説明

ホルムアルデヒドの分解方法、及び、新規微生物

【課題】十分にホルムアルデヒドを分解できるホルムアルデヒドの分解方法、及び、新規微生物を提供すること。
【解決手段】 本発明は、ホルムアルデヒド分解能力を有する微生物を用いたホルムアルデヒドの分解方法であって、微生物が、土壌に含まれ、且つ0.1質量%の蟻酸を含む培地、及び、0.1質量%のホルムアルデヒドを含む培地、において生育可能なものであるホルムアルデヒドの分解方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホルムアルデヒドの分解方法、及び、新規微生物に関する。
【背景技術】
【0002】
ホルムアルデヒドは、接着剤の硬化剤、繊維の改質剤、或いは、消毒剤等として広範に用いられている。
一方でホルムアルデヒドは、シックハウス症候群の原因物質の一つとされる等、刺激性が強く、細胞毒性を有することから、効果的なホルムアルデヒドの分解方法の開発が望まれている。
【0003】
かかる分解方法として、ホルムアルデヒドを活性炭や吸着シートを用いて吸着させる吸着法(例えば、特許文献1及び2参照)が提案されている。
ところが、これらの方法では、ホルムアルデヒドの再放出の問題があり、厚生労働省が設けた室内濃度0.08ppm以下という作業指針を確実にクリアすることは困難である。
【0004】
これに対し、所定の微生物を用いたホルムアルデヒドの分解方法が検討されている。なお、微生物を用いてホルムアルデヒドを分解すれば、再放出の問題は解決されることになる。
【0005】
例えば、ホルムアルデヒド分解能力を有する微生物として、ペシロマイセス(Paecilomyces)属に属するFERM P−18289菌株(例えば、特許文献3参照)やトリコデルマ(Tricoderma)属に属するFERM AP−20460菌株(例えば、特許文献4参照)等を用いたホルムアルデヒドの分解方法が提案されている。
【特許文献1】特開2002−191970号公報
【特許文献2】特開2003−340277号公報
【特許文献3】特許第3774774号公報
【特許文献4】特開2006−333864号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1又は2に記載の菌株では、ホルムアルデヒドの分解能力が十分であるとはいえない。特に、培地成分無添加の条件下では、ホルムアルデヒドの分解能力が劣る。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、十分にホルムアルデヒドを分解できるホルムアルデヒドの分解方法、及び、新規微生物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、ホルムアルデヒドは酸化すると蟻酸になることから、蟻酸に対する耐性も備える微生物を用いることがホルムアルデヒドの分解に効果的であるのではないかと考えた。
そして、本発明者らはかかる推測に基づいて更に鋭意研究を重ねた結果、以下の発明により上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、(1)ホルムアルデヒド分解能力を有する微生物を用いたホルムアルデヒドの分解方法であって、微生物が、土壌に含まれ、且つ0.1質量%の蟻酸を含む培地、及び、0.1質量%のホルムアルデヒドを含む培地、において生育可能なものであるホルムアルデヒドの分解方法に存する。
【0010】
本発明は、(2)培地成分無添加の条件下で、微生物を用いることによりホルムアルデヒドを分解する上記(1)記載のホルムアルデヒドの分解方法に存する。
【0011】
本発明は、(3)微生物をセルロースに吸着させて用いることによりホルムアルデヒドを分解する上記(1)記載のホルムアルデヒドの分解方法に存する。
【0012】
本発明は、(4)微生物が、ペシロマイセス(Paecilomyces)属に属し、受領番号FERM AP−21325で寄託されているPaecilomyces sp. HH26菌株、又は、トリコデルマ(Tricoderma)属に属し、受領番号FERM AP−21326で寄託されているTricoderma sp. YH11菌株、である上記(1)記載のホルムアルデヒドの分解方法に存する。
【0013】
本発明は、(5)ペシロマイセス(Paecilomyces)属に属し、受領番号FERM AP−21325で寄託されているPaecilomyces sp. HH26菌株に存する。
