ボール用バルブ及びボール用バルブの製造方法
【課題】 ボール用バルブにおいて、耐漏性を向上させる。
【解決手段】
本発明は、ケーシング100と、コア200とを含むボール用バルブに関する。コア200は、少なくとも部分的にケーシング100の内部に配置される。コア200は、交互になった凹面231と凸面232との曲率を有する複数の部分を備えた第1の封止領域230を含む。ある実施の形態において、ケーシング100は第2の封止領域130を含み、第2の封止領域130は第1の封止領域230に係合する。第2の封止領域130が、第1の封止領域230の曲率半径と実質的に一致する曲率半径を含むことが好ましい。
【解決手段】
本発明は、ケーシング100と、コア200とを含むボール用バルブに関する。コア200は、少なくとも部分的にケーシング100の内部に配置される。コア200は、交互になった凹面231と凸面232との曲率を有する複数の部分を備えた第1の封止領域230を含む。ある実施の形態において、ケーシング100は第2の封止領域130を含み、第2の封止領域130は第1の封止領域230に係合する。第2の封止領域130が、第1の封止領域230の曲率半径と実質的に一致する曲率半径を含むことが好ましい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボール用バルブに関する。さらに、本発明は、ボール用バルブの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ボールは、ボール内部に所要の圧力を実現するため、製造後にボール用ポンプでボールを膨らませるためのバルブを備える。しかしながら、公知のボール及びバルブは気密性が完全ではないため、時間の経過に伴い、ボールを何度も繰り返し膨らませなければならない。これは、ボールが使用中に強烈に変形するとき、例えばサッカーの場合に特に当てはまる。
【0003】
従来のボール用バルブは、ケーシングとコアとからなる。ケーシングとコアとは、通常はゴム又はゴム混合物から、別個に製造される。バルブの組立時、相当量の力を加えることによってコアがケーシングに圧入される。
【0004】
かかるボール用バルブが、例えば、特許文献1に記載されている。このバルブのコアは、矩形の断面形状を有する角状突起を備える。角状突起がケーシングの溝に係合し、それによってコアがケーシング内に固定される。同様の構造が、特許文献2に記載されている。
【0005】
さらに、特許文献3には、直径の大きい部分が半円形の凹部を有し、この凹部がケーシング上の対応するリブに係合するコアが開示されている。
【0006】
特許文献4には、耐漏性を向上させるための、バルブ上方の開口部を封止するプラグにが記載されている。このプラグは丸い突起を含み得る。ボールを膨らませるために、プラグは引き抜くか、又は押し退けることができる。しかしながら、このプラグはバルブそれ自体の耐漏性を向上させるものではない。
【0007】
従って、公知のボール用バルブは様々な欠点を有する。コアの突起は、確かにコアの表面積を増加させ、コアとケーシングとの間の耐漏性を高め得る。他方で、例えば、ボールに作用する強い力によって引き起こされる変形に起因して、コア及びケーシングの角状及び矩形の突起、それぞれの凹部により、空気が逃げ易くなることが分かっている。
【0008】
さらに、バルブの組立中にコアがケーシングに圧入されるとき、コアの突起によってケーシングに変形が生じる。こうした変形によりケーシングが破損し、耐漏性が低下し得る。逆に、挿入中にコアが破損することもある。
【0009】
さらに、スポーツにおいてボールを使用するには、ボールが気密バルブを有することは十分でない。むしろ、ボールは適切な圧力も有しなければならない。従って、ボールの運動性及び反発性が悪影響を受ける前であっても、ボールの圧力を単純な方法で確認し、必要に応じてそれを調整することが可能でなければならない。ボールに圧力センサを提供して圧力を表示することがさらに公知である。
【0010】
例えば、特許文献5には、ボールに作用する外力を検知するセンサを備えたボールが記載されており、このボールは、数値用ディスプレイを有する。特許文献6には、圧力センサと機械的又は電子的圧力ディスプレイとを備えた練習用ボールが記載されている。別のボール用圧力ディスプレイが、特許文献7に記載されている。圧力センサ及びディスプレイはタイヤについても公知であり、例えば、特許文献8及び特許文献9に記載されている。
【0011】
特許文献10には、圧力センサを備えたボールが開示されており、測定された圧力は、透明なバルブに取り付けられたLED(発光ダイオード)によって表示される。蓄電池又はバッテリによって電源が供給されなければならない。
【0012】
しかしながら、この文献は、どのようにして蓄電池にエネルギーが供給されるべきか、及びどのようにしてボール内部のこの複雑なシステムを、動きの円滑さを損なうことなく実現するかについて、未解決のままである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】独国特許出願公開第198 00 796 A1号明細書
【特許文献2】米国特許第5,915,407号明細書
【特許文献3】米国特許第4,568,081号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第32 21 749 A1号明細書
【特許文献5】米国特許第4,577,865号明細書
【特許文献6】米国特許第6,547,703号明細書
【特許文献7】米国特許第5,755,634号明細書
【特許文献8】米国特許第6,055,854号明細書
【特許文献9】米国特許第5,856,619号明細書
【特許文献10】独国特許出願公開第10 2007 013 025 A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、先行技術の欠点を克服し、且つ、特に耐漏性の向上したボール用バルブ、及びかかるバルブの製造方法を提供することが、本発明の課題である。本発明の別の課題は、向上した耐漏性を有するのみならず、耐漏性を確実に確認することも可能なボールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、第1の実施形態において、ボール用バルブの製造方法によりこうした問題を解決し、ここでバルブはコアとケーシングとを含む。この方法の第1のステップでは、コアが第1の弾性材料で作製される。第2のステップでは、ケーシングがコアの周囲に第2の材料から形成される。
【0016】
先行技術とは異なり、後にコアをケーシングに挿入する必要なしにバルブは形成される。これにより、先行技術に従うと挿入中に不可避的に生じるような、空気漏れにつながり得るコア、及び特にケーシングの変形が回避される。
【0017】
好ましくは、コアはその作製後、すなわち第1のステップの後に成形型内に配置され、第2のステップにおいて、その成形型内に射出成形によってケーシングが形成される。特に、ケーシングは、気密性を向上させるため高圧を用いて射出される。成形型を使用することにより、なかでも射出成形が特に好ましい有利な成形技術を適用することが可能となる。しかしながら、他の技術、例えばプレス加工又は押出加工を企図することも可能である。言及された技術を適用すると、後にコアをケーシングに挿入する必要がないようにして、コアの周囲にケーシングを形成することができる。
【0018】
代替的方法では、まず初めにケーシングが射出成形によって作製され、ここでケーシングは空洞を備える。第2のステップで、その空洞によって圧力下にコアが作製される。
【0019】
好ましい実施形態において、コアは形成中、固定具によって成形型に固定される。これにより、コアをケーシングに対して正確に位置決めすることが可能となり、これはバルブが適切に機能するために重要である。
【0020】
第2の材料、すなわちケーシングの材料は、実質的に透明であることがさらに好ましい。これにより、ケーシングの凹部に点灯手段、特に発光ダイオード(LED)を配置することが可能となり、その光はケーシングを通じて外部に放たれ得る。従って、そのように配置された点灯手段は保護されており、別個のハウジングは必要ない。点灯手段を使用して、ボール内の電子デバイス、例えば圧力センサの状態又は値を表示することができる。
【0021】
好ましい実施形態において、第2の材料は弾性を有し、好ましくは熱可塑性ポリウレタン(TPU)を含む。
【0022】
好ましくは、第1の弾性材料、すなわちコアの材料は、ゴム材料を含む。代替的実施形態において、第1の弾性材料はTPUを含む。従って双方の実施形態とも、その材料の弾性によって、変形する場合にも耐漏性の高いバルブを実現する。
【0023】
本発明のさらなる態様は、ケーシングと、少なくとも部分的にケーシング内部に配置されるコアとを含むボール用バルブに関する。コアは、交互になった凹面と凸面との曲率を有する複数の部分を備えた第1の封止領域を含む。
【0024】
上記に説明されたとおり、先行技術に係るコア及びケーシングの角状及び矩形の突起、それぞれの凹部は、バルブを通じた空気漏れにつながる。その原因は、以下のとおり説明することができる:バルブが変形する際、コアとケーシングとの互いに接し合う表面に力が作用する。こうした力は、概して弾性材料の変形をもたらす。しかしながら、平面的な表面及び縁端、すなわち不連続な表面曲率の場合、表面と平行な力の成分によって、2つの表面が互いに対しずれを生じ得る。このずれによって、典型的には縁端において、2つの表面間にさらに空洞が生じ、ひいてはこれが空気の漏出につながり得る。
【0025】
この漏出問題は、本発明のこの態様に従えば、コアが、複数の交互になった凹面部分と凸面部分とを備えた第1の封止領域を含むことで解決される。交互の表面曲率は、コアに作用する力がケーシングに対してずれを生じさせるリスク、及びその逆のリスクを実質的に軽減する。これにより、空洞の発生、ひいては空気の漏出が回避される。
【0026】
好ましくは、ケーシングが第2の封止領域を含み、ここで第2の封止領域は第1の封止領域に係合し、及び第2の封止領域の曲率は、第1の封止領域の曲率と実質的に一致する。この場合、係合によって第1の封止領域と第2の封止領域とは密閉状の湾曲した接触表面を形成し、これは、その上に力が作用するとき、2つの表面が互いに対してずれることなく、一体となって変形する。
【0027】
さらに、第1の封止領域は連続的に湾曲している、すなわち、第1の封止領域の表面が縁端又は「キンク」を有しないことが好ましい。上記に説明されたとおり、これにより、第1の封止領域と第2の封止領域との間にずれが起こる場合に空気が漏れる可能性が低減される。また、これにより、コアをケーシングに挿入することによってバルブが製造される場合に、コアの表面の縁端又はキンクによりケーシングが破損するリスクも回避される。
【0028】
さらに、凸面部分の曲率半径と凹面部分の曲率半径とは、実質的に等しいことが好ましい。これにより、製造が簡略化される。例えば、これはコア用の成形型のより単純な形状につながる。
【0029】
また、複数の凸面部分及び凹面部分の少なくとも一方が、ほぼ半円形の断面を含むことも好ましい。この形状は、第1の封止領域と第2の封止領域との間の接触表面の最大化、及び2つの封止領域の間の係合の最適化、従って気密性の向上をもたらす。従って、複数の凸面部分及び凹面部分の各々がほぼ半円形の断面を含むならば、特に好ましい。
【0030】
さらなる実施形態において、コアは、第1の縁端を備えた少なくとも1つの第3の封止領域を含み、第1の縁端はケーシングの対応する第2の縁端に係合する。先述したが、第1の封止領域と第2の封止領域との湾曲した表面に加え、コアの少なくとも1つの第3の封止領域における第1の縁端が、ケーシングの第2の縁端に係合することが有利であり得る。これにより、ケーシング内部にコアを正確に位置決めすることができる。
【0031】
