説明

ホメオパシー治療法

深部組織創傷および外科的創傷を含む種々の病気および傷害を治療するために、水性ホメオパシー組成物を局所適用する方法が提供される。水性ホメオパシー組成物は、治療的処置を付与するために、少なくとも400Cの高いポテンシーで製剤化され、水性媒質に維持され、長期間、体表面に局所適用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、35U.S.C.119(e)のもとに、この全開示を参照により本明細書の一部とする2008年8月29日出願の米国特許仮出願番号61/093,126の本出願であり、この優先権を主張するものである。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、局所的に投与される高ポテンシーのホメオパシー組成物を用いて、これに限定されるものではないが、外科的創傷および深部組織創傷などの組織損傷、皮膚疾患、疼痛、炎症、ならびに感染を含む傷害または病気を治療するための治療方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
ホメオパシーは、少量の天然物質を投与することによって、疾患、苦痛、または状態を治療する医療行為である。ホメオパシーの基本的な側面は、健康な個体において、治療が求められる症状と同じであるかまたは類似の症状を引き起こすことのできるホメオパシーレメディを投与することによって、身体の自然治癒過程を刺激することである。例えば、濃厚な用量で投与されたとき、健康な個体で挫傷を引き起こすアルニカ(arnica)は、挫傷を治療するための一般的なホメオパシーレメディである。
【0004】
米国では、ホメオパシーレメディの調製および販売は、Homeopathic Pharmacopoeia of the United States(HPUS)によって規制されている。HPUSガイドラインによれば、ホメオパシーレメディは、薬草および他の天然物質を水および/またはアルコール溶液に連続的に希釈することによって調製される。ホメオパシーのポテンシーは濃度に反比例するため、希釈が大きいほど、ホメオパシーレメディのポテンシーは高い。
【0005】
ホメオパシーレメディを投与するもっとも一般的な方法は、水性溶液をすすること、またはホメオパシー組成物を含浸させたスクロース/ラクトースペレットを口の中で経口的に溶解することを含む。ある種の経口投与ホメオパシーレメディは、治療有効性を高めるために、高ポテンシー組成物として製剤化できることが十分に認識されている。これらの経口投与は、ある種の全身性疾患の治療に有効であるが、経口製剤は病気の場所に直接投与できず、投与領域は限定されており、典型的な40号ペレットの場合、口の自然の清浄過程のため、療法は恐らく約20分未満に限定されているため、経口投与は一般に、一部の限局性の病気の治療には不適切である。さらに、経口ホメオパシー投与の研究は、限局性の病気の治療に関して、無効または最小の効能を示している。
【0006】
局所ゲルおよびクリームを基剤とするホメオパシーレメディは、病気の部位に直接投与することができるが、従来技術は、ポテンシーが高くなると、局所ホメオパシー製剤の効能が減少すると教示しているため、これらのレメディは、低ポテンシー、一般に約6X以下で製剤化されている。この教示が行き渡り、広く認められているため、ほとんどのホメオパシーゲルおよびクリームは、約3X未満のポテンシーを有し、6Xを超えるポテンシーの局所ホメオパシー組成物を見出すのは極めてまれである。局所ホメオパシー組成物の低ポテンシーは、これらの使用を軽度の病気のみに著しく限定する。より重度の限局性の病気には、ホメオパシー医は一般に、6Xを超えるポテンシーを有する経口ホメオパシーレメディを推奨し、投与する。
【0007】
幾つかの参考文献は、高ポテンシーの局所ホメオパシー組成物を形成できる可能性を示唆しているが、これらの同じ参考文献は、高ポテンシーの経口組成物が好ましく、治療的により有効であることを教示しているため、これらの有効性は疑わしい。理論に拘束されることを望むものではないが、ホメオパシー組成物は水性担体に保持されておらず、長期間体表面と接触されていないため、これらの事例的な高ポテンシー局所組成物はそれほど効果がないと考えられる。高ポテンシー局所組成物を製剤化できるという事例的な示唆にかかわらず、高ポテンシー局所製剤が任意の傷害または病気、特に外科的創傷または深部組織創傷などの重症外傷の治療に有効であることを教示する明らかな従来技術はない。
【0008】
例えば、米国特許番号7,229,648(Dreyer)は、ポテンシー400X超、例えば1M、10M、および50Mなどを有する、疼痛および炎症を治療するためのホメオパシーゲルを製剤化する可能性を論じている。しかしながら、Dreyerは、400Xを超えるポテンシーは、局所ではなく内服で用いられたとき、より有効であることを明確に教示している(表1、6欄、61から67行参照)。さらに、Dreyerは、この局所ゲル製剤は、適用から数分以内に指触乾燥性であるべきことを教示している(4欄、55行参照)。これらの通常のゲルは、ホメオパシー組成物を水性環境に維持せず、その結果として組成物は急速に皮膚に吸収および/または代謝される。従って、Dreyerは、最大限に治療的に有効であるために、ホメオパシー組成物を活性形態で、長期間体表面と接触させて維持する機構を提供していない。
【0009】
特許米国特許出願番号2008/279902(Luria)は、ポテンシー約1Xから約50,000Q、または約100Cから約50,000Qを有する、経皮または局所ペースト、クリーム、ローション、軟膏、またはゲルとして製剤化することができる、ホメオパシー複合体を含む化粧品組成物を開示している。しかしながら、Luriaの局所化粧品組成物は、治療的に有効であるために、ホメオパシー複合体を水性担体において、体表面と接触させて維持すること、またはホメオパシー複合体を傷害部位に長期間適用することを開示していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第7,229,648号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2008/279902号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、特に重度の病気および傷害の治療に適している可能性のある、有効な局所投与ホメオパシー治療的処置の開発が依然として求められている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(発明の要旨)
本発明は、新規なホメオパシー治療方法に関する。第1の態様において、本発明は、ポテンシー少なくとも400Cを有するホメオパシー組成物を体表面に局所投与するステップ、および連続的に少なくとも30分間、または断続的に24時間で合計2時間以上、ホメオパシー組成物を水性環境において、体表面と接触させて維持するステップを含む治療方法に関する。
【0013】
第2の態様において、治療方法は、ポテンシー少なくとも400Cを有する水性ホメオパシー組成物を体表面に局所投与するステップ、および連続的に少なくとも30分間、または断続的に24時間で合計2時間以上、ホメオパシー組成物を水性環境において、体表面と接触させて維持するステップを含む治療方法に関する。
【0014】
第3の態様において、治療方法は、ポテンシー少なくとも400Cを有するホメオパシー組成物を体表面に局所投与するステップ、および深部組織創傷または外科的傷害を有効に治療するのに十分な長期間、ホメオパシー組成物を水性環境において、体表面と接触させて維持するステップを含む。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(発明の好ましい実施形態の記述)
例示のために、本発明の原理を、種々の代表的な実施形態を参照して説明する。本発明の幾つかの実施形態を具体的に本明細書に記載するが、同じ原理が他の装置および方法に同様に適用でき、これらにおいて利用できることを当業者は容易に認識する。開示される本発明の実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、示した任意の特定の実施形態の詳細にこの適用が限定されないことが理解される。本明細書に用いられる用語は説明のためであり、限定するためのものではない。さらに、ある順序で本明細書に提示される幾つかのステップを参照して幾つかの方法が説明されるが、多くの場合、当業者に理解され得るとおり、これらのステップは任意の順序で実行することができ、これらの方法は、本明細書に開示されるステップの特定の配列に限定されない。
【0016】
本発明の目的では、本明細書で用いられる用語「病気」は、任意の疾患、障害、これらの関連状態、または関連症状を指す。
【0017】
本明細書では、用語「水性ホメオパシー組成物」は、水分子を含有し、局所投与を可能にするのに適した任意の適切な水性媒質に溶解、もしくは懸濁されるか、または他の方法でこれらと混合されたホメオパシー組成物を指す。
【0018】
本明細書では、用語「ホメオパシー組成物」は、希釈された、薬草などの1種以上の天然由来物質から製剤化された組成物を指す。代表的な実施形態において、組成物は、Homeopathic Pharmacopoeia of the United States(HPUS)標準および手順に従って調製することができ、ここでは所望のポテンシーを得るために、通常のホメオパシーポテンタイゼーション(potentization)法を用いて、天然物質は連続的に希釈され、十分に振盪される。長年にわたって、Dunhamポテンシーにあるように振盪比率を変化させること、Finkeレメディにあるようにホメオパシー組成物を振盪するために水を用いることを含む、ホメオパシー生産技術の多くの変法が用いられてきた。一部の例では、振盪が用いられさえしない。本発明の目的では、ホメオパシーレメディは、HPUSに教示されていない方法に従って製剤化することができ、これにはチンキ剤、希釈剤、浸剤、水もしくはアルコール抽出物、粉状硬膏剤、煎剤、湿布剤の調製、または他の任意の調製方法が含まれ得る。
【0019】
本明細書では、用語「ポテンシー」は、HPUSに従って定義され、10分の1(decimenal)のXスケール、100分の1(centesimal)のCスケール、および50000分の1(quintamillesimal)のQスケールなど、種々のスケールに従って定量することができる。一般に、10分の1のXスケール希釈は、Cスケール希釈の値の半分であり、Qスケールの所与の希釈は、Cスケール希釈の約2.35倍の値である。例えば、1:10希釈は、1デシマル(1X)のポテンシーを有し、これは10−1の濃度に等しい。同様に、1:100希釈は、1センテシマル(1C)のポテンシーを有し、これはポテンシー2Xまたは濃度10−2と表わすことができ、1ミレシマル(1M)のポテンシーは、ポテンシー1000C、ポテンシー2000X、または濃度10−2000を有すると表わすことができる。本発明の目的では、濃度10−800を有するホメオパシー組成物は、ポテンシー400Cまたは800Xに相当し、濃度10−1000は、ポテンシー500Cに相当し、濃度10−2000は、ポテンシー1000Cまたは1Mに相当し、濃度10−5,000は、ポテンシー2.5Mに相当し、濃度10−10,000は、ポテンシー5Mに相当し、濃度10−20,000は、ポテンシー10Mに相当し、濃度10−50,000は、ポテンシー25Mに相当し、濃度10−100,000は、ポテンシー50Mに相当し、濃度10−200,000は、ポテンシー100Mに相当し、濃度10−500,000は、ポテンシー250Mに相当し、濃度10−1,000,000は、ポテンシー500Mに相当し、濃度10−2,000,000は、ポテンシー1CMに相当し、濃度10−5,000,000は、ポテンシー2.5CMに相当し、濃度10−10,000,000は、ポテンシー5CMに相当し、濃度10−20,000,000は、ポテンシー10CMに相当する。
