ボイドパンタグラフ及びボイドパンタグラフを生成する方法
ボイドパンタグラフ及びボイドパンタグラフを生成する方法が本明細書で示される。ボイドパンタグラフは所定のフィルタを使用して定義される画像の領域に基づく前景部分と、前記所定のフィルタを使用して定義される前記画像の他の領域に基づく背景部分とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、ボイドパンタグラフ(void pantograph)及びボイドパンタグラフを生成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ボイドパンタグラフは、様々なセキュリティ文書について、コピーであることの証拠となる背景(copy-evident backgrounds)を生成するために使用される。
ボイドパンタグラフのいくつかの顕著な例は、例えば、複写された画像上に「VOID」又は「COPY」と表示するチェック(check)の背景として使用されるものである。
ボイドパンタグラフは、パッケージ、ラベル、文書などに使用され得る。
一般に、パンタグラフ手法(approach)は、可読であり影響され(acted upon)得る様々な別の情報を、見かけ上(in plain sight)隠すために使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本開示の実施形態の特徴及び利点が、以下の詳細な説明及び図面を参照することにより明らかとなろう。ここで、同様の参照符号は、全く同一ではないが、同様の構成部分に対応する。
簡潔にするため、以前に説明された機能を有する参照符号又は特徴は、これらが出現する別の図面に関連して説明され得、又はされ得ない。
【0004】
【図1】ボイドパンタグラフを生成して使用する方法の実施形態を示すフローチャートである。
【図2A】画像の概略図である。
【図2B】ボイドパンタグラフが印刷された後の図2Aの画像を介して形成されたボイドパンタグラフを示す図である。
【図2C】ボイドパンタグラフがスキャンされた後の図2Bのボイドパンタグラフを示す図である。
【図3】印刷及びスキャンの後のテストボイドパンタグラフの実施形態を示す図である。
【図4】図3のテストボイドパンタグラフの部分の拡大図を示す図である。ここで、この例示的な描写において、テストボイドパンタグラフは、同じ黒画素密度について異なるドットサイズで生成される。
【図5】図3のテストボイドパンタグラフの部分の拡大図を示す図である。ここで、この例示的な描写において、テストボイドパンタグラフは、異なるドットサイズ及び異なる黒画素密度で生成される。
【図6】図3のテストボイドパンタグラフの図5の部分の拡大図を示す図である。ここで、この例示的な描写においても、テストボイドパンタグラフは、異なるドットサイズ及び異なる黒画素密度で生成される。
【発明を実施するための形態】
【0005】
詳細な説明
本明細書で開示されるボイドパンタグラフは、任意の望ましいオブジェクトのデジタル画像から生成される。
これらのボイドパンタグラフは、画像変換(image transformation)に起因し、そこでデジタルデータを符号化するために使用され得る。
このように、本明細書に開示されるボイドパンタグラフは、有利には、ステガノグラフィー(steganographic)、コピー防止、及びセキュリティペイロードキャリア(security payload carrier)としての役割のために、同時に使用され得る。
【0006】
ここで、図1を参照して、本明細書で開示されるボイドパンタグラフを使用する方法が示される。
かなり一般的には、本方法は、参照符号100に示すような、画像からボイドパンタグラフを生成することと、参照符号102に示すような、オブジェクトの背景の一部としてボイドパンタグラフを印刷してオブジェクトを配置する(deploy)ことと、参照符号104に示すような、オブジェクトの印刷された領域をスキャンして、パンタグラフの前景を明らかに(patent)又は顕在化(overt)させる(つまり、パンタグラフ背景及びオブジェクト前景と視覚的に区別可能である)ことと、参照符号106に示すような、スキャンされたエリア/領域(area/region)を読み取り解析することと、参照符号108に示すように、読み取り及び解析に基づいて、1つ又は複数のセキュリティ関連のタスクを実行することとを含む。
図1に示したステップのそれぞれは、1つ又は複数の他の図を参照して以下でさらに詳細に説明される。
【0007】
ボイドパンタグラフ10,10'(例えば図2C及び図2Dを参照)を生成するステップは、図2A〜図2Cにおいて概略的に示される。
ボイドパンタグラフ10,10'は、画像12から生成される。画像12の概略的な限定しない例は、図2Aに示される。
画像12は、デジタルカメラ、ビデオカメラ(camcorder)又はスキャナを用いて取得された画像を含む、任意のデジタル化された画像であり得る。
画像12はまた、イメージングソフトウェア、グラフィックソフトウェア又はこれらと同様のものによって生成され得る。
画像12は、任意の望ましい画像であり得、場合によっては、テキスト、形状(shapes)、グリフ(glyph)、任意の文書/印刷物に関するワークフロー(workflow)(つまり、ボイドパンタグラフの正確な読み取りを介して開始される任意のもの)を起動し例示化(instantiate)し継続し完了する等の組み込まれた情報、セキュリティアプリケーション、又は、可読であり解釈され得る他の情報を、組み込み得る。
【0008】
画像12は、1つ又は複数のフィルタを使用してフィルタリングされる。
このようなフィルタの限定されない例は、エッジフィルタ(例えば、Sobel法、Canny法、Laplace法、近傍分散(neighborhood variance)法、勾配法等)、カラーフィルタ、色相(hue)フィルタ、色度(chroma)フィルタ、彩度(saturation)フィルタ、輝度(brightness)フィルタ、明度(intensity)フィルタ、ルミナンス(luminance)フィルタ、テクスチャ(texture)フィルタ、ローカルエントロピフィルタ、粒状性(graininess)フィルタ、特定形状フィルタ、閾値(Otsu等)フィルタ、画質(sharpness)フィルタ、畳み込み(convolution)フィルタ、又は他のイメージングフィルタを含む。
画像12をフィルタリングするためにフィルタの1つが選択され得ること、又は、画像12をフィルタリングするために複数のフィルタが選択され得ることが、理解されよう。
フィルタは、そのフィルタに関する特性に基づいて、パンタグラフ前景14(図2C参照)及びパンタグラフ背景16(図2C参照)について1つ又は複数の領域を指定する。
例えば、エッジフィルタが画像12をフィルタリングするために選択される場合、フィルタリングプロセスは、エッジ画素とエッジでない画素とを識別する。
そして、フィルタリングされた画素は、少なくとも部分的に、どの画素がパンタグラフ10,10'のそれぞれの領域を形成するのに適しているかに応じて、パンタグラフ前景14又はパンタグラフ背景16に割り当てられる。
これらの前景及び背景画素は、自動的に、又は、双方のサンプルを印刷して印刷されたサンプルに基づいて選択されることによって、選択され得る。
一実施形態では、より高い情報領域(例えば、より高いエッジコンテンツ、イメージエントロピ、又はイメージ高頻度(high frequency)コンテンツ)が、より低い情報領域から分離されて、よいボイドパンタグラフ画像を生成する。
エッジフィルタに関する例において、エッジ画素は、パンタグラフ前景14に割り当てられ得、エッジでない画素は、パンタグラフ背景16に割り当てられ得る。
【0009】
本明細書では、語句「パンタグラフ前景」は、オブジェクト上に印刷された後は隠され(covert)又は半ば隠され(semi-covert)ている(図2B参照)が、オブジェクトの印刷された領域がスキャンされた後は明らか(patent)又は顕在化する(overt)(図2C参照)パンタグラフ10,10'の部分を参照する。
言い換えれば、パンタグラフ前景14は、印刷後は詳しく調べれば人間の目で見え得る(図2B)が、パンタグラフ背景16及びオブジェクト前景(図示せず)の両方と区別することはほとんどできない。
また、本明細書では、語句「パンタグラフ背景」は、オブジェクト上に印刷された後は隠され(covert)又は半ば隠され(semi-covert)ており(図2B参照)、オブジェクトの印刷された領域がスキャンされた後も視覚的に同じままである(図2C参照)パンタグラフ10,10'の部分を参照する。
【0010】
画像12の領域がパンタグラフ前景14又はパンタグラフ背景16に適しているとして識別されると、前景14及び背景16のそれぞれの特性は、結果として生じた(resulting)パンタグラフ10,10'についての配置特性(deployment characteristics)の望ましい組み合わせを決定するために、操られ(manipulated)、変更等され得る。
配置特性は、オブジェクト上に配置される最終的なパンタグラフ10,10'を生成するために使用される設定(例えば、ドットサイズ、ドット形状(shape)、ドット方向(orientation)、ドット色、ドット分布法、ドット間隔パターン、使用されるプリンタ、使用される素地(substrate)等)を含む。
【0011】
一実施形態では、望ましいパンタグラフ背景16の設定値(setting)が選択され、設定される。
望ましいパンタグラフ背景16の設定値が決定されると、どの前景14及び背景16の組み合わせが最も望ましいパンタグラフ10,10'(印刷後及びスキャン後の両方)を提供するかを判断するために、前景14の特性が直ちに(readily)変更され得る。
複数の背景16の特性がテストされる間、望ましい前景14の特性が選択され、静的であり得る。
いずれか場合、パンタグラフ前景14またはパンタグラフ背景16の一方について静的な特性を維持することによって、パンタグラフ背景16またはパンタグラフ前景14の他方の特性が直ちに(readily)テストされ得る。
評価されるパンタグラフ前景14及びパンタグラフ背景16の様々な組み合わせが、本明細書でテストパンタグラフTP(スキャン後の、テストパンタグラフTPの1つの限定しない例が、図3に示される)と言及される。
