説明

ペースト状組成物及びこれを含有する化粧料

【課題】 本発明は、シリコーン油等の油剤に対して高い増粘効果を示し、のびの悪さ、油っぽさ、べたつき、油膜感等がなく、さらさらとした軽い感触のペースト状組成物及びこれを含有する化粧料を提供することを目的とする。
【解決手段】 (I)(i)オルガノハイドロジェンポリシロキサン1種以上と、(ii)脂肪族不飽和基含有のオルガノポリシロキサン1種以上とを含むポリシロキサン混合物を、付加重合することにより得られるオルガノポリシロキサン重合体と、
(II)シリコーン油、炭化水素油、エステル油、天然動植物油、及び半合成油から選択される少なくとも1種の25℃で液体の油剤とを含むものであることを特徴とするペースト状組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はペースト状組成物及びこれを含有する化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコーン油等の油剤は、その特性、安全性等から化粧料や食品を始めさまざまな分野において使用されている。その中でもスキンケア、メイクアップ化粧料等の用途では、肌の保護効果、柔軟効果、湿潤効果、使用感等の向上の目的でシリコーン油が配合されている。特に動粘度100mm/s以下の低粘度シリコーン油は、伸展性およびそのさっぱり感より広く使用されているが、シリコーン油は他の化粧料油剤との相溶性が悪く、また低粘度であるため化粧料に安定に配合することが困難であった。
【0003】
そこで、特定のシリコーン重合物と低粘度シリコーン油等の油剤をせん断力下で混合して得られるペースト状組成物を化粧料に配合する方法が提案されている(特許文献1)。しかしながら、この方法によるペースト状組成物は化粧料に対する配合安定性は改良されているが、ヌメリ感や油膜感等の油っぽい感触が感じられることが問題であった。また、特許文献2及び特許文献3には、Si−H含有ポリシロキサンとジエン化合物からなる架橋エラストマーと希釈剤からなるエラストマー組成物とシリコーン油等の油剤を混合して得られるペースト状組成物を化粧料に配合する方法が提案されているが、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエンに代表されるようなジエン化合物は不快な特異臭を有しており、残留した場合、化粧料用途には不向きとなることが問題であった。
【0004】
一方、シリコーン油等の油剤特有の滑らかさやさらさら感等の使用感等を改良する目的で、球状シリコーン粒子をシリコーン油等の油剤と混合して得られるペースト状組成物を化粧料に配合する方法も提案されている。例えば、特定の粒子径を有する球状の架橋シリコーン粒子とシリコーン油等の油剤からなる組成物を化粧料に配合する方法(特許文献4、特許文献5)が提案されている。ここに示した方法により得られるペースト状組成物では、滑らかさやさらさら感等の感触を改良する効果が見られるが、球状シリコーン粒子のシリコーン油等の油剤に対する増粘性は不十分であった。そのため、化粧料に対する配合安定性を考慮して流動性の少ないペースト状とするためには、球状シリコーン粒子を多く配合する必要があり、またシリコーン油等の油剤の分離、球状シリコーン粒子の凝集等の保存安定性に問題があった。従って、シリコーン油等の油剤の化粧料に対する配合安定性を高めることができ、かつシリコーン油等の油剤の特性を活かすことのできるペースト状組成物は開発されていなかった。
【0005】
そのため、シリコーン油等の油剤の化粧料に対する配合安定性を高めることができ、のびの悪さ、油っぽさ、べたつき、油膜感等がなく、さらさらとした軽い感触を有するペースト状組成物、及びこれを含有する化粧料の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第2582275号公報
【特許文献2】米国特許第5654362号公報
【特許文献3】特表2005−537364号公報
【特許文献4】特許第3488573号公報
【特許文献5】特許4025454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、シリコーン油等の油剤の化粧料に対する配合安定性を高めることができ、のびの悪さ、油っぽさ、べたつき、油膜感等がなく、さらさらとした軽い感触を有するペースト状組成物、及びこれを含有する化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明では、少なくとも、
(I)(i)下記一般式(1)又は(2)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン1種以上と、
【化1】

(上記一般式(1)中、Rはそれぞれ同一又は異なる、脂肪族不飽和基を有さない炭素原子数1〜8の一価炭化水素基であり、a≧1、b≧0の整数である。上記一般式(2)中、Rはそれぞれ同一又は異なる、脂肪族不飽和基を有しない炭素原子数1〜8の一価炭化水素基であり、c≧0、d≧1の整数である。)
(ii)下記一般式(3)で示される脂肪族不飽和基含有のオルガノポリシロキサン1種以上
【化2】

(上記一般式(3)中、Rはそれぞれ同一又は異なる、脂肪族不飽和基を有しない炭素原子数1〜8の一価炭化水素基、Rはそれぞれ同一又は異なる、末端に不飽和基を有する炭素原子数2〜8の一価炭化水素基であり、e≧1、f≧0の整数である。)
とを含み、上記一般式(1)〜(3)で示されるポリシロキサンの総質量のうち40質量%以上は、(a+b)≧30、(c+d)≧30、及び(e+f)≧30のいずれかを満たすものを少なくとも2種含有するポリシロキサン混合物を、付加重合することにより得られるオルガノポリシロキサン重合体と、
(II)シリコーン油、炭化水素油、エステル油、天然動植物油、及び半合成油から選択される少なくとも1種の25℃で液体の油剤とを含むものであることを特徴とするペースト状組成物を提供する。
【0009】
このようなペースト状組成物であれば、(I)オルガノポリシロキサン重合体がシリコーン油等の(II)油剤に対して高い増粘効果を示すため、シリコーン油等の油剤の化粧料に対する配合安定性を高めることができるペースト状組成物となり、かつ、これらを含むペースト状組成物はのびの悪さ、油っぽさ、べたつき、油膜感等がなく、さらさらとした軽い感触のペースト状組成物となる。
【0010】
また、前記一般式(3)におけるRがビニル基であることが好ましい。
【0011】
このような(ii)オルガノポリシロキサンを1種以上含むポリシロキサン混合物を、付加重合することにより得られる(I)オルガノポリシロキサン重合体であれば、特にシリコーン油等の(II)油剤に対して高い増粘効果を示すため好ましい。
【0012】
さらに、前記オルガノポリシロキサン重合体に対して、前記油剤を質量比で1/20以上20/1以下含むものであることが好ましい。
【0013】
このような質量比で、(I)オルガノポリシロキサン重合体とシリコーン油等の(II)油剤を含むペースト状組成物であれば、さらに、のびの悪さ、油っぽさ、べたつき、油膜感等がなく、さらさらとした軽い感触のペースト状組成物となるため好ましい。
【0014】
また、本発明では、前記ペースト状組成物を含有するものであることを特徴とする化粧料を提供する。
【0015】
このように前記ペースト状組成物を含有する化粧料であれば、のびの悪さ、油っぽさ、べたつき、油膜感等がなく、さらさらとした軽い感触が付与された化粧料となる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明のペースト状組成物であれば、(I)オルガノポリシロキサン重合体がシリコーン油等の(II)油剤に対して高い増粘効果を示すため、シリコーン油等の油剤の化粧料に対する配合安定性を高めることができるペースト状組成物となり、かつ、これらを含むペースト状組成物はのびの悪さ、油っぽさ、べたつき、油膜感等がなく、さらさらとした軽い感触のペースト状組成物となる。また、このようなペースト状組成物を含有する本発明の化粧料は、のびの悪さ、油っぽさ、べたつき、油膜感等がなく、球状粒子のようなパウダーを配合しなくとも、油っぽさがなくさらさらとしたパウダー感を有するものとなる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明のペースト状組成物及びこれを含有する化粧料について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
前述のように、シリコーン油等の油剤の化粧料に対する配合安定性を高めることができ、のびの悪さ、油っぽさ、べたつき、油膜感等がなく、さらさらとした軽い感触のペースト状組成物及びこれを含有する化粧料の開発が望まれていた。
【0018】
本発明者らは、上記課題を達成するため鋭意検討を重ねた結果、(I)(i)下記一般式(1)及び(2)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンのうち1種以上と、(ii)下記一般式(3)で示される脂肪族不飽和基含有のオルガノポリシロキサン1種以上とを含み、下記一般式(1)〜(3)で示されるポリシロキサンの総質量のうち40質量%以上は、(a+b)≧30、(c+d)≧30、及び(e+f)≧30のいずれかを満たすものを少なくとも2種含有するポリシロキサン混合物を、付加重合することにより得られるオルガノポリシロキサン重合体であれば、シリコーン油等の油剤に対して高い増粘効果を示すことを見出し、該オルガノポリシロキサン重合体と(II)シリコーン油、炭化水素油、エステル油、天然動植物油、及び半合成油から選択される少なくとも1種の25℃で液体の油剤とを含むペースト状組成物であれば、シリコーン油等の油剤の化粧料に対する配合安定性を高めることができるペースト状組成物となり、かつ、のびの悪さ、油っぽさ、べたつき、油膜感等がなく、さらさらとした軽い感触のペースト状組成物となることを見出して、本発明を完成させた。
【0019】
また、本発明者らは、前記ペースト状組成物を含有する化粧料であれば、のびの悪さ、油っぽさ、べたつき、油膜感等がなく、さらさらとした軽い感触が付与された化粧料となることを見出し、本発明を完成させた。以下、詳細に説明していく。
【0020】
すなわち、本発明では、少なくとも、
(I)(i)下記一般式(1)又は(2)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン1種以上と、
【化3】

