説明

ボトル箱詰め用治具とボトル収納体

【課題】外周面にラベルを貼着したボトルを箱詰めするにあたって、特に熟練を要することなく、ラベルのボトル挿入方向前縁部が箱側周縁部に引っ掛からないように箱詰めすることができ、その箱詰め作業の一層の能率向上も図り易いボトル箱詰め用治具を提供する。
【解決手段】箱内の有底筒状のボトル収納部1に、外周面にラベル2を貼着したボトルBを挿入して収納するためのボトル箱詰め用治具であって、ボトル収納部におけるボトル収納口6を通してボトルを収納する際に、ボトル収納口を囲む周縁部にラベルが接触しようとした場合に、周縁部とボトルとの間に介在して、ラベルをボトルに押し付ける方向に作用するガイド部材11と、ガイド部材をボトル収納口を囲む周縁部の内側に入り込むように保持可能な保持部12とを設けてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箱内の有底筒状のボトル収納部に、外周面にラベルを貼着したボトルを挿入して収納するためのボトル箱詰め用治具とボトル収納体に関する。
【背景技術】
【0002】
外周面にラベルを貼着したボトルを、箱内の有底筒状のボトル収納部に、そのボトル収納部におけるボトル収納口を通して収納する際には、ラベルのボトル挿入方向前縁部が、ボトル収納口を囲む箱側周縁部などに引っ掛かって、ラベルに皺ができたり、ラベルがボトルから剥離したりするおそれがあったため、従来は、ラベルのボトル挿入方向前縁部が箱側周縁部などに引っ掛からないように、例えば、ボトル収納口を拡げながらボトルを収納する等、熟練の作業者が注意を払いながらボトルを箱詰めしていた(周知慣用技術であり、適切な先行技術文献情報を開示できない)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
箱内に複数のボトル収納部が存在すると、ボトルの収納が進むと、ボトル収納口を拡げ難くなり、ラベルが剥離するおそれが高くなるため、能率良く箱詰め作業を行うには熟練を要していた。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、外周面にラベルを貼着したボトルを箱詰めするにあたって、特に熟練を要することなく、ラベルのボトル挿入方向前縁部が箱側周縁部に引っ掛からないように箱詰めすることができ、その箱詰め作業の一層の能率向上も図り易いボトル箱詰め用治具とボトル収納体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1特徴構成は、箱内の有底筒状のボトル収納部に、外周面にラベルを貼着したボトルを挿入して収納するためのボトル箱詰め用治具であって、ボトル収納部におけるボトル収納口を通してボトルを収納する際に、前記ボトル収納口を囲む周縁部にラベルが接触しようとした場合に、前記周縁部とボトルとの間に介在して、ラベルをボトルに押し付ける方向に作用するガイド部材と、前記ガイド部材を前記ボトル収納口を囲む周縁部の内側に入り込むように保持可能な保持部とを設けてある点にある。
【0005】
〔作用及び効果〕
ボトル収納部におけるボトル収納口を通してボトルを収納する際に、ボトル収納口を囲む周縁部にラベルが接触しようとした場合に、周縁部とボトルとの間に介在して、ラベルをボトルに押し付ける方向に作用するガイド部材を、ボトル収納口を囲む周縁部の内側に入り込むように保持しておくことができるので、作業者は、特に注意を払うことなく、ラベルのボトル挿入方向前縁部がボトル収納口を囲む箱側周縁部に引っ掛からないように、ボトルをボトル収納部に収納することができる。
従って、外周面にラベルを貼着したボトルを箱詰めするにあたって、特に熟練を要することなく、ラベルのボトル挿入方向前縁部が箱側周縁部に引っ掛からないように箱詰めすることができ、その箱詰め作業の一層の能率向上も図り易い。
【0006】
本発明の第2特徴構成は、前記保持部を、前記周縁部に載置自在で、かつ、前記ボトルをボトル収納部内に挿通自在な開口部を備えた枠状に設けて、前記保持部を前記周縁部に載置した状態で、前記ガイド部材を保持可能に構成してある点にある。
【0007】
〔作用及び効果〕
