説明

ボンディング装置及びボンディング装置におけるボンディング位置を補正する方法

【課題】ボンディング装置の稼動効率を向上させると共にボンディング品質を向上させる。
【解決手段】テープ45の表面45aに沿ってボンディングツール12を移動させるボンディングヘッド11と、テープ45の裏面45bの側に配置され、テープ45を透かしてリード46とそのリード46に接合された電極42との画像を取得するカメラ31と、ボンディングヘッド11を動作させてボンディングツール12の位置を制御する制御部60と、を含み、制御部60は、カメラ31によって取得した画像を処理してリード46のリードエッジとそのリード46に接合された電極42の電極エッジとを検出するエッジ検出手段と、各エッジの相対位置に応じてボンディング位置を補正する補正手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボンディング装置の構造及びそのボンディング装置によってボンディングを行う際のボンディング位置を補正する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の小形化要求に応えるために、半導体素子のファインピッチ化が進行している。このようなファインピッチの半導体素子を実装して半導体パッケージを製造する際には、リードが形成された基板の表面に上下反転させた半導体チップをボンディングして半導体チップの電極をリードに接続するフリップチップ方式が用いられている。
【0003】
このようなフリップチップ方式によって半導体チップを基板にボンディングする際には、半導体チップの電極の位置と基板のリードの位置を合わせる必要がある。この位置合わせを行う際には、反転させた半導体チップと基板との間に上下二視野カメラを挿入し、半導体チップの電極面と基板のリード面とを同時に撮像し、その画像から半導体チップの電極の位置と基板のリードの位置とを検出し、位置決めを行っていた(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、電極とリードとの接合部が外部から見えない位置となっているため、半導体チップの電極がリードの所定の位置にボンディングされているかどうかを検査する際には、一旦接続した半導体チップを剥がして結合面の状態を顕微鏡で観察する必要があるため検査に手間がかかるという問題があった(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
そこで、半導体チップを接合する光透過性のテープキャリアが提案されている(例えば、特許文献3参照)。また、特許文献3には光透過性のテープキャリアの表面に半導体チップをボンディングする際に、カメラによって光透過性のテープキャリアの裏面から半導体チップの電極とリードとの接触状態を監視し、この映像信号を基に画像認識装置で電極とリードとの位置ずれを演算し、位置ずれがなくなる方向に半導体チップまたは基板を移動させ、電極とリードとの位置ずれを自動的に補正することが提案されている。
【0006】
また、特許文献1にはリードの形成された光透過性のフレキシブル基板を透かしてリードの画像を取得すると共に、反転させた半導体チップの電極の画像を撮像した後、フレキシブル基板を平行移動させて電極とリードとの位置合わせをすることが提案されている。
【0007】
また、特許文献2には、ボンディング装置の運転によるボンディング装置の温度上昇によって発生する半導体の電極とリードの位置ずれを修正する方法が提案されている。この方法は、光透過性フィルムの裏面側のボンディングステージから離れた位置に配置されたカメラで光透過性のフィルムの上にボンディングされた半導体チップの電極とフィルムのリードとの画像を撮像し、その画像に基づいて移送アームのオフセット量を手動で修正する方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−214705号公報
【特許文献2】特開2002−43376号公報
【特許文献3】特開平10−123176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、基板の上に半導体チップをボンディングする際には、基板の位置がずれないように基板をボンディングステージに吸着固定すると同時にボンディングステージのヒータによって加熱し、反転させた半導体チップを吸着保持すると共に内蔵するヒータによって半導体チップを加熱するボンディングツールをボンディング位置に降下させ、加熱された半導体チップの電極を加熱された基板のリードに押し付けて接合する方法が用いられる。ボンディングステージは、基板のリードが形成されている面と反対側の面の側に配置されているので、基板が光透過性であってもボンディングステージに基板が吸着固定されるとボンディングステージ側からはリードの位置が見えなくなってしまう。
【0010】
このため、ボンディングステージに基板を吸着させた後に、特許文献3に記載されている従来技術のように、カメラによって光透過性のテープの裏面から半導体チップの電極とリードとの接触状態を監視し、電極とリードとの位置ずれを自動的に補正することは困難である。また、特許文献3に記載されている従来技術によって基板がボンディングステージから離れている状態で半導体チップの電極の位置とリードとの位置合わせを行い、その後基板をボンディングステージに吸着固定させると基板の位置がずれてしまい正確な位置にボンディングができず、ボンディング品質が低下する場合があるという問題があった。同様に、特許文献1に記載された従来技術でもフレキシブル基板を移動させた後にボンディングステージに固定するため、固定の際のずれによって正確な位置にボンディングができず、ボンディング品質が低下する場合があるという問題があった。
