説明

ホース用ゴム組成物およびホース

【課題】耐油性に優れるホース用ゴム組成物およびそれをゴム層に用いたホースの提供。
【解決手段】ゴム、硫黄、加硫促進剤およびタルクを含有するホース用ゴム組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホース用ゴム組成物およびそれをゴム層に用いたホースに関する。
【背景技術】
【0002】
強度および剛性の高い金属材料と、高弾性かつ柔軟なゴム材料とを組合わせた複合材料(例えば、ホース)は、多くの工業製品に使用されている。
また、このような工業製品は、金属とゴムとの接着力により性能が左右されやすいため、金属とゴムとの接着性はかなり改善されてきている。
【0003】
例えば、特許文献1には、本出願人により、「ゴム、硫黄、下記式(1)で表されるチウラム系加硫促進剤、および、下記式(2)で表されるトリアジン誘導体を含有するホース用接着性ゴム組成物。


(式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に炭素数4〜18の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基を表し、xは1〜4の整数を表す。式(2)中、Rはメルカプト基、アニリノ基、ジアリルアミノ基またはジブチルアミノ基を表す。)」が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−1657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のゴム組成物であっても、使用するゴム(特に、アクリロニトリル−ブタジエンゴム)の種類によっては、耐油性に劣る場合があることが明らかとなった。
【0006】
そこで、本発明は、耐油性に優れるホース用ゴム組成物およびそれをゴム層に用いたホースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、充填剤としてタルクを配合したゴム組成物をゴム層に用いることにより、耐油性に優れるホースが得られることを見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明は、以下の(1)〜(5)を提供する。
【0008】
(1)ゴム、硫黄、加硫促進剤およびタルクを含有するホース用ゴム組成物。
【0009】
(2)上記加硫促進剤が、下記式(I)で表されるチウラム系加硫促進剤である上記(1)に記載のホース用ゴム組成物。
【化1】

(式(I)中、R1〜R4は、それぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基を表し、xは1〜4の整数を表す。)
【0010】
(3)上記硫黄の含有量が、上記ゴム100質量部に対して0.2〜5質量部であり、
上記加硫促進剤の含有量が、上記ゴム100質量部に対して0.3〜30質量部であり、
上記タルクの含有量が、上記ゴム100質量部に対して10〜50質量部である上記(1)または(2)に記載のホース用ゴム組成物。
【0011】
(4)上記ゴムの50質量%以上が、結合アクリロニトリル量が15〜30質量%の範囲内にあるアクリロニトリル−ブタジエンゴムである上記(1)〜(3)のいずれかに記載のホース用ゴム組成物。
【0012】
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載のホース用ゴム組成物を用いて形成されるゴム層と、補強層とを有するホース。
【発明の効果】
【0013】
以下に説明するように、本発明によれば、耐油性に優れるホース用ゴム組成物およびそれをゴム層に用いたホースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明のホースの一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
〔ホース用ゴム組成物〕
本発明のホース用ゴム組成物(以下、「本発明のゴム組成物」ともいう。)は、ゴム、硫黄、加硫促進剤およびタルクを含有するホース用のゴム組成物である。
次に、本発明のゴム組成物の製造に用いられるゴム、硫黄、加硫促進剤およびタルクについて詳述する。
【0016】
<ゴム>
本発明のゴム組成物が含有するゴムは、硫黄加硫可能なゴムであれば特に限定されず、その具体例としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、1,2−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)などのジエン系ゴムおよびこれらの水素添加物;エチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−アクリルゴム(AEM)、エチレン−ブテンゴム(EBM)、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴムなどのオレフィン系ゴム;エピクロロヒドリンゴム;等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0017】
これらのうち、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)を用いるのが好ましい。特に、得られるホースの耐寒性が良好となり、また、タルクの配合による耐油性の改善効率が高い理由から、上記ゴムの50質量%以上が、結合アクリロニトリル量が15〜30質量%の範囲内にあるNBR(以下、「低中ニトリルNBR」ともいう。)であるのが好ましく、上記ゴムの60質量%以上が、低中ニトリルNBRであるのがより好ましい。
このような低中ニトリルNBRとしては市販品を用いることができ、その具体例としては、PERBUNAN 1846F(結合アクリロニトリル量18%、LANXESS社製)、PERBUNAN 2255VP(結合アクリロニトリル量22%、LANXESS社製)、PERBUNAN 28120F(結合アクリロニトリル量28%、LANXESS社製)、PERBUNAN 2831F(結合アクリロニトリル量28.6%、LANXESS社製)、PERBUNAN 2845F(結合アクリロニトリル量28%、LANXESS社製)、PERBUNAN 2846F(結合アクリロニトリル量28.6%、LANXESS社製)、PERBUNAN 2870F(結合アクリロニトリル量28%、LANXESS社製)、PERBUNAN 2895F(結合アクリロニトリル量28%、LANXESS社製)、Nipol1043(結合アクリロニトリル量29%、日本ゼオン社製)等が挙げられ、これらを1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
【0018】
<硫黄>
本発明のゴム組成物が含有する硫黄は、加硫剤として従来公知の硫黄を用いることができ、例えば、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄等のような形で市販されている従来公知のものを用いることができる。
【0019】
本発明においては、上記硫黄の含有量は、上記ゴム100質量部に対して0.2〜5質量部であるのが好ましく、1.0〜2.5質量部であるのがより好ましい。含有量がこの範囲であると、得られる本発明の組成物の加硫後の引張特性(例えば、100%伸び引張応力、引張強さ等)および耐熱老化性が良好となる。
【0020】
<加硫促進剤>
本発明のゴム組成物が含有する加硫促進剤は、一般的なゴム用加硫促進剤を用いることができる。
上記加硫促進剤としては、具体的には、グアニジン系(例えば、ジフェニルグアニジン等)、チアゾール系(例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジサルファイド等)、スルフェンアミド系(例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾイルスルフェンアミド等)、チウラム系(例えば、後記参照)、ジチオ酸塩系、チオウレア系等が挙げられる。
これらのうち、得られる本発明のゴム組成物を用いてゴム層を形成したホースの耐油性がより良好となる理由から、下記式(I)で表されるチウラム系加硫促進剤であるのが好ましい。
【0021】
【化2】