保持部を、ボトル収納口の周縁部に載置自在で、かつ、ボトルをボトル収納部内に挿通自在な開口部を備えた枠状に設けて、保持部をボトル収納口の周縁部に載置した状態で、ラベルをボトルに押し付ける方向に作用するように、ガイド部材を保持可能に構成してあるので、ボトル収納口との相対位置にかかわらず、ラベルに対して作用するようにガイド部材を保持することができると共に、手を使わずにガイド部材を保持することができ、作業効率を高めることができる。
【0008】
本発明の第3特徴構成は、弾性ガイド板で前記ガイド部材を構成し、前記弾性ガイド板を前記枠状の保持部の開口部側に突出するようにその保持部に取り付けて、前記ボトルを前記ボトル収納口から前記ボトル収納部に挿入するに伴って、そのボトルで前記弾性ガイド板を弾性変形させて前記ボトル収納部側に押し込み可能に設けてある点にある。
【0009】
〔作用及び効果〕
弾性ガイド板でガイド部材を構成し、弾性ガイド板を枠状の保持部の開口部側に突出するようにその保持部に取り付けて、ボトルをボトル収納口からボトル収納部に挿入するに伴って、そのボトルで弾性ガイド板を弾性変形させてボトル収納部側に押し込み可能に設けてあるので、枠状の保持部の開口部側に突出させたガイド部材を、ボトルをボトル収納口からボトル収納部に挿入するに伴って、ボトル収納部側に押し込む状態に切り換えるような切り換え機構を別途設けることなく、簡易な構造で、ラベルをボトルに押し付ける方向に作用するように、ガイド部材をボトル収納口に対して保持することができる。
【0010】
本発明の第4特徴構成は、前記弾性ガイド板は、前記枠状の保持部の内側において放射状の切り込み又はスリットを形成してある弾性シート材から成る点にある。
【0011】
〔作用及び効果〕
弾性ガイド板は、枠状の保持部の内側において放射状の切り込み又はスリットを形成してある弾性シート材から成るので、枠状の保持部に複数の弾性ガイド板を取り付けて、ラベルと弾性ガイド板との相対位置に特に注意を払うことなく、ラベルのボトル挿入方向前縁部が箱側周縁部に引っ掛からないようにするにあたって、複数の弾性ガイド板を枠状の保持部に各別に取り付けるような手間を掛けることなく、複数の弾性ガイド板を同時に枠状の保持部に簡便に取り付けることができる。
【0012】
本発明の第5特徴構成は、前記保持部を、前記箱内に備えた互いに隣り合う複数の矩形のボトル収納口の夫々を囲む周縁部に載置自在で、かつ、前記ボトルをボトル収納部内に挿通自在な複数の開口部を備えた格子状に設けて、前記保持部を前記周縁部に載置した状態で、前記ガイド部材を保持可能に構成してある点にある。
【0013】
〔作用及び効果〕
保持部を、箱内に備えた互いに隣り合う複数の矩形のボトル収納口の夫々を囲む周縁部に載置自在で、かつ、ボトルをボトル収納部内に挿通自在な複数の開口部を備えた格子状に設けて、保持部を周縁部に載置した状態で、ラベルをボトルに押し付ける方向に作用するように、ガイド部材を保持可能に構成してあるので、箱内を仕切り板などで仕切って互いに隣り合う複数の矩形のボトル収納部を設けてある場合に、そのボトル収納口毎に一つのボトル箱詰め用治具を使用することなく、一つのボトル箱詰め用治具で、しかも、ボトル収納部の深さにかかわらず、各ボトル収納口に対して同時に、ラベルに対して作用するようにガイド部材を保持して、ボトルを各ボトル収納部に能率良く収納できる。
【0014】
本発明の第6特徴構成は、弾性ガイド板で前記ガイド部材を構成し、前記弾性ガイド板を前記格子状の保持部の各開口部側に突出するようにその保持部に取り付けて、前記ボトルを前記ボトル収納口から前記ボトル収納部に挿入するに伴って、そのボトルで前記弾性ガイド板を弾性変形させて前記ボトル収納部側に押し込み可能に設けてある点にある。
【0015】
〔作用及び効果〕
弾性ガイド板でガイド部材を構成し、弾性ガイド板を格子状の保持部の各開口部側に突出するようにその保持部に取り付けて、ボトルをボトル収納口からボトル収納部に挿入するに伴って、そのボトルで弾性ガイド板を弾性変形させてボトル収納部側に押し込み可能に設けてあるので、格子状の保持部の各開口部側に突出させたガイド部材を、ボトルをボトル収納口からボトル収納部に挿入するに伴って、ボトル収納部側に押し込む状態に切り換えるような切り換え機構を別途設けることなく、簡易な構造で、ラベルをボトルに押し付ける方向に作用するように、ガイド部材を各ボトル収納口に対して保持することができる。
