説明

ボンネット構造

【課題】吸気管及び排気サイレンサを含むエンジンユニット及びエンジンユニットを覆うボンネットを車輌幅方向に関し小型化させつつ、運転者の前方視界性を向上させ得るボンネット構造を提供する。
【解決手段】吸気管10及び排気サイレンサ15は、エンジン3の上方において車輌幅方向一方側及び他方側に振り分け配置されている。吸気管10は、シュラウド8の上方においてシュラウド8を挟んで車輌前後方向に延びている。ボンネット5の上面は、吸気管10及び排気サイレンサ15とそれぞれ対向する車輌幅方向一方側領域5R及び車輌幅方向他方側領域5Lにおいては車輌幅方向中央が最も上方に位置するような基準湾曲形状BCに沿っており、車輌幅方向中央領域5Cにおいては前記基準湾曲形状BCより下方へ凹まされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輌前方から後方へ順に配設されたラジエター、冷却ファン及びエンジンと、前記冷却ファンを囲繞するシュラウドと、前記シュラウドより前方側に配設されたエアクリーナと、一端部が前記エアクリーナに接続され且つ他端部が前記エンジンの吸気口に接続される吸気管と、一端部が前記エンジンの排気口に接続される排気サイレンサと、これらの部材を閉塞する閉位置及び開放する開位置をとり得るように車輌幅方向に沿った回動軸回り回動可能とされたボンネットとを備えた作業車輌に適用されるボンネット構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車輌前方から後方へ順に配設されたラジエター、冷却ファン及びエンジンと、前記冷却ファンを囲繞するシュラウドと、前記シュラウドより前方側に配設されたエアクリーナと、一端部が前記エアクリーナに接続され且つ他端部が前記エンジンの吸気口に接続される吸気管と、一端部が前記エンジンの排気口に接続される排気サイレンサとが車輌幅方向に沿った回動軸回り回動可能とされたボンネットによって開閉可能に覆われてなるボンネット構造が提案されている(下記特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、前記特許文献1に記載の従来のボンネット構造は、下記点において改善の余地があった。
即ち、前記従来のボンネット構造においては、前記吸気管が前記シュラウドの側方を通って車輌前後方向に延びており、従って、前記吸気管及び前記排気サイレンサを含むエンジンユニット及び前記エンジンユニットを覆う前記ボンネットが車輌幅方向に関し大型化するという問題があった。
【0004】
さらに、前記従来のボンネット構造においては、前記ボンネットの上面は、車輌幅方向中央が最も上方に位置するような湾曲形状とされており、従って、前記ボンネットの後方に配置される運転席からの前方視界性の点でも問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2756344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、斯かる従来技術に鑑みなされたものであり、車輌前方から後方へ順に配設されたラジエター、冷却ファン及びエンジンと、前記冷却ファンを囲繞するシュラウドと、前記シュラウドより前方側に配設されたエアクリーナと、一端部が前記エアクリーナに接続され且つ他端部が前記エンジンの吸気口に接続される吸気管と、一端部が前記エンジンの排気口に接続される排気サイレンサと、これらの部材を閉塞する閉位置及び開放する開位置をとり得るように車輌幅方向に沿った回動軸回り回動可能とされたボンネットとを備えた作業車輌に適用されるボンネット構造であって、前記吸気管及び前記排気サイレンサを含むエンジンユニット及び前記エンジンユニットを覆う前記ボンネットを車輌幅方向に関し小型化させつつ、運転者の前方視界性を向上させ得るボンネット構造の提供を一の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明に係るボンネット構造は、車輌前方から後方へ順に配設されたラジエター、冷却ファン及びエンジンと、前記冷却ファンを囲繞するシュラウドと、前記シュラウドより前方側に配設されたエアクリーナと、一端部が前記エアクリーナに接続され且つ他端部が前記エンジンの吸気口に接続される吸気管と、一端部が前記エンジンの排気口に接続される排気サイレンサと、これらの部材を閉塞する閉位置及び開放する開位置をとり得るように車輌幅方向に沿った回動軸回り回動可能とされたボンネットとを備えた作業車輌に適用されるボンネット構造であって、前記吸気管及び前記排気サイレンサは、前記エンジンの上方において車輌幅方向一方側及び他方側に振り分け配置され、前記吸気管は、前記シュラウドの上方において前記シュラウドを挟んで車輌前後方向に延びており、前記ボンネットの上面は、前記吸気管及び前記排気サイレンサとそれぞれ対向する車輌幅方向一方側領域及び車輌幅方向他方側領域においては車輌幅方向中央が最も上方に位置するような基準湾曲形状に沿っており、且つ、車輌幅方向中央領域においては前記基準湾曲形状より下方へ凹まされているように構成される。
【0008】
