ポインティングデバイス制御システム、端末装置、方法及びプログラム
【課題】ポインティングデバイスの移動量や移動方向の検出ずれによる操作性の低下を防ぐことができるポインティングデバイス制御システムを提供する。
【解決手段】本発明によるポインティングデバイス制御システムは、ポインティングデバイスが検出した検出値に基づいて、所定の補正領域ごとに検出特性を判定する特性判定手段20と、特性判定手段20の判定結果に基づいて、予め記憶しているポインティングデバイスが検出した移動量を補正するための複数の補正テーブルから各補正領域に適用する補正テーブルを決定する適用テーブル決定手段40と、適用テーブル決定手段40が決定した補正テーブルに基づいて、ポインティングデバイスが検出した検出値を補正する補正手段60とを含むことを特徴とする。
【解決手段】本発明によるポインティングデバイス制御システムは、ポインティングデバイスが検出した検出値に基づいて、所定の補正領域ごとに検出特性を判定する特性判定手段20と、特性判定手段20の判定結果に基づいて、予め記憶しているポインティングデバイスが検出した移動量を補正するための複数の補正テーブルから各補正領域に適用する補正テーブルを決定する適用テーブル決定手段40と、適用テーブル決定手段40が決定した補正テーブルに基づいて、ポインティングデバイスが検出した検出値を補正する補正手段60とを含むことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末機器などで用いられるポインティングデバイスを制御するポインティングデバイス制御システム、端末装置、ポインティングデバイス制御方法及びポインティングデバイス制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末機器の入力装置の一つとしてポインティングデバイスがある。ポインティングデバイスの検出素子は、X軸方向の検出素子とY軸方向の検出素子とが一つのデバイスとしてまとまっていることが多いが、薄型化などにより、各検出素子を一つずつのデバイスとして分離する場合がある。この場合、各検出素子の搭載ずれにより、検出特性が理想的な特性からずれしまい、ポインタの物理的な座標と検出された座標との間に差が生じ、結果、ユーザの操作感の低下につながる。
【0003】
このような、問題に対応する方法として、例えば、特許文献1には、ポインティングデバイスの制御において、補正領域と補正領域内における補正方向とを設定し、補正領域内での操作方向を補正方向に補正する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−080835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された方法を用いれば、操作方向を補正することができるが、ポインティングデバイスを違和感無く使用するためには、更に操作量の補正もできるようにすることが望ましい。例えば、ポインティングデバイスで円を描いたときに検出する特性が円形特性(図2に示す201、図3に示す301、図4に示す401)であることが望まれる。なお、円形特性とは、ポインティングデバイスの操作に応じて検出した検出範囲が円形領域となることをいう。また、後述するひし形特性とは、ポインティングデバイスの操作に応じて検出した検出範囲が、ひし形領域となることをいい、四角形特性とは、検出範囲が四角形領域となることをいう。
【0006】
しかし、ポインティングデバイスの搭載ずれなどにより円を描いたときの検出特性が円形特性からずれてしまい、斜め方向が凹んでひし形に近くなるひし形特性(図2に示す202)や逆に斜め方向が膨らんで四角形に近くなる四角形特性(図3に示す302)になってしまったり、これらが組み合わさった特性(図4に示す402)になったりしてしまうことがある。円形特性からずれることにより、スライド方向によってポインティングデバイスの物理的な移動量とポインティングデバイスが検出した移動量とに差が出ることや、ポインティングデバイスの物理的な移動方向とポインティングデバイスが検出した移動方向とに差が出ることとなる。
【0007】
例えば、特性がひし形特性である場合には、ポインティングデバイスの物理的な移動量が同じだとしても、検出される移動量が円形特性の場合(図5に示す501)と比較して少なくなってしまう(図5に示す502)。特に方向によって検出特性が異なる場合には、ポインティングデバイスを物理的に同じ量だけ移動させても、移動方向によって検出される移動量が異なることになり、操作感の低下に繋がる。
【0008】
そこで、本発明は、ポインティングデバイスの移動量や移動方向の検出ずれによる操作性の低下を防ぐことができるポインティングデバイス制御システム、端末装置、ポインティングデバイス制御方法及びポインティングデバイス制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によるポインティングデバイス制御システムは、ポインティングデバイスが検出した検出値に基づいて、所定の補正領域ごとに検出特性を判定する特性判定手段と、特性判定手段の判定結果に基づいて、予め記憶しているポインティングデバイスが検出した移動量を補正するための複数の補正テーブルから各補正領域に適用する補正テーブルを決定する適用テーブル決定手段と、適用テーブル決定手段が決定した補正テーブルに基づいて、ポインティングデバイスが検出した検出値を補正する補正手段とを含むことを特徴とする。
【0010】
本発明よる端末装置は、ポインティングデバイスが検出した検出値に基づいて、所定の補正領域ごとに検出特性を判定する特性判定手段と、特性判定手段の判定結果に基づいて、予め記憶しているポインティングデバイスが検出した移動量を補正するための複数の補正テーブルから各補正領域に適用する補正テーブルを決定する適用テーブル決定手段と、適用テーブル決定手段が決定した補正テーブルに基づいて、ポインティングデバイスが検出した検出値を補正する補正手段とを備えていることを特徴とする。
【0011】
本発明によるポインティングデバイス制御方法は、ポインティングデバイスが検出した検出値に基づいて、所定の補正領域ごとに検出特性を判定し、判定結果に基づいて、予め記憶しているポインティングデバイスが検出した移動量を補正するための複数の補正テーブルから各補正領域に適用する補正テーブルを決定し、決定した補正テーブルに基づいて、ポインティングデバイスが検出した検出値を補正することを特徴とする。
【0012】
本発明によるポインティングデバイス制御プログラムは、コンピュータに、ポインティングデバイスが検出した検出値に基づいて、所定の補正領域ごとに検出特性を判定する特性判定処理と、判定結果に基づいて、予め記憶しているポインティングデバイスが検出する移動量を補正するための複数の補正テーブルから各補正領域に適用する補正テーブルを決定する適用テーブル決定処理と、決定した補正テーブルに基づいて、ポインティングデバイスが検出した検出値を補正する補正処理とを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ポインティングデバイスの移動量や移動方向の検出ずれによる操作性の低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明によるポインティングデバイス制御方法を適用した携帯端末機器の構成例を示すブロック図である。
【図2】検出特性の一例を示す説明図である。
【図3】検出特性の一例を示す説明図である。
【図4】検出特性の一例を示す説明図である。