【0022】
上記式(I)中、R1〜R4は、それぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基を表し、xは1〜4の整数を表す。
【0023】
ここで、上記脂肪族炭化水素基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、オクチル基、ドデシル基、ステアリル基などの直鎖状のアルキル基;イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、1−メチルブチル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基などの分岐状のアルキル基;ブタ−2−エン−1−イル(−CH2−CH=CH−CH3)、ブタ−3−エン−1−イル(−CH2−CH2−CH=CH2)などのアルケニル基;ブタ−2−イン−1−イル(−CH2−C≡C−CH3)、ブタ−3−エン−1−イル(−CH3−CH2−C≡CH)などのアルキニル基;等が挙げられる。
また、上記脂環式炭化水素基としては、具体的には、例えば、シクロへキシル基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基等が挙げられる。
また、上記芳香族炭化水素基としては、具体的には、例えば、ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基;フェニル基、トリル基(o−、m−、p−)、ジメチルフェニル基、メシチル基などのアリール基;等が挙げられる。
【0024】
このような置換基を有する上記式(I)で表されるチウラム系加硫促進剤としては、具体的には、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラヘキシルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、テトラステアリルチウラムジスルフィド、テトラシクロヘキシルチウラムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド等が挙げられる。
【0025】
本発明においては、上記加硫促進剤の含有量は、上記ゴム100質量部に対して0.3〜30質量部であるのが好ましく、0.5〜15質量部であるのがより好ましい。含有量がこの範囲であると、得られる本発明の組成物の加硫後の引張特性(例えば、100%伸び引張応力、引張強さ等)および耐熱老化性が良好となる。
【0026】
<タルク>
本発明のゴム組成物が含有するタルクは、充填剤として従来公知のタルクを用いることができ、微細結晶(ミクロ結晶)および扁平結晶(マクロ結晶)のいずれの結晶構造であってもよい。
【0027】
本発明においては、タルクを配合することにより、得られる本発明のゴム組成物を用いてゴム層を形成したホースの耐油性が良好となる。
また、上記タルクの含有量は、上記ゴム100質量部に対して10〜50質量部であるのが好ましく、20〜40質量部であるのがより好ましい。含有量がこの範囲であると、得られる本発明の組成物の加硫後の引張特性(例えば、100%伸び引張応力、引張強さ等)が良好となる。
【0028】
本発明のゴム組成物は、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、上記タルク以外の充填剤(例えば、炭酸カルシウム、クレー、カーボンブラック等)、老化防止剤、可塑剤、加硫遅延剤、顔料(染料)、粘着付与剤、滑剤、分散剤、加工助剤等の各種添加剤を配合することができる。
【0029】
本発明のゴム組成物の製造方法は特に限定されず、例えば、オープンロール、ニーダー、押出し機、万能かくはん機、バッチ式混練機等に上記ゴムを投入した後に、上記タルクおよび所望により含有していてもよい各種添加剤(ただし加硫遅延剤を除く)を投入して混合(混練)し、その後、上記硫黄および上記加硫促進剤ならびに所望により含有していてもよい上記加硫遅延剤(以下、本段落において「加硫系」という。)を投入して更に混合(混練)する方法が挙げられる。
なお、後述する実施例で示すように、加硫系を投入する前に、上記ゴム等の混合物をいったん放出してマスターバッチ化してもよい。
【0030】