好ましくは、前記ボンネットには、内周面のうち前記シュラウドと対向する部分に弾性シール部材が設けられ、前記シュラウドの上面は、車輌幅方向一方側に位置する領域に他の部分に比して下方へ凹まされた凹部であって、車輌幅方向中央領域の車輌幅方向一方側から下方へ延びる垂直面と前記垂直面の下端部から車輌幅方向一方側へ延びる水平面とによって画される凹部を有しており、前記吸気管は、前記シュラウドの上面に形成された前記凹部を介して前記シュラウドを挟んで車輌前後方向に延びており、前記吸気管のうち前記凹部に位置される部分の上面は、車輌幅方向外方へ行くに従って下方に位置するように傾斜されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るボンネット構造によれば、前記吸気管及び前記排気サイレンサが前記エンジンの上方において車輌幅方向一方側及び他方側に振り分け配置され、しかも前記吸気管が前記シュラウドの上方に位置されるため、吸気管がシュラウドの側方を通る従来構成に比べ、前記ボンネットを車輌幅方向に関して小型化させることができる。
さらに、前記ボンネットの上面は、前記吸気管及び前記排気サイレンサとそれぞれ対向する車輌幅方向一方側領域及び車輌幅方向他方側領域においては車輌幅方向中央が最も上方に位置するような基準湾曲形状に沿っており、且つ、車輌幅方向中央領域においては前記基準湾曲形状より下方へ凹まされているため、前記エンジンの上方において前記吸気管及び前記排気サイレンサが配置された構成においても、前記ボンネットの上面の高さを可及的に低く抑えることができる。
従って、前記吸気管及び前記排気サイレンサを含むエンジンユニット及び前記エンジンユニットを覆う前記ボンネットを車輌幅方向に関し小型化させつつ、運転者の前方視界性を向上させることができる。
【0010】
また、前記ボンネットに、内周面のうち前記シュラウドと対向する部分に弾性シール部材が設けられ、前記シュラウドの上面に、車輌幅方向一方側に位置する領域に他の部分に比して下方へ凹まされた凹部であって、車輌幅方向中央領域の車輌幅方向一方側から下方へ延びる垂直面と前記垂直面の下端部から車輌幅方向一方側へ延びる水平面とによって画される凹部が設けられ、前記吸気管が、前記シュラウドの上面に形成された前記凹部を介して前記シュラウドを挟んで車輌前後方向に延びており、前記吸気管のうち前記凹部に位置される部分の上面が、車輌幅方向外方へ行くに従って下方に位置するように傾斜されている場合には、前記ボンネットを開位置に位置させた状態においては、前記エンジンを車輌本機に搭載させたままで前記吸気管と前記エアクリーナとの接続作業及び接続解除作業を容易に行うことができる。さらに、前記ボンネットを閉位置に位置させた状態においては、前記弾性シール部材によって前記吸気管が前記垂直面及び前記水平面へ向けて押圧される。従って、前記ボンネットを閉位置に位置させた状態での前記吸気管の支持安定化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態に係るボンネット構造が適用された作業車輌の左側面図である。
【図2】図2は、図1に示す前記作業車輌におけるボンネットの内部を示す左側面図である。
【図3】図3は、前記ボンネットの内部を示す平面図である。
【図4】図4は、前記ボンネットを開位置に位置させた状態の前記作業車輌の左側面図である。
【図5】図5は、前記作業車輌におけるシュラウドより前方側において前記ボンネットを縦断した断面図である。
【図6】図6は、前記作業車輌における冷却ファン,シュラウド,吸気管及びエンジンを含むアッセンブリの斜視図である。
【図7】図7は、図6に示す前記アッセンブリから前記吸気管を削除した状態の正面図である。
【図8】図8は、前記ボンネットの斜視図であって、前記ボンネット5の一方側の側板を取り外した状態の斜視図である。
【図9】図9は、前記ボンネットの横断斜視図である。
【図10】図10は、図9から第1弾性シール部材を取り外した状態の前記ボンネットの横断斜視図である。
【図11】図11は、前記ボンネットが閉位置に位置された状態におけるシュラウド側フランジ及びボンネット側フランジ近傍の拡大横断面図である。
【図12】図12は、図6に示す前記アッセンブリの側面図である。
【図13】図13は、前記シュラウドの部分横断平面図である。
【図14】図14は、図9におけるXIV部の横断平面図である。
【図15】図15に、前記ボンネット及び支持プレートの当接部近傍の部分縦断側面図である。
【図16】図16は、図9におけるXVI部の縦断側面図である。
【図17】図17は、前記第1弾性シール部材の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係るボンネット構造の好ましい実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1に、本発明の一実施の形態に係るボンネット構造が適用された作業車輌1の左側面図を示す。
図1に示すように、前記作業車輌1は、作業機が付設可能とされたトラクタとされている。
前記作業車輌1は、図1に示すように、機体フレーム2と、前記機体フレーム2に支持されるエンジン3と、前記エンジン3によって駆動される左右一対の走行装置4と、前記エンジン3を囲繞するボンネット5とを有している。
