説明

ボイラシステム

【課題】水質測定部の汚染に起因する熱およびボイラ水のロスを抑制することができるボイラシステムを提供すること。
【解決手段】原水の水質を調節して給水を生成する水処理部20と、水処理部20からの給水を加熱して蒸気を生成するボイラ1と、前記給水について、全溶解塩類濃度,硬度,シリカ濃度,酸消費量(pH4.8),塩化物イオン濃度および硫酸イオン濃度から選ばれる水質項目の1種以上を測定する給水水質測定部4と、給水水質測定部4の測定値と前記水質項目のボイラ水での許容値に基づいて濃縮ブロー率を算出し、この濃縮ブロー率となるように、濃縮ブロー量を調節する制御手段18を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はボイラシステムに関し、特にボイラ水の濃縮ブロー量を調節する制御手段を備えたボイラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ボイラを長時間運転すると、ボイラ水が濃縮し、キャリーオーバーなどによって蒸気の乾き度が低下してしまうので、ボイラ水を適宜入れ替える必要がある。そのため、濃縮ブロー弁を備えた濃縮ブローラインがボイラと接続されており、前記濃縮ブロー弁を開状態としてボイラ水の一部を排出する濃縮ブローが所定の時間間隔で行われる。
【0003】
しかし、所定の時間間隔で濃縮ブローを行う方法では、ボイラへ供給される水質に問題がなく、ボイラ水の濃縮が進んでいない場合は、無駄なブローが行われることになり、熱および水のロスが生じることになる。
【0004】
また、特許文献1では、前記キャリーオーバーを未然に防止するため、ボイラ水の電気伝導度を検出するための電気伝導度検出用センサを設け、該ボイラ水の電気伝導度が設定値に達したとき、濃縮ブローを行う濃縮ブロー制御方法が開示されている。
【0005】
【特許文献1】実開平1−170804号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の濃縮ブロー制御方法では、ボイラ水の水質項目(電気伝導度)を測定するため、ボイラへ供給される給水の水質変化に一応は対応することができる。しかし、水質測定部(電気伝導度検出用センサ)がボイラ水中の濃縮不純物で汚染されやすいため、測定値の誤検出によって無駄なブローが行われることになり、熱およびボイラ水のロスが生じる懸念がある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、水質測定部の汚染に起因する熱およびボイラ水のロスを抑制することができるボイラシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
〔1〕 原水の水質を調節して給水を生成する水処理部と、
前記水処理部からの給水を加熱して蒸気を生成するボイラと、
前記給水について、全溶解塩類濃度,硬度,シリカ濃度,酸消費量(pH4.8),塩化物イオン濃度および硫酸イオン濃度から選ばれる水質項目の1種以上を測定する給水水質測定部と、
前記給水水質測定部の測定値と前記水質項目のボイラ水での許容値に基づいて濃縮ブロー率を算出し、この濃縮ブロー率となるように、濃縮ブロー量を調節する制御手段を備えることを特徴とするボイラシステム、
〔2〕 キャリーオーバー関連項目(全溶解塩類濃度),腐食関連項目(塩化物イオン濃度,硫酸イオン濃度)およびスケール関連項目(硬度,シリカ濃度,酸消費量(pH4.8))からなる3群のうち2群以上を測定対象群とし、前記各測定対象群からそれぞれ1種以上の水質項目を測定する給水水質測定部を備えることを特徴とする前記〔1〕に記載のボイラシステム、
〔3〕 前記水処理部は、軟水化装置と、
前記軟水化装置の後段に設置される膜分離装置とを備え、
前記膜分離装置は、ナノろ過膜装置,逆浸透膜装置および電気透析装置のいずれかであることを特徴とする前記〔1〕または〔2〕に記載のボイラシステム、
〔4〕 前記軟水化装置は、イオン交換樹脂が分流再生または向流再生により再生されるように構成されていることを特徴とする前記〔3〕記載のボイラシステム、
〔5〕 前記〔3〕または〔4〕に記載の膜分離装置は、前記膜分離装置の一側から供給される給水が、前記膜分離装置を通過する処理水と、前記膜分離装置を通過しない濃縮水と、に分かれて、それぞれ前記膜分離装置の他側から流出するように構成されており、
前記給水,前記処理水および前記濃縮水のいずれかについて、全溶解塩類濃度,硬度,シリカ濃度,酸消費量(pH4.8),塩化物イオン濃度および硫酸イオン濃度から選ばれる水質項目の1種以上を測定する処理水水質測定部を備え、
