説明

ホース継手

【課題】外部接触によって誤作動し、ロック状態である筈の接手が意図せずに分離してしまうような事態を防ぎ、接続ないし解除操作を確実に行う。
【解決手段】最終連結状態において、ソケット部材2の弾性復帰変位によって、収容された各爪群のうち筒軸方向奥側寄りの残りの爪部(第二爪部42)の少なくとも一部が、ソケット部材の各凹状区間内であって各凸状部と重なる軸方向位置に収容されることを特徴とする。従来のように軸方向の弾性材の弾性圧で係止するだけではなく、凸状部のソケット回転方向先側にまで残りの爪部(第二爪部42)を到らせてここに残りの爪部を収容させ、ソケットの凸状部の弾性復帰によって凸状部の軸方向位置と収容した残りの爪部の軸方向位置とを互いに一部重複するものとしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は受け口側と差し口側とから着脱可能に構成された消防ホース用接手であって、特にリリース機能を有する差し口側の接手構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、本体が互いに脱着自在な管状の受け金具2と差し金具3とから構成された消防ホース用接手において、差し金具3に、軸方向にスライド可能な押し輪7が装着され、また、受け金具2側に外周に嵌合溝8が設けられ、この嵌合溝8にテープ状の反射材9が巻き付けられ、さらにこの反射材9の外周を包み込むように、透明樹脂から成形された弾性バンド10が装着されたものが開示される(特許文献1参照)。弾性バンド8は受け金具2の外周に凸状に突出し、この突出により接手金具やホース端末が路面を引きずられたとき損傷しないように保護し、また落下や衝突時の衝撃を緩和するようしている、とされる。
【0003】
また従来、簡単迅速にホースの接続が行えると同時に、構造の簡略化によって価格面での改良を図ることができるホース継手として、円筒状の差込み部材2と、先端部にソケット部3が設けられた受け部材4と、前記差込み部材2の外側で途中の位置に回動自在となるよう外嵌した操作リング5からなり、前記操作リング5に、内面側に係止突起が設けられた突出部10を設け、前記ソケット部3の外周に、係止突起の軸方向への進入位置で操作リング5を回動させることにより、係止突起の係合によって差込み部材2と受け部材4の接続状態を保持する突条17を設けたものが開示される(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−71172号公報
【特許文献2】実用新案登録第3158478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の消防ホース用接手は実際には、受け金具の弾性バンド装着位置の管内面から内方へ出没可能な係止爪が設けられており、接続時にはこの係止爪が差し金具先端付近に設けられた周溝に係止することで、接続状態がロックされる。また差し金具の上記周溝の基端側には押し輪が装着されており、リリース時にはこの押し輪を軸方向先側に押し込んでスライドさせることで、周溝内の係止爪が外周側へ押し出されて接続状態のロックが解除される。
【0006】
しかしながら、接続状態のロック時であっても、ホースの運搬時等に外部接触によって押し輪が誤ってスライドし、ロック状態である筈の接手が意図せずに分離してしまうことがあった。特に消防ホースを接続した状態は緊急的な使用に供され、管内が消防水で加圧されるため、操作ミスは重大な被害の発生にもつながりかねず、この種接手の接続ないし解除操作は確実に行われる必要がある。
【0007】
特に空気中に浮遊する埃や砂塵が多い場所で使用すると、継ぎ手内に砂塵が入りこんでしまい、ガスケットによる弾性圧接力が低下してしまう場合がある。しまう。また連結と連結解除の繰り返し使用によってもガスケットの弾性力が低下してしまい、密閉力が低下してしまう。
【0008】
そこで本発明は、連結状態である筈の接手が意図せずに分離してしまうような事態を防ぎ、また砂塵の入り込み等によるガスケットの弾性圧接力の低下に拘わらず、継ぎ手の連結状態を確実に保持することのできる消防ホース用接手を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を達成すべく本発明は以下(1)〜(3)の手段を講じたホース継ぎ手としている。
