説明

ホウ酸化アルカリ土類金属トルエンスルホネートの製造方法

【課題】ホウ酸化アルカリ土類金属トルエンスルホネートの改良した製造方法を提供する。
【解決手段】下記の工程を含むホウ酸化アルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネートの製造方法:
(a)(i)油溶性アルキルトルエンスルホン酸、または油溶性アルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネート塩、またはそれらの混合物、(ii)アルカリ土類金属源、(iii)炭化水素溶媒と低分子量のアルコールとからなる混合物中に存在するホウ素源、および(iv)過塩基化酸(ただし、それらのうちの少なくとも一種はホウ酸である)を反応させる工程、
(b)工程(a)の反応生成物を、炭化水素溶媒、低分子量のアルコールおよび工程(a)で生成した水のいずれの蒸留温度よりも高い温度に加熱することにより、反応生成物から炭化水素溶媒、低分子量のアルコールおよび生成水を蒸留除去する工程、
ただし、上記方法の工程において外部からの水の添加は行なわない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホウ酸化アルカリ土類金属トルエンスルホネートの改良した製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
潤滑油組成物が摩耗を防止及び/又は低減できる能力は、非常に望ましいものであって、その要求がある。ホウ素含有添加剤、特にホウ酸化アルカリ土類金属トルエンスルホネートは、潤滑油組成物に用いられると優れた耐摩耗特性を与えるのみならず、該組成物に清浄性、並びにさび止め、腐食防止および極圧の利益ももたらすことが知られている。
【0003】
ホウ酸化スルホネートの幾つかの製造方法は当該分野において知られている。例えば特許文献1には、アルカリ土類金属ホウ酸塩分散物の二段階製造方法が開示されている。その第一工程では、物質(A)乃至(E)を混合して20℃乃至100℃で反応を進める、ここで、(A)は100質量部の油溶性で中性のアルカリ土類金属のスルホネートであり、(B)は10乃至100質量部のアルカリ土類金属の水酸化物又は酸化物であり、(C)は(B)の量の0.5乃至6.5倍の量のホウ酸であり、(D)は5乃至50質量部の水であり、そして(E)は50乃至200質量部の希釈溶媒である。第二工程では、水と大半の希釈溶媒を除去するために、第一工程の反応混合物を100℃乃至200℃に加熱する。
【0004】
二つの関連特許文献において、ヘルムス、外により、ホウ酸化添加剤の製造方法、および該ホウ酸化添加剤を過塩基化してその全塩基価(TBN)を増加させる方法が開示されている。すなわち、特許文献2には、アルカリ土類金属炭酸塩とアルカリ土類金属炭化水素スルホネートの潤滑油分散液を、ホウ酸、酸化ホウ素およびホウ酸の水性アルキルエステルからなる群より選ばれたホウ素化合物と反応させることによって製造されたホウ酸化添加剤が記載されている。また、特許文献3には、過塩基性アルカリ土類金属スルホネート潤滑油組成物においてアルカリ土類金属の割合を増加させる方法が記載されている。その方法は次の工程を含んでいる:(1)炭酸塩−過塩基性アルカリ土類金属スルホネート、アルカリ土類金属水酸化物およびホウ酸を混合する工程、そして(2)得られた混合物を二酸化炭素と接触させる工程。
【0005】
また別の例では、フィッシャー、外により特許文献4に、更にホウ酸化した炭酸塩−過塩基性生成物が開示されている。すなわち、その方法は次の工程を含んでいる:(a)過塩基性スルホネートを一種以上の不活性液体媒体と混合する工程、(b)(a)の混合物を実質的な泡立ちを防げるほど充分に低い温度にて、ホウ酸化剤でホウ酸化する工程、(c)(b)の混合物の温度を水の沸点よりも高い温度まで上げる工程、(d)実質的に全ての添加した又は反応で生じた水を(c)の反応混合物の残部から取り除きながら、同時に実質的に全ての炭酸塩を残す工程、そして(e)(d)の生成物を収穫する工程。
【0006】
更に別の例では、シュリクトにより特許文献5に、潤滑剤用の油溶性のホウ酸化した過塩基性金属清浄添加剤の製造方法が開示されている。すなわち、その方法は次の工程を含んでいる:(a)炭化水素溶媒に分散した金属塩を、金属塩基および極性溶媒と混合する工程、(b)(a)の金属塩混合物を約10℃乃至約100℃の範囲の温度で処理しながら、混合物に酸性ガスを通す工程、(c)(b)の処理混合物を約10℃乃至約100℃の温度でろ過する工程、(d)(c)のろ液にホウ酸化剤を添加し、そしてろ液を約15℃乃至約100℃の範囲の温度で、約0.25乃至約5.0時間かけてホウ酸化剤と反応させる工程、(e)(d)のホウ酸化混合物を、全ての水および大部分の極性溶媒を蒸留できるほど充分に高い温度で加熱する工程、(f)(e)の蒸留したホウ酸化混合物を、残留溶媒の沸点より低くなるまで冷却し、そして冷却したろ液混合物をろ過する工程、そして(g)(f)の蒸留冷却したろ液混合物を、約10乃至約200mmsHgの範囲の圧力下、約20℃乃至約150℃の範囲の温度でストリップし、それによりホウ酸化金属清浄添加剤を回収する工程。
【0007】
