ホームドア装置
【課題】この発明は、簡単な構成により乗客を安全でかつ速やかに乗降させることができるホームドア装置を提供するものである。
【解決手段】乗降扉と、前記乗降扉を開閉駆動する駆動装置とを有するホームドア装置において、前記駆動装置を収容するとともに、前記乗降扉が挿通し、固定状態に設置される第1の戸袋体と、前記第1の戸袋体に回動可能に装着され、前記乗降扉が開状態のとき前記乗降扉の後方側を収容するとともに、前記乗降扉が非常時に開かないとき回動されて乗降領域を形成する第2の戸袋体とを備えたものである。
【解決手段】乗降扉と、前記乗降扉を開閉駆動する駆動装置とを有するホームドア装置において、前記駆動装置を収容するとともに、前記乗降扉が挿通し、固定状態に設置される第1の戸袋体と、前記第1の戸袋体に回動可能に装着され、前記乗降扉が開状態のとき前記乗降扉の後方側を収容するとともに、前記乗降扉が非常時に開かないとき回動されて乗降領域を形成する第2の戸袋体とを備えたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばプラットホームのホーム柵に設置されるホームドア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のホームドア装置としては例えば図7に示すようなものがある。客車1の客車扉2は3つのドア方式あるいは4つのドア方式などがあり、図は一例として、客車1の客車扉2は3つのドア方式の場合を示している。したがって、プラットホーム3に設置されるホームドア装置の乗降扉4,5は客車1の各客車扉2に対応して3か所に配置されている場合を示している。客車1の各客車扉2間には戸袋6,7が位置するように構成されている。
【0003】
ホームドア装置の乗降扉4,5は通常閉じられて乗降口が閉鎖されており、プラットホーム3側にいる乗客が軌道側に入れないように遮蔽されている。
【0004】
そして、客車1はホームドア装置の乗降扉4,5の位置に合わせて停止する。乗降扉4,5が開いて乗降口が開放され、客車1が停止することにより客車扉2が開くようになっている。なお、乗降扉4,5が開くことにより乗降扉4,5は戸袋6,7にそれぞれ収容されるようになっている。
【0005】
このように、客車1がその客車扉2の位置がホームドア装置の乗降扉4,5の位置に合わせて停止することにより、乗降扉4,5が開いて乗降口が開放され、客車扉2が開くことによって乗客の乗降が可能となる。また、客車1と客車1との連結部は距離的に余裕があるために戸袋ではなく緊急時に開閉可能な脱出口8が設けられている。
【0006】
停電、火災などの非常時において、乗降扉4,5が閉まって開かない状態で客車1が所定の位置に停止しない場合、乗客は客車1の客車扉2が開いたとしても、戸袋6,7が邪魔で脱出することができない。
【0007】
この状態においては、客車1間の脱出口8を開いて脱出口を開放させて脱出させることになるが、客車1間に一か所の脱出口8しか設置できず、緊急時の運用に対応できない可能性があった。
【0008】
また、他の従来のホームドア装置としては、図8ないし図12に示すものがあり、図8は従来の他のホームドア装置を示す正面図である。図9は従来の他のホームドア装置を示す平面図である。図10は従来の他のホームドア装置における乗降扉の閉状態を示す平面図である。図11は従来の他のホームドア装置における非常時の状態を示す平面図である。
図12は従来の他のホームドア装置における乗降扉の開状態を示す平面図である。
【0009】
戸袋6および戸袋7の後方側にそれぞれ枢軸11,12を中心として回動可能な仕切パネル9,10を設けたものであり、仕切パネル9,10は通常は図示しないロック機構によりこていされて閉鎖されている。図10〜図11は戸袋7側を示すものであり、停電、火災などの非常時において、乗降扉4,5が閉まって開かない状態で客車1が停止した場合、図11に示すように、仕切パネル10の図示しないロック機構を解除し、その仕切パネル10を枢軸12を中心として回動させ、非常時の脱出領域Aを確保するようにしている。また、戸袋6側も同様に、仕切パネル9の図示しないロック機構を解除し、その仕切
パネル9を枢軸11を中心として回動させ、非常時の脱出領域Aを確保するようにしている。すなわち、客車1の客車扉2を開いて乗客を非常時の脱出領域Aからプラットホーム側に脱出させるようにしている。
【0010】
また、図12に示すように、乗降扉5が開いたときは戸袋7の後方外部空間にその乗降扉5の後方部に位置することになる。したがって、戸袋7の後方端部は外部空間と連通するよう開放されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特許第4536913号公報
【特許文献2】特開2010−241429号公報
【特許文献3】特開2010−105547号公報
