説明

ボルトアクション銃

【課題】ボルトアクション銃に関し、必要時には、山野のような戸外においても、工具や治具を要せずに、レシーバー内からボルトアッセイを引き抜いて簡単な取扱操作により確実に分解と組立が行え、砂や埃を取り除いて掃除が容易に行えるようにし、また、掃除後の組立も簡単かつ確実に行え、保守・点検にも優れ、信頼度も高くするものである。
【解決手段】レシーバー4の貫通孔に後端側から挿入され、押込んだ第1の位置N1と引き出した第2の位置N2との間で直線的に移動可能に且つ第1の位置N1において所定角度に周回りに回動可能に挿着されたボルトアッセイ5と、を備えたボルトアクション銃の第2の位置N2のさらに後端側(銃尾側)へボルトアッセイ5がレシーバー4から引き出される移動を常時、規制する移動規制手段と、移動規制手段によるボルトアッセイ5の移動規制を手動操作により解除する手動操作手段と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はボルトアクション銃に関し、例えば、ライフル銃に最適であり、ハンドル操作によりレシーバー内を直線移動されて薬室内に弾を装填したり、薬室を閉鎖することで弾の発射準備を行い、そして、ファイヤリングピンによる弾の撃発後は空の薬莢を排出させるというボルトアクションを行うためのボルトアッセイを例えば戸外において治具や工具を用いずに、レシーバーから簡単かつ確実に抜き取り、分解・組立を行うものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばライフル銃では、先端に銃口を、該銃口に連通する薬室を後端にそれぞれ有するバレルと、前記バレルの後端が先端側に取付けられ、前記薬室に通ずる貫通孔を有するレシーバーと、該レシーバーの貫通孔に後端側から挿入され、前記レシーバーに対して押込んだ第1の位置と引き出した第2の位置との間で直線的に移動可能に且つ前記第1の位置において所定角度に周回りに回動可能に挿着されたボルトアッセイと、を備え、前記レシーバーに対して前記ボルトアッセイを前記第1の位置まで押し込んで周回りに所定角度回転させて前記薬室に弾薬を装填し、該装填した弾薬の弾を発射後、前記ボルトアッセイの旧位置への回動後に弾を発射後の薬莢と共に前記第2の位置まで引き出して、前記弾薬の薬莢を排出させ、次に装填すべき弾薬の供給を行い、前記第2の位置から前記第1の位置に直線的に移動後に前記ボルトアッセイの前記第1の位置における回動により、前記弾薬の前記薬室内への装填を行うようにしたボルトアクション銃は知られている。
【0003】
そして、このボルトアクション銃に用いられるボルトアッセイが、ボルトボディと、このボルトボディの前部に設けられるリムフアイヤ・ボルトヘッドと、よりなり、前記ボルトボディは、その内部にファイヤリングピンと、このファイヤリングピンを附勢するためのファイヤリングピンスプリングとが内挿され、外周にはボルトハンドルが取付けられ、後端には雄ねじ部を有するボルト栓が螺着されている。また、前記リムフアイヤ・ボルトヘッドの一側内部には、環状溝を外周端部に有するストライカー部材の先端部が挿入され、前記ボルトボディの先端部外周に半径方向に嵌挿されるピンの先端部を前記環状溝部内に係止することにより前記ボルトボディと、前記リムフアイヤ・ボルトヘッドとを組み付けたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6061944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1に記載のボルトアッセイでは、ファイヤリングピン、およびファイヤリングピンスプリングが挿入されているボルトボディには、外周にボルトハンドルが取付けられ、後端にはボルト栓が雄ねじ部を螺入することにより螺着され、そして、ボルトボディの先端部外周には、半径方向にピンが嵌挿され、このピンの先端部は、リムフアイヤ・ボルトヘッド内に先端部を挿入しているストライカー部材に設けられた環状溝部内に係止されることにより、前記ボルトボディと、前記リムフアイヤ・ボルトヘッドとは組み付けられている構造なので、銃を山野のような戸外に持ち出してボルトボディ内に砂や塵が入った場合に、ボルトハンドル操作によりレシーバー内においてレシーバーを後退移動が規制されている第2の位置から第1の位置に押し込んで回動操作することにより弾薬をバレルの薬室内に装填したり、弾薬の撃射後に第1の位置において旧位に回動操作した後に空薬莢と共に前記第2の位置に引き抜いて発射後の薬莢を排出させるといった直線的な移動、または周回りの回動操作が円滑に行うことができないことがあった。そのため、ボルトアクション動作が円滑に行えずに損なわれるので、このような場合には、レシーバーからボルトアッセイを引き抜いて工具、例えば、プライヤー、レンチ、ピット、ドライバー、ハンマーを用いて分解し、内部を掃除していたが、前記のような工具や治具がないと、レシーバーからボルトアッセイを引き抜いて分解し、内部を掃除することができなかった。しかも、ボルト栓をボルトボディの後端から螺退させたり、ピンの先端部をストライカー部材の前記環状溝部から脱係させることにより、前記ボルトボディと、前記リムフアイヤ・ボルトヘッドとの結合を解いて分解できないため、結局、レシーバー内、およびボルトアッセイの内部の掃除を行うことができなかった。
【0006】
また、雨によって銃が濡れたり、或いは、水中での移動や歩行により、水がレシーバー内、およびボルトアッセイ内に侵入されると、内部に錆が生ずる原因になっていたが、戸外においては、同様に前記工具がないと、ボルトアッセイを分解することができなかった。しかも、ボルト栓をボルトボディの後端から螺退させたり、ピンの先端部をストライカー部材の前記環状溝部から脱係させることにより、前記ボルトボディと、前記リムフアイヤ・ボルトヘッドとの結合を解き、分解できないため、ボルトアッセイの内部の掃除を行うことができず、掃除後は同様に工具がないと、組付けを行うことができず、難儀であった。
【0007】
また、特許文献1に記載の上記従来のボルトアッセイでは、ボルトボディの外周にボルトハンドルが取付けられ、ボルトボディとボルトハンドルとは一体化されているので、製作および加工が容易ではなく、製作コストが高価になっていたが、ボルトボディとボルトハンドルとは、別体に製作された後に組付けられる方が、製作および加工を行う際に、作業が容易になり、高精度の要求にも対応し易くなり、製作コストも安価になる。
【0008】
本発明は上記従来の問題点を解決するとともに、必要時には、山野のような戸外においても、工具や治具を要せずに、レシーバー内からボルトアッセイを引き抜いて簡単な取扱操作により確実に分解が行え、砂や埃を取り除いて掃除が容易に行えるようにし、また、掃除後の組立も簡単かつ確実に行え、保守・点検にも優れ、信頼度も高いボルトアクション銃を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記課題に鑑みてなされ請求項1に記載の発明は、
先端に銃口を、該銃口に連通する薬室を後端にそれぞれ有するバレルと、前記バレルの後端が先端側に取付けられ、前記薬室に通ずる貫通孔を有するレシーバーと、該レシーバーの貫通孔に後端側から挿入され、前記レシーバーに対して押込んだ第1の位置と引き出した第2の位置との間で直線的に移動可能に且つ前記第1の位置において所定角度に周回りに回動可能に挿着されたボルトアッセイと、を備え、
前記レシーバーに対して前記ボルトアッセイを前記第1の位置まで押し込んで周回りに所定角度回転させて前記薬室に弾薬を装填、閉鎖し、該装填した弾薬の弾を発射後、前記ボルトアッセイの旧位置への回動後に弾を発射後の薬莢を前記第2の位置まで引き出して、前記弾薬の薬莢を排出させ、次に装填すべき弾薬の供給を行い、前記第2の位置から前記第1の位置に前記ボルトアッセイを押し込み、前記第1の位置における周回りに回動することにより、前記弾薬の前記薬室内への装填を行うようにしたボルトアクション銃において、
前記第2の位置のさらに後端側へ前記ボルトアッセイが前記レシーバーから引き出される移動を常時、規制する移動規制手段と、
前記移動規制手段による前記ボルトアッセイの前記移動規制を手動操作により解除する手動操作手段と、
を備えていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記ボルトアッセイを前記第1の位置へ押し込んで回動した状態で互いに係合し、前記ボルトアッセイの前記第2の位置への後退移動を規制する係合部を前記ボルトアッセイと前記レシーバーとにそれぞれ設けたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または2において、前記移動規制手段は、常時ばね附勢されて前記ボルトアッセイが前記第2の位置に引き出された状態で前記ボルトアッセイの一部と係合され、ボルトアッセイが前記第1の位置近傍にある状態で、前記手動操作手段の操作により、前記ばね附勢に抗して移動されて前記ボルトアッセイの一部との係合が解除される係止部材を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項4に記載の発明は、請求項3において、前記手動操作手段は、前記係止部材の前記ボルトアッセイの一部との係止を解除する操作位置のほかに、
前記薬室内に装填された前記弾薬を撃射させるトリガーの牽引操作を可能とする撃射モード位置と、
前記トリガーは牽引可能に設けられるが、シャーを拘束して弾薬の撃射を不能とする安全モード位置と、に弾性保持される
ことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項5に記載の発明は、請求項3または4において、前記手動操作手段は、前記係止部材の前記ボルトアッセイの一部との係止を解除する操作位置のほかに、
前記薬室内に装填された前記弾薬を撃射させるトリガーの牽引操作を可能とする撃射モード位置と、
前記トリガーは牽引可能に設けられるが、シャーを拘束して弾薬の撃射を不能とする安全モード位置と、に弾性保持される保持部を有する
ことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項6に記載の発明は、請求項3において、係止部材が、トリガーの牽引によりファイヤリングピンを動作させて弾薬の撃射を行うために、前記トリガーに連繋して配設したシャーに設けられた係止突起により構成され、該係止突起が前記ボルトアッセイを前記第2の位置から後方側に移動させる引き抜き時に、係止可能に前記ボルトアッセイの略筒状のボルトボディの外周に径方向に窪ませた係止面に係止可能に設けられ、前記係止突起は、前記ボルトアッセイが前記第1の位置に押し込み操作されて所定角度回動されると、その後面が前記ファイリングピンに設けられた突起に係合し、該ファイリングピンを弾薬の撃射に備えてコック状態に保持することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項7に記載の発明は、請求項5項において、前記手動操作手段が、前記レシ−バーの後部一側に起倒可能に設けられた操作レバーと、該操作レバーを回動可能に枢支する断面三日月状の枢軸部と、その前方上部に前記係止突起を有するとともに、後部上側に第1係止部と後部下側には第2係止部とをそれぞれ有して、前記第1係止部と前記第2係止部との間には前記枢軸部が係止可能になるか、または回転可能になる円弧状空間部とが、それぞれ設けられた前記シャーと、該シャーが係脱可能に設けられた前記トリガーと、により構成され、ボルトアッセイが前記第1の位置近傍にある状態で、前記操作レバーを前傾に位置する時には、前記枢軸部が前記シャーの前記第1係止部を係合、押上げることにより、前記シャーは先端側に回動可能に設けられてボルトアッセイの前記移動規制手段による前記レシーバーからの引き抜き移動の規制を解除するボルト解放位置が、
前記操作レバーを中立に位置する時には、前記シャーの後部に設けた前記円弧状空間部内に前記操作レバーの前記枢軸部が回動操作可能に設けられることにより前記トリガーは牽引されて弾薬の撃射モード位置が、
そして、前記操作レバーを後傾に位置する時には、前記枢軸部が前記シャーの後部下側に設けられた前記第2係止部に係合されて前記シャーを拘束して前記トリガーは牽引可能に設けられるが、弾の撃射を不能とする安全モード位置が、それぞれ設定可能となされることを特徴としている。
【0016】
また、本発明の請求項8に記載の発明は、請求項4、5、または7の何れかl項において、前記手動操作手段の操作レバーは、保持部が、前記枢軸部により軸着される基部の上方肩部に連続して設けられる第1係合凹部、第2係合凹部、および、係止斜面部と、前記弾性部材が側面略U字状をなして前記上方肩部に弾性的に滑動可能に設けられる滑動ばね足を一端に有する弾性部材としての松葉ばねとにより構成され、
前記滑動ばね足が、前記操作レバーの中立時には、前記第1係合凹部に落ち込み可能に設けられ、
また、前記操作レバーの前傾時には、前記第2係合凹部に落ち込み可能に設けられ、
そして、前記操作レバーの後傾時には、前記係止斜面部に乗上げ可能に設けられていることにより、
前記操作レバーが節度的にかつ選択的に起倒可能に設けられている、
ことを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項9に記載の発明は、請求項2において、前記係合部が、薬室に通ずる貫通孔を有するレシーバーと、前記貫通孔に後端側から挿入され、前記レシーバーに対して押込んだ第1の位置と引き出した第2の位置との間で直線的に移動可能に且つ前記第1の位置において所定角度に周回りに回動可能に挿着されるボルトアッセイとを備え、 前記ボルトアッセイは、前記第1の位置に押し込まれて所定角度回動された時には第2の位置への後退側へばね附勢可能に設けられ、
前記ボルトアッセイのボルトボディの前方外周に中心周回りに120度毎に突設されたロッキングラグと、前記レシーバーの前記貫通孔の内周に前記ボルトボディの可動範囲にわたり軸方向に摺動可能に前記ロッキングラグに対応して凹設されたレール溝と、前記貫通孔の前端に、前記レール溝の設置個所以外の残肉部を、前記ボルトボディが前記第1の位置に押し込まれて回動操作された時に、前記レール溝の設置個所以外の残肉部に前記ロッキングラグが後退側への前記ばね附勢により押付可能にかつ係脱可能に設けられた係合壁部と、により構成されていることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の請求項10に記載の発明は、請求項1〜7、または9の何れか1項において、前記ボルトアッセイが、略筒状のボルトボディと、前記ボルトボディ内に先端側に突出可能に配挿されるファイヤリングピンと、前記ボルトボディ内に配挿されて前記ファイヤリングピンを先端側にばね附勢するファイヤリングピンスプリングと、ハンドルを外周に有し、前記ボルトボディの後端に取付けられるハンドル操作部材と、により構成され、前記ボルトボディと前記ハンドル操作部材とは固定手段を介して着脱可能に取付けられる、ことを特徴とする。
【0019】