さらに、第3の封止領域の直径は第1の封止領域の直径より大きいことが好ましい。第3の封止領域の直径が大きいほど、バルブの長手方向軸に沿って作用する、ずれを生じさせる力に対する抵抗性が大きくなる。かかる力は、特に、ボール用ポンプがバルブに挿入されてボールを膨らませる間に生じる。
【0032】
さらなる実施形態において、第3の封止領域はコアの外端部分に配置される。この領域では、コアをケーシングに対して確定的に位置決めすることが特に重要であり、これは、まさにこの点でボール用ポンプがコアに入り、コアに強い力を及ぼすためである。
【0033】
さらなる実施形態において、ケーシングはその外端に、ケーシングの内端より大きい直径のカバー領域を含む。このカバー領域は、ケーシングをボールの内袋と密接に結合するためのより大きい領域を提供する。
【0034】
さらなる実施形態において、少なくとも1つの点灯手段、特に少なくとも1つのLED(発光ダイオード)を受け入れるための少なくとも1つの凹部が、ケーシングの外端に配置される。従って、ケーシングは点灯手段用のハウジングとして使用することができ、点灯手段はその光を、好ましくは透明のケーシングの外端を通じて外部に放つ。また、点灯手段用の別個のハウジングは不要である。
【0035】
さらなる実施形態において、ハウジングは電磁コイル用の凹部を含み、これは好ましくはケーシングの内端に配置される。このコイルを使用して、ボール内部のエネルギー貯蔵装置、例えば蓄電池又はコンデンサを誘導充電することができる。このように、エネルギー貯蔵装置を外部から充電するための別個の電磁コイル又はコネクタを必要とすることなく、ボール内部の電源についての極めて単純な可能性が提供される。ケーシングの内端に配置すると、ボールの層との干渉が回避され、従って空気漏れの問題が回避されるため有利である。
【0036】
本発明のさらなる態様は、上記のバルブを備えたボールに関する。好ましくは、ボールは電磁コイルを含み、これは先述したケーシングの凹部に配置される。さらに、ボールは、電子デバイスと、電磁コイルによって誘導充電することのできるエネルギー貯蔵装置とを含む。さらに、電子デバイスは圧力センサを含むことが好ましい。
【0037】
電磁コイルをケーシングに配置することに代えて、電磁コイルはボールの内袋に、好ましくはバルブを囲む環形状で配置される。
【0038】
かかるボールは、特に気密のバルブを有するだけでなく、ボール内部の圧力を確認することも可能である。必要に応じて、ボールの機能特性が損なわれる前に、予め圧力を補正することができる。
【0039】
さらに、電磁コイルは、ボールのバランスをとるための電子デバイスに対するカウンタウェイトとして機能することが好ましい。一般に、ボールの動きの円滑さを損なわないためには、カウンタウェイトによってボール内部のデバイスのバランスをとる必要がある。電磁コイルをバルブに配置すると、バランスをとる必要のある構成要素を省略できるだけでなく、電磁コイルの寸法(材料、ワイヤ厚、巻き数など)を変えることにより、コイルそれ自体を、内袋の反対側にある電子デバイスのバランスをとるための可変カウンタウェイトとして使用することができる。
【0040】
さらなる実施形態において、少なくとも1つの点灯手段が、電子デバイスのディスプレイとしてケーシングの少なくとも1つの凹部に配置される。好ましくは、第1の点灯手段がボールの過剰な低圧及び/又は過剰な高圧を表示し、及び第2の点灯手段が適正な圧力を表示する。点灯手段、例えばLEDは、機能状態の表示についての極めて単純な、従って容易に認識することのできる可能性を提供する。これにより、ボールの圧力の現在の状態に関する直接的で有効なフィードバックが常時可能となる。別の可能性は、圧力又は他の情報を表示するための単一の点灯手段の使用である。
【0041】
さらに好ましい実施形態が、さらなる従属請求項に記載される。
【0042】
以下の本発明の実施形態の態様では、添付の図面を参照することによってさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】ボール用バルブの実施形態の断面の斜視図である。
【図2】図1のバルブの概略側面図である。
【図3】図2の断面の分解図である。
【図4】ボール用バルブの実施形態の斜視図である。
【図5】ボール用バルブの実施形態の概略図である。
【図6】バルブのコアの実施形態の概略図である。
【図7】ボール用バルブの実施形態の概略図である。
【図8】ボール用バルブの実施形態の概略図である。
【図9】バルブ及び電磁コイルの実施形態である。
【図10】エネルギー貯蔵装置を有するボール用の充電ステーションの実施形態である。
【図11】エネルギー貯蔵装置を有するボール用の充電ステーションのさらなる実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下の本発明の実施形態では、ボール用バルブ、バルブの製造方法及びこのバルブを備えたボールの例を用いて、さらに詳細に説明する。本発明は、サッカー、ハンドボール、バスケットボール、アメリカンフットボールなどのスポーツ用の任意のタイプのボールに適用し得ることが理解されるべきである。
【0045】
図1は、ボール用バルブの断面の斜視図である。図1には、ケーシング100とコア200とを有するバルブ1を見ることができる。コア200は、少なくとも部分的にケーシング100の内部に配置される。ケーシング100は、カバー領域112と凹部121とを含む。
【0046】
カバー領域112は、好ましくはケーシング100の他の部分より実質的に大きい直径を有し、そのためケーシング100をボールと広範囲に、従って密接に結合することが可能となる。例えば、カバー領域112は、ケーシング100の他の部分が内袋の開口部を通じて内袋の中に延在するようにして、ボールの内袋の上に重ね置かれ得る。この開口部はカバー領域112によって覆われ、気密シールが提供される。
【0047】
ボールを膨らませるため、ケーシング100はコア200を貫通する孔111を含む。コア200は、孔111の延長上に細径パイプ211を有し、これによってボール用ポンプの針状上端をボール内部に挿入することが可能となる。細径パイプ211は、コア211の弾性材料によって圧縮されているため、細径パイプ211を通じて空気が漏出することはない。同様に図1に見ることができるとおり、ケーシング100はコア200を間隙なく、囲い込むため、ケーシング100とコア200との接触表面に沿って空気が漏出することも、同様に不可能である。
【0048】
凹部121は、電磁コイル(図1には図示せず)の巻線用のレセプタクルとして働き、ボールの内部に配置されたエネルギー貯蔵装置(図1には図示せず)を誘導充電するために用いることができる。これによって電子デバイス(図1には図示せず)の動作が可能となり、電子デバイスとしては、圧力センサ、加速度センサ、温度センサ及びさらに別のセンサ、並びに、ボールの特性、その位置及びその動きを測定するための回路が含まれ得る。
【0049】
図2の概略側面図は、図1のバルブのさらなる詳細を示す。特に、図2は、バルブ1、カバー領域112と凹部121とを備えるケーシング100、コア200、及び孔111を示す。ケーシング100とコア200とは、軸10に関して回転対称である。さらなる実施形態において、ケーシング100及びコア200は回転対称ではなく、例えば角状の、特に矩形の形状を有し得る。
【0050】
ケーシング100の外端110は、カバー領域112を介してボールの内袋と結合するケーシング100の端部である。カバー領域112はその下側面で(すなわち、ケーシング100の内端120に向く側面で)、例えば接着又は溶接によってそれが結合される内袋の外面上に載置される。従って、ケーシング100の内端120は、ボールの中に延在する端部である。この定義と同様に、コア200は外端210と内端220とを有する。
【0051】
電磁コイルを受け入れるための凹部121は、ケーシング100の内端120に位置する。図2の実施形態では、凹部121は軸10に対し、ケーシング100の外端110に向かって傾斜している。他の実施形態において、凹部121は異なる傾斜及び/又は異なる形状を有する;例えば、凹部121は軸10と平行に延在してもよく、又は湾曲していてもよい。凹部121に配置される電磁コイルは、ボールの内部に配置される追加的な電子デバイスのバランスをとるためのカウンタウェイトとして用いることができ、これは以下で図9に関連して説明される。或いは、単純な重り又は他の大きい重量を有する手段が凹部121に配置されてもよい。
【0052】
図2は、ケーシング100のカバー領域112とコア200の他方の境界213との間に配置された領域115をさらに示す。領域115の高さは、点灯手段を受け入れるための陥凹部を配置するのに好適であるように選択されている。これは、以下で図4に関連してさらに詳細に説明される。
【0053】
図2はまた、コア200のさらなる機構、特に、コア200の内端220と外端210との間に配置された第1の封止領域230も示す。第1の封止領域230は複数の凹面部分231と凸面部分232とを含み、これらの部分は互いに当接している。或いは、これらの部分は直線部分によって分離されてもよい。各凸面部分232は、ケーシング100の第2の封止領域130の対応する凹面部分132に係合し、コア200の各凹面部分231は、ケーシング100の対応する凸面部分131に係合する。従って、ケーシング100はコア200を間隙なしに囲い込み、そのため耐漏性の高いバルブ1が可能となる。
【0054】
図2の実施形態では、コア200の凹面部分231と凸面部分232とは、交互に並んで、且つ互いに当接して配置されている。特に、3つの凸面部分232を有し、それらの間に2つの凹面部分231が配置された、図2に示される第1の封止領域230が好ましい。従って、ケーシング100の対応する第2の封止領域130は、3つの凹面部分132と2つの凸面部分131とを有する。代替的実施形態において、この凸面部分と凹面部分との並び方は異なってもよい。特に、凹面部分が、別の凹面部分に続き得る。これは、それに対応して凸面部分にも当てはまる。さらなる実施形態において(図示せず)、第1の封止領域は、互いに当接する1つの凹面部分と1つの凸面部分としか含まない。さらに別の実施形態において(図示せず)、第1の封止領域は、2つの凸面部分と、それらの間に配置された1つの凹面部分とを含む。
【0055】
凹面部分と凸面部分との並びにより、コア200とケーシング100との間に高い耐漏性が提供されるが、それに対して、先行技術から公知のバルブの平面及び縁端、例えば矩形の陥凹部又は突起は、空気漏れにつながることが判明している。この空気漏れの一原因は、平面及び縁端の変形が、コアとケーシングとの表面間にずれをもたらし得ることである。ひいてはこれが空洞を作り出すことがあり、そこを通じて空気が逃げ得る(本発明の概要を参照)。従って、コア200の第1の封止領域230が(従ってケーシング100の第2の封止領域130も)、その領域に縁端又は平面がないように連続的に湾曲しているならば、特に好ましい。
【0056】
図2の実施形態では、凹面部分231及び凸面部分232の曲率半径が、実質的に、すなわち通常の製造公差を除き、等しいことも分かる。これにより、製造方法、例えばコア200用の成形型の機械加工が簡略化される。
【0057】
図2はまた、凸面部分232及び凹面部分231の形状がほぼ半円形であることも示す。この形状は、第1の封止領域230と第2の封止領域130との間の接触表面の最大化、及び双方の封止領域の係合の最適化、従って耐漏性の向上をもたらす。
【0058】
図2はまた、コア200の内端220がケーシング100を越えて延在することも示し、ここで内端220は、半球体221で終端となる。半球体221の形状によってバルブの耐漏性が向上し、その理由は以下のとおりである:ポンプをボールの内部に挿入するための細径パイプ211(図1を参照)は、その出口点を半球体221の領域に有する。ボール内部の空気圧は、半球体221をあらゆる側面及び方向から均等に圧縮するため、管211もまた圧縮され、それによって管211を通じた空気漏れが回避される。半球体のさらなる利点は、容易に製造することができ、トリム加工する必要がないことである。
