ホイールベース可変型車輌
【課題】伸縮時の剛性を確保することの可能な構造を持った、ホイールベース可変型車輌を提供する。
【解決手段】前輪6が回転自在に設けられた前部フレーム3、前部フレーム3に対して入れ子式に挿抜自在な形で前後方向に伸縮自在に設けられた後部フレーム5からなるホイールベース可変フレーム2を有し、前部フレームは、ステアリング装置12、運転席10の設けられた運転席部3c及び前記前輪の回転を係止する係止手段を有し、後部フレーム5は、後輪13、該後輪を回転駆動する後輪駆動手段を有し、ホイールベース可変フレームの左右両側で、それら前部フレーム及び後部フレーム間には、それら前部フレーム及び後部フレーム間の前後方向の相対移動を、ホイールベース可変フレームが、ロングホイールベース状態とショートホイールベース状態となる2位置でクランプ自在なフレームクランプ手段3e,16b、16c、17が設けられて、構成される。
【解決手段】前輪6が回転自在に設けられた前部フレーム3、前部フレーム3に対して入れ子式に挿抜自在な形で前後方向に伸縮自在に設けられた後部フレーム5からなるホイールベース可変フレーム2を有し、前部フレームは、ステアリング装置12、運転席10の設けられた運転席部3c及び前記前輪の回転を係止する係止手段を有し、後部フレーム5は、後輪13、該後輪を回転駆動する後輪駆動手段を有し、ホイールベース可変フレームの左右両側で、それら前部フレーム及び後部フレーム間には、それら前部フレーム及び後部フレーム間の前後方向の相対移動を、ホイールベース可変フレームが、ロングホイールベース状態とショートホイールベース状態となる2位置でクランプ自在なフレームクランプ手段3e,16b、16c、17が設けられて、構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車などに適用するに好適なホイールベース可変型車輌に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ホイールベースが伸縮して、車輌全長が可変する車輌としては、例えば、特許文献1に示すものが知られている。こうした装置は、フレーム全体を上下方向にその形が変動するリンク機構で構成して、当該リンク機構を駆動してホイールベースの変化を達成していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−231415
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、こうした構造では、ホイールベースを変化させると、フレームを構成するリンクの形状が上下方向に変化するので、フレームの剛性が容易に変化してしまい、重い電池を搭載する電気自動車などにおいては所定の剛性を確保することが困難な問題がある。
【0005】
また、一定の剛性を確保する上で、回転するリンク部を持たない剛性の高いフレームを組み合わせて用いる構造も考えられるが、その場合に、伸縮時の剛性の確保をどのようにすればよいかは未解決の課題であった。
【0006】
そこで、本発明は、回転するリンク部を持たない剛性の高いフレームを組み合わせて用いていながら、伸縮時の剛性を確保することの可能な構造を持った、ホイールベース可変型車輌を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点は、前輪(6)が回転自在に設けられた前部フレーム(3)、該前部フレーム(3)に対して入れ子式に挿抜自在な形で前後方向に伸縮自在に設けられた後部フレーム(5)からなるホイールベース可変フレーム(2)を有し、
前記前部フレームは、ステアリング装置(12)、運転席(10)の設けられた運転席部(3c)及び前記前輪の回転を係止する係止手段を有し、
前記後部フレーム(5)は、後輪(13)、該後輪を回転駆動する後輪駆動手段を有し、
前記ホイールベース可変フレームの左右両側で、それら前部フレーム及び後部フレーム間には、それら前部フレーム及び後部フレーム間の前後方向(矢印B,C方向)の相対移動を、前記ホイールベース可変フレームが、ロングホイールベース状態とショートホイールベース状態となる2位置でクランプ自在なフレームクランプ手段(3e,16b、16c、17)が設けられて、
構成されたことを特徴とする。
【0008】
本発明の第2の観点は、前記ホイールベース可変型車輌は、
前記係止手段による前輪の回転の係止と、それに続く後部フレームに搭載された駆動モータによる後部フレームの前部フレームに対する前後方向の移動を制御する、コンピュータを用いたフレーム移動駆動手段を有する、
ことを特徴とする。
【0009】
本発明の第3の観点は、前記フレームクランプ手段は、
前記後部フレームに設けられ、ロングホイールベース状態とショートホイールベース状態に対応する形で、前後方向に所定の距離間隔で配置された2個のブラケット(16b、16c)、
前記前部フレームに、前記2個のブラケット間に位置するように配置された固定フランジ(3e)、
前記前部フレームに設けられ、前記固定フランジと前記2個のブラケットの内の一個と係合し、前記前部フレームと後部フレームを前後方向にクランプすることの出来るクランプ機構(17)を有する、
ことを特徴とする。
【0010】
本発明の第4の観点は、前記前部フレームには、運転席(10)が設けられており、該運転席は、上下移動機構により、座面が上下に移動駆動自在に設けられている、
ことを特徴とする。
【0011】
本発明の第5の観点は、前記上下運動機構には、前記ハンドル装置を支持するハンドル支持移動機構が接続しており、前記ハンドル装置は、前記運転席の座面の位置に応じて前記ハンドル支持移動機構を介して、前記座面に対して適正な位置に移動駆動される、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
第1の観点によれば、前部フレーム(3)と後部フレーム(5)を入れ子構造にして、前後方向に挿抜自在に設け、後部フレームを前部フレームに対して前後方向に移動させることで、ホイールベースを変化させるようにしたので、ホイールベース可変フレームの全体の形状、特に上下方向の形状が大きく変化することが無く、フレーム剛性の変化を小さくすることが可能となる。
【0013】
また、フレームクランプ手段(3e,16b、16c、17)をホイールベース可変フレームの左右両側に設けたので、可変フレームの両側から強固かつ均等に前後フレームをクランプすることが出来る。
【0014】
第2の観点によれば、コンピュータを用いたフレーム移動駆動手段により、迅速かつ確実なホイールベースの可変動作が可能となる。
【0015】
第3の観点によれば、後部フレーム(5)にロングホイールベース状態とショートホイールベース状態に対応する形で、2個のブラケット(16b、16c)を配置し、その間に前部フレーム(3)の固定フランジ(3e)を配置して、固定フランジと2個のブラケットの内の一個とを前部フレーム(3)に設けられたクランプ機構(17)によりクランプすることで、1個のクランプ機構(17)で、ロングホイールベース状態とショートホイールベース状態でのクランプが可能となり、フレームクランプ手段の構成を簡単にすることが出来る。
【0016】
なお、括弧内の番号等は、図面における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明が適用されるホイールベース可変型車輌の一例を示す簡略斜視図であり、ロングホイールベース状態を示す図。
