説明

ホテルカードロックシステム

【課題】紛失したゲストカードが使用される危険性を低減する。
【解決手段】端末装置11は、ゲストカード13を紛失して再発行されたときに、その再発行されたゲストカード13が使用可能な電気錠装置3を特定する識別情報を出力し、紛失したゲストカード13が使用されたときの電気錠装置3からの警報情報により警報出力する。電気錠装置3は、端末装置11とオンライン接続され、端末装置11から識別情報を受信したときに、その識別情報を更新記憶するとともに、更新前の識別情報も記憶しておき、紛失したゲストカード13の識別情報と更新前の識別情報とを比較して一致したときに、紛失したゲストカード13が使用された旨を警報出力するとともに、紛失したゲストカード13が使用された旨の警報情報を端末装置11に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チェックイン時に錠前の施解錠に必要な情報が予め記憶されたカードをキーとして用い、カード情報の正当性を判別し、カード情報を正常に認証したときのみ錠前を施解錠するホテルカードロックシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ホテルでは、客の宿泊時にチェックインからチェックアウトまでを1枚のカード(例えば磁気カードやICカードなど)で管理するホテルカードロックシステムを採用している。
【0003】
このホテルカードロックシステムでは、各客室のドアに配設されたエスカチオン(座金)にカード情報を読み取るためのカードリーダを組み込んだカードロックと称する電気錠装置が客室毎に装備されている。上記カード情報は、カードが使用可能な電気錠装置を特定する識別情報を含め、チェックイン/アウトの日時や客室番号などの錠前の施解錠に必要な情報である。このカード情報は、客がホテルにチェックインした際に発行されるゲストカードに対し、ホテル従業員がカード発行システムの端末装置を操作することで書き込まれ、記憶されるようになっている。尚、識別情報としては、例えばゲストカードを発行した登録日日時、登録順序を示す通し番号(シーケンスNo)などが用いられる。
【0004】
そして、客がホテルに宿泊する場合には、フロントでチェックインの手続きを済ませると、上記カード発行システムによって発行された1枚のゲストカードがホテル従業員から宿泊客に手渡される。ゲストカードが手渡された宿泊客は、宿泊する部屋の電気錠装置のカード読取部にゲストカードを翳す操作を行うと、そのゲストカード内の情報が読み込まれる。そして、電気錠装置は、読み込んだカード情報を正常認証すると、その部屋のドアの錠前を解錠制御する。これにより、その部屋のドアの開放が可能となり、ゲストカードを所有する宿泊客はその部屋に入室することができる。尚、下記特許文献1には、上記のように各種情報が記憶されたカードを用いて入退室を管理するシステムが開示されている。
【0005】
ところで、上述したホテルカードロックシステムでは、宿泊者がゲストカードを誤って紛失した場合、そのゲストカードが第三者に使用されて盗難被害にあう恐れがある。このため、宿泊者がゲストカードを紛失した場合には、宿泊者からゲストカードを紛失した旨がホテル従業員に伝えられると、ホテル従業員がカード発行システムの端末装置を操作し、新しい識別情報によるゲストカードを再発行していた。そして、ホテル従業員は、再発行されたゲストカードを所持して宿泊客と一緒に客室に出向き、再発行されたゲストカードをその客室の電気錠装置のカード読取部に翳す操作を行う。これにより、再発行されたゲストカード内の識別情報が電気錠装置に読み込まれ、電気錠装置の識別情報が更新され、紛失したゲストカードによる使用を防いでいた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−297865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のホテルカードロックシステムでは、ゲストカードを紛失した場合、紛失したゲストカードを使用できなくするために、新しい識別情報によるゲストカードを再発行し、再発行されたゲストカードを所持して客室まで出向き、再発行されたゲストカードを用いて電気錠装置内の識別情報を更新させる必要があり、ホテル従業員にとって手間と労力を要するという問題があった。
【0008】
しかも、従来のホテルカードロックシステムでは、紛失したゲストカードが使用された場合であっても、特に警報表示などを行っていなかったので、十分なセキュリティが確保できていなかった。