また、本発明の請求項11に記載の発明は、請求項10において、前記ハンドル操作部材が、その前方に前記ファイヤリングピンスプリングが外挿される前方小径部を有し、後端には係入部が設けられたボルトキーと、前記ハンドルが外装された略筒形をなす基体部の内周に前記ボルトボディの後端部に着脱可能に取付けられる前記固定手段を有し、前記ボルトキーの前記係入部が係脱可能に取付けられる係合穴を対応位置に設けたボルトハンドルシュラウドと、により構成され、前記固定手段が、前記ボルトキーの前記係入部を前記係合穴に係入することにより前記ボルトハンドルシュラウドと前記ボルトキーとを一体化するとともに、前記ボルトボディと前記ボルトハンドルシュラウドとを前記ボルトキーを介して着脱可能に取付けるように構成されている、ことを特徴とする。
【0020】
また、本発明の請求項12に記載の発明は、請求項10または11において、前記ボルトボディが、ファイヤリングピンスプリングの附勢力を先端側に受ける前記ファイヤリングピンの後端に設けた突起を、組付け時には軸方向に進退可能に挿入させるように後端から軸方向に向けて設けられ先端に前記突起の前進を規制可能になる突起係入凹部を有する開口溝と、前記突起係入凹部の近傍の周面には、使用時に前記ハンドルによるボルトアッセイの第1の位置への押し込み、および回動操作によりシャーに設けられた係止突起に係脱可能になり、前記ファイヤリングピンスプリングを圧縮しつつ前記ファイヤリングピンを弾薬の撃射に備えてコック状態にさせる、前記開口溝から軸方向に連続して分岐されたカム溝と、が連設されていることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の請求項13に記載の発明は、請求項10または12において、前記ボルトボディが、前記開口溝の途中に周方向に交わるように設けられた円周溝と、該円周溝の頭上部に軸方向に設けられたボルトキー取付溝と、が形成され、前記ボルトキーの中程周面に設けられた突起を前記ボルトボディと前記ボルトキーとの結合時に、前記ボルトキー取付溝に前記ファイヤリングピンスプリングの後端側への附勢力に抗して係止させて前記ボルトボディと前記ボルトキーとの結合を行うことを特徴とする。
【0022】
また、本発明の請求項14に記載の発明は、請求項11において、前記固定手段が、前記ボルトボディの前記円周溝の外周近傍に設けられた複数個の保持用突起と、前記保持用突起を嵌脱可能に嵌入するために前記ボルトハンドルシュラウドの前記基体部の前記開口端に設けられた着脱用切欠部と、前記着脱用切欠部の内周面の奥に周方向に連設された環状溝と、により構成されていることを特徴とする。
【0023】
また、本発明の請求項15に記載の発明は、請求項10または12において、前記ファイヤリングピンが、弾薬の雷管を打撃可能に設けられた小径の前方部と、前記ファイヤリングピンスプリングが内挿されてその附勢力を受ける大径の後方部と、から構成され、前記前方部と前記後方部とはねじ止め、およびピン止めにより着脱自在に一体に固定されていることを特徴とする。
【0024】
また、本発明の請求項16に記載の発明は、請求項9において、前記レール溝が、前記レシーバーの貫通孔の軸芯に対し、その1つの前記レール溝の溝幅の中心は前記レシーバーの上端位置に設置され、他の2つの前記レール溝の溝幅の中心は、前記上端位置に設置される前記レール溝の前記溝幅の中心から夫々120度に配置されていることを特徴とする。
【0025】
また、本発明の請求項17に記載の発明は、請求項9において、前記ロッキングラグが、軸方向にボルトボディの外周面に到らない深さの案内溝を有する全体形状を断面台形に形成され、前記レール溝は、全体形状を前記ロッキングラグよりも僅かに形大の断面台形に設けられるとともに、その内周には前記案内溝に摺動可能な突条部が設けられていることを特徴とする。
【0026】
また、本発明の請求項18に記載の発明は、請求項1において、前記レシーバーと前記バレルとが、雌ねじと、該雌ねじに螺合される雄ねじと、よりなる結合手段により軸方向に結合され、前記雄ねじの終端に前記バレル、もしくは、前記レシーバーの軸芯、または、前記バレル、および、前記レシーバーの軸芯に対して鋭角度の傾斜面を有する円錐形のねじ締め付け止まり面が設けられ、前記ねじ締め付け止まり面が挿脱可能になる対応形状のねじ締め付け受け面が前記レシーバー、または前記バレルの対応位置に凹設されていることを特徴とする。
【0027】
また、本発明の請求項19に記載の発明は、請求項18において、前記バレル内に設けられた薬室の後端凹部に、前記レシーバー内に挿脱可能に配挿される前記ボルトボディの前端部を挿入し、前記前端部の後方位置に、ファイヤリングピン収容孔と、前記ボルトボディの外部とを連通する漏洩ガス排出孔が設けられていることを特徴とする。
【0028】
また、本発明の請求項20に記載の発明は、請求項4〜7の何れか1項において、前記トリガーには、時計回りに附勢し、弾の撃発後に前記トリガーの回動を停止するトリガー位置調整ねじと、前記トリガーを下方から時計回りに附勢することにより、前記トリガーの引き重さを調整するトリガースプリングと、が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明の請求項1に記載の発明によれば、先端に銃口を、該銃口に連通する薬室を後端にそれぞれ有するバレルと、前記バレルの後端が先端側に取付けられ、前記薬室に通ずる貫通孔を有するレシーバーと、該レシーバーの貫通孔に後端側から挿入され、前記レシーバーに対して押込んだ第1の位置と引き出した第2の位置との間で直線的に移動可能に且つ前記第1の位置において所定角度に周回りに回動可能に挿着されたボルトアッセイと、を備え、前記レシーバーに対して前記ボルトアッセイを前記第1の位置まで押し込んで周回りに所定角度回転させて前記薬室に弾薬を装填、閉鎖し、該装填した弾薬の弾を発射後、前記ボルトアッセイの旧位置への回動後に発射後の薬莢と共に前記第2の位置まで引き出して、前記弾薬の薬莢を排出させ、次に装填すべき弾薬の供給を行い、前記第2の位置から前記第1の位置に前記ボルトアッセイを押し込み、前記第1の位置における周回りに回動することにより閉鎖し、前記弾薬の薬莢を排出させ、前記第2の位置から前記第1の位置に前記ボルトアッセイを押し込み後に前記第1の位置における周回りに回動により、前記弾薬の前記薬室内への装填を行うようにしたボルトアクション銃において、前記第2の位置のさらに後端側へ前記ボルトアッセイが前記レシーバーから引き出される移動を常時、規制する移動規制手段と、前記移動規制手段による前記ボルトアッセイの前記移動規制を手動操作により解除する手動操作手段と、を備えているので、例えば銃を山野のような戸外に持ち出してレシーバー内に砂や塵が入ることにより、ボルトアッセイの第1の位置への押し込み操作や第1の位置から第2の位置へ引き出すという直線的な移動を行ったり、または、第1の位置および第2の位置において回動操作を行うのに支障を来す場合に、第2の位置のさらに後端側へボルトアッセイがレシーバーから引き出される移動を常時、規制している移動規制手段による移動規制を、手動操作手段を手動操作するという簡単な取扱操作により解除することにより、レシーバーからボルトアッセイを第2の位置の後退側に引き抜くことができ、工具、例えば、プライヤー、レンチ、ピット、ドライバー、ハンマーを必要とせずに、レシーバーからボルトアッセイを容易かつ確実に分解することができる。そして、レシーバー内に入った砂や塵を除いて掃除することができる。
【0030】
また、掃除後にレシーバー内にボルトアッセイを組付けるのには、先ず、レシーバー内にボルトアッセイを挿入することにより、ボルトアッセイに対する移動規制手段の移動規制が行われ、組付けが終える。こうして、ハンドル操作によるレシーバー内でのボルトアッセイの第1の位置への押し込みによる薬室への弾薬の装填、押し込み後のボルトアッセイの回動による閉鎖、弾薬の撃射、回動操作、そして第1の位置から第2の位置への抜き出しによる薬莢の排出、装填すべき弾薬の供給、の一連のボルトアクションを円滑に行うことができる。そして、手動操作手段を手動操作するという簡単な取扱操作により移動規制手段による移動規制を解除して工具を用いずにレシーバーからボルトアッセイを容易かつ確実に分解することができるので、例えば弾薬を撃射することにより損傷し易いファイヤリングピンや伸縮動作により疲労を生じ易いファイヤリングピンスプリングの交換を容易に行えるという保守・管理にも優れる。
【0031】
また、本発明の請求項2に記載の発明によれば、請求項1において前記ボルトアッセイを前記第1の位置へ押し込んで回動した状態で互いに係合し、前記ボルトアッセイの前記第2の位置への後退移動を規制する係合部を前記ボルトアッセイと前記レシーバーとにそれぞれ設けたので、ボルトアッセイをレシーバー内の第1の位置へ押し込んで回動することにより、ボルトアッセイとレシーバーとにそれぞれ設けた係合部を相互に係合することができ、バレルの薬室内に弾薬を装填して撃射の準備を行うことができる。そして、ボルトアッセイと前記レシーバーとにそれぞれ設けた係合部が係合されているので、ファイヤリングピンによる弾薬の撃射時に、撃発による銃尾方向への衝撃や反動をボルトアッセイが受けてレシーバーから抜け出るのが防止される。弾薬の撃射後においては、レシーバー内の第1の位置において、ボルトアッセイを旧位に回動することにより、ボルトアッセイとレシーバーとにそれぞれ設けた係合部相互の係合を簡単に解除することができ、その後にボルトアッセイを前記第2の位置側に後退移動することにより、ボルトアッセイとともに、撃射後の空の薬莢を移動でき、排出することができ、再び弾薬の薬室内の装填に備えることができる。このように、ボルトアッセイをレシーバー内の第1の位置へ押し込んで回動することにより、ボルトアッセイとレシーバーとにそれぞれ設けた係合部を相互に係合したり、係合を解除することができるという簡単な係合構造であるので、レシーバー内に砂や埃が入った場合のレシーバーとボルトアッセイとの分解・組付けが容易に行え、掃除を行うことができる。
【0032】
また、本発明の請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2において前記移動規制手段は、常時ばね附勢されて前記ボルトアッセイが前記第2の位置に引き出された状態で前記ボルトアッセイの一部と係合され、ボルトアッセイが前記第1の位置近傍にある状態で、前記手動操作手段の操作により、前記ばね附勢に抗して移動されて前記ボルトアッセイの一部との係合が解除される係止部材を有するので、例えば銃を山野のような戸外に持ち出してレシーバー内に砂や塵が入ることにより、ボルトアッセイの第1の位置への押し込み操作や第1の位置から第2の位置へ引き出すという直線的な移動を行ったり、または、第1の位置および第2の位置において回動操作を行うのに支障を来す場合に、ボルトアッセイの一部と係合されている移動規制手段としての係止部材の係合を手動操作手段を手動操作するという簡単な取扱操作により解除することにより、レシーバーからボルトアッセイを第2の位置の後退側に引き抜くことができ、工具、例えば、プライヤー、レンチ、ピット、ドライバー、ハンマーを必要とせずに、レシーバーからボルトアッセイを容易かつ確実に分解することができる。そして、レシーバー内に入った砂や塵を除いて掃除することができる。
【0033】
また、掃除後にレシーバー内にボルトアッセイを組付けるのには、先ず、レシーバー内にボルトアッセイを挿入することにより、ボルトアッセイの一部に対する移動規制手段としての係止部材の移動規制が行われ、組付けが終える。こうして、ハンドル操作によるレシーバー内でのボルトアッセイの第1の位置への押し込みによる薬室への弾薬の装填、押し込み後のボルトアッセイの回動による閉鎖、弾薬の撃射、ボルトアッセイの回動、第1の位置から第2の位置への抜き出しによる薬莢の排出、装填すべき弾薬の供給、の一連のボルトアクションを円滑に行うことができる。そして、手動操作手段を手動操作するという簡単な取扱操作により移動規制手段による移動規制を解除して工具を用いずにレシーバーからボルトアッセイを容易かつ確実に分解することができるので、例えば弾薬を撃射することにより損傷し易いファイヤリングピンや伸縮動作により疲労を生じ易いファイヤリングピンスプリングの交換を容易に行えるという保守・管理にも優れる。
【0034】
また、本発明の請求項4に記載の発明によれば、請求項3において前記手動操作手段は、前記係止部材の前記ボルトアッセイの一部との係止を解除する操作位置のほかに、前記薬室内に装填された前記弾薬を撃射させるトリガーの牽引操作を可能とする撃射モード位置と、前記トリガーは牽引可能に設けられるが、シャーを拘束して弾薬の撃射を不能とする安全モード位置と、に弾性保持されるので、手動操作手段を手動による簡単な取扱い操作により、係合部材のボルトアッセイの一部との係止を解除する位置に操作して弾性保持することにより、係合部材のボルトアッセイの一部との係止を解除し、工具、例えば、プライヤー、レンチ、ピット、ドライバー、ハンマーを必要とせずに、レシーバーからボルトアッセイを引き抜いて容易かつ確実に分解することができ、そして、レシーバー内に入った砂や塵を除いて掃除することができる。そして、レシーバーとボルトアッセイとの組立もレシーバー内にボルトアッセイを挿入することにより行える。
【0035】
このほかに、手動操作手段は、手動により撃射モード位置に弾性保持されることにより、トリガーの牽引操作により、薬室内に装填された弾薬を撃射させることができる。さらに、手動操作手段は、手動により安全モード位置に弾性保持されることにより、トリガーは牽引可能に設けられるが、シャーを拘束して弾薬の撃射は不能となり、安全になる。
【0036】
また、本発明の請求項5に記載の発明によれば、請求項3または4において前記手動操作手段は、前記係止部材の前記ボルトアッセイの一部との係止を解除する操作位置のほかに、前記薬室内に装填された前記弾薬を撃射させるトリガーの牽引操作を可能とする撃射モード位置と、前記トリガーは牽引可能に設けられるが、シャーを拘束して弾薬の撃射を不能とする安全モード位置と、に弾性保持される保持部を有するので、例えば銃を山野のような戸外に持ち出してレシーバー内に砂や塵が入ることにより、ボルトアッセイの第1の位置への押し込み操作や第1の位置から第2の位置へ引き出すという直線的な移動を行ったり、または、第1の位置および第2の位置において回動操作を行うのに支障を来す場合に、ボルトアッセイの一部と係合されている移動規制手段としての係止部材の係合を手動操作手段を手動操作して該位置に保持部により手動操作手段を確実に弾性保持させて解除することにより、レシーバーからボルトアッセイを第2の位置の後退側に引き抜くことができ、工具、例えば、プライヤー、レンチ、ピット、ドライバー、ハンマーを必要とせずに、レシーバーからボルトアッセイを容易かつ確実に分解することができる。
【0037】
そして、レシーバー内に入った砂や塵を除いて掃除することができる。また、掃除後にレシーバー内にボルトアッセイを組付けるのには、先ず、レシーバー内にボルトアッセイを挿入することにより、ボルトアッセイの一部に対する移動規制手段としての係止部材の移動規制が行われ、組付けが終える。こうして、ハンドル操作によるレシーバー内でのボルトアッセイの第1の位置への押し込みによる薬室への弾薬の装填、押し込み後のボルトアッセイの回動による閉鎖、弾薬の撃射、ボルトアッセイの回動、第1の位置から第2の位置への抜き出しによる薬莢の排出、装填すべき弾薬の供給、の一連のボルトアクションを円滑に行うことができる。そして、手動操作手段を手動操作することにより、保持部により手動操作手段を確実に弾性保持させ、移動規制手段による移動規制を解除して工具を用いずにレシーバーからボルトアッセイを容易かつ確実に分解することができるので、例えば弾薬を撃射することにより損傷し易いファイヤリングピンや伸縮動作により疲労を生じ易いファイヤリングピンスプリングの交換を容易に行えるという保守・管理にも優れる。
