説明

ボルト締結構造、アクチュエータ

【課題】一つの円に沿って配置された複数のボルトで複数の部材が締結されているボルト締結構造において、前記部材から全てのボルトが抜けないようにする。
【解決手段】転がり軸受5の外輪52の軸方向端面を押えるプレート6を、ハウジング3のボルト取付部31に対して、4本のボルト9で締結する。ハウジング3の大径部32の円柱状の内周面32aに、穴用止め輪7を嵌める周溝32bを形成する。この周溝32bの形成位置を、ボルト9のボルト取付部31への取付状態でボルト9の頭部と穴用止め輪7との隙間が1mm程度になる位置に設定する。穴用止め輪7は、全てのボルト9の頭部とボルト9の径方向で重なる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ボルトを用いた締結構造およびこれを有するアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
ボルトを用いた締結構造には、ボルトが緩んだ場合に抜けないようにする工夫が求められる。特許文献1には、空気流量測定装置のボディにカバーをネジ(ボルト)で固定し、そのネジの頭部を止め輪で押えることにより、ネジの脱落を防止する構造が記載されている。なお、この例では、ネジによる固定を2カ所で行っているが、一つのネジに対して一つの止め輪を使用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−248905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明の課題は、一つの円に沿って配置された複数のボルトで複数の部材が締結されているボルト締結構造において、前記部材から全てのボルトが抜けないようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、この発明は、一つの円に沿って配置された複数のボルト(頭部を有するねじ部品)で、前記ボルトの軸方向で接触配置されたボルト取付部を有する複数の部材が締結され、前記複数の部材のうちの一つの部材が、前記ボルトの軸方向で前記ボルト取付部から予め設定された距離だけ離れた位置(ボルトの頭部との間に予め設定された隙間が生じるか、隙間が生じない位置)に、止め輪の取付溝を有し、前記取付溝に、前記複数のボルトの全ての頭部と前記ボルトの径方向で重なる止め輪が取り付けられているボルト締結構造を提供する。
【0006】
このボルト締結構造によれば、止め輪の取付溝の位置を、ボルトおよび止め輪を取り付けた状態でボルトの頭部と止め輪が接触するか、両者の間に予め設定された隙間(例えば1〜2mm程度)が生じる位置とすることで、ボルトが緩んだ場合に、全てのボルトの頭部が止め輪に接触するため、前記部材から全てのボルトが抜けないようにできる。
なお、使用する複数のボルト間に大きな寸法差が存在する場合には、全てのボルトの頭部と止め輪が接触するように止め輪の取付溝を設定することは難しい。これに対して、ボルトの頭部と止め輪との間に予め設定された隙間が生じる位置に、止め輪の取付溝を設定すれば、複数のボルト間の寸法差が大きい場合でも、止め輪を取付溝に取り付けることができる。
【0007】
止め輪の取付溝を、ボルトの頭部と止め輪との間に予め設定された隙間が生じる位置に設定すると、(1) 複数のボルトのうちの一部で、ボルトの頭部が止め輪に接触し、他のボルトでは、止め輪と頭部との間に隙間が生じる状態や、(2) 全てのボルトの頭部と止め輪との間に隙間が生じる状態になる。よって、止め輪の取付溝の形成位置は、使用するボルトの公差に応じて設定することができるため、高い寸法精度のボルトを使用しなくても、止め輪を確実に取り付けることができる。
このボルト締結構造の一例として、前記止め輪は穴用止め輪であり、前記取付溝は円柱状の内周面に形成された周溝であり、前記周溝に前記穴用止め輪が取り付けられているものが挙げられる。
【0008】
この発明は、また、一つの円に沿って配置された複数のボルトで、ボールねじのねじ軸またはナットをハウジングに対して回転自在に支持する転がり軸受の軸力を受けるプレートが、前記ハウジングのボルト取付部に締結され、前記ハウジングの内周面の、前記ボルトの軸方向で前記ボルト取付部から予め設定された距離だけ離れた位置(ボルトの頭部との間に設定された隙間が生じる位置)に、周溝が形成され、前記周溝に、前記複数のボルトの全ての頭部と前記ボルトの径方向で重なる穴用止め輪が取り付けられているボルト締結構造を提供する。