【図5】検出特性の一例を示す説明図である。
【図6】ポインティングデバイス制御システムが事前の設定処理として実行する処理例を示すフロー図である。
【図7】8方向の最大移動量の一例を示す説明図である。
【図8】ポインティングデバイスを実際に使用する際にポインティングデバイス制御システムが実行する処理例を示すフロー図である。
【図9】補正テーブルの適用による検出値の補正の例を示す説明図である。
【図10】ポインティングデバイス制御システムの構成例を示す機能ブロック図である。
【図11】ポインティングデバイス制御システムの最小の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明によるポインティングデバイス制御方法を適用した携帯端末機器の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、携帯端末機器は、CPU101、ROM102、RAM103、キー操作部104、ポインティングデバイス105及びディスプレイ装置106を含む。携帯端末機器は、具体的には、PDAやノートブック型パーソナルコンピュータ(以下、PCという)、携帯電話機によって実現される。なお、本実施形態では、ポインティングデバイス制御方法を携帯端末機器に適用するが、携帯端末機器に限らず、例えば、デスクトップ型のPCに適用してもよい。
【0016】
CPU101は、ROM102が記憶する各種プログラム102aに従って動作し、各装置を制御する機能を備えている。ROM102は、具体的には、EEPROMによって実現される。図1に示すように、ROM102は、プログラム102aと、ポインティングデバイスの検出値を補正するための補正テーブル102bとを保存している。
【0017】
ポインティングデバイス105は、具体的には、マウスやタッチパッド、タッチパネル等の入力装置によって実現される。ディスプレイ装置106は、具体的には、液晶ディスプレイ装置等の表示装置によって実現される。
【0018】
なお、本実施形態では、ポインティングデバイス105は、物理的な移動範囲が円形領域であり(すなわち、ユーザは、円を描くように操作することが可能である)、X軸/Y軸の座標を検出できるものとする。また、ROM102は、補正テーブルとして、ひし形特性用の補正テーブルと、四角形特性用の補正テーブルとを保存しているものとする。
【0019】
図10は、ポインティングデバイス制御システムの構成例を示す機能ブロック図である。図10に示すように、ポインティングデバイス制御システムは、検出手段10、特性判定手段20、補正テーブル記憶手段30、適用テーブル決定手段40、適用テーブル記憶手段50及び補正手段60を含む。
【0020】
検出手段10は、具体的には、CPU101及びポインティングデバイス105によって実現される。検出手段10は、ポインティングデバイス105の動作を検出する機能を備えている。検出手段10は、検出値として、例えば、ポインティングデバイス105の動作に従って、XY座標や移動量、移動方向を検出する。
【0021】
特性判定手段20は、具体的には、CPU101によって実現される。特性判定手段20は、検出手段10が検出した移動量や移動方向に基づいて、ポインティングデバイス105の検出した特性(以下、検出特性)を座標平面における象限(第1〜第4象限)ごとに判定する機能を備えている。
【0022】
補正テーブル記憶手段30は、具体的には、ROM102によって実現される。補正テーブル記憶手段30は、例えば、一般的な統計結果等によって予め求めたひし形特性用や四角形特性用等の補正テーブルを記憶する。
【0023】
適用テーブル決定手段40は、具体的には、CPU101によって実現される。適用テーブル決定手段40は、特性判定手段20の判定結果に基づいて、各象限に適用する補正テーブルを補正テーブル記憶手段30から抽出して決定する機能を備えている。また、特性判定手段20は、抽出した補正テーブルと適用する象限とを対応付けて適用テーブル記憶手段50に記憶させる機能を備えている。なお、適用テーブル決定手段40は、各象限にどの補正テーブルを適用するかを指定した指定データを適用テーブル記憶手段50に記憶させるようにしてもよい。
【0024】
適用テーブル記憶手段50は、具体的には、ROM102によって実現される。適用テーブル記憶手段50は、各象限と象限に適用する補正テーブルとを対応付けて記憶する。また、適用テーブル記憶手段50は、各象限にどの補正テーブルを適用するかを指定した指定データを記憶してもよい。
【0025】
補正手段60は、具体的には、CPU101によって実現される。補正手段60は、適用テーブル記憶手段50が対応付けて記憶する象限と補正テーブルとに基づいて、ポインティングデバイス105の検出値を補正し、補正した値をディスプレイ装置106に出力する機能を備えている。
【0026】
次に、ポインティングデバイス制御システムの動作について説明する。本実施形態におけるポインティングデバイス制御システムは、ポインティングデバイスを使用する前に、事前の設定処理として、ポインティングデバイスの特性を判断し、補正テーブルを適用するかどうかの判定を行う。図6は、ポインティングデバイス制御システムが事前の設定処理として実行する処理例を示すフロー図である。
【0027】
ポインティングデバイスの特性を判断するために、ユーザがポインティングデバイス105で所定の操作(例えば、マウスを円形に移動する)を行うと、検出手段10は、象限ごとの検出特性を把握するため、8方向(上下左右+斜め)の最大移動量を検出する(ステップS601)。本実施形態では、ユーザの操作によってポインティングデバイスが円形に移動するため、ポインティングデバイスが最大(すなわち、各方向において中心から最も遠い位置)まで移動したときの座標を検出することで、円を描いたときの特性を検出することができる。
【0028】
次いで、特性判定手段20は、検出手段10が検出した8方向の最大移動量の値から、象限ごとに円形特性とのずれを求める(ステップS602)。特性判定手段20は、円形特性とのずれを、例えば、X軸/Y軸方向の移動量と斜め方向の移動量との比率として算出する。そして、特性判定手段20は、各象限の検出特性について、例えば、所定値XX<所定値YYであるとき、斜め方向の移動量が、X軸/Y軸方向の移動量のXX%未満であればひし形特性、XX以上YY%未満であれば円形特性、YY%以上であれば四角形特性と判定する。
【0029】
図7は、8方向の最大移動量の一例を示す説明図である。図7に示す例において、軸方向と斜め方向との比率が15%以上ずれていた場合に補正テーブルを適用すると判断する場合を想定する。この場合、第1象限では、上方向及び右方向の最大移動量と比較して右上方向の最大移動量が15%以上小さいため(比率:80%)、特性判定手段20は、第1象限の検出特性がひし形特性であると判定する。そして、適用テーブル決定手段40は、判定結果に基づいて、第1象限に対して、補正テーブル記憶手段30が記憶するひし形特性用の補正テーブルを適用すると決定する。
【0030】
また、第2象限では、上方向及び左方向の最大移動量と比較して左上方向の最大移動量が15%以上大きいため(比率:125%)、特性判定手段20は、第2象限の検出特性が四角特性であると判定する。そして、適用テーブル決定手段40は、判定結果に基づいて、第2象限に対して、補正テーブル記憶手段30が記憶する四角特性用の補正テーブルを適用すると決定する。
【0031】
