説明

ホルモテロール塩およびシクレソニドを含む吸入用乾燥粉末

乾燥粉末吸入デバイス、およびR,R−ホルモテロール、L−酒石酸塩、特に結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩;およびシクレソニドを含む医薬組成物を含んでなる安定な医薬製品が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥粉末吸入デバイスおよびR,R−ホルモテロールL−酒石酸塩、そして特に結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩を含むデバイス内の医薬組成物を含んでなる安定な医薬製品ならびにこのような製品の製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、乾燥粉末吸入デバイス内にR,R−ホルモテロールL−酒石酸塩、特に結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩およびシクレソニドを含んでなる医薬組成物を有する医薬製品であって、ここにおいて、医薬組成物はデバイスの成分から浸出しうる物質の存在下で安定であり、そしてR,R−ホルモテロールL−酒石酸塩、そして特に結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩の分解を誘発する、前記医薬製品に関する。
【背景技術】
【0002】
ホルモテロール、(+/−)N−[2−ヒドロキシ−5−[1−ヒドロキシ−2[[2−(p−メトキシフェニル)−2−プロピル]アミノ]エチル]フェニル]−ホルムアミドは、吸入した時に非常に強力で長時間持続する気管支拡張剤である。ホルモテロールは、分子内に2つのキラル中心を有し、これらのそれぞれは2つの可能な配置で存在することができる。従って、ホルモテロールは4つの立体異性体(R,R)、(S,S)、(R,S)および(S,R)を有する。投与するために商業的に入手可能なラセミ混合物は、フマル酸塩の二水和物である。異性体の効力の順序は、(R,R)>>(R,S)=(S,R)>(S,S)であり、(R,R)−異性体は(S,S)−異性体より1000倍強力である。また、純粋な(R,R)−異性体の投与により改善された治癒比が得られる。米国特許第6,268,533号およびPCT出願WO 00/21487は、R,R−ホルモテロールのL−(+)酒石酸塩がR,R−ホルモテロールの他の塩よりも予想外に優れており、取り扱いが容易であり、医薬上無害で、しかも非吸湿性であることを開示している。また、米国特許第6,268,533号および米国特許第6,472,563号は、それらの全体として参照により本明細書に組み込まれており、R,R−ホルモテロールのL−酒石酸塩は、3つの多形性形態、多形体(A)、(B)および(C)で存在することを開示している。
【0003】
ホルモテロール薬物物質は、周囲条件で2年まで安定であることが知られている。 しかし、R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩をラクトースと混合した場合、R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩分子内のアミノ基とラクトース部分との間の相互作用のため分解が生じることが知られている(メイラード反応)。
【0004】
乾燥粉末吸入デバイスは、通常、大気中の水分進入を防ぐために実質的に不透過性のパッケージ中にパックする必要がある。このような不透過性のパッケージを使用すると密閉された局所環境内で、ある種の微量物質が乾燥粉末吸入デバイス中に含まれる医薬組成物と相互作用するのに十分なレベルにまで蓄積されることがある。このような相互作用により、例えば医薬組成物と微量物質との間で付加物が生成して分解生成物の形成が起こる。例えば、乾燥粉末吸入器は、一般にアセタールホモポリマーから成形される多くのプラスチック成分を含み、そしてプラスチック成分はアセタール樹脂の成形の際に分解生成物として形成される微量のホルムアルデヒドを含むことがある。実質的に不透過性の容器中でパックされた時に、プラスチック成分から放出される微量のホルムアルデヒドは、さまざまな医薬組成物と付加物を形成することができると考えられている。
【0005】
従って、乾燥粉末吸入デバイス中にR,R−ホルモテロールL−酒石酸塩、そして特に結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩を含み、その際、R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩の分解が低減または排除される安定な医薬製品が必要とされている。
【0006】
本明細書におけるあらゆる参照の引用は、このよう参照が本明細書に対する「先行技術」として入手可能であることを承認するものとして解釈すべきではない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書においては、安定な医薬製品の乾燥粉末吸入デバイスの成分から浸出する物質との相互作用のため、またはR,RホルモテロールL−酒石酸塩、特に結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩と医薬上許容しうる担体、例えば還元糖との間のメイラード反応の結果として、R,RホルモテロールL−酒石酸塩、そして特に結晶性R,RホルモテロールL−酒石酸塩の分解が、低減または排除される新規かつ有用である安定な医薬製品が提供される。
【0008】
広く言えば、本発明は、乾燥粉末吸入デバイス、有効量の収着材料、(i)結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩および(ii)シクレソニドを含んでなる、デバイス内の医薬組成物を含んでなる安定な医薬製品に関する。また、本発明の安定な医薬製品は、乾燥粉末吸入デバイス、収着材料および医薬組成物が位置する室を形成するシールパッケージを含む。
【0009】
さらに、本発明は、乾燥粉末吸入デバイス、有効量の10Åモレキュラーシーブを含む多孔性のサシェ、ならびに結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩;シクレソニド;および還元糖を含んでなる、デバイス内の医薬組成物からなる安定な医薬製品に関する。デバイスおよび多孔性サシェは、シールパッケージによって封入容積に含まれている。
【0010】
また、本発明は、
a) 乾燥粉末吸入デバイス;
b) 10Åのモレキュラーシーブ4グラムを封入された多孔性サシェ;
c) (i) 結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩、ここにおいて、結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩は、約0.1μm〜約10μmの粒子サイズを有する;
(ii) シクレソニド;および
(iii) 超微粉砕されてないラクトース一水和物:
を含んでなる、デバイス内の医薬組成物;ならびに
d) デバイス、サシェおよび医薬組成物が位置する封入容積を有するシールパッケージ
を含んでなる安定な医薬製品に関する。
【0011】
さらにまた、本発明の安定な医薬製品の医薬組成物において、結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩の粒子サイズは、変化することができる。例えば、粒子サイズは約0.1μm〜約10μmであることができる。特定の実施態様において、結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩の粒子の約95%は、約5μm未満の粒子サイズを有する。
【0012】
また、本発明は、医薬組成物が医薬上許容しうる担体をさらに含む、本明細書に記載された安定な医薬製品に関する。本明細書において、多くの医薬上許容しうる担体が適用される。特定の例は、還元糖、例えばラクトース、グルコース、マンノース、ガラクトース、マルトース、キシロース、セロビオース、メリビオース、マルトトリオース、等と同様にそれらの水和物である。特定の実施態様において、還元糖は、ラクトースまたはラクトース一水和物である。さらに、医薬上許容しうる担体として本明細書において適用される還元糖は、超微粉砕する必要がない。本来、本発明の安定な製品の医薬上許容しうる担体の粒子サイズは変えることができる。還元糖である医薬上有効な担体を含む本発明の実施態様において、粒子のサイズは、約0.5μmから約350μmまで、約0.5μmから約315μmまで、約0.5μmから約150μmまで、約0.5μmから約100μmまで、約0.5μmから約45μmまで、約0.5μmから約25μmまで、約0.5μmから約10μmまで、約5μmから約350μmまで、約5μmから約315μmまで、約5μmから約150μmまで、約5μmから約100μmまで、約5μmから約45μmまで、約5μmから約25μmまで、約5μmから約10μmまで、約10μmから約350μmまで、約10μmから約315μmまで、約10μmから約150μmまで、約10μmから約100μmまで、約10μmから約45μmまで、約10μmから約25μmまで、約25μmから約350μmまで、約25μmから約315μmまで、約25μmから約150μmまで、約25μmから約100μmまで、約25μmから約45μmまで、約45μmから約350μmまで、約45μmから約315μmまで、約45μmから約150μmまで、約45μmから約100μmまで、約100μmから約350μmまで、約100μmから約315μmまで、約100μmから約150μmまで、約150μmから約350μmまで、約150μmから約315μmまで、約315μmから約350μmまでの範囲であることができる。特定の実施態様において、医薬上許容しうる担体は、超微粉砕されてない還元糖、例えば約41μmの平均粒子サイズの粒子を有するラクトース一水和物である。
【0013】
本発明は、さらに医薬上許容しうる担体対R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩、そして特に結晶性R,RホルモテロールL−酒石酸塩の比率が、安定な医薬製品の医薬組成物中で変化することができる、本明細書に記載された安定な医薬製品に関する。本発明の実施態様において、比率は、R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩、例えば結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩約0.5μg〜約4μg当たり医薬上許容しうる担体約2969μg〜約3016μgである。より具体的な実施態様において、医薬組成物は、R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩、そして特に結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩約1μg〜約2μg当たり医薬上許容しうる担体約2969μg〜約3016μgを含み;そしてさらにより具体的な実施態様において、医薬組成物は、R,RホルモテロールL−酒石酸塩、より詳しくは結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩約1μg当たり医薬上許容しうる担体約2969μg〜約3016μgを含む。
【0014】
