説明

ペミロラストを含有する安定な水性組成物

【課題】ペミロラスト及び/又はその塩と、非イオン界面活性剤及び/又はビタミンB6とを水性組成物中で共存させていながら、光に対する安定性の低下が改善され、製剤的に優れた水性組成物を提供すること。
【解決手段】(A)ペミロラスト及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種と、(B)非イオン界面活性剤及びビタミンB6からなる群より選択される少なくとも1種と、(C)クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種と、(D)グリチルリチン酸、イプシロンアミノカプロン酸、ベルベリン、アズレンスルホン酸、ブロムフェナク、パラオキシ安息香酸アルキルエステル及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種と、を含有する、水性組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ペミロラスト及び/又はその塩は、アレルギー反応の引き金となる肥満細胞膜のイノシトールリン脂質代謝を阻害することにより、ケミカルメディエーターの遊離を抑制することができ、高い活性と安全性を備えた抗アレルギー剤として広く一般に知られている。そして、ペミロラスト及び/又はその塩は、気管支喘息やアレルギー性鼻炎の治療剤として、或いはアレルギー性結膜炎や春季カタルの治療剤として、錠剤やドライシロップ、点眼剤等の製剤形態で市販されている。
【0003】
ペミロラストやその塩を含む組成物に関し、特許文献1には、ペミロラストを含有する安定化された組成物が開示されている。また、特許文献2には、ペミロラストカリウムを主成分とする眼科用剤において、緩衝剤として有機アミンを用いる抗アレルギー眼科用剤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−55224号公報
【特許文献2】特開2003−146881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者等は、ペミロラスト及び/又はその塩を含有する水性組成物について種々検討を行ったところ、全く予想していなかったことに、難溶性薬物の溶解等を目的として汎用されている非イオン界面活性剤や栄養補給等を目的として汎用されているビタミンB6を、ペミロラスト及び/又はその塩を含有する水性組成物に配合すると、光に対する安定性が著しく低下してしまうという全く新しい知見を得た。
【0006】
そこで、本発明は、ペミロラスト及び/又はその塩と、非イオン界面活性剤及び/又はビタミンB6とを水性組成物中で共存させた場合であっても、光に対する安定性の低下が改善され、製剤的に優れた水性組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、(A)ペミロラスト及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種と、(B)非イオン界面活性剤及びビタミンB6からなる群より選択される少なくとも1種と、(C)クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種と、(D)グリチルリチン酸、イプシロンアミノカプロン酸、ベルベリン、アズレンスルホン酸、ブロムフェナク、パラオキシ安息香酸アルキルエステル及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種と、を含有する、水性組成物を提供する。
【0008】
本発明の水性組成物は、上記(A)成分及び(B)成分が共存している組成物でありながら、上記(C)成分及び(D)成分の存在により、ペミロラスト及び/又はその塩の光に対する安定性の低下が顕著に改善される(以下、この効果を「光安定性改善効果」ともいう。)。また、本発明の水性組成物はこのように光に対する安定性を有しているため製剤的に優れている。
【0009】
本発明の水性組成物は、更に(E)ホウ酸又はその塩を含有することが好ましい。
【0010】
本発明者らは、上記知見に加え、ペミロラスト及び/又はその塩と、非イオン界面活性剤及び/又はビタミンB6とを含有する水性組成物に(E)ホウ酸又はその塩を含有させた場合には、光に晒されたときに結晶が析出してしまうほどの著しい不安定化が生じるとの新規知見を得た。しかしながら、本発明の水性組成物は、(E)ホウ酸又はその塩を含有させた場合でも、結晶が析出することなく、光に対する安定性の著しい低下を顕著に改善することができる。ホウ酸及びその塩は防腐作用や緩衝作用を有する成分であるため、本発明の水性組成物はこの点で有利である。
【0011】
本発明の水性組成物は、眼科用に用いることができ、点眼剤として適用するのが好適である。
【0012】
眼科用の水性組成物は、配合成分の濃度が非常に低いことが多く、僅かの含有量低下であっても大きな問題となりかねない。とりわけ点眼剤は、1回の使用量が極微量であるため含有量低下の影響は大きい。本発明の水性組成物は、光安定性改善効果を奏するため、光による含有量低下を防ぐことができ、眼科用、特に点眼剤の用途に好適に用いることができる。
【0013】
本発明はまた、上記本発明の水性組成物が、少なくとも一部が光透過性の容器に充填された、容器入り水性組成物を提供する。なお、少なくとも一部が光透過性の容器としては、少なくとも一部が可視光透過性の容器が適用でき、そのような容器としては透明容器が挙げられる。ここで透明容器とは、容器内部を視認できる容器を意味し、無色透明容器及び有色透明容器の双方が含まれる。
【0014】
上述のとおり、本発明の水性組成物は、優れた光安定性改善効果を奏するため、少なくとも一部が光透過性の容器に充填することができる。本発明の水性組成物が、少なくとも一部が光透過性の容器に充填されることで、異物検査も容易となり、また残存量等を簡便に判断することができる。
【発明の効果】
【0015】
非イオン界面活性剤は、難溶性薬物等を水性組成物中に溶解する際の溶解補助剤等として汎用されている成分である。非イオン界面活性剤は水性組成物に配合する成分を安定にするための安定化剤として用いられることも多い。また、ビタミンB6は、生体に対する栄養補給等を目的として汎用されている成分である。しかしこれまで、ペミロラスト及び/又はその塩と非イオン界面活性剤及び/又はビタミンB6とを水性組成物中で共存させた場合に、光に対する安定性に如何なる影響が及ぼされるか否かについては全く報告されていない。ましてや、ペミロラスト及び/又はその塩と非イオン界面活性剤及び/又はビタミンB6との組み合わせに、更に他の特定成分を組み合わせて水性組成物を調製した場合に、光に対する安定性に如何なる影響が及ぼされるかについては、皆目見当がつかなかった。
【0016】
本発明により、ペミロラスト及び/又はその塩と、非イオン界面活性剤及び/又はビタミンB6とを共存させた水性組成物でありながら、光に対する安定性が高度に改善され、製剤的に非常に優れた水性組成物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の水性組成物は、ペミロラスト及び/又はその塩(「(A)成分」ともいう。)を含有する。
【0018】
ペミロラストは、9−メチル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オンとも称される公知化合物であり、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。