【0038】
このほか、手動操作手段は、手動により撃射モード位置に操作されて保持部により該位置に確実に弾性保持されることにより、トリガーの牽引操作により、薬室内に装填された弾薬を撃射させることができ、さらに、手動操作手段は、手動により安全モード位置に操作され、該位置に保持部に確実に弾性保持されることにより、トリガーは牽引可能に設けられるが、シャーを拘束して弾薬の撃射は不能となり、安全になる。
【0039】
また、本発明の請求項6によれば、請求項3において係止部材が、トリガーの牽引によりファイヤリングピンを動作させて弾薬の撃射を行うために、前記トリガーに連繋して配設したシャーに設けられた係止突起により構成され、該係止突起が前記ボルトアッセイを前記第2の位置から後方側に移動させる引き抜き時に、係止可能に前記ボルトアッセイの略筒状のボルトボディの外周に径方向に窪ませた係止面に係止可能に設けられ、前記係止突起は、前記ボルトアッセイが前記第1の位置に押し込み操作されて所定角度回動されると、シャーに設けられた係止突起は、前記ファイリングピンに設けられた突起に係合し、該ファイリングピンを弾薬の撃射に備えてコック状態に保持するので、例えば銃を山野のような戸外に持ち出してレシーバー内に砂や塵が入ることにより、ボルトアッセイの第1の位置への押し込み操作や第1の位置から第2の位置へ引き出すという直線的な移動を行ったり、または、第1の位置および第2の位置においてボルトアッセイを回動操作を行うのに支障を来す場合に、ボルトアッセイの略筒状のボルトボディの外周に径方向に窪ませた係止面に係合され、トリガーに設けられている移動規制手段としての係止突起の係合を手動操作手段を手動操作して解除すると、工具、例えば、プライヤー、レンチ、ピット、ドライバー、ハンマーを必要とせずに、レシーバーからボルトアッセイを第2の位置の後退側に引き抜くことができ、レシーバーからボルトアッセイを容易かつ確実に分解することができる。そして、レシーバー内に入った砂や塵を除いて掃除することができる。また、シャーに設けられた前記係止突起は、前記ボルトアッセイが前記第1の位置に押し込み操作されて所定角度回動されると、その後面がファイリングピンに設けられた突起に係合し、該ファイリングピンを簡単な構造にてコック状態に保持し、弾薬の撃射に確実に備えることができる。
【0040】
また、本発明の請求項7に記載の発明によれば、請求項5において、前記手動操作手段が、前記レシ−バーの後部一側に起倒可能に設けられた操作レバーと、該操作レバーを回動可能に枢支する断面三日月状の枢軸部と、その前方上部に前記係止突起を有するとともに、後部上側に第1係止部と後部下側には第2係止部とをそれぞれ有して、前記第1係止部と前記第2係止部との間には前記枢軸部が係止可能になるか、または回転可能になる円弧状空間部とが、それぞれ設けられた前記シャーと、該シャーが係脱可能に設けられた前記トリガーと、により構成され、ボルトアッセイが前記第1の位置近傍にある状態で、前記操作レバーを前傾に位置する時には、前記枢軸部が前記シャーの前記第1係止部を係合、押上げることにより、前記シャーは先端側に回動可能に設けられてボルトアッセイの前記移動規制手段による前記レシーバーからの引き抜き移動の規制を解除するボルト解放位置が、前記操作レバーを中立に位置する時には、前記シャーの後部に設けた前記円弧状空間部内に前記操作レバーの前記枢軸部が回動操作可能に設けられることにより前記トリガーは牽引されて弾薬の撃射モード位置が、そして、前記操作レバーを後傾に位置する時には、前記枢軸部が前記シャーの後部下側に設けられた前記第2係止部に係合されて前記シャーを拘束して前記トリガーは牽引可能に設けられるが、弾の撃射を不能とする安全モード位置が、それぞれ設定可能となされるので、操作レバーを手動操作して前傾に位置させボルト解放位置に設定した時には、操作レバーの断面三日月状の枢軸部がシャーの後部上側に設けられた前記第1係止部を係合、押上げることにより、シャーは先端側に回動可能に設けられてボルトアッセイの移動規制手段による前記レシーバーからの引き抜き移動の規制を簡単な取り扱い操作により容易かつ確実に解除することができる。そして、例えば銃を山野のような戸外に持ち出してレシーバー内に砂や塵が入ることにより、ボルトアッセイの第1の位置への押し込み操作や第1の位置から第2の位置へ引き出すという直線的な移動を行ったり、または、ボルトアッセイを第1の位置および第2の位置において回動操作を行うのに支障を来す場合に、ボルトアッセイの略筒状のボルトボディの外周に径方向に窪ませた係止面に係合され、トリガーに設けられている移動規制手段としての係止突起は、その係合を手動操作手段を手動操作することにより解除され、レシーバーからボルトアッセイを第2の位置の後退側に引き抜くことができ、工具、例えば、プライヤー、レンチ、ピット、ドライバー、ハンマーを必要とせずに、レシーバーからボルトアッセイを容易かつ確実に分解することができる。そして、レシーバー内に入った砂や塵を除いて掃除することができる。そして、レシーバーとボルトアッセイとの組立もレシーバー内にボルトアッセイを挿入することにより行える。
【0041】
このほか、操作レバーを中立に位置する時には、シャーの後部に設けた円弧状空間部内に操作レバーの枢軸部が回動操作可能に設けられるので、トリガーは牽引されて弾薬の撃射モード位置が設定される。そして、操作レバーを後傾に位置する時には、枢軸部がシャーの後部下側に設けられた第2係止部に係合されてシャーを拘束するので、トリガーは牽引可能に設けられるが、弾の撃射は不能となる安全モード位置を簡単な取り扱い操作により容易かつ確実に設定可能となす。
【0042】
また、本発明の請求項8に記載の発明によれば、請求項4、5、または7の何れかl項において、前記手動操作手段の操作レバーは、保持部が、前記枢軸部により軸着される基部の上方肩部に連続して設けられる第1係合凹部、第2係合凹部、および、係止斜面部と、前記弾性部材が側面略U字状をなして前記上方肩部に弾性的に滑動可能に設けられる滑動ばね足を一端に有する弾性部材としての松葉ばねとにより構成され、前記滑動ばね足が、前記操作レバーの中立時には、前記第1係合凹部に落ち込み可能に設けられ、また、前記操作レバーの前傾時には、前記第2係合凹部に落ち込み可能に設けられ、そして、前記操作レバーの後傾時には、前記係止斜面部に乗上げ可能に設けられていることにより、前記操作レバーが節度的にかつ選択的に起倒可能に設けられているので、操作レバーを前傾に位置させると、弾性部材としての松葉ばねの一端に有する滑動ばね足が操作レバーの基部の上方肩部に設けられる第2係合凹部内に落ち込んでボルト解放位置に適正に位置させ、松葉ばねの弾性力により確実に弾性保持することができる。そして、操作レバーを中立に位置する時には、松葉ばねの一端に有する滑動ばね足が、操作レバーの基部の上方肩部を弾性的に滑動され、前記第2係合凹部に連続して設けられている第1係合凹部、係止斜面部のうちの第1係合凹部内に松葉ばねの弾性力により、弾薬の撃射モード位置に弾性的に落ち込み、確実にかつ節度的に弾性保持することができる。さらに、操作レバーを後傾に位置する時には、松葉ばねの一端に有する滑動ばね足が、操作レバーの基部の上方肩部を弾性的に滑動され、第2係合凹部、第1係合凹部、係止斜面部のうちの係止斜面部に弾力的に乗り上げ、枢軸部がシャーを拘束し、トリガーは牽引可能に設けられるが、弾の撃射は不能となる安全モード位置に確実にかつ節度的に弾性保持することができ、操作は簡単かつ確実になる。
【0043】
また、本発明の請求項9に記載の発明によれば、請求項2において、前記係合部が、薬室に通ずる貫通孔を有するレシーバーと、前記貫通孔に後端側から挿入され、前記レシーバーに対して押込んだ第1の位置と引き出した第2の位置との間で直線的に移動可能に且つ前記第1の位置において所定角度に周回りに回動可能に挿着されるボルトアッセイとを備え、前記ボルトアッセイは、前記第1の位置に押し込まれて所定角度回動された時には第2の位置への後退側へばね附勢可能に設けられ、前記ボルトアッセイのボルトボディの前方外周に中心周回りに120度毎に突設されたロッキングラグと、前記レシーバーの前記貫通孔の内周に前記ボルトボディの可動範囲にわたり軸方向に摺動可能に前記ロッキングラグに対応して凹設されたレール溝と、前記貫通孔の前端に、前記レール溝の設置個所以外の残肉部を、前記ボルトボディが前記第1の位置に押し込まれて回動操作された時に、前記レール溝の設置個所以外の残肉部に前記ロッキングラグが後退側への前記ばね附勢により押付可能にかつ係脱可能に設けられた係合壁部と、により構成されているので、弾薬を薬室内に装填する場合に、ハンドル操作することによりレシーバーの貫通孔内にボルトアッセイを押し込むと、このボルトアッセイのボルトボディの前方外周に中心周回りに120度毎に突設されたロッキングラグが、レシーバーの前記貫通孔の内周にボルトボディの可動範囲にわたり軸方向に摺動可能に前記ロッキングラグに対応して凹設されたレール溝内を案内されてガタツキがなく摺動されるため、ボルトアッセイは第2の位置から第1の位置に直線的に移動され、マガジン内にばね材により上方に附勢されて収納されている弾薬をボルトボディの先端部によりバレルの薬室内に押し込む。そして、ボルトボディの前方外周に中心周回りに120度毎に突設されたロッキングラグが、レシーバーの貫通孔の内周に凹設されたレール溝の前端を抜け出た後に、ハンドル操作してボルトアッセイを所定角度周回りに回動操作させると、ボルトアッセイのボルトボディの前方外周に中心周回りに120度毎に突設されたロッキングラグが、貫通孔の前端に、前記レール溝の設置個所以外の残肉部に設けられた係合壁部に後退側への前記ばね附勢により押付けられて係合され、薬室内に弾薬が装填される。
【0044】
それから、トリガーを牽引することにより、装填した弾薬の弾を発射すると、弾薬の撃射により発生される衝撃や反動力をボルトアッセイのボルトボディが受けても、ボルトボディの前方外周に中心周回りに120度毎に突設されたロッキングラグが、貫通孔の前端に、前記レール溝の設置個所以外の残肉部に設けられた係合壁部に係合されていることにより、レシーバーの貫通孔から不用意に抜け出ることはない。充填した弾薬の弾を発射後には、ハンドル操作により、ボルトアッセイを第1の位置において旧位置に回動後に、レール溝内においてロッキングラグを案内し、第1の位置から第2の位置側にボルトアッセイを直線的に移動させる。この時、ボルトボディの先端凹部内に薬莢は保持されて後退移動されると共に、撃射された弾薬の薬莢を排出させ、次ぎに装填すべきマガジンからの弾薬の供給が行われ、ボルトアッセイを第2の位置に後退移動する。
【0045】
本発明の請求項10に記載の発明によれば、請求項1〜7、または9の何れか1項において、前記ボルトアッセイが、略筒状のボルトボディと、前記ボルトボディ内に先端側に突出可能に配挿されるファイヤリングピンと、前記ボルトボディ内に配挿されて前記ファイヤリングピンを先端側にばね附勢するファイヤリングピンスプリングと、ハンドルを外周に有し、前記ボルトボディの後端に取付けられるハンドル操作部材と、により構成され、前記ボルトボディと前記ハンドル操作部材とは固定手段を介して着脱可能に取付けられるので、例えば銃を山野のような戸外に持ち出してレシーバー内に直線的に移動可能に、且つ回動可能に設けられたボルトアッセイのボルトボディと、ハンドルを有するハンドル操作部材との内部に砂や塵が入ることにより、ボルトアッセイを第1の位置へ押し込んだり、もしくは、第1の位置から第2の位置へ引き出すという直線的な移動を行ったり、または、第1の位置および第2の位置において回動操作を行うのに支障を来す場合に、移動規制手段による移動規制を、手動操作手段を手動操作することにより解除した後に、レシーバーからボルトアッセイを第2の位置の後退側に引き抜き、工具、例えば、プライヤー、レンチ、ピット、ドライバー、ハンマーを必要とせずに、ボルトボディとハンドル操作部材とを固定手段を介して容易かつ確実に分解することができる。そして、ボルトボディとハンドル操作部材とに入った砂や塵を除いて掃除することができる。また、掃除後には、ボルトボディとハンドル操作部材とを固定手段を介して組付けることができる。こうして、ハンドル操作によるレシーバー内でのボルトアッセイの第1の位置への押し込み、または、ボルトアッセイの押し込み後の回動、そして、第1の位置から第2の位置への抜き出し、または、回動操作により、薬室への弾薬の装填、弾薬の撃射、装填すべき弾薬の供給、薬莢の排出という一連のボルトアクションを円滑に行うことができる。そして、ボルトボディとハンドル操作部材とを容易かつ確実に分解することができるので、例えば弾薬を撃射することにより損傷し易いファイヤリングピンや伸縮動作により機械的疲労を生じ易いファイヤリングピンスプリングの交換を容易に行えるという保守・管理にも優れる。
【0046】
また、本発明の請求項11に記載の発明によれば、請求項10において、前記ハンドル操作部材が、その前方に前記ファイヤリングピンスプリングが外挿される前方小径部を有し、後端には係入部が設けられたボルトキーと、前記ハンドルが外装された略筒形をなす基体部の内周に前記ボルトボディの後端部に着脱可能に取付けられる前記固定手段を有し、前記ボルトキーの前記係入部が係脱可能に取付けられる係合穴を対応位置に設けたボルトハンドルシュラウドと、により構成され、前記固定手段が、前記ボルトキーの前記係入部を前記係合穴に係入することにより前記ボルトハンドルシュラウドと前記ボルトキーとを一体化するとともに、前記ボルトボディと前記ボルトハンドルシュラウドとを前記ボルトキーを介して着脱可能に取付けるように構成されている、ことを特徴とするので、例えば銃を山野のような戸外に持ち出してレシーバー内に直線的に移動可能に、且つ回動可能に設けられたボルトアッセイのボルトボディと、ハンドルを有するハンドル操作部材との内部に砂や塵が入ることにより、ボルトアッセイを第1の位置へ押し込んだり、もしくは、第1の位置から第2の位置へ引き出すという直線的な移動を行ったり、または、第1の位置および第2の位置において回動操作を行うのに支障を来す場合に、移動規制手段による移動規制を、手動操作手段を手動操作することにより解除した後に、レシーバーからボルトアッセイを第2の位置の後退側に引き抜き後に、工具、例えば、プライヤー、レンチ、ピット、ドライバー、ハンマーを必要とせずに、ボルトボディとハンドル操作部材とを容易かつ確実に分解することができる。そして、ボルトボディとハンドル操作部材との間に入った砂や塵を除いて掃除することができる。しかも、ハンドル操作部材が、その前方に前記ファイヤリングピンスプリングが外挿される前方小径部を有し、後端には係入部が設けられたボルトキーと、ハンドルが外装された略筒形をなす基体部の内周にボルトボディの後端部に着脱可能に取付けられる固定手段を有し、前記ボルトキーの前記係入部が係脱可能に取付けられる係合穴を対応位置に設けたボルトハンドルシュラウドと、により構成されるので、前記ボルトキーの前記係入部をボルトハンドルシュラウドの係合穴から脱係したり、係入することにより、ハンドル操作部材の前記ボルトハンドルシュラウドと前記ボルトキーとを固定手段を介して分解したり、組立てることができ、内部の掃除が行える。また、掃除後には、ボルトボディとハンドル操作部材とを前記固定手段を介して組付けることができる。こうして、ハンドル操作によるレシーバー内でのボルトアッセイの第1の位置への押し込み、または、押し込み後のボルトアッセイの回動、そして、第1の位置から第2の位置への抜き出し、もしくは、回動操作により、薬室への弾薬の装填、弾薬の撃射、装填すべき弾薬の供給、薬莢の排出という一連のボルトアクションを円滑かつ確実に行うことができる。そして、ボルトボディとハンドル操作部材とを工具なしに容易かつ確実に分解することができるので、例えば弾薬を撃射することにより損傷し易いファイヤリングピンや伸縮動作により疲労を生じ易いファイヤリングピンスプリングの交換を容易に行えるという保守・管理にも優れる。