また、本発明は、シールパッケージが水分に対して実質的に不透過性である、本明細書に記載された安定な医薬製品に関する。このようなシールパッケージを製造するための多くの材料、例えば、少し例を挙げれば金属、ガラス、軟質ラミネート、プラスチックまたはそれらの組み合わせは、本発明の安定な医薬製品において適用される。特に、本発明の安定な医薬製品のシールパッケージは、内層、バリヤー層および外層の3層からなる軟質ラミネートから作ることができる。紙またはポリマー、例えばポリエステルを含めた多くの材料は外層に用いることができる。同様に、バリヤー層は水分不透過性であり、種々の材料、例えばポリマーまたは金属、少し例を挙げれば、例えばアルミニウム、銅、スチール、亜鉛、鉄、スズ、マグネシウムおよびアマルガム、等でできていてもよい。内層は、ヒートシールを受けることができる種々の材料でできてもてもよい。本発明の安定な医薬製品の特定の実施態様において、軟質ラミネートは、12ミクロンポリエステルの外層、9ミクロンのアルミニウムバリヤー層、および50ミクロンのポリエチレン内層からなる。接着剤によって各層が適所に保持される。安定な医薬製品のパッケージのシーリングは、さまざまな方法で実施することができる。より詳しくは、ヒートシール、接着、溶接、ろう着、機械的閉鎖、機械的クランプまたは圧縮により本発明の安定な医薬製品のシールパッケージを密封することができる。
【0015】
そのうえ、本発明の安定な医薬製品のシールパッケージは、ビン、バッグ、ドラムボックスまたは定型外の成形容器であることができる。特定の実施態様において、シールパッケージはプラスチックでできている。
【0016】
さらにまた、本発明は、さまざまな配置を有する本明細書に記載された安定な医薬製品に関する。例えば、本発明の安定な医薬製品において、乾燥粉末吸入デバイスは、医薬組成物を含む多用量リザーバーを含むことができる。しかし、本来、本発明は、単位用量系およびカプセル含有系を包含する。
【0017】
さらに、本発明の安定な医薬製品の乾燥粉末吸入デバイスの成分は、ポリマー、例えばポリアセタール、ポリプロピレン、ポリアクリルアミド、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリウレタン、コポリマー、等を含めた種々の材料からなることができる。さらに、本発明の安定な医薬製品の乾燥粉末デバイスの成分は、R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩、そして特に結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩の分解を生じる可能性のある物質を浸出することがある。特定の実施態様において、本発明の安定な医薬製品の乾燥粉末吸入デバイスの少なくとも1つの成分はポリアセタールを含み、これはホルムアルデヒドを浸出する。
【0018】
また、本発明の安定な医薬製品は、有効量の収着材料を含む。本明細書に適用される収着材料の例としては、モレキュラーシーブ、活性白土、木炭、活性アルミナ、シリカ、ゼオライト、ボーキサイトまたはそれらのあらゆる混合物が含まれるが、それらに限定されない。さらに、収着材料は本発明の安定な医薬製品中のさまざまな場所に位置することができる。例えば、乾燥粉末吸入デバイス内に有効量の収着材料を収容することができる。別法として、有効量の収着材料をポリマー混合物中に組み込み、粉末吸入デバイスの成分にすることができる。 さらに別の実施例では、有効量の収着材料を多孔性サシェ中に保持することができる。有効量の収着材料を接着剤中に、または本発明の安定な医薬製品のパッケージングに用いるプラスチックシート中に組み込むこともできる。本発明の安定な医薬製品の特定の実施態様において、収着材料は10Åのモレキュラーシーブである。
【0019】
従って、本発明の態様は、R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩、そして特に結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩、およびシクレソニドを含む医薬組成物を有し、その際、R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩、そして特に結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩の分解、および不純物、例えばR,R−ホルモテロールL−酒石酸塩、特に結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩とデバイスの成分から浸出する物質、例えばホルムアルデヒドとの相互作用から生じる付加物の形成が低減または排除される、新規な安定な医薬製品を提供することである。
【0020】
このような態様そして本発明の他の態様は、以下の図および詳細な説明を参照することによってよりよく認識される。
【0021】
図1は安定性データのヒストグラムの概要は、摂氏40℃および湿度75%で2ヵ月保存したシクレソニド、超微粉砕されてないラクトース一水和物および結晶性R,RホルモテロールL−酒石酸塩を含む乾燥粉末吸入器(DPI)の高められた安定性を、同じ条件で保存されたシクレソニド、ラクトース一水和物およびR,S−フマル酸ホルモテロール二水和物を含んでなるDPIと比較して示しており、その際、DPI中では、モレキュラーシーブの存在下で包まれている。また、図1は、摂氏25℃および湿度60%、そしてまた摂氏4℃および周囲湿度で2ヵ月保存した時のシクレソニド、ラクトース一水和物および結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩を含んでなるDPIの比較安定性を詳述している。
【0022】
発明の詳述
本発明は、驚くべきことに、そして予想外に、本発明の安定な医薬製品の乾燥粉末吸入デバイスの成分から浸出する物質に関して、吸着または吸収する(または両方の組み合わせ)収着材料を添加すると、医薬組成物および物質中に含まれるR,R−ホルモテロールL−酒石酸塩、そして特に結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩との相互作用による付加物の形成が低減または排除されるという発見に基づく。従って、本発明は後述するさまざまな実施態様に関する。
【0023】
[1]
a) 乾燥粉末吸入デバイス;
b) 有効量の収着材料;
c) (i) R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩;および
(ii) シクレソニド;
を含んでなる、デバイス内の医薬組成物:ならびに
d) 内部にデバイス、収着材料および医薬組成物が位置する封入容積を有するシールパッケージ:
を含んでなる安定な医薬製品。
[2] R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩が結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩である、実施態様[1]の安定な医薬製品。
[3] 乾燥粉末吸入デバイスが、医薬組成物を含む多用量リザーバーを含む、実施態様[1]または[2]のいずれかの安定な医薬製品。
[4] 乾燥粉末吸入デバイスの成分がR,R−ホルモテロールL−酒石酸塩の分解を生じる可能性のある物質を浸出する実施態様[1]−[3]のいずれかの安定な医薬製品。
[5] デバイスの成分がポリアセタール材料を含み、物質がホルムアルデヒドである、実施態様[4]の安定な医薬製品。
[6] 乾燥粉末吸入デバイスが、“ULTRAHALER"デバイスである、実施態様[1]−[5]のいずれかの安定な医薬製品。
[7] 収着材料が乾燥粉末吸入デバイス内に収容される実施態様[1]−[6]のいずれかの安定な医薬製品。
[8] 収着材料がポリマー混合物中に組み込まれ、乾燥粉末吸入デバイスの成分に加工される、実施態様[1]−[7]のいずれかの安定な医薬製品。
[9] 収着材料が乾燥粉末吸入デバイスのパッケージングに用いられるプラスチックシートに組み込まれる、実施態様[1]−[6]のいずれかの安定な医薬製品。
[10] 収着材料が接着剤中に組み込まれる、実施態様[1]−[7]のいずれかの安定な医薬製品。
【0024】
[11] 収着材料が多孔性サシェ中にある実施態様[1]−[6]のいずれかの安定な医薬製品。
[12] 収着材料がモレキュラーシーブ、活性白土、木炭、活性アルミナ、シリカ、ゼオライト、ボーキサイトおよびそれらの混合物からなる群より選ばれる、実施態様[1]−[11]のいずれかの安定な医薬製品。
[13] 収着材料が10Åのモレキュラーシーブである、実施態様[1]−[12]のいずれかの安定な医薬製品。
[14] R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩が、約0.1μm〜約10μmの粒子サイズを有する、実施態様[1]−[13]のいずれかの安定な医薬製品。
[15] 約95%を超えるR,RホルモテロールL−酒石酸塩が、約5μm未満の粒子サイズを有する、実施態様[1]−[14]のいずれかの安定な医薬製品。
[16] 医薬組成物が医薬上許容しうる担体をさらに含む、実施態様[1]−[15]のいずれかの安定な医薬製品。
[17] 医薬組成物がR,R−ホルモテロールL−酒石酸塩約0.5μg〜約4μg当たり医薬上許容しうる担体約2969μg〜約3016μgを含む、実施態様[16]の安定な医薬製品。
[18] 医薬組成物が、R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩約1μg〜約2μg当たり医薬上許容しうる担体約2969μg〜約3016μgを含む、実施態様[16]または[17]のいずれかの安定な医薬製品。
[19] 医薬組成物がR,R−ホルモテロールL−酒石酸塩約1μg当たり、医薬上許容しうる担体約2969μg〜約3016μgを含む、実施態様[16]−[18]のいずれかの安定な医薬製品。
[20]
a) 乾燥粉末吸入デバイス;
b) 有効量の収着材料;
c) (i) 結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩;および
(ii) シクレソニド;
を含んでなる、デバイス内の医薬組成物、ならびに
d) 内部にデバイス、収着材料および医薬組成物が位置する封入容積を有するシールパッケージ
を含んでなる安定な医薬製品。
【0025】
[21] 乾燥粉末吸入デバイスが、医薬組成物を含む多用量リザーバーを含む、実施態様[20]の安定な医薬製品。
[22] 乾燥粉末吸入デバイスの成分が、結晶性R,RホルモテロールL−酒石酸塩の分解を生じる可能性のある物質を浸出する、実施態様[20]または[21]のいずれかの安定な医薬製品。
[23] デバイスの成分がポリアセタール材料を含み、物質がホルムアルデヒドである、実施態様[22]に記載の安定な医薬製品。
[24] 乾燥粉末吸入デバイスが、“ULTRAHALER"デバイスである、実施態様[20]−[23]のいずれかの安定な医薬製品。
[25] 収着材料が乾燥粉末吸入デバイス内に収容される、実施態様[20]−[24]のいずれかの安定な医薬製品。
[26] 収着材料がポリマー混合物に組み込まれ、そして乾燥粉末吸入デバイスの成分に加工される、実施態様[20]−[25]のいずれかの安定な医薬製品。
[27] 収着材料が乾燥粉末吸入デバイスのパッケージングに用いられるプラスチックシート中に組み込まれる、実施態様[20]−[24]のいずれかの安定な医薬製品。
[28] 収着材料が接着剤中に組み込まれる、実施態様[20]−[25]のいずれかの安定な医薬製品。
[29] 収着材料が多孔性サシェ中にある、実施態様[20]−[24]のいずれかの安定な医薬製品。
