ホース視認ホルダおよびこれを備えたビールサーバー
【課題】本発明の課題は、構成簡素でコストがかかることなく、確実に樽切れを感知できるホース視認ホルダおよびこれを備えたビールサーバーを提供することにある。
【解決手段】本発明に関わるホース視認ホルダは、ビールbが収容されるビール樽4からビールbをジョッキ9に注ぐビールサーバー2へビールbを供給する透明又は半透明なビールホース3を保持するとともに視認するためのホース視認ホルダ1であって、ビールホース3の背景として配置される暗色をもつホース背景部1b、1nと、ビールホース3を保持するホース保持部1nとを有している。
本発明に関わるビールサーバーは、本発明のホース視認ホルダ1を備えている。
【解決手段】本発明に関わるホース視認ホルダは、ビールbが収容されるビール樽4からビールbをジョッキ9に注ぐビールサーバー2へビールbを供給する透明又は半透明なビールホース3を保持するとともに視認するためのホース視認ホルダ1であって、ビールホース3の背景として配置される暗色をもつホース背景部1b、1nと、ビールホース3を保持するホース保持部1nとを有している。
本発明に関わるビールサーバーは、本発明のホース視認ホルダ1を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビールサーバーに送られるビールが流れるビールホースを保持するとともに視認するホース視認ホルダおよびこれを備えたビールサーバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲食店等でビール樽のビールをお客に提供する方式としては、ビール樽を冷蔵庫に格納して冷却する格納式と、ビール樽から圧送されたビールをビールサーバーで瞬間的に冷却する瞬冷式の2つの方式がある。
【0003】
第1の格納式は、下記の特許文献1に記載されている。
特許文献1の飲料注出装置は、ビールが収容されたビール樽に、ボンベから例えば炭酸ガスを導入し、ガス圧力でビール樽内のビールをタップで開放した注出口から取り出すものである。
ビール樽は、樽冷蔵庫に格納され冷却されており、樽冷蔵庫には、ビール樽を出し入れするための扉が設けられている。
そのため、格納式の場合、飲料注出装置の使用中、ビールホースが樽冷蔵庫内に収納されており、ユーザから目視されることはない。
【0004】
第2の格納式は、下記の特許文献2〜4に記載されている。
特許文献2の飲料自動注出装置は、ビヤ樽等の飲料容器から飲料を送るビールホースを、カウンター等の設置台の下方空間に設置した冷却槽内の冷却水に浸漬した飲料冷却管(冷却器)に接続する。そして、ビヤ樽に付与される炭酸ガスの圧力によりビールホースから飲料冷却管を通して冷却されて飲料供給管により供給されるビールを、注出コックを開栓して、ジョッキ等に注出する。
【0005】
特許文献3のビール提供装置は、ビールが収容された生ビール樽に炭酸ガスボンベからホースを介して炭酸ガスが送られ、生ビール樽内のビールが、ホースを介してビールサーバーに炭酸ガスによって圧送される。そして、ビールサーバーのコックを開栓することで、ジョッキ等にビールが注がれる。
ところで、ビール樽に格納されるビールが少量になった場合に、ジョッキ等の容器への注入口からビールの泡が噴き出し、ビールがジョッキからこぼれたり、ビールの品質が劣化し美味しくなくなったりするという問題がある。いわゆる樽切れ時の「噴き」の問題がある。
【0006】
樽切れ時の「噴き」を防止する方法としては、ビール樽とビールサーバーとを接続するビールホースにビール残量や泡を検知するセンサを配設し、或いは、ビール樽にビール残量や泡を検知するセンサを配設し、樽切れを感知する技術が知られている。
例えば、特許文献2では、ビールホースにビール残量や泡を検知する飲料切れを検知する飲料切れセンサが設けられ、樽切れを感知する。飲料切れセンサが飲料切れを検知すると電気制御部のコック駆動装置、電気制御回路が注出コックの弁を閉止するように制御する。
【0007】
特許文献3では、生ビール樽の流出口に、ビールの残量を検知するセンサが設けられる。そして、最後のビールがホースのセンサ部を通過して時点で、センサのスイッチがオンとなり、電気回路の制御により警報機が作動される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−116190号公報(段落0021、図1等)
【特許文献2】特開2008−222267号公報(段落0018、図1等)
【特許文献3】実用新案登録第3091419号公報(図1等)
【特許文献4】特開平5−319489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、樽切れ時の「噴き」は、前記のように、ビールのロスにつながり、また、ビールの品質を損ね美味しさが劣化するため、飲食店からも対応の要望が多い問題である。
しかしながら、特許文献2、3の技術は、センサや制御装置、配線等を設けるためのコストがかかるという問題があり、普及していない。
【0010】
そのため、店員がビールを注ぐときに、ジョッキを注視しつつも、噴きにも注意しなければならなかった。よって、当業者においては、より簡便に樽切れを感知できる技術(噴きを事前に感知できる技術)が求められている。すなわち、より簡便に樽切れを感知できる技術のニーズがある。
【0011】
本発明は上記実状に鑑み、構成が簡素でコストがかかることなく、確実に樽切れを感知できるホース視認ホルダおよびこれを備えたビールサーバーの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成すべく、第1の本発明に関わるホース視認ホルダは、ビールが収容されるビール樽からビールを容器に注ぐビールサーバーへビールを供給する透明又は半透明なビールホースを保持するとともに視認するためのホース視認ホルダであって、前記ビールホースの背景として配置される暗色をもつホース背景部と、前記ビールホースを保持するホース保持部とを有している。
【0013】