【0020】
治療効果は、薬草または医薬品と同じ方法では求められない。一般に、ホメオパシーレメディは、低濃度、典型的には活性成分の分子濃度が重要であるレベルよりかなり低い濃度で製造される。このため、医薬品とは異なり、量は決定的ではない。上記の例に示されるように、ポテンシーは濃度に反比例し、その結果として、希釈が大きいほど、ホメオパシー組成物のポテンシーは高い。所望のポテンシーは、ホメオパシー組成物の反復希釈剤を製造することによって得ることができる。例えば、ポテンシー1Cを有する活性薬物は、ホメオパシーで知られているポテンタイゼーション手順に従って、活性薬物、またはこのチンキ剤、抽出物、もしくは誘導体の100分の1希釈、例えば99mlの希釈液と混合した1mlのチンキ剤を製造し、次いで少なくとも10回振盪することによって調製することができる。ポテンシー2Cは、ポテンシー1Cを有する活性薬物の1:100希釈を製造し、次いで少なくとも10回振盪することによって調製することができる。ポテンシー3Cは、ポテンシー2Cを有する活性薬物の1:100希釈を製造し、次いで少なくとも10回振盪することによって調製することができる。ホメオパシー組成物が成分の組み合わせを含む場合、組成物の指定されたポテンシーは、それぞれ個々の成分に関して同じポテンシーである。例えば、10Mのアルニカおよびリーダム(Ledum)ホメオパシー組成物は、ポテンシー10Mのアルニカとポテンシー10Mのリーダムを示している。
【0021】
本明細書では、用語「傷害」は、任意の身体損傷、創傷、これらの状態、またはこれらの関連する任意の症状を指す。
【0022】
本明細書では、用語「天然物質」は、天然から得ることのできる任意の材料を指し、これに限定されるものではないが、植物もしくは鉱物抽出物、例えば粉末抽出物もしくは流体抽出物、植物もしくは鉱物の1つ以上の活性化合物、植物もしくは鉱物の任意の部分、または植物もしくは鉱物全体、これらのチンキ剤、およびこれらの混合物が含まれる。
【0023】
本明細書では、用語「治療(treatment)」または「治療すること(treating)」は、病気を罹患しているか、または傷害を有する個体に有益な結果をもたらす任意の手段を指し、これに限定されるものではないが、病気、傷害、この1つ以上の症状、状態、もしくは態様、またはこれらの組み合わせを実質的に予防する、この重度を実質的に軽減する、この状態を実質的に改善する、この治癒を実質的に促進する、または実質的に治すことが含まれる。
【0024】
本明細書では、用語「局所」適用または投与は、これに限定されるものではないが、皮膚;粘膜;軟骨および骨を含む結合組織;筋肉;および神経組織;器官;神経;脳;細動脈;リンパ管、またはこれらの組み合わせを含む、任意の上皮組織などの1つ以上の体表面に、組成物を直接投与することを指す。代表的な実施形態において、局所適用は、これに限定されるものではないが、膣、肛門、咽喉、眼、および耳を含む、皮膚または粘膜に組成物を投与することを指す。本発明の目的では、本発明の範囲外である経口投与であると一般にみなされるため、組成物が局所適用される体表面には、口腔の表面は含まれない。別段の明記または示唆のないかぎり、局所適用または投与には、経皮投与が含まれる。
【0025】
本明細書および添付の特許請求の範囲に用いられる、単数形の「a」、「an」、および「the」は、この内容が明らかに別のことを示していない限り、複数の言及を含むことに留意されたい。従って、例えば、「活性剤」の言及には、複数の活性剤、および当業者に公知のこれらの等価物などが含まれる。同様に、用語「a」(または「an」)、「1以上」および「少なくとも1」は、本明細書では交換可能に用いることができる。用語「含む(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」は交換可能に用いることができることにも留意されたい。
【0026】
本発明は、高ポテンシーの水性ホメオパシー組成物を長期間患者に局所適用することによって、病気または傷害を有効に治療する新規な治療方法に関する。具体的には、本発明の治療方法は、(1)少なくとも400Cの高ポテンシーを有するホメオパシー組成物を患者の体表面に局所適用するステップ、および(2)有益な効果を提供するのに十分な長い期間、ホメオパシー組成物を水性環境において、体表面と接触させて維持するステップを含む。理論に拘束されることを望むものではないが、この独特な治療的要因の組み合わせ、具体的にはホメオパシー組成物を水性環境に維持すること、高ポテンシー組成物の使用、および長期間の水性ホメオパシー組成物の局所投与は、予期されない相当の治療効果を提供する。この治療方法は、これに限定されるものではないが、深部組織創傷を含む組織損傷、例えば外科手術、表在性創傷、および皮膚疾患に起因するもの、ならびに重度の傷害または病気に関連する任意の状態、疼痛、炎症、または感染を含む、多種多様な病気および傷害を治療するために用いることができる。
【0027】
1.高ポテンシーホメオパシー組成物の製剤化
1種以上の天然由来成分を含むホメオパシー組成物の高ポテンシー製剤を選択し、本発明の方法に用いることができる。代表的な実施形態において、ホメオパシー組成物は、知られているかまたは通常のホメオパシー組成物を含むことができ、参照により本明細書の一部とするHPUS;Boericke,William、「Pocket Manual of Homeopathic Materia Medica」、B.Jain、1995;Hahnemann,Samuel、「Materia Medica Pura」、1830;またはSchroyens,Frederik、「Synthesis Repertory 9」、Homeopathic Book Publishers、2004に開示されている1種以上の任意の成分が含まれる。本発明の組成物の製剤化に用いられる代表的なホメオパシー組成物には、深部組織創傷を含む組織損傷、例えば外科手術、表在性創傷、および皮膚疾患に起因するもの、ならびに重度の傷害または病気に関連する任意の状態、疼痛、炎症、または感染を治療するのに適したホメオパシー組成物を含むことができる。表1から3は、限局性の病気または傷害を治療するのに特に有効である代表的な組成物および/または成分のリストを提供するものであり、このいずれかまたはこれらの組み合わせを、本発明のホメオパシー組成物を製剤化するために用いることができる。代表的な実施形態において、ホメオパシー組成物は、表4に挙げたいずれかの成分、またはこれらの組み合わせを含むこともできる。
【0028】
代表的な実施形態において、ホメオパシー組成物は、アルニカ・モンタナ(Arnica Montana)(アルニカ)、ベリス・ペレンニス(Bellis perennis)、カレンデュラ(Calendula)、ハイペリカム・パーフォラタム(Hypericum perforatum)(ハイペリカム)、リーダム・パルストレ(Ledum palustre)(リーダム)、ルタ・グラベオレンス(Ruta graveolens)(ルタ)、シンフィツム・オフィキナーレ(Symphytum officinale)、ルス・トキシコデンドロン(Rhus toxicodendron)(ルス・トックス)、スタファサグリア(Staphasagria)、またはナトラム・スルフェリクム(Natrum sulphericum)から選択された、1種以上、2種以上、3種以上、または4種以上の成分を含むことができる。他の代表的な実施形態において、ホメオパシー組成物は、アルニカ・モンタナ、リーダム・パルストレ、ルタ・グラベオレンス、およびルス・トキシコデンドロンのみの組み合わせを含むことができる。または、ホメオパシー組成物は、アルニカ・モンタナおよびリーダム・パルストレのみの組み合わせを含むことができる。さらに他の代表的な実施形態において、ホメオパシー組成物は、アルニカ・モンタナ、リーダム・パルストレ、ルタ・グラベオレンス、ルス・トキシコデンドロン、およびハイペリカム・パーフォラタムのみの組み合わせを含むことができる。
【0029】
【表1】

【0030】
【表2】

【0031】
【表3】


【0032】
【表4】





【0033】
ホメオパシー組成物または1種以上のこの成分は、任意のホメオパシー・マテリアル・メディカ、HPUS、または他のホメオパシー治療ガイドに記載されているものなど、通常のホメオパシーの実施に従って、有効であることが知られている病気または傷害を治療するために用いることができる。または、ホメオパシー組成物は、以前には有効であると認識されていない病気または疾患を治療するために用いることができる。ホメオパシー医療における慣例と同様に、複数の異なる病気または傷害を治療するために、単一のホメオパシー組成物を用いることもできる。例えば、ホメオパシー・マテリアル・メディカに詳述されているとおり、単一のホメオパシー組成物を用いて、片頭痛、眼の外傷、または副鼻腔炎を治療することができる。
【0034】
ホメオパシー組成物は反対刺激剤を含む必要がなく、従って、より強い疼痛を抑えるためにより軽度の疼痛を引き起こすという原理に依存していない。その結果として、ホメオパシー組成物は、必要ではないが、メントール、ショウノウ、サリチル酸メチル、またはトロラミンサリチル酸を包含することができる。または、ホメオパシー組成物は、必要ではないが、アルコール、ラウリル硫酸ナトリウム、プルロニックF68、又は類似物質などの化学浸透増強剤を含むことができる。
【0035】
ホメオパシー組成物は高ポテンシーを有するように製剤化され、HPUS;Boericke,William、「Pocket Manual of Homeopathic Materia Medica」、B.Jain、1995;Hahnemann,Samuel、「Materia Medica Pura」、1830;またはSchroyens,Frederik、「Synthesis Repertory9」、Homeopathic Book Publishers、2004に開示され記載されているものなど、任意の方法に従って調製することができる。代表的な実施形態において、本発明のホメオパシー組成物は、少なくとも約400Cの高ポテンシーを有する。または、ホメオパシー組成物は、代表的なポテンシー少なくとも約500C、少なくとも約800C、少なくとも約1M、少なくとも約2M、少なくとも約5M、少なくとも約10M、少なくとも約20M、少なくとも約50M、少なくとも約1CM、少なくとも約2CM、少なくとも約DM、少なくとも約MM、これらの間の任意のポテンシー、またはこれより高い任意のポテンシー、例えば50000分の1(LMまたはQ)オーダーのポテンシーを有し得る。同一または異なるホメオパシー組成物および/または成分の異なるポテンシーを混合することも、本発明の範囲内であることが企図される。例えば、1Mのアルニカを、10Mのアルニカまたは10Mのリーダムと混合できる。従って、本発明のホメオパシー組成物は、本明細書に記載のとおり、成分、ポテンシー、または投与量に関して多様であることができる。
