説明

ボイラ

【課題】 縦ヒレにより燃焼ガスのショートパスは防止しつつ、縦ヒレや水管への熱応力は緩和するボイラの提供。
【解決手段】 内側水管列7は、両ヒレ水管11とヒレ無し水管12とが交互に設けられて構成される。両ヒレ水管11の両側に設けられた各縦ヒレ9は、その先端部が、隣接するヒレ無し水管12の外周面に近接して設けられる。ボイラ1の燃焼時には、各縦ヒレ9の先端部が、ヒレ無し水管12の外周面に当接して、隣接する内側水管5,5間の隙間を閉塞する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、蒸気ボイラ、温水ボイラ、熱媒ボイラ、および廃熱ボイラや排ガスボイラを含む各種ボイラに関するものである。また、上部管寄せと下部管寄せとの間を、円筒状に配列した複数の垂直伝熱管にて連結し、少なくとも一部において、周方向に隣接する垂直伝熱管間の隙間に縦ヒレを設けた缶体を備える多管式のボイラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記各特許文献に開示されるように、環状に形成した上部管寄せと下部管寄せとの間に、多数の内側水管を円筒状に配列して内側水管列を構成すると共に、この内側水管列を取り囲むように多数の外側水管を円筒状に配列して外側水管列を構成し、内側水管間には上部管寄せから下方へ延出する内側縦ヒレを設けると共に、外側水管間には下部管寄せから上方へ延出する外側縦ヒレを設けた缶体が知られている。
【0003】
このような缶体を備えるボイラは、内側水管列の内側が燃焼室とされ、内側水管列と外側水管列との間が燃焼ガス流路とされる。そして、燃焼室と燃焼ガス流路とは、内側水管列の下部において、内側縦ヒレを設けなかったことで形成された内側水管間の隙間により連通される。また、燃焼ガス流路と煙道とは、外側水管列の上部において、外側縦ヒレを設けなかったことで形成された外側水管間の隙間により連通される。
【0004】
従って、缶体上部に設置したバーナから燃焼室内へ向けて燃料の燃焼を行うと、燃焼ガスは燃焼室の下部で反転して、内側水管列と外側水管列との間の燃焼ガス流路を上方へ流れ、排ガスとして缶体上部から煙道へ排出される。この間、燃焼ガスは、各水管内の水と熱交換し、各水管内の水の加熱が図られる。
【0005】
このような缶体においては、従来、内側縦ヒレは、特許文献1に明示されるように、その幅方向両端部が、隣接する各内側水管の外周面に溶接されている。
【特許文献1】特開昭62−155401号公報 (第3頁左上欄第19行〜左下欄第14行、第1図〜第3図)
【特許文献2】特開2004−225944号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されるように、縦ヒレの幅方向両端部を隣接する各水管に溶接して、水管同士を縦ヒレにて連結する構成の場合、縦ヒレの両側が拘束されるため、燃焼室での燃焼による熱膨張を逃がすことができない。特に、内側水管列は、燃焼ガス温度が高いために、高い熱応力を生じることになる。
【0007】
このような熱応力の緩和のために、特許文献2に開示される発明では、隣り合う内側縦ヒレの下端部の高さ位置を異ならせている。ところが、この場合も、内側縦ヒレの幅方向両端部が隣接する各内側水管に溶接されていることに変わりはなく、熱応力緩和のための根本的な解決には至っていない。しかも、内側縦ヒレの大きさが異なるので、部品の共通化を図ることもできない。
【0008】
さらに、従来の構成はいずれも、内側縦ヒレは、その両端部を内側水管に溶接されるので、溶接工数が多くなりがちである。しかも、各水管列において縦ヒレの両端部を水管に溶接する関係上、上部管寄せと下部管寄せとの間に内側水管および外側水管を設置した後に、内側水管間および外側水管間にそれぞれ縦ヒレを溶接する必要がある。そのため、内側水管列においては、炉外側(水管列の外側)からの溶接が不可能であり、また外側水管列においては、炉内側(水管列の内側)からの溶接が不可能である。従って、水管と縦ヒレとが一体化されないことにより、縦ヒレから水管への伝熱性や、取付強度において、改善の余地があった。
【0009】
この発明が解決しようとする課題は、水管や縦ヒレに作用する熱応力の緩和を図ることにある。また、好ましくは、内側縦ヒレ部品の共通化、缶体の組立作業性の改善、縦ヒレから水管への伝熱性の改善、水管への縦ヒレの取付強度の改善を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、上部管寄せと下部管寄せとの間に円筒状に配列されて伝熱管列を構成する複数の伝熱管と、前記伝熱管列の上下方向一端部または周方向一部を残して、隣接する前記伝熱管間の隙間を閉塞するよう設けられるが、隣接する前記伝熱管同士を連結しない複数の縦ヒレとを備えることを特徴とするボイラである。
