ページャシステム及びページャのコールバック方法
【課題】 ページャシステムにコールバック機能を持たせて、双方向通信を実現するページャシステムを提供すること。
【解決手段】 本発明によるページャシステムは、ボタン電話装置10に収容されるPHSをページャシステムとして使用し、ボタン電話装置10が、コンピュータ装置20から入力されるデータを子機ページャ40に送信し、子機ページャ40から応答信号を受信すると、データに基づいたコールバック先の内線電話機50を呼び出し、内線電話機50と子機ページャ40との間の伝送路を確保し、内線電話機50と子機ページャ40との間の通話を可能とする。
【解決手段】 本発明によるページャシステムは、ボタン電話装置10に収容されるPHSをページャシステムとして使用し、ボタン電話装置10が、コンピュータ装置20から入力されるデータを子機ページャ40に送信し、子機ページャ40から応答信号を受信すると、データに基づいたコールバック先の内線電話機50を呼び出し、内線電話機50と子機ページャ40との間の伝送路を確保し、内線電話機50と子機ページャ40との間の通話を可能とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コールバック機能を有したページャシステム及びページャのコールバック方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、PHS(Personal Handyphone System)を利用したページャシステムが一般的となり、工場、病院、運送会社等の広範囲で業務を行なう人の呼び出しや、メッセージの伝達に使用されている。
【0003】
例えば、監視システムの一部として使用されるページャシステムは、工場の生産ラインに使用される。工場では、膨大な数の監視センサーやアラームがあり、異常を検知すると、警報が生産ライン監視システムへ伝達され、さらにその内容はメッセージングサーバ等のコンピュータ装置に送られ、内線網の交換装置を通じて、管轄するライン現場保守員のPHSを利用したページャへ送信される。保守員はページャに表示される警告内容を確認後、現場の対応へと向かう。このように、ページャを所持することでライン保守員は現場にいなくても、管轄場所の状況を用意に把握することができる。
【0004】
又、構内交換機の内線に収容されたPHSを利用したページャに対し、公衆回線を介さずに直接文字データを送信する技術が、特開2003−319090号公報に開示されている(特許文献1参照)。
【0005】
このため、通話料がかからず即時に任意の文字メッセージを個別あるいは同報で、送信することが可能である。
【0006】
しかし、従来のページャは、コンピュータ装置から送信する表示用データを表示するだけで、PHSが有する通話機能が活用されていない。
【0007】
一方、通信回線に接続された親機に複数の子機がそれぞれ通信を行なう通信システムにおいて、通信先を呼び出した子機に対し適切にコールバックする方法が、特開2002−158766号公報に開示されている。通信先から子機にコールバックを行なう場合、親機は、子機と通信先との対応を記録し、通信先に対しコールバックのための発呼を行ない、通信先から着呼を受けると、親機は、前記対応を参照して呼出先の子機を特定してコールバックする方法である。(特許文献2参照)
【0008】
しかし、従来の方法では、子機から通信先との間でコールバックをする旨のコールバック情報がなければ親機で子機と通信先の対応を記録することができず、第3者によって、子機と通信先の通信を確保できない。そのため、ページャから電話機等の通信先に対しコールバックできない。
【特許文献1】特開2003−319090号公報
【特許文献2】特開2002−158766号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、PHSを利用したページャシステムにコールバック機能を持たせて、双方向通信を実現するページャシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下に、[発明を実施するための最良の形態]で使用される番号・符号を括弧付きで用いて、[課題を解決するための手段]を説明する。この番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]の記載との対応関係を明らかにするために付加されたものであるが、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0011】
本発明によるページャシステムは、データを作成するコンピュータ装置(20)に接続されるボタン電話装置(10)と、ボタン電話装置(10)に構内アンテナ(30)を介して収容されるPHSを利用する子機ページャ(40)と、ボタン電話装置(10)に接続される電話機とを具備し、ボタン電話装置(10)は、コンピュータ装置(20)から入力されるデータに基づき、子機ページャ(40)との間の伝送路を確保し、子機ページャ(40)に対し発呼及びデータを送信し、着呼した子機ページャ(40)は、鳴動し、受信されるデータに含まれる文字情報を表示する。着呼した子機ページャ(40)が応答信号をボタン電話装置(10)に送信し、応答信号を受信するボタン電話装置(10)は、データに基づき電話機に発呼する。着呼した電話機が、応答信号をボタン電話装置(10)に送信し、応答信号を受信するボタン電話装置(10)は、子機ページャ(40)と電話機との間に伝送路を確保し、子機ページャ(40)と電話機との間で通信が可能となる。
【0012】
ボタン電話装置(10)は内線電話機(50)を収容し、又、公衆網(60)を介して外部電話機(70)に接続され、子機ページャ(40)から応答信号を受信すると、データに含まれる内線電話機(50)の電話番号、又は、外部電話機(70)の電話番号に対し発呼し、子機ページャ(40)と内線電話機(50)、又は、外部電話機(70)との間の伝送路を確保して通信可能とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明のページャシステム及びページャのコールバック方法によれば、交換装置に収容されるPHS(Personal Handyphone System)を利用したページャに対し、コールバック機能を持たせることで、ページャに表示データを送信するのみの片方向通信と、表示データの送信と内線電話機と間の通信ができる双方向通信が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明によるページャシステムの実施の形態を説明する。
【0015】
以下に図1から図5を用いて、ページャシステムの構成と、動作を示す。
【0016】
図1に本発明によるページャシステムの実施の形態の構成の一例を示す。本発明によるページャシステムは、ボタン電話装置10と、ボタン電話装置10に接続され、文字データやコールバック先の電話番号を作成するコンピュータ装置20と、ボタン電話装置10に収容され、構内で使用されるPHSの子機ページャ40と、ボタン電話装置10の内線回線として収容される複数の内線電話機50と、公衆網60を介してボタン電話装置10と接続される複数の外部電話機70とから構成される。
【0017】
本発明に係るボタン電話装置10は、図2に示されるようにCTI制御部11、CPU12、アンテナ制御部13、内線制御部14、通話スイッチ15、メモリ16、外線制御部17、呼放棄タイマ18とを備え、コンピュータ装置20の情報処理機能とボタン電話装置10の通信機能を統合し、電話の着信情報をコンピュータ装置20の画面に表示したり、コンピュータ装置から入力される電話番号を含むデータから、自動的に電話をかけることができる。又、構内アンテナ30を介して接続することでPHSを収容し、子機ページャ40を内線端末として使用することができる。更に、公衆網60を介して、外部電話機70と接続している。尚、本実施の形態では、ボタン電話装置10としているが本発明の機能を具現できれば交換装置でも構わない。
【0018】
CTI制御部11は、コンピュータ装置20と接続され、コンピュータ装置20との間のデータや信号の入出力を制御する。コンピュータ装置20から入力されるデータは、CPU12のデータ処理部12bで処理されメモリテーブルとしてメモリ16に記憶される。又、子機ページャ40や内線電話機50等の他の端末装置からボタン電話装置10に入力される信号や、CPU12で生成される信号をコンピュータ装置20に出力する。
【0019】
メモリ16は、コンピュータ装置20から入力されるデータをメモリテーブルとして記憶する。
【0020】
メモリテーブルの一例を図3(a)に示す。メモリテーブルは、例えば、装置の故障の発生時刻を示す発生時刻と、呼出先である子機ページャ40の内線番号と、後述する呼放棄時間と、子機ページャ40の子機表示部41に表示される表示テキストと、コールバック先の内線電話機50の電話番号とが関連付けられて記憶する。
【0021】
CPU12は、交換処理部12a、データ処理部12b、信号処理部12cから構成され、ボタン電話装置10内の信号を処理し、各制御部に指令を出してボタン電話装置10全体を制御する。
【0022】
交換処理部12aは、メモリ16に記憶されているメモリテーブルを参照して発呼や着呼の対象となる子機ページャ40や内線電話機50あるいは外部電話機70に対する発呼処理や着呼処理を行ない、ボタン電話装置10に接続される端末装置からの応答信号や切断信号を処理し、ボタン電話装置10内の各制御装置を通じて伝送路を確保又は呼放棄を行なう。又、通話スイッチ15を制御して通信回線の交換処理を行なう。
【0023】
更に、呼放棄タイマ18の始動や終了に伴う呼放棄の処理を実施し、切断信号を子機ページャ40や内線電話機50等に送信して呼放棄を行なう。呼放棄時間とは、ボタン電話装置10が子機ページャ40に発呼してから子機ページャ40から応答信号が返ってくるまでの待ち時間であり、呼放棄時間内に応答信号を受信しない場合、切断信号を送信して呼放棄を行なう。
【0024】
呼放棄タイマ18は、交換処理部12aが子機ページャ40に呼出信号を送信する時に交換処理部12aの指令により呼放棄時間の計測を開始し、呼放棄時間を過ぎると終了する。又、呼放棄時間内に子機ページャ40から応答信号を受信すると、交換処理部12aからの指令により呼放棄時間の計測を停止する。
【0025】
データ処理部12bは、コンピュータ装置20からCTI制御部11を介して入力されるデータを処理し、メモリテーブルをメモリ16に記憶する。又、メモリテーブル内の表示データを抽出し、アンテナ制御部13を介して呼出先の子機ページャ40に送信する。
【0026】
信号処理部12cはボタン電話装置10と接続される各端末装置からの応答信号や切断信号を処理して、各端末装置との間の接続状況をCTI制御部11を介してコンピュータ装置20に送信する。
【0027】
アンテナ制御部13は、構内アンテナ30に接続され、構内アンテナ30を制御してPHS端末である子機ページャ40をボタン電話装置10に収容し、ボタン電話装置10と子機ページャ40との信号やデータの送受信を制御する。
