ペルフルオロエラストマー材料を表面に結合する方法
本発明は、以下の工程:(a)第1表面を、硬化性ペルフルオロポリマーと硬化剤とを含む結合剤と接触させる工程;(b)この結合剤を硬化させて、第1表面に結合しているペルフルオロエラストマー材料を形成する工程を含む、第1表面にペルフルオロエラストマー材料を結合する方法を含む。該方法の実施では、結合剤は、硬化性ペルフルオロエラストマーと硬化剤を溶媒に溶解して調製した溶液でよい。本発明の実施形態では、工程(b)で形成されるペルフルオロエラストマー材料がコーティング層であるか、或いは、第1表面がペルフルオロエラストマー部材の表面であり、かつ形成されるペルフルオロエラストマー材料がペルフルオロエラストマー密着部である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
この出願は、2007年1月26日提出の米国仮特許出願第60/897,660号及び2007年1月26日提出の米国仮特許出願第60/897,651号の優先権を主張し、各仮特許出願の内容を参照によって本明細書に援用する。
【背景技術】
【0002】
〔発明の背景〕
ペルフルオロエラストマーは、種々のタイプのO-リング又はシールを形成するために手軽に使用されている。このようなシールは一般的に、まず所望シール構造のシール用の完全な型を作製してから、硬化剤と共にペルフルオロポリマーを含む化合物を圧縮成形して完全に硬化したペルフルオロエラストマーシール又は他の部品を形成することによって製造される。しかし、ますます大きなシール又は特殊な構造に対する要求が増え続けるにつれて、完全な部品を成形するのはますます高価になり、経済的実用性が低くなっている。これは、このような部品を形成するためには型のみならず、成形操作に関連するプレス機及びポンプといった、大きいか又は特殊な大きさの型を取り扱うのに十分な構造基盤が必要なためである。
【0003】
この要求に対処するために開発された1つのアプローチは、棒原料からシールを製造し、2つの棒原料端部を一緒に接合して必要な大きさのシールを形成することだった。伝統的な接合技術は、ペルフルオロエラストマーについてはあまりうまくいかないことが判明している。これまでに開発された接着剤は、一般にペルフルオロエラストマーの耐薬品性と適合しないので、接着剤による接合は攻撃しやすいというシールの弱点をもたらす。
硬化したペルフルオロエラストマーをそれ自体に熱可塑性ペルフルオロポリマー結合剤を用いて結合する方法が開示されている。しかし、該プロセスは、ペルフルオロエラストマー端部の融合をもたらし、中間溶融層、すなわち溶融ペルフルオロポリマーの層をもたらす。これは、ペルフルオロエラストマー部品内に不均質部分、すなわち溶融ペルフルオロポリマー層を与える。こうして、この溶融ペルフルオロポリマーは、ペルフルオロエラストマーシール材料の残部と比べて高い化学的又は物理的攻撃に対する感受性、高い圧縮永久歪み及び少ない低温コンプライアンスのため「弱」点となり得た。従って、当技術分野では、簡単かつ経済的で、固体完成品の強度を実質的に保持する均質な完成部品を提供する、ペルフルオロエラストマー及びペルフルオロエラストマーから形成された部品を結合及び/又は密着させる(welding)改良された方法が求められている。
しかし、ペルフルオロエラストマー表面を接合することに関連する課題に加え、上述したようにペルフルオロエラストマーが典型的に硬化かつ形成される様式、及びその特殊な加硫特性(物理的及び溶解特性を含む)の長所により、ペルフルオロエラストマーが、その耐薬品性及びエラストマー特性、例えば表面安定化又は他のコーティング用途において別の面で有利であろう特定の用途及び応用にはうまく適合されていないことが知られている。
【0004】
Fluorinert(登録商標)FC-40、FC-75及びFC-77等のフッ素化溶媒に硬化性ペルフルオロポリマーを溶解してコーティングを調製しようと試みられたが、結果として生じたコーティングは架橋しなかったので、通常、流れ又は特定溶媒に耐性でない。硬化剤、例えば、共硬化剤を付随する有機ペルオキシド;例えば、イソシアヌル酸トリアリル(TAIC)を組み込む試みは、未硬化ペルフルオロポリマーを溶解するのに必要な高フッ素化溶媒中における該炭化水素含有硬化剤の不十分な溶解度のため成功しなかった。同様に、ビスフェニルベース硬化剤、例えばビスアミノフェノール(BOAP)も、BOAPで硬化可能なペルフルオロポリマー、例えばシアノ基含有硬化部位モノマー(curesite monomer)を有するポリマーを溶解するために必要なこのような高フッ素化溶媒中では、典型的に不十分な溶解度を示す。
この高分子量の硬化性ペルフルオロポリマーを溶液中で硬化させる能力の欠如は、未硬化材料の「流れ」が許容可能な重要でない用途に、ペルフルオロエラストマーコーティングの用途を限定していた。
【0005】
従来、ペルフルオロエラストマーコーティングを形成する試みが行われてきたが、用途及びコーティングに形成される特定のペルフルオロポリマー系は制限されている。米国特許第6,523,650号は、静電印刷成分上で外部コーティングとしてのペルフルオロエラストマーコーティングの使用の一例を提供している。この特許は、3-フェノキシプロピルビニルエーテルと少なくとも1種のフッ素含有エチレン性不飽和モノマーとから誘導されたエラストマーDuPont Kalrez(登録商標)ペルフルオロエラストマーを溶媒に溶解し、それをコーティングとして適用(apply)することを述べている。しかし、この特許は、溶解状態でペルフルオロエラストマーが硬化状態であるのか、及び/又は硬化系が溶解によってどのように影響を受けるかについて述べていない。
米国特許第5,268,002号は、薄膜用反射防止膜として作用する、低分子量ペルフルオロエラストマーポリマーで形成されたコーティングによる、フォトマスク適用の薄膜のコーティングを教示している。該薄膜は、とりわけニトロセルロースのようなポリマーのコア層を有する。ペルフルオロエラストマーポリマーとして、テトラフルオロエチレン(TFE)、ペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)及び硬化部位モノマー、例えばペルフルオロ-(8-シアノ-5-メチル-3,6-ジオキサ-1-オクテン)(8-CNVE)が挙げられる。この特許は、該ポリマーを用いて、上記エラストマーを熱分解してから、Fluorinert(登録商標)FC-40、Fluorinert(登録商標)FC-75又はFluorinert(登録商標)FC-77等のフルオロカーボン溶媒に低分子量ポリマーを溶解することによって、これらの成分を有する低分子量のペルフルオロエラストマーを形成する。熱分解は溶解度を高め、結果として生じた材料をコーティング形態で使用できるようにする。米国特許第5,256,747号をも参照されたい。
【0006】
さらに、当技術分野では、プロセス設備で使うのに適したコーティング特性を維持しながら、複雑なプロセス工程なしで標準的な硬化系及び最終的な硬化ペルフルオロエラストマー化合物の使用を可能にすることなどを含む、標準的ペルフルオロエラストマーコーティングの利点(低分子量コーティングとは対照的に)を組み込める、形成しやすい表面コーティング及びその調製方法が要望されている。本明細書で開示する発明は、この要望と上述したペルフルオロエラストマーの連結又は接合方法の要求に対処する。
【0007】
本発明のいくつかの実施形態には、以下の工程:(a)第1表面を、硬化性ペルフルオロポリマー及び硬化剤を含む結合剤と接触させる工程;及び(b)結合剤を硬化させて、第1表面に結合したペルフルオロエラストマー材料を形成する工程を含む、ペルフルオロエラストマー材料を第1表面に結合する方法が包含される。該方法の実施では、結合剤は、硬化性ペルフルオロエラストマー及び硬化剤を溶媒に溶解することによって調製した溶液でよい。本発明の実施形態では、工程(b)で形成されたペルフルオロエラストマー材料がコーティング層であり、或いは、第1表面がペルフルオロエラストマー部材の表面で、形成されたペルフルオロエラストマー材料がペルフルオロエラストマー密着部(weld)である。
本方法の一実施形態では、第1表面がペルフルオロエラストマー部材の表面であり、結合剤が第2表面にも接触し、かつ工程(c)が、結合剤を硬化させて第1表面と第2表面との間にペルフルオロエラストマー密着部を形成する工程をさらに含む。硬化すると、ペルフルオロエラストマー密着部は、ペルフルオロエラストマー部材と本質的に同一のペルフルオロエラストマーを含む。
本発明の実施形態は、以下の工程:(a)硬化性ペルフルオロポリマーと硬化剤を溶媒に溶解して溶液を形成する工程;(b)この溶液を表面に適用する工程;及び(c)ペルフルオロポリマーを硬化させて、表面上に硬化したペルフルオロエラストマーコーティングを形成する工程を含む、ペルフルオロエラストマーコーティングの形成方法をも包含する。さらに、基材の少なくとも1つの表面に適用された硬化したペルフルオロエラストマーコーティングを含む被覆基材も本発明の範囲内である。
本発明の別の実施形態では、ペルフルオロエラストマー部材を表面に結合する方法が開示される。この方法は、(a)ペルフルオロエラストマー部材の第1表面を、硬化性ペルフルオロポリマー及び硬化剤を含む結合剤と接触させる工程;(b)結合剤を第2表面にも接触させる工程;及び(c)結合剤を硬化させて、第1及び第2表面間にペルフルオロエラストマー密着部を形成する工程を含み、硬化すると、ペルフルオロエラストマー密着部はペルフルオロエラストマー部材と本質的に同一のペルフルオロエラストマーを含む。
別の実施形態では、ペルフルオロエラストマーシールをグランドに結合する方法が開示され、この方法は、硬化性ペルフルオロポリマー及び硬化剤を含む結合剤を、ペルフルオロエラストマーシールとグランドの間に形成された間隙内に置く工程;及び結合剤を硬化させる工程を含み;硬化すると、ペルフルオロポリマーが、ペルフルオロエラストマーシールと本質的に同一のペルフルオロエラストマーを形成する。
【0008】
〔発明の詳細な説明〕
本明細書では、ペルフルオロエラストマー材料を第1表面、任意に、第2表面に結合する方法について述べる。本方法を用いて製造されるシール及び被覆基材などの物品も包含される。本明細書で使用する場合、ペルフルオロエラストマー材料は、硬化を可能にするための架橋基を有する硬化性ペルフルオロポリマーを含むペルフルオロエラストマー(本明細書の定義どおり)を硬化させることによって誘導されるいずれの硬化したエラストマー材料でもよい。ペルフルオロエラストマーは実質的にフッ素化され、好ましくはペルフルオロポリマーの骨格上の炭素原子について完全にフッ素化されている。いくつかのペルフルオロエラストマー製剤で官能性架橋基中の水素を使用する予定の架橋ではペルフルオロエラストマー中にいくらかの残存水素が存在してよいことが分かるだろう。一般に、一度硬化したペルフルオロエラストマーは、例えば、シール等の架橋したポリマー定形品として使用される。
硬化によってペルフルオロエラストマー材料を形成するために使用するペルフルオロポリマーは、それ自体、1つ以上の過フッ素化モノマー(その1つは好ましくは硬化を可能にするための官能基を有する過フッ素化硬化部位モノマーである)を重合させることによって形成される。
本明細書で使用する場合、ペルフルオロエラストマーは、硬化を可能にするための少なくとも1つの官能基を有する少なくとも1つの過フッ素化モノマー、すなわち少なくとも1つの硬化部位モノマーを含む2つ以上の過フッ素化モノマーを重合させることによって形成された硬化性ペルフルオロポリマーを含むポリマー組成物である。該ペルフルオロエラストマーは、少なくとも1つのフッ素含有エチレン性不飽和モノマー、例えばテトラフルオロエチレン(TFE)、過フッ素化オレフィン、例えばヘキサフルオロプロピレン(HFP)、並びに直鎖又は分岐アルキル基と1つ以上のエーテル結合を含むペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)、例えばペルフルオロ(メチルビニルエーテル)、ペルフルオロ(エチルビニルエーテル)、ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)及び同様の化合物の種々の過フッ素化コポリマーを2つ以上含むことができる。PAVEの有用な例として、PAVEのタイプに関連する開示内容を参照によって本明細書に引用したものとする米国特許第5,001,278号、及びWO 00/08076に記載されているものが挙げられる。他の好適なPAVEは、例えば、米国特許第5,696,189号及び第4,983,697号に記載されており、これら特許のPAVEのタイプに関連する開示内容も参照によって本明細書に引用したものとする。
【0009】
好ましいペルフルオロポリマーは、ASTM D-1418-05にFFKMとして列挙されているペルフルオロエラストマーの工業上一般に認められている定義と合致するものであり、また好ましくはTFE、PAVE、及び少なくとも1つの過フッ素化硬化部位モノマーのターポリマー又はテトラポリマーも好ましく、この過フッ素化硬化部位は該ターポリマーの架橋を可能にするための官能基を組み込み、その官能基の少なくとも1つは、本明細書で述べる硬化剤によって硬化可能な硬化部位である。
本発明で使うのに好ましいペルフルオロエラストマーポリマーは、硬化性ペルフルオロポリマーとして商業的に入手可能であるか又はDaikin Industries, Inc., Solvay Solexi, Dyneon、E.I. Du Pont de Demours, Inc., Federal State Unitary Enterprise S.V. Lebedev Institute of Synthetic Rubber in Russia、及び日本国のNippon Nektronによって製造及び/又は販売されていることが知られている。
一実施形態では、本発明は、ペルフルオロエラストマーコーティングであるペルフルオロエラストマー材料、及び該コーティングの製造方法、及び第1表面を第2表面に連結又は接合するために作用する密着部であるペルフルオロエラストマー材料を包含する。
これらを含む実施形態は、部分的に、硬化剤によるペルフルオロエラストマーの硬化によって形成される。ペルオキシド硬化系及びシアノ硬化系が好ましい。ペルオキシド硬化系については、好ましいポリマーとしてTFE、PAVE、例えば米国特許第5,001,278号(関連部分の参照で本明細書に援用する)に記載されているもの、並びに当技術分野で公知又は将来開発されるもの、例えばハロゲン化アルキルと他の誘導体、及び部分的又は全体的にハロゲン化した炭化水素基といったペルオキシド硬化性官能基を有するペルフルオロ構造を有する硬化部位モノマーのターポリマーが挙げられる。