実際のボイドパンタグラフ10,10'の配置について最良の特性を決定するためテストパンタグラフTPが異なる特性を試みるのに使用されることを除き、テストパンタグラフTPは、ボイドパンタグラフ10,10'と同様に、前景14及び背景16を含む。
【0012】
図示しないが、複合テストパンタグラフ(multiple test pantographs)TPは、パンタグラフ前景14及びパンタグラフ背景16の複数のペアをテストするために、単独のテストシート10において用いられ得ることが、理解されよう。
1つの限定しない例として、以下の表1は、パンタグラフ前景14及びパンタグラフ背景16の様々なペアを例示し、63個のテストパンタグラフTPを含む。
この例において、黒画素比率(pixel percent coverage)が、各組み合わせについて示される。ここで、1番目の数字は前景の割合であり、2番目の数字は背景の割合である。
示されるように、複数の静的な前景画素比率値が、様々な背景画素比率値とともにテストされる。
【0013】
【表1】
【0014】
限定されない例示において、テストパンタグラフTPは2値(binary)であり、差分(differential)ドットサイズ及び差分黒画素濃度(concentration)を用いて生成される。
このようなテストパンタグラフTPの開示されるバージョンが、図4〜図6に示される。
これらの特性は本明細書において例示の目的で使用されるが、他の特性構成が使用され得ることが、理解されよう。
例えば、ドット形状、ドット方向、ドット密度、ドット色、ドット分布法、ドット間隔パターン、又はこれらの結合が、様々なテストパンタグラフTPを生成するために使用され得る。
【0015】
1つの例において、1インチ当たり600ドット(600dpi)のプリンタがテストパンタグラフTPを印刷するために使用される場合、2x2画素ドット(例えば図3に示すような前景14を作成すること)及び1x1画素ドット(例えば図3に示すような背景16を作成すること)がドットサイズについて選択され得る。
黒インク範囲(coverage)の比率はドット配置の密度を変更することによって変化し得る。
望ましい静的背景16を選択するために、前景14の特性を変更する前に複数の密度がテストされる。
例えば、背景16のインク範囲比率は、背景16の全領域の5%範囲から50%範囲の幅の異なる値でテストされる。
これらの特性は、上述したのと同様のテストシートを使用してテストされ得る。
広範囲のテストシートがより小さく望ましい範囲に絞り込むために使用された後で、任意の他の変形(variance)が次の(つまり、ずらされた(staggered))テストシートにおいて使用され得ることが、理解されよう。
1つの限定しない例では、パンタグラフ背景16についての10%範囲は、適した濃度である。
このような範囲は、輝度を増加させる(つまり、知覚的な黒さ(perceptual blackness)が減少する)が、ドットはコピーされた場合に完全には消滅しない。したがって、前景14のパターンをテストするのに適したドロップアウト背景が得られる。
配置された(deployed)ボイドパンタグラフ10,10'についての望ましい特性の少なくとも一部に応じて、他の背景16がより適している可能性があると考えられる。
【0016】
図4は、背景16(1x1画素ドットを含む)及び前景14(2x2画素ドットを含む)の両方が10%黒ドット密度(black dot density)で印刷される、テストパンタグラフTPの1つの例の開示された図を示す。
この特定の例において、ランダムのドット配置は、モアレパターン等を回避するために使用される。
【0017】
図5及び図6は、テストパンタグラフTPの別の例の開示された図を示す。
このテストパンタグラフTP,12において、前景14のドット/画素の異なる相対的な濃度が、前景14及び背景16のどの組み合わせが所与のプリンタ及びスキャナと最適に働くかを決定するために、使用される(例えば、インクジェットプリンタで印刷した後のドットゲインは、紙の繊維にインクが広がることに少なくとも部分的に起因して、レーザージェットプリンタで印刷した後のドットよりもサイズがより近似したドットを作る傾向がある)。
図5において、パンタグラフ背景16のより小さいドット(600dpiにおいて1x1)と比較した場合に、50%高濃度の黒画素が、パンタグラフ前景14のより大きなドット(600dpiにおいて2x2)について使用される。
図6において、より小さなドットは、より大きなドットよりも、50%高濃度の黒画素を有する。
【0018】
テストパンタグラフTPを生成して所与のプリンタについて最適なボイドパンタグラフ10,10'の特性(例えば密度)を検出する場合、1つ又は複数の前景14の特性が変化する間、任意の背景16の特性が一定となり得る。
1つの限定しない例では、前景14の濃度が例えば1%又はそれ以下について4%から25%(つまり、背景の10%黒画素について40%から250%)に変化する間、背景16の黒画素濃度(例えば10%黒画素)は、一定となり得る。
【0019】
本明細書では記載されていないが、パンタグラフ前景14について適切な特性が選択され、これらの特性が、様々なパンタグラフ背景16の特性をテストする間、静的に保持されることも、理解されよう。
さらに、パンタグラフ前景14及びパンタグラフ背景16の両方は、最も望ましい配置特性を決定するために変更され得る。
【0020】
図3〜図6の例は、前景14の指定が重ならないテストパンタグラフTPを示す。
しかしながら、2又はそれ以上の前景14のパターンが重なり合い得ることが、理解されよう。
限定しない例において、5%黒画素範囲濃度の前景14が、2つのパンタグラフ10,10'の複数の領域に(又は、印刷された領域のほとんどにわたって)、配置され得る。従って、10%黒画素範囲濃度の前景14が、2つの前景14が重なり合う部分に配置される。
この例において、背景16の黒画素範囲濃度は、前景14の黒画素範囲濃度に応じて、0%、5%又は10%であり得る。
この例において、印刷された領域全体について、特定の領域の前景の黒画素範囲濃度に特定の領域の背景の黒画素範囲濃度を加えた合計は、10%となる。
場合によっては、このことは、コピーの間ボイドパンタグラフ10を目立たなくする(obscure)のに役立つ。つまり、この重なりが、印刷後は隠され、スキャン後に顕在化するといった、最も望ましいパンタグラフ前景14を生成する。
この重なり手法の効果は、使用されるプリンタ、スキャナ、及び素地(substrate)(紙など)の、少なくとも一部に応じて、可変である。
【0021】
背景16及び前景14の各組み合わせが生成された後、テストパンタグラフTPが印刷される。
任意の適切なプリンタが使用され得、場合によっては、複数のプリンタが使用され得る。
特性が様々なテストパンタグラフTPにおいて静的に維持されるか又は変更されるかを問わず、印刷後、最も類似するように見える背景16及び前景14の組み合わせが、配置候補として選択され得る。
言い換えれば、i)スキャンの前は隠され又は半ば隠され、ii)スキャンの前は背景16と視覚的に区別できない前景14を有する印刷されたテストパンタグラフTPをもたらす特性が、選択され、次に配置されるボイドパンタグラフ10,10'を生成するために使用される。
印刷されたテストパンタグラフTPの前景14と背景16との類似性は、手動で(人間の監視者によって)査定及び評価され(evaluated and assessed)、又は、自動化された(例えば機械画像)プロセスによって点数付け(score)される。
【0022】
多くの場合、次の配置のために選択されるテストパンタグラフTPを印刷するのに使用されるプリンタのタイプは、配置されたボイドパンタグラフ10,10'を印刷するために使用されるプリンタのタイプとして、選択される。
上述したように、特性は、プリンタによって異なり得、したがって、テストパンタグラフTPでみられる最良の特性をもたらすために、同じタイプのプリンタがボイドパンタグラフ10,10'を印刷するために選択され得る。
テストパンタグラフTPの評価の間に使用される他の要素も、次の配置プロセスにおいて実行され得る。
例えば、選択されたテストパンタグラフTPが印刷される素地が、ボイドパンタグラフ10,10'の次の配置において使用され得る。
【0023】
テストパンタグラフTPを評価する場合、テストパンタグラフTPをスキャンしてスキャン後に同様に前景14及び背景16を比較することも望ましい。
スキャン後、パンタグラフ前景14が顕在化し、したがって、パンタグラフ背景16とは視覚的に異なる。
印刷及びスキャン後のテストパンタグラフTPの1つの限定しない例が、図3に示される。
この例において、印刷及びスキャンの両方の後、パンタグラフ前景14内のプラス記号「+」が、パンタグラフ背景16と比較して明らか/顕在的になる。
【0024】
全てのテストパンタグラフTPが印刷され、場合によってはスキャンされた後、最も望ましいテストパンタグラフTPを提供する前景14及び背景16の特性が、ボイドパンタグラフ10,10'についての配置特性として選択される。
【0025】
そして、少なくとも画像12(例えば図2Aに示される)の一部が、選択された配置特性を使用してボイドパンタグラフ10,10'に変換される。
画像12をボイドパンタグラフ10,10'に変換することは、画像12をスキャンして変形する(transform)ことによって実行される。
画像12を変形することは、前述したフィルタリングプロセスを介して決定されるように、画像12の適切な画素をパンタグラフ前景14及びパンタグラフ背景16に割り当てることを含む。
【0026】
画像12をボイドパンタグラフ10,10'に変換するとき、画像12は前景(例えば、一般的な高関心(例えば高頻度、高エントロピ、高エッジ(edginess))を含む領域)及び背景の領域にまでフィルタリングされる。
かなり目立った(so-marked)前景領域は、分散された前景14のパンタグラフドットに置き換えられ(上書きされ)、背景領域は、分散された背景16のパンタグラフドットに上書きされる。
【0027】
生成されたボイドパンタグラフ10は、オブジェクトの背景としてオブジェクト(図示せず)に印刷される。