第2の本発明に関わるビールサーバーは、第1の本発明のホース視認ホルダを備えるビールサーバーである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、構成が簡素でコストがかかることなく、確実に樽切れを感知できるホース視認ホルダおよびこれを備えたビールサーバーを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係わる実施形態1のホースホルダの使用状態を示す斜視図。
【図2】実施形態1のビール供給装置の全体構成を示す要部一部切り欠き斜視図。
【図3】(a)はホースホルダの斜視図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は(a)のB−B線断面図。
【図4】(a)はビールサーバーでジョッキにビールを注いでいる状態を示す斜視図であり、(b)はビールサーバーでジョッキにビールを注いでいる最中にビール樽のビールが枯渇した状態を示す斜視図。
【図5】実施形態2のホースホルダを裏面側から見た斜視図。
【図6】実施形態3のホースホルダをビールサーバーの筐体に取り付ける状態を示す斜視図。
【図7】実施形態4のホースホルダのビールサーバーの筐体へ取り付ける状態を示す斜視図。
【図8】実施形態5のホースホルダをビールサーバーの筐体へ取り付けた状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
<<実施形態1>>
図1は、本発明に係わる実施形態1のホースホルダ1の使用状態を示す斜視図である。図2は、実施形態1のビール供給装置Sの全体構成を示す要部一部切り欠き斜視図である。 実施形態1で例示するビール供給装置S(図2参照)は、飲食店等で、ビールサーバー2でジョッキ9等に冷却したビールを注ぐ装置である。
【0017】
実施形態1のホースホルダ(ホース視認ホルダ)1は、店員等のビール注ぎ者がジョッキ9等にビールを注ぎつつ、ホースホルダ1に保持される半透明なビールホース3内を流れるビールの状態を黒色の背景として目視(視認)する。そして、ホースホルダ1内の状態がビールbから泡a(図4参照)に変化するのを、ビール注ぎ者が黒色のホースホルダ1を背景に目視(視認)して、ビール樽4(図2参照)内のビールが枯渇した(無くなった)ことを認識する。
【0018】
図2に示すビール供給装置Sは、ジョッキ9等に冷却したビールを注ぐビールサーバー2と、ビールサーバー2に半透明なビールホース3を介してビールを供給するビール樽4と、ビール樽4にホース6を介して炭酸ガス(CO2)を供給してビール樽4内のビールbをビールサーバー2に圧送するための炭酸ガスボンベ5とを備えている。
【0019】
ビールサーバー2は、ビール樽4からビールホース3を介して供給されるビールを急冷(急速に冷却)する冷却管2cと、冷却管2cに接続されるビール注ぎ口2sを開栓または閉栓するコック8と、ビール注ぎ口2sからビールbを注ぐジョッキ9等を載置する載置台2dとを有している。
ビールサーバー2の外郭を成す筐体7は、例えばステンレス鋼板を用いて形成されている。
【0020】
ビールサーバー2の筐体7の右・左側面板7m、7hにはそれぞれ、ビール樽4から延出されビールサーバー2内の冷却管2cに接続されるビールホース3が挿通されるホース挿通孔7m1、7h1が設けられている。ビール樽4から延出されるビールホース3は、ホース挿通孔7m1、7h1のうちの使い易い方の何れかからビールサーバー2の筐体7内に導入され冷却管2cに接続されることになる。なお、図1の二点鎖線は、ホースホルダ1をビールサーバー2の前面板7zの向かって左側に配置した場合を示している。
【0021】
ビールサーバー2は、ビール樽4からビールホース3を介して供給されるビールbが、冷却管2c内を流されることで急冷(急速に冷却)され、コック8を倒すことで開栓され、冷えたビールがジョッキ9等に注がれる(図4(a)参照)。
ビール樽4からビールbをビールサーバー2に供給するビールホース3は、半透明な可撓性のビニールホースである。なお、ビールホース3は半透明で内部を流れるビールを目視できれば、材質はビニル基をもつ化学成分(物質)が重合されるビニールに限定されない。また、ビールホース3の内部を流れるビールbを目視できればビールホース3は透明であってもよい。
【0022】
図3(a)はホースホルダ1の斜視図であり、図3(b)は図3(a)のA−A線断面図であり、図3(c)は図3(a)のB−B線断面図である。
ホースホルダ1は、所定厚を有した矩形状のホルダベース部1bと、ホルダベース部1b上に設けられビールホース3が保持される円筒形状のスペース(空間)が形成されるホース保持部1nと、ビールホース3をホース保持部1nへ入れる際の嵌入口である切り欠き部であるホース嵌入口1kとを有している。なお、ホース保持部1nのスペース(空間)は、ビールホース3が収まれば楕円柱状、多角形柱状等でもよく限定されない。
【0023】
ホースホルダ1は、例えば、ABS等の黒色の樹脂を用いて射出成形で形成される。或いは、金属を用いてダイカストで成形しても、鋳物で鋳鋼により形成してもよい。ホースホルダ1が黒色以外の色の樹脂の場合、黒色の顔料等を用いて黒色にされる。また、黒色以外の金属の場合、黒色塗装が施される。ホースホルダ1の材質は、特に限定されないが、後記の磁石1j等で固定されるため、(合成)樹脂、比重が軽い金属等の軽量の材料が望ましい。
なお、ホースホルダ1は、一体物でなく、2つ以上の部材を弾性変形や圧入、溶接等で組み合わせて構成してもよい。
【0024】
ホースホルダ1のホルダベース部1bの裏面側には、凹状の磁石装着孔1b1が形成されており、磁石装着孔1b1には磁石1jが嵌入され接着等で固着されている。磁石1jは、フェライト、コバルト、ニッケル等の強磁性体等の磁石が好ましいが、特に限定されない。
【0025】
次に、ホースホルダ1の使用方法について説明する。
まず、ビール注ぎ者が、図1に示すように、ホースホルダ1をその裏面側に設けた磁石1jの磁力によってビールサーバー2のステンレス製の筐体7の前面板7zに、磁力により吸着し取り付ける。
そして、ビール注ぎ者は、ホース挿通孔7m1を通してビールサーバー2内の冷却管2cに接続されるビールホース3を、ホースホルダ1のホース保持部1nにホース嵌入口1kから弾性変形して嵌入し、保持する。
【0026】
図4(a)は、ビールサーバー2でジョッキ9にビールbを注いでいる状態を示す斜視図であり、図4(b)は、ビールサーバー2でジョッキ9にビールbを注いでいる最中にビール樽4のビールが枯渇した状態を示す斜視図である。