【0013】
図2及び図3に、前記作業車輌1における前記ボンネット5の内部を示す左側面図及び平面図を示す。また、図4に、前記作業車輌1における前記ボンネット5を開位置に位置させた状態の左側面図を示す。
前記ボンネット5内において、前記エンジン3の前方には、図2から図4に示すように、車輌前方から後方へ順にラジエター6及び冷却ファン7が配設されている。
本実施の形態において、前記冷却ファン7は、車輌前後方向に沿った回転軸71回りに駆動される。
【0014】
前記作業車輌1は、前記冷却ファン7を囲繞するシュラウド8を有している。
さらに、前記作業車輌1は、前記シュラウド8より前方側に配設されたエアクリーナ9と、一端部が前記エアクリーナ9に接続され且つ他端部が前記エンジン3の吸気口に接続される吸気管10と、一端部が前記エンジン3の排気口に接続される排気サイレンサ15とを有している。
【0015】
また、前記エンジン3の後方には、図1から図4に示すように、運転席(図示せず)が配置される運転席設置空間11が設けられている。前記運転席設置空間11と前記エンジン3とは、エアカットプレート12によって分離されている。前記エアカットプレート12の前記運転席設置空間11側には、操作部材や計器盤(図示せず)が取り付けられるダッシュボード12aが設けられている。
前記ボンネット5は、前記エアカットプレート12より前方に配置されている。
前記ボンネット5は、後端側且つ上端側において車輌幅方向に沿った回動軸51(図1及び図4参照)回り回動可能に支持されている。
即ち、前記ボンネット5は、前記回動軸51(図2参照)回りに、前記ラジエター6、前記エアクリーナ9、前記シュラウド8、前記冷却ファン7及び前記エンジン3を囲繞する閉位置(図1参照)と、これらを開放する開位置(図4参照)とをとり得る。
【0016】
図5に、前記シュラウド8より前方側において前記ボンネット5を縦断した断面図を示す。
本実施の形態においては、前記吸気管10及び前記排気サイレンサ15は、図3及び図5に示すように、前記エンジン3の上方において車輌幅方向一方側及び他方側に振り分け配置されている。
詳しくは、前記吸気管10は、図3及び図5に示すように、前記シュラウド8を挟んで車輌前後方向に延びるように、前記シュラウド8の上方を通過している。即ち、前記シュラウドは、一端側及び他端側がそれぞれ前記シュラウド8より車輌前後方向一方側X1及び他方側X2に位置するように、前記シュラウド8の上方において車輌前後方向に延びている。
【0017】
前記ボンネット5の上面は、図5に示すように、前記吸気管10及び前記排気サイレンサ15とそれぞれ対向する車輌幅方向一方側領域5R及び車輌幅方向他方側領域5Lにおいては車輌幅方向中央が最も上方に位置するような基準湾曲形状BCに沿っており、且つ、車輌幅方向中央領域5Cにおいては前記基準湾曲形状BCより下方へ凹まされている。
【0018】
上記構成のボンネット構造によれば、前記吸気管10及び前記排気サイレンサ15が前記エンジン3の上方において車輌幅方向一方側及び他方側に振り分け配置され、しかも前記吸気管10が前記シュラウド8の上方に位置されるため、吸気管がシュラウドの側方を通る従来構成に比べ、前記ボンネット5を車輌幅方向に関して小型化させることができる。
さらに、前記ボンネット5の上面は、前記吸気管10及び前記排気サイレンサ15とそれぞれ対向する車輌幅方向一方側領域5R及び車輌幅方向他方側領域5Lにおいては車輌幅方向中央が最も上方に位置するような基準湾曲形状BCに沿っており、且つ、車輌幅方向中央領域5Cにおいては前記基準湾曲形状BCより下方へ凹まされているため、前記エンジン3の上方に前記吸気管10及び前記排気サイレンサ15が配置されているにも拘わらず、前記ボンネット5の車輌幅方向中央領域5Cの高さを可及的に低く抑えることができる。
従って、前記吸気管10及び前記排気サイレンサ15を含むエンジンユニット並びに前記エンジンユニットを覆う前記ボンネット5を車輌幅方向に関し小型化させつつ、運転者の前方視界性を向上させることができる。
【0019】
なお、本実施の形態においては、前記ボンネット5の車輌幅方向中央領域5Cは、図5に示すように、前記基準湾曲形状BCと略同じ曲率を有し且つ下方へ変位されている。
斯かる構成によれば、運転者の前方視界性を向上させつつ、前記ボンネット5の美観性を向上させることができる。
また、本実施の形態においては、前記吸気管10が車輌幅方向一方側(進行方向右側)に配置され、且つ、前記排気サイレンサ15が車輌幅方向他方側(進行方向左側)に配置されている。ただし、前記排気サイレンサ15が車輌幅方向一方側に配置され、且つ、前記吸気管10が車輌幅方向他方側に配置されることとしてもよい。この際、前記シュラウド8の凹部850は、車輌幅方向他方側に形成される。
【0020】
本実施の形態においては、図5に示すように、前記吸気管10は前記シュラウド8の上面に形成された凹部内に配置された状態で、前記シュラウド8を挟んで車輌前後方向に延びている。
即ち、前記シュラウド8の上面は、車輌幅方向一方側に位置する領域が他の部分に比して下方へ凹まされた凹部850を形成するように構成されている。