【0028】
内線制御部14は、ボタン電話装置10が収容する内線電話機50と接続され、ボタン電話装置10と内線電話機50との信号やデータの送受信を制御する。
【0029】
通話スイッチ15は、交換処理部12aからの指令により、伝送路を切り替える。例えば、ボタン電話装置10と子機ページャ40との間の伝送路と、ボタン電話装置10と内線電話機50との間の伝送路を切り替えて、子機ページャ40と内線電話機50との間に伝送路を形成する。
【0030】
外線制御部17は、公衆網60を介して外部電話機70と接続され、ボタン電話装置10と外部電話機70との信号やデータの送受信を制御する。
【0031】
コンピュータ装置20は、CTI機能を実現できるソフトウェアを有し、ボタン電話装置10との間のデータの送受信が可能である。ボタン電話装置10に送信されるデータは、例えば、図4(a)に示されるようなデータフォーマットであり、呼出先の子機ページャ40の内線番号と、呼放棄時間と、子機ページャ40に表示される表示データと、コールバック先の電話番号が含まれている。表示データは、子機ページャ40に表示される際の表示位置や背景色、文字のフォント、表示テキスト等の文字情報が含まれている。
【0032】
更に、ボタン電話装置10から応答信号や、切断信号を受信して、ボタン電話装置10を介して接続される各端末装置の接続状況を表示及び記憶することができる。
【0033】
コンピュータ装置20は、ボタン電話装置10の近傍あるいは、IP網等のネットワーク経由で遠隔地に設置され、遠隔地からボタン電話装置10を介して子機ページャ40にデータを送信することができる。
【0034】
データの入力は、コンピュータ装置20を使用するユーザによって人為的に行なっても、予め入力されたデータや外部装置から入力されるデータを基に自動的に送信しても良い。例えば、ある機器の故障を検出すると自動的に故障を知らせる表示データや、コールバック先の内線電話機50と通話するようなデータを特定の子機ページャ40に送信するようにしても良い。
【0035】
PHS端末をページャとして利用した子機ページャ40は、無線回線を介して構内アンテナ30に接続され、ボタン電話装置10に収容される。図5に子機ページャ40の構成を示す。子機ページャ40は、ボタン電話装置10から受信される表示テキストを表示する子機表示部41と、内線電話機50や外部電話機70と通話を行なうための通話部42と、子機アンテナ43と、送受信部44と、子機CPU45と、子機メモリ46と、鳴動部47と、信号制御部48と、信号ボタン49を備える。
【0036】
子機アンテナ43は、PHSを利用した通信回線に接続され、ボタン電話装置10との間のデータや信号の送受信を行なう。送受信部44は、子機CPU45で処理された各種信号や音声をボタン電話装置10に送信し、ボタン電話装置10から受信される信号や各種データを子機CPU45に送信する。
【0037】
CPU45は、送受信部44で受信したデータや信号を処理して子機ページャ40内の各部に送信し、表示テキストの表示や、鳴動処理、発着呼処理、通話処理、ボタン電話装置10や内線電話機50に対する応答信号や切断信号の信号処理を行なう。又、受信されるデータを子機メモリ46に記憶させ、必要に応じて呼び出し先の電話番号を抽出し、発呼処理を行なう。
【0038】
子機メモリ46は、ボタン電話装置10から受信される表示データを記録し、子機CPU45の要請により表示テキストが抽出される。
【0039】
鳴動部47は、ボタン電話装置10から受信される呼出信号を処理した子機CPU45の指令により、鳴動を起こす。
信号制御部48に接続される信号ボタン49は、応答ボタン49aと、切断ボタン49bから構成され、それぞれのボタンを押下することによって、それぞれ応答信号や、切断信号を信号制御部48に入力する。信号制御部48は、子機CPU45の指令に基づき信号ボタン49によって入力される各信号を送受信部44に送信する。
【0040】
通話部42は、スピーカ42aと、マイク42bと、通話回路42cから構成され、ボタン電話装置10や内線電話機50との通話を可能とする。送受信部44から受信され、子機CPU45によって処理される音声データは、通話回路42cを介してスピーカ42aから音声として出力される。又、マイク42bから入力される音声を通話回路42cを介して音声データに変換し、子機CPU45で処理され送受信部44から子機アンテナ43を介し対向する内線電話機50等に送信することで通話が可能となる。
【0041】
送受信部44から受信されるデータは、子機CPU45で処理され子機表示部41に表示される。例えば図6に示されるように、データに含まれる表示データが表示される。
【0042】
以下、本発明によるページャシステムの第1の実施の形態を図7、図8及び図11を用いて説明する。
【0043】
本発明によるページャシステムの好ましい使用例を工場内で使用する場合を一例として説明する。本発明によるページャシステムは、工場内で発生する装置故障の状況を、装置を管理する保守員Aに通知し、更に装置を管轄する担当者Bと保守員Aとの間で通話させる。この際、保守員Aは、子機ページャ40(内線番号200)を保有し、担当者Bはコールバック先の内線電話機50(電話番号350)の近傍に居るものとする。又、故障状況を知らせるコンピュータ装置20は、工場内の故障状況を監視するシステム又は監視員から故障情報を入力されるものとする。尚、本発明によるページャシステムの実施の形態は上記の形態に限るものではない。
【0044】
図7に、呼放棄時間内に子機ページャ40から応答がない場合の本発明によるページャシステムの動作シーケンスを示す。
【0045】
工場内における装置の故障状況が入力されたコンピュータ装置20は、図4(a)に示されるようなデータフォーマットのデータ(発生時刻11:10のデータ)をボタン電話装置10に入力するとともに子機ページャ40に対する呼出しの要求と、データに含まれる表示テキストの表示の要求をボタン電話装置10に行なう(ステップSA1)。
【0046】
ボタン電話装置10のCTI制御部11を介して入力されるデータは、データ処理部12bによって図3(a)に示すメモリテーブルとしてメモリ16に記憶される。メモリテーブルには、データを送信した時刻である発生時刻(11:10)と、呼出先の子機ページャ40の内線番号(200)と、呼放棄時間(30秒)と、子機ページャ40に表示する表示テキスト(故障発生)と、コールバック先の担当者Bが保有する内線電話機50の電話番号(350)が記録される。
【0047】
交換処理部12aは、メモリ16に記憶されたメモリテーブルから呼出先内線番号(200)を読み出し、アンテナ制御部13に、呼出先の子機ページャ40との間の無線の伝送路を確保させ(ステップSA2)、発呼処理を行なう。又、データ処理部12bは、データに含まれる表示データを抽出し、アンテナ制御部13に送信する。アンテナ制御部13は、表示データを構内アンテナ30を介して無線データとしてPHS網に送信する(ステップSA3)。更に、交換処理部12aは、メモリテーブルから呼放棄時間(30秒)を抽出し、呼放棄タイマ18に呼放棄時間の測定を開始させる。(ステップSA4)。
【0048】
構内アンテナ30からの無線データを受信した内線番号200の子機ページャ40は、鳴動するとともに受信される表示データを図6に示されるように子機表示部41に表示し、表示データを子機メモリ46に記憶させる(ステップSA5)。
【0049】
子機ページャ40を保有する保守員Aによって応答ボタン49aが押下されず、応答信号がボタン電話装置10に送信されずに呼放棄時間(30秒)を経過すると、交換処理部12aは、呼放棄タイマ18に呼放棄時間の計測を終了させ(ステップSA6)、切断信号を子機ページャ40に送信し、無線の伝送路を開放する(ステップSA7)。
【0050】
切断信号を受信した子機ページャ40は、鳴動を停止する(ステップSA8)。又、交換処理部12aは、ボタン電話装置10と子機ページャ40との間の伝送路を開放する(SA9)。保守員Aによって切断ボタン49bが押下されるまで、表示データは表示され、切断ボタン49bが押下されると表示は子機表示部41から消去される(ステップSA10)。尚、表示されなくなった表示データは、再度子機メモリ46内から呼び出して表示することができる。
【0051】
子機ページャ40から切断信号を送信した信号処理部12cはコールバック先の内線電話機50と子機ページャ40との間の伝送路を確保できなかったこと示す呼放棄信号をコンピュータ装置20に送信し、コンピュータ装置20は、子機ページャ40と内線電話機50との間の接続状況をログとして記憶する(ステップSA11)。
【0052】
次に、ボタン電話装置10が子機ページャ40に発呼してから呼放棄時間内に応答信号を受信し、子機ページャ40とコールバック先の内線電話機50との間で通信を行なう場合について図8の動作シーケンスを用いて説明する。
【0053】
工場内における装置の故障状況が入力されたコンピュータ装置20は、図4(a)に示されるようなデータフォーマットのデータ(発生時刻11:10のデータ)をボタン電話装置10に入力するとともに子機ページャ40に対する呼出しの要求と、データに含まれる表示テキストの表示の要求をボタン電話装置10に行なう(ステップSB1)。
【0054】
ボタン電話装置10のCTI制御部11を介して入力されるデータは、データ処理部12bによって図3(a)に示すメモリテーブルとしてメモリ16に記憶される。メモリテーブルには、データを送信した時刻である発生時刻(11:10)と、呼出先の子機ページャ40の内線番号(200)と、呼放棄時間(30秒)と、子機ページャ40に表示する表示テキスト(故障発生)と、コールバック先の担当者Bが保有する内線電話機50の電話番号(200)が記録される。
【0055】
交換処理部12aは、メモリ16に記憶されたメモリテーブルから呼出先内線番号(200)を読み出し、アンテナ制御部13に、子機ページャ40との間の無線の伝送路を確保させ(ステップSB2)、子機ページャ40に対して発呼処理を行なう。又、データ処理部12bは、データに含まれる表示データを抽出し、アンテナ制御部13に送信する。アンテナ制御部13は、表示データを、構内アンテナ30を介して無線データとしてPHS網に送信する(ステップSB3)。又、交換処理部12aは、メモリテーブルから呼放棄時間(30秒)を抽出し、呼放棄タイマ18に呼放棄時間の測定を開始させる。(ステップSB4)。
【0056】
構内アンテナ30からの無線データを受信した内線番号200の子機ページャ40は、鳴動するとともに受信される表示データを子機表示部41に表示し、表示データを子機メモリ46に記憶させる(ステップSB5)。
【0057】
データを受信してから呼放棄時間(30秒)以内に、子機ページャ40を保有する保守員Aによって応答ボタン49aが押下されると(ステップSB6)、鳴動が停止するとともに応答信号が信号制御部48から送受信部44を介してボタン電話装置10に送信される。(ステップSB7)。
【0058】