[30] 収着材料がモレキュラーシーブ、活性白土、木炭、活性アルミナ、シリカ、ゼオライト、ボーキサイトおよびそれらの混合物からなる群より選ばれる、実施態様[20]−[29]のいずれかの安定な医薬製品。
【0026】
[31] 収着材料が10Åのモレキュラーシーブである、実施態様[20]−[30]のいずれかの安定な医薬製品。
[32] 結晶性R,RホルモテロールL−酒石酸塩が、約0.1μm〜約10μmの粒子サイズを有する、実施態様[20]−[31]のいずれかの安定な医薬製品。
[33] 約95%を超える結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩が、約5μm未満の粒子サイズを有する、実施態様[20]−[32]のいずれかの安定な医薬製品。
[34] 医薬組成物が医薬上許容しうる担体をさらに含む、実施態様[20]−[33]のいずれかの安定な医薬製品。
[35]
a) 乾燥粉末吸入デバイス;
b) 有効量の収着材料;
c) (i) 結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩;
(ii) シクレソニドおよび
(iii) 医薬上許容しうる担体;
を含んでなる、デバイス内の医薬組成物;ならびに
d) 内部にデバイス、収着材料および医薬組成物が位置する封入容積を有するシールパッケージ:
を含んでなる安定な医薬製品。
[36] 乾燥粉末吸入デバイスが、医薬組成物を含む多用量リザーバーを含む、実施態様[35]の安定な医薬製品。
[37] 乾燥粉末吸入デバイスの成分が、結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩の分解を生じる可能性のある物質を浸出する、実施態様[35]または[36]のいずれかの安定な医薬製品。
[38] デバイスの成分がポリアセタール材料を含み、そして物質がホルムアルデヒドである、実施態様[37]に記載の安定な医薬製品。
[39] 乾燥粉末吸入デバイスが、“ULTRAHALER"デバイスである、実施態様[35]−[38]のいずれかの安定な医薬製品。
[40] 収着材料が乾燥粉末吸入デバイス内に収容される、実施態様[35]−[39]のいずれかの安定な医薬製品。
【0027】
[41] 収着材料がポリマー混合物に組み込まれ、そして乾燥粉末吸入デバイスの成分に加工される、実施態様[35]−[40]のいずれかの安定な医薬製品。
[42] 収着材料が乾燥粉末吸入デバイスのパッケージングに用いられるプラスチックシートに組み込まれる、[35]−[40]のいずれかの安定な医薬製品。
[43] 収着材料が接着剤に組み込まれる、実施態様[35]−[40]のいずれかの安定な医薬製品。
[44] 収着材料が多孔性サシェ中にある、実施態様[35]−[39]のいずれかの安定な医薬製品。
[45] 収着材料が、モレキュラーシーブ、活性白土、木炭、活性アルミナ、シリカ、ゼオライト、ボーキサイトおよびそれらの混合物からなる群より選ばれる、実施態様[35]−[44]のいずれかの安定な医薬製品。
[46] 収着材料が10Åのモレキュラーシーブである、実施態様[35]−[45]のいずれかの安定な医薬製品。
[47] 結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩が、約0.1μm〜約10μmの粒子サイズを有する、実施態様[35]−[46]のいずれかの安定な医薬製品。
[48] 約95%を超える結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩が約5μm未満の粒子サイズを有する、実施態様[35]−[47]の安定な医薬製品。
[49] 医薬上許容しうる担体が還元糖である、実施態様[16]−[19]、[34]−[48]の安定な医薬製品。
[50] 還元糖が超微粉砕されてない、実施態様[49]の安定な医薬製品。
【0028】
[51] 還元糖が約41μmの平均粒子サイズを有する、実施態様[49]または[50]のいずれかの安定な医薬製品。
[52] 還元糖が、ラクトース、グルコース、マンノース、ガラクトース、マルトース、キシロース、セロビオース、メリビオース、マルトトリオース、ラクトースの水和物、グルコースの水和物、マンノースの水和物、ガラクトースの水和物、マルトースの水和物、キシロースの水和物、セロビオースの水和物、メリビオースの水和物、マルトトリオースの水和物およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる、実施態様[49]−[51]のいずれかの安定な医薬製品。
[53] 還元糖がラクトースである、実施態様[49]−[52]のいずれかの医薬製品。
[54] 還元糖がラクトース一水和物である、実施態様[49]−[53]のいずれかの安定な医薬製品。
[55] 医薬組成物が、結晶性R,RホルモテロールL−酒石酸塩約0.5μg〜約4μg当たり医薬上許容しうる担体約2969μg〜約3016μgを含む、実施態様[34]−[54]のいずれかの安定な医薬製品。
[56] 医薬組成物が、結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩約1μg〜約2μg当たり医薬上許容しうる担体約2969μg〜約3016μgを含む、実施態様[34]−[
55]のいずれかの安定な医薬製品。
[57] 医薬組成物が、結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩約1μg当たり医薬上許容しうる担体約2969μg〜約3016μgを含む、実施態様[34]−[56]のいずれかの安定な医薬製品。
[58] 医薬上許容しうる担体が、約41μmの粒子サイズを有する超微粉砕されてないラクトース一水和物である、実施態様[34]−[57]のいずれかの安定な医薬製品。
[59]
a) 乾燥粉末吸入デバイス;
b) 有効量の10Åモレキュラーシーブを封入している多孔性サシェ;
c) (i) 結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩;
(ii) シクレソニド;および
(iii) 還元糖
を含んでなる、デバイス内の医薬組成物;ならびに
d) 内部にデバイス、サシェおよび医薬組成物が位置する封入容積を有するシールパッケージ;
を含んでなる安定な医薬製品。
[60] 還元糖が超微粉砕されてない、実施態様[59]の安定な医薬製品。
【0029】
[61] 還元糖が、約41μmの平均粒子サイズを有する、実施態様[59]または[60]のいずれかの安定な医薬製品。
[62] 還元糖が、ラクトース、グルコース、マンノース、ガラクトース、マルトース、キシロース、セロビオース、メリビオース、マルトトリオース、ラクトースの水和物、グルコースの水和物、マンノースの水和物、ガラクトースの水和物、マルトースの水和物、キシロースの水和物、セロビオースの水和物、メリビオースの水和物、マルトトリオースの水和物およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる実施態様[59]−[61]のいずれかの安定な医薬製品。
[63] 還元糖がラクトースである、実施態様[59]−[62]のいずれかの医薬製品。
[64] 還元糖がラクトース一水和物である、実施態様[59]−[63]のいずれかの安定な医薬製品。
[65] 医薬組成物が結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩約0.5μg〜約4μg当たり還元糖約2969μg〜約3016μgを含む、実施態様[59]−[64]のいずれかの安定な医薬製品。
[66] 医薬組成物が結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩約1μg〜約2μg当たり還元糖の約2969μg〜約3016μgを含む、実施態様[59]−[65]のいずれかの安定な医薬製品。
[67] 医薬組成物が、結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩約1μg当たり還元糖約2969μg〜約3016μgを含む、実施態様[59]−[66]のいずれかの安定な医薬製品。
[68] 還元糖が、約41μmの粒子サイズを有する超微粉砕されてないラクトース一水和物である、実施態様[65]−[67]のいずれかの安定な医薬製品。
[69] 結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩が、約0.1μm〜約10μmの粒子サイズを有する、実施態様[59]−[68]のいずれかの安定な医薬製品。
[70] 約95%を超える結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩が、約5μm未満の粒子サイズを有する、実施態様[59]−[68]のいずれかの安定な医薬製品。
【0030】
[71] モレキュラーシーブの有効量が4gである、実施態様[59]−[70]のいずれかの安定な医薬製品。
[72]
a) 乾燥粉末吸入デバイス;
b) 10Åのモレキュラーシーブ4グラムを封入している多孔性サシェ;
c) (i) 結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩、ここにおいて、結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩は、約0.1μm〜約10μmの粒子サイズを有する;
(ii) シクレソニド;および
(iii) 超微粉砕されてないラクトース一水和物;
を含んでなる、デバイス内の医薬組成物;ならびに
d) 内部にデバイス、サシェおよび医薬組成物が位置する封入容積を有するシールパッケージ、を含んでなる安定な医薬製品。
[73] 医薬組成物が、結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩約0.5μg〜約4μg当たり超微粉砕されてないラクトース一水和物約2969μg〜約3016μgを含む、実施態様[72]の安定な医薬製品。
[74] 医薬組成物が、結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩約1μg〜約2μg当たり超微粉砕されてないラクトース一水和物約2969μg〜約3016μgを含む、実施態様[72]−[73]のいずれかの安定な医薬製品。
[75] 医薬組成物が、結晶性R,RホルモテロールL−酒石酸塩約1μg当たり超微粉砕されてないラクトース一水和物約2969μg〜約3016μgを含む、実施態様[72]−[74]のいずれかの安定な医薬製品。
[76] 約95%を超える結晶性R,RホルモテロールL−酒石酸塩が、約5μm未満の粒子サイズを有する、実施態様[72]−[75]のいずれかの安定な医薬製品。
[77] シールパッケージが水分に対して実質的に不透過性である、実施態様[1]−[76]のいずれかの安定な医薬製品。
[78] シールパッケージが金属、ガラスまたはプラスチックでできており、そしてビン、バッグ、ドラムボックスおよび定型外の形をしている容器からなる群より選ばれる構造を有する、実施態様[1]−[77]のいずれかの安定な医薬製品。
[79] シールパッケージがプラスチックでできている、実施態様[1]−[78]のいずれかの安定な医薬製品。
[80] シールパッケージが内層、バリヤー層および外層からなる軟質ラミネートであり、ここにおいて、バリヤー層が内層と外層との間にある、実施態様[1]−[79]のいずれかの安定な医薬製品。
【0031】
[81] 内層がポリエチレンであり、バリヤー層が金属箔であり、ここにおいて、金属がアルミニウム、銅、スチール、亜鉛、スズ、マグネシウムおよびそのアマルガムからなる群より選ばれ、そして外層がポリエステルまたは紙からなる、実施態様[80]の安定な医薬製品。
