説明

ホットメルトをコーティングしたアルミ箔チューブ

【課題】
家の屋根の瓦や、壁の熱を吸収して、配管して熱を回収して集熱し、蓄積し、家の暖房や冷房に循環するシステムを構築する場合、配管と瓦や壁などの熱源とが接触していないため、熱交換が効率よく行なうことができなかった。
【解決手段】
アルミ箔チューブの表面にホットメルト接着剤を塗布したアルミ箔チューブであって、アルミ箔チューブの中に高温の熱媒体を注入することにより、アルミ箔チューブが膨張し、アルミ箔チューブの周辺近辺に配置した被着体に接触し、ホットメルト接着剤が溶解し、アルミ箔チューブと被着体が接着するようにしたことを特徴するホットメルトをコーティングしたアルミ箔チューブ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集熱吸収装置などに利用できるように、ホットメルトをコーティングしたアルミ箔チューブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガラス管や銅管等のパイプに太陽熱を直接受け、そのパイプの中に水などの媒体を注入して、媒体を貯湯槽に蓄積し、循環させて熱交換システムを構築していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−332767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
1)従来は、ガラス管や銅管等のパイプの配管に太陽熱を直接受け、そのパイプの中に水などの媒体を注入して、媒体を貯湯槽に蓄積し、循環させて熱交換システムを構築していたが、熱交換率が低く、熱の損失が大きかった。
2)家の屋根の瓦や、壁の熱を吸収して、配管して熱を回収して集熱し、蓄積し、家の暖房や冷房に循環するシステムを構築する場合、配管と瓦や壁などの熱源とが接触していないため、熱交換が効率よく行なうことができなかった。
3)瓦や壁はいろんな凹凸、曲面をなしているので、配管と接触するように施工することは難しく、そのため瓦や壁と配管との熱交換の効率が低かった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
アルミ箔チューブの表面にホットメルト接着剤を塗布したアルミ箔チューブであって、アルミ箔チューブの中に高温の熱媒体を注入することにより、アルミ箔チューブが膨張し、アルミ箔チューブの周辺近辺に配置した被着体に接触し、ホットメルト接着剤が溶解し、アルミ箔チューブと被着体が接着するようにしたことを特徴するアルミ箔チューブ。
【発明の効果】
【0006】
本発明のアルミ箔チューブは、表面にホットメルトをコーティングしているので、瓦や壁などの凹凸をしている熱源に対して、熱媒体を流したときに完全に相互に接着するので、熱源と熱媒体間の熱交換率が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明のアルミ箔チューブの構成
【図2】屋根の瓦の集熱吸収への本発明のアルミ箔チューブの使用例
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、家の屋根の瓦や、壁の熱を吸収して、配管して熱を回収して集熱し、蓄積する集熱吸収システムを構築するために必要となる。
ホットメルトをコーティングしたアルミ箔チューブに関するものである。以下、ホットメルトをコーティングしたアルミ箔チューブの構成、機能、及び、応用例について示す。
図1は本発明のホットメルトをコーティングしたアルミ箔チューブの構成を示す。(a)は、熱媒体を注入する前 (b)は熱媒体を注入した後を示す。
本発明のホットメルトをコーティングしたアルミ箔チューブは、ポリプロピレンの円筒状の筒にアルミ箔をコーティングしたもので、その中に水や油等の液体、および気体等の熱媒体を通すことができる。ホットメルトをコーティングしたアルミ箔チューブは、柔らかく、熱媒体を通すと膨らむ。
ホットメルトは、固形接着剤を加熱し融解した状態にして流動性を付与(ホットメルト)した上で塗布し、冷却されることにより硬化・接着する粉体・ペレット・フィルム・網状などの固体である。このホットメルトを加熱して溶解して、アルミ箔チューブに吹きつけなどによりコーティングする。
図1(a)に示すように、熱媒体を注入する前は、アルミ箔チューブ1は、しぼんでおり、表面のホットメルト2は冷えているので固まっており、アルミ箔チューブを引っ張りまわりして敷設が容易にできる。また、被着体3とは離れているので、アルミ箔チューブと被着体とは熱交換しない。
図1(b)は、ホットメルトをコーティングしたアルミ箔チューブ1に、熱媒体を注入した状態をしめす。熱媒体を注入するとアルミ箔チューブは膨張して被着体に当接する。アルミ箔チューブの表面にコーティングしたホットメルト2は、熱媒体の熱により溶融し粘着性をしめし、アルミ箔チューブ1と被着体3とは接着する。これにより、アルミ箔チューブと被着体との熱交換が効率よく行える。熱媒体がなくなったときは、アルミ箔チューブと被着体との接着性は保たれる。
【0009】
図2は、屋根の瓦の集熱吸収への本発明のアルミ箔チューブの使用例を示す。
図2に示したように熱源のある瓦4の裏側にホットメルト2(接着剤)をコーティングしたアルミ箔チューブ1を屋根下地5の上に設置し、アルミ箔チューブの中に高温の熱媒体を注入することによりアルミ箔チューブは膨張し、瓦の裏側の面にそって当接する。アルミ箔チューブの表面にコーティングしたホットメルトは、熱媒体の熱により溶融し粘着性をしめし、アルミ箔チューブと瓦5とは接着し熱媒体がなくなったとき、アルミ箔チューブと瓦との接着性が保たれ、アルミ箔チューブの中に水、不凍液、空気、ガス等の熱媒体を注入し循環させて瓦の接着面より熱エネルギーを吸収し、また、ホースやチューブ等でアルミ箔チューブを連結することで広大な場所に設置し集熱、保温、冷却することができる。
屋根の瓦以外に、壁のサイディングの熱を吸収するときに、本発明のホットメルトをコーティングしたアルミ箔チューブを設置し、熱媒体を注入すると、ホットメルトが溶融し、アルミ箔チューブとサイディングが接着し、アルミ箔チューブとサイディング間の熱交換を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0010】
屋根の瓦や壁の集熱吸収する配管に使用することで熱効率のよい集熱吸収システムを構築できる。
【符号の説明】
【0011】
1 アルミ箔チューブ
2 ホットメルト接着剤
3 被着体
4 瓦
5 屋根下地

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミ箔チューブの表面にホットメルト接着剤を塗布したアルミ箔チューブであって、アルミ箔チューブの中に高温の熱媒体を注入することにより、アルミ箔チューブが膨張し、アルミ箔チューブの周辺近辺に配置した被着体に接触し、ホットメルトが溶解し、アルミ箔チューブと被着体が接着するようにしたことを特徴するホットメルトをコーティングしたアルミ箔チューブ。



【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−95025(P2013−95025A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238789(P2011−238789)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【特許番号】特許第4965731号(P4965731)
【特許公報発行日】平成24年7月4日(2012.7.4)
【出願人】(711007518)
【Fターム(参考)】