ボトル
【課題】ネブライザー用として、或いは、ヒューミディファイヤー用として使用でき、更に、ネブライザー用として使用する場合に、ドレンチューブを用いずにネブライザーアダプタに溜まった水滴を戻すことができるボトルを提供する。
【解決手段】上部にボトル口部を有するボトル本体と、前記ボトル本体内に貯留される液体に浸漬される浸漬管と、を備えており、前記浸漬管の上端部は、前記ボトル口部を介して前記ボトル本体の内外を連通する空隙部を設けた状態で、前記ボトル口部の周壁の内側に配置されていることを特徴とするボトル。
【解決手段】上部にボトル口部を有するボトル本体と、前記ボトル本体内に貯留される液体に浸漬される浸漬管と、を備えており、前記浸漬管の上端部は、前記ボトル口部を介して前記ボトル本体の内外を連通する空隙部を設けた状態で、前記ボトル口部の周壁の内側に配置されていることを特徴とするボトル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボトル、特に、空気や酸素などの気体に水分(水蒸気又は霧状の水)を付加する加湿器において用いられるボトルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、呼吸器系統の患者には、酸素を供給する酸素療法が行なわれており、例えば酸素ボンベ等から発生する酸素、またはモレキュラシーブ等の吸着剤からなる酸素濃縮器により濃縮される酸素を、鼻カニューラ、マスク等を用いて患者に供給している。酸素ボンベ等から供給される酸素は、殆ど水分が含まれていないため、患者の鼻腔等の気道内に酸素を供給するときには気道内が乾燥するのを防止する必要がある。そこで、酸素供給チューブの途中に加湿器を設け、加湿した状態の酸素を供給している。
【0003】
酸素療法において、酸素の加湿に使用される加湿器としては、ネブライザー(噴霧器)やヒューミディファイヤー(湿潤器)といったものが知られており、これら両加湿器は、薬剤を溶解させた溶液や、滅菌水、精製水、蒸留水、生理食塩水等の液体を収容したボトル(容器)と、当該ボトルに接続される専用の加湿器アダプタ(ネブライザーアダプタ又はヒューミディファイヤーアダプタ)とを備える構成を有している。なお、ネブライザー及びヒューミディファイヤーは、患者に対する治療方針によって使い分けられる。ここで、ネブライザーは、加湿器アダプタ内に酸素ガスを供給することで、ボトルに収容されている滅菌水を吸い上げると共に空気を吸引し、且つ吸い上げた滅菌水を微細なエアロゾルとして高い酸素濃度を持ったガスを加湿し、加湿された当該ガスを患者に供給し得るように構成された加湿器である。一方、ヒューミディファイヤーは、酸素濃度の高い空気或いは酸素ガスをボトル内の滅菌水中に放出することにより当該ガスを加湿し、当該加湿されたガスをボトル外に導くことにより患者に供給し得るように構成された加湿器である。
【0004】
ネブライザー及びヒューミディファイヤーは、ガスを加湿するメカニズムがそれぞれ異なるものの、滅菌水が収容されたボトルを使用する点においては共通するため、当該ボトルについては、共通化されることが好ましい。特許文献1には、共通化されたボトル、つまり、ネブライザー用として、或いは、ヒューミディファイヤー用として使用することができるボトル(容器)が開示されている。
【0005】
特許文献1に開示されている容器は、図12に示すように、滅菌水が収容されるバッグ本体101と、バッグ本体101の上部に封着され、酸素をバッグ本体101内に導入するための第1口部102と、この第1口部102から導入される酸素を水中に導く浸漬管103と、バッグ本体101の上部に封着され、水面上で得られる、水分を付加された酸素を外部へ送り出すための第2口部104とを備えている。
【0006】
上記容器100をネブライザー用の容器として使用する場合には、図13(a)に示すように、容器100の第1口部102にネブライザーアダプタ110のソケット部111を螺合接続し、容器の第2口部104にネブライザーアダプタ110のドレンチューブ112を接続する。
【0007】
一方、この容器をヒューミディファイヤー用の容器として使用する場合には、図13(b)に示すように、第1口部102にヒューミディファイヤーアダプタ120を嵌合して酸素供給源(図示省略)と連通できるようにし、図示しないチューブを第2口部104に接続して水分を付加された酸素を患者に供給できるように構成する。酸素供給源から供給された酸素ガスは、浸漬管103を介して容器内の水中に放出されることにより加湿され、その後、第2口部104及びチューブ(図示せず)を介して患者に供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−141493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した容器は、ネブライザー用の容器として、或いは、ヒューミディファイヤー用の容器として使用できることから有用性の高いものであるといえる。しかしながら、当該容器は、ネブライザー用として使用する場合において、ネブライザーアダプタ内に溜まった水滴を容器に戻すための構造として、ネブライザーアダプタのドレンチューブを接続することを前提としている。これにより、アダプタを容器に接続した状態において、容器の外部に存在するドレンチューブに人の手や物等が引っ掛かり、ネブライザーが倒れてしまうおそれがあった。また、当該容器に接続されるネブライザーアダプタにはドレンチューブが接続されているため、容器の第1口部にネブライザーアダプタのソケット部を螺合して接続する場合に、ドレンチューブが邪魔になり、接続作業のハンドリングが極めて悪いという問題もあった。また、ネブライザーアダプタを容器の第1口部に接続した後、ドレンチューブを容器の第2口部に接続する必要があり、ネブライザーアダプタのセッティングに手間がかかるという問題もあった。また、上記容器は、各アダプタが接続される第1口部の他、ドレンチューブ或いは患者側に導かれるチューブが接続される第2口部を備えているため、容器の製造過程が複雑であるという問題もあった。
【0010】
そこで、本発明は、ネブライザー用として、或いは、ヒューミディファイヤー用として使用でき、更に、ネブライザー用として使用する場合に、ドレンチューブを用いずにネブライザーアダプタに溜まった水滴を戻すことができるボトルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の上記目的は、上部にボトル口部を有するボトル本体と、前記ボトル本体内に貯留される液体に浸漬される浸漬管と、を備えており、前記浸漬管の上端部は、前記ボトル口部を介して前記ボトル本体の内外を連通する空隙部を設けた状態で、前記ボトル口部の周壁の内側に配置されていることを特徴とするボトルより達成される。
【0012】
上述のボトルは、ボトル内部に配置される浸漬管の上端部が、ボトル口部を介してボトル本体の内外を連通する空隙部を設けた状態で、ボトル口部の周壁の内側に配置される構造を備えるため、このようなボトルのボトル口部にネブライザーアダプタを取り付けてネブライザー構成とした場合、外部に誘導されずにアダプタ内に溜まった水滴をボトル本体の内外を連通する空隙部を介してボトル本体内へと戻すことが可能となる。また、ボトル口部にヒューミディファイヤーアダプタを取り付けてヒューミディファイヤー構成とした場合、ボトル本体内に貯留される液体内に放出され液体の水面上に導かれた加湿ガスを、空隙部を介してヒューミディファイヤーアダプタに戻し、当該ヒューミディファイヤーアダプタから患者に供給できるようになる。
【0013】
つまり、ネブライザー構成においては、従来のように、ネブライザーアダプタとボトルとをドレンチューブにより接続する必要がなくなり、人の手や物等がドレンチューブに引っ掛かることにより、ネブライザーが倒れてしまうことを効果的に防止することができる。また、ネブライザーアダプタがドレンチューブを備える必要がなくなることから、ネブライザーアダプタのソケット部をボトル口部に螺合して接続する作業のハンドリングを極めて良好なものとすることができ、更に、ドレンチューブの接続作業が不要になることから、ネブライザーアダプタをボトル口部にセッティングすることが容易になる。また、ドレンチューブをボトルに接続するためのポート(ヒューミディファイヤー構成においては、ボトル内で加湿された加湿ガスを外部に供給するためのポート)を別途形成する必要がなく、ボトルの外形形状をシンプルなものにすることができる。この結果、ボトルの製造が容易になると共に、低コストでボトルを製造することが可能になる。
【0014】
また、このボトルにおいて、前記浸漬管は、管本体と、前記管本体の一方端に設けられ前記ボトル口部に接続される固定部とを備えていることが好ましい。
【0015】
このような構成によれば、固定部をボトル口部に接続するという極めて単純な作業により、浸漬管とボトル本体とを一体化することができる。
【0016】
また、前記固定部は、前記ボトル口部の内側に配置される筒状の環状体と、前記環状体の内側に前記管本体を保持する保持部材とを備えており、前記環状体の内周面と、前記管本体の外周面との間に、前記空隙部が形成されていることが好ましい。また、前記環状体は、前記ボトル口部の上端部に嵌合するフランジ部を備えていることが好ましい。
【0017】
このような構成によれば、ボトル口部を介してボトル本体の内外を連通する空隙部を設けた状態で、浸漬管の上端部をボトル口部の周壁の内側に配置することが極めて容易になる。
【0018】
また、前記環状体の下端部における外周面は、前記ボトル口部の内周面と離隔して配置されることが好ましい。
【0019】
