説明

ペンダントポリ(アルキレンオキシ)置換基を備えたポリマー及びパーソナルケア用途におけるそれらの使用

【課題】毛髪の容積特性を改善するための新しいやり方の提供。
【解決手段】パーソナルケア用途において有用であるポリマーであって、モノマー単位当たり少なくとも1個の式(I)(ここで、各R1は独立して、H、メチル又はエチルであり、各R2は独立して、H又は(C1〜C6)アルキルであり、各nは独立して、約5から約500の整数である)によるペンダントポリ(アルキレンオキシ)置換基を含むモノマー単位を、該ポリマーのモノマー単位の総数を基準として50%より多く含み、且つモル当たり約1,000から約1,000,000グラムの重量平均分子量を示すポリマー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、ポリマーに、一層特にはペンダントポリ(アルキレンオキシ)置換基を備えた或るポリマー及びパーソナルケア用途におけるかかるポリマーの使用に関する。
【0002】
発明の背景
もっぱら頭髪を洗浄するためにもくろまれた製品は、毛髪を絡み合ったそして扱いにくいままにし得る。櫛すき摩擦を低減することにより並びにしなやかで滑らかな触感及び艶のある外観を毛髪に与えることにより毛髪状態を改善するためのコンディショニングポリマー及び有益剤が知られている。しかしながら、多くの場合において、かかるポリマー及び有益剤はまた、毛髪上におけるポリマーコンディショナーの付着に因る毛髪容積の減少及び髪の毛間の摩擦の減少に因る毛髪の腰への悪影響のようないくつかの望ましくない効果を生じ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
毛髪の容積特性を改善するための新しいやり方を開発することに関心がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の要約
第1側面において、本発明は、ポリマーであって、モノマー単位当たり少なくとも1個の式(I)
【化1】

〔ここで、
各R1は独立して、H、メチル又はエチルであり、
各R2は独立して、H又は(C1〜C6)アルキルであり、
各nは独立して、約5から約500の整数である〕
によるペンダントポリ(アルキレンオキシ)置換基を含むモノマー単位を、該ポリマーのモノマー単位の総数を基準として50パーセントより多く含み、且つモル当たり約1,000から約1,000,000グラムの重量平均分子量を示すポリマーに向けられる。
【0005】
第2側面において、本発明は、上記のポリマー及び化粧品上受容可能な担体を含むパーソナルケア用組成物に向けられる。
【0006】
第3側面において、本発明は、頭髪又は皮膚を処置する方法であって、頭髪又は皮膚を上記のパーソナルケア用組成物と接触させることを含む方法に向けられる。
【0007】
本発明のポリマーは、毛髪に容積特性を付与する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
発明の詳細な説明及び好ましい具体的態様
ポリ(アルキレンオキシ)置換基に関して本明細書において用いられる場合の用語「ペンダント」は、ポリマー鎖に結合されている側基としてかかる基が存在することを意味する。
【0009】
本明細書において用いられる場合、用語「アルキル」は、たとえばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、n−ヘキシルのような、直線状又は分枝状であり得る飽和炭化水素基の炭化水素基を意味する。
【0010】
本明細書において用いられる場合、有機基に関しての用語「(Cp〜Cq)」(ここで、p及びqは各々整数である)は、該基が基当たりp個の炭素原子からq個の炭素原子を含有し得ることを指摘する。
【0011】
本明細書において用いられる場合、用語「エチレン不飽和」は、末端(すなわちα,β)炭素−炭素二重結合を意味する。
【0012】
本明細書において用いられる場合、本発明の具体的態様の或る置換基が「上記に記載されたとおり」であるという指摘は、その具体的態様の文脈において当てはまるかかる置換基の最も広い記載及びより狭い諸記載を含めて、各々の先の記載を別々に指す。
【0013】
一つの具体的態様において、本ポリマーは、モノマー単位当たり少なくとも1個一層典型的には1個の式(I)(ここで、R1、R2及びnは各々上記のとおり記載される)によるペンダントポリ(アルキレンオキシ)置換基を含むモノマー単位を、該ポリマーのモノマー単位の総数を基準として約80パーセント(%)に等しいか又はより多く一層典型的には約95%に等しいか又はより多くそして更に一層典型的には約99%に等しいか又はより多く含む。
【0014】
一つの具体的態様において、ポリマーのモノマー単位の各々は、少なくとも1個一層典型的には1個の式(I)(ここで、各R1及び各R2は独立してH又はCH3であり、そして各nは独立して約5から約100一層典型的には約5から約50更に一層典型的には約5から約25の整数である)によるペンダントポリ(アルキレンオキシ)置換基を含む。
【0015】
一つの具体的態様において、ポリマーのモノマー単位の各々は、少なくとも1個一層典型的には1個の式(I)(ここで、R1、R2及びnは各々上記のとおり記載される)によるペンダントポリ(アルキレンオキシ)置換基を含む。
【0016】
一つの具体的態様において、本ポリマーは、該ポリマーのモノマー単位のすべてが同一でありそして各モノマー単位が少なくとも1個一層典型的には1個の式(I)(ここで、R1、R2及びnは各々上記のとおり記載される)によるペンダントポリ(アルキレンオキシ)置換基を含むホモポリマーである。
【0017】
一つの具体的態様において、モノマー単位当たり少なくとも1個の式(I)によるペンダントポリ(アルキレンオキシ)置換基を含むモノマー単位の各々は式(II)
【化2】

