説明

ポイントオブケア・テストの結果を読み取るためのハンドヘルド・スキャナ・システム及び方法

【課題】
【解決手段】 テスト・デバイス及びスキャニング・デバイスを含む診断分析システムを説明する。一実施では、スキャニング・デバイスは、シャーシ内に配設された、電磁放射線源、光学アセンブリ、検出器、及びマイクロプロセッサを含む。テスト・デバイス及びスキャニング・デバイスは、スキャニング・デバイスの動作中に互いに関連して移動可能なように構成可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[001] 本明細書は、一般に、ポイントオブケア(point-of-care)・テストを提供するためのシステム、デバイス、及び方法を対象とする。より具体的に言えば、本発明は、スキャナ及び関連付けられたテスト・デバイスを含む、ハンドヘルド・テスト・システム及び関連付けられた方法を対象とするが、限定的なものではない。テスト・システムは、携帯用、使い捨ての、ポイントオブケア・テスト、及び関連付けられたテストの処理、分析、並びにテストの結果及びデータを提供するように構成可能である。
【背景技術】
【0002】
[002] 感染症の診断に使用されるなどの、ポイントオブケア・テスト・デバイスのリーダ及び/又はドライブ・ユニットが、当分野で知られている。現在使用可能なリーダは高額かつ大型(例えば、典型的にはおよそ旧式の卓上電話又は同様のデバイスの大きさ)である。加えて、それらは一般に大量の電力を消費し、容易に携帯できない。例えば現在知られているリーダは、ユーザのポケットに入れること、及び/又は臨床又はポイントオブケアで患者間を持ち運ぶことが容易ではなく、使用するには扱いにくく高額である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[003] したがって当分野では、改良されたポイントオブケア・テストのシステム、デバイス、及び方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
[004] 本発明は、一般に、ポイントオブケア・テスト・デバイスのリーダを提供するためのデバイス及び方法を対象とする。
【0005】
[005] 一態様では、1つ又は複数のテスト・ライン及び1つ又は複数のしるし(indicia)を有するテスト・ストリップを含むテスト・デバイスと、電磁放射線源、電磁放射線を誘導するために配設された光学アセンブリ、テスト・ストリップからの放射又は反射を受け取るために配設された検出器、マイクロプロセッサ、及びシャーシを備える、スキャニング・デバイスと、を備える、診断分析システムが開示され、テスト・デバイス及びスキャニング・デバイスは、スキャニング・デバイスの動作中に互いに関連して移動可能なように構成され、マイクロプロセッサは、しるし及び1つ又は複数のテスト・ラインに少なくとも部分的に基づいてテスト結果データを生成するように構成される。
【0006】
[006] 他の態様では、問題の検体(analyte)を検出するためにサンプルを分析する方法が開示され、この方法は、サンプル収集デバイスからのサンプルをテスト・デバイスに提供するステップであって、テスト・デバイスは、1つ又は複数の問題の検体を直接又は間接的に明確に結合する捕捉部分(capture moiety)が固定化(immobilize)された1つ又は複数のテスト・ラインを備え、しるしは1つ又は複数のテスト・ラインに隣接するテスト・デバイスの表面上に位置する、提供するステップと、1つ又は複数のテスト・ライン及び1つ又は複数のしるしを読み取るようにスキャニング・デバイスに関連してテスト・デバイスを移動するステップと、1つ又は複数のしるし及び1つ又は複数のテスト・ラインの読み取りに少なくとも部分的に基づいてテスト結果データを生成するステップと、テスト結果データをメモリに格納するステップと、を含む。
【0007】
