説明

ホログラムシート及び印刷媒体

【課題】 本発明は、ホログラムシートを形成する光反射層の少なくとも一部を除去し、偽造防止や真偽判別に有効となる画線設計で光反射層を構成することで、通常の光源下において、裏面からの透過光で潜像模様を視認することができ、また、ホログラムシートを貼付する基材の任意箇所に蛍光発光層を設けることで、表面に励起光源を照射した場合にも潜像模様を視認することができることを目的としている。
【解決手段】 ホログラム形成層4を有するホログラムシート2を基材1に貼付し、ホログラム形成層4を構成する光反射層6の一部を除去し、第一の光透過性領域として背景領域9、第二の光透過性領域として潜像領域10として構成し、背景領域9は、背景画線11として連続した画線を用い、潜像領域10は潜像画線として分岐画線12a又は分断画線12bを用いて潜像模様「B」を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホログラムシートとそのホログラムシートを紙等の基材に貼付した印刷媒体に関するものであり。特に、銀行券、株券及び商品券等の各種有価証券類、証明書類又はカード等の偽造防止や真偽判別が必要な貴重印刷物に適用される。
【背景技術】
【0002】
銀行券、有価証券、商品券、各種証明書及び貴重書類等の貴重印刷物において、偽造を防止する手段としては、貴重印刷物そのものを偽造困難なものとする方法か、又は偽造困難に加工したものをその表面に貼付する方法等がある。貴重印刷物に偽造困難に加工したものを貼付する方法として、例えば、ホログラムを利用する方法があり、偽造防止のためのセキュリティ機能を高める方法として公知になっている。しかし、近年、カラー・コピー機やパソコン等の電子機器の急激な精度向上に伴い、単純なホログラムでは、偽造防止として十分な機能を得られていない状況にある。
【0003】
また、ホログラムの一つにディメタライズド・ホログラムと呼ばれるものがあり、基材やフィルムの表面に、熱や圧力により微細な凹凸(回折格子)を付与し、そこに反射層としてアルミニウムを蒸着し、アルミ蒸着部分を部分的に除去して非金属化するディメタライジング加工をすることで、任意の形状を付与したホログラムがある。
【0004】
そこで、ホログラムを構成する金属層又は金属蒸着層の一部を除去して非金属領域を形成し、金属部分と非金属部分を併せ持つようにすることで、金属部分のホログラムの存在と非金属部分での所定の情報を形成し、偽造防止や改ざん防止を図る方法として、例えば、ホログラムの金属蒸着層を除去する方法としては、YAG若しくはCO等のレーザビームを金属蒸着層に照射することにより非接触にて溶解し、固定情報として印字パターン等を形成する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、金属蒸着型熱転写用ホログラムシートにレーザを部分的に照射し、照射部分の金属蒸着層をスリット状又はメッシュ状に蒸発させる技術が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
また、ホログラムに印刷デザイン形成部と、ホログラムの金属蒸着膜を、レーザ加工又はエッチング処理により金属蒸着層をスリット状又はメッシュ状に除去して透かしデザイン形成部とを設ける技術が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0007】
さらに、ホログラム形成層に形成された回折格子の表面上に、潜像画像領域と潜像背景領域とから成るホログラム画像領域を有し、ホログラム画像領域には、光透過性部材から成る第1の線幅の潜像画像線と潜像画像線の背景に形成された光透過性部材から成る第1の光反射領域とを有し、潜像背景領域には、光透過性部材から成る第2の線幅の潜像背景線と潜像背景線の背景に形成された光反射性部材から成る第2の光反射領域部とを有し、それぞれの線幅が異なるホログラム形成層が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−333574号公報
【特許文献2】特開2003−150027号公報
【特許文献3】特開2005−14492号公報
【特許文献4】特開2007−240785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1は、固定情報を微細な構造体(例えば、微細な線状や点状の集合体)にした場合、線や点は微小であるため、レーザビームの出力にバラツキが生じ、微細体を形成するのが不向きであるという問題があった。
【0010】
特許文献2は、ホログラムの金属蒸着層をレーザ加工により蒸発させ、スリット状又はメッシュ状として、透かして見たときに、あたかも透明又は半透明に見えることで擬似透明ホログラムとして機能させているもので、レーザ加工により金属蒸着層に対して、除去部分と非除去部分を繰り返して形成することにより、肉眼で見た場合、ホログラムに透明又は半透明の濃淡を与えるものであり、客観的な判断ではないため、真偽判別手段として客観的に判断することができる手段が望まれていた。