本明細書で使用される用語「オブジェクト」は広く解釈され、限定されないが、任意のタイプのオブジェクト、製品、文書又はパッケージを含み得ることが、理解されよう。
同様に、用語「パッケージ」は、本明細書において、製品を収容し、製品を表示し、又は他のやり方でブランド商品を識別するための任意のユニットを含むように広く解釈される。
このようなパッケージの限定されない例は、箱、バッグ、ラベル、コンテナ、クラムシェル、バンド、テープ、ラップ、ひも、ボトル、瓶、容器(dispenser)、インサーション(insert)、他の文書、又は同様のもの、あるいはこれらの組み合わせを含む。
【0028】
オブジェクトに印刷された任意の普通の情報(例えばテキスト、絵、ロゴ、グラフィックス、表及び同様のもの)が、オブジェクトの主要なペイロード(payload)であり、それゆえ、オブジェクトの前景を形成する。
一実施形態では、オブジェクトに印刷されたボイドパンタグラフ10は、背景に印刷されたドットのように見える(図2B参照)。
普通の情報は、一般的には、スキャンが発生した後でボイドパンタグラフ前景14が読み取られることを望ましくなく妨げることがないように、印刷される。
一実施形態では、普通の情報は、ボイドパンタグラフ10上に全く印刷されない。
他の実施形態では、普通の情報は、スキャンの後、ボイドパンタグラフ前景14の全て又は一部が、パンタグラフ背景16及びオブジェクトの普通の情報/前景の両方と区別可能であるような方法で、ボイドパンタグラフ10上に印刷される。
【0029】
ステガノグラフィー(steganographic)の情報がボイドパンタグラフ10,10'に直接組み込まれ/符号化されることが、理解されよう。
このような情報は可変であり、それゆえ、一連の(例えば大規模にシリアル化された(mass serialized))ボイドパンタグラフ10,10'のそれぞれについて異なり得る。
いくつかの実施形態では、ステガノグラフィーの情報は、認証情報、セキュリティ情報、又はこれらの両方であり得る。
この情報は、トラッキング、印付け(branding)又は同様のもの、または、これらの様々な組み合わせのためであり得る。
他の実施形態では、この情報は、その情報の意図的でない受領者をミスリードする(mislead)ように意図されたおとり情報(decoy information)である。
さらに別の実施形態では、ボイドパンタグラフ10,10'に情報が隠されていない。
限定しない例として、透かし(watermark)、コピー検出パターン、及びライン/ハーフトーン(halftoning)/モアレパターンが、ボイドパンタグラフ10,10'において拡大縮小され(scaled)、描写され得る。
情報が包含されたパターンは、その生成の間にボイドパンタグラフ10,10'に組み込まれる。
場合によっては、その情報又はその情報についてのトークンは、ボイドパンタグラフ10,10'を形成するために使用される画像12に組み込まれる。
【0030】
情報をボイドパンタグラフ10,10'に符号化することの代用として、又は情報をボイドパンタグラフ10,10'に符号化することに加えて、他のステガノグラフィーの手法が、本明細書で開示されるボイドパンタグラフ10,10'とともに利用され得る。
この限定しない例においては、元の画像12の部分(「全て」の対語として)は、ボイドパンタグラフ10,10'の生成の間に使用され得る。
この実施形態では、ボイドパンタグラフ10,10'に含まれない画像12の部分は、ボイドパンタグラフ10,10'において見かけ上隠されるワークフローを有効にするために使用され得る。
例えば、ボイドパンタグラフ10,10'において利用されない画像12の部分は、セキュアなレジストリに記憶され得、レジストリのボイドパンタグラフ10,10'及びオブジェクトの両方にリンクされ得る。
画像12の部分がボイドパンタグラフ10,10'から抽出される場合(以下の本明細書でさらに説明される)、画像12の部分は、オブジェクトを認証してそれらに関連する任意のワークフローを有効にするために、(セキュアなレジストリの)元の画像12にアクセスする人によって使用され得る。
【0031】
場合によっては、例えば、直接の人間の検証又は解釈が望ましいときは、ボイドパンタグラフ10,10'自身がメッセージであることが、理解されよう。
他の場合では、ボイドパンタグラフ10,10'自身はメッセージではないが、ボイドパンタグラフ10,10'のパターンは、他の場所に保持された画像のレジストリについて、トークン又はルックアップである。
ボイドパンタグラフ10,10'が解析されるとき(本明細書において以下でさらに説明される)、関心点又は関心領域が決定され、以前に識別されバックエンドレジストリに記憶された関心点/関心領域に最も適合することは、ボイドパンタグラフ10,10'が表すもの(例えばトークン、ノンス(nonce)、ルックアップ、ジョブエントリポイント、ワークフローキー又は同様のもの)を示し、それで、関連するワークフローがインスタンス化(instantiate)される。
【0032】
配置された後、オブジェクトの印刷された領域は、任意の時に、スキャンされ得る。
スキャンによって、ボイドパンタグラフ10,10'の前景14は、背景16及びオブジェクト前景に印刷された情報と視覚的に区別可能なプロパティ(property)を明示する。
スキャンの後のボイドパンタグラフ10'の限定しない例が、図2Cに示されている。
【0033】
スキャンされた後、ボイドパンタグラフ10,10'の特徴物(feature)が、既存のセグメンテーションソフトウェアを用いて容易に識別され得る。
セグメンテーションの結果として、ボイドパンタグラフ10'が集合して、有効な関心領域になる。
セグメンテーションは、ボイドパンタグラフ10'を閾値化する(thresholding)ことを含む。セグメンテーションは、それを二値化し(binarize)、任意のインク領域を黒のままにし、任意のインクのない領域を白のままにする。
エロージョン(erosion)又は細線化(thinning)プロセスは、任意の関連する(connected)黒領域で実行され得る。
このプロセスは、ボイドパンタグラフ10'の小さいドットを完全に消去し、大きなドットを、消去はしないが、縮小させる。
一般的に、1画素境界エロージョン(1-pixel boundary erosion)は、このステップを実行するのに十分であるが、ボイドパンタグラフ10,10'に使用されるドットサイズ(つまり、形状、方向、濃度/黒比率(percentage-black-coverage)等)の、少なくとも一部に応じて、変化し得る。
場合によっては、1つ又は複数のより小さいドットは完全には消去されない可能性があるが、一般的に、関心領域を識別することを妨げることはない。
【0034】
エロージョン又は細線化の後、ボイドパンタグラフ10'は、拡張(dilation)又は膨張(fattening)される。
このプロセスは、より大きなドットをこれらの元のサイズに戻すが、消去された小さいドットを再構成しない。
エロージョン及び拡張は、x方向及びy方向のそれぞれになされ得る。
例えば、いくつかのドット構成の各方向における1だけのエロージョンの後に、そのドット構成の各方向における1だけの拡張が続く。
2x2又はより大きなドットは、2つの単なるエロージョンの後、残存し、拡張オペレーションの後、元のサイズに戻る。
【0035】
そして、1つ又は複数の関心領域は、残存するドットを用いて識別され、又は形成され得る。
一実施形態において、ランレングススミアリング(run length smearing)(例えば、画素の黒比率の逆数の平方根を用いること)は、余剰のドット(dots left over)を集めてそれらのオリジナルの関連する形状又は形(shape or form)にするために使用される。
これらの形は、1つ又は複数の形式の解析を受け得る関心領域である。
他の実施形態においては、ランレングススミアリングは実行されず、関心領域は膨張したドットで構成される。
ランレングススミアリングが実行されない場合、膨張したドットにおける前景14対背景16を識別するため、そして、関心領域を識別するために、テクスチャ解析が使用され得る。
他の実施形態においてランレングススミアリングが実行されない場合、エロージョン及び膨張の後で関心領域を識別するために、簡単な膨張/密度マップが使用され得る。
【0036】
関心領域が、人間による評価、機械による評価又はこれらの両方を介して解析され得る。
人間による評価は、一般的には、元の画像と比較されたときに関心領域がどのように見えるかといった視覚に関連する。
一実施形態において、評価を行う人間は、例えば、セキュアなレジストリ(secure registry)に記憶され得る元の画像12にアクセスする。
他の実施形態において、元の画像12は、オブジェクトの他の場所に明白に印刷され得、それゆえ、セキュアなレジストリにアクセスすることなく、視覚が用いられうる(visual perception may be made)。
一般的に、人は、視覚的に、スキャンされたボイドパンタグラフ10'の関心領域が、元の画像12の対応する領域のように見えるかを解析する。
コピーすると顕在化する保護ブリッジ(overt-to-copy protection bridge)を生成するため、及び/又は、オブジェクトが本物であることを検証するために、元の画像12の部分がボイドパンタグラフ10,10'から意図的に除去されたかを判断するため、及び/又は、ボイドパンタグラフ10,10'が可変であるか(つまり、ボイドパンタグラフ10,10'の正確な部分が、画像及び/又はオブジェクトから次の画像及び/又はオブジェクトに変化すること)を判断するために、人間の評価が使用され得る。
【0037】
本明細書で上述したように、機械による評価も、ボイドパンタグラフ10,10'の関心領域を解析するために使用され得る。
ボイドパンタグラフ10,10'に組み込まれた(embedded)パターン(例えば、このようなパターンは画像12の使用の結果として存在する)を解析するのに適した任意のタイプのパターン認識プロセスが使用され得ることが、理解されよう。
機械による評価は、ボイドパンタグラフ10,10'が特定のテキスト、形状又はグリフを含む場合に、特に有益であり得る。
