説明

ボール抽選装置

【課題】店員やプレイヤーによる操作が介入する形で抽選を行うことが可能なボール抽選装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るボール抽選装置10は、抽選に用いる複数の抽選用ボールlbを個別に排出可能な第1排出部61と、排出された抽選用ボールlbが入球可能な複数の孔(抽選ポケットP)を有する抽選フィールド11と、各種の制御を行うホスト制御装置40と、複数の孔の抽選用ボールlbを回収可能な回収機構70と、を備える。ビンゴゲームが行われるとき、ホスト制御装置40は、第1排出部61から排出された抽選用ボールlbが抽選フィールド11へ投入される投入タイミングが所定の規則に従う「通常モード」と、上記投入タイミングが人為的操作に従う「ディーラーモード」とに設定可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抽選用のボールを用いて抽選を行うボール抽選装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、投入された抽選用ボールが転がるフィールドと、抽選用ボールが入球可能な複数のポケットが設けられたルーレット部とを有する抽選装置が開示されている。この抽選装置で抽選が実行されるときは、複数の抽選用ボールがフィールドへ投入され、投入された複数の抽選用ボールの各々が、複数のポケットのいずれに入るかにより抽選結果が決定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−89514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでゲームセンターでは、ゲーム結果の成績をプレイヤー同士で競う大会が開かれるなど様々なイベント等を開催して、場内を盛り上げる工夫を行っている。また、イベントの一つとして、ゲームの進行に合わせて店員によるマイクパフォーマンスが行われる。例えば、抽選用ボールを用いて物理的なボール抽選が行われるビンゴゲームでは、マイクパフォーマンスによりボール抽選結果がアナウンスされ、ゲームに参加しているプレイヤーに対しての盛り上げに一役買っている。しかしながら、従来のボール抽選装置においては、複数個の抽選用ボールを用いてボール抽選が行われる場合に、予め定められたタイミングで次々と抽選用ボールが投入されるため、店員によるマイクパフォーマンスの進行と実際のボール抽選の進行のタイミングが合わず、マイクパフォーマンスによるイベントが行い難いという課題があった。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、ボール抽選における抽選用ボールの投入を店員等が自由に行うことが可能なボール抽選装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために本発明が採用する手段を以下に説明する。なお、本発明の理解を容易にするために以下では図面の参照符号を便宜的に括弧書きで付記するが、本発明を図示の形態に限定する趣旨ではない。
【0006】
本発明に係るボール抽選装置(10)は、抽選に用いる複数の抽選用ボールを個別に排出可能な排出部(61)と、排出部から排出された各抽選用ボールが入球可能な複数の孔(抽選ポケットP)を有する抽選フィールド(11)と、排出部から排出された各抽選用ボールが複数の孔のいずれに入球するかにより抽選結果を決定する抽選結果決定部(40)と、入球した各抽選用ボールを回収する回収部(70)と、排出部から排出された各抽選用ボールが抽選フィールドへ投入される投入タイミング(抽選用ボールが抽選フィールドを転がり始める時点)が所定の規則に従う第1モード(通常モード)と、投入タイミングが人為的操作に従う第2モード(ディーラーモード)と、に設定可能なモード設定部(40)と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、1回の抽選で用いる複数の抽選用ボールが抽選フィールドへ投入されるタイミング(投入タイミング)を、第2モードのときは、例えば店員やプレイヤーによる所定の操作(人為的操作)に応じたタイミングとすることができる。すなわち、本発明によれば、店員やプレイヤーによる操作が介入する形で抽選を行うことが可能なボール抽選装置を提供できる。つまり、抽選における抽選用ボールの投入を店員等が自由に行うことが可能となる。
なお、回収部で回収された複数の抽選用ボールを排出部へ搬送する搬送部(76,80,81,82)を設ければ、その複数の抽選用ボールを、複数回の抽選で繰り返し使用することが可能である。また、少なくとも1回の抽選で用いる抽選用ボールの個数分を貯留する第1貯留部(60)を設けるようにしてもよい。一方、搬送部が、回収部で回収された複数の抽選用ボールを貯留する機能を有していてもよい。
【0008】
本発明に係るボール抽選装置の態様として、排出部から排出された抽選用ボールを抽選フィールドへ案内可能なレール部(62)と、レール部を通過する抽選用ボールが抽選フィールドへ導かれることを許可する第1状態と、当該抽選用ボールが抽選フィールドへ導かれないように阻止する第2状態とに設定可能な阻止部材(105)と、排出部から抽選用ボールが排出される排出タイミング(排出部から抽選用ボールが発射される時点)を制御する排出制御部(40)と、を備え、第1モードにおいて阻止部材が第1状態に設定される場合は、投入タイミングは、所定の規則にしたがって決定される排出タイミングに応じたタイミングとなり、第2モードにおいて阻止部材が第2状態に設定される場合は、投入タイミングは、進行が阻止された前記抽選用ボールを取り出して前記抽選フィールドへ投入する人為的操作に応じたタイミングとなる。この態様によれば、第2モードにおいて阻止部材が第2状態に設定される場合は、排出部から排出されてレール部を通過する抽選用ボールが抽選フィールドへ導かれないように阻止され、当該抽選用ボールは、人為的に取り出し可能に一時的に貯留される。したがって、抽選フィールドへの進行が阻止されて一時的に貯留された抽選用ボールを取り出して抽選フィールドへ投げ入れることが可能となる。すなわち、第2モードのときの投入タイミングは、例えば店員やプレイヤーが、進行が阻止された抽選用ボールを取り出して抽選フィールドへ投げ入れる投入操作に応じたタイミングとなるので、店員やプレイヤーによる所定の操作が介入する形で抽選を行うことができる。なお、阻止部材により抽選フィールドへの進行が阻止された抽選用ボールが一時的に貯留される場所は任意に設定可能である。例えばレール部上に貯留される態様でもよい。また、例えば抽選フィールドの外部に設けられるとともに抽選用ボールを人為的に取り出し可能に貯留する第2貯留部に貯留される態様であってもよい。この態様では、阻止部材により抽選用ボールの進行経路が切り替わり、排出部から排出されてレール部を通過する抽選用ボールは、抽選フィールドへは導かれずに第2貯留部へ導かれ、そこで一時的に貯留される。