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、隣接する伝熱管同士を連結しない縦ヒレを有する。この縦ヒレが設けられた箇所では、隣接する伝熱管同士は縦ヒレにて連結されないので、伝熱管や縦ヒレに生じる熱応力を緩和することができる。しかも、縦ヒレが設けられた箇所において、隣接する伝熱管間の隙間は縦ヒレにて閉塞されるので、燃焼ガスのショートパスを防止することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、前記縦ヒレを有する伝熱管列は、隣接する周方向両側の前記伝熱管との隙間を閉塞するよう前記縦ヒレを両側に有する両ヒレ伝熱管と、前記縦ヒレを有しないヒレ無し伝熱管とが、交互に設けられて構成され、前記縦ヒレを有する伝熱管列よりも内側の燃焼室と、前記縦ヒレを有する伝熱管列よりも外側の燃焼ガス流路とは、上下方向一端部において、前記縦ヒレが設けられないことで連通されていることを特徴とする請求項1に記載のボイラである。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、両ヒレ伝熱管とヒレ無し伝熱管とを交互に設けて伝熱管列が構成されるので、部品の共通化と組立作業性の改善を図ることができる。また、伝熱管に縦ヒレを設けた後に、上部管寄せと下部管寄せとの間に設けることも可能となる。そして、その場合には、組立時の作業性が向上する。しかも、伝熱管に縦ヒレを溶接して設ける場合には、炉外側だけでなく炉内側も、予め溶接しておくことができる。従って、取付強度が向上するだけでなく、伝熱管と縦ヒレとの一体化により、縦ヒレから伝熱管への伝熱の向上を図ることもできる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、前記縦ヒレを有する伝熱管列は、隣接する周方向片側の前記伝熱管との隙間を閉塞するよう前記縦ヒレを片側に有する片ヒレ伝熱管が、順次設けられて構成され、前記縦ヒレを有する伝熱管列よりも内側の燃焼室と、前記縦ヒレを有する伝熱管列よりも外側の燃焼ガス流路とは、上下方向一端部において、前記縦ヒレが設けられないことで連通されていることを特徴とする請求項1に記載のボイラである。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、片ヒレ伝熱管を順次設けて伝熱管列が構成されるので、部品の共通化と組立作業性の改善を図ることができる。また、伝熱管に縦ヒレを設けた後に、上部管寄せと下部管寄せとの間に設けることも可能となる。そして、その場合には、組立時の作業性が向上する。しかも、伝熱管に縦ヒレを溶接して設ける場合には、炉外側だけでなく炉内側も、予め溶接しておくことができる。従って、取付強度が向上するだけでなく、伝熱管と縦ヒレとの一体化により、縦ヒレから伝熱管への伝熱の向上を図ることもできる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、前記縦ヒレは、燃焼ガスまたは排ガスによる熱膨張により、隣接する前記伝熱管間の隙間を閉塞する大きさとされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のボイラである。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、縦ヒレは、熱膨張により、隣接する伝熱管間の隙間を閉塞するので、燃焼ガスのショートパスを一層確実に防止することができる。
【0018】
さらに、請求項5に記載の発明は、隣接する伝熱管間に設けられ、一端部が、一方の伝熱管の外周面に設けられ、他端部が、燃焼室での燃料の燃焼による熱膨張により他方の伝熱管に当接する縦ヒレを有することを特徴とするボイラである。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、隣接する伝熱管同士は縦ヒレにて連結されないので、伝熱管や縦ヒレに生じる熱応力を緩和することができる。しかも、縦ヒレが設けられた箇所において、隣接する伝熱管間の隙間は、縦ヒレの熱膨張により確実に閉塞される。
【発明の効果】
【0020】
この発明のボイラによれば、縦ヒレや伝熱管に作用する熱応力の緩和を図ることができる。また、実施の形態に応じて、内側縦ヒレ部品の共通化、缶体の組立作業性の改善、縦ヒレから伝熱管への伝熱性の改善、伝熱管への縦ヒレの取付強度の改善を図ることも可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