この方法の変形がシュリクト、外により特許文献6に開示されている。その方法は次の工程を含んでいる:(a)プロトン性溶媒と炭化水素溶媒の存在下で、過塩基性金属塩にホウ酸化剤を添加し、そして約15℃乃至約100℃の範囲の温度で、約0.25乃至約5.0時間かけて反応させる工程、(b)(a)のホウ酸化金属塩混合物を、少なくとも約80%のプロトン性溶媒供給物を蒸留できるほど充分に高い温度で加熱する工程、(c)(b)の蒸留したホウ酸化混合物を、残留溶媒の沸点より低くなるまで冷却し、そして冷却したろ液混合物をろ過する工程、そして(d)(c)の蒸留冷却したろ液混合物を、約10乃至約200mmsHgの範囲の圧力下、約20℃乃至約150℃の範囲の温度でストリップして、ホウ酸化金属清浄添加剤を回収する工程。
【0008】
【特許文献1】米国特許第4683126号明細書(イノウエ、外)
【特許文献2】米国特許第3480548号明細書(ヘルムス、外)
【特許文献3】米国特許第3679584号明細書(ヘルムス、外)
【特許文献4】米国特許第4744920号明細書(フィッシャー、外)
【特許文献5】米国特許第4965003号明細書(シュリクト)
【特許文献6】米国特許第4965004号明細書(シュリクト、外)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ホウ酸化スルホネートが潤滑剤技術では添加剤として顕著な役割があるために、得られた生成物が所望の様々な特性を有するようにこれらの塩を製造する改良方法を開発することには、依然として多大な関心と要求がある。これら所望の特性としては、例えば遅い沈降速度、良好な流動点、および摩耗や腐食から保護する能力が挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
従って、最も広義の第一の態様では、本発明は、下記の工程を含むホウ酸化アルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネートの新規な改良製造方法に関する。
(a)(i)少なくとも一種の油溶性アルキルトルエンスルホン酸、または油溶性アルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネート塩、またはそれらの混合物、
(ii)少なくとも一種のアルカリ土類金属源、
(iii)a)少なくとも一種の炭化水素溶媒とb)少なくとも一種の低分子量のアルコールとからなる混合物中に存在する少なくとも一種のホウ素源、
および
(iv)一種以上の過塩基化酸、ただし、それらのうちの少なくとも一種はホウ酸である、を反応させる工程、
(b)工程(a)の反応生成物を、炭化水素溶媒、低分子量のアルコールおよび工程(a)で生成した水のいずれの蒸留温度よりも高い温度に加熱することにより、反応生成物から炭化水素溶媒、低分子量のアルコールおよび生成水を蒸留により除く工程、
ただし、上記方法の工程において外部からの水の添加は行なわない。
【0011】
上記の第一の態様のホウ酸化アルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネート清浄剤を、追加の過塩基化工程にて、ホウ酸以外の少なくとも一種の過塩基化酸を使用して更に過塩基化してもよい。
【0012】
第二の態様では、本発明は、第一の態様の方法により製造したホウ酸化アルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネート清浄添加剤に関する。
【0013】
当該分野の熟練者であれば以下の記述を参照することによって、本発明のその他更なる目的、利点および特徴を理解されることであろう。
【発明の効果】
【0014】
本発明の製造方法に従って製造されたホウ酸化アルキルトルエンスルホネートは、種々の工業用潤滑油に含有されると清浄剤として作用する。これら清浄剤は、遅い沈降速度、良好な低温流動性、および好適なシール適合性を示す傾向にある。例えば、本発明の方法に従って製造されたホウ酸化アルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネート塩は、得られた塩の全容量に基づき約0.15容量%未満、又は約0.12容量%未満、又は約0.10容量%未満、又は約0.05容量%未満ほどの、例えば約0.03容量%未満という遅い沈降速度を示す。潤滑油組成物に添加されると、摩耗及び/又は腐食からの保護の改善をもたらすことも判明した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、様々な特徴および態様について、限定の意図のない説明として記載する。
【0016】
本発明は、上述したように、ホウ酸化アルキルトルエンスルホネート清浄剤の新規な改良製造方法を提供する。本方法に従って製造されたホウ酸化アルキルトルエンスルホネートは、種々の工業用潤滑油に含有されると清浄剤として作用する。これら清浄剤は、遅い沈降速度、良好な低温流動性、および好適なシール適合性を示す傾向にある。例えば、本発明の方法に従って製造されたホウ酸化アルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネート塩は、得られた塩の全容量に基づき約0.15容量%未満、又は約0.12容量%未満、又は約0.10容量%未満、又は約0.05容量%未満ほどの、例えば約0.03容量%未満という遅い沈降速度を示す。潤滑油組成物に添加されると、摩耗及び/又は腐食からの保護の改善をもたらすことも判明した。