【0059】
図2は、コア200の外端210に配置された第3の封止領域240をさらに示し、これは、1つの凸面部分241と2つの凹面部分242とを有する。第1の封止領域230とは異なり、第3の封止領域240は1つ又は複数の第1の縁端243を含む。加えて、第3の封止領域240は第1の封止領域230より大きい直径を有する。従って第3の封止領域240により、長軸10に沿って力が作用する場合に備えて、ケーシング100の内部でコア200を確定的に位置決めすることができる。これは、より大きい直径及び縁端243が、長軸10に沿ったずれを防ぐためである。かかる力は、例えば、ボールポンプの挿入中及び抜き取り中に生じる。従って、第3の封止領域240をコア200の外端210に配置すると、ボールポンプはちょうどこの点に特に大きい力を及ぼすため、特に有利である。
【0060】
次に第3の封止領域240は、第1の封止領域230と第2の封止領域130との場合と同じく、ケーシング100の第4の封止領域140に対応する。第4の封止領域140は、コア200の対応する第1の縁端243に係合する1つ又は複数の第2の縁端143を特に含む。
【0061】
図3は図1の断面の分解図であり、ここでは、バルブ1、カバー領域112と凹部121とを備えたケーシング100、コア200、孔111及び細径パイプ211を見ることができる。図3は、コア200に対応するケーシング100の空洞101を特に良く示し、これは面一な適合を、従ってケーシング100とコア200との間の耐漏性を提供する。コア200及びケーシング100の双方とも、弾性材料で作られるため、バルブ1は変形時にも漏出に耐える。図3はまた、大きい曲率がいかにコア200の表面積201を増加させ、従ってバルブ1の耐漏性が向上するかについても示す。
【0062】
従来のバルブの製造方法に従えば、ケーシングとコアとは別個に作製され、続いてコアが開口部を通じてケーシングに圧入される。導入部において既述のとおり、この方法はいくつかの欠点を有する。特に、ケーシングは挿入中に引き伸ばされ、破損し得る。さらに、コアの形状は、ケーシングに導入し得るように制限されなければならない。コアの直径が大きくなるほど、ケーシングへの挿入が困難となり、破損のリスクが高まる。従って、コア200をケーシング100に挿入する必要のない製造方法を有することが望ましい。これは、製造プロセスのステップが省略されるというさらなる利点を有する。
【0063】
本発明のさらなる態様に相当するバルブ1のかかる製造方法は、実質的に2つのステップを含む。第1のステップでは、コア200が第1の弾性材料から作製される。好ましくは、第1の弾性材料はゴム材料を含み、ここでコア200は、プレス加工又は射出成形によって形成される。或いは、第1の材料はTPU(熱可塑性ポリウレタン)を含み、この場合コア200は、射出成形によって作製される。代替的実施形態において、コア200は他の弾性材料及び関連する作製方法で作られる。
【0064】
第2のステップでは、ケーシング100が、第2の材料を用いてコアの周囲に射出成形され、第2の材料は好ましくは透明であり、特に好ましくはTPUを含む。代替的実施形態において、ケーシング100は異なる弾性材料及び関連する作製方法で作られる。次に、コア200は孔111の延長上に針で孔が開けられ、細径管211が作り出される。針はコア200を半球体221の頂点から出る。
【0065】
好ましくは、コア200はその作製後、すなわち第1のステップの後に成形型内に配置され、第2のステップにおいて、その成形型内で射出成形によりケーシングがコア200の周囲の成形型に形成される。成形型は、プラスチック部品の製造に使用されるとおりの従来の成形型である。成形型を使用することにより、なかでも射出成形が特に好ましい有利な成形技術を適用することが可能となる。しかしながら、他の技術、例えば、プレス加工又は押出加工を企図することも可能である。
【0066】
好ましくは、コアは少なくとも1本の針によって適所に保持される。例えば、コア200は、孔111に置かれた固定具、特に針によって、成形型内で適所に保持することができる。
【0067】
ボールバルブ1を製造するには、ボールの内袋と結合される。特に、ケーシング100が開口部を通じて内袋に圧入される。開口部の直径は、ケーシング100の内端120における直径と実質的に等しい(図2を参照)。次に、カバー領域112の底面が、例えば接着又は溶接によって、内袋の外面と結合される。
【0068】
図4は、ボール用バルブの実施形態の斜視図である。バルブ1、カバー領域112と凹部121とを備えるケーシング100を、この図に見ることができる。この図では、コア200の半球体221のみが見えている。
【0069】
ケーシング100は、例えば、TPU又はゴム材料(ビニルなど)から製造することができる。ケーシング100と内袋との間に良好な結合を提供するため、内袋は好ましくは、ケーシング100と同じ材料から作製される。ある(透明又は半透明の)材料の使用は、TPUより安価であるため好ましい。
【0070】
図4の実施形態では、さらに、点灯手段用の1つ又は複数のレセプタクル116が、ケーシング100のカバー領域112の下方の領域115に配置されることを見ることができる。レセプタクル116は、点灯手段を受け入れるためのケーシング100における陥凹部117と、ケーシング100のブレーシング118とを含む。このようにして、ケーシング100を点灯手段用のハウジングとして使用することができ、点灯手段はその光を透明ケーシング100のカバー領域112を通じて外部に放つ。これにより、点灯手段用の別個のハウジングが省略される。光は、ケーシング100上に配置された突起か、又は点灯手段の上方に配置されたケーシング100の孔のいずれか、及びバルブの上方にあるボールの層(カーカス及び外層)におけるさらなる開口部を通じて外部に漏れ得る。
【0071】
以下の図5〜図8における寸法は、好ましい実施形態についての例示に過ぎず、他の実施形態においてはそれから逸脱し得る。
【0072】
図5は、ボール用バルブの実施形態の概略図を示す。この図は、側面図51と、底面図52と、底面図52の線A−Aに沿った断面53と、底面図52の線B−Bに沿った断面54とを示す。これらの図では、カバー領域112と電磁コイルを受け入れるための凹部121とを備えるケーシング100、並びにコア200を見ることができる。
【0073】
図5は、図51、図52、及び図54において、点灯手段用のレセプタクル116をさらに示し、これは各々、陥凹部117とブレーシング118とを備える。図5の実施形態では、好ましくは半球形の突起119が(透明)ケーシング100のカバー領域112上に配置される。突起119は、点灯手段を受け入れるための陥凹部117の上方に配置される。突起119は点灯手段の光を広範囲に放射し、従って点灯手段の高い視認性を提供する。突起119の上方でボールの層(カーカス及び外層)に小さい開口部が設けられ、光が漏れることを可能とする。突起119は、好ましくはボールの層の厚さと一致する高さを有する。
【0074】
図6は、ボールのバルブ用のコアの好ましい実施形態の概略図である。この図は、側面図61と、底面図62と、コア200の底面図62の線B−Bに沿った断面63とを示す。コア200の好ましい寸法は、図から直接読み取ることができる。例えば、図6の実施形態では、コア200の凹面部分231及び凸面部分232の曲率半径は、各々0.75mmの値を有する。
【0075】
図7は、ボール用バルブのさらなる実施形態の概略図である。この図は、側面図71と、底面図72と、底面図72の線B−Bに沿った断面74とを示す。ここでも、カバー領域112と電磁コイル用の凹部121とを備えたケーシング600、並びにコア700を見ることができる。
【0076】
図7の実施形態では、先述の実施形態とは異なり、コア700の(外側)輪郭702は、凹面部分132と凸面部分131とを含むケーシング600の(内側)輪郭と一致しない。むしろ、コア700の輪郭702はほんの僅かしか湾曲せず、実質的に唯1つの凹面部分731と2つの隣接する凸面部分とを含む。対照的に、ケーシング600の輪郭は一層大きく湾曲して、いくつかの凹面部分132と凸面部分131とを、好ましくは4つの凹面部分132と3つの凸面部分131とを含み、これは図73及び図74に見ることができる。
【0077】
コア700及びケーシング600は別個に製造され、続いてコア700がケーシング600に挿入される。コア700は弾性材料(例えばゴム)で作られ、且つ、ケーシング600は弾性材料(例えばTPU)で作られるため、コア700はその形態がケーシング600に適応する。コア700をケーシング600に挿入する前は、コア700の輪郭とケーシング600の輪郭とは異なる。コア700は挿入される間に、その輪郭がケーシング600の輪郭に適応する。図7は、ケーシング600と挿入されたコア700とを示し、ここでコア700は依然としてその元の輪郭を有し、ケーシング600の輪郭にまだ適応していない。
【0078】
コア700をケーシング100に挿入する前は、凹面132部分と凸面131部分とを含むケーシング100の輪郭は、コア700の輪郭702と面一ではない。しかしながら、この実施形態においても、特に、ケーシング100の凸面部分131が、コア700の輪郭702に対して耐漏性を確実とするような高圧を及ぼすため、バルブは漏出に耐える。
【0079】
図7の図71、図72及び図74は、点灯手段用のレセプタクル116をさらに示し、ここで各レセプタクル116は陥凹部117とブレーシング118とを有する。図7の実施形態では、図5における突起119とは異なり、突起719は(透明)ケーシング100のカバー領域112の中心に配置される。好ましくは、突起719は円筒形状を有する。突起719は、突起719の下方の陥凹部117に配置された点灯手段からの光を集め、集めた光を広範囲に放つ。これにより、点灯手段の高い視認性が提供される。
【0080】
図8は、ケーシング800とコア700とを備えたボール用バルブのさらなる実施形態の概略図である。図7とは異なり、ケーシング800の輪郭802はコア700の輪郭702と一致し、従って双方の輪郭は面一で、高い耐漏性を提供する。コア700の輪郭702は、図7と同様にほんの僅かしか湾曲せず、ある凹面部分731と2つの凸面部分732とを備える第1の封止領域730を含む。それに対応して、ケーシング800の輪郭802はほんの僅かしか湾曲せず、第1の封止領域730と形状が一致する第2の封止領域830を含む。輪郭の面一な適合及びそれらの曲率が僅かであることにより、コア700のケーシング800への挿入が簡単となり、破損のリスクが低減される。
【0081】
コア700とケーシング800とは別個に製造されてもよく、製造後、コア700はケーシング800に挿入される。或いは、ケーシング800がコア700の周囲に射出成形されてもよい。
【0082】
本発明のさらなる態様は、上記のとおりのバルブ1を含むボールに関する。かかるボールは、電子デバイスとエネルギー貯蔵装置とをさらに含む。エネルギー貯蔵装置は電磁コイルによって誘導充電することができ、電磁コイルは、ケーシング100の凹部121内の巻線によって形成される。これにより、ボール内部の追加的な構成要素、すなわち電磁コイルの必要性が回避される。ケーシング100の1つ又は複数のレセプタクル116に配置される点灯手段によって、電子デバイスの状態を表示することができる。例えば、赤色の点灯手段が、ボールの過剰に低い、及び/又は過剰に高い圧力を表示することができ、緑色の点灯手段が、ボール内部の適正な圧力を表示することができる。或いは、単一の点灯手段が使用されてもよい。1つ又は複数の点灯手段は、エネルギー貯蔵装置(例えば、バッテリ又はコンデンサ)の充電状態を表示してもよい。上述されるとおり、電子デバイスとしては、圧力センサ、加速度センサ、温度センサ及びさらに別のセンサ、並びに、ボールの特性、その位置及びその動きを測定するための回路が含まれ得る。