つぎに、この発明の実施の形態について説明する。
本発明のボイラは、その種類を特に問わないが、たとえば、蒸気ボイラ、温水ボイラ、熱媒ボイラ、廃熱ボイラまたは排ガスボイラである。いずれの場合も、ボイラは、多管式ボイラとされ、典型的には多管式小型貫流ボイラとされる。
【0022】
具体的には、ボイラは、上部管寄せと下部管寄せとの間を複数の伝熱管で接続して構成される缶体を備える。上部管寄せと下部管寄せとは、上下に離隔して平行に配置され、それぞれ中空の円環状とされている。各伝熱管は、垂直に配置され、上部管寄せと下部管寄せとの間を接続する。すなわち、各伝熱管は、上端部が上部管寄せに接続される一方、下端部が下部管寄せに接続される。各伝熱管は、上部管寄せと下部管寄せとの間に、それらの周方向へ沿って配列されることで、円筒状の伝熱管列を構成する。
【0023】
伝熱管列は、一列に限らず、二列もしくは三列、またはそれ以上であってもよい。たとえば、缶体は、内側伝熱管列と外側伝熱管列とを備える。この場合、内側伝熱管列は、上部管寄せと下部管寄せとの間に円筒状に配列された複数の内側伝熱管から構成される。また、外側伝熱管列は、内側伝熱管列を取り囲むように、上部管寄せと下部管寄せとの間に円筒状に配列された複数の外側伝熱管から構成される。このように伝熱管列を複数とする場合、各伝熱管列は同心円筒状に配列される。
【0024】
缶体は、通常、上下方向一方が閉塞され、上下方向他方にバーナが設けられる。このようにして、最も内側に配列される伝熱管列よりも内側が燃焼室とされ、この燃焼室内へ向けてバーナから燃料の燃焼が可能とされる。但し、廃熱ボイラや排ガスボイラとする場合には、缶体は、上下方向一方が閉塞され、上下方向他方の開口部から排ガスが導入される。つまり、廃熱ボイラや排ガスボイラの場合には、最も内側に配列される伝熱管列よりも内側の空間へ、排ガスが導入される。いずれの場合も、缶体の外周部は、缶体カバーにて覆われる。
【0025】
缶体カバーは、各伝熱管列を取り囲むように、上部管寄せと下部管寄せとの間に設けられる円筒状の部材である。この際、缶体カバーは、上端部において、上部管寄せとの隙間が封止され、下端部において、下部管寄せとの隙間が封止される。この缶体カバーには、煙道が接続される。燃焼室からの燃焼ガス(廃熱ボイラや排ガスボイラの場合には排ガス)は、各伝熱管と熱交換後、排ガスとして煙道から排出される。
【0026】
燃焼ガスは、伝熱管との熱交換が有効になされるように、伝熱管列と伝熱管列との間、および/または、伝熱管列と缶体カバーとの間を、設定された経路で流通する。この経路を規定するために、一部または全部の伝熱管列には、その上下方向一端部または周方向一部を残して、隣接する伝熱管間の隙間を閉塞するための縦ヒレが設けられる。
【0027】
ここで、一部または全部の縦ヒレは、隣接する伝熱管同士を連結せずに設けられる。そのための構成として、次の三つの実施形態を挙げることができる。
【0028】
第一実施形態では、両ヒレ伝熱管とヒレ無し伝熱管とが交互に設けられる。両ヒレ伝熱管とは、隣接する周方向両側のヒレ無し伝熱管との隙間を閉塞するように、縦ヒレを両側に有する伝熱管である。また、ヒレ無し伝熱管とは、縦ヒレを有しない伝熱管である。両ヒレ伝熱管は、その縦ヒレの先端部が、隣接する他の伝熱管の外周面に近接して設けられる。本実施形態において、伝熱管列の全周に亘って縦ヒレを設けたい場合、両ヒレ伝熱管とヒレ無し伝熱管とを交互に設ける関係上、伝熱管列は偶数本で構成するのが好ましい。但し、次に述べる片ヒレ伝熱管を一部に用いることで、奇数本で構成することも可能である。
【0029】
第二実施形態では、片ヒレ伝熱管が順次に設けられる。片ヒレ伝熱管とは、隣接する周方向片側の伝熱管との隙間を閉塞するように、縦ヒレを片側に有する伝熱管である。片ヒレ伝熱管は、その縦ヒレの先端部が、隣接する他の伝熱管の外周面に近接して設けられる。
【0030】
第三実施形態では、前記両ヒレ伝熱管が順次に設けられる。この場合、両ヒレ伝熱管は、その縦ヒレの先端部が、隣接する他の伝熱管の縦ヒレの先端部に近接して設けられる。すなわち、隣接する両ヒレ伝熱管は、その縦ヒレの先端部同士が付き合わされるように近接して設けられる。
【0031】
いずれの実施形態でも、各縦ヒレは、燃焼ガスで加熱されることにより熱膨張して、隣接する伝熱管間の隙間をちょうど閉塞する大きさとしておくのが好ましい。つまり、縦ヒレの先端部と、隣接する伝熱管本体またはその縦ヒレとの間に空けておく隙間は、ボイラ運転時の縦ヒレの温度上昇に伴う伸び量としておくのが好ましい。これにより、第一実施形態では、両ヒレ伝熱管の各縦ヒレが、隣接する他の伝熱管の外周面に当接する。また、第二実施形態では、片ヒレ伝熱管の縦ヒレが、隣接する他の伝熱管の外周面に当接する。さらに、第三実施形態では、両ヒレ伝熱管の各縦ヒレが、隣接する他の両ヒレ伝熱管の縦ヒレに当接する。
