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ペリクル収納容器
説明

ペリクル収納容器

【課題】蓋の目視検査性の向上を図ることができると共に、歩留まりをよくできるペリクル収納容器を提供する。
【解決手段】ペリクル収納容器1は、ペリクル3を載置するペリクル載置台5と、ペリクル載置台5の上部を覆う蓋7と、を備え、蓋7は光線透過率が60%以下の部分を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)を構成する薄膜トランジスタ(TFT:ThinFilm Transistor)やカラーフィルター(CF:Color Filter)等を製造する際のフォトリソグラフィー工程で使用されるフォトマスクやレティクルに異物が付着することを防止するために用いられるペリクルを収納する容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、半導体装置や液晶ディスプレイ等の微細回路パターン製造時のフォトリソグラフィー工程においては、一般にペリクルと呼ばれる防塵手段を用いて、フォトマスクやレティクルへの異物の付着を防止することが行われている。
【0003】
ペリクルは、例えばフォトマスク或いはレティクルの形状に合わせた形状を有する厚さと幅が数ミリ程度の枠体の上縁面に、厚さ10μm以下のニトロセルロース、セルロース誘導体、または含フッ素ポリマーなどの透明な高分子膜であるペリクル膜を展張して接着し、かつ該枠体の下縁面に粘着材を塗着すると共に、この粘着材に所定の接着力で保護フィルムを粘着させたものである。この粘着材は、ペリクルをフォトマスク或いはレティクルに固着するためのものであり、また、保護フィルムは、粘着材がその用に供されるまでその粘着材の接着力を維持するために、粘着材の接着面を保護するものである。
【0004】
このようなペリクルは、一般的には、ペリクルを製造するメーカー(以下「製造者」ともいう。)から、フォトマスク或いはレティクル(以下「マスク等」ともいう。)を製造するメーカー(以下「使用者」ともいう。)に供給される。使用者は、ペリクルをマスク等に貼付の後、ペリクルで保護されたマスク等を半導体メーカー、液晶パネルメーカー等のリソグラフィーを行うメーカーに供給する。
【0005】
このペリクルを製造者から使用者に運搬するにあたっては、ペリクルに異物が付着するのを防ぎ、或いはペリクルが損傷するのを防ぐために、ペリクルをペリクル載置台と蓋とからなるペリクル収納容器内に収納し、更に防塵袋等に収納して運搬するのが一般的である。ペリクル収納容器の蓋は、ペリクル載置台上に被せた状態でペリクル載置台と接触する外周部と、外周部の内側部分であってその状態でペリクル載置台と接触しない天井部とからなっている。
【0006】
ところで、ペリクル収納容器、特に蓋に異物が付着していると、輸送中等の揺れにより異物がペリクル収納容器に収納されたペリクル膜等に移動したり、また、防塵袋からの出し入れ時に袋とペリクル収納容器との静電気により異物が該容器の外側に付着しやすくなり、異物混入不可のために密閉状態にされたペリクル収納容器において蓋を開放するときに、圧の影響で外側に付着していた異物がペリクル膜に移動する可能性もある。異物が付着したペリクルをフォトマスクやレティクルに貼着して使用した場合、異物がマスクやレティクルニ移動して回路パターンに欠損を生じる恐れがある。
【0007】
このため、ペリクル収納容器は、クリーンルーム内で洗浄した後、集光灯で異物検査を目視検査にて実施している。目視検査に関しては、ペリクル収容容器の蓋のマンセル値を規定することで、検査性をよくした技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−100394号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
通常、ペリクル収納容器の蓋は、無色透明で構成されており、容器内のペリクルの有無の目視検査を容易にしているのが一般的である。ペリクル載置台においては、目視検査しやすいように黒色のものを使用している。
【0010】
蓋及びペリクル載置台は、樹脂を真空成形したものが使用されるが、その成形工程において、フィッシュアイと呼ばれる異物と誤認しやすいものがでてくる場合がある。フィッシュアイとは、真空成形時に樹脂を溶解するが溶解せずに残った樹脂粒が混入すると、魚の目のような形状になって外観が損なわれる現象のことを言う。このフィッシュアイは、成型したものから飛びだすことはないので品質上問題にはならないが、クリーンルームの暗室で行われる集光灯の目視検査では、異物と誤認するため、検査にかなりの時間を要する。ここで、蓋にフィッシュアイが見られる場合は、蓋が無色透明であるケースが一般的であり、特にケース天井部の平板の面積は大きくなるケースが多く、ケース天井部の検査には時間を要する。