応答信号を受信したボタン電話装置10の信号処理部12cは、コンピュータ装置20に応答信号が受信されたことを報告し、コンピュータ装置20は、子機ページャ40が応答したことをログとして記憶する(ステップSB8)。
【0059】
交換処理部12aは、応答信号に応じてメモリ16内からコールバック先の内線電話機50の電話番号350を読み出して電話番号350の内線電話機50に対し呼出信号を送信する(ステップSB9)とともに、子機ページャ40に対し、内線電話機50を呼び出していることを告げる呼出し中信号を送信する(ステップSB10)。この際、子機ページャ40のスピーカ42aから呼出し中を告げる音が発生し、保守員Aはコールバック先の担当者Bを呼び出していることを確認できる。
【0060】
内線電話機50は呼出信号を受信すると鳴動し、担当者Bによって、オフフック等の応答手段によりボタン電話装置10に応答信号が送信される(ステップSB11)。この際、オフフックの方法は、応答信号が送信されれば、受話器を挙げることによる方法や受話ボタンを押下する等、限定しない。
【0061】
交換処理部12aは、ボタン電話装置10で受信される応答信号を処理し、内線電話機50との間の伝送路を確保し(ステップSB12)、呼出し中信号の送信を停止する(ステップSB13)。又、通話スイッチ15を制御して子機ページャ40との間の伝送路と、内線電話機50との間の伝送路を切り替えて、子機ページャ40と内線電話機50との間の伝送路を確保する。確保された伝送路により子機ページャ40を使用する保守員Aと内線電話機50を使用する担当者Bとの間で通話が可能となる(ステップSB14)。
【0062】
通話を終了した保守員Aによって切断ボタン49bが押下されると子機ページャ40の子機表示部41に表示されていた表示データは消去され、切断信号がボタン電話装置10に送信され、ボタン電話装置10の交換処理部12aは、ボタン電話装置10と子機ページャ40との間の伝送路を開放する(ステップSB15a)。又、ボタン電話装置10の交換処理部12aは、切断信号を受信すると内線電話機50に切断信号を送信し、ボタン電話装置10と内線電話機50との間の伝送路を開放する(SB16a)。信号処理部12cはコンピュータ装置20に子機ページャ40と内線電話機50と間の伝送路を切断したことを報告し、コンピュータ装置20は、伝送路の切断を確認し、ログとして記録する(ステップSB17)。
【0063】
一方、通話が終了した担当者Bが担当者Aより先に内線電話機50がオンフックする場合、切断信号がボタン電話装置10に送信され、交換処理部12aは、ボタン電話装置10と内線電話機50との間の伝送路を開放する(ステップSB15b)、又、切断信号を受信する交換処理部12aは、子機ページャ40との間の伝送路を開放する(ステップSB16b)。切断後はステップSB17に移行する。
【0064】
尚、子機ページャ40と内線電話機50の伝送路の切断のタイミングは、どちらが先でも構わなく、内線電話機50が先に切断信号を送信した場合もステップSB17に移行し、コンピュータ装置20に切断の報告をする。
【0065】
又、図11に示されるように、ボタン電話装置10が内線電話機50に呼出信号を送信する際、内線電話機50が話中である場合や、担当者Bが不在で応答しない場合、保守員Aは、子機ページャ40の切断ボタン49bを押下して、切断信号がボタン電話装置10に送信されると(ステップSD18c)、ボタン電話装置10は、呼出信号と呼出中信号の送信を止め(ステップSD19c)、子機ページャ40に切断信号を送信して子機ページャ40との間の伝送路を開放する(ステップSD20c)。伝送路の開放後は、ステップSB17と同じ動作である。
【0066】
尚、上記実施の形態では、コールバック先を内線電話機50としたが、外部電話機70としても良い。この場合、データにはコールバック先の電話番号が含まれ、内線制御部14の代わりに外線制御部17が動作する。この場合、コールバック先の電話番号として外部電話機の電話番号を登録することで、ボタン電話装置10の設置場所とは異なる遠隔地において子機ページャ40が応答したことを判断でき、通話も可能となる。
【0067】
以上のように、本発明によるページャシステムは、工場内の機器の故障などの情報を現場から離れた子機ページャ40を持つ保守員Aに文字情報として送信し、保守員が応答することで違う場所に居る内線電話機50(担当者B)に自動的にコールバックする。又、子機ページャ40が、ある時間(呼放棄時間)を過ぎても応答しない場合は、子機ページャ40の鳴動を停止し、コールバック先との接続を行なわない。このため、表示されたデータを子機ページャ40の使用者が確認したかどうかを送信側に知らせることができる双方向通信が可能となる。更に、呼放棄時間を至短時間に設定又はコールバック先の電話番号を指定しない場合、従来と同じページャの役割を果たすことになる。
【0068】
次に、本発明によるページャシステムの第2の実施の形態を図3(b)、図4(b)及び図9乃至図11を用いて説明する。
【0069】
工場内で発生する装置故障を、装置を管理する保守員Aに故障状況を通知し、更に装置を管轄する担当者Bとの間で通話させる。この際、保守員Aは、子機ページャ40(内線番号200)を保有し、担当者Bはコールバック先の内線電話機50(電話番号350〜35n)の近傍に居るものとする。
【0070】
図4(b)に示されるような複数(内線電話機50(1〜n))のコールバック先の電話番号を含むデータがコンピュータ装置20からボタン電話装置10に入力される場合の動作シーケンスを図9に示す。
【0071】
ボタン電話装置10がコンピュータ装置20から入力されるデータに基づき子機ページャ40を呼出し、子機ページャ40との間に伝送路を確保するまでの動作(ステップSB1からステップSB8に相当)と、子機ページャ40とコールバック先の内線電話機50との間の通話後の切断までの動作(ステップSB15a又はSB15bからステップSB17に相当)は、本発明の第1の実施の形態と同じであるので省略する。ただし、メモリテーブルの一例は図3(b)であり、発生時刻は11:40、呼出先の子機ページャ40の内線番号は200、呼放棄時間30秒、表示テキストは故障発生、コールバック先の電話番号は、350から35nである。
【0072】
ボタン電話装置10と、子機ページャ40との間の伝送路を確保した後、交換処理部12aは、応答信号に応じてメモリ16内からコールバック先の電話番号を読み出して前記内線電話機50に対し呼出信号を送信する。この際、メモリテーブル内の複数のコールバック先電話番号から350を選択し、電話番号が350である内線電話機50(350)に対し、呼出し信号を送信する(ステップSC9)。
【0073】
又、子機ページャ40に対し、内線電話機50(350)を呼び出していることを告げる呼出し中信号を送信し(ステップSC10)、子機ページャ40のスピーカ42aから呼出し中を告げる音が発生して、子機ページャ40を使用する保守員Aはコールバック先の担当者Bを呼び出していることを確認する。
【0074】
呼出信号の送信先である内線電話機50(350)が話中である場合、ボタン電話装置10は、内線電話機50(350)から話中を知らせるビジートーンを受信した場合(ステップSC11)、交換処理部12aは、メモリテーブル内のコールバック先電話番号351を選択して、コールバック先の内線電話機50を切り替え、内線電話機50(351)に呼出し信号を送信する(ステップSC12a)。
【0075】
保守員Bが呼出信号を受信する内線電話50(351)から応答できないような場合(例えば、保守員Bが内線電話50(351)近傍に居ない場合)は、交換処理部12aに、コールバック先の内線電話機50に呼出信号を送信する呼出時間を予め設定し、あるいは、コンピュータ装置20から入力されるデータに呼出時間を含め、その呼出時間を交換処理部12aで読み取ることで、呼出信号を送信した内線電話機50(351)から呼出時間を過ぎても応答がない時、メモリテーブルから内線電話機50(352)を選択して呼出信号を送信する(ステップSC12b)。
【0076】
尚、コールバック先の電話番号が複数である場合の電話番号の読み出し方は、記載順でも、事前に優先順をつけて抽出してもその限りではない。又、呼出先の内線電話機50からビジートーンが返信される内線電話機50や呼出時間を経過しても応答信号を送信しない内線電話機50は上記の順に限らない。
【0077】
呼出信号の送信は、応答信号を送信する内線電話機50が現れるまでステップ12a又は、ステップ12bを繰り返し、担当者Bによって、内線電話機50(35n)の受話器が挙げられる等の手段によりボタン電話装置10に応答信号が送信される(ステップSC13)。
【0078】
交換処理部12aは、ボタン電話装置10で受信される応答信号を処理し、内線電話機50(35n)との間の伝送路を確保し(ステップSC14)、呼出し中信号の送信を停止する(ステップSC15)。又、通話スイッチ15を制御して子機ページャ40との間の伝送路と、内線電話機50との間の伝送路を切り替えて、子機ページャ40と内線電話機50との間の伝送路を確保する。確保された伝送路により子機ページャ40を使用する保守員Aと内線電話機50(35n)を使用する担当者Bとの間で通話が可能となる(ステップSC16)。
【0079】
データ内の全てのコールバック先の電話番号に呼び出しを実施し、呼出時間が経過しても、最後の内線電話機50(35n)からの応答信号がない場合のボタン電話装置10の動作を図10に示す。
【0080】
最後の内線電話機50(35n)からの応答信号がない場合、ボタン電話装置10は、図10aに示すように内線電話機50(35n)への呼出信号及び子機ページャ40への呼び出し中信号の送信を止め(ステップSD18a)、子機ページャ40に切断信号を送信し、伝送路の呼放棄を行なう(ステップSD19a)。あるいは、図10(b)に示すように、呼び出し先を最初に呼出信号を送信した内線電話機50(350)に切り替えて(ステップSD18b)、内線電話機50(350)に対し呼出信号を送信し(ステップSD19b)、子機ページャ40切断信号が送信されるまで、ステップSC12a又はステップSC12bを繰り返す。又、ステップSD18bの回帰回数は、自由に選択できる。
【0081】
図11にボタン電話装置10が、内線電話機50を呼出中に子機ページャ40からボタン電話装置10に切断信号が送信された場合の動作を示す。この動作は本発明の第1の実施の形態でも同様である。
【0082】
ボタン電話装置10が、内線電話機50を呼出中に子機ページャ40を操作する担当者Aが切断ボタン49bを押下して、切断信号がボタン電話装置10に送信されると(ステップSD18c)、ボタン電話装置10は、呼出信号と呼出中信号の送信を止め(ステップSD19c)、子機ページャ40に切断信号を送信して子機ページャ40との間の伝送路を開放する(ステップSD20c)。伝送路の開放後は、ステップSB17と同じ動作である。
【0083】
尚、上記実施の形態では、コールバック先を複数の内線電話機50としたが、複数の外部電話機70としても良い。この場合、データにはコールバック先の複数の外部電話機70の電話番号が含まれ、内線制御部14の代わりに外線制御部17が動作する。
