説明

ホルモン核内受容体のリガンドの同定方法

クローニングした核ホルモン受容体のためのリガンド、コリプレッサー、コアクチベーター、アゴニスト、及びアンタゴニストとして作用する物質を同定するために開発された方法及びキット並びにこの方法で使用される試験キットを本発明で提供する。より詳細には、この方法は、核ホルモン受容体、受容体ヘテロ二量体、及び/又は受容体ホモ二量体、1つ又は複数のシグナル伝達分子をコードするDNA、及びマーカーをコードするDNAを発現させること、細胞を試験物質とインキュベートすること、並びにマーカーの量及び/又は細胞増殖の同定によって、試験物質が受容体と定量的又は定性的に相互作用するかどうかを同定することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、クローニングされた核ホルモン受容体のリガンド又はヘルパータンパク質として作用する物質(アゴニスト、アンタゴニスト、逆アゴニスト及び選択的調節因子)を同定するために開発された方法及び当該方法で使用される試験キットに関する。
【背景技術】
【0002】
[発明の背景]
医薬品の発見プロセスにおける重要な焦点は、受容体タンパク質の代理リガンドの同定である。核ホルモン受容体の場合、ほとんどの受容体(特に、ヒトに存在する受容体)がクローニングされ、薬理学的に特徴付けがされている。現在、製薬産業では、化学物質(天然及び人工)の膨大なライブラリーのスクリーニングによって、核ホルモン受容体のリガンドとして作用する物質の単離が試みられている。不運なことに、利用可能な方法及び技術には相当な制約があり、このことが非常に多数の標的に対してこれらのライブラリを効率的にスクリーニングする能力を制限している。
【0003】
核ホルモン受容体は、より一般的には核内受容体と呼ばれ、リガンド活性化転写因子のファミリーと定義されている(Tenbaum他, Int J Biochem Cell Biol, 29:1325-41 (1997)、Willson他, Mol Endocrinol, 16:1135-44 (2002))。これらは以下の調節ドメインの存在によって構造的に特徴付けられる:ジンクフィンガーDNA結合ドメイン、リガンド結合ドメイン、及びそれぞれリガンド非依存性及びリガンド依存性である2つの転写活性化ドメインAF−1及びAF−2。単量体又は二量体(RXR核内受容体とのホモ二量体又はヘテロ二量体)は、核内受容体に依存して機能的エフェクターを構成する。この遺伝子ファミリーは広範な種々の生理学的機能を調節し、それにより、内分泌代謝性疾患から神経障害、癌に至るまでの広範な治療可能性を有する。
【0004】
核内受容体はコリプレッサー及びコアクチベーターと呼ばれる一連の補助ポリペプチドをリクルートすることによって機能し、これらの補助タンパク質が、転写を抑制又は活性化させる分子事象を仲介する。ほとんどの核内受容体について、このリクルートはリガンドへの核内受容体の結合により開始される。あるリガンドは、特定のコアクチベーター群又はコリプレッサー群のリクルートのみを誘発し、それにより、非常に選択的な影響を促進することができると予想される。更に、リン酸化/脱リン酸化も核内受容体自体及び/又はその補助タンパク質の活性に影響を与えることができる。同様に、このような調節に排他的に応答するあるリガンドを同定することができると推測するのは妥当である。一般的に言えば、これらの選択的調節因子は治療の観点から非常に興味深く、治療的価値を最大にし、副作用を最小にする。
【0005】
クローニングした受容体とリガンドの相互作用の特徴付けにおける第1のステップは、リガンド感受性形態で受容体を発現することである。いくつかの受容体が、酵母及び大腸菌等の操作が容易なモデル系で発現させることができるのに対して、多くの受容体とリガンドの相互作用は、哺乳動物細胞だけに存在する翻訳後修飾の影響を受ける。更に、これらの受容体の多くは、その生物学的影響を正確に伝達するために哺乳動物タンパク質を必要とする。従って、広範に適用するために、哺乳動物系で発現するクローニングした受容体に基づくアッセイ系が最良である。
【0006】
これまでに、核内受容体と相互作用するリガンドの能力は、受容体の結合部位に対する放射性標識リガンドとの競合によって評価されてきた。このようなアッセイは、ステップ
数が比較的少ないのでよく利用されている。しかし、結合アッセイには以下の多数の制約がある:(i)多くの技術的理由のために、結合アッセイを、受容体の薬理学的性質に影響を与えることができる非生理学的条件下で行うこと、(ii)アゴニスト及びアンタゴニストを確実に区別できないこと、(iii)放射性標識リガンドが利用可能な結合部位のみしか研究することができないこと、(iv)リガンドが同定されていないオーファン受容体には、結合アッセイを容易に適用できないこと、(v)放射性同位体の購入、取り扱い及び廃棄に多大な費用がかかること。
【0007】
アゴニストリガンドとアンタゴニストリガンドとを確実に区別するために、核内受容体の機能的応答を測定する。受容体のアゴニスト活性に対する応答を、一般に、種々の内因性細胞タンパク質の活性変化として測定する。例としては、核内受容体とコアクチベーターとの間の相互作用の測定、核内受容体の転写活性化の測定が挙げられる。前者により、蛍光偏光(FP)及び時間分解蛍光共鳴エネルギー転移(TR−FRET)といった、蛍光ベースのアッセイが開発されている。後者は、核内受容体の転写活性化によって調節することができる、アッセイが容易なマーカータンパク質を含む。このアプローチにより、転写因子として機能する受容体を容易にアッセイすることができる。
【0008】
上記の全ての方法に特有の理論的制約は、数種を超える受容体に対するあるリガンドを一度にアッセイできないことである。例えば、FP及びTR−FRETアッセイは核内受容体と特異的コアクチベーターの特異的相互作用に依存する。また、これらのアッセイは薬理学的特徴が非常に乏しい。より一般的には、ダイナミックレンジの制限、不適合なアッセイ条件、及び多くの受容体がその機能的応答に基づいて互いに識別することができないという事実のために、これらは多重アッセイに基づいて分析できない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
[発明の要旨]
本発明の態様は、1つ又は複数のヘルパータンパク質及び1つ又は複数の核内受容体を発現する細胞におけるアッセイによって、核内受容体機能アッセイを可能にするか、又は改良する方法に関する。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の核内受容体をコードする核酸あるいは1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードする核酸を細胞に導入することができる。他の実施形態では、1つ又は複数の核内受容体をコードする核酸及び1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードする核酸を細胞に導入することができる。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の核内受容体及び1つ又は複数のヘルパータンパク質は異なる核酸にコードされるのに対して、他の実施形態では、核内受容体及びヘルパータンパク質は同一の核酸によってコードされる。いくつかの実施形態では、細胞を物質と接触させ、物質が受容体の活性を正又は負に調節するかどうかを判定し、それによりこの物質が核内受容体のリガンドであるかどうかを示すことができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、1つ又は複数のヘルパータンパク質及び1つ又は複数の核内受容体を発現する細胞において実施される核内受容体機能のアッセイは、機能又は機能する能力が知られていない核内受容体の機能を検出又は確認するための細胞パラメーターも含み得る。いくつかの実施形態は、機能又は機能する能力が知られていない1つ又は複数の核内受容体のシグナル伝達性を評価することにより、これらの受容体の試験を最適化するステップも含み、1つ又は複数のヘルパータンパク質及び1つ又は複数の核内受容体を発現する細胞において実施される核内受容体機能のアッセイに関する。
【0011】
上記方法のいくつかの実施形態では、1つ又は複数の核内受容体が核酸によってコードされ、少なくとも1つのヌクレオチド配列が配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、4
1、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141及び143から成る群から選択される。上記方法のいくつかの実施形態では、1つ又は複数の核内受容体は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141及び143から成る群から選択されるヌクレオチド配列と少なくとも70%相同の核酸によってコードされる。
【0012】
上記方法のいくつかの実施形態では、ヘルパータンパク質は、通常は受容体が引き起こさない受容体活性化に応答することができる。上記方法の他の実施形態では、ヘルパータンパク質は、通常は受容体が引き起こす応答を増幅することができる。更に他の実施形態では、ヘルパータンパク質は、通常は受容体が引き起こさないが、他のヘルパータンパク質によって引き起こすことができる応答を増幅することができる。更に他の実施形態では、ヘルパータンパク質は、受容体の一次機能応答の検出を妨害する受容体応答を阻止することができる。
【0013】
上記方法のいくつかの実施形態では、ヘルパータンパク質は配列番号145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、225、227、229、231、233、235、237、239及び241から成る群から選択されるヌクレオチド配列を含む核酸、又は配列番号145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、225、227、229、231、233、235、237、239及び241から成る群から選択されるヌクレオチド配列と少なくとも70%相同の核酸によってコードされるコアクチベーターである。
【0014】
上記方法のいくつかの実施形態では、ヘルパータンパク質は配列番号195、197、199、201及び203から成る群から選択されるヌクレオチド配列を含む核酸、又は配列番号195、197、199、201及び203から成る群から選択されるヌクレオチド配列と少なくとも70%相同の核酸によってコードされるコリプレッサーである。
【0015】
上記方法のいくつかの実施形態では、ヘルパータンパク質は配列番号205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、225、227、229、231、233、235、237、239及び241から成る群から選択されるヌクレオチド配列を含む核酸、又は配列番号205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、225、227、229、231、233、235、237、239及び241から成る群から選択されるヌクレオチド配列と少なくとも70%相同の核酸によってコードされるキナーゼである。
【0016】
上記方法の他の実施形態では、ヘルパータンパク質はシグナル伝達経路の方向を変える
2つ以上のタンパク質のキメラであり、エフェクター又はシグナル出力を提供するドメインに調節又はシグナル入力を受けるドメインが結合する。
【0017】
上記方法の実施形態では、ヘルパータンパク質は、機能アッセイのために使用される細胞中で通常は発現しない、天然に存在するタンパク質である。他の実施形態では、ヘルパータンパク質は、機能アッセイのために過剰発現させて使用される細胞中で通常は発現する、天然に存在するタンパク質である。
【0018】
上記方法のいくつかの実施形態では、ヘルパータンパク質は、機能アッセイのために使用される細胞中で通常は発現しない、天然に存在するタンパク質を切断したもの又は変異させたものである。例えば、いくつかの実施形態では、ヘルパータンパク質は、機能アッセイのために過剰発現させて使用される細胞中で通常は発現する、天然に存在するタンパク質を切断したもの又は変異させたものである。
【0019】
上記方法のいくつかの実施形態では、ヘルパータンパク質は、2つ以上のタンパク質、キメラ、変異タンパク質又は切断タンパク質の混合物であり、共発現した場合に、核ホルモン受容体に対する機能的応答の検出を可能にするか、又は改良する。例えば、いくつかの実施形態では、ヘルパータンパク質は、受容体がより良好にシグナル伝達することを機能的にアッセイできるようにする、他の天然又は非天然の受容体である。他の実施形態では、ヘルパータンパク質は、受容体の発現及び形成を機能的にアッセイできるようにする、他の天然及び非天然の受容体である。他の実施形態では、ヘルパータンパク質は、受容体がリガンドに対してより高い感度で応答するのを機能的にアッセイできるようにする、他の天然及び非天然の受容体である。
【0020】
他の実施形態は、核内受容体の活性に対する候補化合物の影響を評価する方法に関し、核内受容体及びヘルパータンパク質を発現する細胞であって、核内受容体及びヘルパータンパク質の少なくとも1つが、細胞に導入されている核酸から発現される細胞を得ること、細胞を候補化合物に接触させること、候補化合物が核ホルモン受容体の活性に影響を与えるかどうかを判定することを含む。いくつかの実施形態では、クローニングした核内受容体のリガンドを同定する方法を提供する。いくつかの実施形態では、複数のクローニングした受容体の活性に関して、化合物を同時スクリーニングすることによってリガンドを同定する方法を提供する。いくつかの実施形態では、核内受容体の活性によってリガンド濃度を測定する方法を提供する。他の実施形態では、核内受容体のリガンドを容易にアッセイするために組換えシグナル伝達分子を使用する方法を提供する。他の実施形態では、リガンドの核内受容体をコードするDNAを同定する方法を提供する。他の実施形態は、リガンド依存性が変化した核内受容体の変異型を同定する方法を提供する。
【0021】
1つの実施形態は、核ホルモン受容体のリガンドである物質を検出する方法であり、この方法は細胞内で1つ又は複数の核ホルモン受容体あるいは1つ又は複数のヘルパータンパク質を発現すること、その細胞と候補物質を接触させること、及びその候補物質が核内受容体の活性に影響を与えるかどうかを判定することを含む。実施形態の一つの態様において、核内受容体をコードするDNAは、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141及び143から成る群から選択される配列を含む。一つの態様では、ヘルパータンパク質はコアクチベーターであり、そのコアクチベーターをコードするDNAは、配列番号145、147、149、151、153、155、157、159
、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191及び193から成る群から選択される配列を含む。更なる態様では、リガンドはアゴニスト、アンタゴニスト、逆アゴニスト又は選択的調節因子である。更なる実施形態では、ヘルパータンパク質はコリプレッサーであり、そのコリプレッサーをコードするDNAは、配列番号195、197、199、201及び203から成る群から選択される配列を含む。更なる実施形態では、リガンドはアゴニスト、アンタゴニスト、逆アゴニスト又は選択的調節因子である。更なる実施形態において、ヘルパータンパク質はキナーゼであり、そのキナーゼをコードするDNAは配列番号205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、225、227、229、231、233、235、237、239及び241から成る群から選択される配列を含む。更なる実施形態では、ヘルパータンパク質はリガンドであり、そのリガンドはアゴニスト、アンタゴニスト、逆アゴニスト又は選択的調節因子である。更なる実施形態では、ヘルパータンパク質はシグナル伝達分子であり、そのシグナル伝達分子は核ホルモン受容体の活性を直接的又は非直接的に調節する任意のポリペプチドとして定義される。更なる態様では、リガンドはアゴニスト、アンタゴニスト、逆アゴニスト又は選択的調節因子である。
【0022】
更なる実施形態は、核ホルモン受容体のリガンドとして作用することができる物質を検出するための試験キットであり、(a)核内受容体及び1つ又は複数のコアクチベーターを発現すること、(b)核内受容体及び1つ又は複数のコリプレッサーを発現すること、(c)核内受容体及び1つ又は複数のキナーゼを発現すること、又は(d)核内受容体及び1つ又は複数のシグナル伝達分子を発現することを含む。実施形態の1つの態様では、リガンドは、アゴニスト、アンタゴニスト、逆アゴニスト又は選択的調節因子である。
【0023】
本発明の更なる実施形態は、受容体の変異型又は受容体に会合するヘルパータンパク質の変異型を検出する方法であり、変異型が、1つ又は複数の以下の組み合わせ:(a)核内受容体及び1つ又は複数のコアクチベーターを発現すること、(b)核内受容体及び1つ又は複数のコリプレッサーを発現すること、(c)核内受容体及び1つ又は複数のキナーゼを発現すること、又は(d)核内受容体及び1つ又は複数のシグナル伝達分子を発現することとして存在する、上記のクローニングした核内受容体の、リガンドに対する応答に影響を与える。本発明の1つの実施形態は、受容体の変異型又は受容体に会合するシグナル伝達タンパク質の変異型を検出する方法であり、変異型が、1つ又は複数の以下の組み合わせ:(a)核内受容体及び1つ又は複数のコアクチベーターを発現すること、(b)核内受容体及び1つ又は複数のコリプレッサーを発現すること、(c)核内受容体及び1つ又は複数のキナーゼを発現すること、又は(d)核内受容体及び1つ又は複数のシグナル伝達分子を発現することとして存在する、上記のクローニングした核内受容体の、リガンドに対する応答に影響を与える。
【0024】
本発明の更なる実施形態は、核ホルモン受容体のリガンドである物質を検出する方法であり、この方法は、以下の1つ:核ホルモン受容体及び1つ又は複数のコアクチベーターを発現すること、核ホルモン受容体及び1つ又は複数のコリプレッサーを発現すること、核ホルモン受容体及び1つ又は複数のキナーゼを発現すること、核ホルモン受容体及び1つ又は複数のシグナル伝達分子を発現することを含む。
【0025】
1つの実施形態は、1つ又は複数のヘルパータンパク質及び1つ又は複数の核内受容体を発現する細胞中でアッセイを行うことによって、核内受容体の機能のアッセイを可能にするか、又は改良する方法である。1つの実施形態では、1つ又は複数の核内受容体をコードする核酸又は1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードする核酸は、細胞に導入されている。
【0026】
