説明

ペレットおよびマイクロペレットの押出成形制御、ペレット化制御および溶融レオロジー制御を利用して最小せん断成形を向上させるための方法および装置、ならびにペレットおよびマイクロペレットから作られた成形体

本発明のさまざまな実施の形態は、最小せん断成形プロセスの向上のための方法に関する。これは、任意の粉末とともにペレットおよび/またはマイクロペレットを用いて達成することができる。ペレットおよび/またはマイクロペレットは、減少した成形温度、減少した硬化時間、減少した回転軸比および/または減少した回転速度を組入れる非粉末溶融流れレオロジーと組合せて、制御された押出成形およびペレット化プロセスによって作製することができる。成形は、単軸成形、2軸成形、または多軸成形であり得て、回転成形、振動成形、またはそれら両方であり得る。作製された成形部は、単一の層または多層を有することができ、類似のまたは異なる化学的組成物を用いて、1つ以上の成形シーケンスにおいて作製することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本願は、2007年8月28日に出願された、「ペレットおよびマイクロペレットの押出成形制御、ペレット化制御および溶融レオロジー制御を利用して最小せん断成形を向上させるための方法および装置、ならびにペレットおよびマイクロペレットから作られた成形体(METHOD AND APPARATUS FOR ENHANCED MINIMAL SHEAR MOLDING UTILIZING EXTRUSIONAL, PELLETIZATION, AND MELT RHEOLOGICAL CONTROL OF PELLETS AND MICROPELLETS AND MOLDED OBJECTS MADE THEREFROM)」と題される米国特許出願連続番号第11/846,372号の利益を主張し、米国特許出願連続番号第11/846,372号は、まるで以下で十分に説明されているかのように、全文が引用によって本明細書に援用されている。
【0002】
発明の背景
1.発明の分野
本発明は一般に非粉末プロセスに関し、この非粉末プロセスは、ペレット、より特定的にマイクロペレットを押出成形するためのものであり、ペレットの大きさおよび形状を制御し、ペレットの化学的完全性を保持して、望ましくない劣化、時期尚早な酸化、変色、時期尚早な反応、膨張または架橋からペレットができる限り自由であることを確実にするためのものであり、ペレットが、単軸、2軸および多軸最小せん断成形で用いられるほぼ均一な組成物の混合物または調合物からなることをさらに確実にして、従来のプロセスを考慮してプロセス温度、回転比および回転速度の向上を容易にするためのものである。
【背景技術】
【0003】
2.先行技術の説明
押出成形、ペレット化、乾燥、運搬、回転成形、および揺動成形のための個々のプロセスならびに機器は、一般に知られており、さまざまな用途で用いられてきた。これとは別に、この技術にかかわる化学現象は知られていた。これらのプロセスおよび機器を起こり得る化学現象に適用すること、ならびに、回転および揺動成形の最小せん断プロセスの向上に広げることは、先行技術の開示からは容易に明らかではなく、本発明の焦点である。
【0004】
ペレット化機器、および押出成形処理に続くペレット化機器の使用は、先行技術の開示が例証するように、長年の間、譲受人によって紹介され、および/または、用途で利用されてきた。この先行技術の開示は、米国特許第4,123,207号、第4,251,198号、第4,500,271号、第4,621,996号、第4,728,176号、第4,888,990号、第5,059,103号、第5,403,176号、第5,624,688号、第6,332,765号、第6,551,087号、第6,793,473号、第6,824,371号、第6,925,741号、第7,033,152号、第7,172,397号、米国特許出願公開番号20050220920、20060165834、DE 32 43 332、DE 37 02 841、DE 87 01 490、DE 196 42 389、DE 196 51 354、DE 296 24 638を含むドイツ特許および出願、世界特許出願公開WO2006/087179、WO2006/081140、WO2006/087179およびWO2007/064580、ならびにEP 1 218 156およびEP 1 582 327を含む欧州特許を含む。これらの特許および出願はすべて、譲受人によって所有されており、全文が引用によって本明細書に含まれる。
【0005】
同様に、たとえば米国特許第3,458,045号、第4,218,323号、第4,447,325号、第4,565,015号、第4,896,435号、第5,265,347号、第5,638,606号、第6,138,375号、第6,237,244号、第6,739,457号、第6,807,748号、第7,024,794号、第7,172,397号、米国特許出願公開番号20060130353、世界特許出願公開番号WO2006/069022、DE 19 53 741、DE 28 19 443、DE 43 30 078、DE 93 20 744、DE 197 08 988を含むドイツ特許および出願、ならびにEP 1 033 545、EP 1 602 888、EP 1 647 788、EP 1 650 516を含む欧州特許において実証されているように、乾燥機機器が、長年の間、譲受人によって紹介され、押出成形およびペレット化に続く用途で用いられてきた。これらの特許および出願はすべて、譲受人によって所有されており、全文が引用によって本明細書に含まれる。
【0006】
回転成形および揺動成形機器を含むがそれらに限定されず、スラッシュ成形機器に続く最小せん断成形機器は、同様に、たとえば米国特許第2,629,131号、第2,893,057号、第3,134,140号、第3,315,314号、第3,350,745号、第3,564,656号、第3,676,037号、第3,703,348号、第3,788,792号、第3,810,727号、第3,822,980号、第3,825,395号、第3,841,821号、第3,843,285号、第3,914,105号、第4,022,564号、第4,247,279号、第4,671,753号、第4,705,468号、第4,738,815号、第4,956,133号、第4,956,135号、第5,022,838号、第5,039,297号、第5,188,845号、第5,238,379号、第5,705,200号、第6,030,557号、第6,296,792号、第6,338,623号、第6,511,619号、第6,555,037号、および第6,604,931号、米国特許出願公開番号2006/0257518、カナダ特許番号2 025 267、日本特許出願番号JP2005028803、ならびに世界特許出願公開番号WO1999/056930に開示されている。これらの特許および出願は、引用によって例示的に本明細書に含まれ、限定されない。
【0007】
ポリエチレンおよび他のポリオレフィン、ビニルエステルおよび他のビニル重合体、フッ素重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)共重合体、ならびに架橋性ポリエチレン(XLPE)などの反応性高分子を含むさまざまな粉状材料も最小せん断成形のために利用されてきた。とりわけ酸化防止安定化、熱安定化、紫外線(UV)安定化、着色、流れの修正、処理の修正、可塑化、発泡、および/または架橋性能を与えるために、添加剤パッケージが導入されてきた。
【0008】
ル・ロイ・ペイン(Le Roy Payne)は、引用によって本明細書に含まれるたとえば米国特許第4,671,753号、第4,671,991号、第4,749,533号、第4,909,718号、第4,956,133号、第4,956,135号、第5,011,636号、第5,022,838号、第5,173,221号、第5,188,845号、第5,238,379号、第5,316,701号、第5,503,780号、第5,507,632号、第5,705,200号、第6,030,557号、第6,296,792号、第6,511,619号、第6,555,037号、カナダ特許番号CA 2 025 267、および世界特許出願公開番号WO1999/056930によって機器および方法論を紹介した。それらは、振動または揺動処理と任意に組合せて、1つ以上の回転軸での、注ぎ込み可能な、重合可能に反応するポリウレタンまたはポリエステルの回転成形を用いて、回転成形物を生成することを実証している。重合可能な液体原材料のうちの少なくとも1つに対する添加剤として微小球を用いることが米国特許第6,555,037号において実証されているが、この文献は、本発明に記載されているようなペレットまたはマイクロペレットの使用については言及していない。
【0009】
回転成形組成物についての初期の文献は、典型的にはより円筒形であり、かつ、多くの場合粉砕されて粉末を提供していたペレットの使用を含む。米国特許第3,514,508号は、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリ塩化ビニルの、好ましくは20メッシュ〜50メッシュの粒子の使用を開示しており、そこでは、ある程度の正圧を与えるために窒素または二酸化炭素などの不活性ガスが金型内に存在する状態での350°F〜950°F(約177℃〜510℃)のオーブン温度が提案されている。2ミリメートル(mm)までのより大きな大きさの粒子が開示されている。米国特許第3,935,143号に開示されているように、添加剤を含むアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂は、回転鋳造のために−10メッシュ〜+100メッシュの範囲の大きさで準備された。マスタブレンドは米国特許第4,508,859号に開示されており、そこでは、樹脂粒子および添加剤が軟化温度を下回る温度で混合され、この調合物は、強力ミキサに移すと、溶けることなく十分に粒体を軟化させて、添加剤を粒体中にまたは粒体上に吸収させることができる。樹脂粒体がいくらか丸くなることが予期され、米国特許第4,508,859号は、30または35メッシュのスクリーンを用いて、許容できないほどに大きな粒体を除去することを記載している。米国特許第4,624,818号は、好ましくは24メッシュ〜500メッシュの範囲の大きさの耐摩滅性の成分を含む、12〜35メッシュの範囲の大きさのナイロン粒体を開示している。同様に、米国特許第4,970,045号は、回転成形のためにポリアミドおよびイオノマ共重合体のペレットまたは粉末を形成することを開示している。再現可能な粒度分布、均一な調合物、および/または最適化された成形品の質もしくは性能を達成するための制御されたペレット化は開示されていなかった。
【0010】
米国特許第5,525,274号では、ポリウレタンを押出成形してフレーキングすることによって微小球が準備され、ポリウレタンは次いで、可塑剤を含む他の添加剤と混合される。化合物は次いで、0.007インチ(″)〜0.040″(約0.178mm〜1.02mm)の範囲のオリフィスを通して再び押出成形される。同様に、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレンまたはポリ塩化ビニルが、可塑剤を含む添加剤とブレンドされ、樹脂は押出成形によって混合物の50%〜55%を構成し、上述のように寸法的に等価な粒子を生成する。米国特許第5,525,274号の目的は、可塑剤を樹脂マトリックスの中にロックして、「裏面むら」のない、均一な厚みの鋳造物を得ることであるように見える。ポリ塩化ビニル(PVC)について50,000〜150,000の分子量範囲が開示されている。また、より低い分子量の樹脂はプロセス温度を減少させ、サイクル時間を減らすことも開示されている。
【0011】
米国特許第5,525,284号は、米国特許第5,525,274号の分割特許である。この文献では、成形またはスラッシュ成形されている部分の重量以上の予め定められた充填サイズを用いて、高可塑化微小球が回転鋳造されて、薄いプラスチックシェルを形成する。
【0012】
米国特許第5,654,102号は、米国特許第5,525,274号および第5,525,284号の分割特許である。この文献では、50%〜55%の樹脂に限定された、可塑剤を含む微小球の組成物が、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、またはそれらのエポキシもしくは合金であることが開示されている。
【0013】
米国特許第5,998,030号および第6,410,141号は、米国特許第5,525,274号、第5,525,284号および第5,564,102号の一部係属特許である。これらの文献は、2,000〜150,000の分子量範囲を広げる。可塑剤は任意であるが成分として残り、本明細書における一例では、樹脂レベルは上述のように50%〜55%の範囲内である。これらの特許は、顔料が5重量%未満のレベルで存在することを必要とする。
【0014】
マイクロペレットを押出成形するためのペレタイザダイが米国特許第5,597,586号に記載されている。このダイは、ダイの面について同心円状にグループになって配置された複数のダイホールを必要とする。グループのうちの少なくとも1つは、直径が均一なダイホールからなっているが他のグループとは異なっているか、または、ダイホールのグループ内のサブグループは、直径が均一であるがそのグループの他のサブグループとは異なっている。過剰な圧力の発生およびフリーズオフがダイホールのうちの少なくともいくつかを有効に遮断することが判明しており、これはダイを実装しようとする試みにとって問題があることが証明された。
【0015】
米国特許第4,238,537号は、回転成形のために、両方がさまざまなエチレン酢酸ビニル共重合体からなるペレットおよび粉末の混合物を用いることを開示している。この明細書は、ペレットが典型的には1/8インチ×1/8インチ(約3.2mm×3.2mm)であり、粉末が20メッシュ〜50メッシュに粉砕されることを開示している。開示された調合物は、50%〜80%がペレットであり、逆に50%〜20%が粉末である。成形は一般に、500°F〜625°F(約260℃〜329℃)でなされる。米国特許第4,238,537号によれば、ペレットおよび粉末の完全な合体は必須ではなく、ペレットがその粒子特性を少なくとも部分的に保持することが開示されている。
【0016】
欧州特許番号EP 0 755 761および米国特許第5,585,419号は、回転成形で用いられる、直径が0.028インチ〜0.051インチ(約0.7mm〜1.3mm)のマイクロペレットを、0.012インチ〜0.035インチ(約0.3mm〜0.9mm)でありかつ不規則な形状をしている類似の組成の粉末と組合せて用いることを開示している。同様に、米国特許第5,886,068号は、類似の組成の2つの異なるマイクロペレットの大きさを用いることを開示しており、マイクロペレットは、0.028インチ〜0.051インチ(約0.7mm〜1.3mm)の範囲のより大きな大きさと組合せて、0.024インチ〜0.039インチ(約0.6mm〜1.0mm)の直径を有する。開示された材料は、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびSURLYNを含む。600°F〜800°F(約316℃〜427℃)のオーブン温度が維持され、溶融温度は400°F〜550°F(約204℃〜288℃)であると記載されている。3.75:1の回転比または複数の等価物が開示されており、開示されているように、大きなペレットの大きさは勧められず、溶融に必要な時間が長くなり、したがって、粉末またはより小さなマイクロペレットが既に金型の表面上に堆積し始めた後に溶解する。米国特許第5,886,068号は、層を分離しようとする試みまたは異なる材料を用いようとする試みに関しては言及していない。
【0017】
同様に、米国特許第6,433,086号および第6,682,685号は、ポリエチレンペレットおよび同じ組成の粉砕されたポリオレフィン粉末の化合物を用いた回転成形プロセスについて記載しており、粉末はそれぞれ、調合物の重量の20%〜30%または20%〜50%である。米国特許第6,682,685号を受けて、構造的特性を改善するために強化繊維を含み得るこの樹脂調合物から単一層が形成される。米国特許第6,833,410号は、有機、無機およびミネラル強化繊維を含む繊維を開示しており、この繊維は、樹脂粉末調合物に対して同等の樹脂ペレットの10重量%〜80重量%という装填レベルで利用されるが、樹脂組成物は開示されていない。
【0018】
米国特許第3,368,013号は、多数の通気穴がついた中空物を作るためにさまざまな形状のペレットの端縁のみを焼結することを開示している。同様に、米国特許第6,030,558号によれば、多孔性プラスチックを作るために、1/8インチ(約3.2mm)未満のペレットが焼結される。孔の大きさはペレットの大きさによって制御され、焼結は、ペレットの外面のみを溶解するのに十分な温度でなされる。選択的ろ過などの用途で特に有益である非常に狭い粒度分布範囲について言及されている。低密度ポリエチレンの場合、周囲温度(または室温)〜320°F(約160℃)まで温度は循環し、次いで、5分間にわたって冷却され、粒度は0.031インチ(約0.8mm)である。これよりも大きな粒度の場合、上記のような循環に続いて、冷却の前に、320°F(約160℃)で2分〜4分間の加熱が行なわれる。
【0019】
WO2000/035646は、2から10の炭素モノマーのポリオレフィンペレット、特にエチレンおよびプロピレンを用いることを実証している。クレーム1によれば、粒度分布は、平均0.020インチ(約0.5mm)の粒度分布と比較して、平均0.035インチ(約0.9mm)の粒度の粒度分布と平均0.004インチ(約0.1mm)の粒子の粒度分布との差の比率について1という最大値の基準を満たすべきであり、ペレットは0.1重量%未満の水分含有量を含んでいるべきである。少なくとも1つの添加剤が、ミキサ、押出成形機およびペレタイザ、遠心脱水機および流動床乾燥機においてポリオレフィンと組合せられることを必要とする装置が記載されている。クレームされた材料の回転成形についても開示されている。また、WO2000/035646は、残留水分含有量がわずか1重量%であると記載している。米国特許出願公開番号2005/0228118は、米国特許第6,894,109号の分割特許出願であり、米国特許第6,894,109号自体は、米国特許第6,573,314号の分割特許であり、回転成形品においてピンホールが最小限であるかまたは存在しないことのみをクレームしている。米国特許第6,894,109号は、本明細書において引用されたWO2000/035646に開示されているように、この水分含有量を0.1%未満の値に減少させる。
【0020】
米国特許第6,632,525号は、直径が0.007インチ〜0.040インチ(約0.18mm〜1.0mm)の範囲のプラスチック粒子の製造および使用を開示しており、このプラスチック粒子は、その粒子の外面上に突出リングを有する。このリングは、連続的である場合もあれば非連続的である場合もあり、リングのない元のペレットの押出成形、ペレット化および冷却に続くさらなる加熱ステップにおいて作製される。
【0021】
多層成形品についても文献に記載されてきた。米国特許第3,542,912号は、35メッシュまたはより細かな粒体の混合物の使用を開示しており、成分は、融点が少なくとも10°F(約5℃)だけ異なる個々の層を形成する。個々の成分は、不混和性であると記載されている。毎分20〜100回転(rpm)の回転速度についても記載されている。オーブン温度は必ず、融点が最も高い成分の融点を上回る最低でも20°F(約11℃)であると開示されており、典型的には550°F(約288℃)に保たれる。例示的な実施の形態では、内側層および融点がより高い層は、ナイロン、ポリカーボネート、アセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、およびポリエステルから形成される。融点が最も高い層は必ず、他の層のうちの少なくとも1つよりも高い密度も有するべきである。ナイロンの場合の外側の(したがって、融点がより低い)層は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリスチレン、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、スチレン−ブタジエン、またはポリ塩化ビニルからなるように提案されている。ポリカーボネート内側層については、ナイロンのみが推奨される。アセタール、ポリエステル、またはポリスルホン内側層は、ポリエチレンまたはポリプロピレン外側層を補完する。ナイロン−アセタール−ポリエチレンもしくはポリプロピレン、または代替的にポリカーボネート−ナイロン−ポリエチレンもしくはポリプロピレンからなる3層構造が記載されている。
【0022】
類似の組成の層の順次的な形成が米国特許第3,627,869号に開示されており、10メッシュ〜400メッシュの範囲の粒子が許容可能であると考えられ、16メッシュ(0.047″または約1.2mm)〜50メッシュ(0.012″または約0.3mm)が回転成形に好適であると考えられる。10〜20rpmの回転速度が開示されており、示されるオーブン温度は500°F〜700°F(約260℃〜271℃)またはそれよりも高い範囲であり、650°F(約343℃)が好ましい。各層についてポリオレフィンホモポリマーまたは共重合体が記載された。同様に、米国特許第4,548,779号は、融点がより高い第1の外側層を生成し、次いで、金型を冷却し、材料を投入して、内側層を形成する。優先的に、外側層はポリアミドであり、内側層はポリオレフィンである。
【0023】
日本特許英文抄録公開番号JP03−000216は、約460°F(約238℃)で粉末から回転成形された多数ステップの多層品を開示しており、各層は別個に金型の中に投入される。日本特許英文抄録公開番号JP2006−095928は、同様に、2ステップの2層プロセスを開示しており、第2の材料、すなわちナイロンは、供給ノズルを通して金型の中に投入される。米国特許第6,982,057号は、同様に、2ステップの2層プロセスを開示しており、第1の層としてポリエチレン、ポリプロピレンまたはナイロンが用いられ、内側層は透明であるべきである。375°F〜650°F(約191°〜343℃)のオーブン温度が記載されている。直鎖状低密度ポリエチレンは、8:2の回転比および540°F(約282℃)で成形された。第1の層は、絶縁部材を除去できるように十分に薄く作られ、その結果、露出した間隙を通して第2の流動性成分を注ぎ込むことができる。一例として、澄んだ第2の層はそのとき、視線を形成するように間隙を封止する。
【0024】
発泡性層を利用する多層品も回転成形を用いて作られてきた。米国特許第3,419,455号は、熱可塑性外側シェルから作られた装飾体を開示しており、堅固化内側コアは、層である場合もあれば、成形品の内側チャンバを完全に満たしている場合もある。米国特許第3,527,852号によれば、反応可能樹脂の膜が、発泡剤のカプセルを含む金型の中に投入され、回転成形を受ける。一旦膜層が形成されると、発泡剤は制御可能に放出されて、発泡したコア物品を生成する。同様に、米国特許第3,541,192号は、膜層の形成のためのプラスチゾルを紹介し、さらに、発泡したコアを制御された状態で生成するための第2の発泡性または膨張性プラスチゾルを紹介している。米国特許第3,914,361号は、プラスチック粉末を利用する外側膜および内側発泡コアと、封止可能な金型の中に同時に投入されるより大きな膨張性微粒子とを生成する。外側からの加熱は粉末を溶融させて外皮を形成し、次いで、より大きな微粒子を膨張させて、発泡した内部を生成する。
【0025】
米国特許第3,936,565号は、第1の層が金型の中に投入され、金型表面上に均一にコーティングされるサンドイッチ構造を紹介している。第1の層は好ましくは架橋性ポリエチレンであり、成形温度は、完全な架橋を防ぐように十分に制御される。第1の層の溶融堆積が完了すると、第2の、好ましくは発泡性の層が金型の中に投入され、発泡することなく同様に積み重ねられる。任意の第3の層は第2の層の内面上に配置されることができ、架橋および発泡動作が同時に行なわれて、成形プロセスを完了させる。
【0026】
米国特許第5,532,282号は、典型的には20〜50メッシュの小さな非膨張性粉末と、典型的には直径が0.040″〜0.15″(約1.0mm〜3.8mm)であり、長さが0.040″〜0.125″(約1.0mm〜3.2mm)である相当に大きな膨張性粒体またはペレットとを同時に投入することを開示しており、特に球である必要がないことが開示されている。580°F(約304℃)のオーブン温度が例示として記載されている。より小さな微粒子が溶融し、より大きなペレットが第2の層を形成して、その後、第1の層が形成された後に発泡することを優先的に可能にすると仮定される。発泡した層および発泡したコアが両方とも開示されている。膜形成層は、記載されているように架橋性であり得る。米国特許第5,783,611号、第5,830,392号、第5,922,778号、および第6,038,434号は、注意深く制御された化学的配合およびブレンドによって表面特性の改善が達成されるという点で類似の方法論を利用する。この概念は、内側膜層を形成するより大きな、融点がより高い層において再生材料を用いることを含むように米国特許第6,180,203号においてさらに広げられている。これは、成形および膨張部の内側膜と外側膜との間に任意の強化ロッドおよび発泡性層をさらに提供する。
【0027】
高ゼロせん断粘度および低ゼロせん断粘度の重合体材料の混合物ならびに第3の発泡性コア形成成分が、米国特許第5,928,584号に開示されている。この特許は、内側金型表面に対して積み重なって、金型の壁との接触を防ぐ発泡性成分に対するバリアを形成する壁形成バリアとして、高粘度材料を記載している。優先的に架橋性である低粘度成分は、壁形成層および内側発泡性コア形成成分のための結合要素の役割を果たす。
【0028】
架橋性ポリオレフィンおよび他の反応性樹脂は、回転成形において周知であり、反応性残留成分を重合体構造に含むか、または、近位に位置する重合体の部分の間に、典型的には遊離基または他の共有結合によって結合を発生させる「添加剤パッケージ」を組入れる。これらの添加剤パッケージは典型的には、架橋の可能性を高めるために、架橋剤、多機能材料および促進剤を含む。このようなパッケージの例示的な先行技術の記載は、米国特許第3,876,613号、第3,969,475号、第4,029,729号、第4,088,714号、第4,267,080号、第4,414,340号、第4,526,916号、第4,587,318号、第4,678,834号、第4,808,364号、第4,857,257号、第4,900,792号、第5,260,381号、第5,367,025号、第6,528,585号、および第6,610,768号を含む。さらなる例は、米国特許出願公開番号2005/02024338、2005/0261430および2005/0261443を含む。
【0029】
さまざまな製品が回転成形によって作られる。これらは、とりわけ、玩具、薬品貯蔵タンク、貯水槽、車両用燃料タンク、および自動車部品を含む。重合体における装飾的効果が開示されており、この装飾的効果は、米国特許第2,330,108号における塩添加剤のマーブリングおよび真珠層効果、ならびに米国特許第5,304,592号において実証されるような、典型的には透明のまたは透光性のマトリックスに匹敵するまたは等しい密度の、透明なまたは透光性のマトリックス中に懸濁している複数の微粒子を組入れることによる花崗岩のような効果を含む。
【0030】
この発明の目的は、成分もしくはペレットの劣化もしくは望ましくない反応が最小限であるように、または劣化もしくは望ましくない反応が発生しないように、回転成形および押出成形グレードの材料、ならびに添加剤を含む回転成形および押出成形配合物を適切に乾燥することで、制御された押出成形およびペレット化によって再現可能なペレットおよびマイクロペレットを準備するための費用効果の高い方法を提供することである。この発明の目的は、それらのペレットを用いて、(スラッシュ成形を含む)最小せん断回転および振動プロセスを利用して、高品質の単一層または多層成形品を形成するための費用効果の高い方法を提供することである。この最小せん断回転および振動プロセスは、従来のプロセスを考慮して、より低い処理温度、減少した処理時間、減少した回転比および減少した回転速度を利用することができ、貯蔵容積を減少させることができ、金型内液化を容易にすることができ、ブリッジングの減少、搬送の容易さ、操作の安全性、粉塵の危険の減少、および中間物の嵩密度を増大させることによるより低い出荷コストを可能にし、その結果、非粉末プロセスは、衝撃強度、透過性、生産の再現性、金型の詳細の複雑さおよび正確さ、層の厚みの均一性、層の完全性、層と層との間の結合強度、中間層の均一性、気泡およびピンホールおよびへこみまたは窪み跡の最小化、孔の減少または排除、内面の質、構造的完全性、ゲル形成、着色の均一性、ならびに装飾的効果の点で、業界標準の粉末ベースの製品に匹敵するかまたは粉末ベースの製品より優れた製品を作製する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0031】
発明の概要
簡単に記載すると、本発明のさまざまな実施の形態は、マイクロペレットを押出成形するため、ならびにマイクロペレットの大きさおよび形状を制御してマイクロペレットの化学的完全性を保持するための非粉末プロセスを提供する。これらの制御可能に作製されたマイクロペレットは、本発明のさまざまな実施の形態に従って、回転または揺動プロセスなどの最小せん断成形で用いられ、プロセス温度および/またはプロセス時間を減少させることによってエネルギコストの大幅な節約を容易にし、1つ以上の回転支持アームの回転比および/または回転速度を大幅に減少させることができるようにすることによって機器上の摩耗および裂けを減少させる。
【0032】
業界のより標準的なバルク粉末と比較してマイクロペレットの嵩密度を大きく増大させることによって、マイクロペレットの搬送が非常に簡略化され、出荷コストが極めて低くなることがわかった。押出成形されたマイクロペレットを用いることは、使用可能な材料の範囲を広げ、これは、酸化防止剤、紫外線、ならびに金型における準備寿命および成形後の寿命を改善するための熱安定剤を含む他の安定剤パッケージを均一に組入れることにより、伝統的に販売されていなかった最小せん断成形材料を直接準備できるようにすることによってなされる。
【0033】
マイクロペレットは、構造の点でより再現可能であり、幾何学的形態の点でより球形であり、より制御可能な表面エリアを有する。これらは、本発明に従って材料が金型の表面上に積み重ねられることによって、回転機構に大きく影響を及ぼす。この制御によって、順次または金型の中に材料を一度投入することで層を形成できるという点で、1層成形プロセスを多層プロセスに容易に広げることができるようになる。多成分の投入の層化は、溶融温度、軟化温度、ペレットサイズ、ペレット密度、溶融密度、溶融粘度、溶融流れ、金属面または下層の溶融物の濡れ性を含む表面特性、および極性または化学的組成の差を含むがそれらに限定されないいくつかのメカニズムのうちの少なくとも1つによって達成できる。
【0034】
この発明のいくつかの実施の形態に従うマイクロペレットの使用は、着色の制御を向上させて、配色の均一性を達成するか、マーブリングを生じさせるか、または他の装飾的効果を達成する。より球形のマイクロペレットを用いることにより、内側成形面の特性が大幅に改善し、気泡およびピンホールの除去ならびに低沸点成分の液化の優れた制御が可能になり、この低沸点成分は、押出成形、ペレット化、溶融物の形成、層化、反応および/または成形プロセスにおいて用いられるまたはそれらによって生成される副生成物、加工助剤または賦形剤であり得る。本明細書に記載されるプロセスは、伝統的な粉末成形プロセスの現代技術の質と比較して、成形されている部分の質に悪影響を及ぼすことはない。
【0035】
先行技術は、最小せん断成形において粉末を用いて、玩具からパイプライナー、自動車部品、ボート、何千ガロンも収容できるタンカータンク、さらにはタンカーライナーまでの種々の物品を生成することの有効性を実証してきた。粉末技術の制約についても記載されてきた。例示的な制約は、粒子の大きさおよび形状の不規則性および非再現性、粒度分布のばらつき、問題のある流動力学、溶融物のむらおよびその後の成形中の堆積の際の均一性の欠如、特に嵩密度の制約によって影響を受ける小さなまたは複雑な成形の際の問題のある容積、複雑なまたは収縮する金型の設計の場合の堆積の際の望ましくないブリッジングおよび不整合性、成形品における壁の厚みの非均一性、劣化または変色に繋がる可能性がある粉砕中の粉末成分の不安定さ、ならびに、起こり得る粉塵、吸入、発火および爆発の危険によるメンテナンス、操作上および安全上の問題を含む。
【0036】
最小せん断成形の用途のために用いられるおよび/または配合されることができる材料は、伝統的に種類の点で制限され、特定のグレードまたは配合物は、多くの場合、意外にも市場から取除かれており、これは金型工にとっては課題となる。
【0037】
また、ペレットは、最初は、一般におよび望ましくなく形状が円筒形であり、多くの場合大きさが十分に(および望ましくなく)大きなペレットとして市場に紹介され、一部には溶融および堆積の均一性の点での課題のために有用性が制限され、その結果、最終生成物の質が許容できないまたは劣ったものになっていた。製造機器がますます高度化することでペレットの大きさが小さくなるにつれて、その有用性は、典型的には元の粉末成形条件での処理に近い形で市場にもたらされ、したがって、(複数の粒子全体にわたって成分が均一に分布する必要があると仮定して)著しい可塑化が必要であり、(粉末に匹敵するペレットの大きさ、さらにはより小さなペレットの大きさが必要であると仮定して)異なる大きさの粉末またはペレットと組合せることが必要であり、および/または、過剰な加熱または強引な回転シーケンスを利用する。その結果は、多くの場合、成形の質の低下、均一な堆積の欠如、不規則な金型表面、ピンホールまたはへこみおよび窪み跡の形成という重大な問題、組成または着色または壁の厚みの非均一性、有用な材料、したがって有用な最終生成物の範囲を制限する材料面での考察の制約であり、さらには、多層の形成などの構造的特性またはバリア特性の所望の効果を達成するために危険なまたは安全でない生産操作を必要とすることである。
【0038】
そこで、容易に運搬可能であり、容易に最小せん断成形プロセスに組入れられることができる、比較的一貫性のある、再現可能なペレットまたはマイクロペレットを生成する方法が必要であり、このペレットまたはマイクロペレットは、ペレット化プロセス、成形プロセスおよび/または最終生成物の保存期間を向上させるためのさまざまな安定剤パッケージ;または組合せて、構造強度、バリア特性、衝撃強度の改善および/または撓み特性の修正のための反応性重合体もしくは配合物;顔料もしくは紫外線吸収剤;熱吸収;反射成分などを含む添加剤を任意に含む。このように生成されたペレットおよびマイクロペレットでは、エネルギ的に引付け、それほど強引でない成形技術によって機器のメンテナンスを減らし、成形プロセスおよび最終的には成形物の質を改善し、粉砕の費用および不整合性をなくし、搬送および貯蔵に費用効果がより高い成形プロセスのための方法を有することが望ましい。
【0039】
本発明のさまざまな実施の形態は、最小せん断成形のための組成物、最小せん断成形のプロセス、および最小せん断成形のための装置を提供する。
【0040】
この組成物およびプロセスは両方とも、4つのパラメータ内で動作することができ、新規で非自明な組成物およびプロセスを提供する。例示的な実施の形態では、ペレット/マイクロペレットのペレット化、搬送および乾燥が、最小せん断成形で用いられるペレット/マイクロペレットの化学的組成を劣化させないように、時期尚早に反応させないように、膨張させないように、時期尚早に架橋させないように、および他の方法で変更しないように、装置が提供される。
【0041】
本発明のいくつかの実施の形態は、少なくとも1つの層の最小せん断成形のための組成物を提供し、この組成物は、ペレット、マイクロペレット、粉末、または上記のもののうちの少なくとも1つを備える組合せを含む。好ましい組成物は、たとえば以下の4つのパラメータが満たされるように少なくとも1つの層を同時に形成することができる少なくとも1つの化学的組成物を備える。第1に、単一層のための組成物は、20%未満の副次的な成分を含み、粉末が用いられる場合その粉末の大きさはペレットの大きさよりも小さい必要はない。第2に、多層における各層を形成するために用いられるペレット、マイクロペレットおよび/または粉末は、各層が組成的に異なるように組成的に異なっている。第3に、1つの大きさのペレットおよび1つの大きさのマイクロペレットの組合せが単一層では用いられない。最後に、単一層は粉末だけから形成されるわけではない。
【0042】
