は、個別に、O、S、NH、及び N-C1-6アルキルから選択され、好ましくはOであり;
Y は存在しないか、又はO、NH、N-C1-6アルキル、S、SO、SO2、CHOR10、及び CHCO2R10から選択され;
各Zは個別にO、S、NH、及び N-C1-6アルキルから選択され、好ましくはOであり;
R1、R2、R3、及び R4
は、それぞれ個別に、C1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6アルコキシアルキル、アリール、C1-6アラルキル、及び R14DVKOC1-3アルキル-から選択され、但しこの場合、R1 及び R3
の少なくとも一方はR14DVKOC1-3アルキル-であり;
R5 はN(R6)LQR7であり;
R6 は水素、OH、及び C1-6アルキルから選択され、好ましくは
C1-6アルキルであり;
R7 はアミノ酸の更なる鎖、水素、保護基、アリール、又はヘテロアリールであり、この場合それらのいずれも選択的ハロゲン、カルボニル、ニトロ、ヒドロキシ、アリール、C1-5アルキルで置換され;あるいはR7はC1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、C1-6アラルキル、C1-6ヘテロアラルキル、R8ZA-C1-8アルキル-、R11Z-C1-8アルキル-、(R8O)(R9O)P(=O)O-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、(R8O)(R9O)P(=O)O-C1-8アルキル-Z-C1-8アルキル-、R8ZA-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、ヘテロシクリルMZAZ-C1-8アルキル-、(R8O)(R9O)P(=O)O-C1-8アルキル-、(R10)2N-C1-8アルキル-、(R10)3N+-C1-8アルキル-、ヘテロシクリルM-、カルボシクリルM-、R11SO2C1-8アルキル-、及び R11SO2NHから選択され;あるいは
R6 及び R7 は共にC1-6アルキル-Y-C1-6アルキル、C1-6アルキル-ZA-C1-6アルキル、A-C1-6アルキル-ZA-C1-6アルキル、A-C1-6アルキル-A、又はC1-6アルキル-Aであり、好ましくは C1-2アルキル-Y-C1-2アルキル、C1-2アルキル-ZA-C1-2アルキル、A-C1-2アルキル-ZA-C1-2アルキル、A-C1-3アルキル-A、又はC1-4アルキル-Aであることで一個の環を形成し、好ましくは R6 は水素で、そして R7 はC1-6アルキルであり;
R8 及び R9 は、個別に、水素、金属陽イオン、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、アリール、ヘテロアリール、C1-6アラルキル、及び C1-6ヘテロアラルキルから、好ましくは水素、金属陽イオン、及び C1-6アルキルから、選択され、あるいはR8 及び R9 は共にC1-6アルキルであることで一個の環を形成し;
各R10は、個別に、水素及びC1-6アルキルから選択され、好ましくは C1-6アルキルであり;
各R11は、個別に、水素、OR10、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-6アラルキル、及び C1-6ヘテロアラルキルから選択され;
R14 は水素、(R15O)(R16O)P(=O)W-、R15GB-、ヘテロシクリル-、(R17)2N-、(R17)3N+-、R17SO2GBG-、及び R15GBC1-8アルキル- から選択され、但しこの場合のC1-8アルキル部分は選択的にOH、C1-8アルキルW (選択的にはハロゲン、好ましくはフッ素、で置換された)、アリール、ヘテロアリール、カルボシクリル、ヘテロシクリル、及び C1-6アラルキルで置換され、好ましくはR14
は存在する箇所の少なくとも一つにおいて水素以外であり;
R15 及び R16 は、個別に、水素、金属陽イオン、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、アリール、ヘテロアリール、C1-6アラルキル、及び C1-6ヘテロアラルキルから、好ましくは水素、金属陽イオン、及び C1-6アルキルから、選択され、あるいはR15 及び R16 は共にC1-6アルキルであることで一個の環を形成し;そして
各R17 は、個別に、水素、OR10、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-6アラルキル、及び C1-6ヘテロアラルキルから選択され;
但し条件として、R6 がHであり、L がC=Oであり、そしてQ が存在しない場合、R7 は水素、C1-6アルキル、又は置換もしくは非置換アリールもしくはヘテロアリールではなく;そして
D、G、V、K、及びWは、O-O、N-O、S-N、又はS-O結合がないように選択される。
【0064】
ペプチド合成業で公知の適したN-末端保護基には、t-ブトキシ カルボニル (Boc)、ベンゾイル (Bz)、フルオレン-9-イルメトキシカルボニル
(Fmoc)、トリフェニルメチル (トリチル) 及びトリクロロエトキシカルボニル (Troc) 等がある。例えばベンジルオキシ カルボニル基又はt-ブチルオキシカルボニル基(Boc)などの多様なN-保護基、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド (DCC)、1,3-ジイソプロピルカルボジイミド (DIC)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド (EDC)、N-ヒドロキシアザベンゾトリアゾール(HATU)、カルボニルジイミダゾール、又は1-ヒドロキシベンゾトリアゾールモノヒドレート(HOBT)などの多様なカップリング試薬の使用や、例えばトリフルオロ酢酸 (TFA)、塩酸のジオキサン溶液、有機溶媒(例えばメタノール又は酢酸エチル)中でのPd-C上の水素化、トリス(トリフルオロアセテート)ホウ素、及び臭化シアンなどの多様な切断条件、そして中間生成物の単離及び精製を伴う溶液中での反応などはペプチド合成業で公知であり、当該の化合物の調製に等しく適用することができる。
【0065】
いくつかの実施態様では、R1、R2、R3、及びR4
は、それぞれ個別に、C1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6アルコキシアルキル、アリール、C1-6アラルキル、及びR14DVKOC1-3アルキル-から選択され、但しこの場合、R1 及びR3 の少なくとも一方はR14DVKOC1-3アルキル-である。好適な実施態様では、R1 及びR3 の一方はC1-6アラルキルであり、他方はR14DVKOC1-3アルキル-であり、そしてR2 及びR4 は、個別に、C1-6アルキルである。最も好適な実施態様では、R1 及びR3 の一方は 2-フェニルエチル又はフェニルメチルであり、そして他方はR14DVKOCH2- 又はR14DVKO(CH3)CH-であり、そしてR2 及びR4 の両者はイソブチルである。
【0066】
いくつかの実施態様では、各R11は、個別に、水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-6アラルキル、及びC1-6ヘテロアラルキルから選択される。
【0067】
いくつかの実施態様では、各R17は、個別に、水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-6アラルキル、及び C1-6ヘテロアラルキルから選択される。
【0068】
いくつかの実施態様では、L及びQ は存在せず、そしてR7 は水素、アミノ酸の更なる鎖、C1-6アシル、保護基、アリール、ヘテロアリール、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、C1-6アラルキル、及び C1-6ヘテロアラルキルから選択される。いくつかのこのような実施態様では、R6
はC1-6アルキルであり、そしてR7 はブチル、アリル、プロパルギル、フェニルメチル、2-ピリジル、3-ピリジル、及び 4-ピリジルから選択される。
【0069】
他の実施態様では、L はSO2であり、Q は存在せず、そしてR7
はC1-6アルキル及びアリールから選択される。いくつかのこのような実施態様では、R7
はメチル及びフェニルから選択される。
【0070】
いくつかの実施態様では、L はC=Oであり、そしてR7はC1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、アリール、C1-6アラルキル、ヘテロアリール、C1-6ヘテロアラルキル、R8ZA-C1-8アルキル-、R11Z-C1-8アルキル-、(R8O)(R9O)P(=O)O-C1-8アルキル-、(R8O)(R9O)P(=O)O-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、(R8O)(R9O)P(=O)O-C1-8アルキル-Z-C1-8アルキル-、R8ZA-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、ヘテロシクリルMZAZ-C1-8アルキル-、(R10)2N-C1-8アルキル-、(R10)3N+-C1-8アルキル-、ヘテロシクリルM-、カルボシクリルM-、R11SO2C1-8アルキル-、及び R11SO2NH-から選択される。いくつかの実施態様では、L はC=Oであり、Qは存在せず、そしてR7 はHである。
【0071】
いくつかの実施態様では、R6
はC1-6アルキルであり、R7 はC1-6アルキルであり、Q は存在せず、そしてL はC=Oである。いくつかのこのような実施態様では、R7はエチル、イソプロピル、2,2,2-トリフルオロエチル、又は2-(メチルスルホニル)エチルである。
【0072】
他の実施態様では、L はC=Oであり、Q は存在せず、そしてR7
はC1-6アラルキルである。いくつかのこのような実施態様では、R7 は2-フェニルエチル、フェニルメチル、(4-メトキシフェニル)メチル、(4-クロロフェニル)メチル、及び (4-フルオロフェニル)メチルから選択される。
【0073】
他の実施態様では、L はC=Oであり、Qは存在せず、R6 はC1-6アルキルであり、そしてR7 はアリールである。いくつかのこのような実施態様では、R7 は置換もしくは非置換 フェニルである。
【0074】
いくつかの実施態様では、L はC=Oであり、Q は存在しないか、又は Oであり、そしてR7 は-(CH2)nカルボシクリルである。いくつかのこのような実施態様では、R7 はシクロプロピル又はシクロヘキシルである。
【0075】
いくつかの実施態様では、L 及び A はC=Oであり、Q は存在せず、Z はOであり、そしてR7 はR8ZA-C1-8アルキル-、R11Z-C1-8アルキル-、R8ZA-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、(R8O)(R9O)P(=O)O-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、(R8O)(R9O)P(=O)O-C1-8アルキル-Z-C1-8アルキル-、及びヘテロシクリルMZAZ-C1-8アルキル-から選択される。いくつかのこのような実施態様では、R7 はヘテロシクリルMZAZ-C1-8アルキル-であり、但しこの場合のヘテロシクリルは置換もしくは非置換オキソジオキソレニル又はN(R12)(R13)であり、この場合のR12 及び R13
は共にC1-6アルキル-Y-C1-6アルキル、好ましくは C1-3アルキル-Y-C1-3アルキル、であることで一個の環を形成する。
【0076】
いくつかの好適な実施態様では、LはC=Oであり、Q は存在せず、そしてR7
は(R8O)(R9O)P(=O)O-C1-8アルキル-、(R10)2NC1-8アルキル、(R10)3N+(CH2)n-、及び ヘテロシクリル-M-から選択される。いくつかのこのような実施態様では、R7は-C1-8アルキルN(R10)2 又は-C1-8アルキルN+(R10)3であり、但しこの場合のR10 はC1-6アルキルである。いくつかの他のこのような実施態様では、R7はヘテロシクリルM-であり、この場合のヘテロシクリルはモルホリノ、ピペリジノ、ピペラジノ、及びピロリジノから選択される。
【0077】
いくつかの実施態様では、LはC=Oであり、R6はC1-6アルキルであり、 QはO 及び NH から選択され、そしてR7はC1-6アルキル、シクロアルキル-M、C1-6araアルキル(原語:C1-6araalkyl)、 及び C1-6ヘテロaraアルキル(原語:C1-6heteroaraalkyl)から選択される。他の実施態様では、 L はC=Oであり、 R6 はC1-6アルキルであり、QはO及びNHから選択され、そしてR7 はC1-6アルキルであり、 但しこの場合のC1-6アルキルはメチル、エチル、及びイソプロピルから選択される。更なる実施態様では、L はC=Oであり、 R6 はC1-6アルキルであり、QはO及びNHから選択され、そしてR7 はC1-6アラルキルであり、但しこの場合のアラルキルはフェニルメチルである。他の実施態様では、L はC=Oであり、R6 はC1-6アルキルであり、QはO及びNHから選択され、そしてR7 はC1-6ヘテロアラルキルであり、但しこの場合のヘテロアラルキルは(4-ピリジル)メチルである。
【0078】
いくつかの実施態様では、Lは存在しないか、又はC=Oであり、そしてR6及びR7 は共にC1-6アルキル-Y-C1-6アルキル、C1-6アルキル-ZA-C1-6アルキル、又はC1-6アルキル-A であることで一個の環を形成する。いくつかの好適な実施態様では、L はC=Oであり、Q 及びYは存在せず、そしてR6 及びR7 は共にC1-3アルキル-Y-C1-3アルキルである。別の好適な実施態様では、L及びQ は存在せず、そしてR6 及びR7 は共にC1-3アルキル-Y-C1-3アルキルである。別の好適な実施態様では、L はC=Oであり、Qは存在せず、Y はNH及びN-C1-6アルキルから選択され、そしてR6
及び R7は共にC1-3アルキル-Y-C1-3アルキルである。別の好適な実施態様では、LはC=Oであり、Yは存在せず、そしてR6 及び R7は共にC1-3アルキル-Y-C1-3アルキルである。別の好適な実施態様では、L及びAはC=Oであり、そしてR6及びR7 は共にC1-2アルキル-ZA-C1-2アルキルである。別の好適な実施態様では、L及びA はC=O であり、そしてR6
及び R7 は共にC2-3アルキル-Aである。
【0079】
いくつかの実施態様では、R14
は(R15O)(R16O)P(=O)W-である。いくつかのこのような実施態様では、D、V、K、及びW は存在しない。他のこのような実施態様では、V及びKは存在せず、D はC1-8アルキルであり、そしてW はOである。更に他のこのような実施態様では、D はC1-8アルキルであり、K はC=Oであり、そしてV 及び WはOである。
【0080】
いくつかの実施態様では、R14
はR15GB-である。好適な実施態様では、B はC=Oであり、GはOであり、DはC1-8アルキルであり、VはOであり、そしてKはC=Oである。
【0081】
いくつかの実施態様では、R14
はヘテロシクリル-である。好適なこのような実施態様では、DはC1-8アルキルである。いくつかのこのような実施態様では、VはOであり、Kは C=Oであり、そしてヘテロシクリルはオキソジオキソレニルである。他のこのような実施態様では、Vは存在せず、Kは存在しないか、又はC=Oであり、そしてヘテロシクリルはN(R18)(R19)であり、この場合のR18 及び R19
は共にJ-T-J、 J-WB-J、又はB-J-T-Jであり、Tは存在しないか、又はO、NR17、S、 SO、SO2、CHOR17、CHCO2R15、C=O、CF2、及びCHFから選択され、そしてJ は存在しないか、又はC1-3アルキルである。
【0082】
いくつかの実施態様では、R14
は(R17)2N-
又は(R17)3N+-であり、そして好ましくはV は存在しない。好適なこのような実施態様では、D はC1-8アルキルであり、そしてKは存在しないか、又はC=Oである。V が存在せず、そしてR14が (R17)2N-であるいくつかの実施態様では、D は存在せず、K は存在しないか、又はC=Oであり、好ましくはKはC=Oである。
【0083】
いくつかの実施態様では、R14
はR17SO2GBG-である。好適なこのような実施態様では、B はC=Oであり、D、V、及びKは存在せず、そしてG はNH 又はNC1-6アルキルである。
【0084】
いくつかの実施態様では、R14
はR15GBC1-8アルキル-である。好適な実施態様では、BはC=Oであり、GはOであり、そしてC1-8アルキル部分は選択的にOH、C1-8アルキル(選択的にハロゲン、好ましくはフッ素で置換される)、C1-8アルキルW、アリール、ヘテロアリール、カルボシクリル、ヘテロシクリル、及びC1-6アラルキルで置換される。いくつかのこのような実施態様では、該C1-8アルキル部分は非置換、一置換-、又は二置換C1アルキルである。
【0085】
いくつかの実施態様では、式(8)の化合物は以下の立体化学を有し;
【0086】
【化11】