【0010】
(1)本発明のホース継ぎ手は、連結端1Tを略筒状体の端部に有する差し込み部材1と、
差し込み部材1の先側周部を覆って取り付けられ、差し込み部材1の筒状軸連結方向へ開口したソケット部材2と、
差し込み部材1の前記連結端1Tに先端対向する連結方向端を有し、前記ソケット部材2に差し込まれて連結される略筒状の受け部材3と、から構成される流体継ぎ手であって、
前記ソケット部材2は、
(差し込み先端方向と逆の軸方向に弾性付勢されて、)差し込み部材1の筒軸方向へ弾性変位可能に取り付けられると共に、
差し込み先端側の開口端から開口内側に、開口端の周方向に沿って、複数の凹状区間を開けて、所定の凸状区間を占める複数の凸状部が離間形成されてなり、
また、前記受け部材3は、
差し込み部材1と対向する連結方向端の筒状外周面の周方向に沿って、
ソケット部材2の前記各凸状区間に対応した複数の凹状区間33Dを開けて、ソケット部材2の前記各凹状区間に対応した周方向区間を占める爪群(第二爪部42、第三爪部43)が複数群、離間形成されてなり、
さらに、前記離間形成された前記各周方向区間における爪群は、筒状軸方向位置及び周方向長さが共に異なる複数の爪部(第二爪部42、第三爪部43)から構成される。
【0011】
この継ぎ手を連結する際には、
ソケット部材の前記複数の凹状区間と、受け部材3の前記複数の爪群との周方向位置を全て合わせて嵌合させ、差し込み部材1の連結端1Tと受け部材3の連結方向端とを略同軸位置で対向接触させた状態で、
ソケット部材2を開口端方向へ弾性変位させて、ソケット部材2の前記複数の凸状部の筒状軸方向奥側(連結方向と反対方向側)の収容空間に、前記爪群を進入させ、
さらにこの爪群進入位置でソケット部材2を受け部材3に対して周方向に回転変位させることで、
ソケット部材2の筒状軸方向奥側(連結方向と反対方向側)への弾性反力によって、
前記収容された各爪群のうち筒軸方向連結端寄りの一部の爪部(第三爪部43)が、各凸状部と軸方向に圧接した最終連結状態となる。
【0012】
かつ、この最終連結状態においては、
ソケット部材2の筒状軸方向奥側(連結方向と反対方向側)への弾性復帰変位によって、
前記収容された各爪群のうち筒軸方向奥側寄りの残りの爪部(第二爪部42)の少なくとも一部が、ソケット部材の各凹状区間内であって各凸状部と重なる軸方向位置に収容されることを特徴とする。
従来のように軸方向の弾性材の弾性圧で係止するだけではなく、凸状部のソケット回転方向先側にまで残りの爪部(第二爪部42)を到らせてここに残りの爪部を収容させ、ソケットの凸状部の弾性復帰によって凸状部の軸方向位置と収容した残りの爪部の軸方向位置とを互いに一部重複するものとしている。
【0013】
(2)上記載の流体継ぎ手において、各爪群は、受け部材の最も連結端寄りの軸方向位置において、外周面に沿って所定の周方向区間に伸びる第三爪部と、第三爪部よりも奥側寄りの軸方向位置において、前記第三爪部の周方向区間の一側方片側の一部区間に延びる第二爪部と、第三爪部よりも奥側寄りの軸方向位置において、前記第三爪部の周方向区間の他側方片側の一部区間に延びる第一爪部と、から構成され、
継ぎ手の最終連結状態において、
前記第一爪部と第二爪部との間の周方向区間内に、各ソケット部材の凸状部23Pが配置される。
【0014】
このようなものであれば、凸状部の周方向左右外側を第二爪部と第一爪部で挟み、ソケット部材の弾性復帰によって、これらが軸方向に重なる位置となることで、連結状態を確実に保持し、高度な密閉性を保つことができる。また第一、第二爪部が両側位置にて遮蔽壁の役割を果たすことで、ソケット部材を改めて弾性変位させなければ回転できないため、連結ないし解除操作をソケットの弾性変位によってより確実に行う必要があり、操作の確実性を保証するものとなっている。
【0015】
(3)上記載の流体継ぎ手において、
前記第二爪部の軸方向奥側の爪端辺は、第一爪部の軸方向奥側の少なくとも一部の爪端辺よりも軸方向奥側寄りに配され、
前記第三爪部の軸方向奥側の爪端辺は、第二爪部の軸方向奥側の爪端辺の最奥側部分よりもさらに軸方向奥側寄りに配されてなり、