前記膜分離装置は、前記処理水水質測定部の測定値が所定値を超えたとき、前記濃縮水の排水量を増加させる制御手段を備えることを特徴とするボイラシステム、
〔6〕 前記給水水質測定部および前記処理水水質測定部は、比色式センサまたは電極式センサを備えることを特徴とする前記〔5〕に記載のボイラシステム。
【発明の効果】
【0009】
前記〔1〕の発明によれば、濃縮前の給水の水質を測定するので、水質測定部の汚染に起因する測定値の誤検出によって無駄なブローが行われることが回避され、熱およびボイラ水のロスを抑制することができる。また、給水の水質に応じて濃縮ブロー率を調整するので、給水の水質変化に迅速に対応した濃縮ブローを行うことができる。
前記〔2〕の発明によれば、前記の効果に加え、ボイラの障害発生要因を広く考慮した水質項目を選択して給水の水質測定を行うので、給水の水質変化をより確実に濃縮ブローに反映することができる。
前記〔3〕の発明によれば、前記の効果に加え、軟水化装置で給水中の硬度分が除去されるとともに、膜分離装置で給水中の塩化物イオン,硫酸イオン、その他のイオン類が除去されるため、ボイラの障害発生要因を低減した良質な給水をボイラへ供給することができ、ひいては無駄なブローを少なくすることができる。
前記〔4〕の発明によれば、前記の効果に加え、原水の水質が悪くても高純度の軟水が得られるため、膜分離装置でスケール付着のおそれがなくなり、膜分離性能が安定する。この結果、良質な給水をボイラへ供給することができるので、無駄なブローを少なくすることができる。
前記〔5〕の発明によれば、前記の効果に加え、膜分離装置へ流入する給水の水質が悪くなっても、処理水,すなわちボイラへの給水の水質を所定範囲に維持することができる。この結果、良質な給水をボイラへ供給することができるので、無駄なブローを少なくすることができる。
前記〔6〕の発明によれば、前記の効果に加え、ボイラへ供給される給水の水質変化、および膜分離装置へ流入する給水の水質変化をリアルタイムに、かつ精度よく測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。 図1は、本発明のボイラシステムの一実施例の構成を示す概略説明図である。
【0011】
図1において、ボイラ1は、ボイラ水を加熱して蒸気を発生させるバーナ2を備えた公知の多管式貫流ボイラである。ボイラ1は、例えば、環状の下部管寄せおよび環状の上部管寄せと、これら各管寄せの間に配置される複数の伝熱管と、これらの各伝熱管により区画形成される燃焼室と、この燃焼室の上部に配置され、前記各伝熱管内のボイラ水を加熱して蒸気を発生させる前記バーナ2を備えて構成される。
【0012】
前記ボイラ1には、給水ライン3が接続されている。この給水ライン3には、上流側から順に給水水質測定部4,給水ポンプ5および逆止弁6が設けられている。また、前記給水ライン3には、前記給水水質測定部4よりも上流側に、原水の水質を調節して給水を生成する水処理部(図2参照。水処理部については後述する。)が設けられている。
【0013】
ここで、給水水質測定部4は、全溶解塩類濃度,硬度,シリカ濃度,酸消費量(pH4.8),塩化物イオン濃度および硫酸イオン濃度から選ばれる水質項目の1種以上を測定し得る少なくとも1つのセンサを備えている(第一実施形態)。前記水質項目のうち、全溶解塩類濃度とは、日本工業規格JIS B8223:1999に規定される全蒸発残留物(mg/リットル)または電気伝導率(mS/m)(25℃)をいう。
【0014】
前記水質項目のうち、全溶解塩類濃度はキャリーオーバーに関連し、塩化物イオン濃度および硫酸イオン濃度は腐食に関連し、硬度,シリカ濃度および酸消費量(pH4.8)はスケールに関連する。そこで、給水水質測定部4の第二実施形態として、キャリーオーバー関連項目(全溶解塩類濃度),腐食関連項目(塩化物イオン濃度,硫酸イオン濃度)およびスケール関連項目(硬度,シリカ濃度,酸消費量(pH4.8))からなる3群のうち2群以上を測定対象群とし、前記各測定対象群からそれぞれ1種以上の水質項目を測定し得るセンサ群を設けるようにしてもよい。
【0015】
前記給水水質測定部4を構成するセンサとしては、たとえば比色式センサまたは電極式センサなどを挙げることができる。このようなセンサを用いることにより、給水の各種水質項目をリアルタイムに、かつ精度良く測定することができる。
【0016】
さらに、前記ボイラ1の下部には、蒸気の発生にともなって濃縮されたボイラ水を系外へ排出するため、濃縮ブロー弁7を備えたブローライン8が接続されている。
【0017】