(上記一般式(1)中、Rはそれぞれ同一又は異なる、脂肪族不飽和基を有さない炭素原子数1〜8の一価炭化水素基であり、a≧1、b≧0の整数である。上記一般式(2)中、Rはそれぞれ同一又は異なる、脂肪族不飽和基を有しない炭素原子数1〜8の一価炭化水素基であり、c≧0、d≧1の整数である。)
(ii)下記一般式(3)で示される脂肪族不飽和基含有のオルガノポリシロキサン1種以上
【化4】

(上記一般式(3)中、Rはそれぞれ同一又は異なる、脂肪族不飽和基を有しない炭素原子数1〜8の一価炭化水素基、Rはそれぞれ同一又は異なる、末端に不飽和基を有する炭素原子数2〜8の一価炭化水素基であり、e≧1、f≧0の整数である。)
とを含み、上記一般式(1)〜(3)で示されるポリシロキサンの総質量のうち40質量%以上は、(a+b)≧30、(c+d)≧30、及び(e+f)≧30のいずれかを満たすものを少なくとも2種含有するポリシロキサン混合物を、付加重合することにより得られるオルガノポリシロキサン重合体と、
(II)シリコーン油、炭化水素油、エステル油、天然動植物油、及び半合成油から選択される少なくとも1種の25℃で液体の油剤とを含むものであることを特徴とするペースト状組成物を提供する。
【0021】
[(i)オルガノハイドジェンポリシロキサン]
上記一般式(1)において、Rはそれぞれ同一又は異なる、脂肪族不飽和基を有さない炭素原子数1〜8の一価炭化水素基であり、a≧1、b≧0の整数である。Rの例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基、フェニル基等であるが、好ましくはRで示される全一価炭化水素基の合計モル数の70%以上がメチル基である。また、aはa≧1であるが、前記重合される(I)オルガノポリシロキサン重合体の前記(II)油剤に対する膨潤性と、前記ペースト状組成物の感触面から好ましくは2〜500、より好ましくは5〜300である。さらに、bは(ii)脂肪族不飽和基含有のオルガノポリシロキサンと付加反応し架橋構造を形成する単位(RHSiO2/2で示される単位)の繰返しを示す数であるが、この架橋構造を形成する単位が20以下であれば前記重合される(I)オルガノポリシロキサン重合体の油剤に対する膨潤性が増加し、1以上であれば前記ペースト状組成物のべたつき感が一層抑制されるため、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10である。
【0022】
上記一般式(2)において、Rはそれぞれ同一又は異なる、脂肪族不飽和基を有しない炭素原子数1〜8の一価炭化水素基であり、c≧0、d≧1の整数である。Rの例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基、フェニル基等であるが、好ましくはRで示される全一価炭化水素基の合計モル数の70%以上がメチル基である。また、cはc≧0であるが、前記重合される(I)オルガノポリシロキサン重合体の前記(II)油剤に対する膨潤性と、前記ペースト状組成物の感触面から好ましくは2〜300、より好ましくは5〜200である。さらに、dは(ii)脂肪族不飽和基含有のオルガノポリシロキサンと付加反応し架橋構造を形成する単位(RHSiO2/2で示される単位)の繰返しを示す数であるが、この架橋構造を形成する単位が20以下であれば前記重合される(I)オルガノポリシロキサン重合体の油剤に対する膨潤性が増加し、1以上であれば前記ペースト状組成物のべたつき感が一層抑制されるため、好ましくは1〜20、より好ましくは2〜10である。
【0023】
[(ii)脂肪族不飽和基含有のオルガノポリシロキサン]
上記一般式(3)において、Rはそれぞれ同一又は異なる、脂肪族不飽和基を有しない炭素原子数1〜8の一価炭化水素基である。Rの例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基、フェニル基であるが、好ましくはRで示される全一価炭化水素基の合計モル数の70%以上がメチル基である。また、上記一般式(3)において、Rはそれぞれ同一又は異なる、末端に不飽和基を有する炭素原子数2〜8の一価炭化水素基である。Rの例としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等が挙げられるが、好ましくはビニル基である。前記一般式(3)において、Rがビニル基である(ii)オルガノポリシロキサンを1種以上含むポリシロキサン混合物を、付加重合することにより得られる(I)オルガノポリシロキサン重合体であれば、特にシリコーン油等の(II)油剤に対して高い増粘効果を示すため好ましい。さらに、上記一般式(3)において、e≧1、f≧0の整数である。eはe≧1であるが、前記重合される(I)オルガノポリシロキサン重合体のシリコーン油等の前記(II)油剤への膨潤性と、前記ペースト状組成物の感触面から好ましくは2〜500、より好ましくは5〜300である。また、fはf≧0の数、好ましくは10≧f≧0、より好ましくは5≧f≧0である。
【0024】
[(I)オルガノポリシロキサン重合体]
(I)オルガノポリシロキサン重合体は、(i)上記一般式(1)及び(2)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンのうち1種以上と(ii)上記一般式(3)で示される脂肪族不飽和基含有のオルガノポリシロキサン1種以上とを含み、上記一般式(1)〜(3)で示されるポリシロキサンの総質量のうち40質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上は、(a+b)≧30、(c+d)≧30、及び(e+f)≧30のいずれかを満たすものを少なくとも2種含有するポリシロキサン混合物を、付加重合することにより得られる。付加重合は、周知の付加重合触媒、例えば、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸−ビニルシロキサン錯体等の白金化合物、ロジウム、パラジウム等の白金族金属化合物の存在下、20〜150℃で行われる。前記付加重合触媒の添加量は周知の有効量で良く、ポリシロキサン混合物の合計量に対して白金族金属の換算質量で、通常、0.1〜500ppm、好ましくは0.5〜200ppm、より好ましくは1〜100ppmである。
【0025】
また、前記付加重合反応は無溶剤で行っても良いし、必要に応じ有機溶剤を使用してもよい。前記有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族又は脂環式炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤等が挙げられる。さらに、特公平6−55897号公報に記載の方法、すなわち、非反応性のシリコーン油、または有機油を共存させて前記付加重合反応を行っても良い。特に化粧料用途として使用する観点から、無溶剤とするかエタノール又は2−プロパノールを溶剤とするか、非反応性のシリコーン油、または有機油を共存させて反応することが望ましい。なお、前記ポリシロキサン混合物に含まれる上記一般式(1)〜(3)で示されるポリシロキサンの総質量のうち40質量%以上は、(a+b)≧30、(c+d)≧30、(e+f)≧30のいずれかを満たすものを少なくとも2種含有するポリシロキサン混合物でなければ、付加重合反応をしてもオルガノポリシロキサン重合体のシリコーン油等の油剤に対する増粘効果は低く、油っぽさのないパウダリーな感触が得られないペースト状組成物となる。また、(a+b)、(c+d)、(e+f)がいずれも30より小さい組合せや、(a+b)≧30、(c+d)≧30、(e+f)≧30を満たすものが1種のみの場合は、感触が重くなったり、油っぽくなってしまう。
【0026】
本発明の(I)オルガノポリシロキサン重合体は、該重合体100質量部に対して、少なくとも100質量部の(II)油剤を含んで膨潤することができる。膨潤の確認は次のようにして行う。(I)オルガノポリシロキサン重合体と25℃で液体の(II)油剤を三本ロールで混練し、得られた混練物を100メッシュの網の上に置き1時間放置しても25℃で液体の(II)油剤の浸出が認められないことを目視により確認する。
【0027】
[(II)油剤]
本発明のペースト状組成物に含まれる(II)油剤は、シリコーン油、炭化水素油、エステル油、天然動植物油、及び半合成油から選択される少なくとも1種の25℃で液体の油剤である。本発明で用いる(II)油剤としては、25℃で液体の油剤であり、特に、25℃における動粘度が0.65〜10000mm/sであることが好ましい。このような(II)油剤としては、以下のシリコーン油、炭化水素油、エステル油、天然動植物油、半合成油が例示される。
【0028】
前記シリコーン油の例としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等の粘度0.65〜10000mm/s、好ましくは粘度0.65〜1000mm/sのオルガノポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状シロキサン、トリストリメチルシロキシメチルシラン、テトラキストリメチルシロキシシラン等の分岐状シロキサン、カプリリルメチコン、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等が挙げられる。
【0029】
前記炭化水素油としては、鎖式および環式の炭化水素、例えば、α−オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、スクワラン、合成スクワラン、植物性スクワラン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、水添イソブテン、イソドデカン、イソヘキサデカン等が挙げられる。
【0030】
前記エステル油としては、コハク酸ジオクチル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジ(2−ヘプチルウンデシル)、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチルオクチル、リンゴ酸ジイソステアリル、クエン酸トリエチル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラオレイン酸ペンタエリトリトール、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、オクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソセチル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ラウロイルグルタミン酸ジオクチルドデシル、ラウロイルサルコシンイソプロピル等が挙げられる。
【0031】
前記天然動植物油及び前記半合成油としては、アボカド油、アーモンド油、オリーブ油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シナモン油、スクワラン、スクワレン、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、ナタネ油、日本キリ油、胚芽油、ヒマワリ油、ブドウ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、綿実油、ヤシ油、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、落花生油、卵黄油等が挙げられる。
【0032】
[ペースト状組成物]
本発明のペースト状組成物は(I)オルガノポリシロキサン重合体と(II)油剤を含むものである。具体的には、有機溶剤を使用して前記付加重合反応を行った場合は有機溶剤を除去した後、有機溶剤を使用しない場合でも目的に応じて揮発成分を除去した後、(I)オルガノポリシロキサン重合体を、25℃で液状の(II)油剤と混練し、また、非反応性のシリコーン油あるいは有機油を共存させて前記付加重合反応を行った場合には、追加の(II)油剤と混練して、該油剤により膨潤されたペースト状組成物とする。
【0033】
本発明のペースト状組成物とするための混練方法としては、本発明に係る(I)オルガノポリシロキサン重合体を25℃で液体の(II)油剤と混合後、せん断力下で混練することが好ましく、これにより外観が滑らかなペースト状組成物が得られる。せん断力下の混練は、例えば三本ロールミル、二本ロールミル、サンドグラインダー、コロイドミル、ホモジナイザー、ウルトラミキサー、ホモミキサー、ホモディスパー等で行うことができるが、三本ロールミル又はホモディスパーを用いるのが好ましい。
【0034】
本発明の(I)オルガノポリシロキサン重合体に対して、(II)油剤の混合割合は1/20以上20/1以下(質量比)であることが好ましく、より好ましくは1/10〜1/1である。(I)オルガノポリシロキサン重合体に対して、(II)油剤の混合割合が1/20以上20/1以下(質量比)であるペースト状組成物であれば、さらに、のびの悪さ、油っぽさ、べたつき、油膜感等がなく、さらさらとした軽い感触のペースト状組成物となるため好ましい。
【0035】
[化粧料]
また、本発明では、前記ペースト状組成物を含有するものであることを特徴とする化粧料を提供する。このように前記ペースト状組成物を含有する化粧料であれば、のびの悪さ、油っぽさ、べたつき、油膜感等がなく、さらさらとした軽い感触が付与された化粧料となる。本発明の化粧料は前記ペースト状組成物に加えて、化粧用に許容される成分、即ち、(A)油剤、(B)水、(C)アルコール性水酸基を有する化合物、(D)水溶性又は水膨潤性高分子化合物、(E)粉体、(F)界面活性剤、(G)慣用のシリコーン樹脂、本発明のペースト状組成物以外の(H)公知の架橋型オルガノポリシロキサンと液状油からなる組成物、からなる群から選択される少なくとも1種を含有してもよい。