[82] 軟質ラミネートが、12ミクロンのポリエステル外層、9ミクロンのアルミ箔バリヤー層および50ミクロンのポリエチレン内層からなる、実施態様[81]の安定な医薬製品。
[83] シールパッケージがヒートシール、接着剤、溶接、ろう着、シールパッケージ、機械的閉鎖またはクランプまたはシールパッケージの圧縮を用いて密封される、実施態様[1]−[82]のいずれかの安定な医薬製品。
【0032】
本発明のある種の特徴は、明確にするため、個々の実施態様に関連して記載されており、また、一つの実施態様において組み合わせて提供することができることが認められる。また、本発明のさまざまな特徴は、簡潔に言えば、一つの実施態様に関連して記載され、また、別々にまたはあらゆる適切な下位の組み合わせで提供されうる。
【0033】
さらに、多くの用語および成句は、本発明に従って本明細書および特許請求の範囲の全体を通じて用いられる。従って、本明細書に記載する場合、
以下の用語および表現は、下に提示された定義を有する。
【0034】
本明細書に使用されているように、用語「安定な」は、本発明の安定な医薬製品中の医薬組成物が、約40℃、相対湿度約75%で少なくとも2ヵ月間、シールパッケージ中に保存した時、実質的に分解して分解生成物、例えば付加物を形成しないということに相当する。
【0035】
本明細書に使用されているように、用語「乾燥粉末吸入デバイス」は、患者の肺に乾燥粉末を投与するための呼吸活性化デバイスのことである。より詳しくは、乾燥粉末吸入デバイスは、結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩を分解することができる物質を徐々に浸出する成分を有することがあり、その際、デバイスはシールパッケージ内に含まれる。シールパッケージは、本発明の安定な医薬製品の乾燥粉末状の吸入デバイスの成分から放出された物質、例えばポリアセタール成分から浸出するホルムアルデヒドがパッケージおよび/またはデバイス中に蓄積してもよいように実質的に不透過性であってもよい。従って、本発明はデバイスの成分が、R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩、そして特に結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩と相互作用して付加物を形成する物質、例えばホルムアルデヒドガスを浸出する可能性がある限り、乾燥粉末吸入デバイスの特定のタイプに限定されない。例を下に記載する。
【0036】
本明細書に使用されているように、用語「成分」は、R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩の分解、そしてより詳しくは結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩の分解を誘発することができる物質を放出する乾燥粉末吸入デバイスの成分のことである。本発明の特定の実施態様において、乾燥粉末吸入デバイスの少なくとも1つの成分は、ポリアセタール材料(ポリオキシメチレン)を含む。ポリオキシメチレン(ポリアセタールプラスチック−商品名:DELRIN (DuPont)、ULTRAFORM (the Ultraform Co.)およびHOSTAFORM (Ticona))は、ホルムアルデヒドを重合させることによって製造されるプラスチックの一群である。ポリオキシメチレンは、トイレタリーおよび美顔用品だけでなく、医療デバイス、例えば吸入器およびシリンジに用いられる。多くの乾燥粉末吸入デバイス成分は、ポリアセタールプラスチックから製造され、これは成形工程中、例えば“ULTRAHALER”デバイス−Aventis Pharma Ltd, UK,および米国特許第5,176,132号および米国特許第5,678,538号および米国暫定特許出願第60/417,534号に記載されたそれらのデバイスに形成された残留ホルムアルデヒドを含むことが知られている。ポリアセタールは、多くの市販源、例えばSigma-Aldrich, Milwaukee, WI 53201から容易に入手可能である。
【0037】
本明細書に使用されているように、用語「シールパッケージ」は、水分に対して、そして乾燥粉末吸入デバイスの成分から放出される物質、例えばポリアセタール成分から放出されるホルムアルデヒドに対して実質的に不透過性である容器のことである。このようなパッケージは、金属、ガラスまたはプラスチックでできていてもよく、そしてビン、バッグ、ドラムボックスおよび定形外の成形容器からなる群より選ばれる構造を有することができる。例えば、本発明のシールパッケージは、慣用の軟質パッケージであることができ、そしてその製造は、当業者によく知られている。一般に、このような軟質パッケージは、ラミネートの平らなリールから作成することができ、これはパッケージング装置技術に従って折り曲げるかまたは別な方法で形成し、封着および切断によってパッケージにすることができる。本発明の特定の実施態様において、シールパッケージは、実質的に不透過性の軟質パッケージであり、その中に、乾燥粉末吸入デバイスおよび多孔性サシェ中に封入された収着材料、例えばモレキュラーシーブが密閉されている。このような実施態様において、シールパッケージは、軟質材料の平らなリールから作成され、これは長いチューブに巻きつけられている。チューブのエッジを加熱(融合)すると共にシールが形成される。クロスシールを線状ヒーターバーによって形成し、これによりパッケージ内容物(すなわち乾燥粉末吸入デバイスおよび吸着剤サシェ)の前および後でラミネートチューブが固定される。また、それは連続的なチューブを個々のパックに切断する。その結果、パックの中央の下に長い連続的なシールができ、両端にクロスシールができる。また、別の実施態様において、パッケージは、乾燥粉末吸入デバイスおよび収着材料が位置する実質的に不透過性の軟質パッケージを有する。収着材料は本発明の医薬製品の乾燥粉末吸入デバイスのプラスチック成分の一部として成形することができ、または乾燥粉末吸入デバイスに固定された容器中に提供することができる。
【0038】
本発明のシールパッケージの製造に用いられる軟質パッケージは、一般に、共押し出しまたは一緒に接着されて外見上は「ラミネート」の単一の膜を形成するいくつかの材料の層を含む。このようなラミネートの膜は、互いに接着して積層された3つの層:内層、バリヤー層および外層を有することができる。内層は、パッケージの内部を形成し(乾燥粉末吸入デバイスと接触している)、そして通常、熱可塑性層であり、ヒートシール可能である。内層の一般的な材料は、ポリエチレンであるが、他のポリオレフィンまたはシクロオレフィン材料も使用することができる。さらに、イオノマーのような特殊な材料も内層の製造に使用される。このようなイオノマーの特定の例は、“SURLYN”である。
【0039】
バリヤー層は内側と外側の層の間で位置しており、パックに不透過性を与える。アルミ箔は、一般にバリヤー層に使用されるが、薄いシートに丸めることができるあらゆる金属は、十分に使用することができる。適用できる金属の他の例としては、少し例を挙げれば、銅、スチール、亜鉛、鉄、スズ、マグネシウム、アマルガム等が含まれるが、これらに限定されない。箔のバリヤー層の典型的な厚みは、約8または9ミクロンである。別法として、バリヤー層は、真空蒸着またはポリマーシート上へのスパッタリングによってコーティングされたスズ、鉄、亜鉛、マグネシウムまたは他の金属からなる金属化された膜であることができる。
【0040】
外層により、通常、バリヤー層の支持、衝撃抵抗および保護が得られ、そして一般にパックに対する頑丈さが得られる。外層に一般に使用される材料は、ポリエステルであるが、他の材料、例えば紙を使用することもできる。
【0041】
パッケージング用のほとんどの軟質ラミネート材料は、商業的に入手可能である。例えば、Pharmaflex Ltd.、Acan Inc. (Cramlington, Northumberland, England)の一部は、アルミ箔層がポリエステルとポリエチレン層との間にある3層:12ミクロンのポリエステル/9ミクロンのアルミ箔/50ミクロンのポリエチレン(製品カタログLMP-F BRI/72/H1)を有するラミネート膜を供給している。
【0042】
軟質シールパッケージに加えて、他のタイプのシールパッケージは、水分進入に対して実質的に不透過性であるならば、本発明において適用される。一般に、シールパッケージまたは囲いが水分に対して不透過性または実質的に不透過性である場合、本発明の医薬製品の乾燥粉末吸入デバイスの成分から浸出する物質、例えば成分がポリアセタールを含む時はホルムアルデヒドガスに対して不透過性または実質的に不透過性でもある。上記説明したように、ホルムアルデヒドは、本発明の安定な医薬製品の乾燥粉末吸入デバイス中で、R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩、そして特に結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩と相互作用し、R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩、そして特に結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩が分解し、付加物が形成される可能性がある。
【0043】
本明細書に使用されているように、用語「R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩の分解」は、本発明の安定な医薬製品の医薬組成物中に存在するR,R−ホルモテロールL−酒石酸塩の量における減少が生じる、そして本発明の安定な医薬製品の医薬組成物中に存在する特に結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩の量における減少が生じるあらゆるプロセスのことである。このようなプロセスには、ポリアセタールを含む乾燥粉末吸入デバイスの成分から浸出するホルムアルデヒドガスとR,R−ホルモテロールL−酒石酸塩、そして特に結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩との反応による付加物の形成が含まれるが、これらに限定されない。R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩、特に結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩の分解の原因となる別のプロセスは、医薬上許容しうる担体、特に還元担体、例えばラクトースとのメイラード反応である。
【0044】
