説明

ボタン電話装置のソフトウエアライセンス管理システム

【課題】ボタン電話装置におけるソフトウエアライセンスの管理を容易かつきめ細かく確実に行えるようにすること。
【解決手段】ライセンス管理部145は、入力されたライセンス情報に含まれるシリアル番号とFROM16に予め書き込まれているシリアル番号を照合する。データ管理部146は、ライセンス管理部145での照合によりシリアル番号が一致したライセンス情報を実行用ライセンスとして格納する。ライセンス実行部147は、ライセンス管理部145での照合結果が一致である場合、ライセンス情報に含まれるライセンス種別に対応する電話機能処理を活性化する。電話機能実行部147は、ライセンス実行部147により活性化された電話機能を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボタン電話装置のソフトウエアライセンス管理システムに関し、特に、ボタン電話装置におけるソフトウエアの管理を容易かつきめ細かく確実に行えるようにしたボタン電話装置のソフトウエアライセンス管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ボタン電話装置は、ハードウエアを主体に構成されており、ハードウエアを制御するソフトウエアは予め装置に搭載されている。メーカ側から各機能のハードウエアが個別に取り揃えられた種々の機能を持った多種のボタン電話装置が提供されているが、それらのボタン電話装置は、ソフトウエアを各機能別に動作あるいは不動作にする仕組みを持っていない。従って、普通、ボタン電話装置を立ち上げればそれに搭載されているソフトウエア(各処理モジュールを動作させるプログラム群)は全て動作する。
【0003】
ボタン電話装置は、回線保留、話中表示、内線相互通話の機能を備えるなど、多機能化が進められており、今後さらに多機能化、高機能化が進展することが予想される。それに伴ってソフトウエアの重要性が増し、その開発の労力および費用の負担が増大することになる。
【0004】
ユーザの中には、ボタン電話装置が備えている全機能を必要とせず、その一部機能だけで十分なユーザも存在する。ユーザにとっては、自己の要求が満たされる機能を実行するソフトウエアだけ動作すれば十分である。一方、メーカ側からいえばソフトウエア開発の労力および費用の負担、各種ボタン電話装置の差別化の点からソフトウエアを機能別に管理し、その使用を制限し得る仕組みを組み込むことが好ましい。
【0005】
ボタン電話装置におけるソフトウエアを各機能別に管理するために、ソフトウエアをボタン電話装置の各機能対応に分け、ライセンス発行サーバとライセンス管理サーバをそれぞれ用意して各機能別にライセンスを発行し、管理することが考えられる。
【0006】
図10は、この場合に想定されるソフトウエアライセンス管理システムを示すブロック図である。ライセンス発行サーバ3は、ボタン電話装置1の各機能別のライセンス(配布用ライセンス)を発行する。ここで例えばボタン電話装置1の機能Aに対するライセンスが発行されたとすると、データ設定装置2は、ライセンス発行サーバ3により発行された機能Aのライセンスの情報(ライセンス情報)をボタン電話装置1に入力する。ボタン電話装置1は、ライセンス管理サーバ4との間でセッションを張り、データ設定装置2から入力されたライセンス情報をライセンス管理サーバ4に送る。
【0007】
ライセンス管理サーバ4は、ボタン電話装置1から送られてきたライセンス情報を照合し、その照合結果をボタン電話装置1に返す。ライセンス管理サーバ4での照合の結果、ボタン電話装置1の機能Aに対するソフトウエアの使用権限を有していると認証されれば、ボタン電話装置1は、機能Aを実現するソフトウエアを動かすことができる。
【0008】
この方法によれば、ボタン電話装置1において機能Aを実現するソフトウエアを起動する場合、その都度、ライセンス管理サーバ4との間でセッションを張り、通信経路を通してライセンスの正常性を確認してもらってその使用権限を確認するという手順が必要になる。
【0009】
特許文献1には、スタンドアロンでインストール時以外のタイミングでライセンス認証を可能にするため、ネットワークカードのMACアドレスやIPアドレスに基づいてライセンスキー発行手段から生成されたライセンスキーを予め格納し、ソフトウエア起動時にネットワークカードのMACアドレスやIPアドレスと照合するソフトウエアライセンス認証システムが記載されている。
