説明

ホルダー

【課題】 鍋の蓋や箸、杓子、トング等を安定して清潔に仮置きすることができるようにすることにある。
【解決手段】 球形状になった弾性変形が自在な合成樹脂製のブロック体1に、ほぼ平行に一対のスリット2、3を切り込み形成し、上位である一方のスリット2をしゃもじ、杓子、鍋蓋等の縁に嵌め込み自在にすると共に、下位である他方のスリット3を皿、ボウル等の縁に嵌め込み自在に構成し、蓋や杓子等を安定した姿勢で清潔に仮置き保持するものであり、ボウルの縁に一対のブロック体1を嵌め込んで箸を立脚挟持したり、固いものを切断する際に包丁の背に嵌め込んで掌を保護したりすることもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理器具を仮置きする際に使用するホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
調理や食事に際しては、鍋、釜、フライパン、蒸し器、或いは、皿、ボウル、椀、等の食器、更には、スプーンやフォーク、ナイフや包丁、箸、しゃもじ、杓子、トング等、多種多様の道具が使用されるが、他の作業を並行して行わなければならないような場合、その道具を使用時に仮置きしなければならなくなることがある。
【0003】
例えば、煮炊き中の鍋に具を入れるため蓋をとった際のその蓋の仮置きは、単に調理台上に置くだけであるので、蓋や調理台が汚れたり、付着した蒸気水分や汁がたれたり、そして熱で火傷したり、再度蓋をする際に取り扱い易いにくかったり、等の問題があった。或いは杓子やトング等は、単純に皿の上に置くことが殆どであるが、形状自体よりして仮置きするのに不安定であり、更には上記と同様の不満が残る。また、菜箸等は転がりやすい問題もある。
これ等の従来の欠点、不満点に鑑みて、例えば以下の文献の如き発明の提案がある。
【特許文献1】特開平8−224179号公報
【特許文献2】特開平9−65990号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の発明は、鍋の把手部分にクリップを固定し、そのクリップに箸や杓子を保持させる構成であるので、構成が複雑で手軽とはいえず、把手部分への装着であるので、重量バランスが崩れたり手を引掛たりして鍋を傾けてしまったりする危険性がある。また上記特許文献2の発明は、単にトングを安定して置くことができるだけであるので、汁がたれる問題がある。
【0005】
よって本発明は、この従来の不満点を解消し要求に応えるべく発明されたホルダーであって、鍋の蓋や箸、杓子、トング等を安定して清潔に仮置きすることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため本発明は、弾性変形が自在な合成樹脂製のブロック体に、ほぼ平行に一対のスリットを切り込み形成し、一方のスリットをしゃもじ、杓子、鍋蓋等の縁に嵌め込み自在にすると共に、他方のスリットを皿、ボウル等の縁に嵌め込み自在にしたことを特徴とする構成である。
【0007】
またこの場合、ブロック体を球形状としたことを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0008】
本発明のホルダーは上述したような構成であるので、下位のスリットを皿、ボウル等の縁に嵌め込むと共に、上位のスリットをしゃもじ、杓子、鍋蓋等の縁に嵌め込めば、鍋蓋等を安定した姿勢で皿等の上に仮置きすることができる。
【0009】
そしてこの姿勢では、蓋や調理台を汚すこともなく、付着した蒸気水分や汁を皿上にたらすことができ、火傷の危険性もなく、再度使用する際には単上位のスリットを蓋等から外せば良いので取り扱い易い。
【0010】
また、一対の本発明のホルダーをボウル等の縁に嵌め込み、両ホルダー間で箸等を挟持すれば、箸等を立てたまま仮置き保持することができる。
【0011】
更に、包丁の背にホルダーを嵌め込めば、固いものを切断する際、手を押し当てても掌をいためることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
弾性変形が自在な比較的硬質の合成樹脂製である球形状のブロック体1にあって、上位の一方のスリット2は、ほぼ直径線上に半径線まで切り込まれ、平行に切り込まれた下位の他方のスリット3の上面には、滑り止め用の複数の突条4が設けられている。この突条4は、必要に応じてスリット3の下面にも設けて良く、更にはスリット2の上下面の何れか、または両面にも設けて良い。
【0013】
