説明

ボクサーショーツ型下着製品及びその製造方法

本発明は、パンツ部分(2)と脚部部分(3)とを備えるショーツ型下着製品に関する。本発明によれば、パンツ部分(2)は、ゆったりした編地から作られるのに対して、脚部部分(3)は、体にぴったりした編地から作られる。本発明の製品は、好ましくは丸編みによって作られる。脚部部分(3)は、パンツ部分(2)と同じメッシュを使用して作られるが、エラステーン糸を採用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に男性用に意図されるが、女性又は子供用製品の製造に使用してもよい、下半身用ランジェリーのボクサーショーツ型製品に関する。ブリーフ、下帯、ボクサーブリーフ、ボクサーショーツなどの下着類の様々な製品が、男性の下半身に着けるために販売されていることは知られている。本発明は、特にボクサーブリーフ及びボクサーショーツに関する。
【背景技術】
【0002】
ボクサーブリーフは、ウエストから大腿中央部分まで身体に接して着用される製品であり、この利点は、それが胴体の下部部分及び大腿の形状にぴったり合うことである。ボクサーショーツは、身体の同じ部分に着けられるが、身体から離れて、ゆったり着用される。これら二つの製品は非常に人気があるが、特に下着、例えばズボンの下に着用されるとき、利点と不利な点とを有する。ボクサーブリーフは、身体に密接して、まさに密着して着用される利点があるが、これにより、胴体の下部部分及び男性の性器に対して、解放感の欠如、過度の圧縮等不快感を引き起こすことがある。ボクサーショーツは、身体から離れて着用され、従って少しも圧縮がなく、アウターウエアが着用されないとき、くつろぎの時間の間、一般にきわめて快適である。これの弱点は、ズボンの下に着用されるとき明らかになる。ゆったりした脚部が、ズボンの脚部に対して不完全に位置し、大腿まで延びる。これは、性器の締め付け、脚部のずりあがりなど深刻な不快感につながり、かつ、ズボンの下で折り重なり外側から見え、見た目が悪い。
【特許文献1】米国特許第2000073号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、ボクサーショーツを着用するときの不快感を取り除くことである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、この目的は、従来のボクサーショーツとは異なり、ボクサーブリーフのように大腿と一定に接するために、胴体部分と脚部部分とを備え、前記胴体部分はゆったりした編物から作られるランジェリーのボクサーショーツ型製品において、前記脚部部分は、体にぴったりした編物から作られることを特徴とする製品によって達成される。
【0005】
換言すれば、新規な製品は、ボクサーショーツ−ボクサーブリーフから構成され、下半身部分はボクサーショーツから作られ、大腿まで延びる部分はボクサーブリーフから作られる。本発明のボクサーショーツは、編成によって、好ましくは丸編みによって作られることが利点である。
【0006】
編物材料は、二つの部分に同じ編物材料を用いることができ、製品の標準サイズに対して体にぴったりしたグレード、又はゆったりしたグレードのみ異なる。しかしながら、脚部部分は、胴体部分と同じステッチで作られるが、スパンデックス糸を採用することが好ましい。このように、スパンデックスは、脚部部分に体にぴったりした所望の特質を与えるのに対して、胴体部分は、ゆったりしたままである。
【0007】
胴体部分と脚部部分との間の境界は、股下丈の上部部分、又は股を通るほぼ水平ラインから構成されることが利点である。
【0008】
本発明はまた、上述したタイプの製品を製造する方法に関し、前記製品は、円形編機によって編成され、ウェルトの下部で開始してウエストバンドで終了し、編成に使用される糸より高い弾性を有する糸を用いて前記ウェルトを越えて脚部部分が編成され、その後、前記胴体部分が編成されることを特徴とする。
【0009】
有利なことには、糸は、弾性糸と弾性のない糸とを編むことにより得られる弾性を有する。この方法では、脚部部分と胴体部分とに対して同じ編成方法、同じステッチ及び同じ糸を維持でき、脚部部分に使用される糸に編んだ弾性糸を採用することだけ異なる。
【0010】
本発明の他の利点及び特徴は、添付の図面を参照して以下の説明を読めば明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、SantoniSM8円形編機によって編成される、男性用DIM“Absolu nu”6277ボクサーブリーフから作られる本発明によるボクサーショーツ−ボクサーブリーフを示す。しかしながら、本発明の製品に類似する編地を組み立てることによって、その製品は、主に下着を製造するために現在使用されている裁断及び縫製の技術を使用して得られる。この製品は、下部の縁取り又はウェルト4で開始して、ウエストバンド1で終了することによって編成される。有利なことには1cmから2cmのウェルト4は、公知の技術により(例えば、ダイヤルプレートにより)互いに固定した、編物による二重層を形成する。製品は、下半身を覆うように設計されるいわゆる胴体部分2と、有利なことには5cmから8cm(ウェルト4を含む)の、大腿の上端部分を覆うように設計される二つの脚部部分3とを含む。