【0087】
いくつかの好適な実施態様では、本ペプチドエポキシケトンは式(9)又はその薬学的に許容可能な塩の構造を有し、
【0088】
【化12】

【0089】
但し式中、各A は、個別に、C=O、C=S、及びSO2から選択され、好ましくはC=Oであり;
各B は、個別に、C=O、C=S、及びSO2から選択され、好ましくはC=Oであり;
Dは存在しないか、又はC1-8アルキルであり;
GはO、 NH、及びN-C1-6アルキルから選択され;
K は存在しないか、又はC=O、 C=S、及びSO2から選択され、好ましくはKは存在しないか、又はC=Oであり;
Lは存在しないか、又はC=O、C=S、及びSO2から選択され、好ましくはLは存在しないか、又はC=Oであり;
Mは存在しないか、又はis C1-8アルキル;
Qは存在しないか、又はO、NH、及びN-C1-6アルキルから選択され、好ましくはQは存在しないか、O、又はNHであり、最も好ましくはQは存在しないか、又はOであり;
X はOであり;
各Vは、個別に、存在しないか、又はO、S、NH、及びN-C1-6アルキルから選択され、 好ましくはVは存在しないか、又はOであり;
Wは存在しないか、又は、個別に、O、S、NH、及びN-C1-6アルキルから選択され、好ましくはOであり;
Y は存在しないか、又はO、NH、N-C1-6アルキル、S、SO、SO2、CHOR10、及びCHCO2R10から選択され;
各Zは、個別に、O、S、NH、及びN-C1-6アルキルから選択され、好ましくはOであり;
R1 及びR3 は、それぞれ個別に、C1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6アルコキシアルキル、アリール、C1-6アラルキル、及びR14DVKOC1-3アルキル-から選択され、但しこの場合、R1 及びR3 の少なくとも一方は R14DVKOC1-3アルキル-であり;R5 はN(R6)LQR7であり;
R6は水素、OH、及びC1-6アルキルから選択され、好ましくは
C1-6アルキルであり;
R7はアミノ酸の更なる鎖、水素、保護基、アリール、又はヘテロアリールであり、この場合これらのいずれかは選択的にハロゲン、カルボニル、ニトロ、ヒドロキシ、アリール、C1-5アルキルで置換され;あるいはR7はC1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、C1-6アラルキル、C1-6ヘテロアラルキル、R8ZA-C1-8アルキル-、R11Z-C1-8アルキル-、(R8O)(R9O)P(=O)O-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、(R8O)(R9O)P(=O)O-C1-8アルキル-Z-C1-8アルキル-、R8ZA-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、ヘテロシクリルMZAZ-C1-8アルキル-、(R8O)(R9O)P(=O)O-C1-8アルキル-、(R10)2N-C1-8アルキル-、(R10)3N+-C1-8アルキル-、ヘテロシクリルM-、カルボシクリルM-、R11SO2C1-8アルキル-、及びR11SO2NHから選択され;あるいは
R6 及び R7 は共にC1-6アルキル-Y-C1-6アルキル、C1-6アルキル-ZA-C1-6アルキル、A-C1-6アルキル-ZA-C1-6アルキル、A-C1-6アルキル-A、又はC1-6アルキル-A、好ましくは C1-2アルキル-Y-C1-2アルキル、C1-2アルキル-ZA-C1-2アルキル、A-C1-2アルキル-ZA-C1-2アルキル、A-C1-3アルキル-A、又はC1-4アルキル-Aであることで一個の環を形成し;
R8及びR9は、個別に、水素、金属陽イオン、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、アリール、ヘテロアリール、C1-6アラルキル、及び C1-6ヘテロアラルキルから、好ましくは水素、金属陽イオン、及びC1-6アルキルから、選択され、あるいはR8 及び R9 は共にC1-6アルキルであることで一個の環を形成し;
各R10 は、個別に、水素 及び C1-6アルキルから選択され、好ましくは C1-6アルキルだり;そして
各R11は、個別に、水素、OR10、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-6アラルキル、及びC1-6ヘテロアラルキルから選択され;
R14 は水素、(R15O)(R16O)P(=O)W-、R15GB-、ヘテロシクリル-、(R17)2N-、(R17)3N+-、R17SO2GBG-、及びR15GBC1-8アルキル-から選択され、但しこの場合のC1-8アルキル部分は選択的にOH、C1-8アルキルW (選択的にはハロゲン、好ましくはフッ素で置換される)、アリール、ヘテロアリール、カルボシクリル、ヘテロシクリル、及び C1-6アラルキルで置換され、好ましくはR14
は存在する箇所の少なくとも一つにおいて水素以外であり;
R15及びR16は、個別に、水素、金属陽イオン、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、アリール、ヘテロアリール、C1-6アラルキル、及び C1-6ヘテロアラルキルから、好ましくは水素、金属陽イオン、及びC1-6アルキルから、選択され、あるいはR15 及び R16 は共にC1-6アルキルであることで一個の環を形成し;
各R17は、個別に、水素、OR10、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-6アラルキル、及びC1-6ヘテロアラルキルから選択され;
但し条件として、R6 がHであり、LがC=Oであり、そしてQが存在しない場合、R7 は 水素、C1-6アルキル、又は置換もしくは非置換アリールもしくはヘテロアリールではなく;そして
D、G、V、K、及び Wは、O-O、N-O、S-N、又はS-O結合がないように選択される。
【0090】
いくつかの実施態様では、R1及びR3 は、それぞれ個別に、C1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6アルコキシアルキル、アリール、C1-6アラルキル、及び R14DVKOC1-3アルキル-から選択され、但しこの場合、R1及びR3 の少なくとも一方はR14DVKOC1-3アルキル-である。好適な実施態様では、R1 及び R3
の一方はC1-6アラルキルであり、他方はR14DVKOC1-3アルキル-である。最も好適な実施態様では、R1 及び R3
の一方は2-フェニルエチル又はフェニルメチルであり、他方はR14DVKOCH2-
又はR14DVKO(CH3)CH-である。
【0091】
いくつかの実施態様では、各R11
は、個別に、水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-6アラルキル、及び C1-6ヘテロアラルキルから選択される。
【0092】
いくつかの実施態様では、各R17
は、個別に、水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-6アラルキル、及び C1-6ヘテロアラルキルから選択される。
【0093】
いくつかの実施態様では、L及びQは存在せず、そしてR7は水素、アミノ酸の更なる鎖、C1-6アシル、保護基、アリール、ヘテロアリール、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、C1-6アラルキル、及びC1-6ヘテロアラルキルから選択される。いくつかのこのような実施態様では、R6
はC1-6アルキルであり、そしてR7 はブチル、アリル、プロパルギル、フェニルメチル、2-ピリジル、3-ピリジル、及び 4-ピリジルから選択される。
【0094】
他の実施態様では、L はSO2であり、Qは存在せず、そしてR7はC1-6アルキル及びアリールから選択される。いくつかのこのような実施態様では、R7はメチル及びフェニルから選択される。
【0095】
いくつかの実施態様では、L はC=Oであり、そしてR7 はC1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、アリール、C1-6アラルキル、ヘテロアリール、C1-6ヘテロアラルキル、R8ZA-C1-8アルキル-、R11Z-C1-8アルキル-、(R8O)(R9O)P(=O)O-C1-8アルキル-、(R8O)(R9O)P(=O)O-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、(R8O)(R9O)P(=O)O-C1-8アルキル-Z-C1-8アルキル-、R8ZA-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、ヘテロシクリルMZAZ-C1-8アルキル-、(R10)2N-C1-8アルキル-、(R10)3N+-C1-8アルキル-、ヘテロシクリルM-、カルボシクリルM-、R11SO2C1-8アルキル-、及び R11SO2NH-から選択される。いくつかの実施態様では、LはC=Oであり、Qは存在せず、そして R7 はHである。
【0096】
いくつかの実施態様では、R6
はC1-6アルキルであり、R7 はC1-6アルキルであり、Q は存在せず、そしてL はC=Oである。いくつかのこのような実施態様では、R7はエチル、イソプロピル、2,2,2-トリフルオロエチル、又は2-(メチルスルホニル)エチルである。
【0097】
他の実施態様では、L はC=Oであり、Qは存在せず、そしてR7はC1-6アラルキルである。いくつかのこのような実施態様では、R7は2-フェニルエチル、フェニルメチル、(4-メトキシフェニル)メチル、(4-クロロフェニル)メチル、及び (4-フルオロフェニル)メチルから選択される。
【0098】
他の実施態様では、L はC=Oであり、Qは存在せず、R6 はC1-6アルキルであり、そしてR7 はアリールである。いくつかのこのような実施態様では、R7 は置換もしくは非置換 フェニルである。
【0099】
いくつかの実施態様では、L はC=Oであり、Qは存在しないか、又は Oであり、そしてR7 は-(CH2)nカルボシクリルである。いくつかのこのような実施態様では、R7 はシクロプロピル又はシクロヘキシルである。
【0100】
いくつかの実施態様では、L 及び A はC=Oであり、Qは存在せず、ZはOであり、そしてR7 はR8ZA-C1-8アルキル-、R11Z-C1-8アルキル-、R8ZA-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、(R8O)(R9O)P(=O)O-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、(R8O)(R9O)P(=O)O-C1-8アルキル-Z-C1-8アルキル-、及び ヘテロシクリルMZAZ-C1-8アルキル-から選択される。いくつかのこのような実施態様では、R7 はヘテロシクリルMZAZ-C1-8アルキル-であり、但しこの場合のヘテロシクリルは置換もしくは非置換オキソジオキソレニル又はN(R12)(R13)であり、但しこの場合のR12 及び R13
は共にC1-6アルキル-Y-C1-6アルキル、好ましくは C1-3アルキル-Y-C1-3アルキル、であることで一個の環を形成する。
【0101】
いくつかの好適な実施態様では、LはC=Oであり、Qは存在せず、そしてR7 は(R8O)(R9O)P(=O)O-C1-8アルキル-、(R10)2NC1-8アルキル、(R10)3N+(CH2)n-、及び ヘテロシクリル-M-から選択される。いくつかのこのような実施態様では、R7は-C1-8アルキルN(R10)2 又は-C1-8アルキルN+(R10)3であり、但しこの場合のR10 はC1-6アルキルである。いくつかの他のこのような実施態様では、R7はヘテロシクリルM-であり、但しこの場合のヘテロシクリルはモルホリノ、ピペリジノ、ピペラジノ、及び ピロリジノから選択される。
【0102】
いくつかの実施態様では、L はC=Oであり、R6 はC1-6アルキルであり、QはO及び NHから選択され、そしてR7 はC1-6アルキル、シクロアルキル-M、C1-6araアルキル(原語:C1-6araalkyl)、及び C1-6ヘテロaraアルキル(原語:C1-6heteroaraalkyl)から選択される。他の実施態様では、LはC=Oであり、R6 はC1-6アルキルであり、Q はO 及び NHから選択され、そしてR7 はC1-6アルキルであり、但しこの場合のC1-6アルキルはメチル、エチル、及び イソプロピルから選択される。更なる実施態様では、L はC=Oであり、R6 はC1-6アルキルであり、Q はO 及び NHから選択され、そしてR7 はC1-6アラルキルであり、但しこの場合のアラルキルはフェニルメチルである。他の実施態様では、L はC=Oであり、R6 はC1-6アルキルであり、QはO 及び NHから選択され、そしてR7 はC1-6ヘテロアラルキルであり、但しこの場合のヘテロアラルキルは(4-ピリジル)メチルである。
【0103】
いくつかの実施態様では、Lは存在しないか、又はC=Oであり、そしてR6及びR7 は共にC1-6アルキル-Y-C1-6アルキル、C1-6アルキル-ZA-C1-6アルキル、又はC1-6アルキル-Aであることで一個の環を形成する。いくつかの好適な実施態様では、L はC=Oであり、Q及びYは存在せず、そしてR6 及び R7 は共にC1-3アルキル-Y-C1-3アルキルである。別の好適な実施態様では、L及びQ は存在せず、そしてR6 及び R7
は共にC1-3アルキル-Y-C1-3アルキルである。別の好適な実施態様では、L はC=Oであり、Qは存在せず、YはNH及び N-C1-6アルキルから選択され、そしてR6 及び R7
は共にC1-3アルキル-Y-C1-3アルキルである。別の好適な実施態様では、LはC=Oであり、Yは存在せず、そしてR6 及び R7は共にC1-3アルキル-Y-C1-3アルキルである。別の好適な実施態様では、L及びAはC=Oであり、そしてR6
及び R7 は共にC1-2アルキル-ZA-C1-2アルキルである。別の好適な実施態様では、L及びA はC=O であり、そしてR6
及び R7は共にC2-3アルキル-Aである。
【0104】
いくつかの実施態様では、R14
は(R15O)(R16O)P(=O)W-である。いくつかのこのような実施態様では、D、V、K、及び W は存在しない。他のこのような実施態様では、V及び Kは存在せず、DはC1-8アルキルであり、そしてWはOである。更に他のこのような実施態様では、DはC1-8アルキルであり、K はC=Oであり、そしてV及びWはOである。
【0105】
いくつかの実施態様では、R14
はR15GB-である。好適な実施態様では、B はC=Oであり、G はOであり、DはC1-8アルキルであり、VはOであり、そしてKはC=Oである。
【0106】
いくつかの実施態様では、R14
はヘテロシクリル-である。好適なこのような実施態様では、D はC1-8アルキルである。いくつかのこのような実施態様では、VはOであり、K はC=Oであり、そしてヘテロシクリルはオキソジオキソレニルである。他のこのような実施態様では、Vは存在せず、Kは存在しないか、又はC=Oであり、そしてヘテロシクリルはN(R18)(R19)であり、但しこの場合のR18 及び R19
は共にJ-T-J、J-WB-J、又はB-J-T-Jであり、T は存在しないか、又はO、NR17、S、SO、SO2、CHOR17、CHCO2R15、C=O、CF2、及びCHFから選択され、そしてJは存在しないか、又はC1-3アルキルである。
【0107】
いくつかの実施態様では、R14
は(R17)2N-
又は(R17)3N+-であり、そして好ましくはV は存在しない。好適なこのような実施態様では、D はC1-8アルキルであり、そしてK は存在しないか、又は C=Oである。Vが存在せず、そしてR14が(R17)2N-であるいくつかの実施態様では、D は存在せず、K は存在しないか、又はC=Oであり、好ましくはK はC=Oである。
【0108】
いくつかの実施態様では、R14
はR17SO2GBG-である。好適なこのような実施態様では、B はC=Oであり、D、V、及びKは存在せず、そしてG はNH 又はNC1-6アルキルである。
【0109】
いくつかの実施態様では、R14
はR15GBC1-8アルキル-である。好適な実施態様では、B はC=Oであり、G はOであり、そして該C1-8アルキル部分は選択的にOH、C1-8アルキル (選択的にハロゲン、好ましくはフッ素で置換される)、C1-8アルキルW、アリール、ヘテロアリール、カルボシクリル、ヘテロシクリル、及び C1-6アラルキルで置換される。いくつかのこのような実施態様では、該C1-8アルキル部分は、非置換、一置換-、又は二置換-C1アルキルである。
【0110】
第5群
いくつかの実施態様では、本ペプチドエポキシケトンは式(10)又はその薬学的に許容可能な塩の構造を有し:
【0111】
【化13】