【0019】
本発明で使用される(A)成分の内、ペミロラストの塩としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されないが、具体的には、有機酸塩[例えば、モノカルボン酸塩(酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酪酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩等)、多価カルボン酸塩(フマル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩等)、オキシカルボン酸塩(乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等)、有機スルホン酸塩(メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、トシル酸塩等)]、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩)、有機塩基との塩(例えば、メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン、トリピリジン、ピコリン等の有機アミンとの塩)、無機塩基との塩[例えば、アンモニウム塩;アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)、アルミニウム等の金属との塩]等の各種の塩が挙げられる。これらの塩の中でも、好ましくは有機塩基との塩及び/又は無機塩基との塩、より好ましくは無機塩基との塩、更に好ましくはアルカリ金属塩、更により好ましくはカリウム塩及び/又はナトリウム塩、特に好ましくはカリウム塩が挙げられる。これらのペミロラストの塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
【0020】
本発明の水性組成物には、(A)成分として、ペミロラスト及びその塩の中から、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。より高い光安定性改善効果が得られるという観点から、好ましくは、ペミロラスト及び/又はその無機塩基との塩、より好ましくは、ペミロラスト及び/又はそのアルカリ金属塩、更に好ましくは、ペミロラスト、そのカリウム塩及び/又はナトリウム塩、更により好ましくはペミロラスト及び/又はそのカリウム塩が挙げられる。
【0021】
本発明の水性組成物において、(A)成分の配合割合は、(A)成分の種類、他の配合成分の種類等に応じて適宜設定されるが、例えば、水性組成物の総量に対して、(A)成分が総量で0.0001〜1w/v%、好ましくは0.001〜0.5w/v%、更に好ましくは0.005〜0.2w/v%が例示される。
【0022】
本発明の水性組成物は、非イオン界面活性剤及び/又はビタミンB6(「(B)成分」ともいう。)を含有する。
【0023】
(B)成分の内、非イオン界面活性剤としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されないが、具体的には、モノラウリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノパルミチン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート40)、モノステアリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、トリステアリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート65)、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート80)等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類;ポロクサマー407、ポロクサマー235、ポロクサマー188、ポロクサマー403、ポロクサマー237、ポロクサマー124等のPOE・POPブロックコポリマー類;POE(60)硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60)等のPOE硬化ヒマシ油類;POEヒマシ油類;POE(9)ラウリルエーテル等のPOEアルキルエーテル類;POE(20)POP(4)セチルエーテル等のPOE−POPアルキルエーテル類;POE(10)ノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類等が挙げられる。なお、上記で例示する化合物において、POEはポリオキシエチレン、POPはポリオキシプロピレン、及び括弧内の数字は付加モル数を示す。本発明の水性組成物において、これらの非イオン界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0024】
本発明の水性組成物には、非イオン界面活性剤として、好ましくは、POEソルビタン脂肪酸エステル類、POE硬化ヒマシ油類、POEヒマシ油類及び/又はPOE・POPブロックコポリマー類、より好ましくは、POEソルビタン脂肪酸エステル類、POE硬化ヒマシ油類、及び/又はPOE・POPブロックコポリマー類、更に好ましくは、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、及び/又はポロクサマー407、特に好ましくは、ポリソルベート80及び/又はポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60が用いられる。
【0025】
(B)成分の内、ビタミンB6としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されないが、具体的には、ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン、及びこれらの塩が挙げられる。本発明の水性組成物には、ビタミンB6として、好ましくは、ピリドキシン及び/又はその塩が用いられる。
【0026】
ビタミンB6の塩の形態としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されないが、具体的には、(A)成分がとり得る塩と同形態のものが例示される。これらの塩の中でも、好ましくは無機酸塩及び/又は有機酸塩、より好ましくは無機酸塩、更に好ましくは塩酸塩及び/又はリン酸塩、特に好ましくは塩酸塩が挙げられる。これらの塩の形態は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
【0027】
ビタミンB6の中でも、より高い光安定性改善効果を獲得することができるという観点から、好ましくは、ピリドキシン及び/又はその塩、より好ましくはピリドキシン及び/又はその無機酸塩、更に好ましくはピリドキシン、ピリドキシン塩酸塩、及び/又はピリドキシンリン酸塩、特に好ましくはピリドキシン塩酸塩(塩酸ピリドキシン)が挙げられる。
【0028】