そして、前記吸気管10は、前記凹部850内に位置された状態で前記シュラウド8を挟んで車輌前後方向に延びている。
斯かる構成によれば、前記シュラウド8の上方に前記吸気管10を配設することで前記ボンネット5を車輌幅方向に関し小型化させつつ、前記ボンネット5を開位置に位置させることで前記エンジン3を車輌本機に搭載させたままの状態で前記吸気管10と前記エアクリーナ9との接続作業及び接続解除作業を容易に行うことができる。
【0021】
図5に示すように、前記ボンネット5には、内周面のうち前記シュラウド8の上面と対向する部分に第2弾性シール部材54が設けられている。前記第2弾性シール部材54は、前記シュラウド8の上面と前記ボンネット5の内周面との間の隙間を可及的に埋めて、前記シュラウド8の車輌前後方向一方側及び他方側の間のシール性を向上させるものである。
【0022】
本実施の形態においては、前記第2弾性シール部材54を利用して前記吸気管10の支持安定化を図る為に下記構成を採用している。
図6に、前記冷却ファン7,前記シュラウド8,前記吸気管10及び前記エンジン3等を含むアッセンブリの斜視図を示す。
又、図7に、前記アッセンブリから前記吸気管10を取り除いた状態の正面図を示す。
【0023】
前述の通り、前記吸気管10は前記凹部850内に位置された状態で前記シュラウド8の上方を車輌前後方向に通過している。
従って、前記第2弾性シール部材54は、前記シュラウド8の上面のうち前記凹部850以外の領域においては前記上面に直接的に当接し、且つ、前記凹部850においては前記吸気管10を介して前記上面に当接する。
【0024】
図5〜図7に示すように、前記凹部850は、前記ボンネット5の車輌幅方向中央領域5Cの車輌幅方向一方側から下方へ延びる垂直面851と前記垂直面851の下端部から車輌幅方向一方側へ延びる水平面852とによって画されている。
一方、図5に示すように、前記吸気管10のうち前記凹部850に位置される部分の上面は、車輌幅方向外方へ行くに従って下方に位置するように傾斜されている。
【0025】
斯かる構成によれば、前記第2弾性シール部材54によって前記シュラウド8と前記ボンネット5との間の隙間を可及的に埋めつつ、前記第2弾性シール部材54によって前記吸気管10が前記垂直面851及び前記水平面852へ向けて押圧されることになる。従って、前記ボンネット5を閉位置に位置させた状態での前記吸気管10の支持安定化を図ることができる。
【0026】
本実施の形態において、前記凹部850は、車輌前進方向を基準にして車輌幅方向右側に設けられている。
前記吸気管10のうち前記凹部850に位置される部分の前記垂直面851に対向する側面及び前記水平面852に対向する下面は、図5に示すように、前記シュラウド8における前記凹部850の形状に対応した形状に形成されている。
上記構成とすることにより、前記ボンネット5を閉位置に位置させた際に、前記ボンネット5に押圧された前記吸気管10が前記シュラウド8の前記凹部850に密接する。従って、前記凹部850におけるシール性を向上させ且つ前記吸気管10の振動を有効に防止することができる。
【0027】
前記第2弾性シール部材54の材料としては、例えば、ウレタン素材が使用可能である。あるいは、後述する第1弾性シール部材53と同様のシール部材を前記ボンネット5の内周面に設けたフランジを介して取り付けることとしてもよい。
【0028】
本実施の形態において、前記エンジン3の上方には、図3に示すように、機体幅方向に関して前記吸気管10と前記排気サイレンサ15との間にターボチャージャ19が設けられている。前記ターボチャージャ19は、前記エンジン3の排気口から排気管14を通じて導入される排気によって前記吸気管10を通じて導入される吸気を加速させた上で前記エンジン3の吸気口へ前記吸気を導入させるように構成されている。
【0029】
本実施の形態において、前記吸気管10は、図3及び図6に示すように、一端部が前記シュラウド8より車輌前後方向一方側X1に位置する前記エアクリーナ9に接続され且つ他端部が前記凹部850を通過して前記シュラウド8より車輌前後方向他方側X2へ延びるシュラウド通過部10aと、一端部が前記シュラウド通過部10aの他端部に接続され且つ他端部が前記ターボチャージャ19の吸気入口に接続される吸気導入部10bと、一端部が前記ターボチャージャ19の吸気出口に接続され且つ他端部が前記エンジン3の吸気口に接続される吸気加速部10cとを有している。
【0030】
前記排気管14は、前記エンジン3の排出口からの排気を前記ターボチャージャ19の排気入口に導入する排気導入部14aと、一端部が前記ターボチャージャ19の排気出口に接続され且つ他端部が前記排気サイレンサ15に接続される排気導通部14bと、一端部が前記排気サイレンサ15に接続され且つ他端部が前記ボンネット3下方の外部(より具体的には下記支持プレート13の下方且つ外方)に位置する排気排出部14cとを有している。
【0031】
ここで、前記シュラウド8の構成について詳述する。
