説明

ペンケース

【課題】電子ペンの紛失や損傷を抑制すると共に、使用シーンが広がり、使い勝手が良好な電子ペンのためのペンケースを提供する。
【解決手段】電子ペン10を収納するペンケース1であって、設置面に設置される下ケース3と、下ケース3に対して開閉自在にヒンジ連結される上ケース2とを備え、上ケース2は、上ケース2に電子ペン10を載置した閉動作時において、電子ペン10を支持する支持部23a,23bを有し、支持部23a,23bは、電子ペン10を下ケース3に載置した上ケース2の閉動作時において、上ケース2の回転により、電子ペン10と係合するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ペンを収納するペンケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プレゼンテーション等に利用される表示装置において、筆記具を模した操作ペンを用いて様々な表示が可能なシステムが知られている。
例えば、プロジェクターにより投影される画像に対して、図形や文字等を重ねて表示できるように、ホワイトボード等の画像の投写面に模式的に筆記することによって赤外線を発する操作ペン(電子ペン、例えば、特許文献1参照)を備えたシステムが知られている。
このような電子ペンを備えたシステムは、電子ペンから射出される赤外線を、例えば、プロジェクターが検知する。そして、プロジェクターが元の画像情報に赤外線の射出位置の軌跡に関する情報を重ねて投写することによって、投写面には、画像情報に電子ペンの軌跡が重なった重畳画像が投写される。
【0003】
また、表示装置の表示面にタッチすることにより情報を入力する操作ペン(タッチペン)を備えた表示装置(情報表示装置)が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2の表示装置は、タッチペンを収納するペンホルダーが表示装置の画面周縁部に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−59768号公報
【特許文献2】特開2009−20832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1には、電子ペンを収納する手段の記載が無く、この手段が無いと、電子ペンを紛失したり、電子ペンを誤って損傷させたりする虞が増大する。また、特許文献2に記載の技術をプロジェクターに用いると、プロジェクターが天井等に設置された場合、収納された電子ペンの取り出し、および電子ペンの収納が困難になるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]本適用例に係るペンケースは、電子ペンを収納するペンケースであって、設置面に設置される第1蓋体と、当該第1蓋体に対して開閉自在にヒンジ連結される第2蓋体とを備え、前記第2蓋体は、当該第2蓋体に前記電子ペンを載置した閉動作時において、前記電子ペンを支持する支持部を有し、前記支持部は、前記電子ペンを前記第1蓋体に載置した前記第2蓋体の閉動作時において、前記第2蓋体の回転により、前記電子ペンと係合するように構成されていることを特徴とする。
【0008】
本適用例によれば、ペンケースは、設置面に設置される第1蓋体、および第1蓋体に対して開閉自在にヒンジ連結される第2蓋体を備え、第2蓋体には、電子ペンと係合可能な支持部が設けられている。そして、支持部は、電子ペンが第2蓋体に配置された場合、閉動作時において、電子ペンを支持し、電子ペンが第1蓋体に配置された場合、第2蓋体の閉動作時において、電子ペンと係合するように構成されている。
これによって、ペンケースは、第2蓋体または第1蓋体のどちらに電子ペンが配置されても、開閉が可能で、電子ペンを略位置決めしての収納が可能となる。よって、電子ペンの紛失や損傷を抑制すると共に、電子ペンの使用シーンに応じて電子ペンを収納できるペンケースの提供が可能となる。
例えば、電子ペンを用いてプロジェクターが投写する画像に処理を施すことが可能なシステムにおいて、投写面や投写面に近い位置にペンケースを配置して、プレゼンテーション等を途切れさせることなく、電子ペンの迅速な使用および収納が可能となる。具体的に、プロジェクターが壁に沿う投写面やホワイトボード等に投写する場合、この壁やホワイトボードに第1蓋体を設置したり、投写面に近い机上等に第1蓋体を設置したりすることで、前者については、電子ペンを第2蓋体に配置し、後者については電子ペンを第1蓋体に配置して、ペンケースの開閉が可能となる。
したがって、電子ペンの紛失や損傷を抑制すると共に、利便性を高めて電子ペンを使用するためのペンケースが可能となる。
【0009】
[適用例2]上記適用例に記載のペンケースにおいて、前記第1蓋体は、前記電子ペンの前記ヒンジ連結側への移動を規制する第1規制部と、前記電子ペンの前記ヒンジ連結側とは反対側への移動を規制する第2規制部と、を有し、前記支持部は、前記第1蓋体に前記電子ペンを載置した前記第2蓋体の閉動作時において、前記電子ペンを前記ヒンジ連結側から前記第2規制部側へ押圧可能に形成されていることが好ましい。
【0010】
本適用例によれば、第1蓋体に配置された電子ペンは、第1規制部によってヒンジ連結側への移動が規制され、第2規制部によってヒンジ連結側とは反対側への移動が規制されている。これによって、第2蓋体の閉じられる方向への回転によって、支持部が電子ペンをヒンジ連結側から第2規制部側に押圧して電子ペンを第2規制部に当接させ、支持部を電子ペンに係合させることが可能となる。
