説明

ボトルキャップ

【課題】液体容器に対する装着性及びウォーターサーバーに対する水密性を向上させたボトルキャップを提供する。
【解決手段】ウォーターサーバー用液体容器の筒状口部2に装着されるボトルキャップ1において、筒状口部2の外周側に当接する外側筒状部30が形成される外側部材3と、筒状口部2内に突出され、ウォーターサーバーの給水軸5が挿通される内側筒状部40が形成される内側部材4と、を具備してなり、外側部材3及び内側部材4がそれぞれ別体に形成されて組み付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボトルキャップの技術に関し、より詳細には、ウォーターサーバー用液体容器の筒状口部に装着されるボトルキャップに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、飲料水等の液体が充填された液体容器を連結し、注ぎ口から液体容器内の飲料水を取り出して提供するウォーターサーバーが提案されている。通常、このウォーターサーバーに連結される液体容器は、筒状口部にボトルキャップが装着された状態で使用される。ウォーターサーバーに液体容器が連結される際には、ウォーターサーバーの給水軸がボトルキャップを介して液体容器内に挿通され、液体容器内の飲料水が機外に漏出することなく給水軸を介して注ぎ口へと供給される。
【0003】
特許文献1又は特許文献2に開示されるように、従来のボトルキャップは、液体容器の筒状口部の外周側に当接する外側筒状部と、ウォーターサーバーの給水軸が挿通される内側筒状部と、外側筒状部と連続して筒状口部の開口端を塞ぐ蓋部等で構成されている。液体容器の筒状口部にボトルキャップが装着された状態では、外側筒状部が筒状口部の形状に合わせて弾性変形して筒状口部の外周側に当接されて固定され、蓋部にて筒状口部の開口端が閉止されるとともに、内側筒状部が筒状口部内に突出される。そして、ウォーターサーバーに液体容器が連結される際に、内側筒状部を介して給水軸が液体容器内に挿通される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−63310号公報
【特許文献2】特開2010−89842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のボトルキャップの構成では、外側筒状部及び内側筒状部が一体成形されるため、例えば、液体容器に対する装着性を向上するために低硬度の材料を用いて形成された場合には、内側筒状部の樹脂硬度が不足してウォーターサーバーの給水軸との間の水密性に劣り、一方、ウォーターサーバーに対する水密性を向上するために高硬度の材料を用いた場合には、外側筒状部の樹脂硬度が高すぎて液体容器に装着する際の取扱性や成形性に劣るという問題があった。特に、液体容器への装着状態で負荷される応力によって外側筒状部及び蓋部が経時変化して筒状口部と水密性が低下し、ボトルキャップと筒状口部との間に離間が生じて漏水してしまうという問題もあった。
【0006】
なお、従来のボトルキャップにおいては、外側筒状部と内側筒状部との離間位置に発泡材料より成形されるパッキン部材を設け、液体容器の筒状口部の開口端をパッキン部材に圧接させることで漏れを防ぐようにした構成も公知であるが、発泡材料にて発生する静電気により空気中の塵埃等が付着し、ボトルキャップを液体容器に装着する際に塵埃等が液体容器内に混入したり、パッキン部材に吸着した匂いが飲料水等にうつったりする等の問題があったため、近年ではパッキン部材を用いない構成(パッキンレス)が主流となりつつある。
【0007】
このように、ボトルキャップには、高速成形性、低臭気性、飲料水との接触における安全性、耐ストレスクラック性などの特性を備えていることは勿論のこと、近年は、液体容器(の筒状口部)に対する装着性とウォーターサーバー(の給水軸)に対する水密性の両方の特性を備えた取扱性に優れたボトルキャップが待望されている。
【0008】
そこで、本発明では、ボトルキャップに関し、前記従来の課題を解決するもので、液体容器に対する装着性及びウォーターサーバーに対する水密性を向上させたボトルキャップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0010】