【0011】
一方、特許文献2に記載された従来技術では、カメラはボンディングステージと離れた位置に配置されているため、ボンディングステージによって光透過性の基板の裏側から電極とリードとが見えなくなるという問題はない。しかし、特許文献2に記載されている従来技術のように、画像によって半導体チップの電極とリードの位置ずれを検出しようとする場合、取得した画像が複雑となってくるため短時間に機械的に処理することが難しく、一旦、ボンディング装置の運転を停止して、人間がモニタ画面を見て移送アームのオフセット量を調整することが必要となる。電極とリードとの位置ずれは、経時的にボンディング装置各部の温度が変化してくることに起因するものであるので、ボンディング装置の運転中には何回かの停止、調整が必要となる。このためボンディング装置の稼動効率が低下するという問題があった。この問題は、多くのボンディング装置を並行して稼動させている場合にはより大きな問題となった。また、移送アームのオフセット量の調整の頻度を減らせばボンディング装置の稼動率は向上するものの、電極とリードとのずれが大きくなりボンディング品質が低下する場合があるという問題があった。
【0012】
そこで、本発明は、ボンディング装置の稼動効率を低下させることなくボンディング品質を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のボンディング装置は、ボンディング位置で一方の面に帯状のリードが形成された光透過性のテープの上に半導体チップをボンディングし、その幅がリードの幅より広くその長さがリードの長さよりも短い半導体チップの電極をリードに接合するボンディング装置であって、テープの一方の面に沿ってボンディングツールを移動させるボンディングヘッドと、テープの他方の面の側に配置され、テープを透かしてリードとそのリードに接合された電極との画像を取得するカメラと、ボンディングヘッドを動作させてボンディングツールの位置を制御する制御部と、を含み、制御部は、カメラによって取得した画像を処理してリードのリードエッジとそのリードに接合された電極の電極エッジとを検出するエッジ検出手段と、エッジ検出手段によって検出した各エッジの相対位置に応じてボンディング位置を補正する補正手段と、を有することを特徴とする。
【0014】
本発明のボンディング装置において、補正手段は、ボンディング装置の始動から所定回数のボンディング動作毎および/または所定の時間毎にボンディング位置の補正を行い、ボンディング装置の停止後、ボンディング位置を初期設定位置に戻すこと、としても好適である。
【0015】
本発明のボンディング装置において、エッジ検出手段は、リードとそのリードに接合された電極との画像の中からリードのみが含まれている第1の範囲を選択し、第1の範囲の画像データを処理して各リードの長手方向に伸びる一対のリードエッジを検出するステップと、その範囲の中に検出した一対のリードエッジを含む第2の範囲を選択し、各リードエッジの伸びる方向に沿って第2の範囲を電極の方向に移動させ、各リードエッジの伸びる方向と交差する方向に伸びる電極の第1エッジと第1エッジよりも第2の範囲の移動方向側でリードエッジの伸びる方向と交差する方向に伸びる電極の第2エッジとを検出するステップと、電極の第1エッジと第2エッジとの範囲内で一対のリードエッジからリードの幅方向の両外側に向かって画像をスキャンして、各リードエッジの伸びる方向に沿って伸びる一対の電極エッジを検出するステップと、を含み、補正手段は、各リードエッジに隣接する各電極エッジとの間の各間隔を検出するステップと、各間隔の差に基づいてリードの伸びる方向と交差する方向に沿った電極とリードとの位置ずれ量を算出するステップと、算出したずれ量に基づいてボンディング位置を補正するステップと、を含むこと、としても好適である。
【0016】
また、本発明のボンディング装置において、エッジ検出手段は、リードとそのリードに接合された電極との画像の中からリードのみが含まれている第1の範囲を選択し、第1の範囲の画像データを処理して各リードの長手方向に伸びる一対のリードエッジを検出するステップと、一対のリードエッジをその領域に含み、第1の範囲よりも領域が狭い第2の範囲を設定するステップと、第2の範囲の画像を粗スキャンして各リードエッジの伸びる方向に沿って伸びる一の電極を検出するステップと、検出した一の電極の周縁部を密スキャンして該電極の一対の電極エッジを検出するステップと、を含み、補正手段は、各リードエッジに隣接する各電極エッジとの間の各間隔を検出するステップと、各間隔の差に基づいてリードの伸びる方向と交差する方向に沿った電極とリードとの位置ずれ量を算出するステップと、算出したずれ量に基づいてボンディング位置を補正するステップと、を含むこと、としても好適である。
【0017】
また、補正手段は、電極とリードとの位置ずれ量を複数回算出し、その平均ずれ量に係数を掛けて補正量を算出し、その補正量だけボンディング位置を補正すること、としても好適である。
【0018】
本発明のボンディング位置を補正する方法は、ボンディング位置で一方の面に帯状のリードが形成された光透過性のテープの上に半導体チップをボンディングし、その幅がリードの幅より広くその長さがリードの長さよりも短い半導体チップの電極をリードに接合する際のボンディング位置を補正する方法であって、テープの他方の面の側に配置されたカメラによってテープを透かしてリードとそのリードに接合された電極との画像を取得し、取得した画像を処理してリードのリードエッジとそのリードに接合された電極の電極エッジとを検出するエッジ検出工程と、ボンディングヘッドによってエッジ検出工程で検出した各エッジの相対位置に応じてテープの一方の面に沿ってボンディングツールを移動させ、ボンディング位置を補正する補正工程と、を有することを特徴とする。