【0083】
図9は、バルブ及び電磁コイルの代替的実施形態を示す。バルブ1と電磁コイル901とを有するボールの内袋10を見ることができる。電磁コイル901は内袋10に配置され、環形状にバルブ1を取り囲む。さらなる実施形態において、電磁コイル901は内袋10の他の位置に配置され、ここでは充電ステーションの電磁場までの距離が関連する。電磁コイル901が充電ステーションの電磁場に近接して位置するほど、電磁コイル901に接続されたエネルギー貯蔵装置をより速く充電することができ、且つ必要なエネルギーが少ない。電磁コイル901を内袋10に配置し、ここで電磁コイル901がバルブ1を囲む環形状に配置されると、充電ステーションの電磁場までの距離を特に短くすることが可能となり、従ってより速く充電することが可能となる。
【0084】
図9は、電磁コイル901が接続線902によってバルブ1に接続されていることをさらに示す。一実施形態において、電磁コイル901は内袋10のトンネル部に配置される。さらなる実施形態において、電磁コイル901は他の固定手段、例えば接着又は溶接によって内袋10に取り付けられる。
【0085】
図10は、エネルギー貯蔵装置を有するボール900用の充電ステーション910の実施形態を示す。図示されるとおり、ボール900はエネルギー貯蔵装置を充電する際、充電ステーション910に置かれる。これを達成するため、ボール900のバルブ1(見えない)が充電ステーション910の充電コイル(図示せず)に近接される。従って、充電ステーション910はボールを容易に回転させることができるように設計されている。充電ステーション910は、ボール内部のコイルが充電ステーション910の充電コイルに十分に近付いたとき、及び充電が完了したときに、それを信号で伝えるディスプレイを装備することができる。
【0086】
図11は、エネルギー貯蔵装置を有するボール用の充電ステーションのさらなる実施形態を示す。例示される充電ステーション910は、ボール用の凹部911を含む。さらに、充電ステーション910は、コントローラ913、例えばマイクロコントローラにディスプレイ914を含み、これは図11の図示においては、充電ステーション910から取り出されている。通常、コントローラ913は充電ステーション910の内部に配置される。ディスプレイ914は、例えば充電ステーション910の表面に配置されてもよい。
【0087】
ディスプレイ914は、ボールが充電ステーション910において、ボール内部のエネルギー貯蔵装置を充電するのに適正な位置にあるかどうかを示す。これを達成するため、充電ステーション910は、例えば凹部911の底面に配置され得る第2の電磁コイルを含む。さらなる実施形態において、第2の電磁コイル912は、充電ステーション910の他の位置に配置されてもよい。
【0088】
ボール内部の電磁コイルが、第2の電磁コイル912に信号を送る。充電ステーション910のコントローラ913がその信号を測定し、この信号は、第2の電磁コイル912に対する充電ステーション910内のボールの種々の向きに従い変化する。ボール内部の電磁コイルが充電に適正な位置にくると、それをコントローラ913が認識する。充電に適正な位置は、ディスプレイ914によって表示される。さらなる実施形態において、同様に種々の色を伴う数個のディスプレイが用いられる。ディスプレイの輝度を用いることで、ボール内部の電磁コイルの、充電に適正な位置までの距離を示してもよい。
【0089】
1つ又は複数の電子デバイス及びエネルギー貯蔵装置をボールの内部に配置するには、ボールのバランスをとって、ボールの円滑な動きに対する負の影響を回避する必要がある。この点で、電磁コイルの取付け台としてバルブを使用すると、ボール内部の追加的な構成要素が回避されて有利である。これはまた、重量の節減にもなる。さらに、バルブ及び電磁コイルそれ自体を、エネルギー貯蔵装置及び電子デバイスに対するカウンタウェイトとして使用することができる。さらに、バルブ及び電磁コイルは、凹部121の形状(図1〜図5、図7を参照)、材料、ワイヤ厚さ、巻き数及び電磁コイルの他のパラメータを変えることにより、バランスをとるための可変カウンタウェイトとして使用することが可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボール用バルブに関する。さらに、本発明は、ボール用バルブの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ボールは、ボール内部に所要の圧力を実現するため、製造後にボール用ポンプでボールを膨らませるためのバルブを備える。しかしながら、公知のボール及びバルブは気密性が完全ではないため、時間の経過に伴い、ボールを何度も繰り返し膨らませなければならない。これは、ボールが使用中に強烈に変形するとき、例えばサッカーの場合に特に当てはまる。
【0003】
従来のボール用バルブは、ケーシングとコアとからなる。ケーシングとコアとは、通常はゴム又はゴム混合物から、別個に製造される。バルブの組立時、相当量の力を加えることによってコアがケーシングに圧入される。
【0004】
かかるボール用バルブが、例えば、特許文献1に記載されている。このバルブのコアは、矩形の断面形状を有する角状突起を備える。角状突起がケーシングの溝に係合し、それによってコアがケーシング内に固定される。同様の構造が、特許文献2に記載されている。
【0005】
さらに、特許文献3には、直径の大きい部分が半円形の凹部を有し、この凹部がケーシング上の対応するリブに係合するコアが開示されている。
【0006】
特許文献4には、耐漏性を向上させるための、バルブ上方の開口部を封止するプラグにが記載されている。このプラグは丸い突起を含み得る。ボールを膨らませるために、プラグは引き抜くか、又は押し退けることができる。しかしながら、このプラグはバルブそれ自体の耐漏性を向上させるものではない。
【0007】
従って、公知のボール用バルブは様々な欠点を有する。コアの突起は、確かにコアの表面積を増加させ、コアとケーシングとの間の耐漏性を高め得る。他方で、例えば、ボールに作用する強い力によって引き起こされる変形に起因して、コア及びケーシングの角状及び矩形の突起、それぞれの凹部により、空気が逃げ易くなることが分かっている。
【0008】
さらに、バルブの組立中にコアがケーシングに圧入されるとき、コアの突起によってケーシングに変形が生じる。こうした変形によりケーシングが破損し、耐漏性が低下し得る。逆に、挿入中にコアが破損することもある。
【0009】
さらに、スポーツにおいてボールを使用するには、ボールが気密バルブを有することは十分でない。むしろ、ボールは適切な圧力も有しなければならない。従って、ボールの運動性及び反発性が悪影響を受ける前であっても、ボールの圧力を単純な方法で確認し、必要に応じてそれを調整することが可能でなければならない。ボールに圧力センサを提供して圧力を表示することがさらに公知である。
【0010】
例えば、特許文献5には、ボールに作用する外力を検知するセンサを備えたボールが記載されており、このボールは、数値用ディスプレイを有する。特許文献6には、圧力センサと機械的又は電子的圧力ディスプレイとを備えた練習用ボールが記載されている。別のボール用圧力ディスプレイが、特許文献7に記載されている。圧力センサ及びディスプレイはタイヤについても公知であり、例えば、特許文献8及び特許文献9に記載されている。
【0011】
特許文献10には、圧力センサを備えたボールが開示されており、測定された圧力は、透明なバルブに取り付けられたLED(発光ダイオード)によって表示される。蓄電池又はバッテリによって電源が供給されなければならない。
【0012】
しかしながら、この文献は、どのようにして蓄電池にエネルギーが供給されるべきか、及びどのようにしてボール内部のこの複雑なシステムを、動きの円滑さを損なうことなく実現するかについて、未解決のままである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】独国特許出願公開第198 00 796 A1号明細書
【特許文献2】米国特許第5,915,407号明細書
【特許文献3】米国特許第4,568,081号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第32 21 749 A1号明細書
【特許文献5】米国特許第4,577,865号明細書
【特許文献6】米国特許第6,547,703号明細書
【特許文献7】米国特許第5,755,634号明細書
【特許文献8】米国特許第6,055,854号明細書
【特許文献9】米国特許第5,856,619号明細書
【特許文献10】独国特許出願公開第10 2007 013 025 A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、先行技術の欠点を克服し、且つ、特に耐漏性の向上したボール用バルブ、及びかかるバルブの製造方法を提供することが、本発明の課題である。本発明の別の課題は、向上した耐漏性を有するのみならず、耐漏性を確実に確認することも可能なボールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、第1の実施形態において、ボール用バルブの製造方法によりこうした問題を解決し、ここでバルブはコアとケーシングとを含む。この方法の第1のステップでは、コアが第1の弾性材料で作製される。第2のステップでは、ケーシングがコアの周囲に第2の材料から形成される。
【0016】
先行技術とは異なり、後にコアをケーシングに挿入する必要なしにバルブは形成される。これにより、先行技術に従うと挿入中に不可避的に生じるような、空気漏れにつながり得るコア、及び特にケーシングの変形が回避される。
【0017】
好ましくは、コアはその作製後、すなわち第1のステップの後に成形型内に配置され、第2のステップにおいて、その成形型内に射出成形によってケーシングが形成される。特に、ケーシングは、気密性を向上させるため高圧を用いて射出される。成形型を使用することにより、なかでも射出成形が特に好ましい有利な成形技術を適用することが可能となる。しかしながら、他の技術、例えばプレス加工又は押出加工を企図することも可能である。言及された技術を適用すると、後にコアをケーシングに挿入する必要がないようにして、コアの周囲にケーシングを形成することができる。
【0018】
代替的方法では、まず初めにケーシングが射出成形によって作製され、ここでケーシングは空洞を備える。第2のステップで、その空洞によって圧力下にコアが作製される。
【0019】
好ましい実施形態において、コアは形成中、固定具によって成形型に固定される。これにより、コアをケーシングに対して正確に位置決めすることが可能となり、これはバルブが適切に機能するために重要である。
【0020】
第2の材料、すなわちケーシングの材料は、実質的に透明であることがさらに好ましい。これにより、ケーシングの凹部に点灯手段、特に発光ダイオード(LED)を配置することが可能となり、その光はケーシングを通じて外部に放たれ得る。従って、そのように配置された点灯手段は保護されており、別個のハウジングは必要ない。点灯手段を使用して、ボール内の電子デバイス、例えば圧力センサの状態又は値を表示することができる。
【0021】
好ましい実施形態において、第2の材料は弾性を有し、好ましくは熱可塑性ポリウレタン(TPU)を含む。
【0022】
好ましくは、第1の弾性材料、すなわちコアの材料は、ゴム材料を含む。代替的実施形態において、第1の弾性材料はTPUを含む。従って双方の実施形態とも、その材料の弾性によって、変形する場合にも耐漏性の高いバルブを実現する。
【0023】
本発明のさらなる態様は、ケーシングと、少なくとも部分的にケーシング内部に配置されるコアとを含むボール用バルブに関する。コアは、交互になった凹面と凸面との曲率を有する複数の部分を備えた第1の封止領域を含む。