【特許文献4】特許第2930941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述した従来のホームドア装置において、図7に示すものは、非常時の脱出領域が客車1間に位置する脱出口8を開いて脱出口を開放させて脱出させるものであり、客車1間に一か所の脱出口8しか設置できず、非常時の運用としては十分に対応できるものとは言えないという問題点があった。
【0013】
また、上述した従来のホームドア装置において、図8〜図12に示すものは、図7に示すものより非常時の運用としては優れたものとなっている。しかし、図12に示すB部においては、乗降扉4,5が開いたときは戸袋6,7の後方外部空間にその乗降扉4,5の後方部に位置することになるので、戸袋6,7の後方端部は外部空間と連通するよう開放されている。
特に、屋外に設置する場合は、この開放された部分から風雨が進入するために、戸袋6,7の内部保護用の可動する蓋を設けたり、あるいは戸袋6,7の内部部品を防水構造とする必要があるという問題点があった。
【0014】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、プラットホーム又はプラットホーム発着時の車両に非常事態が発生した場合、乗客を安全でかつ速やかに脱出させることができるホームドア装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この発明に係わるホームドア装置は、乗降扉と、前記乗降扉を開閉駆動する駆動装置とを有するホームドア装置において、前記駆動装置を収容するとともに、前記乗降扉が挿通し、固定状態に設置される第1の戸袋体と、前記第1の戸袋体に回動可能に装着され、前記乗降扉が開状態のとき前記乗降扉の後方側を収容するとともに、前記乗降扉が非常時に開かないとき回動されて乗降領域を形成する第2の戸袋体とを備えたものである。
【発明の効果】
【0016】
この発明のホームドア装置によれば、簡単な構成により乗客を安全でかつ速やかに乗降させることができるホームドア装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の実施の形態1に係わるホームドア装置における乗降扉の閉状態を示す平面図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係わるホームドア装置における乗降扉の閉状態を示す正面図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係わるホームドア装置における乗降扉の開状態を示す平面図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係わるホームドア装置における乗降扉の開状態を示す正面図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係わるホームドア装置における非常時の状態を示す平面図である。
【図6】この発明の実施の形態1に係わるホームドア装置における非常時の状態を示す平面図である。
【0018】
【図7】従来のホームドア装置を示す正面図である。
【図8】従来の他のホームドア装置を示す正面図である。
【図9】従来の他のホームドア装置を示す平面図である。
【図10】従来の他のホームドア装置における乗降扉の閉状態を示す平面図である。
【図11】従来の他のホームドア装置における非常時の状態を示す平面図である。
【図12】従来の他のホームドア装置における乗降扉の開状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図1ないし図6に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。図1はこの発明の実施の形態1に係わるホームドア装置における乗降扉の閉状態を示す平面図である。図2はこの発明の実施の形態1に係わるホームドア装置における乗降扉の閉状態を示す正面図である。図3はこの発明の実施の形態1に係わるホームドア装置における乗降扉の開状態を示す平面図である。図4はこの発明の実施の形態1に係わるホームドア装置における乗降扉の開状態を示す正面図である。図5はこの発明の実施の形態1に係わるホームドア装置における非常時の状態を示す平面図である。図6はこの発明の実施の形態1に係わるホームドア装置における非常時の状態を示す平面図である。
【0020】
これら各図において、13は乗降口を閉鎖または開放するための乗降扉である。14は基台15に取り付けられた支柱である。16は乗降扉13を駆動する駆動装置である。この駆動装置16は、モータ17と、ベルト18と、プーリ19,20とにより構成されている。ベルト18の一方側18aは乗降扉13の前端13a近傍に固定され、ベルト18の他方側18bは乗降扉13の後端13b近傍に固定されている。
【0021】
