説明

ボイスメールサービスシステム

【課題】
限られた情報量で音声情報を確実に受信側で受信可能な電子メールの添付ファイル形式で送信するボイスメールサービスシステムを提供することを目的とする。
【解決手段】
パソコン8から携帯電話機1にボイスメールを送信する場合は、プロバイダー側のプロバイダー処理装置で音声情報が電子メールの添付ファイル形式に変換され、ゲートウエイサーバ装置B6、インターネット5を介して、ゲートウエイサーバ装置A4、加入者処理装置3、基地局2を通じて送信したい相手の携帯電話機1に送信する。逆に、携帯電話機1からパソコン8にボイスメールを送信する場合は、基地局2を介し加入者系処理装置3で受け取った音声情報を電子メールの添付ファイル形式に変換し、ゲートウエイサーバ装置A4、インターネット50介して、ゲートウエイサーバ装置B6、プロバイダー処理装置7を通じて送信したい相手のパソコンに送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声通話を行なう音声モードとデータ通信を行なうデータモードを備えたWebアクセス機能付き携帯電話機を利用してボイス(音声)メールサービスを提供するボイスメールサービスシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、音声通話システムにおいて、着呼側電話機が話中または不在などの場合、発呼側電話機の音声メッセージをメールボックスに蓄積し、着呼側電話機が空いたときに着呼側電話機の操作によりメールボックスに蓄積した音声メッセージを着呼側電話機に送出して発声させるボイスメール読出しサービスが知られている。
【0003】
また、パーソナルコンピュータ端末を用いてメッセージセンターのメールボックスにアクセスし、自己宛ての蓄積された音声メッセージの一覧を表示器に表示して、再生したい音声メッセージをユーザが選択することによりメールボックスよりボイスメールファイルをダウンロードしてパーソナルコンピュータ端末の拡声手段より発声させるボイスメール読出しサービスも知られている。一方、音声通話を行なう音声モードとデータ通信を行なうデータモードをユーザが選択して利用できるWebブラウザ機能を内蔵した携帯電話機が普及している。
【0004】
このようなWebブラウザ機能を内蔵した携帯電話機を利用してボイスメールサービスを行なう場合、データモードによりボイスメールサービス提供者のメッセージセンターのメールボックスにアクセスし、メールボックスに蓄積された自己宛ての音声メッセージの一覧を表示器に表示してユーザが再生したい音声メッセージを選択することによりメッセージセンターはメールボックスより音声メッセージを読出し携帯電話機に音声モードで送信して携帯電話機で発声させることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このようなボイスメールサービスは、一度、サービス提供者のメッセージセンターのメールボックスにアクセスし、希望の音声メッセージをダウンロードしなければならず操作が煩わしいという問題がある。また、使用者は、サービス提供者へアクセスするための通信料及びダウンロードするための通信料が別途かかってしまうという問題がある。
【0006】
そこで、本発明では、上述の問題を解決し、ボイスメールを電子メールの添付ファイル形式で直接受信側に送信できるボイスメールサービスシステムを提供する。
【0007】
しかし、このようなボイスメールサービスシステムを考えた場合に、単にボイスメールをメールの添付ファイル形式で直接受信側に送信する場合は次の点を考慮する必要がある。
【0008】
つまり、現在ではインターネットを介してパソコン等から携帯電話機へ電子メールを送信することも可能であり、携帯電話機からインターネットを介してパソコン等へ電子メールを送信することも可能となっている。しかしながら、携帯電話機の電子メールで扱える情報量(文字数)には上限があり、例えば、文字情報である場合は全角で250文字までの文字数しか扱えなく、250文字を超えたメールを入力又は受信できないという問題もある。
【0009】
これは、インターネットを介して携帯端電話機にメールを送信した場合、途中に携帯電話機のサービス提供者が設置したゲートウエイを中継してメールを送信しているからである。このゲートウエイでは、通信装置同士でやり取りするメールのプロトコルがインターネット標準ではなく、通常サービス業者の独自のプロトコルを使用している。このため、このゲートウエイで、情報量(文字数)の上限を超えた分をカットするという処理を行っている。更に、ゲートウエイは、通常メール本文(上限を超えた情報量)を途中でカットしたことをインターネット上の送信者だけでなく、携帯電話機のユーザーにも知らせるような処理を行っていない。
【0010】
つまり、ボイスメールを電子メールの添付ファイル形式で直接受信側に送信する場合は、サービス提供者が接地したゲートウエイの影響により、添付ファイル内の情報において情報量の上限を超えた分はカットするという処理を行うので、音声情報が途切れ中途半端な音声情報を受信側に送信してしまう場合があるという問題が考えられる。
【0011】