【図2】図2は、図1のホイールベース可変型車輌のショートホイールベース状態を示す図。
【図3】図3は、図1の車輌で、座席の位置を高くした状態を示す図。
【図4】図4(a)は、ホイールベース可変型車輌のフレーム構造の一例を示す図で、ロングホイールベース状態を示す図、図4(b)は、クランプバーの一例を示す平面図。
【図5】図5は、図4の車輌のクランプ機構部分の拡大正面図で、クランプ状態を示す図。
【図6】図6は、クランプハウジングが離脱した状態での、図4のフレーム構造の平面図で、ロングホイールベース状態を示す図。
【図7】図7は、クランプハウジングが離脱した状態での、図4のフレーム構造の平面図で、ショートホイールベース状態を示す図。
【図8】図8は、ショートホイールベース状態で、クランプ機構がアンクランプ状態を示す斜視図。
【図9】図8のアンクランプ状態のA矢視図。
【図10】図10は、ショートホイールベース状態で、クランプ機構がクランプ状態を示す斜視図。
【図11】図4のホイールベース可変型車輌のショートホイールベース状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づき、本発明の実施例を説明する。
【0019】
本発明の1実施例が適用されたホイールベース可変型車輌1は、図1に示すように、ホイールベース可変フレーム2を有しており、ホイールベース可変フレーム2は、図4に示すように、前部フレーム3及び後部フレーム5を有している。前部フレーム3は、多数の棒状のアングル鋼材3aを組み立て接合して構成されており、前部フレーム3は、フレーム前方の前輪支持部3b及び、前輪支持部3bの図中右方、即ち後方に配置された運転席部3cとを有している。前輪支持部3bには図示しない公知のサスペンション機構を介して前輪6としての二つのタイヤ6a,6aが回転自在に支持されており、前輪6は、同様に前部フレーム3に配置された公知のステアリング装置7を介して、進行方向である図4矢印B,C方向に対してほぼ直角な左右方向に、即ち矢印E,F方向に操舵自在に構成されている。なお、サスペンション機構及びステアリング装置は、本発明とは直接関係しないので、図の理解を容易にするためにその図示を省略している。
【0020】
運転席部3cは、アングル鋼材3aにより箱状に形成されており、内部に運転席が配置される座席空間9が形成されている。座席空間9には、椅子状に形成された運転席10が、運転席部3c下部のアングル鋼材3aに枢着された、上下移動機構である複数のリンク3dからなる平行運動機構10a,10aにより、矢印G,H方向である斜め上下方向に、座面10bが水平状態を保持したまま駆動シリンダ機構10dを介して移動駆動位置決め自在に配置されている。従って、運転席10は、図1に示す、座面10bが矢印H方向に降下した低座位置と、図3に示す、座面10bが矢印G方向に上昇した高座位置との間の、任意の高さ位置で位置決め保持することが可能である(図1及び図3のダミー人形の腰の位置が、座面10bの高さに相当する)。なお、運転席部3cには、前輪6の回転を係止する係止手段である、図示しないパーキングブレーキが設けられている。なお、座面10bが矢印G方向に上昇した高座位置では、運転席への乗員の乗り降りが容易となるので、乗り降り時には、座面10bが高座位置となるようにするとよい。
【0021】
運転席部3cには、ステアリング装置を構成するハンドル装置12が設けられており、ハンドル装置12は、前述の平行運動機構10a、10aのリンク3dの中間部に矢印I,J方向に揺動自在に枢着されたハンドル支持移動機構である支持ブラケット10cに回転自在に支持されている。支持ブラケット10cがリンク3dと連動することにより、ハンドル装置12は、運転席10の座面10bの高さ位置に応じて自動的に適正な位置に移動駆動される。
【0022】
前部フレーム3には、前述した後部フレーム5が、矢印B、C方向、即ち、フレーム2の前後方向にのみ相対的に移動自在に係合しており、後部フレーム5は、図6及び図7に示すように、前部フレーム3の内部に、水平方向に入れ子式に挿抜自在に係合している。後部フレーム5は、前部フレーム3と同様に、多数の棒状のアングル鋼材5aを接合組み立てることで構成されている。前部フレーム3と後部フレーム5は、ガイドレール機構、スライドレール機構、ベアリング機構などの公知の適宜な水平ガイド移動機構を用いて互いに矢印B、C方向に、可変フレーム2の長さが可変し得る形で係合しており、後部フレーム5は、前部フレーム3に対して図4の矢印C方向に伸張(離反)したロングホイールベース状態と、図11に示すように、前部フレーム3に対して矢印B方向に収縮(接近)したショートホイールベース状態との間で、相対的に移動することが出来る。
【0023】
なお、水平ガイド移動機構としては、前部フレーム3の鋼材3aと、後部フレーム5の鋼材5aを入れ子状に前後方向に摺動自在に組み合わせたものや、前部フレーム3と後部フレーム5間に、ガイド棒及びガイド穴からなるガイド手段を設け、当該ガイド手段を介して、前部フレーム3と後部フレーム5の前後方向の相対移動をはかるもの、更には、前部フレーム3と後部フレーム5の間に、リニアガイドを設置し、該リニアガイドを介して、前部フレーム3と後部フレーム5の前後方向の相対移動をはかるもの等、各種のものが考えられる。例えば、図9のように、前部フレーム3のガイドレール3f、3f内に、後部フレーム5のロッド5c、5cを矢印B,C方向に摺動自在に係合させるなどである。なお、図4において、前部フレーム3と後部フレーム5の区別を分かり易くするために、前部フレーム3の後部フレーム5との境界付近に、ハッチングを入れている。
【0024】
後部フレーム5には、図示しない駆動モータ及び蓄電池が搭載された駆動部5bが設けられており、更に後部フレーム5には、公知のサスペンション機構を介して後輪13としての二つのタイヤ13a,13aが回転自在に支持されている。後輪13は、前述の駆動部5に搭載された後輪駆動手段である駆動モータにより、運転席部3cに配置された図示しないアクセルブレーキなどの走行制御機構を介して回転駆動自在に設けられている。
【0025】
前部フレーム3後部のアングル鋼材3aと後部フレーム5の後端のアングル鋼材5aとの間には、オプション部品としてのフレーム補強装置15が設けられている。フレーム補強装置15は、ほぼΩ形に形成された、両端に押圧翼15b,15bが形成されたリーフスプリング15aを有しており、リーフスプリング15aと前部フレーム3のアングル鋼材3aとの間には、駆動シリンダ15cが両端部をリーフスプリング15aとアングル鋼材3aに枢着させた形で伸縮駆動自在に設けられている。また、リーフスプリング15aと前部フレーム3のアングル鋼材3aの間には、前部支持レバー15d、15dが軸15eを介してそれぞれ枢着されており、リーフスプリング15aと後部フレーム5のアングル鋼材5aとの間には、後部支持レバー15f、15fがそれぞれ枢着されている。
【0026】