シアノ硬化系については、参照によって本明細書に援用するWO 00/08076に記載のペルフルオロポリマー又は他の同様の構造が最も好ましい。WO 00/08076のテトラポリマー中のモノマーは、テトラフルオロエチレン、ペルフルオロメチルビニルエーテル及び2つの硬化部位モノマー、二級シアノ硬化部位モノマー、CF2=CFO(CF2)3OCF(CF3)CN及び一級シアノ硬化部位モノマー、CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2)2CNを包含する。好ましい化合物は約45〜約95、好ましくは約45〜約65のムーニー粘度(100℃にてTechTro(登録商標)viscTECH TPD-1585粘度計で測定)を有する当該化合物である。
ペルオキシドベース硬化系の一次硬化剤は、いずれもの既知のペルオキシド硬化剤及び当技術分野で公知又は将来開発される共硬化剤、例えば有機及びジアルキルペルオキシドでよい。シアノベースポリマーでは、好ましい一次硬化剤として、関連部分の開示内容を参照によって本明細書に引用したものとする米国特許出願公開第US-2004-0214956-A1号に記載のモノアミジン及びモノアミドキシムが挙げられる。この先行技術では該モノアミジン及びモノアミドキシムが潜在的な硬化促進剤又は硬化剤として記載されているが、本発明では、好ましくは一次硬化剤としてモノアミジン及びモノアミドキシムを使用する。
アミジンベース材料及びアミドキシムベース材料として、さらに後述する下記式(I)のモノアミジン及びモノアミドキシムが挙げられる。好ましいモノアミジン及びモノアミドキシムは、下記式(I)で表される。
【0010】
【化1】
【0011】
(式中、Yは、1〜約22個の炭素原子を有する置換アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキル若しくはアラルコキシ基又は完全若しくは部分的にフッ素化された無置換若しくは置換アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキル若しくはアラルコキシ基でよい。Yは、好ましくは1〜約22個の炭素原子のペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、ペルフルオロアリール、ペルフルオロアラルキル又はペルフルオロアラルコキシ基でもよく、さらに好ましくは約1〜約12個の炭素原子、さらに好ましくは1〜9個の炭素原子のペルフルオロアルキル又はペルフルオロアルコキシ基であり;R1は、水素又は1〜約6個の炭素原子の置換若しくは無置換低級アルキル又はアルコキシ基、酸素(NHR1がNOH基であるように)又はアミノ基でよい。R2は、独立に、R1について上述したいずれかの基又はヒドロキシルでよい。Y、R1又はR2の置換基として、限定ではなく、ハロゲン化アルキル、過ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルコキシ、過ハロゲン化アルコキシ、チオ、アミン、イミン、アミド、イミド、ハロゲン、カルボキシル、スルホニル、ヒドロキシル等が挙げられる。R1及びR2が両方とも酸素及びヒドロキシルとして選択されると、該化合物に2つのNOH基が存在し(ジオキシムを使用できる)、この場合、式(I)をさらに改変して、炭素原子とY基が一緒に介在芳香環を形成し、かつ2つのNOH基が相互に該環のオルト、パラ又はメタ位にあるジオキシムの式、例えばp-ベンゾキノンジオキシムに対応させることができる。
好ましい実施形態は、R2がヒドロキシル、水素又は1〜6個の炭素原子の置換若しくは無置換アルキル又はアルコキシ基、さらに好ましくはヒドロキシル又は水素である、式(I)の当該化合物を含む。R1が水素、酸素、アミノ又は1〜6個の炭素原子の置換若しくは無置換低級アルキルであり、R2が水素又はヒドロキシルである実施形態も好ましい。最も好ましくは、R1とR2が両方とも水素である実施形態である。さらに好ましい実施形態は、Yが、上記鎖長を有するペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、置換若しくは無置換アリール基及び置換若しくは無置換ハロゲン化アリール基である当該化合物を含み、R1とR2が両方とも水素であり、かつYがCF3(CF2)2-であるとき(すなわち、化合物がヘプタフルオロブチリルアミジンであるとき)又は同様のアミドキシム化合物が特に好ましい。
【0012】
式(I)の典型的なモノアミジンベース硬化剤及びモノアミドキシムベース硬化剤として、ペルフルオロアルキルアミジン、アリールアミジン、ペルフルオロアルキルアミドキシム、アリールアミドキシム及びペルフルオロアルキルアミドラゾンが挙げられる。具体例として、ペルフルオロオクタンアミジン、ヘプタフルオロブチリルアミジン、ベンゾアミジン、トリフルオロメチルベンゾアミドキシム、及びトリフルオロメトキシベンゾアミドキシムが挙げられ、ヘプタフルオロブチリルアミジンが最も好ましい。式(I)により言及した硬化剤を単独で又は併用、例えば本明細書で上述した好ましい及び/又は典型的化合物と併用し、又は二次硬化剤と共に使用し得る。
式(I)の硬化剤は、好ましくはペルフルオロエラストマー組成物を硬化することができ、特に少なくとも1つのシアノ硬化部位モノマーを有する当該硬化剤である。
他の硬化剤としてビスフェノールとその誘導体、テトラフェニルスズ、トリアジン、ペルオキシドベース硬化系(例えば、ジアルキルペルオキシド等の有機ペルオキシド)、又はそれらの組合せを含有し得るペルフルオロエラストマー製剤が挙げられる。他の好適な硬化剤として、有機金属化合物とその水酸化物、特にアリル-、プロパルギル-、トリフェニル-及びアレニルスズといった有機スズ化合物、アミノ基を含有する硬化剤、例えばジアミン及びカルバミン酸ジアミン、例えばN,N'-ジシンナミリデン-1,6-ヘキサンジアミン、トリメチレンジアミン、シンナミリデントリメチレンジアミン、シンナミリデンエチレンジアミン、及びシンナミリデンヘキサメチレンジアミン、カルバミン酸ヘキサメチレンジアミン、カルバミン酸ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、モノカルバミン酸1,3-ジアミノプロパン、カルバミン酸エチレンジアミン、カルバミン酸トリメチレンジアミン、ビスアミノチオフェノール、ビスアミドキシム、及びビスアミドラゾンが挙げられる。最も好ましくは、ペルオキシド硬化系(いずれかの必要な共剤を含む)を使用する。
【0013】
硬化系は、必要でないが、任意に、種々の二次硬化剤、例えばビスフェニルベース硬化剤とその誘導体、テトラフェニルスズ、トリアジン、ペルオキシドベース硬化系(例えば、ジアルキルペルオキシド等の有機ペルオキシド)を含んでもよい(一次剤として使用しないか又はペルオキシドの組合せ、又はこれらの系の組合せで使用する場合)。他の適切な二次硬化剤として、有機金属化合物とその水酸化物、特にアリル-、プロパルギル-、トリフェニル-及びアレニルスズといった有機スズ化合物、アミノ基を含有する硬化剤、例えばジアミン及びカルバミン酸ジアミン、例えばN,N'-ジシンナミリデン-1,6-ヘキサンジアミン、トリメチレンジアミン、シンナミリデントリメチレンジアミン、シンナミリデンエチレンジアミン、及びシンナミリデンヘキサメチレンジアミン、カルバミン酸ヘキサメチレンジアミン、カルバミン酸ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、モノカルバミン酸1,3-ジアミノプロパン、カルバミン酸エチレンジアミン、カルバミン酸トリメチレンジアミン、及びビスアミノチオフェノールが挙げられる。
種々のペルフルオロエラストマー製剤と使う他の任意添加剤として、フィラーの添加、例えばグラファイト、カーボンブラック、クレー、二酸化ケイ素、ポリマーグラファイト、フルオロポリマー粒子(例えば、TFEホモポリマー及びコポリマー微粉末)、硫酸バリウム、シリカ、二酸化チタン、酸受容体、硬化促進剤、ガラス繊維、又はポリアラミド繊維、例えばKevlar(登録商標)、可塑剤、又はペルフルオロエラストマー技術分野で公知又は将来開発される他の添加剤が挙げられる。しかし、半導体及び他の粒子感受性用途で使用するコーティング組成物では、このような任意のフィラーを使用しないか又はクリーンなフィラー(シリカ、硫酸バリウム又はフルオロポリマー粒子)を使用することが好ましい。
【0014】
第1及び/又は第2表面に結合する(特に密着型連結を形成するための)結合剤は、硬化性ペルフルオロエラストマー及び硬化剤を含む。結合剤の成分を別個に溶解してから混合した後、インサイツ硬化サイクルでよい。しかし、まず成分を配合してから該化合物を溶媒に溶解することも本発明の範囲内である。結合剤の成分を配合する方法は、当分野で既知のいずれの技術又は将来開発されるいずれの技術によってもよく、配合及び処理方法の詳細な説明は、本発明の完全な理解に必要ない。例えば、従来の配合方法は、International Plastics Handbook 3rd Edition, Saechtling, p. 54-55に記載されている。しかし、混合前に主な個々成分をそれぞれまず溶媒に溶解することが好ましい。
成分又は製剤を溶解する際、硬化性ペルフルオロポリマーの溶解に好ましい溶媒は、少なくとも硬化性ペルフルオロポリマー成分を溶解でき、さらに好ましくは、硬化剤をも溶解できるフルオロ溶媒である。所望特性を有する溶媒は技術上周知であり、3Mから商業的に入手可能なFluorinert(登録商標)FC-87、FC-84、FC-75、FC-77及び/又はFC-43並びにいずれの同様な溶媒も含まれる。しかし、このようなフッ素化溶媒が好ましいが、配合された硬化性ペルフルオロポリマーと、好ましくは硬化剤及び/又は配合されたペルフルオロエラストマー製剤の主成分(すなわち、いずれの添加剤をも除いたペルフルオロポリマーと硬化剤)を溶解できる公知又は将来開発されるいずれの溶媒も本発明の範囲内で使用し得ることを理解すべきである。
好ましくは、使用する溶媒の総量は硬化前の完成溶液の約70質量%〜約95質量%、さらに好ましくは約90質量%〜約95質量%、最も好ましくは約94質量%〜約95質量%である。
硬化性ペルフルオロポリマーは、好ましくは完成溶液中に、完成溶液の総質量に基づいて約1質量%〜約25質量%、さらに好ましくは約1質量%〜約10質量%、最も好ましくは約1質量%〜約5質量%の量で存在する。硬化剤は、硬化前の完成溶液の総質量に基づいて好ましくは約0.01質量%〜約5質量%、さらに好ましくは約0.01質量%〜約1.5質量%、最も好ましくは約0.25質量%〜約1質量%の量で存在する。完成溶液中におけるペルフルオロポリマーと硬化剤の質量比が約30:1〜約10:1、さらに好ましくは約20:1であることが好ましい。
【0015】
完成溶液の製造では、最初に結合剤を配合して配合された結合剤を形成してから上記好ましい割合に従って溶媒に溶かしてよい。このような方法では、配合されたフルオロポリマーを例えば、クリッカーダイでまず小断片に形成し得るが、いずれの他のダイカッター、ナイフ、はさみ、又は意図した用途に適した同様の切断装置をも使用できる。好ましくは、断片は約0.010インチ(0.254mm)〜約0.250インチ(6.35mm)の範囲の大きさであり、さらに好ましくは平均約0.030インチ(0.762mm)である。任意に、断片をさらに微細な大きさの断片に粉砕することができる。好ましくは、次に断片を溶媒、例えば上述した溶媒に添加してから混合する。溶媒の存在下、例えばボールミルで断片を混合すると、ペルフルオロポリマー製剤の溶媒への溶解を容易にする。
さらに好ましくは、結合剤の各主成分をまず溶媒に溶解する。該方法では、第1溶液(溶液A)は、第1溶液の総質量に基づいて約2〜約50質量%、さらに好ましくは2〜20質量%、最も好ましくは5〜10質量%の硬化性ペルフルオロポリマーの量で、硬化性ペルフルオロポリマーを溶媒と混合することによって形成する。第2溶液(separate solution)(溶液B)は、第2溶液の総質量に基づいて約0.02〜約10質量%、さらに好ましくは約0.02〜約3質量%、最も好ましくは約0.50〜約2質量%の量で硬化剤を溶媒と混合することによって形成する。次に引き続き各溶液を等量取ってそれらを混合することによって、2つの溶液を混合して、完成溶液中の硬化性ペルフルオロポリマーと硬化剤の所望割合を達成する。添加剤を使用する場合、この特定の方法に応じて、最初の2つの溶液又は完成溶液のどちらに添加剤を添加してもよい。
結合剤をペルフルオロエラストマー部材の表面に適用する実施形態では、本実施形態の結合剤は、密着させる予定の棒原料を製造するために使用したのと同一又は実質的に同一のペルフルオロエラストマー製剤を用いて作製される。本実施形態では、結合剤は、硬化剤を含む、上述した配合されたペルフルオロエラストマー製剤のいずれをも含み得る。
【0016】
一実施形態では、本発明は、第1表面を硬化性ペルフルオロポリマー及び硬化剤を含む結合剤と接触させ、この結合剤を硬化させて第1表面に結合したペルフルオロエラストマー材料を形成することによって(形成されたペルフルオロエラストマー材料がコーティング層であるように)、第1表面にペルフルオロエラストマーを結合する方法を含む。該実施形態では、結合剤は、スプレーコーティング、浸漬コーティング、ブラッシング、層化などのいずれの数の通常手段によっても基材の表面に適用できる溶液でよい。図2を参照すると、一般的に10と称する被覆基材は、未被覆基材12に完成溶液を適用することによって形成される。結合剤溶液が適用されるとすぐに、結合剤溶液がその場で硬化してコーティング14を形成する。基材がコーティングされるとすぐに、熱サイクルが適用される。熱サイクルは、硬化剤に対して使用される特定のペルフルオロエラストマー製剤によって変わるが、結合剤を有効に硬化させるのに十分な量の熱を十分な量の時間与えるように熱サイクルを構成することができる。紫外線、赤外線又は他の放射硬化法及び圧力の任意の使用といった代替硬化法を使用できる。本発明を如何なる特定の硬化又は硬化サイクルに限定するものではないが、約8分間約149℃(300°F)の熱を使用することが好ましい。しかし、硬化温度は、ペルフルオロエラストマー製剤で使用するペルフルオロポリマー及び硬化剤のタイプによって変わるだろう。該硬化温度は、約138℃(280°F)〜約177℃(350°F)、好ましくは約149℃(300°F)〜約177℃(350°F)の範囲でよい。当業者は、種々のペルフルオロエラストマー製剤を使用できるので、硬化条件はエラストマー系によって変わり、かつ該温度範囲は本発明の範囲について限定する意図でないことを理解するだろう。
熱硬化後、必ずではないが、任意に、後硬化を、結果として生じる所望特性によって決まる約180℃(356°F)又は他の適切な後硬化温度で、約7〜8時間又は他の適切な硬化サイクル時間施してよい。