【0009】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、紛失したゲストカードが使用される危険性を低減することができるホテルカードロックシステムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した目的を達成するために、請求項1に記載されたホテルカードロックシステムは、宿泊する客室の錠前の施解錠に必要な情報をカードに書き込んでゲストカードを発行するカード発行システムと、ホテルの客室毎に配設され、前記ゲストカードに記憶された情報を正常認証したときのみ前記錠前を施解錠する電気錠装置とを具備するホテルカードロックシステムにおいて、
前記ゲストカードを紛失して再発行されたときに、その再発行されたゲストカードが使用可能な電気錠装置を特定する識別情報を出力し、紛失したゲストカードが使用されたときの前記電気錠装置からの警報情報により警報出力する端末装置を備え、
前記電気錠装置は、前記端末装置とオンライン接続され、該端末装置から識別情報を受信したときに、その識別情報を更新記憶するとともに、更新前の識別情報も記憶しておき、紛失したゲストカードの識別情報と前記更新前の識別情報とを比較して一致したときに、紛失したゲストカードが使用された旨を警報出力するとともに、紛失したゲストカードが使用された旨の警報情報を前記端末装置に送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るホテルカードロックシステムによれば、ゲストカードを紛失した際に、客室まで出向く必要がなく、電気錠装置の識別情報を更新できるので、ホテル従業員の負担を軽減でき、紛失したゲストカードが使用される危険性を低減することができる。しかも、紛失したゲストカードが第三者によって使用された場合でも、電気錠装置と端末装置の両方で警報を出力するので、紛失したゲストカードが使用された客室の周囲だけでなくフロントのホテル従業員にも知らせることができ、ゲストカード紛失時のセキュリティの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係るホテルカードロックシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】ゲストカード再発行時の識別情報更新に関する概略説明図である。
【図3】紛失したゲストカード使用時の警報表示に関する概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明に係るホテルカードロックシステムの概略構成を示すブロック図、図2は同システムによるゲストカード再発行時の識別情報更新に関する概略説明図、図3は同システムによる紛失したゲストカード使用時の警報表示に関する概略説明図である。
【0014】
本発明に係るホテルカードロックシステムは、チェックイン時に錠前の施解錠に必要な情報が予め記憶されたカード(例えば磁気カードや非接触ICカード等)をキーとして用い、このキーに記憶された情報の正当性を判別し、正常に認証したときのみ錠前を施解錠するものであって、特に、ゲストカード紛失時のソフトウェア処理の改善を図ったものである。
【0015】
図1に示すように、本例のホテルカードロックシステム1は、カード発行システム2と、電気錠装置(カードロック)3とから構築される。
【0016】
まず、カード発行システム2の構成について説明する。カード発行システム2は、端末装置(カード発行制御器)11と、端末装置11に接続されるカード発行機12とから構成される。
【0017】
端末装置11は、例えばホテルのフロントに設置されるパソコンなどで構成され、カード発行機12が接続されるとともに、電気錠装置3との間で相互に通信可能にオンライン接続されている。
【0018】
さらに説明すると、端末装置11は、図1に示すように、情報入力部11a、表示部11b、カード発行制御部11c、通信部11d、情報判別処理部11eを備えている。
【0019】
情報入力部11aは、例えばキーボード、マウスなどのポインティングデバイスで構成され、表示部11bに表示されるカード発行画面の指示に従って、ゲストカード13を含む各種カードの発行に必要なカード発行機12に送るための各種データ入力を行っている。
【0020】
表示部11bは、例えば液晶表示器などで構成され、カード発行画面、発行履歴情報の表示などを行っている。尚、表示部11bは、情報判別処理部11eからの警報指令によるエラーメッセージの表示を行う警報出力部を兼ねている。
【0021】