[007] 他の態様では、1つ又は複数のテスト・ラインを有するテスト・ストリップと、1つ又は複数のしるしとを含む基板を備える、テスト・デバイスが開示され、しるしは、スキャナへのテスト・デバイスの提示を補償するようにスキャナに関してテスト・デバイスの位置決め(registration)を容易にするように基板上に配設される。
【0008】
[008] 他の態様では、電磁放射線源、電磁放射線を誘導するために配設された光学アセンブリ、テスト・デバイスからの放射又は反射を受け取るために配設された検出器、マイクロプロセッサ、及びシャーシを備える、スキャナが開示され、マイクロプロセッサは、テスト・デバイス上に関連付けて配設された1つ又は複数のしるし及びテスト・デバイス上に配設された1つ又は複数のテスト・ラインに基づいてテスト結果データを生成するように構成される。
【0009】
[009] 他の態様では、診断分析システムが開示される。様々な実施形態では、診断分析システムはテスト・デバイス及びスキャニング・デバイスを含む。テスト・デバイスはテスト・ストリップ及びしるしを含む。スキャニング・デバイスは、電磁放射線源、光学アセンブリ、検出器、マイクロプロセッサ、及びシャーシを含む。システムの特徴は、テスト・デバイス及びスキャニング・デバイスが、スキャニング・デバイスの動作中に互いに関連して移動可能なことである。ある諸実施形態では、テスト・ストリップは、1つ又は複数の問題の検体を直接又は間接的に明確に結合する捕捉部分が固定化された1つ又は複数のテスト・ライン、並びにしるしを含むことが可能であり、しるしは、1つ又は複数のテスト・ラインに隣接するテスト・デバイスの平面上に位置する。
【0010】
[010] 他の態様では、サンプルを分析する方法が開示される。この方法は、a)サンプルをサンプル収集デバイスに提供すること、b)サンプルをサンプル収集デバイスからテスト・デバイスへ投与(administer)すること、c)テスト・デバイスの平面全体にわたってスキャニング・デバイスを移動させること、及びd)問題の検体を検出することのうちの、1つ又は複数を含むことができる。ある諸実施形態では、テスト・デバイスは側方流動膜(lateral flow membrane)及びしるしを含むことができる。側方流動膜は、1つ又は複数の問題の検体を直接又は間接的に明確に結合する捕捉部分が固定化された1つ又は複数のテスト・ライン、並びにしるしを含むことが可能であり、しるしは、1つ又は複数のテスト・ラインに隣接するテスト・デバイスの平面上に位置する。ある諸実施形態では、スキャニング・デバイスはハンドヘルド・シャーシを含むことが可能であり、ハンドヘルド・シャーシ内には、光エネルギー源、光学アセンブリ、光エネルギー検出器、及び/又はマイクロプロセッサのうちの、1つ又は複数を配設することができる。本明細書では、テスト・デバイス、スキャニング・デバイス、及び/又はそれらを使用するための命令のうちの、1つ又は複数を含むキットも提供される。
【0011】
[011] 本発明の様々な実施形態の追加の態様及び特徴は、以下の説明及び添付の図面から明らかとなろう。
【0012】
[012] 本発明は、添付の図面に関連してより良く理解することができる。一般的な実施によれば、図面の様々な特徴は一定の縮尺で提示されていない可能性がある。むしろ、様々な特徴の寸法は、明確にするために任意に拡大又は縮小可能である。以下の図面が含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】[013] 本開示のスキャニング・デバイス及びテスト・デバイスを含む、診断システムの実施形態を示す概略図である。
【図2A】[014] テスト・デバイスの実施形態を示す図である。
【図2B】[015] テスト・デバイスのインターフェース領域付近に取り付けられた位置合わせシステム及び遮光体を有する、スキャニング・デバイスの実施形態を示す遠位端図である。
【図2C】[016] 図2Aのテスト・デバイスと図2Bのスキャニング・デバイスとの間のインターフェースを示す断面図である。
【図2D】[017] テスト・デバイスとスキャニング・デバイスとの間のインターフェースの他の実施形態を示す断面図である。