【0036】
理論に拘束されることを望むものではないが、以下に記載するこの中にホメオパシー組成物が維持される水性環境は、組成物が高ポテンシーで製剤化され、活性化されることを可能にすると考えられる。ホメオパシー組成物を水性環境に維持せず、一般に最大ポテンシーが200C未満に制限される通常のゲルとは異なり、本発明の水性ホメオパシー組成物は、有益な結果を伴う約400C以上の高ポテンシーで製剤化することができる。
【0037】
代表的な実施形態において、ポテンシーの変化または中和を防ぐために、製剤化、貯蔵、および輸送の間、直射日光、高温、揮発性有機化合物、x線、および電磁場への暴露は回避されるべきである。好ましくは、ホメオパシー製剤は、HPUS、GMP、およびすべてのOTC規制に従うプラスチック、ガラス、または他の容器に包装することができる。
【0038】
2.水性環境におけるホメオパシー組成物の送達
本発明の別の特徴は、水性環境におけるホメオパシー組成物の送達である。これを達成するために、ホメオパシー組成物は、水分子を含有し、局所送達に適している任意の水性媒質に溶解、懸濁するか、または他の方法で混合することができる。代表的な水性媒質には、水、水含有共沸性混合物、例えばアルコールを含有するものなど、体液、水を含有する薬草調剤、水を基剤とする任意の混合物、またはこれらの組み合わせが含まれる。好ましくは、水性媒質は、皮膚、粘膜内層、または他の局所適用表面を刺激しない物質である。一実施形態において、水性ホメオパシー組成物は、ホメオパシー組成物またはスクロースもしくはラクトース錠剤ホメオパシー組成物を、水および/または水含有共沸性混合物に混合することによって製剤化することができる。
【0039】
水性ホメオパシー組成物は、これが病気または傷害を有効に治療するのに十分な量の水分子を含んでいるならば、必要に応じて1種以上の添加剤を含むことができる。代表的な添加剤には、ゲル、アルコール、薬草成分、油、水を基剤とする混合物、またはこれらの組み合わせが含まれる。代表的な実施形態において、ホメオパシー組成物は、規定または所定の治療期間が完了する前に、ホメオパシー組成物が身体に実質的に吸収されるか、または身体によって実質的に代謝されるのを妨げるのに十分な量の水を含有する。
【0040】
本発明のホメオパシー組成物は、長期間、少なくとも規定された治療期間、例えばホメオパシー組成物および少なくともいくらかの水で病気または傷害部位を湿潤に保つことによって、ホメオパシー組成物を水性環境に維持するように設計されるべきである。代表的な実施形態において、患者の体液によって、必要とされる水を提供し、および/または投与中にホメオパシー組成物を水性環境に維持するのを助けることができる。例えば、開放創によって産出された体液、または眼によって産出された粘液および/または涙は、治療中、ホメオパシー組成物を水性環境に維持するのに十分な量の水分子を生じることができる。体液だけで、有効な投与に十分な水性環境にホメオパシー組成物を維持するのに十分な量の水分子を含むことができる。例えば、ホメオパシー組成物が粘膜に投与される場合、水を含有する粘膜の自然の分泌物によって、ホメオパシー組成物を水性環境に維持することができる。
【0041】
理論に拘束されることを望むものではないが、水分子を含有する水性環境は、優れた治療結果を提供すると考えられる。ホメオパシー組成物を水で希釈したとき、独特な構造が形成される可能性のあることを、研究は示唆している。他の研究は、ホメオパシー組成物を水に添加すると、水の熱力学的特性が変化する可能性のあることを示している。通常のゲルおよびクリームにおける水の欠乏は、このようなホメオパシー組成物のポテンシーレベルおよび送達期間の両方を制限する可能性がある。
【0042】
3.水性ホメオパシー組成物の局所投与
高ポテンシー水性ホメオパシー組成物を製剤化した後、組成物は、患者に局所的に投与することができる。具体的には、組成物は、任意の組織、例えば上皮組織、結合組織、神経組織など;任意の皮下表面;筋肉;器官;神経;脳;細動脈;リンパ管;骨、またはこれらの組み合わせを含む、1つ以上の体表面に局所的に直接適用することができる。代表的な実施形態において、組成物は、皮膚、眼、耳、または鼻腔もしくは肛門腔の粘膜内層に局所的に投与することができる。
【0043】
局所投与は、少なくとも一部のホメオパシー組成物が、治療期間の終わりまで活性なままであり、実質的に吸収または代謝されないように、高ポテンシーホメオパシー組成物を、水性環境において体表面に直接適用し、体表面と接触させて維持するステップを含む。以下に論じるとおり、本発明の新規な特徴は、病気または傷害を有効に治療するのに十分な時間、水性環境にあるホメオパシー組成物と体表面との間の接触を維持することである。理論に拘束されることを望むものではないが、水性環境に維持された体表面とホメオパシー組成物との間の直接的接触は、ホメオパシー組成物の活性を延長し、その結果として治療有効性を高めると考えられる。ホメオパシー組成物は、時間をかけて連続投与量または複数回投与量が提供されるように、断続的または連続的に再適用することができる。
【0044】
代表的な実施形態において、ホメオパシー組成物は、病気または傷害部位に直接投与することができる。高ポテンシー局所組成物は、主として全身的治療を提供し、あるとしても限定された限局的治療のみを提供するように、舌下で分配され、血流に吸収されるという通常の予測とは対照的に、本発明の局所ホメオパシー組成物は、病気または傷害部位に投与され、水性環境に維持されたとき、高いポテンシーで直接的な限局的治療を送達することができる。代表的な実施形態において、ホメオパシー組成物は、病気または傷害領域を完全に被覆するように、局所的に投与することができる。または、より狭いまたはより広い局所投与領域も企図される。
【0045】
局所投与は、ホメオパシー組成物を局所投与し、長期間水性環境に維持することができる送達機構を用いて達成することもできる。代表的な送達機構には、吸収性連続放出機構、例えばガーゼパッド、ペーパータオル、綿球、または包帯など;連続放出化学手段、例えばヒドロゲル、ペースト、フォーム、または錠剤製剤など(錠剤は嚥下するためものではなく、水性環境を提供する眼の粘膜内層などの体表面と接触させて保持するためのものである。);水性ホメオパシー組成物を含有し、これに体表面が接触するか、または部分的もしくは完全に浸漬することができるフットバスまたは浴槽などの水貯蔵器、またはホメオパシー組成物を体表面に局所的に送達し、長期間にわたって水性環境において体表面と接触させて維持する他の任意の手段を含むことができる。代表的な実施形態において、吸収性送達機構、例えばガーゼパッド、ペーパータオル、綿球、または包帯などを再利用して、ホメオパシー組成物を水性環境に維持し、組成物の活性期間を延長するために、ホメオパシー組成物の追加投与を用いることができる。
【0046】
または、送達機構は、ホメオパシー組成物を長期間放出し、および/または粘膜もしくは体液などの体表面と相互作用して、ホメオパシー組成物を連続的に放出するように設計された、ホメオパシー組成物を水性環境に維持する連続放出化学手段であることができる。連続放出化学手段は使用時、治療期間中、ホメオパシー組成物を水性環境において、体表面と接触させて維持できなければならない。代表的な実施形態において、皮膚に局所投与するためのホメオパシー組成物の場合、送達機構は、必要な治療期間より短い時間枠内で、すべてのホメオパシー組成物が吸収、代謝、または蒸発しないように、十分な量の水分子を含有する水性媒質に分解されたホメオパシー製品を維持する手段を含むことができる。
【0047】
ホメオパシー組成物の局所適用は、必要ではないが、任意に投与部位へのイオン導入、電気穿孔、ソノフォレシス、フォノフォレシス、マッサージ、または加圧と組み合わせることができる。さらに、本発明の方法は、必要に応じて、任意の経口投与または他の局所投与を含む、通常の任意のホメオパシー治療と併せて行うことができる。
【0048】
代表的な実施形態において、ホメオパシー組成物の局所投与中、直射日光、高温、揮発性有機化合物、x線、および電磁場への暴露は、好ましくは回避される。
【0049】
4.病気または傷害を有効に治療するための、長期間の水性環境におけるホメオパシー組成物の投与
本発明の方法は、任意の病気または傷害、特に急性および慢性の病気または傷害を有効に治療するために用いることができる。急性の病気または傷害、例えば炎症、疼痛、斑状出血、腫脹、鼻出血、皮膚疾患、例えば水疱、膿痂疹、白癬、帯状疱疹、外科的傷害、およびヘルペスなどの場合、局所的に適用される高ポテンシーホメオパシー組成物は、病気または傷害が有効に治療されるまで、連続的に投与することができる。ホメオパシー組成物は、病気または傷害を負った後、比較的直ちに投与されたとき、もっとも有効である。炎症を有効に治療するために、急性炎症期が終わり、ホメオパシー組成物を取り除いても腫脹が増大しなくなるまで、ホメオパシー組成物を繰り返し投与することができる。疼痛を有効に治療するために、疼痛が視覚的アナログスケール(VAS)で1/10未満になるまで、ホメオパシー組成物を繰り返し投与することができる。斑状出血を有効に治療するために、レメディの除去が変色をもたらさなくなるまで、ホメオパシー組成物を繰り返し投与することができる。腫脹を有効に治療するために、腫脹が再吸収されるかまたは発疹する(erupt)まで、ホメオパシー組成物を投与することができる。鼻出血を有効に治療するために、鼻からの血液の流出がすべて少なくとも5分間停止するまで、ホメオパシー組成物を投与することができる。水疱、膿痂疹、白癬、帯状疱疹、およびヘルペスなどの皮膚の問題を有効に治療するために、皮膚が治癒し、疾患または他の問題の明らかな徴候が示されなくなるまで、ホメオパシー組成物を投与することができる。
【0050】
靱帯、腱、骨、組織の傷害、フィステル、いぼ、肛門裂傷、または白癬などの、慢性の病気または傷害の場合、病気が消散するまで、ホメオパシー組成物を1日数時間投与することができる。靱帯、腱、または骨の傷害を有効に治療するために、MRIまたはX線で確認され、組織が治癒するまで、ホメオパシー組成物を1日数時間投与することができる。外部皮膚疾患を治療するために、患者の脱毛が止まり、フィステル、いぼ、肛門裂傷、白癬、または他の病気が完全に消失して、病気のすべての徴候が消失するまで、ホメオパシー組成物を毎日用いることができる。
【0051】