【0084】
以上のように、本発明による第2の実施の形態では、コールバック先を複数設定することで、子機ページャ40を持つユーザとその関係連絡先との通話を確実のものとすることができる。又、データをボタン電話装置10に入力するコンピュータ装置20を複数にすることで、より利便性の高いシステムを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】図1は、本発明によるページャシステムの実施の形態の構成の一例である。
【図2】図2は、ボタン電話装置の構成図である。
【図3】図3は、メモリテーブルの一例である。
【図4】図4は、データフォーマットの一例である。
【図5】図5は、子機ページャの構成図である。
【図6】図6は、子機ページャの表示画面の一例である。
【図7】図7は、呼放棄時間内に子機ページャから応答がない場合の本発明によるページャシステムの動作シーケンスである。
【図8】図8は、呼放棄時間内に子機ページャから応答がある場合の本発明によるページャシステムの動作シーケンスである。
【図9】図9は、複数のコールバック先の電話番号を含むデータがコンピュータ装置20からボタン電話装置10に入力される場合の本発明によるページャシステムの動作シーケンスである。
【図10】図10は、データ内の全てのコールバック先の電話番号を呼び出し、呼出時間が経過しても、最後の内線電話機からの応答信号がない場合の本発明によるページャシステムの動作シーケンスである。
【図11】図11は、ボタン電話装置が、内線電話機50を呼出中に子機ページャからボタン電話装置に切断信号が送信された場合の本発明によるページャシステムの動作シーケンスである。
【符号の説明】
【0086】
10:ボタン電話装置
11:CTI制御部
12:CPU
12a:交換処理部
12b:データ処理部
12c:信号処理部
13:アンテナ制御部
14:内線制御部
15:通話スイッチ
16:メモリ
17:外線制御部
18:呼放棄タイマ
20:コンピュータ装置
30:構内アンテナ
40:子機ページャ
41:子機表示部
42:通話部
42a:スピーカ
42b:マイク
42c:通話回路
43:子機アンテナ
44:送受信部
45:子機CPU
46:子機メモリ
47:鳴動部
48:信号制御部
49:信号ボタン
49a:応答ボタン
49b:切断ボタン
50:内線電話機
60:公衆網
70:外部電話機
【技術分野】
【0001】
本発明は、コールバック機能を有したページャシステム及びページャのコールバック方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、PHS(Personal Handyphone System)を利用したページャシステムが一般的となり、工場、病院、運送会社等の広範囲で業務を行なう人の呼び出しや、メッセージの伝達に使用されている。
【0003】
例えば、監視システムの一部として使用されるページャシステムは、工場の生産ラインに使用される。工場では、膨大な数の監視センサーやアラームがあり、異常を検知すると、警報が生産ライン監視システムへ伝達され、さらにその内容はメッセージングサーバ等のコンピュータ装置に送られ、内線網の交換装置を通じて、管轄するライン現場保守員のPHSを利用したページャへ送信される。保守員はページャに表示される警告内容を確認後、現場の対応へと向かう。このように、ページャを所持することでライン保守員は現場にいなくても、管轄場所の状況を用意に把握することができる。
【0004】
又、構内交換機の内線に収容されたPHSを利用したページャに対し、公衆回線を介さずに直接文字データを送信する技術が、特開2003−319090号公報に開示されている(特許文献1参照)。
【0005】
このため、通話料がかからず即時に任意の文字メッセージを個別あるいは同報で、送信することが可能である。
【0006】
しかし、従来のページャは、コンピュータ装置から送信する表示用データを表示するだけで、PHSが有する通話機能が活用されていない。
【0007】
一方、通信回線に接続された親機に複数の子機がそれぞれ通信を行なう通信システムにおいて、通信先を呼び出した子機に対し適切にコールバックする方法が、特開2002−158766号公報に開示されている。通信先から子機にコールバックを行なう場合、親機は、子機と通信先との対応を記録し、通信先に対しコールバックのための発呼を行ない、通信先から着呼を受けると、親機は、前記対応を参照して呼出先の子機を特定してコールバックする方法である。(特許文献2参照)
【0008】
しかし、従来の方法では、子機から通信先との間でコールバックをする旨のコールバック情報がなければ親機で子機と通信先の対応を記録することができず、第3者によって、子機と通信先の通信を確保できない。そのため、ページャから電話機等の通信先に対しコールバックできない。
【特許文献1】特開2003−319090号公報
【特許文献2】特開2002−158766号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、PHSを利用したページャシステムにコールバック機能を持たせて、双方向通信を実現するページャシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下に、[発明を実施するための最良の形態]で使用される番号・符号を括弧付きで用いて、[課題を解決するための手段]を説明する。この番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]の記載との対応関係を明らかにするために付加されたものであるが、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0011】
本発明によるページャシステムは、データを作成するコンピュータ装置(20)に接続されるボタン電話装置(10)と、ボタン電話装置(10)に構内アンテナ(30)を介して収容されるPHSを利用する子機ページャ(40)と、ボタン電話装置(10)に接続される電話機とを具備し、ボタン電話装置(10)は、コンピュータ装置(20)から入力されるデータに基づき、子機ページャ(40)との間の伝送路を確保し、子機ページャ(40)に対し発呼及びデータを送信し、着呼した子機ページャ(40)は、鳴動し、受信されるデータに含まれる文字情報を表示する。着呼した子機ページャ(40)が応答信号をボタン電話装置(10)に送信し、応答信号を受信するボタン電話装置(10)は、データに基づき電話機に発呼する。着呼した電話機が、応答信号をボタン電話装置(10)に送信し、応答信号を受信するボタン電話装置(10)は、子機ページャ(40)と電話機との間に伝送路を確保し、子機ページャ(40)と電話機との間で通信が可能となる。
【0012】
ボタン電話装置(10)は内線電話機(50)を収容し、又、公衆網(60)を介して外部電話機(70)に接続され、子機ページャ(40)から応答信号を受信すると、データに含まれる内線電話機(50)の電話番号、又は、外部電話機(70)の電話番号に対し発呼し、子機ページャ(40)と内線電話機(50)、又は、外部電話機(70)との間の伝送路を確保して通信可能とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明のページャシステム及びページャのコールバック方法によれば、交換装置に収容されるPHS(Personal Handyphone System)を利用したページャに対し、コールバック機能を持たせることで、ページャに表示データを送信するのみの片方向通信と、表示データの送信と内線電話機と間の通信ができる双方向通信が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明によるページャシステムの実施の形態を説明する。
【0015】
以下に図1から図5を用いて、ページャシステムの構成と、動作を示す。
【0016】
図1に本発明によるページャシステムの実施の形態の構成の一例を示す。本発明によるページャシステムは、ボタン電話装置10と、ボタン電話装置10に接続され、文字データやコールバック先の電話番号を作成するコンピュータ装置20と、ボタン電話装置10に収容され、構内で使用されるPHSの子機ページャ40と、ボタン電話装置10の内線回線として収容される複数の内線電話機50と、公衆網60を介してボタン電話装置10と接続される複数の外部電話機70とから構成される。
【0017】
本発明に係るボタン電話装置10は、図2に示されるようにCTI制御部11、CPU12、アンテナ制御部13、内線制御部14、通話スイッチ15、メモリ16、外線制御部17、呼放棄タイマ18とを備え、コンピュータ装置20の情報処理機能とボタン電話装置10の通信機能を統合し、電話の着信情報をコンピュータ装置20の画面に表示したり、コンピュータ装置から入力される電話番号を含むデータから、自動的に電話をかけることができる。又、構内アンテナ30を介して接続することでPHSを収容し、子機ページャ40を内線端末として使用することができる。更に、公衆網60を介して、外部電話機70と接続している。尚、本実施の形態では、ボタン電話装置10としているが本発明の機能を具現できれば交換装置でも構わない。
【0018】
CTI制御部11は、コンピュータ装置20と接続され、コンピュータ装置20との間のデータや信号の入出力を制御する。コンピュータ装置20から入力されるデータは、CPU12のデータ処理部12bで処理されメモリテーブルとしてメモリ16に記憶される。又、子機ページャ40や内線電話機50等の他の端末装置からボタン電話装置10に入力される信号や、CPU12で生成される信号をコンピュータ装置20に出力する。
【0019】
メモリ16は、コンピュータ装置20から入力されるデータをメモリテーブルとして記憶する。
【0020】
メモリテーブルの一例を図3(a)に示す。メモリテーブルは、例えば、装置の故障の発生時刻を示す発生時刻と、呼出先である子機ページャ40の内線番号と、後述する呼放棄時間と、子機ページャ40の子機表示部41に表示される表示テキストと、コールバック先の内線電話機50の電話番号とが関連付けられて記憶する。
【0021】
CPU12は、交換処理部12a、データ処理部12b、信号処理部12cから構成され、ボタン電話装置10内の信号を処理し、各制御部に指令を出してボタン電話装置10全体を制御する。
【0022】
交換処理部12aは、メモリ16に記憶されているメモリテーブルを参照して発呼や着呼の対象となる子機ページャ40や内線電話機50あるいは外部電話機70に対する発呼処理や着呼処理を行ない、ボタン電話装置10に接続される端末装置からの応答信号や切断信号を処理し、ボタン電話装置10内の各制御装置を通じて伝送路を確保又は呼放棄を行なう。又、通話スイッチ15を制御して通信回線の交換処理を行なう。
【0023】