前記ボイラ1の上部には、圧力センサ9が設けられている。また、前記ボイラ1の上部には、蒸気取出ライン10を介して気水分離器11が接続されている。この気水分離器11の上端には、蒸気弁12を備えた蒸気供給ライン13が接続されている。また、前記気水分離器11は、降水管14を介して前記ブローライン8と接続されている。
【0018】
前記バーナ2には、燃料供給弁15を備えた燃料供給ライン16が接続されている。前記バーナ2は、前記燃料供給弁15を開閉制御することにより、燃焼がオンオフ制御されるようになっている。
【0019】
前記給水水質測定部4,前記給水ポンプ5,前記濃縮ブロー弁7,前記圧力センサ9および前記燃料供給弁15は、信号線17を介して制御手段18と接続されている。この制御手段18は、前記ボイラ1の燃焼制御,ボイラ水の水位制御および濃縮ブロー制御を行うようになっている。また、前記制御手段18へは、前記信号線17を介して前記給水水質測定部4の測定値が入力され、この測定値に基づいて、前記ボイラ1の濃縮ブロー量が調節されるようになっている。
【0020】
前記ボイラ1では、前記圧力センサ9の検出値に基づいて燃焼制御が行われ、前記上部管寄せ内の蒸気圧力が所定圧力P〜P(P<P)の範囲となるように制御されるようになっている。具体的には、前記圧力センサ9の検出値が圧力Pまで下降したとき、前記制御手段18は前記燃料供給弁15を開状態として前記バーナ2を燃焼状態(ON)とし、一方で前記圧力センサ9の検出値が圧力Pまで上昇したとき、前記制御手段18は前記燃料供給弁15を閉状態として前記バーナ2を燃焼停止状態(OFF)とするようになっている。なお、前記ボイラ1の燃焼制御は、このようなオンオフ制御以外に、蒸気圧力に応じて高燃焼状態,低燃焼状態,および燃焼停止状態の三段階の燃焼量を与える三位置制御、あるいは蒸気圧力に比例した燃焼量を与える比例制御が用いられることもある。
【0021】
また、ボイラ水の水位制御は、前記各伝熱管の水位検出手段(図示省略)に基づいて、前記各伝熱管内の水位を所定の範囲に維持するように、前記制御手段18が前記給水ポンプ5をオンオフ制御することにより行われるようになっている。
【0022】
続いて、前記ボイラ1の濃縮ブロー制御方法について説明する。前記制御手段18には、所定の濃縮ブロー率(すなわち、[濃縮ブロー量]/[給水量])が設定されている。この所定の濃縮ブロー率は、ボイラ水が過度に濃縮せず、ひいてはキャリーオーバーを防止することができ、なおかつ無駄なボイラ水を排出することがない値に設定されており、この濃縮ブロー率となるように、前記制御手段18は、所定の燃焼時間ごとに前記濃縮ブロー弁7を所定の開弁時間の間、開状態とする。前記所定の濃縮ブロー率は、後述する水処理部が正常に機能し、前記給水水質測定部4によって検出される給水の水質項目が許容値であるときの濃縮ブロー率である。
【0023】
前記水質項目の許容値は任意に設定することができ、特に制限されるものではないが、例えば、日本工業規格JIS B8223:1999に規定される数値を参考にすることができる。すなわち、前記ボイラ1を濃縮ブロー率10%で運転する場合、全蒸発残留物(全溶解塩類濃度)として250mg/リットル、電気伝導率(全溶解塩類濃度)として40mS/m、塩化物イオン濃度として40mg/リットル、硬度として0.1mg /リットル、酸消費量(pH4.8)として10〜80mg/リットルをそれぞれ許容値とすることができる。また、シリカ濃度として60mg/リットル、硫酸イオン濃度として40mg/リットルをそれぞれ許容値とすることができる。
【0024】
前記給水水質測定部4の第一実施形態では、前述したように、全溶解塩類濃度,硬度,シリカ濃度,酸消費量(pH4.8),塩化物イオン濃度および硫酸イオン濃度から選ばれる水質項目の1種以上を選定し、前記給水水質測定部4に当該選定した水質項目を測定し得るセンサを設けたボイラシステムを構成して、所定時間毎に当該水質項目を測定するようにする。そして、前記センサの測定値が当該水質項目の許容値を超えたとき、前記通常の濃縮ブロー率より高い濃縮ブロー率を設定し、この新たに設定された濃縮ブロー率になるように、前記濃縮ブロー弁7の開弁時間を長くして濃縮ブロー量を増やす。そして、所定時間毎に当該水質項目を測定し、前記センサの測定値が当該水質項目の許容値を下回ったとき、通常の濃縮ブロー率に切り替えて通常運転が行われる。
【0025】
例えば、季節変化などにより給水の塩化物イオン濃度が上昇し、前記給水水質測定部4としての塩化物イオンセンサの測定値が前記許容値を超えたとき、前記制御手段18は、前記各伝熱管の腐食が生じず、なおかつ無駄なボイラ水を排出することがないような濃縮ブロー率となるように、前記濃縮ブロー弁7の開弁時間を長くして濃縮ブロー量を増やす。例えば、前記塩化物イオンの測定値が40mg/リットルを超えたとき、濃縮ブロー率を10%から増加させ、20%となるような濃縮ブロー量とする。