【0019】
本発明のボンディング位置を補正する方法において、補正工程は、ボンディング装置の始動から所定回数のボンディング動作毎および/または所定の時間毎にボンディング位置の補正を行い、ボンディング装置の停止後、ボンディング位置を初期設定位置に戻すこと、としても好適である。
【0020】
本発明のボンディング位置を補正する方法において、エッジ検出工程は、リードとそのリードに接合された電極との画像の中からリードのみが含まれている第1の範囲を選択し、第1の範囲の画像データを処理して各リードの長手方向に伸びる一対のリードエッジを検出するステップと、その範囲の中に検出した一対のリードエッジを含む第2の範囲を選択し、各リードエッジの伸びる方向に沿って第2の範囲を電極の方向に移動させ、各リードエッジの伸びる方向と交差する方向に伸びる電極の第1エッジと第1エッジよりも第2の範囲の移動方向側でリードエッジの伸びる方向と交差する方向に伸びる電極の第2エッジとを検出するステップと、電極の第1エッジと第2エッジとの範囲内で一対のリードエッジからリードの幅方向の両外側に向かって画像をスキャンして、各リードエッジの伸びる方向に沿って伸びる一対の電極エッジを検出するステップと、を含み、補正工程は、各リードエッジに隣接する各電極エッジとの間の各間隔を検出するステップと、各間隔の差に基づいてリードの伸びる方向と交差する方向に沿った電極とリードとの位置ずれ量を複数回算出し、その平均ずれ量に係数を掛けて補正量を算出し、その補正量だけボンディング位置を補正するステップと、を含むこと、としても好適である。
【0021】
本発明のボンディング位置を補正する方法において、エッジ検出工程は、リードとそのリードに接合された電極との画像の中からリードのみが含まれている第1の範囲を選択し、第1の範囲の画像データを処理して各リードの長手方向に伸びる一対のリードエッジを検出するステップと、一対のリードエッジをその領域に含み、第1の範囲よりも領域が狭い第2の範囲を設定するステップと、第2の範囲の画像を粗スキャンして各リードエッジの伸びる方向に沿って伸びる一の電極を検出するステップと、検出した一の電極の周縁部を密スキャンして該電極の一対の電極エッジを検出するステップと、を含み、補正工程は、各リードエッジに隣接する各電極エッジとの間の各間隔を検出するステップと、各間隔の差に基づいてリードの伸びる方向と交差する方向に沿った電極とリードとの位置ずれ量を算出するステップと、算出したずれ量に基づいてボンディング位置を補正するステップと、を含むこと、としても好適である。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、ボンディング装置の稼動効率を低下させることなくボンディング品質を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態におけるボンディング装置の構成を示す説明図である。
【図2】本発明の実施形態におけるボンディング装置で半導体チップをテープにボンディングする状態を示す平面図である。
【図3】本発明の実施形態におけるボンディング装置で半導体チップがボンディングされたテープを裏側から見た状態を示す図である。
【図4】本発明の実施形態におけるボンディング装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態におけるボンディング位置の補正タイミングと補正量とを示す図である。
【図6】本発明の実施形態における時間に対するボンディング位置の補正量を示す図である。
【図7】本発明の他の実施形態におけるボンディング装置で半導体チップがボンディングされたテープを裏側から見た状態を示す図である。
【図8】本発明の他の実施形態におけるボンディング装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明する。図1に示すように、本実施形態のボンディング装置100は、表面にリード46が形成された光透過性のテープ45を吸着固定すると共に加熱するボンディングステージ24と、先端に半導体チップ41を吸着したボンディングツール12をボンディングステージ24に吸着固定されたテープ45の表面45aに沿って移動させると共に表面45aに向かって降下させるボンディングヘッド11と、テープ45のリード46が形成されている面と反対側に配置されているカメラ31と、ボンディングヘッド11の動作を制御する制御部60とを備えている。なお、図1において紙面に沿った左右方向をX方向、紙面に垂直な方向をY方向、紙面に沿った上下方向をZ方向とし、テープ45のリードの形成されている面をテープ45の表面45a、反対側の面を裏面45bとして以下説明する。
【0025】
図2に示すように、ボンディングヘッド11はフレーム10の上に取り付けられ、図1に示すボンディングステージ24の吸着面27或いはテープ45の表面45aに沿った方向、すなわちXY方向に自由に移動することができる。ボンディングヘッド11にはY方向に伸び、先端にはその吸着面16に半導体チップ41を吸着するための真空孔15が設けられ、吸着した半導体チップ41を加熱するヒータ14が内部に取り付けられている。
【0026】