【0009】
このボルト締結構造によれば、穴用止め輪を取り付ける周溝の位置を、ボルトおよび穴用止め輪を取り付けた状態でボルトの頭部と穴用止め輪が接触するか、両者の間に予め設定された隙間(例えば1〜2mm程度)が生じる位置とすることで、ボルトが緩んだ場合に、全てのボルトの頭部が穴用止め輪に接触するため、前記部材から全てのボルトが抜けないようにできる。
【0010】
この発明は、また、一つの円に沿って配置された複数のボルトで、前記ボルトの軸方向で接触配置されたフランジ継手を有する二つの軸が締結され、前記二つの軸のうちの一方の軸には、予め設定された位置(ボルトの頭部との間に設定された隙間が生じる位置)に周溝が形成され、前記周溝に、前記複数のボルトの全ての頭部と前記ボルトの径方向で重なる軸用止め輪が取り付けられているボルト締結構造を提供する。
【0011】
このボルト締結構造によれば、軸用止め輪を取り付ける周溝の位置を、ボルトおよび軸用止め輪を取り付けた状態でボルトの頭部と軸用止め輪が接触するか、両者の間に予め設定された隙間(例えば1〜2mm程度)が生じる位置とすることで、ボルトが緩んだ場合に、全てのボルトの頭部が軸用止め輪に接触するため、前記部材から全てのボルトが抜けないようにできる。
【0012】
この発明はまた、ボールねじと、前記ボールねじを内挿するハウジングと、前記ハウジング内に配置される出力ロッドと、前記ボールねじのねじ軸の螺旋溝が形成されていない部分を前記ハウジングに対して回転自在に取り付ける転がり軸受と、を有し、前記出力ロッドは前記ねじ軸の螺旋溝が形成されている部分を内挿する有底穴を有し、前記ボールねじのナットが前記出力ロッドの開口端に固定されているアクチュエータであって、一つの円に沿って配置された複数のボルトで、前記転がり軸受の外輪の軸力を受けるプレートが、前記ハウジングのボルト取付部に締結され、前記ハウジングの内周面の、前記ボルトの軸方向で前記ボルト取付部から予め設定された距離だけ離れた位置に、周溝が形成され、前記周溝に、前記複数のボルトの全ての頭部と前記ボルトの径方向で重なる穴用止め輪が取り付けられていることを特徴とするアクチュエータを提供する。
【発明の効果】
【0013】
この発明のボルト締結構造によれば、ボルトが緩んだ場合に、全てのボルトの頭部が止め輪に接触するため、前記部材から全てのボルトが抜けることが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の第1実施形態に相当するボルト締結構造を有するアクチュエータを示す断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のA−A断面が図2とは異なる例を説明する図である。
【図4】図1のアクチュエータの部分断面図であって、止め輪の取付部が図1とは異なる例を説明する図である。
【図5】ハウジングの大径部の外径および内径と、軸方向における止め輪を取り付ける位置が図1とは異なる例を説明する図である。
【図6】この発明の第2実施形態に相当するボルト締結構造を示す側面図である。
【図7】図6のB−B断面図である。
【図8】図6に示すボルト締結構造に止め輪の回転防止部材を設けた例を説明する図である。
【図9】図8のB−B断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
図1に示すアクチュエータは、モータ1と、ボールねじ2と、ハウジング3と、出力ロッド4と、転がり軸受5と、穴開き円板からなるプレート(ボルト取付部)6と、穴用止め輪7と、リング8と、ボルト9,10と、ウエアリング11と、ブッシュ12と、シール13と、カップリング14と、穴用止め輪15とで構成されている。
【0016】
ボールねじ2は、ねじ軸21とナット22とボール23とを有する。ねじ軸21の基端部21aは、モータ1の回転軸1aとカップリング14で結合されている。モータ1のケースのフランジ19とハウジング3のフランジ35が、ボルト10で固定されている。
ねじ軸21とハウジング3との間に転がり軸受5が取り付けられている。転がり軸受5の内輪51は、ねじ軸21のテーパ部21b側から取付部21cに軽圧入され、肩部21dに接触させた後、テーパ部21bにリング8を加締めることで、ねじ軸21に固定されている。すなわち、内輪51は、テーパ部21bに外嵌されたリング8と肩部21dにより、ねじ軸21に対して軸方向で拘束されている。