【0016】
本発明の第7特徴構成は、前記弾性ガイド板は、前記開口部において放射状の切り込み又はスリットを開口部毎に形成してある弾性シート材から成る点にある。
【0017】
〔作用及び効果〕
弾性ガイド板は、格子状の保持部における開口部において放射状の切り込み又はスリットを開口部毎に形成してある弾性シート材から成るので、各開口部毎に弾性ガイド板を格子状の保持部に各別に取り付けるような手間を掛けることなく、切り込み又はスリットで分断された各開口部毎の弾性ガイド板を一体のものとして取り扱って、格子状の保持部に簡便に取り付けることができる。
【0018】
本発明の第8特徴構成は、
前記保持部が、脚部と、前記箱の一側面を脚部の側面に当て付けた状態で前記ボトル収納部と前記保持部との相対姿勢を位置決め自在な位置決め部とを備え、前記脚部で支持し、かつ、前記位置決め部で前記ボトル収納部との相対姿勢を位置決めしてある状態で、前記ボトルを前記ボトル収納口から前記ボトル収納部内に挿入するときに、前記ラベルに対して作用自在になるように前記ガイド部材を前記ボトル収納口に対して保持可能に構成してある点にある。
【0019】
〔作用及び効果〕
保持部が、脚部と、その箱の一側面を脚部の側面に当て付けた状態でボトル収納部と保持部との相対姿勢を位置決め自在な位置決め部とを備え、脚部で支持し、かつ、位置決め部でボトル収納部との相対姿勢を位置決めしてある状態で、ボトルをボトル収納口からボトル収納部内に挿入するときに、ラベルに対して作用自在になるようにガイド部材をボトル収納口に対して保持可能に構成してあるので、保持部を持ち上げてボトル収納部との相対姿勢を位置決めするような煩雑な操作によらずに、脚部で支持した保持部と箱とを相対的に近接移動させる簡便な操作で、ボトル収納部と保持部との相対姿勢を位置決めして、ラベルに対して作用自在になるようにガイド部材をボトル収納口に対して能率良く保持することができる。
【0020】
本発明の第9特徴構成は、
弾性ガイド板で前記ガイド部材を構成し、前記弾性ガイド板を前記ボトル収納口側に突出するように前記保持部に取り付けて、前記ボトルを前記ボトル収納口から前記ボトル収納部内に挿入するに伴って、そのボトルで前記弾性ガイド板を弾性変形させて前記ボトル収納部側に押し込み可能に設けてある点にある。
【0021】
〔作用及び効果〕
弾性ガイド板でガイド部材を構成し、その弾性ガイド板をボトル収納口側に突出するように保持部に取り付けて、ボトルをボトル収納口からボトル収納部内に挿入するに伴って、そのボトルで弾性ガイド板を弾性変形させてボトル収納部側に押し込み可能に設けてあるので、ボトル収納口側に突出させたガイド部材を、ボトルをボトル収納口からボトル収納部に挿入するに伴って、ボトル収納部側に押し込む状態に切り換えるような切り換え機構を別途設けることなく、簡易な構造で、ラベルをボトルに押し付ける方向に作用するように、ガイド部材をボトル収納口に対して保持することができる。
【0022】
本発明の第10特徴構成は、前記ボトルを挿通自在なリング部材を、その外周側の一部又は全部が前記ボトル収納口よりも径方向外方に突出するように、前記保持部に固定してある点にある。
【0023】
〔作用及び効果〕
ボトル収納口を開閉するための蓋用フラップを一体に設けてある箱の場合、ボトルをボトル収納口からボトル収納部に挿入する際に、蓋用フラップがボトル収納口側に倒れ込んで、その挿入作業の邪魔になるおそれがあるが、ボトルを挿通自在なリング部材を、その外周側の一部又は全部がボトル収納口よりも径方向外方に突出するように、保持部に固定してあるので、リング部材で蓋用フラップのボトル収納口側への倒れ込みを阻止しながら、ボトルをボトル収納口からボトル収納部に能率良く挿入できる。
【0024】
本発明の第11特徴構成は、前記脚部の水平方向に沿わせる幅を、その上下方向中間位置の脚部部分において残りの脚部部分よりも幅狭に形成してある点にある。
【0025】
〔作用及び効果〕