【0112】
但し式中、Lは存在しないか、又は-CO2 又は-C(=S)Oから選択され;
XはOであり;
Y はNH、N-アルキル、O、又はC(R9)2であり、好ましくはN-アルキル、O、又はC(R9)2であり;
Z はO 又はC(R9)2であり、好ましくはC(R9)2であり;
R1、R2、R3、及び R4
は、個別に、水素 及び式(11)の基から選択され、好ましくは、R1、R2、R3、及び R4 はすべて同じであり、より好ましくは R1、R2、R3、及び R4 はすべて水素であり;
【0113】
【化14】

【0114】
各R5、R6、R7、R8、及び R9は、個別に、水素並びに選択的に置換されたC1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6アルコキシアルキル、アリール、及びC1-6アラルキルから選択され、但しこの場合の置換基には、限定はしないが、アルキル、アミド、アミン、カルボン酸又はその薬学的に許容可能な塩、カルボキシルエステル、チオール、及び
チオエーテルが含まれてもよく、好ましくはR5、R6、R7、及びR8は、個別に、C1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及びC1-6アラルキルから選択され、そして各R9 は水素であり、より好ましくは、R6及びR8 は、個別に、C1-6アルキルであり、R5
及び R7 は、個別に、C1-6アラルキルであり、そして各R9はHであり;
R10 及び R11は、個別に、水素及びC1-6アルキルから選択され、あるいはR10及びR11 は共に3- 乃至6-員環の炭素環又は複素環の環を形成し;
R12及びR13 は、個別に、水素、金属陽イオン、C1-6アルキル、及びC1-6アラルキルから選択され、あるいはR12 及び R13 は共にC1-6アルキルを表すことで一個の環を形成し;
Mは0乃至2の整数であり;そして
n は0乃至2の整数であり、好ましくは0又は1である。
【0115】
いくつかの実施態様では、R1、R2、R3、及びR4はすべて同じであり、好ましくはR1、R2、R3、及び R4
はすべて水素である。いくつかのこのような実施態様では、R5、R6、R7、及び R8 は、個別に、C1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及び C1-6アラルキルから選択され、より好ましくは、R6 及び R8 は、個別に、C1-6アルキルであり、そしてR5 及び R7 は、個別に、C1-6アラルキルである。
【0116】
いくつかの好適な実施態様では、R1、R2、R3、及び R4
はすべて水素であり、R6及びR8 は両者ともイソブチルであり、R5 はフェニルエチルであり、そしてR7
はフェニルメチルである。
【0117】
いくつかの実施態様では、R5、R6、R7、及びR8
は、個別に、水素並びに選択的に置換されたC1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6アルコキシアルキル、アリール、及びC1-6アラルキルから選択され、但しこの場合の置換基には、限定はしないが、アルキル、アミド、アミン、カルボン酸 又はその薬学的に許容可能な塩、カルボキシルエステル、チオール、及びチオエーテルが含まれてもよい。いくつかの実施態様では、R5 及びR7 の少なくとも一方は、アルキルで置換された、より好ましくはペルハロアルキルで置換された、C1-6アラルキルである。いくつかのこのような実施態様では、R7はトリフルオロメチルで置換されたC1-6アラルキルである。
【0118】
いくつかの実施態様では、YはN-アルキル、O、及びCH2から選択される。いくつかのこのような実施態様では、ZはCH2であり、そしてm及びnは両者とも0である。いくいくつかの代替的なこのような実施態様では、ZはCH2であり、m は0であり、そしてn は2 又は3である。更に別の代替的なこのような実施態様では、Z
はOであり、m は1であり、そしてn は2である。
【0119】
第6群
いくつかの実施態様では、本ペプチドエポキシケトンは式(12)又はその薬学的に許容可能な塩の構造を有し:
【0120】
【化15】

【0121】
但し式中、X はOであり;
R1、R2、R3、及びR4 は、個別に、水素及び式(11)の基から選択され、好ましくは、R1、R2、R3、及びR4 はすべて同じであり、より好ましくは R1、R2、R3、及びR4 はすべて水素であり;そして
R5、R6、R7、及びR8 は、個別に、水素並びに選択的に置換されたC1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6アルコキシアルキル、アリール、及びC1-6アラルキルから選択され、但しこの場合の置換基には、限定はしないが、アミド、アミン、カルボン酸又はその薬学的に許容可能な塩、カルボキシルエステル、チオール、及びチオエーテルが含まれてもよく、好ましくは R5、R6、R7、及びR8 は、個別に、C1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及びC1-6アラルキルから選択され、より好ましくは、R6及びR8 は、個別に、C1-6アルキルであり、そしてR5
及びR7 は、個別に、C1-6アラルキルである。
【0122】
いくつかの実施態様では、R1、R2、R3、及びR4 はすべて同じであり、好ましくは
R1、R2、R3、及びR4 はすべて水素である。いくつかのこのような実施態様では、R5、R6、R7、及びR8 は、個別に、C1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及びC1-6アラルキルから選択され、より好ましくは、R6及びR8は、個別に、C1-6アルキルであり、そしてR5及び R7 は、個別に、C1-6アラルキルである。
【0123】
いくつかの好適な実施態様では、R1、R2、R3、及びR4 はすべて水素であり、R6及びR8 は両者ともイソブチルであり、R5 はフェニルエチルであり、そしてR7はフェニルメチルである。
【0124】
いくつかの実施態様では、式(12)の化合物は以下の立体化学を有し:
【0125】
【化16】

【0126】
いくつかの好適な実施態様では、本ペプチドエポキシケトンは式(13)又は又はその薬学的に許容可能な塩の構造を有し、
【0127】
【化17】

【0128】
但し式中、XはOであり;
R1、R2、R3、及び R4
は、個別に、水素及び式(11)の基から選択され、好ましくは、R1、R2、R3、及び R4 はすべて同じであり、より好ましくは R1、R2、R3、及び R4 はすべて水素であり;そして
R6及びR8は、個別に、水素並びに選択的に置換されたC1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6アルコキシアルキル、アリール、及びC1-6アラルキルから選択され、但しこの場合の置換基には、限定はしないが、アミド、アミン、カルボン酸 又はその薬学的に許容可能な塩、カルボキシルエステル、チオール、及びチオエーテルが含まれてもよく、好ましくはR6及びR8 は、個別に、C1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及び C1-6アラルキルから選択され、より好ましくは、R6及びR8は、個別に、C1-6アルキルである。
【0129】
いくつかの実施態様では、R1、R2、R3、及び R4
はすべて同じであり、好ましくは R1、R2、R3、及び R4
はすべて水素である。いくつかのこのような実施態様では、R6及びR8 は、個別に、C1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及び C1-6アラルキルから選択され、より好ましくは、R6及びR8 は、個別に、C1-6アルキルである。
【0130】
いくつかの好適な実施態様では、R1、R2、R3、及び R4
はすべて水素であり、そしてR6
及び R8 は両者ともイソブチルである。
【0131】
いくつかの実施態様では、式(13)の化合物は以下の構造を有し;
【0132】
【化18】

【0133】
第7群
いくつかの実施態様では、本ペプチドエポキシケトンは式(14)又はその薬学的に許容可能な塩の構造を有し、
【0134】
【化19】

【0135】
但し式中、X はOであり;
R1、R2、R3、及び R4
は、個別に、水素及び式IIの基から選択され、好ましくは、R1、R2、R3、及び R4 はすべて同じであり、より好ましくは R1、R2、R3、及び R4 はすべて水素であり;
R5、R6、R7、及びR8は、個別に、水素並びに選択的に置換されたC1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6アルコキシアルキル、アリール、及びC1-6アラルキルから選択され、但しこの場合の置換基には、限定はしないが、アミド、アミン、カルボン酸 又はその薬学的に許容可能な塩、カルボキシルエステル、チオール、及びチオエーテルが含まれてもよく、好ましくは R5、R6、R7、及びR8 は、個別に、C1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及びC1-6アラルキルから選択され、より好ましくは、R6及びR8は、個別に、C1-6アルキルであり、そしてR5
及び R7 は、個別に、C1-6アラルキルであり;そして
q は0乃至3の整数である。
【0136】
いくつかの好適な実施態様では、本ペプチドエポキシケトンは式(15)又はその薬学的に許容可能な塩の構造を有し、
【0137】
【化20】

【0138】
但し式中、XはOであり;
R1、R2、R3、及びR4
は、個別に、水素及び式(15)の基から選択され、好ましくは、R1、R2、R3、及び R4 はすべて同じであり、より好ましくは R1、R2、R3、及び R4 はすべて水素であり;
R6 及び R8 は、個別に、水素並びに選択的に置換されたC1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6アルコキシアルキル、アリール、及び C1-6アラルキルから選択され、但しこの場合の置換基には、限定はしないが、アミド、アミン、カルボン酸又はその薬学的に許容可能な塩、カルボキシルエステル、チオール、及び
チオエーテルが含まれてもよく、好ましくは R6 及び R8 は、個別に、C1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及び C1-6アラルキルから選択され、より好ましくは、R6 及び R8 は、個別に、C1-6アルキルであり;そして
q は0乃至3の整数である。
【0139】
いくつかの実施態様では、R1、R2、R3、及び R4
はすべて同じであり、好ましくは R1、R2、R3、及び R4
はすべて水素である。いくつかのこのような実施態様では、R6及びR8 は、個別に、C1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、及び C1-6アラルキルから選択され、より好ましくは、R6 及び R8 は、個別にC1-6アルキルである。
【0140】
いくつかの好適な実施態様では、R1、R2、R3、及び R4
はすべて水素であり、そしてR6
及び R8 は両者ともイソブチルである。
【0141】
用語「Cx-yアルキル」とは、トリフルオロメチル及び2,2,2-トリフルオロエチルなどのハロアルキル基を含め、x個乃至y個の炭素を鎖中に含有する直鎖アルキル及び分枝鎖アルキル基を含む、置換もしくは非置換飽和炭化水素基を言う。C0アルキルは、この基が末端位置にある場合には水素を指し、内側にある場合には結合を指す。用語「C2-yアルケニル」及び「C2-yアルキニル」とは、上述のアルキルに長さが類似で置換が可能であるが、それぞれ少なくとも一個の二重又は三重結合を含有する置換もしくは非置換不飽和脂肪族の基を言う。
【0142】
用語「アルコキシ」とは、酸素を付着させて有するアルキル基を言う。代表的なアルコキシ基には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、tert-ブトキシ等がある。「エーテル」とは、酸素によって共有結合により連結された二つの炭化水素である。従って、アルキルをエーテルにするアルキルの置換基はアルコキシであるか、又はアルコキシに似ている。
【0143】
用語「C1-6アルコキシアルキル」とは、アルコキシ基で置換されることでエーテルを形成しているC1-6アルキル基を言う。
【0144】
用語「C1-6アラルキル」とは、ここで用いられる場合、アリール基で置換されたC1-6アルキル基を言う。
【0145】
用語「アミン」及び「アミノ」は当業で公知であり、置換されていない及び置換されたアミン並びにそれらの塩の両方を言い、例えば、一般式:
【0146】
【化21】