ボンディングヘッド11の内部には、ボンディングツール12の一端側をZ方向に駆動するZ方向モータが搭載されている。そして、Z方向モータを駆動することによってボンディングツール12の先端をZ方向に駆動し、ボンディングツール12先端に吸着されている半導体チップ41をテープ45の表面45aにボンディングすることができるように構成されている。そして、ボンディングヘッド11をXY方向に移動させることでボンディングツール12及びボンディングツール12先端に吸着された半導体チップ41をXY方向に移動させることができる。
【0027】
図1に示すように、ボンディングステージ24は、基盤21を支持されるベース23に断熱材22を介して取り付けられ、テープ45を吸着する吸着面27にはテープ45を真空吸着する真空孔26が設けられ、内部には吸着したテープ45を加熱するためのヒータ25が取り付けられている。ベース23の内部にはボンディングステージ24をZ方向に上下に移動させる移動機構が組み込まれており、ボンディングの際にはテープ45の裏面45bに密着する位置まで上昇させてテープ45を真空吸着できるようにし、ボンディング後にテープ45を図中の矢印aの方向に送る場合には、吸着面27がテープ45の移動の邪魔にならないように下降するよう構成されている。
【0028】
図1に示すように、ボンディングステージ24が取り付けられている基盤21にはカメラ取り付け用のアーム33が固定されている。アーム33は、基盤21からテープ45の送り方向に延び、その先端にはカメラ31が取り付けられている。カメラ31はテープ45の裏面45bを見通せる位置に配置され、テープ45の裏面45bに向かうように取り付けられ、カメラ31の周囲には照明用のLED32が取り付けられている。このLED32はカメラ31の周辺部にリング状に構成されていてもよい。
【0029】
図1に示すように、ボンディング装置100はボンディング動作全体を制御する制御部60を備えている。制御部60は内部にCPU61とメモリ65を含むコンピュータである。CPU61でメモリ65に格納した制御データ69を参照しながら制御プログラム68、エッジ検出プログラム66、補正プログラム67を実行することによってボンディング装置100の制御を行うものである。図1に示すように、ボンディングヘッド11、ボンディングステージ24はそれぞれ制御部60のボンディングヘッドインターフェース62、ボンディングステージインターフェース63に接続され、制御部60の指令によって動作するよう構成され、カメラ31は制御部60のカメラインターフェース64に接続され、カメラ31で取得した画像を制御部60に送ることができるようになっている。
【0030】
図2に示すように、テープ45の表面45aには、複数組の帯状のリード46が形成されている。各組のリード46は半導体チップ41の電極42に対応する数だけ設けられており、リード46は半導体チップ41の外側に向かって伸びるよう形成されている。リード46は例えばメッキ等によって構成されていてもよい。また、テープ45の両側面にはテープ45を図中の矢印aの方向に送るための送り機構に噛みあう孔48が設けられている。また、テープ45は図示しないクランパによりクランプしながら搬送する送り機構を構成してもよい。
【0031】
図3に示すように、テープ45は光透過性であることから、半導体チップ41をテープ45の表面45aにボンディングして半導体チップ41の電極42をリード46に接合したものをテープ45の裏面45bから見ると、光透過性のテープ45を透かしてリード46と、電極42と、半導体チップ41の電極42側の面が見える。図3に示すように、電極42と接合される付近のリード46は幅Wの帯状で直線状に延びている。また、電極42は、その幅Wがリードの幅Wより広くその長さLがリード46の長さよりも短い。そして、電極42がリード46の上にボンディングされると、リード46は電極42からリード46の長手方向に延び、電極42はリード46の幅方向にはみ出す。リード46は光を透過しないので、リード46と電極42とが重なっている部分の電極42はテープ45の裏面45bからは見えず、図中の斜線で示した電極42がリード46からはみ出している部分のみがテープ45を通して見えることとなる。
【0032】
以上のように構成されたボンディング装置100の動作について説明する。ボンディング装置100が始動すると、光透過性のテープ45は図示しないテープ送り機構によってリード46がボンディングステージ24の上に来る所定の位置まで送られる。テープ45が所定の位置まで送られると、ボンディングステージ24の吸着面27がテープ45の裏面に密着する位置まで上昇し、真空孔26を真空にしてテープ45をボンディングステージ24に吸着させ、テープ45を加熱する。
【0033】
そして、ボンディングヘッド11をXY方向に移動させてボンディングツール12先端に吸着した半導体チップ41の電極42の位置とリード46の位置との位置合わせを図示しない上下2視野カメラで検出を行い、半導体チップ41の位置がボンディング位置となるように位置合わせする。
【0034】
位置合わせが終わったら、ボンディングヘッド11に搭載されているZ方向モータを駆動してボンディングツール12をテープ45の表面45aに向かって降下させ、ボンディングツール12先端の吸着面16に吸着され、加熱されている半導体チップ41の電極42をテープ45のリード46に押し付けて、熱と圧力によって電極42とリード46とを接合する。
【0035】