よって、部品点数の増加を抑制して簡素な構成で、支持部を電子ペンに係合させることが可能となる。したがって、ペンケースの製造の簡素化や低コスト化、アフターサービスパーツの在庫管理の簡素化等が図れる。
【0011】
[適用例3]上記適用例に係るペンケースにおいて、前記第2規制部は、前記支持部に押圧された前記電子ペンの移動を案内する案内面を有していることが好ましい。
【0012】
本適用例によれば、案内面は、支持部に押圧された電子ペンの移動を案内するように形成されているので、押圧された電子ペンは、案内面に沿って移動することとなる。また、移動した電子ペンは、支持部の押圧力が解除されると、自重によって案内面に沿って逆方向に移動することとなる。つまり、第2蓋体の閉じられる方向の回転によって、支持部と電子ペンとを係合させ、第2蓋体の開かれる方向の回転によって、その係合を解除するように構成することが可能となる。よって、第1蓋体に配置された電子ペンに、第2蓋体の開閉によって、支持部が係合する状態とその係合が解除される状態とを滑らかに切り替えることが可能となる。
【0013】
[適用例4]上記適用例に係るペンケースにおいて、前記支持部は、弾性を有していることが好ましい。
【0014】
本適用例によれば、支持部は、弾性を有しているので、第2蓋体の開閉によって第1蓋体に配置された電子ペンへの係合とその解除とを切り替える構成を容易に設定することが可能となる。つまり、ペンケースを構成する部材の寸法バラツキや、組立によるバラツキが生じても支持部が有する弾性によってそのバラツキを吸収できるので、安定して電子ペンへの係合とその解除とを切り替えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態における閉じられた状態のペンケースを示す斜視図。
【図2】本実施形態における開かれた状態のペンケースおよび電子ペンを示す斜視図。
【図3】本実施形態における開かれた状態のペンケースを示す斜視図。
【図4】本実施形態における電子ペンが収納された状態のペンケースの断面図。
【図5】本実施形態の縦置き設置における開放状態のペンケースを示す断面図。
【図6】本実施形態の横置き設置における開放状態のペンケースを示す断面図。
【図7】本実施形態の横置き設置におけるペンケースの開閉動作を説明する断面図。
【図8】本実施形態の横置き設置におけるペンケースの開閉動作を説明する断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本実施形態に係るペンケースについて、図面を参照して説明する。
本実施形態のペンケースは、プロジェクターにより投影される画像に対して、図形や文字等を重ねて表示させたりするために用いられる電子ペンを収納するように構成されている。
本実施形態のペンケースは、室内の壁面に沿う方向の設置面への設置(以下「縦置き設置」という)、および床に沿う方向の設置面への設置(以下「横置き設置」という)ができるように構成されている。また、本実施形態のペンケースは、縦置き設置、横置き設置以外で使用者が把持する姿勢でも、電子ペンの収納および取り出しが容易にできるように形成されている。
【0017】
本実施形態のペンケースは、開閉自在にヒンジ連結される第2蓋体、および第1蓋体を備え、2つの電子ペンを収納できるように構成されている。
図1は、閉じられた状態のペンケース1を示す斜視図であり、(a)は、第2蓋体としての上ケース2側から見た図、(b)は、第1蓋体としての下ケース3側から見た図である。図2は、開かれた状態のペンケース1、および上ケース2あるいは下ケース3に載置された電子ペン10を示す斜視図であり、(a)は、縦置き設置の状態を示す図、(b)は、横置き設置の状態を示す図である。
【0018】
後で詳細に説明するが、下ケース3は、他の部材に固定可能に構成されている。そして、ペンケース1は、下ケース3が壁面やホワイトボードの筆記可能な面等の設置面に固定されると縦置き設置の状態となり、下ケース3が机上等の設置面に固定されたり、載置されたりすると横置き設置の状態となる。
電子ペン10は、縦置き設置において、図2(a)に示すように、上ケース2に載置され、上ケース2が回転されることでペンケース1に収納される。また、電子ペン10は、横置き設置において、図2(b)に示すように、下ケース3に載置され、上ケース2が回転されることでペンケース1に収納される。
【0019】
〔電子ペンの主な構成〕
先ず、電子ペン10の主な構成について説明する。
電子ペン10は、図2に示すように、筆記具を模して形状されており、可動部11、胴体部12、先端側枠部13、電源スイッチ14、および図示しない発光素子、スイッチ機構、受光素子、回路ユニット、電池等を備えている。
【0020】
可動部11は、電子ペン10の一方の端部に設けられ、キャップ111およびキャップ保持部材112を備えている。
キャップ111は、先端に向かう程細くなる略円錐形に形成されており、この先端は、筆記具のペン先に相当する。キャップ保持部材112は、キャップ111の外面に倣う形状を有し、キャップ111は、交換可能となるように螺合等によってキャップ保持部材112に取り付けられている。なお、以下では、説明の便宜上、キャップ111の先端を「ペン先」、ペン先とは反対側の電子ペン10の端部を「後端」として記載する。