本発明の水性組成物において、(B)成分は、非イオン界面活性剤及び/又はビタミンB6の中から1種のものを単独で使用してもよく、また2種を組み合わせて使用してもよい。本発明で使用される(B)成分の好適な一例としては、POEソルビタン脂肪酸エステル類、POE硬化ヒマシ油類、POEヒマシ油類、POE・POPブロックコポリマー類、ピリドキシン及びその塩、より好ましくはポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、及び/又は塩酸ピリドキシンを挙げることができる。
【0029】
本発明者等は、水性組成物中における非イオン界面活性剤及び/又はビタミンB6の配合割合が特定量以上になると、ペミロラスト及び/又はその塩の光安定性が低下する傾向が顕著になることを確認している。然るに、本発明の水性組成物によれば、このように光安定性の低下を引き起こし易い高濃度で(B)成分を配合しても、水性組成物中におけるペミロラスト及び/又はその塩の光安定性を高度に改善できる。本発明の水性組成物において、(B)成分の配合割合については、(B)成分の種類、併用する他の成分の種類等に応じて適宜設定されるが、かかる観点に鑑みると、(B)成分の配合割合として、例えば、水性組成物の総量に対して、(B)成分が総量で0.001w/v%以上、好ましくは0.005w/v%以上となる割合が例示される。(B)成分の配合割合の上限値としては、特に限定されるものではないが、例えば、水性組成物の総量に対して、(B)成分が総量で5w/v%以下、好ましくは2w/v%以下とすればよい。
【0030】
より具体的には、本発明の水性組成物の総量に対する各(B)成分の配合割合として、以下の範囲が例示される。
(B)成分が非イオン界面活性剤の場合:これらが総量で、通常0.005w/v%以上、好ましくは0.01w/v%以上、より好ましくは0.05w/v%以上。上限値は特に限定されないが、一般には5w/v%以下、好ましくは2w/v%以下;
(B)成分がビタミンB6の場合:これらが総量で、通常0.0001w/v%以上、好ましくは0.001w/v%以上、より好ましくは0.005w/v%以上。上限値は特に限定されないが、一般には1w/v%以下、好ましくは0.5w/v%以下。
なお、(B)成分として、非イオン界面活性剤及びビタミンB6を併用する場合、上述の水性組成物の総量に対する(B)成分の総量(w/v%)の範囲内となるように、非イオン界面活性剤及びビタミンB6それぞれの配合割合を調整することが好ましい。
【0031】
また、本発明の水性組成物における(A)成分に対する(B)成分の比率については、特に制限されるものではないが、一例として、(A)成分の総量100質量部当たり、(B)成分の総量が0.2〜10000質量部、好ましくは10〜4000質量部となる範囲が例示される。より具体的には、(A)成分の総量100質量部当たりの各(B)成分の比率として、以下の範囲が例示される:
(B)成分が非イオン界面活性剤の場合:これらが総量で、通常0.2〜10000質量部、好ましくは2〜8000質量部、更に好ましくは10〜4000質量部;
(B)成分がビタミンB6の場合:これらが総量で、通常0.2〜10000質量部、好ましくは2〜5000質量部、更に好ましくは10〜2000質量部。
なお、(B)成分として、非イオン界面活性剤及びビタミンB6を併用する場合、上述の(A)成分100質量部に対する(B)成分の総量(質量部)の範囲内となるように、非イオン界面活性剤及びビタミンB6それぞれの配合割合を調整することが好ましい。
【0032】
本発明の水性組成物は、クロルフェニラミン及び/又はその塩(「(C)成分」ともいう。)を含有する。
【0033】
クロルフェニラミンは、3−(4−クロロフェニル)−N,N−ジメチル−3−ピリジン−2−イル−プロピルアミンとも称される公知の化合物である。
【0034】
クロルフェニラミンの塩としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されないが、具体的には、(A)成分がとり得る塩と同形態のものが例示される。これらの塩の中でも、好ましくは有機酸塩及び/又は無機酸塩、より好ましくは有機酸塩、更に好ましくは多価カルボン酸塩、更により好ましくはマレイン酸塩及び/又はフマル酸塩、特に好ましくはマレイン酸塩が挙げられる。これらのクロルフェニラミンの塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
【0035】
また、クロルフェニラミン及びその塩は、溶媒和物(例えば、水和物)の形態であってもよく、更にd体、l体、dl体のいずれであってもよい。
【0036】
クロルフェニラミン及びその塩の中でも、より高い光安定性改善効果が得られるという観点から、好ましくは、クロルフェニラミン及び/又はその有機酸塩、より好ましくはクロルフェニラミン及び/又はその多価カルボン酸塩、更に好ましくはクロルフェニラミン、そのマレイン酸塩及び/又はそのフマル酸塩、特に好ましくはクロルフェニラミンのマレイン酸塩(マレイン酸クロルフェニラミン)が挙げられる。
【0037】
本発明の水性組成物における(C)成分の配合割合については、(C)成分の種類、併用する他の成分の種類等に応じて適宜設定されるが、一例として、水性組成物の総量に対して、(C)成分が総量で0.0001〜5w/v%、好ましくは0.0005〜3w/v%が例示される。
【0038】
また、本発明の水性組成物における、(A)成分に対する(C)成分の比率については、特に制限されるものではないが、(B)成分の共存により不安定化される(A)成分の光安定性を、より一層効果的に改善するという観点から、(A)成分の総量100質量部当たり、(C)成分の総量が0.2〜10000質量部、好ましくは1〜6000質量部となる範囲が例示される。
【0039】
本発明の水性組成物は、グリチルリチン酸、イプシロンアミノカプロン酸、ベルベリン、アズレンスルホン酸、ブロムフェナク、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、及び/又はこれらの塩(「(D)成分」ともいう。)を含有する。
【0040】
(D)成分の内、グリチルリチン酸は、20β−カルボキシ−11−オキソ−30−ノルオレアナ−12−エン−3β−イル−2−O−β−D−グルコピラヌロノシル−α−D−グルコピラノシドウロン酸とも称される公知化合物であり、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。
【0041】
グリチルリチン酸の塩としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されないが、具体的には、(A)成分がとり得る塩と同形態のものが例示される。これらの塩の中でも、好ましくは無機塩基との塩、より好ましくは、アルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩、更に好ましくはナトリウム塩、カリウム塩及び/又はアンモニウム塩、特に好ましくはカリウム塩が挙げられる。これらのグリチルリチン酸の塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
【0042】
グリチルリチン酸及びその塩の中でも、より高い光安定性改善効果が得られるという観点から、好ましくは、グリチルリチン酸、そのアルカリ金属塩及び/又はそのアンモニウム塩、より好ましくはグリチルリチン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸三ナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸三カリウム及び/又はグリチルリチン酸モノアンモニウム、特に好ましくはグリチルリチン酸二カリウムが挙げられる。