更なる実施形態では、1つ又は複数の核内受容体をコードする核酸及び1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードする核酸は、細胞に導入されている。1つ又は複数の核内受容体及び1つ又は複数のヘルパータンパク質は、異なる核酸によってコードされるか、又は同一の核酸によってコードされる。更なる実施形態では、この方法はまた、細胞を物質に接触させること、及び物質が核内受容体のリガンドであるかどうかを判定することを含む。リガンドは、核内受容体の活性を正又は負に調節することができる。この方法はまた、機能又は機能する能力が知られていない核内受容体の機能を検出又は確認するために細胞パラメーターを評価することを含む。あるいは、この方法は更に、機能又は機能する能力が知られていない1つ又は複数の核内受容体のシグナル伝達性を評価することにより、これらの受容体のためのアッセイを最適化することを含む。1つ又は複数の核内受容体が配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141及び143から成る群から選択される少なくとも1つのヌクレオチド配列を含む核酸、又はそれと少なくとも70%相同のヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされる。ヘルパータンパク質は、通常では受容体が引き起こさない受容体活性への応答を可能にし、且つ/又は通常では受容体が引き起こす応答を増幅する。1つの実施形態では、ヘルパータンパク質は、通常では受容体が引き起こさないが、他のヘルパータンパク質により引き起こされる応答を増幅さするか、又は代替的には、受容体の主な機能的応答の検出を妨害する受容体応答を阻害する。ヘルパータンパク質は、配列番号145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、225、227、229、231、233、235、237、239及び241から成る群から選択されるヌクレオチド配列を含む核酸、又はそれと70%相同のヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされるコアクチベーターである。ヘルパータンパク質は、配列番号195、197、199、201及び203から成る群から選択されるヌクレオチド配列を含む核酸、又はそれと少なくとも70%相同のヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされるコリプレッサーである。ヘルパータンパク質は、配列番号205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、225、227、229、231、233、235、237、239及び241から成る群から選択されるヌクレオチド配列を含む核酸、又はそれと70%相同のヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされるキナーゼである。更なる実施形態では、ヘルパータンパク質は、シグナル伝達経路の方向を変える2つ以上のタンパク質のキメラであって、このキメラにはエフェクター又はシグナル出力を提供するドメインに調節又はシグナル入力を受けるドメインが結合している。ヘルパータンパク質は、機能アッセイのために使用される細胞中で通常は発現しない天然に存在するタンパク質、機能アッセイのために過剰発現させて使用される細胞中で通常発現する、天然に存在するタンパク質、機能アッセイのために使用される細胞中で通常は発現しない天然に存在するタンパク質を切断したもの又は変異させたもの、機能アッセイのために過剰発現させて使用される細胞中で通常発現する、天然に存在するタンパク質を切断したもの又は変異させたもの、あるいはその混合物である。1つの実施形態では、ヘルパータンパク質は、受容体がより良好にシグナル伝達することを機能的にアッセイできるようにする、他の天然及び非天然の受容体、受容体の発現及び形成を機能的にアッセイできるようにする他の天然及び非天然の受容体、又は受容体がリガンドに対してより高い感度で応答することを機能的にアッセイできるようにする、他の天然及び非天然の受容体である。
【0027】
1つの実施形態は、核内受容体の活性に対する候補化合物の影響を評価する方法であり、この方法は、1つ又は複数の核内受容体及び1つ又は複数のヘルパータンパク質を発現し、核内受容体及びヘルパータンパク質の少なくとも1つが細胞に導入されている核酸から発現される細胞を得ること、細胞を候補化合物に接触させること、並びに候補化合物が核ホルモン受容体の活性に影響を与えるかどうかを判定することによって評価する。
【0028】
1つの実施形態では、1つ又は複数の核内受容体及び1つ又は複数のヘルパータンパク質の両方は、細胞に導入されている核酸から発現される。あるいは、1つ又は複数の核内受容体又は1つ又は複数のヘルパータンパク質は、細胞に導入されている同一の核酸から発現される。あるいは、1つ又は複数の核内受容体は、細胞に導入されている第1の核酸から発現され、1つ又は複数のヘルパータンパク質は、細胞に導入されている第2の核酸から発現される。
【0029】
1つの実施形態では、判定ステップは、核内受容体及びヘルパータンパク質を発現し、候補化合物と接触させた第1の細胞中の核ホルモン受容体の活性と、核内受容体及びヘルパータンパク質を発現し、候補化合物と接触させていない第2の細胞中の核内受容体の活性を比較することを含み、第1の細胞中の核内受容体の活性が第2の細胞中の核内受容体の活性と有意に異なる場合に、候補化合物が核内受容体の活性に影響を与えると判定される。
【0030】
1つの実施形態では、1つ又は複数の核内受容体は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141及び143から成る群から選択される核酸によってコードされ、1つ又は複数のヘルパータンパク質は、配列番号145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、225、227、229、231、233、235、237、239及び241から成る群から選択される核酸又は上記配列と70%相同の配列によってコードされる。
【0031】
更なる実施形態では、1つ又は複数の核内受容体は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142及び144から成る群から選択されるアミノ酸配列を含み、1つ又は複数のヘルパータンパク質は、配列番号146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202、204、206、208、210、212、214、216、218、220、222、224、226、228、230、232、234、236、238、240及び242から成る群から選択されるアミノ酸配列又は任意の上記配列と少なくとも70%相同のアミノ酸配列を含む。
【0032】
1つの実施形態では、1つ又は複数の核内受容体及び1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードする核酸配列の組み合わせは、配列番号5と配列番号161又は213;配列番号9と配列番号145、147、161又は213;配列番号21、23、25又は27と配列番号145、147又は213;配列番号49と配列番号145、147、161又は213;配列番号45と配列番号145又は213;配列番号51と配列番号145又は147;配列番号53、55又は57と配列番号145又は147;配列番号69と配列番号161又は213;配列番号93と配列番号145、147、161又は213;配列番号107と配列番号161;配列番号103と配列番号145、147又は161;配列番号101と配列番号145又は147;配列番号143と配列番号145、147又は161;配列番号29と配列番号213;配列番号43と配列番号161;配列番号61と配列番号145、147、161又は213;配列番号75と配列番号145又は147;配列番号79と配列番号161;配列番号87と配列番号145、147又は161;配列番号89と配列番号145、147又は161;配列番号99と配列番号161;配列番号123、125又は127と配列番号145、147、161又は213;並びに配列番号135と配列番号145、147又は213から成る群から選択される。
【0033】
更なる実施形態では、1つ又は複数の核内受容体及び1つ又は複数のヘルパータンパク質のアミノ酸配列の組み合わせは、配列番号6と配列番号162又は214;配列番号10と配列番号146、148、162又は214;配列番号22、24、26又は28と配列番号146、148又は214;配列番号50と配列番号146、148、162又は214;配列番号46と配列番号146、148又は214;配列番号52と配列番号146又は148;配列番号54、56又は58と配列番号146又は148;配列番号70と配列番号162又は214;配列番号94と配列番号146、148、162又は214;配列番号108と配列番号162;配列番号104と配列番号146、148又は162;配列番号102と配列番号146又は148;配列番号144と配列番号146、148又は162;配列番号30と配列番号214;配列番号44と配列番号162;配列番号62と配列番号146、148、162又は214;配列番号76と配列番号146又は148;配列番号80と配列番号162;配列番号89と配列番号146、148又は162;配列番号90と配列番号146、148又は162;配列番号100と配列番号162;配列番号124、126又は128と配列番号146、148、162又は214;並びに配列番号136と配列番号146、148又は214から成る群から選択される。
【0034】
更なる実施形態では、細胞によって発現される核内受容体と細胞によって発現されるヘルパータンパク質との組み合わせは、TRβとDRIP205又はERK2;RARβとSRC1、DRIP205又はERK2;PPARγ/RXRとSRC1又はERK2;FXR/RXRとSRC1、DRIP205又はERK2;LXRβ/RXRとSRC1又はERK2;VDR/RXRとSRC1;PXRとSRC1;RXRαとDRIP205又はERK2;ERβとSRC1、DRIP205又はERK2;ARとDRIP205;MRとSRC1又はDRIP205;GRとSRC1;SHPとSRC1又はERK2;RevERbαとERK2;RORγとDRIP205;HNF4αとSRC1、DRIP205又はERK2;TR2αとSRC1;TLXとERK2;COUP−TFβとSRC1又はDRIP205;EAR2とSRC1、DRIP205又はERK2;ERRγとERK2;NOR−1とSRC1、DRIP205又はERK2;並びにGCNFとSRC1又はERK2から成る群から選択される。
【0035】
1つの実施形態では、判定するステップが、形態、リン酸化、分化、アポトーシス、プロセス形成、運動性、遺伝子発現、細胞受容体の発現、及び表現型の変化から成る群から選択される細胞パラメーターの評価によって、化合物が1つ又は複数の核内受容体の活性
に影響を与えるかどうか判定することを含む。更なる実施形態では、この方法は、転写レベルが核内受容体の活性化に応答する、検出可能な産物をコードする核酸に作動可能に連結されているプロモーターを含む核酸を細胞に導入すること、及び検出可能な産物の量を測定することによって、候補化合物が核内受容体の活性に影響を与えるかどうかを判定することを含む。
【0036】
更なる実施形態は、核内受容体と1つ又は複数のヘルパータンパク質との間の相互作用を同定する方法であって、この方法は、1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードするDNAと共に、核内受容体をコードするDNA及び細胞増殖マーカーをコードするDNAで第1の細胞培養物をコトランスフェクションすること、第1の細胞培養物を、トランスフェクション細胞の細胞増殖に十分な時間インキュベートすること、核内受容体をコードするDNA及び細胞増殖マーカーをコードするDNAで第2の細胞培養物をコトランスフェクションすること、第2の細胞培養物を、トランスフェクション細胞の細胞増殖に十分な時間インキュベートすること、並びに核内受容体及び1つ又は複数のヘルパータンパク質を発現するトランスフェクション細胞の増殖レベルを、核内受容体をコードするDNAでトランスフェクションしたが、1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードするDNAでトランスフェクションしていない細胞の増殖レベルと比較することによって、1つ又は複数のヘルパータンパク質が核内受容体と相互作用するかどうかを判定することによって同定される。
【0037】
1つの実施形態では、ヘルパータンパク質は、配列番号146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202、204、206、208、210、212、214、216、218、220、222、224、226、228、230、232、234、236、238、240及び242から成る群から選択されるか、又はこれらと70%相同である。
【0038】
更なる実施形態では、核内受容体をコードするDNAは、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141及び143から成る群から選択される配列又はこれらと70%相同の配列を含む。
【0039】
更なる実施形態では、核内受容体をコードするDNAは、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142及び144から成る群から選択される配列又はこれらと70%相同の配列を含むポリペプチドをコードする。
【0040】
更なる実施形態では、1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードするDNAは、配列番号145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201、20
3、205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、225、227、229、231、233、235、237、239及び241から成る群から選択される配列又はこれらと70%相同の配列を含む。
【0041】
更なる実施形態では、1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードするDNAは、配列番号146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202、204、206、208、210、212、214、216、218、220、222、224、226、228、230、232、234、236、238、240及び242から成る群から選択される配列又はこれらと70%相同の配列を含むポリペプチドをコードする。
【0042】
更なる実施形態では、核内受容体をコードするDNA及び細胞増殖マーカーをコードするDNAは、同一ベクター上又は異なるベクター上に存在する。
【0043】
更なる実施形態では、第1の細胞培養物をトランスフェクション細胞の細胞増殖に十分な時間インキュベートすることは、第1の細胞培養物を核内受容体に結合するリガンドと接触させることを含み、第2の細胞培養物をトランスフェクション細胞の細胞増殖に十分な時間インキュベートすることは、第2の細胞培養物を核内受容体に結合するリガンドと接触させることを含む。リガンドは、アゴニスト又はアンタゴニストである。
【0044】
1つの実施形態は、核内受容体と1つ又は複数のヘルパータンパク質との間の相互作用を同定する方法であり、この方法は、1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードするDNAと共に、核内受容体をコードするDNA及び細胞増殖マーカーをコードするDNAで第1の細胞培養物をコトランスフェクションすること、核内受容体のアゴニスト又はアンタゴニストである種々の濃度のリガンドと共に細胞培養物を、第1の細胞培養物中のトランスフェクション細胞の細胞増殖に十分な時間インキュベートすること、核内受容体をコードするDNA及び細胞増殖マーカーをコードするDNAで第2の細胞培養物をコトランスフェクションすること、核内受容体のアゴニスト又はアンタゴニストである種々の濃度のリガンドと共に細胞培養物を、第2の細胞培養物中のトランスフェクション細胞の細胞増殖に十分な時間インキュベートすること、核内受容体及び1つ又は複数のヘルパータンパク質を発現するトランスフェクション細胞の増殖レベルを、核内受容体をコードするDNAでトランスフェクションしたが、1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードするDNAでトランスフェクションしていない細胞の増殖レベルと比較することによって、1つ又は複数のヘルパータンパク質が核内受容体と相互作用するかどうかを判定することによって同定する。1つ又は複数のヘルパータンパク質は、コアクチベーター、コリプレッサー、キナーゼ、シグナル伝達分子又は上記の少なくとも2つである。
【0045】
1つの実施形態では、核内受容体をコードするDNAは、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141及び143から成る群から選択される配列を含む。更なる実施形態では、核内受容体をコードするDNAは、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、
90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142及び144から成る群から選択される配列を含むポリペプチドをコードする。
【0046】
1つの実施形態では、1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードするDNAは、配列番号145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、225、227、229、231、233、235、237、239及び241から成る群から選択される配列を含む。更なる実施形態では、1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードするDNAは、配列番号146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202、204、206、208、210、212、214、216、218、220、222、224、226、228、230、232、234、236、238、240及び242から成る群から選択される配列を含むポリペプチドをコードする。核内受容体をコードするDNA及び細胞増殖マーカーをコードするDNAは、同一ベクター上又は別々のベクター上に存在する。
【0047】
更なる実施形態は、核内受容体のリガンドである物質を同定する方法であり、この方法は、核内受容体をコードするDNA、細胞増殖マーカーをコードするDNA、及び1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードするDNAでトランスフェクションした細胞と非トランスフェクション細胞との混合物を含む細胞培養物を、核内受容体の潜在的なアゴニスト又はアンタゴニストである試験物質と、トランスフェクション細胞の細胞増殖に十分な時間インキュベートすること、及びトランスフェクション細胞中のマーカーレベルの測定によって細胞増殖の増減を判定することによって同定する。
【0048】
更なる実施形態は、核内受容体と1つ又は複数のヘルパータンパク質との特定の組み合わせに対する選択的調節因子である物質を同定する方法であり、この方法は、1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードするDNAと共に、核内受容体をコードするDNA及び細胞増殖マーカーをコードするDNAで第1のタイプの細胞を含む第1の細胞培養物をコトランスフェクションすること、第1の細胞培養物を試験物質とインキュベートすること、第1のタイプの非トランスフェクション細胞と比較して、第1のタイプのトランスフェクション細胞の増殖が、試験物質により増減するかどうかを判定すること、1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードするDNAと共に、核内受容体をコードするDNA及び細胞増殖マーカーをコードするDNAで第2のタイプの細胞を含む第2の細胞培養物をコトランスフェクションすること、第2の細胞培養物を試験物質とインキュベートすること、第2のタイプの非トランスフェクション細胞と比較して、第2のタイプのトランスフェクション細胞の増殖が、試験物質により増減するかどうかを判定することによって同定し、試験物質の第1のタイプに対する影響が試験物質の第2のタイプに対する影響の反対である場合、試験物質は核内受容体の選択的調節因子であると判定する。
【0049】
更なる実施形態は、核内受容体と1つ又は複数のヘルパータンパク質との特定の組み合わせに対する選択的調節因子である物質を同定する方法であり、この方法は、1つ又は複数の第1のヘルパータンパク質をコードするDNAと共に、核内受容体をコードするDNA及び細胞増殖マーカーをコードするDNAで第1の細胞培養物をコトランスフェクションすること、第1の細胞培養物を試験物質とインキュベートすること、非トランスフェクション細胞と比較して、第1の細胞培養物培中のトランスフェクション細胞の増殖が、試
験物質により増減するかどうかを判定すること、1つ又は複数の第1のヘルパータンパク質と異なる1つ又は複数の第2のヘルパータンパク質をコードするDNAと共に、核内受容体をコードするDNA及び細胞増殖マーカーをコードするDNAで第2の細胞培養物をコトランスフェクションすること、第2の細胞培養物を試験物質とインキュベートすること、非トランスフェクション細胞と比較して、第2の細胞培養物中のトランスフェクション細胞の増殖が試験物質により増減するかどうかを判定することによって同定し、試験物質の第1の細胞培養物に対する影響が試験物質の第2の細胞培養物に対する影響の反対である場合、試験物質が核内受容体の選択的調節因子であると判定する。
【0050】