【特許文献1】特開2004−6404号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、ソフトウエアライセンスを管理するライセンス管理サーバを用意してライセンス管理を行うと、セッションを張るための通信経路に何らかの問題が発生した場合に、ソフトウエアの使用権限の正当性を確認できなくなり、ソフトウエアを起動することができなくなってしまうという課題がある。また、ライセンスの認証を行うライセンス管理サーバに何らかの問題が発生した場合にも、ライセンス自体が正しくても、同様にソフトウエアの使用権限の正当性を確認できなくなって、ソフトウエアを起動することができなくなってしまうという課題がある。
【0011】
また、既にライセンスが認証されていたとしても何らかの原因でボタン電話装置がシステムダウンしてしまった場合、システムを立ち上げ直すときには、その都度、ライセンス発行サーバおよびライセンス管理サーバとセッションを張ってライセンス情報を送受信しライセンス認証を再度受ける手順を踏まなければならず、手間がかかるという課題がある。
【0012】
特許文献1のソフトウエアライセンス認証システムでは、MACアドレスやIPアドレスを用いてライセンス認証を行っている。MACアドレスやIPアドレスは任意に設定されたりして単独で流通可能であるので、それらをライセンス認証キーとして用いたライセンス認証には、信頼性の面で問題がある。また、システム内の各種機能に対してソフトウエアが個々に開発され、各処理モジュールを動作させるプログラム群として構成される場合には、各機能別にきめ細かなライセンス管理が望まれる。
【0013】
本発明は、上記の課題を解決し、ボタン電話装置におけるソフトウエアライセンスの管理を容易かつきめ細かく確実に行えるようにしたボタン電話装置のソフトウエアライセンス管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明は、入力されたライセンス情報に含まれるシリアル番号とボタン電話装置内に予め書き込まれているシリアル番号を照合するライセンス管理部と、前記ライセンス管理部での照合結果に従って、ボタン電話装置内に予め書き込まれているシリアル番号と一致するシリアル番号を含むライセンス情報を実行用ライセンス情報として格納するデータ管理部と、前記実行用ライセンス情報に含まれるライセンス種別に対応する電話機能処理ソフトウエアを活性化するライセンス実行部と、前記ライセンス実行部により活性化された電話機能処理ソフトウエアを実行する電話機能実行部とを備えた点に第1の特徴がある。
【0015】
また、本発明は、ボタン電話装置の立ち上げ時、前記ライセンス管理部は、前記データ管理部に格納されている実行用ライセンス情報に含まれるシリアル番号とシステム内に予め書き込まれているシリアル番号を照合し、前記ライセンス実行部は、ボタン電話装置内に予め書き込まれているシリアル番号と一致するシリアル番号を含む実行用ライセンス情報に含まれるライセンス種別に対応する電話機能処理ソフトウエアを活性化し、前記電話機能実行部は、前記ライセンス実行部により活性化された電話機能処理ソフトウエアを実行する点に第2の特徴がある。
【0016】
また、本発明は、前記ライセンス情報が、ライセンス有効期限情報を含み、前記ライセンス実行部は、ライセンス情報が有効期限切れであるかどうかを前記ライセンス有効期限情報に基づいて判定し、有効期限切れのライセンス情報に基づく電話機能処理ソフトウエアを非活性にする点に第3の特徴がある。
【0017】
さらに、本発明は、前記シリアル番号が、ボタン電話装置のメインボードに付されているシリアル番号である点に第4の特徴がある。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ボタン電話装置自身が、そのシステム内部に機能ごとにソフトウエアライセンスを認証し、管理するサーバ機能を備え、ボタン電話装置の機能ごとのライセンス管理を行うので、ボタン電話装置のソフトウエアライセンスを、ライセンス発行サーバおよびライセンス管理サーバとの間でセッションを一々張ることなく管理することができ、また、機能ごとのきめ細かなランセンス管理を実現することができる。
【0019】
また、一旦取り込んだライセンス情報をボタン電話装置内部に保存するので、ライセンス管理サーバと通信しなくてもボタン電話装置内だけでライセンスを管理することができ、システム立ち上げ時などに改めて通信経路を通してライセンス認証を受ける必要が無く、ユーザは、ライセンスを意識することなくスタンドアローンで自己が必要とする機能を十分に利用することができる。
【0020】