脚部の水平方向に沿わせる幅を、その上下方向中間位置の脚部部分において残りの脚部部分よりも幅狭に形成してあるので、箱の上下方向中間位置を手指で掴んで、その一側面を脚部の側面に当て付けて位置決めする際に、手指と脚部とが干渉しにくく、精度良く位置決めできる。
【0026】
本発明の第12特徴構成は、箱内の有底筒状のボトル収納部に、外周面にラベルを貼着したボトルを挿入して収納してあるボトル収納体であって、請求項1〜11のいずれか1項記載のボトル箱詰め用治具を使用して、前記ボトルを前記箱に収納してある点にある。
【0027】
〔作用及び効果〕
請求項1〜11のいずれか1項記載のボトル箱詰め用治具を使用して、ボトルを箱に収納してあるので、収納してあるボトルに貼着してあるラベルに皺ができていたり、ラベルがボトルから剥離しているおそれが無い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、図面において従来例と同一の符号で表示した部分は、同一又は相当の部分を示している。
〔第1実施形態〕
図1は、ボトルBを収納する両面段ボール紙製箱Cを示し、図2,図3は、その箱C内に設けてある複数の有底角筒状のボトル収納部1の夫々に、外周面に紙製ラベル2を貼着したガラス製ボトルBを挿入して収納するために使用する本発明によるボトル箱詰め用治具Aを示している。
【0029】
前記箱Cは、図1に示すように、矩形の上向き開口部を開閉するための蓋用フラップ3を四つの各箱側壁4(4a)毎に一体に延設してある直方体形状に形成してあり、その内側を両面段ボール紙製仕切り用板材5で仕切って、板面がボトル収納方向に沿う板材(箱側壁,仕切り用板材)で囲まれた複数の筒状のボトル収納部1と、そのボトル収納部1の一端側に開口するボトル収納部1毎のボトル収納口6とを備え、ボトル収納口6の少なくとも一部、つまり、仕切り用板材5側が、その仕切り用板材5の切断周縁部(箱側周縁部)7で囲まれている。
【0030】
前記ボトルBは、図4に示すように、円形底部8と円筒状胴部9とを備えていてウイスキーや清酒などの酒類を瓶詰めしてある所謂丸瓶であって、ボトル収納部1への挿入方向に略沿うボトル外周面、つまり、円筒状胴部9の外周面にラベル2を貼着してあり、円形底部8側を下向きにしてボトル収納部1に収納するようにしてある。
【0031】
前記ボトル箱詰め用治具Aは、図2,図3に示すように、ボトル収納部1におけるボトル収納口6を通してボトルBを収納する際に、ラベル2が接触した場合にそのラベル2をボトルBに押し付ける方向に作用するガイド面10を備えたガイド部材11と、ガイド面10がラベル2に対してボトルBに押し付ける方向に作用するように、ガイド部材11をボトル収納口6に対して保持可能な保持部12とを設けてある。
【0032】
つまり、ガイド部材11は、図5に示すように、ラベル2のボトル挿入方向前縁部13におけるラベル端面14と外向きラベル面15とが交差する交差部位16に対して接触可能なガイド面10を備えている。
【0033】
具体的には、一側面側をガイド面10に形成可能な弾性ガイド板でガイド部材11を構成してあり、ラベル2とガイド部材11との相対位置に特に注意を払うことなく、ラベル2のボトル挿入方向前縁部13が箱側周縁部7に引っ掛からないようにするために、そのガイド部材11の複数を、保持部12に備えた円形の保持フレーム12aに沿ってその円形開口部17側に突出するように接着によって取り付けて、図4に示すように、ボトルBの円形底部8側をボトル収納口6からボトル収納部1に挿入するに伴って、そのボトルBでガイド部材11を弾性変形させてボトル収納部1側に押し込み可能に設けてある。
【0034】
前記保持部12は、具体的には、ボトル収納口6の内方でその周部に沿って配置自在、かつ、ボトルBをボトル収納方向に挿通自在な開口部17を備えた円筒枠状の樹脂製保持フレーム12aと把持部18とで構成して、図2,図3に示すように、保持フレーム12aをボトル収納口6の周部に沿って配置した状態で、図4に示すように、ボトルBをボトル収納口6からボトル収納部1に挿入するときに、ラベル2が接触した場合に、ガイド面10がそのラベル2をボトルBに押し付ける方向に作用するように、ガイド部材11をボトル収納口6に対して保持可能に構成してある。