化学的組成物は、重合体、共重合体、添加剤、およびそれらの組合せを含み得る。さらに、重合体、共重合体および添加剤は、架橋性であり得る反応性官能基を含み得る。反応性官能基は、化学反応によって修正され得て、膨張性のものを含む。
【0043】
重合体は、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエーテル、セルロース誘導体、およびそれらの共重合体であり得る。
【0044】
ポリオレフィンは、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン、アルキルおよびアリール置換ビニル樹脂類、ハロゲン化およびポリハロゲン化ビニル樹脂類、ポリビニルエステル、ポリビニルアルコール、ならびにそれらの共重合体であり得る。
【0045】
重合体、共重合体および添加剤は、非晶質、結晶質、またはそれらの組合せであり得る。
【0046】
添加剤は、レオロジー調整剤、架橋促進剤、酸化防止剤、紫外線安定剤、熱安定剤、顔料、充填剤、繊維、核形成剤、膨張剤、粘着性付与剤、粘着分離剤、ペレットコーティング、可塑剤、ワックス、加工助剤、およびペレット化助剤を組成的に含み得る。添加剤は、単一成分および多成分の配合物であり得る。
【0047】
ペレットおよびマイクロペレットは、球形からレンズ状までなどの多くの幾何学的構成を含み得る。
【0048】
ペレットおよびマイクロペレットは、劣化、膨張、時期尚早な反応、および時期尚早な架橋が最小化されるように制御可能にペレット化され得る。
【0049】
ペレット、マイクロペレット、またはそれら両方は、約0.5重量%未満の細粒を含み得る。
【0050】
ペレットは、約0.7ミリメートル(mm)〜約3.5mmの平均最長断面寸法を有し得る。場合によっては、この寸法は、約0.7mm〜約1.6mmであり得て、他の場合には、約0.7mm〜約1.0mmであり得る。マイクロペレットは一般に、断面が約0.7mmよりも小さい。
【0051】
ペレットおよびマイクロペレットは、妨害しあうことなく、ならびに運搬および搬送機器の妨げになることなく、運搬、搬送および貯蔵され得る。
【0052】
さらに、組成物は、形成された層毎に、1つの化学的組成の、1つの大きさのペレットまたはマイクロペレットを含み得る。
【0053】
本発明の他の実施の形態は、最小せん断成形の方法に向けられる。最小せん断成形の1つの方法は、ペレット、マイクロペレット、粉末、または上記のもののうちの少なくとも1つを備える組合せを提供するステップを含み得る。この方法は、また、ペレット、マイクロペレット、または粉末で、成形物の少なくとも1つの層を同時に形成するステップを含み得る。組成物は、たとえば以下の4つのパラメータが満たされるように少なくとも1つの層を同時に形成することができる少なくとも1つの化学的組成物を含み得る。第1に、単一層のための組成物は、20%未満の副次的な成分を含み、粉末が用いられる場合その粉末の大きさはペレットの大きさよりも小さい必要はない。第2に、多層における各層を形成するために用いられるペレット、マイクロペレットおよび/または粉末は、各層が組成的に異なるように組成的に異なっている。第3に、1つの大きさのペレットおよび1つの大きさのマイクロペレットの組合せが単一層では用いられない。最後に、単一層は粉末だけから形成されるわけではない。
【0054】
この方法は、変色しない成形物を作ることができる方法であり得て、内面は流れのむらがなく滑らかであり、その結果、成形物は、ピンホール、気泡、へこみおよび窪み跡を含む表面欠陥が最小限であるかまたは表面欠陥がない。
【0055】
この方法は、同等の組成物の35メッシュの粉末の成形温度を下回る少なくとも25℃の成形温度を利用し得る。場合によっては、この方法は、同等の組成物の35メッシュの粉末の成形温度を下回る少なくとも50℃、少なくとも75℃、および例示的な実施の形態では少なくとも100℃の成形温度を利用し得る。
【0056】
この方法は、同等の組成物の35メッシュの粉末に特有の10:1〜4:1の範囲から5:1〜3:1の範囲まで減少した成形比を提供し得る。
【0057】
この方法は、同等の組成物の35メッシュの粉末に特有の6rpm〜20rpmの範囲から1.75rpm〜6rpmの範囲まで減少した成形回転速度を提供し得る。
【0058】
この方法は、同等の組成物の35メッシュの粉末のものを超えて少なくとも10%減少した成形プロセス時間を提供し得て、場合によっては、その時間は少なくとも15%減少する。成形プロセス時間は、より低いプロセス温度、より短い冷却時間、および35メッシュの粉砕された粉末に特有の不規則な表面エリアへの熱伝達よりも効率的な、ほぼ均一なペレット表面エリアへの熱伝達の組合せによって、減少させることができる。
【0059】
この方法は、最小せん断成形が、少なくとも1つの軸で(単軸で)、少なくとも2つの軸で(2軸で)、または3つ以上の軸で(多軸で)回転させて行なわれる方法であり得る。
【0060】
最小せん断成形は、少なくとも1つの軸で回転させて行なうことができ、連続的および環状であり得る。代替的に、最小せん断成形は、少なくとも1つの軸で回転させて行なうことができ、弓形および振動性であり得る。さらに、最小せん断成形は、少なくとも2つの軸で回転させて行なうことができ、弓形および振動性と組合せて連続的および環状であり得る。加えて、最小せん断成形は、少なくとも2つの軸で回転させて連続的に行なうことができる。
【0061】
異なる軸における回転速度は等価である必要はない。
最小せん断成形は、密閉されたオーブンの中での回転、直火上での回転および/または被覆された金型の中での回転を含み得る。異なるゾーンは異なったように加熱され得て、加熱は、赤外線放射、電気、ガス、油および/または蒸気を含む少なくとも1つの方法を用いて達成され得る。
【0062】
一部の層は、弓形および振動性の動きを用いて形成され得る。
層は、成分を順次追加することによって形成され得る。
【0063】
層と層との間の中間面は、滑らかであり、独特であり、均一であり得て、気泡をほとんどまたは全く含み得ない。
【0064】
この方法は、制御された放出によって手動でなされる成分の順次追加を行ない得る。成分の順次追加は、制御された放出によって熱的になされ得る。
【0065】
この方法は、冷却および貯蔵の際の層の分離を制限し得る。さらに、このプロセスは、冷却および貯蔵の際の層の分離を防ぐために、層と層との間に成形された接着層を追加することを含み得る。
【0066】
場合によっては、すべての層のためのすべての成分は、成分を順次追加することなく層を形成するために同時に金型の中に投入され得る。
【0067】
層への分離は、溶融粘度差、溶融密度、ペレットサイズ、ペレット密度、軟化温度、溶融温度、極性、成分非混和性、表面動力学、および表面濡れ、ならびにそれらの組合せのうちの少なくとも1つを含む条件を伴い得る。
【0068】
層化の分離の成功は、回転速度、回転比、組成、成形プロセス温度、成形プロセス時間、およびそれらの組合せを含む少なくとも1つのパラメータの変動によって達成され得る。
【0069】
2つの層の接着は、それら2つの層の間の中間面における混合によって達成され得る。
この方法は、成形中の組成物と相性がいい、金属およびセラミックを含む多くの好適な材料からなる金型を利用し得る。
【0070】
金型は通気穴が開いている場合もあれば、通気穴が開いていない場合もあり、金型への材料の追加は、通気穴、オリフィス、またはそれらの組合せによって達成され得る。
【0071】
ペレットおよびマイクロペレットのより高い嵩密度は、金型への材料の一度の投入を可能にし得て、同等の組成物の35メッシュの粉末の場合には、一般に複数の投入を伴う。
【0072】
このプロセスの反応性材料は、反応を生じさせるように満足に成形され得る。
この方法は、成形物の架橋を提供し得る。
【0073】
さらに、発泡剤の膨張が達成され得る。
この方法は、ある範囲の組成物を利用し得て、その選択肢は、ペレットの幾何学的形態、組成および寸法を含み得る。組成物の選択肢は、純粋に装飾の目的で、ペレットの幾何学的形態、組成および寸法を含み得る。さらに、材料の選択肢は、装飾含有物を提供するようには溶融しない材料を含み得る。材料および成形条件の選択肢は、装飾的効果のための表面パターニングおよび色の変化を可能にし得る。
【0074】
材料および成形条件の選択肢は、装飾的および機能的な三次元の成形物を与える、単独でおよび組合せて用いられる特大のペレット、低いメルトインデックス(melt index)のペレット、および分別溶融ペレットの使用を含み得る。
【0075】
本発明の他の実施の形態は、装置に向けられる。この装置は、高度に調整された混合ステージを含み得て、この混合ステージは、任意の加圧およびろ過によって加熱および冷却の両方が可能であり、ほぼ均一な直径のホールを有する多オリフィスダイによる押出成形を達成して、その結果、ペレットのペレット化、搬送および乾燥は、最小せん断成形で用いられる重合体および共重合体の化学的組成を劣化させず、時期尚早に反応させず、膨張させず、時期尚早に架橋させず、他の方法で変更することはない。
【0076】
化学的組成物を押出成形するこの装置のダイは、ダイの面について周方向におよび単独で同心円状に位置決めされた、複数のほぼ均一な直径のホールを含み得る。
【0077】
化学的組成物を押出成形するこの装置のダイは、ダイの面について複数の群のグループの状態で周方向に同心円状に位置決めされた複数のほぼ均一な直径のホールを含み得る。
【0078】
したがって、この発明の目的は、容易に運搬可能であり、経済的に搬送および貯蔵され、重合体または樹脂、安定剤、顔料、反応性または膨張性の成分または成分パッケージ、架橋調整剤、レオロジー調整剤、加工助剤、可塑剤、表面調整剤、および添加剤を単独でまたは組合せて含む組成物を有するペレットおよびマイクロペレットを作製するための方法を提供することである。この組成物は、作製されたペレットおよびマイクロペレットが、再現可能な大きさ、幾何学的形態および組成を有し、減少した成形温度、減少した成形時間、減少した軸または多軸回転速度および回転比を単独でまたは組合せて利用して、1つ以上の層における最小せん断プロセスを用いて容易に成形可能であるようなものであり、その結果、成形品は、構造的に正常であり、許容可能な外見、均一な表面品質、衝撃強度、撓み品質、ゲルの形成またはその欠如、バリア特性、および壁の均一性を単独でまたは任意の組合せで含む必須の基準を満たす。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】供給セクションと、混合セクションと、ペレット化と、脱水および乾燥と、処理後セクションとを含む例示的な装置の概略図である。
【図1a】混合容器、中圧ポンプおよび粗目スクリーンチェンジャの概略図である。
【図1b】フィーダ、歯車ポンプおよび静的ミキサアセンブリの概略図である。
【図2】歯車ポンプおよびバイパスパイプが三方弁によって接続された比較上の静的ミキサの概略図である。
【図3】バイパスダイバータ弁が取付けられた、垂直に構成された静的ミキサの概略図である。
【図4】図3におけるバイパスダイバータ弁のための流れ位置、パージ位置および排出位置の概略図である。
【図4a】静的ミキサが垂直に傾斜したバイパスダイバータ弁におけるバルブ調節の動作流れ位置を示す。
【図4b】静的ミキサを迂回するバイパスダイバータ弁におけるパージまたは迂回動作を示す。
【図4c】垂直に傾斜した静的ミキサの両側が下流の材料を取入れることなくパージまたは排出することを可能にするバイパスダイバータ弁におけるパージまたは排出位置を示す。
【図4d】静的ミキサの下流部分が、取付けられた重合体ダイバータ弁を通して排出する状態で、静的ミキサの上流部分の排出分がシステムから排出されることを可能にするバイパスダイバータ弁における排出位置を示す。
【図4e】静的ミキサおよびすべての下流の機器を遮断し、上流の機器の独立したパージを可能にするパージ位置を示す。
【図5】静的ミキサがぶら下がった向きに取付けられた、バイパスダイバータ弁のための流れ位置およびパージ位置の概略図である。
【図5a】静的ミキサがぶら下がった状態で取付けられたバイパスダイバータ弁におけるバルブ調節の動作流れ位置を示す。
【図5b】静的ミキサを迂回するバイパスダイバータ弁におけるパージ動作を示す。
【図6】静的ミキサが水平に取付けられたバイパスダイバータ弁のための流れ位置およびパージ位置の概略図である。
【図6a】静的ミキサが水平に取付けられたバイパスダイバータ弁におけるバルブ調節の動作流れ位置を示す。
【図6b】静的ミキサを迂回するバイパスダイバータ弁におけるパージまたは迂回動作を示す。
【図6c】水平に位置決めされた静的ミキサの両側が下流の材料を取入れることなく排出することを可能にするバイパスダイバータ弁における排出位置を示す。
【図7】重合体ダイバータ弁の概略図である。
【図8】3つの構成の加熱要素を有する一部構成のダイプレートの概略図である。
【図9a】ダイプレートから抜取られた加熱要素の3つの構成を示す。
【図9b】個々に位置的に配置された加熱要素の3つの構成を側面図で示す。
【図10】取外し可能な中心ダイの概略図である。
【図11】取外し可能な加熱された中心ダイの構成要素の拡大図である。
【図12】搬送流体ボックスまたはウォータボックスを有するダイ本体の概略図である。
【図13】ダイ本体および二部構成の搬送流体ボックスまたはウォータボックスの概略図である。
【図14】比較上の二部構成のウォータボックスまたは搬送流体ボックスの拡大図である。
【図15a】比較上の二部構成のウォータボックスまたは搬送流体ボックスの完全なアセンブリの概略図である。
【図15b】代替的なウォータボックスまたは搬送流体ボックスの入口および出口の設計の断面図である。
【図15c】図15bの代替的なウォータボックスまたは搬送流体ボックスの入口および出口の設計の概略正面図である。
【図16】ダイを示すウォータボックスまたは搬送流体ボックスが取付けられたペレタイザの概略図である。
【図17】流れガイドを含むウォータボックスまたは搬送流体ボックスに取付けられたダイの概略図である。
【図18a】比較上の流れガイドの概略図である。
【図18b】比較上の流れガイドの第2の構成の概略図である。
【図19】可撓性ハブ構成要素の分解図とともに、比較上の可撓性カッターハブの概略図である。
【図20a】流線形のカッターハブの一部の概略図である。
【図20b】図20aに対して適正な相互関係で回転された流線形のカッターハブの概略図である。
【図20c】図20aにおける流線形のカッターハブの断面図である。
【図21】急角度のカッターハブの概略図である。
【図22a】通常角度のブレードが取付けられた比較上のカッターハブの概略図である。
【図22b】ブレードが取付けられた急角度のカッターハブの概略図である。
【図22c】テーパ状になっていないまたは正方形に切断された、先端が尖っていないブレードが取付けられた比較上の直交角度のカッターハブの概略図である。
【図22d】厚みが減少した通常角度のブレードが取付けられたカッターハブの概略図である。
【図23】比較上のウォータボックスバイパスの概略図である。
【図24】比較上の自浄式乾燥機の概略図である。
【図25】図24における自浄式乾燥機の脱水部分の概略図である。
【図26】脱水セクションが取付けられた第2の比較上の乾燥機の概略図である。
【図27】貯留器の概略図である。
【図28】脱水スクリーンおよび遠心乾燥スクリーンの位置決めを示す乾燥機の概略図である。
【図29】偏向器バーを有する乾燥機スクリーンを示す。
【図30】図29における偏向器バーを有する乾燥機スクリーンの断面図である。
【図31】偏向器バーを必要としない構成の乾燥機スクリーンを示す。
【図32】偏向器バーのない図31の乾燥機スクリーンの断面図である。
【図33】3層スクリーンの真横向き拡大図を示す。
【図34】2層スクリーンの真横向き拡大図を示す。
【図35】図34に従う多層スクリーンの拡大外観図を示す。
【図36a】通気口を有する例示的な円筒形タンクの概略図である。
【図36b】中心から外れた通気穴の位置を示す図36aにおける円筒形タンクの上面図の概略図である。
【図37a】同心の通気穴の位置を示す第2の例示的な円筒形タンクの図である。
【図37b】通気パイプがタンクの内部空間を貫通していることを示す図37aにおける円筒形タンクの断面図である。
【図38a】貫通しているオリフィスを示す成形物の上面図である。
【図38b】図38aにおける成形物の断面図である。
【図39a】タンク上の成形されたねじ山の概略図である。
【図39b】粉末の成形欠陥特性を示す、図39aにおける捩じ切りされたタンクの上面図である。
【図39c】マイクロペレットの減少した成形欠陥特性を示す図39aにおける捩じ切りされたタンクの上面図である。
【図40a】成形されたタンクの周縁接触分離領域の断面図である。
【図40b】ブリッジングを有する、成形されたタンクの周縁接触分離領域の断面図である。
【図40c】成形されたタンクの密接接触分離領域の断面図である。
【図41a】長辺の長さが幅よりも大幅に大きい金型における粉末に特有の角度変形の断面図である。
【図41b】長辺の長さが幅よりも大幅に大きい金型におけるマイクロペレットに特有の最小角度変形を示す断面図である。
【図42a】2つの層の中間面において層の接触が密接かつ均一である2層成形物の壁のセグメントの概略図である。
【図42b】2つの層の接触中間面において微小気泡が飛沫同伴される2層成形物の壁のセグメントの概略図である。
【図42c】2つの層の接触中間面において大粒気泡と組合せて微小気泡が飛沫同伴される2層成形物の壁のセグメントの概略図である。
【図42d】2つの層の間の接触中間面が不規則である2層成形物の壁のセグメントの概略図である。
【図42e】2つの層の中間面付近および内側層にランダムに分散した大粒気泡が飛沫同伴される2層成形物の壁のセグメントの概略図である。
【図42f】各層の中間面において層の接触が密接かつ均一である3層成形物の壁のセグメントの概略図である。
【図43】溶融物冷却機入口ラインが冷却機の底部部分に入るという点で、ダイバータ弁に対して水平に搭載された溶融物冷却機の概略図である。
【図44】溶融物冷却機入口ラインおよび溶融物冷却機出口ラインが並んだ構成で向けられるという点で、ダイバータ弁に対して水平に搭載された溶融物冷却機の概略図である。
【図45】上部に搭載された通気穴を有する、図43に示される溶融物冷却機の概略図である。
【図46】底部に搭載された通気・排出部を有する溶融物冷却機の概略図である。
【図47】上部ヘッドが熱伝達流体によって加熱/冷却される、図43に示される溶融物冷却機の概略図である。
【図48】上部ヘッド温度が電気的に制御される、図43に示される溶融物冷却機の一部の概略図である。
【図49】冷却動作モードにおけるダイバータ弁の斜視図である。
【図50】迂回動作モードで示されるダイバータ弁の斜視図である。
【図51】排出動作モードで示されるダイバータ弁の斜視図である。
【図52a】さまざまな構成の溶融物冷却機およびダイバータ弁の概略図である。
【図52b】さまざまな構成の溶融物冷却機およびダイバータ弁の概略図である。
【図52c】さまざまな構成の溶融物冷却機およびダイバータ弁の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0080】
発明の詳細な説明
この発明の例示的な実施の形態について詳細に説明するが、他の実施の形態が可能であると理解される。したがって、この発明は、その範囲の点で、以下の説明に記載されているまたは図面に示されている構成要素の構造および配置の詳細に限定されることが意図されているわけではない。この発明は、他の実施の形態が可能であり、さまざまな形で実施または実行することができる。また、実施の形態について記載する際、明快にするために特定の専門用語が用いられる。
【0081】
最小せん断成形は、公知であり、本明細書において用いられるように、(ライニング管において例証されるように)単一の軸の周りでの金型の回転を含む。最小せん断成形は、独立して360°回転する2つの直交するアームを含むか、または、動きが振動性または揺動性であると言うことができるように第2のアームが予め規定された弓形に行ったり来たりスイングしながら1つのアームが360°回転することを含み得る2軸回転を含む。または、最小せん断成形は、互いに独立した両方のアームによる振動性回転である場合もあれば、各々の独立した回転が振動性であり得るかまたは360°を規定し得るという点で多軸回転である場合もある。2軸回転は、貯蔵タンクまたはタンカーライナを製造するための一般的なプロセスである。同様に、カヌーおよびボートは、揺動性の方法の一般的な用途の例である。
【0082】
従来から、粉末は回転成形業界の主力であることが証明されており、先行技術は、−10メッシュ〜200メッシュ、好ましくは20メッシュ〜50メッシュ(それぞれ、約0.033インチ〜0.012インチまたは0.84mm〜0.30mm)、より好ましくは35メッシュまたは0.020インチ(約0.5mm)の範囲の大きさを用いることを提案している。材料に応じて、粉末は伝統的に粉砕または極低温で粉砕され、それらはいずれも総処理コストに相当な費用を上乗せする。
【0083】
粉砕は、作製された粉末の劣化、分解および/または変色に繋がる可能性がある材料への熱として多くの場合現われる相当な仕事エネルギを発生させるものとして十分に立証されている。このように生成された粉末の粒度分布の範囲は、一般に非常に小さなものからかなり大きなものまで幅広く、これらの粒子の凝集または付着は珍しいことではなく、さらなる粉砕ステップにとって材料またはリサイクルのロスに繋がる。この幅広い粒度分布はさらに、必須の処理範囲よりも大きなおよび/または小さな材料を除去するためにサイジングプロセスを必要とし得る。ブレードまたは他の粉砕装置が使用に伴って摩耗または摩滅するので、粉砕プロセスは時間が経つにつれてそれ自体かなり可変である。スループット量は、メンテナンスコストの漸増および動作の停止に伴っておそらく複数のユニットを必要とする粉砕装置の性能に限定される。粉砕プロセスは、場合によっては、安全でないレベルの粉塵を防ぐように制御されるべき莫大な量の細かい微粒子または細粒を生成し、この微粒子または細粒は、吸入および滑りの危険、発火または爆発の危険、ならびに作業員および施設の両方にとっての他のマイナス要因および安全上の問題に繋がる。利用されるさまざまなタイプの粉砕機器は、当業者によって十分に理解される。
【0084】
作製された従来の粉末は、さまざまな形状を有し得る(たとえば、球形、楕円形、卵形、正方形、長方形、プレート状、フレーク、ニードル状、または針状、または先端および突出部が容易に割れやすい可能性がある非常に不規則なものであり得る)。粉末の幾何学的形態の結果として、および金型の回転のために、金型への粉末の流入は、連続モードから、このような金型の高度もしくは他の外力により粉末が滑らかにもしくは周期的に経路に沿って摺動するまで粉末が所定の位置に留まる滑りモードまで、または、雪の雪崩に酷似した、粉末の大部分が同時に崩壊する滝状もしくは雪崩状流れモードまで変化し得る。これは、概念上は、極めて細かい小麦粉を容器から注ぎ込むことに対して砂糖を容器から注ぎ込むことに例えられる。金型が温まり、粉末が軟化し始めると、材料において粘着が発生し、粉末の少なくとも一部が金型表面に張り付くことができ、これらの流れのメカニズムをさらに変更または邪魔し、場合によっては成形物の表面むらをもたらす。最終的に、金型に加えられた熱は粉末を溶融させ、この粉末は、回転し続ける金型の表面をコーティングし、次いで再凝固して成形品を作製する。
【0085】
ペレット、またはより適切にはストランドペレットは、円筒形の粒子を生成するために一般に冷却後に切断された溶融材料のストランドを押出成形することによって準備できる。これらのストランドペレットは、多くの場合、切断プロセス中または切断プロセス後は不規則な亀裂を被りやすく、搬送中は摩損を受ける可能性がある。回転成形グレードの材料は一般に、(上で詳述したような)粉末としてまたはこの性質のペレットとして過去に販売され、今もなお販売されている。これらのペレットは、製造プロセスに応じて、任意の長さおよび直径を有し得る。長さおよび幅が1/8インチ(約3.2mm)の大きさは珍しくない。上述のペレットは、粉末と同様に、不規則な粒度および分布、劣った微粒子流れ、一様でない溶融、ならびに劣った成形品再現性に見舞われ、したがって、回転成形で直接用いられることは滅多にない。
【0086】
回転成形のための(前に記載したような)粉末および/またはペレットは、一般に入手可能であり、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、架橋性ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、ポリスチレン、酢酸エチレンビニル(EVA)、エチレン−塩化三フッ化エチレン共重合体(ECTFE)、ポリ塩化ビニル、およびポリ二フッ化ビニリデン(PVDF)に限定されない。
【0087】
ペレットはまた、反応器の中で生成することができる。ペレットの重合は一般に、分散性媒質において溶融材料の小さな小球を生成する分散としてなされ、この小球は、冷却時に凝固して、検討中のプロセスおよび用途にとって適切な範囲に後に大きさを決めることができる、特定の粒度分布を有するある程度球形のペレットを形成する。
【0088】
上述のまたは類似のプロセスによって準備されたペレットは、参考として本発明によって包含されており、図1に示されるように水中ペレタイザを通して重合体溶融配合物を押出成形してその後乾燥させることによって、好ましくは準備される。図1に示される装置は、ペレット化セクション3に適切に取付けられた混合、溶融および/またはブレンドセクション2に材料を提供する供給または充填セクション1を含み、ペレット化セクション3は、脱水および乾燥デバイス4への、別の方法でスピードアップしたペレットの流体搬送を優先的に利用する。その後、材料は、パッケージング、貯蔵および/または処理後操作5に運ばれる。
【0089】
供給セクション1では、材料または成分材料は、固体または液体として手動で混合セクション2に供給される。好ましくは、液体は、混合装置2に注入されるかまたは計量しながら供給されることができ(図示せず)、固体は、図1、図1aおよび/または図1bに示されるようなフィードスクリュ10によってまたは別の適切なデバイスによって追加されることができる。供給は、重量測定によってまたは容積測定によって実現でき、好ましくは、当業者に容易に公知である機械的および/または電子フィードバック機構によって制御される。1つ以上の類似のまたは異なる供給機構が、プロセスによって必要とされる可能性があり、混合入口14a、14b、14cまたは14dによって示されるような混合セクション2における同じまたは異なる流入口点に配置されることができる。供給構成要素は、大気温度である場合もあれば、加熱または冷却される場合もあり、大気条件にある場合もあれば、加圧される場合もあり、空気または不活性媒体(たとえば、アルゴンまたは窒素)でパージされる場合もあり、供給デバイスの流出口ポート付近で混合セクション2への流入をスピードアップさせるために真空もしくは部分的真空を受ける場合もある。例示的な流出口ポートは、フィードスクリュ出口12である。
【0090】
混合セクション2は、動的混合構成要素2a、押出成形混合構成要素2b、および/または静的混合(static mixing)構成要素2cを含み得る。これらの構成要素は、個々にまたは組合せて用いられることができ、直列に、縦1列におよび/または並列に相互接続されるか、または取付けられることができる。
【0091】
図1aとして示される供給セクション1のフィードスクリュ出口12は、1つ以上の入口(たとえば、熱的に制御された混合容器16のための入口14a)において動的混合セクション2aに取付けられている。容器チャンバは、大気状態である場合もあれば、空気または不活性ガス(たとえば、アルゴンまたは好ましくは窒素)でパージされる場合もある。成分は、所望の温度に温めながら、連続的にまたは少しずつ追加することができる。混合は、モータ20によって制御されるロータ18の回転によって達成される。混合ブレード22がロータ18に取付けられており、混合ブレード22は、プロペラスタイル、ボートスタイル、すきの刃スタイル、デルタスタイル、(単一の、2つの、または複数の構成の)シグマスタイル、または螺旋状もしくは螺旋状分散ブレードであり得る。代替的に、ミキサは、ニーダ、バスニーダ(Buss kneader)、またはファレル内部ミキサ(Farrell internal mixer)である場合もあれば、リボンブレンダ、バンベリータイプブレンダ(Banbury-type blender)、横型ミキサ、縦型ミキサ、遊星ミキサ、または当業者に公知の等価のデバイスである場合もある。
【0092】
適切な注込点に達すると、弁24が開き、流体または溶融材料は、パイプ26に入り、パイプ26を通過して、ブースタポンプ30に引込まれる。ブースタポンプ30は、たとえば、遠心ポンプまたは容積型往復もしくは回転式ポンプであり得る。好ましくは、ブースタポンプ30は回転式であり、蠕動ポンプ、羽根ポンプ、ねじポンプ、ローブ(lobe)ポンプ、プログレッシブキャビティ(progressive cavity)ポンプ、または歯車ポンプであり得る。歯車ポンプは、高精度のまたは開放した隙間であり得て、中間圧力(たとえば、500psiまでであるが、好ましくは150psi未満)を発生させる。ポンプ圧は、溶融物が粗目フィルタ35を強制的に通るようにするのに十分であり、粗目フィルタ35は、キャンドルフィルタ、バスケットフィルタ、またはスクリーンチェンジャであり得る。例示的な実施の形態では、粗目フィルタ35は、20メッシュまたはそれよりも粗いバスケットフィルタである。粗目フィルタ35は、溶融物がパイプ32に流入し、パイプ32を流れるときに、溶融物からより大きな粒子、凝塊、または粒体材料を除去する。点線40aは、溶融ポンプ80との接続を示す。
【0093】
代替的に、図1における供給セクション1は、押出成形機50への1つ以上の入口(たとえば、入口14b)において、フィードスクリュ出口12によって、混合セクション2、より具体的には押出成形混合セクション2bに接続して取付けられており、この押出成形機50は任意に、単軸スクリュ押出成形機、2軸スクリュ押出成形機、多軸スクリュ押出成形機、またはリング押出成形機、またはラム押出成形機(ram extruder)であり得るが、それらに限定されない。スクリュのセクションまたはゾーンは、材料を同時に供給、混合および運搬すべきであり、後に続くペレット化のために材料を溶融、混合、ならびに均一に分散および分布させるのに十分な熱的および機械的エネルギを提供する。押出成形機50、好ましくは2軸スクリュ押出成形機は、空気または不活性ガスでパージされることができ、1つ以上の通気口を有し得る。通気口のうちのいくつかまたはすべてには、1つ以上の真空付属装置または当業者によって理解される他の排気機構を装着できる。通気口または適切な排気機構は、ガス、残留モノマーなどの不必要な揮発性物質、副生成物、および/または不純物の除去を容易にする。通気は、注意して用いられるべきであり、配合物に不可欠ないずれの揮発性成分も混合プロセスへの投入後に失われたり損なわれたりしないように位置的に配置されるべきである。スクリュの構成は、適切なレベルの供給、分散および/または分配混合、溶融、ブレンド、およびスループット速度を達成するのに満足のいくものであるべきであり、配合および処理要件によって決定される。押出成形機50は、図1aに示される動的混合セクション2aのための点線40aによって同様に特定された場所において、図1に示されるように溶融ポンプ80に結合される。
【0094】
同様に、供給セクション1は、フィードスクリュ出口12によって、静的混合セクション2cにおける入口14cおよび/または静的混合セクション2dにおける入口14dに接続されることができる。プロセス動作は、ブースタポンプ30および/または溶融ポンプ80を用いて、静的ミキサ60への材料流入の伝達および加圧を容易にすることを含み得る。静的ミキサ60は、点線40bによって示されるように、位置的に溶融ポンプ80に接続される。
【0095】
動的混合、押出成形混合および/または静的混合が直列におよび/または並列に接続される場合、混合セクションは単独でまたは組合せて用いられることができる。この例は、入口14dにおいて静的混合セクション2dに直接取付けられた動的混合セクション2a、入口14dにおいて静的混合セクション2dに直接取付けられた押出成形混合セクション2b、および入口14cにおいて静的混合セクション2cに直接取付けられた押出成形混合セクション2b、バイパス静的ミキサ100として見られることができる。押出成形混合セクション2bは、代替的に、類似のまたは異なる設計タイプまたは構成を有する別の押出成形混合セクションに直列におよび/または並列に取付けられることができる。温度およびプロセスパラメータは、さまざまな混合セクションにおいて同じである場合もあれば、異なっている場合もあり、混合ユニットは、組合せて、直列に、または別の態様で取付けられることができる。
【0096】
固体または液体原材料は、入口14a、14b、14cまたは14dを含むがそれらに限定されない1つ以上の場所において接続された供給セクション1を利用して追加することができる。動的混合の場合、揮発性物質がかかわる状況では、成分は入口14aまたは入口14cに近位の入口位置75において追加される。動的混合が静的混合に直列に取付けられる場合(図1には図示せず)、揮発性物質の追加は好ましくは、静的ミキサの入口において行なわれ、この例は、静的ミキサ60のための入口14dの変形例を含む(図1b)。押出成形混合の場合、入口位置70によって、または代替的に入口14cに近位の入口位置75において示されるように、揮発性物質がかかわる状況では、入口14bにおいて、または位置的に押出成形機50の端部付近の入口において、成分が追加される。歯車ポンプ80より前の静的混合に直列に取付けられた押出成形混合の場合(図1には図示せず)、静的ミキサ60のための入口14dの変形例(図1b)によって例証されるように、成分は静的ミキサの入口において追加されることができる。静的混合の場合、揮発性物質がかかわる状況では、成分は、図1bにおける入口14dにおいて、または図1における入口14cに近位の入口位置75において投入されることができる。
【0097】
さまざまなレベルの混合およびせん断は、異なるスタイルの混合プロセスによって達成される。静的混合は一般に、せん断が最小であり、より熱エネルギに頼る。動的混合は、ブレードの設計およびミキサの設計に大きく依存する。押出成形混合は、スクリュのタイプ、スクリュの数およびスクリュの外形によって異なり、せん断エネルギを大幅に発生させることが相当に可能である。したがって、エネルギは、せん断または機械的エネルギおよび熱エネルギの両方の点から混合プロセスに投入される。ユニットの加熱および/または冷却は、蒸気によって、または油もしくは水などの熱的に制御された液体の循環によって、電気的に達成できる。混合は、配合物が、適切な温度または当業者が特にプロセス用に決定した粘稠度もしくは粘度の他の基準に達するまで、続く。
【0098】
混合ステージ2a、2b、2c、2dまたはそれらの任意の組合せから出ると、溶融したまたは流動化した材料は任意に、溶融ポンプ80に入り、溶融ポンプ80を通過し、この溶融ポンプ80は、好ましくは少なくとも約10バール、より好ましくは約30〜約250バールまたはそれより大きな圧力のさらなる圧力を溶融物上で発生させる。厳密な圧力は、処理中の材料に依存し、混合の後に続くペレット化プロセス3によって大きく影響を受ける可能性があり、厳密な圧力は、プロセスのスループット速度または流量に依存する。溶融ポンプ80は、遠心ポンプまたは容積型往復もしくは回転式ポンプであり得る。例示的な実施の形態では、溶融ポンプは回転式ポンプであり、蠕動ポンプ、羽根ポンプ、ねじポンプ、ローブポンプ、プログレッシブキャビティポンプ、または歯車ポンプであり得て、歯車ポンプが好ましい。封止剤は、処理中の材料と化学的および機械的に相性がいいものであるべきであり、その詳細は当業者によって十分に理解される。
【0099】
加圧された溶融物は、バスケットフィルタまたはスクリーンチェンジャであり得るフィルタ90を通過する。好ましくは、約200メッシュまたはそれよりも粗いスクリーンチェンジャが用いられる。例示的なスクリーンチェンジャは、異なるメッシュの2つ以上のスクリーン(たとえば、20メッシュ、40メッシュおよび80メッシュのスクリーン)を有する多層スクリーンチェンジャである。スクリーンチェンジャは、マニュアルプレート、スライド式プレート、回転式プレート、単一のボルト、または二重のボルトであり得て、連続的である場合もあれば、非連続的である場合もある。
【0100】
溶融ポンプ80および/またはフィルタ90の使用は、配合物に任意の揮発性原材料が含まれていることに強くおよび任意に依存する。圧力は溶融ポンプ80の使用に先立つ押出成形混合2bからのもので十分であり得るのに対して、静的および/または動的混合2aまたは2dの使用は、配合物が確実に装置中を進んで装置から出るようにするために加圧の促進を必要とし得る。フィルタ90は安全機構を提供し、安全機構が利用されると、特大の粒子、塊、非晶質の団塊、または凝塊が確実にバイパス静的ミキサ100またはペレット化プロセス3に広がらないようにする。代替的に、任意の揮発性成分の投入は、前に示したように、図1における入口14cに近位の入口位置75において行なわれることができる。さらなる加圧および/または選別が必須のプロセス構成要素である場合には、入口14cに近位の入口位置75を介した投入が好ましいアプローチである。
