説明

ホスホリルコリン単位を含む架橋共重合体及びそれを含む化粧料組成物

【課題】本発明は、ホスホリルコリン系単位を含む架橋結合共重合体、それを含む化粧料組成物及びその組成物を含む化粧料に関する。
【解決手段】本発明 によると、α,β−エチレン系不飽和単量体と、下記の化学式1で表されるホスホリルコリン系単量体と、二つ以上の不飽和エチレン結合基を有する架橋結合剤と、を単量体として含んで製造される共重合体。
[化学式1]


(化学式1中、Zは、水素原子またはR−O−CO−(ここで、Rは、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基を示す)であり、Yは、炭素数1〜20のアルキレンオキシ基であり、Rは、水素原子または炭素数1〜5の炭化水素基であり、R、R及びRは、独立して水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基またはヒドロキシ炭化水素基を示し、mは1〜20の整数であり、nは2〜5の整数である。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホスホリルコリン系単位を含む架橋結合共重合体、それを含む化粧料組成物及びその組成物を含む化粧料に関し、より詳細には、α,β−エチレン系不飽和単量体、ホスホリルコリン系単位を含む特定構造を有するホスホリルコリン系単量体、及び架橋結合剤を含んで製造される架橋結合共重合体及び前記架橋結合共重合体を含む化粧料組成物及びその組成物で製造される化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
アクリル酸またはメタクリル酸を含む重合体は、製薬または化粧料分野において増粘剤、分散剤、乳化剤、高吸水性高分子(superabsorbent polymer)などの多様な用途に用いられている。しかし、前記系統の重合体は、水を吸収及び保持する能力に優れ、本来の体積より数十倍に膨潤することができると知られているが、皮膚刺激性があり、長期使用するには皮膚を保護する機能が十分でないか若しくは非常に足りないという欠点がある。
【0003】
従って、本発明は、上記の(メタ)アクリル系重合体の長所を生かしながらも、皮膚刺激性の改善機能や皮膚保護の機能を有する新しい構造の重合体を製造することにより、化粧料分野において幅広く使用できる物質及びその物質を含む化粧料組成物及びその組成物を含む化粧料を提供しようとする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記のような問題を鑑みて導き出されたものであり、本発明の一目的は、従来の欠点を改善して、増粘、乳化安定性、吸水性、または分散性において非常に優れた特性を有する新規な共重合体を提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は、既存の増粘機能の他に、優れた生体適合性、向上された保湿力、改善された皮膚バリアー機能などの特性を有する新規な共重合体を提供することにある。
【0006】
また、本発明のさらに他の目的は、前記新しい特性を有する共重合体を含む組成物を提供し、その組成物を用いた化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記一目的を解決するために、本発明は、少なくとも1種のα,β−エチレン系不飽和単量体と、下記化学式1で表されるホスホリルコリン単位を含むホスホリルコリン系単量体と、前記ホスホリルコリン系単量体及び前記α,β−エチレン系不飽和単量体と架橋結合可能な二つ以上の不飽和エチレン結合基を有する少なくとも1種の架橋結合剤と、を単量体として含んで製造される架橋結合共重合体を提供することにより、本発明の目的を果たすことができる。特に、本発明は、本発明の単量体を含み、且つ架橋結合剤を用いて架橋された共重合体を製造することにより、既存のポリアクリル酸などの公知の物質に比べ著しい効果を示し、また多様な技術分野に幅広く適用されることができるということが分かった、
【0008】
以下、本発明の構成単量体成分及びその重合体の製造方法について説明する。
【0009】
前記架橋結合共重合体(以下、「共重合体」という)中のホスホリルコリン系単量体の含量は、α,β−エチレン系不飽和単量体100重量部当たり0.1〜80重量部であり、架橋結合剤の含量はα,β−エチレン系不飽和単量体100重量部当たり0.01〜30重量部であることを特徴とするホスホリルコリン系単量体に基づく架橋共重合体を提供する。
【0010】
[化学式1]

【0011】
化学式1中、Zは、水素原子またはR−O−CO−(ここで、Rは、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基を示す)を示し、Yは、炭素数1〜20のアルキレンオキシ基を示す。また、Rは、水素原子または炭素数1〜5の炭化水素基を示し、R、R及びRは、同一または異なる基で、水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基またはヒドロキシ炭化水素基を示す。また、mは1〜20の整数であり、nは2〜5の整数である。
【0012】
本発明による共重合体において、α,β−エチレン系不飽和単量体の種類は特に制限されないが、増粘効果、乳化安定性、吸水性などの側面でアクリル酸またはメタクリル酸であることが好ましく、ホスホリルコリン系単量体もその種類は特に制限されないが、保湿性及び生体適合性の側面で2−(メタクリロイルオキシ)エチル−2´−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート(2−(methacryloyloxy)ethyl−2´−(trimethylammonio)ethylphosphate)であることが好ましい。また、上記で製造された共重合体は、0.5重量%の水溶液の中和粘度(pH7.0での粘度)が1,000〜500,000センチポイズ(centipoise、cps)であることが好ましい。
【0013】
本発明の他の目的を解決するために、本発明は、前記共重合体を有効成分として含む化粧料組成物を提供する。本発明による化粧料組成物は、好ましくはスキンケア用またはヘアケア用に用いられることができ、組成物中の共重合体の含量は特に制限されないが、増粘効果、乳化安定性、分散性、保湿性などの側面で組成物全体重量を基準に0.01〜10重量%であることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明による共重合体は、架橋結合剤、α,β−エチレン系不飽和単量体、及びホスホリルコリン系単量体を単量体として含む共重合体であり、従来に開発された他の重合体、例えばアクリル酸系重合体に比べ、増粘効果、乳化安定性、分散性の向上などにおいてより優れた特性を示す。特に、向上された保湿力、改善された皮膚バリアー機能及び優れた生体適合性において、予想できなかった非常に優れた効果を示す。また、本発明による共重合体を含む化粧料組成物は、皮膚保湿、アトピー改善、炎症緩和、肌への広がり性及び毛髪コンディショニングに効果を有する多様なスキンケア及びヘアケアの用途に用いられることができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一側面は上述したように、化粧料組成物に増粘効果、乳化安定性、保湿力、皮膚バリアー機能の改善及び生体適合性を付与する新規な架橋結合共重合体に関するものであって、本発明による共重合体は、ホスホリルコリン系単量体、α,β−エチレン系不飽和単量体、及び架橋結合剤を含む。
【0016】
以下、本発明の新規な重合体について説明する。
【0017】
α,β−エチレン系不飽和単量体
本発明による共重合体は、単量体として一つまたは二つ以上のα,β−エチレン系不飽和単量体を含んで製造されるものである。前記α,β−エチレン系不飽和単量体は、α,β−エチレン系不飽和カルボン酸を含むことが好ましい。α,β−エチレン系不飽和カルボン酸としては、アクリル酸(acrylic acid)、メタクリル酸(methacrylic acid)、クロトン酸(crotonic)、アクリルオキシプロペン酸(acryloxypropenoicacid)などの一塩基酸、またはマレイン酸(maleic acid)、フマル酸(fumaric acid)、イタコン酸(itaconic acid)の二塩基酸などが挙げられ、これらをそれぞれ単独で用いてもよく、これらを混合して用いてもよい。
【0018】
また、本発明は、下記化学式2の構造を有する単量体をα,β−エチレン系不飽和単量体と混合したものをα,β−エチレン系不飽和単量体とすることもできる。
【0019】
本発明の下記化学式2の単量体の含量は、前記α,β−エチレン系不飽和単量体100重量部に対して40〜99.9%の範囲が適当であり、55〜99.9%がより好ましい。
【0020】
[化学式2]

