説明

ボトル包装体

【課題】使用時にはボトルを破損を防ぎつつ安全に搬送でき、不使用時には嵩張らないように保管できるようにする。
【解決手段】ボトル包装体10における周縁には、ボトル包装体10の中心を挟んで対向するフック部7F,7B及び把手部8L,8Rがある。ボトル包装体10の中心と周縁との間には同心スリット群30がある。同心スリット群30は、複数個の円弧状のスリット50を円状に並べたものである。ボトル包装体10によりボトルを包装する場合は、ボトル包装体10の中心にボトルを載置してフック部7F,7Bを持ち上げ、フック部7F,7Bの孔11F,11Bをボトルのネックに引っ掛ける。その状態で、把手部8L,8Rを把持して持ち運ぶ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワインボトルなどを包んで持ち運ぶためのボトル包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ワインボトルなどの各種ボトルを破損を防ぎながら安全に搬送する技術の開示がある。同文献に開示された搬送用包装体は、ボトルを包囲する内側フィルム層とこの内側フィルム層を包囲する外側フィルム層とを有する筒状をなしている。この搬送用包装体における内側フィルム層と外側フィルム層の間は気密状態とされ、2つの層の間の空間には空気抽入口から空気を抽入できるようになっている。また、この搬送用包装体における外側フィルム層には、当該包装体と平行に延在する把手が設けられている。この搬送用包装体内へのボトルの収納は次のようにして行う。まず、搬送用包装体の内側フィルム層と外側フィルム層の間の空気を抜いた状態で、内側フィルム層における一端側の開口部から内側フィルム層内にボトルを挿入する。次に、内側フィルム層と外側フィルム層の間の空間に空気抽入口から空気を吹込む。この空気の吹込により、内側フィルム層が内側に膨張してボトルを押圧保持し、外側フィルム層が外側に膨張して両フィルム層間に空気層が形成される。この状態で把手を把持して持ち運ぶことにより、外部からの衝撃によるボトルの破損が防がれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−7036号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された搬送用包装体の場合、外殻をなす内外フィルム層の寸法がボトルの寸法より大きいため、不使用時に嵩張らないように保管しておくことが難しいという問題があった。
【0005】
本発明は、このような背景の下に案出されたものであり、使用時にはボトルをその破損を防ぎつつ安全に搬送でき、不使用時には嵩張らないように保管できるような技術的手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、柔軟性素材からなる略円盤状のシートの周縁の内側に、当該シートと中心を共有する第1,第2…第Mの円の円周方向に沿って複数の円弧状のスリットを並べた第1、第2…第Mの同心スリット群が設けられており、前記第1,第2…第Mの同心スリット群の各々について、当該同心スリット群における隣り合うスリット間の部分の位置が当該同心スリット群の内側及び外側の同心スリット群における隣り合うスリット間の部分の位置に対して円周方向にずれていることを特徴とするボトル包装体を提供する。
【0007】
この発明では、シートの中心にボトルを載置し、シートの周縁を持ち上げる。シートの周縁を持ち上げることにより、スリットが網目を作るように拡がってボトルが覆われる。この状態で、周縁における複数箇所をボトルのネックに固定して把持することにより、ボトルの破損を防ぎつつ安全に運ぶことができる。そして、不使用時には、シートを元の扁平な状態に戻し、嵩張らないように保管することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態であるボトル包装体の平面図である。
【図2】同ボトル包装体によりワインボトルを包装した状態を示す図である。
【図3】同ボトル包装体のスリットの拡大図である。
【図4】同ボトル包装体における同心スリット群の配列を示す図である。
【図5】同ボトル包装体およびこれに覆われたワインボトルの一部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態であるボトル包装体10の表面図である。図2は、ボトル包装体10によりその包装対象であるワインボトル90を包装した状態を示す図である。図1及び図2に示すように、ボトル包装体10は、ワインボトル90を包装しない状態では扁平な略円盤状の形態(フォルム)をなし、ワインボトル90を包装した状態ではワインボトル90の底面及び外周面を覆う網状の形態(フォルム)をなす。