【0101】
図1bに示される静的ミキサ60は、形成中の混合物を加熱して、均一な溶融団塊を生成するために用いられることができ、または、溶融団塊の温度を下げるために溶融物冷却機として有効に用いられることができる。静的ミキサが直列に用いられるとき、各ユニットは、温度、設計、幾何学的形態および構成、物理的な大きさ、ならびにプロセス条件が同じである場合もあれば異なっている場合もある配合物を加熱して、さらに混合するために用いられることができる。その直列の静的ミキサの中のある静的ミキサは、より優れた分散および分配混合を達成するために混合物を加熱している可能性があるのに対して、第2の静的ミキサは、さらなる処理を容易にするために実際には混合物を冷却している可能性がある。静的ミキサ60または溶融物冷却機は、コイルタイプ、スクレープウォール型(scrape wall)、シェルアンドチューブ(shell and tube)設計、Uスタイルチューブ設計、または他の同等のスタイルの熱交換器である。例示的な実施の形態では、シェルアンドチューブ設計は、材料をさらに混合して、外側が油または水などの流体の流れである管の壁とより多くの材料を密接に接触させて、適宜加温または冷却を行なうために、個々の管内に適切な構成の静的混合ブレードを含む。循環媒体の温度および流量は、制御ユニット(図示せず)によって慎重に調整される。静的混合または溶融物冷却における条件選択のための重要な基準は、適切な混和剤に必要とされる圧力を維持しながら圧力降下が最小限である状態で混合を生じさせるように最大量の作業を行なうというものである。存在する場合に押出成形機50および/または溶融ポンプ80によって発生した圧力は、フィルタ90を通る溶融または流体団塊の流れ、該当する場合には、バイパス静的ミキサ100へのおよびバイパス静的ミキサ100を通る溶融または流体団塊の流れ、ならびにペレット化セクション3へのおよびペレット化セクション3を通る溶融または流体団塊の流れを維持するのに十分であるべきである。代替的に、ペレット化セクション3へのおよびペレット化セクション3を通る圧力を維持または増大させるために、任意の溶融ポンプ80が出口130および入口205に位置的に取付けられることができる。
【0102】
図1に示される任意のバイパス静的ミキサ100は、メンテナンスまたはクリーニングのために溶融流れ経路から静的ミキサ60を物理的に取外さなければならないであろう先行技術と比べて、独特な利点を有し、特定のプロセスにおいては必ずしも必要であるとは限らない。この課題を単純化するために、冷却剤接続部を有し得るまたは冷却剤接続部を有し得ない「スプール」またはまっすぐな大型のボアパイプを経路に挿入して、不要な静的ミキサを有効に迂回する流れを可能にしていた。代替的に、バイパスライン102は図2に示されるように流路に挿入することができ、静的ミキサ60からバイパスライン102に流れを切換えるためにダイバータ弁104が用いられる。同様に、静的ミキサ60の出口においてまたは出口付近で迂回流れを主流に戻すように再接続するために、第2のダイバータ弁106が必要であった。
【0103】
任意のフィルタ90の出口は、図3に詳述されるバイパスダイバータ弁120の入口110を介して図1におけるバイパス静的ミキサ100に接続される。入口110は、溶融流れを静的ミキサ入口152を通してバイパス静的ミキサ100の静的混合構成要素150に方向付ける。溶融流れは、静的混合構成要素150を通過して、静的ミキサ出口154を通ってバイパスダイバータ弁120の出口130に出る。静的混合構成要素150の基部156が入口152および出口154を介してバイパスダイバータ弁120に取付けられたツーパス(two-pass)またはダブルパス熱交換器が図3に示される。静的混合構成要素150の上部158は、バイパスダイバータ弁120から遠位である。
【0104】
図4は、図3に従って詳述した静的混合構成要素150と併用したバイパスダイバータ弁120の5つの動作モードを示す。バイパスダイバータ弁120の弁ラインにおける「X」は、弁ラインが閉じていることを示す。図4aは、上で詳述した垂直な向きの静的混合構成要素150と併用したバイパスダイバータ弁の動作を示す。より具体的に、弁構成要素162と164との間のバイパス弁ライン166、ならびに弁排出ライン168および170は、閉じられている。したがって、弁流入口ライン165を通ってバイパスダイバータ弁120に入る液体、溶融材料または押出成形物は、弁構成要素162によって弁静的ミキサ流入口ライン172を通して静的混合構成要素150に方向付けられる。静的ミキサ流出口ライン174を経由して静的混合構成要素150を出る、熱的に修正された材料は、弁構成要素164によってバイパスダイバータ弁120から弁出口ライン167を通してペレット化セクション3に向けて方向付けられる。
【0105】
図4bは、バイパスダイバータ弁120のための迂回モードを示す。示されるように、バイパス弁ライン166は開いており、弁排出ライン168および170は閉じたままであり、(静的混合構成要素150の入口152に接続された)弁静的ミキサ流入口ライン172および静的ミキサ流出口ライン174も閉じられている。したがって、液体、溶融材料または押出成形物は、直接、弁流入口ライン165からバイパスダイバータ弁120を流れ、したがって静的混合構成要素150を迂回する。
【0106】
図4cは、バイパス弁ライン166が閉じられているが、弁排出ライン168および170ならびに弁静的ミキサ流入口ライン172ならびに静的ミキサ流出口ライン174が開いているという点で第1の排出モードを示す。このようにして、静的混合構成要素150における溶融または液体配合物は排出されることができる。同様に、弁流入口ライン165および弁出口ライン167は開いており、その結果、バイパスダイバータ弁120からそれぞれに上流および/または下流の液体、溶融配合物または押出成形物も、弁排出ライン168および170をそれぞれに通って排出されることができる。
【0107】
図4dに示される代替的な排出モードでは、バイパス弁ライン166が閉じられている。弁排出ライン168に近位の静的混合構成要素150における液体または溶融材料ならびにバイパスダイバータ弁120の上流の材料は、弁流入口ライン165を通って排出され、弁排出ライン168を経由して出る。静的ミキサ流出口ライン174に近位の静的混合構成要素150における溶融または液体材料は、そのラインを通って弁構成要素164を通り越して排出され、弁出口ライン167を出て、次いで(図1からの)ダイバータ弁200を通過する。
【0108】
図4eは、弁流入口ライン165からの流れを弁出口ライン168に直接に再び方向付けるパージ位置を示し、静的混合構成要素およびすべての下流の処理を有効に除去する。
【0109】
図5は、静的混合構成要素150およびバイパスダイバータ弁120の代替的な配置を示す。この実施の形態では、静的混合構成要素150は、バイパスダイバータ弁120の下に垂直に吊り下げられている。静的混合構成要素150への入口152および静的混合構成要素150からの流出口154は両方とも、静的混合構成要素150の上部およびバイパスダイバータ弁120の基部に搭載される。図5aでは、液体材料、溶融材料または押出成形材料は、弁入口ライン165を通って弁構成要素180に入る。バイパスライン166が閉じており、弁静的ミキサ入口ライン172が開いているので、弁構成要素180は、流れを静的混合構成要素150の方に方向付ける。定常状態のプロセス条件中は、出口154において静的混合構成要素150を出る材料は、静的ミキサ出口ライン174を通ってバイパスダイバータ弁120に入り、流れは弁構成要素182によって弁出口ライン167を通って出るように方向付けられる。
【0110】
図5bに示される迂回モードでは、弁静的ミキサ入口ライン172および静的ミキサ出口ライン174は両方とも閉じられるが、バイパスライン166は開けられ、したがって、材料は、静的混合構成要素150を迂回して、弁出口ライン167に直接向かうことができる。
【0111】
図6は、バイパスダイバータ弁120に対する静的混合構成要素150の第3の向きを示す。より具体的に、静的混合構成要素150は、バイパスダイバータ弁120に対して水平に位置決めされる。示されるように、入口152および出口154は両方とも、バイパスダイバータ弁120に隣接した静的混合構成要素150の端部に位置決めされる。通常の動作モードでは、溶融物、液体または押出成形物は、図6aに示されるようにバイパスダイバータ弁120によって方向付けられる。図6bが示すように迂回モードが引続き起こり、排出モードは図6cに示される。各動作において、バイパスダイバータ弁120は、弁構成要素162および164について前に記載した態様と同じ態様で動作するため、ここでは説明しない。静的ミキサ100およびバイパスダイバータ弁120の向きは、ぶら下がった状態、水平な状態、または垂直に配置される場合もあれば、これらの位置の間で位置的に多くの角度傾けられる場合もある。
【0112】
バイパスダイバータ弁120の好ましい設計は、(たとえば、蒸気もしくは他の熱伝達流体を用いる)ジャケットによって、または電気ヒータカートリッジによって加熱されることができる単一本体ハウジングである。バイパスダイバータ弁120は、図3、図4、図5および図6に示されるように、複数の入口および出口ボアおよび接続部を有する。弁構成要素162および164ならびに弁構成要素180および182は好ましくは、可動ボルトの形態をしており、弁構成要素162および180は静的混合構成要素150の上流にあり、弁構成要素164および182は同様に下流にある。ボルトは、2つのボアを含み得るが、それに限定されない。この例は、弁構成要素164、180および182を含む。ボルトはまた、3つのボアを含み得て、その例は弁構成要素162である。それぞれのボアは、一直線状になっている場合もあれば、90°曲がっている場合もあり、「T」の形状をしている場合もあり、特にボルトの長さに沿って配置される。これらのボアの各々は、流体制御されたシリンダまたは等価のデバイスによって位置的に配置され、当業者によって理解されるように、プロセスを実行するオペレータが要求する所望の位置に基づいて、バイパスダイバータ弁120の適切な入口および/または出口との優れた位置合わせを調節可能に維持することになる。流体を動力源としたシリンダの位置決め、したがってボルトの位置は、流体流れ弁を手動で操作することによって、自動制御によって(たとえば、PLCによって)、またはそれら両方によって制御されることができる。
【0113】
図43は、ダイバータ弁に対する溶融物冷却機の向きが図6に示されるものと同じであり、静的混合構成要素150として特定される溶融物冷却機の別の実施の形態を具体的に示す。より具体的に、概して参照番号2092によって示されるダイバータ弁に対して水平に位置決めされた溶融物冷却機2090が示される。示されるように、入口2094および出口2096は両方とも、ダイバータ弁2092に隣接した溶融物冷却機2090の端部に位置決めされる。この実施の形態では、入口2094は溶融物冷却機2090の底部部分2093に位置決めされ、出口2096は溶融物冷却機2090の上部部分2091に位置決めされる。高温の溶融重合体がダイバータ弁2092によって溶融物冷却機2090を通して方向付けられる通常の動作モードは、「A」と表示された図43の左側の図に示される。迂回モードは、「B」と表示された図43の中央の図に示され、排出モードは、「C」と表示された右側の図に示される。各動作モードにおいて、ダイバータ弁2092は上述の態様と同じ態様で動作する。
【0114】
図44は、ダイバータ弁に対する溶融物冷却機の向きが図6に示されるものと同じである別の実施の形態を示す。より具体的に、ダイバータ弁2092に対して水平に位置決めされた溶融物冷却機2090が示される。入口2094および出口2096は両方とも、ダイバータ弁2092に隣接した溶融物冷却機2090の端部に位置決めされる。この実施の形態では、入口2094および出口2096は、並んだ構成の溶融物冷却機の対向する部分2097および2098に位置している。高温の溶融重合体がダイバータ弁2092によって溶融物冷却機2090を通して方向付けられる通常の動作モードは、「A」と表示された図44の左側の図に示される。迂回モードは、「B」と表示された図44の中央の図に示され、排出モードは、「C」と表示された右側の図に示される。各動作モードにおいて、ダイバータ弁2092は上述の態様と同じ態様で動作する。
【0115】
図45および図46にそれぞれ示されるように、溶融物冷却機2030および溶融物冷却機2060は、圧縮性流体を放出するように、ならびに重合溶融物および他の流体を排出するように構成されることができる。図46は、溶融物冷却機2030の上部2038に位置する通気穴2095を示す。図46は、溶融物冷却機2060の底部2100に位置する通気・排出部2101を示す。
【0116】
溶融物冷却機2030の上部2038において所望の溶融流れ体制を提供するために、上部2038は加熱され得る。たとえば、図47に示されるように、上部2038は、流れチャネル2039を通過する熱伝達流体によって加熱または冷却されることができる。図48に示されるような別の考えられる加熱構成では、上部2038は、たとえば電気ヒータ2041などによって電気的に加熱されることができる。上部2038の温度を制御することによって、溶融物が上部2038を通って溶融物冷却機の第1のプロセス側から溶融物冷却機の第2のプロセス側に向きを変えるときに、溶融物が予め定められた温度未満に冷えないことが保証される。
【0117】
上述のように、図49、図50および図51は、冷却動作モード、迂回動作モードおよび排出動作モードのそれぞれの動作モードにおけるダイバータ弁2040の詳細図を提供する。ダイバータ弁2040は、蒸気もしくは他の熱伝達流体を用いるジャケットによって、または電気ヒータカートリッジによって加熱されることができる本体ハウジングを有する。好ましい実施の形態では、第1の可動弁構成要素2042は、3組の流れチャネルを内部に有する液圧駆動可能なボルトであり、第2の可動弁構成要素2044は、2組の流れチャネルを内部に有する液圧駆動可能なボルトである。ダイバータ弁2040の他の考えられる実施の形態では、ボルトは、特にボルトの長さに沿って配置された、一直線状の流れチャネル、90°曲がった流れチャネル、またはT−流れチャネルのいずれかとしての、2組または3組の流れチャネルを含み得る。これらの流れチャネルの各々は、流体制御されたシリンダによって特定の位置に動かされ、プロセスを実行するオペレータが望む位置に基づいて、ダイバータ弁の対応する入口および/または出口と整列する。流体を動力源としたシリンダの位置決め、したがってボルト位置は、流体流れ弁を手動で操作することによって、自動制御によって(たとえば、PLCによって)、またはそれら両方によって制御されることができる。
【0118】
他の状況では、溶融物冷却機2030は、ダイバータ弁2140を通る溶融流路に直交するように向けられることができる。図52A、図52Bおよび図52Cに示されるように、ダイバータ弁2140は、単一の可動弁構成要素2145を有する。可動弁構成要素2145は、冷却流れチャネル2141と、迂回流れチャネル2145と、排出流れチャネル2143とを含む3組の流れチャネルを内部に有する液圧駆動可能なボルトである。ダイバータ弁の単一のボルトの実施の形態は、比較的短い溶融流路および経済的な弁の構造を提供する。
【0119】
利用される場合、バイパス静的ミキサ100は、先行技術のデバイスと比べて、従来達成不可能であったレベルで揮発性原材料を制御する。静的ミキサ60の代わりにバイパス静的ミキサ100を用いることは、十分にこの発明の範囲内である。実現すべき利益は、バイパスダイバータ弁のパージ能力が大きく促進されることにある。弁構成要素162の向きは、本明細書に記載されるように入口ライン165および排出ライン168が唯一の開いた経路でありかつバイパス変形例である図4eに示されるように、静的混合構成要素150に入る前に上流の流れを方向付けることができる。プロセス液体、溶融物または押出成形物のさらなる修正が特定の用途に必要でない場合、バイパス経路は最小の距離を有し、温度および加圧を維持することができる。パージプロセスまたはパージ材料は、十分に容易に、如何なる揮発性物質も不必要に失われる危険性なしに、および/または、危険な引火性の問題の可能性を低くして、およびプロセスフローを大幅に抑制することなく、構成要素を通過することができる。ダウンタイムの最小化は、日常のメンテナンスまたは修理のための構成要素の取外しをなくすことによって、容易に達成可能である。
【0120】
混合セクション2の構成要素は、図1に示されるようにダイバータ弁200に接続されることができ、バイパス静的ミキサ100の出口130は入口205に取付けられている。図7は、ダイバータ弁200のハウジング202に取付けられた入口205および出口206を示す。可動ダイバータボルト(図示せず)は、電気機械的に、液圧で、空気圧で、またはそれらの任意の組合せによって動かすことができる。
【0121】
再び図1を参照して、ダイバータ弁200は、ダイ320の入口301においてペレット化セクション3に出口206において取付けられており、ダイ320の詳細は、図8、図9、図10および図11に示される。
【0122】
図8におけるダイ320は、ダイ本体324に取付けられたノーズコーン322を含む単一本体スタイルであり、ダイ本体324に加熱要素330が嵌められ、ダイ本体324に、数および向きのパターンの点で異なる複数のダイホール340が開けられる。ダイホール340の直径は、約3.5mm以下であり得て、好ましくは約1.5mm以下であり得て、より好ましくは約1.0mm以下であり得て、最も好ましくは約0.5mm以下であり得る。ダイホール340は、大きくなっていくまたは小さくなっていくテーパ状、円筒形、およびそれらの組合せを含むがそれらに限定されない多くの設計の組合せを有し得る。セグメントは、プロセスおよび材料が必要とするままに長さの点で変化し得る。好ましくは、ダイホールは、出口206が取付けられるダイバータ弁200の出口206の直径によって決定される1つ以上の同心円状の輪の状態で、グループまたは群になって、単独でまたは一まとめにして配置される。
【0123】
加熱要素330は、カートリッジまたはコイルタイプの要素を含み得て、図8に示され、構成1として図9aおよび図9bに詳述されるように、ダイホールの円周の外側に留まるようにダイ本体324内部で十分な長さを有し得る。加熱要素330はまた、長さの点で中心を通り過ぎることなくダイ本体の中心におよび中心付近に延びている場合もあれば(構成2として図9aおよび図9bに図示)、長さの点で中心を通り越して延びているが、直径方向に反対にあるダイホールの輪と接触するほど十分な長さを有していない場合もある(構成3として図9aおよび図9bに図示)。ダイホールの位置決めは、加熱要素330の適切な構成を収容するように変化し得る。
【0124】
ダイ本体の中に取外し可能な中心または挿入物の構成を有するダイ320が図10に示される。加熱要素330は、カートリッジまたはコイルの構成を有し、外側ダイ本体構成要素352に挿入され、外側ダイ本体構成要素352では、加熱要素330は、外側ダイ本体構成要素352の範囲内に好適に収まるように長さが制約される。ダイホール340は、取外し可能な挿入物350内に含まれ、上記の説明に詳述されるように、設計、寸法および配置の点で可変である。取外し可能な挿入物350は、通常の機構によって外側ダイ本体構成要素352に固定して取付けられる。
【0125】
図11は、加熱効率を向上させ、溶融または液体材料がダイホール340を通過するときの溶融または液体材料への熱伝達をより容易にするために、ダイ本体が複数の加熱ゾーンを有する取外し可能な中心または挿入物の構成を有するという点で、ダイ320の代替的な設計を示す。図示しない外側ダイ本体構成要素は、図10について記載したものに相当する。代替的な設計の加熱された取外し可能な挿入物360は、好ましくはコイル状加熱要素である加熱要素365が装着される開放中心を有し、加熱要素365は、外側ダイ本体構成要素における他の加熱要素と共通して熱的に制御される場合もあれば、熱的に自律的に調整される場合もある(したがって、ダイ320内のマルチゾーン加熱能力を可能にする)。
【0126】
ダイ320は、すべての構成(図8、図9、図10および図11)において、好ましくは耐摩滅性、耐摩耗性および(所望であれば)耐腐食性である、図11に示される切断面のために固定して取付けられた適切な耐摩耗加工面370を含み得る。溶融した液体押出成形物の押出成形のためのダイホール340は、そこを通過することができる。一例として、炭化タングステン、炭化チタン、他のセラミックス、またはそれらの混合物が、耐摩耗加工面の用途のための一般的な材料である。
【0127】
ダイ本体をさらに保護するために、ダイ320の表面処理、表面仕上げ、研磨、または硬表面化もなされることができる。このような処理の例は、リン化ニッケル、クロムめっき、窒化、または同等の物理的もしくは化学的処理を非限定的に含む。先行技術は、ダイホールのいくつかのグループが存在する場合に、または、ダイホールの特定のグループが少なくとも2つの異なる大きさを有するという点で、少なくとも1つのグループにおいて、異なるダイホールの大きさを用いることを実証してきた。これは、必要または実用的であるとは認められず、多くの場合、重合体のフリーズオフまたはダイの面への重合体の巻付きに繋がることがわかった。本発明は、異なるペレットの大きさを同時に押出成形する必要性を反映していない。
【0128】
ノーズコーン322のための例示的なボルト締め機構が図11に示される。カバープレート372は、図8、図10および図11にそれぞれ示されるように、ボルト374によって、ダイ本体320、取外し可能な挿入物350または加熱された取外し可能な挿入物360の面に位置的に取付けられている。カバープレート372は、耐摩耗加工面370の高さ寸法未満である場合もあれば、耐摩耗加工面370の高さ寸法に少なくとも等しい場合もある。代替的に、カバープレート372の封止のためのガスケット材料または他の材料を所望の如く用いることができる。
【0129】
もう一度図1を参照して、ダイ320は、図12、図13、図14および図15(a、bおよびc)に詳述されるように、搬送流体ボックスまたはウォータボックス400に取付けられている。図12は、類似の直径および幾何学的形態の入口パイプ404および出口パイプ406に接続されたハウジング402を備える一部構成の搬送流体ボックスまたはウォータボックス400の構成を示す。一部構成の搬送流体ボックスまたはウォータボックス400は、(図8、図10および図11における耐摩耗加工面370の表面に表現上等価である)ダイ面410を囲む(完全に包囲するように十分な直径を有する)長方形、正方形、円筒形、または他の幾何学的に開いた切断チャンバ408に、直径方向に反対に位置的におよび相互接続させて取付けられている。ハウジング402は搭載フランジ412を有し、複数の搭載ボルト414は、搭載フランジ412を貫通して、搬送流体ボックスまたはウォータボックス400およびダイ320をダイバータ弁200に封止して取付ける。ハウジング402上のフランジ416は、以下に詳述するようにペレタイザ900(図1参照)への取付けを可能にする。切断チャンバ408内で自由に回転できる構成要素については、本開示の中で後述する。
【0130】
同様に、図13に示される二部構成の搬送流体ボックスまたはウォータボックス400は、入口パイプ454および出口パイプ456に接続されたハウジング452を備えた本体450を含む。入口パイプ454および出口パイプ456は、同様の直径および幾何学的形態を有し、(図示上、図8、図10および図11における耐磨耗加工面370の表面に等しい)ダイ面410を(完全に囲むのに十分な直径で)囲んでいる長方形、正方形、円筒形、または他の幾何学的に開いた切断チャンバ458に対し、直径に沿って反対側に位置して相互接続にて取付けられている。ハウジング452は、取付フランジ462を備えており、ここを複数の取付ボルトまたはスタッド464が通っている。取付フランジ462は、(内寸および外寸ともに)同様の直径をもつアダプタリング470に密封取付けされている。複数の皿穴式ボルト472がそこを通る。取付ボルトまたはスタッド464は、好ましくは交互に用いられ、完成した搬送流体ボックスまたはウォータボックス400およびダイ320の構成要素をダイバータ弁200に密封取付けする。本体450のハウジング452上のフランジ466は、以下に詳述するとおり、ペレタイザ900(図1を参照)への取付けを可能にする。図12における切断チャンバ408および/または図13における切断チャンバ458内において自由に回転することのできる構成要素を、この開示において後に説明する。アダプタリング470をダイ320にまたはダイ320を介して別個に取付けることにより、ダイ本体320をダイバータ弁200に密封取付けしたままにして、本体450を洗浄またはメンテナンスのために取外すことが可能となる。
【0131】
二部構成をもつ搬送流体ボックスまたはウォータボックス400の分解図が図14に示され、図15には完成したアセンブリが示される。開示全体を通じて他の図と同様に、同様の部分には図13、図14および図15aと同様の番号が付される。
【0132】
図15bおよび図15cは、搬送流体ボックスまたはウォータボックスの入口および出口についての代替的な設計を示す。ここでは、入口480は長方形または正方形の入口管482に固定して取付けられており、当該入口管482は、ハウジング481に近づくにつれてその長さに沿って徐々に大きくなり、ハウジング481には入口管482が取付け接続され、ハウジング481内には切断チャンバ484が設けられている。同様に、ハウジング481に取付けられ、かつ入口管482とは直径に沿って反対側に位置する長方形または正方形の出口管486は、それが固定して取付けられている出口488までのその長さに沿って徐々に小さくなる。図15bおよび図15cにおけるフランジ483およびフランジ485は、設計および目的が、先に説明した図15aにおけるフランジ462および466と同等である。
【0133】
図15a、図15bおよび図15cは、直径方向に対向する好ましい入口および出口を示す。代替的には、入口454および480ならびに出口456および488は、出口−入口間の位置に対して、および当該位置により規定されて、約20°〜約180°の角度で配置され得る。一例として、入口454および480ならびに出口456および488は、対向してまたは互い違いにハウジング481に取付けることができる。入口および出口の寸法は同じかまたは異なっていてもよく、入口および出口の設計は、同様であるかまたは異なっていてもよい。好ましくは、このように特定される入口および出口は、寸法および設計がほぼ同等であり、直径方向に対向している。
【0134】
再び図1を参照して、非稼動の開位置にあるペレタイザ900が示される。流れガイド800と、カッターブレード700を備えたカッターハブ600とがペレタイザに取付けられる。機器を作動させると、ペレタイザ900は、それぞれ図12および図13において詳述されるように、一部構成の搬送流体ボックスもしくはウォータボックス400のフランジ416、または、二部構成の搬送流体ボックスもしくはウォータボックス400の本体450上のフランジ466にペレタイザ900を固定して取付けられることができるような位置に動かされる。取付けは、急速着脱または他のそのようなメカニズムにより行うことができる。動作中の構成においては、カッターハブ600およびカッターブレード700は、切断チャンバ408(図12)または458(図13)内で自由に回転する。例示されたすべての構成要素の詳細を以下により詳細に説明する。
【0135】
本発明のペレタイザ900が図16に概略的に示される。ペレタイザ900は、ダイ面410に対してカッターハブ600をもとに位置調整が可能である。図16は、動作位置にあるペレタイザ900を示しており、ペレタイザ900は、ペレタイザフランジ902を介して、取外し可能な急速着脱クランプ904によって堅く保持された搬送流体ボックスまたはウォータボックスフランジ466に密封取付けされる。ペレタイザの位置調整は、手動で、ばね荷重により、液圧により、空気圧により、電気機械的に実現可能であるか、または、均一な摩耗、長い耐用年数、カッターハブもしくはダイ面410の周りの溶融巻付きにつながる過度の押出し成形の回避、ペレット化された製品の均一性を実現するのに必要とされる位置を確実に適切なものにするために加えられる力の一方向に累積的に作用するかもしくは反対方向に対向して作用するこれらの機構の組合せによって実現可能である。好ましい設計としては、モータ905、ハウジング910、および、継手922に係合された液圧シリンダ920を含む、図16において詳述された液圧−空気圧式機構が挙げられる。ロータシャフト930はダイ面410において継手922をカッターハブ600に接続し、スラスト軸受940および封止機構を通り、好ましくは、搬送流体ボックスまたはウォータボックス400の切断チャンバ458と流体連通している機械的封止機構950を通る。入口パイプ454および出口パイプ456は、切断チャンバ458への流体(たとえば水)の流れ方向、切断チャンバ458における流体およびペレットの混合、さらには、カッターハブ600およびダイ面410から離れて形成されたペレットスラリが切断チャンバ458から出て行く流れを示している。
【0136】
図17は、流れガイド800が、その領域の流体容積を有効に低減させる切断チャンバ458に位置決めされている好ましい構成を示す。この構成を用いることにより、切断チャンバ458を通る流体速度を高め、ペレット品質を向上させ、凍結を減らし、ダイ面410周りの溶融の巻付きを防止し、圧力水頭を生成するかまたは増大させ、そして、ペレットの幾何学的形態を向上させることができる。ダイ320、搬送流体ボックスまたはウォータボックス400、および、一部のみが示されるペレタイザ900は、図16に示されるのと同じように位置決めされる。中空のシャフトロータは、先に述べたように、適切な入口パイプ454および出口パイプ456で切断チャンバ458のカッターハブ600に取付けることができる。ペレタイザ900は、前述したのと同様に、ペレタイザフランジ902および搬送流体ボックスまたはウォータボックスフランジ466上の急速着脱クランプ904を使用することにより、搬送流体ボックスまたはウォータボックス400により、密封して、または取外し可能に取付けられる。
【0137】
図18aおよび図18bは、流れガイド800のための2つの実現可能な異なる構成を示しており、ここでは、セクションは、切断チャンバ458の直径未満である一定の外径を有する同様または異なるセグメント長さを有し得るものであり、切断チャンバ458において所望される必須の容積低減に従って変動可能である。流れガイドスペーサセクション803は、単独の場合には803aと示され、または複数の場合には803bおよび803cと示されるように、周方向に沿って直径方向にほぼ均一になり得るが、セグメント長さは異なり得る。流れの方向付けおよび/または制限を行うために、単独の場合には801aと示され、または複数の場合には801b、801cおよび801dと無制限に示される流れ方向付けセグメント801は、たとえば、最も深い溝付きセクションがカッターハブ600の近傍に位置決めされている横方向の構成において弓形をなす長手方向に延在する溝によって変形される。一連のセグメントからなる好ましい構成は、セグメントの数に限定されるよう意図されたものではなく、類似の幾何学的形態および機能をもつ単一の流れガイド構成要素は、十分にこの発明の範囲内に収まる。
【0138】
続いて図16を参照すると、カッターハブ600は、ペレタイザ900のロータシャフト930のねじ付き端部にねじ込むことによって取付けられる。カッターハブ600は、ロータシャフト930に堅固に取付けることができ、図19に図示のとおり、カッターハブ600の周りに周方向にバランスをとって配置された任意の数のカッターアーム610を含み得る。代替的には、カッターハブ600は、アダプタ620を用いてロータシャフト930に可撓的に取付けられており、アダプタ620はロータシャフト930に取付けられてねじで接続されている。アダプタ620は、カッターハブ600における同様の部分的に球形の内面ボア602と整合する部分的に球形の外面622を有する。長手方向の凹部605は、直径方向に対向しており、部分的に球形の内面ボア602を窪ませて設けられており、カッターハブ600の端縁まで延在し、そこにボール640が嵌まり込んでいる。同様に、ボール640のための直径方向の凹部626は、アダプタが適所に直交して挿入され、カッターハブ600と平行な位置にくるまで回転すると、長手方向の凹部605および直径方向の凹部626がボール640と連動するよう整列するように位置的に向けられたアダプタ620上に配置される。これにより、ロータシャフト930に固定して取付けられたアダプタ620上で直径方向に位置決めされたボール640を中心にしてカッターハブ600を自由に振動させることが可能となり、カッターハブ600の回転自己整合が可能となる。
【0139】
カッターアーム610およびカッターハブ612の本体は、図19に図示のとおり、断面が正方形または長方形であり得る。カッターアーム610およびカッターハブ612の本体は、図20cに図示のとおり、六角形の断面を拡張するようより流線型にされていてもよい。図20aおよび図20bは、流線型のカッターハブ650のセグメントを示す。カッターブレード(図示せず)は、平坦化された角度のある溝614(図19)において、または平坦化された角度のあるノッチ652(図20aおよび図20b)において、ねじまたは同様の機構によって固定して取付けられる。
【0140】
代替的には、図21は急角度のカッターハブ600を示している。ここでは、カッターアーム610(図19に図示)は、任意には、好ましくはねじ748または他の機構によってカッターブレード750が取付けられているカッターブレード支持部702と置換えられる。アダプタ720により、ロータシャフト930(図16)へのねじによる取付けに対する自己整合の柔軟性が与えられる。機能的に同等である他のカッターハブ設計は、当業者によって理解され得るようにこの発明の範囲内にある。
【0141】
図22は、さまざまに角度を付けて傾けられた位置および形状のカッターブレード750を示す。ブレード角度755は、ダイの耐磨耗加工面370に対して、約0°〜約110°以上と異なり得る。たとえば、図22a、図22bおよび図22cを参照されたい。図8に図示のとおり、60°〜79°のブレード角度755が好ましい。図22bに示される75°のブレード角度がより好ましい。ブレード刃先760は、正方形、傾斜付きまたは角度付きであってもよく、ブレード切断角765が約20°〜約50°であってもよく、約45°が好ましい。代替的には、図22dに示される半分の厚さのブレード770が同様に取付けられてもよく、同様に角度が付けられてもよく、さらに、上述のとおり、同等のブレード切断角および選好を有していてもよい。加えて、ブレード設計は、寸法的および組成的に他のプロセスパラメータに応じて有用であることを示し得る。
【0142】
カッターブレード750は、組成的に、工具鋼、ステンレス鋼、ニッケルおよびニッケル合金、金属−セラミック複合物、セラミック、金属もしくは金属炭化複合物、炭化物、バナジウム硬化鋼、適切に硬化されたプラスチック、または他の同等に耐久性のある材料を含むが、これらに限定されず、そして、当業者に公知のとおり、アニール、硬化および/または表面処理を施すことができる。耐摩耗性、耐腐食性、耐久性、摩耗寿命、耐化学性および耐摩滅性は、ペレット化されている配合物に対する特定のブレードの有用性に影響を及ぼす要因のうちのいくつかに該当する。ブレードの長さ、幅および厚さの寸法、ならびにカッターハブ設計に関連付けて用いられるブレードの数に特に制約はない。
【0143】
図1は、バイパスループ550の相対的位置を示す。水、またはバイパスループ550およびペレット搬送で用いられる同等の流体は、貯留器1600(または他の源)から得られ、搬送流体ボックスまたはウォータボックス400に向けてポンプ500によって搬送される。ポンプ500は、任意の熱交換器520および搬送パイプ530に流れ込み、そこを通ってバイパスループ550にまで到達するのに十分な流量を与えるような設計および/または構成を備え得る。熱交換器520は、同様に、ペレットの幾何学的形状、スループットおよびペレット品質がテーリングなしに申し分ないものになるように形成されているペレットの温度を維持するのに適切なレベルで水(または他の搬送流体)の温度を維持するのに適切した容量を有する設計であり得る。この場合、切断面上の溶融したプラスチックの巻付き、ペレットの凝塊、キャビテーション、および/または搬送流体ボックスもしくはウォータボックスにおけるペレットの蓄積が防止される。搬送流体の温度、流量および組成は処理されている材料または配合物に応じて異なることとなる。搬送流体の温度は、重合体の溶融温度よりも低い少なくとも約20℃に維持され、好ましくは、溶融温度よりも低い約30℃〜約100℃の温度で維持される。搬送流体の温度は、より好ましくは、約0℃〜約100℃に維持され、約10℃〜約90℃がより好ましく、約60℃〜約85℃が最も好ましい。