【0012】
大腿と接する脚部部分3は、対応するサイズのボクサーブリーフのものと比較して、少しの変形もなく編成される。この部分3に使用されるステッチを、図2に概略的に示す。78dtex及び68ストランドの双糸で作られ、22dtexのLinel(登録商標)ファイバ(エラストマーファイバ)と編まれるポリアミド66ファイバが、28ゲージSantoniSM8 15“(約38cm)編機の8フィードで編成される。ポリアミドファイバに関して、企業規格4として採用される設定が、5グラムの張力と、4.40メートル/回転の吸収される糸の長さとからなり、Linel(登録商標)ファイバが、915回転/分の速度でElanフィーダレギュレータから送り出される。
【0013】
その目的は、大腿と適切に接するように、編地の特定の保持能力を維持することである。従って、異なる構造を使用できるが、スパンデックス編地を使用することにより、その目的を容易に達成できる。脚部部分のゾーンに示される、その保持能力の元となる編物の弾性が、胴体部分に示されるものより少なくとも20%、又は望ましくは50%高いことが好ましい。
【0014】
下半身にわたりゆったりしている必要がある胴体部分2は、脚部部分3のように編成されるが、図3のステッチに示されるように、スパンデックスが使用されない。従って、その部分2は、同様なフィット感を有するボクサーショーツと同様になる。
【0015】
この部分2は、異なる度合いの快適性及び美的外観のために他の材料から編成できる。しかしながら、脚部部分に編まれた弾性糸を採用することを除いて、二つの部分間の材料及び編成を変更しないことが好ましい。本発明において、最大の快適性を提供するために、かつ、有り得る糸の変更が見えることを防止するために、エリア3からエリア2への移行が、製造作業の間に組み立てられてこのタイプのボクサーブリーフに通例である同じ方法で行われるまちを取り付けるために使用される身体パネル5の端部と水平に、股下丈の上部部分を通るライン6上に位置する。
【0016】
部分3の材料に関しては、ボクサーブリーフの別個の裏地が、大腿のボクサーブリーフの形状と、着用されるときの快適性とを維持するために保たれる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明による製品、この場合、男性のボクサーショーツ−ボクサーブリーフの一例を示す正面図である。
【図2】本発明のコンテクストに使用されるステッチを示す図である。
【図3】本発明のコンテクストに使用されるステッチを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴体部分(2)と脚部部分(3)とを備え、前記胴体部分(2)はゆったりした編物から作られるランジェリーのボクサーショーツ型製品において、
前記脚部部分(3)は、体にぴったりした編物から作られることを特徴とする製品。
【請求項2】
前記製品は、編成によって作られることを特徴とする請求項1に記載の製品。
【請求項3】
前記製品は、丸編みによって作られることを特徴とする請求項1に記載の製品。
【請求項4】
前記脚部部分(3)は、前記胴体部分(2)と同じステッチを使用して作られ、スパンデックス糸を採用することを特徴とする請求項2又は3に記載の製品。
【請求項5】
ウェルト(4)とウエストバンド(1)とを備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1つに記載の製品。
【請求項6】
前記胴体部分(2)と前記脚部部分(3)との間の境界が、股の上部部分を通るほぼ水平ラインであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1つに記載の製品。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1つに記載の製品を製造する方法において、
前記製品は、円形編機によって編成され、ウェルト(4)の下部で開始してウエストバンド(1)で終了し、編成に使用される糸より高い弾性を有する糸を用いて前記ウェルト(4)を越えて脚部部分(3)が編成され、その後、前記胴体部分(2)が編成されることを特徴とする方法。
【請求項8】
より高い弾性を有する前記糸は、弾性糸と弾性のない糸とを編むことにより得られることを特徴とする請求項7に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−520859(P2006−520859A)
【公表日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505736(P2006−505736)
【出願日】平成16年3月18日(2004.3.18)
【国際出願番号】PCT/FR2004/000668
【国際公開番号】WO2004/085726
【国際公開日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(504208658)サラ リー コーポレーション (8)
【氏名又は名称原語表記】SARA LEE CORPORATION
【Fターム(参考)】