1つの例として、特定のテキストが元の画像12に含まれる場合、このようなテキストを解釈するために、ボイドパンタグラフ10,10'の関心領域において光学文字認識(OCR)が実行され得る。
他の例として、特定の形状が元の画像12に含まれる場合、このような形状を解釈するために、ボイドパンタグラフ10,10'の関心領域において、(例えば、フリーマン、チェーン、コーディングなどといった)形状解析が実行され得る。
形状解析は、ロゴ又は他のグラフィックがボイドパンタグラフ10,10'を形成するのに使用される場合に特に有益であり得る。
形状解析は、ボイドパンタグラフ10,10'のリバースエンジニアリングをより困難にすることも望まれ得る。
【0038】
さらに別の実施形態では、グリフ解析が、ボイドパンタグラフ10,10'を解析するために使用される。
グリフは、例えば1D及び2Dのバーコードの、セキュリティに特化したマーク及びパターンを含む。
グリフはボイドパンタグラフ前景14に含まれ得、それゆえ、スキャンに応じて浮かび上がる(emerge)。
グリフは、適切なセキュリティ印刷及びイメージング検査、認証及び/又は鑑識(forensic)アルゴリズムを用いて直接解析され得る関心領域に、セグメント化される。
(特定のボイドパンタグラフのインスタンス化、プリンタ、スキャナ及び素地に応じた様々なセキュリティペイロード密度とともに)含まれ直ちに解釈され得るグリフの例は、1D、2D及び3D(マルチグレイ(multi-gray)レベル)のバーコード、変調伝達関数(MTF)目標、グラフィカル英数字(異なるグリフが異なる英数字文字を表すコードセット)、及び曲率ベース(curvature-based)のグリフ(例えば組みひも飾り(guilloche))である。
【0039】
大規模シリアル化(mass serialization)、データ隠蔽、又は他のセキュリティ関連タスク(例えば、パンタグラフ12は、他の明白に(すなわち可変の印刷領域を繰り返して)印刷された特徴物又は(例えばUV、IRインクを介して)隠されて印刷された特徴物にリンクされ得る)に一致する(consistent with)ボイドパンタグラフ10,10'における認証、意図的な変更の検証について、人間による評価又は機械による評価のいずれかは、元の画像12(ユーザがこのような画像12にアクセスした場合)をスキャンされたテストボイドパンタグラフ10,10'と比較するために使用され得る。
【0040】
いくつかの実施形態が詳細に説明されたが、開示された実施形態が修正され得ることは、当業者にとって明らかである。
したがって、前述の記載は、限定ではなく例示であると見なされる。
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、ボイドパンタグラフ(void pantograph)及びボイドパンタグラフを生成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ボイドパンタグラフは、様々なセキュリティ文書について、コピーであることの証拠となる背景(copy-evident backgrounds)を生成するために使用される。
ボイドパンタグラフのいくつかの顕著な例は、例えば、複写された画像上に「VOID」又は「COPY」と表示するチェック(check)の背景として使用されるものである。
ボイドパンタグラフは、パッケージ、ラベル、文書などに使用され得る。
一般に、パンタグラフ手法(approach)は、可読であり影響され(acted upon)得る様々な別の情報を、見かけ上(in plain sight)隠すために使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本開示の実施形態の特徴及び利点が、以下の詳細な説明及び図面を参照することにより明らかとなろう。ここで、同様の参照符号は、全く同一ではないが、同様の構成部分に対応する。
簡潔にするため、以前に説明された機能を有する参照符号又は特徴は、これらが出現する別の図面に関連して説明され得、又はされ得ない。
【0004】
【図1】ボイドパンタグラフを生成して使用する方法の実施形態を示すフローチャートである。
【図2A】画像の概略図である。
【図2B】ボイドパンタグラフが印刷された後の図2Aの画像を介して形成されたボイドパンタグラフを示す図である。
【図2C】ボイドパンタグラフがスキャンされた後の図2Bのボイドパンタグラフを示す図である。
【図3】印刷及びスキャンの後のテストボイドパンタグラフの実施形態を示す図である。
【図4】図3のテストボイドパンタグラフの部分の拡大図を示す図である。ここで、この例示的な描写において、テストボイドパンタグラフは、同じ黒画素密度について異なるドットサイズで生成される。
【図5】図3のテストボイドパンタグラフの部分の拡大図を示す図である。ここで、この例示的な描写において、テストボイドパンタグラフは、異なるドットサイズ及び異なる黒画素密度で生成される。
【図6】図3のテストボイドパンタグラフの図5の部分の拡大図を示す図である。ここで、この例示的な描写においても、テストボイドパンタグラフは、異なるドットサイズ及び異なる黒画素密度で生成される。
【発明を実施するための形態】
【0005】
詳細な説明
本明細書で開示されるボイドパンタグラフは、任意の望ましいオブジェクトのデジタル画像から生成される。
これらのボイドパンタグラフは、画像変換(image transformation)に起因し、そこでデジタルデータを符号化するために使用され得る。
このように、本明細書に開示されるボイドパンタグラフは、有利には、ステガノグラフィー(steganographic)、コピー防止、及びセキュリティペイロードキャリア(security payload carrier)としての役割のために、同時に使用され得る。
【0006】
ここで、図1を参照して、本明細書で開示されるボイドパンタグラフを使用する方法が示される。
かなり一般的には、本方法は、参照符号100に示すような、画像からボイドパンタグラフを生成することと、参照符号102に示すような、オブジェクトの背景の一部としてボイドパンタグラフを印刷してオブジェクトを配置する(deploy)ことと、参照符号104に示すような、オブジェクトの印刷された領域をスキャンして、パンタグラフの前景を明らかに(patent)又は顕在化(overt)させる(つまり、パンタグラフ背景及びオブジェクト前景と視覚的に区別可能である)ことと、参照符号106に示すような、スキャンされたエリア/領域(area/region)を読み取り解析することと、参照符号108に示すように、読み取り及び解析に基づいて、1つ又は複数のセキュリティ関連のタスクを実行することとを含む。
図1に示したステップのそれぞれは、1つ又は複数の他の図を参照して以下でさらに詳細に説明される。
【0007】
ボイドパンタグラフ10,10'(例えば図2C及び図2Dを参照)を生成するステップは、図2A〜図2Cにおいて概略的に示される。
ボイドパンタグラフ10,10'は、画像12から生成される。画像12の概略的な限定しない例は、図2Aに示される。
画像12は、デジタルカメラ、ビデオカメラ(camcorder)又はスキャナを用いて取得された画像を含む、任意のデジタル化された画像であり得る。
画像12はまた、イメージングソフトウェア、グラフィックソフトウェア又はこれらと同様のものによって生成され得る。
画像12は、任意の望ましい画像であり得、場合によっては、テキスト、形状(shapes)、グリフ(glyph)、任意の文書/印刷物に関するワークフロー(workflow)(つまり、ボイドパンタグラフの正確な読み取りを介して開始される任意のもの)を起動し例示化(instantiate)し継続し完了する等の組み込まれた情報、セキュリティアプリケーション、又は、可読であり解釈され得る他の情報を、組み込み得る。
【0008】
画像12は、1つ又は複数のフィルタを使用してフィルタリングされる。
このようなフィルタの限定されない例は、エッジフィルタ(例えば、Sobel法、Canny法、Laplace法、近傍分散(neighborhood variance)法、勾配法等)、カラーフィルタ、色相(hue)フィルタ、色度(chroma)フィルタ、彩度(saturation)フィルタ、輝度(brightness)フィルタ、明度(intensity)フィルタ、ルミナンス(luminance)フィルタ、テクスチャ(texture)フィルタ、ローカルエントロピフィルタ、粒状性(graininess)フィルタ、特定形状フィルタ、閾値(Otsu等)フィルタ、画質(sharpness)フィルタ、畳み込み(convolution)フィルタ、又は他のイメージングフィルタを含む。
画像12をフィルタリングするためにフィルタの1つが選択され得ること、又は、画像12をフィルタリングするために複数のフィルタが選択され得ることが、理解されよう。
フィルタは、そのフィルタに関する特性に基づいて、パンタグラフ前景14(図2C参照)及びパンタグラフ背景16(図2C参照)について1つ又は複数の領域を指定する。
例えば、エッジフィルタが画像12をフィルタリングするために選択される場合、フィルタリングプロセスは、エッジ画素とエッジでない画素とを識別する。
そして、フィルタリングされた画素は、少なくとも部分的に、どの画素がパンタグラフ10,10'のそれぞれの領域を形成するのに適しているかに応じて、パンタグラフ前景14又はパンタグラフ背景16に割り当てられる。
これらの前景及び背景画素は、自動的に、又は、双方のサンプルを印刷して印刷されたサンプルに基づいて選択されることによって、選択され得る。
一実施形態では、より高い情報領域(例えば、より高いエッジコンテンツ、イメージエントロピ、又はイメージ高頻度(high frequency)コンテンツ)が、より低い情報領域から分離されて、よいボイドパンタグラフ画像を生成する。
エッジフィルタに関する例において、エッジ画素は、パンタグラフ前景14に割り当てられ得、エッジでない画素は、パンタグラフ背景16に割り当てられ得る。
【0009】
本明細書では、語句「パンタグラフ前景」は、オブジェクト上に印刷された後は隠され(covert)又は半ば隠され(semi-covert)ている(図2B参照)が、オブジェクトの印刷された領域がスキャンされた後は明らか(patent)又は顕在化する(overt)(図2C参照)パンタグラフ10,10'の部分を参照する。