さらに、本発明の方法は、循環器系、消化器系、内分泌系、リンパ系、外皮系、筋肉系、神経系、生殖器系、呼吸器系、骨格系、泌尿器系、感覚系、または排泄系の切除および修復を含む、任意の外科的手技中、またはその結果として、またはこれに関連して負った傷害を含む、外科的傷害を治療するのに特に有用である。代表的な外科的手技には、腹部手術、腹壁形成術、アデノイド切除術、切断術、血管形成術、虫垂切除術、関節固定術、関節形成術、関節鏡検査、生検、脳外科手術、乳房生検、美容外科手術、焼灼術、帝王切開術、胆嚢切除術、環状切除術、結腸切除術、結腸造瘻術、角膜移植術、憩室切除術、会陰切開術、動脈内膜切除術、瘻孔切開術、小帯切除術、前頭リフト、噴門側胃切除術、胃切除術、移植術、心臓移植術、痔核切除術、肝切除術、ヘルニア修復、子宮摘出術、腎移植術、椎弓切除術、腹腔鏡検査、側腹切開術、喉頭切除術、ランペクトミー、肺移植術、乳房切除術(mammectomy)、乳房形成術、乳房切除術(mastectomy)、乳突削開術、腎摘出術、精巣摘除術、膵十二指腸切除術、上皮小体摘出術、前立腺切除術、S状結腸人工肛門形成術、括約筋切開術、脾摘出術、胸腺摘出術、甲状腺摘出術、扁桃摘出術、気管切開術、内側側副靱帯再建術を含むことができる。代表的な美容外科的手技には、脂肪吸引、脂肪彫刻(liposculpture)、鼻形成術、しわ切除術、眼瞼形成術、硬化療法、腟形成術、陰茎形成術、陰唇形成術、腹壁形成術、化学的表皮剥離、外科的増大術、外科的インプラント、または外科的縮小術、例えば口唇増大術、顎形成術、または乳房インプラントなど、ほくろ切除術、瘢痕切除または修復術、刺青除去、皮膚リサーフェシング、皮膚切除、およびコラーゲン注入を含むことができる。
【0052】
別の実施形態において、本発明の方法は、上皮組織、結合組織、筋肉、神経組織、器官、神経、脳、細動脈、リンパ管、または骨などの、身体の任意の部分の深部組織創傷を治療するために用いることができる。本方法はまた、循環器系、消化器系、内分泌系、リンパ系、外皮系、筋肉系、神経系、生殖器系、呼吸器系、骨格系、泌尿器系、感覚系、または排泄系の深部組織創傷を含む任意の傷害または創傷、ならびにこれらの任意の病気を治療するために用いることもできる。
【0053】
前述の病気または傷害の有効な治療は、有益な効果を提供するのに十分な長い期間、ホメオパシー組成物を水性環境において投与することによって達成される。この長い局所治療期間は、以前にはホメオパシー界で知られておらず、認識されていなかった本発明の新規な態様である。理論に拘束されることを望むものではないが、長い持続期間、水性環境におけるホメオパシー組成物の局所投与は、治療効果を増大する。
【0054】
ホメオパシー組成物は、病気または傷害を有効に治療するために、必要に応じて、時間、日、または週を含む長い期間、断続的または継続的に任意の体表面に投与できる。体表面への局所投与の場合、代表的な治療は、連続的に約30分間以上、または断続的に24時間で合計2時間以上、水性環境に維持された高ポテンシーホメオパシー組成物を局所適用することを含むことができる。または、代表的な治療は、24時間で約2時間以上、より好ましくは24時間で約4時間以上、より好ましくは24時間で約8時間以上、もっとも好ましくは24時間で約12時間以上、連続的または断続的に局所適用することができる。別の代表的な実施形態において、治療は、約24時間以上、好ましくは約36時間以上、より好ましくは約48時間以上、もっとも好ましくは約60時間以上、水性環境に維持された高ポテンシーホメオパシー組成物を連続的または断続的に局所投与することであり得る。さらに別の実施形態において、治療持続期間は、約2から約12時間、好ましくは約4から約12時間、より好ましくは約6から約12時間、もっとも好ましくは約8から約12時間であることができる。断続的治療を対象とする前述の代表的な実施形態に関して、ホメオパシー組成物は、約30分間以上、好ましくは約1時間以上、より好ましくは約2時間以上、もっとも好ましくは約4時間以上の間隔で適用することができる。
【0055】
理論に拘束されることを望むものではないが、ホメオパシー組成物は局所投与の60秒以内に治療結果を生じ始めると考えられる。一般に、ホメオパシー組成物の吸収は、ホメオパシー組成物が適用される皮膚、粘膜、または他の身体組織に提供される強力な障壁によって制限される。皮膚への局所投与に関して、短期浸透は、皮膚の毛包および皮脂器官を通して起こり、長期浸透は、細胞を超えて起こることが一般に認識されている。少量のホメオパシー組成物の初期吸収は、毛包および汗腺を通して60秒以内に起こり得る。治療性となるために必要とされるホメオパシー組成物の濃度は非常に低いため、製品は適用の60秒以内に治療性となることが予期される。
【0056】
病気または傷害の有効な治療は、ホメオパシー組成物のポテンシー、局所投与の持続期間、およびホメオパシー組成物が適用される局所適用表面領域に依存する。これらの各パラメータはさらに、病気の重症度、ならびに個々の患者の身体の化学反応および耐性に依存し、これらの影響を受ける。病気が重度であるほど、有効な治療を達成するためには、より高いポテンシー、長い持続期間、および/または広い適用表面領域が必要とされる。代表的な実施形態において、本発明の方法は、治療有効性を得るために、患者および傷害に適合させることができる。
【0057】
以下の実施形態は、本発明の方法を用いて、種々の病気および傷害を治療するための代表的なガイドラインとして提供される。熟練したホメオパシー医は、本発明の範囲内で、必要に応じてこれらのパラメータを調整することができる。さらに、以下の代表的な実施形態の目的では、局所投与は、ホメオパシー組成物と接触させ、傷害または病気の部位全体を覆って配置されたガーゼパッドなどの吸収性材料を適用することによって、実行することができる。吸収性材料は、治療持続期間を通じて、傷害または病気の部位が連続して湿潤であり、ホメオパシー組成物と直接接触しているように保持するべきである。吸収性材料は、必要に応じて取り除き、再び適用することができる。蒸発を防ぐために、吸収性材料は、Tegaderm(登録商標)または他のプラスチック被覆材で被覆することができる。治癒を助け、促進するために、水性ホメオパシー組成物は、好ましくは病気または傷害を負った後、できるだけ速やかに傷害または病気の部位に適用される。
【0058】
代表的な実施形態において、本発明の方法は、炎症を治療するために、ポテンシー400C以上で表1に挙げた1種以上の組成物または成分を含むホメオパシー組成物を、限局的および局所的に投与し、ホメオパシー組成物を水性環境において、炎症領域と接触させて維持することを含む。ホメオパシー組成物は、急性炎症期が終わるまで、連続的に投与される。投与持続期間は、約12から約48時間の連続期間であることができる。その後、ホメオパシー組成物は、亜急性炎症期が終わるまで、約4週間までの間、1日約4時間以上投与することができる。
【0059】
代表的な実施形態において、本発明の方法は、組織損傷、疼痛、および/または任意の傷害、例えば外科的傷害または外傷のある患者を有効に治療するために用いることができる。この方法は、組織損傷、疼痛、または外科的傷害部位にホメオパシー組成物を局所的に投与し、長期間、ホメオパシー組成物を水性環境において、部位と接触させて維持することを含む。ホメオパシー組成物は、アルニカ・モンタナ、ベリス・ペレンニス、カルカレア・ホスホリカ、カレンデュラ、ハイペリカム・パーフォラタム、リーダム・パルストレ、ルス・トキシコデンドロン、ミレフォリウム、ルタ・グラベオレンス、シンフィツム・オフィキナーレ、アピス・メリ、カンサリス、ウルティカルティア(Urticartia)・ウレンス、ベラドンナ、フェルム・メタリクム、スタファサグリア、ヘパー・スルフェリクム(Hepar Sulphericum)、ユーパトリウム・ペルフォリアタム、ブライオニア、ナトラム・スルフェリクム、カルカレア・カルボニカ、ハマメリス、またはこれらの組み合わせを含むことができ、ポテンシー約10Mを有するように製剤化することができる。ホメオパシー組成物は、急性期が終わるまで、連続的に投与することができる。代表的な投与持続期間は、約12から約48時間の連続期間であることができる。その後、ホメオパシー組成物は、亜急性期が終わるまで、約4週間までの期間、1日約2から約24時間まで、ポテンシー約1Mで投与することができる。
【0060】
代表的な実施形態において、本発明の方法は、有効に組織損傷を修復するため、または軟部組織の疼痛および/もしくは炎症を治療するために用いることができる。具体的には、この方法は、任意の外科的傷害のある患者を治療するため、腱炎などの靱帯および/もしくは腱の断裂もしくは傷害、または前十字靱帯(ACL)の断裂もしくは傷害を治療するため、または斑状出血、捻挫、震盪、筋肉断裂もしくは挫傷などの急性外傷を治療するため、軟部組織を修復、疼痛を緩和、および/または炎症を緩和するために用いることができる。この方法は典型的に、ポテンシー約10Mを有するように製剤化されたホメオパシー組成物を、傷害または病気の部位に局所的に投与し、ホメオパシー組成物を水性環境において、この部位と接触させて維持することを含む。一実施形態において、ホメオパシー組成物は、アルニカ・モンタナおよび/またはベリス・ペレンニスの1種以上の混合物を含むことができる。別の実施形態において、ホメオパシー組成物は、アルニカ・モンタナ、ルス・トキシコデンドロン、ルタ・グラベオレンス、および/またはリーダム・パルストレの1種以上の混合物を含むことができる。ホメオパシー組成物は、急性期が終わるまで、好ましくは約12から約48時間の期間、適用することができる。その後、亜急性期が終わるまで、好ましくは約1週間、または1日約2から約24時間で約4週間まで、ポテンシー1Mのホメオパシー組成物を適用することができる。
【0061】
代表的な実施形態において、本発明の方法は、有効に組織損傷を修復するため、または指先、足指、生殖器、脊柱尾骨、および/または眼球における神経の損傷など、神経組織の損傷に起因する疼痛および炎症を治療するために用いることができる。この方法は、ポテンシー少なくとも400C以上で製剤化されたハイペリカム・パーフォラタムを含むホメオパシー組成物を限局的に適用し、有効な治療的処置を提供する長い期間、ホメオパシー組成物を水性環境に維持することを含むことができる。別の実施形態において、ホメオパシー組成物は、ポテンシー約1Mで製剤化し、疼痛が消失または緩和されるまで適用することができる。ホメオパシー組成物は、任意の疼痛の再発を治療するため、必要に応じて再び適用することができる。
【0062】
代表的な実施形態において、本発明の方法は、有効に組織を修復し、および/または切り傷もしくは擦り傷などの損傷皮膚傷害;化学熱傷、温度熱傷、もしくは日焼けなどの熱傷;または外科的切開を含む、創傷の治癒を改善もしくは促進するために用いることができる。この方法は、ポテンシー約1Mでカレンデュラおよび/またはスタファサグリアの1種以上を含むホメオパシー組成物を製剤化することを含み得る。ホメオパシー組成物は、創傷が治癒するまで、創傷に直接および/または創傷の周囲に適用することができる。
【0063】
代表的な実施形態において、本発明の方法は、骨折、骨挫傷、または眼領域の外傷によって損傷した骨組織などの骨組織を有効に修復するために用いることができる。この方法は、ポテンシー約1Mで製剤化されたシンフィツム・オフィキナーレおよび/またはルタ・グラベオレンスの1種以上を含むホメオパシー組成物を局所適用することを含むことができる。ホメオパシー組成物は、骨が治癒するまで、1日約4時間、局所的に適用することができる。
