説明

ペースト混練脱泡装置およびペースト混練脱泡装置におけるペースト容器ホルダー

【課題】ペースト容器を確実に保持固定することができ、しかも、種々の大きさのペースト容器に対応することができて高い汎用性を得ることのできるペースト容器ホルダーおよびペースト混練脱泡装置を提供する。
【解決手段】ペースト容器ホルダーは、ペースト容器を公転させながら自転させることにより当該ペースト容器内のペースト材料の混練、脱泡を行うペースト混練脱泡装置を構成するものであって、円筒型のペースト容器を受容するホルダー本体31と、各々、円弧状の容器保持面を有する、少なくとも2つ以上の保持具36と、当該保持具36の各々を一斉に径方向に移動させる位置調整機構とを有するペースト容器保持手段とを備えてなり、位置調整機構によって、すべての保持具をその容器保持面がペースト容器の外周面に当接されるよう位置調整することによりペースト容器を保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペースト混練脱泡装置およびペースト混練脱泡装置におけるペースト容器ホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、スクリーン印刷機によってプリント回路基板の表面に適用されるソルダーペーストや、導電インキなどの電子産業において用いられるペースト材料や、医療分野におけるぬり薬の調合ペーストなどのペースト材料は、十分に混練、脱泡した状態で使用されることが必要とされる。
【0003】
現在、ペースト材料の混練、脱泡処理を行うためのペースト混練脱泡装置として、種々のタイプのものが提案されており、このようなペースト混練脱泡装置のある種のものは、図10に示すように、公転用駆動回転軸11の周りに公転されながら、当該公転用駆動回転軸11と斜めに交叉するよう伸びる自転用駆動回転軸20の周りに自転されるペースト容器ホルダー70を有してなり、ペースト容器ホルダー70によって、混練すべきペーストが収容された円筒型のペースト容器60がその中心軸が自転用駆動回転軸20と一致する状態で、アダプタ71を介して着脱自在に保持される構成とされている。なお、図10に示すペースト混練脱泡装置においては、ペースト容器ホルダー70以外の基本的な構成が後述する本発明に係るペースト混練脱泡装置(図1参照)と同一であって、便宜上、その具体的な構成についての説明を省略すると共に図1に示すものと同一の構成部材については同一の符号が付してある。
【0004】
而して、ペースト容器60は、その容量の大小だけでなく、これを製造するメーカーによっても千差万別の構成を有するものであるため、ペースト容器60をペースト容器ホルダー70によって保持固定するためには、例えば容量別、メーカー別にアダプタ71を用意する必要があるという、問題がある。
【0005】
このような問題に対して、例えば、一端側が開口した有底状の容器本体内に収容されたペースト容器をその上部から押圧材によって押し込み、ペースト容器を押圧材と容器本体の底面との間で挟持して保持固定する構成のアダプタを用いた保持固定方法が提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、ペースト容器を公転させながら自転させる構成のペースト混練装置においては、自転用駆動回転軸を中心として十分な保持力で保持固定されることが必要とされるところ、上記アダプタによる保持固定方法では、自転用駆動回転軸を中心としてペースト容器を保持する力はほとんどなく、いわばペースト容器をその底面とアダプタの下面との摩擦力のみによって保持固定されているため、強い遠心力を受けながら、自転するペースト容器を安定的に保持することは困難であるという、問題がある。
【0007】
以上のように、ペースト混練脱泡装置においては、大小様々なサイズのペースト容器に対応する、いわば「万能アダプタ」の開発が強く求められている。
【0008】
【特許文献1】特開2006−289163号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、ペースト容器を確実に保持固定することができ、しかも、種々の大きさのペースト容器に対応することができて高い汎用性を得ることのできるペースト容器ホルダーおよびペースト混練脱泡装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のペースト容器ホルダーは、ペースト容器を公転させながら自転させることにより当該ペースト容器内に収容されるペースト材料の混練、脱泡を行うペースト混練脱泡装置におけるペースト容器ホルダーであって、