【0047】
また、本発明の請求項12に記載の発明によれば、請求項10または11において前記ボルトボディが、ファイヤリングピンスプリングの附勢力を先端側に受ける前記ファイヤリングピンの後端に設けた突起を、組付け時には軸方向に進退可能に挿入させるように後端から軸方向に向けて設けられ先端に前記突起の前進を規制可能になる突起係入凹部を有する開口溝と、前記突起係入凹部の近傍の周面には、使用時に前記ハンドルによるボルトアッセイの第1の位置への押し込み、および回動操作によりシャーに設けられた係止突起に係脱可能になり、前記ファイヤリングピンスプリングを圧縮しつつ前記ファイヤリングピンを弾薬の撃射に備えてコック状態にさせる、前記開口溝から軸方向に連続して分岐されたカム溝と、が連設されているので、ボルトアッセイの略筒状のボルトボディと、このボルトボディ内に内挿されているファイヤリングピンとを分解するのには、ファイヤリングピンスプリングの附勢力に抗してファイヤリングピンを後端側に押し込み、このファイヤリングピンの後端に設けられた突起をカム溝から、このカム溝に連設してボルトボディの後端に開口している開口溝へと移動し開口溝から抜け出すことにより、ボルトボディと、このボルトボディに内挿入されたファイヤリングピンとを工具、例えば、プライヤー、レンチ、ピット、ドライバー、ハンマーを必要とせずに、分解することができ、ボルトアッセイの略筒状のボルトボディ内に入った砂、埃を掃除することができる。掃除後に、ボルトアッセイの略筒状のボルトボディとファイヤリングピンとを組付けるのには、ファイヤリングピンスプリングの附勢力を前方へ受けるファイヤリングピンの後端に設けた突起を略筒状のボルトボディの後端から軸方向に向けて設けられた開口溝から挿入するようにしてファイヤリングピンスプリングの附勢力に抗してファイヤリングピンをボルトボディ内に後端から挿入して押し込む。そして、開口溝の先端に設けられた突起係入凹部内にファイヤリングピンの前記突起を係止させることにより前進を規制する。この時、ファイヤリングピンスプリングの附勢力に抗してファイヤリングピンのボルトボディ内の押し込み操作は、ハンドル操作部材により行うようにすれば便利である。そして、ハンドル操作によるボルトボディの第1の位置での押し込み位置において、ファイヤリングピンに対してボルトボディを相対的に回動することにより、ファイヤリングピンの後端に設けられた突起をボルトボディの後端から軸方向に向けて設けた開口溝に前記突起係入凹部の近傍から周面に分岐するカム溝内に移動可能とするとともに、シャーに設けられた係止突起に係脱可能に設けることにより組付けを行う。そして、前述のように、前記突起係入凹部の近傍から周面には、前記開口溝から軸方向に連続して分岐されたカム溝が設けられているので、使用時にはハンドルにより、ボルトアッセイの第1の位置への押し込み、および回動操作により、ファイヤリングピンの後端に設けた突起は、シャーに設けられた係止突起に係脱可能になるため、簡単な構造により前記ファイヤリングピンスプリングを圧縮しつつ前記ファイヤリングピンを弾薬の撃射に備えて確実にコック状態にすることができる。
【0048】
また、本発明の請求項13に記載の発明によれば、請求項10または12において、前記ボルトボディが、前記開口溝の途中に周方向に交わるように設けられた円周溝と、該円周溝の頭上部に軸方向に設けられたボルトキー取付溝と、が形成され、前記ボルトキーの中程周面に設けられた突起を前記ボルトボディと前記ボルトキーとの結合時に、前記ボルトキー取付溝に前記ファイヤリングピンスプリングの後端側への附勢力に抗して係止させて前記ボルトボディと前記ボルトキーとの結合を行うので、ボルトボディとボルトキーとを分解するのには、ファイヤリングピンスプリングの後端側への附勢力に抗してボルトキーを押し込み、該ボルトキーに対してボルトボディを相対的に回転することにより、ファイヤリングピンの中程周面に設けられた突起をボルトキー取付溝から脱係させ、このボルトキー取付溝が途中に連設されてボルトボディの軸方向に後端まで開口されている開口溝を通じて突起の係合が解かれるため、工具、例えば、プライヤー、レンチ、ピット、ドライバー、ハンマーを必要とせずに、ボルトボディとハンドル操作部材のボルトキーとが分解される。従って、ボルトボディと、ハンドル操作部材との間に砂や埃が入った場合に、ボルトボディと、ハンドル操作部材とをボルトキーを介して分解することにより掃除を行うことができる。また、ハンドル操作部材のボルトボディとボルトキーとを結合する場合に、ボルトキーの中程周面に設けられた突起を略筒状のボルトボディの後端に軸長方向に設けられた開口溝から挿入し、この開口溝の途中に周方向に交わるように設けられた円周溝の頭上部に軸方向に形成されたボルトキー取付溝内にファイヤリングピンスプリングの附勢力に抗して係止することにより、工具なしに簡単な取り扱い操作によりボルトボディと、このボルトボディに結合されるボルトキーを介してハンドル操作部材が結合され、棒状のボルトアッセイを組付けることができる。
【0049】
また、本発明の請求項14に記載の発明によれば、請求項11において、前記固定手段が、前記ボルトボディの前記円周溝の外周近傍に設けられた複数個の保持用突起と、前記保持用突起を嵌脱可能に嵌入するために前記ボルトハンドルシュラウドの前記基体部の前記開口端に設けられた着脱用切欠部と、前記着脱用切欠部の内周面の奥に周方向に連設された環状溝と、により構成されていることを特徴とするので、ボルトボディとボルトハンドルシュラウドとの結合を解いて分解するのには、ボルトボディとボルトハンドルシュラウドとを相対移動させることにより、ボルトハンドルシュラウドの基体部の奥の内周に着脱用切欠部に連通して設けられた環状溝内に係止されているボルトボディの円周溝の外周近傍に設けられた複数個の保持用突起の係止を解除し、複数個の保持用突起を着脱用切欠部から引き抜くことにより、ボルトボディとボルトハンドルシュラウドとを工具、例えば、プライヤー、レンチ、ピット、ドライバー、ハンマーを必要とせずに、分解し、ボルトボディと、ハンドル操作部材との間に砂や埃が入った場合の掃除が行える。また、ボルトボディとボルトハンドルシュラウドとを結合するのには、ボルトボディの円周溝の外周近傍に設けられた複数個の保持用突起をボルトハンドルシュラウドの基体部の開口端に設けられた着脱用切欠部内に挿入後に、ボルトボディとボルトハンドルシュラウドとを旧方向に相対的に回動させることにより、保持用突起を着脱用切欠部の内周面の奥に周方向に連設された環状溝内に係止させてボルトボディとボルトハンドルシュラウドとを結合する。
【0050】
また、本発明の請求項15に記載の発明によれば、請求項9において、前記ファイヤリングピンが、弾薬の雷管を打撃可能に設けられた小径の前方部と、前記ファイヤリングピンスプリングが内挿されてその附勢力を受ける大径の後方部と、から構成され、前記前方部と前記後方部とはねじ止め、およびピン止めにより着脱自在に一体に固定されているので、弾薬を撃射することにより摩耗や損傷が著しいファイヤリングピンの小径の前方部を、ファリングピンスプリングを内挿させて前方に附勢させる大径の後方部からねじ止め、またはピン止めを外すことで新しいものと交換できる。
【0051】
本発明の請求項16に記載の発明によれば、請求項9において、前記レール溝が、前記レシーバーの貫通孔の軸芯に対し、その1つの前記レール溝の溝幅の中心は前記レシーバーの上端位置に設置され、他の2つの前記レール溝の溝幅の中心は、前記上端位置に設置される前記レール溝の前記溝幅の中心から夫々120度に配置されているので、レシーバーを第1の位置へ押し込んだり、または、第2の位置へ引抜くという、直線的な移動を行う場合に、レシーバーには、弾薬が収納されているマガジンを装着するための装着口を下面に有し、一側には弾薬を撃射後の窓孔が開設されているとしても、レシーバーの貫通孔の内周に設置された1の前記レール溝の溝幅の中心は前記レシーバーの上端位置に設置され、他の2つの前記レール溝の溝幅の中心は、前記上端位置に設置された前記レール溝の前記溝幅の中心から夫々120度に等角度に配置されたレール溝によりボルトアッセイは案内されるため、ボルトアッセイのレシーバー内への第1の位置への押し込み、または、第2の位置への引抜きという、直線的な移動を行う場合に、ガタツキなく、円滑かつ確実に行える。
【0052】
本発明の請求項17に記載の発明によれば、請求項9において、前記ロッキングラグが、軸方向にボルトボディの外周面に到らない深さの案内溝を有する全体形状を断面台形に形成され、前記レール溝は、全体形状を前記ロッキングラグよりも僅かに形大の断面台形に設けられるとともに、その内周には前記案内溝に摺動可能な突条部が設けられているので、ボルトアッセイをレシーバーの第1の位置へ押し込んだり、または、第2の位置側へ引抜くという、直線的な移動を行う場合に、ボルトボディの前方外周に中心周回りに120度毎に全体形状を断面台形に突設されたロッキングラグが、全体形状を前記ロッキングラグよりも僅かに形大の断面台形にレシーバーの内周に設けられたレール溝によりがたつきなく安定に案内されるのと、ロッキングラグに設けられた案内溝内にレシーバーの前記レール溝に設けられた突状部がガタツキなく摺動可能に二重に案内されることからボルトアッセイの第1の位置への押し込み、または、第2の位置への引抜きという、直線的な移動を行う場合に、円滑かつ確実に行える。
【0053】
本発明の請求項18に記載の発明によれば、請求項1において、前記レシーバーと前記バレルとが、雌ねじと、該雌ねじに螺合される雄ねじと、よりなる結合手段により軸方向に結合され、前記雄ねじの終端に前記バレル、もしくは、前記レシーバーの軸芯、または、前記バレル、および、前記レシーバーの軸芯に対して鋭角度の傾斜面を有する円錐形のねじ締め付け止まり面が設けられ、前記ねじ締め付け止まり面が挿脱可能になる対応形状のねじ締め付け受け面が前記レシーバー、または前記バレルの対応位置に凹設されているので、レシーバーと前記バレルとが、雌ねじと、該雌ねじに螺合される雄ねじと、よりなる結合手段により軸方向に結合され構造堅牢に強固に結合される。この際、前記雄ねじの終端に前記バレル、もしくは、前記レシーバーの軸芯、または、前記バレル、および、前記レシーバーの軸芯に対して鋭角度の傾斜面を有する円錐形のねじ締め付け止まり面が設けられ、前記ねじ締め付け止まり面が挿脱可能になる対応形状のねじ締め付け受け面が前記レシーバー、または前記バレルの対応位置に凹設されているので、前記レシーバーと前記バレルとを、雌ねじと、該雌ねじに螺合される雄ねじと、よりなる結合手段により軸方向に結合する場合に、バレル、および、前記レシーバーの軸芯に対して鋭角度の傾斜面を有する円錐形のねじ締め付け止まり面が、レシーバー、または前記バレルの対応位置に凹設されたねじ締め付け受け面内に螺合されることにより、バレルとレシーバーとは軸芯が相互に一致する。このため、銃の完成時に、レシーバー内に挿入されるボルトアッセイとバレル内に形成される薬室との間に芯ずれを生ずることなく、ファイヤリングピンと雷管とが偏芯する不発の原因は一掃され、弾の命中精度を高くできる。
【0054】
本発明の請求項19に記載の発明によれば、請求項18において、前記バレル内に設けられた薬室の後端凹部に、前記レシーバー内に挿脱可能に配挿される前記ボルトボディの前端部を挿入し、前記前端部の後方位置に、ファイヤリングピン収容孔と、前記ボルトボディの外部とを連通する漏洩ガス排出孔が設けられているので、ファイヤリングピンにより弾薬を撃射した爆発ガスはファイヤリングピン収容孔から漏洩ガス排出孔を通じてボルトボディの外部に速やかに排出される。
【0055】
さらに、本発明の請求項20に記載の発明によれば、請求項4〜7の何れか1項において、前記トリガーには、時計回りに附勢し、弾の撃発後に前記トリガーの回動を停止するトリガー位置調整ねじと、前記トリガーを下方から時計回りに附勢することにより、前記トリガーの引き重さを調整するトリガースプリングと、が設けられているので、トリガーはトリガー位置調整ねじにより、時計回りに附勢され、弾の撃発後にはトリガーの回動は停止される。また、トリガーはトリガースプリングにより下方から時計回りに附勢されることにより、前記トリガーの引き重さが調整される。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】図1は本発明のボルトアクション銃におけるボルトアッセイの実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】図2は同じくボルトアッセイを背面側から見た分解斜視図である。
【図3】図3は同じく完成されたボルトアクション銃を示す側面図である。
【図4】図4は同じく本実施形態を構成するボルトアッセイの組付後の拡大側面図である。
【図5】図5は同じくボルトアッセイを構成するファイヤリングピンの弾薬に対するコッキング状態を示す拡大下面図である。
【図6】図6は同じく弾薬を撃射後の拡大下面図である。
【図7】図7は同じく本実施形態を構成するボルトアッセイにおいてレシーバーに対してボルトボディを第1の位置に押込んだ状態を銃口側から見た拡大端面図である。
【図8】図8は同じく本実施形態を構成するレシーバーに対してボルトボディを回動操作して係合部に係合した状態を示す拡大端面図である。
【図9】図9は同じくレシーバーとボルトボディとの係合状態を示す軸方向の拡大断面図である。
【図10】図10は本実施形態を構成するレシーバーを台木に組立てた状態を銃口側から見た拡大断面図である。
【図11】図11は同じくレシーバーを銃口側から見た拡大斜視図である。
【図12】図12は同じくボルトボディを背面側から銃口側に見た拡大斜視図である。
【図13】図13は同じくボルトアッセイの組付状態の拡大下面図である。
【図14】図14は同じくボルトアッセイのボルトボディからボルトハンドルシュラウドを分解する分解途中を示す拡大側面図である。
【図15】図15は同じくボルトアッセイのボルトボディからボルトハンドルシュラウドを分解する直前を示す拡大下面図である。
【図16】図16は同じくボルトアッセイのボルトボディからボルトハンドルシュラウドを分解した状態を示す拡大下面図である。
【図17】図17は同じくボルトアッセイのボルトボディからボルトキーを引き抜いた状態を示す拡大斜視図である。
【図18】図18は同じくボルトアッセイのボルトボデイからハンドル操作部を分解した状態を下面側から見た拡大分解斜視図である。
【図19】図19は同じく本実施形態を構成するボルトアッセイのボルトボディの後端側を下方側から見た拡大斜視図である。
【図20】図20は同じく僅かに回動変位した状態の側面図である。
【図21】図21は同じく本実施形態を構成するファイヤリングピンを示す部分切欠拡大斜視図である。