【0043】
(D)成分の内、イプシロンアミノカプロン酸は、6−アミノヘキサン酸とも称される公知化合物であり、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。
【0044】
イプシロンアミノカプロン酸の塩としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されないが、具体的には、(A)成分がとり得る塩と同形態のものが例示される。これらのイプシロンアミノカプロン酸の塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
【0045】
イプシロンアミノカプロン酸及びその塩の中でも、より高い光安定性改善効果が得られるという観点から、好ましくは、イプシロンアミノカプロン酸が挙げられる。
【0046】
(D)成分の内、ベルベリンは、9,10−ジメトキシ−5,6−ジヒドロ[1,3]ジオキソロ[4,5−g]イソキノ[3,2−a]イソキノリン−7−イウムとも称される公知化合物であり、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。
【0047】
ベルベリンの塩としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されないが、具体的には、(A)成分がとり得る塩と同形態のものが例示される。これらの塩の中でも、好ましくは無機酸塩及び/又は有機酸塩、より好ましくは塩酸塩、硫酸塩、及び/又はタンニン酸塩、更に好ましくは塩酸塩及び/又は硫酸塩が挙げられる。これらのベルベリンの塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
【0048】
また、ベルベリン及びその塩は、溶媒和物(例えば、水和物)の形態であってもよい。
【0049】
ベルベリン及びその塩の中でも、より高い光安定性改善効果が得られるという観点から、好ましくは、ベルベリン、その有機酸塩及び/又は無機酸塩、より好ましくはベルベリン及び/又はその無機酸塩、更に好ましくはベルベリン、ベルベリンの塩酸塩(塩化ベルベリン)、及び/又はベルベリンの硫酸塩(硫酸ベルベリン)が挙げられる。
【0050】
(D)成分の内、アズレンスルホン酸は、1,4−ジメチル−7−イソプロピルアズレン−3−スルホン酸とも称される公知化合物であり、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。
【0051】
アズレンスルホン酸の塩としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されないが、具体的には、(A)成分がとり得る塩と同形態のものが例示される。これらの塩の中でも、好ましくは有機塩基との塩及び/又は無機塩基との塩、より好ましくは無機塩基との塩、更に好ましくはアルカリ金属塩、特に好ましくはナトリウム塩が挙げられる。これらのアズレンスルホン酸の塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
また、アズレンスルホン酸及びその塩は、溶媒和物(例えば、水和物)の形態であってもよい。
【0052】
アズレンスルホン酸及びその塩の中でも、より高い光安定性改善効果が得られるという観点から、好ましくは、アズレンスルホン酸及び/又はその無機塩基との塩、より好ましくはアズレンスルホン酸及び/又はそのアルカリ金属塩、特に好ましくはアズレンスルホン酸及び/又はそのナトリウム塩(アズレンスルホン酸ナトリウム)が挙げられる。
【0053】
(D)成分の内、ブロムフェナクは、2−アミノ−3−(4−ブロモベンゾイル)フェニル酢酸とも称される公知の化合物であり、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。
【0054】
ブロムフェナクの塩としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されないが、具体的には、(A)成分がとり得る塩と同形態のものが例示される。これらの塩の中でも、好ましくは有機塩基との塩及び/又は無機塩基との塩、より好ましくは無機塩基との塩、更に好ましくはアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩、更により好ましくはアルカリ金属塩、特に好ましくはナトリウム塩が挙げられる。これらのブロムフェナクの塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
【0055】
また、ブロムフェナク及び/又はその塩は、溶媒和物(例えば、水和物)の形態であってもよい。溶媒和物の形態としては、例えば、1/2水和物、1水和物、3/2水和物等が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、3/2水和物である。
【0056】
ブロムフェナク及びその塩の中でも、より高い光安定性改善効果が得られるという観点から、好ましくは、ブロムフェナク、その無機塩基との塩、及び/又はこれらの溶媒和物、より好ましくはブロムフェナク、そのアルカリ金属塩、そのアルカリ土類金属塩、及び/又はこれらの溶媒和物、更に好ましくはブロムフェナク、そのアルカリ金属塩、及び/又はこれらの溶媒和物、更により好ましくはブロムフェナク、そのナトリウム塩、及び/又はこれらの水和物、特に好ましくはブロムフェナクナトリウム・3/2水和物が挙げられる。
【0057】
(D)成分の内、パラオキシ安息香酸アルキルエステルは、パラベンとも称される公知の化合物であり、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。アルキル基の炭素数は、特に制限されるものではないが、一例として1〜6、好ましくは1〜4のものが挙げられる。具体的には、パラオキシ安息香酸アルキルエステルとして、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸メチル等を例示することができる。
【0058】
パラオキシ安息香酸アルキルエステルの塩としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されないが、具体的には、(A)成分がとり得る塩と同形態のものが例示される。これらの塩の中でも、好ましくは有機塩基との塩及び/又は無機塩基との塩、より好ましくは無機塩基との塩、更に好ましくはアルカリ金属塩、特に好ましくはナトリウム塩が挙げられる。これらのパラオキシ安息香酸アルキルエステルの塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
【0059】
パラオキシ安息香酸アルキルエステル及びその塩の中でも、より高い光安定性改善効果が得られるという観点から、好ましくは、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、より好ましくは、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、及び/又はパラオキシ安息香酸ブチル、更に好ましくはパラオキシ安息香酸メチル及び/又はパラオキシ安息香酸プロピルが挙げられる。
【0060】