【0014】
本発明は、(6)トリコデルマ(Tricoderma)属に属し、受領番号FERM AP−21326で寄託されているTricoderma sp. YH11菌株に存する。
【0015】
なお、本発明の目的に添ったものであれば、上記(1)〜(6)を適宜組み合わせた構成も採用可能である。
【発明の効果】
【0016】
本発明のホルムアルデヒドの分解方法においては、土壌に含まれ、且つ0.1質量%の蟻酸を含む培地、及び、0.1質量%のホルムアルデヒドを含む培地、において生育可能な微生物を用いることにより、十分にホルムアルデヒドを分解できる。
【0017】
このように、上記ホルムアルデヒドの分解方法において、上記微生物を用いることにより、十分にホルムアルデヒドを分解できる理由については、定かではないが、微生物がホルムアルデヒドを分解すると共に、ホルムアルデヒドの酸化によって生じる蟻酸に対しても生育可能であるためではないかと推察される。なお、理由はこれに限定されない。
【0018】
上記ホルムアルデヒドの分解方法においては、培地成分無添加の条件下で、上記微生物を用いた場合であっても、十分にホルムアルデヒドを分解できる。
すなわち、この場合、培地成分の添加やpH調整が不要となる。
【0019】
上記ホルムアルデヒドの分解方法においては、微生物をセルロースに吸着させて用いると、ホルムアルデヒドを繰り返し分解できる。
すなわち、上記微生物を吸着したセルロースに、所定濃度のホルムアルデヒドを添加すると、そのホルムアルデヒドが分解され、その後、これに、別途、所定濃度のホルムアルデヒドを添加すると、繰り返して、ホルムアルデヒドが分解されることになる。
【0020】
上記ホルムアルデヒドの分解方法においては、微生物が、ペシロマイセス(Paecilomyces)属に属し、受領番号FERM AP−21325で寄託されているPaecilomyces sp. HH26菌株、又は、トリコデルマ(Tricoderma)属に属し、受領番号FERM AP−21326で寄託されているTricoderma sp. YH11菌株、であると、蟻酸を分解する能力も備えるので、ホルムアルデヒドのみならず、ホルムアルデヒドが酸化して生じる蟻酸も確実に分解し、ホルムアルデヒド及び蟻酸を確実に二酸化炭素とすることができる。
【0021】
本発明の受領番号FERM AP−21325で寄託されているPaecilomyces sp. HH26菌株又は受領番号FERM AP−21326で寄託されているTricoderma sp. YH11菌株によれば、上述したように、確実にホルムアルデヒドを分解できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本実施形態に係るホルムアルデヒド分解能力を有する微生物は、以下の方法により得られる。
(1)土壌を0.1質量%の蟻酸を含む培地に加え、4日間経過後に生育してきた微生物を単離する。
(2)単離した微生物を、0.1質量%のホルムアルデヒドを含む培地に加え、1週間経過後に生育してきた微生物を単離する。
【0023】
これら(1)及び(2)のスクリーニングにより、新規微生物であるPaecilomyces sp. HH26菌株、Tricoderma sp. YH11菌株が得られる。
【0024】
ここで、新規微生物であるPaecilomyces sp. HH26菌株及びTricoderma sp. YH11菌株の同定方法について説明する。
【0025】
これらの新規微生物は、28S rDNA−D1/D2解析によって同定される。
すなわち、これらの新規微生物のゲノムDNAを抽出し、PCRにて増幅し、精製した後、サイクルシークエンシング法によって塩基配列が解析される。
そして、かかる塩基配列から系統樹を作成し、新規微生物を同定する。なお、系統樹の推定には近隣結合法が用いられる。
【0026】
次に、Paecilomyces sp. HH26菌株及びTricoderma sp. YH11菌株の形態観察及び菌類学的性質について説明する。
【0027】
図1は、本発明のPaecilomyces sp. HH26菌株の巨視的観察像を示す顕微鏡写真である。なお、かかる写真は、Paecilomyces sp. HH26菌株を温度30℃の条件下、1週間培養したものである。
図1に示すように、Paecilomyces sp. HH26菌株においては、PDA平板培地上におけるコロニー生長が速く、黄土色、ビロード状のコロニーの形成が認められる。