【0024】
上記に説明されたとおり、先行技術に係るコア及びケーシングの角状及び矩形の突起、それぞれの凹部は、バルブを通じた空気漏れにつながる。その原因は、以下のとおり説明することができる:バルブが変形する際、コアとケーシングとの互いに接し合う表面に力が作用する。こうした力は、概して弾性材料の変形をもたらす。しかしながら、平面的な表面及び縁端、すなわち不連続な表面曲率の場合、表面と平行な力の成分によって、2つの表面が互いに対しずれを生じ得る。このずれによって、典型的には縁端において、2つの表面間にさらに空洞が生じ、ひいてはこれが空気の漏出につながり得る。
【0025】
この漏出問題は、本発明のこの態様に従えば、コアが、複数の交互になった凹面部分と凸面部分とを備えた第1の封止領域を含むことで解決される。交互の表面曲率は、コアに作用する力がケーシングに対してずれを生じさせるリスク、及びその逆のリスクを実質的に軽減する。これにより、空洞の発生、ひいては空気の漏出が回避される。
【0026】
好ましくは、ケーシングが第2の封止領域を含み、ここで第2の封止領域は第1の封止領域に係合し、及び第2の封止領域の曲率は、第1の封止領域の曲率と実質的に一致する。この場合、係合によって第1の封止領域と第2の封止領域とは密閉状の湾曲した接触表面を形成し、これは、その上に力が作用するとき、2つの表面が互いに対してずれることなく、一体となって変形する。
【0027】
さらに、第1の封止領域は連続的に湾曲している、すなわち、第1の封止領域の表面が縁端又は「キンク」を有しないことが好ましい。上記に説明されたとおり、これにより、第1の封止領域と第2の封止領域との間にずれが起こる場合に空気が漏れる可能性が低減される。また、これにより、コアをケーシングに挿入することによってバルブが製造される場合に、コアの表面の縁端又はキンクによりケーシングが破損するリスクも回避される。
【0028】
さらに、凸面部分の曲率半径と凹面部分の曲率半径とは、実質的に等しいことが好ましい。これにより、製造が簡略化される。例えば、これはコア用の成形型のより単純な形状につながる。
【0029】
また、複数の凸面部分及び凹面部分の少なくとも一方が、ほぼ半円形の断面を含むことも好ましい。この形状は、第1の封止領域と第2の封止領域との間の接触表面の最大化、及び2つの封止領域の間の係合の最適化、従って気密性の向上をもたらす。従って、複数の凸面部分及び凹面部分の各々がほぼ半円形の断面を含むならば、特に好ましい。
【0030】
さらなる実施形態において、コアは、第1の縁端を備えた少なくとも1つの第3の封止領域を含み、第1の縁端はケーシングの対応する第2の縁端に係合する。先述したが、第1の封止領域と第2の封止領域との湾曲した表面に加え、コアの少なくとも1つの第3の封止領域における第1の縁端が、ケーシングの第2の縁端に係合することが有利であり得る。これにより、ケーシング内部にコアを正確に位置決めすることができる。
【0031】
さらに、第3の封止領域の直径は第1の封止領域の直径より大きいことが好ましい。第3の封止領域の直径が大きいほど、バルブの長手方向軸に沿って作用する、ずれを生じさせる力に対する抵抗性が大きくなる。かかる力は、特に、ボール用ポンプがバルブに挿入されてボールを膨らませる間に生じる。
【0032】
さらなる実施形態において、第3の封止領域はコアの外端部分に配置される。この領域では、コアをケーシングに対して確定的に位置決めすることが特に重要であり、これは、まさにこの点でボール用ポンプがコアに入り、コアに強い力を及ぼすためである。
【0033】
さらなる実施形態において、ケーシングはその外端に、ケーシングの内端より大きい直径のカバー領域を含む。このカバー領域は、ケーシングをボールの内袋と密接に結合するためのより大きい領域を提供する。
【0034】
さらなる実施形態において、少なくとも1つの点灯手段、特に少なくとも1つのLED(発光ダイオード)を受け入れるための少なくとも1つの凹部が、ケーシングの外端に配置される。従って、ケーシングは点灯手段用のハウジングとして使用することができ、点灯手段はその光を、好ましくは透明のケーシングの外端を通じて外部に放つ。また、点灯手段用の別個のハウジングは不要である。
【0035】
さらなる実施形態において、ハウジングは電磁コイル用の凹部を含み、これは好ましくはケーシングの内端に配置される。このコイルを使用して、ボール内部のエネルギー貯蔵装置、例えば蓄電池又はコンデンサを誘導充電することができる。このように、エネルギー貯蔵装置を外部から充電するための別個の電磁コイル又はコネクタを必要とすることなく、ボール内部の電源についての極めて単純な可能性が提供される。ケーシングの内端に配置すると、ボールの層との干渉が回避され、従って空気漏れの問題が回避されるため有利である。
【0036】
本発明のさらなる態様は、上記のバルブを備えたボールに関する。好ましくは、ボールは電磁コイルを含み、これは先述したケーシングの凹部に配置される。さらに、ボールは、電子デバイスと、電磁コイルによって誘導充電することのできるエネルギー貯蔵装置とを含む。さらに、電子デバイスは圧力センサを含むことが好ましい。
【0037】
電磁コイルをケーシングに配置することに代えて、電磁コイルはボールの内袋に、好ましくはバルブを囲む環形状で配置される。
【0038】
かかるボールは、特に気密のバルブを有するだけでなく、ボール内部の圧力を確認することも可能である。必要に応じて、ボールの機能特性が損なわれる前に、予め圧力を補正することができる。
【0039】
さらに、電磁コイルは、ボールのバランスをとるための電子デバイスに対するカウンタウェイトとして機能することが好ましい。一般に、ボールの動きの円滑さを損なわないためには、カウンタウェイトによってボール内部のデバイスのバランスをとる必要がある。電磁コイルをバルブに配置すると、バランスをとる必要のある構成要素を省略できるだけでなく、電磁コイルの寸法(材料、ワイヤ厚、巻き数など)を変えることにより、コイルそれ自体を、内袋の反対側にある電子デバイスのバランスをとるための可変カウンタウェイトとして使用することができる。
【0040】
さらなる実施形態において、少なくとも1つの点灯手段が、電子デバイスのディスプレイとしてケーシングの少なくとも1つの凹部に配置される。好ましくは、第1の点灯手段がボールの過剰な低圧及び/又は過剰な高圧を表示し、及び第2の点灯手段が適正な圧力を表示する。点灯手段、例えばLEDは、機能状態の表示についての極めて単純な、従って容易に認識することのできる可能性を提供する。これにより、ボールの圧力の現在の状態に関する直接的で有効なフィードバックが常時可能となる。別の可能性は、圧力又は他の情報を表示するための単一の点灯手段の使用である。
【0041】
さらに好ましい実施形態が、さらなる従属請求項に記載される。
【0042】
以下の本発明の実施形態の態様では、添付の図面を参照することによってさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】ボール用バルブの実施形態の断面の斜視図である。
【図2】図1のバルブの概略側面図である。
【図3】図2の断面の分解図である。
【図4】ボール用バルブの実施形態の斜視図である。
【図5】ボール用バルブの実施形態の概略図である。
【図6】バルブのコアの実施形態の概略図である。
【図7】ボール用バルブの実施形態の概略図である。
【図8】ボール用バルブの実施形態の概略図である。
【図9】バルブ及び電磁コイルの実施形態である。
【図10】エネルギー貯蔵装置を有するボール用の充電ステーションの実施形態である。
【図11】エネルギー貯蔵装置を有するボール用の充電ステーションのさらなる実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下の本発明の実施形態では、ボール用バルブ、バルブの製造方法及びこのバルブを備えたボールの例を用いて、さらに詳細に説明する。本発明は、サッカー、ハンドボール、バスケットボール、アメリカンフットボールなどのスポーツ用の任意のタイプのボールに適用し得ることが理解されるべきである。
【0045】
図1は、ボール用バルブの断面の斜視図である。図1には、ケーシング100とコア200とを有するバルブ1を見ることができる。コア200は、少なくとも部分的にケーシング100の内部に配置される。ケーシング100は、カバー領域112と凹部121とを含む。
【0046】
カバー領域112は、好ましくはケーシング100の他の部分より実質的に大きい直径を有し、そのためケーシング100をボールと広範囲に、従って密接に結合することが可能となる。例えば、カバー領域112は、ケーシング100の他の部分が内袋の開口部を通じて内袋の中に延在するようにして、ボールの内袋の上に重ね置かれ得る。この開口部はカバー領域112によって覆われ、気密シールが提供される。
【0047】
ボールを膨らませるため、ケーシング100はコア200を貫通する孔111を含む。コア200は、孔111の延長上に細径パイプ211を有し、これによってボール用ポンプの針状上端をボール内部に挿入することが可能となる。細径パイプ211は、コア211の弾性材料によって圧縮されているため、細径パイプ211を通じて空気が漏出することはない。同様に図1に見ることができるとおり、ケーシング100はコア200を間隙なく、囲い込むため、ケーシング100とコア200との接触表面に沿って空気が漏出することも、同様に不可能である。
【0048】
凹部121は、電磁コイル(図1には図示せず)の巻線用のレセプタクルとして働き、ボールの内部に配置されたエネルギー貯蔵装置(図1には図示せず)を誘導充電するために用いることができる。これによって電子デバイス(図1には図示せず)の動作が可能となり、電子デバイスとしては、圧力センサ、加速度センサ、温度センサ及びさらに別のセンサ、並びに、ボールの特性、その位置及びその動きを測定するための回路が含まれ得る。
【0049】
図2の概略側面図は、図1のバルブのさらなる詳細を示す。特に、図2は、バルブ1、カバー領域112と凹部121とを備えるケーシング100、コア200、及び孔111を示す。ケーシング100とコア200とは、軸10に関して回転対称である。さらなる実施形態において、ケーシング100及びコア200は回転対称ではなく、例えば角状の、特に矩形の形状を有し得る。
【0050】
ケーシング100の外端110は、カバー領域112を介してボールの内袋と結合するケーシング100の端部である。カバー領域112はその下側面で(すなわち、ケーシング100の内端120に向く側面で)、例えば接着又は溶接によってそれが結合される内袋の外面上に載置される。従って、ケーシング100の内端120は、ボールの中に延在する端部である。この定義と同様に、コア200は外端210と内端220とを有する。
【0051】
電磁コイルを受け入れるための凹部121は、ケーシング100の内端120に位置する。図2の実施形態では、凹部121は軸10に対し、ケーシング100の外端110に向かって傾斜している。他の実施形態において、凹部121は異なる傾斜及び/又は異なる形状を有する;例えば、凹部121は軸10と平行に延在してもよく、又は湾曲していてもよい。凹部121に配置される電磁コイルは、ボールの内部に配置される追加的な電子デバイスのバランスをとるためのカウンタウェイトとして用いることができ、これは以下で図9に関連して説明される。或いは、単純な重り又は他の大きい重量を有する手段が凹部121に配置されてもよい。
【0052】
図2は、ケーシング100のカバー領域112とコア200の他方の境界213との間に配置された領域115をさらに示す。領域115の高さは、点灯手段を受け入れるための陥凹部を配置するのに好適であるように選択されている。これは、以下で図4に関連してさらに詳細に説明される。
【0053】