この問題に対処するために、本発明では、限られた情報量で音声情報を確実に受信側で受信可能な電子メールの添付ファイル形式で送信するボイスメールサービスシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の請求項1記載のボイスメールサービスシステムは、携帯電話機を利用したボイスメールサービスシステムであって、前記ボイスメールサービスシステムは、前記携帯電話機に送信又は携帯電話機から受信するためのボイスメールを予め備えられた前記携帯電話機の電子メール送受信機能を利用して、前記ボイスメールの音声情報を前記電子メールの添付ファイル形式として作成するメール作成手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、限られた情報量で音声情報を確実に受信側で受信可能な電子メールの添付ファイル形式で送信するボイスメールサービスシステムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、実施例を通じて本発明を説明するが、以下の実施例は請求項に係る発明を限定するものではなく、また実施例の中で説明されている特長の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【実施例1】
【0015】
図1は、携帯電話機でボイスメールのやり取りが行えるボイスメールサービスの一例を示すブロック図である。同図に示されているように、ボイスメールサービスシステムは、少なくとも、携帯端末装置1と、基地局2と、加入者系処理装置3と、ゲートウエイサーバ装置A4と、インターネット5と、ゲートウエイサーバ装置B6と、プロバイダー処理装置7と、パソコン8とを含んで構成されている。ここで、基地局2と加入者系処理装置3と、ゲートウエイサーバ装置A4は、携帯電話サービスを提供する携帯電話サービス網とする。また、ゲートウエイサーバ装置B6と、プロバイダー処理装置7はパソコン等の通信機器をインタネットに接続可能なインターネット接続サービス網とする。
【0016】
パソコン8から携帯電話機1にボイスメールを送信する場合は、プロバイダー側のプロバイダー処理装置で音声情報が電子メールの添付ファイル形式に変換され、ゲートウエイサーバ装置B6、インターネット5を介して、ゲートウエイサーバ装置A4、加入者処理装置3、基地局2を通じて送信したい相手の携帯電話機1に送信される。逆に、携帯電話機1からパソコン8にボイスメールを送信する場合は、基地局2を介し加入者系処理装置3で受け取った音声情報を電子メールの添付ファイル形式に変換し、ゲートウエイサーバ装置A4、インターネット50介して、ゲートウエイサーバ装置B6、プロバイダー処理装置7を通じて送信したい相手のパソコンに送信される。
【0017】
ここで、このゲートウエイサーバ装置A4では、通信装置同士でやり取りするメールのプロトコルがインターネット標準ではなく、通常サービス業者の独自のプロトコルを使用しており、情報量の上限を超えた分をカットするという処理を行っている。このカットする処理の前段階の処理において、この情報量の限られた電子メールにボイスメールを添付して確実に相手に音声情報を送信することが可能なゲートウエイサーバ装置A4を以下で詳細に説明する。
【0018】
図2は、ゲートウエイサーバ装置A4の一例を示すブロック図である。ゲートウエイサーバ装置A4は、加入者系処理装置3を介して受信したボイスメールをインターネット5に送信又はインターネット5を介して受信した電子メールを加入者系処理装置3に送信する通信部41と、通信部41で受信した電子メールに対して、予め定められた処理を行う制御部42が備えられている。
【0019】
制御部42は、受信したボイスメールの音声情報量を検出する情報量検出部421と、情報量検出部421で検出した情報に基づき、許容以上の音声情報量を検出した場合に情報量に制限を加える情報量制限部422と、予め複数の音声コーディック方式(低品質から高品質の音声コーディック情報が複数格納)が格納されている音声コーディック部423と、音声コーディック部423に格納された複数の音声コーディック方式から最適な音声コーディック方式を選択し、ボイスメール情報に音声コーディックを施す音声コード選択部424と、音声コード選択部424で音声コーディックを施された新たなボイスメールの音声情報を電子メールの添付ファイル形式に変換する添付情報作成部425から構成されている。
【0020】
次に、制御部42内の具体的な処理方法について説明する。図3は、本発明のボイスメールサービスシステムのゲートウエイサーバ装置内での処理方法の動作フローを示す図である。 このゲートウエイサーバ装置A4内の具体的な処理としては、通信部41で受信したボイスメール(S1)の音声情報量を情報量検出部421で検出する(S2)。当該検出結果が、情報量制限部422で許容されている情報量以下あれば(S3でYes)、添付情報作成部425でボイスメールとして電子メールの添付ファイル形式に変換し(S6)、通信部41を介して受信側に電子メールを送信する(S7)。当該検出結果が、情報量制限部422で許容されている情報量以上であれば(S3でNo)、現在のボイスメールの音声情報に対して、音声コーディック後の音声情報を許容できる範囲内に収まるように音声コーディック方式を選択する(S4、S5)。つまり、この場合は、少し品質を下げた音声コーディック方式を音声コーディック部423から音声コード選択部424で選択し、現在のボイスメールの音声情報に当該選択した音声コーディックを施す。ここで、選択する音声コーディック方式は、現在のボイスメールの音声情報に音声コーディックを施した後の音声情報が許容量を超えない一番品質の良い音声コーディック方式を選択することとする。このように、現在の音声から多少品質を下げて音声コーディックを施すことで情報量を削減することが可能となり、許容範囲内の情報量に収めることができる。許容範囲内の情報量に収まったら、添付情報作成部425で新たなボイスメールとして電子メールの添付ファイル形式に変換し(S6)、通信部41を介して受信側に電子メールを送信する(S7)。