【0026】
また、前記水質項目の測定において、複数の水質項目を測定する場合、検出された各測定値のうち、1つでも当該水質項目の前記許容値を超えたときは、前記通常の濃縮ブロー率より高い濃縮ブロー率を設定し、この新たに設定された濃縮ブロー率になるように、前記濃縮ブロー弁7の開弁時間を長くして濃縮ブロー量を増やすことが好ましい。
【0027】
以上説明した給水水質測定部4の第一実施形態を備えたボイラシステムによれば、前記給水水質測定部4の測定値に基づいて、濃縮ブロー量が調節される。したがって、濃縮前の給水の水質を測定するので、水質測定部の汚染に起因する測定値の誤検出によって無駄なブローが行われることが回避され、熱およびボイラ水のロスを抑制することができる。また、給水の水質に応じて濃縮ブロー率を調整するので、給水の水質変化に迅速に対応した濃縮ブローを行うことができる。
【0028】
また、前記給水水質測定部4の第二実施形態を備えたボイラシステムでは、給水水質測定部として、キャリーオーバー関連項目(全溶解塩類濃度),腐食関連項目(塩化物イオン濃度,硫酸イオン濃度)およびスケール関連項目(硬度,シリカ濃度,酸消費量(pH4.8))からなる3群のうち2群以上を測定対象群とし、前記各測定対象群からそれぞれ1種以上の水質項目を測定し得るセンサ群を設けるが、このような実施形態とすることで、前記第一実施形態に比べて給水の水質変化をより確実に濃縮ブローに反映することができる。
【0029】
前記給水水質測定部4の第二実施形態を備えたボイラシステムでは、複数の水質項目を測定することになるが、当該水質項目の測定において、1つでも当該水質項目の前記許容値を超えたときは、前記給水水質測定部4の第一実施形態の場合と同様に、前記通常の濃縮ブロー率より高い濃縮ブロー率を設定し、この新たに設定された濃縮ブロー率になるように、前記濃縮ブロー弁7の開弁時間を長くして濃縮ブロー量を増やすことが好ましい。
【0030】
続いて、図2および図3に基づいて水処理部について説明する。図2は、図1のボイラシステムを構成する水処理部の一実施例の構成を示す概略説明図である。図3は、図2の水処理部の一部拡大図である。
【0031】
図2において、水処理部20は、水道水,工業用水,地下水などの水源から供給される
原水が貯留された原水タンク(図示省略)から供給される原水の水処理を行って処理水を生成する部分をいう。この水処理部20は、前記ボイラ1への給水ライン3を備え、さらにこの給水ライン3と接続された活性炭ろ過処理部21,軟水化装置22,プレフィルタ23,膜分離装置24および脱気処理部25を上流側からこの順で備えている。そして、前記水処理部20で生成した処理水は、給水タンク26で貯留され、この貯留された処理水が給水としてボイラ1へ供給される。
【0032】
前記活性炭ろ過処理部21は、給水中に溶存する次亜塩素酸ナトリウムなどに由来する酸化剤を吸着除去するものである。前記酸化剤は、前記活性炭ろ過処理部21の下流側に配置される前記軟水化装置22のイオン交換樹脂(図示省略)を酸化させ、イオン交換能力を早期に低下させるおそれがある。また、さらに下流に配置された前記膜分離装置24を構成する分離膜(後述するナノろ過膜,逆浸透膜,陽イオン交換膜、陰イオン交換膜などを示す。図示省略)を酸化させ、ろ過能力を早期に低下させるおそれがある。そこで、このような酸化による早期の能力低下を防止するため、前記酸化剤を吸着除去することにより、給水の処理効率の維持や処理水の水質の安定化などを図るようにしている。
【0033】
前記軟水化装置22は、前記酸化剤が除去された給水中の硬度分,すなわちカルシウムイオンおよびマグネシウムイオンをイオン交換樹脂(図示省略)により除去するものである。具体的には、前記軟水化装置22は、給水中に含まれる硬度分をイオン交換反応によってナトリウムイオンやカリウムイオンなどの一価の陽イオンへ置換し、給水を軟水へ変換するように構成されている。
【0034】
前記軟水化装置22を構成するイオン交換樹脂は、除去対象とする硬度分の吸着量が所定の交換能力に達すると、この硬度分が処理水中へ漏洩するようになる。そこで、前記イオン交換樹脂は、硬度分の吸着量が所定の交換能力に達する前に、前記イオン交換樹脂に再生剤(たとえば、塩化ナトリウム水溶液)を接触させる再生を行い、交換能力を回復させるようにしている。この再生は、一般に、原水の流れ方向と再生剤の流れ方向の関係から、並流再生,分流再生および向流再生に大別されるが、本発明では、前記再生法のうち、分流再生と向流再生が好ましい。