【0027】
図4(a)に示すように、ジョッキ9をビールサーバー2のビール注ぎ口2sの下方に載置し、コック8を倒して、ビール注ぎ口2sからビールbをジョッキ9に注ぐ。この際、ビール樽4(図2参照)内にビールbが充分ある場合には、ビール注ぎ者は、ホースホルダ1のホース保持部1nに保持される半透明なビールホース3を透過して、ビールホース3内を流れる黄金色のビールbを目視することができる。
【0028】
その後、時間が経過し、ビール樽4(図2参照)内にビールbが無くなった(枯渇した)場合には、ホースホルダ1のホース保持部1nに保持されるビールホース3内を流れるビールbが、図4(b)に示すように、白色の泡aに変化する。この際、ホースホルダ1のホース保持部(ホース背景部)1nやホルダベース部(ホース背景部)1bが黒色をもって形成されるので、ビール注ぎ者は、半透明なビールホース3を透過して、ビールホース3内の白色の泡aを鮮明かつ明瞭に目視(視認)して、ビール樽4内のビール切れの状態を確実に認識することができる。ちなみに、「噴き」が生じる前に、ビールホース3内を白色の泡aが走る。
従来は、ホース挿通孔7m1、7h1が側面(右・左側面板7m、7h)にあることからビールホース3が正面から見えにくかった。そのため、樽切れ時の「噴き」を予防することは困難であった。
【0029】
実施形態1によれば、ビールホース3を固定するためのホースホルダ1をビールサーバー2に配置し、ホースホルダ1のホース保持部1n、ホルダベース部1bを黒色にすることで、ビールホース3内に泡aが走った際に鮮明かつ明確に認識できる。
すなわち、ホース背景部のホース保持部1n、ホルダベース部1bが黒色のため、ビールホース3内の黄金色のビールbの白色の泡aへの変化の視認性(目視確認性)が格段に向上する。また、ホースホルダ1は磁石1j付きとするので、設置環境によらず、ビールホース3をビール注ぎ者の視認性の高い(目視し易い)箇所に引っ張ることができる。
【0030】
樽切れの瞬間(ビール樽4(図2参照)内にビールbが無くなった瞬間)にはビールホース3内に白色の泡aが走るため、これを確実に視認できるので、事前に樽切れ(ビール樽4内にビールbが無くなったこと)を感知できる。そのため、樽切れの視認性が向上し、「噴き」の防止につながる。
従って、安価な装置で、樽切れを感知でき、低コストのホースホルダ1を得られる。
【0031】
<<実施形態2>>
図5は、実施形態2のホースホルダ11を裏面側から見た斜視図である。
実施形態2では、実施形態1と同様なホース保持部11nを有するホースホルダ11の取り付け部を、実施形態1の磁石1jに代替して、ホースホルダ11の裏面に、中央部が凹んだ円錐状の可撓性をもつ弾性体の吸盤11k、11kとしたものである。吸盤11kは、例えば、ニトリルゴム、シリコーンゴム、ポリウレタンゴム等のゴム等で形成される。
【0032】
なお、吸盤11kの吸着面に粘着層(接着層)を設けると固着力が高まるのでより望ましい。
その他のホースホルダ11の構成は、実施形態1のホースホルダ1と同様であるから、実施形態1のホースホルダ1の符号に10番台の符号を付して示し、詳細な説明を省略する。
【0033】
実施形態1の構成によっても、ホースホルダ11を、その裏面の吸盤11k、11kによって、図1に示すビールサーバー2の筐体7の前面板7z、左・右側面板7m、7h等の任意の箇所に固定することができる。
そのため、実施形態1と同様な作用効果を得られる。
なお、吸盤11k、11kをゴムで形成することで、低コスト化が可能である。
【0034】
<<実施形態3>>
図6は、実施形態3のホースホルダ21をビールサーバー2の筐体7に取り付ける状態を示す斜視図である。
実施形態3のホースホルダ21は、実施形態1の磁石1jに代替する構成を提示するものである。
すなわち、ホースホルダ21のホルダベース部21bに、ホースホルダ21をビールサーバー2の筐体7に取り付ける雄ネジn、樹脂製の取り付けピンp等を挿通させる挿通孔21a、21aが穿孔される。その他のホースホルダ21の構成は、実施形態1のホースホルダ1と同様であるから、実施形態1のホースホルダ1の符号に20番台の符号を付して示し、詳細な説明を省略する。
【0035】
ビールサーバー2の筐体7には、バーリング加工等で雌ネジ(図示せず)が形成されたり、ピンpが挿入される取り付け孔(図示せず)が穿孔される。
ホースホルダ21を雄ネジnでビールサーバー2の筐体7に取り付けるに際しては、雄ネジnをホースホルダ21の挿通孔21a、21aにそれぞれ挿通して、ビールサーバー2の筐体7の雌ネジに螺着することで取り付けられる。
【0036】
一方、取り付けピンpは、弾性変形部p1を有しており、弾性変形部p1はビールサーバー2の筐体7の取り付け孔に挿入されると、中央側に向けて変形し窄まり、筐体7の取り付け孔内で外方に開いて復元する構成である。
この構成により、取り付けピンpの弾性変形部p1をホースホルダ21の挿通孔21a、21aにそれぞれ挿通し、ビールサーバー2の筐体7の取り付け孔(図示せず)に挿入し、弾性変形部p1が筐体7の取り付け孔内で外方に復元することで、ホースホルダ21がビールサーバー2の筐体7に取り付けられる。
【0037】
実施形態3の構成によれば、ホースホルダ21が雄ネジnや取り付けピンp等でビールサーバー2の筐体7に確実に固着され、衝撃を受けて落下することが抑制される。
また、実施形態1の作用効果は同様に奏する。
なお、ホースホルダ21を樹脂で成形し、取り付けピンpをホースホルダ21の裏面に一体に成形すれば、製造コストが低減され、組み付け作業が容易になるのでより好ましい。
【0038】
<<実施形態4>>
図7は、実施形態4のホースホルダ31のビールサーバー2の筐体7へ取り付ける状態を示す斜視図である。
実施形態4のホースホルダ31は、実施形態1の磁石1jに代替した構成である。
【0039】
実施形態4では、ホースホルダ31の裏面に先端が(組み付け時)下向きのL字状の係合突出部31t、31tを設ける。そして、ビールサーバー2の筐体7の前面板7zに穿孔した被係合孔7z1、7z1に係合突出部31t、31tを挿入して被係合孔7z1、7z1の下方に係合させて、ホースホルダ31をビールサーバー2の前面板7zに取り付けるものである。