最終連結状態に到る前のソケット部材の回転途中状態において、
第二爪部の軸方向奥側の爪端辺の最奥側部分が、ソケット部材2の凸状部と弾性圧接してなり、
ソケット部材の前記回転途中状態を経た後の最終連結状態において、
第三爪部の軸方向奥側の爪端辺が、ソケット部材2の凸状部と弾性圧接してなる。
【0016】
このようなものであれば、第三爪部の係止状態において第二爪部は奥側位置で凸状部の左右周方向外側に位置することとなり、確実に遮蔽壁としての役割を果たすことができる。また、回転途中にて凸状部と係止したのちに係止解除位置まで回転して最終連結状態となるため、回転途中のソケット部材の弾性変位量を、最終連結状態よりもを大きく確保する必要があり、より操作の確実性を保証するものとなっている。
【発明の効果】
【0017】
上記手段を講じることで、一部の爪部と凸状部とが圧接した連結状態において、ソケット部材が弾性復帰によって奥側変位した後は、残りの爪部が凸状部の軸方向位置と重なることで、当該残りの爪部がソケット部材の回転を制限する。このように残り爪部が遮置によってソケット部材を回転制限することで、凸状部と凹状区間との嵌合が誤って解除されることなく、軸方向の弾性圧接力の強さに拘わらず、継ぎ手の連結状態を確実に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】分離状態の斜視図
【図2】差し込み部材及びソケット部材の斜視分解構成図
【図3】進入状態の斜視図
【図4】図3の侵入状態の一部破断側面図
【図5】図4のA−A断面図
【図6】回転途中状態の斜視図
【図7】図6の回転途中状態の一部破断側面図
【図8】図7のB−B断面図
【図9】最終連結状態の斜視図
【図10】図3の最終連結状態の一部破断側面図
【図11】図4のC−C断面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下本発明を実施するための最良の形態につき説明する。本発明のホース継ぎ手は、連結端1Tを略筒状体の端部に有する差し込み部材1と、
差し込み部材1の先側周部を覆って取り付けられ、差し込み部材1の筒状軸連結方向へ開口したソケット部材2と、
差し込み部材1の前記連結端1Tに先端対向する連結方向端を有し、前記ソケット部材2に差し込まれて連結される略筒状の受け部材3と、から構成される。
【0020】
ソケット部材2は、(差し込み先端方向と逆の軸方向に弾性付勢されて、)差し込み部材1の筒軸方向へ弾性変位可能に取り付けられると共に、
差し込み先端側の開口端から開口内側に、開口端の周方向に沿って、複数の凹状区間を開けて、所定の凸状区間を占める複数の凸状部が離間形成されてなる。
【0021】
また、前記受け部材3は、差し込み部材1と対向する連結方向端の筒状外周面の周方向に沿って、ソケット部材2の前記各凸状区間に対応した複数の凹状区間33Dを開けて、ソケット部材2の前記各凹状区間に対応した周方向区間を占める爪群(第二爪部42、第三爪部43)が複数群、離間形成されてなる。
【0022】
さらに、前記離間形成された前記各周方向区間における爪群は、筒状軸方向位置及び周方向長さが共に異なる複数の爪部(第二爪部42、第三爪部43)から構成される。
【0023】
(連結の手順)
この継ぎ手を連結する際には、先ず、ソケット部材の前記複数の凹状区間と、受け部材3の前記複数の爪群との周方向位置を全て合わせて嵌合させ、差し込み部材1の連結端1Tと受け部材3の連結方向端とを略同軸位置で対向接触させる。次に、ソケット部材2を開口端方向へ弾性変位させて、ソケット部材2の前記複数の凸状部の筒状軸方向奥側(連結方向と反対方向側)の収容空間に、前記爪群を進入させ、図3、図4、図5に示す進入状態とする。
【0024】
次に、この爪群進入位置でソケット部材2を受け部材3に対して周方向に回転変位させることで、図6、図7、図8に示す回転途中状態を経て、
ソケット部材2の筒状軸方向奥側(連結方向と反対方向側)への弾性反力によって、
前記収容された各爪群のうち筒軸方向連結端寄りの一部の爪部(第三爪部43)が、各凸状部と軸方向に圧接した、図9、図10、図11に示す最終連結状態となる。
【0025】
最終連結状態に到る前のソケット部材の回転途中状態においては、