【0035】
すなわち、前記イオン交換樹脂が前記分流再生または前記向流再生により再生されるように構成することで、原水中の溶存塩類濃度が高い場合でも、硬度分が処理水中へ漏洩しにくく、高品質の処理水を確保することができるとともに、再生剤の使用量も、前記並流再生よりも節約することができる。
【0036】
前記プレフィルタ23は、給水中のゴミや濁質により、前記膜分離装置24を構成する前記分離膜(図示省略)が閉塞しないようにするため、前記軟水化装置22で軟水化された給水を前記膜分離装置24の手前で予備的にろ過するものである。
【0037】
前記膜分離装置24の上流側には、軟水化処理された給水を前記膜分離装置24へ加圧して供給するポンプ27が設けられている。また、前記膜分離装置24には、後述する液体分離膜に阻止された溶存塩類が濃縮された濃縮水を系外へ排水する排水ライン28が接続されている。そして、この排水ライン28は、前記ポンプ27の上流側の前記給水ライン3と、循環水ライン29で接続されており、前記濃縮水の一部が前記ポンプ27の上流側へ還流されるようになっている。
【0038】
すなわち、前記膜分離装置24は、前記ボイラ1の複数の伝熱管や上部および下部管寄せ(それぞれ図示省略)を形成する非不動態化金属体の腐食を引き起こす腐食促進成分を捕捉し、また前記腐食の抑制に寄与する腐食抑制成分を通過させる液体分離膜を備え、前記膜分離装置24の一側から供給される給水が、前記膜分離装置24を通過する処理水と、前記膜分離装置24を通過しない濃縮水と、に分かれて、それぞれ前記膜分離装置24の他側から流出するように構成されている。
【0039】
前記膜分離装置24は、ナノろ過膜装置,逆浸透膜装置および電気透析装置のいずれかであることが好ましい。
【0040】
前記ナノろ過膜装置は、ナノろ過膜(NF膜,NF:Nanofiltration)を用いたナノ濾過膜エレメントを組み込んで構成されている。前記ナノろ過膜は、ポリアミド系,ポリエーテル系などの合成高分子膜であり、2nm程度より小さい粒子や高分子(分子量が最大数百程度の物質)の透過を阻止できる液体分離膜である。また、前記ナノろ過膜は、そのろ過機能の点において、分子量が1,000〜300,000程度の物質をろ別可能な限外ろ過膜(UF膜)と、分子量が数十程度の物質をろ別可能な逆浸透膜(RO膜)との中間に位置する機能を有する液体分離膜である。ちなみに、前記ナノ濾過膜エレメントは、各社から市販されており、容易に入手することができる。
【0041】
前記ナノろ過膜は、給水中の腐食促進成分を捕捉する。ここで、腐食促進成分について説明すると、この腐食促進成分とは、前記ボイラ1の前記各伝熱管の腐食が発生し易い部位,とくに内側に水分(ここではボイラ水)が接触し,かつ外側から加熱される前記各伝熱管の内面に作用し、その腐食を促進するものをいい、通常、硫酸イオンおよび塩化物イオンの両者である。ちなみに、腐食促進成分として重要なものは、硫酸イオン,塩化物イオンの両者である。ところで、日本工業規格JIS B 8223:1999は、貫流ボイラを含む特殊循環ボイラの腐食を抑制する観点から、これらボイラのボイラ水の水質に関する各種の管理項目および推奨基準を規定し、その中で、塩化物イオン濃度の基準値を設けている。一方、ボイラ水の硫酸イオン濃度については言及されていないが、本願出願人において、ボイラ水の水質と腐食との関係を長年研究した結果、ボイラ水に含まれる硫酸イオンが腐食促進成分として前記各伝熱管などに作用していることを確認している。
【0042】
また、前記ナノろ過膜は、給水中の腐食抑制成分を透過する。腐食抑制成分とは、前記ボイラ1の前記各伝熱管の腐食が発生し易い部位,とくに内側に水分(ここではボイラ水)が接触し,かつ外側から加熱される前記各伝熱管の内面に作用し、そこに生じる腐食を抑制可能なものをいい、通常、シリカ(すなわち、二酸化ケイ素(SiO))である。ところで、給水に含まれるシリカは、給水として用いる水道水,工業用水,地下水などにおいて、通常含有されている成分で、一般に、前記各伝熱管におけるスケール生成成分と認識されており、可能な限りその濃度を抑制することが好ましいと考えられている。しかし、本願出願人において、ボイラ水の水質と腐食との関係を長年研究した結果、ボイラ水に含まれるシリカが腐食抑制成分として前記各伝熱管などに作用していることを確認している。
【0043】