【0011】
特許文献3は、ホログラムに、印刷デザイン形成部とホログラムの金属蒸着層をレーザ加工又はエッチング処理による透かしデザイン形成部とを設けているが、具体的に開示されている透かしデザイン形成部は、透かしても見えるが、一方で、透かさなくても表面からの反射光によって、すかしデザインである文字や数字が目視されるという問題があった。そのため、偽造防止としての潜像効果を向上させる構成が望まれていた。
【0012】
また、特許文献4における潜像画像線及び背景画像線は、線幅の太細により潜像を形成し、それぞれ1本1本の線が微細な線により形成されているため、反射光下で線幅の太細が目視され難いが、透過光下により、複数の潜像画像線及び複数の潜像背景線を領域(又はエリア)として目視することで、より多くの透過光が発生する領域に形成された情報又はパターンを認識するものであるが、潜像画像線と潜像背景線の画線幅(所定の範囲における面積)が実質的に異なるため、反射光下でも若干潜像模様が観察されるという課題が残されていた。
【0013】
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題を解決し、更なる高度化を目的としたものであり、表面からの反射光下では、潜像模様を視認することはできないが、裏面からの透過光下では、潜像模様を視認することができ、また、ホログラムシートを貼付する基材の任意箇所に蛍光発光層を設けることで、表面に励起光源を照射した場合でも潜像模様を視認することができる、肉眼で真偽判別可能なホログラムシート及び印刷媒体を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のホログラムシートは、少なくともホログラム加工層及び光反射層から形成されるホログラム形成層を有するホログラムシートであって、光反射層は、第一の光透過性領域と第二の光透過性領域とを有し、第一の光透過性領域には、光反射層が一部存在しないことにより、光透過性を有する複数の背景画線が形成され、第二の光透過性領域には、第一の光透過性領域に隣接又は近接して配置され、光反射層が一部存在しないことにより、光透過性を有する複数の潜像画線が形成され、背景画線と潜像画線の形状は異なって形成され、かつ、所定の範囲の画線の面積が等しいことを特徴とするホログラムシートである。
【0015】
本発明のホログラムシートは、背景画線と潜像画線の異なる形状の形態としては、一本線の連続線又は二本線以上の分岐した連続線で形成される画線の本数が、どちらか一方が他方より多い本数で形成される画線同士、画線部と非画線部の一周期で形成される定周期断絶線の画線幅が、一方と他方とで異なる分断画線同士又は一方が一本線の連続線又は二本線以上の分岐した連続線で形成される画線と他方が画線部と非画線部の一周期で形成される定周期断絶線で形成される分断画線で構成されていることを特徴とするホログラムシートである。
【0016】
本発明の印刷媒体は、本発明のホログラムシートが、接着剤層を介して光透過性基材に接着されたことを特徴とする印刷媒体である。
【0017】
本発明の印刷媒体は、接着剤層を介して光透過性基材に接着されたホログラムシート下の基材上に、あらかじめ蛍光発光層が設けられていることを特徴とする印刷媒体である。
【発明の効果】
【0018】
本発明のホログラムシートは、ホログラムシートを形成する光反射層の一部を、偽造防止や真偽判別に有効となる画線構成となるように光反射層を除去することで、表面からの反射光で潜像模様を視認することはできないが、裏面からの透過光では、潜像領域と背景領域のそれぞれの領域で、光の回り込みに差異が生じることで潜像模様を視認することができ、不可視情報としての潜像模様を付与することで潜像効果を向上させるという効果、また、ホログラムシートを貼付する基材の任意箇所に蛍光発光層を設けることで、表面に励起光源を照射した場合にも潜像模様を視認することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明のホログラムシートを基材に貼付した例を示す概要図。
【図2】図1のa−a´部分におけるホログラムシート2の断面図。
【図3】本発明におけるホログラムシートを基材に貼付したときの一実施例の概略図及び透過光で目視した模式図。
【図4】本発明に係る実施の形態1を説明する図であり、背景画線が一本線の連続線の画線又は分岐画線で形成されるのに対して、潜像画線が分岐画線で形成される模式図。
【図5】本発明に係る実施の形態2を説明する図であり、背景画線が一本線の連続線の画線又は分岐画線で形成されるのに対して、潜像画線が分断画線で形成される模式図。