によるモノマーに由来し、そしてかかるモノマー単位の各々は式(III)
【化3】

によるものであり、しかしてここで
各R3は独立して、H又は(C1〜C4)アルキルであり、
1、R2及びnは各々、上記のとおり定義される。
【0018】
式(II)による適当なモノマーは、たとえば、エトキシル化ヒドロキシエチルアクリレート、エトキシル化ヒドロキシエチルメタクリレート、プロポキシル化ヒドロキシエチルアクリレート、プロポキシル化ヒドロキシエチルメタクリレート、ブトキシル化ヒドロキシエチルアクリレート及びブトキシル化ヒドロキシエチルメタクリレートを包含する。
【0019】
構造(III)によるモノマー単位を含むポリマーの一つの具体的態様において、各R1、各R2及び各R3は独立してH又はCH3であり、そして各nは独立して約5から約100一層典型的には約5から約50更に一層典型的には約5から約25の整数である。
【0020】
一つの具体的態様において、ポリマーのすべてのモノマー単位は、構造(III)(ここで、R1、R2、R3及びnは各々上記に記載されたとおりである)によるものである。
【0021】
一つの具体的態様において、本発明のポリマーは、該ポリマーのすべてのモノマー単位が構造(III)(ここで、R1、R2、R3及びnは各々上記に記載されたとおりである)による同一のモノマー単位であるホモポリマーである。
【0022】
一つの具体的態様において、本ポリマーは、更に、式(I)によるポリ(アルキレンオキシ)置換基を含まないモノマー単位を含む。かかる単位は、たとえば、式(I)によるポリ(アルキレンオキシ)置換基を含まない1種又はそれ以上のエチレン不飽和モノマーを式(I)(ここで、R1、R2及びnは各々上記のとおり記載される)によるポリ(アルキレンオキシ)置換基を含有する1種又はそれ以上のエチレン不飽和モノマーと共重合することにより誘導され得る。
【0023】
一つの具体的態様において、本発明のポリマーは、該ポリマーのモノマー単位の総数を基準として、
(a)約90%から100%未満一層典型的には約95%から100%未満更に一層典型的には約99%から100%未満の第1モノマー単位、しかもそれらの各々は
(i)モノマー単位当たり少なくとも1個の式(I)(ここで、R1、R2及びnは各々上記に記載されたとおりである)によるペンダントポリ(アルキレンオキシ)置換基を含み、及び/又は
(ii)構造(III)(ここで、R1、R2、R3及びnは各々上記に記載されたとおりである)によるものであり、
並びに
(b)0%より多いから約10%一層典型的には0%より多いから約5%更に一層典型的には0%から多いから約1%の、式(I)によるポリ(アルキレンオキシ)置換基を含まない第2モノマー単位
を含む。
【0024】
式(I)によるポリ(アルキレンオキシ)置換基を含まない適当なエチレン不飽和コモノマーは公知化合物であり、そしてたとえばエチレン不飽和カルボン酸のエステル(エチルアクリレート、メチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロライド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートメチルクロライド、ベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロライド及びベンジルジメチルアンモニウムエチルメタクリレートクロライドのような)、エチレン不飽和カルボン酸アミド(アクリルアミド、メタクリルアミド、トリメチルアンモニウムプロピルアクリルアミドクロライド及びトリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライドのような)、ビニルモノマー(ビニルアセテート、ビニルバーセテート、ビニルピロリジノン及びビニルカプロラクタムのような)及びアリルモノマー(アリルアルコールのような)を包含する。