続いて、逆浸透膜装置について説明する。逆浸透膜装置は、逆浸透膜(RO膜,RO:Reverse Osmosis)を用いた逆浸透膜エレメントを組み込んで構成されている。逆浸透膜は、ポリアミド等の合成高分子を用いて形成された液体分離膜であり、膜分離技技術振興協会の規格であるAMST−002において、「塩化ナトリウム濃度が500〜2,000mg/リットルで操作圧力が0.5〜3.0MPaの評価条件の下での塩化ナトリウムの除去率が93%以上の膜」と定義されており、ナノろ過膜とは区別されている。ちなみに、前記逆浸透膜エレメントは、各社から市販されており、容易に入手することができる。前記逆浸透膜は、前述したナノろ過膜と同様に、給水中にイオンとして存在する腐食促進成分(すなわち、塩化物イオンおよび硫酸イオン)が捕捉されるとともに、給水中の腐食抑制成分(すなわち、シリカ)が通過するようになっている。
【0044】
続いて、電気透析装置について説明する。電気透析装置は、電極(図示省略)の間に、液体分離膜である陽イオン交換膜(図示省略)と陰イオン交換膜(図示省略)とをスペーサーを介して交互に配置し、電極間に脱塩室と濃縮室とを交互に形成した電気透析槽を用いて構成されている。前記電気透析装置は、前記電気透析槽の脱塩室において給水中のイオン化物質を除去し、一方で非イオン化物質を通過するようになっている。したがって、前記電気透析装置にあっては、前記ナノろ過膜装置および逆浸透膜装置と同様に、給水中にイオンとして存在する腐食促進成分(すなわち、塩化物イオンおよび硫酸イオン)が捕捉されるとともに、給水中の腐食抑制成分(すなわち、シリカ)が通過するようになっている。
【0045】
前記ポンプ27には、図3に示すように、インバータ30が接続されており、このインバータ30により、前記制御手段18からの指令信号に基づいて、前記ポンプ27の回転数が制御されるようになっている。
【0046】
前記排水ライン28は、前記循環水ライン29の接続箇所よりも下流側が、第一排水ライン28aと第二排水ライン28bとに分岐している。これらの各排水ライン28a,28bには、それぞれ第一排水弁31および第二排水弁32が設けられている。これらの各排水弁31,32のうち、主に前記第二排水弁32を開閉することにより、濃縮水の排水量の調節が行われる。さらに、前記膜分離装置24の下流側の前記給水ライン3には給水制御弁33が設けられている。そして、前記各排水弁31,32および前記給水制御弁33は、前記制御手段18により開閉される。
【0047】
図3において、符号A〜Gは、処理水水質測定部34が接続される箇所を示している。すなわち、前記処理水水質測定部34は、前記軟水化装置22と前記プレフィルタ23の間の給水ライン3(符号Aの位置),前記プレフィルタ23と前記循環水ライン29とを接続する前記給水ライン3(符号Bの位置),前記循環水ライン29と前記ポンプ27とを接続する前記給水ライン3(符号Cの位置),前記膜分離装置24の下流側に接続される前記給水ライン3(符号Dの位置),前記膜分離装置24と前記循環水ライン29とを接続する前記排水ライン28(符号Eの位置),前記循環水ライン29の接続箇所よりも下流側の前記排水ライン28(符号Fの位置),前記循環水ライン29(符号Gの位置)のうち、いずれか一箇所,あるいは複数箇所に接続されている。
【0048】
ここで、処理水水質測定部34は、全溶解塩類濃度,硬度,シリカ濃度,酸消費量(pH4.8),塩化物イオン濃度および硫酸イオン濃度から選ばれる水質項目の1種以上を測定し得るセンサを備えている(第一実施形態)。前記水質項目のうち、全溶解塩類濃度とは、前述したように、日本工業規格JIS B8223:1999に規定される全蒸発残留物(mg/リットル)または電気伝導率(mS/m)(25℃)をいう。
【0049】
前記水質項目のうち、全溶解塩類濃度はキャリーオーバーに関連し、塩化物イオン濃度および硫酸イオン濃度は腐食に関連し、硬度,シリカ濃度および酸消費量(pH4.8)はスケールに関連する。そこで、処理水水質測定部34の第二実施形態として、キャリーオーバー関連項目(全溶解塩類濃度),腐食関連項目(塩化物イオン濃度,硫酸イオン濃度)およびスケール関連項目(硬度,シリカ濃度,酸消費量(pH4.8))からなる3群のうち2群以上を測定対象群とし、前記各測定対象群からそれぞれ1種以上の水質項目を測定し得るセンサ群を設けるようにしてもよい。
【0050】
前記処理水水質測定部34を構成するセンサとしては、たとえば比色式センサまたは電極式センサなどを挙げることができる。このようなセンサを用いることにより、給水の各種水質項目をリアルタイムに、かつ精度良く測定することができる。
【0051】