【0021】
前記化学式2中、Lは、水素原子またはR−O−CO−であり、前記Rは、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基を示し、Xは、





、または

から選択される何れか一つであり、rは1〜10の整数である。また、Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、またはシアノ基を示し、Rは、水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基を示す。
【0022】
前記化学式2で表される単量体の具体的な例としては、メチルアクリレート(methyl acrylate)、エチルアクリレート(ethyl acrylate)、プロピルアクリレート(propyl acrylate)、イソプロピルアクリレート(isopropyl acrylate)、ブチルアクリレート(butyl acrylate)、イソブチルアクリレート(isobutyl acrylate)、オクチルアクリレート(octyl acrylate)、ヘプチルアクリレート(heptyl acrylate)、デシルアクリレート(decyl acrylate)、イソデシルアクリレート(isodecyl acrylate)、ラウリルアクリレート(lauryl acrylate)、ステアリルアクリレート(stearyl acrylate)、ベヘニルアクリレート(behenyl acrylate)、メリシルアクリレート(melissyl acrylate)及びこれに対応するメタクリレートなどが挙げられ、これらのうち少なくとも1種以上を選択して単量体として用いることができる。
【0023】
ホスホリルコリン系単量体
本発明は、下記化学式1の構造を有するホスホリルコリン系単量体を含む。
【0024】
[化学式1]