【0035】
つまり、ボトルBをボトル収納口6からボトル収納部1に挿入するときに、ラベル端面14がボトル収納口6に移動するに伴って、図5(イ)に示すように、ガイド面10が外向きラベル面15に対して傾斜する傾斜姿勢で、ラベル端面14と外向きラベル面15との交差部位16に対して接触し、その後、ラベル端面14がボトル収納部1に入り込むに伴って、図5(ロ)に示すように、ガイド面10がラベル2をボトルBに押し付ける方向に作用するように、ガイド部材11をボトル収納口6に対して保持可能に設けてある。
【0036】
前記ガイド部材11の複数は、図6に示すように、円形の保持部12の内側において放射状、つまり、円形の保持部12の径方向に沿う放射状の切り込み又はスリット19を形成してある円形の弾性シート材20で構成してあり、この弾性シート材20の外径を保持フレーム12aの外径と略同径に形成し、環状の帯板部分21が略円筒状に変形するように強制的に押し広げながら保持フレーム12aの外周側に外嵌して、接着剤で接着して取り付けてあるが、接着剤に代えて、ビスなどで機械的に取り付けてあっても良い。
尚、図7に示すように、ガイド部材11の複数を形成してある帯状の弾性シート材20を保持フレーム12aの外周側に沿って巻き付けて接着することによって取り付けても良い。
【0037】
図8は、本実施形態で示したボトル箱詰め用治具Aを使用して、箱C内の複数のボトル収納部1の夫々に、外周面にラベル2を貼着したボトルBを挿入して収納してあるボトル収納体Dを示す。
【0038】
〔第2実施形態〕
図9は、本発明によるボトル箱詰め用治具Aの別実施形態を示し、保持部12を、図10に示すように、箱Cに備えた互いに隣り合う複数の矩形ボトル収納口6の夫々を囲む周縁部7に載置自在、かつ、ボトルBをボトル収納方向に挿通自在な複数の矩形開口部17を備えた格子状の樹脂製フレームで構成し、この樹脂製フレーム12の矩形開口部17毎に、複数のガイド部材11を取り付けて、図11,図12に示すように、各ボトル収納口6の周縁部7に載置できるように構成してある。
【0039】
前記複数のガイド部材11は、図10に示すように、矩形開口部17の径方向に沿う放射状の切り込み又はスリット19を矩形開口部17毎に対応して形成してある矩形の弾性シート材20から構成してあって、その透明弾性シート材20は樹脂製フレーム12に接着して設けてある。
【0040】
つまり、ガイド部材11を一側面側をガイド面10に形成可能な弾性ガイド板で構成してあり、そのガイド部材11の複数を格子状の樹脂製フレーム12の各矩形開口部17側に突出するようにその樹脂製フレーム12に接着によって取り付けて、ボトルBをボトル収納口6からボトル収納部1に挿入するに伴って、そのボトルBでガイド部材11を弾性変形させて前記ボトル収納部1側に押し込み可能に設けてある。
【0041】
前記樹脂製フレーム12は、仕切り用板材5の上端面に沿って載置する仕切りフレーム部分22と、箱側壁4の上縁部に沿って一連に載置する外枠フレーム部分23とを一体に備えた格子状に形成してあるとともに、各フレーム部分22,23は、ボトル収納口6の周縁部7に載置した状態でボトル収納口6側にはみ出さない幅に形成してあり、略中央部には取っ手24を設けてある。
【0042】
そして、図13に示すように、ボトルBをボトル収納口6からボトル収納部1に挿入するときに、ラベル端面14がボトル収納口6に移動するに伴って、図14(イ)に示すように、ガイド面10が外向きラベル面15に対して傾斜する傾斜姿勢で、ラベル端面14と外向きラベル面15との交差部位16に対して接触し、その後、ラベル端面14がボトル収納部1に入り込むに伴って、図14(ロ)に示すように、ガイド面10がラベル2をボトルBに押し付ける方向に作用するように、ガイド部材11をボトル収納口6に対して保持可能に設けてある。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0043】
〔第3実施形態〕