すなわち、請求項1においては、ウォーターサーバー用液体容器の筒状口部に装着されるボトルキャップにおいて、前記筒状口部の外周側に当接する外側筒状部が形成される外側部材と、前記筒状口部内に突出され、ウォーターサーバーの給水軸が挿通される内側筒状部が形成される内側部材と、を具備してなり、前記外側部材及び内側部材がそれぞれ別体に形成されて組み付けられるものである。
【0011】
請求項2においては、前記内側部材は、前記外側部材と比べて高硬度の樹脂成形体より形成されるものである。
【0012】
請求項3においては、前記内側部材は、前記内側筒状部の開口縁部に周縁鍔部が形成され、前記外側筒状部の内周面と前記周縁鍔部の外周面とで前記筒状口部の開口端が挟圧されるものである。
【0013】
請求項4においては、前記内側部材は、前記周縁鍔部の外周面に径方向に向けて突出された止水リブ部が形成されるものである。
【0014】
請求項5においては、前記外側部材は、前記外側筒状部の内周面に前記内側部材と嵌合可能な凹部が形成され、前記内側部材は、前記凹部に嵌合されて前記外側筒状部の内部空間内に係止されるものである。
【0015】
請求項6においては、前記内側部材は、前記内側筒状部の開口端に有底筒状部が密接状態で嵌合され、前記内側筒状部の内周面には、前記有底筒状部の外周面に形成された外側突起部と係合可能な係合突起部が前記外側突起部の近接位置に形成されるものである。
【0016】
請求項7においては、前記内側部材は、前記内側筒状部の開口端に有底筒状部が密接状態で嵌合され、前記有底筒状部は、内径が前記給水軸の軸径よりも大きいものである。
【0017】
請求項8においては、前記外側部材は、前記外側筒状部と連続された蓋部が形成され、前記蓋部に開口された開口部を塞ぐようにして剥離部材が一体成形されるものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の効果として、液体容器に対する装着性及びウォーターサーバーに対する水密性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施例に係るボトルキャップの全体的な構成を示した斜視図である。
【図2】ボトルキャップの断面図である。
【図3】内側部材の斜視図である。
【図4】ボトルキャップの部分拡大断面図である。
【図5】筒状口部にボトルキャップが装着された状態を示した断面図である。
【図6】ウォーターサーバーに液体容器が連結される状態を示した断面図である。
【図7】ウォーターサーバーから液体容器が取り外される状態を示した断面図である。
【図8】別実施例のボトルキャップの断面図である。
【図9】別実施例のボトルキャップの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、発明を実施するための形態を説明する。なお、以下の実施例では、図2の矢印X方向をボトルキャップ1の上下方向とする。
【0021】
図1乃至図5に示すように、本実施例のボトルキャップ1は、ウォーターサーバー用液体容器の筒状口部2に着脱可能に装着されるキャップ部材であって、具体的には、筒状口部2の外周側に当接する外側筒状部30が形成される外側部材3と、筒状口部2内に突出され、ウォーターサーバーの給水軸5が挿通される内側筒状部40が形成される内側部材4等とで構成されており、外側部材3及び内側部材4が別体に形成されて、それぞれが組み付けられて構成されている。
【0022】
筒状口部2は、飲料水等の液体が充填されたカートリッジ容器として構成される液体容器(図略)の一側に突出されており、筒状口部2にボトルキャップ1が装着された状態で保管されるとともに、ウォーターサーバーに液体容器が連結される(図6等参照)。
【0023】
筒状口部2の開口端は、緩やかなR形状に面取りされ、外周側より径方向に突出された突起部20が形成されており、筒状口部2にボトルキャップ1が容易に装着できるように構成されている(図5参照)。突起部20は、筒状口部2にボトルキャップ1が装着された状態で、後述するボトルキャップ1の外側筒状部30に形成される装着凹部33と嵌合される。この筒状口部2は、容器本体と一体に形成されてもよく、また容器本体に対して着脱自在とされてもよい。
【0024】