【0021】
胴体部12は、回路ユニット、電池等が収納される部材であり、外径が略均一に形成された円筒状の本体部121、および本体部121のペン先側に形成され、ペン先側に向かって外径が大きくなる傾斜部122を有している。
本体部121には、図2に示すように、電池を着脱するための電池蓋12Bが設けられ、電池蓋12Bの後端側には、スライドによって電子ペン10の電源のオンとオフとを切り替える電源スイッチ14が設けられている。
【0022】
先端側枠部13は、図2に示すように、キャップ保持部材112と傾斜部122との間に配置される。先端側枠部13は、キャップ保持部材112の外径より大きな外径を有して形成され、傾斜部122のペン先側に取り付けられる。
【0023】
キャップ111の内部には、発光素子(図示省略)が配置されており、キャップ111は、発光素子から発せられる光(例えば、赤外線)が透過する材料(例えば、赤外線を透過し、可視光をカットする合成樹脂)で形成されている。
キャップ保持部材112および先端側枠部13の内部には、受光素子(図示省略)等が配置されている。そして、キャップ保持部材112および先端側枠部13は、外部(例えば、ペンケース1に収納される他方の電子ペン10)から発せられ、受光素子が検知可能な光(例えば、赤外線)が透過する材料(例えば、赤外線を透過し、可視光をカットする合成樹脂)で形成されている。
【0024】
電子ペン10は、キャップ111の先端が投写面に押し当てられることによって可動部11が傾倒してスイッチ機構の接触状態が切り替わる。そして、回路ユニットは、スイッチ機構の接触状態が切り替わったことを検知して、発光素子を発光させ、発光素子から発せられる光(例えば赤外線)をキャップ111から外部に射出する。
【0025】
図は省略するが、電子ペン10は、例えば、プロジェクターおよびPC(Personal Computer)と組み合わされることで、プロジェクターにより投影される画像に対して、図形や文字等を重ねて表示できる表示システムを構成する。
【0026】
このプロジェクターは、例えば、天井や壁等への設置(以下「天吊り設置」という)や、机上等の床に沿った設置(以下「据え置き設置」という)が可能に構成されている。そして、プロジェクターは、壁に沿う投写面やホワイトボード等の投写面に投写したり、床面に沿う投写面に投写したりすることが可能になっている。
電子ペン10は、これらの投写面で押圧されることにより、例えば赤外線を発する。
【0027】
そして、プロジェクターは、電子ペン10から射出された赤外線を検知し、電子ペン10の移動に伴う赤外線の射出位置の軌跡に関する情報をPCに送信する。PCは、受信した情報に基づいて赤外線の射出位置の解析を行い、画像情報にこの射出位置の軌跡を示す線を重畳した重畳画像を生成し、この重畳画像の画像情報をプロジェクターに送信する。プロジェクターは、電子ペン10の軌跡を示す線が反映されたこの重畳画像をスクリーン等の投写面に投影する。
このように、表示システムは、電子ペン10の操作によって、天吊り設置や、据え置き設置のプロジェクターから投写された画像に加工を施すことが可能となっている。
【0028】
〔ペンケースの構成〕
次に、ペンケース1の構成を詳細に説明する。
ペンケース1は、図1に示すように、上ケース2、下ケース3に加え、ヒンジ軸4、滑り止め部材5および磁石6を備えている。
上ケース2および下ケース3は、閉じられた際に略直方体の箱状となり、2つの電子ペン10が並んで収納されるように形成されている。そして、上ケース2および下ケース3は、図2に示すように、電子ペン10の延出方向(長手方向)に沿う一方の側面部、つまり2つの電子ペン10のうち一方の電子ペン10に近い側の側面部でヒンジ軸4を介して開閉自在に連結される。つまり、上ケース2と下ケース3とは、ヒンジ連結されて開閉自在に構成されている。なお、以下では、説明の便宜上、ペンケース1において、ヒンジ軸4が配置されている側を「ヒンジ側」、ヒンジ側とは反対側を「開閉側」として記載する。また、ヒンジ側の電子ペン10を10a、開閉側の電子ペン10を10bとして記載する。
【0029】
また、ペンケース1は、図2に示すように、後述する突起部223,323を除いて長手方向において略対称に形成されており、ペン先が長手方向のいずれの場合でも電子ペン10を収納できるように形成されている。なお、図2では、2つの電子ペン10は、向きが異なるようにペンケース1に収納されているが、ペンケース1は、2つの電子ペン10のペン先が同一側となるようにも収納できるように形成されている。
【0030】
図3は、横置き設置で開かれた状態のペンケース1を示す斜視図である。図4は、電子ペン10が収納された状態のペンケース1の断面図である。
上ケース2は、合成樹脂で形成され、図3に示すように、上面部21、および上面部21の端部から起立する側面部22を有している。
側面部22は、ヒンジ側となる側面部22a、側面部22aに対向し、開閉側となる側面部22b、および側面部22a,22bの両側にそれぞれ接続される側面部22c,22dを有している。
【0031】
側面部22aの端部には、連結部221が端部に沿って複数形成されている。連結部221は、円筒状に形成されており、中央部には、ヒンジ軸4(図4参照)が挿通される挿通孔が設けられている。
【0032】