【0017】
具体的には、ホウ酸化アルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネートの製造方法は、下記の工程を含む:
(a)(i)少なくとも一種の油溶性アルキルトルエンスルホン酸、または油溶性アルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネート塩、またはそれらの混合物、
(ii)少なくとも一種のアルカリ土類金属源、
(iii)a)少なくとも一種の炭化水素溶媒とb)少なくとも一種の低分子量のアルコールとからなる混合物中に存在する少なくとも一種のホウ素源、
および
(iv)一種以上の過塩基化酸、ただし、それらのうちの少なくとも一種はホウ酸である、を反応させる工程、
(b)工程(a)の反応生成物を、炭化水素溶媒、低分子量のアルコールおよび工程(a)で生成した水のいずれの蒸留温度よりも高い温度に加熱することにより、反応生成物から炭化水素溶媒、低分子量のアルコールおよび生成水を蒸留により除く工程、
ただし、上記方法の工程において外部からの水の添加は行なわない。
【0018】
[少なくとも一種の炭化水素溶媒]
公知の各種の炭化水素溶媒を本発明の製造方法に使用することができる。例えば好適な炭化水素溶媒は、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、n−デカン、またはそれらの混合物であってよい。好適な炭化水素溶媒は芳香族溶媒であってもよく、例えば次の中から選ばれたものである:キシレン、ベンゼン、トルエン、およびそれらの混合物。本発明の典型的な態様では、炭化水素溶媒はキシレンである。
【0019】
[少なくとも一種の低分子量のアルコール]
本発明の製造方法に適したアルコールは一般には、分子量が比較的低く、例えば炭素原子数が約1〜約13および/または分子量が約200以下のものである。そのような分子量のアルコールは、反応が終了したのち反応混合物から蒸留して除くことできるほど、充分に低い沸点を有する傾向にある。例えば好適なアルコールは、各々炭素原子約1〜約13個を含む種々の低分子量一価アルコールから選ばれたものであってよい。より具体的には、そのようなアルコールとしては例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソオクタノール、シクロヘキサノール、シクロペンタノール、イソブチルアルコール、ベンジルアルコール、ベータ−フェニル−エチルアルコール、2−エチルヘキサノール、ドデカノール、トリデカノール、2−メチルシクロヘキサノール、sec−ペンチルアルコール、およびtert−ブチルアルコールがある。本発明の典型的な態様では、低分子量一価アルコールはメタノールである。
【0020】
また、好適な低分子量アルコールは多価アルコールであってもよい。例えばそのようなアルコールとしては、エチレングリコールなどの二価アルコールがある。
【0021】
さらに、本発明の製造方法の態様によっては、幾種かの好適な低分子量一価又は多価アルコールの誘導体も使用することができる。これら誘導体の例としては、エチレングリコールのモノメチルエーテル、およびエチレングリコールのモノブチルエーテルなど、グリコールモノエーテル及びモノエステル類を挙げることができる。
【0022】
[油溶性のアルキルトルエンスルホン酸]
本発明のホウ酸化アルキルトルエンスルホネート添加剤は、油溶性のアルキルトルエンスルホン酸から誘導することができる。スルホン酸の製造法は当該分野で知られている。つまり、アルキルトルエン前駆体を、公知の各種のスルホン化剤、例えば硫酸、三酸化硫黄、クロロスルホン酸またはスルファミド酸を使用してスルホン化することにより、本発明のアルキルトルエンスルホン酸を製造することができる。その他の従来法、例えば、アルキルトルエン前駆体を、ケミソン(CHEMITHON、商標)又はバレストラ(BALLESTRA、商標)製のSO3/空気流下膜に混合する、SO3/空気薄膜スルホン化法も適用することができる。
【0023】
そして、アルキルトルエン前駆体は始めに、トルエンをオレフィンでアルキル化する従来のフリーデル・クラフツ反応から誘導することができる。本発明のアルキルトルエン前駆体は、炭素原子約10〜約40個の長さのアルキル鎖を含むことができる。別の本発明のアルキルトルエン前駆体は、炭素原子約14〜約30個の長さのアルキル鎖を含むことができる。また別の本発明のアルキルトルエン前駆体は、炭素原子約18〜約26個の長さのアルキル鎖を含むことができる。トルエン環は、アルキル鎖の1位以外の任意のアルキル鎖位置に結合することができる。当該分野の熟練者であれば分かるように、アルキル鎖の「1位」とは、鎖の末端の炭素位置を意味する。一方、アルキル鎖は、トルエンのメチル基が結合している位置以外の任意の炭素位置でトルエン環に結合することができる。
【0024】