【0025】
前記化学式1中、Zは、水素原子またはR−O−CO−であり、前記Rは、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基であり、Yは、炭素数1〜20のアルキレンオキシ基を示す。また、Rは、水素原子または炭素数1〜5の炭化水素基を示し、R、R及びRは、同一または異なる基で、水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基またはヒドロキシ炭化水素基を示す。mは1〜20の整数であり、nは2〜5の整数である。
【0026】
化学式1で表されるホスホリルコリン系単量体は、例えば、2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチル−2´−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、3−((メタ)アクリロイルオキシ)プロピル−2´−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、4−((メタ)アクリロイルオキシ)ブチル−2´−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、5−((メタ)アクリロイルオキシ)ペンチル−2´−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、6−((メタ)アクリロイルオキシ)ヘキシル−2´−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチル−2´−(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチル−2´−(トリプロピルアンモニオ)エチルホスフェート、2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチル−2´−(トリブチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−((メタ)アクリロイルオキシ)プロピル−2´−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−((メタ)アクリロイルオキシ)ブチル−2´−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−((メタ)アクリロイルオキシ)ペンチル−2´−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−((メタ)アクリロイルオキシ)ヘキシル−2´−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、エチル−(2´−トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチル)フマレート、ブチル−(2´−トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチル)フマレート、ヒドロキシエチル−(2´−トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチル)フマレート、エチル−(2´−トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチル)フマレート、ブチル−(2´−トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチル)フマレート、ヒドロキシエチル−(2´−トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチル)フマレートなどが挙げられ、これらを単独または混合して用いることができる。上記のホスホリルコリン系単量体のうち「((メタ)アクリロイルオキシ)エチル」などは、アクリロイルオキシエチルとメタクリロイルオキシエチルなどを全て意味するものとして表示されたものである。
【0027】
本発明によるホスホリルコリン系単量体としては、特に制限されないが、吸水性及び生体適合性の点で、2−(メタクリロイルオキシ)エチル−2´−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート(2−(methacryloyloxy)ethyl−2´−(trimethylammonio)ethylphosphate、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(2−methacryloyloxyethylphosphorylcholine)ともいう、以下、MPCと略称する)が好ましいが、これに限定されるものではない。
【0028】
本発明による共重合体中のホスホリルコリン系単量体の含量は、α,β−エチレン系不飽和単量体100重量部当たり0.1〜80重量部、好ましくはα,β−エチレン系不飽和単量体100重量部当たり0.5〜10重量部である。ホスホリルコリン系単量体の含量がα,β−エチレン系不飽和単量体100重量部当たり0.1重量部未満である場合、共重合体の保湿性及び生体適合性の効果が微小であり、ホスホリルコリン類似基含有物質の含量がα,β−エチレン系不飽和単量体100重量部当たり80重量部を超過する場合、共重合体の増粘効果がそれ以上増加しない。
【0029】
架橋結合剤
本発明による架橋結合剤は、二つ以上の不飽和エチレン結合基を有する少なくとも1種の架橋結合剤を含む。本発明における架橋結合剤は、ホスホリルコリン系単量体及びα,β−エチレン系不飽和単量体を架橋結合してネットワーク構造を形成し、本発明による共重合体が広いpH範囲及び塩の存在下でも安定した増粘効果を有するようにする。
【0030】
本発明による共重合体の架橋結合剤としては、α,β−エチレン系不飽和単量体及びホスホリルコリン系単量体とラジカル重合反応によって結合できるものであればその種類は特に制限されず、例えば、エチレングリコールジアクリレート(ethylene glycol diacrylate)、エチレングリコールジメタクリレート(ethylene glycol dimethacrylate)、プロピレングリコールジアクリレート(propylene glycol diacrylate)、プロピレングリコールジメタクリレート(propylene glycol dimethacrylate)、ブチレングリコールジアクリレート(butylene glycol diacrylate)、ブチレングリコールジメタクリレート(butylene glycol dimethacrylate)、ヘキシレングリコールジアクリレート(hexylene glycol diacrylate)、ヘキシレングリコールジメタクリレート(hexylene glycol dimethacrylate)、ジエチレングリコールジアクリレート(diethylene glycol diacrylate)、ジエチレングリコールジメタクリレート(diethylene glycol dimethacrylate)、トリエチレングリコールジアクリレート(triethylene glycol diacrylate)、トリエチレングリコールジメタクリレート(triethylene glycol dimethacrylate)、テトラエチレングリコールジアクリレート(tetraethylene glycol diacrylate)、テトラエチレングリコールジメタクリレート(tetraethylene glycol dimethacrylate)、アリルアクリレート(allyl acrylate)、アリルメタクリレート(allyl methacrylate)、メタリルアクリレート(methallyl acrylate)、アリルエタクリレート(allyl ethacrylate)、エタリルアクリレート(ethallyl acrylate)、メタリルメタクリレート(methallyl methacrylate)、ジアリルフタレート(diallyl phthalate)、ジアリルマレート(diallyl maleate)、ジアリルスクシネート(diallyl succinate)、トリアリルホスフェート(triallyl phosphate)、ジアリルオキサレート(diallyl oxalate)、ジアリルマロネート(diallyl malonate)、ジアリルシトレート(diallyl citrate)、ジアリルフマレート(diallyl fumarate)、ジビニルベンゼン(divinyl benzene)、トリビニルベンゼン(trivinyl benzene)、ビニルクロトネート(vinyl crotonate)、N,N−メチレン−ビス−アクリルアミド(N,N−methylene−bis−acrylamide)、トリメチロールプロパンジアリルエーテル(trimethylolpropane diallyl ether)またはトリメチロールプロパントリアリルエーテル(trimethylolpropane triallyl ether)、ジアリルペンタエリスリトールエーテル(diallyl pentaerythritol ether)、トリアリルペンタエリスリトールエーテル(triallyl pentaerythritol ether)、テトラアリルペンタエリスリトールエーテル(tetraallyl pentaerythritol ether)、ジアリルスクロースエーテル(diallyl sucrose ether)、トリアリルスクロースエーテル(triallyl sucrose ether)、またはテトラアリルスクロースエーテル(tetraallyl sucrose ether)、ペンタアリルスクロースエーテル(pentaallyl sucrose ether)、ヘキサアリルスクロースエーテル(hexaallyl sucrose ether)などが挙げられ、これらを単独または混合して用いることができる。