本実施形態を単一基材のコーティングについて述べたが、本方法を用いて2つの基材を一緒に、2つの対向面(図示せず)、 例えば積層又は他の多層化構造の間で、その場で形成される接着剤層又は結合層として結合することもできる。本方法を用いて三次元の非平面表面上で結合することもできる。
【0017】
本実施形態の適用は、如何なる特定の基材表面タイプにも限定されない代わりに、本実施形態を用いていずれのタイプの固体表面上にもペルフルオロエラストマーコーティングを形成することができる。該ペルフルオロエラストマーコーティングを使用して、発泡材料、金属、金属合金、ガラス、エラストマー、プラスチック、複合材などをコーティングすることができる。このようなコーティングの一意的に弾性かつ不活性な特性の結果として、該コーティングには、種々多様な領域、例えば、半導体加工部品、ドア、及び用具;表面安定化;操縦及び機械ツール;医療用具及び装置;自動車及び航空宇宙の部品と表面;高腐食作用を受ける用具(例えば、油分野及び触媒プロセス用具)等の用途がある。さらに、形成されるコーティングは非常に化学的に不活性かつ不溶性である。
このコーティングを用いて、特徴が従来の成形シール部品では小さすぎる用途、例えば非常に薄いシリカ又はプラスチック層を耐熱及び耐薬品性材料でシールしなければらならない「チップ上のラボ」用途のシールを装うこともできる。この材料コーティングを、稼動中の使用条件がニトリル又は標準的フルオロエラストマー(例えば、Viton(登録商標))等の他のエラストマーの温度範囲を超える航空機エンジン部品の当該表面のような金属表面上のシーラントとして使用することもできる。
【0018】
圧力又は温度が典型的エラストマーシールの能力を超える場合、金属間シールを含む現行の用途が存在する。しかし、これらのシールを高度に磨いて、シールの硬化を発揮させなければならない。これは該シールを形成する費用をかなり増やす。しかし、本明細書で述べる薄いコーティングの該基材上の適用は、あまり磨かない低価格の金属表面を用いて金属部品間のシールを装うことができる。
このような溶液及び硬化したコーティングを用いて、高価なペルフルオロエラストマー成形部品(例えば、O-リング、シール、ガスケット等)の表面を修復するか又は該表面に付着させることもできる。
一実施形態では、本発明は、ペルフルオロエラストマー(「FFKM」)部材を結合して、例えば棒原料からシール(例えば、O-リング又は同様の形状のシール)を形成する方法(図6に示すように)を提供する。本明細書で使用する場合、用語「棒原料」は、形状又は断面構造にかかわらず、シールを作るために使用できるいずれの予成形原料材をも意味する。
【0019】
棒原料11、20(図3a及び3b)を、押出し又は圧縮成形などのいずれかの通常の成形プロセスを利用して予成形する。このような成形プロセスは技術上周知であり、それらの詳細な説明は本発明の完全な理解に必要ない。典型的に押出しである予成形プロセス中、いくらかの熱を型に加えて、混合されたペルフルオロエラストマー製剤を少なくとも部分的に硬化させ、該ペルフルオロポリマーを少なくとも部分的に硬化したペルフルオロエラストマーに変換する。残りの硬化は、典型的に、プレス成形又はオーブン後硬化などの次の予成形プロセス中に起こる。
図3a及び3bを参照すると、混合されたペルフルオロエラストマー製剤から最初にペルフルオロエラストマーの予成形品又は棒原料11、20が形成される(図3a及び3bに示すように)。好ましくはペルフルオロエラストマー棒原料11、20は少なくとも25%〜95%硬化している。ペルフルオロエラストマー製剤の混合方法は、当分野で公知又は将来開発されるいずれの技術によってもよく、混合及び処理方法の詳細な説明は、本発明の完全な理解に必要ない。例えば、通常の混合方法は、その内容を本明細書に援用するInternational Plastics Handbook 3rd Edition, Saechtling, p. 54-55に記載されている。
棒原料11は、通常円である形状の好ましい断面15の第1端部13aを有する。断面形状は代わりに楕円、正方形、長方形などの意図した用途に一致するいずれの他の形状でもい。棒原料11は、通常円形状の断面15の第2端部13bをも有する。
本明細書で使用する場合、用語「密着」は、2つの表面間で結合剤の使用を介して2つの表面を結合するいずれの接合をも広範に包含し、液体又は固体「プラグ」形態であれ、物理的に、好ましくは密着すべき2つの各対向面と結合剤との間の硬化性化学薬品の架橋及び/又は結合を利用するが、2つの対向面が同一材料で形成される必要がないことを理解すべきである。棒原料11の第1端部13aを棒原料11の第2端部13bに密着して、円形リングを形成することができる。或いは、棒原料11と同一のペルフルオロエラストマー製剤から形成され得る端部22a、22b(図3aに示すように)を有する第2棒原料20に第1端部13aを密着させることができる。ペルフルオロエラストマー棒原料の種々の端部を接合するための密着部は、棒原料の少なくとも1つの端部を結合剤でコーティング又は適用することによって形成される。
固体「プラグ」を形成するためのペルフルオロエラストマー製剤の押出し予成形の形態又は配合されたペルフルオロエラストマー製剤の溶液の形態のどちらかで結合剤を利用する。溶液として、結合剤を棒原料11の表面に適用する。次に、密着すべき少なくとも1つの表面と結合剤を接触させる。コーティングとして液体形態で13a等の単一表面に、或いは一緒に接合すべき両対向面、例えば13a、13b又は22a、22bに結合剤を適用できる。固体「プラグ」として、後硬化及び処理によってプラグが表面と接触するようになるような様式で、密着すべき2つの表面間に固体「プラグ」を単に挿入することができる。プラグとして、予成形品を、例えば、棒原料11の表面に隣接して、好ましくは該表面に接触させる。
操作中、溶液で結合剤を用いてペルフルオロエラストマー棒原料の2つの端部を一緒に密着して、例えばO-リングを形成する場合、1つの端部、例えば13aの少なくとも1つの表面を最初に結合剤でコーティングする。いずれの数の通常手段、例えばスプレーコーティング、浸漬コーティング、ブラッシング、層化などによってもコーティングを施すことができる。同一棒原料の2つの端部を密着させる場合、任意に棒原料11の第2端部13bをも結合剤でコーティングしてもよい。次に、被覆棒原料13の2つの端部を治具30(例えば、図4に示す接合治具)内に置いて、一方の端部13aを棒原料10の第2端部13bと確実に隣接又は接触させる(図4aに示すように)。大きさとアラインメントについて棒原料11が適応し、かつ熱及び圧力が棒原料11の上で働いて治具30内の適所に熱及び圧力を保持できるように治具30を構成することができる。通常、治具を装備して操作するプレス機で熱及び圧力を供給する。任意に、治具30が作用して結合剤に熱硬化サイクルを加え得る。
治具30は下部32と上部34を含む。上部34と下部32は、それぞれ棒原料材を収容するためのチャネル36a、36bを含む。ヒンジ38が上部34と下部32を連結して、治具30が開閉でき、かつチャネル36a、36bの上部と下部を整列できるようにする。
治具30内に被覆棒原料10を置いた後、治具30を閉じて熱サイクルを加える。熱サイクルは、硬化剤のために使う特定のペルフルオロエラストマー製剤によって変化するだろうが、結合剤を有効に硬化させるのに十分な時間、十分な量の熱を与えるように熱サイクルを構成することができる。有効に硬化した結合剤は少なくとも部分的に硬化したペルフルオロエラストマーをもたらすもの(好ましくは約75%より多く硬化しているもの)である。結合剤は、典型的に約75%〜約95%、又は約99%まで硬化している。本実施形態では、熱サイクルは約8分間約149℃ (約300°F)の熱を含む、しかし、熱サイクルの硬化温度は、ペルフルオロエラストマー製剤中で使うペルフルオロポリマー及び硬化剤のタイプによって変化するだろうし、典型的温度は上記コーティングの文脈で詳述している。当業者は、硬化条件がエラストマー系によって変わることを理解するであろうし、種々のペルフルオロエラストマー製剤を使用できるので、本発明の範囲について該温度範囲が限定するものでないことを理解するだろう。
この熱サイクルは、完全ではないが実質的に、引き続き棒原料のペルフルオロエラストマーと同一又は実質的に同一のペルフルオロエラストマーをもたらす結合剤の範囲内でペルフルオロポリマーと硬化剤の硬化反応を完了するのに寄与する。熱サイクル後、約7〜8時間又は他の適切な硬化サイクル時間約180℃(356°F)又は他の適切な後硬化温度で、接合端部を後硬化させることができる。次に、任意にさらに1時間の冷却時間を適用することができる。好ましくは、ペルフルオロエラストマー接合部を形成する結合剤は、上述したように約95%硬化している。熱硬化サイクルに加え、赤外、UV、又は他の放射硬化技術を使用することも本発明の範囲内である。
複数の端部を有する種々の棒にこの密着プロセスを適用して、サイズ、形状、及び構造を変えた種々のシーリングリングを形成することができる。結果として生じるシールは、非常に大きいサイズが可能でり、単工程の成形操作から全体的に形成されたシールと比べて区別ができない、かつ均質な硬化した密着部を有する。すなわち、このペルフルオロエラストマー密着部は、ペルフルオロエラストマー棒原料と同一又は実質的に同一の化学組成を有する。このことは、有利なことに、いたるところで同じく高い耐薬品性の組成を有するシールをもたらす。従って、棒原料バルクシール材料と比べて化学的及び/又は物理的攻撃を受けやすい弱点又は密着端部がない。
【0020】
同一の棒原料又は同一のペルフルオロエラストマー製の異なる二片の棒原料の2つの表面を結合することについて本実施形態を述べたが、本発明はこのような材料だけを結合することに限定されない。本発明を用いて、異なるペルフルオロエラストマー、例えば上述したペルフルオロエラストマーのいずれかから製造された異なる二片の棒原料を密着させることもできる。さらに、本発明を用いて、棒形態でない、シート形態、成形形態、積層形態及び種々の他の形状の種々の他のタイプのペルフルオロエラストマー表面を結合又は密着させることができる。
別の実施形態では、本発明は、図5及び7に示すように、上記実施形態のいずれかに記載の結合剤を用いてペルフルオロエラストマーシール40を埋め込む方法を提供する。本明細書で使用し、かつ図5aに示す場合、用語「埋め込み」は、シール40とシールグランド44との間の間隙42又は空間を充填することを意味する。シールグランド44は、典型的に化学的攻撃に対して耐性が高い材料、例えばアルミニウム及びステンレススチールから形成される。この実施形態では、シール40とシールグランド44との間の間隙42内に結合剤を置く。結合剤を埋め込んだ後、構成全体、すなわちシール40、シールグランド44、及び埋め込まれた結合剤を約8分間約149℃(300°F)に加熱する。この熱が結合剤を硬化させ、結果としてシール40とシールグランド44との間にペルフルオロエラストマー結合を形成する。本実施形態の利点は、ペルフルオロエラストマーシール40がシールグランド44に確実に結合し、密着部からのさらなるペルフルオロエラストマーのため、かつ粒状化が移動し得るシール40とグランドとの間の間隙が最小限になるため、主シーリング材料の粒状化又は分解を有利に減らすことである。さらに、結合が、シールとグランドとの間の相対運動、ひいては摩耗を排除し、粒状化の低減にさらに寄与する。
本実施形態の適用は、いずれかの特定の組成を有するグランドに対するシール等の埋め込みに限定されず、代わりに本実施形態を用いて、例えば、金属、金属合金、プラスチック、複合材などで形成された種々のグランド表面上にペルフルオロエラストマーシールを埋め込むことができる。しかし、このような適用では、最も典型的には、金属及び金属合金の表面に遭遇する。このような埋め込み用途は、種々の結合グランド適用、例えば、半導体ドア、ゲート、及び他の予結合表面シーリング適用で用いられ、かつ該適用が半導体製造条件のような高い腐食作用を受ける場合に特に有用である。
【実施例1】
【0021】
この実施例では、硬化したが、後硬化していない、Chemraz(登録商標)成形小部分を用いて大きいペルフルオロエラストマーシールを製造した。一部分は、角丸である長方形構造だった。2つの他の円形部分を調製した。長方形部分を、長方形の長辺部を横切って接合した。切断後、2つの半分の長方形の端部断片を形成した。次に、棒を形成するように、円形部分を接合し、適度の長さに短縮して所望長さの2つの直線部分を形成した。結果として生じた2つの長方形の端部断片を、結合剤と接合治具を用いて2つの直線部分に連結して、結果として図8に示す形状を有する部品を形成した。
質量部で示す下記成分を有するペルフルオロエラストマー製剤をまず混合することによって、使用した結合剤を調製した。
【0022】
【0023】
混合後、ダイカッターを用いて配合製剤を最大寸法が約0.25インチ(6.35mm)の小断片に切断した。次に、Fluorinert(登録商標)FC-77溶媒を有するジャーに小断片を添加した。溶液全体の94質量%を構成するように溶媒を添加した。次に、ジャーをジャーミル上に置き、約48時間連続的に回転させて結合剤を形成した。
結合剤を第1棒原料部材の一端部上にコーティングし、図4に示すようなシーリング治具内に置いて第2棒原料部材に密着した。第2棒原料部材もコーティングし、その端部が第1棒原料部材の被覆端部に反してプレスされるように置いた。次に、シーリング治具を閉じて約8分間約149℃(300°F)に加熱して結合剤を硬化させた。この密着プロセスを各所望密着部で4回行って完成部品を形成し、密着部を作って大型シールを形成した。図8に示す完成部品の長方形の全体的な寸法は、長さ約2.1メートル×幅0.17mで、約0.6cmの(通常、横断構造は円形である)横断面径だった(密着部で形成された形状は完全な円形でないが、非常に近かった)。次に、部品を180℃(356°F)で7.25時間、後硬化させた後、1時間冷却した。
【実施例2】
【0024】
第1溶液(溶液A)を形成することによってペルフルオロエラストマーコーティングを製造した。3Mからの900質量部のFluorinert(登録商標)FC-43流体溶媒に、WO 00/08076に従って調製した100質量部の硬化性のシアノ硬化性ペルフルオロポリマー(一級及び二級シアノ硬化部位を有するペルフルオロエラストマーゴム)を溶解して溶液Aを形成した。溶液Aを形成するために用いたのと同一の溶媒995質量部に硬化剤として5質量部のヘプタフルオロブチリルアミジンを溶解して溶液Bを製造した。次に、溶液A及びBを等質量部で混合して完成コーティング溶液を形成した。完成コーティング溶液を金属基材表面上に適用し、約4時間100℃(212°F)の熱硬化サイクルに供した。結果として生じた硬化したペルフルオロエラストマーコーティングはクリアだった。同様のコーティングをガラス、プラスチック及び合成ゴム上でも調製した。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】ペルフルオロエラストマーコーティングを形成する方法の実施形態のフローチャートである。