【0144】
加えて、当業者に公知である加工助剤、流れ調整剤、表面調整剤、コーティング、(静電気防止剤を含む)表面処理剤およびさまざまな添加剤は、搬送流体において適応可能である。配管、弁構成およびバイパス構成要素は、ペレット−搬送流体の混合物を適切に搬送するのに不可欠な温度、化学的組成、摩滅性、腐食性および/または如何なる圧力にも耐えるのに適した構造でなければならない。システムに必要な如何なる圧力も、垂直および水平の搬送距離、成分の不所望の揮発または早すぎる膨張を抑制するのに必要な圧力レベル、弁構成を通るペレット−搬送流体のスラリ流、粗い選別、ならびに、付随的プロセスおよび/または監視機器によって決定される。ペレット対搬送流体の比は、同様に、ペレットの蓄積、流れの遮断、障害物および凝集が具体例として挙げられる上述の複雑な状況をなくすか軽減するのに十分に有効な変動比率でなければならない。配管の直径および距離は、不所望の揮発および/または早すぎる膨張を防止するためにペレットについての適切なレベルの冷却および/または凝固を達成するのに必要な時間ならびに材料スループット(このため、流量およびペレット対搬送流体の比)によって決定される。弁構成、ゲージまたは他の処理および監視機器は、不適当な遮断、障害を防止するために、または、付加的かつ不所望な圧力生成もしくはプロセス閉塞につながるプロセスを変更するために、十分な流量および圧力定格ならびに十分な通過直径でなければならない。搬送流体および添加剤組成物は、ペレット配合物の成分と適合しなければならず、その配合物の成分のいずれかに容易に吸収されるべきでない。過剰な搬送流体および/または添加剤は、水洗、吸引、蒸発、脱水、溶媒除去、ろ過、または当業者によって理解される同様の技術などの方法によって、ペレットから容易に除去されなければならない。
【0145】
バイパスループ550により、図23に図示のとおり、入口パイプ530からの搬送流体(たとえば水)を三方弁555に投入し、バイパス流内に、または搬送流体ボックスもしくはウォータボックス400の方に向け直すことが可能となる。搬送流体ボックスまたはウォータボックス400を迂回するために、搬送流体は、三方弁555によってバイパスパイプ565内に/を通って出口パイプ570内へと方向付けられる。これを実現するために、遮断弁575が閉じられる。代替的には、水が搬送流体ボックスまたはウォータボックス400へと/を通って流れることを可能にするために、遮断弁575を開き、ドレイン弁590を閉じた状態で、流れがパイプ560へと/を通ってパイプ580内に進むことを可能にするように三方弁555が方向付けられる。水は、搬送流体ボックスまたはウォータボックス400内に/を通って進み、下流での処理のためにペレットをのぞき窓585内に/を通じて遮断弁575を介して出口パイプ570内へと搬送する。このことは以下に記載するとおりである。システムを排水し、搬送流体ボックスもしくはウォータボックス400またはダイ耐磨耗加工面370の洗浄もしくはメンテナンスを可能にするために、または、ダイ320の構成要素のいずれかを交換するために、三方弁555により、流れがパイプ565内へと/を通ってパイプ570内へと方向付けられる。このとき、遮断弁575が閉じられ、ドレイン弁590が開かれた状態で、構成要素585、400、560および580における575よりも下方に閉じ込められたままとなっている水がドレイン595から流れ出して再利用または処分される。
【0146】
ペレットは、処理のために十分に凝固されると、図1に図示のとおり、パイプ1270を通り、凝塊キャッチャ/脱水部1300へと/を通って、乾燥部1400および下流の処理部2000内に搬送される。
【0147】
乾燥機1400は、薄片、球状、球面状、円筒形または他の幾何学的形状であり得る材料についての制御された水分レベルを達成するものであれば如何なる装置であってもよい。これは、ろ過、遠心乾燥、強制もしくは加熱空気の対流または流動床によって実現され得るがこれらに限定されず、好ましくは遠心乾燥機であり、最も好ましくは自己洗浄式の遠心乾燥機1400である。
【0148】
ここで図24を参照すると、パイプ1270は、ペレットおよび流体スラリまたは集めれらたスラリを凝塊キャッチャ1300内に排出し、ここで、ペレット凝塊が捉えられ、除去され、排出シュート1305を介して排出される。凝塊キャッチャ1300は、角度の付いた円形のバーグリッド、多孔板またはスクリーン1310を備えており、これにより、流体およびペレットの通過を可能にするが、接着したペレット、凝集したペレットまたは塊になったペレットを集めて排出シュート1305に誘導する。次いで、ペレットおよび流体スラリは、図24および図25に図示のとおり、任意に脱水機1320内へと入る。脱水機1320は、1つ以上のバッフル1330および/または傾斜した有孔膜スクリーン1335を含む少なくとも1つの垂直または水平な脱水用有孔膜スクリーン1325を備え、これにより、流体が下方向に進んで細粒除去スクリーン1605に入り、そこを通って貯留器1600に到達することを可能にする(図1および図27)。表面にまだ水分を保持しているペレットは、脱水機1320から、図24のスラリ入口1405を経て自己洗浄式の遠心乾燥機1400の下方端部内に排出される。
【0149】
図24に図示のとおり、自己洗浄式の遠心型ペレット乾燥機1400は、スクリーンの基部において円筒形のスクリーン支持部1415上に搭載され垂直に向けられた概して円筒形のスクリーン1500を備えた概して円筒形のハウジング1410と、スクリーンの上部に円筒形のスクリーン支持部1420とを含むが、これらに限定されない。こうして、スクリーン1500は、ハウジングの内壁から径方向に間隔を空けてハウジング1410内に同心円状に位置決めされる。
【0150】
垂直なロータ1425は、スクリーン1500内での回転用に搭載され、乾燥機の基部(図26)または上部への搭載および/または接続が可能であるモータ1430によって回転駆動される。図24から分かるように、モータ1430は、好ましくは、乾燥機の上方端部の頂上に搭載される。モータ1430は、駆動接続部1435によって、および、ハウジングの上方端部と接続された軸受1440を介してロータ1425に接続される。接続部1445および軸受1440は、ロータ1425を支持し、ロータの上方端部の回転運動を導く。スラリ入口1405は、接続部1448における下方のスクリーン支持セクション1450を通じてスクリーン1500の下方端部とロータ1425と連通している。ロータおよびハウジングの上方端部は、ハウジングの上方端部において上方のスクリーン支持セクション1455における接続部(図示せず)を通じて乾燥ペレット排出シュート1460と連通している。出口1467におけるダイバータプレート1465は、乾燥したペレットを迂回させて出口1470または出口1475から排出することができる。
【0151】
ハウジング1410は、乾燥機の下方端部分におけるフランジ継手(図示せず)において、かつ、乾燥機の上方端部分におけるフランジ継手(図示せず)において接続された組立て式の構造を有する。最上部のフランジ継手は、ハウジングまたはガード1437によって囲まれる軸受構造1440および駆動接続部1435を支持する上部プレート1480に接続される。ハウジング1437の頂上にある継手1432は、モータ1430を支持し、組立てられたすべての構成要素を維持する。
【0152】
ハウジング1410の下方端部は、図27に図示のとおり、フランジ接続部1610によって、水タンクまたは貯留器1600の上にある底部プレート1412に接続される。アパーチャ1612は、乾燥機ハウジングの下方端部と貯留器1600との間に連通手段をもたらして、表面の水分がペレットから除去されると流体をハウジング1410から貯留器1600に排出することを可能にする。このような除去は、ペレットを上昇させて遠心力を与えるロータの作用によって達成されるものであり、こうして、スクリーン1500の内部に対する衝撃によりペレットから水分が除去され、この水分がスクリーンを通って最終的に貯留器1600内に運ばれる。
【0153】
乾燥機の自己洗浄構造は、図24に図示のとおり、ハウジング1410の内部とスクリーン1500の外部との間で支持された複数のスプレーノズルまたはスプレーヘッドアセンブリ1700を備える。スプレーノズルアセンブリ1700は、スプレーパイプ1702の上方端部1704が露出された状態で、ハウジングの上方端部における上部プレート1480を通って上方に延在するスプレーパイプ1702の端部において支持される。ホースまたはライン1706は、高圧流体(たとえば水)を、少なくとも毎分40ガロン(gpm)の流量でスプレーノズル1700に供給する。いくつかの実施の形態においては、圧力流体は、約60gpm〜約80gpmの流量で供給可能であり、他の実施の形態においては、80gpm以上の流量であってもよい。ホース1706は、任意には、供給のために乾燥機1400上に搭載された単一のマニホールド(図示せず)につながり得る。
【0154】
好ましくは、少なくとも3つのスプレーノズルアセンブリ1700、関連するスプレーパイプ1702およびライン1706が設けられている。スプレーノズルアセンブリ1700およびパイプ1702は、スクリーン1500の周囲において周方向に間隔を空けて向きが付けられ、かつ、互い違いにずらして垂直に向きが付けられて、こうして、スプレーノズル1700から排出される加圧された流体が、スクリーン1500の内外ならびにハウジング1410の内部に接触して洗浄するようにされる。こうして、スクリーン1500の外面とハウジング1410の内壁との間における停止点またはエリアに蓄積したかまたは留まっている集められたペレットはいずれも、図27から分かるように、アパーチャ1612を通って貯留器1600内に洗い流される。同様に、スクリーン1500の内部とロータ1425の外側とに残存するペレットは、乾燥機から洗い流され、別のタイプのペレットを乾燥している次の乾燥サイクル中に乾燥機を通るペレットを汚染したり、これらのペレットと混ざったりすることがなくなるだろう。
【0155】
乾燥機の下方端部におけるスクリーン支持セクション1450とハウジング1410の内壁との間の領域は、乾燥機ハウジングの構成要素同士を接続する継目および出入り口開口部において平坦なエリアを含んでいる。スプレーノズルアセンブリ1700からの高圧の水も有効にこの領域をすすぐ。基部スクリーン支持セクション1450は、ハウジングおよびスクリーンを貯留器1600に固定するために、ねじまたは他の締結具によって、ハウジング1410の底部プレート1412および貯留器1600に取付けられる。基部スクリーン支持セクション1450は、図24に図示のとおり、桶または鉢の形状を有する。代替的には、他の乾燥機構成においては、基部スクリーン支持セクション1450は、桶または鉢が反転した形状(図示せず)であってもよい。
【0156】
ロータ1425は実質的に管状の部材1427を備え、当該管状の部材1427は、ペレットを揚げて上昇させ、その後スクリーン1500に衝突させるための傾斜したロータブレード1485を備える。他の乾燥機においては、ロータ1410は正方形、円形、六角形、八角形、または他の断面形状を有し得る。中空のシャフト1432は、ロータ1425を通り、同心に間隔を空けて、ロータを形成する管状の部材1427にまで延在する。中空のシャフトは、それが、ロータ1425の下方端部におけるガイドブッシング1488の開口部1482を通り、さらに、底部プレート1412における位置合わせされた開口部および貯留器1600の上壁を通って延在するように、ロータの下方端部を誘導する。回転継手1490は、中空のシャフト1432および液圧源に接続され、好ましくは、空気(図示せず)がホースまたはライン1492を介して供給されて、中空のシャフト1432の内部を加圧する。
【0157】
中空のシャフト1432は、中空のロータ部材1427の内部と連通するアパーチャを含む。これらの穴により、加圧された流体(たとえば空気)をロータ1425の内部に導入することが可能となる。ロータ1425はさらに底壁にアパーチャを有しており、これにより、ロータ1425の下方端部を基部または桶セクション1450の内部と連通させて、ロータ1425の下方端部および桶セクション1450の洗浄を可能にする。ロータおよびスクリーン1500内部から流されたペレットは、乾燥ペレット出口シュート1460を通して優先的に排出される。
【0158】
上部セクション1455内のロータ1425の上部は停止点でもあり、蓄積されたペレットを取除くために高圧流体にさらされる。図24に図示のとおり、ノズル1710は、蓄積されたペレットを上部セクションから押し流して優先的にペレット出口シュート1460に送り込むように、ロータ1425の上部にわたる高圧流体を方向付ける。ノズル1710は、上部プレート1480を通って延在し高圧流体源に接続されるホースまたはライン(図示せず)によって供給される。
【0159】
乾燥機構造における停止点またはエリアに加えて、凝塊キャッチャ1300も別個のパイプまたはホース1720によって洗浄することができるが、当該別個のパイプまたはホース1720はソレノイド弁によって制御され、これにより、角度の付けられた凝塊グリッドまたはキャッチャプレートおよびバーロッドグリッド1310のペレット接点側に高圧流体を方向付けて、集塊を除去して排出管またはシュート1305を通じて排出する。
【0160】
ホースおよびノズルは、ロータ1425の上部およびペレット排出口1460を洗浄するような方向に爆発的な空気(または他の流体)を排出シュートまたはパイプ1460に供給し得る。空気の排出により、ペレットを、パイプ接続部およびダイバータプレート1465を通過させ、乾燥機から乾燥したペレットを排出するための出口1467を通過させる。
【0161】
ロータ1425は、好ましくは、全洗浄サイクル中に連続的に回転する。ソレノイド弁は、ウォーターボックスバイパス空気口、ロータ空気口、上部セクション空気口、ペレット排出空気口およびダイバータ弁空気口を含む付加的な停止点(図示せず)に、好ましくは約60psi〜80psi以上で空気を供給するよう設けられる。ソレノイド弁は、短い爆発的噴出(たとえば約3秒)をもたらすためのタイマを備えている。当該タイマは、長い時間を必要とすることなく十分な洗浄をもたらす。洗浄サイクルボタン(図示せず)により洗浄サイクルが起動されてウォーターボックスバイパス空気口をまず作動させ、多数の(たとえば、5以上の)空気の爆発的噴出を用いて空気によるバイパスの洗浄を可能にする。次いで、上部セクション空気口を作動させる。その後、順次、ダイバータプレート1465を作動させる。この弁を閉じてから、約1〜約10秒間、好ましくは約6秒間にわたってスクリーンを洗浄するスプレーノズルアセンブリ1700を作動させる。送風機1760は散水サイクル中に停止させる必要があり、次に、スプレーノズルポンプの電源が断たれると再び作動させられ、こうして1回の洗浄サイクルを完了する。この明細書中に記載されるサイクルの範囲は限定されておらず、サイクルの各構成要素は、残りのペレットを適切に除去するのに必要な頻度および/また期間に応じて異なり得る。
【0162】
プロセスのためのスクリーンは、任意には、図28に図示のとおり、1つ以上の水平または垂直な脱水スクリーン1325、傾斜した脱水スクリーン1335、出入り口スクリーン1595、および/または、1つ以上の円筒形に取付け可能なスクリーン1500を含み得る。スクリーンのサイズ、組成および寸法は、生成されているペレットに対応していなければならず、穿孔されるか、打抜かれているか、孔が貫通しているか、織られているか、または、当業者に公知の別の構成であってもよく、さらに、構造、組成およびスタイルが同じかまたは異なっていてもよい。ペレットサイズの直径が小さい場合、好ましくはスクリーンは2つ以上の層で構成されることとなる。これらの層は、組成、設計および大きさが同様であってもまたは異なっていてもよい。スクリーンは、ラッチ、クランプ、ボルトまたは他の如何なる締結機構によっても適所に固定される。
【0163】
スクリーン1500は、好ましくは、乾燥機1400およびロータ1425の周りに周方向に配置されるように好適に可撓的な構造を有しており、図29および図30に図示のとおり、適所にボルト締めされてスクリーン面積をほぼ等しい面積に分割している偏向器バー1550を含み得る。代替的には、スクリーンは、図31および図32から分かるように、偏向器バーがなくてもよい。好ましくは、スクリーン1500は、外側の支持スクリーンと、ペレットおよびマイクロペレットを効果的に乾燥させるための内側スクリーンとを機能的に組込んだ2つ以上の層を有する。加えて、1つ以上のスクリーン層が、特定の用途に応じて、外側の支持スクリーンと内側スクリーンとの間に挟まれていてもよい。図33は、3層構成の側面図を示す。図34は、2層構成の同様の側面図を示す。図35は、そこからより細かい網目のスクリーン層を見ることのできる支持層の側部から見た、2層スクリーン構成の正面図である。
【0164】
外側の支持スクリーン1510は、成形プラスチックまたはワイヤ強化プラスチックから形成され得る。重合体/プラスチックは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミドもしくはナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、または、遠心型ペレット乾燥機の動作において予想される化学的および物理的条件下でその構造上の完全性を維持することのできる同様に不活性の材料から選択することができる。好ましくは、外側の支持スクリーン1510は、スクリーンアセンブリ全体の構造上の完全性を維持するのに適した厚さをもつ金属板であり、適切な遠心型ペレット乾燥機に位置決めしてしっかりと嵌合するような輪郭(たとえば円筒形)にするのに十分に可撓性がある。金属板は、好ましくは、18〜24ゲージ、最も好ましくは20〜24ゲージの厚さである。金属は、アルミニウム、銅、鋼、ステンレス鋼、ニッケル鋼合金、または乾燥プロセスの成分に対して不活性である同様に非反応性の材料であり得る。好ましくは、金属は、乾燥動作を経る化学的プロセスによって環境上必要とされるステンレス鋼合金、たとえばグレード304またはグレード316ステンレス鋼である。
【0165】
金属板には、孔が貫通されるか、打抜かれるか、穿孔されるか、またはスロットが設けられて、円形、楕円形、正方形、長方形、三角形、多角形、または、寸法的に同様の他の構造を有し得る開口部が設けられて、分離およびその後の乾燥のための空き領域が設けられる。好ましくは、開口部は円形の穿孔であり、外側の支持スクリーンの構造上の完全性を維持しつつ最大限の空き領域を設けるように幾何学的に互い違いにされている。円形の穿孔は、好ましくは直径が少なくとも約0.075インチであり、少なくとも約30%の空き領域を設けるために互い違いにされている。空き領域については、有効な空き領域が約40%以上となるような幾何学的向きがより好ましく、少なくとも約0.1875インチの直径を有し、約50%以上の空き領域を実現するよう互い違いにされた円形の穿孔が最も好ましい。
【0166】
代替的には、外側の支持スクリーンは、角度を付けて垂直に積重ねられるか、または、織り合わされ、適所に溶接、蝋付け、抵抗溶接または固定されるワイヤ、ロッドまたはバーからなる組立て構造またはスクリーンであってもよい。ワイヤ、ロッドまたはバーはプラスチック、ワイヤ強化プラスチックまたは金属であってもよく、幾何学的に円形、楕円形、正方形、長方形、三角形、楔形、多角形、または他の同様の構造であってもよい。スクリーンの幅または縦糸にわたるワイヤ、ロッドまたはバーは、横糸またはシュートとして長手方向に含まれるワイヤ、ロッドまたはバーと寸法的に同じであってもまたは異なっていてもよい。
【0167】
好ましくは、ワイヤ、ロッドまたはバーは、最狭寸法の場合には、最小で約0.020インチであり、より好ましくは少なくとも約0.030インチであり、最も好ましくは約0.047インチである。空き領域は、寸法的には、隣接する構造要素の近接配置に依存しており、少なくとも約30%、より好ましくは約40%を上回り、最も好ましくは約50%以上の割合の空き領域を維持するような位置に配置される。
【0168】
任意の中間スクリーン1520および内側スクリーン1530は、外側の支持スクリーンについてこの明細書に記載されたものに構造上類似している。それぞれの層におけるスクリーンは、寸法および組成が同様であってもまたは異なっていてもよい。それぞれのスクリーンの割合空き領域は同様であってもまたは異なっていてもよいが、より低い割合の空き領域では、スクリーンの有効空き領域が小さくなり、最も低い割合の空き領域では最も制限されてしまう。このため、スクリーンアセンブリのための割合空き領域の範囲が定められてしまう。アセンブリの他の層に対するいずれかのスクリーンの向き、ならびにスクリーンの寸法および構造上組成は、同様であっても異なっていてもよい。
【0169】
内側スクリーン1530は、好ましくは、正方形、長方形、平坦、ダッチ(Dutch)または同様の織りで構成され得る織りワイヤスクリーンであり、縦糸および横糸ワイヤの直径は、寸法上または組成的に同じかまたは異なっていてもよい。より好ましくは、内側スクリーンは、平坦な正方形または長方形の織りワイヤスクリーンであり、縦糸および横糸のワイヤは組成的および寸法的に同様であり、空き領域は約30%以上である。さらにより好ましくは、内層スクリーンは、平坦な正方形または長方形の約30メッシュ以上のメッシュグレード304またはグレード316のステンレス鋼であり、縦糸および横糸のワイヤは、少なくとも約30%の空き領域を可能にするようなサイズであり、最も好ましくは、空き領域は少なくとも約50%である。さらにより好ましくは、平坦な正方形または長方形の内側スクリーンは約50メッシュ以上の織りであり、割合空き領域は、約50%以上である。中間スクリーン1520は、組込まれた場合には、支持スクリーン1510と内側スクリーン1530との間のメッシュ中間物をなしており、構造的、幾何学的、組成的および方向的に同様であってもまたは異なっていてもよい。
【0170】
ペレット排出シュート1460から排出されたペレットは、寸法毎に分類され、ふるい分けられ、パッケージングされ、さらに乾燥されるか、または、流動化などのさらに別の処理にさらされるか、または、プロセス要件に従って貯蔵または直ちに操作するために搬送され得る。ここに含まれるプロセスは、参照を目的としたものであり、限定を意図したものではない。
【0171】
乾燥機1400およびスクリーン1500は、性能の最適化、静電荷の低減、耐摩耗性の向上、耐腐食性の向上、より優れた耐摩滅性、乾燥の簡便化または同様のプロセス改善のために処理またはコーティングすることができる。
【0172】
上述のプロセスによって生成されたペレットは、断面が円形、正方形、長方形、三角形、五角形、六角形、または他の幾何学的形状、星形、または他の装飾的設計を含むがこれらに限定されない多くの形状であり得、さらに、第1の断面に対して垂直な第2の断面から見て同じであってもまたは異なっていてもよい。好ましくは、ペレットおよびマイクロペレットは、主要または優勢な回転構成要素のために球状からレンズ状になっている。これらペレットおよびマイクロペレットには、容易に砕けて不要な細粒を生成する可能性のあるテーリング、鋭い尖端または突起が存在しないことがさらに好ましい。成形品に組込まれるべき装飾的含有物を考慮することで、ペレットおよびマイクロペレットのこのような装飾の3次元性が、場合によっては乾燥プロセスにより、運搬、搬送を通じて、またはその回転プロセス自体をから起こる接触、衝撃、摩滅および/または振動によって損なわれることを理解する必要がある。
【0173】
明瞭化および簡略化のために、ペレットのサイズは、以下においては、ダイの膨張または起こり得る収縮による増減に起因する変動を考慮に入れるのではなく、製造に用いられるダイホールの寸法を反映したものとなる。ペレットサイズは、限定されておらず、典型的には、約3.5mm〜約0.5mm(約0.138インチ〜約0.020インチ)以下の範囲であり、ペレットとマイクロペレットとの差別化についてのいずれの概念をも容易に包含するものである。ペレットサイズが小さくなると、典型的に圧力が増大し、スループットが必然的に損なわれる可能性がある。主要または優勢な回転構成要素が約1.6mm(約0.063インチ)以下、より好ましくは約1.0mm(約0.040インチ)以下、最も好ましくは約0.7mm(約0.028インチ)以下であることが好ましい。0.7mm(約0.028インチ)以下のペレットも、ここでは「マイクロペレット」と記載される。複雑で精密な成形品または小型の成形品の場合、この明細書中に詳述されるように、約0.35mm(約0.014インチ)以下を採用することが好ましい。
【0174】
ペレットおよびマイクロペレットは、好ましくは、1%未満の粉末または細粒を含有し、これらは、断面が約0.007インチ(約0.18mm)未満であり、より好ましくは約0.5%未満の細粒であり、最も好ましくは約0.1%未満の細粒である。よりサイズの小さなペレットに含まれる細粒は典型的にはより少なくなることが判明している。
【0175】
同様に、材料およびペレットの組成は、上に特定されたとおり回転成形グレードには限定されない。歴史的に見て、最小せん断成形の場合には、材料は、典型的には、条件E(2.16キログラム荷重で190℃)で、または考慮の対象となっている材料についての適切な標準温度で、ASTM D1238を用いて評価されるように、200グラム/10分〜1グラム/10分までのメルトフローインデックス(melt flow index)の範囲で表された。最近では、この範囲は、好ましくは、50グラム/10分〜1グラム/10分、より好ましくは30グラム/10分〜1グラム/10分とされている。メルトフローインデックスが高ければ高いほど、典型的には、平均分子量範囲が低くなり、粘度も低くなる。特定の材料の場合、回転成形に有用な条件で堆積させるための適度な流れを可能にするには高すぎる粘度が存在することとなり、同様に、実用的に適用するには低すぎる粘度も存在することとなる。こうして、本願においてペレット化すべき材料の選択基準は、同様に、これらの好ましい流れの制約の範囲内にあるが、これに限定されない。
【0176】
材料、より具体的にはペレットの溶融温度制約は、組成上制約されているよりも、最小せん断成形機器自体の制限によってより規定される。溶融温度は、材料の早過ぎる反応または膨張を回避するよう十分に低くなければならず、重要な原材料の不適当な揮発も同様に回避されるようなものでなければならない。材料の分解または劣化に至る溶融温度も好ましくは回避される。処理、運搬、貯蔵および成形機器のパージは、溶融または処理温度にかかわらずこのリスクを最小限にするのに必要であり得る。窒素または二酸化炭素などの不活性ガスが好ましいが、それらには限定されない。成形プロセスへの適用については、この明細書中において後に説明する。
【0177】
物理的性質の制約には、起こり得る凝塊、遮断、または金型の外面への不所望な付着を避けるために、処理、搬送および運搬温度で粘着性をもたらすのに十分に低いガラス転移温度を有する材料を排除することが含まれ得る。好ましくは、材料の脆性を防止することにより、過度の細粒の形成や、起こり得る粉塵および他の安全上の問題につながる恐れのある処理のどのステージにおいても破片化のリスクが最小限にされるかまたはなくされる。
【0178】
材料、具体的にはペレット、の化学的組成は、上述の優先条件を満たすものであり、従来より市販されている回転成形グレードには限定されず、後続の一覧自体は本質的に限定的なものではない。ペレットおよびマイクロペレットは、超低密度PE、直鎖状低密度PE、低密度PE、中密度PE、高密度PE、架橋性ポリオレフィン、ポリプロピレンおよび他のポリオレフィン、ならびに、その共重合体、アモルファスまたは結晶を含むポリエチレン(PE)から作られ得る。同様に、アルキル置換ポリオレフィンを含む誘導体化ポリオレフィン;ポリビニールエステル、酸およびそれらの誘導体;ポリビニルハロゲン化物;ポリビニルアルコールおよびそれらのエステル;芳香族および置換芳香族のポリオレフィン;ならびに、これらまたは他のポリオレフィンとのそれらの共重合体は、ペレット化することができる。典型的に上述の組成内に収まる接着剤およびワックスは、本発明のプロセスを用いて容易にペレット化される。
【0179】
加えて、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテル、ポリカーボネートおよびポリウレタン、ならびに、それらの共重合体、アモルファスまたは結晶はペレット化可能である。セルロース誘導体および生分解性重合体はまた、ペレット化プロセスの範囲内である。
【0180】
ペレットは、上述の成形基準の制約が満たされるように、高分子成分を個々に、または以下の成分または添加剤のうちのいずれかまたはすべてと組合せて、投入のいずれかまたはすべてのレベルにも援用することができる。このような添加剤は、酸化防止剤および酸化防止安定剤または配合物、紫外線吸収剤および紫外線吸収安定剤または配合物、熱安定剤または配合物、押出成形加工助剤、流れおよびレオロジー助剤、溶融加工助剤、粘性調整剤、液体または固体配合剤を含む顔料、ペレットコーティング、充填剤、繊維、構造調整剤、衝撃調整剤、化学的および/または物理的発泡剤およびそれぞれの配合物、核形成剤、レオロジー調整剤、架橋剤または配合物、ワックス、粘着性付与剤または粘着分離剤などを含む架橋促進剤および触媒または配合物を含み得るが、これらに限定されず、さらに、固体もしくは液体または如何なる組合せであってもよい。
【0181】
加えて、成形時に用いられるペレットは組成が同様であってもまたは異なっていてもよく、寸法的および/または形態的に同様であってもまたは異なっていてもよい。1層または2層以上の層の最小せん断成形において使用されるペレットは、単独で用いられ得るか、または、それぞれの層について寸法的、組成的および/または形態的に多様であり得る。
【0182】
ペレットまたはマイクロペレットをそれらの適切な幾何学的形態、サイズおよび組成で用いることが好ましいが、発明のさまざまな実施の形態は、添加剤または少数の成分、固体または液体が成形組成物に含まれ得る点で、特にペレットの使用に限定されない。
【0183】
最小せん断成形機器の実際の設計は、設計もしくは範囲またはそれらの応用例をこの発明のさまざまな実施の形態に限定するよう意図したものではない先行技術文献の具体的な一覧中に見出すことができる。
【0184】
最小せん断成形は、溶融物の流れの冷却および再設定時に成形品を生成するための材料の溶融および流れに本質的に依存するプロセスを含む。回転成形、およびその変形例である揺動成形は、この技術の非限定的な例である。当該プロセスは回転により一、二または多次元/軸に適しており、これを中心に回転が起こるが、この回転は、連続的および円形であるか、または、金型および/または成形装置のアームによって転写される動きに対して弓形かつ振動的なものとなる。
【0185】
一次元または単軸回転は、一例においては、360°未満の円弧を規定するものであり、優先的に約360°未満、より優先的には約270°未満、最も優先的には約180°以下であるその円弧の規定された距離にわたって揺動時に往復振動する。例として、これは、制限された金型のエリアにおいて一部品の一部を成形するのに有用であるだろう。代替例として、より典型的には、一次元の回転により、単軸を中心とする連続的な360°の円が規定される。これは、一般に、たとえばパイプにおける裏当ての形成に適用される。
【0186】
二次元または2軸回転により、一次元回転についてのオプションが、第1の軸と異なり優先的にその第1の回転軸に対して垂直または直交する角度で規定する第2の回転軸についての同じオプションと組合される。こうして、1つの二次元モードでは、第2の軸、好ましくは垂直軸、がその中心を基準として360°円形に回転すると同時に、1本の軸がその中心を基準として360°連続的に回転する。代替的には、第2のモードでは、一次元の回転を説明するために優先的に示されたのと同様に、第1の軸を中心として360°円形に、かつ第2の垂直な軸を中心として振動するように連続的に回転している。しかしながら、第3の二次元モードまたは2軸モードでは、両方の垂直な回転軸を中心とした回転度を同様に優先して振動回転する。回転速度および/または弓形振動の度合いは、2本の軸について同じであっても、または異なっていてもよい。実現可能な限定または制約についてのさらなる詳細を以下に説明する。
【0187】
多次元または多軸の回転は二次元回転の説明から得られる。ここでは、それぞれの回転軸が連続的かつ円形であってもよく、または振動的かつ弓形であってもよく、同じまたは異なる回転速度および/または弓形振動度であってもよく、それぞれの軸は、他の軸の各々またはいずれとも異なる向きにされる。
【0188】
最小せん断成形装置は、たとえばオーブンによって制限された加熱エリア内で回転している間に加熱することができる。加熱エリアは、電気的に加熱されるか、強制空気対流、燃料油、ガス、蒸気、赤外線放射、油、金型に加えられる直火によって加熱されるか、または、加熱エリアは、ジャケットが電気的に加熱され得るか、蒸気で加熱され得るかまたは油もしくは水などの熱伝導流体の循環によって加熱され得るジャケット金型を用いることによって加熱される。代替的には、金型は、異なるゾーンまたは部分で変動的に加熱されてもよい。
【0189】
金型設計は、任意に通気穴を設けることのできる好適な金属またはセラミック材料であってもよく、通気穴のサイズは当業者が決定することができる。通気パイプが貫通している金型への深さは、材料の損失が最小限になるようなものでなければならない。通気パイプは、加熱時のガスの流出を可能にするよう透過的に塞がれ得るか、または塞がれないままにされ得る。金型のサイズおよび設計は、成形材料の収縮についての適切な許容差や、意図された成形物についての何らかの多様な層状化要件を有する意図された成形物に適したものでなければならない。金型のサイズは、それぞれの回転を妨げるかまたはそれぞれの回転に干渉することのないように、必要とされる部品によって、かつ、最小せん断成形装置によって制限されている。金型は、不活性ガスパージおよび/または直接供給ラインを備え得る。
【0190】
この発明のさまざまな実施の形態を、以下の非限定例によってさらに例示する。
実施例
この実施例は、成形プロセス最適化の説明に関する。
【0191】
図36aおよび図36bに図示のとおり、高さ2515が約17インチであり、直径2510が約9.5インチ(約24.13センチメートル)であり、通気穴2520の外径が約0.5インチ(約1.27センチメートル)であるタンクについて、初期評価が行われた。通気穴は、タンクの外壁から約1インチ(約2.54センチメートル)はめ込まれている。通気穴の最も内側の端部が、ガラス繊維ウールで最初に透過的に塞がれた。タンクについての粉末条件は、約550°F(約288℃)のオーブン温度、約37分の加熱時間、約6rpmの回転速度で約3.7:1の回転比(主軸対副軸)として規定された。内部の気温は測定されず、加熱サイクルの完了時に、ファンによる強制空気で、約100°F(または約38℃)以下の温度に冷却された。約5ポンド(2.3キログラム)の材料、粉末またはマイクロペレットが金型に投入された。タンクは、上述の装置を用いて製造された約0.014インチ(約0.36mm)のマイクロペレットおよび35メッシュまたは約0.020インチ(約0.5mm)の粉砕粉末を用いて比較された。高密度ポリエチレン(HDPE)および中密度ポリエチレン(MDPE)に対して評価が行われた。MDPEおよびHDPEについてのこれらの予備試験によって、同等の温度では、粉末タンクは色および耐衝撃性が十分であるが、マイクロペレットタンクは、耐衝撃性が十分であるものの色がより暗くなったことが明らかになった。MDPEおよびHDPEについて加熱時間を約2〜5分短くすることにより、より長い加熱時間を要する粉末タンクに匹敵する色が達成された。
【0192】
同様に、黒に着色された架橋性ポリエチレン(XLPE)について、約0.020インチ(約0.5mm)の粉砕粉末と、約0.014インチ、約0.020インチおよび約0.038インチ(それぞれ約0.36mm、0.5mmおよび0.97mm)のマイクロペレットとを用いて、約500°F、475°F、450°F、425°F、400°F、375°Fおよび350°F(それぞれ、約260℃、246℃、232℃、218℃、204℃、191℃および177℃)のオーブン温度で、より詳細な調査が行われた。加熱時間は、予備試験に従って約27分に短縮された。回転比が5:1.2に調整され、回転速度が約10rpmに高められるように内部のタンク表面上の堆積物の均一性を改善するようオーブン温度および硬化時間以外の条件も変更されたことに留意することが重要である。すべての材料についての溶融温度は、約240°F〜250°F(約116℃〜121℃)であり、XLPEについての架橋温度は約350°Fまたは177℃である。
【0193】
【表1】