更なる実施形態は、核内受容体の選択的調節因子である物質を同定する方法であり、この方法は、核内受容体をコードするDNA及び細胞増殖マーカーをコードするDNAで第1のタイプの細胞を含む第1の細胞培養物をコトランスフェクションすること、第1の細胞培養物を試験物質とインキュベートすること、第1のタイプの非トランスフェクション細胞と比較して、第1のタイプのトランスフェクション細胞の増殖が試験物質により増減するかどうかを判定すること、核内受容体をコードするDNA及び細胞増殖マーカーをコードするDNAで第2のタイプの細胞を含む第2の細胞培養物をコトランスフェクションすること、第2の細胞培養物を試験物質とインキュベートすること、第2のタイプの非トランスフェクション細胞と比較して、第2のタイプのトランスフェクション細胞の増殖が、試験物質により増減するかどうかを判定することによって同定し、試験物質の第1のタイプに対する影響が試験物質の第2のタイプに対する影響の反対である場合、試験物質が核内受容体の選択的調節因子であると判定する。
【0051】
更なる実施形態は、2つの核内受容体間の相互作用を同定する方法であり、この方法は、第1の核内受容体をコードするDNA、第2の核内受容体をコードするDNA及び細胞増殖マーカーをコードするDNAで第1の細胞培養物をコトランスフェクションすること、第1の細胞培養物を、第1の細胞培養物中のトランスフェクション細胞の細胞増殖に十分な時間インキュベートすること、細胞増殖マーカーをコードするDNA及び第1の核内受容体をコードするDNA又は第2の核内受容体をコードするDNAのいずれかで第2の細胞培養物をコトランスフェクションすること、第2の細胞培養物を、第2の細胞培養物中のトランスフェクション細胞の細胞増殖に十分な時間インキュベートすること、両方の核内受容体を発現するトランスフェクション細胞の増殖レベルを、細胞増殖マーカーをコードするDNA及び第1の核内受容体をコードするDNA又は第2の核内受容体をコードするDNAのいずれかでトランスフェクションした細胞の増殖レベルと比較することによって、核内受容体が相互作用するかどうかを判定することによって同定する。
【0052】
更なる実施形態は、2つの核内受容体と1つ又は複数のヘルパータンパク質との間の相互作用を同定する方法であり、この方法は、第1の核内受容体をコードするDNA、第2の核内受容体をコードするDNA、1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードするDNA及び細胞増殖マーカーをコードするDNAで第1の細胞培養物をコトランスフェクションすること、第1の細胞培養物を、トランスフェクション細胞の細胞増殖に十分な時間インキュベートすること、核内受容体の1つをコードするDNA、1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードするDNA及び細胞増殖マーカーをコードするDNAでトランスフェクションするか、又は両方の核受容をコードするDNA及び細胞増殖マーカーをコードするDNAで第2の細胞培養物をコトランスフェクションすること、第1の細胞培養物中のトランスフェクション細胞の増殖レベルを、第2の細胞培養物中のトランスフェクション細胞の増殖レベルと比較することによって、2つの核内受容体及び1つ又は複数のヘルパータンパク質が相互作用するかどうかを判定することによって同定する。
【0053】
1つの実施形態は、2つの核内受容体のリガンドである物質を検出する方法であり、この方法は、第1の核内受容体をコードするDNA、第2の核内受容体をコードするDNA
、細胞増殖マーカーをコードするDNAでトランスフェクションした細胞の混合物を含む細胞培養物を、核内受容体のアゴニスト又はアンタゴニストとなる可能性がある試験物質と、トランスフェクション細胞の細胞増殖に十分な時間インキュベートすること、及びトランスフェクション細胞中の細胞増殖マーカーのレベルを測定することによって細胞増殖の増減を判定することによって検出する。
【0054】
更なる実施形態は、2つの核内受容体と1つ又は複数のヘルパータンパク質の特定の組み合わせに対する選択的調節因子である物質を検出する方法であり、第1の核内受容体をコードするDNA、第2の核内受容体をコードするDNA、1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードするDNA及び細胞増殖マーカーをコードするDNAで第1のタイプの細胞を含む第1の細胞培養物をコトランスフェクションすること、第1の細胞培養物を試験物質とインキュベートすること、第1の細胞培養物中の非トランスフェクション細胞と比較して、第1の細胞培養物中のトランスフェクション細胞の増殖が、試験物質により増減するかどうかを判定すること、第1の核内受容体をコードするDNA、第2の核内受容体をコードするDNA及び細胞増殖マーカーをコードするDNAで第2のタイプの細胞を含む第2の細胞培養物をコトランスフェクションすること、第2の細胞培養物を試験物質とインキュベートすること、及び第2のタイプの非トランスフェクション細胞と比較して、第2のタイプのトランスフェクション細胞の増殖が、試験物質により増減するかどうかを判定することによって検出し、試験物質の第1のタイプに対する影響が試験物質の第2のタイプに対する影響の逆である場合、試験物質が核内受容体の選択的調節因子であると判定する。
【0055】
1つの実施形態は、2つの核内受容体と1つ又は複数のヘルパータンパク質との特定の組み合わせに対する選択的調節因子である物質を同定する方法であり、1つ又は複数の第1のヘルパータンパク質をコードするDNAと共に、第1の核内受容体をコードするDNA、第2の核内受容体をコードするDNA及び細胞増殖マーカーをコードするDNAで第1の細胞培養物をコトランスフェクションすること、第1の細胞培養物を試験物質とインキュベートすること、非トランスフェクション細胞と比較して、第1の細胞培養物中のトランスフェクション細胞の増殖が、試験物質により増減するかどうかを判定すること、1つ又は複数の第1のヘルパータンパク質と異なる1つ又は複数の第2のヘルパータンパク質をコードするDNAと共に、第1の核内受容体をコードするDNA、第2の核内受容体をコードするDNA及び細胞増殖マーカーをコードするDNAで第2の細胞培養物をコトランスフェクションすること、第2の細胞培養物を試験物質とインキュベートすること、非トランスフェクション細胞と比較して、第2の細胞培養物中のトランスフェクション細胞の増殖が、試験物質により増減するかどうかを判定することによって同定し、試験物質の第1の細胞培養物に対する影響が試験物質の第2の細胞培養物に対する影響の反対である場合、試験物質が核内受容体の選択的調節因子であると判定する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
本明細書は、核内受容体のリガンドを検出及び同定し、核内受容体とヘルパータンパク質との間の相互作用を判定し、2つの核内受容体の間の相互作用を判定し、2つの核内受容体とヘルパータンパク質との間の相互作用を判定する方法を開示する。
【0057】
少なくとも1つの核内受容体及び少なくとも1つのヘルパータンパク質を細胞中で発現させる方法を開示する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの核内受容体及び少なくとも1つのヘルパータンパク質を発現する細胞を使用して、核内受容体活性に対する候補化合物の影響を評価することができる。他の実施形態では、少なくとも1つの核内受容体及び少なくとも1つのヘルパータンパク質を発現する細胞を使用して、特定の核ホルモン受容体と相互作用するヘルパータンパク質を同定することができる。本発明の他の実施形態は、2つの核内受容体の間の相互作用を同定する方法に関し、2つの核内受容体が細
胞中で発現し、相互作用する能力を細胞パラメーターによって評価する。前記の各方法で評価された相互作用を、このような相互作用を検出することができる任意のアッセイを使用して評価することができる。好ましい実施形態では、前記の各方法で評価された相互作用を、全体が本明細書中で参照として援用される米国特許第5,707,798号、同第5,912,132号及び同第5,955,281号に記載のRSATアッセイによって、細胞増殖の程度を評価することによって測定することができる。いくつかの実施形態では、受容体活性に対する候補化合物の影響を、候補化合物と接触させた細胞中の受容体活性と候補化合物と接触させていない細胞中の受容体活性を比較することによって判定することができる。いくつかの実施形態では、細胞を受容体の既知のアクチベーター又は既知のインヒビター及び候補化合物と接触させて、アクチベーター又はインヒビターの作用に対する候補化合物の影響を判定する。
【0058】
1つの実施形態では、細胞中で1つ又は複数の核内受容体及び1つ又は複数のヘルパータンパク質を発現し、細胞を候補化合物と接触させ、候補化合物が受容体活性に影響を与えるかどうかを判定することによる、核内受容体活性に対する候補化合物の影響を評価する方法を開示する。本発明の各方法に当てはまることだが、本発明のいくつかの態様では、核内受容体及びヘルパータンパク質の少なくとも1つ又は両方を、細胞に導入されている核酸から発現することができる。既知の化合物を試験する場合でも、受容体と相互作用する新規の化合物を同定する場合においても任意の候補化合物を使用することができる。例えば、候補化合物を使用することができ、この中には小分子、薬物、核酸、ペプチド、リガンド、アゴニスト及びアンタゴニストが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、他の受容体(他の核内受容体を含む)、コリプレッサー、コアクチベーター、キナーゼ及び/又はシグナル伝達分子をコードする核酸が細胞に導入される。
【0059】
1つの実施形態では、上記方法は、核ホルモン受容体と相互作用するヘルパータンパク質をコードする他の「ヘルパー遺伝子」を同定するため及び/又は「ヘルパー遺伝子」の存在下でクローニングした核ホルモン受容体と相互作用するリガンドを同定するために用いられる。本発明の方法を使用して同定することができる分子には、クローニングした核ホルモン受容体のリガンド、アゴニスト、アンタゴニスト、逆アゴニスト及び選択的調節因子が含まれるが、これらに限定されない。上記方法は、単一クローニング受容体、多クローニング受容体、及びヘテロ二量体として作用する混合受容体に対する活性についての化合物の同時スクリーニングによってこれらの化合物を同定するために用いられる。上記方法は、リガンド依存性が変化した核内受容体の変異型及び核内受容体活性を直接又は間接的に調節するコアクチベーター、コリプレッサー、キナーゼ又はシグナル伝達分子の群由来の任意のヘルパータンパク質の変異型を同定するためにも用いられる。この方法により、アッセイに機能的に関連する測定可能な出力が得られる。測定可能な出力は、当業者に既知の任意の出力であり、リガンド及び/又は「ヘルパー遺伝子」の活性を同定し、試験化合物を使用した細胞と使用しない細胞とを比較することができる。1つの実施形態では、測定可能な出力は、細胞増殖である。更なる実施形態では、測定可能な出力には、遺伝子発現、リン酸化、形態、分化、細胞受容体の発現、アポトーシス、任意の他の表現型の変化、又は細胞運動性といった活性が含まれるが、これらに限定されない。更なる実施形態では、レポーター遺伝子を対象のプロモーターから発現させ、測定可能な出力をレポーター遺伝子発現による測定によって分析する。
【0060】
1つの実施形態では、この方法は、リガンド、アゴニスト、アンタゴニスト、逆アゴニスト又は選択的調節因子として作用することができる物質を検出することを含み、
(a)1つ又は複数の、核内受容体及び1つ又は複数のコアクチベーター、核内受容体及び1つ又は複数のコリプレッサー、核内受容体及び1つ又は複数のキナーゼ、核内受容体及び1つ又は複数のシグナル伝達分子を発現させるために細胞を培養すること、
(b)細胞を少なくとも1つの試験化合物とインキュベートすること、
(c)核内受容体活性の任意の変化を判定し、当該核内受容体のリガンドである試験化合物を同定すること、
によって検出する。
【0061】
別の態様では、リガンド、アゴニスト、逆アゴニスト、アンタゴニスト及び/又は選択的調節因子として作用することができる物質を検出するための試験キットを提供し、このキットは、
(a)少なくとも1つの核内受容体及び1つ又は複数のコアクチベーターの少なくとも1つを発現する細胞、又は核内受容体及び1つ又は複数のコリプレッサーを発現する細胞、又は核内受容体及び1つ又は複数のキナーゼを発現する細胞、又は核内受容体及び1つ又は複数のシグナル伝達分子を発現する細胞、
(b)細胞とインキュベートするための少なくとも1つの試験化合物、
(c)測定可能な出力を使用して、核内受容体活性の任意の変化を判定する方法であって、当該核内受容体のリガンドである試験化合物を同定する方法
を含む。
【0062】
この試験キットは、1つ又は複数の核内受容体と試験物質を同時にインキュベートすることによって、試験物質(又は、場合によっては多数の試験物質)が特定の受容体のリガンド、アゴニスト、逆アゴニスト、アンタゴニスト及び/又は選択的調節因子として作用する能力を判定するという、本発明の方法の実施形態に有用である。
【0063】
本発明の各方法における核内受容体は、当業者に既知の任意の核内受容体である。核内受容体を細胞中で単一で発現することができ、あるいは複数の核内受容体を同一の細胞内又は細胞群内で発現することができる。例えば、ヘテロ二量体のような相互作用することが知られている核内受容体を同一細胞中で発現することができる。あるいは、共通のリガンド又はヘルパータンパク質を共有する核内受容体を、同一細胞中で発現することができる。あるいは、いかなる既知の相互作用又は共通点も有さない受容体を、同一細胞中で発現することができる。表1は、本明細書中に記載のアッセイで使用することができる核内受容体の非制限的なリストを示す。
【0064】
ヘルパータンパク質を発現する1つ又は複数のヘルパー遺伝子は、任意のヘルパータンパク質である。特異的な受容体と相互作用することが知られているヘルパータンパク質を使用することができる。あるいは、ヘルパータンパク質が特定の受容体と相互作用し、調節するかどうかを同定することにより、ヘルパータンパク質を試験することができる。表2は、本明細書中に記載のアッセイで使用することができるヘルパータンパク質の非制限的なリストを示す。
【0065】
1つ又は複数の核内受容体に加えて、ヘルパータンパク質を使用することの1つの利点は、受容体活性を増強して、より容易に測定できる影響を得ることができることである。別の利点は、核内受容体とヘルパータンパク質との組み合わせと特異的に相互作用する化合物を同定することができることである。核内受容体とヘルパータンパク質の組み合わせの非制限的な例を表4に示すが、これらはアッセイの任意の実施形態で使用することができる。
【0066】
核内受容体及び/又はヘルパータンパク質の少なくとも1つの発現は、細胞に導入された核酸に由来する。いくつかの実施形態では、核内受容体及びヘルパータンパク質を同一の核酸から発現させる。他の実施形態では、これらを異なる核酸から発現させる。いくつかの実施形態では、2つ以上の核内受容体を同一細胞中で発現させる。いくつかの実施形態では、2つ以上のヘルパータンパク質を同一細胞中で発現させる。更なる実施形態では、1つ又は複数のヘルパータンパクを細胞によって自然に発現させるか、又は過剰発現さ
せる。
【0067】
更なる実施形態では、細胞増殖マーカー又は代替的にはレポーター遺伝子も細胞中で発現させる。細胞増殖マーカー又はレポーター遺伝子を、受容体又はヘルパー由来の別々の核酸から発現させるか、もしくは核内受容体及び/又はヘルパー遺伝子と同一の核酸から発現させることができる。
【0068】
1つの実施形態では、測定可能な出力を使用して、試験される化合物による受容体活性の変化を同定する。1つの実施形態では、測定可能な出力は形態学的変化である。従って、例えば、細胞を試験物質でトランスフェクションし、試験物質を含まない対照細胞を試験物質を発現する細胞と比較することができる。この細胞を顕微鏡によって分析し、任意の形態学的変化を同定することができる。1つの実施形態では、形態学的変化は細胞の分化によって起こる。
【0069】
更なる実施形態では、リン酸化の変化に関して細胞を分析する。リン酸化の変化は、当業者に既知の任意の方法を使用して同定することができ、例えば、P32標識化ATPをリン酸化アッセイで使用し、細胞に取り込まれた放射性標識の量を分析することができる。リン酸化の変化は、リン酸化の増減を含む定量的変化であるか、又は代替的には、リン酸化したタンパク質の分子量の変化又はリン酸化したタンパク質の位置の変化といった定性的変化である。1つの実施形態では、リン酸化タンパク質を認識する抗体を使用することができる。これらの抗体を、ウェスタンブロット、FACS分析及びin situ技術が含まれるが、これらに限定されない当業者に既知の種々の方法で定量及び/又は分析することができる。抗体の位置、量及び/又はパターンといった変化を分析することができる。あるいは、細胞抽出物中で結合する抗体の量及び/又は抗体に結合するタンパク質の大きさを分析することができる。他の実施形態では、核内受容体レベルに応じた細胞内のタンパク質のリン酸化を、二次元ゲル電気泳動を使用して評価することができる。
【0070】
更なる実施形態では、測定可能な出力として遺伝子発現を使用することができる。1つの実施形態では、レポーター遺伝子を使用する。レポーター遺伝子を、このアッセイ中の少なくとも1つの核ホルモン受容体に特異的なホルモン応答エレメントを含むプロモーターから発現させることができる。いくつかの実施形態では、レポーターコンストラクトを少なくとも1つの受容体をコードする核酸及び少なくとも1つのヘルパータンパク質をコードする核酸(「ヘルパー遺伝子」)と共に細胞にトランスフェクトし、この細胞を1つ又は複数の試験物質と接触させることができる。トランスフェクトされた任意の又は全ての遺伝子は、同一の核酸又は別々の核酸上に存在する。レポーターの転写レベルと相関する測定可能な出力は、試験物質の存在下及び非存在下で定量することができる。
【0071】
[定義]
本明細書及び特許請求の範囲では、以下の用語を、以下に示すように定義するものとする。
【0072】
「試験物質」及び/又は「候補化合物」は、生物活性を有する可能性のある任意の薬物、化合物又は分子が含まれると意図される。試験物質は、ヘルパー遺伝子と組み合わされて、核ホルモン受容体と機能的に相互作用することができる任意の物質である。
【0073】
「リガンド」は、受容体活性を阻害するか又は刺激する任意の物質が含まれると意図される。「アゴニスト」は、受容体の機能活性(すなわち、受容体を介したシグナル伝達)を増加させるリガンドと定義される。「アンタゴニスト」は、アゴニストの作用の阻害するか又はそれ自体の活性の阻害(逆アゴニスト)することによって受容体の機能活性を低減させるリガンドと定義される。「選択的調節因子」は、核内受容体とコアクチベーター
、コリプレッサー、キナーゼ又はシグナル伝達分子の群由来の1つ又は複数のポリペプチドとの特定の組み合わせに対する活性を調節するリガンドと定義される。
【0074】
核ホルモン受容体の「調節因子」及び/又は「ヘルパー遺伝子」には、核内受容体の活性を直接又は間接的に調節する任意のポリペプチドであって、コリプレッサー、キナーゼ、シグナル伝達分子、コアクチベーター、ペプチド及び受容体が含まれるが、これらに限定されない。
【0075】
「核内受容体」には、細胞の内側の細胞質中及び/又は細胞の生理機能に影響を与える核内に存在し、リガンドによって阻害又は刺激される任意の分子が含まれると意図される。一般的には、核内受容体は、リガンド結合に応答せず(AF−1)、又は応答して(AF−2)細胞シグナルを引き起こす1つ又は2つの転写活性化ドメイン(AF−1及びAF−2)、リガンド結合性を有するリガンド結合ドメイン(LBD)、DNA上の特異的配列(シス作用エレメント)と相互作用するDNA結合ドメイン(DBD)を含む。更に、「核内受容体」には、切断受容体、修飾受容体、変異受容体、又は核内受容体の配列の一部もしくは全体を含む任意の分子が含まれる。
【0076】
[実施形態]
本明細書中に記載の各方法のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの核内受容体をコードするDNAは配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141及び143から成る群から選択される核酸、あるいはそれと相同な核酸を含む。いくつかの実施形態では、相同な核酸は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141及び143から成る群から選択されるヌクレオチド配列と少なくとも97%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%あるいは少なくとも70%相同である。いくつかの実施形態では、相同な核酸は配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141及び143の1つの少なくとも10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150、200、300、400又は500個の連続的なヌクレオチドを含む核酸と少なくとも97%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%あるいは少なくとも70%の核酸配列と相同である。相同性はデフォルトパラメータを用いたBLASTNバージョン2.0あるいはデフォルトパラメータを用いたtBLASTXを使用して測定できる(Altschul, S.F.他, ギャップBLAST及びPSI−BLAST:新たなタンパク質データベース探索プログラム, Nucleic Acid Res. 25: 3389-3402 (1997)、この開示は参照により全体が本明細書に援用される)。あるいは、いくつかの実施形態では、相同な核酸は配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、