後部フレーム5の両側に配置され、後部フレーム5の前部フレーム3に対する矢印B,C方向への相対移動と共に、前部フレーム3対して矢印B,C方向に挿抜される形で移動するアングル鋼材5a,5a(図4の上下のアングル鋼材5a,5a)には、フレームクランプ手段を構成するクランプバー16,16が装着されており、クランプバー16は、図4(b)に示すように、アングル鋼材5aと並行に矢印B,C方向に伸延する棒状の本体16aを有している。本体16aの前後(矢印B,C方向)両側には、ブラケット16b、16cがホイールベースが変動する長さに対応した間隔Lで配置されている。なお、ブラケット16bは、後部フレーム5のロングホイールベース状態に対応する位置に、ブラケット16cは、ショートホイールベース状態に対応する位置に配置されている。
【0027】
また、前部フレーム3の両側の前記クランプバー16、16と対向する位置には、クランプバー16、16と共にフレームクランプ手段を構成するクランプ機構17,17が配置されており、クランプ機構17は、図8に示すように、前部フレーム3のアングル鋼材3aに、前部フレーム3の両側外方(図8矢印J方向)に突出する形で固着されたガイドレール部材17aを有している。ガイドレール部材17aは、一端がアングル鋼材3aに固着されたガイドレール17b、17bを有しており、ガイドレール部材17aには、スライドテーブル駆動手段17cが装着されている。スライドテーブル駆動手段17cは、ガイドレール部材17aのガイドレール17b、17b上に搭載配置された第1スライドテーブル17dを矢印I、J方向(車輌幅方向)に移動駆動することが出来る。
【0028】
第1スライドテーブル17dには、車輌の前後方向である矢印B,C方向にガイドレール17e,17eが配設されており、ガイドレール17e、17e上には第2スライドテーブル17fが矢印B,C方向に移動駆動自在に配置されている。第1スライドテーブル17dと第2スライドテーブル17fとの間には、弾性手段としてのコイルスプリング17gが設けられており、コイルスプリング17gは、第2スライドテーブル17fを常時矢印C方向に付勢している。第2スライドテーブル17fには、矢印I,J方向(車輌幅方向)が解放された全体が四角い箱状に形成されたゲートフレーム17hが設けられており、ゲートフレーム17hで囲まれたクランプ空間17kには、ロックシリンダ17iが図8に示すように、後端をゲートフレーム17hに枢着させた形で設けられている。ロックシリンダ17iのラム17jは、矢印B,C方向に突出駆動自在に配置されており、ラム17jは支持装置17mにより矢印B,C方向に移動自在に支持されている。
【0029】
ゲートフレーム17hのクランプ空間17kには、前部フレーム3に設けられ、クランプバー16及びクランプ機構17と共にフレームクランプ手段を構成する固定フランジ3eが、第1スライドテーブル17dの矢印I,J方向の移動に伴って移動されるゲートフレーム17hにより、相対的に矢印I,J方向に挿入自在に配置されている。固定フランジ3eは、図4(b)及び図9になど示すように、前部フレーム3の上下方向に設置されたアングル鋼材3a‘に接合され、クランプバー16との干渉が回避されている。そして、ホイールベース可変フレーム2がショートホイールベース状態では、固定フランジ3eの、図8又は図10の右方には、前述したクランプバー16のブラケット16cが、ゲートフレーム17hの壁部分との間に隣接配置されており、ホイールベース可変フレーム2がロングホイールベース状態では、固定フランジ3eの、図5左方、即ち前方に、クランプバー16のブラケット16bが、固定フランジ3eの、図5右方、即ち後方には、ゲートフレーム17hの壁部分が位置している。なお、前述したクランプバー16、クランプ機構17及び固定フランジ3eからなるフレームクランプ手段は、ホイールベース可変フレーム2の左右両側の、前部フレーム3と後部フレーム5との間に、後述するように前部フレーム3と後部フレーム5の水平方向(前後方向)の相対移動を、ホイールベース可変フレーム2がロングホイールベース状態とショートホイールベース状態となる2位置でクランプ自在な形で設けられている。
【0030】
また、ホイールベース可変フレーム2上には、図1に示すように、風防19が配置されており、風防19は、前部フレーム3に装着されている。
【0031】
ホイールベース可変型車輌1は、以上のような構成を有するので、図1に示すような、ロングホイールベース状態では、図1及び図4に示すように、後部フレーム5は前部フレーム3に対して矢印C方向、即ち後方に引き出された状態となっている。
【0032】
この状態から、図2に示す、ショートホイールベース状態にするには、以下の手順で行う。まず、図4のロングホイールベース状態では、図5に示すように、クランプ機構17のロックシリンダ17iのラム17jが、後方である矢印C方向に突出駆動されており、後部フレーム5に装着されたクランプバー16のブラケット16bと前部フレーム3のフランジ3eは、ゲートフレーム17hとラム17jとの間で所定のクランプ圧で押圧保持されている。クランプ状態では、第2スライドテーブル17fは、ロックシリンダ17iのラム17jと前部フレーム3のフランジ3eを介した当接による反力でゲートフレーム17hと共に矢印B方向に付勢され、これにより、ゲートフレーム17hとラム17jとの間にブラケット16bとフランジ3eが所定のクランプ圧で狭圧保持されることとなる。従って、前部フレーム3と後部フレーム5は、ホイールベース可変フレーム2の左右両側でクランプ機構17,17により、強固に保持されることとなり、所定の剛性が保持される。
【0033】
なお、クランプ機構17,17だけでは、ホイールベース可変フレーム2の剛性が不足すると思われる場合には、図4に示すフレーム補強装置15(オプション部品であり、図1に示すように、設けられていない場合もある)の、駆動シリンダ15cを短縮駆動させて、リーフスプリング15aの押圧翼15b、15bで後部フレーム5のアングル鋼材5a,5aを強く下方に押圧し、前後方向にのみ移動しうる前部フレーム3と後部フレーム5間に前部支持レバー15d、15d及び後部支持レバー15f、15f及びリーフスプリング15aによる補強構造を構築するようにする。このさい、前部支持レバー15d、15d及び後部支持レバー15f、15f及びリーフスプリング15aがトグル機構を構成するように、その寸法を設定することで、強力な補強効果を発揮することが出来る。
【0034】
この、ロングホイールベース状態から、図2に示すショートホイールベース状態に移行させる場合には、クランプ機構17,17の駆動シリンダ17iのラム17jを図5矢印B方向に移動駆動し、ラム17jと後部フレーム5のブラケット16b、前部フレーム3のフランジ3eとの間の押圧状態を解除する。すると、ラム17jとフランジ16bとの間に間隙が生じると共に、コイルスプリング17gにより、第2スライドテーブル17fは矢印C方向に移動される。すると、それまで当接していたゲートフレーム17hと固定フランジ3eが離反する。この状態で、スライドテーブル駆動手段17cを駆動して、第1スライドテーブル17dを矢印J方向に移動駆動する。すると、第1スライドテーブル17dに搭載された第2スライドテーブル17fはゲートフレーム17hと共に、矢印J方向に移動し、図6に示すように、ゲートフレーム17hがブラケット16b及び固定フランジ3eに対して、車輌幅方向に退避した形となる。
【0035】