【0031】
本発明による架橋結合剤の含量は、α,β−エチレン系不飽和単量体100重量部当たり0.01〜30重量部、好ましくはα,β−エチレン系不飽和単量体100重量部当たり0.05〜10重量部、より好ましくはα,β−エチレン系不飽和単量体100重量部当たり0.1〜5重量部である。架橋結合剤の含量がα,β−エチレン系不飽和単量体100重量部当たり0.01重量部未満である場合、共重合体の増粘効果が微小であり、架橋結合剤の含量がα,β−エチレン系不飽和単量体100重量部当たり30重量部を超過する場合、共重合体の一部が水に膨潤されないため効果が低下するという問題が発生する。
【0032】
以下、本発明の共重合体の製造方法について説明する。
【0033】
本発明の共重合体は、有機溶剤を反応媒体として用いる懸濁重合、逆相エマルション重合、沈殿重合、または水を反応媒体として用いる溶液重合などの方法により製造することができ、これら重合方法は一般的にラジカル重合反応を用いる。以下、本発明の一つの例として、沈殿重合方法について説明する。
【0034】
まず、反応器に有機溶媒、α,β−エチレン系不飽和単量体、及びホスホリルコリン系単量体を添加して溶解させた後、不活性気体でパージして約50〜90℃に昇温させながらさらに不活性気体でパージする。その後、架橋結合剤及び重合開始剤を有機溶媒に溶解させ、これを約50〜90℃に昇温された反応器に添加した後、約3〜10時間重合反応させる。重合反応が終了すると共重合体が沈殿されるが、これをろ過した後約70〜110℃で減圧蒸発によって有機溶媒を除去することにより、白色粉末形態の共重合体が得られる。
【0035】
この際、共重合体の製造は、窒素、二酸化炭素、またはヘリウムなどの不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。有機溶媒は、特に制限されないが、α,β−エチレン系不飽和単量体及びホスホリルコリン系単量体を溶解させることができるものが好ましく、架橋結合剤を溶解させることができるものがさらに好ましい。有機溶媒としては、例えば、トルエン、ベンゼン、シクロヘキサン、エチルアセテート、n−へキサン、メチルエチルケトンなどが挙げられ、このうち一つを選択して用いてもよく、一つ以上の有機溶媒を適量混合して用いてもよい。例えば、1:99〜99:1の重量比で混合した混合溶媒を用いることもできる。
【0036】
有機溶剤下でのラジカル反応は、一定サイズ以上の鎖成長(propagation)が起こるようになり、成長した高分子が用いた有機溶剤の極性値によって有機溶剤に解けずに沈殿され、重合反応が終了(termination)される。このような高分子鎖の長さは混合溶媒の混合割合によって調節することができる。また、水を溶媒として用いる場合には、エマルション重合して製造することもできる。
【0037】
本発明のラジカル重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(Azobisisobutyronitrile、AIBN)、アゾビスジメチルバレロニトリル(Azobisdimethylvaleronitrile)などのアゾ開始剤、ベンゾイルパーオキサイド(Benzoyl peroxide)、ラウロイルパーオキサイド(Lauroyl peroxide)、過硫酸カリウム(Potassium persulfate)、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート(di(2−ethylhexyl)peroxydicarbonate)、ジ(sec−ブチル)パーオキシジカーボネート(di(sec−butyl)peroxydicarbonate)、ジ(イソプロピル)パーオキシジカーボネート(di(isopropyl)peroxydicarbonate)、ジ(シクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(di(cyclohexyl)peroxydicarbonate)、ジ(セチル)パーオキシジカーボネート(di(cetyl)peroxydicarbonate)、ジ(n−プロピル)パーオキシジカーボネート(di(n−propyl)peroxydicarbonate)などのパーオキシカーボネートなどが挙げられる。前記重合開始剤の商業的な商品としてはDupont社のVazo52、Vazo64、Vazo67、Vazo88などがあり、開始剤は、開始剤の各温度毎の半減期(Half life time)と有機溶媒の沸点(Boiling point)などを考慮して選択する。上記のような方法により製造された共重合体の0.5重量%水溶液は、pH7.0で粘度が1,000〜500,000センチポイズ(centipoise、cps)であることが好ましい。
【0038】
化粧料組成物
本発明の他の側面は、上述の共重合体を有効成分として含む化粧料組成物に関する。本発明における化粧料組成物は、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、美貌を変え、又は皮膚に若しくは毛髪をすこやかに保つために人体に用いられるものであって、洗浄剤、浴用剤などの個人衛生管理物品を含む広義の概念である。
【0039】
本発明の共重合体は化粧料組成物の一成分として添加され、増粘剤、乳化安定剤、及び保湿剤として機能して、化粧料組成物に優れた生体適合性を付与する。本発明の共重合体を有効成分として含む化粧料組成物は、具体的にスキンケア用またはヘアケア用の用途に用いられることができる。スキンケア用に用いられる場合、向上された皮膚吸収及び改善された皮膚バリアー機能を示し、ヘアケア用に用いられる場合、向上された溶解性及び損傷毛髪の保護効果などを示す。前記化粧料組成物中の共重合体の含量は、化粧料組成物の用途及び剤形によって多様な範囲を有することができ、使用感(例えば肌への広がり性)、保湿感などの側面で、組成物全体重量を基準に0.01〜10重量%であることが好ましい。
【0040】
本発明による化粧料組成物は、水相媒体及び前記共重合体の他に多様な成分、例えば、保存剤、浸透剤、pH調節剤、緩衝剤、安定剤、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、界面活性剤、リポソーム、増粘剤などと、化粧料組成物に通常用いられる成分、例えば、抗酸化剤、安定化剤、溶解化剤、ビタミン、顔料及び香料などの通常の補助剤、及び担体などを含むことができ、これに制限されない。本発明の好ましい具現例によると、本発明の共重合体の含量は、化粧料組成物の総重量に対して0.001〜30重量%、好ましくは0.01〜10重量%である。本発明の好ましい実施例では本発明の共重合体を0.5重量%含む化粧料組成物を製造し、これを皮膚に直接塗布することで、皮膚保湿の効果及びアトピー改善の効果に優れるということを確認した。
【0041】
本発明の化粧料組成物は、当業界において通常製造される多様な剤形に製造されることができ、例えば、溶液、懸濁液、乳濁液、ペースト、ゲル、クリーム、ローション、パウダー、石鹸、界面活性剤−含有クレンジング、オイル、粉末ファンデーション、乳濁液ファンデーション、ワックスファンデーション及びスプレーなどに剤形化されることができるが、これに限定されるものではない。より詳細には、柔軟化粧水、栄養化粧水、栄養クリーム、マッサージクリーム、エッセンス、アイクリーム、クレンジングクリーム、クレンジングフォーム、クレンジングウォーター、パック、スプレーまたはパウダーの剤形に製造されることができる。本発明の剤形がペースト、クリームまたはゲルである場合は、担体成分として動物性油、植物性油、ワックス、パラフィン、澱粉、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト、シリカ、タルクまたは酸化亜鉛などが用いられることができる。本発明の剤形がパウダーまたはスプレーである場合は、担体成分としてラクトース、タルク、シリカ、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムまたはポリアミドパウダーが用いられることができ、特にスプレーである場合には、クロロフルオロヒドロカーボン、プロパン/ブタンまたはジメチルエーテルなどの推進体をさらに含むことができる。