【0009】
上述の態様では、排出部から抽選用ボールが排出されてから所定の判定期間が経過するまでに、複数の孔のいずれかに当該抽選用ボールが入球しなかった場合は異常と判断する異常検出部(40)をさらに備え、第2モードにおける判定期間の時間長は、第1モードにおける判定期間の時間長よりも大きい値に設定される。ここで、第1モードのときは、排出部から排出された抽選用ボールは、そのまま抽選フィールドへ導かれるのに対し、第2モードのときは、排出部から排出された抽選用ボールは、一旦その進行が阻止された後に、店員やプレイヤー等により取り出されて抽選フィールドへ投入されるので、抽選用ボールが、排出部から排出されてから複数の孔のいずれかに入球するまでの時間長は、第1モードのときに比べて長くなる。このため、第1モードと第2モードとで判定期間の時間長が同じであると、第2モードのときに異常と判断され、ゲームを進行させることができなくなる。上述の態様では、第2モードにおける判定期間の時間長は、第1モードにおける判定期間の時間長よりも長くなるように設定されるので、第2モードのときにエラーが発生することを抑制できる。これにより、正常にゲームを進行させることが可能となるという利点がある。
【0010】
また、上述の異常検出部は、第1モードのときは異常判定動作を実行し、第2モードのときは異常判定動作を実行しないという態様であってもよい。この態様によれば、第2モードのときにエラーが発生することはないので、不要な異常の判断がされずに正常にゲームを進行させることが可能となるという利点がある。
【0011】
さらに、本発明に係るボール抽選装置の他の態様として、人為的操作を受け付ける受付部を備え、モード設定部は、排出部から抽選用ボールが排出される排出タイミングを制御する排出制御部(40)を含み、モード設定部で第1モードに設定される場合は、投入タイミングは、所定の規則にしたがって決定される排出タイミングに応じたタイミングとなり、モード設定部で第2モードに設定される場合は、投入タイミングは、受付部にて人為的操作を受け付けたタイミングに応じたタイミングとなる。この態様によれば、第2モードのときの投入タイミングは、例えば店員やプレイヤーによる所定の操作を受付部にて受け付けたタイミングに応じたタイミングとなるので、ボール抽選における抽選用ボールの投入を店員等が自由に行うことができる。
【0012】
以上のボール抽選装置の態様として、モード設定部(40)は、第1モードのときに所定の条件が充足されると、そのときに行われていた抽選が終了した直後に第2モードに切り替える。この態様によれば、第1モードから第2モードへの切り替えがシームレスに行われるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係るゲーム装置の外観を示す図である。
【図2】ゲーム装置の制御系統の概略を示すブロック図である。
【図3】ボール抽選装置の詳細な構成を示す斜視図である。
【図4】第1レール部および阻止部材を説明するための斜視図である。
【図5】第1レール部および阻止部材を説明するための斜視図である。
【図6】抽選機構の詳細な構成を示す斜視図である。
【図7】抽選機構の詳細な構成を示す斜視図である。
【図8】表示部に表示されるビンゴカードの映像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<A:第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係るゲーム装置100の外観を示す図である。このゲーム装置100ではボール抽選ゲームの一例としてビンゴゲームが実行される。図1に示すように、ゲーム装置100は、ボール抽選装置10と、ボール抽選装置10を取り囲むように設けられる複数のステーション20と、ディーラー用ステーション200とを備える。このゲーム装置100には、プレイヤーがクレジットの預入を行うための専用端末300が設けられているが、ここでは詳細な説明は省略する。
【0015】
各ステーション20では、1人のプレイヤーがゲームを行うことができる。各ステーション20は、プレイヤーがメダルを投入するためのメダル投入口(図示省略)と、ゲームの進行状況に応じた映像が表示される表示部30とを備える。本実施形態では、表示部30は、液晶型のタッチパネルで構成され、プレイヤーがゲームに関する操作を行うための操作部としても機能する。なお、本実施形態では、1つのステーションで1人のプレイヤーがゲームを行うことができるが、これに限らず、1つのステーション20で複数のプレイヤーがゲームを行うことができる態様であってもよい。さらに、ステーション20の台数は任意に設定可能である。
【0016】
ディーラー用ステーション200では、例えば店員が各種の設定操作を行うことができる。ディーラー用ステーション200は、各種の操作を受け付ける受付部(不図示)を備える。受付部は、各種の操作ボタン(不図示)を含んで構成される。
【0017】
図2は、ゲーム装置100の制御系統の概略を示すブロック図である。ボール抽選装置10は、ホスト制御装置40と後述の抽選機構50とを含んで構成される。ホスト制御装置40は、コンピュータであって、抽選機構50、複数のステーション20およびディーラー用ステーション200を含むゲーム装置100全体を制御する。
【0018】
図3は、ボール抽選装置10の詳細な構成を示す斜視図である。ここでは、ステーション20などの他の要素の図示は省略されている。図3に示すように、ボール抽選装置10は、複数の抽選用ボールlbが転動可能なフィールド150と、複数の抽選用ボールlbが入球可能な複数の抽選ポケットが形成されたルーレット部を含む抽選機構50と、ビンゴゲームに用いられる複数の抽選用ボールlbを貯留可能な第1貯留部60と、第1貯留部60に貯留された複数の抽選用ボールlbを個別に排出可能な第1排出部61と、第1排出部61から排出された抽選用ボールlbをフィールド150へ案内可能な第1レール部62と、後述の特別ゲームに用いられる複数の抽選用ボールlbを貯留する特別ゲーム用貯留部63と、特別ゲーム用貯留部63に貯留されていた複数の抽選用ボールlbを個別に排出可能な第2排出部64と、第2排出部64から排出された抽選用ボールlbを抽選フィールド11へ導くスパイラル形状の第2レール部65と、複数の抽選ポケットに入球した抽選用ボールlbを回収するための回収機構70と、回収機構70で回収された抽選用ボールlbの搬出先を、第1貯留部60への第1分配ライン81または特別ゲーム用貯留部63への第2分配ライン82に切り替えるルート切替部76と、回収機構70で回収された抽選用ボールlbを第1貯留部60または特別ゲーム用貯留部63へ搬送するための搬送機構80とを備える。ここでは、フィールド150の上面と、抽選機構50の上面との総称を「抽選フィールド11」と呼ぶ。この抽選フィールド11は、複数の抽選用ボールlbが入球可能な複数の孔(抽選ポケット)を有していると捉えることができる。