また、ライセンス情報を有効期限付きとすることにより、該期限内に限ってソフトウエアの使用権限を与えることができるので、ライセンスのきめ細かな管理が容易になる。
【0021】
さらに、ボタン電話装置のメインボードに付されているシリアル番号を認証キーとして利用することにより、ライセンス認証の信頼性を高めることができる。また、メインボードが入れ替えなどされた場合にはソフトウエアの使用権限が与えられなくなるので、不正なライセンス取得を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明が適用されるボタン電話装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。本例のボタン電話装置1は、局線を収容する局線系ユニット11、内線を収容する内線系ユニット12、およびメインボードに搭載されたメインユニット13を備える。メインボードには、各ボタン電話装置に対して一意に割り振られたシリアル番号が付されている。
【0023】
メインユニット13は、装置全体を制御するオペレーティングシステム(OS)14、音声の通話路を接続制御するドライバ群15、音声の呼状態を制御するプログラムを含む各種プログラム群16、運用状態では書き換えられない情報を格納するフラッシュROM(FROM)17、局線系ユニット11および内線系ユニット12とのインタフェース(I/F(1))18、外部機器接続用のインタフェース(I/F(2),(3))18,19を含む。インタフェース18は、Ethernet(登録商標)のインタフェースであり、インタフェース19は、RS-232Cのインタフェースである。
【0024】
データ設定装置2は、ボタン電話装置1に各種機能やサービスのデータを設定するため装置であり、インタフェース18,19と同様のインターフェースを持ち、インタフェース18,19に接続される。データ設定装置2は、パーソナルコンピュータ(PC)と同じハードウエア構成であるが、ボタン電話装置1のデータを設定するためのアプリケーションソフトウエア(データ設定ツール)を搭載している。つまり、データ設定装置2は、OS20、各種ドライバ21、各種アプリケーション22、データ設定ツール23を有している。ボタン電話装置1とデータ設定装置2との間のデータ送受信は、インタフェース18,19を介して行われる。
【0025】
図2は、各種プログラム群14の詳細な説明図であり、ここでは、特にライセンス管理に関する機能部のみを抜き出して示している。各種プログラム群14には、保守ブロック140、共通制御ブロック141、データ管理ブロック142、呼制御ブロック143が含まれる。
【0026】
保守ブロック140は、外部とのインタフェースとなる機能部であり、この中にはデータ設定装置2から送られてくるライセンス情報を受信するデータ受信部144が組み込まれている。共通制御ブロック141は、ボタン電話装置1の全般的な制御を司る機能部であり、この中にはライセンス管理全般の制御を司るライセンス管理部145が組み込まれている。データ管理ブロック142は、各種データを管理する機能部であり、この中には入力されたライセンス情報を管理するデータ管理部146が組み込まれている。
【0027】
呼制御ブロック143は、ボタン電話装置1の音声サービスを制御する機能部であり、この中にはライセンスに従ってソフトウエアを活性化するためのライセンス実行部147、活性化されたソフトウエアに応じた電話機能を実行する電話機能実行部148、それにライセンスの有効期限などを制御するタイマ管理部149が組み込まれている。
【0028】
本発明では、まず、ライセンス発行サーバからライセンスを発行し、これにより発行されたライセンスの情報(ライセンス情報)をボタン電話装置1に入力する。図3は、ボタン電話装置1へのライセンス情報入力の概念を示すブロック図である。ライセンス発行サーバ3は、メールの送受信やプリンタと接続するインタフェースを有し、パーソナルコンピュータ(PC)と同じハードウエア構成である。
【0029】
また、ライセンス発行サーバ3は、OS30、各種ドライバ31、各種アプリケーション32、暗号化ツール33を有し、ソフトウエアライセンス、すなわち、ボタン電話装置1がソフトウエアを実行するために必要なライセンスを発行する。なお、ライセンスの発行は、EメールやFAXによる送信、あるいは文書での郵送により行うことができる。
【0030】