図5〜図7に示すように、前記シュラウド8は、前記冷却ファン7を囲繞する開口81aが設けられたシュラウド本体81と、前記シュラウド本体81の両側面から車輌幅方向外方へ延在する左右一対のシュラウド側フランジ82と、前記一対のシュラウド側フランジ82の一方の上端部から前記シュラウド本体81の上端部を跨いで前記一対のシュラウド側フランジ82の他方の上端部へ至る上方フランジ85とを有している。
【0032】
前記上方フランジ85は、上方を向く上方当接面85aを有しており、前記上方当接面85aが前記シュラウド8の上面を形成している。
前記上方当接面85aは、前記シュラウド本体81に対応した中央領域85a(1)と、前記中央領域85a(1)の両側に位置する一対の側方領域85a(2)とを有している。
前記一対の側方領域85a(2)は、車輌幅方向外方へ行くに従って下方且つ前記シュラウド本体81の側面から離間するように構成されている。
【0033】
前記シュラウド側フランジ82は、図6及び図7に示すように、車輌前後方向に関し前記回動軸51(図2参照)とは反対側の車輌前後方向一方側X1(第1方向)を向く前後方向当接面82aを有している。
前記前後方向当接面82aは、前記ボンネット5が閉位置に位置された際に、前記ボンネット5の内周面に設けられた第1弾性シール部材53と当接する。
【0034】
図8に、前記ボンネット5の斜視図であって、前記ボンネット5の一方側の側板を取り外した状態の斜視図を示す。
図9に、前記ボンネット5の横断斜視図を示す。さらに、図10に、図9から前記第1弾性シール部材53を取り外した状態の斜視図を示す。
【0035】
図8〜図10に示すように、前記ボンネット5には、内周面から内方へ延在するボンネット側フランジ52が設けられ、前記ボンネット側フランジ52に前記第1弾性シール部材53が装着されている。
【0036】
図11に、前記ボンネット5が閉位置に位置された際の前記シュラウド側フランジ82及び前記ボンネット側フランジ52近傍の拡大横断面図を示す。
図11に示すように、前記ボンネット側フランジ52は、前記ボンネット5が閉位置に位置された際に前記シュラウド側フランジ82より車輌前後方向一方側X1(第1方向)の側に位置するように前記ボンネット5に設けられており、従って、前記ボンネット側フランジ52に装着された前記第1弾性シール部材53は、前記ボンネット5が前記回動軸51回りに開位置から閉位置へ回動される際に、前記前後方向当接面82aに前記第1方向の側から当接するようになっている。
【0037】
即ち、本実施の形態においては、前記ボンネット5が開位置から閉位置に回動される際に、前記第1弾性シール部材53は、車輌前後方向一方側X1(第1方向)の側から前記シュラウド側フランジ82に弾性変形状態で密着される。
斯かる構成によれば、前記第1弾性シール部材53によって前記シュラウド8と前記ボンネット5の側方部分との間のシールを行いつつ、前記ボンネット5の開閉動作の際に前記第1弾性シール部材53が擦れることを有効に防止することができる。従って、前記第1弾性シール部材53の磨耗を有効に防止することができるとともに、前記ボンネット5の開閉動作時に前記第1弾性シール部材53が前記ボンネット5から脱離するという不都合を有効に防止することができる。
本実施の形態において、前記第1弾性シール部材53は、ゴムやスポンジ等の弾性樹脂材料からなるひも状のいわゆるウェザーストリップである。詳細は後述する。
なお、本実施の形態においては、前記回動軸51は、図2に示すように、前記エンジン3より後方側に配置されている。従って、本実施の形態においては、車輌前方が前記第1方向となる。
【0038】
本実施の形態においては、前記第1弾性シール部材53は、前記ボンネット5と前記ラジエター6を支持する支持プレート13との間のシールも行うように構成されている。
即ち、図3及び図4に示すように、前記作業車輌1は、前記ラジエター6が載置されるように略水平方向に沿った前記支持プレート13であって、前記ボンネット5が閉位置に位置された際に前記ボンネット5によって略覆われる前記支持プレート13を有している。
なお、本実施の形態においては、前記シュラウド8も前記支持プレート13に支持されている。
【0039】
一方、前記ボンネット側フランジ52は、図10に示すように、前記一対のシュラウド側フランジ82に対応した一対のシュラウド対応領域521と、前記ボンネット5が閉位置に位置された際に前記支持プレート13と対向する支持プレート対応領域522とを含んでいる。
【0040】
前記第1弾性シール部材53は、図8及び図9に示すように、前記一対のシュラウド対応領域521に装着され、前記ボンネット5が閉位置に位置された際に前記前後方向当接面82aに当接される一対のシュラウド当接領域531と、前記支持プレート対応領域522に装着され、前記ボンネット5が開位置から閉位置へ回動される際に前記支持プレート13の上面に上方から当接される支持プレート当接領域532とを有している。
【0041】
上記構成によれば、前記ボンネット5と前記シュラウド8の側方との間をシールする前記第1弾性シール部材53を利用して、前記ボンネット5と前記支持プレート13との間をシールすることができる。従って、前記ボンネット5と前記支持プレート13との間から、藁等の不要物が吸い込まれることを有効に防止できる。