外側部材3は、断面円形の筒状に肉薄形成された外側筒状部30と、外側筒状部30の一端と連続して筒状口部2の開口端を塞ぐ蓋部31が一体成形されて構成されている。外側筒状部30の内周面30aには、蓋部31との連続箇所の近傍位置に内側部材4(の係止リブ部42)が嵌合される係止凹部32が円周方向に沿って形成され、係止凹部32の隣接位置に上述した筒状口部2の突起部20が嵌合される装着凹部33が同じく周方向に沿って形成されている。
【0025】
蓋部31は、中央部にウォーターサーバーの給水軸5が挿通される開口部31aが開口され、開口部31aを上方より塞ぐようにして剥離部材34が設けられている。開口部31aは、後述する給水軸5の軸径よりも大きく開口されており、内側部材4の内側筒状部40が開口部31aを介して露出される。剥離部材34は、蓋部31(外側部材3)に対して剥離容易に本体部と一体成形され、ウォーターサーバーに液体容器を連結させる際に剥離されて、開口部31aが露出される。
【0026】
内側部材4は、断面円形の筒状に肉薄形成された内側筒状部40と、内側筒状部40の開口縁部に形成される周縁鍔部41と、周縁鍔部41の周縁部に形成される係止リブ部42が一体形成されて構成されている。内側筒状部40は、一方(図2の上方)の開口端のに周縁鍔部41及び係止リブ部42が形成され、内側部材4の上面が、内側筒状部40、周縁鍔部41及び係止リブ部42にて略水平面状となるように形成されている。
【0027】
内側筒状部40は、他方(図2の下方)の開口端に有底筒状部43が密接状態で嵌合されている。内側筒状部40の内周面には、後述する有底筒状部43の外周面に形成された外側突起部43aと係合可能な係合突起部40aが形成されている。係合突起部40aは、内側筒状部40の他方の開口端から徐々に拡径するように断面テーパ形状に形成されており、本実施例では、内側筒状部40の開口端側よりも内部側の方がテーパ角度が緩やかになるように形成されている(図4等参照)。
【0028】
周縁鍔部41は、内側筒状部40の開口端の外周側に円周方向に沿って延出され、所定の軸線方向幅を有する外周面41aが円周方向に沿って形成されている。本実施例の周縁鍔部41は、内側部材4より上面が上方に突出されており、外側部材3及び内側部材4が一体に組み付けられた状態で蓋部31に形成された開口部31aの開口縁部と係合される。また、周縁鍔部41の外周面41aは、内側部材4の径方向(側向)に向けて凸状に形成されており、後述するように筒状口部2にボトルキャップ1が装着された状態で筒状口部2の開口端の内周面に圧接される。
【0029】
係止リブ部42は、周縁鍔部41の周縁部に径方向に突出されて、円周方向に沿って形成されている。
【0030】
有底筒状部43は、内側筒状部40の他方(図2の下方)の開口端を塞ぐようにして密接状態で嵌合され、内側筒状部40の開口端に嵌合された状態で内側筒状部40の内部方向(図2の上方)に向けて開口されている。有底筒状部43は、開口端の外周面に外側突起部43aが形成され、閉止端の外周面に閉止鍔部43bが円周方向に沿って延出されている。また、有底筒状部43の外周面には、閉止鍔部43bの近傍位置に止水リブ部43cが円周方向に沿って延出されている。
【0031】
有底筒状部43の開口端は、平面視円形状に開口されてウォーターサーバーの給水軸5に嵌挿可能とされ、開口端の端部が径方向内側に向けて屈曲されて給水軸5と係合可能とされている。通常、給水軸5の先端には凹状部が形成されており、かかる凹状部に有底筒状部43の開口端の端部が係合される。本実施例の有底筒状部43は、内径が給水軸5の軸径よりも大きくなるように形成されており、具体的には、従来の同部材に対して同一の外径長さを維持しながら厚さが薄くなるように形成されている。
【0032】
外側突起部43aは、内側筒状部40の内周面に形成された係合突起部40aと係合可能とされ、有底筒状部43の先端部方向から徐々に拡径するように断面テーパ形状に形成されている。閉止鍔部43bは、内側筒状部40の開口端に有底筒状部43が嵌合された状態で、内側筒状部40の開口端に当接される。また、止水リブ部43cは、同じく内側筒状部40の開口端に有底筒状部43が嵌合された状態で、内側筒状部40の係合突起部40aに圧接される。
【0033】