更に、呼放棄タイマ18の始動や終了に伴う呼放棄の処理を実施し、切断信号を子機ページャ40や内線電話機50等に送信して呼放棄を行なう。呼放棄時間とは、ボタン電話装置10が子機ページャ40に発呼してから子機ページャ40から応答信号が返ってくるまでの待ち時間であり、呼放棄時間内に応答信号を受信しない場合、切断信号を送信して呼放棄を行なう。
【0024】
呼放棄タイマ18は、交換処理部12aが子機ページャ40に呼出信号を送信する時に交換処理部12aの指令により呼放棄時間の計測を開始し、呼放棄時間を過ぎると終了する。又、呼放棄時間内に子機ページャ40から応答信号を受信すると、交換処理部12aからの指令により呼放棄時間の計測を停止する。
【0025】
データ処理部12bは、コンピュータ装置20からCTI制御部11を介して入力されるデータを処理し、メモリテーブルをメモリ16に記憶する。又、メモリテーブル内の表示データを抽出し、アンテナ制御部13を介して呼出先の子機ページャ40に送信する。
【0026】
信号処理部12cはボタン電話装置10と接続される各端末装置からの応答信号や切断信号を処理して、各端末装置との間の接続状況をCTI制御部11を介してコンピュータ装置20に送信する。
【0027】
アンテナ制御部13は、構内アンテナ30に接続され、構内アンテナ30を制御してPHS端末である子機ページャ40をボタン電話装置10に収容し、ボタン電話装置10と子機ページャ40との信号やデータの送受信を制御する。
【0028】
内線制御部14は、ボタン電話装置10が収容する内線電話機50と接続され、ボタン電話装置10と内線電話機50との信号やデータの送受信を制御する。
【0029】
通話スイッチ15は、交換処理部12aからの指令により、伝送路を切り替える。例えば、ボタン電話装置10と子機ページャ40との間の伝送路と、ボタン電話装置10と内線電話機50との間の伝送路を切り替えて、子機ページャ40と内線電話機50との間に伝送路を形成する。
【0030】
外線制御部17は、公衆網60を介して外部電話機70と接続され、ボタン電話装置10と外部電話機70との信号やデータの送受信を制御する。
【0031】
コンピュータ装置20は、CTI機能を実現できるソフトウェアを有し、ボタン電話装置10との間のデータの送受信が可能である。ボタン電話装置10に送信されるデータは、例えば、図4(a)に示されるようなデータフォーマットであり、呼出先の子機ページャ40の内線番号と、呼放棄時間と、子機ページャ40に表示される表示データと、コールバック先の電話番号が含まれている。表示データは、子機ページャ40に表示される際の表示位置や背景色、文字のフォント、表示テキスト等の文字情報が含まれている。
【0032】
更に、ボタン電話装置10から応答信号や、切断信号を受信して、ボタン電話装置10を介して接続される各端末装置の接続状況を表示及び記憶することができる。
【0033】
コンピュータ装置20は、ボタン電話装置10の近傍あるいは、IP網等のネットワーク経由で遠隔地に設置され、遠隔地からボタン電話装置10を介して子機ページャ40にデータを送信することができる。
【0034】
データの入力は、コンピュータ装置20を使用するユーザによって人為的に行なっても、予め入力されたデータや外部装置から入力されるデータを基に自動的に送信しても良い。例えば、ある機器の故障を検出すると自動的に故障を知らせる表示データや、コールバック先の内線電話機50と通話するようなデータを特定の子機ページャ40に送信するようにしても良い。
【0035】
PHS端末をページャとして利用した子機ページャ40は、無線回線を介して構内アンテナ30に接続され、ボタン電話装置10に収容される。図5に子機ページャ40の構成を示す。子機ページャ40は、ボタン電話装置10から受信される表示テキストを表示する子機表示部41と、内線電話機50や外部電話機70と通話を行なうための通話部42と、子機アンテナ43と、送受信部44と、子機CPU45と、子機メモリ46と、鳴動部47と、信号制御部48と、信号ボタン49を備える。
【0036】
子機アンテナ43は、PHSを利用した通信回線に接続され、ボタン電話装置10との間のデータや信号の送受信を行なう。送受信部44は、子機CPU45で処理された各種信号や音声をボタン電話装置10に送信し、ボタン電話装置10から受信される信号や各種データを子機CPU45に送信する。
【0037】
CPU45は、送受信部44で受信したデータや信号を処理して子機ページャ40内の各部に送信し、表示テキストの表示や、鳴動処理、発着呼処理、通話処理、ボタン電話装置10や内線電話機50に対する応答信号や切断信号の信号処理を行なう。又、受信されるデータを子機メモリ46に記憶させ、必要に応じて呼び出し先の電話番号を抽出し、発呼処理を行なう。
【0038】
子機メモリ46は、ボタン電話装置10から受信される表示データを記録し、子機CPU45の要請により表示テキストが抽出される。
【0039】
鳴動部47は、ボタン電話装置10から受信される呼出信号を処理した子機CPU45の指令により、鳴動を起こす。
信号制御部48に接続される信号ボタン49は、応答ボタン49aと、切断ボタン49bから構成され、それぞれのボタンを押下することによって、それぞれ応答信号や、切断信号を信号制御部48に入力する。信号制御部48は、子機CPU45の指令に基づき信号ボタン49によって入力される各信号を送受信部44に送信する。
【0040】
通話部42は、スピーカ42aと、マイク42bと、通話回路42cから構成され、ボタン電話装置10や内線電話機50との通話を可能とする。送受信部44から受信され、子機CPU45によって処理される音声データは、通話回路42cを介してスピーカ42aから音声として出力される。又、マイク42bから入力される音声を通話回路42cを介して音声データに変換し、子機CPU45で処理され送受信部44から子機アンテナ43を介し対向する内線電話機50等に送信することで通話が可能となる。
【0041】
送受信部44から受信されるデータは、子機CPU45で処理され子機表示部41に表示される。例えば図6に示されるように、データに含まれる表示データが表示される。
【0042】
以下、本発明によるページャシステムの第1の実施の形態を図7、図8及び図11を用いて説明する。
【0043】
本発明によるページャシステムの好ましい使用例を工場内で使用する場合を一例として説明する。本発明によるページャシステムは、工場内で発生する装置故障の状況を、装置を管理する保守員Aに通知し、更に装置を管轄する担当者Bと保守員Aとの間で通話させる。この際、保守員Aは、子機ページャ40(内線番号200)を保有し、担当者Bはコールバック先の内線電話機50(電話番号350)の近傍に居るものとする。又、故障状況を知らせるコンピュータ装置20は、工場内の故障状況を監視するシステム又は監視員から故障情報を入力されるものとする。尚、本発明によるページャシステムの実施の形態は上記の形態に限るものではない。
【0044】
図7に、呼放棄時間内に子機ページャ40から応答がない場合の本発明によるページャシステムの動作シーケンスを示す。
【0045】
工場内における装置の故障状況が入力されたコンピュータ装置20は、図4(a)に示されるようなデータフォーマットのデータ(発生時刻11:10のデータ)をボタン電話装置10に入力するとともに子機ページャ40に対する呼出しの要求と、データに含まれる表示テキストの表示の要求をボタン電話装置10に行なう(ステップSA1)。
【0046】
ボタン電話装置10のCTI制御部11を介して入力されるデータは、データ処理部12bによって図3(a)に示すメモリテーブルとしてメモリ16に記憶される。メモリテーブルには、データを送信した時刻である発生時刻(11:10)と、呼出先の子機ページャ40の内線番号(200)と、呼放棄時間(30秒)と、子機ページャ40に表示する表示テキスト(故障発生)と、コールバック先の担当者Bが保有する内線電話機50の電話番号(350)が記録される。
【0047】
交換処理部12aは、メモリ16に記憶されたメモリテーブルから呼出先内線番号(200)を読み出し、アンテナ制御部13に、呼出先の子機ページャ40との間の無線の伝送路を確保させ(ステップSA2)、発呼処理を行なう。又、データ処理部12bは、データに含まれる表示データを抽出し、アンテナ制御部13に送信する。アンテナ制御部13は、表示データを構内アンテナ30を介して無線データとしてPHS網に送信する(ステップSA3)。更に、交換処理部12aは、メモリテーブルから呼放棄時間(30秒)を抽出し、呼放棄タイマ18に呼放棄時間の測定を開始させる。(ステップSA4)。
【0048】
構内アンテナ30からの無線データを受信した内線番号200の子機ページャ40は、鳴動するとともに受信される表示データを図6に示されるように子機表示部41に表示し、表示データを子機メモリ46に記憶させる(ステップSA5)。
【0049】
子機ページャ40を保有する保守員Aによって応答ボタン49aが押下されず、応答信号がボタン電話装置10に送信されずに呼放棄時間(30秒)を経過すると、交換処理部12aは、呼放棄タイマ18に呼放棄時間の計測を終了させ(ステップSA6)、切断信号を子機ページャ40に送信し、無線の伝送路を開放する(ステップSA7)。
【0050】
切断信号を受信した子機ページャ40は、鳴動を停止する(ステップSA8)。又、交換処理部12aは、ボタン電話装置10と子機ページャ40との間の伝送路を開放する(SA9)。保守員Aによって切断ボタン49bが押下されるまで、表示データは表示され、切断ボタン49bが押下されると表示は子機表示部41から消去される(ステップSA10)。尚、表示されなくなった表示データは、再度子機メモリ46内から呼び出して表示することができる。
【0051】
子機ページャ40から切断信号を送信した信号処理部12cはコールバック先の内線電話機50と子機ページャ40との間の伝送路を確保できなかったこと示す呼放棄信号をコンピュータ装置20に送信し、コンピュータ装置20は、子機ページャ40と内線電話機50との間の接続状況をログとして記憶する(ステップSA11)。
【0052】
次に、ボタン電話装置10が子機ページャ40に発呼してから呼放棄時間内に応答信号を受信し、子機ページャ40とコールバック先の内線電話機50との間で通信を行なう場合について図8の動作シーケンスを用いて説明する。
【0053】
工場内における装置の故障状況が入力されたコンピュータ装置20は、図4(a)に示されるようなデータフォーマットのデータ(発生時刻11:10のデータ)をボタン電話装置10に入力するとともに子機ページャ40に対する呼出しの要求と、データに含まれる表示テキストの表示の要求をボタン電話装置10に行なう(ステップSB1)。
【0054】
ボタン電話装置10のCTI制御部11を介して入力されるデータは、データ処理部12bによって図3(a)に示すメモリテーブルとしてメモリ16に記憶される。メモリテーブルには、データを送信した時刻である発生時刻(11:10)と、呼出先の子機ページャ40の内線番号(200)と、呼放棄時間(30秒)と、子機ページャ40に表示する表示テキスト(故障発生)と、コールバック先の担当者Bが保有する内線電話機50の電話番号(200)が記録される。
【0055】