【図3】[018] 診断システムの実施形態を使用した検体の検出例を示す概略図である。
【図4】[019] スキャニング・デバイスの実施形態を示す図である。
【図5】[020] 図4のスキャニング・デバイスを示す概略図である。
【図6】[021] スキャニング・デバイスの実施形態の光学アセンブリを示す概略図である。
【図7】[022] スキャニング・デバイス内で使用するためのマイクロプロセッサ・サブシステムの実施形態を示す図である。
【図8】[023] 本発明の諸態様に従った検出器を使用するテスト・サンプル・スキャニングの詳細を示す図である。
【図9】[024] 本発明の諸態様に従ったテスト結果をスキャン及び調節するためのプロセスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[025] オペレータが診断テスト結果を容易に読み取り及び記録できるようにする、テスト・デバイス及びスキャナ/リーダを含む、ハンドヘルド・システムの実施が、ますます求められてきている。これらのシステムは、結果的に現行のリーダと比較してコスト及び電力消費を軽減させることが可能であり、実際のポイントオブケアにさらに緊密に接近することができる。加えて、使い捨て式での使用、又は例えば第3世界での使用が可能なように、安価に製造可能なリーダが求められている。本発明の様々な実施形態は、これら並びに他の要求に対処するように構成することができる。
【0015】
[026] したがって本明細書では、ハンドヘルド及び比較的低コストで構成可能な、リーダ(本明細書ではスキャナとも示される)を含むことが可能な診断分析システムの様々な実施形態が開示される。リーダは、人間又は動物の患者から、或いはテスト用の材料又は環境から取得されたサンプルなどの、サンプルの、テスト・デバイスからのポイントオブケア・テスト結果などの、テスト結果を読み取るために使用可能である。スキャナは、携帯用、使い捨て式、及び容易に使用できるように構成可能である。ある諸実施形態では、スキャナは、テスト・デバイスのスキャン及び/又は読み取り、並びに/或いは、当該スキャン及び/又は読み取りによって取得された結果を表すデータの分析及び/又は出力の、参照ポイントとしての役目を果たす、1つ又は複数のしるしを含む基板を備えた、基板などのテスト・デバイスと共に使用するように構成することができる。基板は、サンプルを受け取るための1つ又は複数のテスト・ストリップをさらに含むことができる。
【0016】
[027] 一態様では、1つ又は複数のテスト・ライン及び1つ又は複数のしるしを有するテスト・ストリップを含むテスト・デバイスと、電磁放射線源、電磁放射線を誘導するために配設された光学アセンブリ、テスト・ストリップからの放射又は反射を受け取るために配設された検出器、マイクロプロセッサ、及びシャーシを備える、スキャニング・デバイスとを備える、診断分析システムが開示され、テスト・デバイス及びスキャニング・デバイスは、スキャニング・デバイスの動作中に互いに関連して移動可能なように構成され、マイクロプロセッサは、しるし及び1つ又は複数のテスト・ラインに少なくとも部分的に基づいてテスト結果データを生成するように構成される。
【0017】
[028] 他の態様では、問題の検体を検出するためにサンプルを分析する方法が開示され、この方法は、サンプル収集デバイスからのサンプルをテスト・デバイスに提供するステップであって、テスト・デバイスは、1つ又は複数の問題の検体を直接又は間接的に明確に結合する捕捉部分が固定化された1つ又は複数のテスト・ラインを備え、しるしは1つ又は複数のテスト・ラインに隣接するテスト・デバイスの表面上に位置する、提供するステップと、1つ又は複数のテスト・ライン及び1つ又は複数のしるしを読み取るようにスキャニング・デバイスに関連してテスト・デバイスを移動するステップと、1つ又は複数のしるし及び1つ又は複数のテスト・ラインの読み取りに少なくとも部分的に基づいてテスト結果データを生成するステップと、テスト結果データをメモリに格納するステップと、を含む。