ボンディング動作が終了したら、ボンディングツール12を上昇させ、ボンディングステージ24を下降させる。そして、図示しないテープ送り機構によって次のリード46がボンディングステージ24の上に来るまでテープ45を図1の矢印aの方向に送り、次のボンディングを行う。そして、ボンディングが終了したリード46の部分は順次矢印aの方向に送られていく。
【0036】
そして、テープ45に半導体チップ41がボンディングされた部分がカメラ31の上まで送られてくると、制御部60は、カメラ31に取り付けられているLED32を発光させてテープ45の裏面45bを照明し、その視野の中に図3に示したような画像を取得する。そして、次に述べるような方法でリード46のリードエッジ46a,46bと電極42の電極エッジ42a,42bとを取得する。
【0037】
制御部60は、図4のステップS101及び図3に示すように、画像の中からリード46の画像を含み、電極42の画像を含まない第1の範囲51を選択する。この選択は、テープ45の位置とリード46の配置からあらかじめ決められた位置としてもよい。また、光透過性のテープ45の裏面45b側からの照明でリード46と電極42と半導体チップ41の電極側の面の画像を取得するようにしていることから、半導体チップ41の無い領域は照明が反射せず、リード46の背景が黒い背景となっている。このため、リード46の背景が暗い部分を検索して第1の領域としてもよい。
【0038】
制御部60は第1の範囲51を選択したら、図4のステップS102に示すように、その範囲の画像データを、例えば二値処理して、リード46の一対のリードエッジ46a,46bを検出し、その位置をメモリ65に格納する。そして、制御部60は図4のステップS103及び図3に示すように、一対のリードエッジ46a,46bを含み、第1の範囲51よりもY方向が狭い範囲を第2の範囲52として設定する。そして、制御部60は、図4のステップS104及び図3に示すように、この第2の範囲52を電極42の方向に移動させ、例えば二値処理して、図4のステップS105に示すように、リード46のリードエッジ46a,46bに対して垂直方向に伸びる電極42の第1エッジ42cを検索する。電極42の幅Wはリード46の幅Wよりも大きく電極42の画像はリード46の画像の幅方向に張り出しているため、第1エッジ42cは必ずリード46の幅Wの範囲の外側に出現することとなることから、第1エッジ42cの検索の際に制御部60は、第2の範囲52のリード46が重なっている範囲のデータ処理を省略して第1エッジ42cの検索を行う。これにより第1エッジ42cを素早く検索することができる。第1エッジ42cを検出したら、制御部は第1エッジ42cの位置をメモリ65に格納する。
【0039】
制御部60は、図4のステップS106に示すように、同じ方向に向かって更に第2の範囲52を移動させ、第1エッジ42cの検出と同様の方法で電極42の第1エッジ42cに対向する第2エッジ42dを検出する。そして、第2エッジ42dを検出したら、その位置をメモリ65に格納する。そして、制御部60は、図4のステップS107に示すように、同じ方向に向かって更に第2の範囲を移動させ、リードエッジ46a,46bの間の領域のみの画像データの処理を行いながらリード46の端エッジ46cを検出する。データの処理は二値処理などによって行う。端エッジ46cを検出したら、制御部60は端エッジ46cの位置をメモリ65に格納する。
【0040】
制御部60は、メモリ65に格納した第1エッジ42cと第2エッジ42dの位置を読み出して、図4のステップS108に示すように、スキャン範囲42e,42fの設定を行う。スキャン範囲42e,42fは、電極の第1エッジ42cのY方向の延長線53と第2エッジ42dのY方向の延長線54とのX方向距離Lの間で、二本のリードエッジ46a,46bの外側に向かう範囲であって、図3に斜線で示した電極42の画像がリード46の画像と重なっていない範囲である。制御部60はスキャン範囲42e,42fを設定したら、図4のステップS109に示すようにリードエッジ46a,46bからリード46の幅方向外側に向かって図3に示す矢印の方向にスキャン範囲42e,42fの画像のスキャンを開始する。そして、図4のステップS110に示すように、エッジ検出を行うことによってリード46の伸びる方向と同じ方向に伸びる電極エッジ42a,42bの検出を行う。制御部60は、図4のステップS111に示すように、二本の電極エッジ42a,42bが検出できたら、スキャンを停止し、二本の電極エッジ42a,42bの位置をメモリ65に格納する。
【0041】
制御部60は、図4のステップS112に示すように、電極エッジ42a,42bの位置とリードエッジ46a,46bの位置をメモリ65から読み出し、それぞれ隣接する電極エッジ42aとリードエッジ46aとのリード46の伸びる方向と直角方向(Y方向)の距離Aと電極エッジ42bとリードエッジ46bとの距離Bとを計算する。そして、距離Aと距離Bとの差の半分を電極42とリード46との位置ずれ量としてメモリ65に格納する。
【0042】
制御部60は、図4のステップS113に示す様に、取得したずれ量に例えば1/2などの係数を掛けて補正量を計算する。そして、図4のステップS114に示すように、この補正量だけリード46の伸びる方向と直角方向(Y方向)のボンディング位置を補正する。ボンディング位置の補正は、本実施形態で説明したように、オフセットしてボンディングヘッド11に固定された他のカメラによって撮像した画像を処理してボンディング位置を合わせている場合には、他のカメラの中心とボンディング位置とのオフセット量を補正量だけ変更することによってボンディングツール12の位置を移動させて行ってもよい。また、ボンディング位置の座標を直接補正して補正座標にボンディングツール12の中心を移動させてボンディングする様にしても良い。