25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141及び143から成る群から選択される核酸を含む機能的オーソログクラスター中に存在する核酸である。そのオーソログクラスターの全ての他の要素はホモログであると考えられる。機能的オーソログクラスターの例示的なライブラリは、米国国立衛生研究所の米国国立医学図書館における米国国立バイオテクノロジーセンターのウェブ・サイトで見られ、INTERNET EXPLORER(商標)又はNETSCAPE(商標)といったウェブ・ブラウザのアドレスバーに以下の引用文「www.ncbi.nim.nih」を入力し、その続きに「.gov/COG」を入力することでインターネット上でアクセスできる。遺伝子は上記の米国国立バイオテクノロジーセンターのウェブ・サイトで利用可能なCOGNITORプログラムを用いて、あるいは対象となる遺伝子とCOG要素を直接的にBLASTP比較し、その結果をTatusov, R. L., Galperin, M. Y., Natale, D. A.及びKoonin, E. V. 「COGデータベース : タンパク質機能と進化のゲノム規模の分析ツール」(Nucleic Acids Research, vol.28 no.1, pp.33-36, 2000)に記載されるように分析することでオーソログのクラスター群又はCOGに分類することができる。
【0077】
本明細書中に記載の各方法のいくつかの実施形態では、核内受容体をコードするDNAは、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142及び144の1つのアミノ酸配列、あるいは少なくともそれの5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100又は150個の連続的なアミノ酸を含む断片と少なくとも99%、95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも70%、少なくとも60%、少なくとも50%、少なくとも40%あるいは少なくとも25%の相同性あるいは類似性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含み、相同性又は類似性はデフォルトパラメータを用いたFASTAバージョン3.0t78アルゴリズムより確定される。あるいは、タンパク質の相同性や類似性はデフォルトパラメータを用いたBLASTP、デフォルトパラメータを用いたBLASTX、デフォルトパラメータを用いたTBLASTN又はデフォルトパラメータを用いたtBLASTXで同定することができる(Altschul, S.F.他, ギャップBLAST及びPSI−BLAST:新たなタンパク質データベース探索プログラム, Nucleic Acid Res., 25:3389-3402, 1997)、この開示は参照により全体が本明細書に援用される)。
【0078】
本明細書中に記載の各方法のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの核内受容体をコードするDNAはストリンジェントな条件あるいは緩やかな条件下で配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141及び143の1つに相補的な核酸配列から成る群から選択される核酸にハイブリダイズするDNAを含む。本明細書中に記載の各方法のいくつかの実施形態では、核内受容体をコードするDNAはストリンジェントな条件あるいは緩やかな条件下で、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、1
7、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141及び143の1つを含むが、これらに限定されない、核ホルモン受容体をコードする核酸と相補的な配列の少なくとも10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150、200、300、400又は500個の連続的なヌクレオチドを含む断片にハイブリダイズするDNAを含む。本明細書中で用いる場合、「ストリンジェントな条件」は、約45℃で6×SSCにおいてフィルタに結合した核酸にハイブリダイズし、続いて約68℃で0.1×SSC/0.2%SDSを用いて1回又は複数回洗浄することを意味する。他の例示的なストリンジェントな条件としては例えば使用される特定のプローブに適切な37℃、48℃、55℃及び60℃で6×SSC/0.05%ピロリン酸ナトリウムを用いて洗浄することを示す。本明細書中で用いる場合、「緩やかな条件」とは、45℃で6×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)においてフィルタに結合したDNAにハイブリダイズし、続いて約42〜65℃で0.2×SSC/0.1%SDSにおいて1回、好ましくは3〜5回洗浄することを意味する。
【0079】
本明細書中に記載の各方法のいくつかの実施形態では、核内受容体をコードするDNAが配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142及び144から成る群から選択される配列と少なくとも99%、95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも70%、少なくとも60%、少なくとも50%、少なくとも40%あるいは少なくとも25%のアミノ酸の相同性あるいは類似性を有するポリペプチドをコードするDNAを含む。本明細書中に記載の各方法のいくつかの実施形態では、核内受容体をコードするDNAが配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142及び144から成る群から選択される配列の少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100又は150個の連続的なアミノ酸を含む断片と少なくとも99%、95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも70%、少なくとも60%、少なくとも50%、少なくとも40%あるいは少なくとも25%のアミノ酸の相同性あるいは類似性を有するポリペプチドをコードするDNAを含む。相同性又は類似性はデフォルトパラメータを用いたFASTAバージョン3.0t78アルゴリズムにより確定される。あるいは、タンパク質の相同性又は類似性はデフォルトパラメータを用いたBLASTP、デフォルトパラメータを用いたBLASTX、又はデフォルトパラメータを用いたTBLASTNで同定することができる(Altschul, S.F.他, ギャップBLAST及びPSI−BLAST:新たなタンパク質データベース探索プログラム, Nucleic Acid Res., 25:3389-3402, 1997、この開示は参照により全体が本明細書に援用される)。
【0080】
あるいは、上記の核内受容体は変異型核内受容体であり、変異体の活性と野生型の受容体の活性とを比較するためのアッセイに用いられる。
【0081】
核内受容体をコードするDNAに加えて、1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードするDNAが発現する、本明細書中に記載の各方法のいくつかの実施形態では、1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードするDNAは配列番号145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、225、227、229、231、233、235、237、239及び241から成る群から選択される「補助遺伝子」のDNA配列、あるいは配列番号145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、225、227、229、231、233、235、237、239及び241から成る群から選択されるヌクレオチド配列と少なくとも97%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも70%、少なくとも60%、少なくとも50%又は少なくとも40%相同のDNAを含む。別の実施形態では、1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードするDNAは配列番号145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、225、227、229、231、233、235、237、239及び241の1つの少なくとも10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150、200、300、400又は500個の連続的なヌクレオチドを含む核酸と少なくとも97%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも70%、少なくとも60%、少なくとも50%又は少なくとも40%のヌクレオチド配列と相同のDNA配列を含む。相同性はデフォルトパラメータを用いたBLASTNバージョン2.0又はデフォルトパラメータを用いたtBLASTXで測定することができる(Altschul, S.F.他, ギャップBLAST及びPSI−BLAST:新たなタンパク質データベース探索プログラム, Nucleic Acid Res., 25:3389-3402, 1997、この開示は参照により全体が本明細書に援用される)。あるいは、1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードするDNAは配列番号145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、225、227、229、231、233、235、237、239及び241から成る群から選択される核酸を含む機能的オーソログクラスター中に含まれる核酸を含む。このオーソログクラスターの全ての他のメンバーは本明細書中に記載の各方法で用いることができる。機能的オーソログクラスターのこのようなライブラリは、米国国立衛生研究所の米国国立医学図書館における米国国立バイオテクノロジーセンターのウェブ・サイトで見られ、INTERNET EXPLORER(商標)又はNETSCAPE(商標)といったウェブ・ブラウザのアドレスバーに以下の引用文「www.ncbi.nim.nih」を入力し、その続きに「.gov/COG」を入力することで、インターネット上でアクセスできる。遺伝子は上記の同様のウェブ・サイトで利用可能なCOGNITORプログラムを用いて、あるいは対象となる遺伝子とCOG要素を直接的にBLASTP比較し、その結果をTatusov, R. L., Galperin, M. Y., Natale, D. A.及びKoonin, E. V. 「COGデータベース : タンパク質機能と進化のゲノム規模の分析ツール」(Nucleic Acids Research, vol.28 no.1, pp.33-36, 2000)に記述されるように分析することでオーソログのクラスター群又はCOGに分類することができる。
【0082】
核内受容体をコードするDNAに加えて、1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードするDNAが発現される、本明細書中に記載の各方法のいくつかの実施形態では、1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードするDNAが配列番号146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202、204、206、208、210、212、214、216、218、220、222、224、226、228、230、232、234、236、238、240及び242の1つのアミノ酸配列を含むポリペプチドと、あるいはそのアミノ酸配列の少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100又は150個の連続的なアミノ酸を含む断片と少なくとも99%、95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも70%、少なくとも60%、少なくとも50%、少なくとも40%あるいは少なくとも25%のアミノ酸の相同性あるいは類似性を有するポリペプチドをコードするDNAを含む。相同性又は類似性はデフォルトパラメータを用いたFASTAバージョン3.0t78アルゴリズムより確定される。あるいは、タンパク質の相同性又は類似性はデフォルトパラメータを用いたBLASTP、デフォルトパラメータを用いたBLASTX、デフォルトパラメータを用いたTBLASTN、又はデフォルトパラメータを用いたtBLASTXで同定される(Altschul, S.F.他, ギャップBLAST及びPSI−BLAST:新たなタンパク質データベース探索プログラム, Nucleic Acid Res., 25:3389-3402, 1997、この開示は参照により全体が本明細書に援用される)。
【0083】
1つ又は複数の核内受容体をコードするDNAに加えて、1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードするDNAが発現される、本明細書中に記載の各方法のいくつかの実施形態では、1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードするDNAが、ストリンジェントな条件あるいは緩やかな条件下で、配列番号145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、225、227、229、231、233、235、237、239及び241の1つと相補的なヌクレオチド配列から成る群から選択される核酸にハイブリダイズするDNAを含む。いくつかの実施形態では、この1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードするDNAが、ストリンジェントな条件あるいは緩やかな条件下で、配列番号145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、225、227、229、231、233、235、237、239及び241の1つと相補的な配列の少なくとも10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150、200、300、400又は500個の連続的なヌクレオチドを含む断片にハイブリダイズするDNAを含む。本明細書中で用いる場合、「ストリンジェントな条件」とは、約45℃で6×SSCにおいてフィルタに結合した核酸にハイブリダイズし、続いて約68℃で0.1×SSC/0.2%SDSにおいて1回又は複数回洗浄することを意味する。他の例示的なストリンジェントな条件としては、例えば用いられる特定のプローブに適切な37℃、48℃、55℃及び60℃で6×SSC/0.05%ピロリン酸ナトリウムを用いて洗浄することを示す。本明細書中で用いる場合、「緩やかな条件」とは、約45℃で6×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)を用いてフィルタに結合したDNAにハイブリダイズし、続いて約42〜65℃で0.2×SSC/0.1%SDSを用いて1回、好ましくは3〜5回洗浄することを意味する。
【0084】
いくつかの実施形態では、DNAは核内受容体活性又はヘルパータンパク質活性を維持する任意の上記核内受容体又はヘルパータンパク質の一部をコードする。例えば、いくつかの実施形態では、DNAは核内受容体又はヘルパータンパク質が1つ又は複数のその正常な生理学的機能を発揮する能力を維持する、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、少なくとも350又は350を超える、核内受容体又はヘルパータンパク質の連続アミノ酸を含むポリペプチドをコードする。このような生理学的機能には、転写活性化、シグナル伝達影響、リン酸化、他のタンパク質との相互作用が含まれるが、これらに限定されない。
【0085】
いくつかの実施形態では、受容体とヘルパータンパク質との特定の組み合わせが本発明の各方法に用いられる。1つの実施形態では、その組み合わせとして、TRβとDRIP205又はERK2;RARβとSRC1、DRIP205又はERK2;PPARγとSRC1又はERK2;FXRとSRC1、DRIP205又はERK2;LXRβとSRC1又はERK2;VDRとSRC1;PXRとSRC1;RXRαとDRIP205又はERK2;ERβとSRC1、DRIP205又はERK2;ARとDRIP205;MRとSRC1又はDRIP205;GRとSRC1;SHPとSRC1又はERK2;RevERbαとERK2;RORγとDRIP205;HNF4αとSRC1、DRIP205又はERK2;TR2αとSRC1;TLXとERK2;COUP−TFβとSRC1又はDRIP205;EAR2とSRC1、DRIP205又はERK2;ERRγとERK2;NOR−1とSRC1、DRIP205又はERK2;並びにGCNFとSRC1又はERK2から成る群から選択される組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0086】
更なる実施形態では、1つ又は複数の核内受容体及び1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードする核酸配列は配列番号5と配列番号161又は213;配列番号9と配列番号145、147、161又は213;配列番号21、23、25又は27と配列番号145、147又は213;配列番号49と配列番号145、147、161又は213;配列番号45と配列番号145又は213;配列番号51と配列番号145又は147;配列番号53、55又は57と配列番号145又は147;配列番号69と配列番号161又は213;配列番号93と配列番号145、147、161又は213;配列番号107と配列番号161;配列番号103と配列番号145、147又は161;配列番号101と配列番号145又は147;配列番号143と配列番号145、147又は161;配列番号29と配列番号213;配列番号43と配列番号161;配列番号61と配列番号145、147、161又は213;配列番号75と配列番号145又は147;配列番号79と配列番号161;配列番号87と配列番号145、147又は161;配列番号89と配列番号145、147又は161;配列番号99と配列番号161;配列番号123、125又は127と配列番号145、147、161又は213;並びに配列番号135と配列番号145、147又は213から成る群から選択される。
【0087】
更なる実施形態では、上記の1つ又は複数の核内受容体及び上記の1つ又は複数のヘルパータンパク質のアミノ酸配列が、配列番号6と配列番号162又は214;配列番号10と配列番号146、148、162又は214;配列番号22、24、26又は28と配列番号146、148又は214;配列番号50と配列番号146、148、162又は214;配列番号46と配列番号146、148又は214;配列番号52と配列番号146又は148;配列番号54、56又は58と配列番号146又は148;配列番号70と配列番号162又は214;配列番号94と配列番号146、148、162又は214;配列番号108と配列番号162;配列番号104と配列番号146、148又は162;配列番号102と配列番号146又は148;配列番号144と配列番号14
6、148又は162;配列番号30と配列番号214;配列番号44と配列番号162;配列番号62と配列番号146、148、162又は214;配列番号76と配列番号146又は148;配列番号80と配列番号162;配列番号89と配列番号146、148又は162;配列番号90と配列番号146、148又は162;配列番号100と配列番号162;配列番号124、126又は128と配列番号146、148、162又は214;並びに配列番号136と配列番号146、148又は214から成る群から選択される。