言い換えれば、パンタグラフ前景14は、印刷後は詳しく調べれば人間の目で見え得る(図2B)が、パンタグラフ背景16及びオブジェクト前景(図示せず)の両方と区別することはほとんどできない。
また、本明細書では、語句「パンタグラフ背景」は、オブジェクト上に印刷された後は隠され(covert)又は半ば隠され(semi-covert)ており(図2B参照)、オブジェクトの印刷された領域がスキャンされた後も視覚的に同じままである(図2C参照)パンタグラフ10,10'の部分を参照する。
【0010】
画像12の領域がパンタグラフ前景14又はパンタグラフ背景16に適しているとして識別されると、前景14及び背景16のそれぞれの特性は、結果として生じた(resulting)パンタグラフ10,10'についての配置特性(deployment characteristics)の望ましい組み合わせを決定するために、操られ(manipulated)、変更等され得る。
配置特性は、オブジェクト上に配置される最終的なパンタグラフ10,10'を生成するために使用される設定(例えば、ドットサイズ、ドット形状(shape)、ドット方向(orientation)、ドット色、ドット分布法、ドット間隔パターン、使用されるプリンタ、使用される素地(substrate)等)を含む。
【0011】
一実施形態では、望ましいパンタグラフ背景16の設定値(setting)が選択され、設定される。
望ましいパンタグラフ背景16の設定値が決定されると、どの前景14及び背景16の組み合わせが最も望ましいパンタグラフ10,10'(印刷後及びスキャン後の両方)を提供するかを判断するために、前景14の特性が直ちに(readily)変更され得る。
複数の背景16の特性がテストされる間、望ましい前景14の特性が選択され、静的であり得る。
いずれか場合、パンタグラフ前景14またはパンタグラフ背景16の一方について静的な特性を維持することによって、パンタグラフ背景16またはパンタグラフ前景14の他方の特性が直ちに(readily)テストされ得る。
評価されるパンタグラフ前景14及びパンタグラフ背景16の様々な組み合わせが、本明細書でテストパンタグラフTP(スキャン後の、テストパンタグラフTPの1つの限定しない例が、図3に示される)と言及される。
実際のボイドパンタグラフ10,10'の配置について最良の特性を決定するためテストパンタグラフTPが異なる特性を試みるのに使用されることを除き、テストパンタグラフTPは、ボイドパンタグラフ10,10'と同様に、前景14及び背景16を含む。
【0012】
図示しないが、複合テストパンタグラフ(multiple test pantographs)TPは、パンタグラフ前景14及びパンタグラフ背景16の複数のペアをテストするために、単独のテストシート10において用いられ得ることが、理解されよう。
1つの限定しない例として、以下の表1は、パンタグラフ前景14及びパンタグラフ背景16の様々なペアを例示し、63個のテストパンタグラフTPを含む。
この例において、黒画素比率(pixel percent coverage)が、各組み合わせについて示される。ここで、1番目の数字は前景の割合であり、2番目の数字は背景の割合である。
示されるように、複数の静的な前景画素比率値が、様々な背景画素比率値とともにテストされる。
【0013】
【表1】
【0014】
限定されない例示において、テストパンタグラフTPは2値(binary)であり、差分(differential)ドットサイズ及び差分黒画素濃度(concentration)を用いて生成される。
このようなテストパンタグラフTPの開示されるバージョンが、図4〜図6に示される。
これらの特性は本明細書において例示の目的で使用されるが、他の特性構成が使用され得ることが、理解されよう。
例えば、ドット形状、ドット方向、ドット密度、ドット色、ドット分布法、ドット間隔パターン、又はこれらの結合が、様々なテストパンタグラフTPを生成するために使用され得る。
【0015】
1つの例において、1インチ当たり600ドット(600dpi)のプリンタがテストパンタグラフTPを印刷するために使用される場合、2x2画素ドット(例えば図3に示すような前景14を作成すること)及び1x1画素ドット(例えば図3に示すような背景16を作成すること)がドットサイズについて選択され得る。
黒インク範囲(coverage)の比率はドット配置の密度を変更することによって変化し得る。
望ましい静的背景16を選択するために、前景14の特性を変更する前に複数の密度がテストされる。
例えば、背景16のインク範囲比率は、背景16の全領域の5%範囲から50%範囲の幅の異なる値でテストされる。
これらの特性は、上述したのと同様のテストシートを使用してテストされ得る。
広範囲のテストシートがより小さく望ましい範囲に絞り込むために使用された後で、任意の他の変形(variance)が次の(つまり、ずらされた(staggered))テストシートにおいて使用され得ることが、理解されよう。
1つの限定しない例では、パンタグラフ背景16についての10%範囲は、適した濃度である。
このような範囲は、輝度を増加させる(つまり、知覚的な黒さ(perceptual blackness)が減少する)が、ドットはコピーされた場合に完全には消滅しない。したがって、前景14のパターンをテストするのに適したドロップアウト背景が得られる。
配置された(deployed)ボイドパンタグラフ10,10'についての望ましい特性の少なくとも一部に応じて、他の背景16がより適している可能性があると考えられる。
【0016】
図4は、背景16(1x1画素ドットを含む)及び前景14(2x2画素ドットを含む)の両方が10%黒ドット密度(black dot density)で印刷される、テストパンタグラフTPの1つの例の開示された図を示す。
この特定の例において、ランダムのドット配置は、モアレパターン等を回避するために使用される。
【0017】
図5及び図6は、テストパンタグラフTPの別の例の開示された図を示す。
このテストパンタグラフTP,12において、前景14のドット/画素の異なる相対的な濃度が、前景14及び背景16のどの組み合わせが所与のプリンタ及びスキャナと最適に働くかを決定するために、使用される(例えば、インクジェットプリンタで印刷した後のドットゲインは、紙の繊維にインクが広がることに少なくとも部分的に起因して、レーザージェットプリンタで印刷した後のドットよりもサイズがより近似したドットを作る傾向がある)。
図5において、パンタグラフ背景16のより小さいドット(600dpiにおいて1x1)と比較した場合に、50%高濃度の黒画素が、パンタグラフ前景14のより大きなドット(600dpiにおいて2x2)について使用される。
図6において、より小さなドットは、より大きなドットよりも、50%高濃度の黒画素を有する。
【0018】
テストパンタグラフTPを生成して所与のプリンタについて最適なボイドパンタグラフ10,10'の特性(例えば密度)を検出する場合、1つ又は複数の前景14の特性が変化する間、任意の背景16の特性が一定となり得る。
1つの限定しない例では、前景14の濃度が例えば1%又はそれ以下について4%から25%(つまり、背景の10%黒画素について40%から250%)に変化する間、背景16の黒画素濃度(例えば10%黒画素)は、一定となり得る。
【0019】
本明細書では記載されていないが、パンタグラフ前景14について適切な特性が選択され、これらの特性が、様々なパンタグラフ背景16の特性をテストする間、静的に保持されることも、理解されよう。
さらに、パンタグラフ前景14及びパンタグラフ背景16の両方は、最も望ましい配置特性を決定するために変更され得る。
【0020】
図3〜図6の例は、前景14の指定が重ならないテストパンタグラフTPを示す。
しかしながら、2又はそれ以上の前景14のパターンが重なり合い得ることが、理解されよう。
限定しない例において、5%黒画素範囲濃度の前景14が、2つのパンタグラフ10,10'の複数の領域に(又は、印刷された領域のほとんどにわたって)、配置され得る。従って、10%黒画素範囲濃度の前景14が、2つの前景14が重なり合う部分に配置される。
この例において、背景16の黒画素範囲濃度は、前景14の黒画素範囲濃度に応じて、0%、5%又は10%であり得る。
この例において、印刷された領域全体について、特定の領域の前景の黒画素範囲濃度に特定の領域の背景の黒画素範囲濃度を加えた合計は、10%となる。
場合によっては、このことは、コピーの間ボイドパンタグラフ10を目立たなくする(obscure)のに役立つ。つまり、この重なりが、印刷後は隠され、スキャン後に顕在化するといった、最も望ましいパンタグラフ前景14を生成する。
この重なり手法の効果は、使用されるプリンタ、スキャナ、及び素地(substrate)(紙など)の、少なくとも一部に応じて、可変である。
【0021】
背景16及び前景14の各組み合わせが生成された後、テストパンタグラフTPが印刷される。
任意の適切なプリンタが使用され得、場合によっては、複数のプリンタが使用され得る。
特性が様々なテストパンタグラフTPにおいて静的に維持されるか又は変更されるかを問わず、印刷後、最も類似するように見える背景16及び前景14の組み合わせが、配置候補として選択され得る。
言い換えれば、i)スキャンの前は隠され又は半ば隠され、ii)スキャンの前は背景16と視覚的に区別できない前景14を有する印刷されたテストパンタグラフTPをもたらす特性が、選択され、次に配置されるボイドパンタグラフ10,10'を生成するために使用される。
印刷されたテストパンタグラフTPの前景14と背景16との類似性は、手動で(人間の監視者によって)査定及び評価され(evaluated and assessed)、又は、自動化された(例えば機械画像)プロセスによって点数付け(score)される。
【0022】
多くの場合、次の配置のために選択されるテストパンタグラフTPを印刷するのに使用されるプリンタのタイプは、配置されたボイドパンタグラフ10,10'を印刷するために使用されるプリンタのタイプとして、選択される。
上述したように、特性は、プリンタによって異なり得、したがって、テストパンタグラフTPでみられる最良の特性をもたらすために、同じタイプのプリンタがボイドパンタグラフ10,10'を印刷するために選択され得る。