【0043】
以上説明した本実施形態は、電極42の各エッジ42a〜42dを検出する際に、画像データを処理する範囲を限定していることから、画像処理の速度を高めることができる。このため、図1に示すように、ある半導体チップ41のボディングのためにテープ45がボンディングステージ24に固定されている時間内に既にボンディングされた電極42とリード46との位置ずれに基づいてボンディング位置の補正量の計算をすることができるので、ボンディング動作を停止することなく電極42とリード46との接合状態を検出、監視してボンディング位置を補正することができる。これにより、ボンディング装置100の稼動効率を低下させることなくボンディング品質を向上させることができる。
【0044】
また、制御部60は電極42とリード46とのずれ量を1つの半導体チップ41について複数個所において算出、その平均値に係数を掛けて補正量を計算してもよいし、ずれ量を複数の半導体チップ41について計算してその値をメモリ65に格納し、所定の回数のボンディングを行った後にその平均値を計算し、その平均ずれ量に係数を掛けてボンディング位置の補正を行うようにしてもよい。
【0045】
例えば、図5に示すように、先に説明した実施形態と同様に電極42とリード46のずれ量を算出してメモリ65に格納し、所定のボンディング回数毎にボンディング位置の補正を行うようにしてもよい。ボンディング装置100はボンディングツール12やボンディングステージ24にヒータ14,25を備えているため、ボンディング装置100の始動後に各部の熱変形によって時間と共に電極42とリード46のずれ量が大きくなってくる。そこで、始動後にボンディング回数がnからnの各回数に達した際に、ボンディング位置の補正を行うようにしてボンディング位置の安定性を高めるようにしたものである。なお、図5において一点鎖線は補正が無かった場合の電極とリードとのずれ量の変化を示すものである。
【0046】
ボンディング回数がnからnの各回数は経験や機械の特性によって自由に定めることができ、例えば、nが50回、nが100回などとしてもよい。また、各回の補正においては、先に説明したように、ずれ量dからdの半分を補正するようにし、第6回目の補正のようにずれ量dがある程度以上少なくなった場合には、係数を1として全量を補正する。なお、6回の累積補正量Dは補正がなかった場合の電極とリードとのずれ量に等しくなる。また、所定のボンディング動作毎に補正をするのではなく、所定の経過時間毎に補正を行うようにしてもよい。
【0047】
また、図6に示すように、ボンディング装置100が停止した後、所定の時間内に各回の補正量を累積した累積補正量Dと同じ量だけ逆方向にボンディング位置を補正し、例えば、オフセット量を初期値に戻し、次の始動の際に電極42とリード46とのずれができるだけ少なくなるようにしてもよい。図6に示すように、このボンディング位置を初期位置に戻す動作はボンディング装置100の冷却時間に合わせて徐々に行う。例えば、ボンディング装置100に温度計を取り付け、その温度の低下に同調させてボンディング位置の補正量を初期位置に戻すようにしてもよい。この様にすることによって、ボンディング装置100の始動初期における電極42とリード46との位置ずれ量を低減し、ボンディング品質を向上させることができる。
【0048】
図7、図8を参照しながら他の実施形態について説明する。図1から図4を参照して説明した実施形態と同様の部分には同様の符号を付して説明は省略する。
【0049】
制御部60は、図8のステップS201及び図7に示すように、画像の中からリード46の画像を含み、電極42の画像を含まない第1の範囲55を選択する。この選択は、先に説明した実施形態と同様、テープ45の位置とリード46の配置からあらかじめ決められた位置としてもよいし、リード46の背景が暗い部分を検索して第1の領域としてもよい。
【0050】
制御部60は第1の範囲55を選択したら、図8のステップS202に示すように、その範囲をスキャンし、スキャンした画像を、例えば二値処理して、リード46の一対のリードエッジ46a,46bを検出し、そのY方向位置をメモリ65に格納する。スキャンは半導体チップ41の外側から半導体チップ41に向って、図7の紙面右側から左側に向って行う。
【0051】
次に、制御部60は、図8のステップS203及び図7に示すように、一対のリードエッジ46a,46bを含み、第1の範囲55よりも領域が狭い第2の範囲56を設定する。第2の範囲56は一対のリードエッジ46a,46bをその領域に含み、第1の範囲55よりもX方向、Y方向の長さが短く、その位置は、第1の範囲55からX方向に所定の距離だけ離れた位置で、そのX方向の各辺が一対のリードエッジ46a,46bに平行となっている位置である。ここで、所定の距離は、半導体チップ41の外周から電極42までのX方向長さでも良い。また、第2の範囲56のY方向の長さは、少なくとも電極42のY方向長さよりも長く設定する。
【0052】
次に、制御部60は、図8のステップS204に示すように、第2の範囲56の領域の粗スキャンを行い、その画像データを二値処理して、図8のステップS205に示すように、電極42が含まれているかどうかを確認する。この粗スキャンは、例えば、カメラ31の撮像素子の数個から数十個のピクセルを1つのグループとして画像処理を行うこととしてもよい。そして、二値処理は各グループで行い、隣接するグループの間に濃淡の差から電極42の概略の外周形状を認識し、その概略位置を特定する。なお、この際に電極42の内側に更に電極が存在しないことを確認する。