このような構成によれば、ネブライザー構成としてボトルを使用する場合において、空隙部を介してネブライザーアダプタ内からボトルへと戻される水滴は、環状体の内周面に沿って流下し、環状体の下端からボトル内の液体に向かって落下することになり、アダプタから戻された水滴が、ボトル口部の内周面周辺に付着することを防止することができる。ボトル口部の内周面周辺に水滴が付着した場合、このような水滴は下方に落下(流下)しにくく、雑菌が繁殖するおそれがあるが、上記構成を採用することにより、ボトル口部の内周面周辺で雑菌が繁殖することを効果的に防止することができる。
【0020】
また、前記保持部材は、前記ボトル口部の上下方向に沿って伸びるプレート状部材又は棒状部材であり、前記環状体の内周面と前記管本体の外周面とを接続することが好ましい。
【0021】
このような構成によれば、ボトル内で生成された加湿ガスが流通する、或いは、水滴が流通する空隙部の流通面積(空隙部の水平断面における断面積)を狭めることなく、環状体と管本体との接続を強固なものとすることが可能となる。また、ネブライザー構成としてボトルを使用する場合において、空隙部を介してネブライザーアダプタ内からボトルへと戻される水滴が管本体の外表面に沿って流下するように、効果的に水滴を管本体に導くことが可能になる。この結果、ボトルへと戻される水滴がボトル口部の内周面周辺に溜まることを効果的に防止することができる。
【0022】
また、前記管本体の他方端には、一方端から供給されるガスを気泡として前記ボトル本体内に貯留される液体内に放出可能なディフューザー部が設けられていることが好ましい。
【0023】
このような構成によれば、供給されたガスを効率よく加湿することが可能になる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、ネブライザー用として、或いは、ヒューミディファイヤー用として使用でき、更に、ネブライザー用として使用する場合に、ドレンチューブを用いずにネブライザーアダプタに溜まった水滴を戻すことができるボトルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係るボトルの正面図である。
【図2】図1に示すボトルの左側面図である。
【図3】図1に示すボトルの平面図である。
【図4】図1に示すボトルの底面図である。
【図5】図3のA−A断面図である。
【図6】図3のB−B断面図である。
【図7】(a)は、図5に示す浸漬管の概略構成斜視図であり、(b)は、浸漬管の概略構成断面図、(c)は、図7(b)における矢視C方向から見た拡大平面図であり、(d)は、図7(c)のD−D断面における断面図である。
【図8】(a)は、ディフューザー部の要部拡大断面図であり、(b)は、ディフューザー部の要部拡大正面図である。
【図9】図1に示すボトルにヒューミディファイヤーアダプタを接続した状態を示す断面図である。
【図10】図1に示すボトルにネブライザーアダプタを接続した状態を示す断面図である。
【図11】図1に示すボトルの変形例を示す断面図である。
【図12】従来例を示す概略構成図である。
【図13】(a)は、図12に示す容器をネブライザー用の容器として使用する場合の概略構成図であり、(b)は、図12に示す容器をヒューミディファイヤー用の容器として使用する場合の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態にかかるボトルについて添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るボトルの正面図であり、図2は、その左側面図である。図3は、当該ボトルの平面図であり、図4は、その底面図である。図5は、図3におけるA−A断面図であり、図6は、図3のB−B断面図である。
【0027】
本発明の一実施形態に係るボトル1は、例えば加湿された呼吸ガスを供給するためのネブライザーアダプタやヒューミディファイヤーアダプタ等の加湿器アダプタが接続されるボトルであり、図1〜図6に示すように、ボトル本体2と、浸漬管3とを備えている。
【0028】
ボトル本体2は、水平断面が略長方形に形成された胴部21と、胴部21の下端を封止する底部22と、胴部21の上端に肩部を介して設けられるボトル口部5とを備えている。胴部21の各側面には、直線状の凹部単体、あるいは、直線状の凹部を複数組み合わせて構成される減容リブ24が形成されている。これら減容リブ24は、胴部21を押し潰す際に胴部21の側面を折り曲げるためのリブであり、胴部21の正面と背面とを押圧してボトル本体2を潰すことにより、ボトル本体2の側面に形成される減容リブ24に沿って山折に折り曲げ、その後、ボトル1の正面及び背面に形成される減容リブ24に沿って折り畳むことにより減容できるように構成されている。
【0029】
ボトル本体2の底部22の四隅には、ボトル1載置時の安定性を高めるため脚部25がそれぞれ設けられている。当該脚部25は、底部22から鉛直方向下方に向けて外側に突出するように形成されている。ボトル本体2の底部22中央領域には、ボトル本体2の内部底面が鉛直方向下方に向けて窪む平面視円形の貯留部26が形成されている。この貯留部26は、その平面視における中心が、ボトル口部5の軸心と重なるように形成されている。また、貯留部26の周囲には、当該貯留部26を囲むように耐圧リブ27が形成されている。この耐圧リブ27は、ボトル本体2の底部22から鉛直方向下方に向けて外側に突出するように形成されている。なお、耐圧リブ27は、ボトル1内に内容液及び窒素等の不活性ガスを充填してボトル1を閉栓した場合に、ボトル1内部の圧力によりボトル1の底部22が膨らむなどの変形を防止するために設けられるものである。
【0030】
ボトル口部5は、ボトル本体2の上部に設けられており、螺子構造の蓋10(図6参照)を装着可能な螺子部51を備えている。螺子部51は、ボルト口部5の周壁5aの外周面に形成されている。また、下端部を引きちぎることによって開封する分離方式の蓋10(バージンキャップ)を装着するため、螺子部51の下方における周壁5aは、厚肉構造となるように形成され、当該厚肉構造部の外周部にはストッパーとしての突起52が複数設けられている。すなわち、分離方式の蓋は、開封するために旋回させた場合、下部のリング部10aが突起に引っ掛かって厚肉構造部の外周に残り、上部の蓋本体10bだけが分離するようになる。このような構成により、本実施形態に係るボトル1は、密封可能であり、滅菌処理が可能な構造となっている。
【0031】
また、ボトル口部5は、ストッパーとしての突起52が形成される厚肉構造部の下方に係合部53を備えている。この係合部53は、ボトル口部5の周壁5aから水平方向外側に向けて突出する複数の突出体53aの集合として構成されている。この係合部には、ネブライザーアダプタやヒューミディファイヤーアダプタ等の加湿器アダプタにおけるソケット部が嵌合される。
【0032】
ボトル本体2を形成する材料としては、種々の材料を使用することができるが、例えば、オレフィンポリマーが使用される。上記オレフィンポリマーとしては、ポリエチレンとポリプロピレン系ポリマーが代表的である。ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、これらのブレンド物(HDPE/LDPE)が挙げられる。ポリプロピレン系ポリマーとしては、ポリプロピン、ポリプロピンとエチレン等の他のα−オレフィンとのランダム(又はブロック)共重合体、シンジオタクチックポリプロピレン、これらのブレンド物が挙げられる。
【0033】
浸漬管3は、ボトル本体2に貯留される液体に浸漬される管状体であり、図1〜図6及び図7に示すように、管本体31と、固定部32と、ディフューザー部6とを備えている。なお、図7(a)は、浸漬管3の概略構成斜視図であり、図7(b)は、浸漬管の概略構成断面図である。また、図7(c)は、図7(b)における矢視C方向から見た拡大平面図、図7(d)は、図7(c)のD−D断面における断面図である。
【0034】
管本体31は、直線状のパイプにより構成されており、その一方端(上方端)には固定部32が接続されており、他方端(下方端)にはディフューザー部6が接続されている。また、管本体31は、その他方端近傍において第1貫通孔66を形成するためのスペースを確保するため縮径するように構成されている。管本体31の長さは、一方端がボトル口部5の内側(周壁5aで囲まれた領域内)に配置された場合に、他方端がボトル本体2の底部22近傍となるように設定されている。
【0035】
固定部32は、浸漬管3をボトル1内に設置するための部材であり、ボトル口部5の内側に配置される筒状の環状体34と、環状体34の内側に管本体31を保持固定するための保持部材35とを備えている。環状体34は、その軸心が、ボトル口部5の軸心と略重なる位置に配置される。環状体34の上端部には、フランジ部36が設けられており、当該フランジ部36をボトル口部5の上端部に嵌合することにより、浸漬管3をボトル本体2内に設置することが可能となる。また、環状体34の外周面とボトル口部5の内周面(周壁5aの内周面)との間に空間部を形成するために、環状体34の外周面とボトル口部5の内周面とが互いに離隔するようにして、環状体34はボトル口部5の内側に配置されている。
【0036】
保持部材35は、ボトル口部5の上下方向に沿って伸びるプレート状部材であり、環状体34の内周面と管本体31の外周面とを接続固定している。本実施形態においては、環状体34の内周面(或いは、管本体31の外周面)の周方向に沿って所定間隔をあけて設けられる3つの保持部材35により管本体31と環状体34とを連結している。このような構成により、環状体34の内周面と管本体31の外周面との間に配置される各保持部材35間に、ボトル本体2の内外を連通する空隙部37(環状体34の両端部間を連通する空隙部37)が形成されている。なお、本実施形態においては、3つの保持部材35により管本体31と環状体34とを連結するように構成しているが、保持部材35の数は、特に限定されず、例えば、単一又は2つの保持部材35により、或いは、4つ以上の保持部材35により管本体31と環状体34とを連結してもよい。