この状態で、前輪6をパーキングブレーキなどのタイヤ係止手段を介して路面に対して係止し、前部フレーム3を固定する。次に、後部フレーム5に搭載された図示しない駆動モータを駆動して後輪13をゆっくりと前方に回転駆動させる。すると、後部フレーム5は、後輪13により、図4及び図6の前方に押圧され、後部フレーム5は、矢印B方向、即ち前方に向けて、前部フレーム3内に入り込む形で移動する。この際、後部フレーム5は、図7に示すように、前部フレーム3の座席空間9の下方にまたは、座席空間9の側面部周囲に、座席空間9を避ける形で入り込み移動するので、座席空間9のスペースは確保される。この際(後述するショートホイールベース状態からロングホイールベース状態への移動の際も同様)の、タイヤの係止手段による前輪の係止動作と、それに続く後部フレーム5に搭載された駆動モータによる後部フレームの前部フレーム3に対する前後方向(ここでは、前方向)の移動制御は、運転席10に搭乗した運転者からの、電子的な指示に基づいて、ホイールベース可変型車輌1に搭載されたフレーム移動駆動手段であるコンピュータにより、プログラマブルに行うことが可能である。
【0036】
こうして、後部フレーム5のアングル鋼材5aが、図7に示すように、前部フレーム3内に、ほぼクランプバー16のブラケット16b、16c間の間隔に対応する距離Lだけ矢印B方向に移動すると、クランプバー16のブラケット16cが、前部フレーム3の固定フランジ3eに、図中右方から接近する形となる。なお、前部フレーム3の固定フランジ3eは、前後方向である矢印B,C方向において、ブラケット16b,16c間に位置するように設けられている。ブラケット16cと固定フランジ3e間の距離が十分小さくなった(ゲートフレーム17hのクランプ空間17k内にブラケット16cと固定フランジ3eが収容可能な状態)ところで、駆動モータによる後部フレーム5の矢印B方向への駆動を停止する。
【0037】
この状態で、図10に示す、スライドテーブル駆動手段17cを駆動して第1スライドテーブル17dを矢印I方向に移動させて、第2スライドテーブル17f及びゲートフレーム17hを矢印I方向に移動させる。すると、図9に示すように、コイルスプリング17gにより矢印C方向に移動駆動された状態のゲートフレーム17hのクランプ空間17k内に、固定フランジ3e及びブラケット16cが嵌入する。次に、ロックシリンダ17iのラム17jを矢印C方向に突出させて、固定フランジ3eに当接させ、更に矢印C方向に駆動する。すると、固定フランジ3eからの反力で第2スライドテーブル17fがゲートフレーム17hと共に、矢印B方向にコイルスプリング17gの弾性に抗する形で移動し、図10に示すように、ゲートフレーム17hとブラケット16cが当接し、更に、ブラケット16cを後部フレーム5と共に、矢印B方向に移動させて、前部フレーム3の固定フランジ3eと当接させる。この状態で、更にロックシリンダ17iを矢印C方向に駆動することで、固定フランジ3eとブラケット16cは、ラム17jとゲートフレーム17hとの間で強固にクランプされる。
【0038】
この状態で、ホイールベース可変型車輌1は、図3及び図11に示すように、ホイールベース可変フレーム2がショートホイールベース状態となる。なお、ショートホイールベース状態で、ホイールベース可変フレーム2の剛性を上げる場合には、図11に示すように、本発明においてはオプション構成である、フレーム補強装置15の駆動シリンダ15cを伸張させる、すると、前部支持レバー15d、15d及び後部支持レバー15f、15fが互いに閉じる方向に力が作用し、前部フレーム3に対する後部フレーム5の矢印B方向への挿入状態が強化され、ショートホイールベース状態のホイールベース可変フレーム2の剛性を向上させることが出来る。
【0039】
次に、ショートホイールベース状態から、ロングホイールベース状態に戻す場合には、前述の手順と逆の手順で行う。即ち、ロックシリンダ17iのラム17jを、図10矢印居B方向に後退させると共に、ゲートフレーム17hをコイルスプリング17gにより矢印C方向に移動させて、クランプ機構17による固定フランジ3e及びブラケット16cを介した前部フレーム3と後部フレーム5のクランプ状態を解除する。次に、スライドテーブル駆動手段17cを介して第2スライドテーブル17fとゲートフレーム17hを矢印J方向に退避させる。この状態で、前部フレーム3の前輪をパーキングブレーキなどで係止した状態で、後部フレーム5に搭載された駆動モータを駆動して、後部フレーム5を、図6に示すように、矢印C方向に移動させ、後部フレーム5を前部フレーム3の中から引き出して、クランプバー16のブラケット16bを固定フランジ3eに近接させる。
【0040】
この状態で、再度第2スライドテーブル17fを矢印I方向に移動させて、図5に示すように、ロックシリンダ17iのラム17jをブラケット16bに当接させ、更に、矢印C方向に押圧することで、第2スライドテーブル17f及びゲートフレーム17hを矢印B方向に移動させて、ブラケット16bと固定フランジ3eをラム17jとゲートフレーム17hとの間にクランプ保持し、前部フレーム3と後部フレーム5をロングホイールベース状態でクランプする。
【符号の説明】
【0041】
2……ホイールベース可変フレーム
3……前部フレーム
3c……運転席部
3e……フレームクランプ手段(固定フランジ)
5……後部フレーム
10……運転席
10c……ハンドル支持移動機構(支持ブラケット)
12……ステアリング装置
13……後輪
16b,16c……フレームクランプ手段(ブラケット)
17……フレームクランプ手段(クランプ機構)
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車などに適用するに好適なホイールベース可変型車輌に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ホイールベースが伸縮して、車輌全長が可変する車輌としては、例えば、特許文献1に示すものが知られている。こうした装置は、フレーム全体を上下方向にその形が変動するリンク機構で構成して、当該リンク機構を駆動してホイールベースの変化を達成していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−231415
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、こうした構造では、ホイールベースを変化させると、フレームを構成するリンクの形状が上下方向に変化するので、フレームの剛性が容易に変化してしまい、重い電池を搭載する電気自動車などにおいては所定の剛性を確保することが困難な問題がある。
【0005】
また、一定の剛性を確保する上で、回転するリンク部を持たない剛性の高いフレームを組み合わせて用いる構造も考えられるが、その場合に、伸縮時の剛性の確保をどのようにすればよいかは未解決の課題であった。
【0006】
そこで、本発明は、回転するリンク部を持たない剛性の高いフレームを組み合わせて用いていながら、伸縮時の剛性を確保することの可能な構造を持った、ホイールベース可変型車輌を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点は、前輪(6)が回転自在に設けられた前部フレーム(3)、該前部フレーム(3)に対して入れ子式に挿抜自在な形で前後方向に伸縮自在に設けられた後部フレーム(5)からなるホイールベース可変フレーム(2)を有し、
前記前部フレームは、ステアリング装置(12)、運転席(10)の設けられた運転席部(3c)及び前記前輪の回転を係止する係止手段を有し、