【図2】本発明の実施形態によって製造されたペルフルオロエラストマーコーティングの断面の拡大斜視図である。
【図3a】従来の棒原料材の斜視図である。
【図3b】従来の棒原料料の斜視図である。
【図4】本発明の接合治具の実施形態の斜視図である。
【図4a】図3aの棒原料材の部分拡大分解側面図である。
【図4b】図4aの4b−4b線に沿った図4aの棒原料材の部分断面図である。
【図5】グランド内のペルフルオロエラストマーシールの平面図である。
【図5a】図5のペルフルオロエラストマーシールの断面図である。
【図6】ペルフルオロエラストマーを結合する方法のフローチャートである。
【図7】ペルフルオロエラストマーシールをグランドに結合する方法のフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態によって製造された大型ペルフルオロエラストマーシールである。
【技術分野】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
この出願は、2007年1月26日提出の米国仮特許出願第60/897,660号及び2007年1月26日提出の米国仮特許出願第60/897,651号の優先権を主張し、各仮特許出願の内容を参照によって本明細書に援用する。
【背景技術】
【0002】
〔発明の背景〕
ペルフルオロエラストマーは、種々のタイプのO-リング又はシールを形成するために手軽に使用されている。このようなシールは一般的に、まず所望シール構造のシール用の完全な型を作製してから、硬化剤と共にペルフルオロポリマーを含む化合物を圧縮成形して完全に硬化したペルフルオロエラストマーシール又は他の部品を形成することによって製造される。しかし、ますます大きなシール又は特殊な構造に対する要求が増え続けるにつれて、完全な部品を成形するのはますます高価になり、経済的実用性が低くなっている。これは、このような部品を形成するためには型のみならず、成形操作に関連するプレス機及びポンプといった、大きいか又は特殊な大きさの型を取り扱うのに十分な構造基盤が必要なためである。
【0003】
この要求に対処するために開発された1つのアプローチは、棒原料からシールを製造し、2つの棒原料端部を一緒に接合して必要な大きさのシールを形成することだった。伝統的な接合技術は、ペルフルオロエラストマーについてはあまりうまくいかないことが判明している。これまでに開発された接着剤は、一般にペルフルオロエラストマーの耐薬品性と適合しないので、接着剤による接合は攻撃しやすいというシールの弱点をもたらす。
硬化したペルフルオロエラストマーをそれ自体に熱可塑性ペルフルオロポリマー結合剤を用いて結合する方法が開示されている。しかし、該プロセスは、ペルフルオロエラストマー端部の融合をもたらし、中間溶融層、すなわち溶融ペルフルオロポリマーの層をもたらす。これは、ペルフルオロエラストマー部品内に不均質部分、すなわち溶融ペルフルオロポリマー層を与える。こうして、この溶融ペルフルオロポリマーは、ペルフルオロエラストマーシール材料の残部と比べて高い化学的又は物理的攻撃に対する感受性、高い圧縮永久歪み及び少ない低温コンプライアンスのため「弱」点となり得た。従って、当技術分野では、簡単かつ経済的で、固体完成品の強度を実質的に保持する均質な完成部品を提供する、ペルフルオロエラストマー及びペルフルオロエラストマーから形成された部品を結合及び/又は密着させる(welding)改良された方法が求められている。
しかし、ペルフルオロエラストマー表面を接合することに関連する課題に加え、上述したようにペルフルオロエラストマーが典型的に硬化かつ形成される様式、及びその特殊な加硫特性(物理的及び溶解特性を含む)の長所により、ペルフルオロエラストマーが、その耐薬品性及びエラストマー特性、例えば表面安定化又は他のコーティング用途において別の面で有利であろう特定の用途及び応用にはうまく適合されていないことが知られている。
【0004】
Fluorinert(登録商標)FC-40、FC-75及びFC-77等のフッ素化溶媒に硬化性ペルフルオロポリマーを溶解してコーティングを調製しようと試みられたが、結果として生じたコーティングは架橋しなかったので、通常、流れ又は特定溶媒に耐性でない。硬化剤、例えば、共硬化剤を付随する有機ペルオキシド;例えば、イソシアヌル酸トリアリル(TAIC)を組み込む試みは、未硬化ペルフルオロポリマーを溶解するのに必要な高フッ素化溶媒中における該炭化水素含有硬化剤の不十分な溶解度のため成功しなかった。同様に、ビスフェニルベース硬化剤、例えばビスアミノフェノール(BOAP)も、BOAPで硬化可能なペルフルオロポリマー、例えばシアノ基含有硬化部位モノマー(curesite monomer)を有するポリマーを溶解するために必要なこのような高フッ素化溶媒中では、典型的に不十分な溶解度を示す。
この高分子量の硬化性ペルフルオロポリマーを溶液中で硬化させる能力の欠如は、未硬化材料の「流れ」が許容可能な重要でない用途に、ペルフルオロエラストマーコーティングの用途を限定していた。
【0005】
従来、ペルフルオロエラストマーコーティングを形成する試みが行われてきたが、用途及びコーティングに形成される特定のペルフルオロポリマー系は制限されている。米国特許第6,523,650号は、静電印刷成分上で外部コーティングとしてのペルフルオロエラストマーコーティングの使用の一例を提供している。この特許は、3-フェノキシプロピルビニルエーテルと少なくとも1種のフッ素含有エチレン性不飽和モノマーとから誘導されたエラストマーDuPont Kalrez(登録商標)ペルフルオロエラストマーを溶媒に溶解し、それをコーティングとして適用(apply)することを述べている。しかし、この特許は、溶解状態でペルフルオロエラストマーが硬化状態であるのか、及び/又は硬化系が溶解によってどのように影響を受けるかについて述べていない。
米国特許第5,268,002号は、薄膜用反射防止膜として作用する、低分子量ペルフルオロエラストマーポリマーで形成されたコーティングによる、フォトマスク適用の薄膜のコーティングを教示している。該薄膜は、とりわけニトロセルロースのようなポリマーのコア層を有する。ペルフルオロエラストマーポリマーとして、テトラフルオロエチレン(TFE)、ペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)及び硬化部位モノマー、例えばペルフルオロ-(8-シアノ-5-メチル-3,6-ジオキサ-1-オクテン)(8-CNVE)が挙げられる。この特許は、該ポリマーを用いて、上記エラストマーを熱分解してから、Fluorinert(登録商標)FC-40、Fluorinert(登録商標)FC-75又はFluorinert(登録商標)FC-77等のフルオロカーボン溶媒に低分子量ポリマーを溶解することによって、これらの成分を有する低分子量のペルフルオロエラストマーを形成する。熱分解は溶解度を高め、結果として生じた材料をコーティング形態で使用できるようにする。米国特許第5,256,747号をも参照されたい。
【0006】
さらに、当技術分野では、プロセス設備で使うのに適したコーティング特性を維持しながら、複雑なプロセス工程なしで標準的な硬化系及び最終的な硬化ペルフルオロエラストマー化合物の使用を可能にすることなどを含む、標準的ペルフルオロエラストマーコーティングの利点(低分子量コーティングとは対照的に)を組み込める、形成しやすい表面コーティング及びその調製方法が要望されている。本明細書で開示する発明は、この要望と上述したペルフルオロエラストマーの連結又は接合方法の要求に対処する。
【0007】
本発明のいくつかの実施形態には、以下の工程:(a)第1表面を、硬化性ペルフルオロポリマー及び硬化剤を含む結合剤と接触させる工程;及び(b)結合剤を硬化させて、第1表面に結合したペルフルオロエラストマー材料を形成する工程を含む、ペルフルオロエラストマー材料を第1表面に結合する方法が包含される。該方法の実施では、結合剤は、硬化性ペルフルオロエラストマー及び硬化剤を溶媒に溶解することによって調製した溶液でよい。本発明の実施形態では、工程(b)で形成されたペルフルオロエラストマー材料がコーティング層であり、或いは、第1表面がペルフルオロエラストマー部材の表面で、形成されたペルフルオロエラストマー材料がペルフルオロエラストマー密着部(weld)である。
本方法の一実施形態では、第1表面がペルフルオロエラストマー部材の表面であり、結合剤が第2表面にも接触し、かつ工程(c)が、結合剤を硬化させて第1表面と第2表面との間にペルフルオロエラストマー密着部を形成する工程をさらに含む。硬化すると、ペルフルオロエラストマー密着部は、ペルフルオロエラストマー部材と本質的に同一のペルフルオロエラストマーを含む。
本発明の実施形態は、以下の工程:(a)硬化性ペルフルオロポリマーと硬化剤を溶媒に溶解して溶液を形成する工程;(b)この溶液を表面に適用する工程;及び(c)ペルフルオロポリマーを硬化させて、表面上に硬化したペルフルオロエラストマーコーティングを形成する工程を含む、ペルフルオロエラストマーコーティングの形成方法をも包含する。さらに、基材の少なくとも1つの表面に適用された硬化したペルフルオロエラストマーコーティングを含む被覆基材も本発明の範囲内である。
本発明の別の実施形態では、ペルフルオロエラストマー部材を表面に結合する方法が開示される。この方法は、(a)ペルフルオロエラストマー部材の第1表面を、硬化性ペルフルオロポリマー及び硬化剤を含む結合剤と接触させる工程;(b)結合剤を第2表面にも接触させる工程;及び(c)結合剤を硬化させて、第1及び第2表面間にペルフルオロエラストマー密着部を形成する工程を含み、硬化すると、ペルフルオロエラストマー密着部はペルフルオロエラストマー部材と本質的に同一のペルフルオロエラストマーを含む。
別の実施形態では、ペルフルオロエラストマーシールをグランドに結合する方法が開示され、この方法は、硬化性ペルフルオロポリマー及び硬化剤を含む結合剤を、ペルフルオロエラストマーシールとグランドの間に形成された間隙内に置く工程;及び結合剤を硬化させる工程を含み;硬化すると、ペルフルオロポリマーが、ペルフルオロエラストマーシールと本質的に同一のペルフルオロエラストマーを形成する。
【0008】
〔発明の詳細な説明〕
本明細書では、ペルフルオロエラストマー材料を第1表面、任意に、第2表面に結合する方法について述べる。本方法を用いて製造されるシール及び被覆基材などの物品も包含される。本明細書で使用する場合、ペルフルオロエラストマー材料は、硬化を可能にするための架橋基を有する硬化性ペルフルオロポリマーを含むペルフルオロエラストマー(本明細書の定義どおり)を硬化させることによって誘導されるいずれの硬化したエラストマー材料でもよい。ペルフルオロエラストマーは実質的にフッ素化され、好ましくはペルフルオロポリマーの骨格上の炭素原子について完全にフッ素化されている。いくつかのペルフルオロエラストマー製剤で官能性架橋基中の水素を使用する予定の架橋ではペルフルオロエラストマー中にいくらかの残存水素が存在してよいことが分かるだろう。一般に、一度硬化したペルフルオロエラストマーは、例えば、シール等の架橋したポリマー定形品として使用される。
硬化によってペルフルオロエラストマー材料を形成するために使用するペルフルオロポリマーは、それ自体、1つ以上の過フッ素化モノマー(その1つは好ましくは硬化を可能にするための官能基を有する過フッ素化硬化部位モノマーである)を重合させることによって形成される。
本明細書で使用する場合、ペルフルオロエラストマーは、硬化を可能にするための少なくとも1つの官能基を有する少なくとも1つの過フッ素化モノマー、すなわち少なくとも1つの硬化部位モノマーを含む2つ以上の過フッ素化モノマーを重合させることによって形成された硬化性ペルフルオロポリマーを含むポリマー組成物である。該ペルフルオロエラストマーは、少なくとも1つのフッ素含有エチレン性不飽和モノマー、例えばテトラフルオロエチレン(TFE)、過フッ素化オレフィン、例えばヘキサフルオロプロピレン(HFP)、並びに直鎖又は分岐アルキル基と1つ以上のエーテル結合を含むペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)、例えばペルフルオロ(メチルビニルエーテル)、ペルフルオロ(エチルビニルエーテル)、ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)及び同様の化合物の種々の過フッ素化コポリマーを2つ以上含むことができる。PAVEの有用な例として、PAVEのタイプに関連する開示内容を参照によって本明細書に引用したものとする米国特許第5,001,278号、及びWO 00/08076に記載されているものが挙げられる。他の好適なPAVEは、例えば、米国特許第5,696,189号及び第4,983,697号に記載されており、これら特許のPAVEのタイプに関連する開示内容も参照によって本明細書に引用したものとする。
【0009】
好ましいペルフルオロポリマーは、ASTM D-1418-05にFFKMとして列挙されているペルフルオロエラストマーの工業上一般に認められている定義と合致するものであり、また好ましくはTFE、PAVE、及び少なくとも1つの過フッ素化硬化部位モノマーのターポリマー又はテトラポリマーも好ましく、この過フッ素化硬化部位は該ターポリマーの架橋を可能にするための官能基を組み込み、その官能基の少なくとも1つは、本明細書で述べる硬化剤によって硬化可能な硬化部位である。
本発明で使うのに好ましいペルフルオロエラストマーポリマーは、硬化性ペルフルオロポリマーとして商業的に入手可能であるか又はDaikin Industries, Inc., Solvay Solexi, Dyneon、E.I. Du Pont de Demours, Inc., Federal State Unitary Enterprise S.V. Lebedev Institute of Synthetic Rubber in Russia、及び日本国のNippon Nektronによって製造及び/又は販売されていることが知られている。
一実施形態では、本発明は、ペルフルオロエラストマーコーティングであるペルフルオロエラストマー材料、及び該コーティングの製造方法、及び第1表面を第2表面に連結又は接合するために作用する密着部であるペルフルオロエラストマー材料を包含する。
これらを含む実施形態は、部分的に、硬化剤によるペルフルオロエラストマーの硬化によって形成される。ペルオキシド硬化系及びシアノ硬化系が好ましい。ペルオキシド硬化系については、好ましいポリマーとしてTFE、PAVE、例えば米国特許第5,001,278号(関連部分の参照で本明細書に援用する)に記載されているもの、並びに当技術分野で公知又は将来開発されるもの、例えばハロゲン化アルキルと他の誘導体、及び部分的又は全体的にハロゲン化した炭化水素基といったペルオキシド硬化性官能基を有するペルフルオロ構造を有する硬化部位モノマーのターポリマーが挙げられる。