【0018】
[029] 他の態様では、1つ又は複数のテスト・ラインを有するテスト・ストリップと1つ又は複数のしるしとを含む基板を備える、テスト・デバイスが開示され、しるしは、スキャナへのテスト・デバイスの提示を補償するようにスキャナに関してテスト・デバイスの位置決めを容易にするように基板上に配設される。
【0019】
[030] 他の態様では、電磁放射線源、電磁放射線を誘導するために配設された光学アセンブリ、テスト・デバイスからの放射又は反射を受け取るために配設された検出器、マイクロプロセッサ、及びシャーシを備える、スキャナが開示され、マイクロプロセッサは、テスト・デバイス上に関連付けて配設された1つ又は複数のしるし、及びテスト・デバイス上に配設された1つ又は複数のテスト・ラインに基づいて、テスト結果データを生成するように構成される。
【0020】
[031] 他の態様では、診断分析システムが開示される。様々な実施形態では、診断分析システムはテスト・デバイス及びスキャニング・デバイスを含む。テスト・デバイスはテスト・ストリップ及びしるしを含む。スキャニング・デバイスは、電磁放射線源、光学アセンブリ、検出器、マイクロプロセッサ、及びシャーシを含む。システムの特徴は、テスト・デバイス及びスキャニング・デバイスが、スキャニング・デバイスの動作中に互いに関連して移動可能なことである。ある諸実施形態では、テスト・ストリップは、1つ又は複数の問題の検体を直接又は間接的に明確に結合する捕捉部分が固定化された1つ又は複数のテスト・ライン、並びにしるしを含むことが可能であり、しるしは、1つ又は複数のテスト・ラインに隣接するテスト・デバイスの平面上に位置する。
【0021】
[032] 他の態様では、サンプルを分析する方法が開示される。この方法は、a)サンプルをサンプル収集デバイスに提供すること、b)サンプルをサンプル収集デバイスからテスト・デバイスへ投与すること、c)テスト・デバイスの平面全体にわたってスキャニング・デバイスを移動させること、及びd)問題の検体を検出することのうちの、1つ又は複数を含むことができる。ある諸実施形態では、テスト・デバイスは側方流動膜及びしるしを含むことができる。側方流動膜は、1つ又は複数の問題の検体を直接又は間接的に明確に結合する捕捉部分が固定化された1つ又は複数のテスト・ライン、並びにしるしを含むことが可能であり、しるしは、1つ又は複数のテスト・ラインに隣接するテスト・デバイスの平面上に位置する。ある諸実施形態では、スキャニング・デバイスはハンドヘルド・シャーシを含むことが可能であり、ハンドヘルド・シャーシ内には、光エネルギー源、光学アセンブリ、光エネルギー検出器、及び/又はマイクロプロセッサのうちの、1つ又は複数を配設することができる。本明細書では、テスト・デバイス、スキャニング・デバイス、及び/又はそれらを使用するための命令のうちの、1つ又は複数を含むキットも提供される。
【0022】
[033] さらに詳細に説明する前に、本明細書で説明される主題は、説明される特定の諸実施形態に限定されるものではなく、したがって、もちろん本発明の趣旨及び範囲内にありながら変更することが可能であることを理解されよう。本明細書で使用される用語は、特定の例示的実施形態を説明するためのみのものであり、いかなる形でも、特に等価の原則に関して、制限することは意図されていないことも理解されよう。特に定義されていない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語は、本主題が属する分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0023】
[034] 値の範囲が与えられている場合、介在する各値は、下限値の単位の十分の一まで、文脈で特に明確に示していない限り、その範囲の上限と下限の間、及び、その定められた範囲内の任意の他の定められた値又は介在する値は、本明細書で説明される主題に包含されるものであることを理解されよう。これらのより狭い範囲の上限及び下限は、より狭い範囲に独立して含めることが可能であり、定められた範囲内の任意の具体的に除外された制限の対象となる、本明細書で説明される主題にも包含される。定められた範囲が制限の一方又は両方を含む場合、それらの含められた制限のいずれか又は両方を除外する範囲も、本明細書で説明される主題に含められる。