【0019】
図4および図5に示すように、第1レール部62は、一対の側壁(右側壁106,左側壁107)と底板108とを備える。底板108には、板状のベース部材103が接続されている。ベース部材103の上面には、第1レール部62を通過する抽選用ボールlbを阻止可能な阻止部材105が設けられる。
【0020】
図4および図5に示すように、阻止部材105は、底板112と、底板112の側縁から立ち上がる側壁113と、底板112上の所定の空間を仕切るとともに抽選用ボールlbの進行を阻止可能な阻止板114とを有する。底板112に垂直な方向から見ると、阻止板114は、側壁113の途中から略L字形に延びているように見える。図4および図5に示すように、阻止板114は、側壁113の途中から当該側壁113の延在方向と垂直に延びる第1部分115と、側壁113の延在方向と平行に延びる第2部分116と、第1部分115と第2部分116を繋ぐ湾曲部分117とからなる。また、側壁113と第2部分116との間の幅は、第1レール部62の幅(右側壁106と左側壁107との間の幅)とほぼ同じである。ここでは、底板112と側壁113と阻止板114とで囲まれた部分を「第2貯留部118」と呼ぶ。この第2貯留部118は、抽選フィールド11の外部に設けられ、進行が阻止された抽選用ボールlbを人為的に取り出し可能に貯留する。本実施形態では、ディーラー用ステーションにいる人(例えば店員)が、第2貯留部118に貯留された抽選用ボールlb(進行が阻止された抽選用ボールlb)を取り出すことができる。
【0021】
阻止部材105は、底板112の先端付近に設けられる回転軸(詳細な図示は省略)を介してベース部材103に連結される。阻止部材105は、ホスト制御装置40の制御の下、当該回転軸を中心として回転可能である。これにより、阻止部材105のベース部材103に対する相対的な位置が可変に設定される。本実施形態では、図4に示すように、阻止部材105の側壁113が第1レール部62の左側壁107に繋がるように、阻止部材105の位置が設定されたときは、第1レール部62を通過する抽選用ボールlbは第2貯留部118へは導かれずに、抽選フィールド11へ導かれる(第1状態)。つまり、第1レール部62を通過する抽選用ボールlbの進行が阻止されることはなく、当該抽選用ボールlbは抽選フィールド11へ導かれる。また、図5に示すように、阻止部材105の側壁113が第1レール部62の右側壁106に繋がり、阻止部材105の阻止板114が第1レール部62の左側壁107に繋がるように、阻止部材105の位置が設定されたときは、第1レール部62を通過する抽選用ボールlbは抽選フィールド11へは導かれずに、第2貯留部118に貯留される(第2状態)。つまり、第1レール部62を通過する抽選用ボールlbの進行が阻止されて、当該抽選用ボールlbは抽選フィールド11へは導かれない。なお、第1状態と第2状態との切り替えは、ホスト制御装置40の制御によらず、手動で行われる態様であってもよい。
【0022】
詳しくは後述するが、本実施形態では、店員が参加することなくビンゴゲームが行われる任意の「通常モード」において、店員が参加する場合に「ディーラーモード」に切り替えることが可能となる。「通常モード」のときは、ホスト制御装置40は、第1レール部62を通過する抽選用ボールlbの進行が阻止されずに当該抽選用ボールlbが抽選フィールド11へ導かれるように、阻止部材105の位置を制御する。より具体的には、図4に示すように、ホスト制御装置40は、阻止部材105の側壁113が第1レール部62の左側壁107に繋がるように、阻止部材105の位置を制御する。これにより、第1レール部62を通過する抽選用ボールlbは、抽選フィールド11へ導かれるという具合である。
【0023】
また、「ディーラーモード」のときは、ホスト制御装置40は、第1レール部62を通過する抽選用ボールlbの進行が阻止されて当該抽選用ボールが抽選フィールド11へ導かれないように、阻止部材105の位置を制御する。より具体的には、図5に示すように、ホスト制御装置40は、阻止部材105の側壁113が第1レール部62の右側壁106に繋がり、阻止部材105の阻止板114が第1レール部62の左側壁107に繋がるように、阻止部材105の位置を制御する。これにより、第1レール部62を通過する抽選用ボールlbの進行は阻止されて、当該抽選用ボールlbは抽選フィールド11へは導かれずに、第2貯留部118に貯留されるという具合である。
【0024】
図6および図7は、図3に示す装飾用部材Dcが取り外された状態の抽選機構50の詳細な構成を示す斜視図である。図6および図7に示すように、抽選機構50は、上側に配置されるルーレット板51と下側に配置される保持板52とが重ね合わされて一体に回転可能なルーレット部53と、ルーレット板51に対する保持板52の相対的な位置を可変に設定するためのスライドモータユニット54と、ルーレット部53を回転させるための回転機構55とを備える。
【0025】
ルーレット板51は、抽選用ボールlbが通過可能な複数の抽選ポケットPが周方向に沿って形成された略円形の板である。抽選ポケットPは全部で25個設けられており、各抽選ポケットPには、1〜25までの数字が時計回りに順番に対応している。ルーレット板51の表面(上面)のうち、複数の抽選ポケットPに囲まれた領域Tiには、スライドモータユニット54が取り付けられるとともに、図3の装飾用部材Dcが載せられる。ルーレット板51の表面のうち、複数の抽選ポケットPが形成された領域の外側の領域Toは、フィールド150の裏面に位置し、フィールド150で覆われている。さらに、ルーレット板51の裏面(下面)の中央には、回転機構55に含まれる後述のシャフト56の先端が連結される。本実施形態では、ルーレット板51は、回転機構55によって支持されている。
【0026】
保持板52は、ルーレット板51の下方(裏面側)に配置される。図6および図7に示すように、保持板52は、抽選用ボールlbが通過可能であって、かつ複数の抽選ポケットPと同数の穴Hが周方向に沿って形成されるとともに、シャフト56を貫通させるための貫通穴Phが中央に形成された略円形の板である。図7に示すように、隣接する穴H同士の間には平板部分Fが介在する。また、保持板52には、当該保持板52に対して鉛直上方に突出する接続部材90が設けられている。さらに、保持板52は、保持板52のみを支持するための支持機構(図示省略)によって支持されている。
【0027】