図4は、ライセンス発行サーバ3でのライセンス発行動作を示すフロー図である。まず、ライセンス発行サーバ3にライセンスに必要な情報(ライセンス情報)を入力する。ライセンス情報は、認証情報およびライセンス種別を含み、その他、例えばライセンス数や期限情報を含むことができる。
【0031】
認証情報はライセンスの正当性を認証するための情報である。FROM16にメインボードのシリアル番号を書き込んでおき、このシリアル番号を認証情報として利用できる。また、ライセンス種別はボタン電話装置1の各種機能のうちどの機能に対してライセンスを与えるかを示す情報である。また、ライセンス数はライセンスの数量を表す情報であり、期限情報はライセンスの有効期限を表す情報である。
【0032】
ライセンス発行サーバ3は、入力されたライセンス情報を暗号化ツール34で暗号化(S40)し、ライセンス(ライセンスキー)を発行する。この際の暗号化には暗号鍵Aを用いる。この暗号化は、ボタン電話装置1にライセンス情報が入力されるまでの秘匿性を確保する。
【0033】
ライセンス発行サーバ3からのライセンス情報は、データ設定装置2を介してボタン電話装置1に入力されて復号される。図5は、ボタン電話装置1でのライセンス情報の復号動作を示すフロー図である。ライセンス情報を暗号鍵Aを用いて復号(S50)して元のライセンス情報を生成する。なお、暗号化鍵Aの情報は、ネットワークを介して送受信せず、ライセンス発行サーバ3とボタン電話装置1がそれぞれスタンドアローンに同じ鍵情報を持っているものとする。
【0034】
図6は、本発明に特に関わる部分を示すボタン電話装置の機能ブロック図であり、図7はライセンス情報入力時の動作を示すフローチャートである。
【0035】
ボタン電話装置1のデータ受信部144は、データ設定装置2から入力(S70)されたライセンス情報(配布用ライセンス)を受信(S71)してライセンス管理部145に入力する。ライセンス管理部145のライセンス復号処理は、入力されたライセンス情報を復号(S72)する(図5参照)。復号されたライセンス情報に含まれるシリアル番号(認証情報)は、ライセンス照合処理に入力される。また、FROM16に書き込まれているボタン電話装置1のシリアル番号が読み出され(S73)、ライセンス照合処理に入力される。
【0036】
ライセンス照合処理は、FROM16から読み出されたシリアル番号と復号されたライセンス情報中のシリアル番号を比較する(S74)。このようにボタン電話装置1のシステム内でシリアル番号を利用した認証を行うことにより、ライセンス管理サーバとセッションを張って認証を行う必要がなくなる。
【0037】
ライセンス照合処理の結果、入力されたライセンス情報に含まれるシリアル番号がFROM16から読み出されたシリアル番号に一致しない場合はライセンス照合結果がNG(S75)となり、ライセンスに関する処理は終了する。
【0038】
ライセンス照合処理の結果、入力されたライセンス情報に含まれるシリアル番号がFROM16から読み出されたシリアル番号に一致した場合は、ライセンス照合はOK(S76)となる。OKとなったライセンス情報をデータ管理部146に通知する。データ管理部146は通知されたライセンス情報をデータベースに実行用ライセンスとして登録(S77)する。なお、データベースに登録する実行用ライセンスは、秘匿性の点から暗号化されたままのものとするのがよい。
【0039】
データ管理部146のデータベースに登録された実行用ライセンスは以後システムを立ち上げる度に読み出されて再利用可能となる。また、ライセンス情報が何度も入力された場合、データ管理部146は実行用ライセンスを降順にデータベースに登録する。
【0040】
OKとなったライセンス情報はライセンス実行部147に渡される。ライセンス実行部147は、有効期限チェック処理でライセンスが有効期限付きであるかどうかをチェック(S78)する。ここで、ライセンスが有効期限付きであるライセンスの場合はタイマ管理部149にライセンス情報を通知する。タイマ管理部149は、各ライセンスとともにその有効期限をタイマ管理部149に登録する(S79)。タイマ管理部149では複数のライセンスについて登録することができる。
【0041】
次に、OKとなったライセンスの活性化処理を行う。つまり、ライセンス実行部147は、ライセンス情報のライセンス種別に対応した電話機能処理を活性化するために、ライセンス情報のライセンス種別をチェックする(S80)。ここで、ライセンス種別がNであるとすると、電話機能実行部148の対応する電話機能処理Nを呼び出して活性化し(S81)、その電話機能処理Nまたはサービスを開始(許容)する。これによりユーザはそのライセンスに対応した電話機能処理を実行させることができる。