【0194】
ゲル化が成功したサンプルについての衝撃試験、>70%である場合、すべてが200フィートポンド(ft.−lbs.)試験レベルをパスした。
【0195】
ゲル形成および低温衝撃は、引用されたすべての材料に関して、XLPEについて最小で70%のゲル形成として規定され、かつ、このタンクについて最小で100ft−lbsの低温衝撃として規定された粉末基準を有するASTM D 1998−97に従って決定された。当該タンクの場合には、84%のゲル形成および200ft.−lbs.の低温衝撃についての値が好ましい。
【0196】
このデータから、成形および架橋が、標準的な粉末において可能となるよりも著しく低い温度でマイクロペレットにおいて成功することが、容易に明らかとなる。タンクの内面の品質は、約450°F(約232℃)で約0.038インチ(約0.97mm)のペレットが、粉末タンクまたは、約500°F(約260℃)で準備された約0.014インチ(約0.36mm)のマイクロペレットタンクに匹敵するようにオーブンの温度が減じられ、かつペレットサイズが増大すると、実際に向上する。この現象は、もともと、架橋速度と比べて溶融比と堆積物との競合に起因していた。ここでは、温度が上昇するにつれてより急速に架橋が進み、結果として不適切な堆積物のせいで表面がより粗くなることが理にかなっておりかつ論理的であると考えられる。
【0197】
架橋が生じていなかったことを保証するためにマイクロペレットついてのゲル試験が決定された。すべてのサイズについてゲルは存在していなかった。
【0198】
未処理のタンクおよび白に着色された粉末XLPEタンクを作製する際に、オーブン温度の低下に応じて変色が低減したことが観察された。これを評価するために、タンクは上述のとおり同様に準備され、ゲル形成および衝撃について測定された。
【0199】
【表2】