本発明の剤形が溶液または乳濁液である場合は、担体成分として溶媒、溶解化剤または乳濁化剤が用いられ、例えば、水、エタノール、イソプロパノール、エチルカーボネート、エチルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレングリコール、1,3−ブチルグリコールオイル、グリセロール脂肪族エステル、ポリエチレングリコールまたはソルビタン脂肪酸エステルが挙げられる。本発明の剤形が懸濁液である場合は、担体成分として水、エタノールまたはプロピレングリコールなどの液状の稀釈剤、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステル及びポリオキシエチレンソルビタンエステルなどの懸濁剤、微小結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天などが用いられることができる。本発明の剤形が界面活性剤含有クレンジングである場合は、担体成分として脂肪族アルコールサルフェート、脂肪族アルコールエーテルサルフェート、スルホコハク酸モノエステル、イセチオネート、イミダゾリウム誘導体、メチルタウレート、サルコシネート、脂肪酸アミドエーテルサルフェート、アルキルアミドベタイン、脂肪族アルコール、脂肪酸グリセリド、脂肪酸ジエタノールアミド、植物性油、ラノリン誘導体またはエトキシル化グリセロール脂肪酸エステルなどが用いられることができる。また、本発明によるヘアケア用の化粧料組成物は、前記共重合体の他に、適切なキャリア、界面活性剤、香料、乳白剤(opacifier)、結合補助剤(combing aids)、タンパク質、エーロゾル推進剤(aerosol propellents)、ゲル化剤(gelling agent)など通常の添加剤を1種以上含むことができ、シャンプー、リンス、ヘア固定用ワックス、ヘアケア用コンディショナなどを含む各種剤形に製造されることができる。
【0042】
本発明の化粧方法は、本発明の化粧料組成物を人の皮膚に塗布する全ての化粧方法を指す。即ち、化粧料組成物を皮膚に塗布する当業界に公知された全ての方法が本発明の化粧方法に属する。本発明の化粧料組成物は、単独または重複塗布して用いてもよく、本発明の他の化粧料組成物と重複塗布して用いてもよい。また、本発明による皮膚保護の効果に優れた化粧料組成物は、通常の使用方法によって用いられることができ、使用者の皮膚状態または趣向によってその使用回数を異らせることができる。本発明の化粧料組成物が、石鹸、界面活性剤含有クレンジングまたは界面活性剤非含有クレンジング剤形である場合、皮膚に塗布した後拭き取るか、剥がすか、または水で洗い流すこともできる。具体的な例としては、前記石鹸は、液状石鹸、粉末石鹸、固形石鹸またはオイル石鹸であり、前記界面活性剤含有クレンジングの剤形は、クレンジングフォーム、クレンジングウォーター、クレンジングタオルまたはクレンジングパックであり、前記界面活性剤非含有クレンジングの剤形は、クレンジングクリーム、クレンジングローション、クレンジングウォーターまたはクレンジングゲルであり、これに限定されるものではない。本発明の前記有効成分を含む化粧料組成物を人の皮膚に塗布する化粧方法を施すことにより、皮膚保湿の効果及びアトピー改善の効果を得ることができる。
【0043】
以下、本発明による共重合体の製造及び製造された共重合体を用いた化粧料組成物について、製造例及び実施例を取って説明する。本発明は、下記実施例に限定されず、当業者がその技術的思想に基づいて多様に変更発明することができるものまで含む。
【0044】
(製造例1)共重合体の製造
反応器にシクロヘキサンとエチルアセテートとを50:50の重量比で混合した有機溶媒1200g、アクリル酸100g、及びMPC2gを添加し、反応器の温度を60℃に徐々に昇温させるとともに反応物を撹拌して溶解させて、窒素で30分間パージ(purge)した。また、架橋結合剤としてペンタエリスリトールトリアリルエーテル(pentaerythritol triallyl ether)0.8g及び重合反応開始剤としてVazo52(Dupont社)0.04gを、シクロヘキサンとエチルアセテートとを50:50の重量比で混合した有機溶媒10gに溶解させ、反応器の温度が60℃に至るとこれを反応器に添加して12時間重合反応させた。重合反応が完了した後、ろ過して乾燥することにより白色粉末の共重合体を得た。
【0045】
得られた共重合体は、0.5重量%中和粘度が32,000cpsであり、中和された状態でUV−Vis.spectometerで測定した透明度は(420、10 cell)90%を示した。
【0046】
(製造例2)共重合体の製造
反応器にシクロヘキサンとエチルアセテートとを50:50の重量比で混合した有機溶媒1200g、アクリル酸100g、及びMPC1gを添加し、反応器の温度を60℃に徐々に昇温させるとともに反応物を撹拌して溶解させて、窒素で30分間パージ(purge)した。また、架橋結合剤としてトリメチロールプロパンジアリルエーテル(trimethylolpropane diallyl ether)3g及び重合反応開始剤としてVazo52(Dupont社)0.04gを、シクロヘキサンとエチルアセテートとを50:50の重量比で混合した有機溶媒10gに溶解させて別に準備し、反応器の温度が60℃に至るとこれを反応器に添加して12時間重合反応させた。重合反応が完了した後、ろ過した反応生成物を減圧蒸発器に入れて90℃で有機溶媒を除去することにより、白色粉末形態の共重合体を得た。得られた共重合体の物性は、0.5重量%中和粘度が30,000cpsであり、中和された状態でUV−Vis.spectometerで測定した透明度は(420、10 cell)90%を示した。
【0047】
(製造例3)共重合体の製造
反応器にベンゼン有機溶媒1200g、アクリル酸100g、及びMPC10gを添加し、反応器の温度を80℃に徐々に昇温させるとともに反応物を撹拌して溶解させて、窒素で30分間パージ(purge)した。また、架橋結合剤としてトリメチロールプロパンジアリルエーテル(trimethylolpropane diallyl ether)1.0g及び重合反応開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2gをベンゼン有機溶媒10gに溶解させて別に準備し、反応器の温度が80℃に至るとこれを反応器に添加して10時間重合反応させた。重合反応が完了した後、ろ過した反応生成物を減圧蒸発器に入れて90℃で有機溶媒を除去することにより、白色粉末形態の共重合体を得た。得られた共重合体の透明度は88であり、0.5重量%水溶液(pH7.0、中和)の粘度は22,000cpsであった。
【0048】
(製造例4)共重合体の製造
反応器にシクロヘキサンとエチルアセテートとを50:50の重量比で混合した有機溶媒1400g、アクリル酸100g、及びMPC20gを添加し、反応器の温度を70℃に徐々に昇温させるとともに反応物を撹拌して溶解させて、窒素で30分間パージ(purge)した。また、架橋結合剤としてトリメチロールプロパンジアリルエーテル(trimethylolpropane diallyl ether)3g及び重合反応開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.01gを、シクロヘキサンとエチルアセテートとを50:50の重量比で混合した有機溶媒5gに溶解させて別に準備し、反応器の温度が70℃に至るとこれを反応器に添加して10時間重合反応させた。重合反応が完了した後、ろ過した反応生成物を減圧蒸発器に入れて90℃で有機溶媒を除去することにより、白色粉末形態の共重合体を得た。得られた共重合体の透明度は92であり、0.5重量%水溶液(pH7.0、中和)の粘度は15,000cpsであった。
【0049】
(製造例5)共重合体の製造
反応器にシクロヘキサンとエチルアセテートとを60:40の重量比で混合した有機溶媒1200g、アクリル酸100g、及びMPC10gを添加し、反応器の温度を70℃に徐々に昇温させるとともに反応物を撹拌して溶解させて、窒素で30分間パージ(purge)した。また、架橋結合剤としてジアリルペンタエリスリトールエーテル(diallyl pentaerythritol ether)1gとジアリルフタレート(diallyl phthalate)0.2g及び重合反応開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.1gを、シクロヘキサンとエチルアセテートとを60:40の重量比で混合した有機溶媒10gに溶解させて別に準備し、反応器の温度が70℃に至るとこれを反応器に添加して10時間重合反応させた。重合反応が完了した後、ろ過した反応生成物を減圧蒸発器に入れて90℃で有機溶媒を除去することにより、白色粉末形態の共重合体を得た。得られた共重合体の透明度は90であり、0.5重量%水溶液(pH7.0、中和)の粘度は10,000cpsであった。
【0050】
(製造例6)共重合体の製造