【0036】
前記(A)油剤は、固体、半固体、液状のいずれであっても良い。液状油剤に関しては本発明のペースト状組成物に使用されたのと同じ液状油剤、或いはその他の液状油剤、及びその混合物を用いることができる。液状油剤の具体例は前述の通りである。
【0037】
その他の(A)油剤成分としては、例えば、アマニ油、イボタロウ、エノ油、カカオ脂、カポックロウ、カヤ油、カルナウバロウ、肝油、キャンデリラロウ、精製キャンデリラロウ、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、キョウニン油、鯨ロウ、硬化油、シアバター、シナギリ油、ジョジョバロウ、セラックロウ、豚脂、馬脂、ヌカロウ、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ベイベリーロウ、ミツロウ、ミンク油、メドウフォーム油、羊脂、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、酢酸ラノリンアルコール、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ポリオキシエチレンラノリンアルコールエーテル、ポリオキシエチレンラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。前記(A)油剤成分に含まれる炭化水素油としては、オゾケライト、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリエチレン・ポリプロピレンワックス、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられ、前記(A)油剤成分に含まれる高級脂肪酸としてはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。前記(A)油剤成分に含まれる高級アルコールとしては、例えば、炭素原子数が好ましくは6以上、より好ましくは10〜30のアルコールが挙げられる。前記高級アルコールの具体例としては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、ポリオキシエチレンコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)等が挙げられる。前記(A)油剤成分に含まれるフッ素系油剤としては、パーフロロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等が挙げられる。
【0038】
前記(A)油剤成分の配合量は、本発明の化粧料の形態に依存するが、好ましくは該化粧料全体の1〜98質量%の範囲で適宜選定される。
【0039】
前記(B)水成分の配合量は本発明の化粧料の形態に依存するが、好ましくは該化粧料全体の1〜95質量%の範囲で適宜選定される。
【0040】
前記(C)アルコール性水酸基を有する化合物としては、例えば、エタノール、イソプロパノール等の、炭素原子数が好ましくは2〜5の低級アルコール(低級1価アルコール);ソルビトール、マルトース等の糖アルコール等が挙げられる。また、コレステロール、シトステロール、フィトステロール、ラノステロール等のステロール;ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジブチレングリコール、ペンチレングリコール等の多価アルコール等が挙げられる。前記(C)成分の配合量は、化粧料全体の0.1〜98質量%の範囲で適宜選定されるのが好ましい。
【0041】
前記(D)水溶性又は水膨潤性高分子化合物としては、例えば、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード(マルメロ)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ等)、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム等の植物系高分子化合物;キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子化合物;コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子化合物;カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子化合物;メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース等のセルロース系高分子化合物;アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子化合物;ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子化合物;ポリオキシエチレン系高分子化合物;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子化合物;ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド、アクリロイルジメチルタウリン塩コポリマー等のアクリル系高分子化合物;ポリエチレンイミン、カチオンポリマー等の他の合成水溶性高分子化合物;ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等の無機系水溶性高分子化合物等が挙げられる。また、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の皮膜形成剤も例示される。前記(D)成分の配合量は、本発明の化粧料全体の0.1〜25質量%の範囲が好適である。
【0042】
前記(E)粉体としては、通常の化粧料に使用されるものであれば、その形状(球状、針状、板状等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができる。例えば、無機粉体、有機粉体、界面活性剤金属塩粉体、有色顔料、パール顔料、金属粉末顔料、天然色素等が挙げられる。
【0043】
前記無機粉体の例としては、酸化チタン、雲母チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、劈開タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、二酸化ケイ素、フュームドシリカ、含水二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックス、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、チッ化ホウ素、チッ化ボロン、ガラス等からなる微粒子が挙げられる。
【0044】
前記有機粉体としては、例えば、ポリアミド、ポリアクリル酸・アクリル酸エステル、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ポリウレタン、ビニル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン、ポリメチルベンゾグアナミン、テトラフルオロエチレン、ポリメチルメタクリレート(例えば、ポリメタクリル酸メチル等)、セルロース、シルク、ナイロン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、シリコーンエラストマー粒子、ポリメチルシルセスキオキサン粒子、特許第2832143号公報記載のシリコーンエラストマー粒子表面をポリメチルシルセスキオキサンで被膜してなる粒子等が挙げられる。
【0045】
前記界面活性剤金属塩粉体としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等からなる粉体が挙げられる。
【0046】
前記有色顔料の例としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄等の無機赤色系顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色系顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色系顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色系顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの等が挙げられる。
【0047】
前記パール顔料の具体例としては、酸化チタン被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等が挙げられる。金属粉末顔料としては、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー、ステンレスパウダー等が挙げられる。
【0048】
前記タール系色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等が挙げられ、前記天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等が挙げられる。
【0049】
これらの(E)粉体のうち、本発明においてはシリコーンエラストマー粒子、ポリメチルシルセスキオキサン粒子、特許第2832143号公報記載のシリコーンエラストマー粒子表面をポリメチルシルセスキオキサンで被膜してなる粒子が好ましく、また、フッ素基を有する粉体および又は着色剤も好ましい。さらに、これらの(E)粉体としては、本発明の効果を妨げない範囲で粉体を複合化したものや、一般油剤、シリコーン油、フッ素化合物、界面活性剤等で処理した粉体、反応性を持つオルガノハイドロジェンポリシロキサン、加水分解性アルコキシシラン基を有するオルガノポリシロキサン、加水分解性シリル基を有するアクリル−シリコーン系共重合体等で処理された粉体も使用することができ、必要に応じて一種または二種以上用いることができる。
【0050】
これらの(E)粉体の配合量は、化粧料全体の0.1〜99質量%の範囲が好適である。特に、粉末固形化粧料の場合の配合量は、化粧料全体の80〜99質量%の範囲が好適である。
【0051】
前記(F)界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性の界面活性剤があるが、本発明においては特に制限されるものではなく、通常の化粧料に使用されるものであれば、いずれも使用することができる。
【0052】
前記アニオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、N−アシルタウリン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、モノアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸塩、脂肪酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸塩、アルケニルコハク酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物、カルボン酸高分子、スチレンオキシアルキレン酸無水物共重合体等が挙げられる。
【0053】
前記カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルジメチルアンモニウム塩、ジポリオキシエチレンアルキルメチルアンモニウム塩、トリポリオキシエチレンアルキルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジウム塩、モノアルキルアミン塩、モノアルキルアミドアミン塩、カチオン化セルロース等が挙げられる。
【0054】
前記非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、ポリグリセリン変性オルガノポリシロキサン(特許第2613124号公報)、シリコーン分岐状アルキル変性シリコーン(特許第3850202号公報)、シリコーン分岐状ポリオキシアルキレン・長鎖アルキル共変性オルガノポリシロキサン(特許第3724988号公報)、シリコーン分岐状ポリグリセリン変性オルガノポリシロキサン(特許3976226号公報)等が挙げられる。
【0055】
前記両性界面活性剤としては、ベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体、アミドアミン型等が挙げられる。
【0056】
これらの(F)界面活性剤の中でも、分子中にポリグリセリン鎖、またはポリオキシアルキレン鎖を有する直鎖或いは分岐状のオルガノポリシロキサン、或いはアルキル共変性オルガノポリシロキサンであり、親水性のポリオキシエチレン基またはポリグリセリン基の含有量が分子中の10〜70質量%を占めるものが好ましい。また、配合量は化粧料全体の0.1〜20質量%であることが好ましく、特に好ましいのは0.2〜10質量%である。
【0057】
前記(G)慣用のシリコーン樹脂としては、常温でガム状ないし固体状であるものが例示され、且つデカメチルシクロペンタシロキサンに均一溶解するものであることが好ましい。前記ガム状シリコーン樹脂としては下記一般式(4)で示される直鎖状のポリシロキサンであり、
【化5】