円筒型のペースト容器を受容する有底円筒型のホルダー本体と、このホルダー本体の底壁に設けられたペースト容器保持手段とを備えてなり、
ペースト容器保持手段は、各々、円弧状の容器保持面を有する、少なくとも2つ以上の保持具と、当該保持具の各々を一斉に径方向に移動させる位置調整機構とを有し、当該位置調整機構によって、すべての保持具がその容器保持面がペースト容器の外周面に当接されるよう位置調整されることによりペースト容器が保持されることを特徴とする。
【0011】
本発明のペースト容器ホルダーにおいては、位置調整機構は、ロック状態においてホルダー本体と一体的に回転されると共にロック解除状態においてホルダー本体と互いに独立して回転される手動回転体と、ホルダー本体内の底壁に固定された、各々、自転中心軸から径方向外方に向かって直線状に伸びる複数の直線状凹溝が形成された固定円板と、手動回転体に連結されて自転中心軸に垂直な平面内で回転される、各々、外周縁部から回転中心に向かって渦巻状に伸びる複数の渦巻溝が形成された回転円板とにより構成されており、
各々の保持具は、固定円板の直線状凹溝内に移動可能に収容される平板状の基台と、回転円板の渦巻溝内に挿通状態で配置される軸方向に伸びる支柱部と、この支柱部の上端部に固定された、円弧状の容器保持面を有する保持部とにより構成されており、
ロック解除状態において手動回転体が回転されることにより、当該手動回転体の回転に伴って回転される回転円板における渦巻溝の内周面の作用によって保持具の基台が固定円板の直線状凹溝に沿って案内されて径方向に移動されることにより、ペースト容器に対する保持具の位置調整が行われる構成とすることができる。
【0012】
また、本発明のペースト容器ホルダーにおいては、位置調整機構は、ロック状態においてホルダー本体と一体的に回転されると共にロック解除状態においてホルダー本体と互いに独立して回転される手動回転体と、手動回転体に連結されて自転中心軸に垂直な平面内で回転される、各々、外周縁部から回転中心に向かって渦巻状に伸びる複数の渦巻溝が形成された回転円板とを備えてなり、
ホルダー本体の底壁の内面には、各々、自転中心軸から径方向外方に向かって直線状に伸びる複数の直線状凹溝が形成されており、
各々の保持具は、ホルダー本体の底壁における直線状凹溝内に移動可能に収容される平板状の基台と、回転円板の渦巻溝内に挿通状態で配置される軸方向に伸びる支柱部と、この支柱部の上端部に固定された、円弧状の容器保持面を有する保持部とにより構成されており、
ロック解除状態において手動回転体が回転されることにより、当該手動回転体の回転に伴って回転される回転円板における渦巻溝の内周面の作用によって保持具の基台がホルダー本体の底壁における直線状凹溝に沿って案内されて径方向に移動されることにより、ペースト容器に対する保持具の位置調整が行われる構成とすることができる。
【0013】
本発明のペースト混練脱泡装置は、混練すべきペースト材料が収容された円筒型のペースト容器が、公転用駆動回転軸の周りに公転運動されると共に、当該公転用駆動回転軸と交叉する状態で伸びる自転用駆動回転軸を中心として自転運動されることにより、前記ペースト材料の混練、脱泡が行われるペースト混練脱泡装置であって、
ペースト容器が、上記ペースト容器ホルダーによって、その中心軸が自転用駆動軸に沿って伸びる姿勢で保持されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明のペースト容器ホルダーによれば、複数の保持具のすべてが位置調整機構によって径方向に対して一斉に移動される構成とされていることにより、例えばペースト容器の大きさに応じたアダプタ等を用いることなしに、ペースト容器を、その中心軸を自転中心軸と一致させた状態において、複数の保持具の各々における円弧状の保持面によって面接触で保持固定することができるので、ペースト容器を確実に保持固定することができ、しかも、ペースト容器の大きさ(外径寸法)に対する制約が実質的になくなって、種々の大きさのものに対応するものとして構成することができ、高い汎用性を得ることができる。
【0015】