本実施例の内側部材4では、外側突起部43aの近接位置に係合突起部40aが形成され、係合突起部40aの上端面と外側突起部43aの下端面とが離間距離Lを有するようにして上下方向に近接した位置に配設される(図4参照)。好ましくは離間距離Lが限りなく短くなるように形成され、換言すれば、係合突起部40aの上端面と外側突起部43aの下端面とが当接されるように形成されるのが好ましい。なお、実際には、内側部材4(内側筒状部40及び有底筒状部43)の成形加工の寸法精度を考慮して、係合突起部40aと外側突起部43aとが僅かに離間を有するように形成される。
【0034】
なお、有底筒状部43は、内側筒状部40と一体成形されてもよく、また別体に成形されてもよい。
【0035】
本実施例のボトルキャップ1は、外側部材3及び内側部材4が一体に組み付けられて形成され、具体的には、外側部材3の外側筒状部30の下方開口端より内部空間内に挿入された内側部材4が、外側筒状部30の内周面30aに形成された係止凹部32に係止リブ部42を嵌合させた状態で外側筒状部30の内部空間内に係止される。
【0036】
外側部材3及び内側部材4が一体に組み付けられた状態(図2参照)では、内側部材4にて外側筒状部30の内部空間側から蓋部31の開口部31aが塞がれて、蓋部31より剥離部材34が剥離されることで、開口部31aを介して内側部材4の内側筒状部40が露出される。かかる状態で、内側筒状部40は、外側筒状部30の内部空間内に下方に向けて突出され、外側筒状部30の内周面30aと内側筒状部40の周縁鍔部41の外周面41aとの間に離間が形成されている。
【0037】
そして、筒状口部2にボトルキャップ1が装着された状態(図5参照)では、筒状口部2の開口端(突起部20)の形状に合わせて外側筒状部30が弾性変形して、筒状口部2の外周側に外側筒状部30の内周面30aが圧着した状態で当接される。外側筒状部30に挿嵌された筒状口部2の開口端は、上述した外側筒状部30の内周面30aと周縁鍔部41の外周面41aとの間に離間に挿入され、外側筒状部30の内周面30aに形成された装着凹部33に突起部20が嵌合されるとともに、外側筒状部30の内周面30aと周縁鍔部41の外周面41aとで挟圧されて保持される。
【0038】
本実施例のボトルキャップ1は、外側筒状部30の内周面30aと周縁鍔部41の外周面41aとで突起部20が挟圧されるとともに、係止リブ部42に突起部20の先端(図5において上端)が当接されるようにして、内側部材4にて筒状口部2の開口端が閉止される。このように構成されることで、筒状口部2と内側部材4との隙間から筒状口部2内の液体が漏出することがないように筒状口部2に対してボトルキャップ1が水密状態で装着可能とされている。
【0039】
筒状口部2にボトルキャップ1が装着された状態では、筒状口部2内に内側筒状部40が突出されるが、本実施例では、内側筒状部40の開口端には、止水リブ部43cが係合突起部40aに圧接されるようにして有底筒状部43が密接状態で嵌合されるため、かかる内側筒状部40の開口端より筒状口部2内の液体が漏出することはない。
【0040】
本実施例の外側部材3及び内側部材4は、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、塩化ポリビニル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成樹脂材料を用いた樹脂成型体より形成される。特に本実施例では、外側部材3及び内側部材4は機械的強度の異なる合成樹脂材料より形成され、具体的には、内側部材4を形成する樹脂成形体は、外側部材3を形成する樹脂成形体よりも機械的強度を表す指標である「硬度」が高いものが好ましく用いられる。用いられる合成樹脂材料は、内側部材4が外側部材3と比べて高硬度であればよく特に限定されない。
【0041】
次に、本実施例のボトルキャップ1が装着された液体容器のウォーターサーバーへの着脱について、以下に詳述する。
【0042】
図6に示すように、ウォーターサーバーに液体容器が連結される際には、ボトルキャップ1より剥離部材34が剥離された後、ウォーターサーバーの上方よりボトルキャップ1を下方に向けた状態で液体容器が下動されて、蓋部31から露出している内側部材4の内側筒状部40に給水軸5が挿通される(図6(a))。液体容器の下動に伴って、内側筒状部40に挿通された給水軸5が内側筒状部40の開口端に設けられた有底筒状部43に当接され、やがて内側筒状部40に対して有底筒状部43が離間距離Lだけ押し上げられて、係合突起部40aと外側突起部43aとが係合される(図6(b))。