シアノ硬化系については、参照によって本明細書に援用するWO 00/08076に記載のペルフルオロポリマー又は他の同様の構造が最も好ましい。WO 00/08076のテトラポリマー中のモノマーは、テトラフルオロエチレン、ペルフルオロメチルビニルエーテル及び2つの硬化部位モノマー、二級シアノ硬化部位モノマー、CF2=CFO(CF2)3OCF(CF3)CN及び一級シアノ硬化部位モノマー、CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2)2CNを包含する。好ましい化合物は約45〜約95、好ましくは約45〜約65のムーニー粘度(100℃にてTechTro(登録商標)viscTECH TPD-1585粘度計で測定)を有する当該化合物である。
ペルオキシドベース硬化系の一次硬化剤は、いずれもの既知のペルオキシド硬化剤及び当技術分野で公知又は将来開発される共硬化剤、例えば有機及びジアルキルペルオキシドでよい。シアノベースポリマーでは、好ましい一次硬化剤として、関連部分の開示内容を参照によって本明細書に引用したものとする米国特許出願公開第US-2004-0214956-A1号に記載のモノアミジン及びモノアミドキシムが挙げられる。この先行技術では該モノアミジン及びモノアミドキシムが潜在的な硬化促進剤又は硬化剤として記載されているが、本発明では、好ましくは一次硬化剤としてモノアミジン及びモノアミドキシムを使用する。
アミジンベース材料及びアミドキシムベース材料として、さらに後述する下記式(I)のモノアミジン及びモノアミドキシムが挙げられる。好ましいモノアミジン及びモノアミドキシムは、下記式(I)で表される。
【0010】
【化1】
【0011】
(式中、Yは、1〜約22個の炭素原子を有する置換アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキル若しくはアラルコキシ基又は完全若しくは部分的にフッ素化された無置換若しくは置換アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキル若しくはアラルコキシ基でよい。Yは、好ましくは1〜約22個の炭素原子のペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、ペルフルオロアリール、ペルフルオロアラルキル又はペルフルオロアラルコキシ基でもよく、さらに好ましくは約1〜約12個の炭素原子、さらに好ましくは1〜9個の炭素原子のペルフルオロアルキル又はペルフルオロアルコキシ基であり;R1は、水素又は1〜約6個の炭素原子の置換若しくは無置換低級アルキル又はアルコキシ基、酸素(NHR1がNOH基であるように)又はアミノ基でよい。R2は、独立に、R1について上述したいずれかの基又はヒドロキシルでよい。Y、R1又はR2の置換基として、限定ではなく、ハロゲン化アルキル、過ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルコキシ、過ハロゲン化アルコキシ、チオ、アミン、イミン、アミド、イミド、ハロゲン、カルボキシル、スルホニル、ヒドロキシル等が挙げられる。R1及びR2が両方とも酸素及びヒドロキシルとして選択されると、該化合物に2つのNOH基が存在し(ジオキシムを使用できる)、この場合、式(I)をさらに改変して、炭素原子とY基が一緒に介在芳香環を形成し、かつ2つのNOH基が相互に該環のオルト、パラ又はメタ位にあるジオキシムの式、例えばp-ベンゾキノンジオキシムに対応させることができる。
好ましい実施形態は、R2がヒドロキシル、水素又は1〜6個の炭素原子の置換若しくは無置換アルキル又はアルコキシ基、さらに好ましくはヒドロキシル又は水素である、式(I)の当該化合物を含む。R1が水素、酸素、アミノ又は1〜6個の炭素原子の置換若しくは無置換低級アルキルであり、R2が水素又はヒドロキシルである実施形態も好ましい。最も好ましくは、R1とR2が両方とも水素である実施形態である。さらに好ましい実施形態は、Yが、上記鎖長を有するペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、置換若しくは無置換アリール基及び置換若しくは無置換ハロゲン化アリール基である当該化合物を含み、R1とR2が両方とも水素であり、かつYがCF3(CF2)2-であるとき(すなわち、化合物がヘプタフルオロブチリルアミジンであるとき)又は同様のアミドキシム化合物が特に好ましい。
【0012】
式(I)の典型的なモノアミジンベース硬化剤及びモノアミドキシムベース硬化剤として、ペルフルオロアルキルアミジン、アリールアミジン、ペルフルオロアルキルアミドキシム、アリールアミドキシム及びペルフルオロアルキルアミドラゾンが挙げられる。具体例として、ペルフルオロオクタンアミジン、ヘプタフルオロブチリルアミジン、ベンゾアミジン、トリフルオロメチルベンゾアミドキシム、及びトリフルオロメトキシベンゾアミドキシムが挙げられ、ヘプタフルオロブチリルアミジンが最も好ましい。式(I)により言及した硬化剤を単独で又は併用、例えば本明細書で上述した好ましい及び/又は典型的化合物と併用し、又は二次硬化剤と共に使用し得る。
式(I)の硬化剤は、好ましくはペルフルオロエラストマー組成物を硬化することができ、特に少なくとも1つのシアノ硬化部位モノマーを有する当該硬化剤である。
他の硬化剤としてビスフェノールとその誘導体、テトラフェニルスズ、トリアジン、ペルオキシドベース硬化系(例えば、ジアルキルペルオキシド等の有機ペルオキシド)、又はそれらの組合せを含有し得るペルフルオロエラストマー製剤が挙げられる。他の好適な硬化剤として、有機金属化合物とその水酸化物、特にアリル-、プロパルギル-、トリフェニル-及びアレニルスズといった有機スズ化合物、アミノ基を含有する硬化剤、例えばジアミン及びカルバミン酸ジアミン、例えばN,N'-ジシンナミリデン-1,6-ヘキサンジアミン、トリメチレンジアミン、シンナミリデントリメチレンジアミン、シンナミリデンエチレンジアミン、及びシンナミリデンヘキサメチレンジアミン、カルバミン酸ヘキサメチレンジアミン、カルバミン酸ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、モノカルバミン酸1,3-ジアミノプロパン、カルバミン酸エチレンジアミン、カルバミン酸トリメチレンジアミン、ビスアミノチオフェノール、ビスアミドキシム、及びビスアミドラゾンが挙げられる。最も好ましくは、ペルオキシド硬化系(いずれかの必要な共剤を含む)を使用する。
【0013】
硬化系は、必要でないが、任意に、種々の二次硬化剤、例えばビスフェニルベース硬化剤とその誘導体、テトラフェニルスズ、トリアジン、ペルオキシドベース硬化系(例えば、ジアルキルペルオキシド等の有機ペルオキシド)を含んでもよい(一次剤として使用しないか又はペルオキシドの組合せ、又はこれらの系の組合せで使用する場合)。他の適切な二次硬化剤として、有機金属化合物とその水酸化物、特にアリル-、プロパルギル-、トリフェニル-及びアレニルスズといった有機スズ化合物、アミノ基を含有する硬化剤、例えばジアミン及びカルバミン酸ジアミン、例えばN,N'-ジシンナミリデン-1,6-ヘキサンジアミン、トリメチレンジアミン、シンナミリデントリメチレンジアミン、シンナミリデンエチレンジアミン、及びシンナミリデンヘキサメチレンジアミン、カルバミン酸ヘキサメチレンジアミン、カルバミン酸ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、モノカルバミン酸1,3-ジアミノプロパン、カルバミン酸エチレンジアミン、カルバミン酸トリメチレンジアミン、及びビスアミノチオフェノールが挙げられる。
種々のペルフルオロエラストマー製剤と使う他の任意添加剤として、フィラーの添加、例えばグラファイト、カーボンブラック、クレー、二酸化ケイ素、ポリマーグラファイト、フルオロポリマー粒子(例えば、TFEホモポリマー及びコポリマー微粉末)、硫酸バリウム、シリカ、二酸化チタン、酸受容体、硬化促進剤、ガラス繊維、又はポリアラミド繊維、例えばKevlar(登録商標)、可塑剤、又はペルフルオロエラストマー技術分野で公知又は将来開発される他の添加剤が挙げられる。しかし、半導体及び他の粒子感受性用途で使用するコーティング組成物では、このような任意のフィラーを使用しないか又はクリーンなフィラー(シリカ、硫酸バリウム又はフルオロポリマー粒子)を使用することが好ましい。
【0014】
第1及び/又は第2表面に結合する(特に密着型連結を形成するための)結合剤は、硬化性ペルフルオロエラストマー及び硬化剤を含む。結合剤の成分を別個に溶解してから混合した後、インサイツ硬化サイクルでよい。しかし、まず成分を配合してから該化合物を溶媒に溶解することも本発明の範囲内である。結合剤の成分を配合する方法は、当分野で既知のいずれの技術又は将来開発されるいずれの技術によってもよく、配合及び処理方法の詳細な説明は、本発明の完全な理解に必要ない。例えば、従来の配合方法は、International Plastics Handbook 3rd Edition, Saechtling, p. 54-55に記載されている。しかし、混合前に主な個々成分をそれぞれまず溶媒に溶解することが好ましい。
成分又は製剤を溶解する際、硬化性ペルフルオロポリマーの溶解に好ましい溶媒は、少なくとも硬化性ペルフルオロポリマー成分を溶解でき、さらに好ましくは、硬化剤をも溶解できるフルオロ溶媒である。所望特性を有する溶媒は技術上周知であり、3Mから商業的に入手可能なFluorinert(登録商標)FC-87、FC-84、FC-75、FC-77及び/又はFC-43並びにいずれの同様な溶媒も含まれる。しかし、このようなフッ素化溶媒が好ましいが、配合された硬化性ペルフルオロポリマーと、好ましくは硬化剤及び/又は配合されたペルフルオロエラストマー製剤の主成分(すなわち、いずれの添加剤をも除いたペルフルオロポリマーと硬化剤)を溶解できる公知又は将来開発されるいずれの溶媒も本発明の範囲内で使用し得ることを理解すべきである。
好ましくは、使用する溶媒の総量は硬化前の完成溶液の約70質量%〜約95質量%、さらに好ましくは約90質量%〜約95質量%、最も好ましくは約94質量%〜約95質量%である。
硬化性ペルフルオロポリマーは、好ましくは完成溶液中に、完成溶液の総質量に基づいて約1質量%〜約25質量%、さらに好ましくは約1質量%〜約10質量%、最も好ましくは約1質量%〜約5質量%の量で存在する。硬化剤は、硬化前の完成溶液の総質量に基づいて好ましくは約0.01質量%〜約5質量%、さらに好ましくは約0.01質量%〜約1.5質量%、最も好ましくは約0.25質量%〜約1質量%の量で存在する。完成溶液中におけるペルフルオロポリマーと硬化剤の質量比が約30:1〜約10:1、さらに好ましくは約20:1であることが好ましい。
【0015】
完成溶液の製造では、最初に結合剤を配合して配合された結合剤を形成してから上記好ましい割合に従って溶媒に溶かしてよい。このような方法では、配合されたフルオロポリマーを例えば、クリッカーダイでまず小断片に形成し得るが、いずれの他のダイカッター、ナイフ、はさみ、又は意図した用途に適した同様の切断装置をも使用できる。好ましくは、断片は約0.010インチ(0.254mm)〜約0.250インチ(6.35mm)の範囲の大きさであり、さらに好ましくは平均約0.030インチ(0.762mm)である。任意に、断片をさらに微細な大きさの断片に粉砕することができる。好ましくは、次に断片を溶媒、例えば上述した溶媒に添加してから混合する。溶媒の存在下、例えばボールミルで断片を混合すると、ペルフルオロポリマー製剤の溶媒への溶解を容易にする。
さらに好ましくは、結合剤の各主成分をまず溶媒に溶解する。該方法では、第1溶液(溶液A)は、第1溶液の総質量に基づいて約2〜約50質量%、さらに好ましくは2〜20質量%、最も好ましくは5〜10質量%の硬化性ペルフルオロポリマーの量で、硬化性ペルフルオロポリマーを溶媒と混合することによって形成する。第2溶液(separate solution)(溶液B)は、第2溶液の総質量に基づいて約0.02〜約10質量%、さらに好ましくは約0.02〜約3質量%、最も好ましくは約0.50〜約2質量%の量で硬化剤を溶媒と混合することによって形成する。次に引き続き各溶液を等量取ってそれらを混合することによって、2つの溶液を混合して、完成溶液中の硬化性ペルフルオロポリマーと硬化剤の所望割合を達成する。添加剤を使用する場合、この特定の方法に応じて、最初の2つの溶液又は完成溶液のどちらに添加剤を添加してもよい。
結合剤をペルフルオロエラストマー部材の表面に適用する実施形態では、本実施形態の結合剤は、密着させる予定の棒原料を製造するために使用したのと同一又は実質的に同一のペルフルオロエラストマー製剤を用いて作製される。本実施形態では、結合剤は、硬化剤を含む、上述した配合されたペルフルオロエラストマー製剤のいずれをも含み得る。
【0016】
一実施形態では、本発明は、第1表面を硬化性ペルフルオロポリマー及び硬化剤を含む結合剤と接触させ、この結合剤を硬化させて第1表面に結合したペルフルオロエラストマー材料を形成することによって(形成されたペルフルオロエラストマー材料がコーティング層であるように)、第1表面にペルフルオロエラストマーを結合する方法を含む。該実施形態では、結合剤は、スプレーコーティング、浸漬コーティング、ブラッシング、層化などのいずれの数の通常手段によっても基材の表面に適用できる溶液でよい。図2を参照すると、一般的に10と称する被覆基材は、未被覆基材12に完成溶液を適用することによって形成される。結合剤溶液が適用されるとすぐに、結合剤溶液がその場で硬化してコーティング14を形成する。基材がコーティングされるとすぐに、熱サイクルが適用される。熱サイクルは、硬化剤に対して使用される特定のペルフルオロエラストマー製剤によって変わるが、結合剤を有効に硬化させるのに十分な量の熱を十分な量の時間与えるように熱サイクルを構成することができる。紫外線、赤外線又は他の放射硬化法及び圧力の任意の使用といった代替硬化法を使用できる。本発明を如何なる特定の硬化又は硬化サイクルに限定するものではないが、約8分間約149℃(300°F)の熱を使用することが好ましい。しかし、硬化温度は、ペルフルオロエラストマー製剤で使用するペルフルオロポリマー及び硬化剤のタイプによって変わるだろう。該硬化温度は、約138℃(280°F)〜約177℃(350°F)、好ましくは約149℃(300°F)〜約177℃(350°F)の範囲でよい。当業者は、種々のペルフルオロエラストマー製剤を使用できるので、硬化条件はエラストマー系によって変わり、かつ該温度範囲は本発明の範囲について限定する意図でないことを理解するだろう。