図15は、本発明によるボトル箱詰め用治具Aの別実施形態を示し、図16に示すように、保持部12を、箱Cに備えた互いに隣り合う複数の矩形ボトル収納口6の周縁部7に載置自在、かつ、ボトルBをボトル収納方向に挿通自在な複数の円形開口部17を備えた格子状の樹脂製板材で形成し、この樹脂製板材12に、円形開口部17の径方向に沿う放射状の切り込み又はスリット19を円形開口部17毎に対応して形成してある矩形の弾性シート材20を接着して、円形開口部17毎に複数のガイド部材11を取り付けた状態にしてある。
その他の構成は第2実施形態と同様である。
【0044】
〔第4実施形態〕
図17は、本発明によるボトル箱詰め用治具Aの別実施形態を示し、保持部12を、仕切り用板材5の上端面に載置する仕切りフレーム部分22のみからなる格子状に形成して、箱側壁4の上縁部に沿わせるガイド部材11の取り付けを省略し、図18に示すように、略四角筒状の胴部9を備えたボトル(角瓶)Bを収納できるようにしてある。
その他の構成は第2実施形態と同様である。
【0045】
〔第5実施形態〕
図19は、紙製箱(化粧箱)C内に設けてある単一の有底角筒状のボトル収納部1に、外周面に紙製ラベル2を貼着した一本のボトル(丸瓶)Bを収納するために使用する本発明によるボトル箱詰め用治具Aの別実施形態を示している。
【0046】
前記箱Cは、図20に示すように、矩形のボトル収納口6を開閉するための蓋用フラップ3を三つの箱側壁4(4a)に一体に延設してある直方体形状に形成してあり、板面がボトル収納方向に沿う板材(箱側壁4)で囲まれた単一のボトル収納部1と、そのボトル収納部1の一端側に開口する一つのボトル収納口6とを備え、ボトル収納口6の少なくとも一部、つまり、蓋用フラップ3を延設していない箱側壁4(4b)側が、その箱側壁用板材の切断周縁部(箱側周縁部)7で囲まれている。
【0047】
前記ボトル箱詰め用治具Aは、ボトル収納部1におけるボトル収納口6を通してボトルBを収納する際に、ラベル2が接触した場合にそのラベル2をボトルBに押し付ける方向に作用するガイド面10を備えたガイド部材11と、ガイド面10がラベル2に対してボトルBに押し付ける方向に作用するように、ガイド部材11をボトル収納口6に対して保持可能な保持部12とを設けてある。
【0048】
前記保持部12は、箱Cの載置面25に支持可能な扁平板状脚部26と、載置面25に載置してある箱Cの外周面を当て付けてボトル収納部1と保持部12との相対姿勢を位置決め自在な位置決め部27とを備え、扁平板状脚部26の上縁部12bにガイド部材11を取り付け、板状脚部26の下端部には、粘着テープなどで載置面25に固定する固定部28を延設してある。
【0049】
前記位置決め部27は、板状脚部26と、板状脚部26に対して略90度の角度で交差するようにその板状脚部26の側縁部に延設してある当て板29とで構成して、板状脚部26と当て板29とに、箱Cの側壁角部を形成している二つの箱側壁4の外面を同時に当て付けて、ボトル収納部1と保持部12との相対姿勢を位置決めできるように構成してある。
【0050】
前記ガイド部材11は、ラベル2のボトル挿入方向前縁部13におけるラベル端面14と外向きラベル面15とが交差する交差部位16に対して接触可能なガイド面10を備えている。
【0051】
具体的には、一側面側をガイド面10に形成可能な弾性シート材20からなる弾性ガイド板でガイド部材11を構成してあり、このガイド部材11をボトル収納口6側に突出するように上縁部12bに接着して取り付け、ボトルBをボトル収納口6からボトル収納部1内に挿入するに伴って、そのボトルBでガイド部材11を弾性変形させてボトル収納部1側に押し込み可能に設けてある。
【0052】
そして、図21に示すように、板状脚部26で載置面25に支持し、かつ、位置決め部27でボトル収納部1との相対姿勢を位置決めしてある状態で、ボトルBをボトル収納口6からボトル収納部1に挿入するときに、ラベル端面14がボトル収納口6に移動するに伴って、図22(イ)に示すように、ガイド面10が外向きラベル面15に対して傾斜する傾斜姿勢で、ラベル端面14と外向きラベル面15との交差部位16に対して接触し、その後、ラベル端面14がボトル収納部1に入り込むに伴って、図22(ロ)に示すように、ガイド面10がラベル2をボトルBに押し付ける方向に作用するように、ガイド部材11をボトル収納口6に対して保持可能に設けてある。