側面部22bの略中央部には、スリットが形成されることによりバネ性を有し、押圧操作によって内側に傾倒可能な可倒部222が形成されている。可倒部222には、先端部に下ケース3の内面に係合可能な係合部2221が設けられ、係合部2221より上面部21側に位置し、外面側に突出する操作部2222が形成されている。ペンケース1は、上ケース2の上面部21が押圧されることによって、係合部2221が下ケース3の内面に係合して閉じられた状態が維持される。そして、ペンケース1は、操作部2222が押圧されることによって、係合部2221の係合が解除されて開閉が可能となる。
【0033】
側面部22cには、側面部22b近傍に外面側に突出する突起部223が形成されている。この突起部223には、金属製のワイヤー等が挿通される挿通孔が形成されている。
【0034】
上ケース2には、図3に示すように、上面部21の内面から突出する支持部23a,23b、および受けリブ24a,24bが形成されている。
支持部23a,23bは、電子ペン10a,10bを支持する機能を有している。支持部23a,23bは、それぞれ一対設けられ、図2(a)に示すように、電子ペン10の本体部121を支持するように所定の距離隔てて形成されている。また、支持部23a,23bは、電子ペン10に当接する側(開閉側)の面が、電子ペン10a,10bを安定して支持し、電子ペン10a,10bに集中荷重が加わらないよう、つまり電子ペン10a,10bに傷等をつけないよう広く形成されている。例えば、支持部23a,23bは、ペンケース1の長手方向における幅wが上面部21の肉厚より大きく形成されている。なお、支持部23a,23bは、ヒンジ側が肉盗みされており(図3参照)、上ケース2の成形時に上面部21にヒケが生じないよう形成されている。
【0035】
具体的に、支持部23aは、図4に示すように、電子ペン10aよりヒンジ側に位置し、先端部には、電子ペン10aの本体部121の形状に略沿うように形成された凹部23aaが形成されている。支持部23aは、この凹部23aaが本体部121に係合し、電子ペン10aを支持できるように形成されている。
支持部23bは、図4に示すように、電子ペン10bよりヒンジ側に位置し、先端部には、電子ペン10bの本体部121の形状に略沿うように形成された凹部23baが形成されている。支持部23bは、この凹部23baが本体部121に係合し、電子ペン10bを支持できるように形成されている。
【0036】
ペンケース1は、前述したように、電子ペン10が上ケース2または下ケース3のいずれかに載置されても、開閉することができる。そして、ペンケース1は、上ケース2に電子ペン10が載置された場合、支持部23a,23bが電子ペン10を支持した状態で開閉され、下ケース3に電子ペン10が載置された場合、凹部23aa,23baが電子ペン10に係合する状態と、係合が解除された状態とが切り替えられて開閉される。この、ペンケース1の開閉動作については、後で詳細に説明する。
【0037】
受けリブ24a,24bは、図3に示すように、それぞれ一対設けられている。受けリブ24a,24bは、電子ペン10が上ケース2に載置された際(図2(a)参照)に、電子ペン10の本体部121に当接するように所定の距離隔てて形成されており、電子ペン10をバランスよく支持するように形成されている。
また、受けリブ24a,24bは、ペンケース1が閉じられた際に本体部121に当接し、電子ペン10のキャップ保持部材112および先端側枠部13(図2参照)が上面部21の内面に接触して傷等が生じないように設定されている。
【0038】
具体的に、受けリブ24aは、図4に示すように、支持部23aと支持部23bとの間に設けられ、電子ペン10aの本体部121に当接可能に形成されている。受けリブ24bは、支持部23bと側面部22bとの間に設けられ、電子ペン10bの本体部121に当接可能に形成され、開閉側は、側面部22bに接続している。
【0039】
下ケース3は、合成樹脂で形成され、図3に示すように、下面部31、および下面部31の端部から起立する側面部32を有している。
側面部32は、ヒンジ側となる側面部32a、側面部32aに対向し、開閉側となる側面部32b、および側面部32a,32bの両側にそれぞれ接続される側面部32c,32dを有している。
【0040】
側面部32aの端部には、上ケース2の複数の連結部221の間に設けられた連結部321が複数形成されている。連結部321は、連結部221と同様に、円筒状に形成されており、中央部には、ヒンジ軸4(図4参照)が挿通される挿通孔が設けられている。上ケース2および下ケース3は、連結部221,321の挿通孔にヒンジ軸4が挿通され、回転可能にヒンジ連結される。
【0041】
ヒンジ軸4は、金属で形成され、中央部には、図4に示すように、直径が両側の直径より小さな小径部41が設けられている。
そして、複数の連結部321のうち、略中央に位置する連結部321には、図3、図4に示すように、バネ性を有し、小径部41に当接するストッパー3211が設けられている。ヒンジ軸4は、このストッパー3211が小径部41の両側に形成される段差部に当接することで連結部221,321の挿通孔から抜けることが防止される。また、このストッパー3211がピンセット等の工具を用いて小径部41から離間されることで、ヒンジ軸4は、連結部221,321の挿通孔からの抜き取りが可能となる。
【0042】
側面部32bの内面には、図4に示すように、上ケース2の係合部2221が係合される凹部322が形成されている。