【0032】
このような構成を最も内側の伝熱管列に適用した場合には、その伝熱管列よりも内側の燃焼室と、その伝熱管列よりも外側の燃焼ガス流路とは、その伝熱管列の上下方向一端部または周方向一部において、縦ヒレが設けられないことで連通される。
【0033】
両ヒレ伝熱管および片ヒレ伝熱管は、押出し形材などとして、縦ヒレと伝熱管本体とを一体的に形成してもよいが、通常は、伝熱管本体を構成する円管の外周面に、縦ヒレを構成する角棒を、前記円管の軸方向へ沿って配置して、溶接して構成される。いずれにしても、伝熱管本体に縦ヒレを設けた後に、上部管寄せと下部管寄せとの間に設けることができる。予め伝熱管本体に縦ヒレを溶接しておくことで、上部管寄せと下部管寄せとの間への設置状態において、炉外側だけでなく炉内側も溶接しておくことができる。これにより、取付強度が向上するだけでなく、伝熱管と縦ヒレとの一体化により、縦ヒレから伝熱管への伝熱の向上を図ることができる。
【0034】
ところで、両ヒレ伝熱管や片ヒレ伝熱管の各縦ヒレは、典型的には、伝熱管本体の径方向外側へ突出して設けられる。この際、隣接する伝熱管の中心同士を結んだ直線上に配置すれば、隣接する伝熱管間の隙間を最短距離で閉塞することができる。但し、各縦ヒレは、炉内側または炉外側へずらした位置に設けてもよい。また、各縦ヒレは、必ずしも伝熱管本体の径方向へ突出させなくてもよい。
【実施例1】
【0035】
以下、この発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明のボイラの実施例1を示す概略縦断面図であり、図2は、そのII−II断面図である。本実施例のボイラ1は、円筒状の缶体2を備えた多管式小型貫流ボイラである。缶体2は、上部管寄せ3と下部管寄せ4との間を、円筒状に配列された多数の水管(伝熱管)5,5,…,6,6,…で接続して構成される。
【0036】
上部管寄せ3と下部管寄せ4とは、上下に離隔して平行に配置され、それぞれ中空の円環状とされている。また、上部管寄せ3と下部管寄せ4とは、それぞれ水平に配置されると共に、同一軸線上に配置される。
【0037】
各水管5,6は、垂直に配置され、下端部が下部管寄せ4に接続される一方、上端部が上部管寄せ3に接続される。各水管5,6は、上部管寄せ3と下部管寄せ4との周方向へ順次に配列されることで、円筒状の水管列を構成する。本実施例では、内側水管列7と外側水管列8とが同心円筒状に配列されている。内側水管列7は、円筒状に配列された内側水管5,5,…にて構成される。一方、外側水管列8は、内側水管列7を取り囲むように、円筒状に配列された外側水管6,6,…にて構成される。
【0038】
内側水管列7には、下端部の設定領域を残して、隣接する内側水管5,5間の隙間を閉塞するように、内側縦ヒレ9が設けられる。つまり、内側水管5,5間の隙間は、下端部の設定領域を残して、内側縦ヒレ9にて閉塞される。内側水管列7は、内側縦ヒレ9が設けられない下端部において、隣接する内側水管5,5間に隙間が空けられる。この隙間は、内側水管列7の内側と外側とを連通するための連通部(内列連通部という)10とされる。
【0039】
図3および図4は、内側水管列7の一部を拡大して示す概略横断面図であり、図3はボイラ1の冷態時、図4はボイラ1の燃焼時を示している。図3に示すように、内側水管列7は、両ヒレ水管11とヒレ無し水管12とが交互に設けられて構成される。両ヒレ水管11は、水管本体を構成する円管状の内側水管5に、二つの内側縦ヒレ9,9が設けられて構成される。一方、ヒレ無し水管12は、水管本体を構成する円管状の内側水管5から形成され、内側縦ヒレ9は設けられない。
【0040】
両ヒレ水管11の各内側縦ヒレ9は、隣接する周方向両側のヒレ無し水管12,12との隙間を閉塞するように設けられる。典型的には、両ヒレ水管11の各内側縦ヒレ9は、それが設けられる内側水管5の半径方向外側へ突出して設けられる。この際、両側の内側縦ヒレ9,9は、それが設けられる内側水管5の直径方向両側へ突出して設けてもよいし、隣接する内側水管5の中心同士を結んだ直線上に設けてもよい。あるいは、各内側縦ヒレ9は、炉内側または炉外側へずらした位置に設けてもよい。
【0041】