また、第3象限では、左方向及び下方向の最大移動量と比較して左下方向の最大移動量が15%以上小さいため(比率:85%)、特性判定手段20は、第3象限の検出特性がひし形特性であると判定する。そして、適用テーブル決定手段40は、判定結果に基づいて、第3象限に対して、補正テーブル記憶手段30が記憶するひし形特性用の補正テーブルを適用すると決定する。
【0032】
また、第4象限では、下方向及び右方向の移動量と比較して右下方向の最大移動量が小さいが(比率:95%)、判断基準である15%以上のずれはないため、特性判定手段20は、第4象限の検出特性が円形特性であり、補正テーブルを適用する必要がないと判定する。
【0033】
なお、図7に示す例の場合、上下方向と左右方向との移動量が同じであるが、上下方向と左右方向との移動量が同じにならない場合も考えられる。この場合には、特性判定手段20は、例えば、上方向及び右方向の移動量の平均値と、右上方向の移動量とを比較するなどして判断するものとする。
【0034】
また、本実施形態では、ROM102がひし形特性補正用のテーブル及び四角形特性補正用のテーブルを1つずつしか保存していないが、これらの補正用テーブルを複数保存し、円形特性とのずれかたの程度によって、より細かく適用する補正テーブルを指定しても良い。例えば、同じひし形用の補正テーブルでも、斜め方向のくぼみ程度に応じて複数のテーブルを用意しておき、より細分化した閾値判定を行ってテーブルを使い分けてもよい。また、四角形用の補正テーブルでも同様に、斜め方向の膨らみ程度に応じて複数のテーブルを用意しておき、より細分化した閾値判定を行ってテーブルを使い分けてもよい。
【0035】
また、第1〜第4象限の4領域について判定する場合に限らず、さらに5以上の領域に分けて細分化して、適用する補正テーブルを判定してもよい。
【0036】
次いで、適用テーブル決定手段40は、象限ごとに適用する補正テーブルを示すデータをROMに保存する(ステップS603)。例えば、適用テーブル決定手段40は、判定した各象限の検出特性に対応する補正テーブルを補正テーブル記憶手段30から抽出する。そして、適用テーブル決定手段40は、抽出した補正テーブルと適用する象限とを対応付けて適用テーブル記憶手段50に記憶させる。
【0037】
以上の動作によって、ポインティングデバイス制御システムは、ポインティングデバイスの各象限における検出特性を判定し、判定結果に基づいて適用する補正テーブルを決定する。
【0038】
次に、図6の設定を行った後に、ポインティングデバイスを実際に使用する際の動作について説明する。図8は、ポインティングデバイスを実際に使用する際にポインティングデバイス制御システムが実行する処理例を示すフロー図である。
【0039】
ユーザがポインティングデバイス105を操作すると、検出手段10は、ポインティングデバイス105が示す座標(X、Y)を検出する。そして、検出手段10は、検出した座標(X、Y)を補正手段60に出力する(ステップS801)。
【0040】
次いで、補正手段60は、検出手段10が出力した座標(X、Y)に基づいて、現在の位置がいずれの象限に含まれるかを判定する(ステップS802)。
【0041】
次いで、補正手段60は、その象限に適用する指定データ(ステップS603で保存した情報)をROM102から抽出する(ステップS803)。例えば、補正手段60は、ステップS802の判定結果に基づいて、判定結果が示す象限に対応付けられた補正テーブルを適用テーブル記憶手段50から抽出する。
【0042】
次いで、補正手段60は、抽出した補正テーブルに基づいて、座標(X、Y)を補正し、補正後の座標(X’、Y’)を求める。そして、補正手段60は、補正後の座標(X’、Y’)をポインティングデバイスの検出値としてディスプレイ装置106に出力する(ステップS804)。なお、補正が必要ない場合(すなわち、適用テーブル記憶手段50が象限に対応付けて補正テーブルを記憶していない場合)には、補正手段60は、座標(X、Y)をそのままポインティングデバイスの検出値としてディスプレイ装置106に出力する。
【0043】
以上のように、本実施形態では、象限ごとの検出特性にあった補正テーブルを適用し、補正テーブルに示される補正値に従って検出値を補正するので、ポインティングデバイスを円形に移動した場合の検出特性を円形特性に近づけることができる。このことによって、ポインティングデバイスによる移動量や移動方向の検出ずれを補正することができ、ポインタの操作感を向上させることができる。
【0044】
以上のことから、本発明は、以下のような課題を解決するための手段を備えているといえる。
【0045】
本発明では、ポインティングデバイスで円を描いたときの検出値を取得することで、象限ごとの特性を判別し、象限ごとに補正を行えるようにする。円形特性から大きくずれた象限には、その象限の特性にあった補正テーブルを適用することで検出値を補正し、補正後の特性を円形特性に近づけることで、ポインティングデバイスの操作性を向上させる。
【0046】
また、本発明では、適用する補正テーブルと、ポインティングデバイスが検出した座標(X、Y)とに基づいて、補正後の座標(X’、Y’)を算出する。ひし形特性の象限に対して適用する補正テーブルは、斜め方向が凹んだ特性を打ち消すため、検出した座標が軸から離れるにつれ、原点から離れた座標を返すテーブルとなる。また、四角特性の象限に対して適用する補正テーブルは、斜め方向が膨らんだ特性を打ち消すため、検出した座標が軸から離れるにつれ、原点方向に近づいた座標を返すテーブルとなる。
【0047】
図9は、補正テーブルの適用による検出値の補正の例を示す説明図である。ひし形特性(図9に示す903)と判定した場合、ポインティングデバイスの物理的な座標より検出された座標が原点に近い値となるため、検出した座標(図9に示す901)を原点から離れた座標に補正(図9に示す902)することで特性を円形特性(図9に示す904)に近づける。また、四角形特性(図9に示す907)と判定した場合、ポインティングデバイスの物理的な座標より検出された座標が原点から遠い値となるため、検出した座標(図9に示す905)を原点に近づいた座標に補正(図9に示す906)することで特性を円形特性(図9に示す908)に近づける。
【0048】
以上のことから、本発明の特徴は、携帯端末機器などで使用される入力装置の一つであるポインティングデバイスの特性ばらつきによって低下する操作性を、デバイスごとの特性にあった補正テーブルを象限ごとに適用することで改善する点である。
【0049】
次に、本発明によるポインティングデバイス制御システムの最小構成について説明する。図11は、ポインティングデバイス制御システムの最小の構成例を示すブロック図である。図11に示すように、ポインティングデバイス制御システムは、最小の構成要素として、特性判定手段20と、適用テーブル決定手段40と、補正手段60とを含む。
【0050】
図11に示す最小構成のポインティングデバイス制御システムでは、特性判定手段20は、ポインティングデバイスが検出した検出値に基づいて、所定の補正領域ごとに検出特性を判定する。そして、適用テーブル決定手段40は、特性判定手段20の判定結果に基づいて、予め記憶しているポインティングデバイスが検出する移動量を補正するための複数の補正テーブルから各補正領域に適用する補正テーブルを決定する。そして、補正手段60は、適用テーブル決定手段40が決定した補正テーブルに基づいて、ポインティングデバイスが検出した検出値を補正する。
【0051】
従って、最小構成のポインティングデバイス制御システムによれば、ポインティングデバイスの移動量や移動方向の検出ずれによる操作性の低下を防ぐことができる。
【0052】