トルエンをアルキル化するのに使用するオレフィンは、単一オレフィンであっても種々のオレフィン類の混合物であってもよいが、通常は後者が一般に好ましいアルキル化剤である。だが、トルエンをアルキル化するのに単一オレフィンを使用しようと混合物を使用しようとそれに関係なく、しばしばオレフィンを異性化する。異性化はアルキル化工程の前でも、アルキル化工程の間でもあるいは後でも行うことができるが、好ましくはアルキル化工程の前に異性化を行なう。
【0025】
オレフィンの異性化法も知られている。当該分野の熟練者は一般に、この目的で少なくとも二種類の酸性触媒のうちの一つを使用している。酸性触媒は固体であっても液体であってもよい。公知の多数の固体酸性触媒が適しているが、少なくとも一種類の金属酸化物を含む固体触媒が好ましい。金属酸化物は次の中から選ばれたものであってよい:天然ゼオライト、合成ゼオライト、合成分子ふるい、および粘土。例えば固体酸性触媒は、酸性粘土の酸性型、または酸性分子ふるい、または平均孔径が少なくとも6.0オングストロームのゼオライトからなる。使用できる酸性粘土は、例えばモンモリロナイト、ラポナイトおよびサポナイトが挙げられるが、自然発生物質からでも合成物質からでも誘導することができる。柱状粘土もアルキル化触媒として働くことができる。一次元の孔組織を持ち、平均孔径が5.5オングストローム未満の別の分子ふるいも、酸性触媒として働くことができる。例としては、SM−3、MAPO−11、SAPO−11、SSZ−32、ZSM−23、MAPO−39、SAPO−39、ZSM−22、SSZ−20、ZSM−35、SUZ−4、NU−23、NU−86、および天然又は合成フェリエライトを挙げることができる。これらの触媒については、例えばロザマリー・ゾスタク(Rosamarie Szostak)著、「分子ふるい辞典(HANDBOOK OF MOLECULAR SIEVES)」(ニューヨーク、バン・ノースランド・ラインホールド(Van Norsrand Reinhold)、1992年)、および米国特許第5282858号明細書に記載されていて、それらも参照内容として本明細書の記載とする。
【0026】
異性化法は、例えば約50℃乃至約280℃の範囲の温度で実施することができる。オレフィンは沸点が高い傾向にあるので、該方法はバッチ式でも連続式でも液相で実施することが適している。バッチ式では、撹拌しながら所望の反応温度に加熱できるオートクレーブ又はガラスフラスコを一般に使用する。一方、連続法は固定床法で最も効率良く実施できる。固定床法で空間速度は、反応体と触媒床間の接触の速度を測るものであるが、約0.1WHSV乃至約10WHSV又はそれ以上(すなわち、毎時触媒の質量当りの反応体供給物の質量)の範囲にあってよい。触媒を反応器に充填し、反応器を所望の反応温度まで加熱することができる。オレフィンも触媒床にさらす前に加熱することができる。
【0027】
当該分野の熟練者であれば、特定の異性化レベルを達成できる異性化条件を選ぶことが可能である。つまり、異性化レベルは一般に、特定のオレフィン試料又は混合物中のアルファオレフィンの量と分枝のレベルにより特徴づけられる。アルファオレフィン量と分枝レベルは順次、例えばフーリエ変換赤外分光法(FTIR)を含む各種の従来法を使用して決定することができる。代表的なFTIR分光法では、特定試料の910cm-1の吸光度を追跡し、それをアルファオレフィンレベルが既知の検定試料の910cm-1吸光度と比較することにより、アルファオレフィンのレベル(又は比率)を測定することができる。検定試料のアルファオレフィンレベル(又は比率)は、例えば13C定量核磁気共鳴(NMR)分光法により公知の手順に従って得ることができる。
【0028】
分枝の比率も、FTIR分光法により試料の1378cm-1の吸光度を追跡することで測定することができる。この吸光度はメチル基の変角振動の程度に相当する。次いで、異性化オレフィン試料の吸光度を、分枝レベルが既知の検定試料セットの1378cm-1吸光度と比較する。一般的には、試験対象の特定の混合オレフィンをまず水素化して非分枝部分をn−アルカンに、分枝部分を分枝アルカンに変換する。次に、ガスクロマトグラフィを使用して非分枝n−アルカンと分枝アルカンを分離すると、その割合がその混合オレフィンの分枝レベルパーセントと相関している。
【0029】
アルキル化混合物のオレフィンは分枝していても線状であってもよいが、本発明の典型的な方法では、主として線状のアルファオレフィンの混合物から誘導したアルキルトルエンを含む。
【0030】
本発明のアルキル化工程は、異性化工程の前でも、同時でも、あるいは後でも行うことができる。だが、アルキル化工程の前に異性化工程を行うことが好ましく、それによりトルエンをアルキル化するのに用いるオレフィンは異性化オレフィンを含む。
【0031】
アルキルトルエン前駆体を作るのには、公知の各種のアルキル化法を使用することができる。例えば、代表的なアルキル化反応はフッ化水素触媒の存在下で起こるが、この目的に充分に役立つことができる。だが、アルキル化を遂行するのに使用する方法に関係なく、殆ど常に一段反応器を反応を行う好ましい容器として用いる。
【0032】
アルキル化法は一般に、約20℃乃至約250℃の範囲の温度で行う。前述した異性化法と同様にアルキル化法も、これらの温度で液体オレフィンを適合させるために液相で実施することが好ましい。アルキル化法はバッチ式でも連続式でも活性化させることができ、前者のバッチ式は加熱及び撹拌したオートクレーブ又はガラスフラスコで実施し、後者の連続式は固定床法で実施する。何れの方式でも、反応器流出液は一般にアルキルトルエンを余分なトルエンが混じった状態で含んでいる。余分なトルエンは、蒸留、減圧下でのストリッピング蒸発、または当該分野の熟練者に知られた他の手段により取り除くことができる。