各内側縦ヒレ9は、断面矩形状の細長い棒材から構成され、その長手方向を内側水管5の軸線と平行にして設けられる。各内側縦ヒレ9は、その基端部(幅方向一端部)を内側水管5の外周面に当接した状態で、内側水管5に溶接(溶接部13)される。この際、内側水管5の左右に、内側縦ヒレ9を同時に溶接すれば、内側水管5に反りが生じにくい。また、各内側縦ヒレ9は、その厚さ方向(炉内外方向)両端部において、内側水管5との間を長手方向全域に亘ってスミ肉溶接される。これにより、内側水管5と各内側縦ヒレ9とを一体化して、内側水管5への内側縦ヒレ9の取付強度を向上するだけでなく、内側縦ヒレ9から内側水管5への伝熱性の向上を図ることができる。
【0042】
両ヒレ水管11は、その内側縦ヒレ9,9の先端部が、隣接するヒレ無し水管12の外周面に、近接して設けられる。この際、場合により、緩やかに当接させたり、一部だけは当接させたりしてもよい。ここで、各内側縦ヒレ9の先端部と、ヒレ無し水管12の外周面との離隔距離は、ボイラ1の燃焼時の内側縦ヒレ9の温度上昇に伴う伸び量αとしている(図5)。たとえば、図5は、両ヒレ水管11の内側縦ヒレ9を、隣接する内側水管5,5の中心同士を結んだ直線上に配置した状態を示す図であるが、この図において、内側水管5,5間の隙間δは、内側縦ヒレ9の幅寸法Lに対して、L+αとされる。ここで、内側縦ヒレ9の幅寸法Lは、特に問わないが、焼損防止のために、10mm以下が好ましく、たとえば6mmに設定される。なお、内側水管5の外径は、通常、約5cmである。
【0043】
本実施例の場合、内側水管列7には、下端部の設定領域を残して、隣接する内側水管5,5間の隙間を閉塞するように、内側縦ヒレ9が全周に亘って設けられる。そして、前述したように、両ヒレ水管11とヒレ無し水管12とを交互に設けて構成される。従って、内側水管列7は、偶数本で構成するのが好適である。但し、後述する片ヒレ水管14(図7)を一部に用いることで、奇数本でも構成可能である。
【0044】
本実施例のように、両ヒレ水管11とヒレ無し水管12とを交互に配置して、隣接する内側水管5,5同士を溶接しない構成の場合、予め内側縦ヒレ9,9を設けた両ヒレ水管11を用意した後に、上部管寄せ3と下部管寄せ4との間に設けることができる。予め内側水管5に内側縦ヒレ9,9を溶接しておくことで、上部管寄せ3と下部管寄せ4との間への設置状態において、炉外側だけでなく炉内側も溶接しておくことができる。これにより、取付強度が向上するだけでなく、内側水管5と内側縦ヒレ9,9との一体化により、内側縦ヒレ9,9から内側水管5への伝熱性の向上を図ることができる。
【0045】
外側水管列8には、上端部の設定領域を残して、隣接する外側水管6,6間の隙間を閉塞するように、外側縦ヒレ15が設けられる。つまり、外側水管6,6間の隙間は、上端部の設定領域を残して、外側縦ヒレ15にて閉塞される。外側水管列8は、外側縦ヒレ15が設けられない上端部において、隣接する外側水管6,6間に隙間が空けられる。この隙間は、外側水管列8の内側と外側とを連通するための連通部(外列連通部という)16とされる。
【0046】
図6は、外側水管列8の一部を拡大して示す概略横断面図である。本実施例の外側水管列8は、内側水管列7と同様に、両ヒレ水管11とヒレ無し水管12とを交互に配置して構成される。両ヒレ水管11は、水管本体を構成する円管状の外側水管6に、二つの外側縦ヒレ15,15を設けて構成される。外側水管6に対する外側縦ヒレ15,15の設け方は、内側水管列7の場合と同様であるが、外側縦ヒレ15の幅寸法は、内側縦ヒレ9の幅寸法よりも大きくすることもできる。一方、ヒレ無し水管12は、水管本体を構成する円管状の外側水管6から形成され、外側縦ヒレ15は設けられない。
【0047】
外側水管列8も内側水管列7と同様に、ボイラ1の燃焼による熱膨張により、両ヒレ水管11の各外側縦ヒレ15の先端部が、隣接するヒレ無し水管12の外周面に当接する構成とすることができる。但し、外側水管列8の場合、両ヒレ水管11の各外側縦ヒレ15の先端部は、予めヒレ無し水管12の外周面に当接して、溶接しておいてもよい。これは、外側水管列8により燃焼ガスまたは排ガスを封止するためである。
【0048】
外側水管列8も内側水管列7と同様に、外側水管6に外側縦ヒレ15,15を設けた後に、上部管寄せ3と下部管寄せ4との間に設けることができる。予め外側水管6に外側縦ヒレ15を溶接しておくことで、上部管寄せ3と下部管寄せ4との間への設置状態において、炉外側だけでなく炉内側も溶接しておくことができる。これにより、取付強度が向上するだけでなく、外側水管6と外側縦ヒレ15との一体化により、外側縦ヒレ15から外側水管6への伝熱性の向上を図ることができる。そして、前述したように、燃焼ガスまたは排ガスを封止するために、各両ヒレ水管11の各外側縦ヒレ15の先端部を、ヒレ無し水管12の外周面に予め当接して溶接しておく構成の場合には、炉外側から溶接(溶接部18)すればよい。
【0049】