その他のホースホルダ31の構成は、実施形態1のホースホルダ1と同様であるから、実施形態1のホースホルダ1の符号に30番台の符号を付して示し、詳細な説明を省略する。
【0040】
実施形態4の構成によれば、ホースホルダ31が係合突出部31t、31tでビールサーバー2の筐体7に確実に係合され、衝撃を受けて落下することが抑制される。
実施形態1の作用効果は同様に奏する。
なお、ホースホルダ31を樹脂、金属等で成形し、係合突出部31t、31tをホースホルダ31の裏面に一体に成形すれば、製造コストが低減され、組み付け性が高まるのでより好ましい。
【0041】
<<実施形態5>>
図8は、実施形態5のホースホルダ41をビールサーバー2の筐体7へ取り付けた状態を示す斜視図である。
実施形態5のホースホルダ41は、実施形態1の磁石1jに代替する構成を提示するものである。
【0042】
実施形態5のホースホルダ41は、ビールサーバー2の前面板7zにビールホース3を把持する180度未満の角度切り欠かれた円弧状の把持部41a1を有する一対の把持部材41a、41aと、ビールホース3が配置される領域に黒色のホース背景部41bとを設けたものである。
一対の把持部41a1を有する把持部材41aは、ビールサーバー2の筐体7の前面板7zに設けた取り付け孔(図示せず)、取り付け用の雌ネジにそれぞれ、弾性変形、ネジ止め等で上下に固着される。把持部材41aは、(合成)樹脂、金属等で構成される。
【0043】
ホースホルダ41を構成する黒色のホース背景部41bはゴム、(合成)樹脂等でシート状に形成され、ビールホース3が配置される領域に貼着(接着層、粘着層で貼着)、弾性変形等で固着される。
そして、可撓性を有する半透明なビールホース3が黒色のホース背景部41bを背景として、上下の把持部材41aの把持部材41aに弾性変形して取着される。
【0044】
実施形態5によれば、ホースホルダ41は、一対の把持部材41aとホース背景部41bとで構成されるので、ビールサーバー2に予め取り付けて出荷することも可能である。また、簡単な構成であるので、部品コスト、組立てコスト等の製造コストが低廉である。
なお、ホース背景部41bは、黒色の幅広の粘着テープを貼着して構成してもよいし、ビールサーバー2の前面板7zに塗料等で黒色の領域を設けて形成してもよい。
なお、把持部材41aは、2つの場合を例示したが、ビールホース3内の状態が良好かつ鮮明に目視でき、ビールホース3を確実に保持できれば、1つまたは3つ以上としてもよく限定されない。
【0045】
実施形態1〜5で詳述したように、ホースホルダのビールサーバー2への取り付け法は、限定されない。
しかし、ホースホルダのビールサーバー2への取り付けは、実施形態1、2で例示したホースホルダ1、11に固着した磁石1j、吸盤11k等(図3、図5参照)で行うとビールサーバー2の場所を選ばず取り付けられる。さらに、ビールサーバー2に取り付け構成を設ける必要がないというメリットがある。
【0046】
なお、前記実施形態では、ホースホルダが黒色の場合を例示したが、ビール樽4のビール枯渇時にビールホース3内に目視される黄金色のビールbから白色の泡aへの変化を明確かつ鮮明に目視(視認)できれば、ホースホルダ1のホース背景部(ホルダベース部1b、ホース保持部1n)の色は黒色以外のこげ茶色、黒褐色、暗黒色等の暗色(暗い色)でも構わない。なお、ホースホルダ1のホース保持部1nが、黒色以外のこげ茶色、黒褐色、暗黒色等の暗色(暗い色)でも構わない。
しかしながら、黒色は、黄金色のビールbから白色の泡aへの変化を明瞭かつ鮮明に視認できるので、最も望ましい。色は、光沢でも艶消しでも、泡aを視認できるものであればよい。
【0047】
また、前記実施形態では、ホースホルダのビールサーバー2への取り付け箇所は、ビールサーバー2の前面板7zに取り付けた場合を例示したが、ビール注ぎ者が目視し易ければビールサーバー2の側面板部7m、7h等の前部でもよく、ホースホルダのビールサーバー2への取り付け箇所は任意に選択可能であることは勿論である。
【0048】
なお、前記実施形態では、ホースホルダのホース背景部(ホルダベース部、ホース保持部等)を様々な方法で取り付ける場合を例示したが、例示した方法に代替してホースホルダのホース背景部の裏面側を平らに形成し、ビールサーバー2の筐体7に接着で取着してもよいし、両面テープで取着するように構成してもよい。つまり、ホースホルダを接着層や粘着層を介してビールサーバー2の筐体7に取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0049】
1、11、21、31、41 ホースホルダ(ホース視認ホルダ)
1b、11b、21b、31b ホルダベース部(ホース背景部)
1j 磁石(ホルダ取り付け部)
1n、11n、21n、31n ホース保持部(ホース背景部)
2 ビールサーバー
3 ビールホース
4 ビール樽
7 筐体
7z ビールサーバーの前面板(ビールサーバーの筐体の前面)
7z1 被係合孔(被係合部)
9 ジョッキ(容器)
11k 吸盤(ホルダ取り付け部)
21a 挿通孔(ホルダ取り付け部)
31t 係合突出部(ホルダ取り付け部)
41a 把持部材(ホース保持部、ホース把持部)
41 ホース背景部
n 雄ネジ
p 取り付けピン(取り付け部材)
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビールサーバーに送られるビールが流れるビールホースを保持するとともに視認するホース視認ホルダおよびこれを備えたビールサーバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲食店等でビール樽のビールをお客に提供する方式としては、ビール樽を冷蔵庫に格納して冷却する格納式と、ビール樽から圧送されたビールをビールサーバーで瞬間的に冷却する瞬冷式の2つの方式がある。
【0003】
第1の格納式は、下記の特許文献1に記載されている。
特許文献1の飲料注出装置は、ビールが収容されたビール樽に、ボンベから例えば炭酸ガスを導入し、ガス圧力でビール樽内のビールをタップで開放した注出口から取り出すものである。