【0011】
さらに、フィッシュアイが多数存在する場合、より外観が損なわれ、また、異物との誤認が多くなり検査時間をより要するという理由から、実質的な異物の付着が無い場合でも、収納容器として使用できず、歩留りが低下するという問題がある。
【0012】
また、ペリクル膜の面積が1000cm以上、更には、3000cm以上、更には、5000cm以上である場合、収納容器もペリクル膜の面積に伴って大きくなる。そのため、洗浄はもちろん、その後の目視検査により時間を要するため歩留まりが悪い傾向にあった。
【0013】
また、ペリクル収納容器を水洗やシャワー等で洗浄後、クリーン布で吹上げたりする。このような場合に、ブリードアウトした添加剤等が白粉として噴出すことがある。この白粉は、吹上げを繰り返してもでてくることがあるため、洗浄に時間を要することがある。
【0014】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、蓋の目視検査性の向上を図ることができると共に、歩留まりをよくできるペリクル収納容器を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者は、上述の課題に対して、ペリクル載置台の表面加工を工夫することにより、目視検査性が向上することを見出して本発明に至った。
【0016】
すなわち、本発明に係るペリクル収納容器は、ペリクルを収容するペリクル収納容器であって、ペリクルを載置可能に構成されたペリクル載置台と、ペリクル載置台を覆う蓋と、を備え、蓋は、光線透過率が60%以下の部分を有する。
【0017】
蓋は、ペリクル載置台に接触する枠状の外周部と、外周部の内側に位置し、外周部から離間して配置される天井部と、外周部の内縁から起立し、外周部と天井部とを連結する側面部と、を有する。
【0018】
天井部が凹凸形状を有する。この凹凸形状の表面粗さRaが、0.1μm〜15μmであるか、または、表面うねりWaが、2.0μm〜50μmである。また、凹凸形状は、天井部の外面に形成されていることが好ましい。
【0019】
蓋は、光線透過率が60%より大きい部分を有する。
【0020】
ペリクル載置台が凹凸形状を有する。ペリクル載置台の凹凸形状は、ペリクルが載置されたときに、ペリクルの内側に対応する部分に形成されている。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、蓋の目視検査性の向上を図ることができると共に、歩留まりをよくできる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】一実施形態に係るペリクル収容容器を示す斜視図である。
【図2】図1におけるII−II線断面図である。
【図3】天井部の表面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0024】
図1は、一実施形態に係るペリクル収容容器を示す斜視図である。図2は、図1におけるII−II線断面図である。なお、図1及び図2においては、ペリクル収納容器1にペリクル3を収容した状態を示している。
【0025】
最初に、ペリクル収納容器1に収容されるペリクル3について説明する。ペリクル3は、ペリクル膜3aと、ペリクル膜3aが貼着されたペリクルフレーム3bと、ペリクルフレーム3bをマスクやレティクルに貼着するためのマスク用粘着材3cとを有して構成されている。
【0026】
続いて、ペリクル収納容器1について詳細に説明する。図1及び図2に示すように、ペリクル収納容器1は、ペリクル3を載置するペリクル載置台5と、ペリクル載置台5の上部を覆う蓋7とから構成されている。
【0027】
ペリクル載置台5は、上から見て略矩形形状を呈しており、所定の厚みを有する板状の部材である。ペリクル載置台5は、ペリクル3が載置されるペリクル載置面5aを有している。ペリクル載置面5aは、平坦面である。
【0028】
蓋7は、上から見て略矩形形状を呈しており、透明性を有する部材から形成されている。蓋7は、ペリクル3の収納時にペリクル載置台5に接触する外周部9と、外周部9の内側に位置しペリクル載置台5と接触しない内周部11とを有している。
【0029】
外周部9は、平坦で方形の枠形状を有し、ペリクル載置台5のペリクル載置面5aの外周部に気密に接触可能に構成されている。外周部9は、平板状に限られず、蓋7とペリクル載置台5が互いに嵌合するような凹凸構造が設けられていてもよい。
【0030】