【0088】
本発明の更なる実施形態を、本出願と共に提出した別表Aに記載している。
【0089】
核内受容体
核内受容体ファミリーには、エストロゲン、アンドロゲン、糖質コルチコイド、T3/T4甲状腺ホルモン、レチノイド及びビタミンD3といった古典的な内分泌ホルモンの受容体が含まれる。グループとして、核内受容体には、大量の疎水性小リガンドに応答し、対応する一群の標的遺伝子を調節する広範な種々の核内受容体が含まれる。核内受容体ファミリーはまた、その元となる前駆体に類似して、例えば、ペルオキシソーム増殖活性化受容体(PPAR)、肝臓X受容体(LXR)及びファルネソイドX受容体(FXR)などの内分泌ホルモン自体よりも脂質代謝の中間体に応答するメンバーを含む。最後に、ニワトリオブアルブミン上流調節配列転写因子(COUP−TF)といった、リガンドが同定されていないオーファン受容体が挙げられる。
【0090】
オーファン受容体を除く一般的な核内受容体は、1段落シグナル伝達物質として機能し、入力(化学小リガンドの結合)を出力(特異的な標的遺伝子の転写速度の変化等)に伝達する。特異的な経路に制限されないが、多くの経路では、そうするために、核内受容体は、(a)標的遺伝子中又は標的遺伝子付近のホルモン応答エレメント(HRE)と呼ばれる特異的なDNA配列を認識し、(b)ホルモン又は脂質リガンドに結合し、最終的に、(c)標的プロモーターの転写速度を変化させる分子事象を仲介する。
【0091】
簡潔に述べれば、ほとんどの核内受容体は、ホモ二量体、又は核内受容体ファミリーの他のメンバー(特に、RXRメンバー)とのヘテロ二量体のいずれかとしてDNAに結合し、いくつかの核内受容体は、受容体モノマー又はオリゴマーとしてDNAを認識することもできる。各受容体モノマー中のジンクフィンガーモチーフは、ハーフサイトと呼ばれるDNA上の6〜8ヌクレオチドの配列を認識する。受容体二量体をリクルートするために、機能的HREは、特異的な配向及び位置で配置された2つのハーフサイトを含む。例えば、甲状腺ホルモン受容体(T3R)は、4塩基スペーサーを有する反復配列(DR−4)として配向した2つのAGGTCAハーフサイトに優先的に結合し、レチノイン酸受容体(RAR)は、同一のAGGTCAハーフサイトに結合するが、DR−5として配向し、エストロゲン受容体は、3塩基スペーサーを有する逆方向反復(INV−3)として配向したAGGTCAハーフサイトに結合し、アンドロゲン受容体(AR)は、AGAACAハーフサイトを含むINV−3配向を認識する。つまり、必然的に次のように簡略化される:HREは事実上、しばしばこれらのプロトタイプエレメントと配列及びトポロジーが異なるハーフサイトを含む。核内受容体はまた、c−Jun及びc−Fosといった非受容体転写因子と相互作用して、受容体をDNAに間接的に結合させるか、受容体及び非受容体の両方が特異的にDNA接触に寄与する複合体を形成する。これらの相互作用により、転写調節の複雑な組み合わせ様式を得ることができる。
【0092】
どのように核内受容体がホルモンリガンドを認識するのかということを理解するために、非常に的確な研究が行われた。これに関する操作物質は、三層のサンドイッチ構造にねじれた12個のαヘリックスドメインから構成されるC末端ホルモン結合ドメイン(HDB)である。ホルモンリガンドは、実質的にこのポリペプチドサンドイッチに取り囲まれ
、このホルモンは、受容体自体のフォールディングを完全にする疎水性コアとしての機能を果たす。リガンドと受容体との間のこの接近により、異なるホルモンは、受容体中で異なる立体構造を誘導することができる。これらのリガンド駆動受容体立体構造により、異なる生物学的結果が得られる。例えば、リガンドアゴニストによって、転写活性化を促進する受容体立体構造が得られるのに対して、リガンドアンタゴニストにより、転写抑制する受容体立体構造が得られる。
【0093】
核内受容体は、コリプレッサー及びコアクチベーターと呼ばれる一連の補助ポリペプチドをリクルートすることによって機能し、これらの補助タンパク質は、転写を抑制又は活性化する分子事象を仲介する。この転写の分子的機序を、以下により詳細に記載する。
【0094】
核内受容体は、転写調節のために使用されるサブドメインを有し、DNA結合又はホルモン認識のために使用される配列と区別することができる。これらの転写調節ドメインは、いくつかの別名(活性化ドメイン、活性化機能ドメイン、τドメイン、抑制ドメイン、サイレンシングドメイン)を有するが、機能様式は共通であり、これらは、コリプレッサー及びコアクチベーターがリクルートされる受容体上の結合表面を示す。ほとんど全ての核内受容体は、受容体HBD中にホルモン依存性活性化ドメインを有し、この活性化機能(AF)−2受容体ドメインは、コアクチベーターのための結合表面を形成して、HDBヘリックス3/5/6及び12の一部由来の三次元空間中で集合する。興味深いことに、この同一表面は重要なコリプレッサー結合部位と重複し、yin yangメカニズムが作動し、それにより、HBDヘリックス12におけるホルモン誘導性の変化が代替的にどちらか一方の種類のコレギュレーターのリクルートを促進する。全てではないが、多くの核内受容体は、コアクチベーターに結合するN末端ドメイン(AF−1配列と呼ばれる)内に更なる活性化ドメインを有し、そのDNA結合ドメイン内にあまり特徴付けがされていないコリプレッサー及びコアクチベーター相互作用表面を有する。
【0095】
ツーハイブリッド又は共沈実験において、これらの種々の結合表面のベイトとして活用することにより、研究者はコアクチベーター及びコリプレッサーに関する調査書類を一層増加させている。このようにして同定されたコアクチベーターを、以下の4つの群に大きく分類することができる:(a)クロマチンテンプレートを調節することができる、アセチラーゼ及びメチラーゼを含む酵素活性を有する(又はリクルートする)P160ファミリー、CARM、及びCBP/p300といったヒストン共有結合性調節因子、(b)ヌクレオソームの高次構造及び位置を変化させる、Swi/SnfファミリーといったATP依存性クロマチンリモデリング複合体、(c)前開始複合体の集合を助けるために一般的な転写機構と相互作用する、TRAP/DRIPといったメディエーター複合体成分、及び(d)未知の機能を有するコアクチベーター。
【0096】
核内受容体のために同定された第1のコリプレッサーは、SMRT(T3R関連コファクター、TRACとしても既知)及びそれに近いパラログであるN−CoR(受容体相互作用タンパク質13、すなわちRIP13としても既知である)であった。SMRT及びN−CoRは、2つの異なる遺伝子座によってコードされるが、共通の分子構造を有し、約45%のアミノ酸が相同であり、更なるSMRT及びN−CoR形態が、選択的mRNAスプライシングによって生成され、これにはSMRTτが含まれる。
【0097】
SMRT及びN−CoRの両方を、3〜4つの異なる転写抑制(又はサイレンシング)ドメイン(RD)を有するN末端部分、及び2つ又は3つの核内受容体相互作用ドメイン(ND)から構成されるC末端部分に概念的に分類することができる。RDは、コリプレッサーの更なる成分である、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)、トランスデューシン様タンパク質1(TBL−1)、Gタンパク質経路サプレッサー2(GPS2)及び(おそらく)mSin3並びにそのコホートなどをリクルートする結合表面である。
【0098】
受容体ホモ二量体及びヘテロ二量体は、異なるN−CoR結合性及びSMRT結合性を示す。例えば、T3Rホモ二量体はDNA応答エレメントに結合した場合にSMRT及びN−CoRを有効にリクルートするが、T3R/RXRヘテロ二量体ではリクルートされず、T3Rホモ二量体はT3R抑制の重要なメディエーターである。
【0099】
核内受容体の第3のサブグループは、ホルモンの非存在下でコリプレッサーとあまり結合しないか又は全く結合しないが、ホルモンアンタゴニストの存在下ではコリプレッサーに結合する能力が増加する。これらのホルモンアンタゴニストにはエストロゲン受容体(ER)、糖質コルチコイド受容体(GR)、プロゲステロン受容体(PR)及びアンドロゲン受容体(AR)が含まれる。
【0100】
多数の核内受容体は、複数の遺伝子座から発現するか、又は選択的mRNAスプライシングによって、発生及び生理機能において異なる役割を果たす複数の受容体アイソタイプ(又はアイソフォーム)が生成される。これらの受容体アイソタイプは、異なるコリプレッサーのリクルート能を示す。例えば、RARは3つの異なる遺伝子α、β及びγによってコードされる。RARαがホルモンの非存在下で標的遺伝子の発現を抑制するにもかかわらず、RARβ及びγは抑制せず、むしろ、これらはホルモンアゴニストの非存在下及び存在下の両方で転写を活性化する。転写調節におけるこれらの相違は、これらのイソ型のコリプレッサー結合性を反映する。すなわちRARαはin vitro及びin vivoでコリプレッサーに強く結合するのに対して、RARβ及びγは結合しない。
【0101】
本発明における細胞のトランスフェクションは、当該分野で既知の多数の方法のいずれか1つに従って行うことができる。一般に、1つ又は複数の核内受容体をコードするDNA配列、並びにコアクチベーター、コリプレッサー、キナーゼ及び他のシグナル伝達分子をコードするDNA配列を、組換えDNA操作に都合良く用いることができる適切なクローニングベクターに挿入することができる。発現ベクターは、核内受容体、コアクチベーター、コリプレッサー、キナーゼ又は他のシグナル伝達分子を発現させるプロモーター配列を有する。プロモーターは、選択された宿主細胞中で転写活性を示す任意のDNA配列であり、宿主細胞と相同又は非相同のタンパク質をコードする遺伝子に由来する。ベクターはまた、ポリアデニル化シグナル、転写エンハンサー配列、複製起点及び組み込み配列といったエレメントを含む。適切なベクターにDNA配列を挿入するために使用される手順は、当業者に既知である。
【0102】
更なる実施形態では、第1の核内受容体とヘテロ二量体化することが既知であるか、疑われるか又はそれを判定するために試験されるであろう、少なくとも1つの他の核内受容体でトランスフェクトすることができる。このような方法で、ヘテロ二量体と特異的に相互作用するリガンド、アゴニスト、アンタゴニスト、逆アゴニスト又は選択的調節因子を同定することができる。
【0103】
哺乳動物細胞中における核内受容体をコードするDNA及び/又はコアクチベーター、コリプレッサー、キナーゼ、又は他のシグナル伝達分子をコードする遺伝子といった「ヘルパー遺伝子」の転写の方向付けに適切なプロモーターの例には、SV40プロモーター(Subramani他, Mol. Cell Biol., 1 (1981), 854-864)、MT−1(メタロチオネイン遺伝子)プロモーター(Palmiter他, Science, 222, (1983), 809-814)又はアデノウイルス2主要後期プロモーターが含まれるが、これらに限定されない。
【0104】
核内受容体、及びコアクチベーター、コリプレッサー、キナーゼ又はシグナル伝達分子といったヘルパータンパク質をコードするDNA配列を、ヒト成長ホルモンターミネーター(前記のPalmiter他)といった適切なターミネーターに機能可能に連結することもでき
る。ベクターは、ポリアデニル化シグナル(例えば、SV40又はアデノウイルス5Elb領域由来)、転写エンハンサー配列(例えば、SV40エンハンサー)及び翻訳エンハンサー配列(例えば、アデノウイルスVA RNAをコードするもの)のようなエレメントを更に含んでもよい。
【0105】
ベクターは、対象の宿主細胞中でベクターが複製することができるDNA配列を更に含む。このような配列の例(宿主細胞が哺乳動物細胞である場合)は、SV40複製起点である。
【0106】
受容体、プロモーター及びターミネーターをそれぞれコードするDNA配列をライゲーションするため及び複製に必要な情報を含む適切なベクターにこれらを挿入するために使用される手順は、当業者に既知である(例えば、Sambrook他, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, N. Y., 1989)を参照のこと)。
【0107】
本発明の方法で使用することができる細胞には、コアクチベーター、コリプレッサー、キナーゼ、又はシグナル伝達分子といったヘルパータンパク質をコードする1つ又は複数の「ヘルパー遺伝子」の存在下で核内受容体を介してシグナル伝達を媒介することができる任意の細胞が含まれる。このような細胞は、典型的には哺乳動物細胞であるが、真核細胞(昆虫細胞等)又は原核細胞も適切である。使用することができる有用な哺乳動物細胞としては、好ましくはマウス線維芽細胞株NIH−3T3(ATCC CRL 1658)、RAT1細胞、HEK293細胞、CHO細胞及びCOS細胞が含まれるが、これらに限定されない。
【0108】
哺乳動物細胞をトランスフェクションし、細胞中に導入したDNA配列を発現する方法は、例えば、Kaufman及びsharp, J. MoI. Biol., 159, (1982), 601-621、Southern及びBerg, J. Mol. Appl. Genet., 1, (1982), 327-341、Loyter他, Proc. Natl. Acad. Sci USA, 79, (1982), 422-426、Wigler他, Cell, 14, (1978), 725、Corsaro及びPearson, Somatic Cell Genetics, 7, (1981), 603、 Graham 及び ver der Eb, Virology, 52, (1973), 456、Neumann他, EMBO J., 1, (1982), 841-845、並びにWigler他, Cell, 11, 1977,
pp.223-232に記載されている。
【0109】
当業者に既知の任意の核ホルモン受容体を本発明で使用することができ、これらには、表1及び3に記載のもの、「核ホルモン受容体」と見出しを付した上記のもの、核ホルモン受容体として新規に同定されたものが含まれるが、これらに限定されない。本明細書中で具体的に言及したほとんどの核ホルモン受容体はヒトのものであるにもかかわらず、既に同定されているものもあるこれらの受容体の哺乳動物、昆虫及び他のホモログを使用してアッセイすることができると理解される。ホモログには、任意のヒト核ホルモン受容体とアミノ酸が約30%〜100%(35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%及び99%が含まれるが、これらに限定されない)相同な全てのホモログが含まれる。アミノ酸相同性をBLASTを含む任意の従来のソフトウェアを使用して判定することができる。あるいは、相同性は本明細書中に開示の配列番号(配列番号1〜48が含まれるが、これらに限定されない)に対するものである。ホモログを当業者に既知の任意の方法を使用して同定することができる。
【0110】
いくつかの実施形態では、リガンド依存的に活性が調節される核ホルモン受容体は、核ホルモン受容体を発現する細胞中での1つ又は複数のシグナル伝達分子を同時発現させることによって本発明でアッセイすることができる。シグナル伝達分子は、コアクチベーター、コリプレッサー、キナーゼ又はシグナル伝達分子などの、核内受容体の活性を直接又
は間接的に調節する任意の分子である。
【0111】
【表1】

【0112】
表1中の全てのGenBankアクセッション番号の配列は、参照により本明細書中に援用される。この配列はアクセッション番号、それに続くヌクレオチド配列の配列番号及び更にそれに続くタンパク質の配列番号により示される。例えば、NM199334−1,2は、NR1A1(TRα)のヌクレオチド配列が配列番号1であり、タンパク質配列が配列番号2であることを意味する。
【0113】
既知のリガンドを使用する実施形態では、リガンドは核ホルモン受容体に結合し、当業者に既知の任意のリガンドである。既知のリガンドの例には表3中のリガンドが含まれるが、これらに限定されない。リガンドはこれらが会合する核ホルモン受容体も同定する。
【0114】
いくつかの実施形態では、非限定的にコアクチベーター、コリプレッサー、キナーゼ及び/又はシグナル伝達分子を含むヘルパータンパク質をコードする1つ又は複数の「ヘルパー遺伝子」を、核内受容体を発現する細胞中で発現させる。あるいは、いくつかの実施形態では、コアクチベーター、コリプレッサー、キナーゼ又はシグナル伝達分子としての活性について試験すべきポリペプチドを、受容体を発現する細胞中で発現させる。既知の「ヘルパー遺伝子」(コアクチベーター、コリプレッサー、キナーゼ又はシグナル伝達分子といったヘルパータンパク質をコードする)を使用する実施形態では、表2で同定した分子が含まれるが、これらに限定されない当業者に既知の任意のこのような分子も使用することができる。ヘルパータンパク質として作用するこれらのコアクチベーター、コリプレッサー又はキナーゼを、アッセイすべき細胞中に供給することができる。これらの分子を供給することにより、核内受容体と1つ又は複数のコアクチベーター、コリプレッサー、キナーゼ又はシグナル伝達分子といったヘルパー遺伝子タンパク質の特定の組み合わせに対して選択的なリガンドを同定することができる。従って、1つ又は複数の受容体に加えて、シグナル伝達分子を細胞中で発現させることができ、細胞をリガンドと接触させることができる。あるいは、受容体が構成的に活性な実施形態では、細胞をリガンドと接触させることなくアッセイを行うことができる。
【0115】
【表2】

【0116】
表2中の全てのGenBankアクセッション番号の配列は、参照により本明細書中に援用される。
【0117】
スクリーニングアッセイ
本発明の方法で使用したスクリーニングアッセイには、例えば、適切な核内受容体を含む哺乳動物細胞又は非哺乳動物細胞、タンパク質、細胞質抽出物及び/又は核抽出物、膜抽出物中において、1つ又は複数の核内受容体活性を反映し、化合物の受容体活性化又は不活性化能を感知することができる任意の機能的なアッセイが含まれる。
【0118】
好ましい実施形態では、受容体選択及び増幅技術R−SAT(米国特許第5,707,798号、同第5,912,132号及び同第5,955,281号 これらの開示の全体が参照により本明細書中に援用される)をスクリーニングアッセイとして使用する。
【0119】
他のアッセイは、発現可能な核ホルモン受容体遺伝子をトランスフェクションすること、少なくとも1つの「ヘルパー遺伝子」をトランスフェクションすること、及び少なくとも1つの試験物質の存在下で測定可能な出力を同定する初期ステップを含む。1つの実施形態では、受容体を表1から選択し、少なくとも1つのヘルパー遺伝子を表2から選択する。次いで、少なくとも1つの試験物質を添加し、測定可能な出力を分析することができる。
【0120】
ハイブリッド形成のために、DNAを細胞から単離し、適切な制限エンドヌクレアーゼで消化することができる。消化後、得られたDNAフラグメントをアガロースゲル上の電気泳動に供することができる。次いで、ゲルからのDNAをニトロセルロースフィルター上にブロットし、放射性標識オリゴヌクレオチドプローブとハイブリッド形成することができる。プローブは受容体遺伝子のDNAフラグメントを含む(E. M. Southern, J. Mol. Biol., 98, 1975, pp.503の方法に実質的に従う)。
【0121】
増幅のために、細胞から単離された総mRNAを逆転写してcDNAライブラリを調製することができる。次いで、受容体をコードするcDNAを目的の受容体をコードする遺伝子のセグメントに対応するオリゴヌクレオチドプライマーを使用したポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって増幅し、アガロースゲル上でサイズによって検出することができる。受容体をコードする遺伝子の少なくとも一部に対応するDNA配列を含む放射性標識化オリゴヌクレオチドプローブへのハイブリッド形成によって、増幅した受容体cDNAを検出することもできる。この方法は、例えば、上記のSambrook他により記載されている。
【0122】