【0025】
一つの具体的態様において、本発明のポリマーは、モル当たり約2,500から約900,000グラム(「g/mol」)一層典型的には約10,000から約750,000g/molの重量平均分子量(「Mw」)を示す。
【0026】
一つの具体的態様において、本発明のポリマーは、約2,500から約750,000g/mol一層典型的には約10,000から約500,000g/molの数平均分子量(「Mn」)を示す。
【0027】
ポリマーのMw及びMnは各々、典型的には、ポリマーの溶液を分画し(たとえばサイズ排除クロマトグラフィーを用いて)そして次いでかかるポリマー画分の各々の分子量を決定する(たとえば画分による光散乱の強度を測定することにより又は画分の屈折率を測定しそして屈折率結果を既知分子量のポリマーについて得られたものと比較することにより)ことにより決定される。
【0028】
一つの具体的態様において、本発明のポリマーは、約1.2から約10一層典型的には約1.4から約5の多分散性指数(ここで、ポリマーの多分散性指数は、ポリマーのMnで割ったポリマーのMwの商として算出される)を示す。
【0029】
適当なポリマーを作る方法は、当該技術において知られている。一つの具体的態様において、本発明によるポリマーは、式(I)によるポリ(アルキレンオキシ)置換基を含有するエチレン不飽和モノマー(たとえば式(II)によるモノマーのような)を用いて、公知のフリーラジカル重合法により作られる。別の具体的態様において、本発明によるポリマーはグラフト重合により作られ、しかしてグラフト重合において、式(I)によるポリ(アルキレンオキシ)置換基が、1個又はそれ以上の反応性部位(これらの反応性部位において、適当なポリ(アルキレンオキシ)置換基が、重合に後続する反応により付加され得る)を有するポリマー主鎖に付加される。適当なポリマー主鎖は、多官能性モノマー(たとえばマレイン酸無水物、グリシジルメタクリレート、ビニルベンジルクロライド、ヒドロキシエチルメタクリレート、グリセロールモノメタクリレートのような)又はシランモノマー(トリエトキシビニルシランのような)を重合することによるような公知の技法により作られる。
【0030】
別の具体的態様において、本ポリマーは、可逆的付加開裂型移動(RAFT)、キサンテートの交換によっての高分子設計(MADIX)のような、公知の制御的フリーラジカル重合技法により作られる。
【0031】
本明細書において用いられる場合、用語「パーソナルケア用組成物」は、たとえばシャンプー、ヘアコンディショナー、ヘアジェル、ヘアムース、ヘアスプレー、スキンクレンザー及びスキンローションを含めて、頭髪又は皮膚を手入れする際に用いるための組成物を意味する。
【0032】
本明細書において用いられる場合、用語「化粧品上受容可能な担体」は、頭髪又は皮膚への局所送達のために本ポリマーと混合されることが可能である且つ頭髪又は皮膚に施用された場合に傷害を引き起こさないビヒクルを意味する。適当な担体は、水、有機溶媒、かかる有機溶媒の混合物、及び水と水混和性有機溶媒との混合物を包含する。適当な有機溶媒は、たとえば、アセトン、(C1〜C18)アルカノール及び(C7〜C10)イソパラフィンを包含する。適当なアルカノールは、たとえば、エタノール、イソプロパノール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリルアルコール、ベンジルアルコール、オレイルアルコール及びそれらの混合物を包含する。適当な水混和性有機溶媒は、たとえば、エタノール及びイソプロパノールのような(C1〜C4)アルカノールを包含する。
【0033】