【0043】
係合突起部40aと外側突起部43aとが係合された状態でさらに液体容器が下動されることで、有底筒状部43が給水軸5に嵌挿され、有底筒状部43と給水軸5とが係合されたる(図6(c))。そして、有底筒状部43が内側筒状部40より脱離され、給水軸5が筒状口部2内に突出される(図6(d))。このとき、内側筒状部40及び給水軸5は、内側筒状部40の内周面(係合突起部40a)と給水軸5の外周面とが密着されている。
【0044】
一方、図7に示すように、ウォーターサーバーより液体容器が取り外される際には、液体容器が上動されることで(図7(a))、係合突起部40aに対して給水軸5及び外側突起部43aが摺接されながら内側筒状部40に有底筒状部43が徐々に嵌合されていき(図7(b))、やがて内側筒状部40の開口端に閉止鍔部43bが当接されて内側筒状部40に有底筒状部43が完全に嵌合される(図7(c))。そして、内側筒状部40に有底筒状部43が嵌合された後に、有底筒状部43から給水軸5が脱離される(図7(d))。
【0045】
以上のように、本実施例のボトルキャップ1は、ウォーターサーバー用液体容器の筒状口部2に装着されるボトルキャップ1において、筒状口部2の外周側に当接する外側筒状部30が形成される外側部材3と、筒状口部2内に突出され、ウォーターサーバーの給水軸5が挿通される内側筒状部40が形成される内側部材4と、を具備してなり、外側部材3及び内側部材4がそれぞれ別体に形成されて組み付けられるため、液体容器の筒状口部2に対する装着性及びウォーターサーバーの給水軸5に対する水密性を向上させることができる。
【0046】
すなわち、本実施例のボトルキャップ1は、外側筒状部30が形成される外側部材3及び内側筒状部40が形成される内側部材4がそれぞれ別体に形成されるため、外側部材3及び内側部材4を機械的強度の異なる樹脂成型体より個別に形成することができる。そのため、外側部材3を、筒状口部2にボトルキャップ1を装着させる際に外側筒状部30が適度に弾性変形され、かつ筒状口部2の外周側に適切に圧着されるような機械的強度の合成樹脂材料を用いて形成することで、液体容器の筒状口部2に対するボトルキャップ1の装着性を向上することができる。
【0047】
一方で、内側部材4を、ウォーターサーバーに液体容器を連結させる際に内側筒状部40が給水軸5と最適に密着嵌合されるような機械的強度の合成樹脂材料を用いて形成することで、ウォーターサーバーの給水軸5に対するボトルキャップ1の水密性を向上することができる。さらに、内側部材4が最適な機械的強度の合成樹脂材料を用いて形成されることで、内側部材4の内側筒状部40の開口端に設けられる有底筒状部43を内側筒状部40に挿入された給水軸5と確実に係合させ、液体容器内で給水軸5から有底筒状部43が外れてしまうのを防止できるとともに、内側筒状部40より給水軸5を引き抜く際に、内側筒状部40の開口端に有底筒状部43を密接状態で確実に嵌合させ、元の状態に戻すことができる。
【0048】
また、本実施例のボトルキャップ1は、内側部材4が外側部材3と比べて高硬度の樹脂成形体より形成されるため、上述した液体容器の筒状口部2に対する装着性を維持しつつ、ウォーターサーバーの給水軸5に対する水密性をより向上することができる。具体的には、液体容器の重量は十数L〜二十数Lにもなるため、ウォーターサーバーに液体容器が連結される際に(図6参照)、給水軸5に対して液体容器が傾いた状態で作業が行われる場合がある。本実施例のボトルキャップ1によれば、内側部材4を高硬度の樹脂成形体より形成することで、給水軸5に対する内側部材4(内側筒状部40)の水密性が高められて、内側筒状部40及び給水軸5の離間より液体容器内の液体が漏水するのを確実に防止できるとともに、上述した場合であっても、給水軸5にて内側筒状部40が押し広げられる等の変形を防いで、有底筒状部43が給水軸5と係合せずに内側筒状部40より脱離しまうのを防止できる。
【0049】
また、本実施例のボトルキャップ1は、内側部材4にて、内側筒状部40の開口縁部に周縁鍔部41が形成され、外側筒状部30の内周面30aと周縁鍔部41の外周面41aとで筒状口部2の開口端が挟圧されるように構成されるため、筒状口部2に対してボトルキャップ1をより水密性よく装着させることができ、筒状口部2と内側部材4との隙間から筒状口部2内の液体が漏出することを防止できる。