交換処理部12aは、メモリ16に記憶されたメモリテーブルから呼出先内線番号(200)を読み出し、アンテナ制御部13に、子機ページャ40との間の無線の伝送路を確保させ(ステップSB2)、子機ページャ40に対して発呼処理を行なう。又、データ処理部12bは、データに含まれる表示データを抽出し、アンテナ制御部13に送信する。アンテナ制御部13は、表示データを、構内アンテナ30を介して無線データとしてPHS網に送信する(ステップSB3)。又、交換処理部12aは、メモリテーブルから呼放棄時間(30秒)を抽出し、呼放棄タイマ18に呼放棄時間の測定を開始させる。(ステップSB4)。
【0056】
構内アンテナ30からの無線データを受信した内線番号200の子機ページャ40は、鳴動するとともに受信される表示データを子機表示部41に表示し、表示データを子機メモリ46に記憶させる(ステップSB5)。
【0057】
データを受信してから呼放棄時間(30秒)以内に、子機ページャ40を保有する保守員Aによって応答ボタン49aが押下されると(ステップSB6)、鳴動が停止するとともに応答信号が信号制御部48から送受信部44を介してボタン電話装置10に送信される。(ステップSB7)。
【0058】
応答信号を受信したボタン電話装置10の信号処理部12cは、コンピュータ装置20に応答信号が受信されたことを報告し、コンピュータ装置20は、子機ページャ40が応答したことをログとして記憶する(ステップSB8)。
【0059】
交換処理部12aは、応答信号に応じてメモリ16内からコールバック先の内線電話機50の電話番号350を読み出して電話番号350の内線電話機50に対し呼出信号を送信する(ステップSB9)とともに、子機ページャ40に対し、内線電話機50を呼び出していることを告げる呼出し中信号を送信する(ステップSB10)。この際、子機ページャ40のスピーカ42aから呼出し中を告げる音が発生し、保守員Aはコールバック先の担当者Bを呼び出していることを確認できる。
【0060】
内線電話機50は呼出信号を受信すると鳴動し、担当者Bによって、オフフック等の応答手段によりボタン電話装置10に応答信号が送信される(ステップSB11)。この際、オフフックの方法は、応答信号が送信されれば、受話器を挙げることによる方法や受話ボタンを押下する等、限定しない。
【0061】
交換処理部12aは、ボタン電話装置10で受信される応答信号を処理し、内線電話機50との間の伝送路を確保し(ステップSB12)、呼出し中信号の送信を停止する(ステップSB13)。又、通話スイッチ15を制御して子機ページャ40との間の伝送路と、内線電話機50との間の伝送路を切り替えて、子機ページャ40と内線電話機50との間の伝送路を確保する。確保された伝送路により子機ページャ40を使用する保守員Aと内線電話機50を使用する担当者Bとの間で通話が可能となる(ステップSB14)。
【0062】
通話を終了した保守員Aによって切断ボタン49bが押下されると子機ページャ40の子機表示部41に表示されていた表示データは消去され、切断信号がボタン電話装置10に送信され、ボタン電話装置10の交換処理部12aは、ボタン電話装置10と子機ページャ40との間の伝送路を開放する(ステップSB15a)。又、ボタン電話装置10の交換処理部12aは、切断信号を受信すると内線電話機50に切断信号を送信し、ボタン電話装置10と内線電話機50との間の伝送路を開放する(SB16a)。信号処理部12cはコンピュータ装置20に子機ページャ40と内線電話機50と間の伝送路を切断したことを報告し、コンピュータ装置20は、伝送路の切断を確認し、ログとして記録する(ステップSB17)。
【0063】
一方、通話が終了した担当者Bが担当者Aより先に内線電話機50がオンフックする場合、切断信号がボタン電話装置10に送信され、交換処理部12aは、ボタン電話装置10と内線電話機50との間の伝送路を開放する(ステップSB15b)、又、切断信号を受信する交換処理部12aは、子機ページャ40との間の伝送路を開放する(ステップSB16b)。切断後はステップSB17に移行する。
【0064】
尚、子機ページャ40と内線電話機50の伝送路の切断のタイミングは、どちらが先でも構わなく、内線電話機50が先に切断信号を送信した場合もステップSB17に移行し、コンピュータ装置20に切断の報告をする。
【0065】
又、図11に示されるように、ボタン電話装置10が内線電話機50に呼出信号を送信する際、内線電話機50が話中である場合や、担当者Bが不在で応答しない場合、保守員Aは、子機ページャ40の切断ボタン49bを押下して、切断信号がボタン電話装置10に送信されると(ステップSD18c)、ボタン電話装置10は、呼出信号と呼出中信号の送信を止め(ステップSD19c)、子機ページャ40に切断信号を送信して子機ページャ40との間の伝送路を開放する(ステップSD20c)。伝送路の開放後は、ステップSB17と同じ動作である。
【0066】
尚、上記実施の形態では、コールバック先を内線電話機50としたが、外部電話機70としても良い。この場合、データにはコールバック先の電話番号が含まれ、内線制御部14の代わりに外線制御部17が動作する。この場合、コールバック先の電話番号として外部電話機の電話番号を登録することで、ボタン電話装置10の設置場所とは異なる遠隔地において子機ページャ40が応答したことを判断でき、通話も可能となる。
【0067】
以上のように、本発明によるページャシステムは、工場内の機器の故障などの情報を現場から離れた子機ページャ40を持つ保守員Aに文字情報として送信し、保守員が応答することで違う場所に居る内線電話機50(担当者B)に自動的にコールバックする。又、子機ページャ40が、ある時間(呼放棄時間)を過ぎても応答しない場合は、子機ページャ40の鳴動を停止し、コールバック先との接続を行なわない。このため、表示されたデータを子機ページャ40の使用者が確認したかどうかを送信側に知らせることができる双方向通信が可能となる。更に、呼放棄時間を至短時間に設定又はコールバック先の電話番号を指定しない場合、従来と同じページャの役割を果たすことになる。
【0068】
次に、本発明によるページャシステムの第2の実施の形態を図3(b)、図4(b)及び図9乃至図11を用いて説明する。
【0069】
工場内で発生する装置故障を、装置を管理する保守員Aに故障状況を通知し、更に装置を管轄する担当者Bとの間で通話させる。この際、保守員Aは、子機ページャ40(内線番号200)を保有し、担当者Bはコールバック先の内線電話機50(電話番号350〜35n)の近傍に居るものとする。
【0070】
図4(b)に示されるような複数(内線電話機50(1〜n))のコールバック先の電話番号を含むデータがコンピュータ装置20からボタン電話装置10に入力される場合の動作シーケンスを図9に示す。
【0071】
ボタン電話装置10がコンピュータ装置20から入力されるデータに基づき子機ページャ40を呼出し、子機ページャ40との間に伝送路を確保するまでの動作(ステップSB1からステップSB8に相当)と、子機ページャ40とコールバック先の内線電話機50との間の通話後の切断までの動作(ステップSB15a又はSB15bからステップSB17に相当)は、本発明の第1の実施の形態と同じであるので省略する。ただし、メモリテーブルの一例は図3(b)であり、発生時刻は11:40、呼出先の子機ページャ40の内線番号は200、呼放棄時間30秒、表示テキストは故障発生、コールバック先の電話番号は、350から35nである。
【0072】
ボタン電話装置10と、子機ページャ40との間の伝送路を確保した後、交換処理部12aは、応答信号に応じてメモリ16内からコールバック先の電話番号を読み出して前記内線電話機50に対し呼出信号を送信する。この際、メモリテーブル内の複数のコールバック先電話番号から350を選択し、電話番号が350である内線電話機50(350)に対し、呼出し信号を送信する(ステップSC9)。
【0073】
又、子機ページャ40に対し、内線電話機50(350)を呼び出していることを告げる呼出し中信号を送信し(ステップSC10)、子機ページャ40のスピーカ42aから呼出し中を告げる音が発生して、子機ページャ40を使用する保守員Aはコールバック先の担当者Bを呼び出していることを確認する。
【0074】
呼出信号の送信先である内線電話機50(350)が話中である場合、ボタン電話装置10は、内線電話機50(350)から話中を知らせるビジートーンを受信した場合(ステップSC11)、交換処理部12aは、メモリテーブル内のコールバック先電話番号351を選択して、コールバック先の内線電話機50を切り替え、内線電話機50(351)に呼出し信号を送信する(ステップSC12a)。
【0075】
保守員Bが呼出信号を受信する内線電話50(351)から応答できないような場合(例えば、保守員Bが内線電話50(351)近傍に居ない場合)は、交換処理部12aに、コールバック先の内線電話機50に呼出信号を送信する呼出時間を予め設定し、あるいは、コンピュータ装置20から入力されるデータに呼出時間を含め、その呼出時間を交換処理部12aで読み取ることで、呼出信号を送信した内線電話機50(351)から呼出時間を過ぎても応答がない時、メモリテーブルから内線電話機50(352)を選択して呼出信号を送信する(ステップSC12b)。
【0076】
尚、コールバック先の電話番号が複数である場合の電話番号の読み出し方は、記載順でも、事前に優先順をつけて抽出してもその限りではない。又、呼出先の内線電話機50からビジートーンが返信される内線電話機50や呼出時間を経過しても応答信号を送信しない内線電話機50は上記の順に限らない。
【0077】
呼出信号の送信は、応答信号を送信する内線電話機50が現れるまでステップ12a又は、ステップ12bを繰り返し、担当者Bによって、内線電話機50(35n)の受話器が挙げられる等の手段によりボタン電話装置10に応答信号が送信される(ステップSC13)。
【0078】
交換処理部12aは、ボタン電話装置10で受信される応答信号を処理し、内線電話機50(35n)との間の伝送路を確保し(ステップSC14)、呼出し中信号の送信を停止する(ステップSC15)。又、通話スイッチ15を制御して子機ページャ40との間の伝送路と、内線電話機50との間の伝送路を切り替えて、子機ページャ40と内線電話機50との間の伝送路を確保する。確保された伝送路により子機ページャ40を使用する保守員Aと内線電話機50(35n)を使用する担当者Bとの間で通話が可能となる(ステップSC16)。
【0079】
データ内の全てのコールバック先の電話番号に呼び出しを実施し、呼出時間が経過しても、最後の内線電話機50(35n)からの応答信号がない場合のボタン電話装置10の動作を図10に示す。
【0080】
最後の内線電話機50(35n)からの応答信号がない場合、ボタン電話装置10は、図10aに示すように内線電話機50(35n)への呼出信号及び子機ページャ40への呼び出し中信号の送信を止め(ステップSD18a)、子機ページャ40に切断信号を送信し、伝送路の呼放棄を行なう(ステップSD19a)。あるいは、図10(b)に示すように、呼び出し先を最初に呼出信号を送信した内線電話機50(350)に切り替えて(ステップSD18b)、内線電話機50(350)に対し呼出信号を送信し(ステップSD19b)、子機ページャ40切断信号が送信されるまで、ステップSC12a又はステップSC12bを繰り返す。又、ステップSD18bの回帰回数は、自由に選択できる。