【図22】図22は本実施形態を構成するボルトハンドルシュラウドを前方から見た拡大斜視図である。
【図23】図23は同じくシャーによるボルトボディに対する係止状態を示す拡大断面図である。
【図24】図24は同じく本実施形態を構成するボルトボディを下面側から見た拡大斜視図である。
【図25】図25は同じく本実施形態を構成するレシーバーとバレルとの結合関係を示す拡大断面図である。
【図26】図26は同じく本発明のボルトアクション銃に適用される手動操作手段を撃射モード位置に設定した状態を示す拡大側面図である。
【図27】図27は同じく撃射モード位置にてシャーによりファイヤリングピンを係止している状態を示す拡大側面図である。
【図28】図28は同じく弾薬を撃射した状態を示す拡大側面図である。
【図29】図29は同じく本実施形態を構成する手動操作手段を撃射モード位置に設定した状態を上方から見た拡大斜視図である。
【図30】図30は同じく本実施形態を構成する手動操作手段の分解状態を示す拡大斜視図である。
【図31】図31は同じく説明的な拡大断面図である。
【図32】図32は同じく弾の撃射後を示す説明的な拡大断面図である。
【図33】図33は同じくレバーが前傾に位置され、ボルト解放位置に設定されている状態を示す拡大斜視図である。
【図34】図34は同じく拡大側面図である。
【図35】図35は同じくボルト解放状態を示す拡大断面図である。
【図36】図36は同じくレバーが後傾に位置され、シャーが拘束されて不用意な回転が阻止される安全モード位置に設定された時の拡大斜視図である。
【図37】図37は同じく拡大側面図である。
【図38】図38は同じく説明的な拡大断面図である。
【図39】図39は同じく弾の薬莢をボルトアッセイのエジェクターとエクストラクターとにより把持し、排出する状態を示す説明的な部分切欠き断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
以下、図面に従って本発明を実施するための最良の形態につき、詳細に説明する。
【0058】
本実施形態は、先端に銃口を、該銃口に連通する薬室2を後端にそれぞれ有するバレル1と、前記バレル1の後端が先端側に取付けられ、前記薬室2に通ずる貫通孔3を有するレシーバー4と、該レシーバー4の貫通孔3に後端側から挿入され、前記レシーバー4に対して押込んだ第1の位置N1と引き出した第2の位置N2との間で直線的に移動可能に且つ前記第1の位置N1において所定角度に周回りに回動可能に挿着されたボルトアッセイ5と、を備え、前記レシーバー4に対して前記ボルトアッセイ5を前記第1の位置N1まで押し込んで所定角度回転させて前記薬室2に弾薬6を装填し、該装填した弾薬6の弾6Aを発射後、前記ボルトアッセイ5の旧位置への回動後に弾6Aを発射後の薬莢6Bと共に前記第2の位置N2まで引き出して、前記弾薬6の薬莢6Bを外部へ排出させ、次に装填すべき弾薬6のマガジンからの供給の後、前記第2の位置N2から前記第1の位置N1にボルトアッセイ5を押し込み、前記弾薬6の前記薬室2内への装填を行った後に、前記第1の位置N1における周回りの回動により閉鎖し、撃射できる状態にするボルトアクション銃である点は従来のボルトアクション銃と同様である。
【0059】
しかしながら、本実施形態では、図1、図23、図35に示すように、前記第2の位置N2のさらに後端側(銃尾側)へ前記ボルトアッセイ5が前記レシーバー4から引き出される移動を常時、規制する移動規制手段7と、前記移動規制手段7による前記ボルトアッセイ5の前記移動規制を手動操作により解除する手動操作手段8と、を備えている。
【0060】
図7、図8、図9に示すように、前記ボルトアッセイ5を前記第1の位置N1へ押し込んで所定角度周回りに回動した状態で互いに係合し、前記ボルトアッセイ5の前記第2の位置N2への後退移動を規制する係合部9を前記ボルトアッセイ5と前記レシーバー4とにそれぞれ設けている。このように、ボルトアッセイ5とレシーバー4とにそれぞれ係合部9を設けたのは、ファイヤリングピン10による弾薬6の撃射時に、撃発による銃尾方向への衝撃や反動をボルトアッセイ5が受けてレシーバー4から抜け出るのを防止し、安定性を確保するためである。
【0061】
前記移動規制手段7は、図23、図35に示すようにシャー13が常時ばね附勢されて前記ボルトアッセイ5が前記第2の位置N2に引き出された状態で前記ボルトアッセイ5の一部と係合され、図26乃至図35に示すような前記手動操作手段8の操作により、前記ばね附勢に抗して移動されて前記ボルトアッセイ5の一部との係合が解除される係止部材11を有する。
【0062】
前記手動操作手段8は、手動により前記係止部材11の前記ボルトアッセイ5の一部との係止を解除するボルト解放位置F(例えば図33乃至図35参照)のほかに、前記薬室2内に装填された前記弾薬6を撃射させるトリガー12の牽引操作を可能とする撃射モード位置N(例えば図26乃至図32参照)と、前記トリガー12は牽引可能に設けられるが、シャー13を拘束して弾薬6の撃射を不能とする安全モード位置B(例えば図36乃至図38参照)と、に弾性保持され、多用途性と、操作の確実性とを確保するようになっている。
【0063】
また、前記手動操作手段8は、前記ボルト解放位置Fのほかに、前記撃射モード位置Nと、前記安全モード位置Bと、に弾性保持される保持部14を有することにより操作の確実性を確保し、信頼性を得るようになっている(図30参照)。
【0064】
前記係止部材11が、トリガー12の牽引によりファイヤリングピン10を動作させて弾薬6の撃射を行うために、前記トリガー12に連繋して配設したシャー13に設けられた係止突起13aにより構成され、該係止突起13aが前記ボルトアッセイ5を前記第2の位置N2から後方側に移動させる引き抜き時に、係止可能に前記ボルトアッセイ5の略筒状のボルトボディ15の外周に径方向に窪ませた係止面16に係止可能に設けられ、前記係止突起13aは、前記ボルトアッセイ5が前記第1の位置N1に押し込み操作されて周回りに所定角度回動されると、シャー13に設けられた係止突起13aは、前記ファイリングピン10の後端外周に設けられた突起10Aに係合し、該ファイリングピン10を弾薬6の撃射に備えてコック状態に保持するようになっている(図4、図5参照)。図示する実施形態では、前記ボルトアッセイ5が前記レシーバー4から引き出される移動を常時、規制するための移動規制手段7として、前記係止突起13aが係止可能になるようにボルトボディ15の外周に設けられた前記係止面16は、図23、図35に示すように、その内断面において、一端側を径方向に窪ませて形成され、軸方向Xの他端側には傾斜面が形成されているが、シャー13に設けられた係止突起13aが係脱可能な手段としては図示するものは代表的な例示であり、これに限られない。
【0065】
前記手動操作手段8が、本実施形態では例えば図26乃至図35に示すようにレバー式が代表的に示され、前記レシ−バー4の後部一側に起倒可能に設けられた操作レバー17と、該操作レバー17を回動可能に枢支する断面三日月状の枢軸部18と、その前方上部に前記係止突起13aを有するとともに、後部上側に第1係止部19と後部下側には第2係止部20とをそれぞれ有して、前記第1係止部19と前記第2係止部20との間には前記枢軸部18が係止可能になるか、または回転可能になる円弧状空間部21とが、それぞれ設けられた前記シャー13と、該シャー13が係脱可能に設けられた前記トリガー12と、により構成される。13bはシャー13の先端下面に設けられた係止鉤であり、この係止鉤13bはトリガー12の先端上面に設けられた係止凹部12aに係脱可能に設けられる。12bはシャー13に押圧力を伝達するためにトリガー12の上部後面に設けられた押圧突起である。J1はシャー13の回動軸であり、J2はトリガー12の回動軸である。
【0066】
そして、前記操作レバー17を前傾に位置する時には、前記枢軸部18が前記シャー13の前記第1係止部19に係合し、押上げることにより、前記シャー13は先端側に回動可能に設けられてボルトアッセイ5の前記移動規制手段7による前記レシーバー4からの引き抜き移動の規制を解除するボルト解放位置Fを設定するほか、または、前記操作レバー17を中立に位置する時には、前記シャー13の後部に設けた前記円弧状空間部21内に前記操作レバー17の前記枢軸部18が回動操作可能に設けられることにより前記トリガー12は牽引されて弾薬6の撃射モード位置Nが設定される。また、前記操作レバー17を後傾に位置する時には、前記枢軸部18が前記シャー13の後部下側に設けられた前記第2係止部20に係合されて前記シャー13を拘束して回転を不能となすとともに、前記トリガー12は牽引可能に設けられるが、弾6Aの撃射を不能とする安全モード位置Bを設定可能となす。
【0067】
前記手動操作手段8の操作レバー17は、前記保持部14が、前記枢軸部18により軸着される基部17aの上方肩部に連続して設けられる第1係合凹部22A、第2係合凹部22B、および、係止斜面部22Cと、側面略U字状をなして前記上方肩部に弾性的に滑動可能に設けられる滑動ばね足23aを一端に有する弾性部材としての松葉ばね23とにより構成され、前記滑動ばね足23aが、前記操作レバー17の中立時には、前記第1係合凹部22Aに落ち込み可能に設けられ、また、前記操作レバー17の前傾時には、前記第2係合凹部22Bに落ち込み可能に設けられ、そして、前記操作レバー17の後傾時には、前記係止斜面部22Cに乗上げ可能に設けられていることにより、前記操作レバー17が節度的にかつ選択的に起倒可能に設けられている。
【0068】
前記係合部9が、薬室2に通ずる貫通孔3を有するレシーバー4と、前記貫通孔3に後端側から挿入され、前記レシーバー4に対して押込んだ第1の位置N1と引き出した第2の位置N2との間で直線的に移動可能に且つ前記第1の位置N1において所定角度に周回りに回動可能に挿着されるボルトアッセイ5とを備えている。そして、前記ボルトアッセイ5は例えば図7乃至図9に示すように、前記第1の位置N1に押し込まれてハンドル28により周回りに所定角度回動された時には第2の位置N2への後退側へばね附勢可能に設けられ、前記ボルトアッセイ5のボルトボディ15の前方外周に中心O周回りに120度毎に突設されたロッキングラグ24と、前記レシーバー4の前記貫通孔3の内周に前記ボルトボディ15の可動範囲にわたり軸方向Xに摺動可能に前記ロッキングラグ24に対応して凹設されたレール溝25と、前記貫通孔3の前端に、前記レール溝25の設置個所以外の残肉部を、前記ボルトボディ15が前記第1の位置N1に押し込まれて回動操作された時に、前記ロッキングラグ24が後退側への前記ばね附勢により押付可能にかつ係脱可能に設けられた係合壁部26と、により構成されている。
【0069】
前記ボルトアッセイ5が、例えば図1、図2、図22に示すように略筒状の前記ボルトボディ15と、前記ボルトボディ15内に先端側に突出可能に配挿されるファイヤリングピン10と、前記ボルトボディ15内に配挿されて前記ファイヤリングピン10を先端側にばね附勢するファイヤリングピンスプリング27と、ハンドル28を外周に有し、前記ボルトボディ15の後端に取付けられるハンドル操作部材29と、により構成され、前記ボルトボディ15と前記ハンドル操作部材29とは固定手段30を介して着脱可能に取付けられる。そして、ボルトアッセイ5は全体形状が略棒状に組付けられる。
【0070】
そして、前記ハンドル操作部材29が、その前方に前記ファイヤリングピンスプリング27が外挿される前方小径部31Bを有し、外周中程に突起31Aを設け、後端には係止鍔31Dを介して係入部31Cが設けられたボルトキー31と、前記ハンドル28が外装された略筒形をなす基体部32Aの内周に前記ボルトボディ15の後端部に着脱可能に取付けられる前記固定手段30を有し、前記ボルトキー31の前記係入部31Cが係脱可能に取付けられる係合穴32Bを対応位置に設けたボルトハンドルシュラウド32と、により構成され、前記ボルトキー31の前記係入部31Cを前記係合穴32Bに係入することにより前記ボルトハンドルシュラウド32と前記ボルトキー31とを一体化するとともに、前記ボルトボディ15と前記ボルトハンドルシュラウド32とを前記ボルトキー31を介して着脱可能に取付けるように構成されている。
【0071】
なお、前記ボルトキー31の前記係入部31Cと、この係入部31Cが係脱可能に設けられるボルトハンドルシュラウド32の前記係合穴32Bとは、それぞれ正面略三角形に形成されているが、これに限らず、前記係入部31C、および前記係合穴32Bは、正面略四角形、菱形、五角形、六角形等の多角形に形成されたものでもよく、要はボルトキー31と、ボルトハンドルシュラウド32とが、相対的に回動操作されることなく、前記係合穴32Bに対する前記係入部31Cの係脱操作を簡便に行うことができるものであれば良い。
【0072】
前記ボルトボディ15が、図1、図2、および図4乃至図6、図13乃至図17、図19乃至図21に示すように、ファイヤリングピンスプリング27の附勢力を先端側に受ける前記ファイヤリングピン10の後端に設けた突起10Aを、組付け時には軸方向Xに進退可能に挿入させるように後端から軸方向Xに向けて設けられ先端に前記突起10Aの前進を規制可能になる突起係入凹部34aを有する開口溝34と、前記突起係入凹部34aの近傍の周面には、使用時に前記ハンドル28によるボルトアッセイ5の第1の位置N1への押し込み、および回動操作によりシャー13に設けられた係止突起13aに係脱可能になり、前記ファイヤリングピンスプリング27を圧縮しつつ前記ファイヤリングピン10を弾薬6の撃射に備えてコック状態にさせる、前記開口溝34から軸方向Xに連続して分岐されたカム溝35と、が連設されている。
【0073】
また、前記ボルトボディ15が、前記開口溝34の途中に周方向に交わるように設けられた円周溝36と、該円周溝36の頭上部に軸方向Xに設けられたボルトキー取付溝37と、が形成され、前記ボルトキー31の中程周面に設けられた突起31Aを前記ボルトボディ15と前記ボルトキー31との結合時に、前記ボルトキー取付溝37に前記ファイヤリングピンスプリング27の後端側への附勢力に抗して係止させて前記ボルトボディ15と前記ボルトキー31との結合を行う。
【0074】
前記固定手段30が、図4および図22に示すように、前記ボルトボディ15の前記円周溝36の外周近傍に設けられた複数個の保持用突起38と、前記保持用突起38を嵌脱可能に嵌入するためにボルトハンドルシュラウド32の前記基体部32Aの開口端に設けられた着脱用切欠部39と、前記着脱用切欠部39の内周面の奥に周方向に連設された環状溝40と、により構成されている。
【0075】
前記ファイヤリングピン10が、図21に示すように弾薬6の雷管を打撃可能に設けられた小径の前方部10Bと、前記ファイヤリングピンスプリング27が内挿されてその附勢力を受ける大径の後方部10Cと、から構成され、前記前方部10Bと前記後方部10Cとはねじ止め、およびピン止めにより着脱自在に一体に固定されている。このように、前方部10Bと後方部10Cとをねじ止め、またはピンPを用いたピン止めにより着脱自在に一体に固定するようにしたのは、弾薬6を撃射することにより摩耗や損傷が著しいファイヤリングピン10の小径の前方部10Bを大径の後方部10Cから分離して新しいものと交換するためである。
【0076】