なお、本実施形態では、以下の(1)〜(5)に示すようなポインティングデバイス制御システムの特徴的構成が示されている。
【0053】
(1)ポインティングデバイス制御システムは、ポインティングデバイス(例えば、ポインティングデバイス105)が検出した(例えば、検出手段10によって実現される)検出値に基づいて、所定の補正領域ごとに検出特性を判定する特性判定手段(例えば、特性判定手段20によって実現される)と、特性判定手段の判定結果に基づいて、予め記憶している(例えば、補正テーブル記憶手段30によって実現される)ポインティングデバイスが検出した移動量を補正するための複数の補正テーブルから各補正領域に適用する補正テーブルを決定する適用テーブル決定手段(例えば、適用テーブル決定手段40によって実現される)と、適用テーブル決定手段が決定した補正テーブルに基づいて、ポインティングデバイスが検出した検出値を補正する補正手段(例えば、補正手段60によって実現される)とを含むことを特徴とする。
【0054】
(2)ポインティングデバイス制御システムにおいて、特性判定手段は、ポインティングデバイスが検出する検出値に基づいて、ポインティングデバイスの操作に応じて検出した検出範囲が円形領域となるか否かを判断することによって、ポインティングデバイスの検出特性を判定するように構成されていてもよい。
【0055】
(3)ポインティングデバイス制御システムにおいて、特性判定手段は、ポインティングデバイスが検出するXY平面における斜め方向の移動量が、所定割合(例えば、XX)未満である場合に、ポインティングデバイスの検出特性を、ポインティングデバイスの操作に応じて検出した検出範囲がひし形領域となるひし形特性と判定し、適用テーブル決定手段は、特性判定手段の判定結果に基づいて、ひし形特性用の補正テーブルを適用すると決定するように構成されていてもよい。
【0056】
(4)ポインティングデバイス制御システムにおいて、特性判定手段は、ポインティングデバイスが検出するXY平面における斜め方向の移動量が、所定割合(例えば、YY)以上である場合に、ポインティングデバイスの検出特性を、ポインティングデバイスの操作に応じて検出した検出範囲が四角形領域となる四角形特性と判定し、適用テーブル決定手段は、特性判定手段の判定結果に基づいて、四角形特性用の補正テーブルを適用すると決定するように構成されていてもよい。
【0057】
(5)ポインティングデバイス制御システムにおいて、補正手段は、適用テーブル決定手段が決定した補正テーブルに基づいてポインティングデバイスが検出した座標を補正する(例えば、座標(X,Y)を座標(X’,Y’)に補正する)ように構成されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、ポインティングデバイスを使用して、ディスプレイ装置が表示するポインタを操作する用途に適用可能である。
【符号の説明】
【0059】
10 検出手段
20 特性判定手段
30 補正テーブル記憶手段
40 適用テーブル決定手段
50 適用テーブル記憶手段
60 補正手段
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 キー操作部
105 ポインティングデバイス
106 ディスプレイ装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末機器などで用いられるポインティングデバイスを制御するポインティングデバイス制御システム、端末装置、ポインティングデバイス制御方法及びポインティングデバイス制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末機器の入力装置の一つとしてポインティングデバイスがある。ポインティングデバイスの検出素子は、X軸方向の検出素子とY軸方向の検出素子とが一つのデバイスとしてまとまっていることが多いが、薄型化などにより、各検出素子を一つずつのデバイスとして分離する場合がある。この場合、各検出素子の搭載ずれにより、検出特性が理想的な特性からずれしまい、ポインタの物理的な座標と検出された座標との間に差が生じ、結果、ユーザの操作感の低下につながる。
【0003】
このような、問題に対応する方法として、例えば、特許文献1には、ポインティングデバイスの制御において、補正領域と補正領域内における補正方向とを設定し、補正領域内での操作方向を補正方向に補正する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−080835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された方法を用いれば、操作方向を補正することができるが、ポインティングデバイスを違和感無く使用するためには、更に操作量の補正もできるようにすることが望ましい。例えば、ポインティングデバイスで円を描いたときに検出する特性が円形特性(図2に示す201、図3に示す301、図4に示す401)であることが望まれる。なお、円形特性とは、ポインティングデバイスの操作に応じて検出した検出範囲が円形領域となることをいう。また、後述するひし形特性とは、ポインティングデバイスの操作に応じて検出した検出範囲が、ひし形領域となることをいい、四角形特性とは、検出範囲が四角形領域となることをいう。
【0006】
しかし、ポインティングデバイスの搭載ずれなどにより円を描いたときの検出特性が円形特性からずれてしまい、斜め方向が凹んでひし形に近くなるひし形特性(図2に示す202)や逆に斜め方向が膨らんで四角形に近くなる四角形特性(図3に示す302)になってしまったり、これらが組み合わさった特性(図4に示す402)になったりしてしまうことがある。円形特性からずれることにより、スライド方向によってポインティングデバイスの物理的な移動量とポインティングデバイスが検出した移動量とに差が出ることや、ポインティングデバイスの物理的な移動方向とポインティングデバイスが検出した移動方向とに差が出ることとなる。
【0007】
例えば、特性がひし形特性である場合には、ポインティングデバイスの物理的な移動量が同じだとしても、検出される移動量が円形特性の場合(図5に示す501)と比較して少なくなってしまう(図5に示す502)。特に方向によって検出特性が異なる場合には、ポインティングデバイスを物理的に同じ量だけ移動させても、移動方向によって検出される移動量が異なることになり、操作感の低下に繋がる。
【0008】
そこで、本発明は、ポインティングデバイスの移動量や移動方向の検出ずれによる操作性の低下を防ぐことができるポインティングデバイス制御システム、端末装置、ポインティングデバイス制御方法及びポインティングデバイス制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によるポインティングデバイス制御システムは、ポインティングデバイスが検出した検出値に基づいて、所定の補正領域ごとに検出特性を判定する特性判定手段と、特性判定手段の判定結果に基づいて、予め記憶しているポインティングデバイスが検出した移動量を補正するための複数の補正テーブルから各補正領域に適用する補正テーブルを決定する適用テーブル決定手段と、適用テーブル決定手段が決定した補正テーブルに基づいて、ポインティングデバイスが検出した検出値を補正する補正手段とを含むことを特徴とする。
【0010】