【0200】
ゲル化が成功したサンプルについての衝撃試験、>70%である場合、すべてが200フィートポンド(ft.−lb.)試験レベルをパスした。
【0201】
オーブン温度が約500°F〜約425°F(約260℃〜218℃)に下げられると、未処理のタンクの色が徐々に明るくなり、白色のタンクの内面が茶色から黄褐色、そして淡黄色、最終的に白色へと明るくなった。
【0202】
色の改善および内面の改善を調べるために、MDPEについて、比較可能な温度間隔で、約0.020インチ、約0.030インチおよび約0.045インチ(それぞれ約0.5mm、0.76mmおよび1.14mm)のペレットで、標準粉末と同様に、試験が行われた。色は、温度の低下とペレットサイズの増大とともに改善された。XLPEで観察されたように、より大きなペレットの内面は温度の上昇とともに改善され、結果として約500°F(約260℃)で表面が粗く不均一になり、約425°F(約218℃)で非常に滑らかな表面へと改善されるが、これは、粉末タンクおよびより小さなペレットタンクの両方に匹敵するものである。すべての場合において、粉末タンクの色は、オーブン温度が低下するのに応じて、マイクロペレットタンクよりも著しく茶色になり、同様に改善された。特に、粉末タンクおよび約0.020インチ(約0.5mm)のペレットタンクは、約100ft.lb.レベルでの衝撃試験に合格できなかったが、他のすべての試験では合格したことが判明した。
【0203】
これらの実施例から、著しく低いオーブン温度を用い加熱時間を短縮してマイクロペレットを容易にタンクに加工することができ、大きさを変えることができることが容易に明らかとなる。さらに試験を行うことにより、約0.063インチ、約0.090インチ、さらには不規則で円筒形の約0.125インチ(それぞれ約1.6mm、2.3mmおよび3.2mm)の供給されたペレットを含むより大きなMDPEペレットで、タンクを作製することが可能となる。ペレットサイズが大きくなると、内面の堆積物が均一にならず、必要な均一性を達成するのに加熱時間を増やさなければならなかっただろう。最後に、著しく下げられたオーブン温度および/または短縮された加熱時間で、約0.020インチ〜約0.040インチ(約0.5mm〜1.0mm)のマイクロペレットサイズに組込むことは合理的なことである。
【0204】
通気現象、回転比および回転速度変動を調べるために、図37aおよび図37bに図示のとおり、より小さなタンクが用いられた。タンクは、高さ2615が約9.5インチ(約24センチメートル)で、直径2610が約8.25インチ(約20.1センチメートル)であり、そして、タンクの上部で中心に配置された通気穴2620は約2.25インチ(約5.7センチメートル)である。約2ポンド(0.9キログラム)で約0.038インチ(約0.97mm)の黒色のXLPEマイクロペレットがタンクに投入され、成形条件が、タンク形成の障害を監視するように設定された。こうして、オーブン温度が約400°F〜約350°F(約204℃〜177℃)程の低さで評価され、加熱時間が約25分に削減され、回転比は5:1.2、4:1.2および3:1.2で評価され、回転速度は、先の10rpmまたは8rpmからほんの約1.75rpm、最終的には約1.5rpmにまで下げられた。タンクは、内面堆積が許容可能なレベルで正常に準備された。ゲル形成は、元のデータに従って必須の70%を越えるとは予想されなかったので、評価されなかった。以前の試験と比べて大きすぎる通気が溶融または堆積プロセスを変化させるようには見えなかったことに留意することが重要である。粉末は、何らかの妨害なしに容易に流出するので通気穴と共に使用するのに特に問題となるのに対して、ペレットは、ペレットの累積容積が反転した位置に含まれている金型内に通気穴の長さが十分に収まっている限り、十分に含有されていた。回転比が遅ければ遅いほど、ペレットはより十分に内部に保持され、粉末の損失がより大きくなることが分かった。これは、最小せん断成形機器自体に対して著しい応力を加えて著しく損なうことが当然に予想され得る20rpm〜100rpm以上ほどの高さの回転速度を反映する初期の先行技術とは著しく異なっている。金型設計と、これにより必須の成形装置とが大きければ大きいほど、高い回転比および回転速度が著しく不利益なものとなる。
【0205】
如何なる理論によっても縛られることなく、より球形で容易に回転可能なペレットでは問題にならないさまざまな流れの不規則性を克服するために、粉末にはより高い回転比およびより高い回転速度が必要であると結論付けることは妥当であると思われる。これらの速度の上昇により、より高い温度での内面の向上した平滑性および均一性に起因して、著しい量の粉末を空気中に浮遊させたままにするように十分に粉末が撹拌されることが予想される。この後者の現象は、金型の内部全体が激しく揺さぶられる際に粉末が過度に失われることに起因するものとされる。最初のうちは、わずかな量の粉末しか金型の加熱面に接触しておらず、これは、より高い温度ではより長い加熱時間にわたってニーズに貢献するように思われる。ペレットが自由に回転することができるので、回転時間および回転比を容易に下げることができ、これにより、より低い温度で加熱成形面および大半の堆積物に、より長期にわたってより密に接触させることが可能となる。攪拌がより少なければ、通気穴が著しく大きすぎる場合でも、マイクロペレットが揺さぶられて通気穴から転がり出る傾向が減じられる。
【0206】
マイクロペレットを転がり易くすることのさらなる利点は、貯蔵設備から成形機器への運搬および搬送が容易になることである。運搬についての多くの手段(たとえば手作業での注入から、機械的なペレットの放出、真空運搬、振動による運搬またはベルト運搬、さらには空気圧による運搬まで)を用いることができる。このような手段はしばしば、粉末の場合に大いに問題となる。というのも、特に深刻な粉塵および細粒の生成と組合わされると、流れ易さにさまざまな制約が生じるからである。すなわち、メンテナンス、より重要なことには、作業員および機器の両方にとって潜在的に深刻な健康および安全性の危険要因が生じる。上述のとおり、選択された組成物の脆性が最小限にされる限り、マイクロペレットを使用することによって粉塵の問題が大幅に低減されるか、またはなくされる。
【0207】
さまざまなサイズのペレットが、貯蔵、搬送、運搬および金型充填に対して及ぼし得る影響を判断するために嵩密度について評価された。粉末およびマイクロペレットはともに、XLPEおよびMDPEについて比較された。
【0208】
【表3】