ビール樽は、樽冷蔵庫に格納され冷却されており、樽冷蔵庫には、ビール樽を出し入れするための扉が設けられている。
そのため、格納式の場合、飲料注出装置の使用中、ビールホースが樽冷蔵庫内に収納されており、ユーザから目視されることはない。
【0004】
第2の格納式は、下記の特許文献2〜4に記載されている。
特許文献2の飲料自動注出装置は、ビヤ樽等の飲料容器から飲料を送るビールホースを、カウンター等の設置台の下方空間に設置した冷却槽内の冷却水に浸漬した飲料冷却管(冷却器)に接続する。そして、ビヤ樽に付与される炭酸ガスの圧力によりビールホースから飲料冷却管を通して冷却されて飲料供給管により供給されるビールを、注出コックを開栓して、ジョッキ等に注出する。
【0005】
特許文献3のビール提供装置は、ビールが収容された生ビール樽に炭酸ガスボンベからホースを介して炭酸ガスが送られ、生ビール樽内のビールが、ホースを介してビールサーバーに炭酸ガスによって圧送される。そして、ビールサーバーのコックを開栓することで、ジョッキ等にビールが注がれる。
ところで、ビール樽に格納されるビールが少量になった場合に、ジョッキ等の容器への注入口からビールの泡が噴き出し、ビールがジョッキからこぼれたり、ビールの品質が劣化し美味しくなくなったりするという問題がある。いわゆる樽切れ時の「噴き」の問題がある。
【0006】
樽切れ時の「噴き」を防止する方法としては、ビール樽とビールサーバーとを接続するビールホースにビール残量や泡を検知するセンサを配設し、或いは、ビール樽にビール残量や泡を検知するセンサを配設し、樽切れを感知する技術が知られている。
例えば、特許文献2では、ビールホースにビール残量や泡を検知する飲料切れを検知する飲料切れセンサが設けられ、樽切れを感知する。飲料切れセンサが飲料切れを検知すると電気制御部のコック駆動装置、電気制御回路が注出コックの弁を閉止するように制御する。
【0007】
特許文献3では、生ビール樽の流出口に、ビールの残量を検知するセンサが設けられる。そして、最後のビールがホースのセンサ部を通過して時点で、センサのスイッチがオンとなり、電気回路の制御により警報機が作動される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−116190号公報(段落0021、図1等)
【特許文献2】特開2008−222267号公報(段落0018、図1等)
【特許文献3】実用新案登録第3091419号公報(図1等)
【特許文献4】特開平5−319489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、樽切れ時の「噴き」は、前記のように、ビールのロスにつながり、また、ビールの品質を損ね美味しさが劣化するため、飲食店からも対応の要望が多い問題である。
しかしながら、特許文献2、3の技術は、センサや制御装置、配線等を設けるためのコストがかかるという問題があり、普及していない。
【0010】
そのため、店員がビールを注ぐときに、ジョッキを注視しつつも、噴きにも注意しなければならなかった。よって、当業者においては、より簡便に樽切れを感知できる技術(噴きを事前に感知できる技術)が求められている。すなわち、より簡便に樽切れを感知できる技術のニーズがある。
【0011】
本発明は上記実状に鑑み、構成が簡素でコストがかかることなく、確実に樽切れを感知できるホース視認ホルダおよびこれを備えたビールサーバーの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成すべく、第1の本発明に関わるホース視認ホルダは、ビールが収容されるビール樽からビールを容器に注ぐビールサーバーへビールを供給する透明又は半透明なビールホースを保持するとともに視認するためのホース視認ホルダであって、前記ビールホースの背景として配置される暗色をもつホース背景部と、前記ビールホースを保持するホース保持部とを有している。
【0013】
第2の本発明に関わるビールサーバーは、第1の本発明のホース視認ホルダを備えるビールサーバーである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、構成が簡素でコストがかかることなく、確実に樽切れを感知できるホース視認ホルダおよびこれを備えたビールサーバーを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係わる実施形態1のホースホルダの使用状態を示す斜視図。
【図2】実施形態1のビール供給装置の全体構成を示す要部一部切り欠き斜視図。
【図3】(a)はホースホルダの斜視図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は(a)のB−B線断面図。
【図4】(a)はビールサーバーでジョッキにビールを注いでいる状態を示す斜視図であり、(b)はビールサーバーでジョッキにビールを注いでいる最中にビール樽のビールが枯渇した状態を示す斜視図。
【図5】実施形態2のホースホルダを裏面側から見た斜視図。
【図6】実施形態3のホースホルダをビールサーバーの筐体に取り付ける状態を示す斜視図。
【図7】実施形態4のホースホルダのビールサーバーの筐体へ取り付ける状態を示す斜視図。
【図8】実施形態5のホースホルダをビールサーバーの筐体へ取り付けた状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
<<実施形態1>>
図1は、本発明に係わる実施形態1のホースホルダ1の使用状態を示す斜視図である。図2は、実施形態1のビール供給装置Sの全体構成を示す要部一部切り欠き斜視図である。 実施形態1で例示するビール供給装置S(図2参照)は、飲食店等で、ビールサーバー2でジョッキ9等に冷却したビールを注ぐ装置である。
【0017】
実施形態1のホースホルダ(ホース視認ホルダ)1は、店員等のビール注ぎ者がジョッキ9等にビールを注ぎつつ、ホースホルダ1に保持される半透明なビールホース3内を流れるビールの状態を黒色の背景として目視(視認)する。そして、ホースホルダ1内の状態がビールbから泡a(図4参照)に変化するのを、ビール注ぎ者が黒色のホースホルダ1を背景に目視(視認)して、ビール樽4(図2参照)内のビールが枯渇した(無くなった)ことを認識する。