本発明の水性組成物において、(D)成分は、グリチルリチン酸、イプシロンアミノカプロン酸、ベルベリン、アズレンスルホン酸、ブロムフェナク、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、及び/又はこれらの塩の中から1種のものを単独で使用してもよく、また2種以上のものを任意に組み合わせて使用してもよい。本発明で使用される(D)成分の好適な一例としては、グリチルリチン酸二カリウム、イプシロンアミノカプロン酸、硫酸ベルベリン、アズレンスルホン酸ナトリウム、ブロムフェナクナトリウム・3/2水和物、パラオキシ安息香酸メチル、及び/又はパラオキシ安息香酸プロピルを挙げることができる。
【0061】
本発明の水性組成物における(D)成分の配合割合については、(D)成分の種類、併用する他の成分の種類等に応じて適宜設定されるが、一例として、水性組成物の総量に対して、(D)成分が総量で0.0001〜10w/v%、好ましくは0.0005〜5w/v%が例示される。
【0062】
より具体的には、本発明の水性組成物の総量に対する各(D)成分の配合割合として、以下の範囲が例示される。
(D)成分がグリチルリチン酸及び/又はその塩の場合:これらが総量で、通常0.001〜2w/v%、好ましくは0.005〜1w/v%、更に好ましくは0.01〜0.5w/v%;
(D)成分がイプシロンアミノカプロン酸及び/又はその塩の場合:これらが総量で、通常0.001〜10w/v%、好ましくは0.005〜7w/v%、更に好ましくは0.01〜5w/v%;
(D)成分がベルベリン及び/又はその塩の場合:これらが総量で、通常0.0001〜0.5w/v%、好ましくは0.0005〜0.1w/v%、更に好ましくは0.001〜0.05w/v%;
(D)成分がアズレンスルホン酸及び/又はその塩の場合:これらが総量で、通常0.0001〜0.5w/v%、好ましくは0.0005〜0.1w/v%、更に好ましくは0.002〜0.05w/v%;
(D)成分がブロムフェナク及び/又はその塩の場合:これらが総量で、通常0.0001〜1w/v%、好ましくは0.001〜0.5w/v%、更に好ましくは0.01〜0.2w/v%;
(D)成分がパラオキシ安息香酸アルキルエステル及び/又はその塩の場合:これらが総量で、通常0.0001〜2w/v%、好ましくは0.0005〜1w/v%、更に好ましくは0.001〜0.5w/v%。
なお、(D)成分として2種以上のものを組み合わせて使用する場合、上述の水性組成物総量に対する(D)成分の総量(w/v%)の範囲内となるように、各(D)成分それぞれの配合割合を調整することが好ましい。
【0063】
また、本発明の水性組成物における(A)成分に対する(D)成分の比率については、特に制限されるものではないが、(B)成分の共存により不安定化される(A)成分の光安定性を、より一層効果的に改善するという観点から、(A)成分の総量100質量部当たり、(D)成分の総量が0.2〜100000質量部、好ましくは2〜50000質量部となる範囲が例示される。
【0064】
より具体的には、(A)成分の総量100質量部当たりの各(D)成分の比率として、以下の範囲が例示される:
(D)成分がグリチルリチン酸及び/又はその塩の場合:これらが総量で、通常2〜4000質量部、好ましくは10〜2000質量部、更に好ましくは15〜1500質量部、特に好ましくは20〜1000質量部;
(D)成分がイプシロンアミノカプロン酸及び/又はその塩の場合:これらが総量で、通常2〜100000質量部、好ましくは50〜70000質量部、更に好ましくは100〜50000質量部;
(D)成分がベルベリン及び/又はその塩の場合:これらが総量で、通常0.2〜1000質量部、好ましくは1〜200質量部、更に好ましくは2〜100質量部;
(D)成分がアズレンスルホン酸及び/又はその塩の場合:これらが総量で、通常0.2〜1000質量部、好ましくは1〜200質量部、更に好ましくは4〜100質量部;
(D)成分がブロムフェナク及び/又はその塩の場合:これらが総量で、通常0.2〜2000質量部、好ましくは2〜1000質量部、更に好ましくは20〜400質量部;
(D)成分がパラオキシ安息香酸アルキルエステル及び/又はその塩の場合:これらが総量で、通常0.2〜4000質量部、好ましくは1〜2000質量部、更に好ましくは2〜1000質量部。
なお、(D)成分として2種以上のものを組み合わせて使用する場合、上述の(A)成分100質量部に対する(D)成分の総量(質量部)の範囲内となるように、各(D)成分それぞれの配合割合を調整することが好ましい。
【0065】
本発明に係る(C)成分及び(D)成分は、(B)成分の共存により不安定化される(A)成分の光安定性を効果的に改善することができる。したがって、本発明に係る(C)成分及び(D)成分の組み合わせは、ペミロラスト及び/又はその塩と、非イオン界面活性剤及び/又はビタミンB6とを含有する水性組成物における、ペミロラスト及び/又はその塩の光安定性を改善するために使用することができる。この場合において、(C)成分及び(D)成分の各々は1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、各(C)成分及び(D)成分の組み合わせは、ペミロラスト及び/又はその塩と、非イオン界面活性剤及び/又はビタミンB6とを含有する水性組成物における、ペミロラスト及び/又はその塩の光安定性改善剤として用いることもできる。
【0066】
本発明の水性組成物は、上述した(A)〜(D)成分を少なくとも含有する。本発明の水性組成物において、(A)〜(D)成分の具体例として説明した各化合物は任意に組み合わせて用いることができる。中でも以下に示す組み合わせが特に好ましい。
【表1】

【0067】
本発明の水性組成物は、更に緩衝剤(「(E)成分」ともいう。)を含有してもよい。本発明の水性組成物に配合できる緩衝剤としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。かかる緩衝剤の一例として、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、トリス緩衝剤、アスパラギン酸、アスパラギン酸塩等が挙げられる。これらの緩衝剤は組み合わせて使用しても良い。
【0068】
ホウ酸緩衝剤としては、ホウ酸、又はホウ酸アルカリ金属塩、ホウ酸アルカリ土類金属塩等のホウ酸塩が挙げられる。リン酸緩衝剤としては、リン酸、又はリン酸アルカリ金属塩、リン酸アルカリ土類金属塩等のリン酸塩が挙げられる。炭酸緩衝剤としては、炭酸、又は炭酸アルカリ金属塩、炭酸アルカリ土類金属塩等の炭酸塩が挙げられる。クエン酸緩衝剤としては、クエン酸、又はクエン酸アルカリ金属塩、クエン酸アルカリ土類金属塩等が挙げられる。
【0069】
また、ホウ酸緩衝剤又はリン酸緩衝剤として、ホウ酸塩又はリン酸塩の水和物を用いてもよい。より具体的な例として、ホウ酸緩衝剤として、ホウ酸又はその塩(ホウ酸ナトリウム、テトラホウ酸カリウム、メタホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ砂等);リン酸緩衝剤として、リン酸又はその塩(リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム等);炭酸緩衝剤として、炭酸又はその塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウム等);クエン酸緩衝剤として、クエン酸又はその塩(クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸二ナトリウム等);酢酸緩衝剤として、酢酸又はその塩(酢酸アンモニウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸ナトリウム等);トリス緩衝剤として、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン又はその塩(塩酸塩、酢酸塩、スルホン酸塩等)等が例示できる。これらの緩衝剤は1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