21は乗降扉13に設けられたレール体であり、図は一例として、乗降扉13の上部側に設けられた場合を示している。22は支柱14に設けられ、レール体21と係合され乗降扉13の開閉を案内するレール体案内手段であり、例えばローラ体で構成された場合を示している。
【0022】
23は支柱14、基台15、駆動装置16、レール体案内手段22を収容するとともに、乗降扉13が挿通し、固定状態に設置される第1の戸袋体である。24は第1の戸袋体23に回動可能に装着され、乗降扉13が開状態のとき乗降扉13の後方側を収容するとともに、乗降扉13が非常時に開かないとき枢軸25を中心として回動されて乗降領域Cを形成する第2の戸袋体である。なお、第2の戸袋体24は正常運転状態のときは図示しないロック装置によりロックされて固定されている。
【0023】
次に、正常運転状態のときの動作について説明する。モータ17を図2上において時計方向に回転させると、ベルト18とモータ17、プーリ19,20との懸架により乗降扉13は乗降口を閉鎖する方向にスライト移動される。すなわち、乗降扉13に設けられた
レール体21がレール体案内手段22に案内されることにより乗降扉13が乗降口を閉鎖する方向にスライト移動され、図1および図2に示す状態となり、乗降扉13は乗降口を完全に閉鎖する。このように、乗降扉13により乗降口を完全に閉鎖することにより、プラットホーム側にいる乗客が軌道側に入れないように遮蔽される。
【0024】
また、プラットホームに客車1が到着して客車1から降りてくる乗客を通用させる場合には、モータ17を反時計方向に回転させると、ベルト18とモータ17、プーリ19,20との懸架により乗降扉13は乗降口を開放する方向にスライト移動される。すなわち、乗降扉13に設けられたレール体21がレール体案内手段22に案内されることにより乗降扉13が乗降口を開放する方向にスライト移動され、図3および図4に示す状態となり、乗降扉13は乗降口を完全に開放する。このように、乗降扉13により乗降口を完全に開放することにより、客車1から降りてくる乗客が乗降口を通用してプラットホーム側に降りることができる。
【0025】
ところで、車両火災や、正常位置に列車が停止しない場合等の非常事態が発生した場合において乗降扉13が閉鎖されたままの状態で開放できない場合には、通常は固定されている第2の戸袋体24のロック装置(図示せず)のロック状態を解除して、第2の戸袋体24を手動で枢軸25を中心として回動させることにより非常時としての乗降領域Cを形成することができる。したがって、非常事態が発生した場合、第2の戸袋体24を回動させることにより形成した空間の乗降領域Cを通して乗客を安全でかつ速やかに脱出させることができるホームドア装置を得ることができる。
【0026】
また、駆動装置16などを収容する第1の戸袋体23の後方端部には第2の戸袋体24を装着しているので、第1の戸袋体23内への風雨の進入を防止することができ、第1の戸袋体23の内部部品を防水構造とする必要がなくなり、構造が簡単であり安価なホームドア装置を得ることができる。
【0027】
また、乗降扉13が開いたときも、乗降扉13の後方部は第2の戸袋体24内に収容されているので、第1の戸袋体23および第2の戸袋体24の周辺にいる乗客が接触することもなく、より一層安全なホームドア装置を得ることができる。
【0028】
なお、図2および図4に示すように、乗降扉13がプラットホーム側と軌道側とに振れないで安定して開閉動作するように、乗降扉13の下部側に凹部13cを設け、この乗降扉13の凹部13cに係合する振れ止め部材26を設けている。
【0029】
また、上述した実施の形態1において、乗降扉13の駆動機構についてはこれに限定されるものではなく、その他の駆動機構であってもよい。
【0030】
また、上述した実施の形態1においては、乗降扉13がレール体21とレール体案内手段22とにより開閉方向に案内される場合について述べたが、これに限定されるものではなく、例えば、第1の戸袋体23の天井部に吊持されて開閉方向に案内されるようにしてもよく、あるいは、乗降扉13の下方床面にレールを敷設し、乗降扉13の下端面に車輪を取り付けることにより、乗降扉13を開閉方向に案内するようにしてもよく、上述した実施の形態1と同様の効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0031】
この発明は、プラットホーム又はプラットホーム発着時の客車に非常事態が発生した場合、簡単な構成により乗客を安全でかつ速やかに脱出させることができるホームドア装置の実現に好適である。
【符号の説明】
【0032】
13 乗降扉
16 駆動装置
23 第1の戸袋体
24 第2の戸袋体