【図6】本発明に係る実施の形態3を説明する図であり、背景画線と潜像画線が分断画線で形成される模式図。
【図7】本発明に係る実施の形態4を説明する図であり、本発明におけるホログラムシートを基材に貼付したときの一実施例の概略図及び透過光で目視した模式図。
【図8】本発明のホログラムシートを基材に貼付したときの断面図。
【図9】本発明のホログラムシートを基材に貼付したときの断面図。
【図10】本発明に係る実施の形態5を説明する図であり、本発明におけるホログラムシートを、蛍光発光層を設けた基材に貼付したときの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。しかしながら、本発明は、以下に述べる発明を実施するための形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている技術の範疇であれば、その他いろいろな実施の形態が含まれる。
【0021】
(ホログラムシートの構成)
図1は、本発明のホログラムシート2を基材1に貼付した状態の概要図である。図2は、図1のa−a´部分におけるホログラムシート2の断面図である。ホログラムシート2の層構成は、保護層3、ホログラム形成層4及び接着剤層8で構成され、接着剤層8を介して基材1に貼付される。ホログラム形成層4は、回折格子が施されたホログラム加工層5、光反射層6及びマスク層7で形成されている。本発明において、光反射層6は、アルミニウム蒸着等の金属薄膜層を光反射層として設け、一般的なディメタライジング加工によって背景画線11及び潜像画線12a、12bを形成している場合を示しているため、マスク層7が存在するが、金属薄膜層である光反射層6を直接加工して背景画線11及び潜像画線12a又は12bを形成する場合は、マスク層7は必要ない。なお、ホログラムシートには、反射状態で目視したときに回折格子の回折光や反射光により変化するホログラム自体の回折格子模様「A」が形成されている。
【0022】
(回折格子の構成)
ホログラム形成層4に施されている回折格子の構成としては、公知のレリーフ型ホログラム及びレインボー型ホログラム等の微細な凹凸パターンを形成した光反射性部材をホログラム形成層4の中に持つものであれば良く、特に制約されるものではない。
【0023】
(背景領域と潜像領域の構成)
図3(a)は、基材1に貼付した本発明のホログラムシート2を上から見た構成図である。ホログラムシート2は、ホログラム形成層4を構成する光反射層6の一部を除去して第一の光透過性領域と第二の光透過性領域を形成し、第一の光透過性領域として背景領域9、第二の光透過性領域として潜像領域10とで構成される。背景領域9は、背景画線で形成され、潜像領域10は、潜像画線で形成され、背景画線と潜像画線は、異なった形状で形成され、潜像模様「B」の文字を形成している(実際には、肉眼で視認することはできないが、説明上、視認状態としている。)。
【0024】
(潜像領域と背景領域の設計)
本発明において、ホログラムシートに形成される潜像模様「B」の画線設計は、背景画線と潜像画線の構成として、図3(b)及び図3(c)に示すような分岐又は分断画線を用いている。分岐又は分断画線とは、本出願人が先に出願した複写防止画線(特許第3368327号公報(分岐画線)及び特許第3368327号公報(分断画線))である。分岐画線とは、潜像を施さない部分を一本線、潜像を施した部分を二本線以上で表現し、潜像を施した部分の二本線以上の画線の合計の画線幅が潜像を施さない一本線の画線の画線幅と等しい画線とするものであり、分断画線とは、潜像を施さない部分の画線を連続線、潜像を施した部分の画線を基本線方向に一定の間隔で配列された形状の画線からなる定周期断絶線で構成し、潜像を施した部分の定周期断絶線のうち基本線方向に連続した一つの画線部と非画線部とからなる一周期に相当する部分の画線面積の総和が、潜像を施さない部分の連続線のうち、基本線方向における前記一周期と同一の長さに相当する部分の画線面積と等しい画線とするものであり、本発明のホログラムシート2の背景領域9に形成される背景画線11と潜像領域10に形成される潜像画線12a又は12bの設計に応用している。
【0025】
図3(b)及び図3(c)は、図3(a)に示す基材1に貼付したホログラムシート2の背景領域9及び潜像領域10に形成された潜像模様「B」の一部拡大図である。図3(b)は、背景領域9及び潜像領域10に形成された潜像模様「B」が、分岐画線で形成されている状態を示しており、ホログラムシート2を形成する光反射層6部分に施される潜像模様の画線設計において、第一の光透過性領域である背景領域9は、潜像を施さない部分であり、この部分の画線を一本線の連続した画線で施している。第二の光透過性領域である潜像領域10は、潜像を施す領域であり、この部分の画線は、背景領域9に施した画線の本数より多い本数となる三本の連続した画線で施し、施した画線の合計の画線幅が、潜像を施さない部分の画線の画線幅と等しく、かつ、潜像を施さない部分の画線から分岐させて形成している。