本発明よる端末装置は、ポインティングデバイスが検出した検出値に基づいて、所定の補正領域ごとに検出特性を判定する特性判定手段と、特性判定手段の判定結果に基づいて、予め記憶しているポインティングデバイスが検出した移動量を補正するための複数の補正テーブルから各補正領域に適用する補正テーブルを決定する適用テーブル決定手段と、適用テーブル決定手段が決定した補正テーブルに基づいて、ポインティングデバイスが検出した検出値を補正する補正手段とを備えていることを特徴とする。
【0011】
本発明によるポインティングデバイス制御方法は、ポインティングデバイスが検出した検出値に基づいて、所定の補正領域ごとに検出特性を判定し、判定結果に基づいて、予め記憶しているポインティングデバイスが検出した移動量を補正するための複数の補正テーブルから各補正領域に適用する補正テーブルを決定し、決定した補正テーブルに基づいて、ポインティングデバイスが検出した検出値を補正することを特徴とする。
【0012】
本発明によるポインティングデバイス制御プログラムは、コンピュータに、ポインティングデバイスが検出した検出値に基づいて、所定の補正領域ごとに検出特性を判定する特性判定処理と、判定結果に基づいて、予め記憶しているポインティングデバイスが検出する移動量を補正するための複数の補正テーブルから各補正領域に適用する補正テーブルを決定する適用テーブル決定処理と、決定した補正テーブルに基づいて、ポインティングデバイスが検出した検出値を補正する補正処理とを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ポインティングデバイスの移動量や移動方向の検出ずれによる操作性の低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明によるポインティングデバイス制御方法を適用した携帯端末機器の構成例を示すブロック図である。
【図2】検出特性の一例を示す説明図である。
【図3】検出特性の一例を示す説明図である。
【図4】検出特性の一例を示す説明図である。
【図5】検出特性の一例を示す説明図である。
【図6】ポインティングデバイス制御システムが事前の設定処理として実行する処理例を示すフロー図である。
【図7】8方向の最大移動量の一例を示す説明図である。
【図8】ポインティングデバイスを実際に使用する際にポインティングデバイス制御システムが実行する処理例を示すフロー図である。
【図9】補正テーブルの適用による検出値の補正の例を示す説明図である。
【図10】ポインティングデバイス制御システムの構成例を示す機能ブロック図である。
【図11】ポインティングデバイス制御システムの最小の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明によるポインティングデバイス制御方法を適用した携帯端末機器の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、携帯端末機器は、CPU101、ROM102、RAM103、キー操作部104、ポインティングデバイス105及びディスプレイ装置106を含む。携帯端末機器は、具体的には、PDAやノートブック型パーソナルコンピュータ(以下、PCという)、携帯電話機によって実現される。なお、本実施形態では、ポインティングデバイス制御方法を携帯端末機器に適用するが、携帯端末機器に限らず、例えば、デスクトップ型のPCに適用してもよい。
【0016】
CPU101は、ROM102が記憶する各種プログラム102aに従って動作し、各装置を制御する機能を備えている。ROM102は、具体的には、EEPROMによって実現される。図1に示すように、ROM102は、プログラム102aと、ポインティングデバイスの検出値を補正するための補正テーブル102bとを保存している。
【0017】
ポインティングデバイス105は、具体的には、マウスやタッチパッド、タッチパネル等の入力装置によって実現される。ディスプレイ装置106は、具体的には、液晶ディスプレイ装置等の表示装置によって実現される。
【0018】
なお、本実施形態では、ポインティングデバイス105は、物理的な移動範囲が円形領域であり(すなわち、ユーザは、円を描くように操作することが可能である)、X軸/Y軸の座標を検出できるものとする。また、ROM102は、補正テーブルとして、ひし形特性用の補正テーブルと、四角形特性用の補正テーブルとを保存しているものとする。
【0019】
図10は、ポインティングデバイス制御システムの構成例を示す機能ブロック図である。図10に示すように、ポインティングデバイス制御システムは、検出手段10、特性判定手段20、補正テーブル記憶手段30、適用テーブル決定手段40、適用テーブル記憶手段50及び補正手段60を含む。
【0020】
検出手段10は、具体的には、CPU101及びポインティングデバイス105によって実現される。検出手段10は、ポインティングデバイス105の動作を検出する機能を備えている。検出手段10は、検出値として、例えば、ポインティングデバイス105の動作に従って、XY座標や移動量、移動方向を検出する。
【0021】
特性判定手段20は、具体的には、CPU101によって実現される。特性判定手段20は、検出手段10が検出した移動量や移動方向に基づいて、ポインティングデバイス105の検出した特性(以下、検出特性)を座標平面における象限(第1〜第4象限)ごとに判定する機能を備えている。
【0022】
補正テーブル記憶手段30は、具体的には、ROM102によって実現される。補正テーブル記憶手段30は、例えば、一般的な統計結果等によって予め求めたひし形特性用や四角形特性用等の補正テーブルを記憶する。
【0023】
適用テーブル決定手段40は、具体的には、CPU101によって実現される。適用テーブル決定手段40は、特性判定手段20の判定結果に基づいて、各象限に適用する補正テーブルを補正テーブル記憶手段30から抽出して決定する機能を備えている。また、特性判定手段20は、抽出した補正テーブルと適用する象限とを対応付けて適用テーブル記憶手段50に記憶させる機能を備えている。なお、適用テーブル決定手段40は、各象限にどの補正テーブルを適用するかを指定した指定データを適用テーブル記憶手段50に記憶させるようにしてもよい。
【0024】
適用テーブル記憶手段50は、具体的には、ROM102によって実現される。適用テーブル記憶手段50は、各象限と象限に適用する補正テーブルとを対応付けて記憶する。また、適用テーブル記憶手段50は、各象限にどの補正テーブルを適用するかを指定した指定データを記憶してもよい。
【0025】
補正手段60は、具体的には、CPU101によって実現される。補正手段60は、適用テーブル記憶手段50が対応付けて記憶する象限と補正テーブルとに基づいて、ポインティングデバイス105の検出値を補正し、補正した値をディスプレイ装置106に出力する機能を備えている。
【0026】
次に、ポインティングデバイス制御システムの動作について説明する。本実施形態におけるポインティングデバイス制御システムは、ポインティングデバイスを使用する前に、事前の設定処理として、ポインティングデバイスの特性を判断し、補正テーブルを適用するかどうかの判定を行う。図6は、ポインティングデバイス制御システムが事前の設定処理として実行する処理例を示すフロー図である。
【0027】
ポインティングデバイスの特性を判断するために、ユーザがポインティングデバイス105で所定の操作(例えば、マウスを円形に移動する)を行うと、検出手段10は、象限ごとの検出特性を把握するため、8方向(上下左右+斜め)の最大移動量を検出する(ステップS601)。本実施形態では、ユーザの操作によってポインティングデバイスが円形に移動するため、ポインティングデバイスが最大(すなわち、各方向において中心から最も遠い位置)まで移動したときの座標を検出することで、円を描いたときの特性を検出することができる。