【0033】
[アルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネート塩]
別の代替出発物質は、アルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネート塩であってもよく、これも当該分野の熟練者に知られた方法により製造することができる。つまり、アルキルトルエンスルホン酸を好適なアルカリ土類金属源と反応させることにより得ることができる。典型的な方法は、ヒドロキシル促進剤の存在下で水酸化物のような該金属の反応性塩基を、アルキルトルエンスルホン酸と一緒にすることからなる。従来はこのヒドロキシル促進剤は水であってよいが、本発明によれば水の外部水源を反応混合物に添加しない。従って、反応混合物中に存在するかどうか分からないが、唯一の水は反応の副生物である。水の代わりに、2−エチルヘキサノール、メタノールまたはエチレングリコールなどの好適なアルコールがヒドロキシル促進剤として作用することができる。本発明の典型的な方法では、ヒドロキシル促進剤はメタノールである。
【0034】
また、この反応は、得られたスルホネート塩が溶解しうる不活性溶媒中で行う。前述したように、その不活性溶媒は次の中から選ぶことができる:n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、n−デカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、またはそれらの混合物。本発明の典型的な方法では、その不活性溶媒はキシレンである。
【0035】
本発明のアルカリ土類金属は、カルシウム、バリウム、マグネシウムまたはストロンチウムであることが適している。本発明の典型的な態様では、アルカリ土類金属トルエンスルホネートはカルシウム塩であり、そしてその塩の反応性塩基は水酸化カルシウム(石灰としても知られている)である。別の典型的な態様では、反応性塩基は酸化カルシウムである。
【0036】
本発明の方法において低分子量アルコールとアルカリ土類金属源との質量比は、一般に約0.20:1より大きく、又は約0.30:1より大きく、又は約0.35:1よりも大きい。本発明の典型的な方法では、低分子量アルコールの量とアルカリ土類金属反応性塩基の量との比は、約0.40:1である。本発明の別の典型的な方法では、低分子量アルコールの量とアルカリ土類金属反応性塩基の量との比は、約0.33:1である。
【0037】
[ホウ素源]
本発明のアルカリ土類金属トルエンスルホネート塩を、始めに油溶性のトルエンスルホン酸出発物質から誘導しようと、あるいはそれ自体が出発物質であろうと、更にホウ酸化する。つまり、ホウ素源を反応混合物に導入してこの目的を遂行する。そのホウ素源は、例えばホウ酸、無水ホウ素、ホウ素エステル、または同様のホウ素含有物質の形であってよい。本発明の典型的な方法のホウ素源は、オルトホウ酸(ホウ酸としても知られている)である。水は外部から反応混合物に添加しないが、それでもなお水は、好適な低分子量アルコールの存在下で、アルキルトルエンスルホン酸とアルカリ土類アルキルトルエンスルホネート塩の一方又は両方と共に、アルカリ土類金属反応性塩基を含む反応の副生物として生成する。水の存在下ではホウ酸の縮合が生じて、例えば下記式で表されるもののようなホウ酸オリゴマーが生成すると思われる。
【0038】
【化1】

【0039】
これらのオリゴマーは次いで、アルカリ土類金属反応性塩基と反応してホウ酸化塩が生成し、それによりアルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネートにホウ素が導入される。
【0040】
[一種以上の過塩基化酸]
本発明のホウ酸化アルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネート塩は、一般には過塩基性である。定義によれば過塩基性物質の特徴は、過塩基性と言われるスルホネートにおける、金属カチオンの化学量論に従って存在する量よりも過剰の金属含量にある。「塩基価」又は「BN」は、試料1グラム中のKOHのミリグラムと等価な塩基の量を意味する。従って、BNが高いほど、生成物のアルカリ性が強いこと、よって保有するアルカリ度が大きいことを反映している。試料のBNは、例えばASTM D2896試験または他の同等の方法を含む各種の方法により決定することができる。「全塩基価」又は「TBN」は、機能液1グラム中のKOHのミリグラムと等価な塩基の量を意味する。これらの用語はしばしば、「塩基価」又は「BN」それぞれと交替で使用されている。「低過塩基性」は、BN又はTBNが約2乃至約60を意味する。「高過塩基性」は、BN又はTBNが約60又はそれ以上を意味する。
【0041】