テストパンタグラフTPの評価の間に使用される他の要素も、次の配置プロセスにおいて実行され得る。
例えば、選択されたテストパンタグラフTPが印刷される素地が、ボイドパンタグラフ10,10'の次の配置において使用され得る。
【0023】
テストパンタグラフTPを評価する場合、テストパンタグラフTPをスキャンしてスキャン後に同様に前景14及び背景16を比較することも望ましい。
スキャン後、パンタグラフ前景14が顕在化し、したがって、パンタグラフ背景16とは視覚的に異なる。
印刷及びスキャン後のテストパンタグラフTPの1つの限定しない例が、図3に示される。
この例において、印刷及びスキャンの両方の後、パンタグラフ前景14内のプラス記号「+」が、パンタグラフ背景16と比較して明らか/顕在的になる。
【0024】
全てのテストパンタグラフTPが印刷され、場合によってはスキャンされた後、最も望ましいテストパンタグラフTPを提供する前景14及び背景16の特性が、ボイドパンタグラフ10,10'についての配置特性として選択される。
【0025】
そして、少なくとも画像12(例えば図2Aに示される)の一部が、選択された配置特性を使用してボイドパンタグラフ10,10'に変換される。
画像12をボイドパンタグラフ10,10'に変換することは、画像12をスキャンして変形する(transform)ことによって実行される。
画像12を変形することは、前述したフィルタリングプロセスを介して決定されるように、画像12の適切な画素をパンタグラフ前景14及びパンタグラフ背景16に割り当てることを含む。
【0026】
画像12をボイドパンタグラフ10,10'に変換するとき、画像12は前景(例えば、一般的な高関心(例えば高頻度、高エントロピ、高エッジ(edginess))を含む領域)及び背景の領域にまでフィルタリングされる。
かなり目立った(so-marked)前景領域は、分散された前景14のパンタグラフドットに置き換えられ(上書きされ)、背景領域は、分散された背景16のパンタグラフドットに上書きされる。
【0027】
生成されたボイドパンタグラフ10は、オブジェクトの背景としてオブジェクト(図示せず)に印刷される。
本明細書で使用される用語「オブジェクト」は広く解釈され、限定されないが、任意のタイプのオブジェクト、製品、文書又はパッケージを含み得ることが、理解されよう。
同様に、用語「パッケージ」は、本明細書において、製品を収容し、製品を表示し、又は他のやり方でブランド商品を識別するための任意のユニットを含むように広く解釈される。
このようなパッケージの限定されない例は、箱、バッグ、ラベル、コンテナ、クラムシェル、バンド、テープ、ラップ、ひも、ボトル、瓶、容器(dispenser)、インサーション(insert)、他の文書、又は同様のもの、あるいはこれらの組み合わせを含む。
【0028】
オブジェクトに印刷された任意の普通の情報(例えばテキスト、絵、ロゴ、グラフィックス、表及び同様のもの)が、オブジェクトの主要なペイロード(payload)であり、それゆえ、オブジェクトの前景を形成する。
一実施形態では、オブジェクトに印刷されたボイドパンタグラフ10は、背景に印刷されたドットのように見える(図2B参照)。
普通の情報は、一般的には、スキャンが発生した後でボイドパンタグラフ前景14が読み取られることを望ましくなく妨げることがないように、印刷される。
一実施形態では、普通の情報は、ボイドパンタグラフ10上に全く印刷されない。
他の実施形態では、普通の情報は、スキャンの後、ボイドパンタグラフ前景14の全て又は一部が、パンタグラフ背景16及びオブジェクトの普通の情報/前景の両方と区別可能であるような方法で、ボイドパンタグラフ10上に印刷される。
【0029】
ステガノグラフィー(steganographic)の情報がボイドパンタグラフ10,10'に直接組み込まれ/符号化されることが、理解されよう。
このような情報は可変であり、それゆえ、一連の(例えば大規模にシリアル化された(mass serialized))ボイドパンタグラフ10,10'のそれぞれについて異なり得る。
いくつかの実施形態では、ステガノグラフィーの情報は、認証情報、セキュリティ情報、又はこれらの両方であり得る。
この情報は、トラッキング、印付け(branding)又は同様のもの、または、これらの様々な組み合わせのためであり得る。
他の実施形態では、この情報は、その情報の意図的でない受領者をミスリードする(mislead)ように意図されたおとり情報(decoy information)である。
さらに別の実施形態では、ボイドパンタグラフ10,10'に情報が隠されていない。
限定しない例として、透かし(watermark)、コピー検出パターン、及びライン/ハーフトーン(halftoning)/モアレパターンが、ボイドパンタグラフ10,10'において拡大縮小され(scaled)、描写され得る。
情報が包含されたパターンは、その生成の間にボイドパンタグラフ10,10'に組み込まれる。
場合によっては、その情報又はその情報についてのトークンは、ボイドパンタグラフ10,10'を形成するために使用される画像12に組み込まれる。
【0030】
情報をボイドパンタグラフ10,10'に符号化することの代用として、又は情報をボイドパンタグラフ10,10'に符号化することに加えて、他のステガノグラフィーの手法が、本明細書で開示されるボイドパンタグラフ10,10'とともに利用され得る。
この限定しない例においては、元の画像12の部分(「全て」の対語として)は、ボイドパンタグラフ10,10'の生成の間に使用され得る。
この実施形態では、ボイドパンタグラフ10,10'に含まれない画像12の部分は、ボイドパンタグラフ10,10'において見かけ上隠されるワークフローを有効にするために使用され得る。
例えば、ボイドパンタグラフ10,10'において利用されない画像12の部分は、セキュアなレジストリに記憶され得、レジストリのボイドパンタグラフ10,10'及びオブジェクトの両方にリンクされ得る。
画像12の部分がボイドパンタグラフ10,10'から抽出される場合(以下の本明細書でさらに説明される)、画像12の部分は、オブジェクトを認証してそれらに関連する任意のワークフローを有効にするために、(セキュアなレジストリの)元の画像12にアクセスする人によって使用され得る。
【0031】
場合によっては、例えば、直接の人間の検証又は解釈が望ましいときは、ボイドパンタグラフ10,10'自身がメッセージであることが、理解されよう。
他の場合では、ボイドパンタグラフ10,10'自身はメッセージではないが、ボイドパンタグラフ10,10'のパターンは、他の場所に保持された画像のレジストリについて、トークン又はルックアップである。
ボイドパンタグラフ10,10'が解析されるとき(本明細書において以下でさらに説明される)、関心点又は関心領域が決定され、以前に識別されバックエンドレジストリに記憶された関心点/関心領域に最も適合することは、ボイドパンタグラフ10,10'が表すもの(例えばトークン、ノンス(nonce)、ルックアップ、ジョブエントリポイント、ワークフローキー又は同様のもの)を示し、それで、関連するワークフローがインスタンス化(instantiate)される。
【0032】
配置された後、オブジェクトの印刷された領域は、任意の時に、スキャンされ得る。
スキャンによって、ボイドパンタグラフ10,10'の前景14は、背景16及びオブジェクト前景に印刷された情報と視覚的に区別可能なプロパティ(property)を明示する。
スキャンの後のボイドパンタグラフ10'の限定しない例が、図2Cに示されている。
【0033】
スキャンされた後、ボイドパンタグラフ10,10'の特徴物(feature)が、既存のセグメンテーションソフトウェアを用いて容易に識別され得る。
セグメンテーションの結果として、ボイドパンタグラフ10'が集合して、有効な関心領域になる。
セグメンテーションは、ボイドパンタグラフ10'を閾値化する(thresholding)ことを含む。セグメンテーションは、それを二値化し(binarize)、任意のインク領域を黒のままにし、任意のインクのない領域を白のままにする。
エロージョン(erosion)又は細線化(thinning)プロセスは、任意の関連する(connected)黒領域で実行され得る。
このプロセスは、ボイドパンタグラフ10'の小さいドットを完全に消去し、大きなドットを、消去はしないが、縮小させる。
一般的に、1画素境界エロージョン(1-pixel boundary erosion)は、このステップを実行するのに十分であるが、ボイドパンタグラフ10,10'に使用されるドットサイズ(つまり、形状、方向、濃度/黒比率(percentage-black-coverage)等)の、少なくとも一部に応じて、変化し得る。
場合によっては、1つ又は複数のより小さいドットは完全には消去されない可能性があるが、一般的に、関心領域を識別することを妨げることはない。
【0034】
エロージョン又は細線化の後、ボイドパンタグラフ10'は、拡張(dilation)又は膨張(fattening)される。
このプロセスは、より大きなドットをこれらの元のサイズに戻すが、消去された小さいドットを再構成しない。
エロージョン及び拡張は、x方向及びy方向のそれぞれになされ得る。
例えば、いくつかのドット構成の各方向における1だけのエロージョンの後に、そのドット構成の各方向における1だけの拡張が続く。
2x2又はより大きなドットは、2つの単なるエロージョンの後、残存し、拡張オペレーションの後、元のサイズに戻る。
【0035】
そして、1つ又は複数の関心領域は、残存するドットを用いて識別され、又は形成され得る。
一実施形態において、ランレングススミアリング(run length smearing)(例えば、画素の黒比率の逆数の平方根を用いること)は、余剰のドット(dots left over)を集めてそれらのオリジナルの関連する形状又は形(shape or form)にするために使用される。
これらの形は、1つ又は複数の形式の解析を受け得る関心領域である。
他の実施形態においては、ランレングススミアリングは実行されず、関心領域は膨張したドットで構成される。
ランレングススミアリングが実行されない場合、膨張したドットにおける前景14対背景16を識別するため、そして、関心領域を識別するために、テクスチャ解析が使用され得る。