【0010】
このボトル包装体10は、柔軟性を有する樹脂(例えば、シリコンゴム)を素材とする略円盤状のシートからなる。ボトル包装体10は、ワインボトル90を包装しない状態では、大径の1つの円盤と小径の2つの円盤を大径のものを真中に挟んで連結し、大径の円盤の円周における大径と小径の円盤間の連結部分と当該連結部分から距離dずつ両側に離れた位置までの区間とを除く部分を、外側に凸ませたような形状を有している。
【0011】
ボトル包装体10における大径の円盤の部分は、ワインボトル90の包装時においてワインボトル90を覆う役割を果たす部分である。また、小径の円盤の部分は、ワインボトル90の包装時においてワインボトル90のネックに引っ掛けるフックとしての役割を果たす部分である。また、大径の円盤の外側に凸んだ部分は、ワインボトル90の包装時において把持される把手としての役割を果たす部分である。以下では、ボトル包装体10における大径の円盤の部分を本体部6と呼び、小径の円盤の部分をフック部7F及び7Bと呼び、大径の円盤の外側に凸んだ部分を把手部8L及び8Rと呼ぶ。
【0012】
図1に示すように、フック部7F及び7Bには、ワインボトル90のネックの直径とほぼ同じ直径を持った円状の孔11F及び11Bが各々設けられている。把手部8L及び8Rには、円弧状に湾曲した孔12L及び12Rが各々設けられている。本体部6の中心には、ワインボトル90の底面の直径とほぼ同じ直径φ(例えば、φ=68mm)を持った円状のボトル載置領域15がある。また、本体部6の周縁とボトル載置領域15との間には、M(例えば、M=16)個の同心スリット群30(i=1〜M:M=16)が設けられている。図1では、図面が煩雑になるのを防ぐため、同心スリット群30(i=1〜16)のうち最も内側の同心スリット群30にのみ符号を付してある。
【0013】
この同心スリット群30(i=1〜16)について詳細に説明する。各同心スリット群30は、φ+2k(i−1)(例えば、k=5mm)の直径φの円Cの円周に沿って、N(例えば、N=10)個のスリット50ij(j=1〜N:N=10)を並べたものである。図3に示すように、1つ同心スリット群30における1つのスリット50ijは、互いに平行な2つの湾曲面CRVIN及びCRVOUTに挟まれた円弧状をなしている。スリット50ijにおける湾曲面CRVIN及びCRVOUTの両端部は、湾曲面CRVIN及びCRVOUT間の幅W1(例えば、W1=1.0mm)よりも大きな直径W2(例えば、W2=2.0mm)を持った穴5ijL及び5ijRにより終端している。また、各同心スリット群30のスリット50ijにおける両端部間の孤長Lは、円Cの円周をN(N=10)等分した長さよりも僅かに短い長さとなっている。
【0014】
図1に示すように、同心スリット群30におけるスリット501j(j=1〜10)は、当該ボトル包装体10と中心を共有する円C(i=1〜16)のうち最も短い直径φ(φ=φ=68mm)を持った円Cの円周に沿って、幅W3(例えば、W3=3mm)の間隔を空けて並んでいる。また、同心スリット群30におけるスリット502j(j=1〜10)、同心スリット群30におけるスリット503j(j=1〜10)…及び同心スリット群3016におけるスリット5016j(j=1〜10)は、直径φ(φ=73mm)を持った円C、直径φ(φ=78mm)を持った円C…及び直径φ16(φ16=218mm)を持った円C16の各々の円周に沿って、スリット501j間と同じ幅W3の間隔を空けて並んでいる。
【0015】
また、このボトル包装体10では、本体部6における同心スリット群30の各々について、当該同心スリット群30における隣り合うスリット50ij間の部分の位置が、当該同心スリット群30の内側及び外側の同心スリット群30における隣り合うスリット50ij間の部分に対して円周方向にずれている。
【0016】
より具体的に説明すると、図4に示すように、同心スリット群30(i=1〜16)におけるスリット50ij(i=1〜16,j=1〜10)のうち、本体部6の周縁の内側の円状領域の中心から数えて奇数番目の円C,C,C,C,C,C11,C13,C15に沿って並ぶスリット50ijは、本体部6の周縁の内側の円状領域をN等分した扇状領域FA(j=1〜N:N=10)の中に各々配置されている。また、偶数番目の円C,C,C,C,C10,C12,C14,C16に沿って並ぶスリット50ijは、扇状領域FA(j=1〜N:N=10)をθ(θ=360/(2N):N=10である場合、θ=18)度だけ円周方向に回転させた扇状領域FB(j=1〜N:N=10)の中に各々配置されている。
【0017】