【0043】
側面部32cには、図3に示すように、側面部32b近傍に外面側に突出する突起部323が形成されている。突起部323は、ペンケース1が閉じられた際に、上ケース2の突起部223と重なるように形成され、突起部223の挿通孔と略合致する挿通孔が設けられている。そして、ペンケース1は、閉じられた際に突起部223および突起部323の挿通孔にワイヤー等が挿通され、盗難防止が図られている。
【0044】
下ケース3には、図3に示すように、下面部31の内面から突出する第1規制部33a,33b、および第2規制部34a,34bが形成されている。
第1規制部33a,33bは、図3に示すように、それぞれ一対設けられ、電子ペン10のヒンジ側への移動を規制する機能を有している。第1規制部33a,33bは、電子ペン10が下ケース3に載置された際(図2(b)参照)に、電子ペン10の本体部121に当接するように所定の距離隔てて形成されており、電子ペン10をバランスよく支持するように形成されている。
【0045】
具体的に、第1規制部33aは、図4に示すように、上ケース2の受けリブ24aに対向する位置に形成され、下面部31の内面に略沿う端面33aaを有する部位と、端面33aa対して鈍角となる傾斜面33abを有し、側面部32aに接続される部位とを有して形成されている。第1規制部33aは、傾斜面33abで電子ペン10aのヒンジ側への移動を規制する。
【0046】
第1規制部33bは、図4に示すように、上ケース2の受けリブ24bに対向する位置に形成され、下面部31の内面に略沿う端面33baを有する部位と、端面33ba対して鈍角となる傾斜面33bbを有し、ヒンジ側に延出する部位とを有して形成されている。第1規制部33bは、傾斜面33bbで電子ペン10bのヒンジ側への移動を規制する。
【0047】
第2規制部34a,34bは、図3に示すように、それぞれ一対設けられ、電子ペン10の開閉側への移動を規制するとともに、下ケース3に配置された電子ペン10に支持部23a,23bが係合する際に、電子ペン10を案内する機能を有している。
【0048】
具体的に、第2規制部34aは、図4に示すように、第1規制部33aと第1規制部33bとの間に設けられ、図4の図面視において、上側が鋭角となる三角形状に形成されている。第2規制部34aのヒンジ側は、第1規制部33aの端面33aaと鈍角となる案内面34aaを有して形成されている。
第2規制部34bは、図4に示すように、第1規制部33bと側面部32bとの間に設けられ、図4の図面視において、上側が鋭角となる三角形状に形成されている。第2規制部34bのヒンジ側は、第1規制部33bの端面33baと鈍角となる案内面34baを有して形成されている。
【0049】
下面部31の内面には、図3に示すように、一対の第2規制部34a,34bの外側に一対の凹部324が形成されている。凹部324は、電子ペン10が下ケース3に載置された際、つまり、本体部121が第1規制部33a,33bに支持された際に、キャップ保持部材112および先端側枠部13から離間するように設定されている。
【0050】
凹部324には、さらに平面視円形の窪み3241が形成され、窪み3241の中央部には、丸孔3241hが形成されている。ペンケース1は、この丸孔3241hにネジが挿通されて壁や、床面に沿う方向の部材等に固定される。
【0051】
また、一対の凹部324には、リブ325a,325bがそれぞれ形成されている。リブ325a,325bは、下ケース3に配置された電子ペン10a,10bの傾斜部122に対応する位置に設けられている。
リブ325a,325bは、ペンケース1に収納された電子ペン10が傾いた際に、傾斜部122が当接し、キャップ保持部材112および先端側枠部13が下ケース3に接触しないように形成されている。このように、凹部324およびリブ325a,325bは、電子ペン10がペンケース1に収納された際に、キャップ保持部材112および先端側枠部13が下ケース3に接触して傷等が生じないように形成されている。
【0052】
磁石6は、図1(b)に示すように、下ケース3の下面部31の外面に配置されている。ペンケース1は、この磁石6の磁力によって金属を備えるホワイトボード等への設置が可能に構成されている。磁石6は、図1(b)に示すように、平面視円形に形成され、ペンケース1の長手方向における両端の短手方向における略中央部にそれぞれ設けられている。
【0053】
滑り止め部材5は、シリコン等のゴム部材で形成され、図1(b)に示すように、平面視円形に形成され、下面部31の外面の四隅、つまり各磁石6の両側に配置されている。滑り止め部材5は、ペンケース1が磁石6の磁力によって、ホワイトボート等に設置された際に、ペンケース1および電子ペン10の自重によるペンケース1の滑りを防止する機能を有している。
【0054】
磁石6および滑り止め部材5は、ペンケース1の長手方向および短手方向において、略対称に配置され、一対の磁石6の磁力がホワイトボード等に略均等に加わるように構成されている。
【0055】
〔ペンケースの開閉動作〕
ここで、ペンケース1の開閉動作について説明する。
先ず、縦置き設置におけるペンケース1の開閉動作について説明する。
図5は、縦置き設置における開放状態のペンケース1を示す断面図である。