尚、ブロック体1の下端部は削切されて平坦部5となっており、球形状のブロック体1の単独での立脚姿勢が安定できるようになっている。また上位のスリット2は、鍋蓋や杓子の縁を嵌め込みやすくし且つ保持を確実にするため、開口端は広く、奥になるに従って狭くなる構成にしてある。
【実施例1】
【0014】
図3は杓子6を保持する形態を示すもので、(a)は斜視図、(b)は断面図であり、下位のスリット3を受け皿7の縁に嵌め込み、上位のスリット2を杓子6の椀部8の縁に嵌め込んだものである。ここでは、杓子6を立脚姿勢で安定して保持することができ、使用直後で椀部8に汁等が付着していても受け皿7にたらすことができるので周囲を汚すことはなく、しかも椀部8下面の衛生も維持することができる。
【0015】
また、再使用の際は、単に椀部8をブロック体1から外すだけで良く、嵌め込むときと同様、椀部8に直接手を触れることはないので火傷等の危険性もない。
【実施例2】
【0016】
図4は鍋の蓋9を保持する形態を示すもので、下位のスリット3を受け皿7の縁に嵌め込み、上位のスリット2を鍋の蓋9の縁に嵌め込んだものである。ここでは、蓋9を伏せた姿勢で安定して保持することができ、使用直後で蓋9の内面に蒸気水分や汁等が付着していても受け皿7にたらすことができるので周囲を汚すことはなく、しかも蓋9の内面の衛生も維持することができる。
【0017】
そして、受け皿7の反対側にも予備のブロック体1を嵌め込んでおけば蓋9の反対側近傍を下方から支持することになるので、蓋9自体が若干傾斜した姿勢になり、図面のように蓋9が受け皿9よりも小さい場合、蓋9の蒸気水分等を受け皿7に流したらすことができる。また、再使用の際は、単に蓋9をブロック体1から外すだけで良く、嵌め込むときと同様、蓋9に直接手を触れることはないので火傷等の危険性もない。
【実施例3】
【0018】
図5はボウル10内に箸11を立てたまま保持する形態を示すもので、一対のブロック体1の夫々の下位のスリット3をボウル10の縁に並べて嵌め込み、両ブロック体1間で箸11を挟持すれば、箸11を立てたまま安定して保持することができ、使用直後で箸11の先端に汁等が付着していても周囲を汚すことはなく、しかも衛生的であり、再使用の際の取り扱いも、単に挟持を外すだけであるので簡単である。
【実施例4】
【0019】
図6は包丁12の背にブロック体1を嵌め込んだ形態を示すもので、固いものを切断する際に掌をブロック体1に押し当てて操作すれば、掌を保護することができる。
【0020】
尚、各実施例でブロック体1は略球形であるが、これに限定されるものではなく、椀部8や受け皿9の縁が確実に嵌まり込むことができるようにスリット2、3を切り込み形成できれば、例えば立方体等であっても良い。また、球形の場合、スリットを口に見立てた頭部とし、適宜の位置に眼を描いたり髪の毛を付設したりしても良いものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のホルダーの斜視図である。
【図2】本発明のホルダーの断面図である。
【図3】杓子を保持する形態を示す、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
【図4】鍋の蓋を保持する形態を示す斜視図である。
【図5】箸を保持する形態を示す斜視図である。
【図6】包丁に使用する場合の斜視図である。
【符号の説明】
【0022】
1 ブロック体
2 上位の一方のスリット
3 下位の他方のスリット
4 突条
5 平坦部
6 杓子
7 受け皿
8 椀部
9 蓋
10 ボウル
11 箸
12 包丁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性変形が自在な合成樹脂製のブロック体(1)に、ほぼ平行に一対のスリット(2)(3)を切り込み形成し、一方のスリット(2)をしゃもじ、杓子、鍋蓋等の縁に嵌め込み自在にすると共に、他方のスリット(3)を皿、ボウル等の縁に嵌め込み自在にしたことを特徴とするホルダー。
【請求項2】
ブロック体(1)を球形状としたことを特徴とする請求項1に記載のホルダー。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−51167(P2006−51167A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−234691(P2004−234691)
【出願日】平成16年8月11日(2004.8.11)
【出願人】(591203831)株式会社マーナ (11)
【Fターム(参考)】