図2はまた、コア200のさらなる機構、特に、コア200の内端220と外端210との間に配置された第1の封止領域230も示す。第1の封止領域230は複数の凹面部分231と凸面部分232とを含み、これらの部分は互いに当接している。或いは、これらの部分は直線部分によって分離されてもよい。各凸面部分232は、ケーシング100の第2の封止領域130の対応する凹面部分132に係合し、コア200の各凹面部分231は、ケーシング100の対応する凸面部分131に係合する。従って、ケーシング100はコア200を間隙なしに囲い込み、そのため耐漏性の高いバルブ1が可能となる。
【0054】
図2の実施形態では、コア200の凹面部分231と凸面部分232とは、交互に並んで、且つ互いに当接して配置されている。特に、3つの凸面部分232を有し、それらの間に2つの凹面部分231が配置された、図2に示される第1の封止領域230が好ましい。従って、ケーシング100の対応する第2の封止領域130は、3つの凹面部分132と2つの凸面部分131とを有する。代替的実施形態において、この凸面部分と凹面部分との並び方は異なってもよい。特に、凹面部分が、別の凹面部分に続き得る。これは、それに対応して凸面部分にも当てはまる。さらなる実施形態において(図示せず)、第1の封止領域は、互いに当接する1つの凹面部分と1つの凸面部分としか含まない。さらに別の実施形態において(図示せず)、第1の封止領域は、2つの凸面部分と、それらの間に配置された1つの凹面部分とを含む。
【0055】
凹面部分と凸面部分との並びにより、コア200とケーシング100との間に高い耐漏性が提供されるが、それに対して、先行技術から公知のバルブの平面及び縁端、例えば矩形の陥凹部又は突起は、空気漏れにつながることが判明している。この空気漏れの一原因は、平面及び縁端の変形が、コアとケーシングとの表面間にずれをもたらし得ることである。ひいてはこれが空洞を作り出すことがあり、そこを通じて空気が逃げ得る(本発明の概要を参照)。従って、コア200の第1の封止領域230が(従ってケーシング100の第2の封止領域130も)、その領域に縁端又は平面がないように連続的に湾曲しているならば、特に好ましい。
【0056】
図2の実施形態では、凹面部分231及び凸面部分232の曲率半径が、実質的に、すなわち通常の製造公差を除き、等しいことも分かる。これにより、製造方法、例えばコア200用の成形型の機械加工が簡略化される。
【0057】
図2はまた、凸面部分232及び凹面部分231の形状がほぼ半円形であることも示す。この形状は、第1の封止領域230と第2の封止領域130との間の接触表面の最大化、及び双方の封止領域の係合の最適化、従って耐漏性の向上をもたらす。
【0058】
図2はまた、コア200の内端220がケーシング100を越えて延在することも示し、ここで内端220は、半球体221で終端となる。半球体221の形状によってバルブの耐漏性が向上し、その理由は以下のとおりである:ポンプをボールの内部に挿入するための細径パイプ211(図1を参照)は、その出口点を半球体221の領域に有する。ボール内部の空気圧は、半球体221をあらゆる側面及び方向から均等に圧縮するため、管211もまた圧縮され、それによって管211を通じた空気漏れが回避される。半球体のさらなる利点は、容易に製造することができ、トリム加工する必要がないことである。
【0059】
図2は、コア200の外端210に配置された第3の封止領域240をさらに示し、これは、1つの凸面部分241と2つの凹面部分242とを有する。第1の封止領域230とは異なり、第3の封止領域240は1つ又は複数の第1の縁端243を含む。加えて、第3の封止領域240は第1の封止領域230より大きい直径を有する。従って第3の封止領域240により、長軸10に沿って力が作用する場合に備えて、ケーシング100の内部でコア200を確定的に位置決めすることができる。これは、より大きい直径及び縁端243が、長軸10に沿ったずれを防ぐためである。かかる力は、例えば、ボールポンプの挿入中及び抜き取り中に生じる。従って、第3の封止領域240をコア200の外端210に配置すると、ボールポンプはちょうどこの点に特に大きい力を及ぼすため、特に有利である。
【0060】
次に第3の封止領域240は、第1の封止領域230と第2の封止領域130との場合と同じく、ケーシング100の第4の封止領域140に対応する。第4の封止領域140は、コア200の対応する第1の縁端243に係合する1つ又は複数の第2の縁端143を特に含む。
【0061】
図3は図1の断面の分解図であり、ここでは、バルブ1、カバー領域112と凹部121とを備えたケーシング100、コア200、孔111及び細径パイプ211を見ることができる。図3は、コア200に対応するケーシング100の空洞101を特に良く示し、これは面一な適合を、従ってケーシング100とコア200との間の耐漏性を提供する。コア200及びケーシング100の双方とも、弾性材料で作られるため、バルブ1は変形時にも漏出に耐える。図3はまた、大きい曲率がいかにコア200の表面積201を増加させ、従ってバルブ1の耐漏性が向上するかについても示す。
【0062】
従来のバルブの製造方法に従えば、ケーシングとコアとは別個に作製され、続いてコアが開口部を通じてケーシングに圧入される。導入部において既述のとおり、この方法はいくつかの欠点を有する。特に、ケーシングは挿入中に引き伸ばされ、破損し得る。さらに、コアの形状は、ケーシングに導入し得るように制限されなければならない。コアの直径が大きくなるほど、ケーシングへの挿入が困難となり、破損のリスクが高まる。従って、コア200をケーシング100に挿入する必要のない製造方法を有することが望ましい。これは、製造プロセスのステップが省略されるというさらなる利点を有する。
【0063】
本発明のさらなる態様に相当するバルブ1のかかる製造方法は、実質的に2つのステップを含む。第1のステップでは、コア200が第1の弾性材料から作製される。好ましくは、第1の弾性材料はゴム材料を含み、ここでコア200は、プレス加工又は射出成形によって形成される。或いは、第1の材料はTPU(熱可塑性ポリウレタン)を含み、この場合コア200は、射出成形によって作製される。代替的実施形態において、コア200は他の弾性材料及び関連する作製方法で作られる。
【0064】
第2のステップでは、ケーシング100が、第2の材料を用いてコアの周囲に射出成形され、第2の材料は好ましくは透明であり、特に好ましくはTPUを含む。代替的実施形態において、ケーシング100は異なる弾性材料及び関連する作製方法で作られる。次に、コア200は孔111の延長上に針で孔が開けられ、細径管211が作り出される。針はコア200を半球体221の頂点から出る。
【0065】
好ましくは、コア200はその作製後、すなわち第1のステップの後に成形型内に配置され、第2のステップにおいて、その成形型内で射出成形によりケーシングがコア200の周囲の成形型に形成される。成形型は、プラスチック部品の製造に使用されるとおりの従来の成形型である。成形型を使用することにより、なかでも射出成形が特に好ましい有利な成形技術を適用することが可能となる。しかしながら、他の技術、例えば、プレス加工又は押出加工を企図することも可能である。
【0066】
好ましくは、コアは少なくとも1本の針によって適所に保持される。例えば、コア200は、孔111に置かれた固定具、特に針によって、成形型内で適所に保持することができる。
【0067】
ボールバルブ1を製造するには、ボールの内袋と結合される。特に、ケーシング100が開口部を通じて内袋に圧入される。開口部の直径は、ケーシング100の内端120における直径と実質的に等しい(図2を参照)。次に、カバー領域112の底面が、例えば接着又は溶接によって、内袋の外面と結合される。
【0068】
図4は、ボール用バルブの実施形態の斜視図である。バルブ1、カバー領域112と凹部121とを備えるケーシング100を、この図に見ることができる。この図では、コア200の半球体221のみが見えている。
【0069】
ケーシング100は、例えば、TPU又はゴム材料(ビニルなど)から製造することができる。ケーシング100と内袋との間に良好な結合を提供するため、内袋は好ましくは、ケーシング100と同じ材料から作製される。ある(透明又は半透明の)材料の使用は、TPUより安価であるため好ましい。
【0070】
図4の実施形態では、さらに、点灯手段用の1つ又は複数のレセプタクル116が、ケーシング100のカバー領域112の下方の領域115に配置されることを見ることができる。レセプタクル116は、点灯手段を受け入れるためのケーシング100における陥凹部117と、ケーシング100のブレーシング118とを含む。このようにして、ケーシング100を点灯手段用のハウジングとして使用することができ、点灯手段はその光を透明ケーシング100のカバー領域112を通じて外部に放つ。これにより、点灯手段用の別個のハウジングが省略される。光は、ケーシング100上に配置された突起か、又は点灯手段の上方に配置されたケーシング100の孔のいずれか、及びバルブの上方にあるボールの層(カーカス及び外層)におけるさらなる開口部を通じて外部に漏れ得る。
【0071】
以下の図5〜図8における寸法は、好ましい実施形態についての例示に過ぎず、他の実施形態においてはそれから逸脱し得る。
【0072】
図5は、ボール用バルブの実施形態の概略図を示す。この図は、側面図51と、底面図52と、底面図52の線A−Aに沿った断面53と、底面図52の線B−Bに沿った断面54とを示す。これらの図では、カバー領域112と電磁コイルを受け入れるための凹部121とを備えるケーシング100、並びにコア200を見ることができる。
【0073】
図5は、図51、図52、及び図54において、点灯手段用のレセプタクル116をさらに示し、これは各々、陥凹部117とブレーシング118とを備える。図5の実施形態では、好ましくは半球形の突起119が(透明)ケーシング100のカバー領域112上に配置される。突起119は、点灯手段を受け入れるための陥凹部117の上方に配置される。突起119は点灯手段の光を広範囲に放射し、従って点灯手段の高い視認性を提供する。突起119の上方でボールの層(カーカス及び外層)に小さい開口部が設けられ、光が漏れることを可能とする。突起119は、好ましくはボールの層の厚さと一致する高さを有する。
【0074】
図6は、ボールのバルブ用のコアの好ましい実施形態の概略図である。この図は、側面図61と、底面図62と、コア200の底面図62の線B−Bに沿った断面63とを示す。コア200の好ましい寸法は、図から直接読み取ることができる。例えば、図6の実施形態では、コア200の凹面部分231及び凸面部分232の曲率半径は、各々0.75mmの値を有する。
【0075】
図7は、ボール用バルブのさらなる実施形態の概略図である。この図は、側面図71と、底面図72と、底面図72の線B−Bに沿った断面74とを示す。ここでも、カバー領域112と電磁コイル用の凹部121とを備えたケーシング600、並びにコア700を見ることができる。
【0076】
図7の実施形態では、先述の実施形態とは異なり、コア700の(外側)輪郭702は、凹面部分132と凸面部分131とを含むケーシング600の(内側)輪郭と一致しない。むしろ、コア700の輪郭702はほんの僅かしか湾曲せず、実質的に唯1つの凹面部分731と2つの隣接する凸面部分とを含む。対照的に、ケーシング600の輪郭は一層大きく湾曲して、いくつかの凹面部分132と凸面部分131とを、好ましくは4つの凹面部分132と3つの凸面部分131とを含み、これは図73及び図74に見ることができる。
【0077】
コア700及びケーシング600は別個に製造され、続いてコア700がケーシング600に挿入される。コア700は弾性材料(例えばゴム)で作られ、且つ、ケーシング600は弾性材料(例えばTPU)で作られるため、コア700はその形態がケーシング600に適応する。コア700をケーシング600に挿入する前は、コア700の輪郭とケーシング600の輪郭とは異なる。コア700は挿入される間に、その輪郭がケーシング600の輪郭に適応する。図7は、ケーシング600と挿入されたコア700とを示し、ここでコア700は依然としてその元の輪郭を有し、ケーシング600の輪郭にまだ適応していない。