【0070】
本発明者等は、ホウ酸若しくはその塩、又はリン酸若しくはその塩を用いた場合に、水性組成物中で非イオン界面活性剤及び/又はビタミンB6を共存させた場合のペミロラスト及び/又はその塩の光に対する安定性が低下する傾向が強くなり、中でもホウ酸又はその塩を用いた場合には、光に晒されたときに結晶析出を生じるほどの著しい光不安定化を生じることを明らかにした。然るに、本発明の水性組成物によれば、そのように著しい光不安定化をも高度に改善でき、製剤的な安定性に優れたペミロラスト及び/又はその塩を含有する水性組成物を提供することができる。かかる観点に鑑みれば、本発明で用いられる緩衝剤としては、ホウ酸緩衝剤及び/又はリン酸緩衝剤が好ましく、ホウ酸緩衝剤がより好ましく、ホウ酸とホウ酸のアルカリ金属塩との組み合わせが更に好ましく、ホウ酸とホウ砂との組み合わせが特に好ましい例として挙げることができる。
【0071】
本発明の水性組成物に緩衝剤を配合する場合、緩衝剤の配合割合については、使用する緩衝剤の種類、他の配合成分の種類や量、水性組成物の用途等に応じて異なり、一律に規定することはできないが、例えば、水性組成物の総量に対して、緩衝剤が総量で0.01〜10w/v%、好ましくは0.05〜5w/v%、更に好ましくは0.1〜2w/v%となる割合が例示される。
【0072】
本発明の水性組成物のpHについては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される範囲内であれば特に限定されるものではないが、好適なpHの一例として、pHが5.0以上、好ましくは5.0〜9.0、より好ましくは6.0〜9.0、更に好ましくは6.5〜9.0、特に好ましくは7.0〜9.0となる範囲が挙げられる。
【0073】
また、本発明の水性組成物の浸透圧については、生体に許容される範囲内であれば、特に制限されない。本発明の水性組成物の浸透圧比の一例として、好ましくは0.5〜5.0、更に好ましくは0.6〜3.0、特に好ましくは0.7〜2.0となる範囲が挙げられる。浸透圧の調整は無機塩、多価アルコール、糖アルコール、糖類等を用いて、当該技術分野で既知の方法で行うことができる。浸透圧比は、第十五改正日本薬局方に基づき286mOsm(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)の浸透圧に対する試料の浸透圧の比とし、浸透圧は日本薬局方記載の浸透圧測定法(氷点降下法)に従って測定する。なお、浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)は、塩化ナトリウム(日本薬局方標準試薬)を500〜650℃で40〜50分間乾燥した後、デシケーター(シリカゲル)中で放冷し、その0.900gを正確に量り、精製水に溶かし正確に100mLとして調製するか、市販の浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)を用いる。
【0074】
本発明の水性組成物は、本発明の効果を妨げない限り、上記成分の他に、種々の薬理活性成分や生理活性成分を組み合わせて適当量含有してもよい。このような薬理活性成分や生理活性成分としては、例えば、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、殺菌剤、ビタミン類、アミノ酸類、消炎剤、収斂剤、充血除去剤等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0075】
抗ヒスタミン剤又は抗アレルギー剤としては、トラニラスト、塩酸ジフェンヒドラミン、フマル酸ケトチフェン、クロモグリク酸ナトリウム等が挙げられる。殺菌剤としては、スルファメトキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、ポリヘキサメチレンビグアニド等が挙げられる。ビタミン類としては、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、パンテノール、パントテン酸ナトリウム、酢酸トコフェロール等が挙げられる。アミノ酸類としては、アミノエチルスルホン酸(タウリン)、グルタミン酸、アスパラギン酸カリウム、グルタミン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム等が挙げられる。消炎剤又は収斂剤としては、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、アラントイン、プラノプロフェン等が挙げられる。充血除去剤としては、塩酸ナファゾリン、硝酸ナファゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン等が挙げられる。その他にも、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ブドウ糖等が挙げられる。
これらの薬理活性成分及び生理活性成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
【0076】
また本発明の水性組成物には、発明の効果を損なわない範囲であれば、その用途や形態に応じて、常法に従い、薬学的に許容される担体や添加物を含有させてもよい。このような担体や添加物としては、例えば、等張化剤、増粘剤、糖類、糖アルコール類、防腐剤、殺菌剤、抗菌剤、pH調節剤、安定化剤、キレート剤、香料又は清涼化剤等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0077】
担体としては、水、含水エタノール等の水性担体等が挙げられる。等張化剤としては、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、グリセリン、プロピレングリコール等が挙げられる。増粘剤としては、コンドロイチン硫酸ナトリウム等が挙げられる。糖類としては、グルコース、シクロデキストリン等が挙げられる。糖アルコール類としては、キシリトール、ソルビトール、マンニトール等が挙げられ、これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤としては、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、安息香酸ナトリウム、エタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、グローキル(ローディア社製 商品名)等が挙げられる。pH調節剤としては、塩酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、硫酸、ポリリン酸、プロピオン酸、シュウ酸、グルコン酸、フマル酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、グルコノラクトン、酢酸アンモニウム等が挙げられる。安定化剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン、トロメタモール、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、トコフェロール、ピロ亜硫酸ナトリウム、モノエタノールアミン、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン等が挙げられる。キレート剤としては、アスコルビン酸、エデト酸四ナトリウム、エデト酸ナトリウム等が挙げられる。香料又は清涼化剤としては、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、ボルネオール、リモネン、リュウノウ等が挙げられ、これらは、d体、l体又はdl体のいずれでもよく、また精油(ハッカ油、クールミント油、スペアミント油、ペパーミント油、ウイキョウ油、ケイヒ油、ベルガモット油、ユーカリ油、ローズ油等)として配合してもよい。