前記後部フレーム(5)は、後輪(13)、該後輪を回転駆動する後輪駆動手段を有し、
前記ホイールベース可変フレームの左右両側で、それら前部フレーム及び後部フレーム間には、それら前部フレーム及び後部フレーム間の前後方向(矢印B,C方向)の相対移動を、前記ホイールベース可変フレームが、ロングホイールベース状態とショートホイールベース状態となる2位置でクランプ自在なフレームクランプ手段(3e,16b、16c、17)が設けられて、
構成されたことを特徴とする。
【0008】
本発明の第2の観点は、前記ホイールベース可変型車輌は、
前記係止手段による前輪の回転の係止と、それに続く後部フレームに搭載された駆動モータによる後部フレームの前部フレームに対する前後方向の移動を制御する、コンピュータを用いたフレーム移動駆動手段を有する、
ことを特徴とする。
【0009】
本発明の第3の観点は、前記フレームクランプ手段は、
前記後部フレームに設けられ、ロングホイールベース状態とショートホイールベース状態に対応する形で、前後方向に所定の距離間隔で配置された2個のブラケット(16b、16c)、
前記前部フレームに、前記2個のブラケット間に位置するように配置された固定フランジ(3e)、
前記前部フレームに設けられ、前記固定フランジと前記2個のブラケットの内の一個と係合し、前記前部フレームと後部フレームを前後方向にクランプすることの出来るクランプ機構(17)を有する、
ことを特徴とする。
【0010】
本発明の第4の観点は、前記前部フレームには、運転席(10)が設けられており、該運転席は、上下移動機構により、座面が上下に移動駆動自在に設けられている、
ことを特徴とする。
【0011】
本発明の第5の観点は、前記上下運動機構には、前記ハンドル装置を支持するハンドル支持移動機構が接続しており、前記ハンドル装置は、前記運転席の座面の位置に応じて前記ハンドル支持移動機構を介して、前記座面に対して適正な位置に移動駆動される、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
第1の観点によれば、前部フレーム(3)と後部フレーム(5)を入れ子構造にして、前後方向に挿抜自在に設け、後部フレームを前部フレームに対して前後方向に移動させることで、ホイールベースを変化させるようにしたので、ホイールベース可変フレームの全体の形状、特に上下方向の形状が大きく変化することが無く、フレーム剛性の変化を小さくすることが可能となる。
【0013】
また、フレームクランプ手段(3e,16b、16c、17)をホイールベース可変フレームの左右両側に設けたので、可変フレームの両側から強固かつ均等に前後フレームをクランプすることが出来る。
【0014】
第2の観点によれば、コンピュータを用いたフレーム移動駆動手段により、迅速かつ確実なホイールベースの可変動作が可能となる。
【0015】
第3の観点によれば、後部フレーム(5)にロングホイールベース状態とショートホイールベース状態に対応する形で、2個のブラケット(16b、16c)を配置し、その間に前部フレーム(3)の固定フランジ(3e)を配置して、固定フランジと2個のブラケットの内の一個とを前部フレーム(3)に設けられたクランプ機構(17)によりクランプすることで、1個のクランプ機構(17)で、ロングホイールベース状態とショートホイールベース状態でのクランプが可能となり、フレームクランプ手段の構成を簡単にすることが出来る。
【0016】
なお、括弧内の番号等は、図面における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明が適用されるホイールベース可変型車輌の一例を示す簡略斜視図であり、ロングホイールベース状態を示す図。
【図2】図2は、図1のホイールベース可変型車輌のショートホイールベース状態を示す図。
【図3】図3は、図1の車輌で、座席の位置を高くした状態を示す図。
【図4】図4(a)は、ホイールベース可変型車輌のフレーム構造の一例を示す図で、ロングホイールベース状態を示す図、図4(b)は、クランプバーの一例を示す平面図。
【図5】図5は、図4の車輌のクランプ機構部分の拡大正面図で、クランプ状態を示す図。
【図6】図6は、クランプハウジングが離脱した状態での、図4のフレーム構造の平面図で、ロングホイールベース状態を示す図。
【図7】図7は、クランプハウジングが離脱した状態での、図4のフレーム構造の平面図で、ショートホイールベース状態を示す図。
【図8】図8は、ショートホイールベース状態で、クランプ機構がアンクランプ状態を示す斜視図。
【図9】図8のアンクランプ状態のA矢視図。
【図10】図10は、ショートホイールベース状態で、クランプ機構がクランプ状態を示す斜視図。
【図11】図4のホイールベース可変型車輌のショートホイールベース状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づき、本発明の実施例を説明する。
【0019】
本発明の1実施例が適用されたホイールベース可変型車輌1は、図1に示すように、ホイールベース可変フレーム2を有しており、ホイールベース可変フレーム2は、図4に示すように、前部フレーム3及び後部フレーム5を有している。前部フレーム3は、多数の棒状のアングル鋼材3aを組み立て接合して構成されており、前部フレーム3は、フレーム前方の前輪支持部3b及び、前輪支持部3bの図中右方、即ち後方に配置された運転席部3cとを有している。前輪支持部3bには図示しない公知のサスペンション機構を介して前輪6としての二つのタイヤ6a,6aが回転自在に支持されており、前輪6は、同様に前部フレーム3に配置された公知のステアリング装置7を介して、進行方向である図4矢印B,C方向に対してほぼ直角な左右方向に、即ち矢印E,F方向に操舵自在に構成されている。なお、サスペンション機構及びステアリング装置は、本発明とは直接関係しないので、図の理解を容易にするためにその図示を省略している。
【0020】
運転席部3cは、アングル鋼材3aにより箱状に形成されており、内部に運転席が配置される座席空間9が形成されている。座席空間9には、椅子状に形成された運転席10が、運転席部3c下部のアングル鋼材3aに枢着された、上下移動機構である複数のリンク3dからなる平行運動機構10a,10aにより、矢印G,H方向である斜め上下方向に、座面10bが水平状態を保持したまま駆動シリンダ機構10dを介して移動駆動位置決め自在に配置されている。従って、運転席10は、図1に示す、座面10bが矢印H方向に降下した低座位置と、図3に示す、座面10bが矢印G方向に上昇した高座位置との間の、任意の高さ位置で位置決め保持することが可能である(図1及び図3のダミー人形の腰の位置が、座面10bの高さに相当する)。なお、運転席部3cには、前輪6の回転を係止する係止手段である、図示しないパーキングブレーキが設けられている。なお、座面10bが矢印G方向に上昇した高座位置では、運転席への乗員の乗り降りが容易となるので、乗り降り時には、座面10bが高座位置となるようにするとよい。
【0021】
運転席部3cには、ステアリング装置を構成するハンドル装置12が設けられており、ハンドル装置12は、前述の平行運動機構10a、10aのリンク3dの中間部に矢印I,J方向に揺動自在に枢着されたハンドル支持移動機構である支持ブラケット10cに回転自在に支持されている。支持ブラケット10cがリンク3dと連動することにより、ハンドル装置12は、運転席10の座面10bの高さ位置に応じて自動的に適正な位置に移動駆動される。