【0024】
[035] 本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「and」、及び「the」は、文脈で特に明確に示していない限り、複数の指示対象を含むことにも留意されたい。したがって、例えば「留め具」への言及は複数のこうした留め具を含み、「係合要素」への言及は1つ又は複数の係合要素及び当業者に知られたその等価物への言及を含む、という具合である。
【0025】
[036] さらに特許請求の範囲は、いずれのオプションの要素も除外するように起草可能であることにも留意されたい。したがって本文は、請求要素の列挙に関連して、「単に」、「のみ」などの排他的用語を使用するため、又は「否定的」制限を使用するための、先行詞の役割を果たすことが意図される。したがって、「オプション要素」又は「オプションで存在する要素」などにおける「オプション」又は「オプションで存在する」という用語は、その後に続く要素が存在するか又は存在しない可能性があることを意味し、結果としてこの記述は、要素が存在するインスタンス及び存在しないインスタンスを含むことになる。
【0026】
[037] 本明細書で使用される場合、「サンプル」とは、検体の存在及び/又は濃度に関してテストされることになる任意の材料である。一般に、サンプルは、環境学、病理学、及び/又は生物学的なサンプルとすることができる。例えば、あるインスタンスでは、サンプルは生物学的サンプルである。生物学的サンプルは、例えば人間以外の動物又は人間などの、対象から採取された任意のサンプルとすることが可能であり、取得された場合、サンプルは、本明細書の開示に従ったテスト・デバイスの実施形態で使用可能である。例えば生物学的サンプルは、生体組織検査又は他の診断テストなどからの、任意の生理学的及び/又は体液、細胞、又は組織サンプルのサンプルとすることができる。
【0027】
[038] 体液サンプルは、いかなる制限もなしに、血液、血清、血漿、尿、痰、排泄物、精液、子宮頚粘液、膣又は尿道分泌物、唾液又は口腔液、胆汁、脳液、鼻腔綿棒又は鼻腔吸引物を含む鼻腔液、粘液、尿生殖綿棒、脊髄液、接眼レンズ液、汗、乳、滑液、腹膜液、経皮浸出物、咽頭浸出物、気管支肺胞洗浄、気管吸引、脳脊髄液、羊水などを含むことができる。本明細書では、例えば毛髪、皮膚、及び爪の掻き落としたもの、並びに肉エキスなどの、細胞組織の液体ホモジェネートも、生体液とみなされる。生物学的サンプルは、例えば人間などの対象から直接採取したサンプルから取り出した任意のサンプルを含むこともできる。例えば生物学的サンプルは、収集された細胞又は組織の、血液サンプルの血漿分画、血清、タンパク質、又は核酸抽出とすることができる。生物学的サンプルは、人間、鳥、豚、馬、牛、ネズミ、猫、犬、又は羊を含むがこれらに限定されない、動物などの任意の対象からのものとすることができる。
【0028】
[039] 生物学的サンプルは、未処理又は事前処理済みとすることができる。サンプルの事前処理は、例えば、血液からの血漿準備、粘液の希釈又は処理などを含むことができる。サンプルの処理方法には、ろ過、蒸留、分離、凝縮、妨害成分の不活化、及び試薬の添加などを含むことができる。例えば生物学的サンプルは、ウィルスなどの被検査物又は被検査物内の成分の検出可能性を向上させるように処理された、被検査物とすることができる。例えばサンプルは、ウィルスを含む鼻腔被検査物を含むことが可能であり、この被検査物は、それによって被検査物の粘度を大幅に低下させる、鼻腔被検査物内の粘素(mucens)に分解する粘液溶解薬を含む溶解緩衝材、及び、それによって抗原を放出し、分析による検出に使用できるようにする、ウィルスを溶解するための洗浄剤によって処理されている。
【0029】