【0037】
ディフューザー部6は、管本体31内部を通過して供給されるガスを気泡としてボトル本体2内に貯留される液体内に放出する機能、或いは逆に、ボトル本体2内に貯留される液体を管本体31内に導く機能を有する部材であり、管本体31の他方端に接続される。このディフューザー部6は、図5や図6に示すように浸漬管3をボトル本体2内に設置した状態において、ボトル本体2の底部22に形成される貯留部26の直上に配置される。ディフューザー部6は、管本体31と一体的となるように構成してもよく、あるいは、管本体31に着脱自在となるように構成してもよい。このディフューザー部6は、図8の要部拡大図に示すように、上部ハウジング部61と、下部ハウジング部62とを備えている。なお、図8(a)は、ディフューザー部6の要部拡大断面図であり、図8(b)は、ディフューザー部6の要部拡大正面図である。
【0038】
上部ハウジング部61は、一方面側が管本体31の下方端に接続する平面視円形のプレート体63と、当該プレート体63の他方面に立設する複数の側壁部64とを備えている。各側壁部64間は、スリットを構成している。プレート体63の中央部には、プレート体63を貫通する開口部65が形成されており、当該開口部65の中心と管本体31の軸心とが一致するように、管本体31とプレート体63とが接続している。また、開口部65の開口径と、管本体31の内径とが略同一の寸法となるように構成されている。また、プレート体63の中央部に形成される開口部65の周囲には、プレート体63を貫通する複数の微小な第1貫通孔66が形成されている。これら複数の第1貫通孔66は、管本体31の軸心を中心とする円周上に配置されている。また、気泡を流出しやすくするために、当該第1貫通孔66の孔径は、第1貫通孔66の形成位置が開口部65から離隔するに従って大きくなるように形成されている。各側壁部64は、プレート体63の周方向に沿って、プレート体63の周縁近傍に所定間隔をあけて配置されている。側壁部64の外周部には下部ハウジング部62の嵌合突起70と係合する嵌合凹部67が形成されている。
【0039】
下部ハウジング部62は、上部ハウジング部61の側壁部64で囲まれた領域を覆う平面視円形のプレート状の蓋部68と、蓋部68の周縁から立設する筒状の周壁部69とを備えている。周壁部69の内面には、上部ハウジング部61の側壁部64の外周面に形成される嵌合凹部67に係合する嵌合突起70が形成されている。また、周壁部69には、当該周壁部69を貫通する第2貫通孔71が複数形成されている。各第2貫通孔71は、周壁部69の周方向に沿って所定間隔をあけて形成されている。また、各第2貫通孔71は、周壁部69の上端部及び下端部にそれぞれ形成されることが好ましい。
【0040】
ここで、下部ハウジング部62を上部ハウジング部61に設置した場合において、下部ハウジング部62の周壁部69が、上部ハウジング部61の側壁部64の外側に配置されると共に、下部ハウジング部62の周壁部69の内周面と、上部ハウジング部61の側壁部64の外周面との間には、隙間72が形成されるように、周壁部69及び側壁部64は形成されている。管本体31内部を通過して供給された酸素等のガスは、複数の第1貫通孔66及び複数の第2貫通孔71からボトル本体2内に貯留される液体内に放出される。ここで、第2貫通孔71から放出されるガスは、各側壁部64間に形成されるスリット及び隙間72を通過して当該貫通孔71から放出される。隙間72を介して第2貫通孔71にガスを導くことにより、当該複数の第2貫通孔71からガスを偏りなく均等に外部に流出させることが可能になる。なお、上部ハウジング部61における各側壁部64間に形成されるスリットと、下部ハウジング部62に形成される第2貫通孔71とが互いに重ならないように、下部ハウジング部62を上部ハウジング部61に設置してもよく、或いは、スリットの一部と第2貫通孔71の一部とが互いに重なるように、下部ハウジング部62を上部ハウジング部61に設置してもよい。スリットの一部と第2貫通孔71の一部とが互いに重なるように下部ハウジング部62を上部ハウジング部61に設置した場合、管本体31内部を通過して供給された酸素等のガスの一部は、スリットを介して第2貫通孔71に直接的に導かれてボトル本体2内に貯留される液体内に放出される。
【0041】
また、本実施形態においては、下部ハウジング部62の周壁部69が、上部ハウジング部61の側壁部64の外側に配置されるように構成されているが、このような構成に特に限定されず、例えば、下部ハウジング部62の周壁部69が、上部ハウジング部61の側壁部64の内側に配置されるように構成してもよい。このような構成を採用する場合、管本体31の軸心に沿う方向にそれぞれ伸びる複数のスリットを下部ハウジング部62の周壁部69に形成すると共に、上部ハウジング部61の側壁部64が筒状となるように形成することが好ましい。
【0042】
次に、加湿器アダプタであるヒューミディファイヤーアダプタをボトル1に取り付けてヒューミディファイヤーとして使用する場合の本実施形態に係るボトル1の作動について、以下説明する。図9は、ヒューミディファイヤーアダプタ8をボトル1に接続した状態を示す概略構成断面図である。ボトル1内には、薬剤を溶解させた溶液や、滅菌水、精製水、蒸留水、生理食塩水等の液体が貯留されている。
【0043】
ここで、ヒューミディファイヤーアダプタ8は、空気や酸素等のガス供給源(図示せず)をボトル1と連通させるための装置であり、ボトル1のボトル口部5に覆いかぶさるようにして設置される筒状のソケット部81と、ガス供給源に接続する配管が取り付けられるガス配管取付部82と、ソケット部81内に配置される管状の流路管83と、水分が付加されたガスを供給先へと導くチューブ(図示せず)が接続されるガス流出ポート84とを備えている。ヒューミディファイヤーアダプタ8をボトル口部5に接続した場合、流路管83が、浸漬管3の管本体31に連通接続している。
【0044】
まず、図示しないガス供給源(酸素ボンベ等)からガスを供給する。供給されたガスは、ガス配管取付部82を介して流路管83に導かれ、浸漬管3の管本体31内へと供給される。管本体31内に供給されたガスは、ディフューザー部6に形成される第1貫通孔66及び第2貫通孔71からボトル本体2の内部の水に放出される。放出されたガスは、第1貫通孔66及び第2貫通孔71を通過する際に微細な気泡となり、水中を上昇する。気泡は、水中を上昇する過程において、十分にかつ効率よく水分(水蒸気及び霧状の水)が付加され、加湿ガスとして、ボトル本体2の内部に貯留される水の水面上の空間に導かれる。その後、ボトル口部5に配置される浸漬管3の固定部32における環状体34と管本体31との間に形成される空隙部37を通過し、ソケット部81へと導かれる。ソケット部81に導かれた加湿ガスは、ガス流出ポート84及び図示しないチューブを介して、患者へと送り出される。
【0045】
次に、加湿器アダプタであるネブライザーアダプタ9をボトル1に取り付けてネブライザーとして使用する場合のボトル1の作動について、以下説明する。図10は、ネブライザーアダプタ9をボトル1に接続した状態を示す概略構成断面図である。ボトル1内には、薬剤を溶解させた溶液や、滅菌水、精製水、蒸留水、生理食塩水等の液体が貯留されている。
【0046】
ここで、ネブライザーアダプタ9は、ソケット部91と、流路管92と、ノズル部93と、エアロゾル形成部材94と、空気吸引孔95と、誘導部96とを備えている。ソケット部91は、ボトル1のボトル口部5に覆いかぶさるように接続する筒状の部材である。流路管92は、ソケット部91をボトル口部5に接続した状態で、ボトル1が有する浸漬管3に連通接続する管状体であり、その外周面と筒状のソケット部91の内周面とを接続する棒状の固定部材97によりソケット部91の内部に固定されている。ノズル部93は、下方端から酸素ガスを噴射する管状体であり、その上方端に図示しないガス供給源に接続する接続部98を備えている。エアロゾル形成部材94は、ノズル部93のガス噴射方向に配置されており、噴射されたガスの気流によって、浸漬管3及び流路管92を介して滅菌水を吸い上げると共に、吸い上げた滅菌水から微細なエアロゾルを生成する部材である。具体的には、上方端が閉塞されたパイプ体94aと、当該パイプ体94aの上方端近傍に形成され、内部管路に連通する貫通孔94bと、貫通孔94bの下方のパイプ体94a表面上に設けられ、外方に向けて突出する突出部材94cとを備えている。なお、パイプ体94aは、その下方端において、流路管92と連通接続している。空気吸引孔95は、ノズル部93によるガスの噴射に伴って空気を吸引する孔である。誘導部96は、ソケット部91の側面に設けられており、エアロゾルを含んだ酸素及び空気の混合ガスを再び外部へ誘導する筒状の部材である。
【0047】
図示しないガス供給源から供給された酸素ガスを、突出部材94cに向けてノズル部93が噴射すると、噴射されたガスの気流によって、ソケット部91の内部が陰圧状態となり、ボトル1内に収容される滅菌水(液体)は、吸い上げられて、ディフューザー部6、浸漬管3、流路管92及びエアロゾル形成部材94を介して貫通孔94bから流出する。流出した滅菌水(液体)は、突出部材94cに衝突する酸素ガスの作用により微細なエアロゾルとなる。エアロゾルは、酸素ガスと混合し、更に、空気吸引孔95から吸引された空気と混合して誘導部96を介して外部に誘導され、患者に供給される。
【0048】
ディフューザー部6、浸漬管3、流路管92及びエアロゾル形成部材94を介して貫通孔94bから流出した滅菌水(液体)のうち、エアロゾル化しなかった水滴は、ソケット部91の内部を落下し、ボトル口部5に形成される空隙部37を介してボトル本体2内へと戻ることになる。なお、誘導部96の底部に溜まった水滴も、ソケット部91の内部を落下し、ボトル口部5に形成される空隙部37を介してボトル本体2内へと戻ることになる。