本明細書に使用されているように、用語「付加物」は、本発明の安定な医薬製品の医薬組成物のR,R−ホルモテロールL−酒石酸塩、そして特に結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩と本発明の安定な医薬製品の乾燥粉末吸入デバイスの成分から浸出した物質と反応によって形成される化合物のことである。成分がポリアセタールを含む特定の実施態様において、浸出する物質はホルムアルデヒドである。開示に対する責務は負わないが、付加物の産生に至るメカニズムは、少なくとも2つの可能なメカニズムが、ホルムアルデヒドで付加物形成の原因となると考えられるが、いかなる仮説に拘束されるものではない。第1のものは、R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩、例えば結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩と、本質的に残留ホルムアルデヒドを含むポリアセタールからなる乾燥粉末吸入デバイスの成分から浸出したホルムアルデヒドとの間の直接的接触である。第2のものは、シールパッケージ内部の局所環境中でのR,R−ホルモテロールL−酒石酸塩、例えば結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩とガス状のホルムアルデヒドとの間の反応であり、その際、ガス状のホルムアルデヒドはポリアセタール成分から放出され、シールパッケージが実質的に不透過性であるため局所環境中で有意レベルにまで蓄積される。また、用語「付加物」は、R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩、そして特に結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩と還元糖との反応によって形成された化合物、すなわちメイラード反応の生成物のことである。
【0045】
用語「収着材料」は、その表面上にまたはその内部構造の中に他の物質の分子を集めるまたは保持する能力を有する材料のことである。多くの場合、このような活性は、それぞれ「吸着」および「吸収」に相当する。従って、本発明の収着材料は吸着、吸収、または両方の組み合わせを行うことができる。本明細書に適用される収着材料の例としては、活性炭、アルミナ、ボーキサイト、木炭、ゼオライト、シリカゲル、モレキュラーシーブ、活性白土またはそれらのいずれかの混合物等が含まれる。乾燥粉末吸入デバイスの成分がポリアセタールを含む本発明の特定の実施態様において、ホルムアルデヒドがR,R−ホルモテロールL−酒石酸塩、そして特に結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩と反応して付加物を形成することができないように、成分から浸出するホルムアルデヒドを収着材料が吸着または吸収する(またはその組み合わせ)。
【0046】
本発明は、なんらかの特定の収着材料に限定されない。本発明の特定の実施態様について適当な収着材料の選択と同様にその有効量は、十分に当業者のスキル内にあり、そして多くの場合、ある種の常用実験技術の能力が必要である。出願人らは、本発明の実施態様に最も有効な収着材料は、乾燥粉末吸入デバイスの少なくとも1つの成分が、ポリアセタールを含む場合、約10オングストロームの細孔サイズを有するモレキュラーシーブであることを見出した。例えば、商品名SILIPORITEの下でAtoFina (Solihull, England)によって供給されるモレキュラーシーブ1〜10グラムの封入体は収着材料として適用される特定のモレキュラーシーブである。また、モレキュラーシーブは、Linde, Air Products、等から購入することがきる。モレキュラーシーブに関するより詳細な技術情報およびそれらの工業的用途は、the Molecular Sieves:“Unique Moisture and Odor-Taste Control Material", D. Hajdu, T.J. Dangieri and S.R Dunne, TAPPI Polym., Laminations Coat. Conf. (1999), Vol. 2, p. 655-662に見出すことができ、そしてそれは参照として本明細書に全体として組み込まれる。
【0047】
収着材料を本発明の医薬製品に組み込む多くのやり方がある。例えば、収着材料はポリマー混合物に組み込むことができ、そして本発明の医薬製品の乾燥粉末吸入デバイスのプラスチック成分に加工することができ、またはデバイスのパッケージングに使用するプラスチックシートに加工することができる。さらにまた、収着材料は、米国特許第5,91
1,937号;同第3,245,946号、同第4,013,566号、同第4,407,897号;同第4,425,410号;同第4,464,443号;同第5,078,909号;および同第4,792,484号に開示された乾燥剤のポリマー混合物として同じかまたは同様のやり方でポリマー混合物に組み込むことができ、そしてそれらはそれらの全体として参照により本明細書に組み込まれる。さらに、収着材料は、米国特許第6,103,141号に開示された接着性乾燥剤として同じかまたは同様のやり方で接着剤(例えば自動接着性貼付剤またはテープ)中の本発明の安定な医薬製品中に組み込むことができ、そしてそれはその全体として参照により本明細書に組み込まれる。また、収着材料は、本発明の安定な医薬製品の乾燥粉末吸入デバイス中の空洞内にあってもよく(すなわち、デバイス中に収容される)、または乾燥粉末吸入器のキャップまたは本体の中に位置してもよい。さらにまた、収着材料は、乾燥粉末吸入デバイスの成分中、例えばポリマー混合物の形態でそのキャップ、本体または一部に組み込むことができる。収着材料は、収着材料を含む接着性展着剤/テープの形態で本発明の安定な医薬製品の乾燥粉末吸入デバイスにつけることができる。別の例において、収着材料は、デバイスが位置する封入容積中の乾燥粉末吸入デバイスと分離させることができる。
【0048】
また、本発明の安定な医薬製品の収着材料は、多孔性サシェ中にあることもできる。このようなサシェは、シールパッケージ中にある必要がない。しかしながら、本発明の特定の実施態様において、収着材料を有する多孔性サシェは、シールパッケージ中に含まれる。吸着剤サシェは、様々な供給者、例えばSud-Chemie (Middlewich, England)から商業的に入手可能である。「ティーバッグ」のような外観を有するサシェは、一般に合成繊維、例えばポリアミドまたはポリエステル繊維またはそれらのブレンドから製造される。吸着剤のサシェの製造に適した商業的に入手可能な材料としては、例えば、San-ei Corporation (Osaka, Japan)からの“GDT-II" およびPerfecseal (Londonderry N.Ireland U.K.)からの“TYVEK"がある。しかしながら、適切なサシェは、他の都合のよい形状または外観であってもよく、そして他の透過性材料から製造してもよい。
【0049】
本明細書に使用されているように成句「収着材料の有効量」は、本発明の安定な医薬製品の医薬組成物のR,R−ホルモテロールL−酒石酸塩、そして特に結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩との付加物の形成を低減または排除するために本発明の安定な医薬製品の乾燥粉末吸入デバイスの成分から浸出する物質を吸着または吸収する(またはそれらの組み合わせ)ために十分な収着材料の量のことである。乾燥粉末吸入デバイスの成分がポリアセタールを含む特定の実施態様において、成分から浸出する物質は、ホルムアルデヒドである。収着材料の有効量は、使用する収着材料のタイプ、および物質を浸出する乾燥粉末吸入デバイスの成分の数を含めた多くの因子に左右される。当業者は、常用実験室技術を用いて本発明の安定な医薬製品についての収着材料の有効量を容易に決定することができる。
【0050】
医薬組成物
上記説明したように、本発明の安定な医薬製品の医薬組成物は、R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩、特にR,R−ホルモテロールL−酒石酸塩;およびシクレソニドを含む。
【0051】
また、本発明の安定な医薬製品の医薬組成物は、医薬上許容しうる担体を含むことができる。本明細書に使用されているように成句「医薬上許容しうる」は、生理学上許容され、アレルギー性のまたは同様の有害な反応、例えば胃の不調、めまい等を典型的に生じることのない分子の単位および組成物のことである。特に、本明細書に使用されているように成句「医薬上許容しうる」は、連邦政府または州政府の規制機関によって認可された、またはU. S. Pharmacopeiaに記載されている、または動物、より詳しくはヒトに使用するために他の一般に承認された薬物類を意味する。用語「担体」は、活性化合物(複数可)と共に投与される希釈剤、補助剤、賦形剤または賦形剤のことである。医薬担体の例は、E.W. Martinによって“Remington's Pharmaceutical Sciences"に記載されている。
【0052】
本発明の安定な医薬製品は、とりわけ、肺投与のための医薬組成物を含み、そしてさまざまな緩衝液含有物(例えばトリス−HCl、急性、リン酸)、pHおよびイオン強度の希釈液;添加剤、例えば洗浄剤および可溶化剤(例えばTween 80、Polysorbate 80)、抗酸化剤(例えばアスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム)、防腐剤(例えばThimersol、ベンジルアルコール)および増量物質(例えばラクトース、マンニトール)を含むことができ;ポリ乳酸、ポリグリコール酸、等のようなポリマー化合物の顆粒製剤中またはリポソーム中へ材料が組み込まれる。また、ヒアルロン酸を使用することもできる。このような組成物は、物理状態、安定性、生体内での放出速度に影響を与えることがある。Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed. (1990, Mack Publishing Co., Easton, PA 18042) pages 1435-1712を参照、そしてそれは参照により本明細書に組み込まれる。組成物は、液体状態で製造することもでき、または乾燥粉末、例えば凍結乾燥された形態であってもよい。
【0053】
R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩、特に結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩、およびシクレソニドを含む医薬組成物を肺供給するために設計された様々な乾燥粉末吸入デバイスは、本発明における使用が企図され、これらはすべて当業者によく知られている。
【0054】
本発明の実施に適した商業的に入手可能なデバイスのいくつかの特定の例は、少し例を挙げれば、Fisons Corp., Bedford, Massachusettsによって製造されたSPINHALER粉末吸入器、Novartisによって製造されたAEROLIZER吸入器、およびAventis Pharma, Ltd.によって製造されたULTRAHALERデバイスである。本発明の安定な医薬製品に適用される乾燥粉末吸入デバイスの他の例としては、米国特許第5,176,132号および米国特許第5,678,538号および米国暫定特許出願第60/417,534号に記載されたものがあり、これらはそれらの全体として参照により本明細書に組み込まれる。特定の実施態様において、乾燥粉末吸入デバイスは、ULTRAHALERである。
【0055】
現在入手可能なまたはひき続き開発された全ての乾燥粉末吸入では、R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩、特に結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩およびシクレソニドを含んでなる医薬組成物の投与に適した製剤の使用が必要である。 典型的に、それぞれの製剤は、使用するデバイスのタイプに特異的であり、治療に有用な適当な補助剤および/または担体の使用を含むことができる。
【0056】