【0018】
図2に示すビール供給装置Sは、ジョッキ9等に冷却したビールを注ぐビールサーバー2と、ビールサーバー2に半透明なビールホース3を介してビールを供給するビール樽4と、ビール樽4にホース6を介して炭酸ガス(CO2)を供給してビール樽4内のビールbをビールサーバー2に圧送するための炭酸ガスボンベ5とを備えている。
【0019】
ビールサーバー2は、ビール樽4からビールホース3を介して供給されるビールを急冷(急速に冷却)する冷却管2cと、冷却管2cに接続されるビール注ぎ口2sを開栓または閉栓するコック8と、ビール注ぎ口2sからビールbを注ぐジョッキ9等を載置する載置台2dとを有している。
ビールサーバー2の外郭を成す筐体7は、例えばステンレス鋼板を用いて形成されている。
【0020】
ビールサーバー2の筐体7の右・左側面板7m、7hにはそれぞれ、ビール樽4から延出されビールサーバー2内の冷却管2cに接続されるビールホース3が挿通されるホース挿通孔7m1、7h1が設けられている。ビール樽4から延出されるビールホース3は、ホース挿通孔7m1、7h1のうちの使い易い方の何れかからビールサーバー2の筐体7内に導入され冷却管2cに接続されることになる。なお、図1の二点鎖線は、ホースホルダ1をビールサーバー2の前面板7zの向かって左側に配置した場合を示している。
【0021】
ビールサーバー2は、ビール樽4からビールホース3を介して供給されるビールbが、冷却管2c内を流されることで急冷(急速に冷却)され、コック8を倒すことで開栓され、冷えたビールがジョッキ9等に注がれる(図4(a)参照)。
ビール樽4からビールbをビールサーバー2に供給するビールホース3は、半透明な可撓性のビニールホースである。なお、ビールホース3は半透明で内部を流れるビールを目視できれば、材質はビニル基をもつ化学成分(物質)が重合されるビニールに限定されない。また、ビールホース3の内部を流れるビールbを目視できればビールホース3は透明であってもよい。
【0022】
図3(a)はホースホルダ1の斜視図であり、図3(b)は図3(a)のA−A線断面図であり、図3(c)は図3(a)のB−B線断面図である。
ホースホルダ1は、所定厚を有した矩形状のホルダベース部1bと、ホルダベース部1b上に設けられビールホース3が保持される円筒形状のスペース(空間)が形成されるホース保持部1nと、ビールホース3をホース保持部1nへ入れる際の嵌入口である切り欠き部であるホース嵌入口1kとを有している。なお、ホース保持部1nのスペース(空間)は、ビールホース3が収まれば楕円柱状、多角形柱状等でもよく限定されない。
【0023】
ホースホルダ1は、例えば、ABS等の黒色の樹脂を用いて射出成形で形成される。或いは、金属を用いてダイカストで成形しても、鋳物で鋳鋼により形成してもよい。ホースホルダ1が黒色以外の色の樹脂の場合、黒色の顔料等を用いて黒色にされる。また、黒色以外の金属の場合、黒色塗装が施される。ホースホルダ1の材質は、特に限定されないが、後記の磁石1j等で固定されるため、(合成)樹脂、比重が軽い金属等の軽量の材料が望ましい。
なお、ホースホルダ1は、一体物でなく、2つ以上の部材を弾性変形や圧入、溶接等で組み合わせて構成してもよい。
【0024】
ホースホルダ1のホルダベース部1bの裏面側には、凹状の磁石装着孔1b1が形成されており、磁石装着孔1b1には磁石1jが嵌入され接着等で固着されている。磁石1jは、フェライト、コバルト、ニッケル等の強磁性体等の磁石が好ましいが、特に限定されない。
【0025】
次に、ホースホルダ1の使用方法について説明する。
まず、ビール注ぎ者が、図1に示すように、ホースホルダ1をその裏面側に設けた磁石1jの磁力によってビールサーバー2のステンレス製の筐体7の前面板7zに、磁力により吸着し取り付ける。
そして、ビール注ぎ者は、ホース挿通孔7m1を通してビールサーバー2内の冷却管2cに接続されるビールホース3を、ホースホルダ1のホース保持部1nにホース嵌入口1kから弾性変形して嵌入し、保持する。
【0026】
図4(a)は、ビールサーバー2でジョッキ9にビールbを注いでいる状態を示す斜視図であり、図4(b)は、ビールサーバー2でジョッキ9にビールbを注いでいる最中にビール樽4のビールが枯渇した状態を示す斜視図である。
【0027】
図4(a)に示すように、ジョッキ9をビールサーバー2のビール注ぎ口2sの下方に載置し、コック8を倒して、ビール注ぎ口2sからビールbをジョッキ9に注ぐ。この際、ビール樽4(図2参照)内にビールbが充分ある場合には、ビール注ぎ者は、ホースホルダ1のホース保持部1nに保持される半透明なビールホース3を透過して、ビールホース3内を流れる黄金色のビールbを目視することができる。
【0028】
その後、時間が経過し、ビール樽4(図2参照)内にビールbが無くなった(枯渇した)場合には、ホースホルダ1のホース保持部1nに保持されるビールホース3内を流れるビールbが、図4(b)に示すように、白色の泡aに変化する。この際、ホースホルダ1のホース保持部(ホース背景部)1nやホルダベース部(ホース背景部)1bが黒色をもって形成されるので、ビール注ぎ者は、半透明なビールホース3を透過して、ビールホース3内の白色の泡aを鮮明かつ明瞭に目視(視認)して、ビール樽4内のビール切れの状態を確実に認識することができる。ちなみに、「噴き」が生じる前に、ビールホース3内を白色の泡aが走る。
従来は、ホース挿通孔7m1、7h1が側面(右・左側面板7m、7h)にあることからビールホース3が正面から見えにくかった。そのため、樽切れ時の「噴き」を予防することは困難であった。
【0029】
実施形態1によれば、ビールホース3を固定するためのホースホルダ1をビールサーバー2に配置し、ホースホルダ1のホース保持部1n、ホルダベース部1bを黒色にすることで、ビールホース3内に泡aが走った際に鮮明かつ明確に認識できる。
すなわち、ホース背景部のホース保持部1n、ホルダベース部1bが黒色のため、ビールホース3内の黄金色のビールbの白色の泡aへの変化の視認性(目視確認性)が格段に向上する。また、ホースホルダ1は磁石1j付きとするので、設置環境によらず、ビールホース3をビール注ぎ者の視認性の高い(目視し易い)箇所に引っ張ることができる。
【0030】