内周部11は、ペリクル3を収容する空間を、ペリクル載置台5のペリクル載置面5aと共に画成している。内周部11は、外周部9の内側で中央に位置し、外周部9から離間して配置される略平板状の天井部13と、天井部13の周囲に位置し天井部13と外周部9を連結する側面部15とを有している。天井部13は、外周部9と略平行をなしている。側面部15は、外周部9の内縁から上方に起立している。蓋7は、外周部9、天井部13及び側面部15が一体に形成されている。なお、蓋7は、ペリクル3を収容する空間を画成する構成であればよく、その形状は上記の形状に限定されない。
【0031】
ペリクル載置台5及び蓋7の材質は、特に限定するものではないが、エンジニアリングプラスチック、強化プラスチック、金属などが挙げられる。軽量化・成型性の観点からは、プラスチック素材が選択される場合が多く、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂などを用いることができる。更に、上記樹脂以外に、ポリエチレンテレフタレート以外のポリエステル樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン樹脂等のポリスチレン系樹脂等を用いることもできる。上記の樹脂には、制電性を付与してもよい。また、繊維強化プラスチックも用いることができる。
【0032】
ペリクル載置台5及び蓋7は、上述の材質の板を用いて、真空成形或いは射出成形、または、貼り合せなどの組立にて製造される。用いられる板の厚さは、1mm〜10mm程度が望ましい。大型の収納容器の場合は、射出成形で成形することは技術的難易度が高くなるため、真空成形がより好ましい。
【0033】
なお、ペリクル載置台5及び蓋7の寸法は、ペリクル2が収納されるペリクルフレーム3bの大きさにより適宜設定される。
【0034】
ペリクル2のペリクル載置台5への固定方法としては、マスク用粘着材3cの表面に配置される離型紙等の保護フィルム等からなる離型材3dのはみ出し部位を粘着テープによりペリクル載置台5に貼着したり、ペリクルフレーム3bに形成した係止溝にペリクル載置台5に設けた係止部材を係止したり、ペリクル載置台5と蓋7とでペリクルフレーム3bを挟持して固定するなど、公知の方法ならば何でもよい。
【0035】
図1及び図2に示すように、ペリクル収納容器1では、ペリクル載置台5のペリクル2のペリクル載置面5a上にペリクル2を載置した状態でペリクル載置台5に蓋7を被せることによってペリクル2を収納する。ペリクル載置台5と蓋7とを合わせた後は、四方の角にクリップなどを差し込んで留めるか、或いは粘着テープを周端辺に張り巡らすことによって密封するなど、公知の方法ならば何でもよい。
【0036】
本実施形態のペリクル収納容器1は、蓋7の目視検査性の向上を有することを特徴とするものである。その特徴について、以下に詳細に説明する。
【0037】
蓋7は、通常、ペリクル2がペリクル収納容器1に存在するのかを確認でききるように透明の部材で形成されているが、透明であるために目視検査性に時間がかかっていた。ペリクル収納容器1の蓋7は、どちらかと言えば、ペリクル3に異物が付着しないように蓋7の内側が特にクリーンな状態であるべきである。ペリクル3の大型化に伴いペリクル収納容器1も大型となるため、異物と関係ないがフィッシュアイが存在したり、蓋7の中に存在する気泡や傷などが発生する場合もある。
【0038】
目視検査は、クリーンルームの暗室で検査したい面から集光灯を照射して熟練者が行う作業であるが、上記のようなフィッシュアイや気泡等が集光灯下では、熟練者でも異物と誤認してしまうために、上記異物を除去する作業を行うため、かなりの時間を要していた。また、透明であるため検査したい面から集光灯を照射すると異物が内側か、外側かどちらかにあるかがわかりにくい場合があり、これにもかなりの時間を要していた。このため、蓋7の光線透過率が60%以下であれば集光灯を照射しても、異物が内側か、或いは外側かのどちらかにあるかがが明確になる。
【0039】
この光線透過率は、440nm〜600nmの波長において60%以下あるとよい。これは、目視できる波長においてこのようにいえる。更には、50%以下、好ましくは40%以下あればよく、1%以上あればよい。1%より小さいと、濃い色になり蓋からペリクルの存在が全く不明になるため好ましくない。
【0040】
また、光線透過率を60%以下にする手段としては、着色、反射を向上させるフィルムの貼合、表面形状を工夫するなどある。特に、例えば図3に示すように、天井部13が凹凸形状を有することが好ましい。凹凸形状は、蓋7の天井部13の内側、外側、どちらか一方かまたは両方でもよいが、より好ましい形態としては、外側(外面)に凹凸形状を有することが好ましい。内側に凹凸形状を形成すると、そこに異物が挟まってしまった場合に落ちにくくなり、輸送中の振動にて異物が落ちた場合は、ペリクル膜3aに付着するおそれがあるからである。一方で、外側に凹凸形状を形成すると、内側に形成する場合に比べて、異物の混入を防止できる。また、ブリードアウトが目立たなくなるため、清浄性が向上する。
【0041】