本発明のアルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネート塩のTBNは、約10乃至約500、又は約50乃至約400、又は約100乃至約300でも、例えば約150乃至約200であってよい。本発明の典型的なアルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネート塩は、高過塩基性であってTBNが約160である。
【0042】
過塩基化の多数の従来法及び反応条件には、二酸化炭素による過塩基化が含まれる。そのような方法及び条件の例は、米国特許第3496105号明細書等に記載されている。本発明のホウ酸化アルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネートを各々、一種以上の過塩基化酸で過塩基化するが、そのうちの少なくとも一種はホウ酸である。従って、ホウ酸がホウ素源として方法に含まれるなら、それも得られたホウ酸化塩を過塩基化するために働くことができる。典型的な方法では単一の過塩基化酸を適用するが、それはホウ酸である。
【0043】
[方法]
本発明の典型的な方法では、キシレンなどの炭化水素溶媒を、メタノールなどの低分子量アルコール、および水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属源と予備混合する。この予備混合工程は、周囲温度又はその付近、例えば約15℃乃至約40℃、又は約20℃乃至約35℃で行う。
【0044】
予備混合に続いて、必要により消泡剤および他の処理助剤を任意に反応容器に添加してもよい。
【0045】
次に、アルキルトルエンスルホン酸を撹拌しながら混合物に加える。一般に、反応混合物の温度の急激な上昇を避けるためにアルキルトルエンスルホン酸を時間をかけて穏やかに加えて、その混合物の温度を約20℃乃至約55℃の範囲に維持する。その後、反応混合物を約40℃乃至約50℃、又は約41℃乃至約46℃の温度で、約5分間乃至約20分間撹拌し、それによりアルカリ土類金属反応性塩基の充分な中和を確実にする。次に、浴または他の冷却機構を用いて反応混合物を約20℃乃至約25℃、又は約21℃乃至約24℃まで冷却し、そしてこの温度範囲で約1時間乃至約3時間保持する。トルエンスルホン酸の代わりに、アルカリ土類金属トルエンスルホネート塩が出発物質であるならば、この中和工程を省略してもよい。
【0046】
次に、中和した反応混合物の温度を約20℃乃至約30℃に維持しながら、ホウ酸などのホウ素源を、約20分乃至約40分かけて穏やかにその混合物に加える。この後に、反応混合物を約25℃乃至約50℃で更に15分間保持する。再び、この混合物を約20℃乃至約25℃に冷却する。次いで、直ちに又は約30分以内に冷却機構を反応容器から取り除く。
【0047】
一般的には、それから反応混合物を穏やかに加熱して一つ以上の様々な中間温度に至らせる。この段階的な加熱方法が最終生成物において沈降物の量を低減するのに役立つと思われる。本発明の典型的な方法では、反応混合物を約65℃の第一の中間温度に約20分乃至約40分で加熱した後、約80℃の第二の中間温度に約90分乃至約2時間で加熱し、そののち約90℃乃至約95℃の第三の中間温度に約1時間で加熱する。
【0048】
次に、低分子量のアルコール、炭化水素溶媒、並びにこれまでに反応過程で発生した水を、当該分野で知られている分離法により反応混合物から取り除く。本発明の典型的な方法では、単に反応混合物をアルコール、溶媒及び水の沸点より高くまで加熱する、よく知られた蒸留法を用いる。その方法では、反応混合物を約125℃乃至約140℃に約1時間で加熱する。
【0049】
次に、反応混合物の粘度を下げたり、および/または生成物を分散させるために、任意に不活性液体媒体、例えば希釈油または潤滑基油を反応混合物に添加してもよい。好適な希釈油は、当該分野で知られていて、例えば「燃料及び潤滑剤辞典(FUELS AND LUBRICANTS HANDBOOK)」(ジョージ E.トッテン(George E. Totten)編集、2003年)、p.199には、「鉱物由来、合成化学物質由来または生物由来の・・基液」と定義されている。例えば生成物を押し出すのであれば、この時点でそのような不活性液体媒体を添加する必要はないかもしれない。
【0050】
蒸留工程を、一般には約180℃乃至約200℃の温度で約2時間続けた後、反応混合物をその温度で約15分間保持する。次に、遠心分離および/またはろ過など従来公知の方法を使用して、未反応のアルカリ土類金属反応性塩基、ホウ素源(あるならば、ホウ酸以外の)およびホウ酸を除去する。本発明の典型的な方法では、プレコート加圧フィルタで一定のろ過助剤を存在させてろ過を行い、そして得られた生成物をプレコート油で洗って貯蔵する。
【0051】
得られた本発明のホウ酸化アルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネート塩は、ホウ素を約2乃至約6質量%、又は約3乃至約5質量%、又は約3.2乃至約4.5質量%、例えば約3.5乃至約4.3質量%含有している。塩のホウ素のレベルは、当該分野でよく知られた一定の標準法、例えばASTM D4951又はASTM D5185により測定することができる。さらに、得られた本発明のホウ酸化アルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネートは一般に、ホウ素とアルカリ土類金属イオンとの比が約1:0.2乃至約1:0.7、又は約1:0.3乃至約1:0.6、又は約1:0.5乃至約1:0.58、例えば約1:0.51乃至約1:0.56の範囲にある。