他の実施形態においてランレングススミアリングが実行されない場合、エロージョン及び膨張の後で関心領域を識別するために、簡単な膨張/密度マップが使用され得る。
【0036】
関心領域が、人間による評価、機械による評価又はこれらの両方を介して解析され得る。
人間による評価は、一般的には、元の画像と比較されたときに関心領域がどのように見えるかといった視覚に関連する。
一実施形態において、評価を行う人間は、例えば、セキュアなレジストリ(secure registry)に記憶され得る元の画像12にアクセスする。
他の実施形態において、元の画像12は、オブジェクトの他の場所に明白に印刷され得、それゆえ、セキュアなレジストリにアクセスすることなく、視覚が用いられうる(visual perception may be made)。
一般的に、人は、視覚的に、スキャンされたボイドパンタグラフ10'の関心領域が、元の画像12の対応する領域のように見えるかを解析する。
コピーすると顕在化する保護ブリッジ(overt-to-copy protection bridge)を生成するため、及び/又は、オブジェクトが本物であることを検証するために、元の画像12の部分がボイドパンタグラフ10,10'から意図的に除去されたかを判断するため、及び/又は、ボイドパンタグラフ10,10'が可変であるか(つまり、ボイドパンタグラフ10,10'の正確な部分が、画像及び/又はオブジェクトから次の画像及び/又はオブジェクトに変化すること)を判断するために、人間の評価が使用され得る。
【0037】
本明細書で上述したように、機械による評価も、ボイドパンタグラフ10,10'の関心領域を解析するために使用され得る。
ボイドパンタグラフ10,10'に組み込まれた(embedded)パターン(例えば、このようなパターンは画像12の使用の結果として存在する)を解析するのに適した任意のタイプのパターン認識プロセスが使用され得ることが、理解されよう。
機械による評価は、ボイドパンタグラフ10,10'が特定のテキスト、形状又はグリフを含む場合に、特に有益であり得る。
1つの例として、特定のテキストが元の画像12に含まれる場合、このようなテキストを解釈するために、ボイドパンタグラフ10,10'の関心領域において光学文字認識(OCR)が実行され得る。
他の例として、特定の形状が元の画像12に含まれる場合、このような形状を解釈するために、ボイドパンタグラフ10,10'の関心領域において、(例えば、フリーマン、チェーン、コーディングなどといった)形状解析が実行され得る。
形状解析は、ロゴ又は他のグラフィックがボイドパンタグラフ10,10'を形成するのに使用される場合に特に有益であり得る。
形状解析は、ボイドパンタグラフ10,10'のリバースエンジニアリングをより困難にすることも望まれ得る。
【0038】
さらに別の実施形態では、グリフ解析が、ボイドパンタグラフ10,10'を解析するために使用される。
グリフは、例えば1D及び2Dのバーコードの、セキュリティに特化したマーク及びパターンを含む。
グリフはボイドパンタグラフ前景14に含まれ得、それゆえ、スキャンに応じて浮かび上がる(emerge)。
グリフは、適切なセキュリティ印刷及びイメージング検査、認証及び/又は鑑識(forensic)アルゴリズムを用いて直接解析され得る関心領域に、セグメント化される。
(特定のボイドパンタグラフのインスタンス化、プリンタ、スキャナ及び素地に応じた様々なセキュリティペイロード密度とともに)含まれ直ちに解釈され得るグリフの例は、1D、2D及び3D(マルチグレイ(multi-gray)レベル)のバーコード、変調伝達関数(MTF)目標、グラフィカル英数字(異なるグリフが異なる英数字文字を表すコードセット)、及び曲率ベース(curvature-based)のグリフ(例えば組みひも飾り(guilloche))である。
【0039】
大規模シリアル化(mass serialization)、データ隠蔽、又は他のセキュリティ関連タスク(例えば、パンタグラフ12は、他の明白に(すなわち可変の印刷領域を繰り返して)印刷された特徴物又は(例えばUV、IRインクを介して)隠されて印刷された特徴物にリンクされ得る)に一致する(consistent with)ボイドパンタグラフ10,10'における認証、意図的な変更の検証について、人間による評価又は機械による評価のいずれかは、元の画像12(ユーザがこのような画像12にアクセスした場合)をスキャンされたテストボイドパンタグラフ10,10'と比較するために使用され得る。
【0040】
いくつかの実施形態が詳細に説明されたが、開示された実施形態が修正され得ることは、当業者にとって明らかである。
したがって、前述の記載は、限定ではなく例示であると見なされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボイドパンタグラフを生成する方法であって、
1つ又は複数のフィルタを用いて画像をフィルタリングして、パンタグラフ前景についての少なくとも1つの領域、及びパンタグラフ背景についての少なくとも1つの他の領域を識別することと、
前記パンタグラフ背景又は前記パンタグラフ前景の少なくとも一方の静的な特性を設定することと、
前記パンタグラフ背景又は前記パンタグラフ前景の前記少なくとも一方の前記静的な特性を維持する間に、前記パンタグラフ背景又は前記パンタグラフ前景の前記少なくとも一方の前記静的な特性について、前記パンタグラフ背景又は前記パンタグラフ前景の他方の少なくとも1つの特性を変更して、少なくとも1つのテストボイドパンタグラフを生成することと、
前記少なくとも1つのテストボイドパンタグラフを印刷することと、
前記印刷された少なくとも1つのテストボイドパンタグラフについて前記パンタグラフ前景と前記パンタグラフ背景との類似性を評価することと、
前記評価に基づいて、前記パンタグラフ前景及び前記パンタグラフ背景に関する配置特性を選択することと
を含む方法。
【請求項2】
前記1つ又は複数のフィルタは、
エッジフィルタ、カラーフィルタ、色相フィルタ、色度フィルタ、彩度フィルタ、輝度フィルタ、明度フィルタ、ルミネセンス(luminescence)フィルタ、テクスチャフィルタ、エントロピフィルタ、粒状性フィルタ、形状フィルタ、閾値フィルタ、画質フィルタ、畳み込みフィルタ、又はこれらの組み合わせから選択される
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも2つのテストボイドパンタグラフが印刷され、
前記少なくとも2つのテストボイドパンタグラフの1つが第1のプリンタで印刷され、
前記少なくとも2つのテストボイドパンタグラフの他方が、前記第1のプリンタとは異なる第2のプリンタで印刷され、
前記選択された配置特性は、i)前記第1のプリンタ及び前記第2のプリンタのどちらが前記ボイドパンタグラフを配置するために使用されるか、ii)どちらの前記テストボイドパンタグラフが印刷される素地、又はiii)i及びiiの組み合わせにさらに基づく
先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
前記静的な特性を設定することは、
前記パンタグラフ背景の前記静的な特性を設定すること
を含み、
少なくとも1つの他の領域内の黒画素のドットサイズを選択することと、
前記少なくとも1つの他の領域内の前記黒画素の濃度を選択することと
をさらに含む先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの特性を変更することは、
前記パンタグラフ前景の前記少なくとも1つの特性を変更すること
を含み、
前記少なくとも1つの領域内の黒画素のドットサイズを選択することと、
前記少なくとも1つの領域内の前記黒画素の濃度を選択して、前記複数のテストパンタグラフの1つを生成することと、
前記少なくとも1つの領域内の前記黒画素の前記濃度を調整して、前記複数のテストパンタグラフの他方を生成することと
をさらに含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記パンタグラフ前景又は前記パンタグラフ背景の前記他方の前記少なくとも1つの特性を変更することは、
ドット形状、ドット方向、ドット密度、ドット色、ドット分布法、ドット間隔パターン、又はこれらの組み合わせを変更すること
を含む
先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記パンタグラフ背景内の黒画素のドットサイズは、1x1であり、
前記パンタグラフ前景内の黒画素のドットサイズは、2x2であり、
前記黒画素の密度は、前記パンタグラフ前景及びパンタグラフ背景において独立して変更される
先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つのテストボイドパンタグラフをスキャンすることと、
前記少なくとも1つのテストボイドパンタグラフについて前記パンタグラフ前景が前記パンタグラフ背景と区別可能であるかを評価すること
をさらに含み、
前記選択された配置特性は、スキャン後、前記パンタグラフ前景を前記パンタグラフ背景と視覚的に異なるようにする特性を前記パンタグラフ前景が明示するかにさらに基づく
先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記選択された配置特性を使用して、前記画像の少なくとも一部を前記ボイドパンタグラフに変換することと、
前記パンタグラフ前景及びパンタグラフ背景の両方が少なくとも半ば隠されオブジェクトの背景の一部であるように、前記ボイドパンタグラフを前記オブジェクトに配置することと
をさらに含む先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記オブジェクトの少なくとも一部をスキャンして、前記パンタグラフ前景を明らかにすることと、
前記ボイドパンタグラフをセグメント化して、少なくとも1つの関心領域を識別することと、
前記少なくとも1つの関心領域を解析することと
をさらに含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ボイドパンタグラフセグメント化することは、
前記ボイドパンタグラフを閾値化して、前記ボイドパンタグラフを黒領域及び白領域に二値化することと、