はメチル基または炭素原子数6〜20のアルキル基、炭素数が3〜15のアミノ基含有アルキル基、フッ素置換アルキル基、4級アンモニウム塩基含有アルキル基から選択され、gは1000〜20000を満たす数であることが好ましく、hは1〜5000を満たす数であることが好ましく、さらに(g+h)は2000〜20000を満たす数であるものが好ましい。
【0058】
前記固体状のシリコーン樹脂としては、モノアルキルシロキシ単位(M単位)、ジアルキルシロキシ単位(D単位)、トリアルキルシロキシ単位(T単位)、4官能性のシロキシ単位(Q単位)の任意の組合せからなるMQ樹脂、MDQ樹脂、MTQ樹脂、MDTQ樹脂、T樹脂、TD樹脂、TQ樹脂、TDQ樹脂等のシリコーン網状化合物が挙げられる。さらに、アクリル/シリコーングラフト共重合体、アクリル/シリコーンブロック共重合体等からなるアクリルシリコーン樹脂が挙げられる(具体例としては、信越化学工業製:アクリル/シリコーングラフト共重合体の環状オルガノポリシロキサン溶液:KP−545等が挙げられる)。また、ピロリドン部分、長鎖アルキル部分、ポリオキシアルキレン部分及びフルオロアルキル部分、カルボン酸等のアニオン部分の中から選択される少なくとも1種を分子中に含有するアクリルシリコーン樹脂を使用することもできる。
【0059】
前記ガム状シリコーン樹脂、前記シリコーン網状化合物、前記アクリルシリコーン樹脂等の(G)慣用のシリコーン樹脂は、低粘度シリコーン油や揮発性シリコーン油、及びその他の溶剤に溶解させたものを使用してもよい。(G)慣用のシリコーン樹脂の配合量は、化粧料の総量に対して樹脂成分量が0.1〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜10質量%である。
【0060】
前記(H)公知の架橋型オルガノポリシロキサンと液状油からなる組成物は、本発明のペースト状組成物以外のものであり、例えば、特公平6−55897号公報、特許第2631772号公報、特許第3969728号公報、特許第4001342号公報、特許第4490817号公報に記載されているもので、前記(H)成分に含まれるシリコーンオイルで膨潤された架橋型オルガノポリシロキサンとしては、例えば、KSG−15、16、17、18、21、24、210、710(信越化学工業製)、前記(H)成分に含まれる炭化水素油で膨潤された架橋型オルガノポリシロキサンとしては、例えば、KSG−31、32、34、310、320、340、41、42、44、810、820、840(信越化学工業製)、前記(H)成分に含まれるエステル油で膨潤された架橋型オルガノポリシロキサンとしては、例えば、KSG−33、330,43、830(信越化学工業製)等が挙げられる。この(H)公知の架橋型オルガノポリシロキサンと液状油からなる組成物は、本発明の効果を妨げない範囲で使用することができ、化粧料の総量に対して0.1〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜30質量%である。
【0061】
[その他の成分]
更に本発明の化粧料には、本発明の効果を妨げない範囲で、通常の化粧料に使用される成分、例えば、油溶性ゲル化剤、制汗剤、紫外線吸収剤、紫外線吸収散乱剤、保湿剤、抗菌防腐剤、香料、塩類、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、抗炎症剤、美肌用成分(美白剤、細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、ビタミン類、アミノ酸類、核酸、ホルモン、包接化合物、毛髪用固形化剤等を添加することができる。
【0062】
前記油溶性ゲル化剤としては、アルミニウムステアレート、マグネシウムステアレート、ジンクミリステート等の金属セッケン;N−ラウロイル−L−グルタミン酸、α,γ−ジ−n−ブチルアミン等のアミノ酸誘導体;デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル;ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル;フラクトオリゴ糖ステアリン酸エステル、フラクトオリゴ糖2−エチルヘキサン酸エステル等のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステル;モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体;ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリナイトクレー等の有機変性粘土鉱物等が挙げられる。
【0063】
前記制汗剤としては、アルミニウムクロロハイドレート、塩化アルミニウム、アルミニウムセスキクロロハイドレート、ジルコニルヒドロキシクロライド、アルミニウムジルコニウムヒドロキシクロライド、アルミニウムジルコニウムグリシン錯体等が挙げられる。
【0064】
前記紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸メチル、サリチル酸オクチル、サリチル酸トリメチルシクロヘキシル等のサリチル酸系紫外線吸収剤;パラメトキシケイ皮酸オクチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;ウロカニン酸エチル等のウロカニン酸系紫外線吸収剤;4−t−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン等のジベンゾイルメタン系紫外線吸収剤;フェニルベンズイミダゾールスルフォン酸、トリアジン誘導体等が挙げられる。また、前記紫外線吸収散乱剤としては、微粒子酸化チタン、微粒子鉄含有酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウム及びそれらの複合体等の、紫外線を吸収散乱する粒子が挙げられ、これらの紫外線を吸収散乱する粒子をあらかじめ油剤に分散させた分散物を用いることもできる。
【0065】
前記保湿剤としては、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンチレングリコール、グルコース、キシリトール、マルチトール、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ピロリドンカルボン酸塩、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド、卵黄レシチン、大豆レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファジチルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴリン脂質等が挙げられる。
【0066】
前記抗菌防腐剤としては、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール等が挙げられる。抗菌剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、フェノキシエタノール、メチルイソチアゾリン等が挙げられる。
【0067】
前記香料としては、天然香料および合成香料が挙げられる。天然香料としては花、葉、材、果皮などから分離した植物性香料;ムスク、シベットなどの動物性香料が挙げられる。合成香料としてはモノテルペンなどの炭化水素類;脂肪族アルコール、芳香族アルコールなどのアルコール類;テルペンアルデヒド、芳香族アルデヒドなどのアルデヒド類;脂環式ケトンなどのケトン類;テルペン系エステルなどのエステル類;ラクトン類;フェノール類;オキサイド類;含チッソ化合物類;アセタール類などが挙げられる。
【0068】
前記塩類としては無機塩、有機酸塩、アミン塩及びアミノ酸塩が挙げられる。無機塩としては、例えば、塩酸、硫酸、炭酸、硝酸等の無機酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、ジルコニウム塩、亜鉛塩等が挙げられる。有機酸塩としては、例えば、酢酸、デヒドロ酢酸、クエン酸、りんご酸、コハク酸、アスコルビン酸、ステアリン酸等の有機酸類の塩が挙げられる。アミン塩としては、例えば、トリエタノールアミン等のアミン類の塩が挙げられる。アミノ酸塩としては、例えば、グルタミン酸等のアミノ酸類の塩が挙げられる。また、その他、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等の塩、アルミニウムジルコニウムグリシン錯体等、さらには、化粧料処方の中で使用される酸−アルカリの中和塩等も使用することができる。
【0069】
前記酸化防止剤としては、トコフェロール、p−t−ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、フィチン酸等が挙げられる。
【0070】
前記pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、DL−リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。前記キレート剤としては、アラニン、エデト酸ナトリウム塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸等が挙げられる。前記清涼剤としては、L−メントール、カンフル等が挙げられる。前記抗炎症剤としては、アラントイン、グリチルリチン酸及びその塩、グリチルレチン酸及びグリチルレチン酸ステアリル、トラネキサム酸、アズレン等が挙げられる。
【0071】
前記美肌用成分としては、胎盤抽出液、アルブチン、グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤;ロイヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体、幼牛血液抽出液等の細胞賦活剤;肌荒れ改善剤;ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等の血行促進剤;酸化亜鉛、タンニン酸等の皮膚収斂剤;イオウ、チアントロール等の抗脂漏剤等が挙げられる。
【0072】
前記ビタミン類としては、ビタミンA油、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等のビタミンA類;リボフラビン、酪酸リボフラビン、フラビンアデニンヌクレオチド等のビタミンB類、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキシンジオクタノエート、ピリドキシントリパルミテート等のビタミンB類、ビタミンB12及びその誘導体、ビタミンB15及びその誘導体等のビタミンB類;L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸ナトリウム、L−アスコルビン酸リン酸ジエステルジカリウム等のビタミンC類;エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等のビタミンD類;α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、酢酸DL−α−トコフェロール、ニコチン酸DL−α−トコフェロール、コハク酸DL−α−トコフェロール等のビタミンE類;ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド等のニコチン酸類;ビタミンH、ビタミンP、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル、アセチルパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類、ビオチン等が挙げられる。
【0073】
前記アミノ酸類としては、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン等が挙げられる。核酸としては、デオキシリボ核酸等が挙げられる。また、ホルモンとしては、エストラジオール、エテニルエストラジオール等が挙げられる。包接化合物としては、シクロデキストリン等が挙げられる。
【0074】
前記毛髪用固形化剤としては、両イオン性、アニオン性、カチオン性、非イオン性の各高分子化合物が挙げられ、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体等の、ポリビニルピロリドン系高分子化合物、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸アルキルハーフエステル共重合体等の酸性ビニルエーテル系高分子化合物、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体等の酸性ポリ酢酸ビニル系高分子化合物、(メタ)アクリル酸/アルキル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/アルキル(メタ)アクリレート/アルキルアクリルアミド共重合体等の酸性アクリル系高分子化合物、N−メタクリロイルエチル−N,N−ジメチルアンモニウム・α−N−メチルカルボキシベタイン/アルキル(メタ)アクリレート共重合体、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレート/アクリル酸オクチルアミド共重合体等の両性アクリル系高分子化合物が挙げられる。また、セルロース又はその誘導体、ケラチン又はその誘導体、コラーゲン又はその誘導体等の天然由来高分子化合物も好適に用いることができる。
【0075】
また、本発明における化粧料としては、上記化粧料成分を配合してなる、乳液、クリーム、クレンジング、パック、オイルリキッド、マッサージ料、美容液、洗浄剤、脱臭剤、ハンドクリーム、リップクリーム等のスキンケア化粧料、メイクアップ下地、白粉、リキッドファンデーション、油性ファンデーション、頬紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、アイブロウ、口紅等のメイクアップ化粧料、シャンプー、リンス、コンディショナー、トリートメント、セット剤等の毛髪化粧料、制汗剤、日焼け止め乳液や日焼け止めクリームなどの紫外線防御化粧料等が挙げられる。これらの化粧料の形態としては、液状、乳液状、クリーム状、固形状、ペースト状、ゲル状、粉末状、プレス状、多層状、ムース状、スプレー状、スティック状等、種々の形状を選択することができる。
【実施例】
【0076】
以下、本発明のペースト状組成物の合成実施例及び合成比較例、本発明のペースト状組成物を含有する化粧料の実施例及び比較例を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、粘度は25℃における測定値であり、粘度の測定にはブルックフィールド社製デジタル粘度計(DV−II+Pro)を用いた。
【0077】
[合成実施例1]
反応容器に、下記式(5)のメチルハイドジェンポリシロキサン80.0質量部、下記式(6)のメチルハイドロジェンポリシロキサン20.0質量部、下記式(7)のメチルビニルポリシロキサン155.0質量部、及び非反応性のシリコーン油としてジメチルポリシロキサン(粘度6mm/s)85.0質量部を仕込み、付加重合触媒として塩化白金酸2質量%のジビニルテトラメチルジシロキサン溶液0.09質量部を加え、内温を70〜80℃に維持して2時間撹拌し、(I)オルガノポリシロキサン重合体を含む生成物を得た。
【化6】