ところで、各内側水管5には、所望により、その外周面から突出する内側横ヒレ(図示省略)をさらに設けてもよい。また、同様に、各外側水管6には、所望により、その外周面から突出する外側横ヒレ(図示省略)をさらに設けてもよい。各横ヒレは、上下に離隔して各水管5,6に複数設けることができる。また、各横ヒレは、通常、各水管5,6の径方向外側へツバ状に延出して設けられる。この際、水平方向に対し所望角度だけ傾斜させておくことで、燃焼ガスに旋回流を生じさせることができる。横ヒレの設置の有無、設置領域および設置位置、設置枚数、形状や大きさなどは適宜に設定される。
【0050】
上部管寄せ3と下部管寄せ4との間にはさらに、外側水管列8を取り囲むように、円筒状の缶体カバー17が設けられる。缶体カバー17は、上端部において、上部管寄せ3との隙間が封止され、下端部において、下部管寄せ4との隙間が封止される。缶体カバー17の周側壁上部には、煙道19が接続される。但し、外側水管列8が缶体カバー17の一部を兼ねる構成としてもよい。この場合、缶体カバー17は、外側縦ヒレ15を有する箇所の外側水管列8と、上部管寄せ3とを接続するよう設けられる。
【0051】
上部管寄せ3の下面および下部管寄せ4の上面には、各管寄せ3,4と各水管5,6との接続部を覆うように、耐火材20が設けられる。この際、下部管寄せ4側の耐火材20は、下部管寄せ4の中央部をも閉塞するように設けられる。下部管寄せ4側の耐火材20の中央部には、円柱状または円錐台状の凹部が形成されている。
【0052】
ところで、図示例では、各内側水管5の下端部は、それより上部よりも小径部21に形成されている。これは、内列連通部10を通過する燃焼ガスの流量を所望に確保するためである。従って、内列連通部10を通過する燃焼ガスの流量を所望に確保できる場合には、小径部21は必須ではない。内列連通部10の大きさは、隣接する内側水管5,5間の隙間と、内側縦ヒレ9の下端部の高さ位置にも左右されるため、小径部21を設ける代わりに、これら寸法を調整してもよい。一方、図示例では、各外側水管6の上端部には、小径部は形成されていないが、各内側水管5と同様に小径部を形成してもよい。
【0053】
上部管寄せ3の中央部には、下方へ向けてバーナ22が設けられる。このバーナ22には、燃料が供給されると共に、燃焼用空気が供給される。バーナ22を作動させることで、缶体2内において燃料の燃焼が行われる。この際、内側水管列7の内側は、燃焼室23として機能する。
【0054】
燃焼室23での燃料の燃焼による燃焼ガスは、内列連通部10を介して、内側水管列7と外側水管列8との間の燃焼ガス流路24へ導出される。そして、その燃焼ガスは、外列連通部16および缶体カバー17の煙道19を介して、排ガスとして外部へ排出される。この間、燃焼ガスは、各水管5,6内の水と熱交換し、各水管5,6内の水の加熱が図られる。これにより、上部管寄せ3から蒸気を取り出すことができ、その蒸気は気水分離器(図示省略)などを介して、蒸気使用設備(図示省略)へ送られる。
【0055】
本実施例では、各水管列7(8)は、隣接する水管5,5(6,6)間に隙間を空けて、その隙間に縦ヒレ9(15)を設ける構成である。このような構成により、各水管5,5(6,6)間の隙間への燃焼ガスの流入を可能として、その隙間がデッドスペースとなるのを防止し、また縦ヒレ9(15)により、燃焼ガスから各水管5(6)への伝熱効率を高めることができる。さらに、外側水管列8の全周から放射状に排ガスを出した後、缶体カバー17との間の円筒状隙間を介して煙道19へ排ガスを導く構成であるから、外側水管列8の周方向全域で均等な排ガスの流れを確保することができる。
【0056】
図7は、内側水管列7の変形例を示す概略横断面図である。この図に示すように、内側水管列7は、両ヒレ水管11とヒレ無し水管12とを交互に配置する代わりに、片ヒレ水管14を順次に配置して構成してもよい。片ヒレ水管14は、水管本体を構成する円管状の内側水管5の周方向一箇所に、径方向外側へ突出して、内側縦ヒレ9を設けて構成される。そして、片ヒレ水管14は、その内側縦ヒレ9の先端部が、隣接する他の内側水管5の外周面に近接して設けられる。この場合も、ボイラ1の燃焼時には、各内側水管5,5間の隙間は、内側縦ヒレ9の熱膨張により完全に閉塞される。
【0057】
また、片ヒレ水管14を順次に設ける代わりに、両ヒレ水管11を順次に設けてもよい。この場合、隣接する両ヒレ水管11,11は、その内側縦ヒレ9,9の先端部同士が、突き合わされるようにして、近接して配置される。そして、この場合も、ボイラ1の燃焼時には、各内側水管5,5間の隙間は、内側縦ヒレ9,9の熱膨張により完全に閉塞される。
【0058】