[040] 生理液に加えて、工業、環境、又は食糧生産の分析並びに診断分析を実行するために、環境、食物、及び/又は水、食品、土壌浸出液などの他のサンプルなどの、他のサンプルを使用することができる。加えて、問題の検体を含むと疑われる固形物を、テスト・サンプルとして使用することができる。例えば、液体媒質を形成するように修正されるか、又は検体を放出するように修正されたサンプルを、使用することができる。テスト前の生物学、工業、及び環境サンプルの選択及び事前処理については、当分野で周知である。
【0030】
[041] 本明細書で使用される場合、「例示的」という用語は、「例、インスタンス、又は例証の役目を果たす」ことを意味する。本明細書で「例示的」と説明されるいかなる実施形態も、必ずしも他の諸実施形態より好ましい、又は有利であると解釈されるものではない。
【0031】
[042] 本明細書でより詳細に説明されるあるインスタンスでは、開示のデバイス及び方法は人間の診断に使用可能である。しかしながら本明細書で開示されたデバイス及び方法は、家畜病の診断、例えば細菌汚染に関する食肉、家禽、魚の分析、食品工場、穀類、果物、乳製品(加工又は未加工)の検査、並びに、レストラン、病院、及び他の公共施設などの清潔が重要な所与の環境の検査にも有用な可能性がある。例えば本明細書で開示されたデバイス及び方法は、海辺、海洋、湖、又はスイミング・プールの水の汚染を含む、環境サンプルの分析における用途を見つけることもできる。こうしたテストによって検出される検体は、ウィルス抗原及び細菌性抗原などの病原体、並びに、例えば鉛、殺虫剤、ホルモン、薬剤及びそれらの代謝産物、炭化水素、並びにすべての種類の有機化合物又は無機化合物を含む化学薬品を、含むことができる。
【0032】
[043] 当業者が本開示を読めば明らかとなるように、本明細書で説明及び例証される個々の実施形態は、本明細書で説明される主題の趣旨及び範囲を逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のいずれかの特徴と分離すること、又はそれらの特徴と組み合わせることが容易な、別個の構成要素及び特徴を有する。特に記載されていない限り、本明細書に示された方法は、示されたイベントの順序で、又は論理的に可能な他の順序で、実施可能である。加えて、本明細書で説明される方法は、いくつかの実施で具体的に説明されたステップよりも多いか又は少ないステップでも実行可能である。
【0033】
[044] 例示的診断分析システム
一態様では、診断分析の実行のためのシステムについて説明される。システムの諸実施形態は、テスト・デバイス及び/又はスキャニング・デバイスを含むことができる。例えばテスト・デバイスは、好適なスキャニング・デバイスと共に、サンプル中の検体を検出するために使用することができる。ある諸実施形態では、サンプル中のタンパク質、核酸、及び/又は小分子などの検体を検出し、その有無を判断する際に使用するために、テスト・デバイス及び/又はスキャニング・デバイスが提供可能である。
【0034】
[045] 様々な実施形態では、テスト・デバイスは、サンプルの保持が可能であり、さらに、本明細書で説明されるスキャニング・デバイス及び/又はリーダなどのスキャニング・デバイスによるスキャンが可能な、任意のタイプのデバイスとすることができる。いくつかの実施形態では、テスト・デバイスは基板を含むことが可能であり、基板は、以下でより詳細に説明するようなテスト・ストリップ及び/又は1つ又は複数のしるしをさらに含むことが可能である。ある諸実施形態では、テスト・デバイスはハウジングを含むことが可能であり、このハウジングは基板が格納可能な内腔を含む。加えて、いくつかの実施形態では、基板及び/又はハウジングは、取り外し可能なようにサンプル収集デバイスと結合されるように構成可能である。いくつかの実施形態では、基板及び/又はハウジング及び/又はサンプル収集デバイスは、バーコード及び/又はテキスト読み取り可能インジケーションを含むことができる。
【0035】