【0026】
図3(c)は、背景領域9及び潜像領域10に形成された潜像模様「B」が、分断画線で形成されている状態を示しており、ホログラムシート2を形成する光反射層6部分に施される潜像模様の画線設計において、第一の光透過性領域である背景領域9は、潜像を施さない部分であり、この部分の画線を一本線の連続した画線で施している。第二の光透過性領域である潜像領域10は、潜像を施す領域であり、この部分の画線は、基本線方向に一定の間隔で配列された所定の形状の画線からなる画線部と、一定の間隔で配列された所定の形状の画線と画線の間の非画線部とで構成される定周期断絶線のうち、基本線方向に連続した一つの画線部と一つの非画線部とからなる一周期に相当する部分の画線面積の総和が、潜像を施さない部分の連続した一本線の画線のうち、基本線方向における一周期と同一の長さに相当する部分の画線面積とが等しい画線となるように形成している。
【0027】
また、図3(b)及び図3(c)において、ホログラムシート2に形成されている背景領域9と潜像領域10の各画線は、ホログラム形成層4を形成する光反射層6の一部を除去し、背景領域9に背景画線11を、潜像領域10に潜像画線12a(分岐)又は12b(分断)を形成した画線である。なお、光反射層6を除去した領域である背景画線11及び潜像画線12a又は12bの部分は、ホログラム形成層4において光を透過する領域となっている。
【0028】
本発明において、背景領域に施される背景画線と潜像領域に施される潜像画線の形状が異なっているということは、例えば、図4に示すように、背景画線と潜像画線が連続線の画線で形成される場合には、背景画線(一方)が一本の連続線の画線又は二本の連続線の画線で施され、背景画線から潜像画線(他方)に分岐する画線がそれぞれ三本の連続線の画線で形成されているように、連続線の画線の本数として、どちらか一方の画線が他方より多い本数で形成される形態のことをいう。以下の説明において、連続線の画線が二本以上で構成される画線を、分岐画線と称することもある。また、図5に示すように、背景画線が一本の連続線の画線又は分岐画線で施され、背景画線から潜像画線に分岐する画線が、基本線(C)方向に画線部と非画線部が配列された定周期断絶線で形成される分断画線で形成される形態のことをいい、また、図6に示すように、背景画線と潜像画線が分断画線で形成される場合には、背景画線と潜像画線の画線部と非画線部とからなる一周期に相当する部分の画線面積が等しくなるように形成される定周期断絶線の画線幅が異なって形成される形態のことをいう。
【0029】
(ホログラム形成層の構成)
上記した背景領域9と潜像領域10は、光反射層6の一部を除去し、光が透過する領域として背景画線11及び潜像画線12a、12bを形成しているが、背景画線11及び潜像画線12a又は12bを形成する手段としては、回折格子が形成されている側のホログラム加工層5の表面に、アルミニウム等の光反射性部材を真空蒸着やスパッタリングした後、グラビア印刷機等でマスク層7を形成し、アルカリ溶液に浸漬させることにより、マスク層7で覆われていないアルミニウムを溶解させて除去する方法か、又は真空蒸着やスパッタリングにより形成されたアルミニウム等の光反射層6に直接レーザ光を照射し、アブレーションによりレーザ光が照射された部分のアルミニウムを除去する方法等がある。
【0030】
(基本線と画線幅)
本発明のホログラムシート2を形成する光反射層6部分に施される潜像模様の画線設計に関して、基本線とは、潜像領域及び背景領域に施される潜像画線又は背景画線の中心を通る仮想的な線(図4(a)のC)を表している。このとき、一本の連続線であれば画線幅を二等分する線として、また、分岐画線であれば複数の平行な画線が集合した一本の画線とみなし、その中心を通る線として、さらに、分断画線であれば、一定の間隔で配列された所定の形状の画線からなる定周期断絶線の中心を通る線とする。また、分岐画線の画線幅は、基本線に対して垂直な方向において、分岐した画線の一番外側の画線間の寸法(図4(a)のh1)であり、分断画線であれば基本線に対して垂直な方向における定周期断絶線の寸法(図5(a)のh2)である。
【0031】
(背景画線と潜像画線の関係、画線面積)
また、本発明のホログラムシート2を形成する光反射層6部分に施される潜像模様の画線設計において、潜像領域及び背景領域に形成される画線は、表面からの反射光で潜像模様を視認することができないようにするために、二つの領域の画線において、所定の範囲内の画線の面積を等しくする必要があり、さらに、潜像領域と背景領域に施される画線の形状が異なっていることが必要である。この場合、分岐画線のように、基本線方向に沿った連続線である場合は、潜像画線及び背景画線の画線幅の合計のみを等しくすれば良く、一方、分断画線においては、基本線方向に画線部と非画線部が配列された定周期断絶線であるため、一周期に相当する長さに対する画線の面積を等しくすれば良い。