樽切れの瞬間(ビール樽4(図2参照)内にビールbが無くなった瞬間)にはビールホース3内に白色の泡aが走るため、これを確実に視認できるので、事前に樽切れ(ビール樽4内にビールbが無くなったこと)を感知できる。そのため、樽切れの視認性が向上し、「噴き」の防止につながる。
従って、安価な装置で、樽切れを感知でき、低コストのホースホルダ1を得られる。
【0031】
<<実施形態2>>
図5は、実施形態2のホースホルダ11を裏面側から見た斜視図である。
実施形態2では、実施形態1と同様なホース保持部11nを有するホースホルダ11の取り付け部を、実施形態1の磁石1jに代替して、ホースホルダ11の裏面に、中央部が凹んだ円錐状の可撓性をもつ弾性体の吸盤11k、11kとしたものである。吸盤11kは、例えば、ニトリルゴム、シリコーンゴム、ポリウレタンゴム等のゴム等で形成される。
【0032】
なお、吸盤11kの吸着面に粘着層(接着層)を設けると固着力が高まるのでより望ましい。
その他のホースホルダ11の構成は、実施形態1のホースホルダ1と同様であるから、実施形態1のホースホルダ1の符号に10番台の符号を付して示し、詳細な説明を省略する。
【0033】
実施形態1の構成によっても、ホースホルダ11を、その裏面の吸盤11k、11kによって、図1に示すビールサーバー2の筐体7の前面板7z、左・右側面板7m、7h等の任意の箇所に固定することができる。
そのため、実施形態1と同様な作用効果を得られる。
なお、吸盤11k、11kをゴムで形成することで、低コスト化が可能である。
【0034】
<<実施形態3>>
図6は、実施形態3のホースホルダ21をビールサーバー2の筐体7に取り付ける状態を示す斜視図である。
実施形態3のホースホルダ21は、実施形態1の磁石1jに代替する構成を提示するものである。
すなわち、ホースホルダ21のホルダベース部21bに、ホースホルダ21をビールサーバー2の筐体7に取り付ける雄ネジn、樹脂製の取り付けピンp等を挿通させる挿通孔21a、21aが穿孔される。その他のホースホルダ21の構成は、実施形態1のホースホルダ1と同様であるから、実施形態1のホースホルダ1の符号に20番台の符号を付して示し、詳細な説明を省略する。
【0035】
ビールサーバー2の筐体7には、バーリング加工等で雌ネジ(図示せず)が形成されたり、ピンpが挿入される取り付け孔(図示せず)が穿孔される。
ホースホルダ21を雄ネジnでビールサーバー2の筐体7に取り付けるに際しては、雄ネジnをホースホルダ21の挿通孔21a、21aにそれぞれ挿通して、ビールサーバー2の筐体7の雌ネジに螺着することで取り付けられる。
【0036】
一方、取り付けピンpは、弾性変形部p1を有しており、弾性変形部p1はビールサーバー2の筐体7の取り付け孔に挿入されると、中央側に向けて変形し窄まり、筐体7の取り付け孔内で外方に開いて復元する構成である。
この構成により、取り付けピンpの弾性変形部p1をホースホルダ21の挿通孔21a、21aにそれぞれ挿通し、ビールサーバー2の筐体7の取り付け孔(図示せず)に挿入し、弾性変形部p1が筐体7の取り付け孔内で外方に復元することで、ホースホルダ21がビールサーバー2の筐体7に取り付けられる。
【0037】
実施形態3の構成によれば、ホースホルダ21が雄ネジnや取り付けピンp等でビールサーバー2の筐体7に確実に固着され、衝撃を受けて落下することが抑制される。
また、実施形態1の作用効果は同様に奏する。
なお、ホースホルダ21を樹脂で成形し、取り付けピンpをホースホルダ21の裏面に一体に成形すれば、製造コストが低減され、組み付け作業が容易になるのでより好ましい。
【0038】
<<実施形態4>>
図7は、実施形態4のホースホルダ31のビールサーバー2の筐体7へ取り付ける状態を示す斜視図である。
実施形態4のホースホルダ31は、実施形態1の磁石1jに代替した構成である。
【0039】
実施形態4では、ホースホルダ31の裏面に先端が(組み付け時)下向きのL字状の係合突出部31t、31tを設ける。そして、ビールサーバー2の筐体7の前面板7zに穿孔した被係合孔7z1、7z1に係合突出部31t、31tを挿入して被係合孔7z1、7z1の下方に係合させて、ホースホルダ31をビールサーバー2の前面板7zに取り付けるものである。
その他のホースホルダ31の構成は、実施形態1のホースホルダ1と同様であるから、実施形態1のホースホルダ1の符号に30番台の符号を付して示し、詳細な説明を省略する。
【0040】
実施形態4の構成によれば、ホースホルダ31が係合突出部31t、31tでビールサーバー2の筐体7に確実に係合され、衝撃を受けて落下することが抑制される。
実施形態1の作用効果は同様に奏する。
なお、ホースホルダ31を樹脂、金属等で成形し、係合突出部31t、31tをホースホルダ31の裏面に一体に成形すれば、製造コストが低減され、組み付け性が高まるのでより好ましい。
【0041】
<<実施形態5>>
図8は、実施形態5のホースホルダ41をビールサーバー2の筐体7へ取り付けた状態を示す斜視図である。
実施形態5のホースホルダ41は、実施形態1の磁石1jに代替する構成を提示するものである。
【0042】
実施形態5のホースホルダ41は、ビールサーバー2の前面板7zにビールホース3を把持する180度未満の角度切り欠かれた円弧状の把持部41a1を有する一対の把持部材41a、41aと、ビールホース3が配置される領域に黒色のホース背景部41bとを設けたものである。
一対の把持部41a1を有する把持部材41aは、ビールサーバー2の筐体7の前面板7zに設けた取り付け孔(図示せず)、取り付け用の雌ネジにそれぞれ、弾性変形、ネジ止め等で上下に固着される。把持部材41aは、(合成)樹脂、金属等で構成される。
【0043】
ホースホルダ41を構成する黒色のホース背景部41bはゴム、(合成)樹脂等でシート状に形成され、ビールホース3が配置される領域に貼着(接着層、粘着層で貼着)、弾性変形等で固着される。
そして、可撓性を有する半透明なビールホース3が黒色のホース背景部41bを背景として、上下の把持部材41aの把持部材41aに弾性変形して取着される。
【0044】
実施形態5によれば、ホースホルダ41は、一対の把持部材41aとホース背景部41bとで構成されるので、ビールサーバー2に予め取り付けて出荷することも可能である。また、簡単な構成であるので、部品コスト、組立てコスト等の製造コストが低廉である。