【0028】
次いで、特性判定手段20は、検出手段10が検出した8方向の最大移動量の値から、象限ごとに円形特性とのずれを求める(ステップS602)。特性判定手段20は、円形特性とのずれを、例えば、X軸/Y軸方向の移動量と斜め方向の移動量との比率として算出する。そして、特性判定手段20は、各象限の検出特性について、例えば、所定値XX<所定値YYであるとき、斜め方向の移動量が、X軸/Y軸方向の移動量のXX%未満であればひし形特性、XX以上YY%未満であれば円形特性、YY%以上であれば四角形特性と判定する。
【0029】
図7は、8方向の最大移動量の一例を示す説明図である。図7に示す例において、軸方向と斜め方向との比率が15%以上ずれていた場合に補正テーブルを適用すると判断する場合を想定する。この場合、第1象限では、上方向及び右方向の最大移動量と比較して右上方向の最大移動量が15%以上小さいため(比率:80%)、特性判定手段20は、第1象限の検出特性がひし形特性であると判定する。そして、適用テーブル決定手段40は、判定結果に基づいて、第1象限に対して、補正テーブル記憶手段30が記憶するひし形特性用の補正テーブルを適用すると決定する。
【0030】
また、第2象限では、上方向及び左方向の最大移動量と比較して左上方向の最大移動量が15%以上大きいため(比率:125%)、特性判定手段20は、第2象限の検出特性が四角特性であると判定する。そして、適用テーブル決定手段40は、判定結果に基づいて、第2象限に対して、補正テーブル記憶手段30が記憶する四角特性用の補正テーブルを適用すると決定する。
【0031】
また、第3象限では、左方向及び下方向の最大移動量と比較して左下方向の最大移動量が15%以上小さいため(比率:85%)、特性判定手段20は、第3象限の検出特性がひし形特性であると判定する。そして、適用テーブル決定手段40は、判定結果に基づいて、第3象限に対して、補正テーブル記憶手段30が記憶するひし形特性用の補正テーブルを適用すると決定する。
【0032】
また、第4象限では、下方向及び右方向の移動量と比較して右下方向の最大移動量が小さいが(比率:95%)、判断基準である15%以上のずれはないため、特性判定手段20は、第4象限の検出特性が円形特性であり、補正テーブルを適用する必要がないと判定する。
【0033】
なお、図7に示す例の場合、上下方向と左右方向との移動量が同じであるが、上下方向と左右方向との移動量が同じにならない場合も考えられる。この場合には、特性判定手段20は、例えば、上方向及び右方向の移動量の平均値と、右上方向の移動量とを比較するなどして判断するものとする。
【0034】
また、本実施形態では、ROM102がひし形特性補正用のテーブル及び四角形特性補正用のテーブルを1つずつしか保存していないが、これらの補正用テーブルを複数保存し、円形特性とのずれかたの程度によって、より細かく適用する補正テーブルを指定しても良い。例えば、同じひし形用の補正テーブルでも、斜め方向のくぼみ程度に応じて複数のテーブルを用意しておき、より細分化した閾値判定を行ってテーブルを使い分けてもよい。また、四角形用の補正テーブルでも同様に、斜め方向の膨らみ程度に応じて複数のテーブルを用意しておき、より細分化した閾値判定を行ってテーブルを使い分けてもよい。
【0035】
また、第1〜第4象限の4領域について判定する場合に限らず、さらに5以上の領域に分けて細分化して、適用する補正テーブルを判定してもよい。
【0036】
次いで、適用テーブル決定手段40は、象限ごとに適用する補正テーブルを示すデータをROMに保存する(ステップS603)。例えば、適用テーブル決定手段40は、判定した各象限の検出特性に対応する補正テーブルを補正テーブル記憶手段30から抽出する。そして、適用テーブル決定手段40は、抽出した補正テーブルと適用する象限とを対応付けて適用テーブル記憶手段50に記憶させる。
【0037】
以上の動作によって、ポインティングデバイス制御システムは、ポインティングデバイスの各象限における検出特性を判定し、判定結果に基づいて適用する補正テーブルを決定する。
【0038】
次に、図6の設定を行った後に、ポインティングデバイスを実際に使用する際の動作について説明する。図8は、ポインティングデバイスを実際に使用する際にポインティングデバイス制御システムが実行する処理例を示すフロー図である。
【0039】
ユーザがポインティングデバイス105を操作すると、検出手段10は、ポインティングデバイス105が示す座標(X、Y)を検出する。そして、検出手段10は、検出した座標(X、Y)を補正手段60に出力する(ステップS801)。
【0040】
次いで、補正手段60は、検出手段10が出力した座標(X、Y)に基づいて、現在の位置がいずれの象限に含まれるかを判定する(ステップS802)。
【0041】
次いで、補正手段60は、その象限に適用する指定データ(ステップS603で保存した情報)をROM102から抽出する(ステップS803)。例えば、補正手段60は、ステップS802の判定結果に基づいて、判定結果が示す象限に対応付けられた補正テーブルを適用テーブル記憶手段50から抽出する。
【0042】
次いで、補正手段60は、抽出した補正テーブルに基づいて、座標(X、Y)を補正し、補正後の座標(X’、Y’)を求める。そして、補正手段60は、補正後の座標(X’、Y’)をポインティングデバイスの検出値としてディスプレイ装置106に出力する(ステップS804)。なお、補正が必要ない場合(すなわち、適用テーブル記憶手段50が象限に対応付けて補正テーブルを記憶していない場合)には、補正手段60は、座標(X、Y)をそのままポインティングデバイスの検出値としてディスプレイ装置106に出力する。
【0043】
以上のように、本実施形態では、象限ごとの検出特性にあった補正テーブルを適用し、補正テーブルに示される補正値に従って検出値を補正するので、ポインティングデバイスを円形に移動した場合の検出特性を円形特性に近づけることができる。このことによって、ポインティングデバイスによる移動量や移動方向の検出ずれを補正することができ、ポインタの操作感を向上させることができる。
【0044】
以上のことから、本発明は、以下のような課題を解決するための手段を備えているといえる。
【0045】
本発明では、ポインティングデバイスで円を描いたときの検出値を取得することで、象限ごとの特性を判別し、象限ごとに補正を行えるようにする。円形特性から大きくずれた象限には、その象限の特性にあった補正テーブルを適用することで検出値を補正し、補正後の特性を円形特性に近づけることで、ポインティングデバイスの操作性を向上させる。
【0046】
また、本発明では、適用する補正テーブルと、ポインティングデバイスが検出した座標(X、Y)とに基づいて、補正後の座標(X’、Y’)を算出する。ひし形特性の象限に対して適用する補正テーブルは、斜め方向が凹んだ特性を打ち消すため、検出した座標が軸から離れるにつれ、原点から離れた座標を返すテーブルとなる。また、四角特性の象限に対して適用する補正テーブルは、斜め方向が膨らんだ特性を打ち消すため、検出した座標が軸から離れるにつれ、原点方向に近づいた座標を返すテーブルとなる。
【0047】