前記レール溝25が、図7、図8、図10、図11に示すように、前記レシーバー4の貫通孔3の軸芯Oに対し、その1つの前記レール溝25の溝幅Wの中心は前記レシーバー4の上端位置に設置され、他の2つの前記レール溝25,25の溝幅W、Wの中心は、前記上端位置に設置される前記レール溝25の前記溝幅Wの中心から夫々120度に配置されている。このように、1つの前記レール溝25の溝幅Wの中心を前記レシーバー4の上端位置に設置し、他の2つの前記レール溝25,25の溝幅W、Wの中心を、前記上端位置に設置される前記レール溝25の前記溝幅Wの中心から夫々120度に配置するようにしたのは、レシーバー4を第1の位置N1へ押し込んだり、または、第2の位置N2へ引抜くという、直線的な移動を行う場合に、レシーバー4には、弾薬6が収納されているマガジンを装着するための装着口4aを下面に有し、一側には弾薬6を撃射後の薬莢6Bを排出するための窓孔4bが開設されているとしても、レシーバー4の貫通孔3の内周に設置された1の前記レール溝25の溝幅Wの中心は前記レシーバー4の上端位置に設置され、他の2つの前記レール溝25,25の溝幅W、Wの中心は、前記上端位置に設置された前記レール溝25の前記溝幅Wの中心から夫々120度に等角度θに配置されたレール溝25,25,25によりボルトアッセイ5は案内されるため、ボルトアッセイ5の第1の位置N1への押し込み、または、第2の位置N2への引抜きという、直線的な移動を行う場合に、ガタツキなく、円滑かつ確実に行うためである。
【0077】
前記ロッキングラグ24が、図10、図11、図12に示すように、軸方向Xにボルトボディ15の外周面に到らない深さhの案内溝24Aを有する全体形状を断面台形に形成され、前記レール溝25は、全体形状を前記ロッキングラグ24よりも僅かに形大の断面台形に設けられるとともに、その内周には前記案内溝24Aに摺動可能な突条部25Aが設けられている。
【0078】
図25において41は前記レシーバー4と前記バレル1とを軸方向Xに結合するための結合手段であり、この結合手段41は、雌ねじ42と、該雌ねじ42に螺合される雄ねじ43と、よりなり、前記雄ねじ43の終端に前記バレル1、もしくは、前記レシーバー4の軸芯O,O′、または、前記バレル1、および、前記レシーバー4の軸芯O,O′に対して鋭角度θ1の傾斜面44を有する円錐形のねじ締め付け止まり面45が設けられ、前記ねじ締め付け止まり面45が挿脱可能になる対応形状のねじ締め付け受け面46が前記レシーバー4、または前記バレル1の対応位置に凹設されていることにより、バレル1とレシーバー4とを軸芯O、O′を一致し、密に精度良く、一体に簡単に取付けられるようになる。
【0079】
47は漏洩ガス排出孔であり、この漏洩ガス排出孔47は、前記バレル1内に設けられた薬室2の後端凹部2aに、前記レシーバー4内に挿脱可能に配挿される前記ボルトボディ15の前端部15aを挿入し、前記前端部15aの後方位置に、ファイヤリングピン収容孔48と、前記ボルトボディ15の外部とを連通するように設けられることにより、ファイヤリングピン10により弾薬6を撃射した時に生ずる爆発ガスはファイヤリングピン収容孔48から漏洩ガス排出孔47を通じてボルトボディ15の外部に円滑かつ迅速に排出される。
【0080】
49はトリガー位置調整ねじであり、このトリガー位置調整ねじ49は前記トリガー12を時計回りに附勢し、弾6Aの撃発後に前記トリガー12の回動を停止するためのものである。また、50はトリガースプリングであり、このトリガースプリング50は前記トリガー12を下方から時計回りに附勢することにより、前記トリガー12の引き重さを調整するためのものである。51は常時シャー13を時計回りに附勢するためのシャースプリングである。
【0081】
なお、図39において、60はボルトボディ15の前端部15aに略軸方向Xに設けた孔61内に内挿したスプリングs1の付勢力によりボルトボデイ15の前端部15aに突出するエジェクターであり、このエジェクター60は薬莢6Bの後面を押圧するためのものであり、また、62はボルトボデイ15の外周に凹設けた外周凹部63内に半径方向Rに配したスプリングs2の付勢力を後端側に受け、枢軸部64を介して先端側の爪部62aがボルトボディ15の中心側に伏動するためのエクストラクターであり、このエクストラクター62は前記爪部62aが薬莢6Bの後部に設けられた周溝6B1内に係脱可能に係止されることにより、薬莢6Bを把持するようになっている。
【0082】
本実施形態のボルトアクション銃は以上のように、前記第2の位置N2のさらに後端側(銃尾側)へ前記ボルトアッセイ5が前記レシーバー4から引き出される移動を常時、規制する移動規制手段7と、前記移動規制手段7による前記ボルトアッセイ5の前記移動規制を手動操作により解除する手動操作手段8と、を備えているので、例えば銃を山野のような戸外に持ち出してレシーバー4内に砂や塵が入り、ボルトアッセイ5の第1の位置N1への押し込み操作や第1の位置N1から第2の位置N2へ引き出すという直線的な移動を行ったり、または、第1の位置N1および第2の位置N2においてハンドル28を操作してボルトアッセイ5の回動操作を行うのに支障を来す場合に、第2の位置N2のさらに後端側へボルトアッセイ5がレシーバー4から引き出される移動を常時、規制している移動規制手段7による移動規制を、手動操作手段8を手動操作するという簡単な取扱操作により解除することができる。
【0083】
すなわち、本実施形態では、図23に示すように、ボルトアッセイ5が、ハンドル操作部材29のハンドル28を第1の位置N1から第2の位置N2に引き出された状態でボルトアッセイ5の一部、具体的には、ボルトアッセイ5の略筒状のボルトボディ15の外周に径方向に窪ませた係止面16に、トリガー12に連繋するシャー13に設けた係止突起13aが係止されているという移動規制を解除するのには、ボルトハンドル28を第1の位置N1の近傍に位置させ、手動操作手段8としての操作レバー17を図33乃至図35に示すように、前傾に位置させると、操作レバー17の枢軸部18がトリガーメカニズムを構成する前記シャー13の第1係止部19を押上げるので、シャー13は先端側が回動されて伏動されることにより、ボルトボディ15の係止面16に対する係止突起13aの係止が解除され、移動規制手段7によるボルトアッセイ5のレシーバー4の貫通孔3からの引き抜き移動の規制は解除され、ボルト解放位置Fが設定される。
【0084】
そして、レシーバー4の貫通孔3からボルトアッセイ5を第2の位置N2の後退側へ引き抜くことができ、工具、例えば、プライヤー、レンチ、ピット、ドライバー、ハンマーを用いることなく、レシーバー4からボルトアッセイ5を容易かつ確実に分解することができ、レシーバー4内に入った砂や塵を除いて掃除することができる。こうして、ボルトアッセイ5を第1の位置N1へ押し込み操作したり、もしくは、第1の位置N1から第2の位置N2へ引き出すという直線的な移動を行ったり、または、第1の位置N1において、ハンドル28を操作してボルトアッセイ5を周回りに回動操作するのを簡単かつ確実に行うことができる。
【0085】
この時、レシーバー4の貫通孔3の内周には、例えば図7、図10、図11に示すように、1つのレール溝25の溝幅Wの中心をレシーバー4の上端位置に設置し、他の2つの前記レール溝25,25の溝幅W、Wの中心を、上端位置に設置される前記レール溝25の前記溝幅Wの中心から夫々120度に配置するように設けているので、ボルトアッセイ5を第1の位置N1から第2の位置N2への後退側へと引抜くという、直線的な移動を行う場合に、レール溝25,25,25によりボルトアッセイ5は案内され、ガタツキなく、円滑かつ確実にボルトアッセイ5を引き抜くことができる。
【0086】
しかも、図7、図12に示すようにボルトアッセイ5のボルトボディ15の前方外周に中心周回りに120度毎に突設されたロッキングラグ24,24,24は、その全体形状が断面台形に突設され、また、このロッキングラグ24,24,24が摺動可能に挿入されるレール溝25,25,25は、全体形状を前記ロッキングラグ24,24,24よりも僅かに形大の断面台形に形成されることによりレシーバー4の内周に設けられたレール溝25,25,25によりロッキングラグ24,24,24は案内されるのと、前記ロッキングラグ24,24,24に設けられた案内溝24A, 24A, 24A内には、レシーバー4の前記レール溝25,25,25に設けられた突条部25A, 25A, 25Aが、ロッキングラグ24,24,24に設けられた案内溝24A, 24A, 24Aにより、摺動可能に案内されるのとの二重に案内されることからボルトアッセイ5を第1の位置N1から第2の位置N2へ引抜きや第2の位置N2から第1の位置N1への押込むという、直線的な移動は、ガタツキなく、円滑かつ確実に、しかも安定に行われる。このようにして、移動規制手段7によるボルトアッセイ5に対する移動規制が解除された後にレシーバー4からボルトアッセイ5が引き抜かれ、レシーバー4内に入った砂や埃が掃除される。
【0087】
また、前述のように、操作レバー17を前傾に位置させると、弾性部材としての松葉ばね23の一端に有する滑動ばね足23aが、操作レバー17の基部17aの上方肩部に設けられる第2係合凹部22B内に落ち込むことにより、操作レバー17はボルト解放位置Fに適正に位置され、松葉ばね23の弾性力により確実に弾性保持され、操作の信頼度が確保される。
【0088】
また、掃除後にレシーバー4内にボルトアッセイ5を組付けるのには、ハンドル操作部材29のハンドル28を所定角度上方に周回りに回動した状態で、レシーバー4に設けた貫通孔3内に後端側からボルトアッセイ5を第2の位置N2を経て先端側に挿入すると、ボルトアッセイ5のボルトボディ15の外周に径方向に窪ませた係止面16に、シャースプリング51により図23において時計方向に付勢されたシャー13に設けられている係止突起13aが係止されるので、ボルトアッセイ5に対する移動規制手段7の移動規制が行われ、組付けが終える。このため、ボルトアッセイ5に対して移動規制手段7により、レシーバー4の貫通孔3からボルトアッセイ5を第2の位置N2から後方側へ不用意に抜け出るのが防止される。
【0089】
そして、バレル1の後端部内に設けた薬室2内に弾薬6を装填するには、ハンドル操作部材29を操作してレシーバー4に対して前記ボルトアッセイ5を前記第1の位置N1まで直線的に押し込んで行くと、レシーバー4の下面に設けられた装着口4aに装着されるマガジンに内装されているばね材の上方への附勢力により弾薬6はレシーバー4内に供給され、ボルトアッセイ5の前端面により第1の位置N1まで押し込まれ、ハンドル操作部材29を周回りに所定角度回動操作させることにより、弾薬6は前記薬室2内に装填されて、閉鎖され、安定性が確保される。なお、図39には示すように、弾薬6はボルトボディ15の前端部15aに略軸方向Xに設けた孔61内に内挿したスプリングs1の付勢力によりボルトボデイ15の前端部15aに突出するエジェクター60により後面を押圧されるのと、ボルトボデイ15の外周に凹設けた外周凹部63内に半径方向Rに配したスプリングs2の付勢力を後端側に受け、枢軸部64を介して先端側の爪部62aがボルトボディ15の中心側に伏動するエクストラクター62の前記爪部62aが薬莢6Bの後部に設けられた周溝6B1内に係脱可能に係止されることにより、把持可能になっている。
【0090】
この時、弾薬6の撃射を行うのには、図26乃至図32に示すように、手動操作手段8としての操作レバー17を中立に操作することにより、弾性部材としての松葉ばね23の滑動ばね足23aを操作レバー17の基部17aの上方肩部に弾力的に滑動させ、この上方肩部に連続して設けられている第1係合凹部22A内に弾力的に落ち込ませ、弾性保持させることにより撃射モード位置Nに位置させると、シャー13の後部に設けた円弧状空間部21内に操作レバー17の断面三日月状の枢軸部18が回動操作可能に設けられるので、トリガー12の牽引によるトリガー12の押圧突起12bによる押し上げによりシャー13は回動軸J1を中心に回動されて先端側に伏動可能になり、ファイヤリングピンスプリング27の附勢力を先端側に受けているファイヤリングピン10は、シャー13の係止突起13aから突起10Aの係止が解かれるため、ボルトボディ15の先端から勢い良く突出し、薬室2内に装填している弾薬6を撃射可能な状態としておく。
【0091】
前述のように、ハンドル操作部材29を操作してレシーバー4に対して前記ボルトアッセイ5を第1の位置N1において、周回りに所定角度回転すると、前述のように、ボルトアッセイ5により薬室2内への弾薬6の装填、閉鎖が行われるが、この時、ファイヤリングピンスプリング27の附勢力により先端側(銃口側)に附勢されているファイヤリングピン10の外周後端に設けられている突起10Aは、ボルトボディ15の外周に、後端から軸方向Xに設けた開口溝34の先端の突起係入凹部34aの近傍の外周面に連続して分岐されたカム溝35内の後端においてファイリングピンスプリング27が附勢力に抗して僅かに縮小されて図5に示すようにコック状態になり、シャー13の係止突起13aと係合する(図4、図27参照)。
【0092】
しかも、図8に示すように前述のようにハンドル操作部材29を操作してレシーバー4に対して前記ボルトアッセイ5を第1の位置N1において、周回りに所定角度回転すると、係合部9としてボルトアッセイ5のボルトボディ15の前方外周に中心周回りに120度毎に突設されたロッキングラグ24と、レシーバー4の貫通孔3の前端に、レール溝25の設置個所以外の残肉部を係合壁部26として構成しているので、ボルトボディ15がレシーバー4内を前記第1の位置N1に押し込まれて回動操作された時に、前端外周に設けられたロッキングラグ24が前記係合壁部26に後退側へ前記ばね附勢により押付可能にかつ係脱可能に設けられ、弾薬6の撃射に備える。
【0093】
そして、トリガー12を牽引すると、図28に示すように、トリガー12の押圧突起12bによる押し上げによりシャー13は回動軸J2を中心に回動されて先端側に伏動されるので、ファイヤリングピンスプリング27の附勢力を先端側に受けているファイヤリングピン10は、シャー13の係止突起13aから突起10Aの係止が解かれるため、ファイヤリングピン10は、ファイヤリングピンスプリング27の附勢力によりボルトボディ15の先端から突出し、薬室2内に装填されている弾薬6を撃射する。
【0094】
この時、前述のようにハンドル操作部材29を操作してレシーバー4に対して前記ボルトアッセイ5を第1の位置N1において、所定角度回転すると、図8、図9において、係合部9としてボルトアッセイ5のボルトボディ15の前方外周に中心周回りに120度毎に突設されたロッキングラグ24は、レシーバー4の貫通孔3の前端に、レール溝25の設置個所以外の残肉部に構成した係合壁部26に係止され、ファイヤリングピンスプリング27の後退側への附勢力により押し付けられているので、ボルトアッセイ5はファイヤリングピン10による弾薬6の撃射により生ずる衝撃や反動を受けてレシーバー4の貫通孔3から不用意に抜け出すのを防止できる。
【0095】