【0042】
ボタン電話装置をユーザが使用しないでいた場合やシステムの故障などがあった場合には、ボタン電話装置を立ち上げ直す必要がある。本発明によれば、このような場合にも改めてライセンス発行サーバ3に問い合わせることなく、ライセンス使用許諾の元でボタン電話装置を使用することができる。以下に、その場合の動作を説明する。
【0043】
図8は、ボタン電話装置の立ち上げ時の動作を示すフローチャートである。システムの立ち上げ処理60(図6参照)でボタン電話装置1を立ち上げる時(S82)、まず、データ管理部146のデータベースに登録されている実行用ライセンスを降順に読み出し(S83)、その実行用ライセンスをライセンス管理部145のライセンス復号処理に渡す。
【0044】
ライセンス復号処理(図5参照)は、データベースから読み出された実行用ライセンス情報を復号(S84)する。復号されたライセンス情報に含まれるシリアル番号は、ライセンス照合処理に入力される。また、FROM16に書き込まれているボタン電話装置1のシリアル番号が読み出され(S85)、ライセンス照合処理に入力される。ライセンス照合処理は、FROM16から読み出されたシリアル番号と復号されたライセンス情報に含まれるシリアル番号とを比較する(S86)。
【0045】
ライセンス照合処理の結果、復号されたライセンス情報に含まれるシリアル番号がFROM16から読み出されたシリアル番号に一致しない場合には実行用ライセンス情報がデータベースにまだ残っているかどうかをチェック(S87)し、残っていればS83に戻って処理を繰り返すが、残っていなければライセンスに関する処理は終了する。
【0046】
ライセンス照合処理の結果、復号されたライセンス情報に含まれるシリアル番号がFROM16から読み出されたシリアル番号に一致した場合にはそのライセンス情報をライセンス実行部147に渡す。ライセンス実行部147は、ライセンス情報のライセンス種別に対応した電話機能処理またはサービスを活性化するために、ライセンス情報のライセンス種別をチェックする(S88)。ここで、ライセンス種別がNであるとすると、電話機能実行部148の対応する電話機能処理Nまたはサービスを呼び出して活性化し(S89)、その電話機能Nまたはサービスを開始(許容)する。これによりユーザはそのライセンスに対応した電話機能処理を実行させることができる。
【0047】
次に、実行用ライセンス情報がデータベースにまだ残っているかどうかをチェック(S90)し、残っていればS83に戻って処理を繰り返すが、残っていなければライセンスに関する処理は終了する。つまり、データベースに登録されている実行用ライセンス情報が全て読み出されてそれら対する電話機能処理またはサービスの活性化が済めばライセンスに関する処理を終了する。
【0048】
このように、システムを立ち上げ直す場合、データ管理部146のデータベースに保存してある実行用ライセンス情報を呼び出すことによって該当する電話機能のアプリケーションを実行可能にできるので、その都度、ライセンス発行サーバやライセンス管理サーバとセッションを張る必要をなくすことができる。
【0049】
図9は、ライセンス有効期限管理を行うタイマ管理動作を示すフローチャートである。タイマ管理(S91)では、発行されたライセンスが有効期限付きである場合、該期限内でのみライセンスを付与する処理を行う。
【0050】
そのために、タイマ管理部149に登録されている実行用ライセンス情報が有るかどうかを周期的にチェック(S92)し、有ればそれが有効期限切れかどうかをチェックする(S93)。有効期限付きのライセンス情報が複数登録されている場合は、このチェックをタイマ管理部149に登録されている実行用ライセンス情報全てについて行う(S94)。
【0051】
有効期限付きで、その期限が切れているライセンス情報がある場合、そのライセンス情報のライセンス種別Nに対応した電話機能処理Nまたはサービスを呼び出して非活性(S95)にし、その電話機能処理またはサービスを停止(不許容)する。同時に、タイマ管理部149からそのライセンス情報の登録を削除(S96)し、また、データ管理部146のデータベースからそのライセンス情報の登録を削除する。これによりユーザは有効期限が切れたライセンス情報に対応した電話機能処理またはサービスを使用できなくなる。
【0052】