本明細書に適用される医薬上許容しうる担体の特定の例は、デバイスからの粉末の分散を促進する量の還元糖、例えばラクトース、グルコース、マンノース、ガラクトース、マルトース、キシロース、セロビオース、メリビオース、マルトトリオース、等と同様にそれらの水和物である。本明細書に使用されているように、用語「還元糖」は、酸化を受けて低い酸化状態に金属イオンを還元することができる炭水化物のことである。特に、医薬上許容しうる担体として適用される還元糖は、ラクトースである。より詳しくは、還元糖はラクトース一水和物である。本明細書に適用されるラクトースの具体的な等級は、RESPITOSE ML001(DMV, Veghel, The Netherlands)である。さらに、医薬上許容しうる担体として本明細書に適用される還元糖は、超微粉砕する必要がない。
【0057】
当然のことながら、本発明の安定な医薬製品の医薬組成物の医薬上許容しうる担体の粒子サイズは、変化することができる。医薬上有効な担体として還元糖をさらに含む本発明の実施態様において粒子のサイズは、約0.5μmから約350μmまで、約0.5μmから約315μmまで、約0.5μmから約150μmまで、約0.5μmから約100μmまで、約0.5μmから約45μmまで、約0.5μmから約25μmまで、約0.5μmから約10μmまで、約5μmから約350μmまで、約5μmから約315μmまで、約5μmから約150μmまで、約5μmから約100μmまで、約5μmから約45μmまで、約5μmから約25μmまで、約5μmから約10μmまで、約10μmから約350μmまで、約10μmから約315μmまで、約10μmから約150μmまで、約10μmから約100μmまで、約10μmから約45μmまで、約10μmから約25μmまで、約25μmから約350μmまで、約25μmから約315μmまで、約25μmから約150μmまで、約25μmから約100μmまで、約25μmから約45μmまで、約45μmから約350μmまで、約45μmから約315μmまで、約45μmから約150μmまで、約45μmから約100μmまで、約100μmから約350μmまで、約100μmから約315μmまで、約100μmから約150μmまで、約150μmから約350μmまで、約150μmから約315μmまで、約315μmから約350μmまでの範囲であることができる。特定の実施態様において、医薬上許容しうる担体は、約41μmの平均粒子サイズの粒子を有する超微粉砕されてないラクトース一水和物である。
【0058】
医薬組成物のR,R−ホルモテロールL−酒石酸塩、そして特に結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩、と同様にシクレソニドの粒子サイズは、変化しうる。例えばR,R−ホルモテロールL−酒石酸、そして特に結晶性R,RホルモテロールL−酒石酸塩の粒子サイズは、約0.1μm〜約10μmであることができる。特定の実施態様において、遠位の肺に最も有効な供給をするには、粒子の約95%は、約5μm未満の粒子サイズを有する。
【0059】
さらにまた、医薬上許容しうる担体対R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩、特に結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩の比率は、本発明の安定な医薬製品の医薬組成物中で変化することができる。本発明の実施態様において、比率は、R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩、特に結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸約0.5μg〜約4μg当たり医薬上許容しうる担体約2969μg〜約3016μgである。より具体的な実施態様において、医薬組成物は、R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩、特に結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩約1μg〜約2μg当たり医薬上許容しうる担体約2969μg〜約3016μg%を含み;そしてさらにより具体的な実施態様において、医薬組成物は、R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩、特に結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩約1μg当たり医薬上許容しうる担体約2969μg〜約3016μgを含んでなる。
【0060】
一般に、本発明の安定な医薬製品の医薬組成物中のシクレソニドの量は、20〜1600μgの日用量範囲を患者に投与することができるように十分な量でなければならない。本発明に関する典型的な用量としては、シクレソニド20、40、60、80、100、120、140、160、180、200、320μgを含み、そして特に、用量はシクレソニド40、80、160または320μgを含む。用量は、日用量であることが好ましく、本発明の安定な医薬製品の医薬組成物は、1日1回または2回、特に1日1回投与することができる。1日1回の用量は、1日のいずれかの時間、例えば朝または好ましくは晩に投与することができる。シクレソニド20〜320μgの範囲の日用量の投与は、好ましくは連続的な治療処方計画、好ましくは複数日の治療期間、特に好ましくは複数週、例えば2週間の治療期間、1ヶ月の治療期間、1年間の治療期間または生涯にわたる治療期間の一部である。
【0061】
その特定の実施態様に適用される本発明の基本的な新規な特徴を記載し、説明してきたが、パッケージ、収着材料およびそれらの場所、医薬組成物および方法の形態および詳細におけるさまざまな省略および置き換えおよび変更は、発明の精神から逸脱することなく、当業者によって実施されうることは理解される。例えば、実質的に同様のやり方で実質的に同様の作用が行われ、同様の結果が得られるそれらの成分および/または方法の工程の全ての組み合わせは、本発明の範囲内にあることは明白に意図される。
【0062】
本発明は、本発明の例として記載した以下の非限定的な実施例を参照してよりよく理解することができる。さらに十分に本発明の特定の実施態様を説明するために以下の実施例を記載する。しかしながら、決して本発明の広い範囲を限定するものとして解釈すべきではない。
【0063】
実施例
乾燥粉末吸入器中に結晶性R,R−ホルモテロール酒石酸塩およびシクレソニドを含んでなる医薬組成物の性能および安定性をR,S−フマル酸ホルモテロール二水和物およびシクレソニドを含んでなる医薬組成物と比較して評価するための実現可能性の研究を実施した。本研究に使用する特定の吸入器は、Aventis Pharma Ltd. UKによって製造されたULTRAHALERである。
【0064】
医薬ULTRAHALERの製造
2つのULTRAHALERを製造した。1つは、結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩、シクレソニドおよび医薬上許容しうる担体として超微粉砕されてないラクトース一水和物を含んでなる医薬組成物からなる。もう1つは、R,S−フマル酸ホルモテロール二水和物、シクレソニドおよび医薬担体として超微粉砕されてないラクトース一水和物を含んでなる医薬組成物からなる。このようなULTRAHALERの製造方法を以下に述べる:
1. ラクトース一水和物および薬物物質を(別々に)脱凝集し、
2. ラクトース一水和物、シクレソニドおよびホルモテロール(結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩またはR,S−フマル酸ホルモテロール二水和物のいずれか、どの医薬製品を製造するかに左右される)を混合ドラム中に加え、
3. 約7分間組成物を混合し、
4. 充填を使用して、乾燥粉末吸入デバイス(ULTRAHALER-Aventis Pharma Ltd, UK)にブレンドを充填し(例えば、重量制限2.5〜2.7gを充填する)、
5. 充填した後、慣用の方法を用いてラミネート箔の外装(すなわち12ミクロンのポリエステル/9ミクロンのアルミ箔/50ミクロンのポリエチレン)の内側にモレキュラーシーブと共に乾燥粉末吸入デバイスを包む。
【0065】
安定性試験
シクレソニド(19.97mg/g)、結晶性R,RホルモテロールL−酒石酸塩(0.3mg/g)および超微粉砕されてないラクトース一水和物(979.70mg/g)のブレンドをタンブルミキサー中で数分間混合した。シクレソニド(19.97mg/g)、R,S−ホルモテロールフマレート二水和物(0.3mg/g)および超微粉砕されてないラクトース一水和物(979.70mg/g)の別のブレンドを数分間混合した。次いで、各ブレンドを、充填装置を用いてAventis ULTRAHALERデバイスに別々に充填した。次いで、充填されたULTRAHALERデバイスをモレキュラーシーブ多孔性サシェと共にラミネート箔外装中に包んだ(10Åのモレキュラーシーブ4g)。結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩を含む医薬組成物を含む3つの包まれたULTRAHALERを製造した。1つは、摂氏40℃および相対湿度75%で保存し、もう1つは摂氏25度および相対湿度60%で保存し、そして第三のものは、摂氏4℃および周囲湿度で保存し、全て2ヵ月間保存した。R,S−フマル酸ホルモテロール二水和物を含む医薬組成物を含むULTRAHALERデバイスを摂氏40℃および相対湿度75%で2ヵ月間保存した。これらの条件で保存された試料中の分解量を以下の分析条件を用いてHPLCで測定した:
【0066】
【表1】

【0067】
結果:
この安定性試験の結果を図1に図示した。初期の結晶性R,R安定時点で、相対保持時間(RRT)=1.10、RRT=1.14およびRRT=1.55で、それぞれ0.19、0.14および0.16%面積のレベルで3つの分解が確認されたことを示している。摂氏40℃および相対湿度75%、摂氏25℃および相対湿度60%、および摂氏4℃および周囲湿度で2ヵ月間、DPIの貯蔵中の分解のレベルは、RRT=0.42で検出されたさらなる分解を伴う貯蔵条件よりも一貫して高まっている。これは、R,Sフマル酸ホルモテロール二水和物を用いて製造し、摂氏40℃および相対湿度75%で保存した同じ生成物で観察された分解のレベルに対して明確に対比され、不純物は異なるRRTのもので検出された(RRT=0.93、RRT=1.35およびRRT=1.86)。R,Sホルモテロールフマル酸塩生成物の分解合計は、摂氏40℃および相対湿度75%で保存した時、2ヵ月の安定時点で、結晶性R,Rホルモテロール酒石酸塩生成物である0.67%面積と比較して2.29%面積であり、ここでは最初に0.49%面積の分解合計が検出された。このデータは、R,Sフマル酸ホルモテロール生成物と比較して結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩医薬生成物の高められた安定性を明白に示している。
【0068】
本発明は、本明細書に記載された特定の実施態様によって範囲が限定されることはない。実際に、本明細書に記載されたものに加えて本発明のさまざまな改変は、前記説明および添付の図から当業者に明らかである。このような改変は、添付の特許請求の範囲内にあるものとする。
【0069】