【0022】
前部フレーム3には、前述した後部フレーム5が、矢印B、C方向、即ち、フレーム2の前後方向にのみ相対的に移動自在に係合しており、後部フレーム5は、図6及び図7に示すように、前部フレーム3の内部に、水平方向に入れ子式に挿抜自在に係合している。後部フレーム5は、前部フレーム3と同様に、多数の棒状のアングル鋼材5aを接合組み立てることで構成されている。前部フレーム3と後部フレーム5は、ガイドレール機構、スライドレール機構、ベアリング機構などの公知の適宜な水平ガイド移動機構を用いて互いに矢印B、C方向に、可変フレーム2の長さが可変し得る形で係合しており、後部フレーム5は、前部フレーム3に対して図4の矢印C方向に伸張(離反)したロングホイールベース状態と、図11に示すように、前部フレーム3に対して矢印B方向に収縮(接近)したショートホイールベース状態との間で、相対的に移動することが出来る。
【0023】
なお、水平ガイド移動機構としては、前部フレーム3の鋼材3aと、後部フレーム5の鋼材5aを入れ子状に前後方向に摺動自在に組み合わせたものや、前部フレーム3と後部フレーム5間に、ガイド棒及びガイド穴からなるガイド手段を設け、当該ガイド手段を介して、前部フレーム3と後部フレーム5の前後方向の相対移動をはかるもの、更には、前部フレーム3と後部フレーム5の間に、リニアガイドを設置し、該リニアガイドを介して、前部フレーム3と後部フレーム5の前後方向の相対移動をはかるもの等、各種のものが考えられる。例えば、図9のように、前部フレーム3のガイドレール3f、3f内に、後部フレーム5のロッド5c、5cを矢印B,C方向に摺動自在に係合させるなどである。なお、図4において、前部フレーム3と後部フレーム5の区別を分かり易くするために、前部フレーム3の後部フレーム5との境界付近に、ハッチングを入れている。
【0024】
後部フレーム5には、図示しない駆動モータ及び蓄電池が搭載された駆動部5bが設けられており、更に後部フレーム5には、公知のサスペンション機構を介して後輪13としての二つのタイヤ13a,13aが回転自在に支持されている。後輪13は、前述の駆動部5に搭載された後輪駆動手段である駆動モータにより、運転席部3cに配置された図示しないアクセルブレーキなどの走行制御機構を介して回転駆動自在に設けられている。
【0025】
前部フレーム3後部のアングル鋼材3aと後部フレーム5の後端のアングル鋼材5aとの間には、オプション部品としてのフレーム補強装置15が設けられている。フレーム補強装置15は、ほぼΩ形に形成された、両端に押圧翼15b,15bが形成されたリーフスプリング15aを有しており、リーフスプリング15aと前部フレーム3のアングル鋼材3aとの間には、駆動シリンダ15cが両端部をリーフスプリング15aとアングル鋼材3aに枢着させた形で伸縮駆動自在に設けられている。また、リーフスプリング15aと前部フレーム3のアングル鋼材3aの間には、前部支持レバー15d、15dが軸15eを介してそれぞれ枢着されており、リーフスプリング15aと後部フレーム5のアングル鋼材5aとの間には、後部支持レバー15f、15fがそれぞれ枢着されている。
【0026】
後部フレーム5の両側に配置され、後部フレーム5の前部フレーム3に対する矢印B,C方向への相対移動と共に、前部フレーム3対して矢印B,C方向に挿抜される形で移動するアングル鋼材5a,5a(図4の上下のアングル鋼材5a,5a)には、フレームクランプ手段を構成するクランプバー16,16が装着されており、クランプバー16は、図4(b)に示すように、アングル鋼材5aと並行に矢印B,C方向に伸延する棒状の本体16aを有している。本体16aの前後(矢印B,C方向)両側には、ブラケット16b、16cがホイールベースが変動する長さに対応した間隔Lで配置されている。なお、ブラケット16bは、後部フレーム5のロングホイールベース状態に対応する位置に、ブラケット16cは、ショートホイールベース状態に対応する位置に配置されている。
【0027】
また、前部フレーム3の両側の前記クランプバー16、16と対向する位置には、クランプバー16、16と共にフレームクランプ手段を構成するクランプ機構17,17が配置されており、クランプ機構17は、図8に示すように、前部フレーム3のアングル鋼材3aに、前部フレーム3の両側外方(図8矢印J方向)に突出する形で固着されたガイドレール部材17aを有している。ガイドレール部材17aは、一端がアングル鋼材3aに固着されたガイドレール17b、17bを有しており、ガイドレール部材17aには、スライドテーブル駆動手段17cが装着されている。スライドテーブル駆動手段17cは、ガイドレール部材17aのガイドレール17b、17b上に搭載配置された第1スライドテーブル17dを矢印I、J方向(車輌幅方向)に移動駆動することが出来る。
【0028】
第1スライドテーブル17dには、車輌の前後方向である矢印B,C方向にガイドレール17e,17eが配設されており、ガイドレール17e、17e上には第2スライドテーブル17fが矢印B,C方向に移動駆動自在に配置されている。第1スライドテーブル17dと第2スライドテーブル17fとの間には、弾性手段としてのコイルスプリング17gが設けられており、コイルスプリング17gは、第2スライドテーブル17fを常時矢印C方向に付勢している。第2スライドテーブル17fには、矢印I,J方向(車輌幅方向)が解放された全体が四角い箱状に形成されたゲートフレーム17hが設けられており、ゲートフレーム17hで囲まれたクランプ空間17kには、ロックシリンダ17iが図8に示すように、後端をゲートフレーム17hに枢着させた形で設けられている。ロックシリンダ17iのラム17jは、矢印B,C方向に突出駆動自在に配置されており、ラム17jは支持装置17mにより矢印B,C方向に移動自在に支持されている。
【0029】
ゲートフレーム17hのクランプ空間17kには、前部フレーム3に設けられ、クランプバー16及びクランプ機構17と共にフレームクランプ手段を構成する固定フランジ3eが、第1スライドテーブル17dの矢印I,J方向の移動に伴って移動されるゲートフレーム17hにより、相対的に矢印I,J方向に挿入自在に配置されている。固定フランジ3eは、図4(b)及び図9になど示すように、前部フレーム3の上下方向に設置されたアングル鋼材3a‘に接合され、クランプバー16との干渉が回避されている。そして、ホイールベース可変フレーム2がショートホイールベース状態では、固定フランジ3eの、図8又は図10の右方には、前述したクランプバー16のブラケット16cが、ゲートフレーム17hの壁部分との間に隣接配置されており、ホイールベース可変フレーム2がロングホイールベース状態では、固定フランジ3eの、図5左方、即ち前方に、クランプバー16のブラケット16bが、固定フランジ3eの、図5右方、即ち後方には、ゲートフレーム17hの壁部分が位置している。なお、前述したクランプバー16、クランプ機構17及び固定フランジ3eからなるフレームクランプ手段は、ホイールベース可変フレーム2の左右両側の、前部フレーム3と後部フレーム5との間に、後述するように前部フレーム3と後部フレーム5の水平方向(前後方向)の相対移動を、ホイールベース可変フレーム2がロングホイールベース状態とショートホイールベース状態となる2位置でクランプ自在な形で設けられている。