【0147】
(但し式中、R9、R10
及びR10’はそれぞれ個別に一個の水素、一個のアルキル、一個のアルケニル、-(CH2)m-R8、を表すか、あるいはR9 及び R10は、これらが結合したN原子と一緒になって、環構造内に4個から8個の原子を有する複素環を完成するものであり;R8は一個のアリール、一個のシクロアルキル、一個のシクロアルケニル、一個のヘテロシクリル、又は一個の多環を表し;そしてmはゼロか、又は1から8までの間の一整数である)で表すことができる部分などを言う。好適な実施態様では、R9 又は R10の一方のみが、一個のカルボニルであってもよく、例えばR9、R10、及びこの窒素が一緒になって一個のイミドを形成していないなどである。更により好適な実施態様では、R9 及び R10 (及び選択的にR10’)はそれぞれ個別に一個の水素、一個のアルキル、一個のアルケニル、又は-(CH2)m-R8を表す。いくつかの実施態様では、アミノ基は塩基性であり、つまりそのプロトン化した形は7.00以上のpKa
を有する。
【0148】
「アミド(原語:amide)」及び「アミド(原語:amido)」という用語はアミノ置換カルボニルとして当業で公知であり、一般式:
【0149】
【化22】

【0150】
(但し式中、R9、R10は上に定義した通りである)によって表すことのできる部分を含む。アミドの好適な実施態様には不安定な可能性のあるイミドは含まれないであろう。
【0151】
ここで用いられる場合の用語「アリール」には、5−、6−及び7−員環の置換もしくは非置換の単一環芳香族の基が含まれるが、この環の各原子は炭素である。「アリール」という用語には、さらに、二つ又はそれ以上の炭素が二つの隣り合った環に共通である二つ又はそれ以上の環を有すると共に、環のうちの少なくとも一つが芳香族であり、例えばその他の環がシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、及び/又はヘテロシクリルであってもよい、多環式の系が含まれる。アリール基にはベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、フェノール、アニリン等が含まれる。
【0152】
用語「炭素環」及び「カルボシクリル」は、ここで用いられる場合、環の中の各原子が炭素であるような非芳香族の置換もしくは非置換の環を言う。用語「炭素環」及び「カルボシクリル」には更に、二つ又はそれ以上の炭素が二つの隣り合った環に共通である二つ又はそれ以上の環を有すると共に、環のうちの少なくとも一つが炭素環であり、例えばその他の環がシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、及び/又はヘテロシクリルであってもよい、多環式の系が含まれる。
【0153】
「カルボニル」という用語は当業で公知であり、一般式:
【0154】
【化23】