関連する黒領域のエロージョンを実行して、前記関連する黒領域内の少なくともいくつかの画素を縮小させ、少なくともいくつかの他の画素を消去することと、
任意の残存する画素の拡張を行うことと、
前記拡張された残存する画素を用いて前記少なくとも1つの関心領域を形成することと
を含む
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
解析は検査、品質、認証、鑑識又はこれらの組み合わせについて前記関心領域を前記画像と比較することによって実行される
請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記画像の一部は前記ボイドパンタグラフを生成するために利用され、
前記ボイドパンタグラフと前記ボイドパンタグラフに含まれない前記画像の他の部分とを利用して前記オブジェクトを認証すること
をさらに含む請求項9〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記ボイドパンタグラフを配置する前にセキュリティ情報を前記ボイドパンタグラフに符号化すること
をさらに含む請求項9〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
所定のフィルタを使用して定義される画像の領域に基づく前景部分と、
前記所定のフィルタを使用して定義される前記画像の他の領域に基づく背景部分と
を有するボイドパンタグラフ。
【請求項1】
ボイドパンタグラフを生成する方法であって、
1つ又は複数のフィルタを用いて画像をフィルタリングして、パンタグラフ前景についての少なくとも1つの領域、及びパンタグラフ背景についての少なくとも1つの他の領域を識別することと、
前記パンタグラフ背景又は前記パンタグラフ前景の少なくとも一方の静的な特性を設定することと、
前記パンタグラフ背景又は前記パンタグラフ前景の前記少なくとも一方の前記静的な特性を維持する間に、前記パンタグラフ背景又は前記パンタグラフ前景の前記少なくとも一方の前記静的な特性について、前記パンタグラフ背景又は前記パンタグラフ前景の他方の少なくとも1つの特性を変更して、少なくとも1つのテストボイドパンタグラフを生成することと、
前記少なくとも1つのテストボイドパンタグラフを印刷することと、
前記印刷された少なくとも1つのテストボイドパンタグラフについて前記パンタグラフ前景と前記パンタグラフ背景との類似性を評価することと、
前記評価に基づいて、前記パンタグラフ前景及び前記パンタグラフ背景に関する配置特性を選択することと
を含む方法。
【請求項2】
前記1つ又は複数のフィルタは、
エッジフィルタ、カラーフィルタ、色相フィルタ、色度フィルタ、彩度フィルタ、輝度フィルタ、明度フィルタ、ルミネセンス(luminescence)フィルタ、テクスチャフィルタ、エントロピフィルタ、粒状性フィルタ、形状フィルタ、閾値フィルタ、画質フィルタ、畳み込みフィルタ、又はこれらの組み合わせから選択される
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも2つのテストボイドパンタグラフが印刷され、
前記少なくとも2つのテストボイドパンタグラフの1つが第1のプリンタで印刷され、
前記少なくとも2つのテストボイドパンタグラフの他方が、前記第1のプリンタとは異なる第2のプリンタで印刷され、
前記選択された配置特性は、i)前記第1のプリンタ及び前記第2のプリンタのどちらが前記ボイドパンタグラフを配置するために使用されるか、ii)どちらの前記テストボイドパンタグラフが印刷される素地、又はiii)i及びiiの組み合わせにさらに基づく
先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
前記静的な特性を設定することは、
前記パンタグラフ背景の前記静的な特性を設定すること
を含み、
少なくとも1つの他の領域内の黒画素のドットサイズを選択することと、
前記少なくとも1つの他の領域内の前記黒画素の濃度を選択することと
をさらに含む先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの特性を変更することは、
前記パンタグラフ前景の前記少なくとも1つの特性を変更すること
を含み、
前記少なくとも1つの領域内の黒画素のドットサイズを選択することと、
前記少なくとも1つの領域内の前記黒画素の濃度を選択して、前記複数のテストパンタグラフの1つを生成することと、
前記少なくとも1つの領域内の前記黒画素の前記濃度を調整して、前記複数のテストパンタグラフの他方を生成することと
をさらに含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記パンタグラフ前景又は前記パンタグラフ背景の前記他方の前記少なくとも1つの特性を変更することは、
ドット形状、ドット方向、ドット密度、ドット色、ドット分布法、ドット間隔パターン、又はこれらの組み合わせを変更すること
を含む
先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記パンタグラフ背景内の黒画素のドットサイズは、1x1であり、
前記パンタグラフ前景内の黒画素のドットサイズは、2x2であり、
前記黒画素の密度は、前記パンタグラフ前景及びパンタグラフ背景において独立して変更される
先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つのテストボイドパンタグラフをスキャンすることと、
前記少なくとも1つのテストボイドパンタグラフについて前記パンタグラフ前景が前記パンタグラフ背景と区別可能であるかを評価すること
をさらに含み、
前記選択された配置特性は、スキャン後、前記パンタグラフ前景を前記パンタグラフ背景と視覚的に異なるようにする特性を前記パンタグラフ前景が明示するかにさらに基づく
先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記選択された配置特性を使用して、前記画像の少なくとも一部を前記ボイドパンタグラフに変換することと、
前記パンタグラフ前景及びパンタグラフ背景の両方が少なくとも半ば隠されオブジェクトの背景の一部であるように、前記ボイドパンタグラフを前記オブジェクトに配置することと
をさらに含む先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記オブジェクトの少なくとも一部をスキャンして、前記パンタグラフ前景を明らかにすることと、
前記ボイドパンタグラフをセグメント化して、少なくとも1つの関心領域を識別することと、
前記少なくとも1つの関心領域を解析することと
をさらに含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ボイドパンタグラフセグメント化することは、
前記ボイドパンタグラフを閾値化して、前記ボイドパンタグラフを黒領域及び白領域に二値化することと、
関連する黒領域のエロージョンを実行して、前記関連する黒領域内の少なくともいくつかの画素を縮小させ、少なくともいくつかの他の画素を消去することと、
任意の残存する画素の拡張を行うことと、
前記拡張された残存する画素を用いて前記少なくとも1つの関心領域を形成することと
を含む
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
解析は検査、品質、認証、鑑識又はこれらの組み合わせについて前記関心領域を前記画像と比較することによって実行される
請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記画像の一部は前記ボイドパンタグラフを生成するために利用され、
前記ボイドパンタグラフと前記ボイドパンタグラフに含まれない前記画像の他の部分とを利用して前記オブジェクトを認証すること
をさらに含む請求項9〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記ボイドパンタグラフを配置する前にセキュリティ情報を前記ボイドパンタグラフに符号化すること
をさらに含む請求項9〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
所定のフィルタを使用して定義される画像の領域に基づく前景部分と、
前記所定のフィルタを使用して定義される前記画像の他の領域に基づく背景部分と
を有するボイドパンタグラフ。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公表番号】特表2012−519412(P2012−519412A)
【公表日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552007(P2011−552007)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際出願番号】PCT/US2009/035359
【国際公開番号】WO2010/098760
【国際公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(511076424)ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. (155)
【氏名又は名称原語表記】Hewlett‐Packard Development Company, L.P.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際出願番号】PCT/US2009/035359
【国際公開番号】WO2010/098760
【国際公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(511076424)ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. (155)
【氏名又は名称原語表記】Hewlett‐Packard Development Company, L.P.
【Fターム(参考)】
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