【0028】
図2は、本発明のPaecilomyces sp. HH26菌株の微視的観察像を示す顕微鏡写真である。なお、写真の倍率は600倍である。
図2に示すように、Paecilomyces sp. HH26菌株においては、栄養菌糸から直立した分生子柄の先端部に単生あるいは論生するように頸部が細いくちばし状のフィアライドが形成され、その先端部から楕円形からレモン形の分生子が連鎖して形成されている。なお、培養2週間を経過した平板で有性生殖器官の形成は認められない。
これらのPaecilomyces sp. HH26菌株の菌類学的性質を表1に示す。
【0029】
【表1】

【0030】
図3は、本発明のTricoderma sp. YH11菌株の巨視的観察像を示す顕微鏡写真である。なお、かかる写真は、Tricoderma sp. YH11菌株を温度25℃の条件下、1週間培養したものである。
図3に示すように、Tricoderma sp. YH11菌株においては、PDA平板培地上におけるコロニー生長が速く、緑白色から黄緑色、羊毛状のコロニーの形成が認められる。
【0031】
図4は、本発明のTricoderma sp. YH11菌株の微視的観察像を示す顕微鏡写真である。なお、写真の倍率は600倍である。
図4に示すように、Tricoderma sp. YH11菌株においては、栄養菌糸よりやや規則的に分岐、伸長した分生子柄からフラスコ型の分生子形成細胞を生じ、これより球形で1細胞のフィアロ型分生子が形成されている。
【0032】
これらのTricoderma sp. YH11菌株の菌類学的性質を表2に示す。
【表2】

【0033】
上述した新規微生物の同定の結果、Paecilomyces sp. HH26菌株は、塩基配列が子嚢菌門の一種であるByssochlamysの塩基配列、及びPaecilomycesの塩基配列と高い相同性を示した。また、上述した新規微生物の形態観察及び菌類学的性質の結果、Paecilomyces属の形態的特徴が認められ、且つ有性生殖器官の形成が観察されなかった。
これらのことから、Paecilomyces sp. HH26菌株は、ペシロマイセス(Paecilomyces)属に属すると推定される。
【0034】
なお、Paecilomyces sp. HH26菌株は以下の国際機関に寄託されている。
名称:独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター
住所:日本国茨城県つくば市東1丁目1−1 中央第6 (郵便番号305−8566)
寄託日:平成19年7月25日
受領番号:FERM AP−21325
【0035】
上述した新規微生物の同定の結果、Tricoderma sp. YH11菌株は、塩基配列が子嚢菌門の一種であるTricodermaの塩基配列、及びHypocreaの塩基配列と高い相同性を示した。また、上述した新規微生物の形態観察及び菌類学的性質の結果、Tricoderma属の形態的特徴が認められた。
これらのことから、Tricoderma sp. YH11菌株は、トリコデルマ(Trichoderma)属に属すると推定される。
【0036】
なお、Tricoderma sp. YH11菌株は以下の国際機関に寄託されている。
名称:独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター
住所:日本国茨城県つくば市東1丁目1−1 中央第6 (郵便番号305−8566)
寄託日:平成19年7月25日
受領番号:FERM AP−21326
【0037】
次に、上述した新規微生物であるPaecilomyces sp. HH26菌株又はTricoderma sp. YH11菌株を用いたホルムアルデヒドの分解方法について説明する。
【0038】
本実施形態に係るホルムアルデヒドの分解方法においては、水を媒体として上記新規微生物をホルムアルデヒドに接触させることにより、ホルムアルデヒドが分解される。
【0039】
このとき、水及びホルムアルデヒドの総量に対するホルムアルデヒドの量が、0.2質量%以下であることが好ましい。
この場合、確実にホルムアルデヒドを分解できる。
なお、水及びホルムアルデヒドの他に蟻酸が含まれている場合は、水、ホルムアルデヒド及び蟻酸の総量に対するホルムアルデヒド及び蟻酸の量が、0.2質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましい。