【0017】
転がり軸受5の外輪52は、ハウジング3のボルト取付部31に、プレート6と4個のボルト9を用いて取り付けられている。ボルト取付部31の内周面に、外輪52の軸方向一端面を押える肩部31aが形成されている。また、ボルト取付部31は、外輪52の軸方向他端面を沿わせるフランジ面(軸方向と垂直な面)31bと、フランジ面31bを開口とする4個の雌ねじ31cを有する。4個の雌ねじ31cは、図2に示す円Cに沿って等間隔に配置されている。
【0018】
プレート6は、図2に示す円Cに沿って等間隔に配置された4個の貫通穴61を有し、円Cに沿って等間隔に配置された4個のボルト9で、ハウジング3のボルト取付部31に固定されている。
外輪52の取付時には、外輪52をボルト取付部31の内周面にすきま嵌合して、外輪52の軸方向一端面を肩部31aに当てた後、ボルト取付部31のフランジ面31bにプレート6を配置し、プレート6でフランジ面31bと外輪52の軸方向他端面を押え、プレート6の貫通穴61からボルト9を挿入してボルト取付部31の雌ねじ31cに螺合する。
【0019】
これにより、転がり軸受5の外輪52は、ハウジング3の内周面の肩部31aとプレート6により、ハウジング3に対して軸方向で拘束されている。すなわち、プレート6は転がり軸受5の軸力を受ける。
ハウジング3は、軸方向で、ボルト取付部31を挟んでモータ1側の大径部32と、出力ロッド4側の小径部33とに分けられる。大径部32の円柱状の内周面32aには、穴用止め輪7を嵌める周溝32bが形成されている。この周溝32bの形成位置は、ボルト9のボルト取付部31への取付状態で、ボルト9の頭部と穴用止め輪7との隙間が1mm程度になる位置に設定されている。また、図2に示すように、穴用止め輪7は、全てのボルト9の頭部とボルト9の径方向で重なっている。
【0020】
ハウジング3の小径部33内において、ボールねじ2のねじ軸21は、出力ロッド4の有底穴41に内挿され、出力ロッド4の大径部42の開口端にナット22の軸方向一部が内嵌されている。出力ロッド4とナット22は、一体に回転し、一体に軸方向へ移動するように固定されている。
出力ロッド4の大径部42は外周溝42aを有し、この外周溝42aにウエアリング11が取り付けてある。ウエアリング11は、出力ロッド4とハウジング3との隙間を塞ぎつつ、両者の相対移動を許容する。ブッシュ12とシール13は、ハウジング3と出力ロッド4との間を密封するために、ハウジング3の小径部33の先端部に配置されている。穴用止め輪15は、シール13の抜け止めとしてハウジング3の先端部に取り付けられている。
【0021】
出力ロッド4の先端部43に、駆動対象部材(出力ロッド4を回転させないリンク機構など)を取り付ける取付穴43aが形成されている。
この実施形態のアクチュエータにおいて、ボルト締結構造は、4本のボルト9と、プレート6と、ハウジング3のボルト取付部31と、ハウジング3の大径部32に設けた周溝32bと、穴用止め輪7とで構成されている。このボルト締結構造は、上述のように、外輪52をハウジング3に取り付けるために、4個のボルト9でハウジング3のボルト取付部31にプレート6を固定した後、ハウジング3の周溝32bに穴用止め輪7を嵌めることで生じる。
【0022】
この実施形態のボルト締結構造によれば、アクチュエータ使用中の振動などによりボルト9に緩みが生じた場合でも、全てのボルト9が穴用止め輪7に接触するため、全てのボルト9がハウジング3内に抜け落ちることが防止される。
なお、図1のアクチュエータは、出力ロッド4の先端部43の取付穴43aに船外機のシフトレバーを取り付けて使用することができる。図1のアクチュエータが船外機のシフトレバー用である場合、ボルト9の頭部と穴用止め輪7との隙間は1mm程度であることが好ましい。
【0023】
また、図1の例で、穴用止め輪7に代えて、プッシュナット穴用止め輪やCR形止め輪を使用すれば、大径部32に周溝32bを加工しなくてもよくなるか、加工する場合でも粗加工で十分になるため、製造コストが低減する。
図3に示す例は、図1のA−A断面が図2とは異なる例である。この例では、プレート6の軸方向一端面に、穴用止め輪7の取付位置より先まで軸方向に延びる凸部65が形成されている。そして、凸部65を挟む両側に穴用止め輪7の端部7aを配置することで、穴用止め輪7の回転が防止されている。これに代えて、穴用止め輪7に凸部を設け、凸部を入れる凹部を周溝32bに設けることで、止め輪の回転を防止してもよい。