つまり、スリット50ij(i=1〜16,j=1〜10)は、同心スリット群30,30,30,30,30,3011,3013,3015における隣り合うスリット50ij間の真中が、扇状領域FA間の境界線(図4の鎖線)と一致し、同心スリット群30,30,30,30,3010,3012,3015における隣り合うスリット50ij間の真中が、扇状領域FB間の境界線(図4の二点鎖線)と一致するような配置となっている。
【0018】
以上が、ボトル包装体10の構成の詳細である。このボトル包装体10によるワインボトル90の包装は次のようにして行う。まず、ボトル載置領域15(円C(i=1〜16)のうち最も内側の円Cの内側にあるスリット50ijの設けられていない領域)に、ワインボトル90を載置する。次に、本体部6の中心を挟んで向かい合う両フック部7F及び7Bの孔11F及び11B内に手指をかけ、フック部7F及び7Bを持ち上げる。ボトル載置領域15にワインボトル90を載置してフック部7F及び7Bを持ち上げると、扁平な略円盤状であったボトル包装体10におけるボトル載置領域15の外側の部分(スリット50ij(i=1〜16,j=1〜10)が設けられた部分)が両フック部7F及び7Bに引っ張られて立ち上がる。このフック部7F及び7Bを持ち上げる力により、ボトル包装体10におけるボトル載置領域15の外側の部分のスリット50ijが菱形状に拡げられる。そして、このボトル載置領域15の外側の部分によりワインボトル90の外周面が覆われる。
【0019】
このようにして、ボトル載置領域15の外側の部分によりワインボトル90の外周面を覆い、両フック部7F及び7Bの孔11F及び11Bをワインボトル90のネックに引っ掛けることにより、ボトル包装体10によるワインボトル90の包装が完了する。この状態で、本体部6の中心を挟んで向かい合う両把手部8L及び8Rの孔12L及び12R内に手指を入れて把手部8L及び8Rを把持し、ボトル包装体10とボトル包装体10に包装されたワインボトル90を持ち運ぶ。
【0020】
以上説明した本実施形態によると、次の効果が得られる。
第1に、本実施形態におけるボトル包装体10は、ワインボトル90を包装しない状態では扁平な略円盤状の形態をなし、ワインボトル90を包装した状態ではワインボトル90の底面及び外周面を覆う網状の形態をなす。よって、不使用時には扁平な略円盤状とすることにより、嵩張らないように保管することができる。
【0021】
第2に、本実施形態におけるボトル包装体10は、シリコンゴムを素材として構成されている。よって、このボトル包装体10によりワインボトル90を包装した場合、外部から加わる衝撃が和らげられる。従って、包装したワインボトル90をその破損を防ぎつつ安全に持ち運ぶことができる。
【0022】
第3に、本実施形態では、スリット50ij(i=1〜16,j=1〜10)の孤長Lが同心スリット群30毎に同じ長さになっている。そして、同心スリット群30におけるスリット50ij間の部分がその内側および外側の同心スリット群30におけるスリット50ij間の部分に対して円周方向にθ(θ=360/(2N))度だけずれている。このため、ボトル載置領域15にワインボトル90を載置してフック部7F及び7Bを持ち上げた場合に、スリット50ij間の部分やスリット50ijの両端部に加わる力が分散する。よって、孤長Lを不均一にしたものやスリット50ij間のずれの大きさをθより大きくしたり小さくしたものに比べて、より重いものを持ち運ぶことができる。
【0023】
第4に、本実施形態では、スリット50ijの両端部が、当該スリット50ijの幅W1よりも大きな直径W2を持った穴5ijL及び5ijRにより終端している。このため、ボトル載置領域15にワインボトル90を載置してフック部7F及び7Bを持ち上げた場合に、スリット50ijの両端部に加わる力が分散する。よって、スリット50ijの両端部の各々をスリット50ijの幅W1のまま終端させたものに比べて、より重いものを持ち運ぶことができる。
【0024】
第5に、本実施形態では、ボトル包装体10における本体部6、フック部7F,7B、及び把手部8L,8Rが柔軟性を有する素材であるシリコンゴムにより形成されている。よって、一方のフック部7Fの孔11F内に他方のフック部7Bを挿入し、フック部7Fの孔11Fをフック部7B及び本体部6間の括れた連結部分に引っ掛けて固定することができる。従って、ワインボトル90よりも丈の短い瓶体(例えば、焼酎の瓶)をワインボトル90の場合と同じように包装し、一方のフック部7Fの孔11Fを他方のフック部7B及び本体部6間の連結部分に引っ掛けて持ち運ぶ、といった用途に用いることもできる。
【0025】