一つの具体的態様において、パーソナルケア用組成物は、整髪用組成物であって、組成物の100重量部(「pbw」)を基準として、約0.1から約10pbw一層典型的には約0.1から約5pbwの本発明によるポリマーと、約90から約99.9pbwの、水を含む担体とを含む整髪用組成物である。
【0034】
一つの具体的態様において、パーソナルケア用組成物は、洗浄用組成物であって、本発明によるポリマー、水性担体及び1種又はそれ以上の界面活性剤を含む洗浄用組成物である。適当な界面活性剤は、すべて当該技術においてよく知られているところの両性界面活性剤、ツビッターイオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性開始剤及びそれらの組合わせを包含する。
【0035】
本発明によるパーソナルケア用組成物は、随意に、たとえば保存剤(ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン及びイミダゾリジニル尿素のような)、増粘剤及び粘度調整剤(エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックポリマーのような)、電解質(塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、ポリビニルアルコール及びエチルアルコールのような)、pH調整剤(クエン酸、コハク酸、リン酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムのような)、香料、染料、コンディショニング剤(シリコーンガム、ポリオルガノシロキサン流体及びシリコーン樹脂すなわち架橋ポリオルガノシロキサン系を含めて、有機ケイ素物質のような)、噴射剤(プロパン、ブタン、イソブタン、窒素及び二酸化炭素のような)、活性成分(抗フケ剤(ジンクピリチオン)、ビタミン又はそれらの誘導体(ビタミンB、ビタミンEアセテートのような)のような)及び金属イオン封鎖剤(ジナトリウムエチレンジアミンテトラアセテートのような)のような、他の成分を含有し得る。一般的に、パーソナルケア用組成物は、随意に、パーソナルケア用組成物の100pbwを基準としてそして各かかる成分について独立して、パーソナルケア用組成物の所望性質に依存して約10pbwまで好ましくは0.5pbwから約5.0pbwのかかる他の成分を含み得る。
【実施例】
【0036】
実施例1
実施例1のポリ(ノナエチレングリコールメチルエーテルアクリレート(「p(nEGA)」)ホモポリマーをMADIXにより作り、そして30,000g/molの理論分子量を有していた。開始剤(水中25.1%溶液として添加された0.1826gの過硫酸アンモニウム及び2gのすすぎ水)及び制御移動剤(0.833gのキサンテート,Robinson Bros.のロジキサン(Rhodixan)A1)の存在下で(5のキサンテート対開始剤のモル比でもって)、4.4:1の水対エタノール(重量による)の混合物中で、20重量%のノナエチレングリコールメチルエーテルアクリレートモノマー(120g)を70℃にて17時間にわたって重合することにより、該p(nEGA)ポリマーを合成した。モノマーを反応の始めに反応器に装填し、そしてキサンテート添加を行った5分以内に開始剤を一度に添加した。苛性加水分解されたポリマーは、各々サイズ排除クロマトグラフィー及びポリ(アクリル酸)標準との溶離画分の屈折率の比較により決定された場合、8,600g/molのMn及び11,800g/molのMwを示した。加水分解されたポリマーについて測定された分子量を逆算して、元の(加水分解されていない)p(nEGA)ポリマーについて約50,000g/molのMn及び約74,000g/molのMwが得られ、そして加水分解されていないポリマーについての多分散性指数は約1.5であると算出された。