カード発行制御部11cは、カード発行の権限が与えられたホテル従業員によって情報入力部11aが操作されたときの各種入力データに基づいて電気錠装置3の解錠(施解錠)に必要な情報をカード発行機12に出力し、ゲストカード13を含む各種カードの発行を指示している。
【0022】
通信部11dは、有線又は無線により電気錠装置3との間で通信し、相互に情報のやり取りを行っている。具体的には、カード発行制御部11cの指示によりゲストカード13を再発行したときに、そのゲストカード13の識別情報を含め、ゲストカード13を再発行した旨を示すカード再発行情報を該当する電気錠装置3に送信している。
【0023】
情報判別処理部11eは、通信部11dを介して電気錠装置3から警報情報が入力されると、紛失したゲストカード13が電気錠装置3で使用されたと判別し、警報指令を出力している。そして、この警報指令により、紛失したゲストカード13が電気錠装置3で使用された旨のエラーメッセージを表示部11bにポップアップ表示したり、端末装置11の不図示のブザーを鳴動してホテル従業員に知らせる。
【0024】
カード発行機12は、端末装置11に接続され、端末装置11の情報入力部11aの操作による入力データに基づき、識別情報を含め、電気錠装置3の解錠(施解錠)に必要な情報(客室番号、チェックイン日時、チェックアウト日時など)を磁気カードや非接触ICカードに書き込んでゲストカード13を発行している。
【0025】
ここで、識別情報とは、ゲストカード13が利用可能な電気錠装置3を特定する情報であり、例えばゲストカード13を発行した登録日日時、登録順序を示す通し番号(シーケンスNo)などが用いられる。
【0026】
尚、カード発行機12は、上記ゲストカード13の他、エマージェンシーカード(災害時や非常時等に、ホテル内全ての電気錠装置3を連続解錠状態にするカード)、マスターカード(ホテル内全ての電気錠装置3を解錠することができるカード)、サブマスターカード(客室範囲、時間範囲に従い電気錠装置3を解錠できるカード)、ハウスキーピングロックアウトカード(宿泊者を入室できないようにするカード)、マスターロックアウトカード(管理者を含めた宿泊者を入室できないようにするカード)、キャンセルカード(ロックアウト、マスターロックアウト状態を解除するカード)、スタンバイカード(停電等のトラブルでカード発行ができなくなった場合に、ゲストカードの代わりに渡すカード)、メンテナンスカード(客室修繕等で、工事業者に渡すカード)、マスターオーソリゼーションカード(各種のカードの発行する権限を持つ発行許可カード)を、端末装置11の情報入力部11aからの操作に基づき必要に応じて発行している。
【0027】
次に、電気錠装置3の内部構成について説明する。電気錠装置3は、図1に示すように、カード情報取得部3a、通信部3b、識別情報記憶部3c、情報判別処理部3d、錠前制御部3e、錠前機構3f、警報部3gを備えている。
【0028】
カード情報取得部3aは、周知のカードリーダライタで構成され、宿泊客が所持するゲストカード13が読取部に翳されたときに、このゲストカード13からカード情報を取得し、取得したカード情報を情報判別処理部3dに出力している。
【0029】
通信部3bは、有線又は無線により端末装置11との間で通信し、相互に情報のやり取りを行っている。具体的には、紛失したゲストカード13が電気錠装置3で使用されたと情報判別部3dが判別したときに、その旨を示す警報情報を端末装置11に送信している。
【0030】
識別情報記憶部3cは、ゲストカード13が利用可能な電気錠装置3を特定する識別情報を記憶している。この識別情報記憶部3cは、情報判別処理部3dが通信部3bを介して端末装置11から識別情報を含むカード再発行情報を取得したときに、現在の識別情報が、カード再発行情報に含まれる識別情報に更新記憶される。その際、識別情報記憶部3cは、更新前のゲストカード紛失時の識別情報も一緒に記憶している。
【0031】
情報判別処理部3dは、カード情報取得部3aがゲストカード13から取得したカード情報が入力されると、このカード情報と、識別情報記憶部3cに記憶された識別情報とを比較し、両者が一致してカード情報を正常認証したときに、錠前を解錠する旨の解錠指令を錠前制御部3eに出力している。
【0032】
また、情報判別処理部3dは、通信部3bを介して端末装置11からゲストカード13が再発行された旨の情報(識別情報を含む)が入力されると、識別情報記憶部3cの識別情報を再発行されたゲストカード13の識別情報に更新記憶している。
【0033】
さらに、情報判別処理部3dは、ゲストカード13から読み取ったカード情報が識別情報と一致しなければ、カード情報と紛失したゲストカード13の識別情報とを比較し、両者が一致するか否かを判別している。そして、情報判別処理部3dは、両者が一致したときに、紛失したゲストカード13が電気錠装置3で使用された旨の警報情報を通信部3bを介して端末装置11に出力するとともに、警報部3gに警報指令を出力している。