図6に示すように、スライドモータユニット54は、スライドモータ92と、スライドモータ92によって駆動されるねじ軸94と、ねじ軸94に取り付けられるスライド部材96とを含んで構成される。スライドモータ92が回転すると、ねじ軸94も回転する。ねじ軸94が回転することにより、ねじ軸94に取り付けられたスライド部材96は、ねじ軸94の軸方向に沿って移動する。また、スライドモータ92の回転を逆転させると、スライド部材96の移動方向も逆になるという具合である。
【0028】
さらに、図6に示すように、ルーレット板51の表面における領域Tiのうち、ねじ軸94に対応する領域には、長穴98が形成されている。長穴98の長手方向は、ねじ軸94の軸方向と平行である。この長穴98は、保持板52から延びる接続部材90が貫通するように形成されている。また、接続部材90とスライド部材96とは互いに接続可能に構成されている。接続部材90とスライド部材96とが接続された状態で、スライド部材96が、長穴98の長手方向に沿って移動することで、保持板52のみが、スライド部材96の移動量に応じた量だけ回転する。つまり、接続部材90と接続されたスライド部材96を、長穴98の長手方向に沿って移動させることで、ルーレット板51に対する保持板52の相対的な位置を可変に設定することができる。
【0029】
本実施形態では、ビンゴゲームが行われるときは、ホスト制御装置40は、隣接する穴H同士の間に介在する保持板52の平板部分Fと、抽選ポケットPとが重なり合い、抽選ポケットPに入った抽選用ボールlbが、落下せずに当該抽選ポケットPと重なり合う平板部分Fで保持されるように保持板52の位置を設定する制御を、スライドモータユニット54に対して行う。このときのルーレット部53の状態を「ホールド状態」と呼ぶ。
【0030】
また、本実施形態では、1回のビンゴゲームが終了して、抽選ポケットPに入った抽選用ボールlbを回収するとき、または、後述の特別ゲームが行われるときは、ホスト制御装置40は、穴Hと抽選ポケットPとが重なり合い、抽選ポケットに入った抽選用ボールlbが、当該抽選ポケットと重なり合う穴Hから落下するように保持板52の位置を設定する制御を、スライドモータユニット54に対して行う。このときのルーレット部53の状態を「スルー状態」と呼ぶ。
【0031】
ルーレット部53の状態を「スルー状態」から「ホールド状態」に切り替えるとき、ホスト制御装置40は、スライド部材96が、第2の位置から第1の位置に向かって移動するようにスライドモータユニット54を制御する。これにより、保持板52がルーレット板51に対して反時計回りに回転し、ルーレット板51に対する保持板52の位置が、隣接する穴H同士の間に介在する保持板52の平板部分Fと抽選ポケットPとが重なり合う位置となるタイミングで、保持板52の回転は停止する。一方、ルーレット部53の状態を「ホールド状態」から「スルー状態」に切り替えるとき、ホスト制御装置40は、スライド部材96が、第1の位置から第2の位置に向かって移動するようにスライドモータユニット54を制御する。これにより、保持板52がルーレット板51に対して時計回りに回転し、ルーレット板51に対する保持板52の位置が、穴Hと抽選ポケットPとが重なり合う位置となるタイミングで、保持板52の回転は停止する。
【0032】
図6および図7に示すように、回転機構55は、シャフト56と、モータユニット57と、タイミングベルト58とを含んで構成される。モータユニット57には駆動用モータ(図示省略)が含まれる。当該駆動用モータの回転がタイミングベルト58を介してシャフト56に伝達されることで、シャフト56が回転する。シャフト56が回転することで、ルーレット部53が回転する。詳細には、シャフト56が回転すると、ルーレット板51と保持板52とスライドモータユニット54とが一緒に回転するという具合である。すなわち、「ホールド状態」または「スルー状態」のどちらかの状態でルーレット部53を回転させることが可能となる。また、ルーレット部53が回転している最中に、「ホールド状態」から「スルー状態」へ、または「スルー状態」から「ホールド状態」へ切り替えることも可能である。
【0033】
ルーレット部53の下方に設けられた回収機構70から回収された抽選用ボールlbはルート切替部76へ送られる。図3に示すように、ルート切替部76の出口側は、第1分配ライン81と第2分配ライン82に分岐している。ホスト制御装置40の制御の下、ルート切替部76は、抽選用ボールlbの搬出先を、第1分配ライン81および第2分配ライン82のうちの何れかに切り替える。搬送機構80は、抽選用ボールlbを第1貯留部60へ搬送するための第1搬送ラインと、特別ゲーム用貯留部63へ搬送するための第2搬送ラインとを有している。本実施形態では、第1分配ライン81は第1搬送ラインに繋がり、第2分配ライン82は第2搬送ラインに繋がっている。
【0034】
ルート切替部76により、抽選用ボールlbの搬出先が第1分配ライン81に切り替えられたときは、第1分配ライン81に搬出された抽選用ボールlbは、搬送機構80における第1搬送ラインを通って第1貯留部60へ送られる。また、ルート切替部76により、抽選用ボールlbの搬出先が第2分配ライン82に切り替えられたときは、第2分配ライン82に搬出された抽選用ボールlbは、搬送機構における第2搬送ラインを通って特別ゲーム用貯留部63へ送られる。
【0035】
次に、ゲーム装置100で実行されるゲームの流れを具体的に説明する。本実施形態では、ゲーム装置100で実行可能なゲームの種類は、ビンゴゲームおよび特別ゲームの2種類である。特別ゲームは、所定の条件が充足されると開始されるゲームであり、ビンゴゲームとは別のゲームである。
【0036】
まず、ビンゴゲームが実行されるときの様子を説明する。プレイヤーがゲームを開始する初期の状態では、ホスト制御装置40は、まずビンゴゲームを実行するように制御する。本実施形態では、ルーレット部53の状態を規定するモードとして、保持モードとスルーモードが設けられており、ホスト制御装置40は、ビンゴゲームを行うときは「保持モード」を選択し、それに応じた制御を行う。保持モードを選択したときは、ホスト制御装置40は、ルーレット部53の状態が「ホールド状態」となるようにスライドモータユニット54を制御する。これにより、抽選用ボールlbが抽選ポケットPに入っても、当該抽選用ボールlbは落下せずに保持される。また、ホスト制御装置40は、図8のようなビンゴカードBKの映像が表示されるように、各ステーション20の表示部30を制御する。ビンゴカードBKは、1〜25までの数字が5行×5列のマトリクス状に配列されたものである。ビンゴカードBKにおける数字の配列は、ステーション20ごと(プレイヤーごと)に異なるように設定される。
【0037】