前記処理水水質測定部34からの検知信号は、前記制御手段18へ入力されるようになっている。そして、前記制御手段18は、前記処理水水質測定部34からの検知信号に基づいて、前記第二排水弁32を開閉し、濃縮水の排水量を調節する。このように、濃縮水の排水量を調節することにより、膜分離装置24へ流入する給水の水質が悪くなっても、処理水,すなわちボイラへの給水の水質を所定範囲に維持することができる。
【0052】
前記脱気処理部25は、前記膜分離装置24でろ過処理された処理水に含まれる溶存酸素を機械的に除去するものである。この脱気処理部25は、複数の中空糸状脱気膜からなる脱気膜モジュール(図示省略)を備え、前記各脱気膜の一側へ膜分離装置24からの処理水を流通させ、他側を真空ポンプなどの真空排気手段により真空吸引することで、処理水中の溶存酸素を脱気する周知構成の膜式脱気装置である。
【0053】
ここにおいて、前記脱気処理部25は、たとえばスプレー塔や充填塔内へ処理水を噴霧するとともに、この塔内を減圧して排気する真空式脱酸素装置,あるいはスプレー塔や充填塔内へ処理水を噴霧するとともに、この塔内へ窒素ガスを供給して接触させる窒素置換式脱酸素装置などであってもよい。
【0054】
続いて、前記水処理部20の水処理方法について説明する。まず、前記原水タンク(図示省略)から供給された原水は、前記ボイラ1への給水として、前記活性炭ろ過処理部21を通過し、前記酸化剤が除去される。つぎに、この給水は、前記軟水化装置22を通過し、硬度分が除去された軟水となる。この軟水である給水は、前記プレフィルタ23を通過する際に、ゴミや濁質などがろ過され、清浄化された後、前記膜分離装置24へ供給される。
【0055】
前記膜分離装置24において、給水が前記分離膜を通過する際には、給水に含まれる硫酸イオンおよび塩化物イオンからなる腐食促進成分が捕捉され、除去される。一方、給水に含まれる腐食抑制成分であるシリカは、処理水とともに前記分離膜を通過する。前記膜分離装置24からの処理水,すなわち腐食促進成分が除去され,かつ腐食抑制成分を含む軟水は、前記脱気処理部25で脱気された後、前記ボイラ1への給水として前記給水タンク26内に貯留される。
【0056】
以上のように水処理部20で処理された給水が前記ボイラ1へ供給されると、前記各伝熱管(図示省略)に対し、腐食抑制成分を含む軟水がボイラ水として供給されることになる。この結果、ボイラ水に含まれる腐食抑制成分が前記各伝熱管の下端部分へ作用し、当該部分における腐食を抑制するようになる。より具体的には、腐食抑制成分は、前記各伝熱管のボイラ水との接触部分における減肉的な腐食を抑制するとともに、食孔の発生および成長も抑制し、腐食(とくに食孔)による前記伝熱管の破損を抑制する。この際、ボイラ水は、前記膜分離装置24により腐食促進成分が除去されているため、腐食抑制成分による前記のような腐食抑制作用は、腐食促進成分により阻害され難く、効果的に発揮されるようになる。
【0057】
ところで、前記膜分離装置24で給水の水質調節を行う過程においては、通常、前記第一排水弁31を開状態とするとともに、前記第二排水弁32を閉状態にする。したがって、前記膜分離装置24で発生する濃縮水は、その一部が前記第一排水ライン28aから排水され、残部が前記循環水ライン29を介して前記ポンプ27の上流側へ還流される。
【0058】
そして、前記処理水水質測定部34の検出値が当該水質項目の所定値を超えたとき、前記制御手段18は、前記第二排水弁32を開状態にし、濃縮水の排水量を増加させる。すると、前記膜分離装置24へ還流される濃縮水の量が減少するとともに、前記膜分離装置24へ新たに補給される給水の量が増加する。この結果、前記膜分離装置24では、濃縮水が混合された給水中の前記水質項目の濃度が低下することで前記分離膜の表面での濃縮度が低下し、前記膜分離装置24を通過する処理水における前記水質項目の濃度の増加が抑制される。したがって、前記分離膜は、前記水質項目の除去能力を維持することができるので、前記膜分離装置24からは、安定した水質の処理水が前記ボイラ1へ供給され続けることになる。この結果、前記ボイラ1において、無駄なブローを減少させることができる。
【0059】
前記水質項目の所定値は任意に設定することができ、特に制限されるものではないが、例えば、日本工業規格JIS B8223:1999に規定される数値を参考にすることができる。すなわち、前記ボイラ1を濃縮ブロー率10%で運転する場合、前記膜分離装置24からの処理水においては、全蒸発残留物(全溶解塩類濃度)として250mg/リットル、電気伝導率(全溶解塩類濃度)として40mS/m、塩化物イオン濃度として40mg/リットル、硬度として0.1mg /リットル、酸消費量(pH4.8)として10〜80mg/リットルをそれぞれ所定値とすることができる。また、シリカ濃度として60mg/リットル、硫酸イオン濃度として40mg/リットルをそれぞれ所定値とすることができる。