このような変形例は、内側水管列7に限らず、外側水管列8にも同様に適用可能である。その際、外側水管列8が缶体カバー17を兼ねる場合には、各外側縦ヒレ15の先端部が、隣接する他の外側水管6やその縦ヒレ15に溶接されるのも同様である。また、いずれの変形例の場合も、内側水管5に内側縦ヒレ9を設けたり、外側水管6に外側縦ヒレ15を設けたりした後に、上部管寄せ3と下部管寄せ4との間に設けることで、組立作業性が向上し、また各縦ヒレ9,15からの伝熱性などを向上させることができる。
【実施例2】
【0059】
図8は、本発明のボイラの実施例2を示す概略縦断面図である。本実施例2のボイラも、基本的には前記実施例1のボイラ1と同様である。そこで、以下においては、両者の異なる点を中心に説明し、対応する箇所には同一の符号を付して説明する。
【0060】
前記実施例1のボイラ1では、内側水管列7の下端部に内列連通部10を設け、外側水管列8の上端部に外列連通部16を設けた。これにより、缶体2上部のバーナ22からの燃焼ガスは、内側水管列7の下端部の内列連通部10から燃焼ガス流路24へ入り、外側水管列8の上端部の外列連通部16から缶体カバー17へ排出される構成であった。一方、本実施例2のボイラ1では、内側水管列7の上端部に内列連通部10を設け、外側水管列8の下端部に外列連通部16を設けた。これにより、缶体2上部のバーナ22からの燃焼ガスは、内側水管列7の上端部の内列連通部10から燃焼ガス流路24へ入り、外側水管列8の下端部の外列連通部16から缶体カバー17へ排出される構成である。
【0061】
本実施例2の場合も、少なくとも内側水管列7は、前記実施例1と同様に、両ヒレ水管11とヒレ無し水管12との交互の配置、または、片ヒレ水管14もしくは両ヒレ水管11の順次の配置などにより構成される。そして、ボイラ1の冷態時には、内側縦ヒレ9の先端部は隣接する内側水管5に近接しており、ボイラ1の燃焼時には、隣接する内側水管5,5間の隙間が閉塞される。その他の構成は、前記実施例1と同様であるため、説明は省略する。
【実施例3】
【0062】
図9は、本発明のボイラの実施例3を示す概略横断面図である。本実施例3のボイラも、基本的には前記実施例1などのボイラ1と同様である。そこで、以下においては、両者の異なる点を中心に説明し、対応する箇所には同一の符号を付して説明する。
【0063】
前記各実施例では、内側水管列7の上下方向一端部(上部または下部)に内列連通部10が設けられたが、本実施例3では、内側水管列7の周方向一部に内列連通部10が設けられる。すなわち、図9において、左周側面の所定領域においては、内側水管列7には内側縦ヒレ9(場合によりさらに内側水管5)が設けられておらず、その他の箇所には内側縦ヒレ9が、内側水管5,5間の上下方向全域に亘って設けられている。
【0064】
また、前記各実施例では、外側水管列8の上下方向他端部(下部または上部)に外列連通部16が設けられたが、本実施例3では、外側水管列8の周方向他部に外列連通部16が設けられる。すなわち、図9において、右周側面の所定領域においては、外側水管列8には外側縦ヒレ15(場合によりさらに外側水管6)が設けられておらず、その他の箇所には外側縦ヒレ15が、外側水管間の上下方向全域に亘って設けられている。
【0065】
本実施例3においても、内側縦ヒレ9が設けられた箇所は、前記実施例1と同様に、両ヒレ水管11とヒレ無し水管12との交互の配置、または、片ヒレ水管14もしくは両ヒレ水管11の順次の配置などにより構成される。そして、ボイラ1の冷態時には、内側縦ヒレ9の先端部は隣接する内側水管5,5に近接しており、ボイラ1の燃焼時には、隣接する内側水管5,5間の隙間が閉塞される。
【0066】
また、本実施例3の場合、外側水管列8と缶体カバー17との間は、外側縦ヒレ15よりも外周側が、耐火材20および/または断熱材により閉塞されている。これにより、燃焼室23からの燃焼ガスは、周方向一端部(図9において左側)の内列連通部10を通って、内側水管列7と外側水管列8との燃焼ガス流路24を通り、周方向他端部(図9において右側)の煙道19から排出される。このような燃焼ガスの流路は、横向きのω状であるので、ωフロー缶体と呼ばれる。その他の構成は、前記実施例1と同様であるため、説明は省略する。
【0067】
本発明のボイラ1は、前記各実施例の構成に限らず適宜変更可能である。たとえば、前記実施例では、内側水管列7と外側水管列8とを設けたが、水管列7,8の数は適宜に増減できる。また、前記各実施例では、缶体2の下部を閉塞し、缶体2の上部にバーナ22を設けたが、これとは逆に、缶体2の上部を閉塞し、缶体2の下部にバーナ22を設けてもよい。
【0068】