【0155】
(但し式中、Xは一個の結合であるか、又は一個の酸素もしくは一個の硫黄を表し、そしてR11 は一個の水素、一個のアルキル、一個のアルケニル、-(CH2)m-R8、又は薬学的に許容可能な塩を表し、R11’は一個の水素、一個のアルキル、一個のアルケニル又は-(CH2)m-R8(但しこの式中、m及びR8は上に定義した通りである)を表す)で表すことのできるような部分を含む。Xが一個の酸素であり、そしてR11 又はR11’が水素でない場合、この式は一個の「エステル」を表すことになる。Xが一個の酸素であり、R11が一個の酸素である場合、この式は「カルボン酸」を表すものである。
【0156】
ここで用いられる場合の「酵素」は部分的又は全体的に、触媒的な態様で化学反応を起こすことのできるタンパク質性の分子である。このような酵素は天然酵素、融合酵素、プロ酵素、アポ酵素、変性した酵素、ファルネシル化酵素、ユビキチン化酵素、脂肪酸アシル化酵素、ゲラニルゲラニル化酵素、GPI-連結酵素、脂質連結酵素、プレニル化酵素、天然発生型又は人工生成型変異酵素、側鎖又は骨格に改変のある酵素、リーダー配列を有する酵素、及び、プロテオグリカン、プロテオリポソームなどの非タンパク質性物質と複合体形成した酵素であってよい。酵素は、天然の発現、促進された発現、クローニング、多様な液体ベース又は固体ベースのペプチド合成法、及び当業者に公知の同様な方法を含め、いずれの手段によっても作製することができる。
【0157】
用語「C1-6ヘテロアラルキル」は、ここで用いられる場合、ヘテロアリール基で置換されたC1-6アルキル基を言う。
【0158】
用語「ヘテロアリール」には、環構造に1乃至4個のヘテロ原子が含まれるような、置換もしくは非置換の芳香族の5-乃至7-員環の環構造、より好ましくは5-乃至6-員環の環が含まれる。また用語「ヘテロアリール」には、二つ又はそれ以上の炭素が二つの隣り合った環に共通である二つ又はそれ以上の環を有すると共に、環のうちの少なくとも一つがヘテロ芳香族であり、例えばその他の環がシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、及び/又はヘテロシクリルであってもよい、多環式の系が含まれる。ヘテロアリール基には、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、イソキサゾール、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン及びピリミジン等が含まれる。
【0159】
用語「ヘテロ原子」は、ここで用いられる場合、炭素又は水素以外のあらゆる元素の原子を意味する。好適なヘテロ原子は窒素、酸素、リン、及び硫黄である。
【0160】
用語「ヘテロシクリル」又は「複素環基」とは、環構造が1個ないし4個のヘテロ原子を含むような、非芳香族の置換もしくは非置換3員環-乃至10員環の環構造、より好ましくは3員環乃至7員環を言う。用語「ヘテロシクリル」又は「複素環基」には、更に、二つ又はそれ以上の炭素が二つの隣り合った環に共通である二つ又はそれ以上の環を有すると共に、環のうちの少なくとも一つが複素環であり、例えばその他の環がシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、及び/又はヘテロシクリルであってもよい、多環式の系が含まれる。ヘテロシクリル基には、例えば、テトラヒドロフラン、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、モルホリン、ラクトン、ラクタム等がある。
【0161】
用語「C1-6ヘテロシクロアルキル」は、ここで用いられる場合、ヘテロシクリル基で置換されたC1-6アルキル基を言う。
【0162】
用語「C1-6ヒドロキシアルキル」とは、ヒドロキシ基で置換されたC1-6アルキル基を言う。
【0163】
ここで用いられる場合の用語「阻害剤」は、酵素の活性を遮断する又は低下させる化合物を言うことが意図されている(例えば標準的な蛍光生成性ペプチド基質のタンパク質分解による切断の阻害など)。阻害剤は、競合的、不競合的、又は非競合的阻害で作用し得る。阻害剤は可逆的又は非可逆的に結合することができ、従って、この用語には酵素の自殺基質である化合物も含まれる。阻害剤は酵素の活性部位上又は活性部位近傍の一つ以上の部位を修飾することができるか、あるいはそれは他所で酵素のコンホメーション変化を起こすことができる。
【0164】
ここで用いられる場合の用語「ペプチド」には、標準的なα-置換基を持つ標準的なアミド結合だけでなく、以下に詳述するように、通常用いられるペプチド・ミメティック、他の修飾された結合、非天然の側鎖、及び側鎖修飾が含まれる。
【0165】
「ポリシクリル」又は「多環式」という用語は、複数の環が「縮合環である」など、二つ又はそれ以上の炭素が二つの隣り合った環に共通であるような二つ又はそれ以上の環(例えばシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、及び/又はヘテロシクリル、など)を言う。多環の環のそれぞれは置換されていても、又は非置換であってもよい。
【0166】
用語「防止する」は当業で公知であり、例えば局所的な再発(例えば疼痛)、癌などの疾患、心不全又などの複合症候群、あるいはいずれかの他の医学的状態などの状態に関して用いられる場合、当業で理解がよく理解されており、その中には、当該組成物を投与されていない対象に比較して、対象における医学的状態の症状の頻度を減少させる、又はその発症を遅らせる組成物の投与が含まれる。このように、癌の防止には、例えば統計的及び/又は臨床的に有意な量により、例えば未処置のコントロール集団に比較して予防処置を受けた患者の集団において検出可能な癌の成長の数が減少すること、及び/又は、未処置のコントロール集団に比較して処置集団において検出可能な癌の成長の出現が遅れること、が含まれる。感染の防止には、例えば未処置のコントロール集団に比較して処置集団において感染の診断数が減少すること、及び/又は、未処置のコントロール集団に比較して処置集団において感染の症状発症が遅れること、が含まれる。疼痛の防止には、例えば、未処置のコントロール集団に比較して、処置集団において対象が経験する疼痛感覚の大きさを減少させる、又は代替的には遅らせる、ことが含まれる。
【0167】
用語「プロドラッグ」は、生理条件下で治療上有効な物質に転化する化合物を包含する。プロドラッグを作製する通常の方法は、生理条件下で加水分解して所望の分子を露出させる選択された部分を含める方法である。他の実施態様では、当該のプロドラッグはホスト動物の酵素活性により転化する。
【0168】
用語「予防的又は治療的」処置は当業で公知であり、その中には、ホストへの一つ以上の当該組成物の投与が含まれる。望ましくない状態(例えばホスト動物の疾患又は他の望ましくない状態)の臨床上の発現前にそれが投与されるのであれば、その処置は予防的であり、(即ち、それは、望ましくない状態の出現からホスト動物を防御するものである)、他方、望ましくない状態の発現後にそれが投与されるのであれば、その処置は治療的である(即ち、現存する望ましくない状態又はその副作用を減じる、緩和する、又は安定にすることが意図されている)。
【0169】
用語「プロテアソーム」は、ここで用いられる場合、免疫的-及び構成的プロテアソームを含むものと、意図されている。
【0170】
用語「置換された」とは、骨格の一つ以上の炭素に付いた水素を置換している置換基を有する部分を言う。「置換」又は「で置換された」には、このような置換が、置換される原子及び置換基にとって可能な原子価に従ったものであり、その置換の結果、例えば、転位、環化、除去等の変換を自発的には行わないなど、安定した化合物ができるという、暗黙の前提が含まれるものと理解されよう。ここで用いられる場合、「置換された」という用語は、有機化合物のあらゆる許容できる置換基を含むものとして考察されている。広い意味では、この許容可能な置換基には、有機化合物の非環式及び環式、分枝状及び非分枝状、炭素環式及び複素環式、芳香族及び非芳香族の置換基が含まれる。許容可能な置換基は、適した有機化合物にとっては、一つ又はそれ以上であってもよく、同じ又は異なるものであってもよい。本発明の目的のためには、窒素などのヘテロ原子は水素置換基、及び/又は、そのヘテロ原子の原子価を満たす、ここに説明した有機化合物のいずれかの許容可能な置換基を有していてもよい。置換基には、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル(例えばカルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミル、又はアシル)、チオカルボニル(例えばチオエステル、チオアセテート、又はチオホルメート)、アルコキシル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アラルキル、又は芳香族もしくはヘテロ芳香族の部分を含めることができる。当業者であれば、炭化水素の鎖上で置換される部分は、適当な場合には、それら自体も置換され得ることは理解されよう。
【0171】
当該の処置方法について、ある化合物の「治療上有効量」とは、製剤中である化合物の量であって、(哺乳動物、好ましくはヒト、に)所望の投薬計画の部分として投与された場合に、いずれかの医学的処置に適用できる妥当な利益/リスク比で、処置しようとする障害又は状態に向けて、又は、美容上の目的のために、臨床上許容可能な標準に従って疾患状態の症状を軽減する、状態を改善する、又はその発症を遅らせる量を言う。
【0172】
用語「チオエーテル」とは、硫黄部分をそれに付着させて有する、上に定義する通りのアルキル基を言う。好適な実施態様では、「チオエーテル」は-S-アルキルで表される。代表的なチオエーテル基にはメチルチオ、エチルチオ等がある。
【0173】
ここで用いられる場合、用語「処置する」又は「処置」には、ある状態の症状、臨床上の兆候、及び基礎にある病理を、対象の状態を向上させる又は安定にする態様で逆行させる、減らす、又は停止させることが含まれる。
【0174】
併用療法
いくつかの実施態様では、前記他の治療薬はHDAC 阻害剤(例えばトリコスタチンA、デプシペプチド、アピシジン、A-161906、スクリプタイド、PXD-101、CHAP、酪酸、デプデシン、オキサムフラチン、フェニルブチレート、バルプロ酸、SAHA (ボリノスタット)、MS275 (N-(2-アミノフェニル)-4-[N-(ピリジン-3-イルメトキシ-カルボニル)アミノメチル]ベンズアミド)、LAQ824/LBH589、CI994、及びMGCD0103)である。 いくつかのこのような実施態様では、前記他の薬剤はSAHA(スベロイルアニリドヒドロキサム酸)である。
【0175】
いくつかの実施態様では、前記他の治療薬は抗生物質(例えばダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、ダウノルビシン、ドキソルビシン及びイダルビシン)である。いくつかのこのような実施態様では、前記他の治療薬はドキソルビシンを含む。いくつかのこのような実施態様では、前記他の治療薬はドキシルである。
【0176】
いくつかの実施態様では、前記他の治療薬はタキサン(例えばパクリタキセル及びドセタキセル)である。
【0177】
いくつかの実施態様では, 前記他の治療薬は、ナイトロジェン・マスタードなどの抗増殖性/抗有糸分裂性アルキル化剤(例えばメクロレタミン、イフォスファミド、シクロホスファミド及び類似体、メルファラン、並びにクロラムブシル)である。いくつかのこのような実施態様では、前記他の治療薬はシクロホスファミド又はメルファランである。
【0178】
いくつかの実施態様では、前記他の治療薬はプラチナ配位錯体(例えばシスプラチン及びカルボプラチン)である。いくつかのこのような実施態様では、前記他の治療薬はカルボプラチンである。
【0179】
いくつかの実施態様では、前記他の治療薬はステロイド(例えばヒドロコルチゾン、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン及びプレドニゾロン)である。いくつかのこのような実施態様では、前記他の治療薬はデキサメタゾンである。
【0180】
いくつかの実施態様では、前記他の治療薬は免疫調節剤(例えばサリドマイド、CC-4047(アクチミド)、及びレナリドミド(レブリミド)である。いくつかのこのような実施態様では、前記他の治療薬はレナリドミドである。
【0181】
いくつかの実施態様では、前記他の治療薬はトポイソメラーゼ 阻害剤(例えばイリノテカン、トポテカン、カンプトテシン、ラメラリンD、及びエトポシド)である。
【0182】
いくつかの実施態様では、前記他の治療薬はm-TOR 阻害剤(例えばCCI-779、AP23573 及び RAD-001)である。
【0183】
いくつかの実施態様では、前記他の治療薬はタンパク質キナーゼ 阻害剤(例えばソラフェニブ、イマチニブ、ダサチニブ、スニチニブ、パゾパニブ、及びニロチニブ)である。いくつかのこのような実施態様では、前記タンパク質キナーゼ
阻害剤はソラフェニブである。
【0184】
本ペプチドエポキシケトンの投与は、数分から数日の間隔を置いて前記他の治療薬の前でも後でもよい。いくつかのこのような実施態様では、本ペプチドエポキシケトン及び前記他の治療薬は、互いから約1分以内、約5分以内、約10分以内、約30分以内、約60分以内、約2 時間以内、約4時間以内、約6時間以内、8時間以内、約10時間以内、約12時間以内、約18時間以内、約24時間以内、約36時間以内、又は更には約 48 時間以内又はそれ以上のうちに投与されてよい。好ましくは、本ペプチドエポキシケトン及び前記他の治療薬の投与は、互いから約1分以内、約5分以内、約30分以内、又は更には約60分以内であろう。
【0185】
いくつかの実施態様では、本ペプチドエポキシケトン及び前記他の治療薬を、異なる投薬計画に従って投与してもよく(例えば本ペプチドエポキシケトンなどを一日に一回、投与し、他方、前記他の治療薬を3日毎に1回のみ、投与してもよい)、その結果、場合によっては、本ペプチドエポキシケトン及び前記他の治療薬の投与は、互いから約60分以内となることもあり、また他の場合では、本ペプチドエポキシケトン及び前記他の治療薬の投与は、互いから数日以内又は更には数週以内となることもあるであろう。
【0186】
ここで用いられる場合の用語「養生法」は、癌の処置用の一種以上の治療薬の所定の計画である。従って、ある治療薬を「単独で」投与する場合、当該の養生法には、癌の処置用の別の治療薬の使用は含まれない。
【0187】
いくつかの実施態様では、ここに記載される併用とは、性質上相乗的なものであってもよく、つまり、本ペプチドエポキシケトン及び前記他の治療薬を併用したときの治療上の効果が、個々の効果の合計よりも大きいことを意味する。
【0188】
いくつかの実施態様では、ここで記載される併用とは、性質上相加的なものであってよく、つまり、本ペプチドエポキシケトン及び前記他の治療薬を併用したときの治療上の効果が、各薬剤の個々の効果よりも大きいことを意味する(即ち、治療上の効果が個々の効果の合計である)。
【0189】
ここで記載される化合物は、当業で公知の通り、処置しようとする障害、並びに患者の年齢、状態及び体重に応じて様々な形で投与することができる。例えば、当該化合物を経口投与すべき合、これらを錠剤、カプセル、顆粒、粉末、又はシロップに調合してもよく、あるいは非経口投与に向けては、これらを注射液(静脈内、筋肉内、又は皮下)、あるいは点滴製剤として調合してもよい。これらの調合物は従来の手段によって調製でき、また必要であれば、当該活性成分を、例えば結合剤、崩壊剤、潤滑剤、矯正薬、可溶化剤、懸濁剤、乳化剤、被覆剤、シクロデキストリン、及び/又は緩衝剤など、いずれの従来の添加剤又は医薬品添加物と一緒に混合してもよい。投薬量は症状、患者の年齢及び体重、処置又は防止しようとする障害の性質及び重篤度、投与経路並びに剤形によって様々であろう。一回分の投薬量を作製するために担体材料と配合することのできる活性成分量は、一般的には、治療効果を生じる化合物量となるであろう。
【0190】
ある実施態様では、本発明は、実際には不溶性のプロテアソーム阻害剤、シクロデキストリン及び選択的に緩衝剤を含む医薬組成物である。このような医薬組成物には、典型的には、例えば患者に投与されたときに癌の作用を緩和するなど、薬学的に有効量のプロテアソーム阻害剤が含まれるであろう。
【0191】
いくつかの実施態様では、本ペプチドエポキシケトン及び前記他の治療薬を同じ形にしてもよく(例えば両者は錠剤として投与されてもよく、あるいは両者を静脈内投与してもよい)、他方、いくつかの代替的な実施態様では、本ペプチドエポキシケトン及び前記他の治療薬を異なる形にしてもよい(例えば一方を錠剤として投与し、他方を静脈内投与するなど)。
【0192】
ある患者において処置の効験という点で最も有効な結果を生じるであろう、当該組成物の精確な投与時間及び/又は量は、特定の化合物の活性、薬物動態、及び生物学的利用能や、患者の全身の生理状態(年齢、性別、疾患の種類及び段階、全身の肉体条件、投薬量への応答性、並びに医薬の種類を含む)、投与経路等に依るであろう。しかしながら、上記の指針は、例えば最適な時間及び/又は投与量の決定など、処置の微調整のための基盤として用いることができ、それには対象の観察と投薬量及び/又は時間の調節から成るごく慣例的な実験しか、要さないであろう。
【0193】
文言「薬学的に許容可能な」は、ここでは、健全な医学的判断の範囲内にあり、過剰な毒性、刺激、アレルギー性応答、又は他の問題もしくは合併症を起こすことなくヒト及び動物の組織に接触させて用いるのに適し、妥当な利益/リスク比に見合うリガンド、材料、組成物、及び/又は、剤形を言うために用いられる。
【0194】
文言「薬学的に許容可能な担体」は、例えば液体又は固体の充填剤、希釈剤、医薬品添加物、溶媒又は封入剤など、薬学的に許容可能な材料、組成物又は賦形剤を意味する。各担体は、当該の調合物の他の成分に対して適合性があり、かつ、患者にとって有害でないという意味において「許容可能」でなくてはならない。薬学的に許容可能な担体として役立つであろう材料のいくつかの例には:(1)乳糖、ブドウ糖及びショ糖などの糖類;(2)コーンスターチ、いもでんぷん、及び置換もしくは非置換β-シクロデキストリンなどのでんぷん;(3)カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及びセルロースアセテートなどのセルロース及びその誘導体;(4)粉末トラガカント;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)ココアバター及び座薬用ろうなどの医薬品添加物;(9)ピーナッツ油、綿実油、紅花油、ごま油、オリーブ油、コーン油及び大豆油などの油類;(10)プロピレングリコールなどのグリコール;(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコールなどのポリオール;(12)オレイン酸エチル及びラウリン酸エチルなどのエステル;(13)寒天;(14)水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;(15)アルギン酸;(16)無発熱原水;(17)等張の生理食塩水;(18)リンガー液;(19)エチルアルコール;(20)リン酸緩衝溶液;及び(21)薬剤調合に用いられる他の非毒性適合性物質、がある。いくつかの実施態様では、本発明の医薬組成物は無発熱源性であり、即ち、患者に投与されたときに有意な温度上昇を誘導しない。
【0195】
用語「薬学的に許容可能な塩」とは、当該の阻害剤の比較的に非毒性の無機酸及び有機酸添加塩を言う。これらの塩は、当該の阻害剤の最終的な単離及び精製中にin situインシツーで調製することも、あるいは、精製済み阻害剤をその遊離塩基型で適した有機又は無機酸に別々に反応させ、こうして形成された塩を単離することによっても、調製することができる。代表的な塩には、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチル酸塩、メシル酸塩、グルコヘプトン酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリル硫酸塩、及びアミノ酸塩等がある。(例えばBerge et al. (1977) “Pharmaceutical Salts”, J. Pharm. Sci. 66: 1-19を参照されたい)。
【0196】
他の場合では、本発明の方法で有用な阻害剤は、一種以上の酸性の官能基を含むことで、薬学的に許容可能な塩基と共に薬学的に許容可能な塩を形成することができるであろう。用語「薬学的に許容可能な塩」とは、これらの場合、当該の阻害剤の比較的に非毒性の無機塩基及び有機塩基添加塩を言う。これらの塩は同様に、当該の阻害剤の最終的な単離及び精製中にin situインシツーで調製することも、あるいは、精製済み阻害剤をその遊離酸型で適した有機又は無機塩基、例えば薬学的に許容可能な金属陽イオンの水酸化物、炭酸化物、又は重炭酸化物に、アンモニアに、又は薬学的に許容可能な有機第1級、第2級、又は第3級アミンに、別々に反応させることによっても、調製することができる。
【0197】
代表的なアルカリ又はアルカリ土類塩には、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、及びアルミニウム塩等がある。塩基添加塩の形成に有用な代表的な有機アミンには、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン等がある(例えば上述のBerge et al.の文献を参照されたい)。
【0198】
湿潤剤、乳化剤、及び潤滑剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムなど、や、着色剤、剥離剤、被覆剤、甘味料、着香料及び芳香剤、保存剤、及び抗酸化剤も組成物中にあってよい。
【0199】
薬学的に許容可能な抗酸化剤の例には:(1)水溶性の抗酸化剤、例えばアスコルビン酸、塩酸システイン、重硫酸ナトリウム、異性重硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等;(2)油溶性の抗酸化剤、例えばアスコルビン酸パルミテート、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、アルファ-トコフェロール等々;及び(3)金属キレート剤、例えばクエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸等がある。
【0200】
経口投与に適した調合物は、それぞれが所定量の阻害剤を活性成分として含有するカプセル、カシェ剤、丸剤、錠剤、ロゼンジ(通常はショ糖及びアカシアゴム又はトラガカントである着香した基剤を用いて)、粉末、顆粒、又は水性もしくは非水性の液体に入れた溶液もしくは懸濁液として、あるいは水中油又は油中水乳濁液として、あるいはエリキシル又はシロップ、あるいは香錠(ゼラチン及びグリセリンなどの不活性のマトリックス、又はショ糖及びアカシアゴムを用いて)そして、及び/又は、口内洗浄剤等の形であってよい。更に組成物を塊状、舐剤、又は泥膏として投与してもよい。
【0201】
経口投与用の固体剤形(例えばカプセル、錠剤、丸剤、糖衣錠、粉末、顆粒等)の場合、有効成分を、クエン酸ナトリウム又はリン酸二カルシウムなどの一種以上の薬学的に許容可能な担体、及び/又は、以下:(1)でんぷん、シクロデキストリン、乳糖、ショ糖、ブドウ糖、マンニトール、及び/又は珪酸などの充填剤又は増量剤;(2)カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖、及び/又はアカシアゴムなどの結合剤;(3)グリセロールなどの湿潤剤;(4)寒天、炭酸カルシウム、いも又はタピオカでんぷん、アルギン酸、いくつかの珪酸塩、及び炭酸ナトリウムなどの崩壊剤;(5)パラフィンなどの溶解遅延剤;(6)第四級アンモニア化合物などの吸収加速剤;(7)アセチルアルコール及びモノステアリン酸グリセロールなどの湿潤剤;(8)カオリン及びベントナイトクレイなどの吸収剤;(9)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、及びこれらの混合物などの潤滑剤;並びに(10)着色剤のうちのいずれかと混合する。カプセル、錠剤、及び丸剤の場合、本医薬組成物は更に緩衝剤を含んでもよい。同様な種類の固形組成物も、軟質及び硬質の充填ゼラチン・カプセルの充填剤として、ラクトース即ち乳糖や高分子量ポリエチレングリコールなどの医薬品添加物を用いて利用してもよい。
【0202】
錠剤は、圧縮又は成型により、選択に応じて一種以上の付属成分と一緒に作製できよう。圧縮錠剤は結合剤(例えばゼラチン又はヒドロキシプロピルメチルセルロース)、潤滑剤、不活性の希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えばグリコール酸でんぷんナトリウム又は架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、界面活性剤又は分散剤を用いて調製できよう。成型錠剤は、不活性の液体希釈剤で湿らせた粉末状の当該阻害剤の混合物を適した機械で成型することにより、作製できよう。
【0203】
錠剤、及び他の固体剤形、例えば糖衣錠、カプセル、丸剤及び顆粒など、には、選択に応じて切れ込みを付けてもよく、あるいは、腸溶コーティング及び医薬調合業で公知の他のコーティングなど、コーティング及びシェルと一緒に調製してもよい。所望の放出曲線、他のポリママトリックス、リポソーム、及び/又は、マイクロスフィアを提供するためにヒドロキシプロピルメチルセルロースを様々な比率にして用いて、中の有効成分の遅い又は制御された放出を提供できるよう、これらを調合してもよい。これらは、例えば細菌保持フィルタなどを通すろ過を行なったり、あるいは、無菌水又は何らかの他の無菌の注射可能な媒質に使用直前に溶解させることのできる無菌の固体組成物の形の殺菌剤を導入したりするなどにより、滅菌できよう。これらの組成物には、更に選択に応じて乳白剤を含めてもよく、そして有効成分のみ、あるいは好ましくは、選択的には遅延した態様で、胃腸管の特定の部分でのみ、又は胃腸管の特定の部分で優先的に、放出するような組成物であってもよい。使用の可能な封埋組成物の例には、ポリマ物質及びろうがある。更に有効成分は、適宜、上記の医薬品添加物のうちの一つ以上と一緒に、マイクロ被包型であってもよい。
【0204】
経口投与用の液体剤形には、薬学的に許容可能な乳濁液、マイクロ乳濁液、溶液、懸濁液、シロップ及びエリキシルがある。当該有効成分に加え、液体剤形には、水又は他の溶媒など、当業で通常用いられている不活性の希釈剤、可溶化剤及び乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油類(特に綿実油、落花生油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ひまし油及びごま油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール、及び、ソルビタンの脂肪酸エステル、並びにこれらの混合物など、を含めてもよい。
【0205】
経口用組成物には、不活性の希釈剤の他にも、湿潤剤、乳化剤及び懸濁剤などのアジュバント、甘味料、着香料、着色剤、芳香剤及び保存剤も含めることができる。
【0206】
懸濁液には、活性阻害剤に加え、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天及びトラガカント、並びにこれらの混合物などの懸濁剤を含めてもよい。
【0207】
非経口投与に適した本発明の医薬組成物は、一種以上の阻害剤を、一種以上の薬学的に許容可能な無菌の水性又は非水性溶液、分散液、懸濁液又は乳液、あるいは無菌粉末と組み合わせて含み、該粉末は、使用直前に無菌の注射用溶液又は分散液中に再構築でき、これらの注射用溶液又は分散液は、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、当該調合物を目的のレシピエントの血液と等張にする溶質、あるいは懸濁もしくは増粘剤を含んでいてもよい。
【0208】
本発明の医薬組成物に用いてもよい、適した水性及び非水性の担体の例には、水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)、及びこれらの適した混合物、オリーブ油などの植物油、並びにオレイン酸エチルなどの注射用有機エステル、がある。適正な流動性は、例えばレシチンなどのコーティング剤を用いたり、分散液の場合には必要な粒子サイズを維持したり、そして界面活性剤を用いるなどにより、維持できよう。
【0209】
これらの組成物は、保存剤、湿潤剤、乳化剤、及び分散剤などのアジュバントも更に含んでいてよい。微生物の活動の防止は、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸等の多様な抗菌剤及び抗カビ剤を含有させることにより、確実となるであろう。更に、糖類、塩化ナトリウムなどの張性調節剤を本組成物中に含めることも好ましいであろう。加えて、注射用医薬型の吸収を長引かせるには、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンなど、吸収を遅らせる作用物質を含有させることにより、可能であろう。
【0210】
場合によっては、薬物の効果を長引かせるために、皮下又は筋肉内注射からの薬物吸収を遅らせることが好ましい。例えば、非経口投与された薬物形の吸収遅延は薬物を油性賦形剤に溶解又は懸濁させることにより、達成される。
【0211】
注射用デポー型は、阻害剤のマイクロ封入マトリックスをポリラクチド-ポリグリコリドなどの生分解性ポリマ中に形成することにより、作製される。薬物対ポリマの比、そして用いる特定のポリマの性質に応じて、薬物放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマの例には、ポリ(オルトエステル)及びポリ(無水物)がある。デポー型注射用調合物はまた、身体組織との適合性あるリポソーム又はマイクロ乳濁液中に薬物を捕獲することによっても調製される。
【0212】
ここで用いられる場合の文言「非経口投与」及び「非経口投与する」は、通常は注射による、経腸及び局所投与以外の投与形態を意味し、その中には、限定はしないが、静脈内、筋肉内、動脈内、鞘内、嚢内、眼窩内、心内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、髄腔内、硬膜外及び胸骨内注射及び輸注がある。
【0213】
ここで用いられる場合の文言「全身投与」、「全身投与する」、「末梢投与」、及び「末梢投与する」は、皮下投与など、それが患者の全身に入り、代謝及び他の同様のプロセスに遭うような、中枢神経系に直接投与する以外のリガンド、薬物、又は他の物質の投与を意味する。
【0214】
患者に対する本発明の治療用組成物の投与は、毒性があればそれを考慮に容れた、化学療法薬の投与のための一般的プロトコルに従ったものになるであろう。処置サイクルは必要に応じて反復的になるだろうと予測される。また、多様な標準的治療法及び補助的癌治療法や、外科的介入術が、記述するヒ素剤と組み合わせて適用されるとも考えられる。
【0215】
選択された投与経路に関係なく、適した水和型で用いてもよい本阻害剤、及び/又は、本発明の医薬組成物は、当業者に公知の常法により、薬学的に許容可能な剤型に調合される。
【0216】
本発明の医薬組成物中の有効成分の実際の投薬量レベルを、患者に有害となることなく、特定の患者、組成物及び投与形態にとって所望の治療効果を達成するのに有効な有効成分量が得られるように、変更してもよい。
【0217】
以下の例を、本発明の好適な実施態様をより完全に描写するために提供する。決してこれらの例を、付属の請求項によって定義される、本発明の範囲を限定するものと捉えられるべきではない。
【0218】
化合物の使用
秩序あるタンパク質分解は、正常な細胞機能の維持にとって必須であり、プロテアソームはこのタンパク質分解プロセスと一体である。プロテアソームは、例えばサイクリン、カスパーゼ、BCL2及びnF-kB など、正常及び悪性の細胞における細胞周期の進行及びアポトーシスにとって重要なタンパク質レベルを制御する(Kumatori et al., Proc. Natl.
Acad. Sci. USA (1990) 87:7071-7075; Almond et al., Leukemia (2002) 16: 433-443)。このように、関与する細胞に依っては、プロテアソーム活性の阻害を悪性、非悪性及び自己免疫疾患などの多様な疾患状態を処置する治療法に変えることができることは驚くほどのことではない。
【0219】
化学療法薬は、例えば多発性硬化症及びリウマチ様関節炎などの自己免疫疾患や癌など、異常な細胞の致死が保証される疾患処置で用いられる薬物である。化学療法薬の各カテゴリーの機序は異なるかも知れないが、これらは概ね、細胞の増殖能を破壊することにより機能する。
【0220】
本発明では、一種以上の他の治療薬と組み合わされたペプチドエポキシケトン又はその薬学的に許容可能な塩を、幅広い癌及び自己免疫疾患の処置に用いることができる。
【0221】
ここで用いられる場合、用語「癌」には、限定はしないが、血液で生じる充実腫瘍が含まれる。癌とは、血液、骨、器官、皮膚組織及び血管系の疾患を言い、その中には、限定はしないが、膀胱、血液、骨、脳、乳房、頚部、胸部、結腸、子宮内膜、食道、眼、頭部、腎臓、肝臓、肺、リンパ節、口、頸、卵巣、すい臓、前立腺、腎臓、皮膚、胃、精巣、喉、及び子宮の癌がある。具体的な癌には、限定はしないが、白血病(急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病 (CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、ヘアリー細胞白血病)、成熟B細胞新生物(小リンパ球性白血病、B細胞前リンパ球性白血病、びまん性リンパ形質細胞性リンパ腫(例えばワルデンストローム大グロブリン血症)、脾臓周辺帯リンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、モノクローナル免疫グロブリン沈着疾患、重鎖疾患、結節外周辺帯B細胞リンパ腫(MALTリンパ腫)、結節性周辺帯B細胞リンパ腫(NMZL)、濾胞性リンパ腫、外套細胞リンパ腫、びまん性B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大B細胞リンパ腫、血管内大B細胞リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫及びバーキットリンパ腫/白血病)、成熟T細胞及びナチュラル・キラー(NK)細胞新生物(T細胞前リンパ球性白血病、T細胞大顆粒球性リンパ球性白血病、進行性NK細胞白血病、成人T細胞白血病/リンパ腫、結節外NK/T細胞リンパ腫、腸症型T細胞リンパ腫、肝脾臓T細胞リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫(セザリー症候群)、原発性皮膚退生大細胞リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽細胞性リンパ節症、不特定の末梢T細胞リンパ腫及び退生大細胞リンパ腫)、ホジキンリンパ腫(結節性硬化症、混合細胞充実性、リンパ球・リッチ、リンパ球枯渇又は非枯渇型、結節性リンパ球優勢型)、骨髄腫(多発性骨髄腫、無痛性骨髄腫、くすぶり型骨髄腫)、慢性骨髄増殖性疾患 (CMPD) (例えば慢性骨髄性白血病、慢性好中性白血病、慢性好酸球白血病、真正赤血球増加症、慢性特発性骨髄線維症、本態性血小板減少症及び分類不能の慢性骨髄増殖性疾患)、異形成脊髄/骨髄増殖性疾患(例えば慢性骨髄単球性白血病、非定型型慢性骨髄性白血病、若年性骨髄単球性白血病及び分類不能の異形成脊髄/骨髄増殖性疾患)、異形成脊髄症候群 (MDS)(例えば難治性貧血、輪状鉄赤芽球を伴う難治性貧血、多重系譜の異形成を伴う難治性血球減少症、過剰な芽球を伴う難治性貧血、分類不能の異形成脊髄症候群、及び、del(5q)染色体異常の分離に伴う異形成脊髄症候群)、免疫不全関連リンパ球増殖性障害、組織球性及び樹状細胞新生物、肥満細胞症(例えば皮膚肥満細胞症、無痛性全身性肥満細胞症 (ISM)、純系血液学的非肥満細胞系譜の疾患を伴う全身性肥満細胞症(SM-AHNMD)、進行性全身性肥満細胞症(ASM)、肥満細胞白血病(MCL)、肥満細胞肉腫(MCS) 及び皮膚外肥満細胞腫)、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、線維肉腫、悪性グリア細胞腫瘍、骨髄腫骨疾患、骨肉腫、乳癌(ホルモン依存型、ホルモン独立型)、婦人科系の癌(頚部、子宮内膜、卵管、妊娠性栄養膜疾患、卵巣、腹腔、子宮、膣及び外陰部)、基底細胞癌腫(BCC)、扁平細胞癌腫 (SCC)、悪性黒色腫、隆起性皮膚線維肉腫、メルケル細胞癌腫、カポジ肉腫、星状細胞腫、毛様細胞性星状細胞腫、胎生期奇形性神経表皮腫瘍、乏突起膠腫、上衣細胞腫、多形性グリア芽細胞腫、混合膠腫、乏星状細胞腫、髄芽腫、網膜芽細胞腫、神経芽細胞種、胚細胞腫、奇形腫、悪性中皮腫(腹腔内中皮腫、心臓周囲中皮腫、胸膜中皮腫)、胃−腸管−膵臓又は胃腸膵臓の神経内分泌腫瘍(GEP-NET)、カルチノイド、膵臓内分泌腺腫瘍 (PET)、結腸直腸腺癌、結腸直腸癌腫、進行性神経内分泌腺腫瘍、平滑筋肉腫膠様腺癌、印鑑細胞腺癌、肝細胞癌腫、胆管癌、肝芽細胞腫、血管腫、肝腺腫、局所結節性過形成(結節性再生性過形成、過誤腫)、非小細胞肺癌 (NSCLC)(扁平細胞肺癌、腺癌、大細胞肺癌)、小細胞肺癌腫、甲状腺癌、前立腺癌(ホルモン不応性、アンドロゲン非依存性、ホルモン非感受性)、及び軟組織肉腫(線維肉腫、悪性線維性ヒスチオサイトーマ(原語:malignant fibrous hystiocytoma)、皮膚線維肉腫、脂肪肉腫、横紋筋肉腫平滑筋肉腫、血管内皮腫、滑膜肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍/神経線維肉腫、骨格外骨肉腫)がある。
【0222】
ここで用いられる場合の「自己免疫疾患」とは、個人自身の組織から起きると共に個人自身の組織に対抗する疾患又は障害である。自己免疫疾患又は障害の例には、限定はしないが、乾癬及び皮膚炎(例えばアトピー性皮膚炎)を含む炎症性皮膚疾患などの炎症性応答;全身性強皮症及び硬化症;炎症性腸疾患に伴う応答(例えばクローン病及び潰瘍性大腸炎);呼吸困難症候群(成人呼吸困難症候群;ARDSを含む);皮膚炎;髄膜炎;脳炎;ブドウ膜炎;大腸炎;腎炎;例えば湿疹及び喘息などのアレルギー状態、並びにT細胞の浸潤及び慢性の炎症性応答を含む他の状態;アテローム性硬化症;白血球接着不全;リウマチ様関節炎;全身性エリテマトーデス (SLE);糖尿病(例えばI型糖尿病又はインシュリン依存性糖尿病);多発性硬化症;レイノー症候群;自己免疫甲状腺炎;アレルギー性脳脊髄炎;シェーグレン症候群;若年発症性糖尿病;並びに結核、サルコイドーシス、多発性筋炎、肉芽腫症及び脈管炎で典型的に見られるサイトカイン及びTリンパ球によって媒介される急性及び遅延型過敏症に伴う免疫応答;悪性貧血(アジソン病);白血球の血管外遊出の関与する疾患;中枢神経系(CNS)炎症障害;多発性器官損傷症候群;溶血性貧血(限定はしないが慣例グロブリン血症又はクームス陽性貧血を含む);重症筋無力症;抗原−抗体複合体媒介性疾患;抗糸球体基底膜疾患;抗ホスホリピド症候群;アレルギー性神経炎;グレーブズ病;ランバート−イートン筋無力症候群;水疱性類天疱瘡;天疱瘡;自己免疫多腺性内分泌障害;ライター病;スティフマンズ症候群;ベヘーット(原語:Beheet)病;巨細胞性動脈炎;免疫複合体性腎炎;IgAネフロパチー;IgM 多発性神経炎;免疫性血小板減少性紫斑病(ITP)又は自己免疫血小板減少症、がある。
【0223】
いくつかの実施態様では、当該の癌は外套細胞リンパ腫、びまん性大B細胞リンパ腫 (DLBCL)、T細胞 リンパ腫又は白血病(例えば皮膚T細胞リンパ腫 (CTCL)、非皮膚末梢T細胞リンパ腫、ヒトT細胞リンパ増殖性ウィルス(HTLV)に伴うリンパ腫、及び成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL))、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病(例えば急性単球性白血病及び急性前骨髄球性白血病)、慢性リンパ球性白血病(例えば慢性B細胞白血病)、慢性骨髄性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(例えばバーキットリンパ腫)、骨髄腫、多発性骨髄腫、及び異形成骨髄症候群から選択される血液学的癌である。いくつかの実施態様では、当該の癌は多発性骨髄腫及びリンパ腫から選択される。
【0224】
いくつかの実施態様では、当該の癌は、中皮腫、脳神経芽腫、網膜芽腫、グリオーマ、ウィルムス腫瘍、骨の癌、軟組織の肉腫、頭部及び頚部の癌(例えば口腔、喉頭及び食道)、性尿器の癌(例えば前立腺、膀胱、腎臓、子宮、卵巣、精巣、直腸及び結腸)、肺癌(例えば、扁平細胞癌腫及び腺癌を含む小細胞癌腫及び非小細胞肺癌の癌腫)、乳癌、膵臓癌、基底細胞癌、転移性皮膚癌、扁平細胞癌腫(潰瘍性及び乳頭型の両者)、胃癌、脳の癌、肝臓癌、副腎癌、腎臓癌、甲状腺癌、髄様癌、骨肉腫、軟組織肉腫、ユーイング肉腫、網状細胞肉腫、及びカポジ肉腫から選択される充実腫瘍、神経芽腫、又は、黒色腫である。いくつかの実施態様では、当該の癌は卵巣癌(例えば卵巣腺癌)、非小細胞肺癌、及び結腸直腸癌から選択される。
【0225】
更にここで解説する癌のいずれの小児型も含まれる。本発明は更に、薬物耐性腫瘍の処置法も提供する。いくつかの実施態様では、当該の薬物耐性腫瘍は多発性骨髄腫である。
【0226】
用語「薬剤耐性」とは、内因性の耐性又は後天性の耐性を示す状態を意味する。「内因性の耐性」とは、限定はしないがアポトーシス、細胞進行及びDNA修復を含む関連する経路中で鍵となる遺伝子の癌細胞における特徴的な発現プロファイルであって、それらの正常な相対物に比較しときに癌細胞のより急速な成長能に寄与している発現プロファイルを意味する。「後天性の耐性」とは、癌細胞の薬剤への感受性に影響を与えることのできる、腫瘍形成及び進行中に発生する多因子正の現象を意味する。後天性の耐性は、限定はしないが、薬剤標的中の変化、蓄積薬剤の現象、細胞内薬剤分布の変化、薬剤−標的相互作用の低下、解毒応答の上昇、細胞周期の脱調節、損傷したDNA修復の亢進、及びアポトーシス性応答の減少などのいくつかの機序が原因であると思われる。前記機序のいくつかは同時に起きることも、及び/又は、互いに相互作用することもある。それらの活性化及び/又は失活は、遺伝的又は後成的な事象が原因であったり、あるいはオンコウィルスタンパク質の存在が原因であったりする。後天性の耐性は個々の薬剤に起こり得るが、さらに、異なる化学構造及び異なる作用機序を持つ数多くの異なる薬剤により広く、起き得る。この形の耐性は多剤耐性と呼ばれる。
【0227】
本発明の別の局面は、ここで開示する一種以上の化学療法薬及びプロテアソーム阻害剤組成物の、限定はしないが、卒中、神経系の虚血性の損傷、神経外傷(例えば衝撃による脳の損傷、脊髄損傷、及び神経系の外傷)、多発性硬化症及び他の免疫媒介型ニューロパチー(例えばギリアン-バレー症候群及びその異型、急性運動軸策性ニューロパチー、急性炎症性脱髄性ポリニューロパチー、及びフィッシャー症候群)、HIV/AIDSの痴呆症候群、アキソトミー(原語:axotomy)、糖尿病性ニューロパチー、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、多発性硬化症、細菌性、寄生生物性、真菌性、及びウィルス性髄膜炎、脳炎、血管性痴呆、多発性梗塞性痴呆、レヴィー小体性痴呆、ピックス病などの前葉体性痴呆、皮質下痴呆(例えばハンチントン又は進行性核上麻痺)、局所性皮質性萎縮症候群(例えば原発性感情鈍麻)、代謝毒性痴呆(例えば慢性甲状腺機能低下症又はB12欠損症)、及び感染によって引き起こされる痴呆(例えば梅毒又は慢性髄膜炎)を含む神経変性疾患及び状態の処置のための使用に関する。
【0228】
実施例
実施例1
免疫無防備状態にしたマウス(BNX、チャールズ・リバー・ラボラトリーズ)にRLヒトリンパ腫細胞 (1 x 107/マウス)の皮下投与による刺激を、右側のわき腹に総量0.1 mL リン酸緩衝生理食塩水 (PBS)にして与えた。腫瘍の大きさがほぼ50 mm3 (図1の矢印で示す)になったときに、マウスを処置群に無作為化した(9匹のマウス/群)。化合物1を10% (w/v) スルホブチルエーテル-ベータシクロデキストリンを10
mMのクエン酸緩衝液、pH
3.5に溶かした溶液にして静脈内投与(I.V.)した。投与は各週、第1日目と第2日目に行われた。SAHAを100% DMSOに調合し、各週の第1日目−第5日目に
腹腔内投与(IP)した。ツー・ウェイANOVA・アンド・ボンフェローニのポスト・ホック比較で*** =
P<0.001 (化合物1 + SAHA 対 賦形剤) 。
【0229】
実施例2
細胞株及び試薬: ヒトリンパ腫 (RL)、非小細胞肺(A549) 及び結腸(HT-29) 腫瘍細胞株をATCC(ヴァージニア州マナサス)から購入した。当該のHDAC 阻害剤ボリノスタットはケイマン・ケミカル社(ミシシッピ州アン・アーバー)から購入した。ドセタキセルはシグマ・ケミカル社(ミシシッピ州アン・アーバー)から購入した。ドキシルの処方箋調剤は地元の薬局から購入した。
【0230】
毒性研究: 4−6週齢のメスのBNXマウスを複数のクラスの化学療法薬の単独療法としてか、又はカルフィルゾミブと組み合わせて、処置した。二週間の毒性研究を図面の符号に言及する通りの用量及び投薬スケジュールで行った。毒性は1週間に3回、体重減少として測定された。
【0231】
異種移植研究: 細胞株(移植時点で継代回数 <9 及び生存率 >95% )をBNXマウス(1群当りn =8/9 )の右わき腹に皮下注射(s.c.)することで腫瘍を樹立した。RL (0.1 mL)細胞懸濁液は1 x107個の細胞を含有していた。HT-29、ES2及びA549 細胞については5 x 106 個の細胞懸濁液 (0.1 mL)を注射した。マウスを処置群に無作為化し、腫瘍の大きさがほぼ100 mm3になったときに投薬を開始した。全ての処置群において、最長の垂直直径を記録することで毎週3回、腫瘍を測定し、等式V(mm3) = (長さ x 幅2)/2を用いて腫瘍体積を計算した。
【0232】
統計分析: 処置群の比較のために、ボンフェローニ・ポスト・ホック分析に従ったツー・ウェイANOVAを、raphPad プリズム・ソフトウェア(ヴァージョン4.01)を用いて行った。統計学的有意は、p < 0.05のときに達成された。
【0233】
ドキシルと組み合わせた化合物1は、MTD 10mg/kg ドキシル→Q7D(iv)及びMTD 5mg/kg カルフィルゾミブ→QDx2(iv)という臨床関連用量計画で良好に許容された。図2Aに示す通りの用量計画は、化合物1を第1日目、第2日目(i.v.)に1時間、の後にドキシル・第1日目(iv)、だった。二週間の毒性研究をBNXマウスに行い、体重減少を図2Bに示す通りに評価した(n=5) が、但しこのとき、BNXマウスで一回分の薬剤としたドキシルの最大許容用量 (MTD)は20 mg/kg であり、他方、検査された用量計画の化合物1(5 mg/kg)と組み合わせたときのドキシルのMTDは10 mg/kgだった。
【0234】
【表1】