【0021】
また、例えば本処理では、S3でYesの場合に新たな音声コーディックを施さず、ボイスメールとして電子メールの添付ファイル形式に変換し、通信部41を介して受信側に電子メールを送信する処理を行っていたが、逆に音声情報量が少ない場合は、許容範囲以内の情報量で現在のボイスメールの音声情報に高品質の音声コーデックを施し、その後にボイスメールとして電子メールの添付ファイル形式に変換し、通信部41を介して受信側に電子メールを送信する処理を行っても良い。
【0022】
また、S5の処理後に、S4で一番低品質な音声コーデック方式を選択しても許容量以上の情報量になった場合は、S6の処理で作成するボイスメールの音声情報を許容範囲内で分割し、当該分割分の添付ファイルを作成して、ボイスメールの添付ファイル付き電子メールを複数回に分けて送信する処理を行っても良い。
【0023】
更に、本発明ではゲートウエイサーバ装置A4側に制御部42を設けてボイスメールの音声情報処理を行っているが、この制御部42で行われる処理を加入者系処理装置3側で行うようにしても良い。つまり、ゲートウエイサーバ装置A4の制御部42を加入者系処理装置3に備えても良いこととなる。
【0024】
最後に本発明のボイスメールサービスシステムの概要のシーケンス例を用いて説明する。図4は、本発明のボイスメールサービスシステムの一例を示すシーケンス例である。図4R>4のS10からS14の処理は、携帯電話機からパソコンにボイスメールの添付ファイル付き電子メールを送信するシーケンス例を表している。図4のS15からS19の処理は、パソコンから携帯電話機にボイスメールの添付ファイル付き電子メールを送信するシーケンス例を表している。
【0025】
まず、S10からS14の処理について説明する。携帯電話機からパソコンにボイスメールを送信する場合は、携帯電話機から作成したいボイスメールの音声情報を携帯電話サービス網のボイスメールサービス提供者に送信し(S10)、ボイスメールサービス提供者側でボイスメールの作成が行われ(S11)、受信した音声情報量に基いてボイスメールの音声情報処理(図3で説明した処理)が行われる(S12)。その後は、ボイスメールの添付ファイル付き電子メールをインターネット接続サービス網を介して(S13)受信側のパソコンに送信する(S14)。以上の処理を行うことで、携帯電話機からパソコンにボイスメールの添付ファイル付き電子メールを送信するサービスを行うことができる。
【0026】
次に、S15からS19の処理について説明する。パソコンから携帯電話機にボイスメールを送信する場合は、パソコンから作成したいボイスメールの音声情報をインターネット接続サービス網のボイスメールサービス提供者に送信し(S15)、ボイスメールサービス提供者側でボイスメールの作成が行われ(S16)、ボイスメールが携帯電話サービス網に送信される(S17)。携帯電話サービス網で受信したボイスメールを携帯電話サービス網のボイスメールサービス提供者が、受信した音声情報量に基いてボイスメールの音声情報処理(図3で説明した処理)を行う(S18)。その後は、ボイスメールの添付ファイル付き電子メールを受信側の携帯電話機に送信する(S14)。以上の処理を行うことで、パソコンから携帯電話にボイスメールの添付ファイル付き電子メールを送信するサービスを行うことができる。
【0027】
したがって、以上のような処理を行うことで、本発明は、限られた情報量で音声情報を確実に受信側で受信可能な電子メールの添付ファイル形式で送信するボイスメールサービスシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】携帯電話機でボイスメールのやり取りが行えるボイスメールサービスの一例を示すブロック図である。
【図2】ゲートウエイサーバ装置の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明のボイスメールサービスシステムのゲートウエイサーバ装置内での処理方法の動作フローを示す図である。
【図4】本発明のボイスメールサービスシステムの一例を示すシーケンス例である。
【符号の説明】
【0029】
1 携帯電話機
2 基地局
3 加入者系処理装置
4 ゲートウエイサーバ装置A
5 インターネット
6 ゲートウエイサーバ装置B
7 プロバイダー処理装置
8 パソコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話機を利用したボイスメールサービスシステムであって、
前記ボイスメールサービスシステムは、前記携帯電話機に送信又は携帯電話機から受信するためのボイスメールを予め備えられた前記携帯電話機の電子メール送受信機能を利用して、前記ボイスメールの音声情報を前記電子メールの添付ファイル形式として作成するメール作成手段を備えることを特徴とするボイスメールサービスシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2005−175895(P2005−175895A)
【公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−413114(P2003−413114)
【出願日】平成15年12月11日(2003.12.11)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】