【0032】
このように形成する背景領域9の背景画線11は、同じ線幅の画線を同ピッチで複数形成し、潜像領域10の潜像画線12a又は12bは、背景領域9に形成された画線から隣接又は近接させて設計された分岐又は分断画線として形成される。光反射層6を除去する間隔は、分岐又は分断画線を肉眼で視認されない程度に微細に施し、透過光下で観察したときに、光の回り込みにより、分岐又は分断画線があたかも一本の線のようにつながって視認されるように画線設計をする。本発明において、「近接」とは、背景画線と潜像画線の各境界が、間に僅かな間隔を設けて形成している状態をいう。
【0033】
本発明のホログラムシートにおける潜像模様の画線構成としては、背景領域9の背景画線11が一本線の連続線の画線又は二本線の連続線の画線で形成されるのに対して、潜像領域10の潜像画線12aが三本線の連続線の画線で形成される実施の形態1、背景領域9の背景画線11が一本線の連続線の画線又は二本線の連続線の画線で形成されるのに対して、潜像領域10の潜像画線12bが分断画線で形成される実施の形態2、背景領域の背景画線と潜像領域の潜像画線が分断画線12bで形成される実施の形態3、実施の形態1及び2における背景領域9と潜像領域10の画線構成を入れ替え、背景領域9に潜像画線12a又は12bを形成し、潜像領域10に背景画線11を用いて形成する実施の形態4、ホログラムシート2を蛍光発光層が設けられた基材に貼付し、表面に励起光源を照射して観察した場合に、蛍光発光による潜像模様が視認される実施の形態5について、図を用いて説明する。以下の実施の形態の説明において、本発明の背景画線及び潜像画線を表す画線の構成として直線的な線を用いて説明しているが、これに限定されず、曲線、波線又はレリーフ等の如何なる線形状で形成しても良く、その効果は同様となる。
【0034】
(実施の形態1)
本発明のホログラムシートにおける実施の形態1を説明する。背景領域9が一本線の連続線の画線又は二本線の連続線の画線で形成される背景画線11に対して、潜像領域10が三本線の連続線の画線で形成される潜像画線12aを用いて潜像模様を形成するための背景画線と潜像画線の関係を説明する。
【0035】
図4は、背景領域9と潜像領域10に形成される画線が、一本線の連続線又は分岐画線で形成される画線構成の一実施例を示す図であり、背景領域9の背景画線11は、一本以上の連続した画線から形成され、背景画線11から分岐する潜像領域10の潜像画線12aの本数は、背景画線11より多く設定すれば良い。背景画線11と潜像画線12aのそれぞれの画線の本数の設定は、背景画線11の画線幅と分岐した潜像画線12aの画線間の間隔に関係しており、例えば、背景画線11が一本線の場合には、潜像画線12aを二本線以上の画線とすれば良い。
【0036】
図4(a)は、背景画線11を一本線で、潜像画線12aを三本線に分岐した画線で形成した場合の説明図である。潜像を施さない部分である背景領域9は、背景画線11として示すように、一本線の連続線として光反射層6を除去し、潜像を施す部分である潜像領域10は、潜像画線12aとして示すように、三本の分岐した画線として光反射層6を除去し、それぞれの画線領域を形成している。このとき、潜像画線12aの三本に分岐した画線において、任意の長さ(L)の範囲の画線の面積(m1)と、背景画線11において、潜像画線12aの任意の長さ(L)と同一の長さ(L´)の範囲の画線の面積(m2)とを等しくするためには、上記した画線設計に基づいて、潜像を施す部分である潜像領域10に施されている潜像画線12aの画線幅の合計(n1+n2+n3)が、背景領域9に施された一本線の背景画線11の画線幅(n4)と等しくなるように画線を構成することで、背景領域9と潜像領域10に施される画線の面積が等しくなり、潜像模様「B」を形成することができる。例えば、一本線の背景画線11の画線幅(n4)を120μmとした場合、三本に分岐する潜像画線12aの構成としては、背景画線11の画線幅と分岐した三本の画線幅の合計(n1+n2+n3)とが等しくなれば良いため、三本に分岐した画線のそれぞれ一本の画線幅(n1、n2、n3)は40μmとなり、また、分岐した三本の画線の画線間の間隔は、肉眼では視認されない範囲であれば本発明の効果を得ることができる。
【0037】