また、前記各実施例では、蒸気ボイラに適用した例について説明したが、温水ボイラや熱媒ボイラにも同様に適用可能である。さらに、前記各実施例において、バーナ22を設ける代わりに、内側水管列7の内側に排ガスを導入すれば、廃熱ボイラや排ガスボイラとすることができる。
【0069】
また、前記各実施例において、両ヒレ水管11や片ヒレ水管14は、円管状の水管本体(内側水管5,外側水管6)に縦ヒレ(内側縦ヒレ9,外側縦ヒレ15)を溶接して設けたが、水管本体と縦ヒレとは一体形成してもよい。たとえば、押出し形材により、水管本体と縦ヒレとを一体形成してもよい。
【0070】
また、前記各実施例において、両ヒレ水管11や片ヒレ水管14は、その各縦ヒレ9(15)が水管本体5(6)の外周面に円滑に接触するように、基端部や先端部を、水管本体5(6)の外周面に沿う円弧状に形成しておいてもよい。
【0071】
さらに、前記各実施例において、各縦ヒレ5,6の高さ寸法、幅寸法、厚さ寸法は、適宜に変更され、また各水管列7,8を構成する各水管5,6の本数も適宜に変更可能なことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明のボイラの実施例1を示す概略縦断面図である。
【図2】図1におけるII−II断面図である。
【図3】図1のボイラの内側水管列の一部を拡大して示す概略横断面図であり、ボイラの冷態時を示している。
【図4】図1のボイラの内側水管列の一部を拡大して示す概略横断面図であり、ボイラの燃焼時を示している。
【図5】図1のボイラの内側水管列の一部を拡大して示す概略横断面図であり、両ヒレ水管の内側縦ヒレを隣接する内側水管の中心同士を結んだ直線上に配置した状態を示している。
【図6】図1のボイラの外側水管列の一部を拡大して示す概略横断面図である。
【図7】図1のボイラの内側水管列の変形例を示す概略横断面図である。
【図8】本発明のボイラの実施例2を示す概略縦断面図である。
【図9】本発明のボイラの実施例3を示す概略横断面図である。
【符号の説明】
【0073】
1 ボイラ
2 缶体
3 上部管寄せ
4 下部管寄せ
5 内側水管(内側伝熱管)
6 外側水管(外側伝熱管)
7 内側水管列(内側伝熱管列)
8 外側水管列(外側伝熱管列)
9 内側縦ヒレ
11 両ヒレ水管(両ヒレ伝熱管)
12 ヒレ無し水管(ヒレ無し伝熱管)
14 片ヒレ水管(片ヒレ伝熱管)
15 外側縦ヒレ
23 燃焼室
24 燃焼ガス流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部管寄せと下部管寄せとの間に円筒状に配列されて伝熱管列を構成する複数の伝熱管と、
前記伝熱管列の上下方向一端部または周方向一部を残して、隣接する前記伝熱管間の隙間を閉塞するよう設けられるが、隣接する前記伝熱管同士を連結しない複数の縦ヒレと
を備えることを特徴とするボイラ。
【請求項2】
前記縦ヒレを有する伝熱管列は、隣接する周方向両側の前記伝熱管との隙間を閉塞するよう前記縦ヒレを両側に有する両ヒレ伝熱管と、前記縦ヒレを有しないヒレ無し伝熱管とが、交互に設けられて構成され、
前記縦ヒレを有する伝熱管列よりも内側の燃焼室と、前記縦ヒレを有する伝熱管列よりも外側の燃焼ガス流路とは、上下方向一端部において、前記縦ヒレが設けられないことで連通されている
ことを特徴とする請求項1に記載のボイラ。
【請求項3】
前記縦ヒレを有する伝熱管列は、隣接する周方向片側の前記伝熱管との隙間を閉塞するよう前記縦ヒレを片側に有する片ヒレ伝熱管が、順次設けられて構成され、
前記縦ヒレを有する伝熱管列よりも内側の燃焼室と、前記縦ヒレを有する伝熱管列よりも外側の燃焼ガス流路とは、上下方向一端部において、前記縦ヒレが設けられないことで連通されている
ことを特徴とする請求項1に記載のボイラ。
【請求項4】
前記縦ヒレは、燃焼ガスまたは排ガスによる熱膨張により、隣接する前記伝熱管間の隙間を閉塞する大きさとされている
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のボイラ。
【請求項5】
隣接する伝熱管間に設けられ、一端部が、一方の伝熱管の外周面に設けられ、他端部が、燃焼室での燃料の燃焼による熱膨張により他方の伝熱管に当接する縦ヒレを有する
ことを特徴とするボイラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−267712(P2008−267712A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−112228(P2007−112228)
【出願日】平成19年4月20日(2007.4.20)
【出願人】(000175272)三浦工業株式会社 (1,055)
【出願人】(504143522)株式会社三浦プロテック (488)