これらの担体及び添加物は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
【0078】
本発明の水性組成物は、所望量の(A)〜(D)成分、必要に応じて他の配合成分を所望の濃度となるように添加することにより調製される。
【0079】
本発明の水性組成物は、目的に応じて種々の製剤形態をとることができる。例えば、本発明の水性組成物の形態として、液状、半固形状(軟膏等)等を挙げることができる。ここで水性組成物とは、水を含有する組成物を意味し、通常は、組成物中に水を1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、特に好ましくは90質量%以上含有するものを意味する。水性組成物に含有される水は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであればよい。例えば、蒸留水、常水、精製水、滅菌精製水、注射用水、注射用蒸留水を使用できる。これらの定義は第十五改正日本薬局方に基づく。
【0080】
また、本発明の水性組成物は、医薬品や医薬部外品等の製剤として使用でき、例えば、眼科用組成物、鼻腔用組成物、経口用組成物、点耳用組成物、皮下投与用組成物、皮膚外用組成物等の様々な用途で使用することができる。
【0081】
ここで、眼科用組成物には、点眼剤、人工涙液、洗眼剤、眼軟膏、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズケア用剤(コンタクトレンズ消毒剤、コンタクトレンズ用保存剤、コンタクトレンズ用洗浄剤、コンタクトレンズ用洗浄保存剤等が含まれる)等が含まれる。また、鼻腔用組成物には、点鼻剤、鼻洗浄液等が含まれる。経口用組成物には、内服薬(例えば、液剤、シロップ剤、エキス剤)、口腔咽頭薬、含嗽薬等が含まれる。点耳用組成物には、点耳薬が含まれる。皮下投与用組成物としては、注射剤等が含まれる。
【0082】
上記用途の中でも、眼科用組成物は、経口用組成物等の他の用途の組成物に比べて、配合成分の濃度(含有割合)が非常に低いことが多く、僅かの含有量低下であっても大きな問題となりかねない。とりわけ眼科用組成物の中でも点眼剤は、1回の使用量が極微量であるため含有量低下の影響は大きい。また、洗眼剤やコンタクトレンズケア用剤等は洗面台などの暗所下で保管されることが多いのに対し、点眼剤は、持ち歩かれることが多いことから、日中に車のダッシュボードの上に置かれたりするなどして光にも晒され易い。本発明の水性組成物によれば、このように光による影響を受け易い眼科用組成物(特に、点眼剤)についても、光安定性改善効果を有効に奏することができる。かかる本発明の効果に鑑みれば、本発明の水性組成物の好適な一例として、眼科用組成物が挙げられ、特に好適な例として点眼剤が挙げられる。
【0083】
本発明の水性組成物は、任意の容器に収容して提供される。本発明の水性組成物を収容する容器については特に制限されず、例えば、ガラス製であってもよく、またプラスチック製であってもよい。プラスチックとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド及びこれらを構成するモノマーの共重合体、並びにこれら2種以上を混合したものが挙げられる。また、本発明の水性組成物を収容する容器は、容器内部を視認できる透明容器であってもよく、容器内部の視認が困難な不透明容器であってもよい。
【0084】
本発明の水性組成物は、高い光安定性が獲得されるため、少なくとも一部が光透過性の容器に充填して提供することが可能である。例えば、透明容器と、その透明容器に充填された本発明の水性組成物とを有する水性組成物製品として提供することができる。この水性組成物製品は、内容物を視認することができ、異物検査が容易となり、また残存量等を簡便に判別することができる。
【0085】
ここで、少なくとも一部が光透過性の容器は、特に制限されるものではないが、光透過性部分における可視光線の透過率が40%以上であるものが好ましく、50%以上であるものがより好ましく、60%以上であるものが更に好ましい。本明細書において、可視光線の透過率とは、波長380〜780nmにおける平均光透過率を意味する。波長380〜780nmにおける平均光透過率は、波長380〜780nmの間で5nm毎に光透過率を測定し、得られた各光透過率からそれらの平均値を算出することによって求めることができる。光透過率は、JIS K7105に準じて測定される値である。
【0086】
また、上記容器は少なくとも一部が光透過性であればよく、必ずしも全面が光透過性である必要はない。好ましくは、内容物の性状や量を視認できる程度に光透過性の部分を有する容器である。例えば、容器の側面の面積の少なくとも80%以上、好ましくは90%以上が光透過性部分である容器が挙げられる。ここでいう容器の側面とは、容器の側面部分、すなわち、容器の全表面から容器のふたに被覆される部分と底に相当する部分を除いた部分を意味する。
【0087】
容器入り水性組成物の具体例としては、点眼剤、人工涙液、洗眼剤、眼軟膏、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズケア用剤(コンタクトレンズ消毒剤、コンタクトレンズ用保存剤、コンタクトレンズ用洗浄剤、コンタクトレンズ用洗浄保存剤等が含まれる)、点鼻剤、鼻洗浄液、内服薬(例えば、液剤、シロップ剤、エキス剤)、口腔咽頭薬、含嗽薬、点耳薬、注射剤等を、少なくとも一部が光透過性の容器に充填した製品が挙げられる。
【0088】
本発明の水性組成物は、(A)成分に基づいて抗アレルギー作用を発揮できるので、アレルギー性疾患の治療乃至予防に有用であり、例えば、花粉やハウスダスト(室内塵)等による目のアレルギー症状(例えば、目の充血、目のかゆみ、目のかすみ(目やにの多いとき等)、なみだ目、異物感(コロコロする感じ))の緩和剤として用いることができる。
【実施例】
【0089】
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0090】
〔試験例1:光安定性試験(1)〕
下記表2及び表3の処方に従って試験液を調製し、光に対するペミロラスト及び/又はその塩の安定性について評価を行った。具体的な実験手法及び結果を以下に示す。
【表2】


【表3】

【0091】