[046] したがって一態様では、本開示はテスト・デバイスを対象とする。一般に、テスト・デバイスは、以下で説明されるような、外部ハウジング又はケーシング、ハウジング、基板、及び/又はテスト・ストリップによって画定される空洞又は内腔、のうちの1つ又は複数を含むことができる。外部ケーシング又はハウジングは、テスト・デバイスの本体を形成することが可能であり、内部基板も含むことが可能であり、基板は、以下で説明するようにハウジングの内腔内に存在可能なテスト・ストリップを形成することが可能である。本体は、任意の好適な材料で作成可能であり、サンプル接触部分及び結果読み取り部分を含むことができる。例えば、テスト・デバイスの本体は、例えば結果読み取り部分などの、テスト・ストリップを含む基板の一部分を露出する際に通すことが可能な、単一又は複数の窓を含むことができる。
【0036】
[047] ハウジングが含まれるある諸実施形態では、ハウジングは1つ又は複数の開口部及び/又は窓を含むこともできる。例えばハウジングは、近位端を有する近位部分と遠位端を有する遠位部分とを含むことが可能であり、例えばデバイスの近位端内に開口部が存在可能である。開口部はサンプルを受け入れるために構成可能である。したがってデバイスの近位部分は、サンプル受入れ部分と示すことができる。ある諸実施形態では、開口部は、サンブル収集デバイス(SCD)の一部との接触及び/又は関連付けのために構成可能であり、デバイスは、取り外し可能なようにテスト・デバイスに結合するように構成可能であり、この結合により、サンプル収集デバイス内に含まれるサンプルをSCDからテスト・デバイスに移動させることができる。
【0037】
[048] したがって、ある諸実施形態では、開口部はテスト・ストリップの上に配置され、開口部は、SCDと接合しているサンプルをSCDからテスト・デバイスへと移動させ、テスト・ストリップと接触させることができるように、構成される。例えばある諸実施形態では、開口部は、SCDの遠位端を受け入れるように構成され、この遠位端は開口部内又は開口部上に収まるように構成可能である。ある諸実施形態では、テスト・ストリップはウィッキング(wicking)材料を含み、ウィッキング材料は、例えばテスト・ストリップのサンプル接触部分などの開口部下に配置可能であり、ウィッキング材料はサンプルが移動された場合にこれを受け入れるために構成される。以下で説明するように、例えば開口部は、テスト・パッドのダウンストリームに配設されたウィッキング・パッドの真上に配設可能であり、テスト・パッドはテスト・ストリップの結果読み取り部分に配置可能である。
【0038】
[049] さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるようなSCD及び/又はテスト・デバイスは、1つ又は複数の識別可能タグを含むことができる。あるインスタンスでは、識別可能タグは取り外し可能であり、1つのデバイスから取り外して他のデバイスに取り付けることができる。例えばテスト・デバイスは、SCD上の同一の識別ラベルを識別する、及び/又はこれに対応する、バーコードなどの識別ラベルを含むことが可能であり、(例えば、品質保証及び追跡の目的で)テスト・デバイスのロット番号を識別することも可能である。
【0039】
[050] ある諸実施形態では、テスト・デバイスの本体は内腔を伴うハウジングを含まない。その代わりに、テスト・デバイスは、基板及び/又はテスト・ストリップのうちの1つ又は複数のみを含む。本明細書で使用される場合、テスト・ストリップとは、例えば、当分野で知られているか又は開発された方法を使用して、捕捉部分(例えば、核酸、タンパク質、小分子、金属粒子、ナノ粒子など)がリンクされ、サンプルの少なくとも一部が接触可能な、材料を言い表す。したがっていくつかの実施形態では、テスト・デバイスは、(本体のハウジング内に格納されるか又は格納されない場合がある)テスト・ストリップと共に基板を含むことが可能であり、結果としてそれらがまとまってマトリックス(matrix)を形成するように構成される。マトリックスは、軸流路などの流路を画定することができる。