【0037】
水中の1.0wt%の実施例1のポリマーを含む水性組成物を、該ポリマーを水と混合することにより作った。嵩毛髪容積に対するかかる組成物の効果を、2つの方法すなわち処置前と処置後の毛髪束の見掛けを比較する画像解析法及び毛髪束をポリ(テトラフルオロエチレン)Oリングに引き通すのに必要とされる力又は仕事量を測定するリング圧縮法に従って評価した。これらの方法は各々、下記に記載される。
【0038】
処置前及び処置後の毛髪束の映像(互いに対して90°において画像化された毛髪束当たり2つの画像)をデジタルカメラにより捕獲し、そしてこれらの画像をデジタル画像解析器により解析した。面積(正面の毛髪束の映像の表面に相当する)及び深さ(側面の毛髪束の映像の厚さに相当する)を測定することにより、容積を決定した。処置後と処置前の毛髪束の容積の値の間の差により、容積変化を決定した。
【0039】
10グラムの熱溶融結合されたダークブラウン毛髪束(International Hair Importers)を用いた。各処置グループについて、合計6つの毛髪束を用いた。毛髪束の未処置セットを未処置対照グループとして含めた。
【0040】
未処置毛髪から残留カチオン性物質を除去するために、7.5のpHにおけるナトリウムラウリルサルフェート(SLS)の15重量%水溶液中に、毛髪束を10分間浸した。次いで、髪の毛のすべてがSLSで十分に処置されるのを確実にするために毛髪を30回撫で、そして35〜40℃の水道水下で45分間すすいだ。次いで、毛髪束を室温にて一晩放置して風乾した。
【0041】
各毛髪束を10回櫛ですき、そして毛髪を櫛ですくことにより発生した静電反発を中和するために、ZerostatTM圧電式除電ピストルで撃った。単に毛髪束を吊るしそして画像を捕獲することにより、毛髪束を測定した。次いで、画像をイメージ−プロ(Image-Pro)デジタル画像解析器により解析し、そして未処置毛髪束の容積を各毛髪束について決定する。次いで、毛髪束を容積について各々6つのセットに均等化する。
【0042】
毛髪束を35〜40℃の水道水下で1分間すすいだ。濡れた毛髪束上に1mlの処置ポリマー溶液を施用し、そして1分間揉んだ。次いで、毛髪束を35〜40℃の水道水下で1分間すすいだ。次いで、毛髪束を室温にて一晩放置して風乾した。
【0043】
各毛髪束を10回櫛ですき、そして毛髪を櫛ですくことにより発生した静電反発を中和するために、ZerostatTMピストルで撃った。1セットの処置後のデジタル画像を撮り、そして解析した。次いで、ポリマー処置に因る容積変化を決定した。
【0044】
方程式(A)に従って、パラメーター「デルタ(容積)」を算出した。すなわち、
デルタ(容積)=容積(処置された)−容積(処置されていない) (A)
ここで、「容積(処置されていない)」はポリマーでの処置前に測定された容積を意味し、そして「容積(処置された)」はポリマーでの処置後に測定された容積を意味する。所与処置条件について、デルタ(容積)平均をデルタ(容積)値の算術平均として算出した。各場合において、報告された「下限」及び「上限」は、所与処置条件について決定されたデルタ(容積)値についての95%信頼区間のそれぞれ「下限」及び「上限」である。
【0045】
一元分散分析(ANOVA)を用いて、データを統計的に解析した。各場合において、各平均を囲む区間を画定するところの報告された「下限」及び「上限」は、95%の信頼水準(すなわち、平均区間が重なる場合は、対応する処置間に95%の信頼度において有意差がない)におけるフィッシャーの最小有意差(LSD)手法に基づく。
【0046】
方程式(B)に従って、容積変化%を算出した。すなわち、
【数1】