【0040】
ここで、上記新規微生物は、所定の担体に吸着させてホルムアルデヒド分解剤とし、これを用いることが好ましい。なお、新規微生物を所定の担体に吸着させる方法は、新規微生物と担体とを混ぜればよい。
かかる担体の材質としては、エチルセルロース等のセルロース、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、活性炭等が挙げられ、担体の構造としては、格子状、膜状等が挙げられる。
【0041】
これらの中でも、取扱性、新規微生物の吸着性の観点から、格子状のエチルセルロースであることが好ましい。
また、格子状のエチルセルロースの中でも、弾力性に富むスポンジ状であり、且つ格子の直径が2〜5mm、平均孔径が0.5〜2mmであるものがより好ましい。
【0042】
本実施形態に係るホルムアルデヒドの分解方法においては、上記新規微生物を用いることにより、十分にホルムアルデヒドを分解できる。
【0043】
また、培地成分無添加の条件下で、上記新規微生物を用いた場合であっても、十分にホルムアルデヒドを分解できる。すなわち、培地成分の添加やpH調整が不要であり、ホルムアルデヒドを含む廃液等に直接投入することも可能となる。
【0044】
さらに、上記新規微生物を担体に吸着させて用いると、ホルムアルデヒドを繰り返し分解できる。すなわち、上記新規微生物を吸着したセルロースに、所定濃度のホルムアルデヒドを添加すると、そのホルムアルデヒドが分解され、その後、これに、別途、所定濃度のホルムアルデヒドを添加すると、繰り返して、ホルムアルデヒドが分解されることになる。
【0045】
さらにまた、上記新規微生物は、新規微生物を担体に吸着させ、ホルムアルデヒド分解剤とすることにより、乾燥させても死滅しないという利点がある。このことから、上記新規微生物は、搬送や保存が容易である。
【0046】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0047】
例えば、本実施形態に係るホルムアルデヒドの分解方法においては、微生物として、新規微生物であるPaecilomyces sp. HH26菌株又はTricoderma sp. YH11菌株を用いているが、土壌に含まれ、且つ0.1質量%の蟻酸を含む培地、及び、0.1質量%のホルムアルデヒドを含む培地、において生育可能なものであれば上記新規微生物に限定されない。
【0048】
また、本発明の新規微生物によれば、ホルムアルデヒドのみならず、アセトアルデヒド、ジメチルホルムアルデヒド等の分解も可能である。
【実施例】
【0049】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0050】
(微生物のスクリーニング)
探索用培地として、表3に示す組成培地(med1)を用いた。この培地に0.1質量%蟻酸と土壌のサンプルを加え、30℃で約1週間培養し、生育してきた微生物を単離した。
【0051】
【表3】

【0052】
次に、単離した微生物の中で0.1質量%のホルムアルデヒドを含む培地中で、1週間経過後に生育してきた微生物を単離した。
その結果、Paecilomyces sp. HH26菌株、及び、Tricoderma sp. YH11菌株が得られた。
【0053】
[ホルムアルデヒド分解除去試験1]
0.5質量%の蟻酸を含む培地中に、Paecilomyces sp. HH26菌株と0.3gのエチルセルロース(担体)とを加え混合させることにより、Paecilomyces sp. HH26菌株がエチルセルロースに吸着されたホルムアルデヒド分解剤(以下便宜的に「第1分解剤」という。)を得た。
次いで、ホルムアルデヒドを1000ppm含有する溶液20mlに第1分解剤を加え、室温で放置した。
【0054】
そして、ホルムアルデヒドが10ppm以下に減少した後、別途、ホルムアルデヒドを1500ppm又は2000ppm含有する溶液20mlを加えた。
経時的に測定したホルムアルデヒド濃度を図5に示す。なお、本実施例におけるホルムアルデヒド濃度の測定にはFormaldehyde−Test wako(Wako Pure Chemical Industries, Ltd)を用いた。
また、図5中、(a)が1000ppmのホルムアルデヒド分解除去のグラフを示し、(b)が1500ppmのホルムアルデヒド分解除去のグラフを示し、(c)が2000ppmのホルムアルデヒド分解除去のグラフを示す。