【0052】
本発明の方法により製造したホウ酸化アルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネート塩は、一般に沈降速度が遅い。一般に沈降容量は、得られた塩の全容量に基づき約0.15容量%未満、又は約0.12容量%未満、又は約0.10容量%未満、又は約0.05容量%未満ですらあり、例えば約0.03容量%未満である。沈降速度は、当該分野でよく知られた一定の標準法、例えばASTM D2273により測定することができる。
【0053】
さらに、本発明の方法により製造したホウ酸化アルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネート塩は、ASTM D445に従って測定すると、100℃での粘度が約150cSt乃至約280cSt、又は約170cSt乃至約250cSt、例えば約200cStである。また、その塩の引火点はASTM D93に従って測定すると、約170℃より高く、又は約180℃ですらあり、例えば約190℃である。
【0054】
本発明について以下の実施例を参照することにより更に理解されようが、実施例は本発明の範囲を限定するものとみなされるべきではない。
【実施例】
【0055】
本発明を限定することなく本発明を説明するために、以下の実施例を提示する。本発明を特定の態様に関して記載しているが、本出願は、添付した特許請求の範囲の真意および範囲から逸脱することなく当該分野の熟練者により成されうるような、種々の変更や置換を包含することを意図するものである。
【0056】
[実施例1]過塩基性ホウ酸化カルシウムアルキルトルエンスルホネートの製造
5リットルガラス容器内で、メタノール約228グラム、キシレン約1800グラム、および水和石灰(水酸化カルシウム)約192.5グラムを混合して、均質又はほぼ均質にした。反応混合物の温度を約20℃乃至約30℃の範囲に維持しながら、分子量が約471のアルキルトルエンスルホン酸約572グラムを容器に加えた。この添加は約15分で終えた。次に、反応混合物の温度を約30℃乃至約35℃の範囲に維持しながら、ホウ酸粉末約291.9グラムを容器に加えた。そののち、反応混合物をこの温度で約15分間保った。次いで、反応混合物を含む容器を、次の三段階で加熱した:(1)約35℃から約65℃まで、(2)約65℃から約93℃まで、および(3)約93℃から約128℃まで。I種鉱油約358グラムを容器に加え、そして混合物を撹拌した。次に、混合物全体を10000Gで遠心分離に掛け、そして固体沈降物を取り除いた。こののち、液相を約40ミリバールの減圧下で約185℃まで加熱し、それによりキシレン溶媒を蒸留した。
【0057】
第二のバッチでは、予備混合物に添加するメタノールの量を約240グラムに増やしたこと以外は、一連の工程および全物質を同量で使用して上記の方法を繰り返した。得られた塩を分析した結果を、下記の第1表に記載する。
【0058】
第1表:ホウ酸化カルシウムアルキルトルエンスルホネート塩の分析
────────────────────────────────
性状 バッチ1 バッチ2
────────────────────────────────
カルシウム(質量%) 7.66 7.90
硫黄(質量%) 2.81 2.80
ホウ素(質量%) 4.09 4.08
塩基価(mgKOH/g) 168 174
密閉カップ式PMCC引火点(℃) 202 196
────────────────────────────────
【0059】
[実施例2]過塩基性ホウ酸化カルシウムトルエンスルホネートの大規模製造
タービン混合機と熱油ジャケットと冷却コイルを備えた1900リットルステンレス鋼反応器を、反応容器として使用した。混合キシレン約798キログラムを容器に充填した。次いで、反応器をキシレンの引火点より低い約20℃に冷却した。窒素パージ工程を用いて、反応器内の酸素の量を約3ppmまで減らした。次に、水酸化カルシウム粉末約126キログラムをスクリューコンベヤにより反応器に加えた。反応器の内容物をブレンド及び混合しながら、アルキルトルエンスルホン酸約351キログラムを約48分かけて反応器に加えたが、その間に反応混合物の温度は約43℃まで上がった。反応器を約20℃に冷却し、そしてホウ酸約195キログラムをスクリューコンベヤにより約10分かけて加えた。次に、メタノール約113キログラムを約15分かけて反応器に加えたが、その間に反応混合物の温度は約36℃まで上がった。反応器の内容物をその温度で更に約15分間ブレンド及び混合した。次に、反応器を大気圧にて次の四段階で加熱して、メタノールおよび反応過程で発生した水を取り除いた:(1)約60分かけて約34℃から約69℃まで、(2)約100分かけて約69℃から約78℃まで、(3)約60分かけて約78℃から約93℃まで、および(4)約60分かけて約93℃から約127℃まで。100ニュートラル油約163キログラムを反応器に加えた。次いで、キシレンを蒸留するために、約115分かけて反応器を約171℃に加熱し、反応器内の圧力を約50mmHgに下げた。次に、反応器内の圧力を大気圧に戻した。そののち、100ニュートラル油約23キログラムを反応器に加えた。けいそう土助剤入り加圧フィルタを用いてろ過して沈降物を除いたところ、沈降物は概算で約1.2容量%であった。