【0053】
制御部60は、第2の範囲56の中に電極42が含まれていると判断したら、図8のステップS206に示すように、図7に示す電極42のY方向の辺の周辺の幅Wの領域を密スキャンする。密スキャンは、カメラ31の撮像素子の各ピクセルの濃淡の程度を検出し、ピクセル単位で電極42のY方向のエッジ42a,42bを検出する。制御部60は、図8のステップS207に示すように、二本の電極エッジ42a,42bが検出できたら、図8のステップS208に示すように、スキャンを停止し、二本の電極エッジ42a,42bのY方向の位置をメモリ65に格納する。なお、密スキャンは、電極42のY方向の辺の周辺の幅Wの領域に限らず、第2の範囲56全体を密スキャンしてもよい。
【0054】
制御部60は、図8のステップS209に示すように、電極エッジ42a,42bのY方向の位置とリードエッジ46a,46bのY方向の位置をメモリ65から読み出し、それぞれ隣接する電極エッジ42aとリードエッジ46aとのリード46の伸びる方向と直角方向(Y方向)の距離Aと電極エッジ42bとリードエッジ46bとの距離Bとを計算する。そして、距離Aと距離Bとの差の半分を電極42とリード46とのY方向の位置ずれ量としてメモリ65に格納する。
【0055】
制御部60は、図8のステップS210に示す様に、取得したY方向のずれ量に例えば1/2などの係数を掛けて補正量を計算する。そして、図8のステップS211に示すように、この補正量だけリード46の伸びる方向と直角方向(Y方向)のボンディング位置を補正する。ボンディング位置の補正は、先に説明した実施形態と同様、他のカメラの中心とボンディング位置とのオフセット量を補正量だけ変更することによってボンディングツール12の位置を移動させて行ってもよい。また、ボンディング位置の座標を直接補正して補正座標にボンディングツール12の中心を移動させてボンディングする様にしてもよい。
【0056】
以上説明した本実施形態は、先に説明した実施形態と同様、ボンディング装置100の稼動効率を低下させることなくボンディング品質を向上させることができる。
【符号の説明】
【0057】
10 フレーム、11 ボンディングヘッド、12 ボンディングツール、14,25 ヒータ、15,26 真空孔、16,27 吸着面、21 基盤、22 断熱材、23 ベース、24 ボンディングステージ、31 カメラ、32 LED、33 アーム、41 半導体チップ、42 電極、42a,42b 電極エッジ、42c 第1エッジ、42d 第2エッジ、42e,42f スキャン範囲、45 テープ、45a 表面、45b 裏面、46 リード、46a,46b リードエッジ、46c 端エッジ、48 孔、51,55 第1の範囲、52,56 第2の範囲、60 制御部、61 CPU、62 ボンディングヘッドインターフェース、63 ボンディングステージインターフェース、64 カメラインターフェース、65 メモリ、100 ボンディング装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボンディング位置で一方の面に帯状のリードが形成された光透過性のテープの上に半導体チップをボンディングし、その幅がリードの幅より広くその長さがリードの長さよりも短い半導体チップの電極をリードに接合するボンディング装置であって、
テープの一方の面に沿ってボンディングツールを移動させるボンディングヘッドと、
テープの他方の面の側に配置され、テープを透かしてリードとそのリードに接合された電極との画像を取得するカメラと、
ボンディングヘッドを動作させてボンディングツールの位置を制御する制御部と、を含み、
制御部は、
カメラによって取得した画像を処理してリードのリードエッジとそのリードに接合された電極の電極エッジとを検出するエッジ検出手段と、
エッジ検出手段によって検出した各エッジの相対位置に応じてボンディング位置を補正する補正手段と、
を有することを特徴とするボンディング装置。
【請求項2】
請求項1に記載のボンディング装置であって、
補正手段は、
ボンディング装置の始動から所定回数のボンディング動作毎および/または所定の時間毎にボンディング位置の補正を行い、ボンディング装置の停止後、ボンディング位置を初期設定位置に戻すこと、
を特徴とするボンディング装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のボンディング装置であって、
エッジ検出手段は、
リードとそのリードに接合された電極との画像の中からリードのみが含まれている第1の範囲を選択し、第1の範囲の画像データを処理して各リードの長手方向に伸びる一対のリードエッジを検出するステップと、
その範囲の中に検出した一対のリードエッジを含む第2の範囲を選択し、各リードエッジの伸びる方向に沿って第2の範囲を電極の方向に移動させ、各リードエッジの伸びる方向と交差する方向に伸びる電極の第1エッジと第1エッジよりも第2の範囲の移動方向側でリードエッジの伸びる方向と交差する方向に伸びる電極の第2エッジとを検出するステップと、
電極の第1エッジと第2エッジとの範囲内で一対のリードエッジからリードの幅方向の両外側に向かって画像をスキャンして、各リードエッジの伸びる方向に沿って伸びる一対の電極エッジを検出するステップと、を含み、
補正手段は、
各リードエッジに隣接する各電極エッジとの間の各間隔を検出するステップと、
各間隔の差に基づいてリードの伸びる方向と交差する方向に沿った電極とリードとの位置ずれ量を算出するステップと、