さまざまな刊行物を本明細書に引用したが、これらの開示は、それらの全体として参照により組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】安定性データのヒストグラムの概要は、摂氏40℃および湿度75%で2ヵ月保存したシクレソニド、超微粉砕されてないラクトース一水和物および結晶性R,RホルモテロールL−酒石酸塩を含む乾燥粉末吸入器(DPI)の高められた安定性を、同じ条件で保存されたシクレソニド、ラクトース一水和物およびR,S−フマル酸ホルモテロール二水和物を含んでなるDPIと比較して示しており、その際、DPI中では、モレキュラーシーブの存在下で包まれている。また、図1は、摂氏25℃および湿度60%、そしてまた摂氏4℃および周囲湿度で2ヵ月保存した時のシクレソニド、ラクトース一水和物および結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩を含んでなるDPIの比較安定性を詳述している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a) 乾燥粉末吸入デバイス;
b) 有効量の収着材料;
c) (i) R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩;および
(ii) シクレソニド;
を含む、上記デバイス内の医薬組成物;ならびに
d) 内部に上記デバイス、上記収着材料および上記医薬組成物が位置する封入容積を有するシールパッケージ:
を含む安定な医薬製品。
【請求項2】
R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩が結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩である、請求項1に記載の安定な医薬製品。
【請求項3】
乾燥粉末吸入デバイスが、医薬組成物を含む多用量リザーバーを含む、請求項1または2に記載の安定な医薬製品。
【請求項4】
乾燥粉末吸入デバイスの成分が、R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩の分解を生じる可能性のある物質を浸出する請求項1〜3のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項5】
デバイスの成分がポリアセタール材料を含み、物質がホルムアルデヒドである、請求項4に記載の安定な医薬製品。
【請求項6】
乾燥粉末吸入デバイスが、“ULTRAHALER”デバイスである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項7】
収着材料が乾燥粉末吸入デバイス内に収容される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項8】
収着材料がポリマー混合物中に組み込まれ、乾燥粉末吸入デバイスの成分に加工される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項9】
収着材料が乾燥粉末吸入デバイスのパッケージングに用いられるプラスチックシートに組み込まれる、請求項の1〜6のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項10】
収着材料が接着剤中に組み込まれる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項11】
収着材料が多孔性サシェ中にある請求項1〜6のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項12】
収着材料がモレキュラーシーブ、活性白土、木炭、活性アルミナ、シリカ、ゼオライト、ボーキサイトおよびそれらの混合物からなる群より選ばれる、請求項1〜11のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項13】
収着材料が10Åのモレキュラーシーブである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項14】
R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩が、約0.1μm〜約10μmの粒子サイズを有する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項15】
約95%を超えるR,RホルモテロールL−酒石酸塩が、約5μm未満の粒子サイズを有する、請求項1〜14のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項16】
医薬組成物が医薬上許容しうる担体をさらに含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項17】
医薬組成物がR,R−ホルモテロールL−酒石酸塩約0.5μg〜約4μg当たり医薬上許容しうる担体約2969μg〜約3016μgを含む、請求項16に記載の安定な医薬製品。
【請求項18】
医薬組成物が、R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩約1μg〜約2μg当たり医薬上許容しうる担体約2969μg〜約3016μgを含む、請求項16または17に記載の安定な医薬製品。
【請求項19】
医薬組成物がR,R−ホルモテロールL−酒石酸塩約1μg当たり医薬上許容しうる担体約2969μg〜約3016μgを含む、請求項16〜18のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項20】
a) 乾燥粉末吸入デバイス;
b) 有効量の収着材料;
c) (i) 結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩;および
(ii) シクレソニド;
を含む、上記デバイス内の医薬組成物、ならびに
d) 内部に上記デバイス、上記収着材料および上記医薬組成物が位置する封入容積を有するシールパッケージ:
を含む安定な医薬製品。
【請求項21】
乾燥粉末吸入デバイスが、医薬組成物を含む多用量リザーバーを含む、請求項20に記載の安定な医薬製品。
【請求項22】
乾燥粉末吸入デバイスの成分が、結晶性R,RホルモテロールL−酒石酸塩の分解を生じる可能性のある物質を浸出する、請求項20または21に記載の安定な医薬製品。
【請求項23】
デバイスの成分がポリアセタール材料を含み、物質がホルムアルデヒドである、請求項22に記載の安定な医薬製品。
【請求項24】
乾燥粉末吸入デバイスが、“ULTRAHALER”デバイスである、請求項20〜23のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項25】
収着材料が、乾燥粉末吸入デバイス内に収容される、請求項20〜24のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項26】
収着材料がポリマー混合物に組み込まれ、そして乾燥粉末吸入デバイスの成分中に加工される、請求項20〜25のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項27】
収着材料が乾燥粉末吸入デバイスのパッケージングに用いられるプラスチックシート中に組み込まれる、請求項20〜24のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項28】
収着材料が接着剤中に組み込まれる、請求項20〜25のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項29】
収着材料が多孔性サシェ中にある、請求項20〜24のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項30】
収着材料がモレキュラーシーブ、活性白土、木炭、活性アルミナ、シリカ、ゼオライト、ボーキサイトおよびそれらの混合物からなる群より選ばれる、請求項20〜29のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項31】
収着材料が10Åのモレキュラーシーブである、請求項20〜30のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項32】
結晶性R,RホルモテロールL−酒石酸塩が、約0.1μm〜約10μmの粒子サイズを有する、請求項20〜31のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項33】
約95%を超える結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩が、約5μm未満の粒子サイズを有する、請求項20〜32のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項34】
医薬組成物が医薬上許容しうる担体をさらに含む、請求項20〜33のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項35】
a) 乾燥粉末吸入デバイス;
b) 有効量の収着材料;
c) (i) 結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩;
(ii) シクレソニドおよび
(iii) 医薬上許容しうる担体;
を含む、上記デバイス内の医薬組成物;ならびに
d) 内部に上記デバイス、上記収着材料および上記医薬組成物が位置する封入容積を有するシールパッケージ:
を含む安定な医薬製品。
【請求項36】
乾燥粉末吸入デバイスが、医薬組成物を含む多用量リザーバーを含む、請求項35に記載の安定な医薬製品。
【請求項37】
乾燥粉末吸入デバイスの成分が、結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩の分解を生じる可能性のある物質を浸出する、請求項35または36に記載の安定な医薬製品。
【請求項38】
デバイスの成分がポリアセタール材料を含み、そして物質がホルムアルデヒドである、請求項37に記載の安定な医薬製品。
【請求項39】
乾燥粉末吸入デバイスが、“ULTRAHALER”デバイスである、請求項35〜38のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項40】
収着材料が乾燥粉末吸入デバイス内に収容される、請求項35〜39のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項41】
収着材料がポリマー混合物に組み込まれ、そして乾燥粉末吸入デバイスの成分に加工される、請求項35〜40のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項42】
収着材料が乾燥粉末吸入デバイスのパッケージングに用いられるプラスチックシートに組み込まれる、請求項35〜40のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項43】
収着材料が接着剤に組み込まれる、請求項35〜40のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項44】
収着材料が多孔性サシェ中にある、請求項35〜39のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項45】
収着材料が、モレキュラーシーブ、活性白土、木炭、活性アルミナ、シリカ、ゼオライト、ボーキサイトおよびそれらの混合物からなる群より選ばれる、請求項35〜44のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項46】
収着材料が10Åのモレキュラーシーブである、請求項35〜45のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項47】