【0049】
本実施形態に係るボトル1は、ボトル本体2の内部に配置される浸漬管3の上端部が、ボトル口部5を介してボトル本体2の内外を連通する空隙部37を設けた状態で、ボトル口部5の周壁5aの内側に配置される構造を備えるため、このようなボトル1のボトル口部5にネブライザーアダプタを取り付けてネブライザー構成とした場合、外部に誘導されずアダプタ内に溜まった水滴をボトル本体2の内外を連通する空隙部37を介してボトル本体2内へと戻すことが可能となる。また、ボトル口部5にヒューミディファイヤーアダプタを取り付けてヒューミディファイヤー構成とした場合、ボトル本体2内に貯留される液体内に放出され液体の水面上に導かれた加湿ガスを、空隙部37を介してヒューミディファイヤーアダプタに戻し、当該ヒューミディファイヤーアダプタから患者に供給できるようになる。
【0050】
つまり、ネブライザー構成においては、ネブライザーアダプタとボトル1とをドレンチューブにより接続する必要がなくなり、ドレンチューブに人の手や物等が引っ掛かって、ネブライザーが倒れてしまうという事態が発生することを効果的に防止することができる。また、ネブライザーアダプタがドレンチューブを備える必要がないことから、ネブライザーアダプタのソケット部91をボトル口部5に螺合して接続する作業のハンドリングを極めて良好なものとすることができ、更に、ドレンチューブの接続作業が不要になることから、ネブライザーアダプタをボトル口部5にセッティングすることが容易になる。また、ドレンチューブをボトル1に接続するためのポート(ヒューミディファイヤー構成においては、ボトル1内で加湿された加湿ガスを外部に供給するためのポート)を別途形成する必要がなく、ボトル1の外形形状をシンプルなものにすることができる。この結果、ボトル1の製造が容易になると共に、低コストでボトル1を製造することが可能になる。
【0051】
また、浸漬管3は、管本体31と、管本体31の一方端に設けられボトル口部5に接続される固定部32とを備えていることから、固定部32をボトル口部5に接続するという極めて単純な作業により、浸漬管3とボトル本体2とを一体化することができる。
【0052】
また、固定部32は、ボトル口部5の内側に配置される筒状の環状体34と、環状体34の内側に管本体31を保持する保持部材35とを備えており、環状体34の内周面と、管本体31の外周面との間に、空隙部37が形成されている。このような構成によれば、ボトル口部5を介してボトル本体2の内外を連通する空隙部37を設けた状態で、浸漬管3の上端部をボトル口部5の周壁5aの内側に配置することが容易となる。
【0053】
また、環状体34は、ボトル口部5の上端部に嵌合するフランジ部36を備えているため、ボトル本体2への浸漬管3の設置作業を極めて容易に行うことができる。
【0054】
また、環状体34の下端部における外周面は、ボトル口部5の内周面と離隔して配置されているため、ネブライザー構成としてボトル1を使用する場合において、空隙部37を介してネブライザーアダプタ内からボトル1へと戻される水滴は、環状体34の内周面に沿って流下し、環状体34の下端からボトル1内の液体に向かって落下することになる。これにより、アダプタから戻された水滴が、ボトル口部5の内周面周辺に付着することを効果的に防止することができる。ボトル口部5の内周面周辺に水滴が付着した場合、このような水滴は下方に落下(流下)しにくく、雑菌が繁殖するおそれがあるが、このような構成を採用することにより、ボトル口部5の内周面周辺で雑菌が繁殖することを効果的に防止することができる。
【0055】
また、保持部材35は、ボトル口部5の上下方向に沿って伸びるプレート状部材であり、環状体34の内周面と前記管本体31の外周面とを接続するように構成されている。このような構成によれば、ボトル1内で生成された加湿ガスが流通する、或いは、水滴が流通する空隙部37の流通面積(空隙部37の水平断面における断面積)を狭めることなく、環状体34と管本体31との接続を強固なものとすることが可能となる。
【0056】
以上、本発明に係るボトル1の実施形態について説明したが、具体的構成は、上記実施形態に限定されない。例えば、ボトル1内部に配置される浸漬管3の上端部は、ボトル口部5を介してボトル本体2の内外を連通する空隙部37を設けた状態で、ボトル口部5の周壁5aの内側に配置されていればよく、例えば、図11に示すような構造として浸漬管3を構成することもできる。図11に示す浸漬管3は、管本体31と、保持部材35とにより構成されている。図11に示す保持部材35は、上記固定部32としての機能を有し、ボトル口部5における周壁5aの内周面と、管本体31の外周面とを接続するように形成されている。このような構成を採用する場合、保持部材35をボトル口部5の上下方向に沿って伸びるプレート状部材により構成することが好ましい。このような構成によれば、ネブライザー構成としてボトル1を使用する場合において、空隙部37を介してネブライザーアダプタ内からボトル1へと戻される水滴が管本体31の外表面に沿って流下するように、効果的に水滴を管本体31に導くことが可能になる。この結果、ボトル1へと戻される水滴がボトル口部5の内周面周辺に溜まることを効果的に防止することができる。
【0057】
また、上記実施形態におけるボトル1は、固定部32が有する環状体34が、ボトル口部5の上端部に嵌合するフランジ部36を備える構成を備えているが、例えば、フランジ部36を形成することを省略し、環状体34をボトル口部5の内側に押し込み、環状体34の外周面が、ボトル口部5の内周面に嵌合されるような構成を採用することもできる。このような構成を採用する場合、環状体34の下端部における外周面がボトル口部5の内周面と離隔するように、例えば、テーパ部を設ける等して環状体34の下端部を縮径するように構成することが好ましい。環状体34の下端部を縮径するように構成することにより、ネブライザー構成としてボトル1を使用する場合に、ネブライザーアダプタから戻された水滴が、ボトル口部5の内周面周辺に付着することを防止することができる。
【0058】
また、上記実施形態においては、環状体34の内周面と管本体31の外周面とを接続固定する保持部材35を、ボトル口部5の上下方向に沿って伸びるプレート状部材により構成しているが、このような構成に特に限定されず、例えば、棒状部材により保持部材35を構成し、環状体34と管本体31とを接続するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 ボトル
2 ボトル本体
5 ボトル口部
3 浸漬管
31 管本体
32 固定部
34 環状体
35 保持部材
36 フランジ部
37 空隙部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボトル、特に、空気や酸素などの気体に水分(水蒸気又は霧状の水)を付加する加湿器において用いられるボトルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、呼吸器系統の患者には、酸素を供給する酸素療法が行なわれており、例えば酸素ボンベ等から発生する酸素、またはモレキュラシーブ等の吸着剤からなる酸素濃縮器により濃縮される酸素を、鼻カニューラ、マスク等を用いて患者に供給している。酸素ボンベ等から供給される酸素は、殆ど水分が含まれていないため、患者の鼻腔等の気道内に酸素を供給するときには気道内が乾燥するのを防止する必要がある。そこで、酸素供給チューブの途中に加湿器を設け、加湿した状態の酸素を供給している。
【0003】
酸素療法において、酸素の加湿に使用される加湿器としては、ネブライザー(噴霧器)やヒューミディファイヤー(湿潤器)といったものが知られており、これら両加湿器は、薬剤を溶解させた溶液や、滅菌水、精製水、蒸留水、生理食塩水等の液体を収容したボトル(容器)と、当該ボトルに接続される専用の加湿器アダプタ(ネブライザーアダプタ又はヒューミディファイヤーアダプタ)とを備える構成を有している。なお、ネブライザー及びヒューミディファイヤーは、患者に対する治療方針によって使い分けられる。ここで、ネブライザーは、加湿器アダプタ内に酸素ガスを供給することで、ボトルに収容されている滅菌水を吸い上げると共に空気を吸引し、且つ吸い上げた滅菌水を微細なエアロゾルとして高い酸素濃度を持ったガスを加湿し、加湿された当該ガスを患者に供給し得るように構成された加湿器である。一方、ヒューミディファイヤーは、酸素濃度の高い空気或いは酸素ガスをボトル内の滅菌水中に放出することにより当該ガスを加湿し、当該加湿されたガスをボトル外に導くことにより患者に供給し得るように構成された加湿器である。
【0004】
ネブライザー及びヒューミディファイヤーは、ガスを加湿するメカニズムがそれぞれ異なるものの、滅菌水が収容されたボトルを使用する点においては共通するため、当該ボトルについては、共通化されることが好ましい。特許文献1には、共通化されたボトル、つまり、ネブライザー用として、或いは、ヒューミディファイヤー用として使用することができるボトル(容器)が開示されている。
【0005】
特許文献1に開示されている容器は、図12に示すように、滅菌水が収容されるバッグ本体101と、バッグ本体101の上部に封着され、酸素をバッグ本体101内に導入するための第1口部102と、この第1口部102から導入される酸素を水中に導く浸漬管103と、バッグ本体101の上部に封着され、水面上で得られる、水分を付加された酸素を外部へ送り出すための第2口部104とを備えている。
【0006】