ここで、「デルタ(容積)」及び「容積(処置されていない)」は各々、上記のとおり定義される。
【0047】
画像解析の結果は、下記の表I(ここでそして上記の方程式(A)に従って、パラメーター「デルタ(容積)」の正の値は処置後の毛髪容積の増加を指摘し、そして上記の方程式(B)に従って、パラメーター「容積変化%」の正の値は処置後の毛髪容積の増加を指摘する)に示されている。
【0048】
【表1】

【0049】
画像解析試験について上記に記載されたのと同じやり方で、リング圧縮試験のために毛髪束を準備した。次いで、ダイアストロン(Diastron)引張り試験装置を用いて、毛髪束の各々をポリ(テトラフルオロエチレン)Oリング(約18ミリメートルの内径及び約25ミリメートルの外径を有する(McMaster Carr Supplyの部品番号210EF))に引き通すのに必要なパラメーター「仕事量」を測定した。毛髪束当たり6回の測定を行った。次いで、毛髪束を総仕事量について各々6つのセットに均等化した。
【0050】
次いで、画像解析試験について上記に記載されたのと同じやり方で、毛髪束をポリマー溶液で処置した。ダイアストロン(Diastron)引張り試験装置を用いて、処置された毛髪束の各々をポリ(テトラフルオロエチレン)Oリングの内部開口に引き通すのに必要なパラメーター「仕事量」を測定した。
【0051】
次いで、方程式(C)に従って、パラメーター「デルタ(仕事量)」を各毛髪束について決定した。すなわち、
デルタ(仕事量)=仕事量(処置された)−仕事量(処置されていない) (C)
ここで、「仕事量(処置された)」はポリマーでの処置後に測定された仕事量に相当し、そして「仕事量(処置されていない)」はポリマーでの処置前に測定された仕事量に相当する。ANOVAを用いて、データを統計的に解析した。各平均を囲む区間は、95%の信頼水準(すなわち、平均区間が重なる場合は、対応する処置間に95%の信頼度において有意差がない)におけるフィッシャーの最小有意差(LSD)手法に基づいた。
【0052】
方程式(D)に従って、パラメーター「仕事量低減の百分率」を各毛髪束について決定する。すなわち、
【数2】

ここで、「デルタ(仕事量)」及び「仕事量(処置されていない)」は各々、上記に定義されたとおりである。
【0053】
リング圧縮試験の結果は、下記の表II(ここで、上記の方程式(C)に従って、パラメーター「デルタ(仕事量)平均」の正の値は処置後の毛髪容積の増加を指摘し、そして上記の方程式(D)に従って、パラメーター「仕事量低減%」の正の値は処置後の毛髪容積の増加を指摘する)に与えられている。
【0054】
【表2】

【0055】
実施例2
実施例2のp(nEGA)ホモポリマーを慣用のフリーラジカル重合により作った。水中の30重量%NEGAモノマー(200g)を、開始剤(水中1%溶液として添加された0.0734gの過硫酸ナトリウム)の存在下で、0.07%の開始剤対モノマーのモル比でもって75℃にて9時間にわたって重合することにより、p(nEGA)を合成した。開始剤は80分にわたって5回に分けて添加され、一方モノマーの10%は90分にわたって供給された。初期p(nEGA)ホモポリマーの苛性加水分解後に残留アクリル酸を測定することにより、モノマー転化率を評価した。実験最終濃度は、29.62%であると測定された。ポリマー(苛性加水分解に付されていない)の分子量を、サイズ排除クロマトグラフィーによるポリマーの溶液の分画及び溶離画分によって散乱された光の強度の測定により決定した。ポリマーは、240,000g/molのMn、430,000g/molのMw及び約1.8の多分散性指数を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーであって、モノマー単位当たり少なくとも1個の式(I)
【化1】