【0024】
図4に示す例は、ハウジング3の穴用止め輪7を取り付ける部分の形状が図1とは異なる例である。この例では、ハウジング3の大径部32の内周面32aに、穴用止め輪7の係止部とプレート6の係止部を兼ねた周溝32dを設けている。周溝32dの軸方向一端面がボルト取付部31のフランジ面31bを成し、周溝32dの軸方向他端面32eに穴用止め輪7が係止されている。この例では、穴用止め輪7を取り付ける周溝32dの形成と同時に、プレート6の座面であるフランジ面31bが形成されるため、図1に示す例よりも加工コストが低減される。
【0025】
図5に示す例は、ハウジング3の大径部32の外径および内径が図1の例より大きく、軸方向における穴用止め輪7を取り付ける位置も図1とは異なる例である。この例では、図1に示す例と比較して、穴用止め輪7を取り付ける位置がボルト取付部31から離れている。また、穴用止め輪7とボルト9の頭部が径方向で重なっていない。そして、穴用止め輪7とボルト9との間に環状部材78が配置されている。また、ハウジング3のボルト取付部31と大径部32との間に、環状部材78を配置するための段部34が形成されている。
【0026】
環状部材78の内周側に円板部78aが形成されている。環状部材78の円板部78aがボルト9の頭部と径方向で重なっている。環状部材78の外径はハウジング3の大径部32の内径とほぼ同じであり、穴用止め輪7の外径は大径部32の内径より大きい。環状部材78は段部34の内側に配置され、穴用止め輪7は大径部32の内周面32aに設けた周溝32bに取り付けられている。
【0027】
このように、穴用止め輪を取り付ける位置が、ボルトおよび穴用止め輪を取り付けた状態でボルトの頭部と穴用止め輪との間に1〜2mm程度が生じる位置より大きい場合は、穴用止め輪とボルトの頭部との間に環状部材を配置して、環状部材とボルトの頭部とが接触するか、両者の間に1〜2mm程度の隙間が生じるようにする。これにより、ボルトが緩んだ場合に、全てのボルトの頭部が環状部材に接触するため、ボルトで締結された部材から全てのボルトが抜けないようにできる。
また、穴用止め輪とボルトの頭部が径方向で重ならない場合は、穴用止め輪とボルトの頭部との間に、内周側に円板部を有する環状部材を配置して、環状部材の円板部とボルトの頭部が径方向で重なるようにする。
【0028】
[第2実施形態]
図6に示すように、この実施形態のボルト締結構造では、フランジ継手(ボルト取付部)81aを有する軸81と、フランジ継手(ボルト取付部)82aを有する軸82が、両フランジ継手81a,82aにおいて、4個のボルト9で締結されている。4個のボルト9は図4に示す円Cに沿って等間隔に配置されている。
【0029】
軸81のフランジ継手81a側の端部(以下で説明する位置)には周溝81bが形成されている。フランジ継手81aには、ボルト9の軸部を通す貫通穴81cが形成されている。フランジ継手82aには、ボルト9の雄ねじを螺合する雌ねじ82bが形成されている。軸81の周溝81bに軸用止め輪71が取り付けられている。
この周溝81bの形成位置は、ボルト9のフランジ継手81a,82aへの取付状態で、ボルト9の頭部と軸用止め輪71との隙間が1mm程度になる位置に設定されている。また、図7に示すように、軸用止め輪71は、全てのボルト9の頭部とボルト9の径方向で重なっている。
【0030】
この実施形態のボルト締結構造の組立方法としては、先ず、両軸81,82のフランジ継手81a,82a同士を、貫通穴81cと雌ねじ82bを合わせて接触させた後、貫通穴81c側からボルト9を挿入して、ボルト9の雄ねじをフランジ継手82aの雌ねじ82bに螺合する。このようにして両軸81,82を結合した後に、軸81の周溝81bに軸用止め輪71を嵌める。
この実施形態のボルト締結構造によれば、ボルト9に緩みが生じた場合でも、全てのボルト9が軸用止め輪71に接触するため、全てのボルト9が抜け落ちることが防止される。
【0031】
なお、軸用止め輪71に代えて、プッシュナット軸用止め輪やCS形止め輪を使用すれば、軸81に周溝81bを加工しなくてもよくなるか、加工する場合でも粗加工で十分になるため、製造コストが低減する。
図8および9に示す例では、フランジ継手81aのボルト9の頭部が配置される側の軸方向端面に、軸81の周溝81bの位置より先まで軸方向に延びる凸部81eが形成されている。そして、凸部81eを挟む両側に軸用止め輪71の端部17aを配置することで、軸用止め輪71の回転が防止されている。これに代えて、軸用止め輪71に凸部を設け、凸部を入れる凹部を周溝81bに設けることで、止め輪の回転を防止してもよい。