【0078】
コア700をケーシング100に挿入する前は、凹面132部分と凸面131部分とを含むケーシング100の輪郭は、コア700の輪郭702と面一ではない。しかしながら、この実施形態においても、特に、ケーシング100の凸面部分131が、コア700の輪郭702に対して耐漏性を確実とするような高圧を及ぼすため、バルブは漏出に耐える。
【0079】
図7の図71、図72及び図74は、点灯手段用のレセプタクル116をさらに示し、ここで各レセプタクル116は陥凹部117とブレーシング118とを有する。図7の実施形態では、図5における突起119とは異なり、突起719は(透明)ケーシング100のカバー領域112の中心に配置される。好ましくは、突起719は円筒形状を有する。突起719は、突起719の下方の陥凹部117に配置された点灯手段からの光を集め、集めた光を広範囲に放つ。これにより、点灯手段の高い視認性が提供される。
【0080】
図8は、ケーシング800とコア700とを備えたボール用バルブのさらなる実施形態の概略図である。図7とは異なり、ケーシング800の輪郭802はコア700の輪郭702と一致し、従って双方の輪郭は面一で、高い耐漏性を提供する。コア700の輪郭702は、図7と同様にほんの僅かしか湾曲せず、ある凹面部分731と2つの凸面部分732とを備える第1の封止領域730を含む。それに対応して、ケーシング800の輪郭802はほんの僅かしか湾曲せず、第1の封止領域730と形状が一致する第2の封止領域830を含む。輪郭の面一な適合及びそれらの曲率が僅かであることにより、コア700のケーシング800への挿入が簡単となり、破損のリスクが低減される。
【0081】
コア700とケーシング800とは別個に製造されてもよく、製造後、コア700はケーシング800に挿入される。或いは、ケーシング800がコア700の周囲に射出成形されてもよい。
【0082】
本発明のさらなる態様は、上記のとおりのバルブ1を含むボールに関する。かかるボールは、電子デバイスとエネルギー貯蔵装置とをさらに含む。エネルギー貯蔵装置は電磁コイルによって誘導充電することができ、電磁コイルは、ケーシング100の凹部121内の巻線によって形成される。これにより、ボール内部の追加的な構成要素、すなわち電磁コイルの必要性が回避される。ケーシング100の1つ又は複数のレセプタクル116に配置される点灯手段によって、電子デバイスの状態を表示することができる。例えば、赤色の点灯手段が、ボールの過剰に低い、及び/又は過剰に高い圧力を表示することができ、緑色の点灯手段が、ボール内部の適正な圧力を表示することができる。或いは、単一の点灯手段が使用されてもよい。1つ又は複数の点灯手段は、エネルギー貯蔵装置(例えば、バッテリ又はコンデンサ)の充電状態を表示してもよい。上述されるとおり、電子デバイスとしては、圧力センサ、加速度センサ、温度センサ及びさらに別のセンサ、並びに、ボールの特性、その位置及びその動きを測定するための回路が含まれ得る。
【0083】
図9は、バルブ及び電磁コイルの代替的実施形態を示す。バルブ1と電磁コイル901とを有するボールの内袋10を見ることができる。電磁コイル901は内袋10に配置され、環形状にバルブ1を取り囲む。さらなる実施形態において、電磁コイル901は内袋10の他の位置に配置され、ここでは充電ステーションの電磁場までの距離が関連する。電磁コイル901が充電ステーションの電磁場に近接して位置するほど、電磁コイル901に接続されたエネルギー貯蔵装置をより速く充電することができ、且つ必要なエネルギーが少ない。電磁コイル901を内袋10に配置し、ここで電磁コイル901がバルブ1を囲む環形状に配置されると、充電ステーションの電磁場までの距離を特に短くすることが可能となり、従ってより速く充電することが可能となる。
【0084】
図9は、電磁コイル901が接続線902によってバルブ1に接続されていることをさらに示す。一実施形態において、電磁コイル901は内袋10のトンネル部に配置される。さらなる実施形態において、電磁コイル901は他の固定手段、例えば接着又は溶接によって内袋10に取り付けられる。
【0085】
図10は、エネルギー貯蔵装置を有するボール900用の充電ステーション910の実施形態を示す。図示されるとおり、ボール900はエネルギー貯蔵装置を充電する際、充電ステーション910に置かれる。これを達成するため、ボール900のバルブ1(見えない)が充電ステーション910の充電コイル(図示せず)に近接される。従って、充電ステーション910はボールを容易に回転させることができるように設計されている。充電ステーション910は、ボール内部のコイルが充電ステーション910の充電コイルに十分に近付いたとき、及び充電が完了したときに、それを信号で伝えるディスプレイを装備することができる。
【0086】
図11は、エネルギー貯蔵装置を有するボール用の充電ステーションのさらなる実施形態を示す。例示される充電ステーション910は、ボール用の凹部911を含む。さらに、充電ステーション910は、コントローラ913、例えばマイクロコントローラにディスプレイ914を含み、これは図11の図示においては、充電ステーション910から取り出されている。通常、コントローラ913は充電ステーション910の内部に配置される。ディスプレイ914は、例えば充電ステーション910の表面に配置されてもよい。
【0087】
ディスプレイ914は、ボールが充電ステーション910において、ボール内部のエネルギー貯蔵装置を充電するのに適正な位置にあるかどうかを示す。これを達成するため、充電ステーション910は、例えば凹部911の底面に配置され得る第2の電磁コイルを含む。さらなる実施形態において、第2の電磁コイル912は、充電ステーション910の他の位置に配置されてもよい。
【0088】
ボール内部の電磁コイルが、第2の電磁コイル912に信号を送る。充電ステーション910のコントローラ913がその信号を測定し、この信号は、第2の電磁コイル912に対する充電ステーション910内のボールの種々の向きに従い変化する。ボール内部の電磁コイルが充電に適正な位置にくると、それをコントローラ913が認識する。充電に適正な位置は、ディスプレイ914によって表示される。さらなる実施形態において、同様に種々の色を伴う数個のディスプレイが用いられる。ディスプレイの輝度を用いることで、ボール内部の電磁コイルの、充電に適正な位置までの距離を示してもよい。
【0089】
1つ又は複数の電子デバイス及びエネルギー貯蔵装置をボールの内部に配置するには、ボールのバランスをとって、ボールの円滑な動きに対する負の影響を回避する必要がある。この点で、電磁コイルの取付け台としてバルブを使用すると、ボール内部の追加的な構成要素が回避されて有利である。これはまた、重量の節減にもなる。さらに、バルブ及び電磁コイルそれ自体を、エネルギー貯蔵装置及び電子デバイスに対するカウンタウェイトとして使用することができる。さらに、バルブ及び電磁コイルは、凹部121の形状(図1〜図5、図7を参照)、材料、ワイヤ厚さ、巻き数及び電磁コイルの他のパラメータを変えることにより、バランスをとるための可変カウンタウェイトとして使用することが可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア(200、700)とケーシング(100、800)とを含む、ボール用のバルブ(1)の製造方法であって、
a.前記コア(200、700)を第1の弾性材料から作製するステップと、
b.前記ケーシング(100、600、800)を前記コア(200、700)の周囲に第2の材料から形成するステップと、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記コア(200、700)が、その作製ステップa.の後に成形型内に配置され、及び前記ケーシング(100、600、800)が、ステップbにおいて射出成形によって前記成形型内に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コア(200、700)の周囲に前記ケーシング(100、600、800)を形成する間、前記コア(200、700)が、少なくとも1つの固定具によって前記成形型内で適所に保持されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の材料が実質的に透明であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の材料が弾性を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の材料が熱可塑性ポリウレタンTPUを含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の弾性材料がゴム材料を含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の弾性材料が熱可塑性ポリウレタンTPUを含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法によって製造されることを特徴とする、ボール用バルブ(1)。
【請求項10】
a.ケーシング(100、600、800)と、
b.前記ケーシング(100、600、800)の内部に少なくとも部分的に配置されたコア(200、700)と、
を含むボール用バルブ(1)であって、
c.前記コア(200、700)が、複数の部分を備えた第1の封止領域(230、730)を含み、前記部分が、交互になった凹面(231、731)と凸面(232、732)との曲率を有する、
ことを特徴とする、バルブ(1)。
【請求項11】
前記ケーシング(100、600、800)が第2の封止領域(130、830)を含み、前記第2の封止領域(130、830)が前記第1の封止領域(230、730)に係合することを特徴とする、請求項10に記載のバルブ(1)。
【請求項12】
前記第2の封止領域(130、830)が、前記第1の封止領域(230、730)の曲率半径と実質的に一致する曲率半径を含むことを特徴とする、請求項10又は11に記載のバルブ(1)。
【請求項13】
前記第1の封止領域(230、730)が連続的に湾曲していることを特徴とする、請求項10〜12のいずれか一項に記載のバルブ(1)。
【請求項14】
前記複数の凹面(231、731)部分と凸面(232、732)部分との曲率半径が、実質的に等しいことを特徴とする、請求項10〜13のいずれか一項に記載のバルブ(1)。
【請求項15】
前記複数の凹面(231、731)部分及び凸面(232、732)部分の少なくとも一方が、ほぼ半円形の断面として形成されることを特徴とする、請求項10〜14のいずれか一項に記載のバルブ(1)。
【請求項16】
前記複数の凹面(231、731)部分と凸面(232、732)部分との各々が、ほぼ半円形の断面として形成されることを特徴とする、請求項15に記載のバルブ(1)。
【請求項17】
前記コア(200)が、前記ケーシング(100)の対応する第2の縁端(143)に係合する第1の縁端(243)を備える少なくとも1つの第3の封止領域(240)を含むことを特徴とする、請求項10〜16のいずれか一項に記載のバルブ(1)。
【請求項18】
前記少なくとも1つの第3の封止領域(240)が、前記第1の封止領域(230)より大きい直径を有することを特徴とする、請求項10〜17のいずれか一項に記載のバルブ(1)。
【請求項19】
前記第3の封止領域(240)が前記コア(200)の外端(210)に配置されることを特徴とする、請求項10〜18のいずれか一項に記載のバルブ(1)。
【請求項20】