さらに、前記エンジン3の排気口から前記排気管14を介して外部に放出される排気が前記ボンネット5及び前記支持プレート13の間から入り込むことを防止することができ、これにより、前記ラジエター6及び前記冷却ファン7による冷却効率の低下をより有効に防止することができる。
【0042】
図12に、図6に示す前記アッセンブリンの側面図を示す。
図4,図6及び図12に示すように、前記シュラウド側フランジ82は、好ましくは、下方へ行くに従って前記第1方向の側(本実施の形態においては前方側)に位置するように傾斜され、前記ボンネット側フランジ52は、前記シュラウド側フランジ82に対応して傾斜されている。
斯かる構成によれば、前記ボンネット5が閉位置に位置された際に、前記第1弾性シール部材53と前記シュラウド側フランジ82とをより確実に当接させることができ、前記第1弾性シール部材53によるシール性を向上させることができる。
本実施の形態においては、前述の通り、前記ボンネット側フランジ52は、前記シュラウド対応領域521及び前記支持プレート対応領域522を含んでいる。従って、前記シュラウド対応領域521が前記シュラウド側フランジ82に対応して傾斜されている。
【0043】
好ましくは、図4,図6及び図12に示すように、前記シュラウド側フランジ82は、下端領域822における傾斜角が他の本体領域821における傾斜角よりも大きくなるように構成される。即ち、前記下端領域822が前記本体領域821よりも水平に近づくように構成され得る。
斯かる構成によれば、前記第1弾性シール部材53における前記シュラウド当接領域531及び前記支持プレート当接領域532間の境界部分に大きな負荷が掛かることを防止できる。
【0044】
図5〜図7及び図12に示すように、本実施の形態においては、前記シュラウド8は、前記シュラウド本体81の両側面から前記第1方向(本実施の形態においては車輌前方)へ延在する左右一対の補強フランジ83と、対応する前記シュラウド側フランジ82及び前記補強フランジ83の間を連結する第1方向側補強リブ83aとを有している。
【0045】
図13に、前記シュラウド8の部分横断平面図を示す。
図13に示すように、前記第1方向側補強リブ83aは、第1方向側の端部が第1方向へ行くに従って前記シュラウド本体81の側面に近接するような(即ち、車輌幅方向内方に位置するような)テーパ形状とされている。
斯かる構成によれば、前記シュラウド側フランジ82を補強する前記第1方向側補強リブ83aを、前記ボンネット5が開位置から閉位置に回動される際の前記第1弾性シール部材53のガイドとして作用させることができる。
【0046】
本実施の形態においては、図6,図11,図12及び図13に示すように、前記シュラウド8は、前記シュラウド本体81の両側から前記第1方向とは反対の車輌前後方向他方側X2(以下、適宜第2方向という、本実施の形態においては車輌後方)へ延びる左右一対の第2補強フランジ84と、対応する前記シュラウド側フランジ82及び前記第2補強フランジ84の間を連結する第2方向側補強リブ84aとを有している。
【0047】
上記構成によれば、前記第1方向側補強リブ83a及び前記第2方向側補強リブ84bにより前記シュラウド側フランジ82が機体前後方向両側から挟持されることになり、従って、前記シュラウド側フランジ82の強度を効果的に向上させることができる。
【0048】
なお、図13に示すように、前記第1方向側補強リブ83aにおける前記シュラウド側フランジ82に連結される側の端部は、前記シュラウド側フランジ82の車輌幅方向外端部よりも車輌幅方向内方側に位置しており(即ち、前記第1方向側補強リブ83aの高さは、前記シュラウド側フランジ82の幅よりも小さくされており)、前記シュラウド側フランジ81における第1方向側の前記前後方向当接面82aは十分に確保されている。
一方、前記第2方向側補強リブ84aにおける前記シュラウド側フランジ82に連結される側の端部は、前記第1方向側補強リブ83aにおける前記シュラウド側フランジ82に連結される側の端部より機体幅方向外方側に位置しており(即ち、前記第2方向側補強リブ84aは前記第1方向側補強リブ83aより高く設定されており)、これにより、前記シュラウド側フランジ82の強度を確保している。
【0049】
好ましくは、前記上方当接面85a及び前記前後方向当接面82aは、図7に示すように、上下方向に関しオーバーラップされる。
斯かる構成によれば、前記シュラウド8と前記ボンネット5との間の隙間を確実にシールすることができる。
【0050】
本実施の形態においては、前記第1弾性シール部材53は、前記ボンネット5が閉位置に位置された際に、車輌前後方向に弾性変形した状態で前記シュラウド側フランジ82に当接するように構成されている。
詳しくは、図11に示すように、前記ボンネット側フランジ52及び前記シュラウド側フランジ82は、前記ボンネット5が閉位置に位置された際に、車輌前後方向に沿った正面視においてオーバーラップするように構成されている。