この状態で、ホスト制御装置40は、ルーレット部53が回転するように回転機構55を制御するとともに、複数の抽選用ボールlbを個別に排出するように第1排出部61を制御する。第1排出部61から抽選用ボールlbが排出される排出タイミング(第1排出部61から抽選用ボールlbが発射される時点)は、所定の規則に従って決定される。本実施形態では、1回のビンゴゲームが行われるたびに、6個の抽選用ボールlbが、第1排出部61から順次に排出される。後述するように、その排出された抽選用ボールlbは、最終的に抽選フィールド11へ投入される。そして、フィールド150上を転がる抽選用ボールlbは、回転するルーレット部53の複数の抽選ポケットPのうちの何れかに入球する。
【0038】
ホスト制御装置40は、1回のビンゴゲームで使用される6個の抽選用ボールlbの各々が、複数の抽選ポケットPのいずれに入るかによって抽選結果を決定する。より具体的には以下のとおりである。前述したように、各抽選ポケットPは、1〜25までの数字の何れかに対応している。抽選用ボールlbが複数の抽選ポケットPのうちの何れかに入球すると、ビンゴカードBKにおける数字のうち、その入球した抽選ポケットPに対応する数字が有効となる。ホスト制御装置40は、有効となった数字が、ビンゴカードBK上で、縦、横、あるいは斜め方向に5個並んだときに「ビンゴ」が成立したと判定する。
【0039】
1回のビンゴゲームが終了すると、ホスト制御装置40は、ルーレット部53の回転位置が、上述の第1領域(ルーレット板51のうち、当該ルーレット板51に垂直な方向から見て右半分の領域)に位置する複数の抽選ポケットPに入球した抽選用ボールlbの数と、上述の第2領域(ルーレット板51のうち、当該ルーレット板51に垂直な方向から見て左半分の領域)に位置する複数の抽選ポケットPに入球した抽選用ボールlbの数との差が最小となる位置になるタイミングで、ルーレット部53が停止するように回転機構55を制御するとともに、「スルーモード」を選択する。本実施形態では、ホスト制御装置40は、第1領域に位置する複数の抽選ポケットPに入球した抽選用ボールlbの数、および、第2領域に位置する複数の抽選ポケットPに入球した抽選用ボールlbの数がそれぞれ3個ずつとなるタイミングで、ルーレット部53が停止するように回転機構55を制御するとともに、「スルーモード」を選択する。なお、ルーレット部53を停止させる制御、および、「スルーモード」を選択する制御の順番は問わない。また、両者を同時に実行してもよい。
【0040】
スルーモードを選択したときは、ホスト制御装置40は、ルーレット部53の状態が「スルー状態」となるようにスライドモータユニット54を制御する。これにより、抽選ポケットPに入球していた6個の抽選用ボールlbは、それぞれの抽選ポケットPから一斉に落下して回収機構70へ回収される。より具体的には、第1領域に位置する複数の抽選ポケットPにそれぞれが入球していた3個の抽選用ボールlbは、第1回収ダクト72に回収され、第1回収ラインL1を介して合流部74へ送られる。また、第2領域に位置する複数の抽選ポケットPにそれぞれが入球していた3個の抽選用ボールlbは、第2回収ダクト73に回収され、第2回収ラインL2を介して合流部74へ送られる。
【0041】
このとき、ホスト制御装置40は、合流部74から送られてくる抽選用ボールlbの搬出先が第1分配ライン81となるようにルート切替部76を制御する。これにより、第1分配ライン81に搬出された抽選用ボールlbは、搬送機構80における第1搬送ラインを通って第1貯留部60へ導かれる。つまり、回収された6個の抽選用ボールlbは再び第1貯留部60へ搬送されて、次のビンゴゲームに用いられるという具合である。そして、次のビンゴゲームを開始するときは、ホスト制御装置40は再び「保持モード」を選択して、上述したような制御を行うという具合である。
【0042】
本実施形態では、ビンゴゲームが行われるときのモードとして、店員が参加することなくビンゴゲームが行われる任意な「通常モード」において、店員等がゲームに参加する場合に「ディーラーモード」に切り替えることが可能となる。プレイヤーがビンゴゲームを開始する初期の状態では、ホスト制御装置40は、「通常モード」を選択して、それに応じた制御を行う。
【0043】
「通常モード」でゲームが進行しているときは、ホスト制御装置40は、第1レール部62を通過する抽選用ボールlbの進行が阻止されずに当該抽選用ボールが抽選フィールド11へ導かれるように、阻止部材105の位置を制御する(図4参照)。これにより、第1排出部61から排出された抽選用ボールlbは、全て抽選フィールド11へ導かれる。本実施形態では、「通常モード」および「ディーラーモード」の何れの場合であっても、第1排出部61から抽選用ボールlbが排出される排出タイミングは、所定の規則に従って決定される。したがって、「通常モード」のときに、第1排出部61から排出された抽選用ボールlbが抽選フィールド11へ投入される投入タイミング(当該抽選用ボールlbが抽選フィールド11を転がり始める時点)は、所定の規則に応じたタイミングとなる。
なお、「通常モード」および「ディーラーモード」での所定の規則は互いに異なっていてもよい。「通常モード」では、6個の抽選用ボールlbが、所定の時間差を持って順番に抽選フィールド11へ投入されるように第1排出部61から排出される。例えば、1つの抽選用ボールlbがいずれかの抽選ポケットPに入球した後に、次の抽選用ボールlbが抽選フィールド11へ投入されるように排出される規則であってもよい。また、4個目までは上記規則に従い、残り2つの抽選用ボールlbが連続して抽選フィールド11へ投入されるように排出され、抽選フィールド11上に2つの抽選用ボールlbが存在するような規則であってもよい。さらに、6個の抽選用ボールlbの各々が抽選フィールド11へ投入される時間間隔を抽選で決定してもよい。一方、「ディーラーモード」では、店員が、第2貯留部118に貯留された抽選用ボールlbを手に取って抽選フィールド11へ投入するタイミングを把握することができないので、投入された抽選用ボールlbがいずれかの抽選ポケットPに入球した後に、次の抽選用ボールlbが排出されるような規則が好適である。また、第2貯留部118に抽選用ボールlbの有無を検知するセンサを設け、第2貯留部118に貯留された抽選用ボールlbが店員により取り出されたことを当該センサにより検知されると、次の抽選用ボールlbが排出されるような規則であってもよい。
【0044】