【符号の説明】
【0032】
1 モータ
1a モータの回転軸
2 ボールねじ
21 ねじ軸
21a ねじ軸の基端部
21b ねじ軸のテーパ部
21c ねじ軸の取付部
21d ねじ軸の肩部
22 ナット
23 ボール
3 ハウジング
31 ハウジングのボルト取付部
31a 肩部
31b フランジ面
31c 雌ねじ
32 ハウジングの大径部
32a 円柱状の内周面
32b 周溝
32d 周溝
32e 周溝の軸方向他端面
33 ハウジングの小径部
34 ハウジングの段部
35 ハウジングのフランジ
4 出力ロッド
41 出力ロッドの有底穴
42 出力ロッドの大径部
42a 外周溝
43 出力ロッドの先端部
43a 取付穴
5 転がり軸受
51 内輪
52 外輪
6 プレート(ボルト取付部)
61 プレートの貫通穴
65 凸部
7 穴用止め輪
7a 穴用止め輪の端部
71 軸用止め輪
71a 軸用止め輪の端部
8 リング
81 軸
81a フランジ継手(ボルト取付部)
81b 周溝
81c 貫通穴
81e 凸部
82 軸
82a フランジ継手(ボルト取付部)
82b 雌ねじ
9 ボルト
10 ボルト
11 ウエアリング
12 ブッシュ
13 シール
14 カップリング
15 穴用止め輪
19 モータのケースのフランジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つの円に沿って配置された複数のボルトで、前記ボルトの軸方向で接触配置されたボルト取付部を有する複数の部材が締結され、
前記複数の部材のうちの一つの部材が、前記ボルトの軸方向で前記ボルト取付部から予め設定された距離だけ離れた位置に、止め輪の取付溝を有し、前記取付溝に、前記複数のボルトの全ての頭部と前記ボルトの径方向で重なる止め輪が取り付けられているボルト締結構造。
【請求項2】
前記止め輪は穴用止め輪であり、
前記取付溝は、円柱状の内周面に形成された周溝であり、前記周溝に前記穴用止め輪が取り付けられている請求項1記載のボルト締結構造。
【請求項3】
一つの円に沿って配置された複数のボルトで、ボールねじのねじ軸またはナットをハウジングに対して回転自在に支持する転がり軸受の軸力を受けるプレートが、前記ハウジングのボルト取付部に締結され、
前記ハウジングの内周面の、前記ボルトの軸方向で前記ボルト取付部から予め設定された距離だけ離れた位置に、周溝が形成され、前記周溝に、前記複数のボルトの全ての頭部と前記ボルトの径方向で重なる穴用止め輪が取り付けられているボルト締結構造。
【請求項4】
一つの円に沿って配置された複数のボルトで、前記ボルトの軸方向で接触配置されたフランジ継手を有する二つの軸が締結され、
前記二つの軸のうちの一方の軸には、予め設定された位置に周溝が形成され、前記周溝に、前記複数のボルトの全ての頭部と前記ボルトの径方向で重なる軸用止め輪が取り付けられているボルト締結構造。
【請求項5】
ボールねじと、前記ボールねじを内挿するハウジングと、前記ハウジング内に配置される出力ロッドと、前記ボールねじのねじ軸の螺旋溝が形成されていない部分を前記ハウジングに対して回転自在に取り付ける転がり軸受と、を有し、
前記出力ロッドは前記ねじ軸の螺旋溝が形成されている部分を内挿する有底穴を有し、前記ボールねじのナットが前記出力ロッドの開口端に固定されているアクチュエータであって、
一つの円に沿って配置された複数のボルトで、前記転がり軸受の外輪の軸力を受けるプレートが、前記ハウジングのボルト取付部に締結され、
前記ハウジングの内周面の、前記ボルトの軸方向で前記ボルト取付部から予め設定された距離だけ離れた位置に、周溝が形成され、
前記周溝に、前記複数のボルトの全ての頭部と前記ボルトの径方向で重なる穴用止め輪が取り付けられていることを特徴とするアクチュエータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−100899(P2013−100899A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−226918(P2012−226918)
【出願日】平成24年10月12日(2012.10.12)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】