【0064】
代表的な実施形態において、本発明の方法は、有効に組織を修復し、および/または震盪時に負うものなど、頭部または頭皮の急性外傷に起因する疼痛および炎症を治療するために用いることができる。または、ホメオパシー組成物は、ポテンシー約10Mで製剤化し、急性期が終わるまで、好ましくは約12から約48時間の間、適用することができる。その後、亜急性期が終わるまで、好ましくは1日約2から約24時間で約4週間まで、1Mのホメオパシー組成物を適用することができる。
【0065】
代表的な実施形態において、本方法は、急性状態に対して、長時間水性環境に維持された、ポテンシー少なくとも400C以上の表2に挙げたレメディの1種以上を含むホメオパシー組成物を局所限局的に使用することを含む。指示された1Mのホメオパシー組成物は、問題が解決されるまで、連続的に限局的に適用されるべきである。効果は累積的であり、従って、患者が快適であるために、ホメオパシー組成物を連続的に使用することが不可能である場合、治療有効性は減少する可能性がある。最大の効能を得るために、可能であれば、領域全体を被覆するべきである。
【0066】
代表的な実施形態において、本発明の方法は、腫脹を有効に治療するために用いることができる。この方法は、ポテンシー約1MのHep(ヘパー・サルファリス・カルカレウム)およびSil(シリシア)を含むホメオパシー組成物を腫脹に局所的に適用し、ホメオパシー組成物を水性環境に維持することを含む。ホメオパシー組成物は、腫脹が再吸収されるか、発疹するまで、連続的に腫脹に適用することができる。
【0067】
代表的な実施形態において、本方法は、慢性の病気に対して、長時間、水性環境において、ポテンシー少なくとも400C以上(少なくとも濃度100−800)の表3に挙げたレメディの1種以上を含むホメオパシー組成物を局所限局的に使用することを含む。指示されたポテンシー1Mのレメディは、問題が解決されるまで、1日4から8時間、局所的に適用されるべきである。最大の効能を得るために、可能であれば、傷害領域全体を被覆するべきである。
【0068】
代表的な実施形態において、本発明の方法は、湿疹または白癬を有効に治療するために用いることができる。この方法は、表3に示したホメオパシー組成物を水性環境において病気の部位に局所的に適用することを含む。ホメオパシー組成物は、発疹まで、好ましくは1日約4から約8時間、局所的に投与することができる。吸収性材料は、必要に応じて再び適用することができる。
【0069】
代表的な実施形態において、本発明の方法は、表3に示したホメオパシー組成物を局所的に適用し、ホメオパシー組成物を水性環境に維持することによって、痔核、フィステル、または直腸裂を有効に治療するために用いることができる。ホメオパシー組成物は、肛門周囲の領域に適用し、被覆することができる。別の実施形態において、組成物は、長期間にわたって、好ましくは約4から約8時間にわたって放出される坐剤として製剤化することができる。
【0070】
代表的な実施形態において、治療は、膝の靱帯など、靱帯の挫傷、断裂、または他の傷害を治療するために用いることができる。ポテンシー少なくとも400Cを有するホメオパシー組成物が適用されると、靱帯は、外科的矯正を少しも必要とすることなく、有効に治療される。治癒を促進するために、膝を直線型脚用装具で保持して、屈曲を防ぐことができる。必要に応じて、ホメオパシー組成物を装具の中に挿入することができる。
【0071】
代表的な実施形態において、治療は、深部筋組織の鈍的外傷を治療するために用いることができる。この方法は、ポテンシー少なくとも400Cを有するベリス・ペレンニスおよびアルニカを含む高ポテンシー水性ホメオパシー組成物を、約8時間、吸収性材料を用いて皮膚に局所適用することを含む。この水性ホメオパシー組成物は、軽度外傷の疼痛および炎症を消失させ、深部筋肉挫傷に関連する斑状出血を防ぐのに有効である。
【0072】
代表的な実施形態において、治療は、軽度擦過傷を治療するために用いることができる。この方法は、ポテンシー少なくとも400Cおよびこれ以上で製剤化されたカレンデュラを含む水性ホメオパシー組成物を、1日約4時間、軽度擦過傷に局所適用することを含む。この水性ホメオパシー組成物は、創傷周囲の領域に適用することができ、治癒速度を約40%促進する可能性がある。
【0073】
代表的な実施形態において、治療は、骨折を治療するために用いることができる。この方法は、ポテンシー少なくとも400Cで製剤化された、シンフィツムおよびcalc phos.(カルカレア・ホスホリカ)、または代わりにスタファサグリアを含む水性ホメオパシー組成物を、吸収性材料を用いて骨折した骨(broken boneまたはfractured bone)の周囲の皮膚に局所適用することを含む。この治療は、骨折治癒速度を実質的に増大する可能性がある。
【0074】
代表的な実施形態において、治療は、外科的切開傷害を治療するために用いることができる。この方法は、ポテンシー少なくとも400Cのスタファサグリアを含む水性ホメオパシー組成物を、1日約4時間、切開周囲の領域に局所投与することを含む。この治療は、治癒速度を約30%実質的に増大する可能性がある。
【0075】
代表的な実施形態において、治療は、接触に敏感な膿腫および腫脹を治療するために用いることができる。この方法は、ポテンシー少なくとも400Cのスタファサグリアを含む水性ホメオパシー組成物を、約24時間の期間にわたって、これが発疹するかまたは再吸収されるまで、膿腫または腫脹に局所適用することを含む。
【0076】
本発明の方法は、病気または傷害の治療において、通常のホメオパシー療法と比べて大いに有効である数多くの利点および予期しない利益を提供する。200年近くの間この使用が知られている同じレメディが、本発明の方法に従って投与されたとき、病気および傷害、特に限局性の病気または傷害の治療に大いに有効となる。本方法は、重度の病気または傷害を含む任意の病気または傷害を、実質的に予防するか、この重度を軽減するか、状態を改善するか、治癒を促進するか、治癒するか、またはこれらの組み合わせを行う。相当な副作用を有するほとんどの抗炎症剤および鎮痛剤とは対照的に、本発明の方法は、有害な副作用を生じることなく、迅速で有効な治療を提供する。例えば、疼痛、炎症、感染、または病気もしくは傷害の任意の症状もしくは状態の緩和は、本発明の高ポテンシーホメオパシー組成物の最初の局所適用から約30秒から約2.5分以内に起こり得る。さらに、治療的処置は、適用後8時間にわたって持続し得る。本発明によるホメオパシー製剤を使用する提供される方法は、通常は局所的に治療可能であるとみなされない、ライム病の疼痛、片頭痛などの困難であり、および/または慢性の病気も治療できる。さらに、本治療は、大部分ではないとしても、多くの現在知られている局所鎮痛剤または抗炎症剤で見出される、社会的に不都合な臭気、発赤、変色、べたつき、または不快な身体感覚、例えば刺痛、かゆみ、灼熱感、冷却感、刺激、皮膚の乾燥、もしくは無感覚などを生じることなく、長期から永続的に、病気または傷害を有効に安定化する可能性がある。さらに、傷害に関連する疼痛および炎症のこのような緩和の程度は(例えば、完全に断裂したACLが無痛であり、腫脹もない可能性がある。)、副作用なしには、現在のOTCまたは処方薬では不可能である。経口アスピリンおよび非ステロイド性抗炎症薬は、長期にわたって用いられたとき、消化性潰瘍および腎不全のリスクを劇的に増大し、さらに薬物間相互作用のリスクを増大する。従って、独特な局所有効性のため、提供される本発明の方法の使用は、非ステロイド性抗炎症薬の不要な過度の使用による多くの有害な内的反応を防ぐことができる。
【0077】
(実施例)
【実施例1】
【0078】
打撲傷に関連する挫傷および疼痛の治療
本発明の方法を用いて、少年が6フィートのプラットホームから転落し、足を取られ、顔から木くずの山に落ちたときに負った打撲傷に関連する挫傷および疼痛を治療した。少年の左眼がまともに損傷を受けた。負傷直後、最初にオレンジジュースのボトルを左眼に当てたが、眼はかなり痛いままであった。負傷から約20分後、木くずの形状の大きな血腫が、眼の直下に現れた。外眼角に向かって、および眉の上下に、著しい擦過傷があった。
【0079】
水を加えて10Mのポテンシーを得た、10Mのアルニカおよびリーダム水性ホメオパシー組成物に浸漬した、約4×4インチの1枚目のペーパータオルを、負傷後約20分間、少年の眼の周囲に局所投与した。局所投与から約30秒以内に、眼および眼の周囲の疼痛が緩和した。1枚目のペーパータオルを除去したとき、約2分以内に疼痛が再発した。タオルを再び適用すると、疼痛が繰り返し軽減された。1枚目のペーパータオルは、疼痛を緩和するために、負傷直後、必要に応じて約1時間から約2時間局所的に適用された。
【0080】
次いで、水性ホメオパシー組成物に浸漬した、1平方インチの2枚目のペーパータオルを、約8時間から約10時間眼の下に置いた。疼痛を軽減し、炎症を低減および促進するために、その後36時間にわたって、1×1のペーパータオルを毎日約4時間から約8時間眼の上に置き、4×4のペーパータオルを約8時間適用した。最初の48時間の後、次の3日間、1日1から2時間、混合物に浸漬した4×4のペーパータオルを眼の上に置いた。
【0081】
一般に、眼の下の血腫は、典型的に眼瞼皮下出血および腫脹を生じ、この種の傷害に関連する擦過傷は、典型的に挫傷を引き起こす。しかしながら、負傷後約3日から約7日、本発明による治療方法を用いた後、挫傷、腫脹、さらにどのような変色も存在しなかった。約8日で大きな血腫は治癒し、治療中および治療後、少年は眼の中および眼の周囲に痛みを覚えなかった。
【実施例2】
【0082】
グレード2ACL断裂の治療
優れた血管新生性のため、ACL断裂は、典型的に通常の大きさの2倍に腫脹する。この腫脹は一般に約2週間持続し、広範な疼痛をもたらし、屈曲と伸展を大幅に制限する。ワシントン大学の整形外科およびスポーツ医学科によれば、ACL傷害は負傷後数時間以内に著しい腫脹を生じ、可動域を減少させる。患者は体重を支えるのが困難になる。E−Medicineによれば、「ACLへの血管の供給のため、ほとんどの場合関節血症が起こる」。加えて、関節腫脹のため、可動域が制限される可能性が高い。
【0083】
女性が負ったグレード2ACL部分断裂に、負傷後約1時間以内に、10Mのアルニカ、リーダム、ルタ、およびルス・トックス水性ホメオパシー組成物を約1時間適用した。この投与は、疼痛の消失、腫脹の消失、および治癒の促進に有効であることが見出された。水性ホメオパシー組成物は、それぞれ10Mのアルニカ、ルタ、リーダム、およびルス・トックスの2つのペレットを水1パイントに加えることによって調製した。この水性ホメオパシー組成物を10回まですすり、さらに外部から適用した。水性ホメオパシー組成物に浸漬した複数のペーパータオルを、膝の前後を完全に被覆するように膝の周囲に置き、エース包帯で固定した。
【0084】
その後、10Mのアルニカのペレットを水1パイントに加えることによって、第2水性ホメオパシー組成物を調製した。この第2組成物をペーパータオルで適用し、約20分間、軟部組織周囲の腫脹を有効に低減し、疼痛を消失させた。この時点で、氷を約1分間膝に適用したが、疼痛を生じた。膝が氷に対して非常に敏感であったため、第2水性ホメオパシー組成物に、10Mのルス・トックスの2つのペレットを添加した。その後、ペーパータオルを再び浸漬し、約2時間膝に適用し、約10分以内で疼痛は消失した。