「通常モード」でビンゴゲームが行われているときに、所定の条件が充足されると、そのときに行われていたビンゴゲームが終了した直後に「ディーラーモード」に切り替わる。これにより、「通常モード」から「ディーラーモード」への切り替えがシームレスに行われる。より具体的には、ホスト制御装置40は、「通常モード」でビンゴゲームが行われているときに、ディーラー用ステーション200の受付部(不図示)にて店員による「ディーラーモード」への切替操作を受け付けたことを検知すると、そのときに行われていたビンゴゲームが終了した直後に「ディーラーモード」を選択し、それに応じた制御を行う。本実施形態では、ディーラー用ステーション200にいる店員が、所定の操作ボタンを押すことで切替操作を行う。つまり、任意の「通常モード」において「ディーラーモード」への切り替えを行うことができる。なお、上述の所定の条件は任意に設定可能である。例えばホスト制御装置40は、予め定められた所定の時刻に到達したことを検知すると、そのときに行われていたビンゴゲームが終了した直後に「ディーラーモード」を選択するという態様であってもよい。
なお、「ディーラーモード」を中止して「通常モード」に戻すキャンセル機能が付加された態様であってもよい。「ディーラーモード」をキャンセルした場合、その次以降の抽選用ボールlbは、所定の規則に従って抽選フィールド11へ投入される。
【0045】
「ディーラーモード」を選択したときは、ホスト制御装置40は、第1レール部62を通過する抽選用ボールlbの進行が阻止されて当該抽選用ボールlbが抽選フィールド11へ導かれないように、阻止部材105の位置を制御する(図5参照)。これにより、第1排出部61から排出された抽選用ボールlbは、全て第2貯留部118に貯留される。
【0046】
本実施形態では、「ディーラーモード」でビンゴゲームが行われるときは、ディーラー用ステーション200にいる店員が、第2貯留部118に貯留された抽選用ボールlb(進行が阻止された抽選用ボールlb)を取り出して抽選フィールド11へ投げ入れる。したがって、このときの投入タイミング(抽選用ボールlbが抽選フィールド11へ投入されるタイミング)は、店員によるボール投入操作に応じたタイミングとなる。このとき、店員は、マイクパフォーマンス等を行いながら、それに合わせた好適なタイミングで、第2貯留部118に貯留された抽選用ボールlbを順次に抽選フィールド11へ投げ入れることで、場内を盛り上げることができる。なお、マイクパフォーマンスは、各ステーション20から収集したゲームの進行状況に関する情報(BET枚数、WIN枚数、入球して欲しい番号等)が所定のディスプレイに表示されるようにし、それらの情報に基づいて行われる。
【0047】
以上に説明したように、本実施形態では、「ディーラーモード」のときは、店員が、抽選用ボールlbの投入タイミングを自由に操作することができるので、マイクパフォーマンスの時間を自在に調整できるようになり、効果的に盛り上げを行うことが可能となる。しかも、ゲームセンター内のプレイヤーの客層や数の状況に応じてイベント(マイクパフォーマンス)を開始するタイミングが変動するので、場内の状況に合わせて店員が望むタイミングで、「通常モード」から「ディーラーモード」への連続的な移行が可能となる。また、「ディーラーモード」の終了後、「通常モード」への連続的な移行も可能となる。例えば、場内の状況に合わせて、1回のビンゴゲームでのボール抽選を「ディーラーモード」としたり、複数回のビンゴゲームに亘るボール抽選を「ディーラーモード」とするなど、店舗側の任意なイベント運営が可能となる。
【0048】
また、本実施形態では、ビンゴゲームが行われるとき、ホスト制御装置40は、第1排出部61から抽選用ボールlbが排出されてから所定の判定期間が経過するまでに、複数の抽選ポケットPのいずれかに当該抽選用ボールlbが入球しなかった場合はタイムアウト異常と判断するタイムアウト異常判定動作を実行する。上述したように、「通常モード」のときは、第1排出部61から排出された抽選用ボールlbは、そのまま抽選フィールド11へ導かれるのに対し、「ディーラーモード」のときは、第1排出部61から排出された抽選用ボールlbは、一旦第2貯留部118に貯留された後に、そこから取り出されて抽選フィールド11へ投入されるので、抽選用ボールlbが、第1排出部61から排出されてから複数の抽選ポケットPのいずれかに入球するまでの時間長は、「通常モード」のときに比べて長くなる。このため、「通常モード」と「ディーラーモード」とで判定期間の時間長が同じであると、「ディーラーモード」のときにタイムアウト異常と判断されてしまいゲームを進行させることができなくなる。本実施形態では、「ディーラーモード」における判定期間の時間長は、「通常モード」における判定期間の時間長よりも長くなるように設定されるので、「ディーラーモード」のときにエラーが発生することを抑制できる。これにより、不要なタイムアウト異常の判断がされないため正常にゲームを進行させることが可能となる。
【0049】
次に、特別ゲームが実行されるときの様子を説明する。ホスト制御装置40は、ビンゴゲーム中に所定の条件が充足されると、そのときのビンゴゲームが終了した直後から特別ゲームを実行する。なお、所定の条件の種類は任意である。例えばビンゴの成立回数が所定回数を超えると、特別ゲームが開始される態様であってもよい。
【0050】
ホスト制御装置40は、特別ゲームを行うときは「スルーモード」を選択し、ルーレット部53の状態が「スルー状態」となるようにスライドモータユニット54を制御する。この状態で、ホスト制御装置40は、ルーレット部53が回転するように回転機構55を制御するとともに、特別ゲーム用貯留部63に貯留されていた複数(例えば70個)の抽選用ボールlbを順次に排出するように第2排出部64を制御する。第2排出部64から排出された各抽選用ボールlbは、所定の時間差を持って、スパイラル形状の第2レール部65を通過してフィールド150へ導かれる。そして、フィールド150上を転がる抽選用ボールlbは、回転するルーレット部53の複数の抽選ポケットPのうちの何れかに入球する。
【0051】
特別ゲームにおいては、抽選用ボールlbが、複数の抽選ポケットPのうちの何れかに入球すると、その入球した抽選ポケットPに対応する数字に応じた数のメダルがプレイヤーに払い出される。本実施形態では、全ての抽選ポケットPに抽選用ボールlbが入球した場合は、ホスト制御装置40は、「特別賞」への入賞条件を満たしていると判断し、大量のメダル(例えば1000枚のメダル)をプレイヤーに対して払い出すように制御する。
【0052】
上述の特別ゲームが行われるとき、ルーレット部53は「スルー状態」に設定されるので、各抽選ポケットPに入球した抽選用ボールlbは、当該抽選ポケットPと重なり合う穴Hから落下して回収機構70に回収される。また、このときホスト制御装置40は、合流部74から送られてくる抽選用ボールlbの搬出先が第2分配ライン82となるようにルート切替部76を制御する。これにより、第2分配ライン82から搬出された抽選用ボールlbは、搬送機構80における第2搬送ラインを通って特別ゲーム用貯留部63へ送られる。つまり、回収された抽選用ボールlbは特別ゲーム用貯留部63へ搬送されて、再び第2排出部64から順次に排出されるという具合である。本実施形態では、ホスト制御装置40は、第2排出部64が70個の抽選用ボールlbを排出し終えた時点で、特別ゲームを終了するように制御する。