ペンケース1は、図5に示すように、丸孔3241h(図3参照)にネジが挿通されて壁等に設置されたり、下ケース3に配置された磁石6の磁力によって、ホワイトボード等に設置されたりすることにより縦置き設置となる。
【0056】
電子ペン10は、縦置き設置のペンケース1に収納される際、図5に示すように、上ケース2の受けリブ24a,24b上に載置される。そして、受けリブ24a上に載置された電子ペン10aのヒンジ側には、支持部23aが位置し、受けリブ24b上に載置された電子ペン10bのヒンジ側には、支持部23bが位置する。
【0057】
そして、上ケース2は、開放状態から可倒部222側が持ち上げられると、ヒンジ軸4を中心に閉じられる方向に回転する(図5における反時計回り)。上ケース2が回転すると、受けリブ24a上に載置されている電子ペン10aは、自重により支持部23a側に移動し、凹部23aaに係合することとなる。また、受けリブ24b上に載置されている電子ペン10bは、自重により支持部23b側に移動し、凹部23baに係合することとなる。そして、電子ペン10a,10bは、支持部23a,23bに支持された状態で上ケース2と共に回転する。
【0058】
そして、係合部2221が凹部322に係合する位置まで回転されると、ペンケース1は、閉じられた状態(姿勢は異なるが、図4に示す状態)となり、電子ペン10a,10bは、ペンケース1に収納される。このように、支持部23a,23bは、上ケース2に電子ペン10a,10bを載置した閉動作時において、電子ペン10a,10bを支持する。
【0059】
電子ペン10aは、ペンケース1に収納された状態で、図4に示すように、本体部121が受けリブ24a、支持部23a、第1規制部33aおよび第2規制部34aに囲まれて位置が略決められた状態となる。同様に、電子ペン10bは、ペンケース1に収納された状態で、本体部121が受けリブ24b、支持部23b、第1規制部33b、および第2規制部34bに囲まれて位置が略決められた状態となる。
【0060】
一方、縦置き設置において、上ケース2は、閉じられた状態から操作部2222が押圧されると、係合部2221と凹部322との係合が解除され、開かれる方向への回転が可能となる。そして、上ケース2が回転されると、電子ペン10a,10bは、支持部23a,23bに支持された状態で上ケース2と共に図5における時計回りに回転する。そして、上ケース2は、所定の位置まで回転されると、上ケース2に設けられた凸部(図示省略)が下ケース3に当接して回転が規制される。そして、ペンケース1は、図5に示すように、開放状態となり、電子ペン10a,10bの取出しが可能な状態となる。
このように、ペンケース1は、縦置き設置において、支持部23a,23bが電子ペン10を支持して開閉される。
【0061】
次に、横置き設置におけるペンケース1の開閉動作について説明する。
図6〜図8は、横置き設置におけるペンケース1の開閉動作を説明する断面図である。具体的に、図6は、横置き設置における開放状態のペンケース1を示す断面図、図7、図8は、開放状態から徐々に閉じられる状態を段階的に説明するペンケース1の断面図である。
【0062】
ペンケース1は、図6に示すように、丸孔3241h(図3参照)に挿通されたネジや、下ケース3に配置された磁石6の磁力によって、床面に沿う方向の面に固定されて設置されたり、この面に載置されたりすることにより横置き設置となる。
【0063】
電子ペン10は、横置き設置のペンケース1に収納される際、図6に示すように、第1規制部33a,33b上に載置される。電子ペン10は、第1規制部33a,33b上に載置された状態において、傾斜面33ab,33bbによってヒンジ側への移動が規制されている。そして、上ケース2は、可倒部222側が押下げられると、ヒンジ軸4を中心に閉じられる方向に回転する(図6における反時計回り)。
【0064】
開放状態から上ケース2が閉じられる方向に回転していくと、図7(a)に示すように、先ず支持部23aの先端が第1規制部33a上に載置されている電子ペン10aに当接する。支持部23aは、電子ペン10aが傾斜面33abによってヒンジ側への移動が規制されているので、電子ペン10aをヒンジ側から第2規制部34a側に押圧することとなる。
【0065】
支持部23aが当接した電子ペン10aは、支持部23aに押されて開閉側に移動し、第2規制部34aの案内面34aaに当接する(図7(a)において2点鎖線で示す)。
電子ペン10aが案内面34aaに当接した状態で、電子ペン10aには、図7(a)に示すように、上ケース2の回転により支持部23aから押圧力Faが加わる。
【0066】
案内面34aaは、図7(a)に示すように、押圧力Faの方向に対する上側(第2規制部34aの先端側)の角度θaが鈍角となるように形成されているので、電子ペン10aは、図7(b)に示すように、案内面34aaに沿って上方に移動する。そして、支持部23aは、上ケース2の回転に伴って、先端が徐々に電子ペン10aと側面部32aとの間に挿入されるように移動する。
【0067】
さらに上ケース2が回転されると、図8(a)に示すように、支持部23bの先端が第1規制部33b上に載置されている電子ペン10bに当接する。支持部23bは、電子ペン10bが傾斜面33bbによってヒンジ側への移動が規制されているので、支持部23aと同様に、電子ペン10bをヒンジ側から第2規制部34b側に押圧することとなる。
支持部23bが当接した電子ペン10bは、支持部23bに押されて開閉側に移動し、第2規制部34bの案内面34baに当接する(図8(a)において2点鎖線で示す)。