天井部13の凹凸形状の中心線平均の表面粗さRaは、0.1μm〜15μmであり、0.5μm〜13μmが好ましく、1.0μm〜10μmがより好ましい。
【0042】
表面粗さRaが、0.1μm〜15μmの範囲であれば、目に見える異物が細かい粗さにはまってしまうおそれがない。また、ブリードアウトをなくすことができるため好ましい。さらに、防塵袋からの出し入れの際に、通常の平板状と比較すると静電気がおこりにくいために異物が付着しにくい傾向にある。または、表面うねりWaが、2.0μm〜50μmであり、3.0μm〜45μmが好ましく、5.0μm〜40μmがより好ましい。
【0043】
表面うねりWaが2.0μm〜50μmの範囲であれば、ブリードアウトの観点からも好ましく、更には、防塵袋等の接触面積が減ることで帯電量が減る傾向にある。Waが2.0μmより小さいと、スクリーン効果が得られないために異物の検査性がしにくくなる。また、上記範囲内であれば、防塵袋からの出し入れの際に、通常の平板状と比較すると静電気がおこりにくいために異物が付着しにくい傾向にある。また、防塵袋等に異物が混入しても異物との接触面積が少ないために、蓋に傷がつきにくいため、リサイクルされる可能性が高くなる。
【0044】
上記のように、天井部13において光線透過率が60%以下の部分は、蓋7の全面であってもよいが、従来からの要望である蓋7が閉まった状態からペリクル3の存在の有無が確認できることが好ましいため、このペリクルフレーム3bが見える部分を一部、従来と同様な透明にしてもよい。例えば、蓋7において側面部15だけを透明にするか、ペリクル3のペリクルフレーム3bの上方だけを透明にするなどしてもよい。
【0045】
上記のような蓋7を作製する手段としては、樹脂のシートが凹凸形状をもっているものを使用することも可能であるし、蓋7を作製後、凹凸形状を加工してもよいし、凹凸形状を有した金型から蓋を作製することも可能である。
【0046】
大型のペリクル3を収容するペリクル収納容器1の蓋7は、大きいために、真空成型を使用することが一般的である。蓋7の場合、うねっていることも必要なことと、ペリクル3の有無が確認できるように一部透明にすることが必要なため、金型に凹凸形状を設けて、真空成型することで、この一部透明にすることが可能になる。
【0047】
ペリクル載置台5は、異物検査性がよいように黒い色が通常である。この場合もフィッシュアイやブリードアウトがおこるために異物検査性に時間を要していた。このために、ペリクル載置台5にも凹凸形状を有することで、蓋7と同じ効果を得ることができる。更には、艶消しの効果も得られるため、通常品より目視検査性が向上する。この凹凸形状は、表面粗さがRa2.0〜10.0μmであれば好ましい。より好ましくは、表面粗さRaが3.0μm〜8.0μmである。
【0048】
なお、凹凸形状を有するペリクル載置台5の場合、うねりがあるとマスク粘着剤の平坦性等に悪影響をあたえるため、うねりは小さい方が好ましい。
【0049】
ペリクル載置台5の凹凸形状は、ペリクル3がペリクル載置面5aに載置されたときに、ペリクル3の内側に形成されていることが好ましい。ペリクル2が載置される下面部分は特に異物が付着していない方が好ましい。また、ペリクル載置台5の全面に凹凸形状が形成されていてもよい。
【0050】
上記のようなペリクル載置台を作製する手段としては、樹脂のシートが凹凸形状をもっているものを使用することも可能であるし、ペリクル載置台5を作製後、凹凸形状を加工してもよいし、凹凸形状を有した金型からペリクル載置台を作製することも可能である。
【0051】
大型のペリクル3を収容するペリクル収納容器1のペリクル載置台5は、大きいために、真空成型を使用することが一般的である。ペリクル載置台5の場合、凹凸形状が細かくてうねっていないことが必要なため、樹脂のシートに凹凸形状を有しているものを成型することが好ましい。
【実施例】
【0052】
次に、実施例及び比較例を挙げて本実施形態をより具体的に説明するが、本実施の形態はその要旨を超えない限り、下記の実施例に限定されるものではない。
【0053】
[評価方法]
(1)光線透過率測定
蓋を150mm×170mmの長方形に切り出した後、切り出した長方形の長辺と短辺をそれぞれ3等分するように直線を引いて9等分割し、各長方形の中心点を位置決めした。当該中心点の光線透過率を、透過分光膜厚計(大塚電子株式会社、FE1300)を用いて測定した(測定波長440〜600nm)。測定された9点の測定値の平均値を光線透過率とした。
(2)表面粗さRa,Wa(μm)
蓋を150mm×170mmの長方形に切り出した後、長方形の中心点、中心点を囲んで対角線上に4点の計5点を触針式表面粗さ測定機 サーフコム480A(東京精密製)を用いて測定した。条件として、評価長さを40mm、カットオフ値を0.8mm、測定速度を0.3mm/sとした。算術平均粗さRa,算術平均うねりWaを測定後、5箇所の平均値をそれぞれRa,Waとした。