【0085】
負傷から数時間以内に、膝を検査した。グレード2ACL断裂と矛盾せず、ラックマン試験および前方ピボットシフト試験はいずれも陽性であった。最小の腫脹が認められ、体重支持は松葉杖によって可能であった。腫脹がないため、膝は極めて弛緩していた。歩行時には、膝を安定させるため、膝用装具を用いた。
【0086】
夜間、ホメオパシー組成物は投与しなかった。その結果として、翌朝、膝は腫脹し、痛みがあり、VAS疼痛レベル約3/10を有した。水中で調製してポテンシー10Mを得た、10Mのルス・トックスおよびアルニカ水性ホメオパシー組成物に浸漬したペーパータオルを、膝の周囲に適用し、関節を完全に包囲した。1時間以内に、疼痛および炎症は完全に消失した。次いで、水性ホメオパシー組成物を36時間で少なくとも約20時間、この様式で膝の周囲に再び適用した。
【0087】
次の数週間、膝は無痛のままであり、腫脹は最小であった。患者は、負傷の翌日から、疼痛を覚えることなく、膝に体重をかけることができた。さらに、患者は、負傷の3日後、膝用装具を用いて、松葉杖なしに歩行できた。3週間にわたって1日約4から約8時間、1Mのルス・トックスおよびアルニカ水性ホメオパシー組成物を膝に局所的に投与し、靱帯および腱の治癒の促進に有効であることが見出された。
【0088】
負傷の2週間後、膝装置を除去できるほど膝は安定した。しかしながら、患者は膝が損傷していることを忘れて、何かを拾い上げるために膝を深く曲げようと試み、膝を再び損傷し、即座に痛みを生じた。水中で調製してポテンシー10Mを得た、10Mのルス・トックスおよびアルニカ水性ホメオパシー組成物を、負傷直後に24時間、および約1週間にわたって1日少なくとも約8時間、局所的および連続的に膝に適用した。膝は体重を支えても無痛のままであったが、関節の弛緩が感じられた。
【0089】
典型的に、断裂したとき、ACLは相当に腫脹し、非常な痛みを伴う。加えて、グレード2の部分ACL断裂が完全に修復するのは極めてまれである。この場合、疼痛および炎症は、レメディを使用しなかったときのみ生じた。加えて、ACLは完全に治癒し、患者は負傷の約8週間後にテニスができた。さらなる合併症はなかった。この時点で、患者は不安定でなく、週に3から4回テニスをしている。この治療方法は、ACL断裂に起因する疼痛および炎症を少なくとも90%改善した。
【0090】
(比較例A)
挫傷を治療するためのクリーム投与
実施例1の治療結果を比較するために、ホメオパシー組成物をラノリンに混合することによって、クリームを基剤とする2種のホメオパシー組成物、1Mおよび10Mのルス・トックス、リーダム、アルニカ、およびルタのホメオパシー組成物を調製した。クリーム基剤は、ホメオパシー組成物を水性媒質に維持するように設計されていなかった。脚の挫傷に適用したとき、いずれかのクリーム基剤ホメオパシー組成物を用いた結果として、探知できる改善は検出されなかった。
【実施例3】
【0091】
内側半月断裂の治療
実施例2に記載したACL断裂が治癒した後、患者はMCL炎症または断裂と合致する膝の疼痛を時折報告した。最初のACL傷害の約2年後、この疼痛が激しくなり、完全な断裂が示唆された。水中で調製してポテンシー1Mを得た、1Mのルタの水性ホメオパシー組成物に浸漬した4×4インチペーパータオルを、膝の裏側の皮膚に適用した。水性ホメオパシー組成物は、約2週間、夜毎に約8時間、膝に局所投与した。治療は有効であり、すべての疼痛が消失した。疼痛は再発しなかった。
【実施例4】
【0092】
グレード3ACL断裂の治療
水中で製剤化してポテンシー10Mを得た、10Mのアルニカ、リーダム、ルタ、およびルス・トックスの水性ホメオパシー組成物を、負傷後約48時間、グレード3ACL完全断裂に適用した。それぞれ10Mのアルニカ、リーダム、ルタ、およびルス・トックスの2つのペレットを水1クオートに加えた。負傷から約1時間以内に、水性ホメオパシー組成物に浸漬したペーパータオルを、完全に膝を包囲するように、膝の周囲に置いた。約1時間後、ホメオパシー組成物を、水中で製剤化してポテンシー10Mを得た、10Mのアルニカ、ルス・トックス、およびルタの第2水性ホメオパシー組成物と交換した。第2水性ホメオパシー組成物を約48時間適用し、疼痛および炎症の低減に有効であった。その後、水中で製剤化してポテンシーを得た、1Mのアルニカとルス・トックスの混合物を、約2週間、1日少なくとも約4時間用いた。100Mのアルニカとルス・トックスの水性ホメオパシー組成物も同じ期間適用した。この治療は、靱帯および腱の治癒の促進に有効であることが見出された。
【0093】
一般に、負傷の約2時間以内に、断裂したACLは重度に腫脹し、膝の動きを大きく制限する。しかしながら、負傷の約5時間後に撮影した膝のMRIは、治癒のため相当長い時間を有したACL断裂で典型的に観察される、放射線学的報告による小さい/中等度の関節滲出液の腫脹のみを示した。
【0094】
膝は治療を通じて、負傷の3日後に体重を支持しても、実質的に無痛のままであった。負傷の1日後および3日後に軽微な腫脹のみが観察され、負傷した膝と無傷の膝を識別するのは困難であった。患者を検査した経験を積んだ整形外科医は、驚いたことに少量から中等度の関節滲出液のみであり、可動域がほぼ完全に保持されていることを認めた。末端(terminal)屈曲時の中等度の疼痛のみが報告された。わずか4日後、患者は装具を着用し、松葉杖なしで歩行できた。提供される方法は、ACL断裂の疼痛および炎症を少なくとも90%改善する。
【実施例5】
【0095】
ACL再建術外科的傷害の治療
ACL再建手術の3時間後、それぞれ10Mのアルニカおよびハイペリカムの2つのペレットを水クォートに加えて調製した、水性ホメオパシー組成物に浸漬したペーパータオルを、手術後2時間膝の近くに置いた。この組成物は、疼痛および炎症の低減に有効であることが見出された。手術後のドレッシングのため、水性ホメオパシー組成物は膝の非常に近くには置くことができず、下腿部に置いた。アルニカは、軟部組織修復のためにもっとも一般的に用いられ、ハイペリカムは、神経組織の修復に用いられる。しかしながら、これは手術で損傷したすべての組織には対応しなかったと考えられる。膝は非常に痛み、VASレベル12/10を有した。疼痛を取り除くために、ヒドロコドン2錠を服用した。手術の3時間後、水中で調製してポテンシー10Mを得た、10Mのルス・トックス、アルニカ、およびハイペリカムの水性ホメオパシー組成物を、手術後約5時間の間、膝の裏に適用した4×4インチのガーゼパッドを用いて、膝に適用した。縫合が浸潤しないように注意した。その後、膝の疼痛は、VASレベル約2/10に低下した。疼痛は、6時間後にヒドロコドンが切れた後でも、VAS2/10にとどまった。
【0096】
膝はほとんど痛まなかったが、用心のため、最初の投与から約8時間後、悪化する前に再びヒドロコドンを服用した。4×4インチ以上のガーゼパッドを湿らせ、次の48時間、膝の裏にこれを固定することによって、10Mのルス・トックス、ハイペリカム、およびアルニカの水性ホメオパシー組成物も膝に適用した。ドレッシングが湿潤するため、適用寸法はより大きいこともあった。ヒドロコドンは再び服用せず、抗炎症剤はいずれの時点でも服用しなかった。水性ホメオパシーレメディの適用後、最初の48時間の間、膝はVASレベル1から2/10で、ほぼ無痛のままであった。対照的に、水性ホメオパシー組成物を直接皮膚に適用しなかった前脛骨は、VASレベル4/10を有し、術後装具を用いたとき、特に痛みを伴った。前脛骨は手術部位よりも痛み、本発明の有効な限局的治療的処置を実証した。
【0097】
10Mのルス・トックス、ハイペリカム、およびアルニカの水性ホメオパシー組成物を、次の2週間、1日少なくとも12時間膝の裏に適用し、続く2週間は1日約4時間に減じた。膝の疼痛は治療期間中、VASで0から2/10のままであった。手術から4日以内に、患者はこの脚で体重を支えることができ、医師の指図により松葉杖なしに歩くことだけは控えた。
【0098】
手術から13日後、患者は軽微な疼痛、および紅斑がないことを報告した。患者は、完全伸展に約70度欠け、屈曲は約90から95度であった。手術から28日後、患者は完全伸展を有し、完全屈曲にはわずか約7度欠けた。紅斑はなく、軽度の滲出のみが存在した。観察された屈曲および伸展は、回復期にある外科手術患者の上位90%以内であった。任意の理学療法開始前、患者は、左膝の145度と比較して、外科的に修復された右膝の屈曲135度を有し、右膝の伸展は5度欠けるだけであった。
【0099】
抗炎症剤の不在下での軽微な疼痛および炎症は特に注目に値し、鎮痛剤不在下での10Mのルス・トックス、ハイペリカム、およびアルニカ水性ホメオパシー組成物局所投与による、手術直後1日目から2日目の疼痛の劇的な低下も同様であった。理学療法および抗炎症剤の不在下での高い度数の屈曲と伸展も有意である。
【0100】
(比較例B)
ACL断裂を治療するための経口投与
実施例3から5の治療結果を比較するために、十字靱帯置換を受ける37人の患者に、30Xアルニカを経口投与し、別の34人の患者にプラシーボを与えた。手術の2時間前、アルニカを与えられる予定の患者に、経口用量の30Xアルニカを投与した。手術後、3時間間隔で経口用量の30Xを投与し、その後、8日まで1日約3回投与した。この研究によって、2群の患者が経験した疼痛レベル、または用いた鎮痛剤の総量間に統計的差異のないことが見出され、従って、アルニカの経口投与は、ACL断裂の治療に有効でないことが示された。経口アルニカの投与によって誘導された色の変化の研究では、1日、5日、7日、および10日に関して、プラシーボと経口アルニカとの間に統計的差異のないことが実証された。
【実施例6】
【0101】
鼻形成術外科的傷害の治療
若い女性患者の鼻を外科的に折り、矯正した。外科的再建後、手術時に手術部位の上にガーゼを置いた。手術後、2×2インチガーゼパッドを、それぞれ10Mのアルニカ、ルタ、およびリーダムの2つのペレットを4オンスの氷水浴に加えることによって調製された、10Mのアルニカ、ルタ、およびリーダムの水性ホメオパシー組成物に浸漬した。浸漬したガーゼパッドを折りたたみ、2×2インチTegaderm(登録商標)絆創膏の下に配置し、眼の直下、できる限り鼻のギプス包帯の近くに局所適用した。手術後第1日にガーゼパッドを交換し、手術後48時間で永久的に除去した。手術後第3日、1Mのアルニカ、ルタ、およびリーダムを水4オンスに添加することによって調製された、1Mのアルニカ、ルタ、およびリーダムの水性ホメオパシー組成物を、折りたたんだ2×2インチガーゼパッドに適用し、その後、これを5日間、夜毎に患者の顔の眼の下に置いた。この適用は患者の顔に接着せず、患者が動くと脱落した。
【0102】
患者は、同じ外科医が前述の治療的処置を受けない患者に行った類似の鼻形成術と比較して、腫脹の90%減少および斑状出血の70%減少を示した。
【実施例7】
【0103】
鼻形成術外科的傷害の治療
実施例6に記載したものと同じ治療手順を、鼻形成術を受けた中年女性に用いた。患者は、同じ外科医が前述の治療的処置を受けない患者に行った類似の鼻形成術と比較して、腫脹の80%減少および斑状出血の60%減少を実証した。斑状出血は眼の内部領域に限定され、腫脹は非常にわずかであった。