【0078】
次に、前記生成物100質量部と、(II)油剤としてジメチルポリシロキサン(粘度6mm/s)275質量部を混合し、三本ロールミルにて十分混練りして、(I)オルガノポリシロキサン重合体/ジメチルポリシロキサン=20/80質量比で粘度が423,000mPa・sのペースト状組成物を得た。
【0079】
[合成実施例2]
反応容器に、上記式(5)のメチルハイドジェンポリシロキサン80.0質量部、上記式(6)のメチルハイドロジェンポリシロキサン20.0質量部、上記式(7)のメチルビニルポリシロキサン137.0質量部、下記式(8)のメチルビニルポリシロキサン59.0質量部及び非反応性のシリコーン油としてジメチルポリシロキサン(粘度6mm/s)127.0質量部を仕込み、付加重合触媒として塩化白金酸2質量%のジビニルテトラメチルジシロキサン溶液0.10質量部を加え、内温を70〜80℃に維持して2時間撹拌し、(I)オルガノポリシロキサン重合体を含む生成物を得た。
【化7】

【0080】
次に、前記生成物100質量部と、(II)油剤としてジメチルポリシロキサン(粘度6mm/s)289質量部を混合し、三本ロールミルにて十分混練りして、(I)オルガノポリシロキサン重合体/ジメチルポリシロキサン=18/82質量比で粘度が407,000mPa・sのペースト状組成物を得た。
【0081】
[合成実施例3]
反応容器に、上記式(5)のメチルハイドジェンポリシロキサン80.0質量部、上記式(6)のメチルハイドロジェンポリシロキサン20.0質量部、上記式(8)のメチルビニルポリシロキサン71.0質量部、下記式(9)のメチルビニルポリシロキサン31.0質量部及び非反応性のシリコーン油としてジメチルポリシロキサン(粘度6mm/s)86.0質量部を仕込み、付加重合触媒として塩化白金酸2質量%のジビニルテトラメチルジシロキサン溶液0.07質量部を加え、内温を70〜80℃に維持して2時間撹拌し、(I)オルガノポリシロキサン重合体を含む生成物を得た。
【化8】

【0082】
次に、前記生成物100質量部と、(II)油剤としてジメチルポリシロキサン(粘度6mm/s)289質量部を混合し、三本ロールミルにて十分混練りして、(I)オルガノポリシロキサン重合体/ジメチルポリシロキサン=18/82質量比で粘度が416,000mPa・sのペースト状組成物を得た。
【0083】
[合成実施例4]
反応容器に、下記式(10)のメチルハイドジェンポリシロキサン60.0質量部、下記式(11)のメチルハイドロジェンポリシロキサン40.0質量部、下記式(12)のメチルビニルポリシロキサン236.0質量部及び非反応性のシリコーン油としてジメチルポリシロキサン(粘度6mm/s)84.0質量部を仕込み、付加重合触媒として塩化白金酸2質量%のジビニルテトラメチルジシロキサン溶液0.10質量部を加え、内温を70〜80℃に維持して2時間撹拌し、(I)オルガノポリシロキサン重合体を含む生成物を得た。
【化9】

【0084】
次に、前記生成物100質量部と、(II)油剤としてジメチルポリシロキサン(粘度6mm/s)300質量部を混合し、三本ロールミルにて十分混練りして、(I)オルガノポリシロキサン重合体/ジメチルポリシロキサン=20/80質量比で粘度が419,000mPa・sのペースト状組成物を得た。
【0085】
[合成実施例5]
反応容器に、上記式(10)のメチルハイドジェンポリシロキサン70.0質量部、下記式(13)のメチルハイドロジェンポリシロキサン30.0質量部、及び上記式(12)のメチルビニルポリシロキサン130.0質量部を仕込み、付加重合触媒として塩化白金酸2質量%のジビニルテトラメチルジシロキサン溶液0.06質量部を加え、内温を70〜80℃に維持して2時間撹拌し、(I)オルガノポリシロキサン重合体を含む生成物を得た。
【化10】