第6に、本実施形態によると、スリット50ij(i=1〜16,j=1〜10)のないシリコンゴム製のシートによりワインボトル90を包装する場合よりも高い緩衝性能を得ることができる。この効果について、図5を参照して具体的に説明する。図5は、図2における網状の形態(フォルム)をなすボトル包装体10とこれにより覆われたワインボトル90の一部分の拡大図である。図5において、同心スリット群30における隣り合うスリット5077及び5078間の部分Sに着目すると、ワインボトル90を包装している状態では、この部分Sのゴム片は、スリット5067の湾曲面CRVOUTとスリット5077及び5078の各々の湾曲面CRVINに挟まれた部分のゴム片と、スリット5087の湾曲面CRVINとスリット5077及び5078の湾曲面CRVOUTに挟まれた部分のゴム片とにより上下に引っ張られる。この部分Sのゴム片を上下に引っ張る力の働きにより、部分Sのゴム片におけるスリット5087の湾曲面CRTIN側は、部分Sの幅(部分Sの下のスリット5067の湾曲面CRVOUTと部分Sの上のスリット5087の湾曲面CRVINの間の幅)とほぼ同寸法を持って外側にせり出す。
【0026】
ここで、本実施形態では、同心スリット群30(i=1〜16)におけるスリット50ij(i=1〜16,j=1〜10)の孤長Lを同心スリット群30毎に同じにし、隣り合うスリット50ij間の部分を均一な角度θ(θ=360/(2N))だけ円周方向にずらしている。このため、同心スリット群30(i=1〜16)における隣り合うスリット50ij間の全ての部分に部分S(図5)と同様の力が働く。この結果、ワインボトル90の外周面の全体が、外側にせり出したスリット50ij間の部分により規則正しく覆われることになり、スリット50ij(i=1〜16,j=1〜10)のないものでワインボトル90を包装する場合よりも高い緩衝性能が得られる。
【0027】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明には他にも実施形態があり得る。例えば、以下の通りである。
(1)上記実施形態において、同心スリット群30の総数Mを、2〜15としてもよいし、17以上としてもよい。同心スリット群30の総数Mを多くした場合、隣り合うスリット50ij間の部分の幅(隣り合うスリット50ij間の部分の下のスリット50ijの湾曲面CRVOUTとその上のスリット50ijの湾曲面CRVINの間の幅)は薄くなり、ボトル包装体10によりワインボトル90を包装した状態で外側に向かってせり出すゴム片の厚さも薄くなる。よって、この場合、ボトル包装体10によりワインボトル90を包装することにより得られる緩衝性能は低くなる。反対に、1つの同心スリット群30の総数Mを少なくした場合、隣り合うスリット50ij間の部分の幅(隣り合うスリット50ij間の部分の下のスリット50ijの湾曲面CRVOUTとその上のスリット50ijの湾曲面CRVINの間の幅)は厚くなり、ボトル包装体10によりワインボトル90を包装した状態で外側に向かってせり出すゴム片の厚さも厚くなる。よって、この場合、ボトル包装体10によりワインボトル90を包装することにより得られる緩衝性能は高くなる。従って、同心スリット群30の総数Mは、目標とする緩衝性能などを加味して適宜決定するとよい。
【0028】
(2)上記実施形態において、1つの同心スリット群30をなすスリット50ijの総数Nを、2〜9としてもよいし、11以上としてもよい。1つの同心スリット群30をなすスリット50ijの総数Nを多くした場合、1つ1つのスリット50ijの孤長Lは短くなり、ボトル包装体10によりワインボトル90を包装した状態で現れる菱形状の網目は密になる。よって、この場合、ボトル包装体10によりワインボトル90を包装することにより得られる緩衝性能は高くなる。反対に、1つの同心スリット群30をなすスリット50ijの総数Nを少なくした場合、1つ1つのスリット50ijの孤長Lは長くなり、ボトル包装体10によりワインボトル90を包装した状態で現れる菱形状の網目は粗になる。よって、この場合、ボトル包装体10によりワインボトル90を包装することにより得られる緩衝性能は低くなる。従って、1つの同心スリット群30をなすスリット50ijの総数Nは、目標とする緩衝性能などを加味して適宜決定するとよい。
【0029】
(3)上記実施形態では、スリット50ijの両端部の各々は、当該スリット50ijの幅W1よりも大きな直径W2を持った穴5ijL及び5ijRにより終端していた。しかし、当該スリット50ijの幅W1と同じ大きさの直径を持った穴5ijL及び5ijRにより終端してもよい。
【0030】
(4)上記実施形態において、同心スリット群30の各々を不均一な孤長Lのスリット50ijにより構成してもよい。例えば、円Cの円周のN等分よりもL1だけ短い孤長L’を持ったスリット50ijと、円Cの円周のN等分よりもL2(L2<L1)だけ短い孤長L”を持ったスリット50ijを交互に並べて同心スリット群30を構成してもよい。
【0031】