また、ペースト混練脱泡装置において、ペースト容器を容器ホルダーに保持固定させるに際しては、手動回転体の自転用駆動回転軸に対するロックを解除して当該手動回転体を回転しさえすれば、渦巻溝が形成された回転円板が、直線状凹溝が形成された固定円板が固定された状態において、独立して回転されて、複数の保持具のすべてを径方向に移動させることができるので、ペースト容器を極めて容易にかつ確実に保持固定することができ、しかも、例えば混練脱泡処理時などにおいては、手動回転体が自転用駆動回転軸に対してロックされて回転位置が保持された状態とされるので、ペースト容器が容器保持手段によって保持固定された状態を確実に維持することができて所期の混練脱泡処理を確実に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明のペースト混練脱泡装置の一例における構成の概略を示す側面図である。
このペースト混練脱泡装置は、公転用駆動回転軸11が鉛直方向(図1において上下方向)に伸びる姿勢で配置された駆動モータ10と、この駆動モータ10の公転用駆動回転軸11に固定されて水平面内で回転される回転バー15と、この回転バー15の一端部(図1において右端部)において、例えばベアリング18を介して回転バー15をその厚み方向に貫通して伸びるよう設けられた自転用駆動回転軸20と、この自転用駆動回転軸20の先端に設けられた、混練脱泡されるべきペーストが収容されたペースト容器60を保持する容器ホルダー30と、回転バー15の他端部において公転中心軸Aからの距離が調整可能に設けられた、ペースト容器60の重さに応じて公転のバランスをとるための重量バランサー13とを備えており、自転用駆動回転軸20が、例えば、その基端に固定されたプーリ21と、公転用駆動回転軸11に固定されたプーリ12と、これらのプーリ21,12に張設されたベルト22とからなるベルト伝達機構からなる動力伝達機構を介して公転用駆動回転軸11と連結されている。
そして、回転バー15の周回によって円運動する一端部は、屈曲プーリ16を介して、径方向外方に対して上方に向かって傾斜して伸びる状態とされており、従って、自転中心軸Bが公転中心軸Aと斜めに交叉して伸びる状態とされている。
【0017】
容器ホルダー30は、図2に示すように、円筒型のペースト容器60を受容する空間を有する略有底円筒型のホルダー本体31と、このホルダー本体31の内部に設けられた容器保持固定手段35とにより構成されている。
【0018】
容器保持固定手段35は、図3に示すように、例えば互いに円周方向に対して等角度間隔毎に離間した位置に配置された複数例えば4つの保持具36と、これらすべての保持具36を径方向に対して一斉に移動させることによりペースト容器60の外径の大きさに応じて位置調整を行う位置調整機構40とにより構成されている。
【0019】
各々の保持具36は、図4に示すように、平板状の基台37と、この基台37の一面上に固定された鉛直方向に伸びる円柱状の支柱部38と、この支柱部38の先端における周面に固定された、断面形状が円弧状の容器保持面39Aを有する保持部39とにより構成されている。
【0020】
位置調整機構40は、図5、図6および図7に示すように、後述するロック機構によってロックされた状態において手動回転軸41Aと一体的に回転されると共にロックが解除された状態において手動回転軸41Aおよびホルダー本体31と互いに独立して回転されるよう設けられた手動回転体41と、ホルダー本体31の底壁の内面に固定された、各々、自転中心軸Bから径方向外方に向かって直線状に伸びる複数の直線状凹溝(この実施例においては十字型の凹溝)42Aが形成された固定円板42と、この固定円板42上において、手動回転体41に連結されて自転中心軸Bに対して垂直な平面内で回転可能に設けられた、各々、外周縁部から自転中心軸Bに向かって渦巻状に伸びる複数の渦巻溝45Aが、その外周縁側端部が固定円板42の直線状凹溝42Aに対応して位置されるよう形成された回転円板45とにより構成されており、この回転円板45上には、ペースト容器載置テーブル48が回転円板45における渦巻溝45Aを隠す目的で配置されている。
このペースト容器載置テーブル48には、径方向内方に向かって伸びる直線状貫通溝48Aが固定円板42における直線状凹溝42Aと対掌な位置に形成されている。
【0021】
各々の保持具36は、基台37が、自転中心軸Bを臨むよう、固定円板42の直線状凹溝42A内に移動可能に収容されると共に支柱部38が当該直線状凹溝42Aに対応する回転円板45の渦巻溝45A内に挿通された状態で、配置されており、回転円板45の下面によって、保持具36の軸方向の移動が禁止された状態とされている。