【0081】
図11にボタン電話装置10が、内線電話機50を呼出中に子機ページャ40からボタン電話装置10に切断信号が送信された場合の動作を示す。この動作は本発明の第1の実施の形態でも同様である。
【0082】
ボタン電話装置10が、内線電話機50を呼出中に子機ページャ40を操作する担当者Aが切断ボタン49bを押下して、切断信号がボタン電話装置10に送信されると(ステップSD18c)、ボタン電話装置10は、呼出信号と呼出中信号の送信を止め(ステップSD19c)、子機ページャ40に切断信号を送信して子機ページャ40との間の伝送路を開放する(ステップSD20c)。伝送路の開放後は、ステップSB17と同じ動作である。
【0083】
尚、上記実施の形態では、コールバック先を複数の内線電話機50としたが、複数の外部電話機70としても良い。この場合、データにはコールバック先の複数の外部電話機70の電話番号が含まれ、内線制御部14の代わりに外線制御部17が動作する。
【0084】
以上のように、本発明による第2の実施の形態では、コールバック先を複数設定することで、子機ページャ40を持つユーザとその関係連絡先との通話を確実のものとすることができる。又、データをボタン電話装置10に入力するコンピュータ装置20を複数にすることで、より利便性の高いシステムを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】図1は、本発明によるページャシステムの実施の形態の構成の一例である。
【図2】図2は、ボタン電話装置の構成図である。
【図3】図3は、メモリテーブルの一例である。
【図4】図4は、データフォーマットの一例である。
【図5】図5は、子機ページャの構成図である。
【図6】図6は、子機ページャの表示画面の一例である。
【図7】図7は、呼放棄時間内に子機ページャから応答がない場合の本発明によるページャシステムの動作シーケンスである。
【図8】図8は、呼放棄時間内に子機ページャから応答がある場合の本発明によるページャシステムの動作シーケンスである。
【図9】図9は、複数のコールバック先の電話番号を含むデータがコンピュータ装置20からボタン電話装置10に入力される場合の本発明によるページャシステムの動作シーケンスである。
【図10】図10は、データ内の全てのコールバック先の電話番号を呼び出し、呼出時間が経過しても、最後の内線電話機からの応答信号がない場合の本発明によるページャシステムの動作シーケンスである。
【図11】図11は、ボタン電話装置が、内線電話機50を呼出中に子機ページャからボタン電話装置に切断信号が送信された場合の本発明によるページャシステムの動作シーケンスである。
【符号の説明】
【0086】
10:ボタン電話装置
11:CTI制御部
12:CPU
12a:交換処理部
12b:データ処理部
12c:信号処理部
13:アンテナ制御部
14:内線制御部
15:通話スイッチ
16:メモリ
17:外線制御部
18:呼放棄タイマ
20:コンピュータ装置
30:構内アンテナ
40:子機ページャ
41:子機表示部
42:通話部
42a:スピーカ
42b:マイク
42c:通話回路
43:子機アンテナ
44:送受信部
45:子機CPU
46:子機メモリ
47:鳴動部
48:信号制御部
49:信号ボタン
49a:応答ボタン
49b:切断ボタン
50:内線電話機
60:公衆網
70:外部電話機
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを作成するコンピュータ装置と
前記コンピュータ装置に接続される交換装置と、
前記交換装置に収容される無線通信システムを利用する子機と、
前記交換装置に接続される電話機とを具備し、
前記交換装置は、前記コンピュータ装置から入力される前記データに基づき前記子機との間の第1の伝送路を確保し、前記子機に対し発呼及び前記データを送信し、
呼を受ける前記子機は、鳴動し、前記データを受信して表示し、
前記子機は、第1の応答信号を前記交換装置に送信し、
前記交換装置は、前記第1の応答信号を受信すると、前記データに基づき前記電話機に発呼し、
呼を受ける前記電話機は、第2の応答信号を前記交換装置に送信し、
前記交換装置は、前記第2の応答信号を受信すると、前記子機と前記電話機との間の第2の伝送路を確保し、前記子機と前記電話機との間で通信を行なう
ページャシステム。
【請求項2】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記データは、文字情報と前記電話機の電話番号とを含み、
前記子機は、前記交換装置から受信される前記文字情報を表示し、
前記第1の応答信号を受信する前記交換装置は、前記電話番号を有する前記電話機に発呼し、前記子機と前記電話機との間の前記第2の伝送路を確保して通信を行なう
ページャシステム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のシステムにおいて、
前記データは、呼放棄時間を含み、
呼放棄時間は、前記交換装置が前記子機に対し発呼してから、切断信号を前記子機に送信するまでの時間であり、
前記交換装置が、前記子機に対し発呼してから、呼放棄時間を超えて、前記子機から第1の応答信号を受信しない場合、
前記交換装置は、前記切断信号を前記子機に送信し、前記第1の伝送路を開放し、
前記子機は受信される前記切断信号により前記鳴動を停止する
ページャシステム。
【請求項4】
請求項3に記載のシステムにおいて、
前記交換装置が、前記子機に対し発呼してから、前記呼放棄時間内に、前記子機から前記第1の応答信号を受信する場合、
前記交換装置は、前記子機と前記電話機との間の第2の伝送路を確保して前記子機と前記電話機との間の通信を行なう
ページャシステム。
【請求項5】
請求項1から4いずれか1項に記載のシステムにおいて、
前記データは、前記電話機の電話番号をn個(nは2以上の整数)含み、
前記交換装置は、発呼先の前記電話機から前記第2の応答信号を受信しない場合、前記データに基づき発呼先を切り替えて、他の電話機に対し発呼し、前記第2の応答信号を受信するまで、第1番目の電話機から順に発呼先の電話機を切り替えて発呼し、第n番目の電話機から前記応答信号を受信しない時、呼出信号の送信を停止する
ページャシステム。
【請求項6】
請求項5記載のシステムにおいて、
前記交換装置は、発呼先の前記電話機から前記第2の応答信号を受信すると、前記子機と前記電話機との間の前記第2の伝送路を確保して、前記子機と前記電話機との間の通信を行なう
ページャシステム。
【請求項7】
請求項1から4いずれか1項に記載のシステムにおいて、
前記データは、前記電話機の電話番号をn個(nは2以上の整数)含み、
前記交換装置は、発呼先の前記電話機から前記第2の応答信号を受信しない場合、前記データに基づき発呼先を切り替えて、他の電話機に対し発呼し、前記第2の応答信号を受信するまで、第1番目の電話機から順に発呼先の電話機を切り替えて発呼し、第n番目の電話機から前記応答信号を受信しない時、前記1番目の電話機に発呼し、前記第2の応答信号が受信されるまで発呼先を切り替えて発呼を行なう
ページャシステム。
【請求項8】
請求項1から7いずれか1項に記載のシステムにおいて、
前記交換装置は、前記電話機に発呼している間に前記子機から切断信号を受信すると、前期発呼を停止し、前記子機との間の第1の伝送路を開放する
ページャシステム。
【請求項9】
請求項1から8いずれか1項に記載のシステムにおいて、
前記交換装置は内線電話機を収容し、
前記データは、文字情報と前記内線電話機の内線番号とを含み、
前記第1の応答信号を受信する前記交換装置は、前記内線番号を有する前記内線電話機に発呼し、前記子機と前記内線電話機との間の前記第2の伝送路を確保して通信を行なう
ページャシステム。
【請求項10】
請求項1から8いずれか1項に記載のシステムにおいて、
前記交換装置は少なくとも1つの外部電話機を収容する他の通信網と接続され、
前記データは、前記外部電話機の電話番号を含み、
前記第1の応答信号を受信する前記交換装置は、前記電話番号を有する前記外部電話機に発呼し、前記子機と前記外部電話機との間の前記第2の伝送路を確保して通信を行なう
ページャシステム。
【請求項11】
請求項1から10いずれか1項に記載のシステムにおいて、
前記交換装置はボタン電話装置である
ページャシステム。
【請求項12】
請求項1から11いずれか1項に記載のシステムにおいて、
前記無線通信システムは、PHSである
ページャシステム。
【請求項13】
交換装置が、入力されるデータに基づき前記交換装置と子機との間の第1の伝送路を確保するステップと、
前記交換装置が、前記子機に対し発呼するとともに前記データを送信するステップと、
呼を受ける前記子機が鳴動し、受信される前記データを表示するステップと、
前記子機が第1の応答信号を前記交換装置に送信するステップと、
前記交換装置が、前記第1の応答信号を受信し、前記データに基づき電話機に発呼するステップと、
呼を受ける前記電話機が第2の応答信号を送信するステップと、
前記交換装置が、前記第2の応答信号を受信し、前記子機と前記電話機との間の第2の伝送路を確保するステップとを備え、
前記子機と前記電話機との間の通信を可能とする
ページャのコールバック方法。
【請求項14】
請求項13記載の方法において、
前記データは、文字情報と前記電話機の電話番号とを含み、
前記子機が、前記交換装置から受信される前記文字情報を表示するステップと、
前記第1の応答信号を受信する前記交換装置が、前記電話番号を有する前記電話機に発呼するステップと、
前記子機と前記電話機との間の前記第2の伝送路を確保するステップとを備える
ページャのコールバック方法。
【請求項15】
請求項13又は14記載の方法において、
前記データは、呼放棄時間を含み、
前記交換装置が、前記子機に発呼するステップと、
前記交換装置が、前記子機に発呼してから呼放棄時間を計測するステップと、
呼放棄時間経過後、前記交換装置が前記切断信号を前記子機に送信し、前記第1の伝送路を開放するステップと、
前記子機が、受信される前記切断信号により鳴動を停止するステップとを備える
ページャのコールバック方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法において、
前記交換装置が、前記子機に対し発呼してから前記呼放棄時間内に、前記第1の応答信号を前記子機から受信するステップと、
前記交換装置が、前記子機と前記電話機との間の前記第2の伝送路を確保するステップとを備える
ページャのコールバック方法。
【請求項17】
請求項13から16いずれか1項に記載の方法において、
前記データは、前記電話機の電話番号をn個(nは2以上の整数)含み、