変異受容体は本明細書中に記載の任意の方法で使用することができる。このような変異受容体を、種々の理由のために使用することができ、ホモ二量体形態、ヘテロ二量体形態、ホルモン結合形態、選択的スプラインシグ形態、活性化形態又は抑制形態といった1つの受容体形態と特異的に相互作用するコリプレッサー、コアクチベーター、キナーゼ、シグナル伝達分子、アゴニスト、及び/又はアンタゴニストを同定することを含むが、これらに限定されない。従って、任意の既知の部位を、他の受容体、ホルモン、コアクチベーター及び/又はコリプレッサーがもはや結合できないような方法で変異させることができる。多数のこのような受容体が同定及び産生されており、従って、当該分野で既知である。あるいは、受容体のクローニング、クローニングした受容体に対する変異誘発、及び構成的に活性化された受容体又はリガンド非依存性受容体のスクリーニングによるこのような変異受容体を産生する方法は、一般に、Maniatis著「Molecular Cloning, A Laboratory Manual」及びAusubel他著「Short Protocols in Molecular Biology」(1989)(Greene Publishing Associates and Wiley-Interscience)(例えば、233〜250頁の変異誘発
方法を参照のこと)等の参考文献で見出すことができる。あるいは、本明細書中に記載の方法を使用して、リガンドの存在下及び非存在下でトランスフェクションした受容体の活性を比較することによってリガンド非依存性受容体をスクリーニング及び同定することができる。受容体がリガンド非依存性である場合、リガンドの存在は、アッセイにおける受容体の活性に影響を与えないであろう。更に、リガンド非依存性受容体を本発明の方法で使用して、その活性を阻害するアンタゴニスト又は逆アゴニストといった化合物を同定することができる。
【実施例】
【0123】
本明細書中に記載及び主張されている発明は、本明細書中に開示の特定の実施形態によってその範囲が制限されるべきではなく、それは、これらの実施形態が、本発明のいくつかの態様の例示を意図するからである。任意の同等な実施形態は、本発明の範囲内であると意図される。実際、本明細書中に示し、記載したこれらの実施形態に加えて、本発明の種々の変更形態が、上記記載から当業者に明らかとなる。このような変更形態も、添付の特許請求の範囲の内に含まれると意図される。
【0124】
本発明は、以下の実施例に更に開示され、本実施例は主張された本発明の範囲を制限することを決して意図しない。
【0125】
実施例1:単一の核内受容体をアッセイするための一般的プロトコル
細胞ベースの機能的なアッセイである受容体及び選択増幅技術(R−SAT(商標))(米国特許第5,707,798号)を改良して、1つの核内受容体の薬理学的表現型を調べることができるアッセイを開発した。
【0126】
NIH−3T3細胞(American Type Culture CollectionからATCC CRL 1658として入手可能)の培養物を、50〜60%のコンフルエンシーに調製した。1日目に細胞をトリプシン処理し、遠心分離し、10%ウシ血清を含む100μl/ウェルのダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)を含む96ウェルプレート中に8,000細胞/ウェルでまいた。2日目に、製造業者が推奨するようにトランスフェクション試薬Superfect(登録商標)(Qiagen, Inc.)を使用して細胞をトランスフェクションした。種々の用量の核内受容体プラスミドDNAをトランスフェクションした。DNA混合物は、0.1〜10ng/ウェルの受容体DNA、20〜30ng/ウェルのβ−ガラクトシダーゼプラスミドDNA(pSV β−ガラクトシダーゼ、Promega)、及び15μlのSuperfect(登録商標)を含んでいた。3日目に、培地を、種々の量の試験化合物を含む2%のCyto−SF3(Kemp Biotechnologies, Inc.)を含むDMEMと置換した。細胞を、5%のCO2を補充した加湿環境下で37℃で5日間培養し、その後、米国特許第5,707,798号に記載のように、培地をβ−ガラクトシダーゼ基質であるo−ニトロフェニル−β−D−ガラクト−ピラノシドとの置換によって、β−ガラクトシダーゼ活性を評価した。自動プレートリーダーを使用して420nmの吸光度の変化を測定することによって全データを得た。式r=A+B(x/(c+c))(式中、A=最小応答であり、B=最大応答−最大応答であり、c=EC50であり、r=応答であり、x=リガンドの濃度である)を使用してEC50値を計算した。XLFitソフトウェア(Microsoft)を使用して曲線を作成した。
【0127】
表3に示す実験では、上記の単一受容体形態法を使用し、既知のリガンドと結合したいくつかの核内受容体を試験した。表3のデータは、本方法が全ての核ホルモン受容体に対する薬理学的に関連する応答を得るのに有用であることを示す。
【0128】
実施例2:複数の受容体形態
実施例1に記載の方法を複数の受容体形態に適用できるかを試験するために、実施例1
に記載のように、NIH−3T3細胞を、糖質コルチコイド受容体(GR)、エストロゲン受容体β(ERB)及びβ−ガラクトシダーゼのcDNAをコードするプラスミドでコトランスフェクションした。トランスフェクションした細胞を各受容体の既知のリガンドと接触させ、実施例1に記載のように活性を測定した。正のβ−ガラクトシダーゼ応答は有効なリガンド/受容体相互作用を示した。示すように、2つのリガンドに対する選択的薬理学的応答が認められ、本明細書中に開示の方法を複数の受容体形態で使用することができることが確認された。
【0129】
実施例3:核応答におけるコアクチベーターの重要性
以下の実施例は、リファンピシン(PXR)受容体(GenBank AF61056)の薬理学的応答におけるコアクチベーターの重要性を実証する。PXR受容体は、レチノイン酸核内受容体RXRサブタイプ(GenBank U38480)とヘテロ二量体を形成する。コアクチベーターGRIP1(糖質コルチコイド受容体相互作用タンパク質1)(GenBank U39060)及びSRC−1(ステロイド受容体コアクチベーター1)(GenBank U90661)をこのアッセイで使用した。まとめると、コアクチベーターをコードするプラスミドDNAを、上記トランスフェクション混合物(PXR、RXR及びβ−GalプラスミドDNAを含む)とコトランスフェクションした。コトランスフェクションした細胞を、リファンピシンと接触させ、実施例1に記載のようにβ−ガラクトシダーゼ活性を測定した。
【0130】
結果を図2に示す。図2は、R−SATによって判定されたPXR受容体のアゴニスト応答の一般的な薬理学的プロファイルを示す。この研究から導くことができる結論は以下の通りである:
(a)1つのコアクチベーター(SRC−1又はGRIP1のいずれか)のコトランスフェクションにより、薬理学的なPXR応答が部分的に活性化され、PXR及びRXRのみを使用して認められた不十分な応答よりも有意に高い。
(b)両方のコアクチベーター(SRC−1及びGRIP1)のコトランスフェクションにより相乗影響が得られ、完全なPXRの薬理学的応答が得られる。
(c)複数のコアクチベーターのコトランスフェクションにより、いかなる不利益な影響を示すことなくPXRアゴニスト応答が改良される。
【0131】
上記実験は、コアクチベーターが特に容易にアッセイするのに十分な範囲で核内受容体PXR及びRXRでトランスフェクションした細胞の増殖の誘発に非常に有用であることを示す。実際、単独で発現したPXR及びRXRにより、弱く(有効性5〜10%)影響のない薬理学的応答が明示された。コアクチベーターの存在下ではPXR/RXRの薬理学的な応答は強く(有効性100%)、薬理学的に関連していた。更に、これらの研究は、増幅アッセイが核内受容体のシグナル伝達必要条件(例えば、コアクチベーター等)の同定に非常に有用であるという事実を反映する。
【0132】
実施例4:多数の核内受容体の刺激
表3は、そのリガンド結合特性に基づいたいくつかの機能カテゴリーに属するいくつかの核内受容体を列挙している。これらの核レポーターでトランスフェクションした細胞を、示したリガンドを使用した実施例1に記載の単一核内受容体法のアッセイに一般的なプロトコルを使用してアッセイした。結果を表3に示す。これらのデータは、本明細書中に記載の方法又は当業者に明らかであろうアッセイの任意の変形形態を使用して、全ての核内受容体をアッセイすることができることを示す。
【0133】
【表3】

【0134】
実施例5:核内受容体の構成的活性の検出
構成的活性を、アゴニストへの結合がない状態で受容体が示す活性によって定義する。以下の実施例は、本明細書中に記載の増幅アッセイ及び増幅方法が種々の核内受容体の構成的活性の判定に有用であることを示す。実施例6で示されるように、このような情報は、例えば、受容体に対する既知又は未知の化合物の逆アゴニスト活性を評価するための実験パラメーターを判定するのに特に有用である。
【0135】
実施例1に記載のように、RXRレチノイン酸受容体及びβ−Gal受容体をコードするプラスミドDNA並びにPPARγ又はCARα核内受容体をコードする一定範囲の濃度のプラスミドDNAで細胞をトランスフェクションした。PPARγは、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体である。CARαは、構成的アンドロスタン受容体(CAR)αである。両方の受容体はRXR受容体とヘテロ二量体を形成する。300pg、1.5ng、6.0ng又は30ngのPPARγ又はCARαDNAでトランスフェクションを行った。実施例1に記載のように、トランスフェクション細胞のβ−ガラクトシダーゼ活性を測定し、組換え核内受容体を発現しなかった細胞と比較した。図3は、Miller単位で示した実験結果を示す。
【0136】
この研究から導くことができる結論は以下の通りである:
1.R−SAT(商標)技術は、核内受容体によって示された構成的活性レベルの測定
に適用することができる。
2.各核内受容体は異なる程度の構成的活性を発現し、この活性は細胞にトランスフェクションされた受容体量に一部依存する。
3.核内受容体によって示された構成的活性の範囲は、逆アゴニストに対して応答可能なダイナミックレンジを構成する。
【0137】
実施例6:核内受容体の逆アゴニズムの検出
以下の実施例は、本明細書中に記載の方法が、核内受容体の逆アゴニストの同定及び検出に有用であることを示す。
【0138】
実施例5で示したように、PPARγ及びCARαは構成的活性を示す。実施例1に記載のように、PPARγ及びRXR受容体(ヘテロ二量体を形成することが知られている)をコードするプラスミドDNA又はCARα及びRXR核内受容体(ヘテロ二量体を形成することが知られている)をコードするプラスミドDNA及びβ−GalレポーターDNAで細胞をトランスフェクションした。実施例1に記載のように、細胞を指定の量の既知の逆アゴニストBRL49653又はアンドロステノールとそれぞれ接触させ、β−ガラクトシダーゼ活性を測定した。データを図4A及び4Bに示すが、これらは両方の化合物が逆アゴニスト活性を有することを示す。これらのデータは、R−SAT(商標)技術が核内受容体において逆アゴニスト活性を有する化合物を検出するのに適用することができることを示す。
【0139】
実施例7:異なる補助計画による受容体活性の使用可能性
以下の実施例は、核ホルモン受容体活性を有効にするか、又は改良するために異なる補助計画が必要であることを示す。
【0140】
既知のリガンドを有する核内受容体(表4A)又はオーファン受容体(表4B)及び示したヘルパー遺伝子(SRC1、GRIP又はErk2)で細胞をトランスフェクションした。SRC1及びGRIPは2つの異なるタイプのコアクチベーターであり、Erk2はキナーゼである。実施例1に記載のように、トランスフェクション細胞をR−SAT(商標)を使用してアッセイした。500未満の吸収単位(AU)の活性を示す細胞サンプルを「−」と示した。100〜500の単位の活性を示すサンプルを「+」で示し、500〜1,000の単位の活性を示すサンプルを「++」で示し、1,000を超える単位の活性を示すサンプルを「+++」で示した。データを表4A及び4Bに示す。
【0141】
【表4A】

【0142】
【表4B】

【0143】
これらのデータは、核ホルモン受容体のアッセイを可能にするか、又は改良するのにヘルパー遺伝子がしばしば必要であることを示す。
【0144】
実施例8:選択的な核内受容体調節因子
本実施例は、特定の受容体に対する活性を有する候補分子をスクリーニングするために、開示した方法をどのように使用することができるのかを示す。選択的な核内受容体調節因子は、混合したアゴニスト/アンタゴニストの特徴を有する種類の化合物をいう。この特異性は細胞タイプ依存性であり、エストロゲン調節因子の場合、コレギュレーターのリクルートに関連している(Shang及びBrown, 2002, Nature, 295:2465)。より一般的には
、選択的な核内受容体調節因子の設計により、現在利用可能な治療プロファイルよりも良好な治療プロファイルを有する新規の薬物を同定できる可能性があると考えられる。本明細書中に記載の増幅技術及び、例えばR−SAT(商標)により、多数の核内受容体−コレギュレーター相互作用を区別することが可能である(表4を参照)。従って、R−SAT(商標)は核内受容体の活性の選択的調節因子の同定に適用することができる。
【0145】
実施例9:核応答におけるキナーゼの重要性
以下の実施例は、核内受容体の薬理学的な応答におけるキナーゼなどのヘルパー遺伝子の重要性を示す。
【0146】
細胞を、核内受容体RARβ2及びβ−GalプラスミドDNAをコードするプラスミドDNA並びにMAPキナーゼERK2でトランスフェクションした。トランスフェクションした細胞を、示した量のAM590(pan−レチノイドアゴニストリガンド)と接触させた。実施例1に記載のように、R−SAT(商標)を使用して細胞をアッセイした。結果を図5に示すが、これは、R−SATによって判定したレチノイド受容体のアゴニスト応答の一般的な薬理学的プロファイルを示す。これらのデータは、ERK2のコトランスフェクションによってRARβ2で認められたアゴニスト応答が改良されることを示す。
【0147】
実施例10:新規の相互作用の同定
この実施例は、特定の受容体とシグナル伝達分子との間の新規の相互作用を同定及び分析するために、どのように開示した方法をすることができるのかを示す。
【0148】
MAPKシグナル伝達カスケードに関連する多数のシグナル伝達分子と相互作用することが知られているβ−アレスチン1及びβ−アレスチン2のどちらであるかを判定するために、β−アレスチン1又はβ−アレスチン2が異なるレチノイド核内受容体の活性に影響を与える能力をアッセイした。実施例1に記載のように、示したRAR受容体、及びアレスチン1又はβ−アレスチン2のいずれか、並びにβ−GalプラスミドDNAでコトランスフェクションした。実施例1に記載のように、細胞をAM590と接触させ、R−SAT(商標)を使用してアッセイした。データを図6に示す。示すように、シグナル伝達中間体β−アレスチン2(GenBank NM004313、NM199004 参照により全体が本明細書中に援用される)は、RARβ2といったRAR受容体の活性を正に調節できるが、β−アレスチン1(GenBank NM004041、NM020251 参照により全体が本明細書中に援用される)は調節できない。
【0149】
免疫共沈降実験を使用して、β−アレスチン2とRARβ2及びErkの相互作用を確認した。実施例7に記載のようにRARβ2及びErkをコードするプラスミドでコトランスフェクションした細胞をプレートから掻き取り、スピンして沈殿させ、溶解緩衝液(25mM HEPES、0.3M NaCl、1.5mM MgC12、0.2mM EDTA、0.5% Triton、及びプロテアーゼ阻害剤カクテル)に再懸濁した。50μgの細胞抽出物を免疫前血清で予め浄化し、タンパク質A/Gセファロース及び抗Erk、Jnk又はP38抗体(表示のもの)と2時間インキュベートし、その後に丁寧に洗浄した。免疫複合体をSDS−PAGEを使用した変性ポリアクリルアミドゲルで分離し、タンパク質をImmobilon−Pメンブレン(Millipore, ビルリカ, マサチューセッツ)にブロットした。Piu他(2002)に記載のように、抗RARβ2抗体を使用してウェスタンブロットを行った。図7A中のデータは、RARβ2とErkの間の相互作用を示す。対照的に、RARβ2とJnk又はp38の間には相互作用は認められなかった。
【0150】
図7Bに示した一連の実験では、Erk2、RARβ2及びβ−アレスチン2で細胞を
コトランスフェクションした。上記のように、示された抗Erk2抗体又は抗RARβ2抗体を使用して免疫共沈降を行った。抗β−アレスチン2抗体をウェスタンブロット法で使用した。図7Bに示すように、β−アレスチン2はMAPキナーゼERK2と物理的に相互作用し、図7Aに示すように、それはRARβ2に結合して活性化させる。
【0151】
この実施例のデータは、核内受容体と他のシグナル伝達タンパク質との間の新規の相互作用を同定及び特徴付けるために本明細書中に記載の方法が有効であることを示す。
【0152】
上記の種々の方法及び技術は本発明を実施するための多数の方法を提供する。もちろん、記載された目的又は利点の必ずしも全てが本明細書中に記載の任意の特定の実施形態に従って達成できるわけではないことは理解すべきである。従って、例えば、当業者は、本明細書中で教示された1つの利点又は複数の利点を達成又は至適化する様式であって、他の目的又は利点が必ずしも達成されない様式によって本方法は達成されることを認識する。
【0153】
更に、当業者は異なる実施形態由来の種々の特徴が交換可能であることを認識する。同様に、当業者は上記で考察した種々の特徴及びステップ並びにこのような特徴又はステップと同等の他の既知のものを組み込み、適合させて、本明細書中に記載の原理に従って本方法を実施することができる。
【0154】
本発明は特定の実施形態及び実施例の文脈で開示されているが、当業者は本発明が詳細に開示している実施形態を超えて、他の別の実施形態及び/又は使用並びにその明らかな変更形態及び同等なものまで拡大されると理解するだろう。従って、本発明は本明細書中の好ましい実施形態の特定の開示に制限されることを意図しないが、本明細書に添付の特許請求の範囲が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0155】
【図1】受容体のアゴニスト誘導をβ−ガラクトシダーゼ活性として検出した、複数の受容体形態の実施形態を示した図である。糖質コルチコイド受容体GRα及びエストロゲン受容体ERβをコードする受容体DNAを、β−ガラクトシダーゼマーカーDNAとコトランスフェクションした。次いで、各細胞アリコートを種々の濃度のGR選択性リガンドであるデキサメタゾン及びER選択性リガンドであるエストロンとインキュベートした。
【図2】核ホルモン受容体の活性調節において、本明細書中に記載の実施形態を使用してどのようにシグナル伝達分子及び特定のコアクチベーターの重要性を評価することができるのかを示す図である。PXR受容体(リファンピシン受容体)及びRXR受容体(レチノイン酸受容体)をコードするDNAを、コアクチベーターGRIP1及びSRC1(糖質コルチコイド受容体相互作用タンパク質1及びステロイド受容体コアクチベーター1)単独又はその組み合わせの存在下又は非存在下で、β−ガラクトシダーゼマーカーDNAとコトランスフェクションした。リファンピシンはPXR/RXRヘテロ二量体の基準となるアゴニストリガンドである。
【図3】核ホルモン受容体によって示された構成活性レベルを定量するために、どのようにして本発明を使用することができるのかを示すヒストグラムである。単一受容体、形態法を使用して、β−ガラクトシダーゼマーカーと共に濃度を上げながら核内受容体をトランスフェクションした。データは、ペルオキシソームPPARγ/RXR受容体及びアンドロスタンCARα/RXRヘテロ二量体受容体の相対構成的活性を示す。
【図4】図4Aはアンドロステノールの量を増加させながらの、CARα/RXRの逆アゴニズムを示す図である。図4BはBRL49635の量を増加させながらの、核内受容体PPARγ/RXRの逆アゴニズムを示す図である。
【図5】R−SAT(商標)によって判定したレチノイド受容体のアゴニスト応答の一般的な薬理学的プロファイルを示す図である。
【図6】受容体とシグナル伝達分子の間の相互作用同定するために、本明細書中に記載の実施形態をどのように使用することができるのかを示す図である。示したRAR受容体をコードするDNAを、βアレスチン1又はβアレスチン2をコードするプラスミドDNAを伴って、又は伴わずβ−ガラクトシダーゼマーカーDNAでコトランスフェクションした。細胞をAM−580と接触させ、β−ガラクトシダーゼ活性を測定した。
【図7】図7Aは核内受容体(RARβ2)と他のシグナル伝達タンパク質(Erk、Jnk及びP38)の間の相互作用を示す免疫共沈降実験のブロットを示す図である。図7Bは核内受容体(RARβ2)と他のシグナル伝達タンパク質(bArr2)の間の相互作用を示す免疫共沈降実験のブロットを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
核内受容体の活性に対する候補化合物の影響を評価する方法であって、