また、前記バレル1内に設けられた薬室2の後端凹部2aに、前記レシーバー4内に挿脱可能に配挿されるボルトボディ15の前端部15aを挿入し、前記前端部15aの後方位置には、ファイヤリングピン収容孔48と、ボルトボディ15の外部とを連通する半径方向下面に伸びた漏洩ガス排出孔47が設けられているので、ファイヤリングピン10により弾薬6を撃射した爆発ガスはファイヤリングピン収容孔48から漏洩ガス排出孔47を通じてボルトボディ15の外部に速やかに排出される。このため、ファイヤリングピン10の外周と、ファイヤリングピン収容孔48の内周との間から、ボルトアッセイ5の内部に撃射時の高圧ガスが流入されることによるファイヤリングピン10に対する衝撃的な押し返しがなく、ファイヤリングピン10がボルトアッセイ5に衝突されることにより生ずる破損がなく、さらには漏洩ガスが射手の顔面に噴出することはない。
【0096】
そして、装填した弾薬6の弾6Aを発射後は、ファイヤリングピンスプリング27の附勢力によりボルトボディ15内を前方へ移動したファイヤリングピン10に対してハンドル操作部材29を操作してボルトアッセイ5を旧方向へ回動して行くと、ボルトボディ15のカム溝35のカム面35Aに倣ってファイヤリングピン10に設けた突起10Aは後方へと案内移動されるので、カム溝35内において、ファイリングピンスプリング27を附勢力に抗して縮小させて僅かに突起10Aを介してファイヤリングピン10は後退され、突起10Aは再度シャー13の係止突起13aと係合し、ファイリングピン10は先端部がボルトボディ15内に収納されてコック状態になり、弾薬6の撃射位置に復帰する。
【0097】
その後、ハンドル28を操作することにより、旧方向に所定角度回転されたボルトボディ15は、その前端部15aに設けられた凹部15b内に保持された撃射後の空の薬莢6Bと共にレシーバー4の貫通孔3内を第1の位置から前記第2の位置N2まで直線的に移動される。この間、次に装填すべき弾薬6が図示しないマガジンからばね附勢によって下方からレシーバー4内に供給されることにより、前記弾薬6の薬莢6Bをレシーバー4の一側に設けた窓孔4bから押出して排出させる。
【0098】
なお、図39には示すように、弾6Aが発射された後の薬莢6Bは、ボルトボディ15の前端部15aに略軸方向Xに設けた孔61に内挿したスプリングs1の付勢力を受けてボルトボデイ15の前端部15aに突出するエジェクター60により後面が押圧されるのと、ボルトボデイ15の外周に凹設した外周凹部63内に半径方向Rに配したスプリングs2の付勢力を、その後端側に受け、枢軸部64を介して先端側の爪部62aがボルトボディ15の中心側に伏動するエクストラクター62の前記爪部62aが薬莢6Bの後部に設けられた周溝6B1内に係脱可能に係止されることにより、把持可能になっているので、薬莢6Bは、その先端部がレシーバー4の内壁に当接することによりスプリングs1をその付勢力に抗して押し込み、縮小化させてエジェクター60により後端部が押圧されるのと、スプリングs2の付勢力によりエクストラクター62の爪部62aが周溝6B1内に係止された状態で、その姿勢がレシーバー4内において軸方向Xに保たれてボルトボディ15とともにレシーバー4内を直線的に移動し、そして、レシーバー4の窓孔4bに位置して外側からの押圧が解放状態になると、前記エジェクター60のスプリングs1の付勢力により外側へ偏騎されるため、エクストラクター62の前記爪部62aが前記周溝6B1から脱係され、窓孔4bからの薬莢6Bの排出作業が円滑に行われる。
【0099】
そして、再び、前記第2の位置N2から前記第1の位置N1に前記ボルトアッセイ5を直線的に移動させ、その後、前記第1の位置N1におけるボルトアッセイ5を周回りに回動することにより、前記弾薬6の前記薬室2内への装填と閉鎖を行うことになる。
【0100】
また、図36乃至図38に示すように、手動操作手段8としての操作レバー17は、後傾に操作されることにより、松葉ばね23の滑動ばね足23aを操作レバー17の基部17aの上方肩部に弾力的に滑動させ、この上方肩部に設けられている係止斜面部22Cに乗り上げさせることにより安全モード位置Bに位置させると、断面三日月状の前記枢軸部18が前記シャー13の後部下側に設けられた第2係止部20に係合されてシャー13を拘束するので、トリガー12を引くことによりトリガー12は牽引可能に設けられるが、トリガー12だけが空転してシャー13は回転せず、結局その係止突起13aにファイヤリングピン10の突起10Aが係止されたままになり、ファイヤリングピン10により弾薬6の射撃はなく、弾6Aの撃射を不能となすこともでき、安全である。
【0101】
このように、手動操作手段としての操作レバー17を、手動により前傾してボルト解放位置Fのほか、中立にして弾薬6の撃射モード位置N、また、後傾して安全モード位置Bに、枢軸部18により軸着される基部17aの上方肩部に連続して設けられる保持部14としての第1係合凹部22A、第2係合凹部22B、および、係止斜面部22Cに弾性部材としての側面略U字状の松葉ばね23の一端に有する滑動ばね足23aを弾力的に滑動させて落ち込ませるか、または乗り上げるようにしたので、操作レバー17を節度的に且つ弾力的に保持でき、動作を確実にすることができ、安全性が確保され、銃の信頼度は高くなる。
【0102】
こうして、ハンドル操作によるレシーバー4内でのボルトアッセイ5の第1の位置N1への押し込み、しかも、押し込み後のボルトアッセイ5の第1の位置への押し込みによる薬室2への弾薬6の装填、押し込み後のボルトアッセイ5の回動による閉鎖、弾薬の撃射、回動操作、そして第1の位置から第2の位置への抜き出しによる薬莢6Bの排出、装填すべき弾薬6の供給、の一連のボルトアクションを円滑かつ確実に行うことができる。
【0103】
そして、手動操作手段8を手動操作するという簡単な取扱操作によりボルトアッセイ5の第2の位置N2の後方側への移動規制手段7による移動規制を解除して工具を用いずにレシーバー4からボルトアッセイ5を容易かつ確実に分解することができるので、例えば弾薬6を撃射することにより損傷し易いファイヤリングピン10や伸縮動作により疲労を生じ易いファイヤリングピンスプリング27の交換を容易に行うことができ、保守・管理にも優れる。
【0104】
さらに、本実施形態では、レシーバー4とバレル1とは、雌ねじ42と、該雌ねじ42に螺合される雄ねじ43と、よりなる結合手段41が、図示ではレシーバー4には雌ねじ42が、またバレル1には雄ねじ43がそれぞれ設けられ、しかも、前記雄ねじ43の終端に前記バレル1、もしくは、前記レシーバー4の軸芯O,O′、または、前記バレル1、および、前記レシーバー4の軸芯O,O′に対して鋭角度θ1の傾斜面44を有する円錐形のねじ締め付け止まり面45が設けられ、前記ねじ締め付け止まり面45が挿脱可能になる対応形状のねじ締め付け受け面46が前記レシーバー4、または前記バレル1の対応位置に凹設されているので、レシーバー4とバレル1とが、雌ねじ42と、該雌ねじ42に螺合される雄ねじ43と、よりなる結合手段41により軸方向Xに結合されることにより、バレル1とレシーバー4とは軸芯O,O′が相互に一致する。このため、銃の完成時に、レシーバー4内に挿入されるボルトアッセイ5とバレル1内に形成される薬室2との間に芯ずれを生ずることなく、ファイヤリングピン10と雷管とが偏芯することによる弾薬6の不発は一掃され、弾6Aの命中精度を高くでき、製品の信頼性が確保される。
【0105】
さらに、図示する本実施形態では、例えば銃を山野のような戸外に持ち出すことにより上記説明のように、レシーバー4内に砂や塵が入った場合に、レシーバー4と、ボルトアッセイ5とを分解し、レシーバー4内の掃除を行うのにとどまらず、レシーバー4内に直線的に移動可能に、且つ回動可能に設けられたボルトアッセイ5自体の内部、また、ボルトボディ15と、ハンドル28を有するハンドル操作部材29との内部にそれぞれ砂や塵が入った場合に、ボルトアッセイ5をレシーバー4に対して第1の位置N1へ押し込んだり、もしくは、第1の位置N1から第2の位置N2へ抜き出すという直線的な移動を行ったり、または、ボルトアッセイ5を第1の位置N1において周回りに回動操作を行うのに支障を来たしたり、または、銃の動きに支障を来す場合に、ボルトアッセイ5のボルトボディ15と、ハンドル操作部材29、また、ボルトアッセイ5自体、ハンドル操作部材29自体を細分化することができ、以下のように、工具、例えば、プライヤー、レンチ、ピット、ドライバー、ハンマーを必要とせずに、分解したり、組付けることにより、掃除を行うことができる。
【0106】
すなわち、図示する本実施形態では、前記説明の操作により、移動規制手段7による移動規制を、手動操作手段8を手動操作することにより解除した後に、レシーバー4からボルトアッセイ5を第2の位置N2の後退側に引き抜いて分解を行う点は前記説明と同様であるが、前記ボルトアッセイ5が、略筒状の前記ボルトボディ15と、前記ボルトボディ15内に先端側に突出可能に配挿されるファイヤリングピン10と、前記ボルトボディ15内に配挿されて前記ファイヤリングピン10を先端側にばね附勢するファイヤリングピンスプリング27と、ハンドル28を外周に有し、前記ボルトボディ15の後端に取付けられるハンドル操作部材29と、により構成され、前記ボルトボディ15と前記ハンドル操作部材29とは固定手段30を介して着脱可能に取付けられる。
【0107】
また、前記ハンドル操作部材29が、その前方に前記ファイヤリングピンスプリング27が外挿される前方小径部31Bを有し、後端には係入部31Cが設けられたボルトキー31と、前記ハンドル28が外装された略筒形をなす基体部32Aの内周に前記ボルトボディ15の後端部に着脱可能に取付けられる固定手段30を有し、前記ボルトキー31の前記係入部31Cが係脱可能に取付けられる係合穴32Bを対応位置に設けたボルトハンドルシュラウド32と、により構成され、前記ボルトキー31の前記係入部31Cを前記係合穴32Bに係入することにより前記ボルトハンドルシュラウド32と前記ボルトキー31とを一体化するとともに、前記ボルトボディ15と前記ボルトハンドルシュラウド32とを前記ボルトキー31を介して着脱可能に取付けるように構成される。
【0108】
しかも、前記ボルトボディ15が、ファイヤリングピンスプリング27の附勢力を先端側に受ける前記ファイヤリングピン10の後端に設けた突起10Aを、組付け時には軸方向Xに進退可能に挿入させるように後端から軸方向Xに向けて設けられ、先端には前記突起10Aの前進を規制可能になる突起係入凹部34aを有する開口溝34と、前記突起係入凹部34aの近傍の周面には、使用時に前記ハンドル28によるボルトアッセイ5の第1の位置N1への押し込み、およびその後の回動操作によりシャー13に設けられた係止突起13aに係脱可能になり、前記ファイヤリングピンスプリング27を圧縮しつつ前記ファイヤリングピン10を弾薬6の撃射に備えてコック状態にし、前記開口溝34から軸方向Xに連続して分岐されたカム溝35と、が連設されているので、ボルトアッセイ5のボルトボディ15とハンドル操作部材29とを分解するのには、ハンドル操作部材29としてボルトキー31の後端に突設した係入部31Cが係合穴32Bに係合されて一体化しているボルトハンドルシュラウド32と、略筒状のボルトボディ15とを、ボルトボディ15内に内挿されているファイヤリングピンスプリング27の附勢力に抗して回転すると、ボルトボディ15の外周に設けられた複数個の保持用突起38が、ボルトハンドルシュラウド32の基体部32Aの内周に設けられた環状溝40からの係合が解かれ、この環状溝40に開口端へと連設されている着脱用切欠部39から解放されることにより、ボルトボディ15とハンドル操作部材29とは工具、例えば、プライヤー、レンチ、ピット、ドライバー、ハンマーを必要とせずに分解され、掃除を行うことができる。
【0109】
また、ハンドル操作部材29としてのボルトキー31の前記係入部31Cを、ボルトハンドルシュラウド32の後端に設けられた係合穴32Bから脱係することにより、ボルトハンドルシュラウド32と、ボルトキー31とを前記工具を要することなく分解し、ハンドル操作部材29の内部の掃除を行うことができる。
【0110】
そして、ボルトアッセイ5を組付けるのには、ファイヤリングピンスプリング27の附勢力を先端側に受けるようにファイヤリングピン10を略筒状のボルトボディ15内に内挿し、このファイヤリングピン10の後端に設けた突起10Aを、ボルトボディ15の外周に後端から軸方向Xに向けて設けられた開口溝34の先端に設けられた突起係入凹部34aに当接して前進が規制されるまで挿入し、ボルトボディ15に対して、内部に挿入されるファイヤリングピン10、およびファイヤリングピンスプリング27の軸方向X、および半径方向の取付位置の位置決めを行い、がたつきを規制する。
【0111】
そして、ハンドル操作部材29としてボルトキー31の後端に突設した係入部31Cをボルトハンドルシュラウド32の係合穴32B内に係入してボルトキー31と、ボルトハンドルシュラウド32とを一体化する。この際、ボルトキー31の係入部31Cをボルトハンドルシュラウド32の係合穴32B内に係入するのに、係止鍔31Dがボルトハンドルシュラウド32の内面に当接するまで係入部31Cを係合穴32B内に係入することにより前進を規制し、組付後には係止鍔31Dがボルトハンドルシュラウド32の内面に全面的に密接することにより、がたつきを規制する。
【0112】
次いで、ファイヤリングピンスプリング27の附勢力に抗して前記ボルトキー31をボルトボディ15の開口内に後端から押し込み、ボルトボディ15の外周後端から軸方向Xに設けた開口溝34内にボルトキー31の略中程に設けた突起31Aを挿入し、ボルトボディ15またはハンドル操作部材29との何れかを他方に対して僅かに相対的に回動することにより、前記突起31Aを前記開口溝34の途中に周方向に交わる円周溝36を介してこの円周溝36の頭上部に軸方向Xに設けたボルトキー取付溝37内に係入させることによりボルトボディ15に対するボルトキー31の取付位置の位置決めを行う。
【0113】
それから、ボルトハンドルシュラウド32の開口端に設けられた着脱用切欠部39内にボルトボディ15の外周に設けられた複数個の保持用突起38を挿入し、ファイヤリングピンスプリング27の附勢力に抗して僅かにボルトハンドルシュラウド32を押圧することにより保持用突起38を着脱用切欠部39から、その奥に設けられた環状溝40内に押し込み、変位させる。
【0114】
そうして、ハンドル操作部材としてのボルトハンドルシュラウド32と、ボルトボディ15とを、分解時とは反対方向に相対的に回転することにより、前記保持用突起38を環状溝40内に係止し、ファイヤリングピンスプリング27の附勢力を後退側に働かせた状態でボルトボディ15と、ボルトハンドルシュワルド32とを緩みを生ずることなく固定し、前記工具を要することなく全体として棒状のボルトアッセイ5を迅速かつ確実に組付けることができる。
【0115】
さらに、ボルトボディ15内には、このボルトボディ15の後端から軸方向Xに開設した開口溝34の先端の突起係入凹部34aの近傍に、軸方向Xに分岐して連設したカム溝35内に配置されている突起10Aを有するファイヤリングピン10と、このファイヤリングピン10を先端側に附勢するファイヤリングピンスプリング27とが内挿されているので、ファイヤリングピンスプリング27、および突起10Aをカム溝35から開口溝34を経てボルトボディ15の後端側へと脱係することにより、ファイヤリングピン10をボルトボディ15から引き抜いて分解すれば、ボルトボディ15内に入った砂や埃を掃除することができる。
【0116】
図示する実施形態では、前記ボルトアッセイ5が前記レシーバー4から引き出される移動を常時、規制するための移動規制手段7として、シャー13の前記係止突起13aが係止可能になるようにボルトボディ15の外周に設けられた係止面16は、その内断面において、一端側を径方向に窪ませて形成されるが、図示される係止面16は代表的な例示であり、図示するものに限らず、溝、凹部、段部、突起等によっても実現できる。