反応器にシクロヘキサンとエチルアセテートとを50:50の重量比で混合した有機溶媒1200g、アクリル酸100g、及びMPC2gを添加し、反応器の温度を70℃に徐々に昇温させるとともに反応物を撹拌して溶解させて、窒素で30分間パージ(purge)した。また、架橋結合剤としてトリメチロールプロパンジアリルエーテル(trimethylolpropane diallyl ether)3g及び重合反応開始剤としてVazo52(Dupont社)0.2gを、シクロヘキサンとエチルアセテートとを50:50の重量比で混合した有機溶媒10gに溶解させて別に準備し、反応器の温度が70℃に至るとこれを反応器に添加して10時間重合反応させた。重合反応が完了した後、ろ過した反応生成物を減圧蒸発器に入れて90℃で有機溶媒を除去することにより、白色粉末形態の共重合体を得た。
【0051】
(製造例7)共重合体の製造
反応器にシクロヘキサンとエチルアセテートとを50:50の重量比で混合した有機溶媒1200g、アクリル酸90g、ラウリルアクリレート(Lauryl acrylate)4g及びMPC3gを添加し、反応器の温度を70℃に徐々に昇温させるとともに反応物を撹拌して溶解させて、窒素で30分間パージ(purge)した。また、架橋結合剤としてトリメチロールプロパンジアリルエーテル(trimethylolpropane diallyl ether)0.6g及び重合反応開始剤としてVazo52(Dupont社)0.04gを、シクロヘキサンとエチルアセテートとを50:50の重量比で混合した有機溶媒10gに溶解させて別に準備し、反応器の温度が70℃に至るとこれを反応器に添加して10時間重合反応させた。重合反応が完了した後、ろ過した反応生成物を減圧蒸発器に入れて100℃で有機溶媒を除去することにより、白色粉末形態の共重合体を得た。得られた共重合体の透明度は90であり、0.5重量%水溶液(pH7.0、中和)の粘度は7,000cpsであった。
【0052】
(製造例8)共重合体の製造
反応器にシクロヘキサンとエチルアセテートとを50:50の重量比で混合した有機溶媒1200g、アクリル酸80g、ステアリルメタクリレート(Stearyl Methacrylate)8g及びMPC5gを添加し、反応器の温度を70℃に徐々に昇温させるとともに反応物を撹拌して溶解させて、窒素で30分間パージ(purge)した。また、架橋結合剤としてトリメチロールプロパンジアリルエーテル(trimethylolpropane diallyl ether)0.9g及び重合反応開始剤としてVazo52(Dupont社)0.04gを、シクロヘキサンとエチルアセテートとを50:50の重量比で混合した有機溶媒10gに溶解させて別に準備し、反応器の温度が70℃に至るとこれを反応器に添加して10時間重合反応させた。重合反応が完了した後、ろ過した反応生成物を減圧蒸発器に入れて100℃で有機溶媒を除去することにより、白色粉末形態の共重合体を得た。得られた共重合体の透明度は85であり、0.5重量%水溶液(pH7.0、中和)の粘度は27,000cpsであった。
【0053】
(製造例9)共重合体の製造
反応器にn−へキサン1200g、アクリル酸100g、及びMPC10gを添加し、反応器の温度を70℃に徐々に昇温させるとともに反応物を撹拌して溶解させて、窒素で30分間パージ(purge)した。また、架橋結合剤としてトリメチロールプロパンジアリルエーテル(trimethylolpropane diallyl ether)3g及び重合反応開始剤としてVazo52(Dupont社)0.2gをn−へキサン10gに溶解させて別に準備し、反応器の温度が60℃に至るとこれを反応器に添加して10時間重合反応させた。重合反応が完了した後、ろ過した反応生成物を減圧蒸発器に入れて90℃で有機溶媒を除去することにより、白色粉末形態の共重合体を得た。得られた共重合体の物性は、0.5重量%中和粘度が25,000cpsであり、中和された状態でUV−Vis.spectometerで測定した透明度は(420、10 cell)90%を示した。
【0054】
(比較製造例1)
反応器にシクロヘキサンとエチルアセテートとを40:60の重量比で混合した有機溶媒1200g及びアクリル酸100gを添加し、反応器の温度を70℃に徐々に昇温させるとともに反応物を撹拌して溶解させて、窒素で30分間パージ(purge)した。また、架橋結合剤としてトリメチロールプロパンジアリルエーテル(trimethylolpropane diallyl ether)3g及び重合反応開始剤としてVazo52(Dupont社)0.04gを、シクロヘキサンとエチルアセテートとを40:60の重量比で混合した有機溶媒10gに溶解させて別に準備し、反応器の温度が70℃に至るとこれを反応器に添加して10時間重合反応させた。重合反応が完了した後、ろ過した反応生成物を減圧蒸発器に入れて100℃で有機溶媒を除去することにより、白色粉末形態の架橋結合重合体を得た。得られた架橋結合重合体の透明度は90であり、0.5重量%水溶液(pH7.0、中和)の粘度は34,000cpsであった。
【0055】
(比較製造例2)
反応器にベンゼン有機溶媒1200g及びアクリル酸100gを添加し、反応器の温度を80℃に徐々に昇温させるとともに反応物を撹拌して溶解させて、窒素で30分間パージ(purge)した。また、架橋結合剤としてトリメチロールプロパンジアリルエーテル(trimethylolpropane diallyl ether)3g及び重合反応開始剤としてVazo52(Dupont社)0.05gをベンゼン有機溶媒10gに溶解させて別に準備し、反応器の温度が80℃に至るとこれを反応器に添加して5時間重合反応させた。重合反応が完了した後、ろ過した反応生成物を減圧蒸発器に入れて100℃で有機溶媒を除去することにより、白色粉末形態の架橋結合重合体を得た。得られた架橋結合重合体の透明度は90であり、0.5重量%水溶液(pH7.0、中和)の粘度は36,000cpsであった。
【0056】
(比較製造例3)
反応器にシクロヘキサンとエチルアセテートとを20:80の重量比で混合した有機溶媒1200g及びアクリル酸100gを添加し、反応器の温度を70℃に徐々に昇温させるとともに反応物を撹拌して溶解させて、窒素で30分間パージ(purge)した。また、重合反応開始剤としてVazo52(Dupont社)0.04gを、シクロヘキサンとエチルアセテートとを20:80の重量比で混合した有機溶媒10gに溶解させて別に準備し、反応器の温度が70℃に至るとこれを反応器に添加して10時間重合反応させた。重合反応が完了した後、ろ過した反応生成物を減圧蒸発器に入れて100℃で有機溶媒を除去することにより、白色粉末形態の重合体を得た。得られた重合体の透明度は95であり、0.5重量%水溶液(pH7.0、中和)の粘度は100cpsであった。
【0057】
(実施例1)柔軟化粧水(スキンローション)
前記製造例1により製造された共重合体を用いて下記表1に示す組成成分及び組成比で混合して、下記のような組成で柔軟化粧水を製造した。これを用いて、化粧料の保湿及び皮膚バリアー機能改善効果と炎症緩和効果を評価し、その結果を表2(保湿及び皮膚バリアー機能改善効果)及び表3(炎症緩和効果)に示した。それぞれの性能評価方法は、次のとおりである。
【0058】
保湿及び皮膚バリアー機能改善効果
25℃、相対湿度45%、空気の流れがない室内で、健康な女性30人を四つのクループ(A、B、C)に分け、Aグループに対しては実施例1の化粧料を、Bグループに対しては比較例1の化粧料を、Cグループに対しては比較例2の化粧料を、下記表1に従って剤形した後、適量を上腕に一日3回、6週間塗布した後、TEWAMETER TM300(C+K electronic GmbH.Germany)を用いて経皮水分喪失量、即ち、時間変化によるTEWL(Transepidermal Water Loss)値の変化量を測定し、CORNEOMETER CM820 PC(C+K electronic GmbH.Germany)を用いて表皮水気量による電気伝導度の変化で0〜150まで皮膚の水気量を数値化して保湿効果を測定した。
【0059】
炎症緩和効果
まず、女性30人の試験対象化粧料の適用部位にSDS5%溶液を4時間閉鎖貼布した。その後、三つのグループに分けてAグループには実施例1の化粧料を、Bグループには比較例1の化粧料を、Cグループには比較例3の化粧料を、下記表1に従って剤形して上腕左側の2X2の面積に(2回/一日、0.2g/一回)2週間塗布した後、皮膚紅斑測定機(Mexameter MX18、C+K Electronics GmbH.Germany)で皮膚紅斑程度を測定することにより、SDS塗布によって誘発された刺激による炎症が緩和される程度を観察した。
【0060】
(比較例1)柔軟化粧水の組成物
前記実施例1の共重合体に代えて、下記のように製造された共重合体を採択していないことを除き、下記表1のように、実施例1と同様に施した。その結果を表2及び表3に示した。
【0061】
(比較例2)柔軟化粧水の組成物
前記実施例1の共重合体に代えて、公知の使用物質であるヒアルロン酸を同様の含量で用いたことを除き、下記表1のように、実施例1と同様に施した。その結果を表2及び表3に示した。
【0062】
(比較例3)柔軟化粧水の組成物
前記実施例1の共重合体に代えて、公知の使用物質であるウィッチヘーゼル抽出物(Witch hazel ext. Dragoco社)を同様の含量で用いたことを除き、下記表1のように、実施例1と同様に施した。その結果を表2及び表3に示した。
【0063】
表1 柔軟化粧水の組成物
【表1】