熱硬化後、必ずではないが、任意に、後硬化を、結果として生じる所望特性によって決まる約180℃(356°F)又は他の適切な後硬化温度で、約7〜8時間又は他の適切な硬化サイクル時間施してよい。
本実施形態を単一基材のコーティングについて述べたが、本方法を用いて2つの基材を一緒に、2つの対向面(図示せず)、 例えば積層又は他の多層化構造の間で、その場で形成される接着剤層又は結合層として結合することもできる。本方法を用いて三次元の非平面表面上で結合することもできる。
【0017】
本実施形態の適用は、如何なる特定の基材表面タイプにも限定されない代わりに、本実施形態を用いていずれのタイプの固体表面上にもペルフルオロエラストマーコーティングを形成することができる。該ペルフルオロエラストマーコーティングを使用して、発泡材料、金属、金属合金、ガラス、エラストマー、プラスチック、複合材などをコーティングすることができる。このようなコーティングの一意的に弾性かつ不活性な特性の結果として、該コーティングには、種々多様な領域、例えば、半導体加工部品、ドア、及び用具;表面安定化;操縦及び機械ツール;医療用具及び装置;自動車及び航空宇宙の部品と表面;高腐食作用を受ける用具(例えば、油分野及び触媒プロセス用具)等の用途がある。さらに、形成されるコーティングは非常に化学的に不活性かつ不溶性である。
このコーティングを用いて、特徴が従来の成形シール部品では小さすぎる用途、例えば非常に薄いシリカ又はプラスチック層を耐熱及び耐薬品性材料でシールしなければらならない「チップ上のラボ」用途のシールを装うこともできる。この材料コーティングを、稼動中の使用条件がニトリル又は標準的フルオロエラストマー(例えば、Viton(登録商標))等の他のエラストマーの温度範囲を超える航空機エンジン部品の当該表面のような金属表面上のシーラントとして使用することもできる。
【0018】
圧力又は温度が典型的エラストマーシールの能力を超える場合、金属間シールを含む現行の用途が存在する。しかし、これらのシールを高度に磨いて、シールの硬化を発揮させなければならない。これは該シールを形成する費用をかなり増やす。しかし、本明細書で述べる薄いコーティングの該基材上の適用は、あまり磨かない低価格の金属表面を用いて金属部品間のシールを装うことができる。
このような溶液及び硬化したコーティングを用いて、高価なペルフルオロエラストマー成形部品(例えば、O-リング、シール、ガスケット等)の表面を修復するか又は該表面に付着させることもできる。
一実施形態では、本発明は、ペルフルオロエラストマー(「FFKM」)部材を結合して、例えば棒原料からシール(例えば、O-リング又は同様の形状のシール)を形成する方法(図6に示すように)を提供する。本明細書で使用する場合、用語「棒原料」は、形状又は断面構造にかかわらず、シールを作るために使用できるいずれの予成形原料材をも意味する。
【0019】
棒原料11、20(図3a及び3b)を、押出し又は圧縮成形などのいずれかの通常の成形プロセスを利用して予成形する。このような成形プロセスは技術上周知であり、それらの詳細な説明は本発明の完全な理解に必要ない。典型的に押出しである予成形プロセス中、いくらかの熱を型に加えて、混合されたペルフルオロエラストマー製剤を少なくとも部分的に硬化させ、該ペルフルオロポリマーを少なくとも部分的に硬化したペルフルオロエラストマーに変換する。残りの硬化は、典型的に、プレス成形又はオーブン後硬化などの次の予成形プロセス中に起こる。
図3a及び3bを参照すると、混合されたペルフルオロエラストマー製剤から最初にペルフルオロエラストマーの予成形品又は棒原料11、20が形成される(図3a及び3bに示すように)。好ましくはペルフルオロエラストマー棒原料11、20は少なくとも25%〜95%硬化している。ペルフルオロエラストマー製剤の混合方法は、当分野で公知又は将来開発されるいずれの技術によってもよく、混合及び処理方法の詳細な説明は、本発明の完全な理解に必要ない。例えば、通常の混合方法は、その内容を本明細書に援用するInternational Plastics Handbook 3rd Edition, Saechtling, p. 54-55に記載されている。
棒原料11は、通常円である形状の好ましい断面15の第1端部13aを有する。断面形状は代わりに楕円、正方形、長方形などの意図した用途に一致するいずれの他の形状でもい。棒原料11は、通常円形状の断面15の第2端部13bをも有する。
本明細書で使用する場合、用語「密着」は、2つの表面間で結合剤の使用を介して2つの表面を結合するいずれの接合をも広範に包含し、液体又は固体「プラグ」形態であれ、物理的に、好ましくは密着すべき2つの各対向面と結合剤との間の硬化性化学薬品の架橋及び/又は結合を利用するが、2つの対向面が同一材料で形成される必要がないことを理解すべきである。棒原料11の第1端部13aを棒原料11の第2端部13bに密着して、円形リングを形成することができる。或いは、棒原料11と同一のペルフルオロエラストマー製剤から形成され得る端部22a、22b(図3aに示すように)を有する第2棒原料20に第1端部13aを密着させることができる。ペルフルオロエラストマー棒原料の種々の端部を接合するための密着部は、棒原料の少なくとも1つの端部を結合剤でコーティング又は適用することによって形成される。
固体「プラグ」を形成するためのペルフルオロエラストマー製剤の押出し予成形の形態又は配合されたペルフルオロエラストマー製剤の溶液の形態のどちらかで結合剤を利用する。溶液として、結合剤を棒原料11の表面に適用する。次に、密着すべき少なくとも1つの表面と結合剤を接触させる。コーティングとして液体形態で13a等の単一表面に、或いは一緒に接合すべき両対向面、例えば13a、13b又は22a、22bに結合剤を適用できる。固体「プラグ」として、後硬化及び処理によってプラグが表面と接触するようになるような様式で、密着すべき2つの表面間に固体「プラグ」を単に挿入することができる。プラグとして、予成形品を、例えば、棒原料11の表面に隣接して、好ましくは該表面に接触させる。
操作中、溶液で結合剤を用いてペルフルオロエラストマー棒原料の2つの端部を一緒に密着して、例えばO-リングを形成する場合、1つの端部、例えば13aの少なくとも1つの表面を最初に結合剤でコーティングする。いずれの数の通常手段、例えばスプレーコーティング、浸漬コーティング、ブラッシング、層化などによってもコーティングを施すことができる。同一棒原料の2つの端部を密着させる場合、任意に棒原料11の第2端部13bをも結合剤でコーティングしてもよい。次に、被覆棒原料13の2つの端部を治具30(例えば、図4に示す接合治具)内に置いて、一方の端部13aを棒原料10の第2端部13bと確実に隣接又は接触させる(図4aに示すように)。大きさとアラインメントについて棒原料11が適応し、かつ熱及び圧力が棒原料11の上で働いて治具30内の適所に熱及び圧力を保持できるように治具30を構成することができる。通常、治具を装備して操作するプレス機で熱及び圧力を供給する。任意に、治具30が作用して結合剤に熱硬化サイクルを加え得る。
治具30は下部32と上部34を含む。上部34と下部32は、それぞれ棒原料材を収容するためのチャネル36a、36bを含む。ヒンジ38が上部34と下部32を連結して、治具30が開閉でき、かつチャネル36a、36bの上部と下部を整列できるようにする。
治具30内に被覆棒原料10を置いた後、治具30を閉じて熱サイクルを加える。熱サイクルは、硬化剤のために使う特定のペルフルオロエラストマー製剤によって変化するだろうが、結合剤を有効に硬化させるのに十分な時間、十分な量の熱を与えるように熱サイクルを構成することができる。有効に硬化した結合剤は少なくとも部分的に硬化したペルフルオロエラストマーをもたらすもの(好ましくは約75%より多く硬化しているもの)である。結合剤は、典型的に約75%〜約95%、又は約99%まで硬化している。本実施形態では、熱サイクルは約8分間約149℃ (約300°F)の熱を含む、しかし、熱サイクルの硬化温度は、ペルフルオロエラストマー製剤中で使うペルフルオロポリマー及び硬化剤のタイプによって変化するだろうし、典型的温度は上記コーティングの文脈で詳述している。当業者は、硬化条件がエラストマー系によって変わることを理解するであろうし、種々のペルフルオロエラストマー製剤を使用できるので、本発明の範囲について該温度範囲が限定するものでないことを理解するだろう。
この熱サイクルは、完全ではないが実質的に、引き続き棒原料のペルフルオロエラストマーと同一又は実質的に同一のペルフルオロエラストマーをもたらす結合剤の範囲内でペルフルオロポリマーと硬化剤の硬化反応を完了するのに寄与する。熱サイクル後、約7〜8時間又は他の適切な硬化サイクル時間約180℃(356°F)又は他の適切な後硬化温度で、接合端部を後硬化させることができる。次に、任意にさらに1時間の冷却時間を適用することができる。好ましくは、ペルフルオロエラストマー接合部を形成する結合剤は、上述したように約95%硬化している。熱硬化サイクルに加え、赤外、UV、又は他の放射硬化技術を使用することも本発明の範囲内である。
複数の端部を有する種々の棒にこの密着プロセスを適用して、サイズ、形状、及び構造を変えた種々のシーリングリングを形成することができる。結果として生じるシールは、非常に大きいサイズが可能でり、単工程の成形操作から全体的に形成されたシールと比べて区別ができない、かつ均質な硬化した密着部を有する。すなわち、このペルフルオロエラストマー密着部は、ペルフルオロエラストマー棒原料と同一又は実質的に同一の化学組成を有する。このことは、有利なことに、いたるところで同じく高い耐薬品性の組成を有するシールをもたらす。従って、棒原料バルクシール材料と比べて化学的及び/又は物理的攻撃を受けやすい弱点又は密着端部がない。
【0020】
同一の棒原料又は同一のペルフルオロエラストマー製の異なる二片の棒原料の2つの表面を結合することについて本実施形態を述べたが、本発明はこのような材料だけを結合することに限定されない。本発明を用いて、異なるペルフルオロエラストマー、例えば上述したペルフルオロエラストマーのいずれかから製造された異なる二片の棒原料を密着させることもできる。さらに、本発明を用いて、棒形態でない、シート形態、成形形態、積層形態及び種々の他の形状の種々の他のタイプのペルフルオロエラストマー表面を結合又は密着させることができる。
別の実施形態では、本発明は、図5及び7に示すように、上記実施形態のいずれかに記載の結合剤を用いてペルフルオロエラストマーシール40を埋め込む方法を提供する。本明細書で使用し、かつ図5aに示す場合、用語「埋め込み」は、シール40とシールグランド44との間の間隙42又は空間を充填することを意味する。シールグランド44は、典型的に化学的攻撃に対して耐性が高い材料、例えばアルミニウム及びステンレススチールから形成される。この実施形態では、シール40とシールグランド44との間の間隙42内に結合剤を置く。結合剤を埋め込んだ後、構成全体、すなわちシール40、シールグランド44、及び埋め込まれた結合剤を約8分間約149℃(300°F)に加熱する。この熱が結合剤を硬化させ、結果としてシール40とシールグランド44との間にペルフルオロエラストマー結合を形成する。本実施形態の利点は、ペルフルオロエラストマーシール40がシールグランド44に確実に結合し、密着部からのさらなるペルフルオロエラストマーのため、かつ粒状化が移動し得るシール40とグランドとの間の間隙が最小限になるため、主シーリング材料の粒状化又は分解を有利に減らすことである。さらに、結合が、シールとグランドとの間の相対運動、ひいては摩耗を排除し、粒状化の低減にさらに寄与する。
本実施形態の適用は、いずれかの特定の組成を有するグランドに対するシール等の埋め込みに限定されず、代わりに本実施形態を用いて、例えば、金属、金属合金、プラスチック、複合材などで形成された種々のグランド表面上にペルフルオロエラストマーシールを埋め込むことができる。しかし、このような適用では、最も典型的には、金属及び金属合金の表面に遭遇する。このような埋め込み用途は、種々の結合グランド適用、例えば、半導体ドア、ゲート、及び他の予結合表面シーリング適用で用いられ、かつ該適用が半導体製造条件のような高い腐食作用を受ける場合に特に有用である。
【実施例1】
【0021】
この実施例では、硬化したが、後硬化していない、Chemraz(登録商標)成形小部分を用いて大きいペルフルオロエラストマーシールを製造した。一部分は、角丸である長方形構造だった。2つの他の円形部分を調製した。長方形部分を、長方形の長辺部を横切って接合した。切断後、2つの半分の長方形の端部断片を形成した。次に、棒を形成するように、円形部分を接合し、適度の長さに短縮して所望長さの2つの直線部分を形成した。結果として生じた2つの長方形の端部断片を、結合剤と接合治具を用いて2つの直線部分に連結して、結果として図8に示す形状を有する部品を形成した。
質量部で示す下記成分を有するペルフルオロエラストマー製剤をまず混合することによって、使用した結合剤を調製した。
【0022】
【0023】
混合後、ダイカッターを用いて配合製剤を最大寸法が約0.25インチ(6.35mm)の小断片に切断した。次に、Fluorinert(登録商標)FC-77溶媒を有するジャーに小断片を添加した。溶液全体の94質量%を構成するように溶媒を添加した。次に、ジャーをジャーミル上に置き、約48時間連続的に回転させて結合剤を形成した。
結合剤を第1棒原料部材の一端部上にコーティングし、図4に示すようなシーリング治具内に置いて第2棒原料部材に密着した。第2棒原料部材もコーティングし、その端部が第1棒原料部材の被覆端部に反してプレスされるように置いた。次に、シーリング治具を閉じて約8分間約149℃(300°F)に加熱して結合剤を硬化させた。この密着プロセスを各所望密着部で4回行って完成部品を形成し、密着部を作って大型シールを形成した。図8に示す完成部品の長方形の全体的な寸法は、長さ約2.1メートル×幅0.17mで、約0.6cmの(通常、横断構造は円形である)横断面径だった(密着部で形成された形状は完全な円形でないが、非常に近かった)。次に、部品を180℃(356°F)で7.25時間、後硬化させた後、1時間冷却した。
【実施例2】
【0024】
第1溶液(溶液A)を形成することによってペルフルオロエラストマーコーティングを製造した。3Mからの900質量部のFluorinert(登録商標)FC-43流体溶媒に、WO 00/08076に従って調製した100質量部の硬化性のシアノ硬化性ペルフルオロポリマー(一級及び二級シアノ硬化部位を有するペルフルオロエラストマーゴム)を溶解して溶液Aを形成した。溶液Aを形成するために用いたのと同一の溶媒995質量部に硬化剤として5質量部のヘプタフルオロブチリルアミジンを溶解して溶液Bを製造した。次に、溶液A及びBを等質量部で混合して完成コーティング溶液を形成した。完成コーティング溶液を金属基材表面上に適用し、約4時間100℃(212°F)の熱硬化サイクルに供した。結果として生じた硬化したペルフルオロエラストマーコーティングはクリアだった。同様のコーティングをガラス、プラスチック及び合成ゴム上でも調製した。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】ペルフルオロエラストマーコーティングを形成する方法の実施形態のフローチャートである。