次に、タイマ管理部149に実行用ライセンス情報がまだ残っているかどうかをチェック(S97)し、残っていればS92に戻って次の実行用ライセンス情報について同様の処理を繰り返すが、残っていなければS91に戻って次の処理周期まで待つ。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明が適用されるボタン電話装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図1における各種プログラム群の詳細な説明図である。
【図3】ボタン電話装置へのライセンス情報入力の概念を示すブロック図である。
【図4】ライセンス発行サーバでのライセンス発行動作を示すフロー図である。
【図5】ボタン電話装置でのライセンスの復号動作を示すフロー図である。
【図6】本発明に特に関わる部分を示すボタン電話装置の機能ブロック図である。
【図7】ライセンス情報入力時の動作を示すフローチャートである。
【図8】ボタン電話装置の立ち上げ時の動作を示すフローチャートである。
【図9】ライセンス有効期限管理を行うタイマ管理動作を示すフローチャートである。
【図10】ライセンス発行サーバとライセンス管理サーバを備えるソフトウエアライセンス管理システムを示すブロック図である。
【符号の説明】
【0054】
1・・・ボタン電話装置、2・・・データ設定装置、3・・・ライセンス発行サーバ、4・・・ライセンス管理サーバ、10・・・局線系ユニット、11・・・内線系ユニット、12・・・メインユニット、17,18,19・・・I/F、13,20,30・・・0S、14・・・各種プログラム群、15,21,31・・・各種ドライバ群、16・・・FROM、22,32・・・各種アプリケーション、23・・・データ設定ツール、33・・・暗号化ツール、60・・・システム立ち上げ処理、140・・・保守ブロック、141・・・共通制御ブロック、142・・・データ管理ブロック、143・・・呼制御ブロック、144・・・データ受信部、145・・・ライセンス管理部、146・・・データ管理部、147・・・ライセンス実行部、148・・・電話機能実行部、149・・・タイマ管理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力されたライセンス情報に含まれるシリアル番号とボタン電話装置内に予め書き込まれているシリアル番号を照合するライセンス管理部と、
前記ライセンス管理部での照合結果に従って、ボタン電話装置内に予め書き込まれているシリアル番号と一致するシリアル番号を含むライセンス情報を実行用ライセンス情報として格納するデータ管理部と、
前記実行用ライセンス情報に含まれるライセンス種別に対応する電話機能処理ソフトウエアを活性化するライセンス実行部と、
前記ライセンス実行部により活性化された電話機能処理ソフトウエアを実行する電話機能実行部とを備えたことを特徴とするボタン電話装置のソフトウエアライセンス管理システム。
【請求項2】
ボタン電話装置の立ち上げ時、前記ライセンス管理部は、前記データ管理部に格納されている実行用ライセンス情報に含まれるシリアル番号とシステム内に予め書き込まれているシリアル番号を照合し、前記ライセンス実行部は、ボタン電話装置内に予め書き込まれているシリアル番号と一致するシリアル番号を含む実行用ライセンス情報に含まれるライセンス種別に対応する電話機能処理ソフトウエアを活性化し、前記電話機能実行部は、前記ライセンス実行部により活性化された電話機能処理ソフトウエアを実行することを特徴とする請求項1に記載のボタン電話装置のソフトウエアライセンス管理システム。
【請求項3】
前記ライセンス情報は、ライセンス有効期限情報を含み、前記ライセンス実行部は、ライセンス情報が有効期限切れであるかどうかを前記ライセンス有効期限情報に基づいて判定し、有効期限切れのライセンス情報に基づく電話機能処理ソフトウエアを非活性にすることを特徴とする請求項1または2に記載のボタン電話装置のソフトウエアライセンス管理システム。
【請求項4】
前記シリアル番号は、ボタン電話装置のメインボードに付されているシリアル番号であることを特徴とする請求項1ないし3にいずれかに記載のボタン電話装置のソフトウエアライセンス管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−85477(P2008−85477A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−261014(P2006−261014)
【出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【出願人】(000000181)岩崎通信機株式会社 (133)
【Fターム(参考)】