【0064】
表2 柔軟化粧水の保湿及び皮膚バリアー機能改善効果
【表2】

【0065】
前記表2の結果から分かるように、本発明の構造を有する共重合体を含む化粧料(実施例1)は、共重合体を含まない化粧料(比較実施例1)及びヒアルロン酸のみを含む化粧料(比較実施例2)に比べ、経皮水分喪失量が非常に改善され、共重合体が保湿効果を示すことが分かった。また、皮膚の水分量を測定したCorneometer valueでも、実施例1が比較実施例1及び比較実施例2と3に比べ高い増加を示すことが分かった。即ち、本発明の共重合体を含む化粧料は、皮膚水分量が高く測定され、また経皮水分喪失量が改善されて、本発明の共重合体を含む化粧料の保湿及び皮膚バリアー機能改善効果が非常に高いことが分かる。
【0066】
表3 炎症緩和効果
【表3】

【0067】
前記表3から分かるように、本発明の共重合体を含む化粧料(実施例1)は、本発明の共重合体を全く含まない化粧料及び従来のウィッチヘーゼル抽出物を含む化粧料に比べ、炎症緩和効果が優れることが分かった。
【0068】
(実施例2)ヘアケア用組成物
水40.05gを混合槽に入れて加温しながら製造例1により製造された共重合体0.8gを入れた後、PG(propylene glycol)1gを入れて75℃に加温した。ラウリル硫酸ナトリウム(Sodium lauryl sulfate)18g、ラウレス硫酸ナトリウム(Sodium laureth sulfate)17g、ココ脂肪酸ジエタノールアミド(Cocofatty acid diethanolamide)2.5g、コカミドプロピルベタイン(Cocamido propyl betain)8g、ソイアミドプロピルアミンオキサイド(Soyamidopropylamine oxide)3g、セテアリルアルコール(Cetearyl alcohol)0.5g、ジナトリウムココアンホジアセテート(Disodium Cocoamphodiacetate)2g、エチレングリコールジステアレート(Ethylene glycol distearate)0.6g、ポリグリセリル−2カプレート(Polyglyceryl−2 caprate)2g、DC5−7137 emulsion(Dimethicone & cocamido propyl betain & C12−15 parath−3、Dow conning社)2g及びテトラナトリウム EDTA(Tetrasodium EDTA)0.05gを前記混合槽に投入して、75℃で均一になるまで30分程度混合した後、45℃に冷却した。次に、アランチオン(Alantion)0.05g、メチルクロロイソチアゾリノン&メチルイソチアゾリノン(Methyl chloroisothiazolinone & Methyl isothiazolinone)0.05g、DL−パンテノール(DL−Panthenol)0.1g、クエン酸0.5g及び香成分(Fragrance)0.3gを前記混合槽に投入し、45℃で均一になるまで混合することにより、ヘアケア用組成物100gを製造した。
【0069】
前記製造したヘアケア用組成物を用いて、常温で30日間放置した後、相分離有無を目視で観察して相安定性を評価し、20代の女性10人を対象として官能性評価を行った。評価項目は、塗布感(肌への広がり性)、洗う時の使用感、濡れた状態の櫛通り性、乾燥後の櫛通り性、毛髪のボリューム感及び毛髪のつやを相対的に評価した。その結果を比較実施例と比較して表5〜10に示した。その結果、本発明の共重合体を構成成分として用いる場合、それを用いない場合や他の物質を用いる場合に比べ、平均的に非常に優れた物性を示すことが分かり、本発明の共重合体が化粧料において非常に優れた特性を示すものであることが分かった。
【0070】
(実施例3)ヘアケア用組成物
製造例1により製造された共重合体に代えて、製造例8により製造された共重合体を用いたことを除き、実施例2と同様の方法でヘアケア用組成物を製造した。その結果を表4〜10に示した。
【0071】
(実施例4)ヘアケア用組成物
製造例1により製造された共重合体に代えて、製造例3により製造された共重合体を用いたことを除き、実施例2と同様の方法でヘアケア用組成物を製造した。その結果を表4〜10に示した。
【0072】
(実施例5)ヘアケア用組成物
製造例1により製造された共重合体に代えて、製造例4により製造された共重合体を用いたことを除き、実施例8と同様の方法でヘアケア用組成物を製造した。その結果を表4〜10に示した。
【0073】
(比較例4)ヘアケア用組成物
製造例1により製造された共重合体に代えて、比較製造例1により製造された重合体を用いたことを除き、実施例8と同様の方法でヘアケア用組成物を製造した。その結果を表4〜10に示した。
【0074】
(比較例5)ヘアケア用組成物
製造例1により製造された共重合体に代えて、比較製造例2により製造された重合体を用いたことを除き、実施例8と同様の方法でヘアケア用組成物を製造した。その結果を表4〜10に示した。
【0075】
(比較例6)ヘアケア用組成物
製造例1により製造された共重合体に代えて、比較製造例3により製造された重合体を用いたことを除き、実施例8と同様の方法でヘアケア用組成物を製造した。その結果を表4〜10に示した。
【0076】
表4 相安定性の評価
【表4】

【0077】
表5 塗布感(肌への広がり性)
【表5】

【0078】
表6 洗う時の使用感
【表6】

【0079】
表7 濡れた状態の櫛通り性
【表7】

【0080】
表8 乾燥後の櫛通り性
【表8】

【0081】
表9 毛髪のボリューム感
【表9】

【0082】
表10 毛髪のつや
【表10】

【0083】
以下、本発明による化粧料組成物の用途に応じて、多様な実施例を用いて多様な形態に製造した例をさらに説明する。このような形態により、本発明の共重合体を用いる場合、全ての物性において優れた効果を示すことが分かり、本発明の共重合体を採択する以上、化粧料組成物であれば全て本発明に含まれるということは、当業者であれば当然分かることであるため、これ以上の記載は省略する。
【0084】
(実施例7)
柔軟化粧水(スキンローション)の他の例
下記表のように、実施例1と異なる他の形態のスキンローションの組成物に対して実験した結果、実施例1と類似する効果を有することを確認することができた。
【0085】
表11 柔軟化粧水(スキンローション)の組成物
【表11】

【0086】
(実施例8)栄養化粧水(ミルクローション)
下記表のように、栄養化粧水を通常の方法によって製造し、その効果が上記の効果と類似することを確認した。
【0087】
表12 栄養化粧水(ミルクローション)の組成物
【表12】

【0088】
(実施例9)栄養クリーム
下記表のように、栄養化粧水を通常の方法によって製造し、その効果が上記の効果と類似することを確認した。また、使用感が滑らかで、皮膚への広がり性が良く、べたつき感が少なく、しっとり感が長く維持される優れた特性を示した。
【0089】
表13 栄養クリームの組成物
【表13】

【0090】
(実施例9)マッサージクリーム
下記表のように、マッサージクリームを通常の方法によって製造し、その効果が上記の効果と類似することを確認した。また、マッサージする時の使用感が滑らかでリッチであり、優れた使用感を示した。
【0091】
表14 マッサージクリームの組成物
【表14】