【0053】
〔第6実施形態〕
図23は、第5実施形態の変形例を示し、ボトルBを挿通自在な円環状のリング部材30を、その外周側の一部又は全部がボトル収納口6よりも外側に突出するように、保持部12に固定してあるとともに、板状脚部26の両側縁部に、その上下方向中間位置において互いに最も近接する円弧形状部分を形成して、板状脚部26の水平方向に沿わせる幅を、その上下方向中間位置の脚部部分31において残りの脚部部分よりも幅狭に形成してある。
【0054】
そして、図24に示すように、箱Cを手指32で把持したときに、その手指32が板状脚部26と干渉せず、また、図25に示すように、リング部材30で蓋用フラップ3のボトル収納口6側への倒れ込みを阻止しながら、ボトルBをボトル収納口6からボトル収納部1に挿入できるように構成してある。
その他の構成は第5実施形態と同様である。
【0055】
〔その他の実施形態〕
1.本発明によるボトル箱詰め用治具は、ラベルを貼着した円瓶のボトルを箱に収納するために使用するものであっても、ラベルを貼着した角瓶のボトルを箱に収納するために使用するものであっても良い。
2.本発明によるボトル箱詰め用治具は、保持部とガイド部材とを樹脂などで一体形成してあってもよい。
3.本発明によるボトル箱詰め用治具は、ラベルを貼着したボトルを段ボール紙の他、コートボール紙,ボール紙,クラフト紙,アクリル紙、厚紙などの各種の板紙製や樹脂製,木製の箱に収納するために使用するものであっても良い。
4.本発明によるボトル箱詰め用治具は、ラベルを貼着したボトルを多角形の筒状化粧箱に収納するために使用するものであっても良い。
5.本発明によるボトル箱詰め用治具は、箱本体に対して着脱自在な箱蓋を別に設けてある箱のように、ボトル収納口が全周に亘って箱側壁の切断周縁部で囲まれている箱に、ラベルを貼着したボトルを収納するために使用するものであっても良い。
6.本発明によるボトル箱詰め用治具は、箱側壁が円筒状の箱にラベルを貼着したボトルを収納するために使用するものであっても良い。
7.本発明によるボトル箱詰め用治具には、前記リング部材30として、ボトルを挿通自在な円環状リング部材に代えて、多角形の環状リング部材やC形リング部材を、その外周側の一部又は全部がボトル収納口よりも外側に突出するように、保持部に固定してあっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】箱の斜視図
【図2】ボトル箱詰め用治具の使用方法を示す平面図
【図3】ボトル箱詰め用治具の使用方法を示す一部断面側面図
【図4】ボトル箱詰め用治具の使用方法を示す一部断面側面図
【図5】要部の一部断面側面図
【図6】要部の斜視図
【図7】要部の平面図
【図8】ボトル収納体の斜視図
【図9】第2実施形態を示すボトル箱詰め用治具の斜視図
【図10】ボトル箱詰め用治具の分解斜視図
【図11】ボトル箱詰め用治具の使用方法を示す斜視図
【図12】要部の縦断面図
【図13】ボトル箱詰め用治具の使用方法を示す一部断面側面図
【図14】要部の一部断面側面図
【図15】第3実施形態を示すボトル箱詰め用治具の斜視図
【図16】ボトル箱詰め用治具の分解斜視図
【図17】第4実施形態を示すボトル箱詰め用治具の斜視図
【図18】ボトル箱詰め用治具の使用方法を示す斜視図
【図19】第5実施形態を示すボトル箱詰め用治具の斜視図
【図20】ボトル箱詰め用治具の使用方法を示す斜視図
【図21】ボトル箱詰め用治具の使用方法を示す斜視図
【図22】要部の一部断面側面図
【図23】第6実施形態を示すボトル箱詰め用治具の斜視図
【図24】ボトル箱詰め用治具の使用方法を示す斜視図
【図25】ボトル箱詰め用治具の使用方法を示す一部断面側面図
【符号の説明】
【0057】
1 ボトル収納部
2 ラベル
6 ボトル収納口
7 周縁部
10 ガイド面
11 ガイド部材(弾性ガイド板)
12 保持部
17 開口部
19 切り込み又はスリット
20 弾性シート材
25 載置面
26 脚部
27 位置決め部
30 リング部材
31 脚部部分
A ボトル箱詰め用治具
B ボトル
C 箱