【0086】
次に、前記生成物100質量部と、(II)油剤としてジメチルポリシロキサン(粘度6mm/s)300質量部を混合し、三本ロールミルにて十分混練りして、(I)オルガノポリシロキサン重合体/ジメチルポリシロキサン=25/75質量比で粘度が435,000mPa・sのペースト状組成物を得た。
【0087】
[合成実施例6]
反応容器に、上記式(10)のメチルハイドジェンポリシロキサン70.0質量部、前記式(13)のメチルハイドロジェンポリシロキサン30.0質量部、及び上記式(12)のメチルビニルポリシロキサン130.0質量部及び非反応性のシリコーン油としてジメチルポリシロキサン(粘度1.5mm/s)100.0質量部を仕込み、付加重合触媒として塩化白金酸2質量%のジビニルテトラメチルジシロキサン溶液0.08質量部を加え、内温を70〜80℃に維持して2時間撹拌し、(I)オルガノポリシロキサン重合体を含む生成物を得た。
【0088】
次に、前記生成物100質量部と、(II)油剤としてジメチルポリシロキサン(粘度1.5mm/s)250質量部を混合し、三本ロールミルにて十分混練りして、(I)オルガノポリシロキサン重合体/ジメチルポリシロキサン=20/80質量比で粘度が427,000mPa・sのペースト状組成物を得た。
【0089】
[合成実施例7]
反応容器に、上記式(5)のメチルハイドジェンポリシロキサン80.0質量部、上記式(6)のメチルハイドロジェンポリシロキサン20.0質量部、上記式(8)のメチルビニルポリシロキサン71.0質量部、上記式(9)のメチルビニルポリシロキサン31.0質量部及び非反応性のシリコーン油としてジメチルポリシロキサン(粘度1.5mm/s)165.0質量部を仕込み、付加重合触媒として塩化白金酸2質量%のジビニルテトラメチルジシロキサン溶液0.09質量部を加え、内温を70〜80℃に維持して2時間撹拌し、(I)オルガノポリシロキサン重合体を含む生成物を得た。
【0090】
次に、前記生成物100質量部と、(II)油剤としてジメチルポリシロキサン(粘度1.5mm/s)265質量部を混合し、三本ロールミルにて十分混練りして、(I)オルガノポリシロキサン重合体/ジメチルポリシロキサン=15/85質量比で粘度が397,000mPa・sのペースト状組成物を得た。
【0091】
[合成実施例8]
反応容器に、上記式(10)のメチルハイドジェンポリシロキサン80.0質量部、下記式(14)のメチルハイドロジェンポリシロキサン20.0質量部、及び上記式(12)のメチルビニルポリシロキサン117.0質量部を仕込み、付加重合触媒として塩化白金酸2質量%のジビニルテトラメチルジシロキサン溶液0.05質量部を加え、内温を70〜80℃に維持して2時間撹拌し、(I)オルガノポリシロキサン重合体を含む生成物を得た。
【化11】

【0092】
次に、前記生成物100質量部と、(II)油剤としてデカメチルシクロペンタシロキサン(粘度4mm/s)565質量部を混合し、三本ロールミルにて十分混練りして、(I)オルガノポリシロキサン重合体/デカメチルシクロペンタシロキサン=15/85質量比で粘度が403,000mPa・sのペースト状組成物を得た。
【0093】
[合成実施例9]
反応容器に、上記式(13)のメチルハイドジェンポリシロキサン10.0質量部、下記式(15)のメチルハイドロジェンポリシロキサン90.0質量部、上記式(7)のメチルビニルポリシロキサン84.8質量部、上記式(9)のメチルビニルポリシロキサン21.2質量部、及びジメチルポリシロキサン(粘度6mm/s)88.3部を仕込み、塩化白金酸2質量%のジビニルテトラメチルジジロキサン溶液0.09質量部を加え、内温を70〜80℃に維持して2時間撹拌し、架橋型オルガノポリシロキサン重合体を含む生成物を得た。
【0094】
次に、前記生成物100質量部とジメチルポリシロキサン(粘度6mm/s)180質量部を混合し、三本ロールミルにて十分混練りして、架橋型オルガノポリシロキサン重合体/ジメチルポリシロキサン=25/75質量比で粘度が480,000mPa・sのペースト状組成物を得た。
【0095】
[合成比較例1]
反応容器に、上記式(5)のメチルハイドジェンポリシロキサン80.0質量部、上記式(6)のメチルハイドロジェンポリシロキサン20.0質量部、上記式(9)のメチルビニルポリシロキサン36.0質量部、及び非反応性のシリコーン油としてジメチルポリシロキサン(粘度6mm/s)45.0質量部を仕込み、付加重合触媒として塩化白金酸2質量%のジビニルテトラメチルジシロキサン溶液0.05質量部を加え、内温を70〜80℃に維持して2時間撹拌し、オルガノポリシロキサン重合体を含む生成物を得た。
【0096】
次に、前記生成物100質量部と、油剤としてジメチルポリシロキサン(粘度6mm/s)200質量部を混合し、三本ロールミルにて十分混練りして、オルガノポリシロキサン重合体/ジメチルポリシロキサン=25/75質量比で粘度が412,000mPa・sのペースト状組成物を得た。
【0097】
[合成比較例2]
反応容器に、上記式(10)のメチルハイドジェンポリシロキサン60.0質量部、上記式(11)のメチルハイドロジェンポリシロキサン40.0質量部、上記式(9)のメチルビニルポリシロキサン41.0質量部及び非反応性のシリコーン油としてジメチルポリシロキサン(粘度6mm/s)35.0質量部を仕込み、付加重合触媒として塩化白金酸2質量%のジビニルテトラメチルジシロキサン溶液0.04質量部を加え、内温を70〜80℃に維持して2時間撹拌し、オルガノポリシロキサン重合体を含む生成物を得た。
【0098】
次に、前記生成物100質量部と、油剤としてジメチルポリシロキサン(粘度6mm/s)185質量部を混合し、三本ロールミルにて十分混練りして、オルガノポリシロキサン重合体/ジメチルポリシロキサン=28/72質量比で粘度が414,000mPa・sのペースト状組成物を得た。
【0099】
[合成比較例3]
反応容器に、下記式(15)のメチルハイドジェンポリシロキサン70.0質量部、上記式(11)のメチルハイドロジェンポリシロキサン30.0質量部、上記式(9)のメチルビニルポリシロキサン51.0質量部及び非反応性のシリコーン油としてジメチルポリシロキサン(粘度6mm/s)100.0質量部を仕込み、付加重合触媒として塩化白金酸2質量%のジビニルテトラメチルジシロキサン溶液0.06質量部を加え、内温を70〜80℃に維持して2時間撹拌し、オルガノポリシロキサン重合体を含む生成物を得た。
【化12】

【0100】
次に、前記生成物100質量部と、油剤としてジメチルポリシロキサン(粘度6mm/s)140質量部を混合し、三本ロールミルにて十分混練りして、オルガノポリシロキサン重合体/ジメチルポリシロキサン=25/75質量比で粘度が424,000mPa・sのペースト状組成物を得た。
【0101】
[合成比較例4]
反応容器に、上記式(15)のメチルハイドジェンポリシロキサン70.0質量部、上記式(11)のメチルハイドロジェンポリシロキサン30.0質量部、上記式(7)のメチルビニルポリシロキサン222.0質量部及び非反応性のシリコーン油としてジメチルポリシロキサン(粘度6mm/s)81.0質量部を仕込み、付加重合触媒として塩化白金酸2質量%のジビニルテトラメチルジシロキサン溶液0.10質量部を加え、内温を70〜80℃に維持して2時間撹拌し、オルガノポリシロキサン重合体を含む生成物を得た。
【0102】
次に、前記生成物100質量部と、油剤としてジメチルポリシロキサン(粘度6mm/s)185質量部を混合し、三本ロールミルにて十分混練りして、オルガノポリシロキサン重合体/ジメチルポリシロキサン=28/72質量比で粘度が409,000mPa・sのペースト状組成物を得た。
【0103】
[合成比較例5]
反応容器に、上記式(5)のメチルハイドジェンポリシロキサン20.0質量部、上記式(15)のメチルハイドロジェンポリシロキサン80.0質量部、上記式(9)のメチルビニルポリシロキサン28.0質量部、上記式(7)のメチルビニルポリシロキサン42.0質量部及び非反応性のシリコーン油としてジメチルポリシロキサン(粘度6mm/s)43.0質量部を仕込み、付加重合触媒として塩化白金酸2質量%のジビニルテトラメチルジシロキサン溶液0.05質量部を加え、内温を70〜80℃に維持して2時間撹拌し、オルガノポリシロキサン重合体を含む生成物を得た。
【0104】
次に、前記生成物100質量部と、油剤としてジメチルポリシロキサン(粘度6mm/s)220質量部を混合し、三本ロールミルにて十分混練りして、オルガノポリシロキサン重合体/ジメチルポリシロキサン=25/75質量比で粘度が422,000mPa・sのペースト状組成物を得た。
【0105】
[合成比較例6]
反応容器に、上記式(15)のメチルハイドロジェンポリシロキサン100.0質量部、上記式(9)のメチルビニルポリシロキサン42.0質量部、及び非反応性のシリコーン油としてジメチルポリシロキサン(粘度6mm/s)61.0質量部を仕込み、付加重合触媒として塩化白金酸2質量%のジビニルテトラメチルジシロキサン溶液0.05質量部を加え、内温を70〜80℃に維持して2時間撹拌し、オルガノポリシロキサン重合体を含む生成物を得た。
【0106】
次に、前記生成物100質量部と、油剤としてジメチルポリシロキサン(粘度6mm/s)180質量部を混合し、三本ロールミルにて十分混練りして、オルガノポリシロキサン重合体/ジメチルポリシロキサン=25/75質量比で粘度が428,000mPa・sのペースト状組成物を得た。
【0107】
以上、合成実施例1〜8、合成比較例1〜6のペースト状組成物の組成を表1にまとめて示す。式中の値の単位は質量部である。なお、式(6)、(9)、(11)、及び(15)で表わされるハイドロジェンポリシロキサン又はビニルポリシロキサンは、(a+b)≧30、(c+d)≧30、及び(e+f)≧30のいずれも満たさないハイドロジェンポリシロキサン又はビニルポリシロキサンである。また、合成比較例5は、(a+b)≧30、(c+d)≧30、及び(e+f)≧30のいずれかを満たさすハイドロジェンポリシロキサン又はビニルポリシロキサンを、前記一般式(1)〜(3)で示されるポリシロキサンの総質量のうち40質量%未満しか含有しない例である。
【表1】