【0235】
樹立HT29結腸直腸異種移植モデルにおけるMTDの化合物1 (5 mg/kg) 及びMTD未満のドキシル (3 mg/kg) (n=10/群) では、図3に示されるように(矢印は投薬期間の開始を示す)抗腫瘍活性の増加が示される。(併用処置 ***p<0.001 対 コントロール又はカルフィルゾミブのみ;**p<0.01 対 ドキシルのみ)。同様な観察は、図4に示されるように(矢印は投薬期間の開始を示す)樹立A549 非小細胞肺癌異種移植片モデルでも認められた(併用処置 ***p<0.001 対 コントロール又はドキシルのみ;カルフィルゾミブのみに対しては有意性はなかった)。
【0236】
ドセタキセルと組み合わせたときの化合物1は、MTD 10 mg/kg のドセタキセル→Q7D (iv) 及びMTD 5 mg/kg の化合物1→QDx2(iv)という臨床関連用量計画で良好に許容された。図5Aに示す通りの用量計画は、化合物1を第1日目、第2日目(i.v.)に1時間、の後にドセタキセル・第1日目(iv)、だった。その後、二週間の毒性研究をBNXマウスに行い、体重減少を評価した(n=5) が、但しこのとき、この用量計画のカルフィゾミブと組み合わせたときのドキシルのMTDは10 mg/kgだった。
【0237】
【表2】