結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩が、約0.1μm〜約10μmの粒子サイズを有する、請求項35〜46のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項48】
約95%を超える結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩が約5μm未満の粒子サイズを有する、請求項35〜47のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項49】
医薬上許容しうる担体が還元糖である、請求項16〜19、34〜47のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項50】
還元糖が微粉砕されてない、請求項49に記載の安定な医薬製品。
【請求項51】
還元糖が約41μmの平均粒子サイズを有する、請求項49または50に記載の安定な医薬製品。
【請求項52】
還元糖が、ラクトース、グルコース、マンノース、ガラクトース、マルトース、キシロース、セロビオース、メリビオース、マルトトリオース、ラクトースの水和物、グルコースの水和物、マンノースの水和物、ガラクトースの水和物、マルトースの水和物、キシロースの水和物、セロビオースの水和物、メリビオースの水和物、マルトトリオースの水和物およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる、請求項49〜51のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項53】
還元糖がラクトースである、請求項49〜52のいずれか1項に記載の医薬製品。
【請求項54】
還元糖がラクトース一水和物である、請求項49〜53のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項55】
医薬組成物が、結晶性R,RホルモテロールL−酒石酸塩約0.5μg〜約4μg当たり医薬上許容しうる担体約2969μg〜約3016μgを含む、請求項34〜54のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項56】
医薬組成物が、結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩約1μg〜約2μg当たり医薬上許容しうる担体約2969μg〜約3016μgを含む、請求項34〜55のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項57】
医薬組成物が、結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩約1μg当たり医薬上許容しうる担体約2969μg〜約3016μgを含む、請求項34〜56のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項58】
医薬上許容しうる担体が、約41μmの粒子サイズを有する微粉砕されてないラクトース一水和物である、請求項34〜57のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項59】
a) 乾燥粉末吸入デバイス;
b) 有効量の10Åモレキュラーシーブを封入している多孔性サシェ;
c) (i) 結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩;
(ii) シクレソニド;および
(iii) 還元糖
を含む、上記デバイス内の医薬組成物;ならびに
d) 内部に上記デバイス、上記サシェおよび上記医薬組成物が位置する封入容積を有するシールパッケージ:
を含む安定な医薬製品。
【請求項60】
還元糖が微粉砕されてない、請求項59の安定な医薬製品。
【請求項61】
還元糖が、約41μmの平均粒子サイズを有する、請求項59または60に記載の安定な医薬製品。
【請求項62】
還元糖が、ラクトース、グルコース、マンノース、ガラクトース、マルトース、キシロース、セロビオース、メリビオース、マルトトリオース、ラクトースの水和物、グルコースの水和物、マンノースの水和物、ガラクトースの水和物、マルトースの水和物、キシロースの水和物、セロビオースの水和物、メリビオースの水和物、マルトトリオースの水和物およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる請求項59〜61のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項63】
還元糖がラクトースである、請求項59〜62のいずれか1項に記載の医薬製品。
【請求項64】
還元糖がラクトース一水和物である、請求項59〜63のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項65】
医薬組成物が結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩約0.5μg〜約4μg当たり還元糖約2969μg〜約3016μgを含む、請求項59〜64のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項66】
医薬組成物が結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩約1μg〜約2μg当たり還元糖約2969μg〜約3016μgを含む、請求項59〜65のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項67】
医薬組成物が結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩約1μg当たり還元糖約2969μg〜約3016μgを含む、請求項59〜66のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項68】
還元糖が、約41μmの粒子サイズを有する微粉砕されてないラクトース一水和物である、請求項65〜67のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項69】
結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩が、約0.1μm〜約10μmの粒子サイズを有する、請求項59〜68のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項70】
約95%を超える結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩が、約5μm未満の粒子サイズを有する、請求項59〜68のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項71】
モレキュラーシーブの有効量が4gである、請求項59〜70のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項72】
a) 乾燥粉末吸入デバイス;
b) 10Åのモレキュラーシーブ4グラムを封入している多孔性サシェ;
c) (i) 結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩、ここで、該結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩は、約0.1μm〜約10μmの粒子サイズを有する;
(ii) シクレソニド;および
(iii) 微粉砕されてないラクトース一水和物;
を含む、上記デバイス内の医薬組成物;ならびに
d) 内部に上記デバイス、上記サシェおよび上記医薬組成物が位置する封入容積を有するシールパッケージ:
を含む安定な医薬製品。
【請求項73】
医薬組成物が、結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩約0.5μg〜約4μg当たり微粉砕されてないラクトース一水和物約2969μg〜約3016μgを含む、請求項72に記載の安定な医薬製品。
【請求項74】
医薬組成物が、結晶性R,R−ホルモテロールL−酒石酸塩約1μg〜約2μg当たり微粉砕されてないラクトース一水和物約2969μg〜約3016μgを含む、請求項72または73に記載の安定な医薬製品。
【請求項75】
医薬組成物が、結晶性R,RホルモテロールL−酒石酸塩約1μg当たり微粉砕されてないラクトース一水和物約2969μg〜約3016μgを含む、請求項72〜74のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項76】
約95%を超える結晶性R,RホルモテロールL−酒石酸塩が、約5μm未満の粒子サイズを有する、請求項72〜75のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項77】
シールパッケージが水分に対して実質的に不透過性である、請求項1〜76のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項78】
シールパッケージが金属、ガラスまたはプラスチックでできており、そしてビン、バッグ、ドラムボックスおよび定型外の形をしている容器からなる群より選ばれる構造を有する、請求項1〜77のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項79】
シールパッケージがプラスチックでできている、請求項1〜78のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項80】
シールパッケージが内層、バリヤー層および外層からなる軟質ラミネートであり、ここで、バリヤー層が内層と外層との間にある、請求項1〜79のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。
【請求項81】
内層がポリエチレンであり、バリヤー層が金属箔であり、ここで、金属がアルミニウム、銅、スチール、亜鉛、スズ、マグネシウムおよびそのアマルガムからなる群より選ばれ、そして外層がポリエステルまたは紙からなる、請求項80に記載の安定な医薬製品。
【請求項82】
軟質ラミネートが、12ミクロンのポリエステル外層、9ミクロンのアルミ箔バリヤー層および50ミクロンのポリエチレン内層からなる、請求項81に記載の安定な医薬製品。
【請求項83】
シールパッケージがヒートシール、接着剤、溶接、ろう着、シールパッケージ、機械的閉鎖またはクランプまたはシールパッケージの圧縮を用いて密封される、請求項1〜82のいずれか1項に記載の安定な医薬製品。

【図1】
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【公表番号】特表2007−526889(P2007−526889A)
【公表日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518358(P2006−518358)
【出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【国際出願番号】PCT/GB2004/002953
【国際公開番号】WO2005/004853
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(500184637)アベンティス・フアーマ・リミテッド (6)
【Fターム(参考)】