【0108】
合成実施例1〜8、合成比較例1〜6で得られたペースト状組成物を肌に塗布したときの感触について、表2に示す基準に従って専門パネラー10名による評価を行った。得られた平均点について表3に示す基準に従って判定を行った。判定結果を表4に示す。
【0109】
[評価基準]
【表2】

【0110】
[判定基準]
【表3】

【0111】
[判定結果]
【表4】

【0112】
表4に示したように、本発明における合成実施例1〜8のペースト状組成物は、合成比較例1〜6のペースト状組成物に比べぬるつき感がなく、球状粉体を使用していないにも係わらず、パウダー感を感じるものである。すなわち、本発明のペースト状組成物であれば、(I)オルガノポリシロキサン重合体がシリコーン油等の(II)油剤に対して高い増粘効果を示すため、油剤の配合安定性が高まり、かつ、これらを含むペースト状組成物はのびの悪さ、油っぽさ、べたつき、油膜感等がなく、さらさらとした軽い感触のペースト状組成物となることが示された。
【0113】
次に本発明の(I)オルガノポリシロキサン組成物及び(II)油剤を含むペースト状組成物を含有する各化粧料の実施例を示す。
【0114】
[実施例1:W/O型乳液]
(成分) (質量部)
1.合成実施例1で得られたペースト状組成物 15.0
2.ジメチルポリシロキサン(粘度:6mm/s) 12.0
3.デカメチルシクロペンタシロキサン 10.0
4.トリオクタン酸グリセリル 5.0
5.ポリエーテル変性シリコーン(注1) 3.0
6.1,3−ブタンジオール 5.0
7.防腐剤 適量
8.香料 適量
9.精製水 50.0
(注1)信越化学工業(株)製 KF−6017
【0115】
(製造方法)
A:成分1〜5を均一に撹拌混合した。
B:成分6〜9を均一に混合した後、Aに加えて撹拌混合して乳化物を得た。
【0116】
(結果)
このようにして得られた乳化物は、べたつきがなく、のび広がりが軽く、さっぱりとした感触で、つやのある仕上りが得られるW/O型乳液となった。
【0117】
[実施例2:O/W型クリーム]
(成分) (質量部)
1.合成実施例2で得られたペースト状組成物 8.0
2.架橋型メチルフェニルポリシロキサン(注2) 2.0
3.イソノナン酸イソトリデシル 5.0
4.ジプロピレングリコール 7.0
5.グリセリン 5.0
6.2%メチルセルロース溶液(注3) 7.0
7.ポリアクリルアミド系乳化剤(注4) 2.0
8.グアニン 1.0
9.防腐剤 適量
10.香料 適量
11.精製水 63.0
(注2)信越化学工業(株)製 KSG−18
(注3)信越化学工業(株)製 メトローズSM−4000
(注4)SEPIC製 セピゲル305
【0118】
(製造方法)
A:成分3〜11を均一に撹拌混合した。
B:成分1〜2を均一に混合した後、Aに加え撹拌混合して乳化物を得た。
【0119】
(結果)
このようにして得られた乳化物は、キメが細かく、べたつきがなく、のび広がりが軽く、油っぽさがなく、さっぱりとした使用感を与えると共に化粧持ちも良く、安定性に優れたO/W型クリームとなった。
【0120】
[実施例3:W/O型クリーム]
(成分) (質量部)
1.合成実施例8で得られたペースト状組成物 5.0
2.ジメチルポリシロキサン(粘度:6mm/s) 10.0
3.架橋型ポリエーテル変性シリコーン(注5) 2.0
4.ポリエーテル変性分岐型シリコーン(注6) 0.5
5.ジプロピレングリコール 10.0
6.クエン酸ナトリウム 0.2
7.エタノール 5.0
8.防腐剤 適量
9.香料 適量
10.精製水 67.3
(注5)信越化学工業(株)製 KSG−210
(注6)信越化学工業(株)製 KF−6028
【0121】
(製造方法)
A:成分1〜4を均一に撹拌混合した。
B:成分5〜10を均一に混合した後、Aに加え撹拌混合して乳化物を得た。
【0122】
(結果)
このようにして得られた乳化物は、ぬるつき、べたつきがなく、のび広がりが軽く、みずみずしいさっぱりとした使用感を感じる、W/O型クリームとなった。
【0123】
[実施例4:パウダーファンデーション]
(成分) (質量部)
1.合成実施例3で得られたペースト状組成物 6.0
2.アクリレート/ジメチルシリコーン共重合体(注7) 3.0
3.スクワラン 3.0
4.アクリルシリコーン処理マイカ(注8) 50.0
5.トリエトキシカプリリル処理タルク(注9) 24.0
6.トリエトキシアルキルシリコーン処理酸化チタン(注10) 9.0
7.ハイブリッドシリコーン複合粉体(注11) 2.0
8.球状ポリメチルシルセスキオキサン粉体(注12) 3.0
9.トリエトキシアルキルシリコーン処理顔料(注13) 適量
10.防腐剤 適量
11.香料 適量
(注7)信越化学工業(株)製 KP−561P
(注8)信越化学工業(株)製 KP−574処理マイカ
(注9)信越化学工業(株)製 AES−3083処理タルク
(注10)信越化学工業(株)製 KF−9909処理酸化チタン
(注11)信越化学工業(株)製 KSP−300
(注12)信越化学工業(株)製 KMP−590
(注13)信越化学工業(株)製 KF−9909処理顔料
【0124】
(製造方法)
A:成分4〜10を均一に混合した。
B:成分1〜3を均一に混合した後、Aに加え混合した。
C:成分11を添加した後、金型にプレス成型してパウダーファンデーションを得た。
【0125】
(結果)
このようにして得られたパウダーファンデーションは、べたつきがなく、のびが軽く広がりの良い、密着性に優れたパウダーファンデーションとなった。
【0126】
[実施例5:W/O型クリームファンデーション]
(成分) (質量部)
1.合成実施例6で得られたペースト状組成物 8.0
2.架橋型ポリエーテル変性シリコーン(注14) 3.0
3.ポリエーテル変性シリコーン(注15) 1.0
4.ジメチルポリシロキサン(粘度:6mm/s) 3.0
5.デカメチルペンタシロキサン 9.0
6.トリオクタン酸グリセリル 5.0
7.ジオクタン酸ネオペンチルグリコール 2.0
8.球状ポリメチルシルセスキオキサン粉体(注16) 1.5
9.ポリグリセリンアルキル共変性分岐型シリコーン(注17) 2.0
10.トリエトキシアルキルシリコーン処理顔料(注18) 5.0
11.ペンチレングリコール 5.0
12.塩化ナトリウム 0.5
13.防腐剤 適量
14.香料 適量
15.精製水 55.0
(注14)信越化学工業(株)製 KSG−210
(注15)信越化学工業(株)製 KF−6017
(注16)信越化学工業(株)製 KMP−590
(注17)信越化学工業(株)製 KF−6105
(注18)信越化学工業(株)製 KF−9909処理顔料
【0127】
(製造方法)
A:成分1〜4、5の一部、6〜8を均一に撹拌混合した。
B:成分9〜10、5の残部を撹拌混合した。
C:成分11〜13、15を均一に混合した。
D:CをAに加えて撹拌混合して乳化を行った。
E:成分14およびBをDに加えて撹拌混合した。
【0128】
(結果)
このようにして得られたクリームファンデーションは、ぬるつき、べたつきがなく、のび広がりが軽く、さらに顔料の分散性が良く、密着性に優れたW/O型クリームファンデーションとなった。
【0129】
[実施例6:アイシャドウ]
(成分) (質量部)
1.セリサイト 45.0
2.マイカ 12.0
3.タルク 12.0
4.酸化チタン 10.0
5.微粒子酸化チタン 5.0
6.ステアリン酸マグネシウム 3.0
7.顔料 適量
8.オクチルドデカノール 3.0
9.ジメチルポリシロキサン(粘度:6mm/s) 4.0
10.合成実施例7で得られたペースト状組成物 6.0
11.防腐剤 適量
12.香料 適量
【0130】
(製造方法)
A:成分8〜11を均一に混合した。
B:成分1〜7を均一に混合した後、Aを加え混合した。
C:成分12をBに添加した。
【0131】
(結果)