【0238】
樹立A549非小細胞肺癌異種移植モデルにおけるMTDの化合物1 (5 mg/kg) 及びMTD未満のドセタキセル (5 mg/kg) (n=10/群)(併用処置
***p<0.001 対 コントロール;**p<0.05 対、カルフィルゾミブのみ、NS 対 ドセタキセル) の併用を図6に示す(矢印は投薬期間の開始を示す)。樹立A549非小細胞肺癌異種移植モデルにおけるMTD未満の化合物1(3 mg/kg) 及びMTD未満のドセタキセル (5 mg/kg) (n=10/群) の併用(併用処置 ***p<0.001 対 コントロール;**p<0.01 対 カルフィルゾミブ 及びドセタキセル)を図7に示す(矢印は投薬期間の開始を示す)。
【0239】
化合物1及びボリノスタットの併用は50 mg/kg →QDx5 ボリノスタット (ip) 及びMTD 5 mg/kg の化合物1 →QDx2(iv)という臨床関連用量計画で良好に許容された。ボリノスタットのMTDは判定されなかった。図8Aに示すように、第1日目、2日目に化合物1を1時間投与(iv)した後に、ボリノスタットを第1日目−5日目に投与 (ip)した。体重減少(BWL)で測定したときの、BNXマウス毒性における化合物1及びボリノスタットによる処置は処置群間で同様だったことから、この併用は実験動物では良好に許容されたことが示唆された(図8B)。
【0240】
樹立RL腫瘍に対する化合物1 (3 mg/kg) 及びボリノスタット (50 mg/kg) (n=8/群) の効果を図9に示す(矢印は投薬期間の開始を示す)。樹立ES2腫瘍に対する化合物1 (3 mg/kg) 及びボリノスタット (50 mg/kg) (n=8/群)の併用効果。**, P
< 0.01; 及び ***, P <
0.001 対 単独療法及び賦形剤を図10に示す(矢印は投薬期間の開始を示す)。
【0241】
化合物1による処置は、各個々の薬剤の臨床関連用量計画でヒストン・デアセチラーゼ阻害剤(ボリノスタット)、微小管破壊剤(ドセタキセル)及びアントラサイクリン(ドキシル)と組み合わせたときに良好に許容された。化合物1及びボリノスタット
を併用した結果、リンパ腫(RL)腫瘍成長が、賦形剤のコントロール又はいずれかの単独の薬剤による処置に比較して著しく減少した (p<0.001 vs. コントロール;p<0.01 対 化合物1又はボリノスタットのみ)。化合物1及びドセタキセルを併用した結果、A549 腫瘍成長が、賦形剤のコントロール又はいずれかの単独の薬剤による処置に比較して著しく減少した (p<0.001 対 コントロール;p<0.01 vs. カルフィルゾミブ又はドセタキセルのみ)。同様な観察はHT-29異種移植片モデルでもみとめられ、このとき化合物1及びドキシルの併用で腫瘍負荷が著しく減少した (p<0.001 対 コントロール又はカルフィルゾミブのみ;p<0.01 対 ドキシルのみ)。MTD未満の用量の化合物1及びドキシルは充実腫瘍モデルで相乗的な抗腫瘍効果を示す。同様に、ドセタキセルと組み合わせた化合物1は、MTD未満の用量でヒトの肺癌モデルにおいて相乗的な抗腫瘍効果を誘導した。ボリノスタットの組み合わせた化合物1は、リンパ腫モデルで相乗的な抗腫瘍効果を誘導した。ボリノスタットの組み合わせた化合物1は、卵巣癌モデルで有効な抗腫瘍特性を示した。
【0242】
実施例3
化合物1を6.58 nMにして、11.1、7.4、4.9 及び3.3 μMという4種類の様々な用量のメルファランと組み合わせて検査した。MM1.S(多発性骨髄腫、デキサメタゾン感受性細胞)を45 μL 中、200,000 細胞/mL になるようにプレートした後、メルファランで24時間、予備処置した。次に化合物1を加え、細胞を更に24時間、6.58 nMでインキュベートした。その後、1:1の比の細胞タイター・グロー溶液をこの細胞試料に加え、生存率を読み取った。併用指数値は、数値 <0.9 = 相乗的、0.9-1.0 = 相加的及び>1.1 = 拮抗的にしたカルキュシン・プログラムを用いて計算された。結果は、図11に示すように、化合物1及びメルファランはこれらの濃度のときに相乗的かつ相加的な効果を示すことが示された。
【0243】
均等物
当業者であれば、ごく慣例的な実験を用いるのみで、ここに記載した化合物及びその使用法の均等物を数多く認識され、又は確認できることであろう。このような均等物は本発明の範囲内にあると考えられ、以下の請求項の網羅するところである。
【0244】
上述の参考文献及び公開文献のすべてを、引用をもってここに援用することとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
癌を処置する方法であって、ペプチドエポキシケトンプロテアソーム阻害剤
又はその薬学的に許容可能な塩と、一種以上の他の治療薬とを投与するステップを含み、但し前記併用が、単独で投与された場合のいずれかの薬剤の効験よりも大きい効験を示す、方法。
【請求項2】
前記ペプチドエポキシケトンが式(2)の構造を有し