【0022】
手動回転体41には、上述したように、回転位置を保持するロック機構が設けられている。
ロック機構の構成について説明すると、図8に示すように、手動回転軸41Aに固定された固定ギア51と、この固定ギア51に噛合されるギア部52Aを先端部に有する、自転中心軸Bと平行な軸方向に伸びる支点54の周りに回動可能とされると共に基端部52Bが手動回転体41の外周面より径方向外方に突出する状態で設けられたロック部材52と、ロック部材52を固定ギア51に対して噛合状態に付勢するバネ材55とにより構成されている。
このロック機構50においては、バネ材55によるバネ力Fの付勢によってロック部材52がホルダー本体31の底部に固定された固定ギア51と噛合されて手動回転体41の回転位置が保持されたロック状態に維持されるが、ロック部材52の基端部(突出部分)52Bを内方に押すことによりロック部材52が支点54周りに回動されて固定ギア51との噛合によるロックが解除され、これにより、手動回転体41がホルダー本体31とは独立して回転可能な状態とされる。
【0023】
以上において、回転バー15の回転速度(ペースト容器60の公転速度)は、例えば400〜2000rpmの範囲内で調整可能とされており、また、回転バー15の回転によって回転駆動される容器ホルダー30の回転速度(ペースト容器60の自転速度)は、例えば回転バー15の回転速度に対して1/2〜1/5程度の大きさとなるよう設定される。
【0024】
以下、上記ペースト混練脱泡装置の動作について説明する。
先ず、ペースト容器60の保持固定方法について説明すると、混練すべきペーストが収容されたペースト容器60をホルダー本体31内に挿入してペースト容器載置テーブル48上に載置した状態において、ロック部材52の基端部52Bを内方に押すことによりロック状態を解除すると共に、手動回転体41をロック部材52の基端部52Bを押したままの状態で所定方向に回転させることにより、図9に示すように、手動回転体41の回転に伴って回転円板45がホルダー本体31と互いに独立して回転される。このとき、固定円板42(直線状凹溝42A)は固定された状態とされていることから、4つの保持具36のすべてが回転される回転円板45における渦巻溝45Aの内周面の作用を受けて一斉に径方向内方側に同じ移動量で移動される。すなわち、各々の保持具36における支柱部38が回転円板45の回転による渦巻溝45Aの内周面の作用によって径方向内方側への力を受けることにより基台37が固定円板42における直線状凹溝42Aに沿って径方向内方側に向かって移動される。
そして、4つの保持具36のすべてがその容器保持面39Aがペースト容器60の外周面に当接されるよう位置調整された状態において、ロック部材52の基端部52Bから手を離すことによりロック状態とされて手動回転体41の回転位置が保持され、これにより、ペースト容器60が容器ホルダー30によって保持固定される。
【0025】
以上のようにして、ペースト容器60を容器ホルダー30に保持固定させた後、駆動モータ10が駆動されると、公転用駆動回転軸11が回転してこれに固定された回転バー15が水平面内において公転中心軸Aを中心として回転駆動される。この回転バー15の回転は、重量バランサー13の公転中心軸Aからの距離を適正に設定することにより、円滑で安定なものとなる。一方、図示しない速度検知手段によって回転バー15の回転速度の監視が行われ、速度検知手段からの検知信号に基づいて回転バー15の回転速度が適正な大きさに調整される。
そして、回転バー15の回転駆動に伴って、駆動モータ10の動力が動力伝達機構によって自転用駆動回転軸20に伝達されて自転用駆動回転軸20が自転中心軸Bを中心として回転駆動され、これにより、自転用駆動回転軸20に固定された容器ホルダー30およびペースト容器60が、公転中心軸Aの周りを公転しながら自転中心軸Bを中心として自転することとなり、従って、ペースト容器60内のペーストは、公転運動による遠心力の作用を受けながら、同時に自転運動による作用を受けることによって、十分な混練、脱泡作用を受けることとなる。
【0026】