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばプラットホームのホーム柵に設置されるホームドア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のホームドア装置としては例えば図7に示すようなものがある。客車1の客車扉2は3つのドア方式あるいは4つのドア方式などがあり、図は一例として、客車1の客車扉2は3つのドア方式の場合を示している。したがって、プラットホーム3に設置されるホームドア装置の乗降扉4,5は客車1の各客車扉2に対応して3か所に配置されている場合を示している。客車1の各客車扉2間には戸袋6,7が位置するように構成されている。
【0003】
ホームドア装置の乗降扉4,5は通常閉じられて乗降口が閉鎖されており、プラットホーム3側にいる乗客が軌道側に入れないように遮蔽されている。
【0004】
そして、客車1はホームドア装置の乗降扉4,5の位置に合わせて停止する。乗降扉4,5が開いて乗降口が開放され、客車1が停止することにより客車扉2が開くようになっている。なお、乗降扉4,5が開くことにより乗降扉4,5は戸袋6,7にそれぞれ収容されるようになっている。
【0005】
このように、客車1がその客車扉2の位置がホームドア装置の乗降扉4,5の位置に合わせて停止することにより、乗降扉4,5が開いて乗降口が開放され、客車扉2が開くことによって乗客の乗降が可能となる。また、客車1と客車1との連結部は距離的に余裕があるために戸袋ではなく緊急時に開閉可能な脱出口8が設けられている。
【0006】
停電、火災などの非常時において、乗降扉4,5が閉まって開かない状態で客車1が所定の位置に停止しない場合、乗客は客車1の客車扉2が開いたとしても、戸袋6,7が邪魔で脱出することができない。
【0007】
この状態においては、客車1間の脱出口8を開いて脱出口を開放させて脱出させることになるが、客車1間に一か所の脱出口8しか設置できず、緊急時の運用に対応できない可能性があった。
【0008】
また、他の従来のホームドア装置としては、図8ないし図12に示すものがあり、図8は従来の他のホームドア装置を示す正面図である。図9は従来の他のホームドア装置を示す平面図である。図10は従来の他のホームドア装置における乗降扉の閉状態を示す平面図である。図11は従来の他のホームドア装置における非常時の状態を示す平面図である。
図12は従来の他のホームドア装置における乗降扉の開状態を示す平面図である。
【0009】
戸袋6および戸袋7の後方側にそれぞれ枢軸11,12を中心として回動可能な仕切パネル9,10を設けたものであり、仕切パネル9,10は通常は図示しないロック機構によりこていされて閉鎖されている。図10〜図11は戸袋7側を示すものであり、停電、火災などの非常時において、乗降扉4,5が閉まって開かない状態で客車1が停止した場合、図11に示すように、仕切パネル10の図示しないロック機構を解除し、その仕切パネル10を枢軸12を中心として回動させ、非常時の脱出領域Aを確保するようにしている。また、戸袋6側も同様に、仕切パネル9の図示しないロック機構を解除し、その仕切
パネル9を枢軸11を中心として回動させ、非常時の脱出領域Aを確保するようにしている。すなわち、客車1の客車扉2を開いて乗客を非常時の脱出領域Aからプラットホーム側に脱出させるようにしている。
【0010】
また、図12に示すように、乗降扉5が開いたときは戸袋7の後方外部空間にその乗降扉5の後方部に位置することになる。したがって、戸袋7の後方端部は外部空間と連通するよう開放されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特許第4536913号公報
【特許文献2】特開2010−241429号公報
【特許文献3】特開2010−105547号公報
【特許文献4】特許第2930941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述した従来のホームドア装置において、図7に示すものは、非常時の脱出領域が客車1間に位置する脱出口8を開いて脱出口を開放させて脱出させるものであり、客車1間に一か所の脱出口8しか設置できず、非常時の運用としては十分に対応できるものとは言えないという問題点があった。
【0013】
また、上述した従来のホームドア装置において、図8〜図12に示すものは、図7に示すものより非常時の運用としては優れたものとなっている。しかし、図12に示すB部においては、乗降扉4,5が開いたときは戸袋6,7の後方外部空間にその乗降扉4,5の後方部に位置することになるので、戸袋6,7の後方端部は外部空間と連通するよう開放されている。
特に、屋外に設置する場合は、この開放された部分から風雨が進入するために、戸袋6,7の内部保護用の可動する蓋を設けたり、あるいは戸袋6,7の内部部品を防水構造とする必要があるという問題点があった。