但し式中、各AはC=O、C=S、及びSO2
から個別に選択され;又は
A は、Zが存在する箇所に隣接する場合には選択的に共有結合であり;
L は存在しないか、又はC=O、C=S、及びSO2から選択され;
M は存在しないか、又は C1-12アルキルであり;
Q は存在しないか、又はO、NH、及びN-C1-6アルキルから選択され;
XはOであり;
Y は存在しないか、又はO、NH、N-C1-6アルキル、S、SO、SO2、CHOR10、及びCHCO2R10から選択され;
各Zは、O、S、NH、及びN-C1-6アルキルから個別に選択され;あるいは
Zは、Aの存在する箇所に隣接する場合には選択的に共有結合であり;
R1、R2、R3、及び R4
は、選択的に置換されたC1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6アルコキシアルキル、アリール、及び C1-6アラルキルからそれぞれ個別に選択され;
R5 はN(R6)LQR7であり;
R6、R12、R13、及び R14
は水素、OH、及び C1-6アルキルから個別に選択され;
R7 は水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、アリール、C1-6アラルキル、ヘテロアリール、C1-6ヘテロアラルキル、R8ZAZ-C1-8アルキル-、R11Z-C1-8アルキル-、(R8O)(R9O)P(=O)O-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、R8ZAZ-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、ヘテロシクリルMZAZ-C1-8アルキル-、(R8O)(R9O)P(=O)O-C1-8アルキル-、(R10)2N-C1-12アルキル-、(R10)3N+-C1-12アルキル-、ヘテロシクリルM-、カルボシクリルM-、R11SO2C1-8アルキル-、及びR11SO2NHから選択され;あるいは
R6 及び R7 は共にC1-6アルキル-Y-C1-6アルキル、C1-6アルキル-ZAZ-C1-6アルキル、ZAZ-C1-6アルキル-ZAZ-C1-6アルキル、ZAZ-C1-6アルキル-ZAZ、又はC1-6アルキル-Aであることで一個の環を形成し;
R8 及び R9 は水素、金属陽イオン、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、アリール、ヘテロアリール、C1-6アラルキル、及び C1-6ヘテロアラルキルから個別に選択され;
各R10 は、水素及びC1-6アルキルから個別に選択され;
R11 は、水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-6アラルキル、及び C1-6ヘテロアラルキルから個別に選択され、
R15 及び R16 は、水素 及び C1-6アルキルから個別に選択され、あるいはR15 及び R16 は共に3- 員環乃至6-員環の炭素環又は複素環の環を形成し;そして
R17 及び R18 は、水素、金属陽イオン、C1-6アルキル、及びC1-6アラルキルから個別に選択され、あるいはR17 及び R18 は共にC1-6アルキルを表すことで一個の環を形成し;
但し条件としてR6、R12、R13、及び R14
がH 又はCH3であり、そして Q が存在しない場合、LR7
は水素、非置換C1-6アルキルC=O、アミノ酸の更なる鎖、t-ブトキシカルボニル (Boc)、ベンゾイル (Bz)、フルオレン-9-イルメトキシカルボニル (Fmoc)、トリフェニルメチル(トリチル)、ベンジルオキシカルボニル (Cbz)、トリクロロエトキシカルボニル
(Troc);又は置換もしくは非置換アリールもしくはヘテロアリールでなく;そして
配列ZAZが存在する箇所では必ず、前記配列の少なくとも一つのメンバーは共有結合以外でなくてはならない、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ペプチドエポキシケトンが式(4)の構造を有し、

但し式中、各A は、C=O、C=S、及び SO2から個別に選択され;あるいは
A は、Zの存在する箇所に隣接する場合には選択的に共有結合であり;
L は存在しないか、又はC=O、C=S、及びSO2から選択され;
M は存在しないか、又はC1-12アルキルであり;
Q は存在しないか、又はO、NH、及び N-C1-6アルキルから選択され;
X はOであり;
Y は存在しないか、又はO、NH、N-C1-6アルキル、S、SO、SO2、CHOR10、及び CHCO2R10から選択され;
各Z は、O、S、NH、及び N-C1-6アルキルから個別に選択され;あるいは
Z は、Aの存在する箇所に隣接する場合には選択的に共有結合であり;
R2 及び R4 は、選択的に置換されたC1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6アルコキシアルキル、アリール、及び C1-6アラルキルからそれぞれ選択され;
R5 はN(R6)LQR7であり;
R6 は水素、OH、及び C1-6アルキル、好ましくは C1-6アルキルから選択され;
R7 は水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、アリール、C1-6アラルキル、ヘテロアリール、C1-6ヘテロアラルキル、R8ZAZ-C1-8アルキル-、R11Z-C1-8アルキル-、(R8O)(R9O)P(=O)O-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、R8ZAZ-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、ヘテロシクリルMZAZ-C1-8アルキル-、(R8O)(R9O)P(=O)O-C1-8アルキル-、(R10)2N-C1-12アルキル-、(R10)3N+-C1-12アルキル-、ヘテロシクリルM-、カルボシクリルM-、R11SO2C1-8アルキル-、及び R11SO2NHから選択され;あるいは
R6 及び R7 は共にC1-6アルキル-Y-C1-6アルキル、C1-6アルキル-ZAZ-C1-6アルキル、ZAZ-C1-6アルキル-ZAZ-C1-6アルキル、ZAZ-C1-6アルキル-ZAZ、又はC1-6アルキル-Aであることで一個の環を形成し;
R8 及び R9 は、水素、金属陽イオン、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、アリール、ヘテロアリール、C1-6アラルキル、及び C1-6ヘテロアラルキルから個別に選択され;
各R10は、水素 及び C1-6アルキルから個別に選択され;そして
R11 は、水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-6アラルキル、及び C1-6ヘテロアラルキルから個別に選択され、
但し条件としてR6 がH又はCH3 であり、そしてQ が存在しない場合、LR7 は水素、非置換C1-6アルキルC=O、アミノ酸の更なる鎖、t-ブトキシカルボニル (Boc)、ベンゾイル (Bz)、フルオレン-9-イルメトキシカルボニル (Fmoc)、トリフェニルメチル(トリチル)、ベンジルオキシカルボニル
(Cbz)、トリクロロエトキシカルボニル
(Troc);又は置換もしくは非置換アリールもしくはヘテロアリールでなく;そして
配列ZAZが存在する箇所では必ず、前記配列の少なくとも一つのメンバーは共有結合以外でなくてはならない、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ペプチドエポキシケトンが式(10)を有し、

但し式中、L は存在しないか、又は-CO2 又は-C(=S)Oから選択され;
X はOであり;
Y はNH、N-アルキル、O、又はC(R9)2であり;
Z はO 又は C(R9)2であり;
R1、R2、R3、及び R4
はすべて水素であり;
各R5、R6、R7、R8、及び R9 は、水素 並びに選択的に置換されたC1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6アルコキシアルキル、アリール、及び C1-6アラルキルから個別に選択され、但しこの場合の置換基には、限定はしないが、アルキル、アミド、アミン、カルボン酸又はその薬学的に許容可能な塩、カルボキシルエステル、チオール、及び
チオエーテルが含まれてよく;
R10 及び R11 は、水素 及び C1-6アルキルから個別に選択され、あるいはR10 及び R11 は共に3-員環乃至6-員環の炭素環又は複素環の環を形成し;
R12 及び R13 は、水素、金属陽イオン、C1-6アルキル、及び C1-6アラルキルから個別に選択され、あるいはR12 及び R13 は共にC1-6アルキルを表すことで一個の環を形成し;
m は0乃至2の整数であり;そして
n は0乃至2の整数である、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ペプチドエポキシケトンが式(12)を有し、

但し式中、X はOであり;
R1、R2、R3、及び R4
はすべて水素であり;そして
R5、R6、R7、及び R8
は、水素並びに選択的に置換されるC1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6アルコキシアルキル、アリール、及び C1-6アラルキルから個別に選択され、但しこの場合の置換基には、限定はしないが、アミド、アミン、カルボン酸又はその薬学的に許容可能な塩、カルボキシルエステル、チオール、及び
チオエーテルが含まれてもよい、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ペプチドエポキシケトンが以下の式:

を有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ペプチドエポキシケトン及び前記一種以上の他の治療薬が相乗的である、請求項1乃至6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記ペプチドエポキシケトン及び前記一種以上の他の治療薬が相加的である、請求項1乃至6のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記ペプチドエポキシケトン及び前記一種以上の他の治療薬が同時に投与される、請求項1乃至6のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記一種以上の他の治療薬が、前記ペプチドエポキシケトンの投与前又は投与後約5分乃至約48時間以内に投与される、請求項1乃至6のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記一種以上の他の治療薬が、前記ペプチドエポキシケトンの投与前又は投与後約5分乃至約1時間以内に投与される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記癌が血液学的悪性病変、充実腫瘍、神経芽腫、又は黒色腫から選択される、請求項1乃至6のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記癌が外套細胞リンパ腫、びまん性大B細胞リンパ腫 (DLBCL)、T細胞リンパ腫又は白血病(例えば皮膚T細胞リンパ腫 (CTCL)、非皮膚末梢T細胞リンパ腫、ヒトT細胞リンパ増殖性ウィルス (HTLV)に伴うリンパ腫、及び成人T細胞白血病/リンパ腫 (ATLL))、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病(例えば急性単球性白血病及び急性前骨髄球性白血病)、慢性リンパ球性白血病(例えば慢性B細胞白血病)、慢性骨髄性白血病、ホジキン病、非ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(例えばバーキットリンパ腫)、骨髄腫、多発性骨髄腫及び異形成骨髄症候群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記癌が多発性骨髄腫及びリンパ腫から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記癌が、中皮腫、脳神経芽腫、網膜芽腫、グリオーマ、ウィルムス腫瘍、骨の癌、軟組織の肉腫、頭部及び頚部の癌(例えば口腔、喉頭及び食道)、性尿器の癌(例えば前立腺、膀胱、腎臓、子宮、卵巣、精巣、直腸及び結腸)、肺癌(例えば、扁平細胞癌腫及び腺癌を含む小細胞癌腫及び非小細胞肺癌の癌腫)、乳癌、膵臓癌、基底細胞癌、転移性皮膚癌、扁平細胞癌腫(潰瘍性及び乳頭型の両者)、胃癌、脳の癌、肝臓癌、副腎癌、腎臓癌、甲状腺癌、髄様癌、骨肉腫、軟組織肉腫、ユーイング肉腫、網状細胞肉腫、及びカポジ肉腫から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記癌が卵巣癌、非小細胞肺癌、及び結腸直腸癌から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記他の治療薬がHDAC阻害剤である、請求項1乃至6のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記HDAC阻害剤がトリコスタチンA、デプシペプチド、アピシジン、A-161906、スクリプタイド、PXD-101、CHAP、酪酸、デプデシン、オキサムフラチン、フェニルブチレート、バルプロ酸、SAHA (ボリノスタット)、MS275 (N-(2-アミノフェニル)-4-[N-(ピリジン-3-イルメトキシ-カルボニル)アミノメチル]ベンズアミド)、LAQ824/LBH589、CI994、及びMGCD0103から選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記HDAC阻害剤がSAHAである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記他の治療薬が抗生物質である、請求項1乃至6のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記抗生物質がダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、ダウノルビシン、ドキソルビシン及びイダルビシンから選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記抗生物質がドキソルビシンを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記他の治療薬がタキサンである、請求項1乃至6のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
前記タキサンがパクリタキセル及びドセタキセルから選択される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記他の治療薬が抗増殖性/抗有糸分裂性アルキル化剤である、請求項1乃至6のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
前記抗増殖性/抗有糸分裂性アルキル化剤がナイトロジェン・マスタードである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記ナイトロジェン・マスタードがメクロレタミン、イフォスファミド、シクロホスファミドアミド
及び類似体、メルファラン、並びにクロラムブシルから選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記他の治療薬がプラチナ配位錯体である、請求項1乃至6のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
前記プラチナ配位錯体がシスプラチン及びカルボプラチンから選択される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記他の治療薬がステロイドである、請求項1乃至6のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
前記ステロイドがヒドロコルチゾン、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン及びプレドニゾロンから選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記ステロイドがデキサメタゾンである、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記他の治療薬が免疫調節剤である、請求項1乃至6のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
前記免疫調節剤がサリドマイド、CC-4047(アクチノミド)、及び レナリドミド(レブリミド)から選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記免疫調節剤がレナリドミドである、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記他の治療薬がトポイソメラーゼ阻害剤である、請求項1乃至6のいずれかに記載の方法。
【請求項37】
前記トポイソメラーゼ阻害剤がイリノテカン、トポテカン、カンプトテシン、ラメラリンD、及びエトポシドから選択される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記他の治療薬がm-TOR 阻害剤である、請求項1乃至6のいずれかに記載の方法。
【請求項39】
前記m-TOR 阻害剤がCCI-779、AP23573 及び RAD-001から選択される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記他の治療薬がタンパク質キナーゼ阻害剤である、請求項1乃至6のいずれかに記載の方法。
【請求項41】
前記タンパク質キナーゼ阻害剤がソラフェニブ、イマチニブ、ダサチニブ、スニチニブ、パゾパニブ、及びニロチニブから選択される、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記タンパク質キナーゼ阻害剤がソラフェニブである、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
ペプチドエポキシケトン 又はその薬学的に許容可能な塩;及び一種以上の他の治療薬を投与するステップを含み、但し前記併用が、いずれかの薬剤を単独で投与した場合の効験よりも高い効験を示す、自己免疫疾患を処置する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2012−506445(P2012−506445A)
【公表日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533299(P2011−533299)
【出願日】平成21年10月21日(2009.10.21)
【国際出願番号】PCT/US2009/061498
【国際公開番号】WO2010/048298
【国際公開日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【出願人】(510094115)オニキス セラピューティクス, インク. (5)
【氏名又は名称原語表記】ONYX THERAPEUTICS, INC.
【Fターム(参考)】