【0034】
尚、情報判別部3dは、ゲストカード13から読み取ったカード情報が識別情報記憶部3cに記憶された識別情報及び紛失したゲストカード13の識別情報と一致しないときには、宿泊客が誤って別の客室の電気錠装置3にゲストカード13を翳したおそれがあるため、ゲストカード13から読み取ったカード情報を無視する。
【0035】
錠前制御部3eは、情報判別部3dから解錠指令が入力されると、錠前を解錠するべく錠前機構3fに解錠制御信号を出力している。
【0036】
錠前機構3fは、施錠・閉扉時に、錠前制御部3eから解錠制御信号が入力されると、錠前を解錠制御している。尚、本例では、解錠・閉扉後に所定時間が経過すると、自動的に錠前が施錠されるオートロックシステムを採用している。
【0037】
警報部3gは、例えばブザーや表示器などで構成され、情報判別部3cから警報指令が入力されると、ブザーを鳴動したり、表示器の点灯仕様を変えて異常点灯し、紛失したゲストカード13が使用された旨を周囲に知らせる。
【0038】
このように、上記構成によるホテルカードロックシステム1では、客がホテルに宿泊するにあたって、フロントでのチェックイン手続きを済ませると、カード発行システム2によるゲストカード13の発行が行われる。ゲストカード13の発行は、カード発行の権限が与えられたホテル従業員が端末装置11の情報入力部11aを操作して必要なデータを入力し、このデータ入力に基づいてカード発行機12が電気錠装置3の解錠(施解錠)に必要な情報を磁気カードや非接触ICカードに書き込むことで行われる。そして、カード発行システム2によって1枚のゲストカード13が発行されると、この発行されたゲストカード13がホテル従業員から宿泊客に手渡される。
【0039】
ゲストカード13が手渡された宿泊客は、宿泊する部屋の電気錠装置3のカード情報取得部3aにゲストカード13を翳すと、カード情報取得部3aがカード情報を取得する。電気錠装置3は、取得したカード情報を正常認証すると、その部屋のドアの錠前を解錠制御する。これにより、その部屋のドアの開放が可能となり、ゲストカード13を所有する宿泊客はその部屋に入室することができる。
【0040】
次に、本例のホテルカードロックシステム1によるゲストカード13の再発行時の識別情報更新に関する処理について図2を参照しながら簡単に説明する。
【0041】
宿泊客が宿泊中にゲストカード13を紛失した場合、その旨がホテル従業員に伝えられると、ホテル従業員は、カード発行機12に新しいカードを置き、端末装置11の情報入力部11aから必要なデータ入力を行い、識別情報が更新されたゲストカード13を再発行する。このとき、端末装置11からは、該当する電気錠装置3に対してゲストカード13が再発行された旨の情報がゲストカード13の再発行時の識別情報とともに送信される。電気錠装置は、端末装置11からゲストカード13が再発行された旨の情報を受けると、その情報に含まれる識別情報によって識別情報記憶部3cに記憶されている識別情報を更新記憶する。その際、更新前の識別情報、すなわち紛失したゲストカード13の識別情報も記憶しておく。これにより、カード発行システム2でゲストカードの再発行を行った際に、電気錠装置3の識別情報も一緒に更新される。
【0042】
次に、本例のホテルカードロックシステム1による紛失カード使用時の警報表示に関する処理について図3を参照しながら簡単に説明する。
【0043】
紛失したゲストカード13が第三者によって使用された場合は、電気錠装置3と端末装置11のそれぞれで警報出力する。さらに説明すると、電気錠装置3は、紛失したゲストカード13がカード情報取得部3aに翳されると、そのゲストカード13のカード情報を取得して情報判別処理部3dに出力する。情報判別処理部3dは、カード情報取得部3aからのカード情報の識別情報と、識別情報記憶部3cの更新前の識別情報とを比較し、両者が一致したときに、紛失したゲストカード13が使用されたと判別し、警報部3gに警報指令を出力する。このとき、錠前機構3fは施錠状態を保持している。そして、警報部3gは、情報判別処理部3dから警報指令が入力されると、ブザーを鳴動したり、表示器の点灯仕様を変えて異常点灯し、紛失したゲストカード13が使用された旨を周囲に知らせる。これにより、電気錠装置3側で警報出力がなされる。
【0044】