〔ホース〕
本発明のホースは、本発明のゴム組成物を用いて形成されるゴム層と、補強層とを有するホースである。
【0031】
ここで、本発明のホースの好適な実施態様の一例を図1を用いて説明する。図1は、ホースの各層を切り欠いて示す斜視図である。
図1のように、ホース1は、ゴム内層2を内管として有し、その上層に補強層3およびゴム外層4を外管として有するものである。
次に、本発明のホースを構成するゴム層(ゴム内層、ゴム外層)および補強層について詳述する。
【0032】
<ゴム層>
上記ゴム層は、本発明のゴム組成物を用いて形成される層であり、上述したように、ゴム内層およびゴム外層を有する場合は、少なくともゴム内層を本発明のゴム組成物を用いて形成するものである。
このような構成を採ることにより、本発明のホースの耐油性が良好となる。
【0033】
本発明においては、上記ゴム内層の厚みは、0.2〜4.0mmであるのが好ましく、0.5〜2.0mmであるのがより好ましい。
同様に、上記ゴム外層の厚みは、0.2〜4.0mmであるのが好ましく、0.5〜2.0mmであるのがより好ましい。
【0034】
<補強層>
上記補強層は、上記ゴム層(ゴム内層およびゴム外層を有する場合はゴム内層)の外側に、強度保持の観点から設けられる層である。
本発明においては、上記補強層は、ブレード状で形成されたものでもスパイラル状で形成されたものでもよい。
また、上記補強層を形成する材料は特に限定されず、従来公知の金属ワイヤや各種繊維材料(ナイロン、ポリエステル等)を用いることができる。
【0035】
<他のゴム層、樹脂層>
本発明のホースは、上記ゴム層と上記補強層との間に、他のゴム層や樹脂層を有していてもよい。
上記他のゴム層を形成するゴム材料は特に限定されず、例えば、本発明のゴム組成物の製造に用いられるゴムを用いることができる。
また、上記樹脂層を形成する樹脂材料は、特に限定されず、例えば、従来公知のポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等を用いることができる。
【0036】
上記ゴム層および上記補強層を有する本発明のホースの製造方法は特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。
具体的には、マンドレル上に、上記ゴム層(ゴム内層およびゴム外層を有する場合はゴム内層)、上記補強層および上記ゴム層(ゴム内層およびゴム外層を有する場合はゴム外層)をこの順に積層させた後に、それらの層を140〜190℃下、30〜180分の条件で、プレス加硫、蒸気加硫、オーブン加硫(熱気加硫)または温水加硫することにより加硫接着させて製造する方法等が好適に例示される。
【実施例】
【0037】
以下に、実施例を用いて本発明のホース用ゴム組成物およびホースについてより詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0038】
(実施例1〜23、比較例1〜18)
下記第1表に示す成分を下記第1表に示す割合(質量部)で配合し、ゴム組成物を調製した。
具体的には、まず、下記第1表に示す成分のうち、硫黄、加硫促進剤および加硫遅延剤を除く成分をバンバリーミキサー(3.4リットル)で4分間混練し、160℃に達したときに放出し、マスターバッチを得た。
次に、得られたマスターバッチと、硫黄、加硫促進剤および加硫遅延剤とを、バンバリーミキサー(3.4リットル)で2分間混練し、所定の放出温度(95℃)に達したときに放出し、オープンロールを用いて80℃以下の条件下2分間混合し、シート状のゴム組成物を調製した。
得られたシート状の各ゴム組成物を148℃のプレス成型機を用い、面圧3.0MPaの圧力下で45分間加硫して、2mm厚の加硫シートを作製した。
【0039】
<耐油性>
耐油性の評価は、得られた各加硫シートを試験油(JWS2312E)に120℃で72時間浸漬させ、膨潤度(浸漬前後の体積変化率)(%)を測定することにより行った。この結果を下記第1表に示す。
【0040】
<耐寒性>
耐寒性の評価は、得られた各加硫シートの低温脆化温度を測定することにより行った。低温脆化温度は、JIS K6261:2006の「低温衝撃ぜい化試験」に準じて測定した。この結果を下記第1表に示す。
【0041】
【表1】