(5)上記実施形態において、孔11F及び11Bを円と異なる形状(例えば、多角形)としてもよい。また、孔12L及び12Rを円弧状に湾曲した形状と異なる形状(例えば、円や多角形)としてもよい。また、孔11F及び11Bの直径をワインボトル90のネックの直径よりも小さくしてもよいし、大きくしてもよい。
【0032】
(6)上記実施形態では、ボトル包装体10は、本体部6、フック部7F,7B、及び把手部8L,8Rがシリコンゴムを素材とする一枚のシートにより形成された。しかし、本体部6のみを一枚のシートにより形成し、この一枚のシートの周縁に、シリコンゴムまたは別の素材からなるフック部7F及び7Bと把手部8L及び8Rを連結させてもよい。
【0033】
(7)上記実施形態において、ボトル包装体10をなすシートの形状は、左右対称である必要はなく、上下対称である必要もない。また、ボトル包装体10を円盤状の一枚のシートのみにより形成し、この円盤状のシートの周縁の内側近傍に当該円盤の中心を挟んで対向する2組の孔11F,11B及び12L,12Rを設け、その孔11F,11B及び12L,12Rの内側に、円盤と中心を共有する同心スリット群30(i=1〜M)を設けてもよい。
【0034】
(8)上記実施形態において、ボトル包装体10は、本体部6とフック部7F及び7Bのみからなる構成としてもよいし、本体部6と把手部8L及び8Rのみからなる構成としてもよい。
(9)上記実施形態では、ボトル包装体10は、シリコンゴムを素材として構成されていた。しかし、シリコンゴム以外の柔軟性を有する素材(例えば、天然ゴム、合成ゴム、合成樹脂、フェルト、和紙、皮革、布など)により構成してもよい。
【符号の説明】
【0035】
5…穴、6…本体部、7…フック部、8…把手部、10…ボトル包装体、11,12…孔、30…同心スリット群、50…スリット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟性素材からなる略円盤状のシートの周縁の内側に、当該シートと中心を共有する第1,第2…第Mの円の円周方向に沿って複数の円弧状のスリットを並べた第1、第2…第Mの同心スリット群が設けられており、前記第1,第2…第Mの同心スリット群の各々について、当該同心スリット群における隣り合うスリット間の部分の位置が当該同心スリット群の内側及び外側の同心スリット群における隣り合うスリット間の部分の位置に対して円周方向にずれていることを特徴とするボトル包装体。
【請求項2】
前記第1,第2…第Mの同心スリット群の各々は、同心スリット群毎に同じ孤長を持ったN個ずつのスリットからなり、
前記シートの周縁の内側の円状領域の中心から数えて奇数番目の円に沿って並ぶスリットが、前記シートの周縁の内側の円状領域をN等分したN個の扇状領域の中に各々配置され、偶数番目の円に沿って並ぶスリットが、前記N個の扇状領域を円周方向に360/(2N)度回転させたN個の扇状領域の中に各々配置されていることを特徴とする請求項1に記載のボトル包装体。
【請求項3】
前記シートの周縁の近傍に、当該シートの中心を挟んで向かい合う一対のフックが設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のボトル包装体。
【請求項4】
前記シートの周縁の近傍に、当該シートの中心を挟んで向かい合う一対の把手が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1の請求項に記載のボトル包装体。
【請求項5】
前記スリットの両端部の各々が、当該スリットの幅よりも大きな直径を持った穴により終端していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1の請求項に記載のボトル包装体。
【請求項6】
前記第1,第2…第Mの円のうち最も内側の円の内側に、スリットが設けられていないボトル載置領域が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1の請求項に記載のボトル包装体。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−189943(P2011−189943A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−55603(P2010−55603)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(303057974)株式会社モリセイ (2)
【復代理人】
【識別番号】100117455
【弁理士】
【氏名又は名称】千ヶ崎 茂樹
【復代理人】
【識別番号】100163832
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 直哉
【Fターム(参考)】