【0014】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、プラットホーム又はプラットホーム発着時の車両に非常事態が発生した場合、乗客を安全でかつ速やかに脱出させることができるホームドア装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この発明に係わるホームドア装置は、乗降扉と、前記乗降扉を開閉駆動する駆動装置とを有するホームドア装置において、前記駆動装置を収容するとともに、前記乗降扉が挿通し、固定状態に設置される第1の戸袋体と、前記第1の戸袋体に回動可能に装着され、前記乗降扉が開状態のとき前記乗降扉の後方側を収容するとともに、前記乗降扉が非常時に開かないとき回動されて乗降領域を形成する第2の戸袋体とを備えたものである。
【発明の効果】
【0016】
この発明のホームドア装置によれば、簡単な構成により乗客を安全でかつ速やかに乗降させることができるホームドア装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の実施の形態1に係わるホームドア装置における乗降扉の閉状態を示す平面図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係わるホームドア装置における乗降扉の閉状態を示す正面図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係わるホームドア装置における乗降扉の開状態を示す平面図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係わるホームドア装置における乗降扉の開状態を示す正面図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係わるホームドア装置における非常時の状態を示す平面図である。
【図6】この発明の実施の形態1に係わるホームドア装置における非常時の状態を示す平面図である。
【0018】
【図7】従来のホームドア装置を示す正面図である。
【図8】従来の他のホームドア装置を示す正面図である。
【図9】従来の他のホームドア装置を示す平面図である。
【図10】従来の他のホームドア装置における乗降扉の閉状態を示す平面図である。
【図11】従来の他のホームドア装置における非常時の状態を示す平面図である。
【図12】従来の他のホームドア装置における乗降扉の開状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図1ないし図6に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。図1はこの発明の実施の形態1に係わるホームドア装置における乗降扉の閉状態を示す平面図である。図2はこの発明の実施の形態1に係わるホームドア装置における乗降扉の閉状態を示す正面図である。図3はこの発明の実施の形態1に係わるホームドア装置における乗降扉の開状態を示す平面図である。図4はこの発明の実施の形態1に係わるホームドア装置における乗降扉の開状態を示す正面図である。図5はこの発明の実施の形態1に係わるホームドア装置における非常時の状態を示す平面図である。図6はこの発明の実施の形態1に係わるホームドア装置における非常時の状態を示す平面図である。
【0020】
これら各図において、13は乗降口を閉鎖または開放するための乗降扉である。14は基台15に取り付けられた支柱である。16は乗降扉13を駆動する駆動装置である。この駆動装置16は、モータ17と、ベルト18と、プーリ19,20とにより構成されている。ベルト18の一方側18aは乗降扉13の前端13a近傍に固定され、ベルト18の他方側18bは乗降扉13の後端13b近傍に固定されている。
【0021】
21は乗降扉13に設けられたレール体であり、図は一例として、乗降扉13の上部側に設けられた場合を示している。22は支柱14に設けられ、レール体21と係合され乗降扉13の開閉を案内するレール体案内手段であり、例えばローラ体で構成された場合を示している。
【0022】
23は支柱14、基台15、駆動装置16、レール体案内手段22を収容するとともに、乗降扉13が挿通し、固定状態に設置される第1の戸袋体である。24は第1の戸袋体23に回動可能に装着され、乗降扉13が開状態のとき乗降扉13の後方側を収容するとともに、乗降扉13が非常時に開かないとき枢軸25を中心として回動されて乗降領域Cを形成する第2の戸袋体である。なお、第2の戸袋体24は正常運転状態のときは図示しないロック装置によりロックされて固定されている。
【0023】
次に、正常運転状態のときの動作について説明する。モータ17を図2上において時計方向に回転させると、ベルト18とモータ17、プーリ19,20との懸架により乗降扉13は乗降口を閉鎖する方向にスライト移動される。すなわち、乗降扉13に設けられた
レール体21がレール体案内手段22に案内されることにより乗降扉13が乗降口を閉鎖する方向にスライト移動され、図1および図2に示す状態となり、乗降扉13は乗降口を完全に閉鎖する。このように、乗降扉13により乗降口を完全に閉鎖することにより、プラットホーム側にいる乗客が軌道側に入れないように遮蔽される。