上記容器100をネブライザー用の容器として使用する場合には、図13(a)に示すように、容器100の第1口部102にネブライザーアダプタ110のソケット部111を螺合接続し、容器の第2口部104にネブライザーアダプタ110のドレンチューブ112を接続する。
【0007】
一方、この容器をヒューミディファイヤー用の容器として使用する場合には、図13(b)に示すように、第1口部102にヒューミディファイヤーアダプタ120を嵌合して酸素供給源(図示省略)と連通できるようにし、図示しないチューブを第2口部104に接続して水分を付加された酸素を患者に供給できるように構成する。酸素供給源から供給された酸素ガスは、浸漬管103を介して容器内の水中に放出されることにより加湿され、その後、第2口部104及びチューブ(図示せず)を介して患者に供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−141493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した容器は、ネブライザー用の容器として、或いは、ヒューミディファイヤー用の容器として使用できることから有用性の高いものであるといえる。しかしながら、当該容器は、ネブライザー用として使用する場合において、ネブライザーアダプタ内に溜まった水滴を容器に戻すための構造として、ネブライザーアダプタのドレンチューブを接続することを前提としている。これにより、アダプタを容器に接続した状態において、容器の外部に存在するドレンチューブに人の手や物等が引っ掛かり、ネブライザーが倒れてしまうおそれがあった。また、当該容器に接続されるネブライザーアダプタにはドレンチューブが接続されているため、容器の第1口部にネブライザーアダプタのソケット部を螺合して接続する場合に、ドレンチューブが邪魔になり、接続作業のハンドリングが極めて悪いという問題もあった。また、ネブライザーアダプタを容器の第1口部に接続した後、ドレンチューブを容器の第2口部に接続する必要があり、ネブライザーアダプタのセッティングに手間がかかるという問題もあった。また、上記容器は、各アダプタが接続される第1口部の他、ドレンチューブ或いは患者側に導かれるチューブが接続される第2口部を備えているため、容器の製造過程が複雑であるという問題もあった。
【0010】
そこで、本発明は、ネブライザー用として、或いは、ヒューミディファイヤー用として使用でき、更に、ネブライザー用として使用する場合に、ドレンチューブを用いずにネブライザーアダプタに溜まった水滴を戻すことができるボトルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の上記目的は、上部にボトル口部を有するボトル本体と、前記ボトル本体内に貯留される液体に浸漬される浸漬管と、を備えており、前記浸漬管の上端部は、前記ボトル口部を介して前記ボトル本体の内外を連通する空隙部を設けた状態で、前記ボトル口部の周壁の内側に配置されていることを特徴とするボトルより達成される。
【0012】
上述のボトルは、ボトル内部に配置される浸漬管の上端部が、ボトル口部を介してボトル本体の内外を連通する空隙部を設けた状態で、ボトル口部の周壁の内側に配置される構造を備えるため、このようなボトルのボトル口部にネブライザーアダプタを取り付けてネブライザー構成とした場合、外部に誘導されずにアダプタ内に溜まった水滴をボトル本体の内外を連通する空隙部を介してボトル本体内へと戻すことが可能となる。また、ボトル口部にヒューミディファイヤーアダプタを取り付けてヒューミディファイヤー構成とした場合、ボトル本体内に貯留される液体内に放出され液体の水面上に導かれた加湿ガスを、空隙部を介してヒューミディファイヤーアダプタに戻し、当該ヒューミディファイヤーアダプタから患者に供給できるようになる。
【0013】
つまり、ネブライザー構成においては、従来のように、ネブライザーアダプタとボトルとをドレンチューブにより接続する必要がなくなり、人の手や物等がドレンチューブに引っ掛かることにより、ネブライザーが倒れてしまうことを効果的に防止することができる。また、ネブライザーアダプタがドレンチューブを備える必要がなくなることから、ネブライザーアダプタのソケット部をボトル口部に螺合して接続する作業のハンドリングを極めて良好なものとすることができ、更に、ドレンチューブの接続作業が不要になることから、ネブライザーアダプタをボトル口部にセッティングすることが容易になる。また、ドレンチューブをボトルに接続するためのポート(ヒューミディファイヤー構成においては、ボトル内で加湿された加湿ガスを外部に供給するためのポート)を別途形成する必要がなく、ボトルの外形形状をシンプルなものにすることができる。この結果、ボトルの製造が容易になると共に、低コストでボトルを製造することが可能になる。
【0014】
また、このボトルにおいて、前記浸漬管は、管本体と、前記管本体の一方端に設けられ前記ボトル口部に接続される固定部とを備えていることが好ましい。
【0015】
このような構成によれば、固定部をボトル口部に接続するという極めて単純な作業により、浸漬管とボトル本体とを一体化することができる。
【0016】
また、前記固定部は、前記ボトル口部の内側に配置される筒状の環状体と、前記環状体の内側に前記管本体を保持する保持部材とを備えており、前記環状体の内周面と、前記管本体の外周面との間に、前記空隙部が形成されていることが好ましい。また、前記環状体は、前記ボトル口部の上端部に嵌合するフランジ部を備えていることが好ましい。
【0017】
このような構成によれば、ボトル口部を介してボトル本体の内外を連通する空隙部を設けた状態で、浸漬管の上端部をボトル口部の周壁の内側に配置することが極めて容易になる。
【0018】
また、前記環状体の下端部における外周面は、前記ボトル口部の内周面と離隔して配置されることが好ましい。
【0019】
このような構成によれば、ネブライザー構成としてボトルを使用する場合において、空隙部を介してネブライザーアダプタ内からボトルへと戻される水滴は、環状体の内周面に沿って流下し、環状体の下端からボトル内の液体に向かって落下することになり、アダプタから戻された水滴が、ボトル口部の内周面周辺に付着することを防止することができる。ボトル口部の内周面周辺に水滴が付着した場合、このような水滴は下方に落下(流下)しにくく、雑菌が繁殖するおそれがあるが、上記構成を採用することにより、ボトル口部の内周面周辺で雑菌が繁殖することを効果的に防止することができる。
【0020】
また、前記保持部材は、前記ボトル口部の上下方向に沿って伸びるプレート状部材又は棒状部材であり、前記環状体の内周面と前記管本体の外周面とを接続することが好ましい。
【0021】
このような構成によれば、ボトル内で生成された加湿ガスが流通する、或いは、水滴が流通する空隙部の流通面積(空隙部の水平断面における断面積)を狭めることなく、環状体と管本体との接続を強固なものとすることが可能となる。また、ネブライザー構成としてボトルを使用する場合において、空隙部を介してネブライザーアダプタ内からボトルへと戻される水滴が管本体の外表面に沿って流下するように、効果的に水滴を管本体に導くことが可能になる。この結果、ボトルへと戻される水滴がボトル口部の内周面周辺に溜まることを効果的に防止することができる。
【0022】
また、前記管本体の他方端には、一方端から供給されるガスを気泡として前記ボトル本体内に貯留される液体内に放出可能なディフューザー部が設けられていることが好ましい。
【0023】
このような構成によれば、供給されたガスを効率よく加湿することが可能になる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、ネブライザー用として、或いは、ヒューミディファイヤー用として使用でき、更に、ネブライザー用として使用する場合に、ドレンチューブを用いずにネブライザーアダプタに溜まった水滴を戻すことができるボトルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係るボトルの正面図である。
【図2】図1に示すボトルの左側面図である。
【図3】図1に示すボトルの平面図である。
【図4】図1に示すボトルの底面図である。
【図5】図3のA−A断面図である。
【図6】図3のB−B断面図である。
【図7】(a)は、図5に示す浸漬管の概略構成斜視図であり、(b)は、浸漬管の概略構成断面図、(c)は、図7(b)における矢視C方向から見た拡大平面図であり、(d)は、図7(c)のD−D断面における断面図である。
【図8】(a)は、ディフューザー部の要部拡大断面図であり、(b)は、ディフューザー部の要部拡大正面図である。
【図9】図1に示すボトルにヒューミディファイヤーアダプタを接続した状態を示す断面図である。
【図10】図1に示すボトルにネブライザーアダプタを接続した状態を示す断面図である。
【図11】図1に示すボトルの変形例を示す断面図である。
【図12】従来例を示す概略構成図である。
【図13】(a)は、図12に示す容器をネブライザー用の容器として使用する場合の概略構成図であり、(b)は、図12に示す容器をヒューミディファイヤー用の容器として使用する場合の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態にかかるボトルについて添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るボトルの正面図であり、図2は、その左側面図である。図3は、当該ボトルの平面図であり、図4は、その底面図である。図5は、図3におけるA−A断面図であり、図6は、図3のB−B断面図である。
【0027】
本発明の一実施形態に係るボトル1は、例えば加湿された呼吸ガスを供給するためのネブライザーアダプタやヒューミディファイヤーアダプタ等の加湿器アダプタが接続されるボトルであり、図1〜図6に示すように、ボトル本体2と、浸漬管3とを備えている。