【0050】
また、本実施例のボトルキャップ1は、外側部材3にて、外側筒状部30の内周面30aに内側部材4と嵌合可能な係止凹部32が形成され、内側部材4が係止凹部32に嵌合されて外側筒状部30の内部空間内に係止されるように構成されるため、外側部材3と内側部材4との組み付け作業が簡易であり、また加工形成が容易である。
【0051】
また、本実施例のボトルキャップ1は、内側部材4にて、内側筒状部40の開口端に有底筒状部43が密接状態で嵌合され、内側筒状部40の内周面には、有底筒状部43の外周面に形成された外側突起部43aと係合可能な係合突起部40aが外側突起部43aの近接位置に形成されるため、内側筒状部40において剛性が高められるとともに、ウォーターサーバーより液体容器が取り外される際に(図7参照)、係合突起部40aに対して給水軸5及び外側突起部43aを摺接させながら、内側筒状部40の開口端に有底筒状部43をより確実に嵌合させることができる。
【0052】
また、本実施例のボトルキャップ1は、内側部材4にて、内側筒状部40の開口端に有底筒状部43が密接状態で嵌合され、有底筒状部43にて、内径が給水軸5の軸径よりも大きくなるように形成されているため、給水軸5によって有底筒状部43が径方向に変形されるのを防止することができ、ウォーターサーバーより液体容器が取り外される際に(図7参照)、内側筒状部40の開口端に有底筒状部43をより確実に嵌合させることができる。
【0053】
また、本実施例のボトルキャップ1は、外側部材3にて、外側筒状部30と連続された蓋部31が形成され、蓋部31に開口された開口部31aを塞ぐようにして剥離部材34が一体成形されるため、従来のように開口部31aを塞ぐために蓋部31にラベル部材を貼付する構成と比べて、粘着劣化によりラベル部材が剥がれてしまうこともなく、また、ラベル部材の剥離に伴う液体容器の品質低下や品質改竄等を効果的に防止できる。
【0054】
なお、ボトルキャップ1の構成としては、上述した実施例に限定されず、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。ただし、以下に示す別実施例においては、特に言及した場合を除き、上述した実施例と構成と同じくするものの説明は省略する。
【0055】
すなわち、上述した実施例のボトルキャップ1は、筒状口部2にボトルキャップ1が装着された状態で、外側筒状部30の内周面30aと周縁鍔部41の外周面41aとで筒状口部2の開口端が挟圧されるように構成されるが(図5参照)、筒状口部2へのボトルキャップ1の装着構造はこれに限定されない。
【0056】
例えば、図8に示す実施例のボトルキャップ101のように、内側部材104において、周縁鍔部141の外周面141aに径方向に向けて突出された止水リブ部144が形成されてもよい。止水リブ部144は、外周面141a円周方向に沿って延出される。かかる構成とすることで、筒状口部2にボトルキャップ101が装着された状態で、外側筒状部30の内周面30aと周縁鍔部41の外周面41aとで突起部20が挟圧される際に、止水リブ部144が弾性変形しながら突起部20の内周面に圧接されるため、内側部材104の成形時に成形収縮にてヒケ等が生じた場合であっても、筒状口部2と内側部材4との隙間(突起部20の内周面と周縁鍔部41の外周面41aとの隙間)をより確実に塞ぐことができ、筒状口部2に対してボトルキャップ1をより高い水密状態で装着できる。
【0057】
なお、ボトルキャップ101では、外側筒状部130の内周面130aの円周方向の所定箇所(本実施例では三カ所)に係止凹部132が形成され、かかる係止凹部132に係止リブ部142を嵌合させた状態で外側筒状部130の内部空間内に内側部材104が係止されるように構成されている。また、係止凹部132の位置・形状等は特に限定されず、さらに係止凹部132を設けずに、外側筒状部130の内周面130aに係止リブ部142を直接当接させるようにして、外側筒状部130の内部空間内に内側部材104を係止させるような構成としてもよい。
【0058】