而して、上記構成のペースト混練脱泡装置によれば、4つの保持具36のすべてが位置調整機構40によって径方向に対して一斉に移動される構成とされていることにより、例えばペースト容器60の大きさに応じたアダプタ等を用いることなしに、ペースト容器60を、その中心軸を自転中心軸Bと一致させた状態において、4つの保持具36の各々における円弧状の容器保持面39Aによって面接触で保持固定することができるので、ペースト容器60を遠心力に対して十分な保持力で確実に保持固定することができ、しかも、ペースト容器60の大きさ(外径寸法)に対する制約が実質的になくなって、種々の大きさのもの、具体的には例えば、外径の大きさが30〜75mmのもの(容量が10〜250ccであるものに相当)に対応するものとして構成することができ、高い汎用性を得ることができる。
【0027】
ペースト容器60を容器ホルダー30に保持固定させるに際しては、手動回転体41のホルダー本体31に対するロックを解除して当該手動回転体41を回転しさえすれば、渦巻溝45Aが形成された回転円板45が、直線状凹溝42Aが形成された固定円板42が固定された状態において、独立して回転されて、4つの保持具36のすべてを径方向に移動させることができるので、ペースト容器60を極めて容易にかつ確実に保持固定することができ、しかも、例えば混練脱泡処理時などにおいては、手動回転体41がホルダー本体31に対してロックされて回転位置が保持された状態とされるので、ペースト容器60が容器保持手段35によって保持固定された状態を確実に維持することができて所期の混練脱泡処理を確実に行うことができる。
【0028】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
例えば、位置調整機構は、直線状溝を形成した固定円板を用いることの代わりに、ホルダー本体の底壁の内面に、保持具の基台が収容される直線状凹溝を形成した構成とされていても、上記構成のものと同様の効果を得ることができる。
また、保持具の数は、少なくとも2つ以上であれば、特に制限されるものではない。
【0029】
さらにまた、本発明のペースト混練脱泡装置においては、例えば回転バーの長さ、公転用駆動回転軸と自転用駆動回転軸(ペースト容器の中心軸)とがなす角度の大きさ、回転バーにおける容器ホルダーの固定位置等は、特に限定されるものではなく、混練すべきペースト材料の種類およびその他の条件に応じて適宜に変更することができる。
さらに、回転バーの代わりに回転テーブルなどの他の公転用回転体を用いることができ、容器ホルダーを複数個設けることも可能である。
【0030】
本発明は、例えば、半田付け用ソルダーペーストの混練、脱泡処理や、例えば薬局におけるペースト状の薬の調合(混練)等に好適に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明のペースト混練脱泡装置の一例における構成の概略を示す側面図である。
【図2】図1に示すペースト混練脱泡装置における容器ホルダーの構成を示す斜視図である。
【図3】図2に示す容器ホルダーにおける容器保持固定手段の構成を示す斜視図である。
【図4】容器保持固定手段を構成する保持具の一構成例を示す斜視図である。
【図5】容器保持固定手段を構成する位置調整機構の一構成例を示す軸方向断面図である。
【図6】位置調整機構を構成する固定円板の構成を、保持具と共に示す斜視図である。
【図7】位置調整機構を構成する回転円板の構成を、保持具および固定円板と共に示す斜視図である。
【図8】本発明の容器ホルダーにおけるロック機構の構成の概略を示す平面図である。
【図9】ペースト容器の容器ホルダーに対する保持固定方法を説明するための平面図である。
【図10】従来におけるペースト混練脱泡装置の一例における概略を示す側面図である。
【符号の説明】
【0032】
10 駆動モータ
11 公転用駆動回転軸
12 プーリ
13 重量バランサー
15 回転バー
16 屈曲プーリ
18 ベアリング
20 自転用駆動回転軸
21 プーリ
22 ベルト
30 容器ホルダー
31 ホルダー本体
35 容器保持固定手段
36 保持具
37 基台
38 支柱部
39 保持部
39A 容器保持面
40 位置調整機構
41 手動回転体
41A 手動回転軸
42A 直線状凹溝
42 固定円板
45A 渦巻溝
45 回転円板
48A 直線状貫通溝
48 ペースト容器載置テーブル
50 ロック機構
51 固定ギア
52 ロック部材
52A ギア部
52B 基端部
54 支点
55 バネ材
60 ペースト容器