第二爪部の軸方向奥側の爪端辺の最奥側部分が、ソケット部材2の凸状部と弾性圧接してなる。
ソケット部材の前記回転途中状態を経た後の最終連結状態においては、第三爪部の軸方向奥側の爪端辺が、ソケット部材2の凸状部と弾性圧接してなる。
【0026】
このようなものであれば、第三爪部の係止状態において第二爪部は奥側位置で凸状部の左右周方向外側に位置することとなり、確実に遮蔽壁としての役割を果たすことができる。また、回転途中にて凸状部と係止したのちに係止解除位置まで回転して最終連結状態となるため、回転途中のソケット部材の弾性変位量を、最終連結状態よりもを大きく確保する必要があり、より操作の確実性を保証するものとなっている。
【0027】
最終連結状態においては、
ソケット部材2の筒状軸方向奥側(連結方向と反対方向側)への弾性復帰変位によって、
前記収容された各爪群のうち筒軸方向奥側寄りの残りの爪部(第二爪部42)の少なくとも一部が、ソケット部材の各凹状区間内であって各凸状部と重なる軸方向位置に収容されることを特徴とする。
従来のように軸方向の弾性材の弾性圧で係止するだけではなく、凸状部のソケット回転方向先側にまで残りの爪部(第二爪部42)を到らせてここに残りの爪部を収容させ、ソケットの凸状部の弾性復帰によって凸状部の軸方向位置と収容した残りの爪部の軸方向位置とを互いに一部重複するものとしている。
【0028】
各爪群は、受け部材の最も連結端寄りの軸方向位置において、外周面に沿って所定の周方向区間に伸びる第三爪部と、第三爪部よりも奥側寄りの軸方向位置において、前記第三爪部の周方向区間の一側方片側の一部区間に延びる第二爪部と、第三爪部よりも奥側寄りの軸方向位置において、前記第三爪部の周方向区間の他側方片側の一部区間に延びる第一爪部と、から構成される。
継ぎ手の最終連結状態において、前記第一爪部と第二爪部との間の周方向区間内に、各ソケット部材の凸状部23Pが配置される。
【0029】
このようなものであれば、凸状部の周方向左右外側を第二爪部と第一爪部で挟み、ソケット部材の弾性復帰によって、これらが軸方向に重なる位置となることで、連結状態を確実に保持し、高度な密閉性を保つことができる。また第一、第二爪部が両側位置にて遮蔽壁の役割を果たすことで、ソケット部材を改めて弾性変位させなければ回転できないため、連結ないし解除操作をソケットの弾性変位によってより確実に行う必要があり、操作の確実性を保証するものとなっている。
【0030】
(爪部の位置関係)上記載の流体継ぎ手において、
前記第二爪部の軸方向奥側の爪端辺は、第一爪部の軸方向奥側の少なくとも一部の爪端辺よりも軸方向奥側寄りに配され、
前記第三爪部の軸方向奥側の爪端辺は、第二爪部の軸方向奥側の爪端辺の最奥側部分よりもさらに軸方向奥側寄りに配されてなる。
爪群は、前記第三爪部の周方向区間の一側方片側の一部区間に延びる第二爪部と、第二爪部よりもさらに奥側寄りの軸方向位置において、前記第三爪部の周方向区間の他側方片側の一部区間に延びる第一爪部と、から構成される。
【0031】
最終連結状態では、受け部材3と差し込み部材1とが一旦、最終連結状態となり、ソケット部材2が弾性復帰変位した後は、残りの爪部である第一爪部、第一補助爪、第二爪部が、ソケット部材の回転を制限する。
【0032】
本発明は上記手段を講じており、スライド制限手段によってスライド枠部の軸方向の移動を制限することで、外部接触によってロック機構が誤作動したり、ロック状態である筈の接手が意図せずに分離したりするといった事態を防ぎ、連結ないし解除操作を確実に行うことのできる消防ホース用接手を提供するものとなった。
その他の特記しない構成および使用方法は実施例1,2共に共通である。
【符号の説明】
【0033】
1 差し込み部材
10 ホース接続端部
10D 接続溝
12 基側柱部
13 外周壁部
14 先側延出部
1D リング溝
1T 連結端
2 ソケット部材
21 基側段部
210 弾性材収容空間
22 先側段部
220 爪収容空間
23 開口端
23D 凹状区間(凹状部)
23P 凸状区間(凸状部)
24 外側段部
24P 外端突部
2B 弾性リング
2R 止めリング
3 受け部材
30 ホース接続端部
30D 接続溝
31 第一段部
310T 内段差面
32 第二段部