【0028】
ボトル本体2は、水平断面が略長方形に形成された胴部21と、胴部21の下端を封止する底部22と、胴部21の上端に肩部を介して設けられるボトル口部5とを備えている。胴部21の各側面には、直線状の凹部単体、あるいは、直線状の凹部を複数組み合わせて構成される減容リブ24が形成されている。これら減容リブ24は、胴部21を押し潰す際に胴部21の側面を折り曲げるためのリブであり、胴部21の正面と背面とを押圧してボトル本体2を潰すことにより、ボトル本体2の側面に形成される減容リブ24に沿って山折に折り曲げ、その後、ボトル1の正面及び背面に形成される減容リブ24に沿って折り畳むことにより減容できるように構成されている。
【0029】
ボトル本体2の底部22の四隅には、ボトル1載置時の安定性を高めるため脚部25がそれぞれ設けられている。当該脚部25は、底部22から鉛直方向下方に向けて外側に突出するように形成されている。ボトル本体2の底部22中央領域には、ボトル本体2の内部底面が鉛直方向下方に向けて窪む平面視円形の貯留部26が形成されている。この貯留部26は、その平面視における中心が、ボトル口部5の軸心と重なるように形成されている。また、貯留部26の周囲には、当該貯留部26を囲むように耐圧リブ27が形成されている。この耐圧リブ27は、ボトル本体2の底部22から鉛直方向下方に向けて外側に突出するように形成されている。なお、耐圧リブ27は、ボトル1内に内容液及び窒素等の不活性ガスを充填してボトル1を閉栓した場合に、ボトル1内部の圧力によりボトル1の底部22が膨らむなどの変形を防止するために設けられるものである。
【0030】
ボトル口部5は、ボトル本体2の上部に設けられており、螺子構造の蓋10(図6参照)を装着可能な螺子部51を備えている。螺子部51は、ボルト口部5の周壁5aの外周面に形成されている。また、下端部を引きちぎることによって開封する分離方式の蓋10(バージンキャップ)を装着するため、螺子部51の下方における周壁5aは、厚肉構造となるように形成され、当該厚肉構造部の外周部にはストッパーとしての突起52が複数設けられている。すなわち、分離方式の蓋は、開封するために旋回させた場合、下部のリング部10aが突起に引っ掛かって厚肉構造部の外周に残り、上部の蓋本体10bだけが分離するようになる。このような構成により、本実施形態に係るボトル1は、密封可能であり、滅菌処理が可能な構造となっている。
【0031】
また、ボトル口部5は、ストッパーとしての突起52が形成される厚肉構造部の下方に係合部53を備えている。この係合部53は、ボトル口部5の周壁5aから水平方向外側に向けて突出する複数の突出体53aの集合として構成されている。この係合部には、ネブライザーアダプタやヒューミディファイヤーアダプタ等の加湿器アダプタにおけるソケット部が嵌合される。
【0032】
ボトル本体2を形成する材料としては、種々の材料を使用することができるが、例えば、オレフィンポリマーが使用される。上記オレフィンポリマーとしては、ポリエチレンとポリプロピレン系ポリマーが代表的である。ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、これらのブレンド物(HDPE/LDPE)が挙げられる。ポリプロピレン系ポリマーとしては、ポリプロピン、ポリプロピンとエチレン等の他のα−オレフィンとのランダム(又はブロック)共重合体、シンジオタクチックポリプロピレン、これらのブレンド物が挙げられる。
【0033】
浸漬管3は、ボトル本体2に貯留される液体に浸漬される管状体であり、図1〜図6及び図7に示すように、管本体31と、固定部32と、ディフューザー部6とを備えている。なお、図7(a)は、浸漬管3の概略構成斜視図であり、図7(b)は、浸漬管の概略構成断面図である。また、図7(c)は、図7(b)における矢視C方向から見た拡大平面図、図7(d)は、図7(c)のD−D断面における断面図である。
【0034】
管本体31は、直線状のパイプにより構成されており、その一方端(上方端)には固定部32が接続されており、他方端(下方端)にはディフューザー部6が接続されている。また、管本体31は、その他方端近傍において第1貫通孔66を形成するためのスペースを確保するため縮径するように構成されている。管本体31の長さは、一方端がボトル口部5の内側(周壁5aで囲まれた領域内)に配置された場合に、他方端がボトル本体2の底部22近傍となるように設定されている。
【0035】
固定部32は、浸漬管3をボトル1内に設置するための部材であり、ボトル口部5の内側に配置される筒状の環状体34と、環状体34の内側に管本体31を保持固定するための保持部材35とを備えている。環状体34は、その軸心が、ボトル口部5の軸心と略重なる位置に配置される。環状体34の上端部には、フランジ部36が設けられており、当該フランジ部36をボトル口部5の上端部に嵌合することにより、浸漬管3をボトル本体2内に設置することが可能となる。また、環状体34の外周面とボトル口部5の内周面(周壁5aの内周面)との間に空間部を形成するために、環状体34の外周面とボトル口部5の内周面とが互いに離隔するようにして、環状体34はボトル口部5の内側に配置されている。
【0036】
保持部材35は、ボトル口部5の上下方向に沿って伸びるプレート状部材であり、環状体34の内周面と管本体31の外周面とを接続固定している。本実施形態においては、環状体34の内周面(或いは、管本体31の外周面)の周方向に沿って所定間隔をあけて設けられる3つの保持部材35により管本体31と環状体34とを連結している。このような構成により、環状体34の内周面と管本体31の外周面との間に配置される各保持部材35間に、ボトル本体2の内外を連通する空隙部37(環状体34の両端部間を連通する空隙部37)が形成されている。なお、本実施形態においては、3つの保持部材35により管本体31と環状体34とを連結するように構成しているが、保持部材35の数は、特に限定されず、例えば、単一又は2つの保持部材35により、或いは、4つ以上の保持部材35により管本体31と環状体34とを連結してもよい。
【0037】
ディフューザー部6は、管本体31内部を通過して供給されるガスを気泡としてボトル本体2内に貯留される液体内に放出する機能、或いは逆に、ボトル本体2内に貯留される液体を管本体31内に導く機能を有する部材であり、管本体31の他方端に接続される。このディフューザー部6は、図5や図6に示すように浸漬管3をボトル本体2内に設置した状態において、ボトル本体2の底部22に形成される貯留部26の直上に配置される。ディフューザー部6は、管本体31と一体的となるように構成してもよく、あるいは、管本体31に着脱自在となるように構成してもよい。このディフューザー部6は、図8の要部拡大図に示すように、上部ハウジング部61と、下部ハウジング部62とを備えている。なお、図8(a)は、ディフューザー部6の要部拡大断面図であり、図8(b)は、ディフューザー部6の要部拡大正面図である。
【0038】
上部ハウジング部61は、一方面側が管本体31の下方端に接続する平面視円形のプレート体63と、当該プレート体63の他方面に立設する複数の側壁部64とを備えている。各側壁部64間は、スリットを構成している。プレート体63の中央部には、プレート体63を貫通する開口部65が形成されており、当該開口部65の中心と管本体31の軸心とが一致するように、管本体31とプレート体63とが接続している。また、開口部65の開口径と、管本体31の内径とが略同一の寸法となるように構成されている。また、プレート体63の中央部に形成される開口部65の周囲には、プレート体63を貫通する複数の微小な第1貫通孔66が形成されている。これら複数の第1貫通孔66は、管本体31の軸心を中心とする円周上に配置されている。また、気泡を流出しやすくするために、当該第1貫通孔66の孔径は、第1貫通孔66の形成位置が開口部65から離隔するに従って大きくなるように形成されている。各側壁部64は、プレート体63の周方向に沿って、プレート体63の周縁近傍に所定間隔をあけて配置されている。側壁部64の外周部には下部ハウジング部62の嵌合突起70と係合する嵌合凹部67が形成されている。
【0039】
下部ハウジング部62は、上部ハウジング部61の側壁部64で囲まれた領域を覆う平面視円形のプレート状の蓋部68と、蓋部68の周縁から立設する筒状の周壁部69とを備えている。周壁部69の内面には、上部ハウジング部61の側壁部64の外周面に形成される嵌合凹部67に係合する嵌合突起70が形成されている。また、周壁部69には、当該周壁部69を貫通する第2貫通孔71が複数形成されている。各第2貫通孔71は、周壁部69の周方向に沿って所定間隔をあけて形成されている。また、各第2貫通孔71は、周壁部69の上端部及び下端部にそれぞれ形成されることが好ましい。
【0040】
ここで、下部ハウジング部62を上部ハウジング部61に設置した場合において、下部ハウジング部62の周壁部69が、上部ハウジング部61の側壁部64の外側に配置されると共に、下部ハウジング部62の周壁部69の内周面と、上部ハウジング部61の側壁部64の外周面との間には、隙間72が形成されるように、周壁部69及び側壁部64は形成されている。管本体31内部を通過して供給された酸素等のガスは、複数の第1貫通孔66及び複数の第2貫通孔71からボトル本体2内に貯留される液体内に放出される。ここで、第2貫通孔71から放出されるガスは、各側壁部64間に形成されるスリット及び隙間72を通過して当該貫通孔71から放出される。隙間72を介して第2貫通孔71にガスを導くことにより、当該複数の第2貫通孔71からガスを偏りなく均等に外部に流出させることが可能になる。なお、上部ハウジング部61における各側壁部64間に形成されるスリットと、下部ハウジング部62に形成される第2貫通孔71とが互いに重ならないように、下部ハウジング部62を上部ハウジング部61に設置してもよく、或いは、スリットの一部と第2貫通孔71の一部とが互いに重なるように、下部ハウジング部62を上部ハウジング部61に設置してもよい。スリットの一部と第2貫通孔71の一部とが互いに重なるように下部ハウジング部62を上部ハウジング部61に設置した場合、管本体31内部を通過して供給された酸素等のガスの一部は、スリットを介して第2貫通孔71に直接的に導かれてボトル本体2内に貯留される液体内に放出される。