このようにして得られたアイシャドウは、のびが良く、密着性に優れた化粧持ちのよいアイシャドウとなった。
【0132】
[実施例7:クリームアイカラー]
(成分) (質量部)
1.合成実施例5で得られたペースト状組成物 3.5
2.合成実施例7で得られたペースト状組成物 5.0
3.ポリエーテル変性分岐型シロキサン(注19) 2.0
4.ジメチルポリシロキサン(粘度:6mm/s) 6.5
5.デカメチルペンタシロキサン 26.6
6.トリエチルヘキサノイン 5.0
7.有機変性ベントナイト 1.2
8.アクリレート/ジメチルシリコーン共重合体(注20) 1.5
9.トリエトキシアルキルシリコーン処理顔料(注21) 5.0
10.ジプロピレングルコール 5.0
11.クエン酸ナトリウム 0.2
12.防腐剤 適量
13.香料 適量
14.精製水 38.5
(注19)信越化学工業(株)製 KF−6028
(注20)信越化学工業(株)製 KP−575
(注21)信越化学工業(株)製 KF−9909処理顔料
【0133】
(製造方法)
A:成分1〜4、5の一部、6〜7を均一に撹拌混合した。
B:成分10〜12、及び14を撹拌混合した。
C:成分8〜9、及び5の残部を均一に混合した。
D:CをAに加えて撹拌混合して乳化を行った。
E:成分13およびBをDに加えて撹拌混合した。
【0134】
(結果)
このようにして得られたクリームアイカラーは、ぬるつき、べたつきがなく、のび広がりが軽く、さらに顔料の分散性が良く、密着性に優れたクリームアイカラーとなった。
【0135】
[実施例8:ロールオンタイプ制汗剤]
(成分) (質量部)
1.合成実施例8で得られたペースト状組成物 20.0
2.架橋型ポリエーテル変性シリコーン(注22) 20.0
3.架橋型ジメチルポリシロキサン(注23) 15.0
4.ジメチルポリシロキサン(粘度:6mm/s) 10.0
5.デカメチルペンタシロキサン 15.0
6.アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレイト 20.0
7.香料 適量
(注22)信越化学工業(株)製 KSG−240
(注23)信越化学工業(株)製 KSG−15
【0136】
(製造方法)
A:成分1〜5を均一に混合した。
B:成分6〜7をAに加え混合分散した。
【0137】
(結果)
このようにして得られたロールオンタイプ制汗剤は、べたつきがなく、のび広がりが軽く、清涼感のあるさらりとした感触のロールオンタイプ制汗剤となった。
【0138】
[実施例9:サンカットクリーム]
(成分) (質量部)
1.トリエトキシアルキルシリコーン処理酸化亜鉛(注24) 20.0
2.アルキル・ポリグリセリン共変性シリコーン(注25) 12.0
3.デカメチルシクロペンタシロキサン 20.0
4.ジオクタン酸ネオペンチルグリコール 7.0
5.架橋型アルキルポリエーテル共変性シリコーン(注26) 2.0
6.合成実施例5で得られたペースト状組成物 5.0
7.アルキルポリエーテル共変性分岐シリコーン(注27) 1.0
8.メトキシ桂皮酸オクチル 3.0
9.クエン酸ナトリウム 0.2
10.ジプロピレングリコール 3.0
11.防腐剤 適量
12.香料 適量
13.精製水 26.8
(注24)信越化学工業(株)製 KF−9909処理酸化亜鉛
(注25)信越化学工業(株)製 KF−6105
(注26)信越化学工業(株)製 KSG−310
(注27)信越化学工業(株)製 KF−6038
【0139】
(製造方法)
A:成分3の一部、及び4〜8を均一に撹拌混合した。
B:成分9〜11、及び13を混合した。
C:成分1〜2、及び3の残部を混合した。
D:BをAに加えて撹拌混合して乳化を行った。
E:Cおよび成分12をDに加えて撹拌混合した。
【0140】
(結果)
このようにして得られたサンカットクリームは、ぬるつき、べたつきがなく、のび広がりが軽く、密着性に優れた化粧持ちも良いサンカットクリームとなった。
【0141】
[実施例10:サンカット乳液]
(成分) (質量部)
1.合成実施例7で得られたペースト状組成物 5.0
2.合成実施例5で得られたペースト状組成物 1.0
3.ジメチルポリシロキサン(粘度:6mm/s) 5.0
4.トリオクタン酸グリセリル 2.0
5.ポリエーテル変性シリコーン(注28) 1.0
6.酸化チタン/デカメチルシクロペンタシロキサン分散物(注29) 30.0
7.酸化亜鉛/デカメチルシクロペンタシロキサン分散物(注30) 30.0
8.ジプロピレングリコール 3.0
9.クエン酸ナトリウム 0.2
10.防腐剤 適量
11.香料 適量
12.精製水 22.8
(注28)信越化学工業(株)製 KF−6017
(注29)信越化学工業(株)製 SPD−T5
(注30)信越化学工業(株)製 SPD−Z5
【0142】
(製造方法)
A:成分1〜5を均一に撹拌混合した。
B:成分8〜10、及び12を混合した。
C:BをAに加えて撹拌混合して乳化を行った。
D:成分6、7、11をCに加えて撹拌混合した。
【0143】
(結果)
このようにして得られたサンカット乳液は、ぬるつき、べたつきがなく、のび広がりが軽く、化粧持ちの良いサンカット乳液となった。
【0144】
以上より、本発明のペースト状組成物を含有する化粧料は、のびの悪さ、油っぽさ、べたつき、油膜感等がなく、球状粒子のようなパウダーを配合しなくとも、油っぽさがなくさらさらとしたパウダー感を有するものとなることが示された。
【0145】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、
(I)(i)下記一般式(1)又は(2)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン1種以上と、
【化1】

(上記一般式(1)中、Rはそれぞれ同一又は異なる、脂肪族不飽和基を有さない炭素原子数1〜8の一価炭化水素基であり、a≧1、b≧0の整数である。上記一般式(2)中、Rはそれぞれ同一又は異なる、脂肪族不飽和基を有しない炭素原子数1〜8の一価炭化水素基であり、c≧0、d≧1の整数である。)
(ii)下記一般式(3)で示される脂肪族不飽和基含有のオルガノポリシロキサン1種以上
【化2】

(上記一般式(3)中、Rはそれぞれ同一又は異なる、脂肪族不飽和基を有しない炭素原子数1〜8の一価炭化水素基、Rはそれぞれ同一又は異なる、末端に不飽和基を有する炭素原子数2〜8の一価炭化水素基であり、e≧1、f≧0の整数である。)
とを含み、上記一般式(1)〜(3)で示されるポリシロキサンの総質量のうち40質量%以上は、(a+b)≧30、(c+d)≧30、及び(e+f)≧30のいずれかを満たすものを少なくとも2種含有するポリシロキサン混合物を、付加重合することにより得られるオルガノポリシロキサン重合体と、
(II)シリコーン油、炭化水素油、エステル油、天然動植物油、及び半合成油から選択される少なくとも1種の25℃で液体の油剤とを含むものであることを特徴とするペースト状組成物。
【請求項2】
前記一般式(3)におけるRがビニル基であることを特徴とする請求項1に記載のペースト状組成物。
【請求項3】
前記オルガノポリシロキサン重合体に対して、前記油剤を質量比で1/20以上20/1以下含むものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のペースト状組成物。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のペースト状組成物を含有するものであることを特徴とする化粧料。

【公開番号】特開2012−162700(P2012−162700A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−26330(P2011−26330)
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】