【0024】
また、プラットホームに客車1が到着して客車1から降りてくる乗客を通用させる場合には、モータ17を反時計方向に回転させると、ベルト18とモータ17、プーリ19,20との懸架により乗降扉13は乗降口を開放する方向にスライト移動される。すなわち、乗降扉13に設けられたレール体21がレール体案内手段22に案内されることにより乗降扉13が乗降口を開放する方向にスライト移動され、図3および図4に示す状態となり、乗降扉13は乗降口を完全に開放する。このように、乗降扉13により乗降口を完全に開放することにより、客車1から降りてくる乗客が乗降口を通用してプラットホーム側に降りることができる。
【0025】
ところで、車両火災や、正常位置に列車が停止しない場合等の非常事態が発生した場合において乗降扉13が閉鎖されたままの状態で開放できない場合には、通常は固定されている第2の戸袋体24のロック装置(図示せず)のロック状態を解除して、第2の戸袋体24を手動で枢軸25を中心として回動させることにより非常時としての乗降領域Cを形成することができる。したがって、非常事態が発生した場合、第2の戸袋体24を回動させることにより形成した空間の乗降領域Cを通して乗客を安全でかつ速やかに脱出させることができるホームドア装置を得ることができる。
【0026】
また、駆動装置16などを収容する第1の戸袋体23の後方端部には第2の戸袋体24を装着しているので、第1の戸袋体23内への風雨の進入を防止することができ、第1の戸袋体23の内部部品を防水構造とする必要がなくなり、構造が簡単であり安価なホームドア装置を得ることができる。
【0027】
また、乗降扉13が開いたときも、乗降扉13の後方部は第2の戸袋体24内に収容されているので、第1の戸袋体23および第2の戸袋体24の周辺にいる乗客が接触することもなく、より一層安全なホームドア装置を得ることができる。
【0028】
なお、図2および図4に示すように、乗降扉13がプラットホーム側と軌道側とに振れないで安定して開閉動作するように、乗降扉13の下部側に凹部13cを設け、この乗降扉13の凹部13cに係合する振れ止め部材26を設けている。
【0029】
また、上述した実施の形態1において、乗降扉13の駆動機構についてはこれに限定されるものではなく、その他の駆動機構であってもよい。
【0030】
また、上述した実施の形態1においては、乗降扉13がレール体21とレール体案内手段22とにより開閉方向に案内される場合について述べたが、これに限定されるものではなく、例えば、第1の戸袋体23の天井部に吊持されて開閉方向に案内されるようにしてもよく、あるいは、乗降扉13の下方床面にレールを敷設し、乗降扉13の下端面に車輪を取り付けることにより、乗降扉13を開閉方向に案内するようにしてもよく、上述した実施の形態1と同様の効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0031】
この発明は、プラットホーム又はプラットホーム発着時の客車に非常事態が発生した場合、簡単な構成により乗客を安全でかつ速やかに脱出させることができるホームドア装置の実現に好適である。
【符号の説明】
【0032】
13 乗降扉
16 駆動装置
23 第1の戸袋体
24 第2の戸袋体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗降扉と、前記乗降扉を開閉駆動する駆動装置とを有するホームドア装置において、前記駆動装置を収容するとともに、前記乗降扉が挿通し、固定状態に設置される第1の戸袋体と、前記第1の戸袋体に回動可能に装着され、前記乗降扉が開状態のとき前記乗降扉の後方側を収容するとともに、前記乗降扉が非常時に開かないとき回動されて乗降領域を形成する第2の戸袋体とを備えたことを特徴とするホームドア装置。
【請求項1】
乗降扉と、前記乗降扉を開閉駆動する駆動装置とを有するホームドア装置において、前記駆動装置を収容するとともに、前記乗降扉が挿通し、固定状態に設置される第1の戸袋体と、前記第1の戸袋体に回動可能に装着され、前記乗降扉が開状態のとき前記乗降扉の後方側を収容するとともに、前記乗降扉が非常時に開かないとき回動されて乗降領域を形成する第2の戸袋体とを備えたことを特徴とするホームドア装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−6498(P2013−6498A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140131(P2011−140131)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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