70 ペースト容器ホルダー
71 アダプタ
A 公転中心軸
B 自転中心軸
F バネ材によるバネ力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペースト容器を公転させながら自転させることにより当該ペースト容器内に収容されるペースト材料の混練、脱泡を行うペースト混練脱泡装置におけるペースト容器ホルダーであって、
円筒型のペースト容器を受容する有底円筒型のホルダー本体と、このホルダー本体の底壁に設けられたペースト容器保持手段とを備えてなり、
ペースト容器保持手段は、各々、円弧状の容器保持面を有する、少なくとも2つ以上の保持具と、当該保持具の各々を一斉に径方向に移動させる位置調整機構とを有し、当該位置調整機構によって、すべての保持具がその容器保持面がペースト容器の外周面に当接されるよう位置調整されることによりペースト容器が保持されることを特徴とするペースト容器ホルダー。
【請求項2】
位置調整機構は、ロック状態においてホルダー本体と一体的に回転されると共にロック解除状態においてホルダー本体と互いに独立して回転される手動回転体と、ホルダー本体内の底壁に固定された、各々、自転中心軸から径方向外方に向かって直線状に伸びる複数の直線状凹溝が形成された固定円板と、手動回転体に連結されて自転中心軸に垂直な平面内で回転される、各々、外周縁部から回転中心に向かって渦巻状に伸びる複数の渦巻溝が形成された回転円板とにより構成されており、
各々の保持具は、固定円板の直線状凹溝内に移動可能に収容される平板状の基台と、回転円板の渦巻溝内に挿通状態で配置される軸方向に伸びる支柱部と、この支柱部の上端部に固定された、円弧状の容器保持面を有する保持部とにより構成されており、
ロック解除状態において手動回転体が回転されることにより、当該手動回転体の回転に伴って回転される回転円板における渦巻溝の内周面の作用によって保持具の基台が固定円板の直線状凹溝に沿って案内されて径方向に移動されることにより、ペースト容器に対する保持具の位置調整が行われることを特徴とする請求項1に記載のペースト容器ホルダー。
【請求項3】
位置調整機構は、ロック状態においてホルダー本体と一体的に回転されると共にロック解除状態においてホルダー本体と互いに独立して回転される手動回転体と、手動回転体に連結されて自転中心軸に垂直な平面内で回転される、各々、外周縁部から回転中心に向かって渦巻状に伸びる複数の渦巻溝が形成された回転円板とを備えてなり、
ホルダー本体の底壁の内面には、各々、自転中心軸から径方向外方に向かって直線状に伸びる複数の直線状凹溝が形成されており、
各々の保持具は、ホルダー本体の底壁における直線状凹溝内に移動可能に収容される平板状の基台と、回転円板の渦巻溝内に挿通状態で配置される軸方向に伸びる支柱部と、この支柱部の上端部に固定された、円弧状の容器保持面を有する保持部とにより構成されており、
ロック解除状態において手動回転体が回転されることにより、当該手動回転体の回転に伴って回転される回転円板における渦巻溝の内周面の作用によって保持具の基台がホルダー本体の底壁における直線状凹溝に沿って案内されて径方向に移動されることにより、ペースト容器に対する保持具の位置調整が行われることを特徴とする請求項1に記載のペースト容器ホルダー。
【請求項4】
混練すべきペースト材料が収容された円筒型のペースト容器が、公転用駆動回転軸の周りに公転運動されると共に、当該公転用駆動回転軸と交叉する状態で伸びる自転用駆動回転軸を中心として自転運動されることにより、前記ペースト材料の混練、脱泡が行われるペースト混練脱泡装置であって、
ペースト容器が、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のペースト容器ホルダーによって、その中心軸が自転用駆動回転軸に沿って伸びる姿勢で保持されることを特徴とするペースト混練脱泡装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−69382(P2010−69382A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−237901(P2008−237901)
【出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【出願人】(000137476)株式会社マルコム (15)
【Fターム(参考)】