【0060】
前記水処理方法において、前記第二排水弁32を開状態にしている間、前記給水制御弁33を閉状態にしてもよい。このようにすると、前記膜分離装置24への給水は全て前記排水ライン28へ流れるので、前記膜分離装置24付近における前記水質項目の濃度を短時間で低減させることができる。同時に、前記排水ライン28へ流れる給水の流速が増加するので、前記分離膜表面に対する剪断力により膜面に沈着したスケールや汚れを剥離させることになり、前記分離膜の目詰まりを解消,あるいは軽減することもできる。
【0061】
以上、図1〜図3に基づいて本発明を説明したが、本発明は図1〜図3の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。たとえば、前記ボイラ1からの蒸気が負荷機器で利用された後に生成した復水を前記給水タンク26に回収し、ボイラ設備全体でさらに熱および水のロスを最小化するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明のボイラシステムの一実施例の構成を示す概略説明図である。
【図2】図1のボイラシステムを構成する水処理部の一実施例の構成を示す概略説明図である。
【図3】図2の水処理部の一部拡大図である。
【符号の説明】
【0063】
1 ボイラ
4 給水水質測定部
18 制御手段
20 水処理部
22 軟水化装置
24 膜分離装置
34 処理水水質測定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原水の水質を調節して給水を生成する水処理部と、
前記水処理部からの給水を加熱して蒸気を生成するボイラと、
前記給水について、全溶解塩類濃度,硬度,シリカ濃度,酸消費量(pH4.8),塩化物イオン濃度および硫酸イオン濃度から選ばれる水質項目の1種以上を測定する給水水質測定部と、
前記給水水質測定部の測定値と前記水質項目のボイラ水での許容値に基づいて濃縮ブロー率を算出し、この濃縮ブロー率となるように、濃縮ブロー量を調節する制御手段を備えることを特徴とするボイラシステム。
【請求項2】
キャリーオーバー関連項目(全溶解塩類濃度),腐食関連項目(塩化物イオン濃度,硫酸イオン濃度)およびスケール関連項目(硬度,シリカ濃度,酸消費量(pH4.8))からなる3群のうち2群以上を測定対象群とし、前記各測定対象群からそれぞれ1種以上の水質項目を測定する給水水質測定部を備えることを特徴とする請求項1に記載のボイラシステム。
【請求項3】
前記水処理部は、軟水化装置と、
前記軟水化装置の後段に設置される膜分離装置とを備え、
前記膜分離装置は、ナノろ過膜装置,逆浸透膜装置および電気透析装置のいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載のボイラシステム。
【請求項4】
前記軟水化装置は、イオン交換樹脂が分流再生または向流再生により再生されるように構成されていることを特徴とする請求項3記載のボイラシステム。
【請求項5】
請求項3または4に記載の膜分離装置は、前記膜分離装置の一側から供給される給水が、前記膜分離装置を通過する処理水と、前記膜分離装置を通過しない濃縮水と、に分かれて、それぞれ前記膜分離装置の他側から流出するように構成されており、
前記給水,前記処理水および前記濃縮水のいずれかについて、全溶解塩類濃度,硬度,シリカ濃度,酸消費量(pH4.8),塩化物イオン濃度および硫酸イオン濃度から選ばれる水質項目の1種以上を測定する処理水水質測定部を備え、
前記膜分離装置は、前記処理水水質測定部の測定値が所定値を超えたとき、前記濃縮水の排水量を増加させる制御手段を備えることを特徴とするボイラシステム。
【請求項6】
前記給水水質測定部および前記処理水水質測定部は、比色式センサまたは電極式センサを備えることを特徴とする請求項5に記載のボイラシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2009−192194(P2009−192194A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−36094(P2008−36094)
【出願日】平成20年2月18日(2008.2.18)
【出願人】(000175272)三浦工業株式会社 (1,055)
【出願人】(504143522)株式会社三浦プロテック (488)
【Fターム(参考)】