【0209】
嵩決定は、不規則な容器内の粉末またはペレットを計量し、適切な換算でそれらの重量をその容器用に決定された水の重量と比較することによってなされるので、おおよその概算であると考えられる。
【0210】
このデータは、予め規定された好ましいサイズ範囲におけるマイクロペレットの嵩密度が同等の粉末よりも著しく大きく、このため、その粉末と比べて貯蔵および搬送の費用が大幅に低減されることを示している。使用される基本技術に甚だしい誤りがあると想定すると、搬送および貯蔵時のペレットの起こり得る圧縮がさほど予想されない場合、控えめな約30%の節約が妥当であるように思われる。一例として、貯蔵には3個ではなく2個のサイロしか必要とされず、または、10体の鉄道車両を出荷するには7個しか必要とされない。
【0211】
嵩密度および容積に対するその関係が極めて重要なものとなる表面積の高い金型は、容積が小さく、このためしばしば2回以上の粉末の投入を必要とした。図38aは、部分的に切断されたオリフィスが2715と示されている部分をオリフィス2710が完全に貫通した状態にある、高さがほんの約0.75インチ(約1.9センチメートル)しかない小型で通気穴のない金型の一部を示す切断図である。図38bは、成形された壁2720のうちこの同じ成形された部分の断面を示す。投入の際には約0.5ポンド(約0.2キログラム)の粉末が必要であった。この粉末は、申し分のない部品を得るために可能な限り堅く金型に物理的に詰め込まれければならなかった。約0.014インチ、約0.020インチまたは約0.038インチ(それぞれ約0.36mm、0.5mmおよび0.97mm)のマイクロペレットは、容積が金型に無理なく収まるので、パッキングの必要なしに、または過度の問題を引起こすこともなく用いられた。約0.014インチ(約0.36mm)のマイクロペレットの成形品は、ピンホールや他の表面欠陥がないという表面品質の点で、少なくとも粉末と同等であった。約0.020インチおよび約0.038インチ(それぞれ約0.5mmおよび0.97mm)のマイクロペレットは、オーブン温度、加熱時間、回転比または回転速度の変動によってはなくならなかったピンホールを含んでいた。このことは、金型サイズの低下および/または複雑さの増加に応じた特定のマイクロペレットのサイジングが必要であることが示されるように、重要となる。重要なことには、パッキングなしに、または粉末では達成されない他の操作なしに、1つの部分においてのみ金型を十分に充填する際に特に重要となる一方で、成形品設計に寸法的に適切となるよう選択された場合にマイクロペレットを用いることによって損なわれることはなかった。
【0212】
加えて、ピンホールの減少は、ポリプロピレンのマイクロペレット、およびポリプロピレンとポリエチレンとの共重合体を用いて評価された。タンクは、図36aおよび図36bに図示のとおり、約5ポンド(約2.3キログラム)のそれぞれの材料が投入され、4:1.2の回転比および約8rpmの回転速度を用いて、約30分にわたって約550°F(約288℃)で成形された。結果として得られるタンクには多数のピンホールがぎっしりと詰まっており、それらの多くはタンクの壁に貫通していた。ピンホールは、一般に、空気からであろうと、潜在的に水分を含み得る揮発性物質からであろうと、ガスが閉じ込められていることを示していると考えられている。試験は、約0.030インチおよび約0.020インチ(それぞれ約0.76mmおよび0.0.5mm)のマイクロペレット中のそれぞれの同程度の量の材料を金型に投入し、約300°F(約149℃)で約15分間にわたって加熱し、次いで約550°F(約288℃)で約18分間にわたって回転比および速度を同一に維持することによって繰り返された。約300°F(約149℃)の第1ステージの加熱が約20分にまで増やされ、その後、約550°F(約288℃)での約18分間にわたる第2ステージの加熱が続き、同様に回転させると、ピンホールの数が激減し、最終的になくなった。これは、合理的に適切に変更された成形条件で通気穴付き金型において揮発またはガスの閉じ込めを有効になくすことができることを示唆している。
【0213】
回転グレード粉末の成形時の別の特別な課題は、引込みねじ山の最薄部分において気泡を形成したり閉じ込めたりすることなしに複雑なねじ切りを実現することである。このような設計が、図39a、図39bおよび図39cに示される。図39aは、囲まれたエリア2805が最重要事項とされる上述のようなねじ山2810の側面図を示す。タンクは上述した標準的な粉末条件を用いてHDPE粉末で成形され、図39bに図示のとおり、結果として、多数の気泡が、指定される囲まれた領域に生じ、その多くが薄いねじ山を貫通して、極めて不規則な不ぞろいの外観をもたらすこととなった。HDPEからなる約0.014インチ(約0.36mm)のマイクロペレットで同様の成形を行うことにより、結果としてはるかに白いタンクが得られ、図39cに注記されるように、微小の気泡はあるが貫通のないねじ山の最薄部分において、ほんの数個の極小さな粒体が生じることとなった。
【0214】
図40aは、接触部2905に極近接しているか、または図40cのように接触部2915に物理的に密接している近位領域を備えた「分離(kiss-off)」領域を示す。回転成形グレード粉末の使用がしばしば問題になることが判明した。というのも、小さなストランドまたはより大きな柱であり得るブリッジング2910がもたらされるからであり、ここでは、2つの壁の「分離」領域の部分同士が図40bに概略的に示されるように接触している。このことは、マイクロペレットに対しても同様に問題になることが判明した。しかしながら、材料の選択が所望の効果をもたらす可能性があることが発見された。HDPEを使用した成形は、粉末またはマイクロペレットの形状の大幅なブリッジングおよびさまざまな「分離」領域におけるブリッジングをもたらしたものであるが、使用される微粒子に関わらず異なっていた。しかしながら、XLPEのマイクロペレットまたは粉末が用いられた場合、成形品の全体にわたって申し分のない再生可能で均一な「分離」領域が設けられた。これにより提示されたオプションでは、所望の効果が達成されるように材料選択対象および/または粒子選択対象を選ぶことができる。
【0215】
図41aおよび図41bに示されるように、ごく接近している成形品の長い壁は、粉末で成形するのが同様に困難であり、典型的には、結果として壁の厚さが不均一となり、このことは、複数の壁接合部がより多くの累積加熱を受ける角度のあるエリアにとって有利であり、さらに結果として壁4010がより厚くなる(図41a)。HDPEからなる約0.020インチ(約0.5mm)のマイクロペレットを使用することにより、結果として、粉末の場合と比べて角度のある堆積物3005の蓄積が著しく減少したが、図41bに図示のとおり、XLPEからなる約0.020インチ(約0.5mm)のマイクロペレットを使用すると大幅な改善が見られた。回転速度の低下は、マイクロペレットの堆積に著しく影響を及ぼして、より適正な時間でそれら自体をより均一に分散させることが可能になると考えられる。上に詳述したように、このような速度の低下は、粉末の使用時には実用的ではない。これは、粉末の場合と比べて、他の場合に問題となる成形品を実現するための有効な方法として、回転速度によって影響を受ける可能性のある材料の適切な選択とマイクロペレットの使用との組合せを明示している。
【0216】
タンクもまた、図36に従って、約0.025インチ(約0.64mm)のマイクロペレット中のポリエチレンテレフタレートグリコレート(PETG)、および、約0.040インチ(約1.0mm)のマイクロペレットにおいて共押出成形されたアモルファスと結晶ポリエステルとの混合物などの材料を用いて作製された。これらの材料は市販されている非回転成形グレード材料であり、添加剤では調整されなかった。成形条件としては、4:1.2の回転比と約10rpmの回転速度とを利用した30分の加熱時間にわたる約550°F(約288℃)のオーブン温度を含んでいた。上述のポリオレフィンに特有であるより高い密度で必要とされる容積を予想して、7ポンドが投入された。これらはともに、うまく成形され、最低限の収縮比しか観察されず、金型からかなりの問題が排除された。テーパ状の金型設計は、ここで示されるように最低限の成形品収縮状況についての妥当な解決策として期待される。タンクの外観を以下に説明する。
【0217】
記載されたさまざまなタンクに加えて、HDPEからなる約0.014インチ(約0.36mm)のマイクロペレットは、設計上、図36と同様である約1450ガロン、約3900ガロンおよび約12500ガロン(それぞれ、5488リットル、14762リットルおよび47,313リットル)のタンクにされ、粉末の流れおよび堆積に関するさまざまな問題のせいで、説明したとおり、同程度に成形された粉末よりもタンクの内壁がはるかに滑らかになることが判明した。すべてのタンクは衝撃試験に合格し、水が十分に充填されたことの悪影響は見られなかった。タンクの周方向におけるフープ応力が、成形されたタンク壁の構造上の完全性によって適切にオフセットされなかった場合に予想され得るように、タンク壁が開いたり垂直に分裂したりすることは観察されなかった。
【0218】
2層タンクは、長年にわたって成形されてきたものであり、部品の外壁を形成する第1の粉末材料が適切な金型に充填され、特定の加熱時間にわたって適切な条件で成形され、任意には冷却されるかまたはオーブンから取外され、次いで、追加の粉末材料が、ここでは第1の層を含む金型に充填される。これは同じかまたは異なる成形条件にさらされる。代替的には、付加的な層を同様に追加することもできる。金型は、完成すると、オーブンから取出され、適切に冷却され、成形品が取除かれる。第2およびいずれの後続のショットも、金型を開き、第1の層のほんの一部分を物理的に取除いて第2の材料を投入して成形することによって手作業で投入される。適切な時間、温度またはほかの適切に決定されたポイントで機械的または熱的に開かれた「ドロップボックス(drop boxes)」の金型またはさまざまな設計を用いて、次の層のための材料を投入することができる。
【0219】
従来より、各層は、寸法的および/または組成的に同じかまたは異なり得る粉末から作製される。層はまた、反応性または膨張可能な材料を含み得るが、その例には架橋または発泡の生成が含まれる。特に、先行技術では、粉末が最初に溶融して連続的な非孔性の壁を堆積させるように、粉末と同時に投入された大きなペレットにおける気泡の使用が実証されていた。壁の内部に堆積される発泡性材料は、別個の層を形成することができ、部品の芯を完全に満たすように発泡させられるかまたは発泡可能である。2層技術を用いて、構造要素にバリア層を追加し得るか、装飾性を向上させ得るか、または、特に、構造上の剛性を向上させるための補強層として役立たせ得る。
【0220】
2層または多層タンクの製造においては、その危険要因および安全性の問題がなくなるわけではない。というのも、回転および加熱を実質的に中断している間に可能な限り迅速に第2の層材料を加えなければならないからである。タンクが大きければ大きいほど、成形機器が保持する熱が大きくなり、作業員の床からの高さが高ければ高いほど、必要とされる材料の量が多くなり、粉塵についての危険要因がより大きくなる(たとえば、加熱された潜在的に危険なガスまたは有毒なガスを内部から流出させつつ高温のタンクに粉末を加えている間)。安全性の危険要因の潜む可能性が大きいことや、事故が起こる可能性が増大することは自明である。
【0221】
そのため、少なくとも1つの材料の代わりに、好ましくはすべての構成要素の代替としてマイクロペレットの有効性を決定することが重要である。黒色のXLPEマイクロペレットおよび未処理のMDPEまたは未処理のHDPEマイクロペレットは、これらの材料に対して行われる多くの実験のために、見易くするために重要な色のコントラストについて選定された。図42aは、外層3110、内層3105および中間面3115を備えた理想化された2層概念を示す。2層成形に共通の特定の問題には、材料中間面における連続した線をなす極小の気泡または微小気泡3120(図42b)、中間面における一連の大小の気泡、大粒気泡3125および微小気泡3120(図42c)、2層の中間面における不規則な接合部3130(図42d)、または、異なる深さおよび頻度で閉じ込められた気泡3135(図42e)がある。図42fは、すべての中間面において均一に密に接触した3つの層タンクを示す。図42a、図42b、図2c、図42d、図42eおよび図42fに関する説明は、概して膨張可能な材料に限られる。さらなる問題として、内層が外層から完全にまたは部分的に分離してしまうことが挙げられる。2つの層を冷却するのに同様の速度である必要はなく、収縮速度も異なり得るので、第2の層が最初の層の構造上の完全性に影響を及ぼす傾向は、多層成形においては固有のものである。結果として、窪み跡または凹みがタンクの外壁に生じ得る。なお、離型剤の選択または不適切な適用が慎重に施されない場合、同様の現象が1つ以上の層タンクに発生する可能性があることに留意しなければならない。
【0222】
タンクを用いて、図37aおよび図37bに図示のとおり、金型に充填され、4:1.2の回転比および約10rpmの回転速度で27分の加熱時間にわたって約425°F(約218℃)のオーブン温度で加熱された約2ポンド(0.9キログラム)の黒色のXLPE粉末を用いて、粉末条件が最適化された。第1の層状化が完了すると、回転が一時的に中断され、通気パイプが任意に取外された。MDPE粉末が注意深く加えられ、通気パイプが再度挿入され、所望の場合、同じオーブン温度、回転比および回転速度で約15分の加熱時間にわたって回転が続けられた。冷却して金型から取外された後にタンクを半分に切断することによって回避されるように、架橋された黒色の外層および十分に規定された白色の内層が得られた。層形成は、図42aに理想的に示されるものに匹敵している。
【0223】
上に詳述された事前の作業により、成形されたタンクについて、内外において、表面特性が最も均一になる状態で、最低温度で約0.014インチおよび約0.020インチ(それぞれ約0.36mmおよび0.5mm)のマイクロペレットの堆積が容易になることが実証された。条件を最適化することにより、結果として、成形条件が、約2ポンドで約0.014インチまたは約0.36mmの黒色のXLPEマイクロペレットについて、4:1.2の回転比および約10rpmの回転速度で約19分間にわたり、約400°F(約204℃)のオーブン温度であった場合に、粉末から生成されたのと同等のタンクが得られた。これに続いて、約15分にわたり同様のオーブン温度、回転比および回転速度でMDPEからなる約1.25ポンド(約0.57キログラム)で約0.020インチ(約0.5mm)のマイクロペレットを用いる内層のための成形条件がある。特に堆積物の不均一性を最小限にするために第2の層においてはいくらか高い回転速度が重要となる。MDPEの代わりに約1.25ポンド(約0.57キログラム)のHDPEを用いた最適化により、匹敵する結果が得られた。
【0224】
重要なことには、第2の材料の投入は、まず、加熱および回転を中断し、通気パイプを取外し、漏斗を通じて基部周辺の絶縁層に第2の材料を充填することによって行われ、これにより、追加される材料の早すぎる加熱または溶融を防止した。マイクロペレットの投入は、粉末よりもはるかに容易であり、約半分の時間しか必要としなかった。加えて、マイクロペレットが、直接、通気パイプを通じて容易に注入可能であり、これにより、加熱および回転を中断しなければならない時間が著しく短縮され得ることが発見された。上述のとおり最適化するには、マイクロペレットを直接、通気管に通すことに加えて、いくらか粉塵状であり難易度の高い粉末を投入するための技術が利用される。第1の層を処理したり損傷させたりすることなくこのように直接的に追加することは、上で明らかにされたより標準的な2層成形技術に勝る重要な改善例である。
【0225】
2層プロセスの最適化により、結果として、図42a、図42b、図42c、図42d、図42eおよび図42fの図について記載されたようなさまざまな現象が発生した。理論によって縛られることなく、図42bに示されるような微小気泡層は第1の層の不完全なガス放出、液化または起こり得る過硬化を示していると考えられる。一例として、XLPE材料が特に過度に架橋される場合、液体層は、第2の層の堆積前には消散できない内面上に観察される。小さな気泡とともに図に42c示される大きな気泡は、硬化不足、不完全な液化、または材料の堆積物からの空気の不完全なガス放出を示している。こうして、第2の層が閉じ込められた後に解放される材料は、中間層の界面において見られるような大きな気泡を形成することができる。図42dは、第2の層または内層の堆積前における外層の内面の不規均一性を示す。図42eは、深刻な空気の閉込み、揮発性物質の放出、または、少なくとも特定の配合物における原材料のいくらかについての化学的不適合性を示す。これは、追加分の酸化防止剤パッケージがMDPEに投入されている配合物において見られた。同等の成形に続いて、図42cおよび図42eに示されるような気泡現象が著しく増大したことが観察された。さらなる試験を行うことにより、追加の酸化防止剤パッケージを含有する配合物が、それを含有しない配合物よりも著しく暗くなり、オーブン温度が低下すると、添加剤を含んだMDPEから作製されたタンクは、添加剤を含まないMDPEの場合よりもより高い温度では衝撃試験に合格しなかったことが明らかにされた。これは、2層評価において同様に観察されるように、添加パッケージの反作用をさらに示すものであると考えられた。
【0226】
申し分のない態様で実現された2層タンクで、2層−シングルショット成形の評価が進められた。初めに、製造業者から得られたMDPEからなる黒色のXLPE粉末および約1/8インチ(約3.2mm)の円筒形ペレットを用いて試みがなされた。さまざまな試みの際に、分離についての何らかの傾向が観察されたが、混合物はタンクの壁の全体にわたって問題となったが、ここでは、白色のMDPE材料が壁の外層にまでわずかに貫通している。より大きな問題としては、大きなペレットがうまく均一に堆積していなかった内面の粗さが挙げられる。同様の結果は、試験時に市販されていなかったサイズのMDPEからなるペレットを用いた場合でもこの例に従うことによって達成された。
【0227】
発泡性物質における単層の成形および使用のために粉末およびペレットを用いた先行技術では、粉末の堆積を支持しており、まず、粒径が小さければ小さいほど熱の吸収がより容易になり、このため、わずかに粘着性をもち、タンクの壁に付着するのに十分に軟化してから、より大きなペレットが十分な熱エネルギを吸収して同様に軟化し始めると理論付けられていた。これに基づき、図36aおよび図36bに示されたタンクを用いて作業が始められた。ペレットサイズにかかわらず、回転速度の上昇によって主要な層のより適切な堆積が容易になることが認識された。粉末AとマイクロペレットBとの混合物の場合、回転速度が遅ければ遅いほど粉末の堆積にとってより優先的に有利になる一方で、回転速度が上昇すれば、ペレットは優先層になった。同様に、先行技術から、以下のとおり、融点の低い材料の方が優先的に堆積するだろうことが推論された。したがって、融点がより低く粒径がより小さければ、その材料が最初の堆積時に優勢になるはずであると想定することが妥当であると考えられた。驚くべきことに、このことも、回転速度を高めることによって反論可能であった。さらに、1層のためのポリエチレンと、第2の層のためのポリプロピレンまたはポリエステルなどの融点のより高い材料とを使用することにより、主要な低融点のポリエチレン層が得られ、後に、より融点の高い層が堆積するはずであると判断された。また、どの材料の粒径がより小さいかに応じて、回転速度の上昇は逆にすることができた。同様の融点をもつ材料を調査することにより、また、より小さな材料が、融点にかかわらず回転の増大に応じて外部に押出され得ることが実証された。検討によれば、結果として、回転速度の変動により、同様に、より高い溶融密度材料またはより低い溶融密度の堆積を逆にすることが可能となり、さらに、最初により低密度の材料またはより重い材料を下に配置することでペレット密度を逆にすることができることが容易に観察可能であった。同様の矛盾がサイズの異なるマイクロペレットで観察されており、ここでは、回転速度の変動により、最大のペレットまたはより小さなペレットを最初に堆積させることが可能となった。回転比の変動が与える影響は、予想されるよりも著しく少なく、均一なタンク形成は回転比の極狭い範囲内にあることが分かった。これらの最初の探査から、粒子またはペレットのサイズ、化学組成、融点、軟化点、極性、溶融密度、粒子密度、回転速度および回転比を含むがこれらに限定されない複数の変動要素がすべて、層の一体的な堆積物に含まれていることが容易に明らかになった。金属表面に溶融材料または軟化材料を堆積させる能力が、表面を湿らせるための適切な能力と、表面への付着能力とを必要とすることも理解された。この明細書中に引用された材料はすべて、この明細書中に詳述されるように少なくとも1つの局面、およびしばしば多くの局面において調査された。
【0228】
何らかの重要性をもつ分離が、最初に、約2ポンド(約0.9キログラム)で約0.014インチ(約0.36mm)の黒色のXLPEマイクロペレットと、約1.25ポンド(約0.57キログラム)で約0.020インチ(約0.5mm)のMDPEマイクロペレットとを組合せて達成された。オーブン温度は、4:1.2の回転比および約10rpmの回転速度を用いて、約27分の加熱時間では約400°F(約204℃)となった。回転速度は、分離時の付加的な利得で連続的に約6rpmにまで下げられ、こうして、オーブン温度は、この時、最小限の利得で連続的に約350°F(約177℃)にまで下げられた。回転速度は、付加的な限界利得で加熱時間を約35分にまで増やして約4rpmにまで下げられた。回転比の変動は良くても限界に近いものであり、架橋はより低温では起こり得なかった。このため、温度を増分的に上げて、その後、回転速度を下げることによって適度な分離が得られた。MDPEをHDPEと置換えることにより、より許容可能な分離が得られたが、結果として、最内層の表面の品質が低下してしまい、XLPEのサイズを大きくすることにより、さらなる改善が容易となった。許容可能な分離は、少なくとも、約30分の加熱時間にわたって、約450°F(約232℃)のオーブン温度で、約1.75ポンドで約0.038インチ(約0.8キログラムおよび0.97mm)の黒色のXLPEマイクロペレットと、約1.5ポンド(約0.68キログラム)のHDPEとを用い、次に、4:1.2の回転比および約1.75rpmの驚くべき回転速度で、約475°F(約246℃)で約7分間にわたってオーブン温度を上げることによって達成された。これらの条件は、HDPEをMDPEと置換えて、最内表面エリアの堆積物をさらにより均一にした状態で繰り返された。結果として、白色のMDPEまたはHDPEはいずれも、黒色のXLPEの外面までは貫通しなかった。2つの材料の界面においてわずかな中間層状化が観察された。タンクの外面が架橋されたXLPEであり、内部のタンク面がMDPEまたはHDPEである2つの有意な層の形成が達成可能であった。XLPEおよびポリエステルなどの適合性の低い材料を用いる際に、中間面におけるわずかな中間層状化により、他の場合には難題となる不適合材料の接着がより容易になるというさらなる利点が発見された。
【0229】
熟慮の上で、バリア特性を有する絶対的な別個の2層もしくは多層の成形についての必要性、または、ある層が次の層に貫通することについての他の重要な回避が、個々の層の導入時に最もよく維持される。接着についての問題点は、溶融可能な接着層を導入して、このような不適合または限定的に適合可能な層の間の結合剤として機能させることによって著しく改善される。
【0230】
大幅な層状化の形成につながる評価により、広範囲にわたる装飾的効果を達成するための優れた道筋が得られる。ポリカーボネートおよび他の透明な材料(たとえば、PETG)、特にアモルファス材料により成形物が透明にされ、ここに他の形状のペレットまたはより融点の高いペレットが組み込まれて、固有で独特な装飾的な要素が導入され得る。この明細書中に記載されるポリエステルなどの、同様の融点をもつアモルファスと結晶材料とを混合することにより、結果として、回転比のわずかな変動に従って変動することが判明した渦巻きパターンを固有に含んだタンクが得られた。独特の着色効果は、上述の変動する層状化効果を有する成分中に顔料または他の顔料を組込むことによって達成可能である。1以上の次元に制約された揺動を用いることにより、局所化されたエリアに1つの層を堆積させることが可能となり、その上に他の材料または他の色の同様の材料を層状に重ねることができる。分別溶融および低いメルトインデックスマイクロペレットを使用することにより、独特にパターン化されたアイテムを作製するよう、より低い融点をもつ他の材料に対して透過性のある並外れて強固なタンクがもたらされることが分かった。装飾上の組合せは、1回以上の連続的かつ円形の回転または振動および弓形の動きを用いた単軸、二軸または多軸の性能を利用することによっては制限されない。
【0231】
この発明の実施の形態は、この明細書中に記載される特定の配合物、プロセスステップおよび材料には限定されず、そのような配合物、プロセスステップおよび材料は幾らか異なり得る。さらに、この明細書中で用いられた用語は、具体的な実施の形態を説明する目的のみに用いられるものであり、限定を意図したものではない。というのも、この発明のさまざまな実施の形態の範囲が、添付の特許請求の範囲およびその同等例によってのみ限定されるからである。たとえば、温度、ペレットサイズおよび時間パラメータは、使用される特定の材料に応じて異なっていてもよい。
【0232】
したがって、具体的な実施の形態に特に関連付けてこの開示の実施の形態を詳細に説明してきたが、当業者であれば、変形例および変更例が添付の特許請求の範囲に規定される開示の範囲内で実現可能であることを理解するだろう。したがって、この発明のさまざまな実施の形態の範囲は、上述の実施の形態に限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲およびその同等例によってのみ規定されるべきである。
【図1a−1b】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの層を最小せん断成形するための最小せん断成形組成物であって、
前記少なくとも1つの層を形成することができる少なくとも1つの化学的組成物を有するペレット、マイクロペレット、粉末、または、これらのうちの少なくとも1つを含む組合せを含み、
前記少なくとも1つの層の各々のための少なくとも1つの化学的組成物は、ペレット、マイクロペレットまたは粉末以外の、約20重量パーセント未満の成分を含み、
前記少なくとも1つの層の各々を最小せん断成形するのに用いられるペレット、マイクロペレットまたは粉末は、各々の層が隣接する層とは組成的に異なるように、各々の層に対して組成的に異なっており、
前記最小せん断成形組成物によって形成される層は、1つのサイズのペレットと1つのサイズのマイクロペレットとの組合せからのみ構成されるわけではなく、
前記最小せん断成形組成物によって形成される層は、粉末からのみ構成されるわけではない、最小せん断成形組成物。
【請求項2】
前記少なくとも1つの化学的組成物は、重合体、共重合体、添加剤およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の最小せん断成形組成物。
【請求項3】
前記少なくとも1つの化学的組成物は、反応性官能基を有する重合体を含む、請求項1または2に記載の最小せん断成形組成物。
【請求項4】
前記少なくとも1つの化学的組成物の重合体または共重合体は、アモルファス、結晶およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1から3のいずれかに記載の最小せん断成形組成物。
【請求項5】
前記反応性官能基は架橋性である、請求項1から4のいずれかに記載の最小せん断成形組成物。
【請求項6】
前記反応性官能基は化学反応によって修正される、請求項1から5のいずれかに記載の最小せん断成形組成物。
【請求項7】
前記重合体は、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエーテル、セルロース誘導体、およびその共重合体からなる群から選択される、請求項1から6のいずれかに記載の最小せん断成形組成物。
【請求項8】
前記ポリオレフィンは、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、アルキルおよびアリール置換ビニル樹脂類、ハロゲン化およびポリハロゲン化ビニル樹脂類、ポリビニルエステル、ポリビニルアルコール、ならびにそれらの共重合体からなる群から選択される、請求項1から7のいずれかに記載の最小せん断成形組成物。
【請求項9】
前記添加剤は、レオロジー調整剤、架橋促進剤、酸化防止剤、紫外線安定剤、熱安定剤、顔料、充填剤、繊維、核形成剤、膨張剤、粘着性付与剤、粘着分離剤、ペレットコーティング、可塑剤、ワックス、加工助剤、およびペレット化助剤からなる群から選択される、請求項1から8のいずれかに記載の最小せん断成形組成物。
【請求項10】
前記添加剤は、単一成分の配合物である、請求項1から9のいずれかに記載の最小せん断成形組成物。
【請求項11】
前記添加剤は、多成分の配合物である、請求項1から10のいずれかに記載の最小せん断成形組成物。
【請求項12】
ペレット、マイクロペレットまたはこれら両方を含み、前記ペレット、マイクロペレットまたはこれら両方は、2つ以上の組成物および2つ以上の幾何学的構成を含む、請求項1から11のいずれかに記載の最小せん断成形組成物。
【請求項13】
ペレット、マイクロペレットまたはこれら両方を含み、前記ペレット、マイクロペレットまたはこれら両方は、球形からレンズ状までの幾何学的構成である、請求項1から12のいずれかに記載の最小せん断成形組成物。
【請求項14】
ペレット、マイクロペレットまたはこれら両方を含み、前記ペレット、マイクロペレットまたはこれら両方は、約0.5重量パーセント未満の細粒を含む、請求項1から13のいずれかに記載の最小せん断成形組成物。
【請求項15】
前記最小せん断成形組成物は粉末を含まない、請求項1から14のいずれかに記載の最小せん断成形組成物。
【請求項16】
前記ペレットは、約0.7mm〜約3.5mmの平均最長断面寸法を有する、請求項1から15のいずれかに記載の最小せん断成形組成物。
【請求項17】
前記ペレットは、約0.7mm〜約1.6mmの平均最長断面寸法を有する、請求項1から16のいずれかに記載の最小せん断成形組成物。
【請求項18】
前記ペレットは、約0.7mm〜約1.0mmの平均最長断面寸法を有する、請求項1から17のいずれかに記載の最小せん断成形組成物。
【請求項19】
前記マイクロペレットは、約0.7mm以下の平均最長断面寸法を有する、請求項1から18のいずれかに記載の最小せん断成形組成物。
【請求項20】
前記最小せん断成形組成物によって形成された少なくとも1つの層の各々は、1つの化学的組成物および1つのサイズを有するペレットまたはマイクロペレットを含む、請求項1から19のいずれかに記載の最小せん断成形組成物。
【請求項21】
前記粉末の粒子の平均サイズは、ペレットまたはマイクロペレットの平均サイズよりも大きい、請求項1から20のいずれかに記載の最小せん断成形組成物。
【請求項22】
最小せん断成形の方法であって、
ペレット、マイクロペレット、粉末、またはこれらのうちの少なくとも1つを含む組合せを提供するステップと、
前記ペレット、マイクロペレットまたは粉末で成形物の少なくとも1つの層を同時に形成するステップとを含み、
前記少なくとも1つの層の各々についての組成物は、前記ペレット、マイクロペレットまたは粉末以外の、約20重量パーセント未満の成分を含み、
前記少なくとも1つの層の各々を最小せん断成形するのに用いられる前記ペレット、マイクロペレットまたは粉末は、各々の層が隣接する層とは組成的に異なるように、各々の層に対して組成的に異なっており、
層は、1つのサイズのペレットと1つのサイズのマイクロペレットとの組合せから構成されるわけではなく、
層は、粉末からのみ構成されるわけではない、方法。
【請求項23】
前記成形物の内面は、流れに不規則性がなく滑らかである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
粉末が供給されない、請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
前記ペレットは、約0.7mm〜約3.5mmの平均最長断面寸法を有する、請求項22から24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
前記ペレットは、約0.7mm〜約1.6mmの平均最長断面寸法を有する、請求項22から25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
前記ペレットは、約0.7mm〜約1.0mmの平均最長断面寸法を有する、請求項22から26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
前記マイクロペレットは、約0.7mm以下の平均最長断面寸法を有する、請求項22から27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
前記ペレット、マイクロペレットまたはこれら両方は、球形からレンズ状までの幾何学的構成である、請求項22から28のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
前記ペレット、マイクロペレットまたはこれら両方は、約0.5重量パーセント未満の細粒を含む、請求項22から29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
成形物の少なくとも1つの層を同時に形成する前記ステップは、匹敵する組成物の35メッシュ粉末のための成形温度を下回る少なくとも約25℃の温度で行われる、請求項22から30のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
成形物の少なくとも1つの層を同時に形成する前記ステップは、匹敵する組成物の35メッシュ粉末のための成形温度を下回る少なくとも約50℃の温度で行われる、請求項22から31のいずれかに記載の方法。
【請求項33】
成形物の少なくとも1つの層を同時に形成する前記ステップは、匹敵する組成物の35メッシュ粉末のための成形温度を下回る少なくとも約75℃の温度で行われる、請求項22から32のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
成形物の少なくとも1つの層を同時に形成する前記ステップは、匹敵する組成物の35メッシュ粉末のための成形温度を下回る少なくとも約100℃の温度で行われる、請求項22から33のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
成形比は、匹敵する組成物の35メッシュ粉末の成形比に関連付けて、約5:1〜約3:1である、請求項22から34のいずれかに記載の方法。
【請求項36】
成形回転速度は、匹敵する組成物の35メッシュ粉末の成形回転速度に関連付けて、約1.75rpm〜約6rpmである、請求項22から35のいずれかに記載の方法。
【請求項37】
最小せん断成形が少なくとも1つの軸で回転させて行われる、請求項22から36のいずれかに記載の方法。
【請求項38】
最小せん断成形が少なくとも2つの軸で回転させて行われる、請求項22から37のいずれかに記載の方法。
【請求項39】
最小せん断成形が3つ以上の軸で回転させて行われる、請求項22から38のいずれかに記載の方法。
【請求項40】
最小せん断成形が、少なくとも1つの軸で回転させて行なわれ、連続的および円形である、請求項22から39のいずれかに記載の方法。
【請求項41】
最小せん断成形が、少なくとも1つの軸で回転させて行なわれ、弓形および振動性である、請求項22から40のいずれかに記載の方法。
【請求項42】
最小せん断成形が、少なくとも2つの軸で回転させて行なわれ、弓形および振動性と組合せて連続的および円形である、請求項22から41のいずれかに記載の方法。
【請求項43】
最小せん断成形が、少なくとも2つの軸で回転させて連続的に行なわれる、請求項22から42のいずれかに記載の方法。
【請求項44】
最小せん断成形が、少なくとも2つの軸で回転させて行なわれ、異なる軸における回転速度は異なっている、請求項22から43のいずれかに記載の方法。
【請求項45】
一部の層は、弓形および振動性の動きを用いて形成される、請求項22から44のいずれかに記載の方法。
【請求項46】
層は、成分を順次追加することによって形成される、請求項22から45のいずれかに記載の方法。
【請求項47】
層と層との間の中間面は滑らかである、請求項22から46のいずれかに記載の方法。
【請求項48】
成分の順次追加は、制御された放出によって手動でなされる、請求項22から47のいずれかに記載の方法。
【請求項49】
成分の順次追加は、制御された放出によって熱的になされる、請求項22から48のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
成形物を冷却および貯蔵する際にペレット、マイクロペレットまたは粉末から形成された層の分離を制限するために、ペレット、マイクロペレットまたは粉末から形成された層間に接着層を成形するステップをさらに含む、請求項22から49のいずれかに記載の方法。
【請求項51】
すべての層のためのすべての成分は、成分を順次追加することなく層を形成するために同時に金型に投入される、請求項22から50のいずれかに記載の方法。
【請求項52】
個々の層への分離は、溶融粘度差、溶融密度、ペレットサイズ、ペレット密度、軟化温度、溶融温度、極性、成分の不混和性、表面動力学、または表面濡れのうちの少なくとも1つから達成される、請求項22から51のいずれかに記載の方法。
【請求項53】
個々の層への分離は、回転速度、回転比、組成、成形プロセス温度、または成形プロセス時間のうちの少なくとも1つの変動によって達成される、請求項22から52のいずれかに記載の方法。
【請求項54】
2つの隣接する層の接着は、前記2つの隣接する層間の中間面における混合によって達成される、請求項22から53のいずれかに記載の方法。
【請求項55】
成形物のための金型には通気穴が開いている、請求項22から54のいずれかに記載の方法。
【請求項56】
金型への材料の添加は、前記通気穴を通して達成される、請求項22から55のいずれかに記載の方法。
【請求項57】
前記成形物を架橋するステップをさらに含む、請求項22から56のいずれかに記載の方法。
【請求項58】
前記成形物の少なくとも1つの層において発泡剤を膨張させるステップをさらに含む、請求項22から57のいずれかに記載の方法。
【請求項59】
溶融しない少なくとも1つの組成物を提供するステップをさらに含む、請求項22から58のいずれかに記載の方法。
【請求項60】
表面パターニングおよび色の変化を可能にするよう組成物および成形条件を選択するステップをさらに含む、請求項22から59のいずれかに記載の方法。
【請求項61】
組成物および成形条件の選択肢は、装飾的および機能的な三次元の成形物を与える、特大のペレット、低いメルトインデックス(melt index)ペレット、および分別溶融ペレットの使用のうち1つ以上を含む、請求項22から60のいずれかに記載の方法。
【請求項62】
粉末の粒子の平均サイズは、ペレットまたはマイクロペレットの平均サイズよりも大きい、請求項22から61のいずれかに記載の方法。
【請求項63】
装置であって、
高度に調整された混合ステージを含み、前記混合ステージは、ペレットのペレット化、搬送および乾燥が、最小せん断成形で用いられる重合体および共重合体の化学的組成物を劣化させず、時期尚早に反応させず、膨張させず、時期尚早に架橋させず、または変化させないように、ほぼ均一な直径のホールを有する多オリフィスダイを介して押出成形を達成するための加熱および冷却の両方が可能である、装置。
【請求項64】
化学的組成物を押出成形するのに通される前記ダイは、前記ダイの面について周方向におよび単独で同心円状に位置決めされた、複数のほぼ均一な直径のホールを含む、請求項63に記載の装置。
【請求項65】
化学的組成物を押出成形するのに通される前記ダイは、前記ダイの面について複数の群のグループにおいて周方向に同心円状に位置決めされた、複数のほぼ均一な直径のホールを含む、請求項63または64に記載の装置。
【請求項66】
前記混合ステージは、加圧およびろ過の機能をさらに含む、請求項63から65のいずれかに記載の装置。
【請求項67】
回転成形品であって、
少なくとも1つの層を含み、前記成形品の前記少なくとも1つの層の各々は、ペレット、マイクロペレット、粉末、またはこれらのうちの少なくとも1つを含む組合せを含む少なくとも1つの化学的組成物から形成され、
前記少なくとも1つの層の各々のための前記少なくとも1つの化学的組成物は、前記ペレット、マイクロペレットまたは粉末以外の、約20重量パーセント未満の成分を含み、
前記少なくとも1つの層の各々を形成するのに用いられる前記ペレット、マイクロペレットまたは粉末は、各々の層が隣接する層とは組成的に異なるように、各々の層に対して組成的に異なっており、
層は、1つのサイズのペレットと1つのサイズのマイクロペレットとの組合せからのみ構成されるわけではなく、
層は、粉末からのみ構成されるわけではない、回転成形品。
【請求項68】
前記粉末の粒子の平均サイズは、前記ペレットまたはマイクロペレットの平均サイズよりも大きい、請求項67に記載の回転成形品。