【0055】
[ホルムアルデヒド分解除去試験2]
ホルムアルデヒドを1000ppm含有する溶液20mlに上記第1分解剤を加え、室温で放置した。
そして、約1日後、別途、ホルムアルデヒドを1000ppm含有する溶液20mlを加えた。この操作を10回繰り返した。
経時的に測定したホルムアルデヒド濃度を図6に示す。
【0056】
[ホルムアルデヒド分解除去試験3]
0.1質量%の蟻酸を含む培地中に、Tricoderma sp. YH11菌株と0.3gのエチルセルロース(担体)を加え混合させることにより、Tricoderma sp. YH11菌株がエチルセルロースに吸着されたホルムアルデヒド分解剤(以下便宜的に「第2分解剤」という。)を得た。
【0057】
第1分解剤の代わりに、第2分解剤を用いたこと以外は、ホルムアルデヒド分解除去試験2と同様にして、試験を行った。なお、ホルムアルデヒド分解除去試験3においては、操作の繰り返しを5回とした。
経時的に測定したホルムアルデヒド濃度を図7に示す。
【0058】
以上のホルムアルデヒド分解除去試験1〜3より、本発明の新規微生物によれば、高濃度のホルムアルデヒドを分解可能であることが確認された。
また、上記新規微生物を用いれば、繰り返してホルムアルデヒドを分解できることが確認された。
これらのことにより、本発明の新規微生物によれば、建材、家具、医療及び繊維業界における室内環境汚染や排水処理問題の原因となるホルムアルデヒドを十分に分解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】図1は、本発明のPaecilomyces sp. HH26菌株の巨視的観察像を示す顕微鏡写真である。
【図2】図2は、本発明のPaecilomyces sp. HH26菌株の微視的観察像を示す顕微鏡写真である。
【図3】図3は、本発明のTricoderma sp. YH11菌株の巨視的観察像を示す顕微鏡写真である。
【図4】図4は、本発明のTricoderma sp. YH11菌株の微視的観察像を示す顕微鏡写真である。
【図5】図5は、実施例におけるホルムアルデヒド分解除去試験1の結果を示すグラフである。
【図6】図6は、実施例におけるホルムアルデヒド分解除去試験2の結果を示すグラフである。
【図7】図7は、実施例におけるホルムアルデヒド分解除去試験3の結果を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホルムアルデヒド分解能力を有する微生物を用いたホルムアルデヒドの分解方法であって、
前記微生物が、土壌に含まれ、且つ0.1質量%の蟻酸を含む培地、及び、0.1質量%のホルムアルデヒドを含む培地、において生育可能なものであることを特徴とするホルムアルデヒドの分解方法。
【請求項2】
培地成分無添加の条件下で、前記微生物を用いることによりホルムアルデヒドを分解することを特徴とする請求項1記載のホルムアルデヒドの分解方法。
【請求項3】
前記微生物をセルロースに吸着させて用いることによりホルムアルデヒドを分解することを特徴とする請求項1記載のホルムアルデヒドの分解方法。
【請求項4】
前記微生物が、ペシロマイセス(Paecilomyces)属に属し、受領番号FERM AP−21325で寄託されているPaecilomyces sp. HH26菌株、又は、トリコデルマ(Tricoderma)属に属し、受領番号FERM AP−21326で寄託されているTricoderma sp. YH11菌株、であることを特徴とする請求項1記載のホルムアルデヒドの分解方法。
【請求項5】
ペシロマイセス(Paecilomyces)属に属し、受領番号FERM AP−21325で寄託されているPaecilomyces sp. HH26菌株。
【請求項6】
トリコデルマ(Tricoderma)属に属し、受領番号FERM AP−21326で寄託されているTricoderma sp. YH11菌株。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−50209(P2009−50209A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−220398(P2007−220398)
【出願日】平成19年8月27日(2007.8.27)
【出願人】(504145320)国立大学法人福井大学 (287)
【Fターム(参考)】