〔ここで、
各R1は独立して、H、メチル又はエチルであり、
各R2は独立して、H又は(C1〜C6)アルキルであり、そして
各nは独立して、約5から約500の整数である〕
によるペンダントポリ(アルキレンオキシ)置換基を含むモノマー単位を、該ポリマーのモノマー単位の総数を基準として50パーセントより多く含み、且つモル当たり約1,000から約1,000,000グラムの重量平均分子量を示すポリマー。
【請求項2】
ポリマーが、モノマー単位当たり少なくとも1個の式(I)によるペンダントポリ(アルキレンオキシ)置換基を含むモノマー単位を、該ポリマーのモノマー単位の総数を基準として約80パーセントに等しいか又はより多く含む、請求項1に記載のポリマー。
【請求項3】
ポリマーがホモポリマーである、請求項1に記載のポリマー。
【請求項4】
ポリマーが、該ポリマーのモノマー単位の総数を基準として、
(a)約90%から100%未満の第1モノマー単位(複数)、しかもそれらの第1のモノマー単位の各々はモノマー単位当たり少なくとも1個の式(I)によるペンダントポリ(アルキレンオキシ)置換基を含み、及び
(b)0%より多いから約10%の、式(I)によるポリ(アルキレンオキシ)置換基を含まない第2モノマー単位
を含む、請求項1に記載のポリマー。
【請求項5】
ポリマーが、モル当たり約2,500から約900,000グラムの重量平均分子量を示す、請求項1に記載のポリマー。
【請求項6】
ポリマーが、モル当たり約2,500から約750,000グラムの数平均分子量を示す、請求項1に記載のポリマー。
【請求項7】
ポリマーのモノマー単位の各々が、少なくとも1個の式(I)(ここで、各R1及び各R2は独立してH又はCH3であり、そして各nは独立して約5から約100の整数である)によるペンダントポリ(アルキレンオキシ)置換基を含む、請求項1に記載のポリマー。
【請求項8】
少なくとも1個の式(I)によるペンダントポリ(アルキレンオキシ)置換基を含むモノマー単位の各々が、式(II)
【化2】

〔ここで、
各R1は独立して、H、メチル又はエチルであり、
各R2は独立して、H又は(C1〜C6)アルキルであり、
各R3は独立して、H又は(C1〜C4)アルキルであり、そして
各nは独立して、約5から約500の整数である〕
によるモノマーに由来する、請求項1に記載のポリマー。
【請求項9】
少なくとも1個の式(I)によるペンダントポリ(アルキレンオキシ)置換基を含むモノマー単位の各々が、式(III)
【化3】

〔ここで、
各R1は独立して、H、メチル又はエチルであり、
各R2は独立して、H又は(C1〜C6)アルキルであり、
各R3は独立して、H又は(C1〜C4)アルキルであり、そして
各nは独立して、約5から約500の整数である〕
によるモノマー単位である、請求項1に記載のポリマー。
【請求項10】
各R1、各R2及び各R3が独立してH又はCH3であり、そして各nが独立して約5から約100の整数である、請求項9に記載のポリマー。
【請求項11】
パーソナルケア用組成物であって、請求項1に記載のポリマー及び化粧品上受容可能な担体を含むパーソナルケア用組成物。
【請求項12】
化粧品上受容可能な担体が、水、有機溶媒、2種又はそれ以上の水混和性有機溶媒の混合物及び水と1種又はそれ以上の水混和性有機溶媒との混合物から選択される、請求項12に記載のパーソナルケア用組成物。
【請求項13】
パーソナルケア用組成物が、整髪用組成物であって、パーソナルケア用組成物の100重量部を基準として、約0.1から約10pbwのポリマーと、約90から約99.9pbwの、水を含む担体とを含む整髪用組成物である、請求項12に記載のパーソナルケア用組成物。
【請求項14】
パーソナルケア用組成物が洗浄用組成物であり、担体が水を含み、そしてパーソナルケア用組成物が更に1種又はそれ以上の界面活性剤を含む、請求項12に記載のパーソナルケア用組成物。
【請求項15】
頭髪又は皮膚を処置する方法であって、頭髪又は皮膚を請求項1に記載のポリマーと接触させることを含む方法。

【公開番号】特開2013−79245(P2013−79245A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−256569(P2012−256569)
【出願日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【分割の表示】特願2008−524071(P2008−524071)の分割
【原出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【出願人】(598109291)ローディア インコーポレイティド (41)
【Fターム(参考)】