320T 内傾斜面
33 第三段部
33D 凹状端区間(凹状部)
4 爪群
41 第一爪部(回転制限爪)
41E 第一爪端
41LE 第一爪他端
42 第二爪部(係止爪)
42E 第二爪端
421 第一補助爪
421LE 第一補助爪他端
43 第三爪部(区間嵌入爪)
43C 第三爪コーナー
SF 係止状態
5 ガスケット材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連結端1Tを略筒状体の端部に有する差し込み部材1と、
差し込み部材1の先側周部を覆って取り付けられ、差し込み部材1の筒状軸連結方向へ開口したソケット部材2と、
差し込み部材1の前記連結端1Tに先端対向する連結方向端を有し、前記ソケット部材2に差し込まれて連結される略筒状の受け部材3と、から構成されるホース継手であって、
前記ソケット部材2は、差し込み部材1の筒軸方向へ弾性変位可能に取り付けられると共に、
差し込み先端側の開口端から開口内側に、開口端の周方向に沿って、複数の凹状区間を開けて、所定の凸状区間を占める複数の凸状部が離間形成されてなり、
また、前記受け部材3は、差し込み部材1と対向する連結方向端の筒状外周面の周方向に沿って、ソケット部材2の前記各凸状区間に対応した複数の凹状区間33Dを開けて、ソケット部材2の前記各凹状区間に対応した周方向区間を占める爪群が複数群、離間形成されてなり、
さらに、前記離間形成された前記各周方向区間における爪群は、筒状軸方向位置及び周方向長さが共に異なる複数の爪部から構成され、
継ぎ手の接続の際には、先ず、ソケット部材の前記複数の凹状区間と、受け部材3の前記複数の爪群との周方向位置を全て合わせて嵌合させ、差し込み部材1の連結端1Tと受け部材3の連結方向端とを略同軸位置で対向接触させた状態で、ソケット部材2を開口端方向へ弾性変位させて、ソケット部材2の前記複数の凸状部の筒状軸方向奥側の収容空間に前記爪群を進入させ、
さらにこの爪群進入位置でソケット部材2を受け部材3に対して周方向に回転変位させることで、ソケット部材2の筒状軸方向奥側への弾性反力によって、前記収容された各爪群のうち筒軸方向連結端寄りの一部の爪部が、各凸状部と軸方向に圧接した最終連結状態となり、
前記最終連結状態においては、ソケット部材2の筒状軸方向奥側への弾性復帰変位によって、前記収容された各爪群のうち筒軸方向奥側寄りの残りの爪部の少なくとも一部が、ソケット部材の各凹状区間内であって各凸状部と重なる軸方向位置に収容されることを特徴とするホース継手。
【請求項2】
各爪群は、受け部材の最も連結端寄りの軸方向位置において、外周面に沿って所定の周方向区間に伸びる第三爪部と、第三爪部よりも奥側寄りの軸方向位置において、前記第三爪部の周方向区間の一側方片側の一部区間に延びる第二爪部と、第三爪部よりも奥側寄りの軸方向位置において、前記第三爪部の周方向区間の他側方片側の一部区間に延びる第一爪部と、から構成され、
最終連結状態において、前記第一爪部と第二爪部との間の周方向区間内に、各ソケット部材の凸上部23Pが配置される請求項1記載のホース継手。
【請求項3】
前記第二爪部の軸方向奥側の爪端辺は、第一爪部の軸方向奥側の少なくとも一部の爪端辺よりも軸方向奥側寄りに配され、前記第三爪部の軸方向奥側の爪端辺は、第二爪部の軸方向奥側の爪端辺の最奥側部分よりもさらに軸方向奥側寄りに配されてなり、
最終連結状態に到る前のソケット部材の回転途中状態において、第二爪部の軸方向奥側の爪端辺の最奥側部分が、ソケット部材2の凸状部と弾性圧接してなり、
ソケット部材の前記回転途中状態を経た後の最終連結状態において、第三爪部の軸方向奥側の爪端辺が、ソケット部材2の凸状部と弾性圧接してなる請求項2記載のホース継手。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−79658(P2013−79658A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218782(P2011−218782)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(509190598)寧波瀛震机械部件有限公司 (9)
【Fターム(参考)】