D ボトル収納体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱内の有底筒状のボトル収納部に、外周面にラベルを貼着したボトルを挿入して収納するためのボトル箱詰め用治具であって、
ボトル収納部におけるボトル収納口を通してボトルを収納する際に、前記ボトル収納口を囲む周縁部にラベルが接触しようとした場合に、前記周縁部とボトルとの間に介在して、ラベルをボトルに押し付ける方向に作用するガイド部材と、
前記ガイド部材を前記ボトル収納口を囲む周縁部の内側に入り込むように保持可能な保持部とを設けてあるボトル箱詰め用治具。
【請求項2】
前記保持部を、前記周縁部に載置自在で、かつ、前記ボトルをボトル収納部内に挿通自在な開口部を備えた枠状に設けて、
前記保持部を前記周縁部に載置した状態で、前記ガイド部材を保持可能に構成してある請求項1記載のボトル箱詰め用治具。
【請求項3】
弾性ガイド板で前記ガイド部材を構成し、
前記弾性ガイド板を前記枠状の保持部の開口部側に突出するようにその保持部に取り付けて、前記ボトルを前記ボトル収納口から前記ボトル収納部に挿入するに伴って、そのボトルで前記弾性ガイド板を弾性変形させて前記ボトル収納部側に押し込み可能に設けてある請求項2記載のボトル箱詰め用治具。
【請求項4】
前記弾性ガイド板は、前記枠状の保持部の内側において放射状の切り込み又はスリットを形成してある弾性シート材から成る請求項3記載のボトル箱詰め用治具。
【請求項5】
前記保持部を、前記箱内に備えた互いに隣り合う複数の矩形のボトル収納口の夫々を囲む周縁部に載置自在で、かつ、前記ボトルをボトル収納部内に挿通自在な複数の開口部を備えた格子状に設けて、
前記保持部を前記周縁部に載置した状態で、前記ガイド部材を保持可能に構成してある請求項1記載のボトル箱詰め用治具。
【請求項6】
弾性ガイド板で前記ガイド部材を構成し、
前記弾性ガイド板を前記格子状の保持部の各開口部側に突出するようにその保持部に取り付けて、前記ボトルを前記ボトル収納口から前記ボトル収納部に挿入するに伴って、そのボトルで前記弾性ガイド板を弾性変形させて前記ボトル収納部側に押し込み可能に設けてある請求項5記載のボトル箱詰め用治具。
【請求項7】
前記弾性ガイド板は、前記開口部において放射状の切り込み又はスリットを開口部毎に形成してある弾性シート材から成る請求項6記載のボトル箱詰め用治具。
【請求項8】
前記保持部が、脚部と、前記箱の一側面を脚部の側面に当て付けた状態で前記ボトル収納部と前記保持部との相対姿勢を位置決め自在な位置決め部とを備え、
前記脚部で支持し、かつ、前記位置決め部で前記ボトル収納部との相対姿勢を位置決めしてある状態で、前記ボトルを前記ボトル収納口から前記ボトル収納部内に挿入するときに、前記ラベルに対して作用自在になるように前記ガイド部材を前記ボトル収納口に対して保持可能に構成してある請求項1記載のボトル箱詰め用治具。
【請求項9】
弾性ガイド板で前記ガイド部材を構成し、
前記弾性ガイド板を前記ボトル収納口側に突出するように前記保持部に取り付けて、前記ボトルを前記ボトル収納口から前記ボトル収納部内に挿入するに伴って、そのボトルで前記弾性ガイド板を弾性変形させて前記ボトル収納部側に押し込み可能に設けてある請求項8記載のボトル箱詰め用治具。
【請求項10】
前記ボトルを挿通自在なリング部材を、その外周側の一部又は全部が前記ボトル収納口よりも径方向外方に突出するように、前記保持部に固定してある請求項8又は9記載のボトル箱詰め用治具。
【請求項11】
前記脚部の水平方向に沿わせる幅を、その上下方向中間位置の脚部部分において残りの脚部部分よりも幅狭に形成してある請求項8〜10のいずれか1項記載のボトル箱詰め用治具。
【請求項12】
箱内の有底筒状のボトル収納部に、外周面にラベルを貼着したボトルを挿入して収納してあるボトル収納体であって、
請求項1〜11のいずれか1項記載のボトル箱詰め用治具を使用して、前記ボトルを前記箱に収納してあるボトル収納体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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