1つ又は複数の核内受容体及び1つ又は複数のヘルパータンパク質を発現する細胞であって、核内受容体及びヘルパータンパク質の少なくとも1つが、細胞に導入されている核酸から発現する細胞を得ること、
該細胞を候補化合物に接触させること、並びに
該候補化合物が核ホルモン受容体の活性に影響を与えるかどうかを判定すること
を含む方法。
【請求項2】
1つ又は複数の核内受容体及び1つ又は複数のヘルパータンパク質の両方が、細胞に導入されている核酸から発現する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1つ又は複数の核内受容体及び1つ又は複数のヘルパータンパク質が、細胞に導入されている同一の核酸から発現する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
1つ又は複数の核内受容体が、細胞に導入されている第1の核酸から発現し、1つ又は複数のヘルパータンパク質が、細胞に導入されている第2の核酸から発現する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記判定するステップが、前記核内受容体及びヘルパータンパク質を発現し、候補化合物と接触させた第1の細胞中の核ホルモン受容体の活性と、前記核内受容体及びヘルパータンパク質を発現し、候補化合物と接触させていない第2の細胞中の核内受容体の活性とを比較することであって、第1の細胞中の核内受容体の活性が第2の細胞中の核内受容体の活性と有意に異なる場合に、候補化合物は核内受容体の活性に影響を与えると判定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記1つ又は複数の核内受容体が、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141及び143から成る群から選択される核酸によってコードされ、1つ又は複数のヘルパータンパク質が、配列番号145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、225、227、229、231、233、235、237、239及び241から成る群から選択される核酸によってコードされる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記1つ又は複数の核内受容体が、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141及び143から成る群から選択されるヌクレオチド配列と少なくとも70%のヌクレオチド配列が相同である核酸を含む核酸によってコードされ、1つ又は複
数のヘルパータンパク質が、配列番号145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、225、227、229、231、233、235、237、239及び241から成る群から選択されるヌクレオチド配列と少なくとも70%のヌクレオチド配列が相同である核酸を含む核酸によってコードされる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記1つ又は複数の核内受容体が、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142及び144から成る群から選択されるアミノ酸配列を含み、1つ又は複数のヘルパータンパク質が、配列番号146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202、204、206、208、210、212、214、216、218、220、222、224、226、228、230、232、234、236、238、240及び242から成る群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記1つ又は複数の核内受容体が、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142及び144から成る群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも70%のアミノ酸が相同であるアミノ酸配列を含み、1つ又は複数のヘルパータンパク質が、配列番号146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202、204、206、208、210、212、214、216、218、220、222、224、226、228、230、232、234、236、238、240及び242から成る群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも70%のアミノ酸が相同であるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記1つ又は複数の核内受容体及び1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードする核酸配列の組み合わせが、
配列番号5と配列番号161又は213;
配列番号9と配列番号145、147、161又は213;
配列番号21、23、25又は27と配列番号145、147又は213;
配列番号49と配列番号145、147、161又は213;
配列番号45と配列番号145又は213;
配列番号51と配列番号145又は147;
配列番号53、55又は57と配列番号145又は147;
配列番号69と配列番号161又は213;
配列番号93と配列番号145、147、161又は213;
配列番号107と配列番号161;
配列番号103と配列番号145、147又は161;
配列番号101と配列番号145又は147;
配列番号143と配列番号145、147又は161;
配列番号29と配列番号213;
配列番号43と配列番号161;
配列番号61と配列番号145、147、161又は213;
配列番号75と配列番号145又は147;
配列番号79と配列番号161;
配列番号87と配列番号145、147又は161;
配列番号89と配列番号145、147又は161;
配列番号99と配列番号161;
配列番号123、125又は127と配列番号145、147、161又は213;並びに
配列番号135と配列番号145、147又は213
から成る群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記1つ又は複数の核内受容体及び1つ又は複数のヘルパータンパク質のアミノ酸配列の組み合わせが、
配列番号6と配列番号162又は214;
配列番号10と配列番号146、148、162又は214;
配列番号22、24、26又は28と配列番号146、148又は214;
配列番号50と配列番号146、148、162又は214;
配列番号46と配列番号146、148又は214;
配列番号52と配列番号146又は148;
配列番号54、56又は58と配列番号146又は148;
配列番号70と配列番号162又は214;
配列番号94と配列番号146、148、162又は214;
配列番号108と配列番号162;
配列番号104と配列番号146、148又は162;
配列番号102と配列番号146又は148;
配列番号144と配列番号146、148又は162;
配列番号30と配列番号214;
配列番号44と配列番号162;
配列番号62と配列番号146、148、162又は214;
配列番号76と配列番号146又は148;
配列番号80と配列番号162;
配列番号89と配列番号146、148又は162;
配列番号90と配列番号146、148又は162;
配列番号100と配列番号162;
配列番号124、126又は128と配列番号146、148、162又は214;並びに
配列番号136と配列番号146、148又は214
から成る群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記細胞が発現する核内受容体と、前記細胞が発現するヘルパータンパク質との組み合わせが、
TRβとDRIP205又はERK2;
RARβとSRC1、DRIP205又はERK2;
PPARγとSRC1又はERK2;
FXRとSRC1、DRIP205又はERK2;
LXRβとSRC1又はERK2;
VDRとSRC1;
PXRとSRC1;
RXRαとDRIP205又はERK2;
ERβとSRC1、DRIP205又はERK2;
ARとDRIP205;
MRとSRC1又はDRIP205;
GRとSRC1;
SHPとSRC1又はERK2;
RevERbαとERK2;
RORγとDRIP205;
HNF4αとSRC1、DRIP205又はERK2;
TR2αとSRC1;
TLXとERK2;
COUP−TFβとSRC1又はDRIP205;
EAR2とSRC1、DRIP205又はERK2;
ERRγとERK2;
NOR−1とSRC1、DRIP205又はERK2;並びに
GCNFとSRC1又はERK2
から成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記判定するステップが、形態、リン酸化、分化、アポトーシス、突起形成、運動性、遺伝子発現、細胞受容体の発現、及び表現型の変化から成る群から選択される細胞パラメーターを評価することによって、前記化合物が1つ又は複数の核内受容体の活性に影響を与えるかどうか判定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
転写レベルが前記核内受容体の活性化に応答するプロモーターを含む核酸であって、検出可能な産物をコードする核酸に作動可能に連結されている該プロモーターを含む核酸を細胞に導入すること、及び検出可能な産物の量の測定によって、候補化合物が核内受容体の活性に影響を与えるかどうかを判定することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
核内受容体と1つ又は複数のヘルパータンパク質との間の相互作用を同定する方法であって、
1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードするDNAと共に、核内受容体をコードするDNA及び細胞増殖マーカーをコードするDNAで第1の細胞培養物をコトランスフェクションすること、
該第1の細胞培養物を、トランスフェクション細胞の細胞増殖に十分な時間インキュベートすること、
核内受容体をコードするDNA及び細胞増殖マーカーをコードするDNAで第2の細胞培養物をコトランスフェクションすること、
この第2の細胞培養物を、トランスフェクション細胞の細胞増殖に十分な時間インキュベートすること、及び
前記核内受容体及び前記1つ又は複数のヘルパータンパク質を発現するトランスフェクション細胞の増殖レベルを、該核内受容体をコードするDNAでトランスフェクションしたが、該1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードするDNAでトランスフェクションしていない細胞の増殖レベルと比較することによって、該1つ又は複数のヘルパータンパク質が該核内受容体と相互作用するかどうかを判定すること
を含む方法。
【請求項16】
前記ヘルパータンパク質が、配列番号146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202、204、206、208、210、212、214、216、218、220、222、224、226、228、230、232、234、236、238、240及び242から成る群から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ヘルパータンパク質が、配列番号146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202、204、206、208、210、212、214、216、218、220、222、224、226、228、230、232、234、236、238、240及び242から成る群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも70%相同である、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記核内受容体をコードするDNAが、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141及び143から成る群から選択される配列を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記核内受容体をコードするDNAが、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141及び143から成る群から選択される配列と少なくとも70%相同の配列を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記核内受容体をコードするDNAが、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142及び144から成る群から選択される配列を含むポリペプチドをコードする、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記核内受容体をコードするDNAが、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142及び144から成る群から選択される配列と少なくとも70
%相同の配列を含むポリペプチドをコードする、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードするDNAが、配列番号145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、225、227、229、231、233、235、237、239及び241から成る群から選択される配列を含む、請求項44に記載の方法。
【請求項23】
前記1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードするDNAが、配列番号145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、225、227、229、231、233、235、237、239及び241から成る群から選択される配列と少なくとも70%相同の配列を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
前記1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードするDNAが、配列番号146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202、204、206、208、210、212、214、216、218、220、222、224、226、228、230、232、234、236、238、240及び242から成る群から選択される配列を含むポリペプチドをコードする、請求項15に記載の方法。
【請求項25】
前記1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードするDNAが、配列番号146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202、204、206、208、210、212、214、216、218、220、222、224、226、228、230、232、234、236、238、240及び242から成る群から選択される配列と少なくとも70%相同の配列を含むポリペプチドをコードする、請求項15に記載の方法。
【請求項26】
前記核内受容体をコードするDNA及び前記細胞増殖マーカーをコードするDNAが、同一ベクター上に存在する、請求項15に記載の方法。
【請求項27】
前記核内受容体をコードするDNA及び前記細胞増殖マーカーをコードするDNAが、別々のベクター上に存在する、請求項15に記載の方法。
【請求項28】
前記第1の細胞培養物をトランスフェクション細胞の細胞増殖に十分な時間インキュベートするステップが、該第1の細胞培養物を核内受容体に結合するリガンドと接触させることを含み、前記第2の細胞培養物をトランスフェクション細胞の細胞増殖に十分な時間インキュベートすることが、該第2の細胞培養物を核内受容体に結合するリガンドと接触させることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項29】
前記リガンドがアゴニストである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記リガンドがアンタゴニストである、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
核内受容体と1つ又は複数のヘルパータンパク質との間の相互作用を同定する方法であって、
1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードするDNAと共に、核内受容体をコードするDNA及び細胞増殖マーカーをコードするDNAで第1の細胞培養物をコトランスフェクションすること、
該細胞培養物を、核内受容体のアゴニスト又はアンタゴニストである種々の濃度のリガンドと共に、第1の細胞培養物中のトランスフェクション細胞の細胞増殖に十分な時間インキュベートすること、
核内受容体をコードするDNA及び細胞増殖マーカーをコードするDNAで第2の細胞培養物をコトランスフェクションすること、
該細胞培養物を、核内受容体のアゴニスト又はアンタゴニストである種々の濃度のリガンドと共に、前記第2の細胞培養物中のトランスフェクション細胞の細胞増殖に十分な時間インキュベートすること、
前記核内受容体及び前記1つ又は複数のヘルパータンパク質を発現するトランスフェクション細胞の増殖レベルを、該核内受容体をコードするDNAでトランスフェクションしたが、該1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードするDNAでトランスフェクションしていない細胞の増殖レベルと比較することによって、該1つ又は複数のヘルパータンパク質が該核内受容体と相互作用するかどうかを判定すること
を含む方法。
【請求項32】
前記1つ又は複数のヘルパータンパク質がコアクチベーターである、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記1つ又は複数のヘルパータンパク質がコリプレッサーである、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記1つ又は複数のヘルパータンパク質がキナーゼである、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記1つ又は複数のヘルパータンパク質がシグナル伝達分子である、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
前記1つ又は複数のヘルパータンパク質が、コリプレッサー、キナーゼ及びシグナル伝達分子から成る群から選択される少なくとも2つのヘルパータンパク質を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項37】
前記核内受容体をコードするDNAが、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141及び143から成る群から選択される配列を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項38】
前記核内受容体をコードする前記DNAが、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、
116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142及び144から成る群から選択される配列を含むポリペプチドをコードする、請求項31に記載の方法。
【請求項39】
前記1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードする前記DNAが、配列番号145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、225、227、229、231、233、235、237、239及び241から成る群から選択される配列を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項40】