なお、ホース背景部41bは、黒色の幅広の粘着テープを貼着して構成してもよいし、ビールサーバー2の前面板7zに塗料等で黒色の領域を設けて形成してもよい。
なお、把持部材41aは、2つの場合を例示したが、ビールホース3内の状態が良好かつ鮮明に目視でき、ビールホース3を確実に保持できれば、1つまたは3つ以上としてもよく限定されない。
【0045】
実施形態1〜5で詳述したように、ホースホルダのビールサーバー2への取り付け法は、限定されない。
しかし、ホースホルダのビールサーバー2への取り付けは、実施形態1、2で例示したホースホルダ1、11に固着した磁石1j、吸盤11k等(図3、図5参照)で行うとビールサーバー2の場所を選ばず取り付けられる。さらに、ビールサーバー2に取り付け構成を設ける必要がないというメリットがある。
【0046】
なお、前記実施形態では、ホースホルダが黒色の場合を例示したが、ビール樽4のビール枯渇時にビールホース3内に目視される黄金色のビールbから白色の泡aへの変化を明確かつ鮮明に目視(視認)できれば、ホースホルダ1のホース背景部(ホルダベース部1b、ホース保持部1n)の色は黒色以外のこげ茶色、黒褐色、暗黒色等の暗色(暗い色)でも構わない。なお、ホースホルダ1のホース保持部1nが、黒色以外のこげ茶色、黒褐色、暗黒色等の暗色(暗い色)でも構わない。
しかしながら、黒色は、黄金色のビールbから白色の泡aへの変化を明瞭かつ鮮明に視認できるので、最も望ましい。色は、光沢でも艶消しでも、泡aを視認できるものであればよい。
【0047】
また、前記実施形態では、ホースホルダのビールサーバー2への取り付け箇所は、ビールサーバー2の前面板7zに取り付けた場合を例示したが、ビール注ぎ者が目視し易ければビールサーバー2の側面板部7m、7h等の前部でもよく、ホースホルダのビールサーバー2への取り付け箇所は任意に選択可能であることは勿論である。
【0048】
なお、前記実施形態では、ホースホルダのホース背景部(ホルダベース部、ホース保持部等)を様々な方法で取り付ける場合を例示したが、例示した方法に代替してホースホルダのホース背景部の裏面側を平らに形成し、ビールサーバー2の筐体7に接着で取着してもよいし、両面テープで取着するように構成してもよい。つまり、ホースホルダを接着層や粘着層を介してビールサーバー2の筐体7に取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0049】
1、11、21、31、41 ホースホルダ(ホース視認ホルダ)
1b、11b、21b、31b ホルダベース部(ホース背景部)
1j 磁石(ホルダ取り付け部)
1n、11n、21n、31n ホース保持部(ホース背景部)
2 ビールサーバー
3 ビールホース
4 ビール樽
7 筐体
7z ビールサーバーの前面板(ビールサーバーの筐体の前面)
7z1 被係合孔(被係合部)
9 ジョッキ(容器)
11k 吸盤(ホルダ取り付け部)
21a 挿通孔(ホルダ取り付け部)
31t 係合突出部(ホルダ取り付け部)
41a 把持部材(ホース保持部、ホース把持部)
41 ホース背景部
n 雄ネジ
p 取り付けピン(取り付け部材)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビールが収容されるビール樽からビールを容器に注ぐビールサーバーへビールを供給する透明又は半透明なビールホースを保持するとともに視認するためのホース視認ホルダであって、
前記ビールホースの背景として配置される暗色をもつホース背景部と、
前記ビールホースを保持するホース保持部とを
有することを特徴とするホース視認ホルダ。
【請求項2】
前記ホース背景部は黒色である
ことを特徴とする請求項1に記載のホース視認ホルダ。
【請求項3】
前記ホース視認ホルダを前記ビールサーバーの外郭を成す筐体へ取り付けられるホルダ取り付け部を有する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のホース視認ホルダ。
【請求項4】
前記ホース視認ホルダは、前記筐体の前面に取り付けられる
ことを特徴とする請求項3に記載のホース視認ホルダ。
【請求項5】
請求項1から請求項4のうちの何れか一項に記載のホース視認ホルダを備えるビールサーバー。
【請求項1】
ビールが収容されるビール樽からビールを容器に注ぐビールサーバーへビールを供給する透明又は半透明なビールホースを保持するとともに視認するためのホース視認ホルダであって、
前記ビールホースの背景として配置される暗色をもつホース背景部と、
前記ビールホースを保持するホース保持部とを
有することを特徴とするホース視認ホルダ。
【請求項2】
前記ホース背景部は黒色である
ことを特徴とする請求項1に記載のホース視認ホルダ。
【請求項3】
前記ホース視認ホルダを前記ビールサーバーの外郭を成す筐体へ取り付けられるホルダ取り付け部を有する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のホース視認ホルダ。
【請求項4】
前記ホース視認ホルダは、前記筐体の前面に取り付けられる
ことを特徴とする請求項3に記載のホース視認ホルダ。
【請求項5】
請求項1から請求項4のうちの何れか一項に記載のホース視認ホルダを備えるビールサーバー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2012−224385(P2012−224385A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−95469(P2011−95469)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(303040183)サッポロビール株式会社 (150)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(303040183)サッポロビール株式会社 (150)
【Fターム(参考)】
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