【0053】
なお、例えば特別ゲームが行われずに、ビンゴゲームだけが行われる態様であってもよい。この態様では、特別ゲームに必要な構成(特別ゲーム用貯留部63、第2排出部64、第2レール部65等)は不要となる。
【0054】
<B:第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、上述の阻止部材105および第2貯留部118が設けられず、第1レール部62を通過する抽選用ボールlbは、全て抽選フィールド11に導かれる。また、「通常モード」のときは、第1排出部61から抽選用ボールlbが排出される排出タイミングは所定の規則に従って決定され、「ディーラーモード」のときは、上記排出タイミングは、ディーラー用ステーション200の受付部(不図示)にて人為的操作を受け付けたタイミングに応じたタイミングとなる点で、上述の第1実施形態と相違する。その他の構成は、第1実施形態と同様であるので、重複する部分の説明は省略する。
【0055】
「通常モード」でビンゴゲームが行われるときは、上述の第1実施形態と同様に、第1排出部61から抽選用ボールlbが排出される排出タイミングは所定の規則に従って決定されるので、当該抽選用ボールlbが抽選フィールド11へ投入される投入タイミングは、所定の規則に応じたタイミングとなる。なお、ビンゴゲームの流れは、上述の第1実施形態にて説明した内容と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0056】
一方、「ディーラーモード」でビンゴゲームが行われるときは、第1排出部61から抽選用ボールlbが排出される排出タイミングは、ディーラー用ステーション200の受付部にて所定の操作を受け付けたタイミングに応じたタイミングとなる。より具体的には、「ディーラーモード」のときは、ホスト制御装置40は、ディーラー用ステーション200の受付部にて抽選用ボールlbの排出を指示する操作(以下、「排出指示操作」と呼ぶ)を受け付けたことを検知すると、抽選用ボールlbを排出するように第1排出部61を制御する。本実施形態では、ディーラー用ステーション200にいる店員が、所定の操作ボタンを押すことで排出指示操作を行う。
【0057】
上述したように、「ディーラーモード」のときの排出タイミングは、ディーラー用ステーション200の受付部にて店員による排出指示操作を受け付けたタイミングに応じたタイミングとなるので、このときの投入タイミング(第1排出部61から排出された抽選用ボールlbが抽選フィールド11へ投入されるタイミング)も、当該受付部にて店員による排出指示操作を受け付けたタイミングに応じたタイミングになると言える。このとき、店員は、マイクパフォーマンス等を行いながら、それに合わせた好適なタイミングで排出指示操作を行い、抽選用ボールlbを順次に抽選フィールド11へ投入することで、場内を一層盛り上げることができる。
【0058】
この第2実施形態においても、「ディーラーモード」のときは、店員が、抽選用ボールlbの投入タイミングを自由に操作することができるので、マイクパフォーマンスの時間を自在に調整できるようになり、効果的に盛り上げを行うことが可能となる。
【0059】
<C:変形例>
以上の実施形態には様々な変形が加えられる。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は併合され得る。
【0060】
(1)変形例1
上述の第1実施形態では、「ディーラーモード」でビンゴゲームが行われるときは、ディーラー用ステーション200にいる店員が、第2貯留部118に貯留された抽選用ボールlbを取り出して抽選フィールド11へ投げ入れているが、これに限らず、ボール投入操作を行う主体は任意である。例えばプレイヤーがボール投入操作を行う態様であってもよい。この態様では、「ディーラーモード」でビンゴゲームが開始されるときに、ボール投入操作を行うプレイヤーを決めるための抽選が行われる。そして、その抽選に当選したプレイヤーは、店員によってディーラー用ステーション200へ案内され、そこでボール投入操作を行うという具合である。このときの投入タイミング(抽選用ボールlbが抽選フィールド11へ投入されるタイミング)は、プレイヤーによるボール投入操作に応じたタイミングとなる。この態様では、プレイヤーによる所定の操作(ボール投入操作)が介入する形でビンゴゲームを行うことができる。
【0061】
なお、例えばビンゴゲームに参加していない第3者(例えばゲームを見ているだけの人)が、ボール投入操作を行う態様であってもよい。要するに、「ディーラーモード」のときの投入タイミングは、進行が阻止された抽選用ボールlbを取り出して抽選フィールド11へ投入する人為的操作に応じたタイミングとなるものであればよい。
【0062】
(2)変形例2
上述の第2実施形態では、ディーラーモードのときの投入タイミングは、ディーラー用ステーション200の受付部にて店員による排出指示操作を受け付けたタイミングに応じたタイミングとなるが、これに限らず、排出指示操作を行う主体は任意である。例えばプレイヤーが排出指示操作を行うこともできる。この態様では、「ディーラーモード」でビンゴゲームが開始されるときに、排出指示操作を行うプレイヤーを決めるための抽選が行われる。そして、その抽選に当選したプレイヤーは、店員によってディーラー用ステーション200へ案内され、そこで所定の操作ボタンを押すことで排出指示操作を行うという具合である。このときの投入タイミングは、ディーラー用ステーション200の受付部にてプレイヤーによる排出指示操作を受け付けたタイミングに応じたタイミングとなる。
【0063】
また、各ステーション20が、上述の受付部を備える態様であってもよい。この態様では、上記抽選で当選したプレイヤーは、自分がゲームを行うステーション20に設けられた所定の操作ボタンを押すことで排出指示操作を行う。このときの投入タイミングは、ステーション20の受付部にてプレイヤーによる排出指示操作を受け付けたタイミングに応じたタイミングとなる。
【0064】
なお、例えばビンゴゲームに参加していない第3者(例えばゲームを見ているだけの人)が、上述の排出指示操作を行うこともできる。要するに、ディーラーモードのときの投入タイミングは、受付部にて人為的操作を受け付けたタイミングに応じたタイミングとなるものであればよい。
【0065】
(3)変形例3