図9は、補正テーブルの適用による検出値の補正の例を示す説明図である。ひし形特性(図9に示す903)と判定した場合、ポインティングデバイスの物理的な座標より検出された座標が原点に近い値となるため、検出した座標(図9に示す901)を原点から離れた座標に補正(図9に示す902)することで特性を円形特性(図9に示す904)に近づける。また、四角形特性(図9に示す907)と判定した場合、ポインティングデバイスの物理的な座標より検出された座標が原点から遠い値となるため、検出した座標(図9に示す905)を原点に近づいた座標に補正(図9に示す906)することで特性を円形特性(図9に示す908)に近づける。
【0048】
以上のことから、本発明の特徴は、携帯端末機器などで使用される入力装置の一つであるポインティングデバイスの特性ばらつきによって低下する操作性を、デバイスごとの特性にあった補正テーブルを象限ごとに適用することで改善する点である。
【0049】
次に、本発明によるポインティングデバイス制御システムの最小構成について説明する。図11は、ポインティングデバイス制御システムの最小の構成例を示すブロック図である。図11に示すように、ポインティングデバイス制御システムは、最小の構成要素として、特性判定手段20と、適用テーブル決定手段40と、補正手段60とを含む。
【0050】
図11に示す最小構成のポインティングデバイス制御システムでは、特性判定手段20は、ポインティングデバイスが検出した検出値に基づいて、所定の補正領域ごとに検出特性を判定する。そして、適用テーブル決定手段40は、特性判定手段20の判定結果に基づいて、予め記憶しているポインティングデバイスが検出する移動量を補正するための複数の補正テーブルから各補正領域に適用する補正テーブルを決定する。そして、補正手段60は、適用テーブル決定手段40が決定した補正テーブルに基づいて、ポインティングデバイスが検出した検出値を補正する。
【0051】
従って、最小構成のポインティングデバイス制御システムによれば、ポインティングデバイスの移動量や移動方向の検出ずれによる操作性の低下を防ぐことができる。
【0052】
なお、本実施形態では、以下の(1)〜(5)に示すようなポインティングデバイス制御システムの特徴的構成が示されている。
【0053】
(1)ポインティングデバイス制御システムは、ポインティングデバイス(例えば、ポインティングデバイス105)が検出した(例えば、検出手段10によって実現される)検出値に基づいて、所定の補正領域ごとに検出特性を判定する特性判定手段(例えば、特性判定手段20によって実現される)と、特性判定手段の判定結果に基づいて、予め記憶している(例えば、補正テーブル記憶手段30によって実現される)ポインティングデバイスが検出した移動量を補正するための複数の補正テーブルから各補正領域に適用する補正テーブルを決定する適用テーブル決定手段(例えば、適用テーブル決定手段40によって実現される)と、適用テーブル決定手段が決定した補正テーブルに基づいて、ポインティングデバイスが検出した検出値を補正する補正手段(例えば、補正手段60によって実現される)とを含むことを特徴とする。
【0054】
(2)ポインティングデバイス制御システムにおいて、特性判定手段は、ポインティングデバイスが検出する検出値に基づいて、ポインティングデバイスの操作に応じて検出した検出範囲が円形領域となるか否かを判断することによって、ポインティングデバイスの検出特性を判定するように構成されていてもよい。
【0055】
(3)ポインティングデバイス制御システムにおいて、特性判定手段は、ポインティングデバイスが検出するXY平面における斜め方向の移動量が、所定割合(例えば、XX)未満である場合に、ポインティングデバイスの検出特性を、ポインティングデバイスの操作に応じて検出した検出範囲がひし形領域となるひし形特性と判定し、適用テーブル決定手段は、特性判定手段の判定結果に基づいて、ひし形特性用の補正テーブルを適用すると決定するように構成されていてもよい。
【0056】
(4)ポインティングデバイス制御システムにおいて、特性判定手段は、ポインティングデバイスが検出するXY平面における斜め方向の移動量が、所定割合(例えば、YY)以上である場合に、ポインティングデバイスの検出特性を、ポインティングデバイスの操作に応じて検出した検出範囲が四角形領域となる四角形特性と判定し、適用テーブル決定手段は、特性判定手段の判定結果に基づいて、四角形特性用の補正テーブルを適用すると決定するように構成されていてもよい。
【0057】
(5)ポインティングデバイス制御システムにおいて、補正手段は、適用テーブル決定手段が決定した補正テーブルに基づいてポインティングデバイスが検出した座標を補正する(例えば、座標(X,Y)を座標(X’,Y’)に補正する)ように構成されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、ポインティングデバイスを使用して、ディスプレイ装置が表示するポインタを操作する用途に適用可能である。
【符号の説明】
【0059】
10 検出手段
20 特性判定手段
30 補正テーブル記憶手段
40 適用テーブル決定手段
50 適用テーブル記憶手段
60 補正手段
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 キー操作部
105 ポインティングデバイス
106 ディスプレイ装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポインティングデバイスが検出した検出値に基づいて、所定の補正領域ごとに検出特性を判定する特性判定手段と、
前記特性判定手段の判定結果に基づいて、予め記憶している前記ポインティングデバイスが検出した移動量を補正するための複数の補正テーブルから各補正領域に適用する補正テーブルを決定する適用テーブル決定手段と、
前記適用テーブル決定手段が決定した補正テーブルに基づいて、前記ポインティングデバイスが検出した検出値を補正する補正手段とを
含むことを特徴とするポインティングデバイス制御システム。
【請求項2】
特性判定手段は、ポインティングデバイスが検出する検出値に基づいて、ポインティングデバイスの操作に応じて検出した検出範囲が円形領域となるか否かを判断することによって、前記ポインティングデバイスの検出特性を判定する
請求項1記載のポインティングデバイス制御システム。
【請求項3】
特性判定手段は、ポインティングデバイスが検出するXY平面における斜め方向の移動量が、所定割合未満である場合に、前記ポインティングデバイスの検出特性を、ポインティングデバイスの操作に応じて検出した検出範囲がひし形領域となるひし形特性と判定し、
適用テーブル決定手段は、前記特性判定手段の判定結果に基づいて、ひし形特性用の補正テーブルを適用すると決定する
請求項2記載のポインティングデバイス制御システム。
【請求項4】
特性判定手段は、ポインティングデバイスが検出するXY平面における斜め方向の移動量が、所定割合以上である場合に、前記ポインティングデバイスの検出特性を、ポインティングデバイスの操作に応じて検出した検出範囲が四角形領域となる四角形特性と判定し、
適用テーブル決定手段は、前記特性判定手段の判定結果に基づいて、四角形特性用の補正テーブルを適用すると決定する
請求項2又は請求項3に記載のポインティングデバイス制御システム。
【請求項5】
補正手段は、適用テーブル決定手段が決定した補正テーブルに基づいて、ポインティングデバイスが検出した座標を補正する
請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載のポインティングデバイス制御システム。
【請求項6】
ポインティングデバイスが検出した検出値に基づいて、所定の補正領域ごとに検出特性を判定する特性判定手段と、