算出したずれ量に基づいてボンディング位置を補正するステップと、を含むこと、
を特徴とするボンディング装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載のボンディング装置であって、
エッジ検出手段は、
リードとそのリードに接合された電極との画像の中からリードのみが含まれている第1の範囲を選択し、第1の範囲の画像データを処理して各リードの長手方向に伸びる一対のリードエッジを検出するステップと、
一対のリードエッジをその領域に含み、第1の範囲よりも領域が狭い第2の範囲を設定するステップと、
第2の範囲の画像を粗スキャンして各リードエッジの伸びる方向に沿って伸びる一の電極を検出するステップと、
検出した一の電極の周縁部を密スキャンして該電極の一対の電極エッジを検出するステップと、を含み、
補正手段は、
各リードエッジに隣接する各電極エッジとの間の各間隔を検出するステップと、
各間隔の差に基づいてリードの伸びる方向と交差する方向に沿った電極とリードとの位置ずれ量を算出するステップと、
算出したずれ量に基づいてボンディング位置を補正するステップと、を含むこと、
を特徴とするボンディング装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載のボンディング装置であって、
補正手段は、
電極とリードとの位置ずれ量を複数回算出し、その平均ずれ量に係数を掛けて補正量を算出し、その補正量だけボンディング位置を補正すること、
を特徴とするボンディング装置。
【請求項6】
ボンディング位置で一方の面に帯状のリードが形成された光透過性のテープの上に半導体チップをボンディングし、その幅がリードの幅より広くその長さがリードの長さよりも短い半導体チップの電極をリードに接合する際のボンディング位置を補正する方法であって、
テープの他方の面の側に配置されたカメラによってテープを透かしてリードとそのリードに接合された電極との画像を取得し、取得した画像を処理してリードのリードエッジとそのリードに接合された電極の電極エッジとを検出するエッジ検出工程と、
ボンディングヘッドによってエッジ検出工程で検出した各エッジの相対位置に応じてテープの一方の面に沿ってボンディングツールを移動させ、ボンディング位置を補正する補正工程と、
を有することを特徴とするボンディング位置を補正する方法。
【請求項7】
請求項6に記載のボンディング位置を補正する方法であって、
補正工程は、
ボンディング装置の始動から所定回数のボンディング動作毎および/または所定の時間毎にボンディング位置の補正を行い、ボンディング装置の停止後、ボンディング位置を初期設定位置に戻すこと、
を特徴とするボンディング位置を補正する方法。
【請求項8】
請求項6または7に記載のボンディング位置を補正する方法であって、
エッジ検出工程は、
リードとそのリードに接合された電極との画像の中からリードのみが含まれている第1の範囲を選択し、第1の範囲の画像データを処理して各リードの長手方向に伸びる一対のリードエッジを検出するステップと、
その範囲の中に検出した一対のリードエッジを含む第2の範囲を選択し、各リードエッジの伸びる方向に沿って第2の範囲を電極の方向に移動させ、各リードエッジの伸びる方向と交差する方向に伸びる電極の第1エッジと第1エッジよりも第2の範囲の移動方向側でリードエッジの伸びる方向と交差する方向に伸びる電極の第2エッジとを検出するステップと、
電極の第1エッジと第2エッジとの範囲内で一対のリードエッジからリードの幅方向の両外側に向かって画像をスキャンして、各リードエッジの伸びる方向に沿って伸びる一対の電極エッジを検出するステップと、を含み、
補正工程は、
各リードエッジに隣接する各電極エッジとの間の各間隔を検出するステップと、
各間隔の差に基づいてリードの伸びる方向と交差する方向に沿った電極とリードとの位置ずれ量を複数回算出し、その平均ずれ量に係数を掛けて補正量を算出し、その補正量だけボンディング位置を補正するステップと、を含むこと、
を特徴とするボンディング位置を補正する方法。
【請求項9】
請求項6または7に記載のボンディング位置を補正する方法であって、
エッジ検出工程は、
リードとそのリードに接合された電極との画像の中からリードのみが含まれている第1の範囲を選択し、第1の範囲の画像データを処理して各リードの長手方向に伸びる一対のリードエッジを検出するステップと、
一対のリードエッジをその領域に含み、第1の範囲よりも領域が狭い第2の範囲を設定するステップと、
第2の範囲の画像を粗スキャンして各リードエッジの伸びる方向に沿って伸びる一の電極を検出するステップと、
検出した一の電極の周縁部を密スキャンして該電極の一対の電極エッジを検出するステップと、を含み、
補正工程は、
各リードエッジに隣接する各電極エッジとの間の各間隔を検出するステップと、
各間隔の差に基づいてリードの伸びる方向と交差する方向に沿った電極とリードとの位置ずれ量を算出するステップと、
算出したずれ量に基づいてボンディング位置を補正するステップと、を含むこと、
を特徴とするボンディング装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−18697(P2011−18697A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−160962(P2009−160962)
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【出願人】(000146722)株式会社新川 (128)
【Fターム(参考)】