【0060】
得られたホウ酸化トルエンスルホネート塩を分析し、下記の第2表にその性状を記載する。
【0061】
第2表:過塩基性ホウ酸化カルシウム
アルキルトルエンスルホネートの大規模製造
──────────────────────────
性状 大規模バッチ
──────────────────────────
カルシウム(質量%) 7.65
硫黄(質量%) 2.78
ホウ素(質量%) 4.03
塩基価(mgKOH/g) 167
100℃動粘度(cSt) 112
──────────────────────────

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の工程を含むホウ酸化アルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネートの製造方法:
(a)(i)少なくとも一種の油溶性アルキルトルエンスルホン酸、または油溶性アルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネート塩、またはそれらの混合物、
(ii)少なくとも一種のアルカリ土類金属源、
(iii)1)少なくとも一種の炭化水素溶媒と2)少なくとも一種の低分子量のアルコールとからなる混合物中に存在する少なくとも一種のホウ素源、
および
(iv)一種以上の過塩基化酸、ただし、それらのうちの少なくとも一種はホウ酸である、を反応させる工程、
(b)工程(a)の反応生成物を、炭化水素溶媒、低分子量のアルコールおよび工程(a)で生成した水のいずれの蒸留温度よりも高い温度に加熱することにより、反応生成物から炭化水素溶媒、低分子量のアルコールおよび生成水を蒸留により除く工程、
ただし、上記方法の工程において外部からの水の添加は行なわない。
【請求項2】
低分子量のアルコールが一価アルコールである請求項1に記載の方法。
【請求項3】
一価アルコールがメタノールである請求項2に記載の方法。
【請求項4】
炭化水素溶媒がキシレンである請求項1に記載の方法。
【請求項5】
アルカリ土類金属源が、アルカリ土類金属水酸化物またはアルカリ土類金属酸化物である請求項1に記載の方法。
【請求項6】
アルカリ土類金属源が水酸化カルシウムである請求項5に記載の方法。
【請求項7】
ホウ素源がホウ酸である請求項1に記載の方法。
【請求項8】
低分子量のアルコールとアルカリ土類金属源との質量比が約0.2:1より大きい請求項1に記載の方法。
【請求項9】
質量比が約0.3:1より大きい請求項8に記載の方法。
【請求項10】
質量比が約0.4:1より大きい請求項9に記載の方法。
【請求項11】
油溶性アルキルトルエンスルホン酸のアルキル基が線状アルキル基である請求項1に記載の方法。
【請求項12】
アルキルトルエンスルホン酸の線状アルキル基が、炭素原子約10〜約40個の長さである請求項11に記載の方法。
【請求項13】
アルキルトルエンスルホン酸の線状アルキル基が、炭素原子約12〜約30個の長さである請求項12に記載の方法。
【請求項14】
アルキルトルエンスルホン酸の線状アルキル鎖が、炭素原子約18〜約26個の長さである請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ホウ酸化アルカリ土類金属トルエンスルホネートのTBNが、約10乃至約500である請求項1に記載の方法。
【請求項16】
ホウ酸化アルカリ土類金属トルエンスルホネートのTBNが、約50乃至約400である請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ホウ酸化アルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネートのTBNが、約100乃至約300である請求項16に記載の方法。
【請求項18】
工程(a)及び(b)で製造したホウ酸化アルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネートを、一種以上の過塩基化酸で更に過塩基化する過塩基化工程をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項19】
請求項1に記載の方法により製造された過塩基性ホウ酸化アルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネート。
【請求項20】
請求項18に記載の方法により製造された過塩基性ホウ酸化アルカリ土類金属アルキルトルエンスルホネート。

【公開番号】特開2008−297303(P2008−297303A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−141671(P2008−141671)
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(598066514)シェブロン・オロナイト・エス.アー. (20)
【出願人】(598037547)シェブロン・オロナイト・カンパニー・エルエルシー (135)
【Fターム(参考)】