図4(b)は、背景画線11を二本線に分岐して形成し、潜像画線12aを三本線に分岐して形成した場合の画線構成の説明図である。潜像領域10は、図4(a)で示した構成と同様であり、背景領域9は、背景画線11を二本に分岐した画線として光反射層6を除去し、画線領域を形成している。このとき、潜像画線12aの三本の分岐した画線において、任意の長さ(L)の範囲の画線の面積(m1)と、同じく二本に分岐した画線である背景画線11における、潜像画線12aの任意の長さ(L)と同一の長さ(L´)の範囲の画線の面積(m2)とを等しくするためには、潜像画線12aである三本に分岐した画線の画線幅の合計(n1+n2+n3)が背景画線11である二本に分岐した画線の画線幅の合計(n5+n6)と等しくすることで、背景領域9と潜像領域10の画線の面積を等しくすることができる。例えば、背景領域9及び潜像領域10に形成される画線の画線幅の合計を120μmとした場合、画線の面積を等しくするためには、二本に分岐した画線である背景画線11の一本の画線幅(n5、n6)を60μm、三本に分岐した画線である潜像画線12aの一本の画線幅(n1、n2、n3)を40μmで構成すれば良い。また、それぞれの分岐した画線間の間隔は、肉眼では視認されない範囲であれば本発明の効果を得ることができる。
【0038】
(実施の形態2)
本発明のホログラムシートにおける実施の形態2を説明する。背景領域9の一本線の連続線の画線又は二本線に分岐した連続線の画線で形成される背景画線11に対して、潜像領域10の潜像画線12bとして分断画線で潜像模様を形成するための背景画線と潜像画線の関係を説明する。
【0039】
図5は、潜像領域10の潜像画線12bを分断画線で形成する画線構成の一実施例を示す図であり、潜像を施さない部分である背景領域9に施される背景画線11が一本の連続線でなる画線又は二本線以上に分岐した連続線で形成される画線と、潜像を施す部分である潜像領域10に施される潜像画線12bが画線部と非画線部の一周期で形成される定周期断絶線で形成される分断画線とで構成される。
【0040】
図5(a)における背景領域9は、背景画線11として示すように、一本線の連続線として光反射層6を除去し、潜像領域10は、潜像画線12bとして示すように、定周期断絶線として光反射層6を除去し、それぞれの画線領域を形成する場合の説明図である。上記した画線設計に基づいて、潜像を施す部分である潜像領域10の定周期断絶線(潜像画線12b)は、連続した一つの画線部と非画線部からなる一周期に相当する長さ(T)の範囲の画線面積(m3)が、背景領域9の一本線(背景画線11)において、潜像画線12bの定周期断絶線の一周期の長さ(T)と同一の長さ(T´)に相当する範囲の画線の面積(m4)とが等しくなるように画線を構成することで、潜像模様「B」を形成する。例えば、背景画線11の画線幅を100μmとした場合、潜像画線12bの定周期断絶線の基本線方向の寸法(W)を50μmとし、基本線(C)に対し垂直方向の寸法(h2)を200μm、一周期の長さ(T)を100μmとする画線設計であれば、背景領域9と潜像領域10の画線面積が等しくなり、反射状態では、潜像画像が視認されないように構成することができる。
【0041】
図5(b)は、背景領域9の背景画線11を二本線に分岐して形成する場合の画線構成の説明図である。潜像領域10の潜像画線12bは、図5(a)で示した構成と同様であり、背景領域9は、背景画線11を二本に分岐した画線として光反射層6を除去し、画線領域を形成している。この場合、潜像画線12bである定周期断絶線の一周期の長さ(T)の範囲における画線の面積(m3)と、背景画線11である二本に分岐した画線において、潜像領域10の定周期断絶線(潜像画線12b)の一周期と同一の長さ(T´)に相当する範囲における画線の面積(m4)が等しくなるように画線を構成すれば良い。例えば、背景領域9に施される背景画線11である二本に分岐した画線の一本の画線幅(n8、n9)をそれぞれ50μmとし、二本の合計(n8+n9)を100μmとした場合、潜像画線12bの定周期断絶線の基本線方向の寸法(W)を50μmとし、基本線に対し垂直方向の寸法(h2)を200μm、一周期の長さ(T)を100μmとする画線設計であれば、背景領域9と潜像領域10の画線の面積が等しくなり、反射状態では、潜像画像が視認されないように構成することができる。
【0042】
(実施の形態3)
本発明のホログラムシートにおける実施の形態3として、背景領域9の背景画線11と潜像領域10の潜像画線12bを分断画線で形成するための背景画線と潜像画線の関係を説明する。
【0043】
図6は、背景領域9の背景画線11と潜像領域10の潜像画線12bが、両方とも定周期断絶線として光反射層6を除去し、それぞれの画線領域を形成する場合の説明図である。この場合、潜像画線12bの定周期断絶線の一周期に相当する長さ(T)の範囲における画線の面積(m3)と、背景画線11の潜像画線12bの定周期断絶線において、一周期(T)と同一の長さ(T´)に相当する範囲における画線の面積(m4)とが等しくなるように画線を構成すれば良い。例えば、背景領域9に施されている定周期断絶線(背景画線11)において、画線幅(h3)が80μm、基本線方向の寸法(W´)が40μm、一周期の長さ(T´)を80μmとした場合、潜像領域10に施されている定周期断絶線(潜像画線12b)は、一周期の長さ(T)を背景画線11の周期と同一の80μmとし、画線幅(h4)を160μm、基本線方向の寸法(W)を20μmとする画線設計であれば、背景領域9と潜像領域10の画線の面積が等しくなり、反射状態では、潜像が視認されないように構成することができる。