【0041】
また、本実施形態においては、下部ハウジング部62の周壁部69が、上部ハウジング部61の側壁部64の外側に配置されるように構成されているが、このような構成に特に限定されず、例えば、下部ハウジング部62の周壁部69が、上部ハウジング部61の側壁部64の内側に配置されるように構成してもよい。このような構成を採用する場合、管本体31の軸心に沿う方向にそれぞれ伸びる複数のスリットを下部ハウジング部62の周壁部69に形成すると共に、上部ハウジング部61の側壁部64が筒状となるように形成することが好ましい。
【0042】
次に、加湿器アダプタであるヒューミディファイヤーアダプタをボトル1に取り付けてヒューミディファイヤーとして使用する場合の本実施形態に係るボトル1の作動について、以下説明する。図9は、ヒューミディファイヤーアダプタ8をボトル1に接続した状態を示す概略構成断面図である。ボトル1内には、薬剤を溶解させた溶液や、滅菌水、精製水、蒸留水、生理食塩水等の液体が貯留されている。
【0043】
ここで、ヒューミディファイヤーアダプタ8は、空気や酸素等のガス供給源(図示せず)をボトル1と連通させるための装置であり、ボトル1のボトル口部5に覆いかぶさるようにして設置される筒状のソケット部81と、ガス供給源に接続する配管が取り付けられるガス配管取付部82と、ソケット部81内に配置される管状の流路管83と、水分が付加されたガスを供給先へと導くチューブ(図示せず)が接続されるガス流出ポート84とを備えている。ヒューミディファイヤーアダプタ8をボトル口部5に接続した場合、流路管83が、浸漬管3の管本体31に連通接続している。
【0044】
まず、図示しないガス供給源(酸素ボンベ等)からガスを供給する。供給されたガスは、ガス配管取付部82を介して流路管83に導かれ、浸漬管3の管本体31内へと供給される。管本体31内に供給されたガスは、ディフューザー部6に形成される第1貫通孔66及び第2貫通孔71からボトル本体2の内部の水に放出される。放出されたガスは、第1貫通孔66及び第2貫通孔71を通過する際に微細な気泡となり、水中を上昇する。気泡は、水中を上昇する過程において、十分にかつ効率よく水分(水蒸気及び霧状の水)が付加され、加湿ガスとして、ボトル本体2の内部に貯留される水の水面上の空間に導かれる。その後、ボトル口部5に配置される浸漬管3の固定部32における環状体34と管本体31との間に形成される空隙部37を通過し、ソケット部81へと導かれる。ソケット部81に導かれた加湿ガスは、ガス流出ポート84及び図示しないチューブを介して、患者へと送り出される。
【0045】
次に、加湿器アダプタであるネブライザーアダプタ9をボトル1に取り付けてネブライザーとして使用する場合のボトル1の作動について、以下説明する。図10は、ネブライザーアダプタ9をボトル1に接続した状態を示す概略構成断面図である。ボトル1内には、薬剤を溶解させた溶液や、滅菌水、精製水、蒸留水、生理食塩水等の液体が貯留されている。
【0046】
ここで、ネブライザーアダプタ9は、ソケット部91と、流路管92と、ノズル部93と、エアロゾル形成部材94と、空気吸引孔95と、誘導部96とを備えている。ソケット部91は、ボトル1のボトル口部5に覆いかぶさるように接続する筒状の部材である。流路管92は、ソケット部91をボトル口部5に接続した状態で、ボトル1が有する浸漬管3に連通接続する管状体であり、その外周面と筒状のソケット部91の内周面とを接続する棒状の固定部材97によりソケット部91の内部に固定されている。ノズル部93は、下方端から酸素ガスを噴射する管状体であり、その上方端に図示しないガス供給源に接続する接続部98を備えている。エアロゾル形成部材94は、ノズル部93のガス噴射方向に配置されており、噴射されたガスの気流によって、浸漬管3及び流路管92を介して滅菌水を吸い上げると共に、吸い上げた滅菌水から微細なエアロゾルを生成する部材である。具体的には、上方端が閉塞されたパイプ体94aと、当該パイプ体94aの上方端近傍に形成され、内部管路に連通する貫通孔94bと、貫通孔94bの下方のパイプ体94a表面上に設けられ、外方に向けて突出する突出部材94cとを備えている。なお、パイプ体94aは、その下方端において、流路管92と連通接続している。空気吸引孔95は、ノズル部93によるガスの噴射に伴って空気を吸引する孔である。誘導部96は、ソケット部91の側面に設けられており、エアロゾルを含んだ酸素及び空気の混合ガスを再び外部へ誘導する筒状の部材である。
【0047】
図示しないガス供給源から供給された酸素ガスを、突出部材94cに向けてノズル部93が噴射すると、噴射されたガスの気流によって、ソケット部91の内部が陰圧状態となり、ボトル1内に収容される滅菌水(液体)は、吸い上げられて、ディフューザー部6、浸漬管3、流路管92及びエアロゾル形成部材94を介して貫通孔94bから流出する。流出した滅菌水(液体)は、突出部材94cに衝突する酸素ガスの作用により微細なエアロゾルとなる。エアロゾルは、酸素ガスと混合し、更に、空気吸引孔95から吸引された空気と混合して誘導部96を介して外部に誘導され、患者に供給される。
【0048】
ディフューザー部6、浸漬管3、流路管92及びエアロゾル形成部材94を介して貫通孔94bから流出した滅菌水(液体)のうち、エアロゾル化しなかった水滴は、ソケット部91の内部を落下し、ボトル口部5に形成される空隙部37を介してボトル本体2内へと戻ることになる。なお、誘導部96の底部に溜まった水滴も、ソケット部91の内部を落下し、ボトル口部5に形成される空隙部37を介してボトル本体2内へと戻ることになる。
【0049】
本実施形態に係るボトル1は、ボトル本体2の内部に配置される浸漬管3の上端部が、ボトル口部5を介してボトル本体2の内外を連通する空隙部37を設けた状態で、ボトル口部5の周壁5aの内側に配置される構造を備えるため、このようなボトル1のボトル口部5にネブライザーアダプタを取り付けてネブライザー構成とした場合、外部に誘導されずアダプタ内に溜まった水滴をボトル本体2の内外を連通する空隙部37を介してボトル本体2内へと戻すことが可能となる。また、ボトル口部5にヒューミディファイヤーアダプタを取り付けてヒューミディファイヤー構成とした場合、ボトル本体2内に貯留される液体内に放出され液体の水面上に導かれた加湿ガスを、空隙部37を介してヒューミディファイヤーアダプタに戻し、当該ヒューミディファイヤーアダプタから患者に供給できるようになる。
【0050】
つまり、ネブライザー構成においては、ネブライザーアダプタとボトル1とをドレンチューブにより接続する必要がなくなり、ドレンチューブに人の手や物等が引っ掛かって、ネブライザーが倒れてしまうという事態が発生することを効果的に防止することができる。また、ネブライザーアダプタがドレンチューブを備える必要がないことから、ネブライザーアダプタのソケット部91をボトル口部5に螺合して接続する作業のハンドリングを極めて良好なものとすることができ、更に、ドレンチューブの接続作業が不要になることから、ネブライザーアダプタをボトル口部5にセッティングすることが容易になる。また、ドレンチューブをボトル1に接続するためのポート(ヒューミディファイヤー構成においては、ボトル1内で加湿された加湿ガスを外部に供給するためのポート)を別途形成する必要がなく、ボトル1の外形形状をシンプルなものにすることができる。この結果、ボトル1の製造が容易になると共に、低コストでボトル1を製造することが可能になる。
【0051】
また、浸漬管3は、管本体31と、管本体31の一方端に設けられボトル口部5に接続される固定部32とを備えていることから、固定部32をボトル口部5に接続するという極めて単純な作業により、浸漬管3とボトル本体2とを一体化することができる。
【0052】
また、固定部32は、ボトル口部5の内側に配置される筒状の環状体34と、環状体34の内側に管本体31を保持する保持部材35とを備えており、環状体34の内周面と、管本体31の外周面との間に、空隙部37が形成されている。このような構成によれば、ボトル口部5を介してボトル本体2の内外を連通する空隙部37を設けた状態で、浸漬管3の上端部をボトル口部5の周壁5aの内側に配置することが容易となる。
【0053】
また、環状体34は、ボトル口部5の上端部に嵌合するフランジ部36を備えているため、ボトル本体2への浸漬管3の設置作業を極めて容易に行うことができる。
【0054】
また、環状体34の下端部における外周面は、ボトル口部5の内周面と離隔して配置されているため、ネブライザー構成としてボトル1を使用する場合において、空隙部37を介してネブライザーアダプタ内からボトル1へと戻される水滴は、環状体34の内周面に沿って流下し、環状体34の下端からボトル1内の液体に向かって落下することになる。これにより、アダプタから戻された水滴が、ボトル口部5の内周面周辺に付着することを効果的に防止することができる。ボトル口部5の内周面周辺に水滴が付着した場合、このような水滴は下方に落下(流下)しにくく、雑菌が繁殖するおそれがあるが、このような構成を採用することにより、ボトル口部5の内周面周辺で雑菌が繁殖することを効果的に防止することができる。
【0055】