前記特性判定手段の判定結果に基づいて、予め記憶している前記ポインティングデバイスが検出した移動量を補正するための複数の補正テーブルから各補正領域に適用する補正テーブルを決定する適用テーブル決定手段と、
前記適用テーブル決定手段が決定した補正テーブルに基づいて、前記ポインティングデバイスが検出した検出値を補正する補正手段とを
備えたことを特徴とする端末装置。
【請求項7】
特性判定手段は、ポインティングデバイスが検出する検出値に基づいて、ポインティングデバイスの操作に応じて検出した検出範囲が円形領域となるか否かを判断することによって、前記ポインティングデバイスの検出特性を判定する
請求項6記載の端末装置。
【請求項8】
ポインティングデバイスが検出した検出値に基づいて、所定の補正領域ごとに検出特性を判定し、
判定結果に基づいて、予め記憶している前記ポインティングデバイスが検出した移動量を補正するための複数の補正テーブルから各補正領域に適用する補正テーブルを決定し、
決定した補正テーブルに基づいて、前記ポインティングデバイスが検出した検出値を補正する
ことを特徴とするポインティングデバイス制御方法。
【請求項9】
ポインティングデバイスが検出する検出値に基づいて、ポインティングデバイスの操作に応じて検出した検出範囲が円形領域となるか否かを判断することによって、前記ポインティングデバイスの検出特性を判定する
請求項8記載のポインティングデバイス制御方法。
【請求項10】
コンピュータに、
ポインティングデバイスが検出した検出値に基づいて、所定の補正領域ごとに検出特性を判定する特性判定処理と、
判定結果に基づいて、予め記憶している前記ポインティングデバイスが検出した移動量を補正するための複数の補正テーブルから各補正領域に適用する補正テーブルを決定する適用テーブル決定処理と、
決定した補正テーブルに基づいて、前記ポインティングデバイスが検出した検出値を補正する補正処理とを
実行させるためのポインティングデバイス制御プログラム。
【請求項11】
コンピュータに、
特性判定処理で、ポインティングデバイスが検出する検出値に基づいて、ポインティングデバイスの操作に応じて検出した検出範囲が円形領域となるか否かを判断することによって、前記ポインティングデバイスの検出特性を判定する処理を実行させる
請求項10記載のポインティングデバイス制御プログラム。
【請求項1】
ポインティングデバイスが検出した検出値に基づいて、所定の補正領域ごとに検出特性を判定する特性判定手段と、
前記特性判定手段の判定結果に基づいて、予め記憶している前記ポインティングデバイスが検出した移動量を補正するための複数の補正テーブルから各補正領域に適用する補正テーブルを決定する適用テーブル決定手段と、
前記適用テーブル決定手段が決定した補正テーブルに基づいて、前記ポインティングデバイスが検出した検出値を補正する補正手段とを
含むことを特徴とするポインティングデバイス制御システム。
【請求項2】
特性判定手段は、ポインティングデバイスが検出する検出値に基づいて、ポインティングデバイスの操作に応じて検出した検出範囲が円形領域となるか否かを判断することによって、前記ポインティングデバイスの検出特性を判定する
請求項1記載のポインティングデバイス制御システム。
【請求項3】
特性判定手段は、ポインティングデバイスが検出するXY平面における斜め方向の移動量が、所定割合未満である場合に、前記ポインティングデバイスの検出特性を、ポインティングデバイスの操作に応じて検出した検出範囲がひし形領域となるひし形特性と判定し、
適用テーブル決定手段は、前記特性判定手段の判定結果に基づいて、ひし形特性用の補正テーブルを適用すると決定する
請求項2記載のポインティングデバイス制御システム。
【請求項4】
特性判定手段は、ポインティングデバイスが検出するXY平面における斜め方向の移動量が、所定割合以上である場合に、前記ポインティングデバイスの検出特性を、ポインティングデバイスの操作に応じて検出した検出範囲が四角形領域となる四角形特性と判定し、
適用テーブル決定手段は、前記特性判定手段の判定結果に基づいて、四角形特性用の補正テーブルを適用すると決定する
請求項2又は請求項3に記載のポインティングデバイス制御システム。
【請求項5】
補正手段は、適用テーブル決定手段が決定した補正テーブルに基づいて、ポインティングデバイスが検出した座標を補正する
請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載のポインティングデバイス制御システム。
【請求項6】
ポインティングデバイスが検出した検出値に基づいて、所定の補正領域ごとに検出特性を判定する特性判定手段と、
前記特性判定手段の判定結果に基づいて、予め記憶している前記ポインティングデバイスが検出した移動量を補正するための複数の補正テーブルから各補正領域に適用する補正テーブルを決定する適用テーブル決定手段と、
前記適用テーブル決定手段が決定した補正テーブルに基づいて、前記ポインティングデバイスが検出した検出値を補正する補正手段とを
備えたことを特徴とする端末装置。
【請求項7】
特性判定手段は、ポインティングデバイスが検出する検出値に基づいて、ポインティングデバイスの操作に応じて検出した検出範囲が円形領域となるか否かを判断することによって、前記ポインティングデバイスの検出特性を判定する
請求項6記載の端末装置。
【請求項8】
ポインティングデバイスが検出した検出値に基づいて、所定の補正領域ごとに検出特性を判定し、
判定結果に基づいて、予め記憶している前記ポインティングデバイスが検出した移動量を補正するための複数の補正テーブルから各補正領域に適用する補正テーブルを決定し、
決定した補正テーブルに基づいて、前記ポインティングデバイスが検出した検出値を補正する
ことを特徴とするポインティングデバイス制御方法。
【請求項9】
ポインティングデバイスが検出する検出値に基づいて、ポインティングデバイスの操作に応じて検出した検出範囲が円形領域となるか否かを判断することによって、前記ポインティングデバイスの検出特性を判定する
請求項8記載のポインティングデバイス制御方法。
【請求項10】
コンピュータに、
ポインティングデバイスが検出した検出値に基づいて、所定の補正領域ごとに検出特性を判定する特性判定処理と、
判定結果に基づいて、予め記憶している前記ポインティングデバイスが検出した移動量を補正するための複数の補正テーブルから各補正領域に適用する補正テーブルを決定する適用テーブル決定処理と、
決定した補正テーブルに基づいて、前記ポインティングデバイスが検出した検出値を補正する補正処理とを
実行させるためのポインティングデバイス制御プログラム。
【請求項11】
コンピュータに、
特性判定処理で、ポインティングデバイスが検出する検出値に基づいて、ポインティングデバイスの操作に応じて検出した検出範囲が円形領域となるか否かを判断することによって、前記ポインティングデバイスの検出特性を判定する処理を実行させる
請求項10記載のポインティングデバイス制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−100381(P2011−100381A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−255907(P2009−255907)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】
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