また、図9に示す実施例のボトルキャップ201のように、外側部材203の外側筒状部230の内周面230aに係止凹部232が円周方向に沿って形成されるとともに、内側部材204の内側筒状部240の開口縁部に周縁鍔部241と係止リブ部242が形成され、筒状口部202にボトルキャップ201が装着された状態で、外側筒状部230に挿嵌された筒状口部202の開口端(突起部220)が周縁鍔部241の外周面241aと係止リブ部242との離間で嵌合されて挟圧されるように構成されてもよい。
【0059】
また、上述した実施例のボトルキャップ1では、外側筒状部30の内周面30aと周縁鍔部41の外周面41aとで突起部20が挟圧されるとともに、係止リブ部42に突起部20の先端が当接されるようにして、内側部材4にて筒状口部2の開口端が閉止されるが、係止リブ部42に突起部20の先端を必ずしも当接させる必要はなく、図5又は図8に示したように、突起部20の内周面と周縁鍔部41の外周面41aとの隙間をなくすように密着等させるように構成すればよい。
【符号の説明】
【0060】
1 ボトルキャップ
2 筒状口部
3 外側部材
4 内側部材
5 給水軸
20 突起部
30 外側筒状部
30a 内周面
31 蓋部
31a 開口部
32 係止凹部(凹部)
33 装着凹部
34 剥離部材
40 内側筒状部
40a 係合突起部
41 周縁鍔部
42 係止リブ部
43 有底筒状部
43a 外側突起部
43b 閉止突起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウォーターサーバー用液体容器の筒状口部に装着されるボトルキャップにおいて、
前記筒状口部の外周側に当接する外側筒状部が形成される外側部材と、
前記筒状口部内に突出され、ウォーターサーバーの給水軸が挿通される内側筒状部が形成される内側部材と、
を具備してなり、
前記外側部材及び内側部材がそれぞれ別体に形成されて組み付けられることを特徴とするボトルキャップ。
【請求項2】
前記内側部材は、前記外側部材と比べて高硬度の樹脂成形体より形成される請求項1に記載のボトルキャップ。
【請求項3】
前記内側部材は、前記内側筒状部の開口縁部に周縁鍔部が形成され、前記外側筒状部の内周面と前記周縁鍔部の外周面とで前記筒状口部の開口端が挟圧される請求項1又は請求項2に記載のボトルキャップ。
【請求項4】
前記内側部材は、前記周縁鍔部の外周面に径方向に向けて突出された止水リブ部が形成される請求項3に記載のボトルキャップ。
【請求項5】
前記外側部材は、前記外側筒状部の内周面に前記内側部材と嵌合可能な凹部が形成され、前記内側部材は、前記凹部に嵌合されて前記外側筒状部の内部空間内に係止される請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のボトルキャップ。
【請求項6】
前記内側部材は、前記内側筒状部の開口端に有底筒状部が密接状態で嵌合され、前記内側筒状部の内周面には、前記有底筒状部の外周面に形成された外側突起部と係合可能な係合突起部が前記外側突起部の近接位置に形成される請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のボトルキャップ。
【請求項7】
前記内側部材は、前記内側筒状部の開口端に有底筒状部が密接状態で嵌合され、前記有底筒状部は、内径が前記給水軸の軸径よりも大きい請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のボトルキャップ。
【請求項8】
前記外側部材は、前記外側筒状部と連続された蓋部が形成され、前記蓋部に開口された開口部を塞ぐようにして剥離部材が一体成形される請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載のボトルキャップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−56703(P2013−56703A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−270279(P2011−270279)
【出願日】平成23年12月9日(2011.12.9)
【特許番号】特許第5009435号(P5009435)
【特許公報発行日】平成24年8月22日(2012.8.22)
【出願人】(599047413)
【Fターム(参考)】