前記1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードするDNAが、配列番号146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202、204、206、208、210、212、214、216、218、220、222、224、226、228、230、232、234、236、238、240及び242から成る群から選択される配列を含むポリペプチドをコードする、請求項31に記載の方法。
【請求項41】
前記核内受容体をコードするDNA及び前記細胞増殖マーカーをコードするDNAが、同一ベクター上に存在する、請求項31に記載の方法。
【請求項42】
前記核内受容体をコードするDNA及び前記細胞増殖マーカーをコードするDNAが、別々のベクター上に存在する、請求項31に記載の方法。
【請求項43】
核内受容体のリガンドである物質を同定する方法であって、
核内受容体をコードするDNA、細胞増殖マーカーをコードするDNA及び1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードするDNAでトランスフェクションした細胞と、トランスフェクションしていない細胞との混合物を含む細胞培養物を、該核内受容体の潜在的なアゴニスト又はアンタゴニストである試験物質と共に、トランスフェクション細胞の細胞増殖に十分な時間インキュベートすること、及び
前記トランスフェクション細胞中のマーカーレベルの測定によって、細胞増殖の増減を判定すること
を含む方法。
【請求項44】
核内受容体と1つ又は複数のヘルパータンパク質との特定の組み合わせに対する選択的調節因子である物質を同定する方法であって、
1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードするDNAと共に、核内受容体をコードするDNA及び細胞増殖マーカーをコードするDNAで第1のタイプの細胞を含む第1の細胞培養物をコトランスフェクションすること、
該第1の細胞培養物を試験物質と共にインキュベートすること、
トランスフェクションしていない第1のタイプの細胞と比較して、トランスフェクションした第1のタイプの細胞の増殖が試験物質により増減するかどうかを判定すること、
前記1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードするDNAと共に、前記核内受容体をコードするDNA及び細胞増殖マーカーをコードするDNAで第2のタイプの細胞を含む第2の細胞培養物をコトランスフェクションすること、
該第2の細胞培養物を試験物質と共にインキュベートすること、並びに
トランスフェクションしていない第2のタイプの細胞と比較して、トランスフェクションした第2のタイプの細胞の増殖が試験物質により増減するかどうかを判定すること
を含み、第1のタイプに対する試験物質の影響が、第2のタイプに対する試験物質の影響の反対である場合、該試験物質が核内受容体の選択的調節因子であると判定する方法。
【請求項45】
核内受容体と1つ又は複数のヘルパータンパク質との特定の組み合わせに対する選択的調節因子である物質を同定する方法であって、
1つ又は複数の第1のヘルパータンパク質をコードするDNAと共に、核内受容体をコードするDNA及び細胞増殖マーカーをコードするDNAで第1の細胞培養物をコトランスフェクションすること、
該第1の細胞培養物を試験物質と共にインキュベートすること、
トランスフェクションしていない細胞と比較して、第1の細胞培養物中のトランスフェクションした細胞の増殖が試験物質により増減するかどうかを判定すること、
1つ又は複数の第1のヘルパータンパク質とは異なる1つ又は複数の第2のヘルパータンパク質をコードするDNAと共に、前記核内受容体をコードするDNA及び細胞増殖マーカーをコードするDNAで第2の細胞培養物をコトランスフェクションすること、
該第2の細胞培養物を試験物質とインキュベートすること、並びに
トランスフェクションしていない細胞と比較して、第2の細胞培養物中のトランスフェクションした細胞の増殖が試験物質により増減するかどうかを判定すること
を含み、第1の細胞培養物に対する試験物質の影響が、第2の細胞培養物に対する試験物質の影響の反対である場合、該試験物質が核内受容体の選択的調節因子であると判定する方法。
【請求項46】
核内受容体の選択的調節因子である物質を同定する方法であって、
核内受容体をコードするDNA及び細胞増殖マーカーをコードするDNAで第1のタイプの細胞を含む第1の細胞培養物をコトランスフェクションすること、
該第1の細胞培養物を試験物質と共にインキュベートすること、
トランスフェクションしていない第1のタイプの細胞と比較して、トランスフェクションした第1のタイプの細胞の増殖が試験物質により増減するかどうかを判定すること、
前記核内受容体をコードするDNA及び細胞増殖マーカーをコードするDNAで第2のタイプの細胞を含む第2の細胞培養物をコトランスフェクションすること、
該第2の細胞培養物を試験物質と共にインキュベートすること、並びに
トランスフェクションしていない第2のタイプの細胞と比較して、トランスフェクションした第2のタイプの細胞の増殖が試験物質により増減するかどうかを判定すること
を含み、第1のタイプに対する試験物質の影響が、第2のタイプに対する試験物質の影響の反対である場合、該試験物質が核内受容体の選択的調節因子であると判定する方法。
【請求項47】
2つの核内受容体間の相互作用を同定する方法であって、
第1の核内受容体をコードするDNA、第2の核内受容体をコードするDNA及び細胞増殖マーカーをコードするDNAで第1の細胞培養物をコトランスフェクションすること、
該第1の細胞培養物を、第1の細胞培養物中のトランスフェクション細胞の細胞増殖に十分な時間インキュベートすること、
細胞増殖マーカーをコードするDNA、及び第1の核内受容体をコードするDNA又は第2の核内受容体をコードするDNAのいずれかで第2の細胞培養物をコトランスフェクションすること、
前記第2の細胞培養物を、第2の細胞培養物中のトランスフェクション細胞の細胞増殖に十分な時間インキュベートすること、
両方の核内受容体を発現するトランスフェクション細胞の増殖レベルを、細胞増殖マーカーをコードするDNA、及び第1の核内受容体をコードするDNA又は第2の核内受容体をコードするDNAのいずれかでトランスフェクションした細胞の増殖レベルと比較することによって、核内受容体が相互作用するかどうかを判定すること
を含む方法。
【請求項48】
2つの核内受容体と1つ又は複数のヘルパータンパク質との間の相互作用を同定する方法であって、
第1の核内受容体をコードするDNA、第2の核内受容体をコードするDNA、1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードするDNA及び細胞増殖マーカーをコードするDNAで第1の細胞培養物をコトランスフェクションすること、
該第1の細胞培養物を、トランスフェクション細胞の細胞増殖に十分な時間インキュベートすること、
核内受容体の1つをコードするDNA、1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードするDNA、及び細胞増殖マーカーをコードするDNAで、又は両方の核内受容体をコードするDNA及び細胞増殖マーカーをコードするDNAで第2の細胞培養物をコトランスフェクションすること、並びに
第1の細胞培養物中のトランスフェクション細胞の増殖レベルを、第2の細胞培養物中のトランスフェクション細胞の増殖レベルと比較することによって、2つの核内受容体及び1つ又は複数のヘルパータンパク質が相互作用するかどうかを判定すること
を含む方法。
【請求項49】
2つの核内受容体のリガンドである物質を検出する方法であって、
第1の核内受容体をコードするDNA、第2の核内受容体をコードするDNA及び細胞増殖マーカーをコードするDNAでトランスフェクションした細胞の混合物を含む細胞培養物を、核内受容体の潜在的なアゴニスト又はアンタゴニストである試験物質と、トランスフェクション細胞の細胞増殖に十分な時間インキュベートすること、及び
前記トランスフェクション細胞中の細胞増殖マーカーレベルの測定によって、細胞増殖の増減を判定すること
を含む方法。
【請求項50】
2つの核内受容体と1つ又は複数のヘルパータンパク質との特定の組み合わせに対する選択的調節因子である物質を検出する方法であって、
第1の核内受容体をコードするDNA、第2の核内受容体をコードするDNA、1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードするDNA及び細胞増殖マーカーをコードするDNAで第1のタイプの細胞を含む第1の細胞培養物をコトランスフェクションすること、
該第1の細胞培養物を試験物質と共にインキュベートすること、
第1の細胞培養物中の非トランスフェクション細胞と比較して、第1の細胞培養物中のトランスフェクション細胞の増殖が試験物質により増減するかどうかを判定すること、
第1の核内受容体をコードするDNA、第2の核内受容体をコードするDNA及び細胞増殖マーカーをコードするDNAで第2のタイプの細胞を含む第2の細胞培養物をコトランスフェクションすること、
該第2の細胞培養物を試験物質と共にインキュベートすること、並びに
第2のタイプの非トランスフェクション細胞と比較して、第2のタイプのトランスフェクション細胞の増殖が試験物質により増減するかどうかを判定すること
を含み、第1のタイプに対する試験物質の影響が、第2のタイプに対する試験物質の影響の反対である場合、該試験物質が核内受容体の選択的調節因子であると判定する方法。
【請求項51】
2つの核内受容体と1つ又は複数のヘルパータンパク質との特定の組み合わせに対する選択的調節因子である物質を同定する方法であって、
1つ又は複数の第1のヘルパータンパク質をコードするDNAと共に、第1の核内受容体をコードするDNA、第2の核内受容体をコードするDNA及び細胞増殖マーカーをコードするDNAで第1の細胞培養物をコトランスフェクションすること、
該第1の細胞培養物を試験物質と共にインキュベートすること、
非トランスフェクション細胞と比較して、第1の細胞培養物中のトランスフェクション細胞の増殖が試験物質により増減するかどうかを判定すること、
1つ又は複数の第1のヘルパータンパク質と異なる1つ又は複数の第2のヘルパータンパク質をコードするDNAと共に、第1の核内受容体をコードするDNA、第2の核内受容体をコードするDNA及び細胞増殖マーカーをコードするDNAで第2の細胞培養物をコトランスフェクションすること、
該第2の細胞培養物を試験物質と共にインキュベートすること、並びに
非トランスフェクション細胞と比較して、第2の細胞培養物中のトランスフェクション細胞の増殖が試験物質により増減するかどうかを判定すること
を含み、第1の細胞培養物に対する試験物質の影響が、第2の細胞培養物に対する試験物質の影響の反対である場合、該試験物質が核内受容体の選択的調節因子であると判定する方法。
【請求項52】
1つ又は複数のヘルパータンパク質及び1つ又は複数の核内受容体を発現する細胞中でアッセイを行うことを含む、核内受容体機能のアッセイを可能にするか又は改良する方法。
【請求項53】
1つ又は複数の核内受容体をコードする核酸あるいは1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードする核酸が前記細胞に導入されている、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
1つ又は複数の核内受容体をコードする核酸及び1つ又は複数のヘルパータンパク質をコードする核酸が前記細胞に導入されている、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
1つ又は複数の核内受容体及び1つ又は複数のヘルパータンパク質が、異なる核酸によってコードされる、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
1つ又は複数の核内受容体及び1つ又は複数のヘルパータンパク質が、同一の核酸によってコードされる、請求項54に記載の方法。
【請求項57】
細胞を物質に接触させること、及び該物質が核内受容体活性を正又は負に調節する核内受容体のリガンドであるかどうかを判定することを更に含む、請求項52に記載の方法。
【請求項58】
細胞パラメーターを評価することにより、機能又は機能する能力が知られていない核内受容体の機能を検出又は確認することを更に含む、請求項52に記載の方法。
【請求項59】
機能又は機能する能力が知られていない1つ又は複数の核内受容体のシグナル伝達性を評価することにより、該受容体のためのアッセイを最適化することを更に含む、請求項52に記載の方法。
【請求項60】
前記1つ又は複数の核内受容体が、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141及び143から成る群から選択される少なくとも1つのヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされる、請求項52〜59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項61】
前記1つ又は複数の核内受容体が、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、4
3、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141及び143から成る群から選択されるヌクレオチド配列と少なくとも70%相同の核酸によってコードされる、請求項52〜59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
前記ヘルパータンパク質が、受容体が通常引き起こさない受容体活性化に対して反応することができる、請求項52〜59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
前記ヘルパータンパク質が、受容体が通常引き起こす応答を増幅する、請求項52〜59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項64】
前記ヘルパータンパク質が、受容体が通常は引き起こさないが、他のヘルパータンパク質によって引き起こすことができる反応を増幅する、請求項52〜59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項65】
前記ヘルパータンパク質が、受容体の一次機能応答の検出を妨害する受容体応答を阻害する、請求項52〜59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
前記ヘルパータンパク質が、配列番号145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、225、227、229、231、233、235、237、239及び241から成る群から選択されるヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされるコアクチベーターである、請求項52〜59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項67】
前記ヘルパータンパク質が、配列番号145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、225、227、229、231、233、235、237、239及び241から成る群から選択されるヌクレオチド配列と少なくとも70%の配列が相同な核酸によってコードされるコアクチベーターである、請求項52〜59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項68】
前記ヘルパータンパク質が、配列番号195、197、199、201及び203から成る群から選択されるヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされるコリプレッサーである、請求項52〜59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項69】
前記ヘルパータンパク質が、配列番号195、197、199、201及び203から成る群から選択されるヌクレオチド配列と少なくとも70%の配列が相同な核酸によってコードされるコリプレッサーである、請求項52〜59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項70】
前記ヘルパータンパク質が、配列番号205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、225、227、229、231、233、235、237、239及び241から成る群から選択されるヌクレオチド配列を含む核酸に
よってコードされるキナーゼである、請求項52〜59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項71】
前記ヘルパータンパク質が、配列番号205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、225、227、229、231、233、235、237、239及び241から成る群から選択されるヌクレオチド配列と少なくとも70%の配列が相同な核酸によってコードされるキナーゼである、請求項52〜59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項72】
前記ヘルパータンパク質が、シグナル伝達経路の方向を変える2つ以上のタンパク質のキメラであって、エフェクター又はシグナル出力を提供するドメインに調節又はシグナル入力を受けるドメインが結合している、請求項52〜59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項73】
前記ヘルパータンパク質が、機能アッセイのために使用される細胞中で通常は発現しない、天然に存在するタンパク質である、請求項52〜59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項74】
前記ヘルパータンパク質が、機能アッセイのために過剰発現させて使用される細胞中で通常は発現する、天然に存在するタンパク質である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項75】
前記ヘルパータンパク質が、機能アッセイのために使用される細胞中で通常は発現しない、天然に存在するタンパク質を切断したもの又は変異させたものである、請求項52〜59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項76】
前記ヘルパータンパク質が、機能アッセイするために過剰発現させて使用される細胞中で通常は発現する、天然に存在するタンパク質を切断したもの又は変異させたものである、請求項52〜59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項77】
前記ヘルパータンパク質が、共発現した場合、核ホルモン受容体に対する機能応答の検出が可能となるか、又は改良される、2つ以上のタンパク質、キメラ、変異タンパク質又は切断タンパク質の混合物である、請求項52〜59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項78】
前記ヘルパータンパク質が、前記受容体がより良好にシグナル伝達することを機能的にアッセイできるようにする、他の天然及び非天然の受容体である、請求項52〜59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項79】
前記ヘルパータンパク質が、受容体の発現及び形成を機能的にアッセイできるようにする、他の天然及び非天然の受容体である、請求項52〜59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項80】
前記ヘルパータンパク質が、前記受容体がリガンドに対してより高い感度で応答するのを機能的にアッセイできるようにする、他の天然及び非天然の受容体である、請求項52〜59のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−520244(P2008−520244A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−543273(P2007−543273)
【出願日】平成17年11月18日(2005.11.18)
【国際出願番号】PCT/US2005/041841
【国際公開番号】WO2006/055786
【国際公開日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(507164652)アカディア ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】