【0104】
(比較例C)
鼻形成術外科的傷害を治療するための経口投与
実施例6から7の治療結果を比較するために、基本的(primary)鼻形成術を受けた48人の患者を、無作為に3群に分けた。第1群は、10mgのメチルプレドニゾンを投与され、第2群は、4日間1日3回1Mアルニカを経口投与され、最後の群はいずれの作用剤も投与されなかった。手術の朝、患者は手術前に最初の経口用量の1Mアルニカを服用し、手術日の手術後に2回用量の1Mアルニカを服用し、その後は毎日、3回用量の12Cアルニカを服用した。斑状出血および水腫の程度は、3人のパネルによって、視覚的に0から5のスケールに評価した。0は斑状出血がないことを表わし、5は重度の斑状出血を表わす。同様に、0は水腫がないことを表わし、5は重度の水腫を表わす。第2日の斑状出血に関しては統計的差異がなかったが、第8日に、コントロール群は斑状出血の平均評点1.85対0.92(p<0.01)の統計的有意な増大を示した。アルニカ群1.19、コントロール1.96(p<0.0001)の水腫の平均評点にも統計的に有意な差異があった。
【実施例8】
【0105】
しわ切除術外科的傷害の治療
女性患者は、顔全体と首のリフトを受けた。外科的再建直後、手術時に手術部位の上にガーゼを置いた。手術後、4×4インチガーゼパッドを、10Mのアルニカの2つのペレットを4オンスの氷水浴に加えることによって製剤化された、10Mのアルニカ水性ホメオパシー組成物に浸漬した。折りたたんだガーゼパッドを、Tegaderm(登録商標)絆創膏の下に配置し、眼の下および頬の上のできる限り広い顔面領域を被覆した。Tegaderm(登録商標)で覆った、さらに2枚の10Mアルニカ浸漬4×4インチガーゼパッドを首の上に置いた。24時間後、これらの包帯材を除去し、交換した。最初の48時間の後、次の5日間の夜、絆創膏を用いずに、ガーゼパッドを顔に置いた。時折、ガーゼパッドが脱落したことを患者が指摘した。
【0106】
手術後第1日、水性ホメオパシー組成物を用いた領域に目に見える変色はなかった。ガーゼパッドを置いた領域で、腫脹は典型的な腫脹より90%改善し、斑状出血は95%改善した。ガーゼパッドを投与していなかった耳の後ろにいくらかの変色が観察され、本発明の限局的治療有効性を実証した。第3日、結果は同じであり、腫脹は90%減少し、斑状出血は95%減少した。患者は手術から約5日後、仕事に復帰した。
【0107】
(比較例D)
しわ切除術を治療するための非ホメオパシー療法
実施例8の治療結果との比較するために、同じ患者は、実施例8に記載したしわ切除の10年前、同じ医師によって行われた同じ手技を受けていた。このとき、患者は重度の斑状出血を患い、3週間仕事に復帰できなかった。
【実施例9】
【0108】
しわ切除術および顎インプラント外科的傷害の治療
患者に顔全体および首のリフト、ならびに顎インプラントを行った。この例でも実施例8に記載したものと同じ治療手順を用いたが、ただし水性ホメオパシー組成物を顎にも局所的に適用した。手術後第1日、第3日、および第7日、水性ホメオパシー組成物を直接適用した領域は、変色が最小であるか、変色がなく、腫脹の約90%改善および約90%低減を示した。顎の上に著しい変色が観察され、耳の後ろにわずかな変色が観察されたが、いずれの領域も混合物を直接適用していなかった。
【実施例10】
【0109】
しわ切除術外科的傷害の治療
2人の患者にしわ切除術を行い、その後、実施例8に記載したものと同じ治療方法で患者を治療した。いずれの患者も、手術後第1日および第3日に90%を超える斑状出血と腫脹の改善を示し、手術後第7日には、変色が実質的に消失した。
【0110】
(比較例E)
しわ切除術外科的傷害を治療するための経口投与
実施例8から10の治療結果を比較するために、しわ切除術を受けた29人の患者を、手術時に経口ホメオパシーアルニカまたはプラシーボで処置した。手術の朝、患者は手術前に最初の経口用量の1Mアルニカを経口投与され、手術日の手術後に2回用量の1Mアルニカを経口投与され、その後は毎日、3回用量の12Cを経口投与された。斑状出血の程度および領域を、コンピュータ色解析を用いて分析した。コントロール群とプラシーボ群との間で、斑状出血に統計的に有意な差異はなかった。すべての患者が着実な回復を示し、ほとんどの斑状出血は2週間以内に消散した。手術後第11日、コントロール群とプラシーボ群との間で、斑状出血のレベルに統計的に有意な差異はなかった。しかしながら、経口投与されたアルニカでは、斑状出血の領域に統計的に有意な減少が見られ、手術後第1日および第7日にそれぞれ9.5%および29.10%の斑状出血領域の減少を示した。一方、実施例8から10はすべて少なくとも90%の斑状出血の減少を示した。
【0111】
(比較例F)
しわ切除術外科的傷害を治療するための低ポテンシー療法
実施例8から10の治療結果を比較するために、しわ切除術外科的傷害を治療するための、低ポテンシー30C局所投与水性ホメオパシー組成物の有効性を研究した。患者に顔全体のしわ切除術を行った。手術時および外科的再建後、手術部位の上にガーゼを置いた。手術後、2×2ガーゼパッドを、それぞれ30Cのアルニカの2つのペレットを4オンスの氷水浴に加えることによって製剤化された、30Cアルニカの水性ホメオパシー組成物に浸漬した。ガーゼを折りたたみ、Tegaderm(登録商標)絆創膏の下に配置し、眼の下および頬の上のできる限り広い顔面領域を被覆するように局所投与した。Tegaderm(登録商標)で覆った、さらに2枚の2×2インチガーゼパッドを首の上に置いた。24時間後、これらのドレッシングを除去し、交換した。変色または腫脹に探知できる改善はなかった。
【実施例11】
【0112】
上および下眼瞼形成術外科的傷害の治療
男性患者に上および下眼瞼形成術を行った。手術の3時間後、2×2ガーゼパッドを、それぞれ10Mのアルニカ、ルタ、およびリーダムの2つのペレットを4オンスの氷水浴に加えることによって製剤化された、10Mのアルニカ、ルタ、およびリーダムの水性ホメオパシー組成物に浸漬した。ガーゼパッドを折りたたみ、2×2インチTegaderm(登録商標)絆創膏の下に配置し、眼の直下に局所適用した。患者は、15分間隔、即ち15分適用および15分除去で、夜間、上眼瞼に2×2ガーゼを局所適用するように指示されたが、患者は治療方法の実行に首尾一貫していなかった。手術後第1日にガーゼパッドを交換し、手術後48時間に除去した。最初の48時間の後、次の5日間夜毎に、絆創膏を用いずに、ガーゼパッドを眼に置いた。時折、ガーゼパッドが脱落したことを患者が指摘した。患者は、手術後第1日、第3日、および第7日に、眼の上部および下部で斑状出血の30%減少、および腫脹の80%減少を示した。
【実施例12】
【0113】
下眼瞼形成術外科的傷害の治療
患者に下眼瞼形成術を行った。手術中、それぞれ10Mのアルニカ、ルタ、およびリーダムの2つのペレットを4オンスの氷水浴に加えることによって製剤化された、10Mのアルニカ、ルタ、およびリーダムの水性ホメオパシー組成物を、再建組織の各部分が完了したとき、再建組織に局所適用した。手術後、2×2インチガーゼパッドを水性ホメオパシー組成物に浸漬し、折りたたみ、2×2インチTegaderm(登録商標)絆創膏の下に配置し、眼の直下に局所適用した。手術後第1日に2×2インチガーゼパッドを交換し、手術後48時間に除去した。最初の48時間の後、次の5日間の夜に、絆創膏を用いずに、ガーゼを眼に局所適用した。時折、ガーゼパッドが脱落したことを患者が指摘した。患者は、手術後第1日、第3日、および第7日に、眼の上部および下部で斑状出血の80%減少、および腫脹の80%減少を示した。
【実施例13】
【0114】
上および下眼瞼形成術外科的傷害の治療
年配の男性患者に上および下眼瞼形成手術を行った。手術中、それぞれ10Mのアルニカ、ルタ、およびリーダムの2つのペレットを4オンスの氷水浴に加えることによって製剤化された、10Mのアルニカ、ルタ、およびリーダムの水性ホメオパシー組成物を、再建組織の各部分が完了したとき、再建組織に局所適用した。水性ホメオパシー組成物に浸漬した2×2ガーゼを、15分間隔、即ち15分適用および15分除去で、48時間、眼に適用した。絆創膏を用いず、夜間ガーゼは脱落した。最初の48時間の後、次の5日間の夜に、絆創膏を用いずに、混合物を眼に置いた。時折、ガーゼパッドが脱落したことを患者が指摘した。この患者は、手術後第2から7日に、眼の上部および下部で斑状出血の80%減少、および腫脹の90%減少を示した。手術後第2から5日に、皮膚のいくらかの黄変が観察された。
【実施例14】
【0115】
上および下眼瞼形成術外科的傷害の治療
選択的上および下眼瞼形成術を受ける年配の女性患者に、実施例13で用いたものと同じ方法を用いた。患者は非常にわずかな変色および腫脹を報告し、眼の上部および下部で斑状出血の90%減少、および腫脹の90%減少を示した。
【実施例15】
【0116】
上眼瞼形成術外科的傷害の治療
患者に上眼瞼形成術を行った。手術中、それぞれ10Mのアルニカ、ルタ、およびリーダムの2つのペレットを4オンスの氷水浴に加えることによって製剤化された、10Mのアルニカ、ルタ、およびリーダムの水性ホメオパシー組成物を、再建組織の各部分が完了したとき、再建組織に局所適用した。水性ホメオパシー組成物は、手術後約1時間適用した。手術後第1日、第3日、および第7日に、変色または腫脹は認められず、98%の改善を示した。
【実施例16】
【0117】
脂肪吸引外科的傷害の治療
女性患者は、左および右側腹部の脂肪吸引を受けた。チャックス(chux)パッドを、10Mアルニカの水性ホメオパシー組成物に浸漬し、身体の右側の手術領域に適用した。同一のチャックスパッドを真水に浸漬し、左側手術領域に適用した。サランラップおよび圧迫帯を両側のチャックスパッドの上に適用した。約24時間後、チャックスパッドを取り除き、それぞれの側を撮影した。身体の右側は、特に上部領域において、左と比較して、少なくとも60%の変色の減少を示した。さらに、圧迫帯を適用するとき、チャックスパッドが不注意に移動し、全手術領域が被覆されてはいなかった。右側では、チャックスパッドを適用した正確な位置と一致する、斑状出血のない場所と、処置組織に隣接した、適用のなかった、重度斑状出血のある場所(約60%不良)との間に、明確なラインが明らかとなった。ホメオパシー適用パッドのすぐ外側の領域は、チャックスパッドを用いて治療した領域より、60%多く挫傷していた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.ポテンシー少なくとも400Cを有するホメオパシー組成物を体表面に局所適用するステップ、および
b.連続的に少なくとも30分間、または断続的に24時間で合計2時間以上、ホメオパシー組成物を水性環境において、体表面と接触させて維持するステップ
を含む治療方法。
【請求項2】