【0092】
(実施例10)及び(比較例7〜9)エッセンス
下記表15のように、エッセンスを通常の方法によって製造し、その効果を表16に示した。物性測定方法は次のとおりである。
【0093】
試験方法
1.SDS(Sodium dodecyl sulfate)5%溶液を被験者の前腕内側に5分間処理した後乾燥させる。
2.1時間経過後、試験部位の皮膚水分、紅斑、経皮水分喪失量(TEWL)を測定する。この測定値を初期測定値にする。
3.毎日、SDS5%溶液を1回、試験試料を2回試験部位に塗布する。
4.試験試料の塗布は、SDS5%溶液塗布後の2時間後及び6時間後に行う。
5.試験試料を2週間塗布した後、各試験部位の皮膚水分、紅斑、経皮水分喪失量(TEWL)を測定する。この測定値を最終測定値にする。
6.各試験部位毎の最終測定値と初期測定値を比較して、各試料の皮膚改善効果を評価する
7.それぞれに対する皮膚測定は、各試験部位毎に5回施して平均値を取る。各試験項目のうち経皮水分喪失量の測定はTEWAMETER TM300(C+K electronic GmbH.Germany)を用いて測定し、皮膚水分量の測定はCORNEOMETER CM820PC(C+K electronic GmbH.Germany)を用いて測定し、皮膚紅斑測定はMexameter MX18、C+K Electronics GmbH.Germanyを用いて測定して、前記分析装備を用いて下記の計算式に基づいて変化率を算出した。
【0094】
変化率(%)=(最終測定値−初期測定値)/(初期測定値)*100
【0095】
表15 エッセンスの組成物
【表15】

【0096】
表16 エッセンス組成物の評価結果
【表16】

【0097】
SDSを持続的に塗布して皮膚に持続的に刺激を与える条件下で試験を行った。この条件下では、皮膚が刺激によって皮膚バリアー機能が損傷され、その損傷によって紅斑が増加し、経皮水分喪失量が増加する。その結果、皮膚水分含量が減少する。このような条件で、刺激に対する防御とともに皮膚バリアー機能の代替あるいは回復、及び皮膚水分含量を維持する効果があるか否かを、処理前後の三つの指標を測定することにより判断した。前記表16に示すように、三つの全ての場合において、本発明の共重合体を含む実施例10がもっとも優れた結果を示した。従って、前記共重合体は、刺激に対する防御とともに皮膚バリアー機能の代替あるいは回復、及び皮膚水分含量を維持するという優れた効果を有することが分かった。
【0098】
(実施例11)及び(比較例10、11)パック
下記表17のような組成でパックを通常の方法によって製造し、その効果が優れることが分かる。特に、保湿効果と洗浄後の保湿効果に優れるということを確認し、その結果を下記表18に示した。性能評価は、それぞれの実施例11、比較例10、比較例11を被験者の前腕内側に塗布して、1時間後の皮膚水分含量を測定した後、流れる水に洗い流して、さらに1時間経過後の皮膚水分含量を上述のConeometerを用いて測定した。
【0099】
表17 パックの組成物
【表17】

【0100】
表18 パックの物性評価結果
【表18】

【0101】
前記表から分かるように、本発明の製造例1の共重合体を含む実施例11は、単純保湿力だけでなく、洗浄後の保湿力も優れることが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
α,β−エチレン系不飽和単量体と、
下記の化学式1で表されるホスホリルコリン系単量体と、二つ以上の不飽和エチレン結合基を有する架橋結合剤と、を単量体 として含んで製造される共重合体。
[化学式1]

(化学式1中、Zは、水素原子またはR−O−CO−(ここで、Rは、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基を示す)であり、Yは、炭素数1〜20のアルキレンオキシ基であり、Rは、水素原子または炭素数1〜5の炭化水素基であり、R、R及びRは、独立して水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基またはヒドロキシ炭化水素基を示し、mは1〜20の整数であり、nは2〜5の整数である。)
【請求項2】
α,β−エチレン系不飽和単量体100重量部当たり、ホスホリルコリン系単量体は0.1〜80重量部、架橋結合剤は0.01〜30重量部を含む請求項1に記載の共重合体。
【請求項3】
α,β−エチレン系不飽和単量体が下記化学式2で表される物質をさらに含む請求項1に記載の共重合体。
[化学式2]

(前記化学式2中 、Lは、水素原子またはR−O−CO−、前記Rは、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基を示し、Xは、





、または

から選択される何れか一つであり、rは1〜10の整数である。また、Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、またはシアノ基を示し、Rは、水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基を示す。)
【請求項4】
ホスホリルコリン系単量体は、2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチル−2´−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、3−((メタ)アクリロイルオキシ)プロピル−2´−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、4−((メタ)アクリロイルオキシ)ブチル−2´−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、5−((メタ)アクリロイルオキシ)ペンチル−2´−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、6−((メタ)アクリロイルオキシ)ヘキシル−2´−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチル−2´−(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチル−2´−(トリプロピルアンモニオ)エチルホスフェート、2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチル−2´−(トリブチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−((メタ)アクリロイルオキシ)プロピル−2´−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−((メタ)アクリロイルオキシ)ブチル−2´−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−((メタ)アクリロイルオキシ)ペンチル−2´−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−((メタ)アクリロイルオキシ)ヘキシル−2´−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、エチル−(2´−トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチル)フマレート、ブチル−(2´−トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチル)フマレート、ヒドロキシエチル−(2´−トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチル)フマレート、エチル−(2´−トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチル)フマレート、ブチル−(2´−トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチル)フマレート、ヒドロキシエチル−(2´−トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチル)フマレートから選択される1種以上である請求項1に記載の共重合体。
【請求項5】
架橋結合剤は、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、ヘキシレングリコールジアクリレート、ヘキシレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、メタリルアクリレート、アリルエタクリレート(allyl ethacrylate)、エタリルアクリレート、メタリルメタクリレート、ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジアリルスクシネート、トリアリルホスフェート、ジアリルオキサレート、ジアリルマロネート、ジアリルシトレート、ジアリルフマレート、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ビニルクロトネート、N,N−メチレン−ビス−アクリルアミド、トリメチロールプロパンジアリルエーテルまたはトリメチロールプロパントリアリルエーテル、ジアリルペンタエリスリトールエーテル、トリアリルペンタエリスリトールエーテル、テトラアリルペンタエリスリトールエーテル、ジアリルスクロースエーテル、トリアリルスクロースエーテル、テトラアリルスクロースエーテル、ペンタアリルスクロースエーテル、及びヘキサアリルスクロースエーテルからなる群から選択される一つまたは二つ以上を有する請求項1に記載の共重合体。
【請求項6】
請求項1から5の何れか一つに記載の共重合体を有効成分として含む化粧料組成物。
【請求項7】
組成物は、皮膚保湿用、皮膚バリアー機能改善用、アトピー改善用または炎症緩和用である請求項6に記載の化粧料組成物。
【請求項8】
組成物は、肌への広がり性及び毛髪コンディショニング効果を付与するヘアケア用であることを特徴とする請求項6に記載の化粧料組成物。
【請求項9】
組成物中の共重合体の含量は、組成物の総重量を基準に0.001〜30重量%であることを特徴とする請求項6に記載の化粧料組成物。

【公開番号】特開2012−144534(P2012−144534A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−1175(P2012−1175)
【出願日】平成24年1月6日(2012.1.6)
【出願人】(512006136)ケーシーアイ リミテッド. (1)
【氏名又は名称原語表記】KCI LIMITED.
【Fターム(参考)】