前記ケーシング(100)が外端(110)にカバー領域(112)を含み、前記カバー領域が前記ケーシング(100)の内端(120)より大きい直径を有することを特徴とする、請求項10〜19のいずれか一項に記載のバルブ(1)。
【請求項21】
少なくとも1つの点灯手段を受け入れるための少なくとも1つのレセプタクル(116)が、前記ケーシング(100)の前記外端(110)に配置されることを特徴とする、請求項10〜20のいずれか一項に記載のバルブ(1)。
【請求項22】
前記ケーシング(100)が実質的に透明な材料を含むことを特徴とする、請求項10〜21のいずれか一項に記載のバルブ(1)。
【請求項23】
前記少なくとも1つの点灯手段からの光を集め、それを放つための少なくとも1つの突起(119、719)が前記カバー領域(112)に配置されることを特徴とする、請求項20〜22のいずれか一項に記載のバルブ(1)。
【請求項24】
前記ケーシング(100)が電磁コイル用の凹部(121)を含むことを特徴とする、請求項10〜23のいずれか一項に記載のバルブ(1)。
【請求項25】
請求項10〜24のいずれか一項に記載のバルブ(1)を備えることを特徴とする、ボール。
【請求項26】
電磁コイルと、
前記電磁コイルによって誘導充電することができるエネルギー貯蔵装置と、
電子デバイスと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項25に記載のボール。
【請求項27】
前記電子デバイスが圧力センサを含むことを特徴とする、請求項26に記載のボール。
【請求項28】
前記電磁コイルが前記ケーシング(100)の凹部(121)に配置されることを特徴とする、請求項26又は27に記載のボール。
【請求項29】
前記電磁コイルが前記ボールの内袋に配置されることを特徴とする、請求項26又は27に記載のボール。
【請求項30】
前記電磁コイルが、前記ボールのバランスをとるための、前記電子デバイスに対するカウンタウェイトとして機能することを特徴とする、請求項26〜29のいずれか一項に記載のボール。
【請求項31】
少なくとも1つの点灯手段が、前記電子デバイス用のディスプレイデバイスとして前記少なくとも1つのレセプタクル(116)に配置されることを特徴とする、請求項26〜30のいずれか一項に記載のボール。
【請求項32】
第1の点灯手段が、前記ボール内部の過剰に低い、及び/又は過剰に高い圧力を表示し、及び第2の点灯手段が、前記ボール内部の適正な圧力を表示することを特徴とする、請求項31に記載のボール。
【請求項33】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法によって製造されたバルブ(1)を含むことを特徴とする、請求項26〜32のいずれか一項に記載のボール。
【請求項1】
コア(200、700)とケーシング(100、800)とを含む、ボール用のバルブ(1)の製造方法であって、
a.前記コア(200、700)を第1の弾性材料から作製するステップと、
b.前記ケーシング(100、600、800)を前記コア(200、700)の周囲に第2の材料から形成するステップと、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記コア(200、700)が、その作製ステップa.の後に成形型内に配置され、及び前記ケーシング(100、600、800)が、ステップbにおいて射出成形によって前記成形型内に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コア(200、700)の周囲に前記ケーシング(100、600、800)を形成する間、前記コア(200、700)が、少なくとも1つの固定具によって前記成形型内で適所に保持されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の材料が実質的に透明であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の材料が弾性を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の材料が熱可塑性ポリウレタンTPUを含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の弾性材料がゴム材料を含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の弾性材料が熱可塑性ポリウレタンTPUを含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法によって製造されることを特徴とする、ボール用バルブ(1)。
【請求項10】
a.ケーシング(100、600、800)と、
b.前記ケーシング(100、600、800)の内部に少なくとも部分的に配置されたコア(200、700)と、
を含むボール用バルブ(1)であって、
c.前記コア(200、700)が、複数の部分を備えた第1の封止領域(230、730)を含み、前記部分が、交互になった凹面(231、731)と凸面(232、732)との曲率を有する、
ことを特徴とする、バルブ(1)。
【請求項11】
前記ケーシング(100、600、800)が第2の封止領域(130、830)を含み、前記第2の封止領域(130、830)が前記第1の封止領域(230、730)に係合することを特徴とする、請求項10に記載のバルブ(1)。
【請求項12】
前記第2の封止領域(130、830)が、前記第1の封止領域(230、730)の曲率半径と実質的に一致する曲率半径を含むことを特徴とする、請求項10又は11に記載のバルブ(1)。
【請求項13】
前記第1の封止領域(230、730)が連続的に湾曲していることを特徴とする、請求項10〜12のいずれか一項に記載のバルブ(1)。
【請求項14】
前記複数の凹面(231、731)部分と凸面(232、732)部分との曲率半径が、実質的に等しいことを特徴とする、請求項10〜13のいずれか一項に記載のバルブ(1)。
【請求項15】
前記複数の凹面(231、731)部分及び凸面(232、732)部分の少なくとも一方が、ほぼ半円形の断面として形成されることを特徴とする、請求項10〜14のいずれか一項に記載のバルブ(1)。
【請求項16】
前記複数の凹面(231、731)部分と凸面(232、732)部分との各々が、ほぼ半円形の断面として形成されることを特徴とする、請求項15に記載のバルブ(1)。
【請求項17】
前記コア(200)が、前記ケーシング(100)の対応する第2の縁端(143)に係合する第1の縁端(243)を備える少なくとも1つの第3の封止領域(240)を含むことを特徴とする、請求項10〜16のいずれか一項に記載のバルブ(1)。
【請求項18】
前記少なくとも1つの第3の封止領域(240)が、前記第1の封止領域(230)より大きい直径を有することを特徴とする、請求項10〜17のいずれか一項に記載のバルブ(1)。
【請求項19】
前記第3の封止領域(240)が前記コア(200)の外端(210)に配置されることを特徴とする、請求項10〜18のいずれか一項に記載のバルブ(1)。
【請求項20】
前記ケーシング(100)が外端(110)にカバー領域(112)を含み、前記カバー領域が前記ケーシング(100)の内端(120)より大きい直径を有することを特徴とする、請求項10〜19のいずれか一項に記載のバルブ(1)。
【請求項21】
少なくとも1つの点灯手段を受け入れるための少なくとも1つのレセプタクル(116)が、前記ケーシング(100)の前記外端(110)に配置されることを特徴とする、請求項10〜20のいずれか一項に記載のバルブ(1)。
【請求項22】
前記ケーシング(100)が実質的に透明な材料を含むことを特徴とする、請求項10〜21のいずれか一項に記載のバルブ(1)。
【請求項23】
前記少なくとも1つの点灯手段からの光を集め、それを放つための少なくとも1つの突起(119、719)が前記カバー領域(112)に配置されることを特徴とする、請求項20〜22のいずれか一項に記載のバルブ(1)。
【請求項24】
前記ケーシング(100)が電磁コイル用の凹部(121)を含むことを特徴とする、請求項10〜23のいずれか一項に記載のバルブ(1)。
【請求項25】
請求項10〜24のいずれか一項に記載のバルブ(1)を備えることを特徴とする、ボール。
【請求項26】
電磁コイルと、
前記電磁コイルによって誘導充電することができるエネルギー貯蔵装置と、
電子デバイスと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項25に記載のボール。
【請求項27】
前記電子デバイスが圧力センサを含むことを特徴とする、請求項26に記載のボール。
【請求項28】
前記電磁コイルが前記ケーシング(100)の凹部(121)に配置されることを特徴とする、請求項26又は27に記載のボール。
【請求項29】
前記電磁コイルが前記ボールの内袋に配置されることを特徴とする、請求項26又は27に記載のボール。
【請求項30】
前記電磁コイルが、前記ボールのバランスをとるための、前記電子デバイスに対するカウンタウェイトとして機能することを特徴とする、請求項26〜29のいずれか一項に記載のボール。
【請求項31】
少なくとも1つの点灯手段が、前記電子デバイス用のディスプレイデバイスとして前記少なくとも1つのレセプタクル(116)に配置されることを特徴とする、請求項26〜30のいずれか一項に記載のボール。
【請求項32】
第1の点灯手段が、前記ボール内部の過剰に低い、及び/又は過剰に高い圧力を表示し、及び第2の点灯手段が、前記ボール内部の適正な圧力を表示することを特徴とする、請求項31に記載のボール。
【請求項33】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法によって製造されたバルブ(1)を含むことを特徴とする、請求項26〜32のいずれか一項に記載のボール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−155071(P2010−155071A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−267310(P2009−267310)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(503052173)アディダス インターナショナル マーケティング ベー ヴェー (23)
【氏名又は名称原語表記】adidas International Marketing B.V.
【復代理人】
【識別番号】100116540
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 香
【復代理人】
【識別番号】100139723
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 洋
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−267310(P2009−267310)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(503052173)アディダス インターナショナル マーケティング ベー ヴェー (23)
【氏名又は名称原語表記】adidas International Marketing B.V.
【復代理人】
【識別番号】100116540
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 香
【復代理人】
【識別番号】100139723
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 洋
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]