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4a】
image rotate

【図4b】
image rotate

【図4c】
image rotate

【図4d】
image rotate

【図4e】
image rotate

【図5a】
image rotate

【図5b】
image rotate

【図6a】
image rotate

【図6b】
image rotate

【図6c】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15a】
image rotate

【図15b】
image rotate

【図15c】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18a】
image rotate

【図18b】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20a】
image rotate

【図20b】
image rotate

【図20c】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22a】
image rotate

【図22b】
image rotate

【図22c】
image rotate

【図22d】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36a】
image rotate

【図36b】
image rotate

【図37a】
image rotate

【図37b】
image rotate

【図38a】
image rotate

【図38b】
image rotate

【図39a−39c】
image rotate

【図40a】
image rotate

【図40b】
image rotate

【図40c】
image rotate

【図41a】
image rotate

【図41b】
image rotate

【図42a】
image rotate

【図42b】
image rotate

【図42c】
image rotate

【図42d】
image rotate

【図42e】
image rotate

【図42f】
image rotate

【図48】
image rotate

【図49】
image rotate

【図50】
image rotate

【図51】
image rotate

【図9a】
image rotate

【図9b】
image rotate

【図43】
image rotate

【図44】
image rotate

【図45】
image rotate

【図46】
image rotate

【図47】
image rotate

【図52a】
image rotate

【図52b】
image rotate

【図52c】
image rotate


【公表番号】特表2010−537851(P2010−537851A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−523132(P2010−523132)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際出願番号】PCT/US2008/074618
【国際公開番号】WO2009/032745
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(500092365)ガラ・インダストリーズ・インコーポレイテッド (23)
【氏名又は名称原語表記】Gala Industries, Inc.
【Fターム(参考)】