【0068】
電子ペン10bが案内面34baに当接した状態で、図8(a)に示すように、電子ペン10bには、上ケース2の回転によりに支持部23bから押圧力Fbが加わる。
案内面34baは、図8(a)に示すように、押圧力Fbの方向に対する上側(第2規制部34bの先端側)の角度θbが鈍角となるように形成されているので、電子ペン10bは、案内面34baに沿って上方に移動する。そして、支持部23bは、図8(b)に示すように、上ケース2の回転に伴って、先端が徐々に電子ペン10bと第2規制部34aとの間に挿入されるように移動する。
【0069】
電子ペン10aは、支持部23aからの押圧力Faが開放される位置まで上方に移動し、支持部23aは、凹部23aa(図4参照)が電子ペン10aと側面部32aとの間に位置するように移動する。そして、押圧力Faが開放された電子ペン10aは、自重により案内面34aaに沿って下方に移動し凹部23aaに係合する。同様に、支持部23bからの押圧力Fbが開放される位置まで上方に移動した電子ペン10bは、自重により案内面34baに沿って下方に移動し凹部23ba(図4参照)に係合する。このように、支持部23a,23bは、電子ペン10a,10bを下ケース3に載置した上ケース2の閉動作時において、上ケース2の回転により、電子ペン10a,10bと係合する。
そして、図4に示すように、係合部2221が凹部322に係合する位置まで回転されると、ペンケース1は、閉じられた状態となり、電子ペン10a,10bは、ペンケース1に収納される。
【0070】
一方、上ケース2は、縦置き設置と同様に、横置き設置においても、操作部2222が押圧されると、開かれる方向への回転が可能となる。そして、支持部23bは、上ケース2の回転に伴って、電子ペン10bを案内面34baに沿って移動させながら、電子ペン10bと第2規制部34aとの間から抜出される。支持部23aは、支持部23bと同様に、上ケース2の回転に伴って、電子ペン10aを案内面34aaに沿って移動させながら、電子ペン10aと側面部32aとの間から抜出される。
【0071】
電子ペン10a,10bは、支持部23a,23bが抜出されると、自重により案内面34aa,34baに沿って移動し、図6に示すように、第1規制部33a,33b上に載置された状態となり、電子ペン10a,10bの取出しが可能となる。
【0072】
このように、案内面34aa,34baは、支持部23a,23bに押圧された電子ペン10の移動を案内する。そして、ペンケース1は、横置き設置において、下ケース3に配置された電子ペン10に対し、上ケース2の閉じられる方向への回転により支持部23a,23bが係合し、上ケース2の開かれる方向への回転により係合が解除されて開閉される。
【0073】
また、ペンケース1は、縦置き設置、横置き設置以外の姿勢においても、電子ペン10が上ケース2または下ケース3に載置された状態での開閉が可能となる。すなわち、ペンケース1は、使用者が把持し、姿勢が定まらない状態でも、電子ペン10を載置しての開閉が可能となる。
【0074】
以上説明したように、本実施形態のペンケース1によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)ペンケース1は、縦置き設置および横置き設置できるように構成され、上ケース2または下ケース3のどちらに電子ペン10が配置されても、開閉が可能で、電子ペン10を略位置決めしての収納が可能に構成されている。
これによって、電子ペン10の紛失や損傷を抑制すると共に、電子ペン10の使用シーンに応じて電子ペン10を収納できるペンケース1の提供が可能となる。
例えば、電子ペン10を用いてプロジェクターが投写する画像に処理を施すことが可能なシステムにおいて、投写面や投写面に近い位置にペンケース1を配置して、プレゼンテーション等を途切れさせることなく、電子ペン10の迅速な使用および収納が可能となる。具体的に、プロジェクターが壁に沿う投写面やホワイトボード等に投写する場合、この壁やホワイトボードにペンケース1を縦置き設置したり、投写面に近い机上等に横置き設置したりすることで、電子ペン10の迅速な使用および収納が可能となる。また、プロジェクターが机上等に設けられた投写面に投写する場合、この机上等にペンケース1を横置き設置することで、同様の効果を奏する。また、ペンケース1は、縦置き設置、横置き設置以外の姿勢が定まらない状態においても、電子ペン10を位置決めして収納することが可能に構成されている。
したがって、電子ペン10の紛失や損傷を抑制すると共に、利便性を高めて電子ペン10を使用するためのペンケース1が可能となる。
【0075】
(2)ペンケース1は、2つの電子ペン10a,10bをそれぞれ略位置決めして収納できるように構成されているので、電子ペン10a,10bは、ペンケース1に収納された状態で互いに衝突することが防止され、持ち運ばれる際の損傷も抑制される。
【0076】
(3)下ケース3には、第1規制部33a,33bおよび第2規制部34a,34bが設けられているので、下ケース3に載置された電子ペン10a,10bに支持部23a,23bを容易に係合させることが可能となる。そして、支持部23a,23bは、上ケース2に形成され、第1規制部33a,33bおよび第2規制部34a,34bは、下ケース3に形成されている。