一方、前記第1弾性シール部材53は、図11に示すように、前記ボンネット側フランジ53を弾性的に挟持する断面コの字状の装着部533と、前記ボンネット5が閉位置に位置された際に前記前後方向当接面82aに当接されるように前記装着部533から前記シュラウド側フランジ82へ向かって延びる当接部534とを備え、前記当接部534が車輌前後方向に弾性変形可能とされている。
上記構成によれば、前記ボンネット5が閉位置に位置された際に、前記第1弾性シール部材53と前記シュラウド側フランジ82とをより確実に当接させることができ、前記第1弾性シール部材53によるシール性を向上させることができる。
【0051】
図14に、図9におけるXIV部の横断平面図を示す。
図10及び図14に示すように、前記ボンネット側フランジ52の前記シュラウド対応領域521は、前記ボンネット5の内周面から内方へ延在するように前記ボンネット5に一体形成された第1フランジ523と、前記第1フランジ523と重合されるように前記ボンネット5の内周面に固着された第2フランジ524とを有している。
本実施の形態においては、前記第2フランジ524は前記ボンネット5の内周面にボルト等の締結部材525で固定されている。
前記第1弾性シール部材53は、前記装着部533が前記第1フランジ523及び前記第2フランジ524の双方を挟み込んだ状態で取り付けられている。
【0052】
図15に、前記ボンネット5及び前記支持プレート13の当接部近傍の部分縦断側面図を示す。
又、図16に、図9におけるXVI部の縦断側面図を示す。
図10,図15及び図16に示すように、前記ボンネット側フランジ52の前記支持プレート対応領域522は前記ボンネット5に一体的に形成されている。
即ち、前記ボンネット5の下端部のうち前記支持プレート13に対向する部分は、前記ボンネットの内方へ延在された状態で終焉して前記支持プレート対応領域522を形成している。
前記第1弾性シール部材53は、前記当接部534が前記支持プレート13に方向へ延びるように前記装着部533を介して前記支持プレート対応領域522に装着されている。
【0053】
なお、前記ボンネット側フランジ52の構成は、前記第1弾性シール部材53を確実に保持可能な限りこれに限られない。
即ち、例えば、前記シュラウド対応領域521が前記第1フランジ523又は前記第2フランジ524の何れか一方だけを有するように構成することも可能である。
若しくは、前記シュラウド対応領域521及び前記支持プレート対応領域522を形成する部材を、ボルト等の締結部材及び/又は溶接によって前記ボンネット5に固定することも可能である。
【0054】
又、本実施の形態においては、前記シュラウド8は、前記シュラウド本体82と一体形成された前記シュラウド側フランジ82を有しているが、当然ながら、前記シュラウド本体82と前記シュラウド側フランジ82とを別体とすることも可能である。
【0055】
図17に、本発明に係るボンネット構造に適用可能な第1弾性シール部材の断面図を示す。このうち、図17(a)は、本実施の形態に適用された第1弾性シール部材53を示している。
本実施の形態において、前記第1弾性シール部材53の前記当接部534は、図17(a)に示すように、断面円形又は楕円形の中空形状を有している。
また、前記装着部533は、図17(a)に示すように、断面コの字状の本体部533aと、前記本体部533aの内周面から内方へ延在された複数の第1脱離防止部533bとを有している。
前記本体部533aは、前記ボンネット側フランジ52の両面と対向する一対の側壁と、前記一対の側壁の一端側を閉塞する端壁とを有し、前記一対の側壁の他端側が開口とされている。
前記第1脱離防止部533bは、前記ボンネット側フランジ52に装着された際に、前記ボンネット側フランジ52の両面にそれぞれ当接するように、前記ボンネット側フランジ52を挟んで両側に配置されている。さらに、前記第1脱離防止部533bは、基端部から先端部に向かうに従って前記ボンネット側フランジ52の挿通方向へ向かうように傾斜配置されている。
上記構成を有することにより、前記装着部533を前記ボンネット側フランジ52に容易に装着することができ、しかも、前記ボンネット側フランジ52から前記第1弾性シール部材53が脱離することを有効に防止することができる。
【0056】
本実施の形態においては、前記装着部533は、さらに、前記本体部533aの開口端から外方へ延在する第2脱離防止部533cを有している。
前記第2脱離防止部533cは、前記本体部の一対の側壁の一方に沿って延びる延在部と、前記延在部の先端部から一対の側壁の他方へ向かって延びる傾斜部とを有している。
前記傾斜部は、前記第1脱離部防止部533bと同様に、基端部から先端部に向かうに従って前記ボンネット側フランジ52の挿通方向へ向かうように傾斜配置されている。
上記構成を有することにより、前記ボンネット側フランジ52から前記装着部533が脱離することをより有効に防止することができる。
【0057】
さらに、本実施の形態においては、前記本体部533aの内部には、断面コの字形状の金属芯537が内装されている。
上記構成を有することにより、前記第1脱離部防止部533b,前記第2脱離防止部533c及び前記当接部534の弾性変形を許容しつつ、前記本体部533aの変形を防止することができる。