上述の各実施形態では、ホスト制御装置40は、「通常モード」および「ディーラーモード」の何れの場合であっても、タイムアウト異常判定動作を実行し、「ディーラーモード」における判定期間の時間長は「通常モード」における判定期間の時間長よりも長くなるように設定されているが、これに限らず、例えばホスト制御装置40は、「通常モード」のときはタイムアウト異常判定動作を実行し、「ディーラーモード」のときはタイムアウト異常判定動作を実行しないという態様であってもよい。この態様によれば、「ディーラーモード」のときにタイムアウトによるエラーが発生することはないので、エラーが発生してゲームが進行できなくなることを確実に防止できるという利点がある。なお、当該タイムアウト異常以外の異常判定動作は行うようにしてもよい。
【0066】
(4)変形例4
上述の各実施形態では、「ディーラーモード」でのボール抽選における人為的な介入の態様として、抽選用ボールlbの投入を店員等が自由に行うことができる態様を例示した。さらに、ボール抽選における人為的な介入の態様として、ルーレット部53の回転速度を店員等が自由に決定することができる態様であってもよい。換言すれば、この態様では、ボール抽選装置(10)のモード設定部(40)は、ルーレット部(53)の回転速度が所定の規則に従う第3モード(「通常モード」)と、ルーレット部(53)の回転速度が人為的操作に従う第4モード(「ディーラーモード」)とに設定可能である。
【符号の説明】
【0067】
10……ボール抽選装置、11……抽選フィールド、20……ステーション、30……表示部、40……ホスト制御装置、50……抽選機構、51……ルーレット板、52……保持板、53……ルーレット部、54……スライドモータユニット、55……回転機構、56……シャフト、57……モータユニット、58……タイミングベルト、60……第1貯留部、61……第1排出部、62……第1レール部、63……特別ゲーム用貯留部、64……第2排出部、65……第2レール部、70……回収機構、71……本体部、72……第1回収ダクト、73……第2回収ダクト、74……合流部、75a……第1傾斜面、75b……第2傾斜面、76……切替部、77a……第1搬出部、77b……第2搬出部、80……搬送機構、81……第1分配ライン、82……第2分配ライン、90……接続部材、92……スライドモータ、94……ねじ軸、96…スライド部材、100…ゲーム装置、103……ベース部材、105……阻止部材、118……第2貯留部、150……フィールド、lb……抽選用ボール、F……平板部分、H,H2……穴、L1……第1回収ライン、L2……第2回収ライン、N……切欠部分、Ph……貫通穴。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
抽選に用いる複数の抽選用ボールを個別に排出可能な排出部と、
前記排出部から排出された前記各抽選用ボールが入球可能な複数の孔を有する抽選フィールドと、
前記排出部から排出された前記各抽選用ボールが前記複数の孔のいずれに入球するかにより抽選結果を決定する抽選結果決定部と、
入球した前記各抽選用ボールを回収する回収部と、
前記排出部から排出された前記各抽選用ボールが前記抽選フィールドへ投入される投入タイミングが所定の規則に従う第1モードと、前記投入タイミングが人為的操作に従う第2モードとに設定可能なモード設定部と、を備える、
ことを特徴とするボール抽選装置。
【請求項2】
前記排出部から排出された前記抽選用ボールを前記抽選フィールドへ案内可能なレール部と、
前記レール部を通過する前記抽選用ボールが前記抽選フィールドへ導かれることを許可する第1状態と、当該抽選用ボールが前記抽選フィールドへ導かれないように阻止する第2状態とに設定可能な阻止部材と、
前記排出部から前記抽選用ボールが排出される排出タイミングを制御する排出制御部と、を備え、
前記第1モードにおいて前記阻止部材が前記第1状態に設定される場合は、前記投入タイミングは、前記所定の規則にしたがって決定される前記排出タイミングに応じたタイミングとなり、
前記第2モードにおいて前記阻止部材が前記第2状態に設定される場合は、前記投入タイミングは、進行が阻止された前記抽選用ボールを取り出して前記抽選フィールドへ投入する人為的操作に応じたタイミングとなる、
ことを特徴とする請求項1に記載のボール抽選装置。
【請求項3】
前記人為的操作を受け付ける受付部を備え、
前記モード設定部は、前記排出部から前記抽選用ボールが排出される排出タイミングを制御する排出制御部を含み、
前記モード設定部で前記第1モードに設定される場合は、前記投入タイミングは、前記所定の規則にしたがって決定される前記排出タイミングに応じたタイミングとなり、
前記モード設定部で前記第2モードに設定される場合は、前記投入タイミングは、前記受付部にて前記人為的操作を受け付けたタイミングに応じたタイミングとなる、
ことを特徴とする請求項1に記載のボール抽選装置。
【請求項4】
前記排出部から前記抽選用ボールが排出されてから所定の判定期間が経過するまでに、前記複数の孔のいずれかに前記抽選用ボールが入球しなかった場合は異常と判断する異常検出部をさらに備え、
前記第2モードにおける前記判定期間の時間長は、前記第1モードにおける前記判定期間の時間長よりも大きい値に設定される、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のボール抽選装置。
【請求項5】
前記排出部から前記抽選用ボールが排出されてから所定の判定期間が経過するまでに、前記複数の孔のいずれかに前記抽選用ボールが入球しなかった場合は異常と判断する異常判定動作を実行する異常検出部をさらに備え、
前記異常検出部は、前記第1モードのときは前記異常判定動作を実行し、前記第2モードのときは前記異常判定動作を実行しない、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のボール抽選装置。
【請求項6】
前記モード設定部は、前記第1モードのときに所定の条件が充足されると、そのときに行われていた抽選が終了した直後に前記第2モードに切り替える、
ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載のボール抽選装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−50686(P2012−50686A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−195660(P2010−195660)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【特許番号】特許第4885296号(P4885296)
【特許公報発行日】平成24年2月29日(2012.2.29)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)