【0030】
また、ホイールベース可変フレーム2上には、図1に示すように、風防19が配置されており、風防19は、前部フレーム3に装着されている。
【0031】
ホイールベース可変型車輌1は、以上のような構成を有するので、図1に示すような、ロングホイールベース状態では、図1及び図4に示すように、後部フレーム5は前部フレーム3に対して矢印C方向、即ち後方に引き出された状態となっている。
【0032】
この状態から、図2に示す、ショートホイールベース状態にするには、以下の手順で行う。まず、図4のロングホイールベース状態では、図5に示すように、クランプ機構17のロックシリンダ17iのラム17jが、後方である矢印C方向に突出駆動されており、後部フレーム5に装着されたクランプバー16のブラケット16bと前部フレーム3のフランジ3eは、ゲートフレーム17hとラム17jとの間で所定のクランプ圧で押圧保持されている。クランプ状態では、第2スライドテーブル17fは、ロックシリンダ17iのラム17jと前部フレーム3のフランジ3eを介した当接による反力でゲートフレーム17hと共に矢印B方向に付勢され、これにより、ゲートフレーム17hとラム17jとの間にブラケット16bとフランジ3eが所定のクランプ圧で狭圧保持されることとなる。従って、前部フレーム3と後部フレーム5は、ホイールベース可変フレーム2の左右両側でクランプ機構17,17により、強固に保持されることとなり、所定の剛性が保持される。
【0033】
なお、クランプ機構17,17だけでは、ホイールベース可変フレーム2の剛性が不足すると思われる場合には、図4に示すフレーム補強装置15(オプション部品であり、図1に示すように、設けられていない場合もある)の、駆動シリンダ15cを短縮駆動させて、リーフスプリング15aの押圧翼15b、15bで後部フレーム5のアングル鋼材5a,5aを強く下方に押圧し、前後方向にのみ移動しうる前部フレーム3と後部フレーム5間に前部支持レバー15d、15d及び後部支持レバー15f、15f及びリーフスプリング15aによる補強構造を構築するようにする。このさい、前部支持レバー15d、15d及び後部支持レバー15f、15f及びリーフスプリング15aがトグル機構を構成するように、その寸法を設定することで、強力な補強効果を発揮することが出来る。
【0034】
この、ロングホイールベース状態から、図2に示すショートホイールベース状態に移行させる場合には、クランプ機構17,17の駆動シリンダ17iのラム17jを図5矢印B方向に移動駆動し、ラム17jと後部フレーム5のブラケット16b、前部フレーム3のフランジ3eとの間の押圧状態を解除する。すると、ラム17jとフランジ16bとの間に間隙が生じると共に、コイルスプリング17gにより、第2スライドテーブル17fは矢印C方向に移動される。すると、それまで当接していたゲートフレーム17hと固定フランジ3eが離反する。この状態で、スライドテーブル駆動手段17cを駆動して、第1スライドテーブル17dを矢印J方向に移動駆動する。すると、第1スライドテーブル17dに搭載された第2スライドテーブル17fはゲートフレーム17hと共に、矢印J方向に移動し、図6に示すように、ゲートフレーム17hがブラケット16b及び固定フランジ3eに対して、車輌幅方向に退避した形となる。
【0035】
この状態で、前輪6をパーキングブレーキなどのタイヤ係止手段を介して路面に対して係止し、前部フレーム3を固定する。次に、後部フレーム5に搭載された図示しない駆動モータを駆動して後輪13をゆっくりと前方に回転駆動させる。すると、後部フレーム5は、後輪13により、図4及び図6の前方に押圧され、後部フレーム5は、矢印B方向、即ち前方に向けて、前部フレーム3内に入り込む形で移動する。この際、後部フレーム5は、図7に示すように、前部フレーム3の座席空間9の下方にまたは、座席空間9の側面部周囲に、座席空間9を避ける形で入り込み移動するので、座席空間9のスペースは確保される。この際(後述するショートホイールベース状態からロングホイールベース状態への移動の際も同様)の、タイヤの係止手段による前輪の係止動作と、それに続く後部フレーム5に搭載された駆動モータによる後部フレームの前部フレーム3に対する前後方向(ここでは、前方向)の移動制御は、運転席10に搭乗した運転者からの、電子的な指示に基づいて、ホイールベース可変型車輌1に搭載されたフレーム移動駆動手段であるコンピュータにより、プログラマブルに行うことが可能である。
【0036】
こうして、後部フレーム5のアングル鋼材5aが、図7に示すように、前部フレーム3内に、ほぼクランプバー16のブラケット16b、16c間の間隔に対応する距離Lだけ矢印B方向に移動すると、クランプバー16のブラケット16cが、前部フレーム3の固定フランジ3eに、図中右方から接近する形となる。なお、前部フレーム3の固定フランジ3eは、前後方向である矢印B,C方向において、ブラケット16b,16c間に位置するように設けられている。ブラケット16cと固定フランジ3e間の距離が十分小さくなった(ゲートフレーム17hのクランプ空間17k内にブラケット16cと固定フランジ3eが収容可能な状態)ところで、駆動モータによる後部フレーム5の矢印B方向への駆動を停止する。
【0037】
この状態で、図10に示す、スライドテーブル駆動手段17cを駆動して第1スライドテーブル17dを矢印I方向に移動させて、第2スライドテーブル17f及びゲートフレーム17hを矢印I方向に移動させる。すると、図9に示すように、コイルスプリング17gにより矢印C方向に移動駆動された状態のゲートフレーム17hのクランプ空間17k内に、固定フランジ3e及びブラケット16cが嵌入する。次に、ロックシリンダ17iのラム17jを矢印C方向に突出させて、固定フランジ3eに当接させ、更に矢印C方向に駆動する。すると、固定フランジ3eからの反力で第2スライドテーブル17fがゲートフレーム17hと共に、矢印B方向にコイルスプリング17gの弾性に抗する形で移動し、図10に示すように、ゲートフレーム17hとブラケット16cが当接し、更に、ブラケット16cを後部フレーム5と共に、矢印B方向に移動させて、前部フレーム3の固定フランジ3eと当接させる。この状態で、更にロックシリンダ17iを矢印C方向に駆動することで、固定フランジ3eとブラケット16cは、ラム17jとゲートフレーム17hとの間で強固にクランプされる。
【0038】
この状態で、ホイールベース可変型車輌1は、図3及び図11に示すように、ホイールベース可変フレーム2がショートホイールベース状態となる。なお、ショートホイールベース状態で、ホイールベース可変フレーム2の剛性を上げる場合には、図11に示すように、本発明においてはオプション構成である、フレーム補強装置15の駆動シリンダ15cを伸張させる、すると、前部支持レバー15d、15d及び後部支持レバー15f、15fが互いに閉じる方向に力が作用し、前部フレーム3に対する後部フレーム5の矢印B方向への挿入状態が強化され、ショートホイールベース状態のホイールベース可変フレーム2の剛性を向上させることが出来る。
【0039】