前記第1弾性シール部材53は、ゴムやウレタン等の弾性を有する樹脂材料で一体的に形成され得る。
【0058】
図74(b)に示す第1変形例に係る第1弾性シール部材53bは、断面鉤爪状の当接部534bを有している。即ち、前記当接部534bは、図17(a)に示す前記第1弾性シール部材53における中空形状の前記当接部534の周壁が一部切り欠かれている。
なお、図17(b)に示すように、前記当接部534bは断面矩形状とされているが、当然ながら、断面円形状又は断面楕円形状とすることも可能である。
【0059】
また、図17(c)に示す第2変形例に係る第1弾性シール部材53cは、中実の当接部534cを有している。特に、中実の前記当接部534cは、発泡倍率の高い材料(例えば、発泡ウレタン材料)で形成されることが好ましい。
なお、前記当接部534cは、前記シュラウド側フランジ82又は前記支持プレート13との当接面が平坦な断面略矩形状とされているが、当然ながら、断面円形状又は断面楕円形状とすることも可能である。
【0060】
図17(d)に示す第3変形例に係る第1弾性シール部材53dは、前記装着部533が削除されており、その代わりに、当接部534dを前記ボンネット側フランジ52に直接接着する為の接着層533dが設けられている。
なお、前記当接部534dは、断面D字状の中空形状とされているが、図17(a)から図17(c)に示すような形状を採用することも可能である。
【0061】
本実施の形態においては、図2から図4に示すように、前記シュラウド8の前方には、前記シュラウド8内へ導入される空気に含まれる塵等の不純物を除去するフィルタ16が設けられている。
さらに、前記フィルタ16の前方には、バッテリ17が載置されている。前記バッテリ17も前記支持プレート13に支持されている。
【0062】
本実施の形態において、前記エアクリーナ9は、図2から図4に示すように、前記シュラウド8の上部に支持部材18を介して支持されている。
【0063】
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更、修正が可能である。
例えば、前記シュラウド8と前記支持プレート13は、一体的に形成されてもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 作業車輌
3 エンジン
6 ラジエター
5 ボンネット
5R 車輌幅方向一方側領域
5L 車輌幅方向他方側領域
5C 車輌幅方向中央領域
7 冷却ファン
8 シュラウド
9 エアクリーナ
10 吸気管
15 排気サイレンサ
54 第2弾性シール部材(弾性シール部材)
850 凹部
851 垂直面
852 水平面
BC 基準湾曲形状

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輌前方から後方へ順に配設されたラジエター、冷却ファン及びエンジンと、前記冷却ファンを囲繞するシュラウドと、前記シュラウドより前方側に配設されたエアクリーナと、一端部が前記エアクリーナに接続され且つ他端部が前記エンジンの吸気口に接続される吸気管と、一端部が前記エンジンの排気口に接続される排気サイレンサと、これらの部材を閉塞する閉位置及び開放する開位置をとり得るように車輌幅方向に沿った回動軸回り回動可能とされたボンネットとを備えた作業車輌に適用されるボンネット構造であって、
前記吸気管及び前記排気サイレンサは、前記エンジンの上方において車輌幅方向一方側及び他方側に振り分け配置され、
前記吸気管は、前記シュラウドの上方において前記シュラウドを挟んで車輌前後方向に延びており、
前記ボンネットの上面は、前記吸気管及び前記排気サイレンサとそれぞれ対向する車輌幅方向一方側領域及び車輌幅方向他方側領域においては車輌幅方向中央が最も上方に位置するような基準湾曲形状に沿っており、且つ、車輌幅方向中央領域においては前記基準湾曲形状より下方へ凹まされていることを特徴とするボンネット構造。
【請求項2】
前記ボンネットには、内周面のうち前記シュラウドと対向する部分に弾性シール部材が設けられ、
前記シュラウドの上面は、車輌幅方向一方側に位置する領域に他の部分に比して下方へ凹まされた凹部であって、車輌幅方向中央領域の車輌幅方向一方側から下方へ延びる垂直面と前記垂直面の下端部から車輌幅方向一方側へ延びる水平面とによって画される凹部を有しており、
前記吸気管は、前記シュラウドの上面に形成された前記凹部を介して前記シュラウドを挟んで車輌前後方向に延びており、
前記吸気管のうち前記凹部に位置される部分の上面は、車輌幅方向外方へ行くに従って下方に位置するように傾斜されていることを特徴とする請求項1に記載のボンネット構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−159027(P2010−159027A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−3938(P2009−3938)
【出願日】平成21年1月9日(2009.1.9)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】