【0042】
【表2】

【0043】
【表3】

【0044】
【表4】

【0045】
【表5】

【0046】
【表6】

【0047】
上記第1表中の各成分は、以下のものを使用した。
・NBR1:PERBUNAN 1846F(結合アクリロニトリル量18%、LANXESS社製)
・NBR2:PERBUNAN 2870F(結合アクリロニトリル量28%、LANXESS社製)
・NBR3:KRYNAC 3345F(結合アクリロニトリル量33%、LANXESS社製)
・カーボンブラック:FEF級カーボンブラック(東海カーボン社製)
・タルク1:ミストロンベーパー(日本ミストロン社製)
・タルク2:SP−40(富士タルク社製)
・クレー:Suprex Clay(Kentucky-Tennessee Clay社製)
・炭酸カルシウム:重質炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製)
・老化防止剤1:ノンフレックスRD−Y(精工化学社製)
・老化防止剤2:ノンフレックスBA−R(精工化学社製)
・酸化亜鉛:酸化亜鉛3種(正同化学工業社製)
・ステアリン酸:ビーズステアリン酸(日本油脂社製)
・可塑剤:アジピン酸ジ2−エチルヘキシル(DIACIZER DOA、新日本理化社製)
【0048】
・硫黄:粉末硫黄、軽井沢精錬所社製
・加硫促進剤1:テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(ノクセラー TOT−N、大内新興化学工業社製)
・加硫促進剤2:テトラメチルチウラムジスルフィド(ノクセラー TT−PO、大内新興化学工業社製)
・加硫促進剤3:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(サンセラー CM−PO、三新化学工業社製)
・加硫遅延剤:N−シクロヘキシルチオフタルイミド(リターダー CTP、大内新興化学工業社製)
【0049】
上記第1表に示す結果から、タルクを配合して調製した実施例1〜3、4〜8、9〜13、14〜15、16〜19および20〜23のゴム組成物は、それぞれ、同様のゴムを用いてタルクを配合せずに調製した比較例1、4、7、10、13および16で調製した各ゴム組成物と比較すると、いずれの対比においても膨潤度が低減しており、耐油性が改善していることが分かった。
この耐油性の改善効果は、タルクに代えてクレーまたは炭酸カルシウムを配合した比較例2、3、5、6、8、9、11、12、14、15、17および18で調製した各ゴム組成物では見られてない効果であるため、組成物におけるゴムの割合が減ったことに起因する効果ではなく、意外な効果である。
また、スルフェンアミド系の加硫促進剤を配合した実施例3、8および13と他の実施例との比較から、チウラム系の加硫促進剤を用いることにより、膨潤度がより低減し、耐油性がより改善していることが分かった。
【符号の説明】
【0050】
1 ホース
2 ゴム内層
3 補強層
4 ゴム外層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム、硫黄、加硫促進剤およびタルクを含有するホース用ゴム組成物。
【請求項2】
前記加硫促進剤が、下記式(I)で表されるチウラム系加硫促進剤である請求項1に記載のホース用ゴム組成物。
【化1】

(式(I)中、R1〜R4は、それぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基を表し、xは1〜4の整数を表す。)
【請求項3】
前記硫黄の含有量が、前記ゴム100質量部に対して0.2〜5質量部であり、
前記加硫促進剤の含有量が、前記ゴム100質量部に対して0.3〜30質量部であり、
前記タルクの含有量が、前記ゴム100質量部に対して10〜50質量部である請求項1または2に記載のホース用ゴム組成物。
【請求項4】
前記ゴムの50質量%以上が、結合アクリロニトリル量が15〜30質量%の範囲内にあるアクリロニトリル−ブタジエンゴムである請求項1〜3のいずれかに記載のホース用ゴム組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のホース用ゴム組成物を用いて形成されるゴム層と、補強層とを有するホース。

【図1】
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【公開番号】特開2012−251069(P2012−251069A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124481(P2011−124481)
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】