次に、ショートホイールベース状態から、ロングホイールベース状態に戻す場合には、前述の手順と逆の手順で行う。即ち、ロックシリンダ17iのラム17jを、図10矢印居B方向に後退させると共に、ゲートフレーム17hをコイルスプリング17gにより矢印C方向に移動させて、クランプ機構17による固定フランジ3e及びブラケット16cを介した前部フレーム3と後部フレーム5のクランプ状態を解除する。次に、スライドテーブル駆動手段17cを介して第2スライドテーブル17fとゲートフレーム17hを矢印J方向に退避させる。この状態で、前部フレーム3の前輪をパーキングブレーキなどで係止した状態で、後部フレーム5に搭載された駆動モータを駆動して、後部フレーム5を、図6に示すように、矢印C方向に移動させ、後部フレーム5を前部フレーム3の中から引き出して、クランプバー16のブラケット16bを固定フランジ3eに近接させる。
【0040】
この状態で、再度第2スライドテーブル17fを矢印I方向に移動させて、図5に示すように、ロックシリンダ17iのラム17jをブラケット16bに当接させ、更に、矢印C方向に押圧することで、第2スライドテーブル17f及びゲートフレーム17hを矢印B方向に移動させて、ブラケット16bと固定フランジ3eをラム17jとゲートフレーム17hとの間にクランプ保持し、前部フレーム3と後部フレーム5をロングホイールベース状態でクランプする。
【符号の説明】
【0041】
2……ホイールベース可変フレーム
3……前部フレーム
3c……運転席部
3e……フレームクランプ手段(固定フランジ)
5……後部フレーム
10……運転席
10c……ハンドル支持移動機構(支持ブラケット)
12……ステアリング装置
13……後輪
16b,16c……フレームクランプ手段(ブラケット)
17……フレームクランプ手段(クランプ機構)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前輪が回転自在に設けられた前部フレーム、該前部フレームに対して入れ子式に挿抜自在な形で前後方向に伸縮自在に設けられた後部フレームからなるホイールベース可変フレームを有し、
前記前部フレームは、ステアリング装置、運転席の設けられた運転席部及び前記前輪の回転を係止する係止手段を有し、
前記後部フレームは、後輪、該後輪を回転駆動する後輪駆動手段を有し、
前記ホイールベース可変フレームの左右両側で、それら前部フレーム及び後部フレーム間には、それら前部フレーム及び後部フレーム間の前後方向の相対移動を、前記ホイールベース可変フレームが、ロングホイールベース状態とショートホイールベース状態となる2位置でクランプ自在なフレームクランプ手段が設けられて、
構成されたことを特徴とする、ホイールベース可変型車輌。
【請求項2】
前記ホイールベース可変型車輌は、
前記係止手段による前輪の回転の係止と、それに続く後部フレームに搭載された駆動モータによる後部フレームの前部フレームに対する前後方向の移動を制御する、コンピュータを用いたフレーム移動駆動手段を有する、
ことを特徴とする、請求項1記載のホイールベース可変型車輌。
【請求項3】
前記フレームクランプ手段は、
前記後部フレームに設けられ、ロングホイールベース状態とショートホイールベース状態に対応する形で、前後方向に所定の距離間隔で配置された2個のブラケット、
前記前部フレームに、前記2個のブラケット間に位置するように配置された固定フランジ、
前記前部フレームに設けられ、前記固定フランジと前記2個のブラケットの内の一個と係合し、前記前部フレームと後部フレームを前後方向にクランプすることの出来るクランプ機構を有する、
ことを特徴とする、請求項1又は2記載のホイールベース可変型車輌。
【請求項4】
前記前部フレームには、運転席が設けられており、該運転席は、上下移動機構により、座面が上下に移動駆動自在に設けられている、
ことを特徴とする、請求項1乃至3のうち、いずれか1項記載のホイールベース可変型車輌。
【請求項5】
前記上下運動機構には、前記ハンドル装置を支持するハンドル支持移動機構が接続しており、前記ハンドル装置は、前記運転席の座面の位置に応じて前記ハンドル支持移動機構を介して、前記座面に対して適正な位置に移動駆動されることを特徴とする、請求項4に記載のホイールベース可変型車輌。
【請求項1】
前輪が回転自在に設けられた前部フレーム、該前部フレームに対して入れ子式に挿抜自在な形で前後方向に伸縮自在に設けられた後部フレームからなるホイールベース可変フレームを有し、
前記前部フレームは、ステアリング装置、運転席の設けられた運転席部及び前記前輪の回転を係止する係止手段を有し、
前記後部フレームは、後輪、該後輪を回転駆動する後輪駆動手段を有し、
前記ホイールベース可変フレームの左右両側で、それら前部フレーム及び後部フレーム間には、それら前部フレーム及び後部フレーム間の前後方向の相対移動を、前記ホイールベース可変フレームが、ロングホイールベース状態とショートホイールベース状態となる2位置でクランプ自在なフレームクランプ手段が設けられて、
構成されたことを特徴とする、ホイールベース可変型車輌。
【請求項2】
前記ホイールベース可変型車輌は、
前記係止手段による前輪の回転の係止と、それに続く後部フレームに搭載された駆動モータによる後部フレームの前部フレームに対する前後方向の移動を制御する、コンピュータを用いたフレーム移動駆動手段を有する、
ことを特徴とする、請求項1記載のホイールベース可変型車輌。
【請求項3】
前記フレームクランプ手段は、
前記後部フレームに設けられ、ロングホイールベース状態とショートホイールベース状態に対応する形で、前後方向に所定の距離間隔で配置された2個のブラケット、
前記前部フレームに、前記2個のブラケット間に位置するように配置された固定フランジ、
前記前部フレームに設けられ、前記固定フランジと前記2個のブラケットの内の一個と係合し、前記前部フレームと後部フレームを前後方向にクランプすることの出来るクランプ機構を有する、
ことを特徴とする、請求項1又は2記載のホイールベース可変型車輌。
【請求項4】
前記前部フレームには、運転席が設けられており、該運転席は、上下移動機構により、座面が上下に移動駆動自在に設けられている、
ことを特徴とする、請求項1乃至3のうち、いずれか1項記載のホイールベース可変型車輌。
【請求項5】
前記上下運動機構には、前記ハンドル装置を支持するハンドル支持移動機構が接続しており、前記ハンドル装置は、前記運転席の座面の位置に応じて前記ハンドル支持移動機構を介して、前記座面に対して適正な位置に移動駆動されることを特徴とする、請求項4に記載のホイールベース可変型車輌。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−112096(P2013−112096A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258580(P2011−258580)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(511214358)コボット株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(511214358)コボット株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
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