【図2】本発明の実施形態によって製造されたペルフルオロエラストマーコーティングの断面の拡大斜視図である。
【図3a】従来の棒原料材の斜視図である。
【図3b】従来の棒原料料の斜視図である。
【図4】本発明の接合治具の実施形態の斜視図である。
【図4a】図3aの棒原料材の部分拡大分解側面図である。
【図4b】図4aの4b−4b線に沿った図4aの棒原料材の部分断面図である。
【図5】グランド内のペルフルオロエラストマーシールの平面図である。
【図5a】図5のペルフルオロエラストマーシールの断面図である。
【図6】ペルフルオロエラストマーを結合する方法のフローチャートである。
【図7】ペルフルオロエラストマーシールをグランドに結合する方法のフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態によって製造された大型ペルフルオロエラストマーシールである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1表面にペルフルオロエラストマー材料を結合する方法であって以下の工程:
(a)第1表面を、硬化性ペルフルオロポリマー及び硬化剤を含む結合剤と接触させる工程;及び
(b)前記結合剤を硬化させて、前記第1表面に結合したペルフルオロエラストマー材料を形成する工程
を含む方法。
【請求項2】
前記結合剤が、前記硬化性ペルフルオロエラストマーと前記硬化剤を溶媒に溶解して調製した溶液である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記溶媒がフッ素化溶媒である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
工程(b)で形成される前記ペルフルオロエラストマー材料がコーティング層である、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記結合剤を、以下の工程:
(i)前記硬化性ペルフルオロポリマー及び第1溶媒の第1溶液を形成する工程;
(ii)前記硬化剤及び第2溶媒の第2溶液を形成する工程;及び
(iii)前記第1溶液と前記第2溶液を混合する工程
を含む方法で調製する、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記第1溶媒と前記第2溶媒が同一である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記硬化工程(b)が、前記ペルフルオロエラストマー材料を有効に硬化させるのに十分な時間加熱する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記硬化工程が、約149℃(300°F)に加熱する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
工程(a)が前記結合剤を前記表面上に吹き付ける工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記硬化性ペルフルオロポリマーが、シアノ基を含む少なくとも1つの硬化部位モノマーを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記硬化剤が、モノアミジン、モノアミドキシム、アリールジオキシム、ペルフルオロオクタンアミジン(perfluorooctamidine)、ヘプタフルオロブチリルアミジン、ビスフェノール又はその誘導体、テトラフェニルスズ、トリアジン、及びペルオキシドベース硬化系から成る群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1表面がペルフルオロエラストマー部材の表面であり、かつ前記形成されるペルフルオロエラストマーがペルフルオロエラストマー密着部である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
工程(a)が、前記結合剤を第2表面に接触させる工程をさらに含み、かつ工程(c)が、前記結合剤を硬化させて前記第1表面と前記第2表面との間にペルフルオロエラストマー密着部を形成する工程をさらに含み、
硬化すると、前記ペルフルオロエラストマー密着部が前記ペルフルオロエラストマー部材と本質的に同一のペルフルオロエラストマーを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ペルフルオロエラストマー密着部を後硬化させる工程をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ペルフルオロエラストマー密着部が約95%硬化する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ペルフルオロエラストマー部材と前記密着部が部品を形成し、かつ前記方法が前記部品を後硬化させる工程をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記結合剤を以下の工程:
ペルフルオロエラストマー製剤を混合して化合物を形成する工程;及び
前記化合物を溶媒に溶解して溶液を形成する工程
を含む工程によって製造し、前記第1表面を前記結合剤でコーティングすることによって前記結合剤を前記第1表面と接触させる、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
ペルフルオロエラストマーコーティングを形成する方法であって、以下の工程;
(a)硬化性ペルフルオロポリマーと硬化剤を溶媒に溶解して溶液を形成する工程;
(b)前記溶液を表面に適用する工程;及び
(c)前記ペルフルオロポリマーを硬化させて、前記表面上に硬化したペルフルオロエラストマーコーティングを形成する工程
を含む方法。
【請求項19】
工程(c)が、前記ペルフルオロポリマーを有効に硬化させるのに十分な時間、前記コーティング層を加熱する工程を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記硬化工程が、前記コーティング層を約149℃(300°F)に加熱する工程をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
工程(a)が、
(i)前記硬化性ペルフルオロポリマーと第1溶媒の第1溶液を形成する工程;
(ii)前記硬化剤と第2溶媒の第2溶液を形成する工程;及び
(iii)第1溶液と第2溶液を混合する工程
をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記第1溶媒と前記第2溶媒が同一である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
工程(b)が前記溶液を前記表面上に吹き付ける工程を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記硬化性ペルフルオロポリマーが、シアノ基を含む少なくとも1つの硬化部位モノマーを有する、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記硬化剤が、モノアミジン、モノアミドキシム及びアリールジオキシムから成る群より選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項26】
前記硬化剤がペルフルオロオクタンアミジン(perfluorooctanaidine)又はヘプタフルオロブチリルアミジンである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記溶液が、該溶液の総質量に基づいて約1質量%〜約25質量%の前記ペルフルオロポリマーを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項28】
前記溶液が、該溶液の総質量に基づいて約1質量%〜約10質量%の前記ペルフルオロポリマーを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記溶液が、該溶液の総質量に基づいて約1質量%〜約5質量%の前記ペルフルオロポリマーを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記溶液が、該溶液の総質量に基づいて約0.01質量%〜約5質量%の前記硬化剤を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記溶液が、該溶液の総質量に基づいて約0.01質量%〜約1.5質量%の前記硬化剤を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記溶液が、該溶液の総質量に基づいて約0.25質量%〜約1質量%の前記硬化剤を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
被覆基材であって、前記基材の少なくとも1つの表面上に適用された硬化したペルフルオロエラストマーコーティングを含む被覆基材。
【請求項34】
前記ペルフルオロエラストマーコーティングが、前記基材の前記表面に適用された溶液中の硬化性ペルフルオロポリマーと硬化剤との硬化反応によって形成される、請求項33に記載の被覆基材。
【請求項35】
前記硬化性ペルフルオロポリマーが、シアノ基を有する少なくとも1つの硬化部位モノマーを有し、かつ前記硬化剤が、モノアミジン、モノアミドキシム又はアリールジオキシムである、請求項34に記載の被覆基材。
【請求項36】
前記硬化剤が、ペルフルオロオクタンアミジン又はヘプタフルオロブチリルアミジンである、請求項35に記載の被覆基材。
【請求項37】
ペルフルオロエラストマー部材を表面に結合する方法であって、以下の工程:
(a)ペルフルオロエラストマー部材の第1表面を、下記成分:
硬化性ペルフルオロポリマー、及び
硬化剤
を含む結合剤と接触させる工程;
(b)前記結合剤を第2表面とも接触させる工程;及び
(c)前記結合剤を硬化させて、前記第1及び第2表面間にペルフルオロエラストマー密着部を形成する工程
を含み、
硬化すると、前記ペルフルオロエラストマー密着部が前記ペルフルオロエラストマー部材と本質的に同一のペルフルオロエラストマーを含む方法。
【請求項38】
前記ペルフルオロエラストマー密着部を後硬化させる工程をさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記ペルフルオロエラストマー密着部が約95%硬化する、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記ペルフルオロエラストマー部材と前記密着部が部品を形成し、かつ前記方法が前記部品を後硬化させる工程をさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記部品がシールである、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記部品が均質である、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記ペルフルオロエラストマー密着部が前記ペルフルオロエラストマー部材と均質である、請求項38に記載の方法。
【請求項44】
前記第1及び第2表面が同一のペルフルオロエラストマー部材上にある、請求項38に記載の方法。
【請求項45】
工程(a)において前記ペルフルオロエラストマー部材が約75%〜約95%硬化する、請求項38に記載の方法。
【請求項46】
工程(b)が以下の工程:
前記第1表面及び第2表面を治具内に置く工程;及び
前記第1表面、前記結合剤及び前記第2表面が接触するように、前記治具内で前記第1表面、前記結合剤及び前記第2表面を置く工程
をさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項47】
工程(c)が、前記結合剤を有効に硬化させるのに十分な時間、前記結合剤を加熱する工程をさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項48】
工程(c)が、前記ペルフルオロエラストマー結合剤を約149℃(300°F)に加熱する工程をさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項49】
前記結合剤がさらに溶媒を含み、かつ前記第1表面を前記結合剤でコーティングすることによって、前記結合剤を前記第1表面と接触させる、請求項37に記載の方法。
【請求項50】
前記溶媒がフッ素化溶媒である、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記硬化剤が、ビスフェノール又はその誘導体、テトラフェニルスズ、トリアジン、及びペルオキシドベース硬化系の少なくとも1つである、請求項37に記載の方法。
【請求項52】
前記結合剤を以下の工程:
ペルフルオロエラストマー製剤を混合して化合物を形成する工程;及び
前記化合物を溶媒に溶解して溶液を形成する工程を含む工程によって製造し、
前記第1表面を前記結合剤でコーティングすることによって前記第1表面を前記結合剤と接触させ、かつ前記第1表面を前記結合剤でコーティングすることによって前記第1表面を前記結合剤と接触させる、請求項37に記載の方法。
【請求項53】
前記溶解工程が以下の工程:
前記化合物を断片にする工程;
前記化合物の前記断片に約70質量%〜95質量%の溶媒を添加する工程;及び
前記断片をボールミルで溶解しながら前記断片の粒子を分散させる工程
を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記溶媒を前記溶液の約90質量%〜約95質量%の量で添加する、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
ペルフルオロエラストマーシールをグランドに結合する方法であって、以下の工程:
硬化性ペルフルオロエラストマーと硬化剤とを含む結合剤を、ペルフルオロエラストマーシールとグランドの間に形成された間隙内に置く工程;及び
前記結合剤を硬化させる工程を含み、
硬化すると、前記ペルフルオロポリマーが前記ペルフルオロエラストマーシールと本質的に同一のペルフルオロエラストマーを形成する方法。
【請求項1】
第1表面にペルフルオロエラストマー材料を結合する方法であって以下の工程:
(a)第1表面を、硬化性ペルフルオロポリマー及び硬化剤を含む結合剤と接触させる工程;及び
(b)前記結合剤を硬化させて、前記第1表面に結合したペルフルオロエラストマー材料を形成する工程
を含む方法。
【請求項2】
前記結合剤が、前記硬化性ペルフルオロエラストマーと前記硬化剤を溶媒に溶解して調製した溶液である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記溶媒がフッ素化溶媒である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
工程(b)で形成される前記ペルフルオロエラストマー材料がコーティング層である、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記結合剤を、以下の工程:
(i)前記硬化性ペルフルオロポリマー及び第1溶媒の第1溶液を形成する工程;
(ii)前記硬化剤及び第2溶媒の第2溶液を形成する工程;及び
(iii)前記第1溶液と前記第2溶液を混合する工程
を含む方法で調製する、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記第1溶媒と前記第2溶媒が同一である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記硬化工程(b)が、前記ペルフルオロエラストマー材料を有効に硬化させるのに十分な時間加熱する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記硬化工程が、約149℃(300°F)に加熱する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
工程(a)が前記結合剤を前記表面上に吹き付ける工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記硬化性ペルフルオロポリマーが、シアノ基を含む少なくとも1つの硬化部位モノマーを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記硬化剤が、モノアミジン、モノアミドキシム、アリールジオキシム、ペルフルオロオクタンアミジン(perfluorooctamidine)、ヘプタフルオロブチリルアミジン、ビスフェノール又はその誘導体、テトラフェニルスズ、トリアジン、及びペルオキシドベース硬化系から成る群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1表面がペルフルオロエラストマー部材の表面であり、かつ前記形成されるペルフルオロエラストマーがペルフルオロエラストマー密着部である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
工程(a)が、前記結合剤を第2表面に接触させる工程をさらに含み、かつ工程(c)が、前記結合剤を硬化させて前記第1表面と前記第2表面との間にペルフルオロエラストマー密着部を形成する工程をさらに含み、
硬化すると、前記ペルフルオロエラストマー密着部が前記ペルフルオロエラストマー部材と本質的に同一のペルフルオロエラストマーを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ペルフルオロエラストマー密着部を後硬化させる工程をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ペルフルオロエラストマー密着部が約95%硬化する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ペルフルオロエラストマー部材と前記密着部が部品を形成し、かつ前記方法が前記部品を後硬化させる工程をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記結合剤を以下の工程:
ペルフルオロエラストマー製剤を混合して化合物を形成する工程;及び
前記化合物を溶媒に溶解して溶液を形成する工程
を含む工程によって製造し、前記第1表面を前記結合剤でコーティングすることによって前記結合剤を前記第1表面と接触させる、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
ペルフルオロエラストマーコーティングを形成する方法であって、以下の工程;
(a)硬化性ペルフルオロポリマーと硬化剤を溶媒に溶解して溶液を形成する工程;
(b)前記溶液を表面に適用する工程;及び
(c)前記ペルフルオロポリマーを硬化させて、前記表面上に硬化したペルフルオロエラストマーコーティングを形成する工程
を含む方法。
【請求項19】
工程(c)が、前記ペルフルオロポリマーを有効に硬化させるのに十分な時間、前記コーティング層を加熱する工程を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記硬化工程が、前記コーティング層を約149℃(300°F)に加熱する工程をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
工程(a)が、
(i)前記硬化性ペルフルオロポリマーと第1溶媒の第1溶液を形成する工程;
(ii)前記硬化剤と第2溶媒の第2溶液を形成する工程;及び
(iii)第1溶液と第2溶液を混合する工程
をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記第1溶媒と前記第2溶媒が同一である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
工程(b)が前記溶液を前記表面上に吹き付ける工程を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記硬化性ペルフルオロポリマーが、シアノ基を含む少なくとも1つの硬化部位モノマーを有する、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記硬化剤が、モノアミジン、モノアミドキシム及びアリールジオキシムから成る群より選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項26】
前記硬化剤がペルフルオロオクタンアミジン(perfluorooctanaidine)又はヘプタフルオロブチリルアミジンである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記溶液が、該溶液の総質量に基づいて約1質量%〜約25質量%の前記ペルフルオロポリマーを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項28】
前記溶液が、該溶液の総質量に基づいて約1質量%〜約10質量%の前記ペルフルオロポリマーを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記溶液が、該溶液の総質量に基づいて約1質量%〜約5質量%の前記ペルフルオロポリマーを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記溶液が、該溶液の総質量に基づいて約0.01質量%〜約5質量%の前記硬化剤を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記溶液が、該溶液の総質量に基づいて約0.01質量%〜約1.5質量%の前記硬化剤を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記溶液が、該溶液の総質量に基づいて約0.25質量%〜約1質量%の前記硬化剤を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
被覆基材であって、前記基材の少なくとも1つの表面上に適用された硬化したペルフルオロエラストマーコーティングを含む被覆基材。
【請求項34】
前記ペルフルオロエラストマーコーティングが、前記基材の前記表面に適用された溶液中の硬化性ペルフルオロポリマーと硬化剤との硬化反応によって形成される、請求項33に記載の被覆基材。
【請求項35】
前記硬化性ペルフルオロポリマーが、シアノ基を有する少なくとも1つの硬化部位モノマーを有し、かつ前記硬化剤が、モノアミジン、モノアミドキシム又はアリールジオキシムである、請求項34に記載の被覆基材。
【請求項36】
前記硬化剤が、ペルフルオロオクタンアミジン又はヘプタフルオロブチリルアミジンである、請求項35に記載の被覆基材。
【請求項37】
ペルフルオロエラストマー部材を表面に結合する方法であって、以下の工程:
(a)ペルフルオロエラストマー部材の第1表面を、下記成分:
硬化性ペルフルオロポリマー、及び
硬化剤
を含む結合剤と接触させる工程;
(b)前記結合剤を第2表面とも接触させる工程;及び
(c)前記結合剤を硬化させて、前記第1及び第2表面間にペルフルオロエラストマー密着部を形成する工程
を含み、
硬化すると、前記ペルフルオロエラストマー密着部が前記ペルフルオロエラストマー部材と本質的に同一のペルフルオロエラストマーを含む方法。
【請求項38】
前記ペルフルオロエラストマー密着部を後硬化させる工程をさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記ペルフルオロエラストマー密着部が約95%硬化する、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記ペルフルオロエラストマー部材と前記密着部が部品を形成し、かつ前記方法が前記部品を後硬化させる工程をさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記部品がシールである、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記部品が均質である、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記ペルフルオロエラストマー密着部が前記ペルフルオロエラストマー部材と均質である、請求項38に記載の方法。
【請求項44】
前記第1及び第2表面が同一のペルフルオロエラストマー部材上にある、請求項38に記載の方法。
【請求項45】
工程(a)において前記ペルフルオロエラストマー部材が約75%〜約95%硬化する、請求項38に記載の方法。
【請求項46】
工程(b)が以下の工程:
前記第1表面及び第2表面を治具内に置く工程;及び
前記第1表面、前記結合剤及び前記第2表面が接触するように、前記治具内で前記第1表面、前記結合剤及び前記第2表面を置く工程
をさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項47】
工程(c)が、前記結合剤を有効に硬化させるのに十分な時間、前記結合剤を加熱する工程をさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項48】
工程(c)が、前記ペルフルオロエラストマー結合剤を約149℃(300°F)に加熱する工程をさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項49】
前記結合剤がさらに溶媒を含み、かつ前記第1表面を前記結合剤でコーティングすることによって、前記結合剤を前記第1表面と接触させる、請求項37に記載の方法。
【請求項50】
前記溶媒がフッ素化溶媒である、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記硬化剤が、ビスフェノール又はその誘導体、テトラフェニルスズ、トリアジン、及びペルオキシドベース硬化系の少なくとも1つである、請求項37に記載の方法。
【請求項52】
前記結合剤を以下の工程:
ペルフルオロエラストマー製剤を混合して化合物を形成する工程;及び
前記化合物を溶媒に溶解して溶液を形成する工程を含む工程によって製造し、
前記第1表面を前記結合剤でコーティングすることによって前記第1表面を前記結合剤と接触させ、かつ前記第1表面を前記結合剤でコーティングすることによって前記第1表面を前記結合剤と接触させる、請求項37に記載の方法。
【請求項53】
前記溶解工程が以下の工程:
前記化合物を断片にする工程;
前記化合物の前記断片に約70質量%〜95質量%の溶媒を添加する工程;及び
前記断片をボールミルで溶解しながら前記断片の粒子を分散させる工程
を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記溶媒を前記溶液の約90質量%〜約95質量%の量で添加する、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
ペルフルオロエラストマーシールをグランドに結合する方法であって、以下の工程:
硬化性ペルフルオロエラストマーと硬化剤とを含む結合剤を、ペルフルオロエラストマーシールとグランドの間に形成された間隙内に置く工程;及び
前記結合剤を硬化させる工程を含み、
硬化すると、前記ペルフルオロポリマーが前記ペルフルオロエラストマーシールと本質的に同一のペルフルオロエラストマーを形成する方法。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図5a】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図5a】
【図6】
【図7】
【図8】
【公表番号】特表2010−516864(P2010−516864A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−547356(P2009−547356)
【出願日】平成20年1月16日(2008.1.16)
【国際出願番号】PCT/US2008/051120
【国際公開番号】WO2008/094758
【国際公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(509210933)グリーン ツウィード オブ デラウェア インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月16日(2008.1.16)
【国際出願番号】PCT/US2008/051120
【国際公開番号】WO2008/094758
【国際公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(509210933)グリーン ツウィード オブ デラウェア インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
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