また、保持部材35は、ボトル口部5の上下方向に沿って伸びるプレート状部材であり、環状体34の内周面と前記管本体31の外周面とを接続するように構成されている。このような構成によれば、ボトル1内で生成された加湿ガスが流通する、或いは、水滴が流通する空隙部37の流通面積(空隙部37の水平断面における断面積)を狭めることなく、環状体34と管本体31との接続を強固なものとすることが可能となる。
【0056】
以上、本発明に係るボトル1の実施形態について説明したが、具体的構成は、上記実施形態に限定されない。例えば、ボトル1内部に配置される浸漬管3の上端部は、ボトル口部5を介してボトル本体2の内外を連通する空隙部37を設けた状態で、ボトル口部5の周壁5aの内側に配置されていればよく、例えば、図11に示すような構造として浸漬管3を構成することもできる。図11に示す浸漬管3は、管本体31と、保持部材35とにより構成されている。図11に示す保持部材35は、上記固定部32としての機能を有し、ボトル口部5における周壁5aの内周面と、管本体31の外周面とを接続するように形成されている。このような構成を採用する場合、保持部材35をボトル口部5の上下方向に沿って伸びるプレート状部材により構成することが好ましい。このような構成によれば、ネブライザー構成としてボトル1を使用する場合において、空隙部37を介してネブライザーアダプタ内からボトル1へと戻される水滴が管本体31の外表面に沿って流下するように、効果的に水滴を管本体31に導くことが可能になる。この結果、ボトル1へと戻される水滴がボトル口部5の内周面周辺に溜まることを効果的に防止することができる。
【0057】
また、上記実施形態におけるボトル1は、固定部32が有する環状体34が、ボトル口部5の上端部に嵌合するフランジ部36を備える構成を備えているが、例えば、フランジ部36を形成することを省略し、環状体34をボトル口部5の内側に押し込み、環状体34の外周面が、ボトル口部5の内周面に嵌合されるような構成を採用することもできる。このような構成を採用する場合、環状体34の下端部における外周面がボトル口部5の内周面と離隔するように、例えば、テーパ部を設ける等して環状体34の下端部を縮径するように構成することが好ましい。環状体34の下端部を縮径するように構成することにより、ネブライザー構成としてボトル1を使用する場合に、ネブライザーアダプタから戻された水滴が、ボトル口部5の内周面周辺に付着することを防止することができる。
【0058】
また、上記実施形態においては、環状体34の内周面と管本体31の外周面とを接続固定する保持部材35を、ボトル口部5の上下方向に沿って伸びるプレート状部材により構成しているが、このような構成に特に限定されず、例えば、棒状部材により保持部材35を構成し、環状体34と管本体31とを接続するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 ボトル
2 ボトル本体
5 ボトル口部
3 浸漬管
31 管本体
32 固定部
34 環状体
35 保持部材
36 フランジ部
37 空隙部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部にボトル口部を有するボトル本体と、
前記ボトル本体内に貯留される液体に浸漬される浸漬管と、を備えており、
前記浸漬管の上端部は、前記ボトル口部を介して前記ボトル本体の内外を連通する空隙部を設けた状態で、前記ボトル口部の周壁の内側に配置されていることを特徴とするボトル。
【請求項2】
前記浸漬管は、管本体と、前記管本体の一方端に設けられ前記ボトル口部に接続される固定部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のボトル。
【請求項3】
前記固定部は、前記ボトル口部の内側に配置される筒状の環状体と、前記環状体の内側に前記管本体を保持する保持部材とを備えており、
前記環状体の内周面と、前記管本体の外周面との間に、前記空隙部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のボトル。
【請求項4】
前記環状体は、前記ボトル口部の上端部に嵌合するフランジ部を備えていることを特徴とする請求項3に記載のボトル。
【請求項5】
前記環状体の下端部における外周面は、前記ボトル口部の内周面と離隔して配置されることを特徴とする請求項4に記載のボトル。
【請求項6】
前記保持部材は、前記ボトル口部の上下方向に沿って伸びるプレート状部材又は棒状部材であり、前記環状体の内周面と前記管本体の外周面とを接続することを特徴とする請求項3から5のいずれかに記載のボトル。
【請求項7】
前記管本体の他方端には、一方端から供給されるガスを気泡として前記ボトル本体内に貯留される液体内に放出可能なディフューザー部が設けられている請求項2から6のいずれかに記載のボトル。
【請求項8】
管本体と、前記管本体の一方端に設けられる固定部とを備える浸漬管であって、
前記固定部は、筒状の環状体と、前記環状体の内側に前記管本体を保持する保持部材とを備えており、
前記環状体の内周面と前記管本体の外周面との間には、前記環状体の両端部間を連通する空隙部が形成されていることを特徴とする浸漬管。
【請求項9】
前記管本体の一方端から供給されるガスを放出可能なディフューザー部を更に備えており、
前記ディフューザー部は、
前記管本体の他方端に接続する上部ハウジング部と、前記上部ハウジング部に取り付けられる下部ハウジング部と、を備えており、
前記上部ハウジング部は、一方面側が前記管本体に接続するプレート体と、当該プレート体の他方面に立設する側壁部とを備えており、
前記下部ハウジング部は、前記上部ハウジング部の側壁部で囲まれた領域を覆う蓋部と、当該蓋部の周縁から立設し貫通孔が形成される周壁部とを備えており、
前記下部ハウジング部は、前記周壁部が前記側壁部の外側に配置されると共に、前記側壁部及び前記周壁部との間に隙間を設けた状態で上部ハウジング部に取り付けられることを特徴とする請求項8に記載の浸漬管。
【請求項1】
上部にボトル口部を有するボトル本体と、
前記ボトル本体内に貯留される液体に浸漬される浸漬管と、を備えており、
前記浸漬管の上端部は、前記ボトル口部を介して前記ボトル本体の内外を連通する空隙部を設けた状態で、前記ボトル口部の周壁の内側に配置されていることを特徴とするボトル。
【請求項2】
前記浸漬管は、管本体と、前記管本体の一方端に設けられ前記ボトル口部に接続される固定部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のボトル。
【請求項3】
前記固定部は、前記ボトル口部の内側に配置される筒状の環状体と、前記環状体の内側に前記管本体を保持する保持部材とを備えており、
前記環状体の内周面と、前記管本体の外周面との間に、前記空隙部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のボトル。
【請求項4】
前記環状体は、前記ボトル口部の上端部に嵌合するフランジ部を備えていることを特徴とする請求項3に記載のボトル。
【請求項5】
前記環状体の下端部における外周面は、前記ボトル口部の内周面と離隔して配置されることを特徴とする請求項4に記載のボトル。
【請求項6】
前記保持部材は、前記ボトル口部の上下方向に沿って伸びるプレート状部材又は棒状部材であり、前記環状体の内周面と前記管本体の外周面とを接続することを特徴とする請求項3から5のいずれかに記載のボトル。
【請求項7】
前記管本体の他方端には、一方端から供給されるガスを気泡として前記ボトル本体内に貯留される液体内に放出可能なディフューザー部が設けられている請求項2から6のいずれかに記載のボトル。
【請求項8】
管本体と、前記管本体の一方端に設けられる固定部とを備える浸漬管であって、
前記固定部は、筒状の環状体と、前記環状体の内側に前記管本体を保持する保持部材とを備えており、
前記環状体の内周面と前記管本体の外周面との間には、前記環状体の両端部間を連通する空隙部が形成されていることを特徴とする浸漬管。
【請求項9】
前記管本体の一方端から供給されるガスを放出可能なディフューザー部を更に備えており、
前記ディフューザー部は、
前記管本体の他方端に接続する上部ハウジング部と、前記上部ハウジング部に取り付けられる下部ハウジング部と、を備えており、
前記上部ハウジング部は、一方面側が前記管本体に接続するプレート体と、当該プレート体の他方面に立設する側壁部とを備えており、
前記下部ハウジング部は、前記上部ハウジング部の側壁部で囲まれた領域を覆う蓋部と、当該蓋部の周縁から立設し貫通孔が形成される周壁部とを備えており、
前記下部ハウジング部は、前記周壁部が前記側壁部の外側に配置されると共に、前記側壁部及び前記周壁部との間に隙間を設けた状態で上部ハウジング部に取り付けられることを特徴とする請求項8に記載の浸漬管。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−71011(P2012−71011A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219280(P2010−219280)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000186588)小林製薬株式会社 (518)
【出願人】(510162148)小林メディカル株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000186588)小林製薬株式会社 (518)
【出願人】(510162148)小林メディカル株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
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