これによって、部品点数の増加を抑制して簡素な構成で、支持部23a,23bが下ケース3に載置された電子ペン10に係合する構造を提供できる。したがって、ペンケース1の製造の簡素化や低コスト化、アフターサービスパーツの在庫管理の簡素化等が図れる。
【0077】
(4)第2規制部34a,34bには、案内面34aa,34baが設けられているので、上ケース2の開閉によって、下ケース3に載置された電子ペン10a,10bに、支持部23a,23bが係合する状態と、その係合が解除される状態とを滑らかに切り替えることが可能となる。
【0078】
(5)ペンケース1は、電子ペン10が収納された際にキャップ保持部材112および先端側枠部13が接触しないように構成されているので、キャップ保持部材112および先端側枠部13は、損傷が抑制される。これによって、キャップ保持部材112および先端側枠部13は、内部に配置された受光素子が受光する光を長期に亘って安定して透過することが可能となる。よって、電子ペン10の長寿命化が図れる。
【0079】
(6)磁石6および滑り止め部材5は、ペンケース1の長手方向および短手方向において、略対称に配置され、一対の磁石6の磁力がホワイトボード等に略均等に加わるように構成されている。これによって、ペンケース1は、電子ペン10が収納される際や、取り出される際にも安定してホワイトボード等に設置された状態が維持される。
【0080】
なお、前記実施形態は、以下のように変更してもよい。
支持部23a,23bが弾性を有するように構成してもよい。これによって、上ケース2の開閉によって下ケース3に配置された電子ペン10への係合とその解除とを切り替える構成を容易に設定することが可能となる。つまり、ペンケース1を構成する部材の寸法バラツキや、組立によるバラツキが生じても、支持部23a,23bが有する弾性によってそのバラツキを吸収できるので、安定して電子ペン10への係合とその解除とを切り替えることが可能となる。
【0081】
案内面34aa,34baの角度や位置が変更可能となるように、第2規制部34a,34bを可動部材とし、この第2規制部34a,34bを付勢部材で付勢するように構成してもよい。そして、支持部23a,23bからの押圧力Fa,Fbで第2規制部34a,34bが可動することにより電子ペン10が移動して支持部23a,23bが電子ペン10に係合する状態と、係合が解除された状態とが切り替えられるように構成してもよい。
【0082】
床や机上等にプロジェクターを設置できる設置治具を設け、この設置治具にペンケース1を縦置き設置や横置き設置で固定するように構成してもよい。これによって、近接投写が可能なプロジェクターにおいて、投写面およびプロジェクター近傍にペンケース1を配置することが可能となり、さらに利便性の向上が図れる。
【0083】
本実施形態のペンケース1を電子ペン10以外の操作ペン、例えば、表示装置の表示面にタッチすることにより情報を入力するタッチペン等を収納するペンケースにも適用することができる。
【符号の説明】
【0084】
1…ペンケース、2…上ケース、3…下ケース、4…ヒンジ軸、5…滑り止め部材、6…磁石、10,10a,10b…電子ペン、23a,23b…支持部、23aa,23ba…凹部、24a,24b…受けリブ、33a,33b…第1規制部、33ab,33bb…傾斜面、34a,34b…第2規制部、34aa,34ba…案内面、111…キャップ、112…キャップ保持部材、121…本体部、221,321…連結部、324…凹部、325a,325b…リブ、3241h…丸孔。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子ペンを収納するペンケースであって、
設置面に設置される第1蓋体と、当該第1蓋体に対して開閉自在にヒンジ連結される第2蓋体とを備え、
前記第2蓋体は、当該第2蓋体に前記電子ペンを載置した閉動作時において、前記電子ペンを支持する支持部を有し、
前記支持部は、前記電子ペンを前記第1蓋体に載置した前記第2蓋体の閉動作時において、前記第2蓋体の回転により、前記電子ペンと係合するように構成されていることを特徴とするペンケース。
【請求項2】
請求項1に記載のペンケースであって、
前記第1蓋体は、
前記電子ペンの前記ヒンジ連結側への移動を規制する第1規制部と、
前記電子ペンの前記ヒンジ連結側とは反対側への移動を規制する第2規制部と、
を有し、
前記支持部は、前記第1蓋体に前記電子ペンを載置した前記第2蓋体の閉動作時において、前記電子ペンを前記ヒンジ連結側から前記第2規制部側へ押圧可能に形成されていることを特徴とするペンケース。
【請求項3】
請求項2に記載のペンケースであって、
前記第2規制部は、前記支持部に押圧された前記電子ペンの移動を案内する案内面を有していることを特徴とするペンケース。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のペンケースであって、
前記支持部は、弾性を有していることを特徴とするペンケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−109562(P2013−109562A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253733(P2011−253733)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】