【0044】
実施の形態1及び2において、背景領域9の背景画線11と潜像領域10の潜像画線12a又は12bとの関係は、図4(a)及び(b)に示す画線に関しては、背景画線11の一本線又は二本線に分岐した連続線の画線から隣接して潜像画線12aとしての分岐画線が施されている構成となっており、また、図5(a)及び(b)に示す分断画線に関しては、背景画線11の一本線又は二本線に分岐した連続線の画線から近接して潜像画線12bとしての分断画線が施されている構成となっているが、これに限定されず、分岐画線が近接した場合でも、分断画線が隣接した場合でも、同様の効果を得ることができる。これは、背景画線11として施す一本線又は二本線に分岐した連続線の画線と潜像画線12a又は12bとして施す分岐又は分断画線が、所定の範囲(m1とm2又はm3とm4)内において、画線の面積が等しければ良いためである。
【0045】
上記のような構成にすることで、透過光で観察した場合に、光の回り込みによる画線の拡大作用により、背景領域9に施された一本線又は二本線に分岐した連続線の画線11と、潜像領域10に施された三本線の分岐した連続線の画線12aか、又は背景領域9に施された一本線又は二本線の分岐した連続線の画線11と、潜像領域10に施された定周期断絶線による画線12bとが、連続する一本の画線のように見えるため、潜像模様「B」は、図3(a)に示すように、背景領域9は暗く、潜像領域10は明るい状態として視認される。
【0046】
(実施の形態4)
本発明のホログラムシートにおける実施の形態4を説明する。実施の形態1及び実施の形態2において、ホログラムシート2の潜像領域10に、潜像画線12aとして三本線に分岐した連続線の画線で、また、潜像画線12bとして分断画線で潜像模様を形成する実施例を示したが、本実施例においては、背景領域9に潜像画線12a又は12bを用い、潜像領域10に背景画線11を用いて潜像模様を形成する形態とした。
【0047】
図7(a)は、基材1に貼付したホログラムシート2の構成を示す平面図である。図7(b)及び図7(c)は、図7(a)のホログラムシート2に施された潜像模様「B」の一部拡大図である。図7(b)及び図7(c)に示される画線設計の説明は、上記した形態と同様であるので省略する。本実施例で形成されるホログラムシート2の場合、透過光で観察すると、光の回り込みによる画線の拡大作用により、背景領域9に形成された分岐画線12a又は分断画線12bが、潜像領域10に形成された一本線の連続線の画線の背景画線11よりも太く見えるため、潜像模様「B」は、図7(a)に示すように、背景領域9は明るく、潜像領域10は暗い状態として視認される。
【0048】
(ホログラム効果)
図8(a)は、基材1に貼付した本発明のホログラムシート2の断面図である。白色光源13からの光が、ホログラム形成層4の中のホログラム加工層5及びそれに密着している光反射層6により回折光が反射し、視点14に到達する。そのため、視点14からは、図8(b)に示すように、潜像模様「B」が視認されることなく、ホログラム自体の回折格子の模様「A」のみが出現し、ホログラム効果として視認される。
【0049】
(潜像効果)
一方、図9は、基材1に貼付した本発明のホログラムシート2を、裏面(基材1に対してホログラムシート2を貼付した逆の面)から透かして見た断面図である。この場合、ホログラム自体の回折格子の模様「A」は、目視することができないが、ホログラムシート2に形成された背景領域9及び潜像領域10は、ホログラム形成層4の中の光反射層6の一部が除去された背景画線11及び潜像画線12a又は12bとなっている部分から光が透過し、それ以外の部分である光反射層6は、光を透過しない。このとき、背景画線11及び潜像画線12a又は12bとして形成されている領域から光が透過すると、光の回り込みによる画線の拡大作用が生じ、分岐又は分断画線で形成された部分が、あたかも一本線のようにつながって見え、また、背景画線11として元々一本線又は二本線で形成された部分よりも太く見えるため、視点14からは、図3(a)又は図7(a)に示すような潜像模様「B」を視認することができる。ただし、基材1は、光を一定以上透過する材質で構成する必要がある。基材としては、例えば、紙、プラスチックフィルム、プラスチックカード及び不織布等を利用することで効果が得られる。
【0050】