前記交換装置が、発呼先の前記電話機から前記第2の応答信号を受信しない場合、前記データに基づき順に発呼先を切り替えて、他の電話機に対し発呼するステップと、
第n番目の電話機から前記応答信号を受信しない場合、前記交換装置が、呼出信号の送信を停止するステップとを備える
ページャのコールバック方法。
【請求項18】
請求項17記載のシステムにおいて、
前記交換装置が、発呼先の前記電話機から前記第2の応答信号を受信するステップと、
前記電話機と前記子機との間の前記第2の伝送路を確保するステップとを備える
ページャのコールバック方法。
【請求項19】
請求項13から16いずれか1項に記載の方法において、
前記データは、前記電話機の電話番号をn個(nは2以上の整数)含み、
前記交換装置が、発呼先の前記電話機から前記第2の応答信号を受信しない場合、前記データに基づき発呼先を切り替えて、他の電話機に対し発呼するステップと、
前記第2の応答信号を受信するまで、第1番目の電話機から順に発呼先の電話機を切り替えて発呼するステップと、
第n番目の電話機から前記応答信号を受信しない前記交換装置が、前記第1番目の電話機に発呼し、前記第2の応答信号が受信されるまで発呼先の切り替え及び発呼するステップとを備える
ページャのコールバック方法。
【請求項20】
請求項13から19いずれか1項に記載の方法において、
前記交換装置が前記電話機に発呼している間に、前記子機が前記交換装置に前記切断信号を送信するステップと、
前記切断信号を受信する前記交換装置が前記発呼を停止するステップと、
前記交換装置と前記子機との間の前記第1の伝送路を開放するステップとを備えた
ページャのコールバック方法。
【請求項1】
データを作成するコンピュータ装置と
前記コンピュータ装置に接続される交換装置と、
前記交換装置に収容される無線通信システムを利用する子機と、
前記交換装置に接続される電話機とを具備し、
前記交換装置は、前記コンピュータ装置から入力される前記データに基づき前記子機との間の第1の伝送路を確保し、前記子機に対し発呼及び前記データを送信し、
呼を受ける前記子機は、鳴動し、前記データを受信して表示し、
前記子機は、第1の応答信号を前記交換装置に送信し、
前記交換装置は、前記第1の応答信号を受信すると、前記データに基づき前記電話機に発呼し、
呼を受ける前記電話機は、第2の応答信号を前記交換装置に送信し、
前記交換装置は、前記第2の応答信号を受信すると、前記子機と前記電話機との間の第2の伝送路を確保し、前記子機と前記電話機との間で通信を行なう
ページャシステム。
【請求項2】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記データは、文字情報と前記電話機の電話番号とを含み、
前記子機は、前記交換装置から受信される前記文字情報を表示し、
前記第1の応答信号を受信する前記交換装置は、前記電話番号を有する前記電話機に発呼し、前記子機と前記電話機との間の前記第2の伝送路を確保して通信を行なう
ページャシステム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のシステムにおいて、
前記データは、呼放棄時間を含み、
呼放棄時間は、前記交換装置が前記子機に対し発呼してから、切断信号を前記子機に送信するまでの時間であり、
前記交換装置が、前記子機に対し発呼してから、呼放棄時間を超えて、前記子機から第1の応答信号を受信しない場合、
前記交換装置は、前記切断信号を前記子機に送信し、前記第1の伝送路を開放し、
前記子機は受信される前記切断信号により前記鳴動を停止する
ページャシステム。
【請求項4】
請求項3に記載のシステムにおいて、
前記交換装置が、前記子機に対し発呼してから、前記呼放棄時間内に、前記子機から前記第1の応答信号を受信する場合、
前記交換装置は、前記子機と前記電話機との間の第2の伝送路を確保して前記子機と前記電話機との間の通信を行なう
ページャシステム。
【請求項5】
請求項1から4いずれか1項に記載のシステムにおいて、
前記データは、前記電話機の電話番号をn個(nは2以上の整数)含み、
前記交換装置は、発呼先の前記電話機から前記第2の応答信号を受信しない場合、前記データに基づき発呼先を切り替えて、他の電話機に対し発呼し、前記第2の応答信号を受信するまで、第1番目の電話機から順に発呼先の電話機を切り替えて発呼し、第n番目の電話機から前記応答信号を受信しない時、呼出信号の送信を停止する
ページャシステム。
【請求項6】
請求項5記載のシステムにおいて、
前記交換装置は、発呼先の前記電話機から前記第2の応答信号を受信すると、前記子機と前記電話機との間の前記第2の伝送路を確保して、前記子機と前記電話機との間の通信を行なう
ページャシステム。
【請求項7】
請求項1から4いずれか1項に記載のシステムにおいて、
前記データは、前記電話機の電話番号をn個(nは2以上の整数)含み、
前記交換装置は、発呼先の前記電話機から前記第2の応答信号を受信しない場合、前記データに基づき発呼先を切り替えて、他の電話機に対し発呼し、前記第2の応答信号を受信するまで、第1番目の電話機から順に発呼先の電話機を切り替えて発呼し、第n番目の電話機から前記応答信号を受信しない時、前記1番目の電話機に発呼し、前記第2の応答信号が受信されるまで発呼先を切り替えて発呼を行なう
ページャシステム。
【請求項8】
請求項1から7いずれか1項に記載のシステムにおいて、
前記交換装置は、前記電話機に発呼している間に前記子機から切断信号を受信すると、前期発呼を停止し、前記子機との間の第1の伝送路を開放する
ページャシステム。
【請求項9】
請求項1から8いずれか1項に記載のシステムにおいて、
前記交換装置は内線電話機を収容し、
前記データは、文字情報と前記内線電話機の内線番号とを含み、
前記第1の応答信号を受信する前記交換装置は、前記内線番号を有する前記内線電話機に発呼し、前記子機と前記内線電話機との間の前記第2の伝送路を確保して通信を行なう
ページャシステム。
【請求項10】
請求項1から8いずれか1項に記載のシステムにおいて、
前記交換装置は少なくとも1つの外部電話機を収容する他の通信網と接続され、
前記データは、前記外部電話機の電話番号を含み、
前記第1の応答信号を受信する前記交換装置は、前記電話番号を有する前記外部電話機に発呼し、前記子機と前記外部電話機との間の前記第2の伝送路を確保して通信を行なう
ページャシステム。
【請求項11】
請求項1から10いずれか1項に記載のシステムにおいて、
前記交換装置はボタン電話装置である
ページャシステム。
【請求項12】
請求項1から11いずれか1項に記載のシステムにおいて、
前記無線通信システムは、PHSである
ページャシステム。
【請求項13】
交換装置が、入力されるデータに基づき前記交換装置と子機との間の第1の伝送路を確保するステップと、
前記交換装置が、前記子機に対し発呼するとともに前記データを送信するステップと、
呼を受ける前記子機が鳴動し、受信される前記データを表示するステップと、
前記子機が第1の応答信号を前記交換装置に送信するステップと、
前記交換装置が、前記第1の応答信号を受信し、前記データに基づき電話機に発呼するステップと、
呼を受ける前記電話機が第2の応答信号を送信するステップと、
前記交換装置が、前記第2の応答信号を受信し、前記子機と前記電話機との間の第2の伝送路を確保するステップとを備え、
前記子機と前記電話機との間の通信を可能とする
ページャのコールバック方法。
【請求項14】
請求項13記載の方法において、
前記データは、文字情報と前記電話機の電話番号とを含み、
前記子機が、前記交換装置から受信される前記文字情報を表示するステップと、
前記第1の応答信号を受信する前記交換装置が、前記電話番号を有する前記電話機に発呼するステップと、
前記子機と前記電話機との間の前記第2の伝送路を確保するステップとを備える
ページャのコールバック方法。
【請求項15】
請求項13又は14記載の方法において、
前記データは、呼放棄時間を含み、
前記交換装置が、前記子機に発呼するステップと、
前記交換装置が、前記子機に発呼してから呼放棄時間を計測するステップと、
呼放棄時間経過後、前記交換装置が前記切断信号を前記子機に送信し、前記第1の伝送路を開放するステップと、
前記子機が、受信される前記切断信号により鳴動を停止するステップとを備える
ページャのコールバック方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法において、
前記交換装置が、前記子機に対し発呼してから前記呼放棄時間内に、前記第1の応答信号を前記子機から受信するステップと、
前記交換装置が、前記子機と前記電話機との間の前記第2の伝送路を確保するステップとを備える
ページャのコールバック方法。
【請求項17】
請求項13から16いずれか1項に記載の方法において、
前記データは、前記電話機の電話番号をn個(nは2以上の整数)含み、
前記交換装置が、発呼先の前記電話機から前記第2の応答信号を受信しない場合、前記データに基づき順に発呼先を切り替えて、他の電話機に対し発呼するステップと、
第n番目の電話機から前記応答信号を受信しない場合、前記交換装置が、呼出信号の送信を停止するステップとを備える
ページャのコールバック方法。
【請求項18】
請求項17記載のシステムにおいて、
前記交換装置が、発呼先の前記電話機から前記第2の応答信号を受信するステップと、
前記電話機と前記子機との間の前記第2の伝送路を確保するステップとを備える
ページャのコールバック方法。
【請求項19】
請求項13から16いずれか1項に記載の方法において、
前記データは、前記電話機の電話番号をn個(nは2以上の整数)含み、
前記交換装置が、発呼先の前記電話機から前記第2の応答信号を受信しない場合、前記データに基づき発呼先を切り替えて、他の電話機に対し発呼するステップと、
前記第2の応答信号を受信するまで、第1番目の電話機から順に発呼先の電話機を切り替えて発呼するステップと、
第n番目の電話機から前記応答信号を受信しない前記交換装置が、前記第1番目の電話機に発呼し、前記第2の応答信号が受信されるまで発呼先の切り替え及び発呼するステップとを備える
ページャのコールバック方法。
【請求項20】
請求項13から19いずれか1項に記載の方法において、
前記交換装置が前記電話機に発呼している間に、前記子機が前記交換装置に前記切断信号を送信するステップと、
前記切断信号を受信する前記交換装置が前記発呼を停止するステップと、
前記交換装置と前記子機との間の前記第1の伝送路を開放するステップとを備えた
ページャのコールバック方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−13966(P2006−13966A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−188860(P2004−188860)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】
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