前記ホメオパシー組成物が、ポテンシー少なくとも1Mを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ホメオパシー組成物が、ポテンシー少なくとも10Mを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ホメオパシー組成物が、アルニカ・モンタナ、ベリス・ペレンニス、カルカレア・ホスホリカ、カレンデュラ、ハイペリカム・パーフォラタム、リーダム・パルストレ、ルス・トキシコデンドロン、ミレフォリウム、ルタ・グラベオレンス、シンフィツム・オフィキナーレ、アピス・メリ、カンサリス、ウルティカルティア(Urticartia)・ウレンス、ベラドンナ、フェルム・メタリクム、スタファサグリア、ヘパー・スルフェリクム、ユーパトリウム・ペルフォリアタム、ブライオニア、ナトラム・スルフェリクム、カルカレア・カルボニカ、およびハマメリスからなる群から選択された1種以上の活性成分を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ホメオパシー組成物が、アルニカ・モンタナ、ベリス・ペレンニス、カルカレア・ホスホリカ、カレンデュラ、ハイペリカム・パーフォラタム、リーダム・パルストレ、ルス・トキシコデンドロン、ミレフォリウム、ルタ・グラベオレンス、シンフィツム・オフィキナーレ、アピス・メリ、カンサリス、ウルティカルティア(Urticartia)・ウレンス、ベラドンナ、フェルム・メタリクム、スタファサグリア、ヘパー・スルフェリクム、ユーパトリウム・ペルフォリアタム、ブライオニア、ナトラム・スルフェリクム、カルカレア・カルボニカ、およびハマメリスからなる群から選択された1種以上の活性成分を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
ホメオパシー組成物が、アルニカ・モンタナ、ベリス・ペレンニス、カルカレア・ホスホリカ、カレンデュラ、ハイペリカム・パーフォラタム、リーダム・パルストレ、ルス・トキシコデンドロン、ミレフォリウム、ルタ・グラベオレンス、シンフィツム・オフィキナーレ、アピス・メリ、カンサリス、ウルティカルティア(Urticartia)・ウレンス、ベラドンナ、フェルム・メタリクム、スタファサグリア、ヘパー・スルフェリクム、ユーパトリウム・ペルフォリアタム、ブライオニア、ナトラム・スルフェリクム、カルカレア・カルボニカ、およびハマメリスからなる群から選択された1種以上の活性成分を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
ホメオパシー組成物が、アルニカ・モンタナ、ルス・トキシコデンドロン、ルタ・グラベオレンス、およびリーダム・パルストレからなる群から選択された活性成分を含み、ならびにホメオパシー組成物は、軟部組織の疼痛および炎症を治療するために用いることができる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ホメオパシー組成物が、鼻形成術、しわ切除術、または他の形成外科手術後の対象に投与される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ホメオパシー組成物が、前十字靱帯の傷害の対象に投与される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
ホメオパシー組成物が、手術後の軟部組織修復の対象に投与される、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
ホメオパシー組成物が、ハイペリカム・パーフォラタムを含み、ならびに神経組織の疼痛および炎症を治療するために対象に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
ホメオパシー組成物が、カレンデュラおよびスタファサグリアを含み、ならびに創傷治癒を促進するために投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
ホメオパシー組成物が、シンフィツム・オフィキナーレを含み、ならびに骨折を治療するために対象に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
ホメオパシー組成物が、ナトラム・スルフェリクムを含み、ならびに頭部傷害を治療するために対象に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
ホメオパシー組成物が、アルニカ・モンタナおよびリーダム・パルストレを含み、ならびに関節傷害による疼痛および炎症を治療するために対象に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
ホメオパシー組成物が、アルニカ・モンタナおよびルス・トキシコデンドロンを含み、ならびに関節傷害による疼痛および炎症を治療するために投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
ホメオパシー組成物が、アルニカ・モンタナおよびハイペリカム・パーフォラタムを含み、ならびに関節傷害による疼痛および炎症を治療するために投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
ホメオパシー組成物が、アルニカ・モンタナ、ハイペリカム・パーフォラタム、カレンデュラ、およびスタファサグリアの1種以上を含み、ならびに外科的切開または創傷を治療するために対象に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
ホメオパシー組成物が、ユーパトリウム・ペルフォリアタム、カルカレア・カルボニカ、およびカルカレア・ホスホリカを含み、ならびに骨折を治療するために対象に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
ホメオパシー組成物が、アルニカ・モンタナおよびベリス・ペレンニスを含み、ならびに疼痛、炎症、および組織修復の1つ以上のために対象に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
ホメオパシー組成物が、アルニカ・モンタナを含み、ならびに軟部組織の疼痛および炎症を治療するために対象に投与される、請求項1の方法。
【請求項22】
治療が、鼻形成術、しわ切除術、または他の形成外科手術後の対象を治療することを含む、請求項21の方法。
【請求項23】
治療が、前十字靱帯の断裂または傷害の対象を治療することを含む、請求項21の方法。
【請求項24】
治療が、手術後の軟部組織修復の対象を治療することを含む、請求項21の方法。
【請求項25】
ホメオパシー組成物が、アルニカ・モンタナを含み、ならびに軟部組織の疼痛および炎症を治療するために対象に投与される、請求項3の方法。
【請求項26】
治療が、鼻形成術、しわ切除術、または他の形成外科手術後の対象を治療することを含む、請求項25の方法。
【請求項27】
治療が、前十字靱帯の断裂または傷害の対象を治療することを含む、請求項25の方法。
【請求項28】
治療が、手術後の軟部組織修復の対象を治療することを含む、請求項25の方法。
【請求項29】
ホメオパシー組成物が、ルス・トキシコデンドロンを含み、ならびに軟部組織の疼痛および炎症を治療するために対象に投与される、請求項1の方法。
【請求項30】
方法が、前十字靱帯の断裂または傷害を治療する、請求項29の方法。
【請求項31】
治療が、手術後の軟部組織修復の対象を治療することを含む、請求項29の方法。
【請求項32】
ホメオパシー組成物が、ルス・トキシコデンドロンを含み、ならびに軟部組織の疼痛および炎症を治療するために用いられる、請求項3の方法。
【請求項33】
治療が、前十字靱帯の断裂または傷害の対象を治療することを含む、請求項32の方法。
【請求項34】
治療が、手術後の軟部組織修復の対象を治療することを含む、請求項32の方法。
【請求項35】
ホメオパシー組成物が、ルタ・グラベオレンスを含み、ならびに軟部組織の疼痛および炎症、または組織修復を治療するために用いられる、請求項1の方法。
【請求項36】
ホメオパシー組成物が、リーダム・パルストレを含み、ならびに軟部組織の疼痛および炎症、または組織修復を治療するために用いられる、請求項1の方法。
【請求項37】
前記ホメオパシー組成物が、24時間で少なくとも2時間、前記体表面に連続的に局所投与される、請求項1の方法。
【請求項38】
前記ホメオパシー組成物が、24時間で少なくとも4時間、前記体表面に連続的に局所投与される、請求項1の方法。
【請求項39】
前記ホメオパシー組成物が、24時間で少なくとも8時間、前記体表面に連続的に局所投与される、請求項1の方法。
【請求項40】
前記ホメオパシー組成物が、24時間で少なくとも12時間、前記体表面に連続的に局所投与される、請求項1の方法。
【請求項41】
前記ホメオパシー組成物が、少なくとも24時間、前記体表面に連続的に局所投与される、請求項1の方法。
【請求項42】
前記ホメオパシー組成物が、少なくとも36時間、前記体表面に連続的に局所投与される、請求項1の方法。
【請求項43】
前記ホメオパシー組成物が、少なくとも48時間、前記体表面に連続的に局所投与される、請求項1の方法。
【請求項44】
前記体表面が、粘膜でない、請求項1の方法。
【請求項45】
前記体表面が、皮膚である、請求項1の方法。
【請求項46】
a.ポテンシー少なくとも400Cを有する水性ホメオパシー組成物を体表面に局所適用するステップ、および
b.連続的に少なくとも30分間、または断続的に24時間で合計2時間以上、ホメオパシー組成物を水性環境において、体表面と接触させて維持するステップ
を含む治療方法。
【請求項47】
a.ポテンシー少なくとも400Cを有するホメオパシー組成物を体表面に局所適用するステップ、および
b.深部組織創傷または外科的傷害を有効に治療するのに十分な長期間、ホメオパシー組成物を水性環境において、体表面と接触させて維持するステップ
を含む治療方法。
【請求項48】
前記方法が、脂肪吸引、脂肪彫刻、鼻形成術、しわ切除術、眼瞼形成術、硬化療法、腟形成術、陰茎形成術、陰唇形成術、腹壁形成術、化学的表皮剥離、外科的増大術、外科的インプラント、外科的縮小術、ほくろ切除術、瘢痕切除または修復、刺青除去、皮膚リサーフェシング、皮膚切除、およびコラーゲン注入からなる群から選択された形成外科的手技に関連する傷害を有効に治療する、請求項47の方法。
【請求項49】
前記方法が、上皮組織、結合組織、筋肉、神経組織、器官、神経、脳、細動脈、リンパ管、または骨からなる群から選択された身体部分の深部組織創傷を有効に治療する、請求項47の方法。
【請求項50】
前記方法が、循環器系、消化器系、内分泌系、リンパ系、外皮系、筋肉系、神経系、生殖器系、呼吸器系、骨格系、泌尿器系、感覚系、または排泄系の深部組織創傷を有効に治療する、請求項47の方法。

【公表番号】特表2012−501348(P2012−501348A)
【公表日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−525261(P2011−525261)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【国際出願番号】PCT/US2009/055456
【国際公開番号】WO2010/025430
【国際公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.サランラップ
【出願人】(511051694)
【Fターム(参考)】