このように、本発明のホログラムシート2は、潜像領域10内に反射状態では、差別化することができない程度に潜像画線を微細に分岐又は分断させて形成し、光の回り込みにより一本の画線として見えるように画線設計をしているので、ホログラムシート2を光にかざして透かして見たときに、光が分岐又は分断部分から回り込んで、分岐又は分断部分が一本の画線として見えることになる。このため、反射状態では、ホログラム自体の回折格子の模様「A」のみが視認されるというホログラム効果、透過状態では、潜像模様「B」のみが視認されるという潜像効果という二つの効果が、判別用具等を使用することなく肉眼で視認が可能となり、真偽判別に利用することができる。
【0051】
(実施の形態5)
本発明のホログラムシートにおける実施の形態5を説明する。基材上に励起光源15により発光する蛍光発光領域を付与し、該蛍光発光領域の上にホログラムシートを貼付した実施の形態である。ホログラムシート2の背景領域9及び潜像領域10に形成される背景画線及び潜像画線の構成は、実施の形態1〜4のいずれかに記載した画線構成とすれば良く、詳細な説明は省略する。
【0052】
図10は、本発明におけるホログラムシートを、蛍光発光層を設けた基材に貼付したときの断面図である。図10(a)に示すように、光を一定以上透過する材質である基材1の表面における任意箇所に、ホログラムシート2の潜像領域10が含まれる大きさで蛍光発光領域16を付与し、ホログラムシート2の潜像領域10と蛍光発光領域16とが重なるように、蛍光発光領域16の上にホログラムシート2を貼付する。この貼付部分に、表面から励起光源15を当てると、発光した蛍光発光領域16からの光が、ホログラム形成層4の中の光反射層6の一部が除去された背景画線11及び潜像画線12a又は12bとなっている部分から透過する際に、光の回り込みによる画線の拡大作用が生じ、分岐又は分断画線で形成された部分があたかも一本線のようにつながって見え、また、背景画線11として元々一本又は二本線で形成された部分よりも太く見えるため、視点14からは、図10(b)に示すように、励起光源15によって発光した蛍光色17による潜像模様「B」を視認することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 基材
2 ホログラムシート
3 保護層
4 ホログラム形成層
5 ホログラム加工層
6 光反射層
7 マスク層
8 接着層
9 背景領域
10 潜像領域
11 背景画線
12a、12b 潜像画線
13 一般的な白色光源
14 観察者の視点
15 励起光源
16 蛍光発光領域
17 蛍光色による潜像模様
C 基本線
h1 分岐画線の画線幅
h2 分断画線の画線幅
L 任意の長さ
L´ 任意の長さLと同一の長さ
m1、m2、m3、m4 所定の範囲内の画線面積
n1、n2、n3、n5、n6、n8、n9 分岐画線の各画線幅
n4、n7 一本の連続線の画線幅
T 定周期断絶線の一周期の長さ
T´ 定周期断絶線の一周期の長さTと同一の長さ
W 定周期断絶線の基本線方向の寸法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともホログラム加工層及び光反射層から形成されるホログラム形成層を有するホログラムシートであって、
前記光反射層は第一の光透過性領域と第二の光透過性領域とを有し、
前記第一の光透過性領域には、前記光反射層が一部存在しないことにより、光透過性を有する複数の背景画線が形成され、
前記第二の光透過性領域には、前記第一の光透過性領域に隣接又は近接して配置され、前記光反射層が一部存在しないことにより、光透過性を有する複数の潜像画線が形成され、
前記背景画線と前記潜像画線の形状は異なって形成され、かつ、所定の範囲の画線の面積が等しいことを特徴とするホログラムシート。
【請求項2】
前記背景画線と前記潜像画線の形状が異なって形成される形態としては、一本線の連続線の画線又は二本線以上の分岐した連続線の画線で形成される画線の本数が、どちらか一方が他方より多い本数で形成される画線同士、画線部と非画線部の一周期で形成される定周期断絶線の画線幅が、一方と他方とで異なる分断画線同士又は一方が一本線の連続線の画線又は二本線以上の分岐した連続線の画線で形成される画線と他方が画線部と非画線部の一周期で形成される定周期断絶線で形成される分断画線で形成されていることを特徴とする請求項1記載のホログラムシート。
【請求項3】
請求項1又は2記載のホログラムシートが、接着剤層を介して光透過性基材に接着されたことを特徴とする印刷媒体。
【請求項4】
前記基材上に、あらかじめ蛍光発光層が設けられていることを特徴とする請求項3記載の印刷媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−225975(P2012−225975A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90810(P2011−90810)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(303017679)独立行政法人 国立印刷局 (471)
【Fターム(参考)】