【0117】
上記説明では、レシーバー4の貫通孔3内に直線的に移動可能に且つ第1の位置N1および第2の位置N1において回動可能に設けられてボルトアクションを行うためのボルトアッセイ5の移動規制手段7による第2の位置N2より後退側への移動規制を解除してレシーバー4の後端側からの抜き出しを解除するための手動操作手段8は、その基部17aの上方肩部に第1係合凹部22A、第2係合凹部22B、および、係止斜面部22Cを連続して設け、前記上方肩部に弾性的に滑動可能に設けられる滑動ばね足23aを一端に有する弾性部材としての松葉ばね23を設けたことにより、ボルト解放位置F、撃射モード位置N、安全モード位置Bの3位置を節度的に選択して弾力保持するようにしたレバー式を採用しているが、上記説明は代表的な例示であり、手動操作手段8はこれに限ることはなく、要は例えば前記ボルト解放操作位置F、前記撃射モード位置N、前記安全モード位置Bの3位置を節度的に選択できるものであれば如何様なものでもよく、スライド式のものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明は、必要時には、山野のような戸外においても、工具や治具を要せずに、レシーバー内からボルトアッセイを引き抜いて簡単な取扱操作により確実に分解が行え、砂や埃を取り除いて掃除が容易に行えるようにし、また、掃除後の組立も簡単かつ確実に行え、保守・点検にも優れ、信頼度も高いという用途・機能に適する。
【符号の説明】
【0119】
1 バレル
2 薬室
3 貫通孔
4 レシーバー
5 ボルトアッセイ
6 弾薬
6A 弾
6B 薬莢
7 移動規制手段
8 手動操作手段
10 ファイヤリングピン
10A 突起
11 係止部材
12 トリガー
13 シャー
13a 係止突起
15 ボルトボディ
16 係止面
17 操作レバー
18 枢軸部
19 第1係止部
20 第2係止部
21 円弧状空間部
23 松葉ばね
27 ファイヤリングピンスプリング
28 ハンドル
31 ボルトキー
31A 突起
31C 係入部
32 ボルトハンドルシュラウド
32B 係合穴
34 開口溝
34a 突起係入凹部
35 カム溝
36 円周溝
37 ボルトキー取付溝
F ボルト解放位置
N 撃射モード位置
B 安全モード位置
O 軸芯
O′ 軸芯
X 軸方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端に銃口を、該銃口に連通する薬室を後端にそれぞれ有するバレルと、前記バレルの後端が先端側に取付けられ、前記薬室に通ずる貫通孔を有するレシーバーと、該レシーバーの貫通孔に後端側から挿入され、前記レシーバーに対して押込んだ第1の位置と引き出した第2の位置との間で直線的に移動可能に且つ前記第1の位置において所定角度に周回りに回動可能に挿着されたボルトアッセイと、を備え、
前記レシーバーに対して前記ボルトアッセイを前記第1の位置まで押し込んで周回りに所定角度回転させて前記薬室に弾薬を装填、閉鎖し、該装填した弾薬の弾を発射後、前記ボルトアッセイの旧位置への回動後に発射後の薬莢を前記第2の位置まで引き出して、前記弾薬の薬莢を排出させ、次に装填すべき弾薬の供給を行い、前記第2の位置から前記第1の位置に前記ボルトアッセイを押し込み、前記第1の位置における周回りに回動することにより、前記弾薬の前記薬室内への装填を行うようにしたボルトアクション銃において、
前記第2の位置のさらに後端側へ前記ボルトアッセイが前記レシーバーから引き出される移動を常時、規制する移動規制手段と、
前記移動規制手段による前記ボルトアッセイの前記移動規制を手動操作により解除する手動操作手段と、
を備えていることを特徴とするボルトアクション銃。
【請求項2】
前記ボルトアッセイを前記第1の位置へ押し込んで回動した状態で互いに係合し、前記ボルトアッセイの前記第2の位置への後退移動を規制する係合部を前記ボルトアッセイと前記レシーバーとにそれぞれ設けたことを特徴とする請求項1に記載のボルトアクション銃。
【請求項3】
前記移動規制手段は、常時ばね附勢されて前記ボルトアッセイが前記第2の位置に引き出された状態で前記ボルトアッセイの一部と係合され、ボルトアッセイが前記第1位置近傍にある状態で、前記手動操作手段の操作により、前記ばね附勢に抗して移動されて前記ボルトアッセイの一部との係合が解除される係止部材を有することを特徴とする請求項1または2に記載のボルトアクション銃。
【請求項4】
前記手動操作手段は、前記係合部材の前記ボルトアッセイの一部との係止を解除する操作位置のほかに、
前記薬室内に装填された前記弾薬を撃射させるトリガーの牽引操作を可能とする撃射モード位置と、
前記トリガーは牽引可能に設けられるが、シャーを拘束して弾薬の撃射を不能とする安全モード位置と、に弾性保持される
ことを特徴とする請求項3に記載のボルトアクション銃。
【請求項5】
前記手動操作手段は、
前記係合部の前記ボルトアッセイの一部との係止を解除する操作位置のほかに、
前記薬室内に装填された前記弾薬を撃射させるトリガーの牽引操作を可能とする撃射モード位置と、
前記トリガーは牽引可能に設けられるが、シャーを拘束して弾薬の撃射を不能とする安全モード位置と、に弾性保持される保持部を有する
ことを特徴とする請求項3または4に記載のボルトアクション銃。
【請求項6】
係止部材が、トリガーの牽引によりファイヤリングピンを動作させて弾薬の撃射を行うために、前記トリガーに連繋して配設したシャーに設けられた係止突起により構成され、該係止突起が前記ボルトアッセイを前記第2の位置から後方側に移動させる引き抜き時に、係止可能に前記ボルトアッセイの略筒状のボルトボディの外周に径方向に窪ませた係止面に係止可能に設けられ、前記係止突起は、前記ボルトアッセイが前記第1の位置に押し込み操作されて所定角度回動されると、前記ファイリングピンに設けられた突起に係合し、該ファイリングピンを弾薬の撃射に備えてコック状態に保持することを特徴とする請求項3に記載のボルトアクション銃。
【請求項7】
前記手動操作手段が、前記レシ−バーの後部一側に起倒可能に設けられた操作レバーと、該操作レバーを回動可能に枢支する断面三日月状の枢軸部と、その前方上部に前記係止突起を有するとともに、後部上側に第1係止部と後部下側には第2係止部とをそれぞれ有して、前記第1係止部と前記第2係止部との間には前記枢軸部が係止可能になるか、または回転可能になる円弧状空間部とが、それぞれ設けられた前記シャーと、該シャーが係脱可能に設けられた前記トリガーと、により構成され、
ボルトアッセイが前記第1の位置近傍にある状態で前記操作レバーを前傾に位置する時には、前記枢軸部が前記シャーの前記第1係止部を係合、押上げることにより、前記シャーは先端側に回動可能に設けられてボルトアッセイの前記移動規制手段による前記レシーバーからの引き抜き移動の規制を解除するボルト解放位置が、
前記操作レバーを中立に位置する時には、前記シャーの後部に設けた前記円弧状空間部内に前記操作レバーの前記枢軸部が回動操作可能に設けられることにより前記トリガーは牽引されて弾薬の撃射モード位置が、
そして、前記操作レバーを後傾に位置する時には、前記枢軸部が前記シャーの後部下側に設けられた前記第2係止部に係合されて前記シャーを拘束して前記トリガーは牽引可能に設けられるが、弾の撃射を不能とする安全モード位置が、それぞれ設定可能となされることを特徴としている請求項5項に記載のボルトアクション銃。
【請求項8】
前記手動操作手段の操作レバーは、保持部が、前記枢軸部により軸着される基部の上方肩部に連続して設けられる第1係合凹部、第2係合凹部、および、係止斜面部と、前記弾性部材が側面略U字状をなして前記上方肩部に弾性的に滑動可能に設けられる滑動ばね足を一端に有する弾性部材としての松葉ばねとにより構成され、
前記滑動ばね足が、前記操作レバーの中立時には、前記第1係合凹部に落ち込み可能に設けられ、
また、前記操作レバーの前傾時には、前記第2係合凹部に落ち込み可能に設けられ、
そして、前記操作レバーの後傾時には、前記係止斜面部に乗上げ可能に設けられていることにより、
前記操作レバーが節度的にかつ選択的に起倒可能に設けられている、
ことを特徴とする請求項4、5、または7の何れかl項に記載のボルトアクション銃。
【請求項9】
前記係合部が、薬室に通ずる貫通孔を有するレシーバーと、前記貫通孔に後端側から挿入され、前記レシーバーに対して押込んだ第1の位置と引き出した第2の位置との間で直線的に移動可能に且つ前記第1の位置において所定角度に周回りに回動可能に挿着されるボルトアッセイとを備え、
前記ボルトアッセイは、前記第1の位置に押し込まれて所定角度回動された時には第2の位置への後退側へばね附勢可能に設けられ、
前記ボルトアッセイのボルトボディの前方外周に中心周回りに120度毎に突設されたロッキングラグと、前記レシーバーの前記貫通孔の内周に前記ボルトボディの可動範囲にわたり軸方向に摺動可能に前記ロッキングラグに対応して凹設されたレール溝と、
前記貫通孔の前端に、前記レール溝の設置個所以外の残肉部を、前記ボルトボディが前記第1の位置に押し込まれて回動操作された時に、前記レール溝の設置個所以外の残肉部に前記ロッキングラグが後退側への前記ばね附勢により押付可能にかつ係脱可能に設けられた係合壁部と、により構成されていることを特徴とする請求項2に記載のボルトアクション銃。
【請求項10】
前記ボルトアッセイが、略筒状のボルトボディと、前記ボルトボディ内に先端側に突出可能に配挿されるファイヤリングピンと、前記ボルトボディ内に配挿されて前記ファイヤリングピンを先端側にばね附勢するファイヤリングピンスプリングと、ハンドルを外周に有し、前記ボルトボディの後端に取付けられるハンドル操作部材と、により構成され、前記ボルトボディと前記ハンドル操作部材とは固定手段を介して着脱可能に取付けられる、ことを特徴とする請求項1〜7、または9の何れか1項に記載のボルトアクション銃。
【請求項11】
前記ハンドル操作部材が、その前方に前記ファイヤリングピンスプリングが外挿される前方小径部を有し、後端には係入部が設けられたボルトキーと、前記ハンドルが外装された略筒形をなす基体部の内周に前記ボルトボディの後端部に着脱可能に取付けられる前記固定手段を有し、前記ボルトキーの前記係入部が係脱可能に取付けられる係合穴を対応位置に設けたボルトハンドルシュラウドと、により構成され、前記固定手段が、前記ボルトキーの前記係入部を前記係合穴に係入することにより前記ボルトハンドルシュラウドと前記ボルトキーとを一体化するとともに、前記ボルトボディと前記ボルトハンドルシュラウドとを前記ボルトキーを介して着脱可能に取付けるように構成されている、ことを特徴とする請求項10に記載のボルトアクション銃。
【請求項12】
前記ボルトボディが、ファイヤリングピンスプリングの附勢力を先端側に受ける前記ファイヤリングピンの後端に設けた突起を、組付け時には軸方向に進退可能に挿入させるように後端から軸方向に向けて設けられ先端に前記突起の前進を規制可能になる突起係入凹部を有する開口溝と、前記突起係入凹部の近傍の周面には、使用時に前記ハンドルによるボルトアッセイの第1の位置への押し込み、および回動操作によりシャーに設けられた係止突起に係脱可能になり、前記ファイヤリングピンスプリングを圧縮しつつ前記ファイヤリングピンを弾薬の撃射に備えてコック状態にし、前記開口溝から軸方向に連続して分岐されたカム溝と、が連設されていることを特徴とする請求項10または11に記載のボルトアクション銃。
【請求項13】
前記ボルトボディが、前記開口溝の途中に周方向に交わるように設けられた円周溝と、該円周溝の頭上部に軸方向に設けられたボルトキー取付溝と、が形成され、前記ボルトキーの中程周面に設けられた突起を前記ボルトボディと前記ボルトキーとの結合時に、前記ボルトキー取付溝に前記ファイヤリングピンスプリングの後端側への附勢力に抗して係止させて前記ボルトボディと前記ボルトキーとの結合を行うことを特徴とする請求項10または12に記載のボルトアクション銃。
【請求項14】
前記固定手段が、前記ボルトボディの前記円周溝の外周近傍に設けられた複数個の保持用突起と、前記保持用突起を嵌脱可能に嵌入するために前記ボルトハンドルシュラウドの前記基体部の前記開口端に設けられた着脱用切欠部と、前記着脱用切欠部の内周面の奥に周方向に連設された環状溝と、により構成されていることを特徴とする請求項11に記載のボルトアクション銃。
【請求項15】
前記ファイヤリングピンが、弾薬の雷管を打撃可能に設けられた小径の前方部と、前記ファイヤリングピンスプリングが内挿されてその附勢力を受ける大径の後方部と、から構成され、前記前方部と前記後方部とはねじ止め、およびピン止めにより着脱自在に一体に固定されていることを特徴とする請求項10または12に記載のボルトアクション銃。
【請求項16】
前記レール溝が、前記レシーバーの貫通孔の軸芯に対し、その1つの前記レール溝の溝幅の中心は前記レシーバーの上端位置に設置され、他の2つの前記レール溝の溝幅の中心は、前記上端位置に設置される前記レール溝の前記溝幅の中心から夫々120度に配置されていることを特徴とする請求項9に記載のボルトアクション銃。
【請求項17】
前記ロッキングラグが、軸方向にボルトボディの外周面に到らない深さの案内溝を有する全体形状を断面台形に形成され、前記レール溝は、全体形状を前記ロッキングラグよりも僅かに形大の断面台形に設けられるとともに、その内周には前記案内溝に摺動可能な突条部が設けられていることを特徴とする請求項9に記載のボルトアクション銃。
【請求項18】
前記レシーバーと前記バレルとが、雌ねじと、該雌ねじに螺合される雄ねじと、よりなる結合手段により軸方向に結合され、前記雄ねじの終端に前記バレル、もしくは、前記レシーバーの軸芯、または、前記バレル、および、前記レシーバーの軸芯に対して鋭角度の傾斜面を有する円錐形のねじ締め付け止まり面が設けられ、前記ねじ締め付け止まり面が挿脱可能になる対応形状のねじ締め付け受け面が前記レシーバー、または前記バレルの対応位置に凹設されていることを特徴とする請求項1に記載のボルトアクション銃。
【請求項19】
前記バレル内に設けられた薬室の後端凹部に、前記レシーバー内に挿脱可能に配挿される前記ボルトボディの前端部を挿入し、前記前端部の後方位置に、ファイヤリングピン収容孔と、前記ボルトボディの外部とを連通する漏洩ガス排出孔が設けられていることを特徴とする請求項18に記載のボルトアクション銃。
【請求項20】
前記トリガーには、時計回りに附勢し、弾の撃発後に前記トリガーの回動を停止するトリガー位置調整ねじと、前記トリガーを下方から時計回りに附勢することにより、前記トリガーの引き重さを調整するトリガースプリングと、が設けられていることを特徴とする請求項4〜7の何れか1項に記載のボルトアクション銃。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【公開番号】特開2011−12851(P2011−12851A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−155924(P2009−155924)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(303066699)株式会社ミロク製作所 (7)