[実施例1]
ペリクル収納容器の蓋は、外寸が640mm×950mm×35mmの、3mm厚のABS樹脂板を用意した。真空成型する金型全面に凹凸形状をもうけ、ABS樹脂板を真空成型した。ペリクル載置台は、外寸640mm×950mm×75mmの、3mm厚のカーボンを含んだABS樹脂を真空成型した。色は黒色とした。この蓋を用いて、内側から光線透過率を測定したところ8%であった。表面粗さRaは、3.5μmであり、Waが18.5μmであった。この蓋の内側に15μmの異物を25個つけて通常の目視検査を実施した。10名の検査者で実施し、その平均時間を表1に記載する。また、ペリクル載置台も目視検査を実施した。フィッシュアイが目立つ場合を×、フィッシュアイが目立たない場合を○として、その結果を表1に記載する。
【表1】

【0054】
また、上記の蓋とペリクル載置台を用意して、通常の防塵袋から出し入れを5回行い、直後の帯電量を測定した。測定箇所は、蓋の天井部の左側から左上、左中央、左下、中央上、中央、中央下、右上、右中央、右下の9箇所を帯電量測定機器 シスコ静電気測定器 FMX−003にて測定した。ブランクとしては、使用前に蓋をイオナイザー下に曝して蓋の帯電量を下げておき、その値をブランクとした(測定箇所は、上記9箇所)。各々9箇所の直後の帯電量からブランクを差し引いた値を変化量として、その変化量の総和を帯電量とした。帯電量の総和が、3.0〜10.0kvを「◎」、10.0〜15.0kvを「△」、15.0〜20kvを「×」とし、その結果を表1に記載する。
【0055】
[実施例2]
ペリクル収納容器の蓋は、外寸1700mm×1400mm×65mmの、3mm厚のアクリル板を用意した。真空成型する金型全面に凹凸形状をもうけ、アクリル板を真空成型した。ペリクル載置台は、外寸1700mm×1400mm×140mmの、5mm厚のカーボンを含むABS樹脂を内面が凹凸形状のシートの2層に成型したシートを真空成型し、内面側全面を凹凸形状とした。色は黒色とした以外は、実施例1と同様な評価を実施した。上記の蓋を用いて、内側から光線透過率を測定したところ15%であった。その結果を表1に記載する。
【0056】
[比較例1]
凹凸形状を付与しない蓋を使用した収納容器とする以外は実施例1と同様の収納容器を用いた。評価も実施例1と同様に実施した。その結果を表1に記載する。同じ外寸のペリクル収納容器の蓋で比べると、検査時間が10分増加した。
【符号の説明】
【0057】
1…ペリクル収納容器、3…ペリクル、5…ペリクル載置台、7…蓋、9…外周部、13…天井部、15…側面部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペリクルを収容するペリクル収納容器であって、
前記ペリクルを載置可能に構成されたペリクル載置台と、
前記ペリクル載置台を覆う蓋と、を備え、
前記蓋は、光線透過率が60%以下の部分を有する、ペリクル収納容器。
【請求項2】
前記蓋は、
前記ペリクル載置台に接触する枠状の外周部と、
前記外周部の内側に位置し、前記外周部から離間して配置される天井部と、
前記外周部の内縁から起立し、前記外周部と前記天井部とを連結する側面部と、
を有する、請求項1記載のペリクル収納容器。
【請求項3】
前記天井部が凹凸形状を有する、請求項2に記載のペリクル収納容器。
【請求項4】
前記凹凸形状の表面粗さRaが、0.1μm〜15μmであるか、または、表面うねりWaが、2.0μm〜50μmである、請求項3に記載のペリクル収納容器。
【請求項5】
前記凹凸形状は、前記天井部の外面に形成されている、請求項3または4に記載のペリクル収納容器。
【請求項6】
前記蓋は、光線透過率が60%より大きい部分を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のペリクル収納容器。
【請求項7】
前記ペリクル載置台が凹凸形状を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のペリクル収納容器。
【請求項8】
前記ペリクル載置台の前記凹凸形状は、前記ペリクルが載置されたときに、前記ペリクルの内側に対応する部分に形成されている、請求項7に記載のペリクル収納容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−101188(P2013−101188A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243874(P2011−243874)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(309002329)旭化成イーマテリアルズ株式会社 (771)
【Fターム(参考)】