まず、表2及び3に示す各試験液を調製した。次いで、各試験液を表2及び3に記載の各種バイアルに5mlずつ充填して密封した。これらの試験液サンプルに対して、光安定性試験装置(「Light−Tron LT−120 D3CJ型」、ナガノ科学株式会社製)を用いて、D65ランプを光源として、25℃の下、0.5万lxの光を5日間連続照射し、試験液を積算照射量60万lx・hrの光に露光した(60万lx照射処理)。
【0092】
光照射処理後に、各試験液を取り出し、常法に従ってHPLC法によりペミロラストカリウムの含有量を測定した。次いで、下式Iに従い、参考比較例1におけるペミロラストカリウムの残存量(含有量)を100%とした場合の、各試験液(比較例及び実施例)におけるペミロラストカリウムの残存量の比を用いて、光安定性改善率(%)を算出した。
式I:光安定性改善率(%)={(各試験液のペミロラストカリウム残存量/対応する参考比較例のペミロラストカリウム残存量)−1}×100
【0093】
この結果を、上記表2及び3の最下欄に示す。上記表2及び3に示されるように、水性組成物中で(A)ペミロラストカリウムと(B)非イオン界面活性剤とを共存させることにより、(A)成分の光安定性が低下してしまうという全く新たな課題が存在することが示された(比較例1)。また、(C)マレイン酸クロルフェニラミンを単独で用いても、ペミロラストカリウムの光安定性改善効果は殆ど認められなかった(比較例2)。一方、(A)〜(C)成分に、更に(D)硫酸ベルベリン、アズレンスルホン酸ナトリウム、ブロムフェナクナトリウム・3/2水和物、グリチルリチン酸二カリウム、イプシロンアミノカプロン酸、パラオキシ安息香酸メチル及びパラオキシ安息香酸プロピルを配合して四成分を同時に組み合わせることにより、相乗効果的に水性組成物中におけるペミロラストカリウムの光安定性が改善されることが認められた(実施例1〜6)。
【0094】
〔試験例2:光安定性試験(2)〕
下記表4の処方に従って試験液を調製し、上記試験例1と同様にして、光に対するペミロラスト及び/又はその塩の安定性について評価を行った。次いで、下式IIに従い、各試験液について調製直後のペミロラスト含有量に対する、60万lx照射処理後のペミロラスト含有量の比を算出して、ペミロラストカリウム残存率(%)を求めた。
式II:ペミロラストカリウム残存率(%)=(60万lx照射処理後のペミロラストカリウムの含有量/調製直後のペミロラストカリウムの含有量)×100
【0095】
【表4】

【0096】
この結果を、上記表4の最下欄に示す。上記表4に示されるように、(B)ビタミンB6(塩酸ピリドキシン)を(A)ペミロラストカリウムと水性組成物中で共存させた場合にも、非イオン界面活性剤を共存させた場合のように、光に対するペミロラストカリウムの安定性を著しく低下させることが認められた(比較例2)。また、(A)及び(B)成分と共に、(C)マレイン酸クロルフェニラミン及び(D)硫酸ベルベリン、アズレンスルホン酸ナトリウム、ブロムフェナクナトリウム・3/2水和物、グリチルリチン酸二カリウム、イプシロンアミノカプロン酸、パラオキシ安息香酸メチル及びパラオキシ安息香酸プロピルを組み合わせることによって、水性組成物中で(B)成分を共存させることで生じる(A)成分の光安定性低下を大きく改善できることが認められた(実施例7〜12)。
【0097】
〔試験例3:光安定性試験(3)〕
下記表5の処方に従って試験液を調製し、光照射条件を、積算照射量120万lx・hr(120万lx照射処理)に変更した以外は上記試験例2と同様にして、光に対するペミロラスト及び/又はその塩の安定性について評価を行った。
【表5】

【0098】
この結果を、上記表5の最下欄に示す。上記表5に示されるように、ホウ酸又はその塩を用いた場合には、(A)ペミロラストカリウムと(B)非イオン界面活性剤とを共存させたときに特に著しいペミロラストカリウムの残存率低下が認められ、目視でも結晶析出が確認されるレベルであった(比較例3)。一方、このように著しい光不安定化を生じるホウ酸又はその塩を用いた場合であっても、(A)及び(B)成分と共に、(C)マレイン酸クロルフェニラミンと(D)硫酸ベルベリン、ブロムフェナクナトリウム・3/2水和物、グリチルリチン酸二カリウム、イプシロンアミノカプロン酸、パラオキシ安息香酸メチル及びパラオキシ安息香酸プロピルとを更に共存させることにより、かかる著しい光に対する不安定化が解消され、製剤的な安定性が効果的に改善できることが明らかとなった(実施例13〜17)。
【0099】
〔点眼剤の処方例〕
下記表6及び7に記載の処方で、点眼剤(処方例1〜16)が調製される。
【表6】

【0100】
【表7】

【0101】
〔試験例4:光安定性試験(4)〕
下記表8及び9の処方に従って試験液を調製し、光照射条件を、積算照射量120万lx・hr(120万lx照射処理)に変更した以外は上記試験例1と同様にして、光に対するペミロラスト及び/又はその塩の安定性について評価を行った。
【表8】


【表9】

【0102】
この結果を、上記表8及び9の最下欄に示す。上記表8及び9に示されるように、水性組成物中で(A)ペミロラストカリウムと(B)非イオン界面活性剤とを共存させたときに、(A)成分の光安定性が著しく低下することが認められた(比較例4及び7)。また、(A)及び(B)成分に、更に(D)グリチルリチン酸二カリウムを配合した場合、(A)及び(B)成分を共存させたときに生じる光安定性の著しい低下が緩和された(比較例5、6及び8)が、(A)成分のみの場合の光安定性には及ばなかった。一方、(A)及び(B)成分に、更に(C)マレイン酸クロルフェニラミン及び(D)グリチルリチン酸二カリウムを配合して四成分を同時に組み合わせることにより、水性組成物中におけるペミロラストカリウムの光安定性が顕著に改善され、製剤的な安定性が効果的に改善できることが明らかとなった(実施例18〜20)。(C)成分には光安定性改善効果が殆ど認められない(比較例2)ことを考慮すると、上記光安定性改善効果は、(C)成分と(D)成分とを組み合わせることにより相乗的に奏される極めて顕著な効果である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ペミロラスト及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種と、
(B)非イオン界面活性剤及びビタミンB6からなる群より選択される少なくとも1種と、
(C)クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種と、
(D)グリチルリチン酸、イプシロンアミノカプロン酸、ベルベリン、アズレンスルホン酸、ブロムフェナク、パラオキシ安息香酸アルキルエステル及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種と、
を含有する、水性組成物。
【請求項2】
(E)ホウ酸又はその塩を含有する、請求項1に記載の水性組成物。
【請求項3】
眼科用である、請求項1又は2に記載の水性組成物。
【請求項4】
点眼剤である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の水性組成物が、少なくとも一部が光透過性の容器に充填された、容器入り水性組成物。

【公開番号】特開2012−224630(P2012−224630A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−88787(P2012−88787)
【出願日】平成24年4月9日(2012.4.9)
【出願人】(000115991)ロート製薬株式会社 (366)
【Fターム(参考)】