また、電気錠装置3は、上記電気錠装置3側での警報出力に並行して、紛失したゲストカード13が使用されたと情報判別処理部3dが判別したときに、紛失したゲストカードが使用された旨の警報情報を、通信部3bを介して端末装置11に送信する。端末装置11は、電気錠装置3から通信部11dを介して警報情報を受信すると、その警報情報を情報判別処理部11eに出力する。情報判別処理部11eは、通信部11dから警報情報が入力されると、例えば表示部11bにエラーメッセージをポップアップ表示させたり、ブザーを鳴動し、紛失したゲストカードが電気錠装置3で使用されたことをホテル従業員に知らせる。これにより、紛失したゲストカード13が電気錠装置3で使用されたことを端末装置11にも知らせ、端末装置11側でも警報出力がなされる。
【0045】
このように、本発明に係るホテルカードロックシステム1では、ゲストカード13を紛失した際のカード再発行時に、再発行したゲストカード13の識別情報を含むカード再発行情報が電気錠装置3に送信され、電気錠装置3の識別情報記憶部3cが記憶している識別情報が自動的に更新される。これにより、ホテル従業員は、ゲストカード13の再発行時に、識別情報の更新対象となる電気錠装置3が設置された客室までわざわざ出向く必要がなく、作業の簡略化が図れ、ホテル従業員にかかる負担が軽減し、紛失したゲストカード13が使用される危険性を低減することができる。
【0046】
また、紛失したゲストカード13が第三者によって電気錠装置3に使用された場合には、その電気錠装置3で警報出力されると同時に、紛失したゲストカード13が使用された旨がフロントの端末装置11にもオンラインで通知され、端末装置11側でも警報出力される。これにより、紛失したゲストカード13が第三者に使用されたことを客室の周囲だけでなく、フロントのホテル従業員にも知らせることができ、ゲストカード紛失時のセキュリティの向上を図ることができる。
【0047】
ところで、上述した実施の形態における電気錠装置3は、解錠・閉扉から所定時間後に自動的に施錠されるものとし、解錠のみにゲストカード13を使用する場合を例にとって説明したが、電気錠装置3の解錠及び施錠にゲストカード13を使用する形態であっても良い。
【0048】
また、上述した実施の形態では、カード発行システム2に含まれる端末装置11と各客室の電気錠装置3との間がオンライン接続され、識別情報を含むカード再発行情報や警報情報のやり取りを行う構成として説明したが、カード発行システム2とオンライン接続される管理用の端末装置と電気錠装置3との間で直接又は端末装置11を介して情報のやり取りを行う構成とすることもできる。
【符号の説明】
【0049】
1 ホテルカードロックシステム
2 カード発行システム
3 電気錠装置(カードロック)
3a カード情報取得部
3b 通信部
3c 識別情報記憶部
3d 情報判別処理部
3e 錠前制御部
3f 錠前機構
3g 警報部
11 端末装置(カード発行制御器)
11a 情報入力部
11b 表示部
11c カード発行制御部
11d 通信部
11e 情報判別処理部
12 カード発行機
13 ゲストカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
宿泊する客室の錠前の施解錠に必要な情報をカードに書き込んでゲストカードを発行するカード発行システムと、ホテルの客室毎に配設され、前記ゲストカードに記憶された情報を正常認証したときのみ前記錠前を施解錠する電気錠装置とを具備するホテルカードロックシステムにおいて、
前記ゲストカードを紛失して再発行されたときに、その再発行されたゲストカードが使用可能な電気錠装置を特定する識別情報を出力し、紛失したゲストカードが使用されたときの前記電気錠装置からの警報情報により警報出力する端末装置を備え、
前記電気錠装置は、前記端末装置とオンライン接続され、該端末装置から識別情報を受信したときに、その識別情報を更新記憶するとともに、更新前の識別情報も記憶しておき、紛失したゲストカードの識別情報と前記更新前の識別情報とを比較して一致したときに、紛失したゲストカードが使用された旨を警報出力するとともに、紛失したゲストカードが使用された旨の警報情報を前記端末装置に送信することを特徴とするホテルカードロックシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−140776(P2012−140776A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−292926(P2010−292926)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(390037028)美和ロック株式会社 (868)
【Fターム(参考)】