マトリックスは、サンプル受入れ又は接触ゾーン、1つ又は複数のテスト・ゾーン、及びオプションで1つ又は複数の制御ゾーンなどの、いくつかの領域を含むことができる。ある諸実施形態では、テスト領域が含まれ、テスト領域は、以下でより詳細に説明するように、位置付け可能ラインの形とすることが可能なテスト及び制御ゾーンを含むことができる。例えばある諸実施形態では、テスト・デバイスは、テスト・ストリップが関連付けられる基板を含む。テスト・ストリップは、例えば、ウィッキング・パッド、テスト・パッド、及び/又は吸収パッドを含む膜などの、ニトロセルロース膜を含むことが可能であり、例えば液体サンプル収集デバイスからサンプルを受け入れるために構成されるように、ウィッキング・パッドはテスト・パッドの近位にあり、吸収パッドはウィッキング・パッド及びテスト・パッドの遠位に配置可能であり、例えばウィッキング・パッド及び吸収パッドはテスト・パッドによって分離され、液体サンプルを吸収するように構成可能であり、それによってサンプルを、ウィッキング・パッドからテスト・パッドを横切って吸収パッドへと流すことができる。所望であれば、ウィッキング・パッド及び/又は吸収パッドは含まれず、例えば膜が提供可能であり、この膜はニトリセルロースなどの単一の材料からなることに留意されたい。
【0040】
[051] したがってある諸実施形態では、基板が提供可能であり、基板はハウジング及び/又はテスト・ストリップのうちの1つ又は複数との関連付けが可能である。アガロース、セルロース、ニトロセルロース、セルロース・アセテート、他のセルロース派生物、デキストラン、デキストラン派生物及びデキストラン共重合体、他の多糖類、ガラス、シリカゲル、ゼラチン、ポリビニール・ピロリドン(PVP)、レーヨン、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ビニールポリマー、ポリビニールアルコール、ポリスチレン及びポリスチレン共重合体、ジビニルベンゼンなどと交差結合されたポリスチレン、アクリル樹脂、アクリレート及びアクリル酸、アクリルアミド、ポリアクリルアミド、ポリアクリルアミド混合物、ビニール及びアクリルアミドの共重合体、メタクリル樹脂、メタクリル樹脂派生物及び共重合体、様々な官能基を備えた他の重合体及び共重合体、ラテックス、ブチル・ゴム及び他の合成ゴム、シリコン、ガラス、紙、海綿、不溶性タンパク、界面活性剤、赤血球、金属、半金属、磁性材料、或いは、例えば、ポリスチレン、マイラー、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリブチレン、アルミニウム、銅、スズ、又は、デキストラン、洗浄剤、塩、PVPで被覆された、及び/又は、表面に電荷を加えて表面に親水性を与えるために静電放電又はプラズマ放電で処理された、金属の混合物などの金属など、テスト・ストリップの親水性を向上させる材料で被覆された固体又は半固体基板からなる他の市販の媒体又は複合材料を含むが、これらに限定されることのない、有機又は無機重合体、天然及び合成重合体を含むがこれらに限定されることのない、問題の分子の関連付けのための支持体として働くことが可能な任意の材料を含む、好適な基板として、様々な材料を使用することができる。
【0041】
[052] ある諸実施形態では、基板は、前述のように膜の形のマトリックスを形成し、マトリックスは自立可能である。ポリ塩化ビニール、ポリ酢酸ビニール、酢酸ビニールと塩化ビニールとの共重合体、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレンなどの、非吸水性流に適した他の膜も使用可能である。さらに他の実施形態では、マトリックスは、未処理紙、セルロース混合物、ニトロセルロース、ポリエステル、アクリロニトリル共重合体などの材料からなる、側方流動膜を形成することができる。一実施形態では、テスト・ストリップ基板は、材料遮断剤及びラベル安定剤を含む溶液で処理される。遮断剤は、ウシ血清アルブミン(BSA)、メチル化BSA、カゼイン、酸又は塩基加水分解カゼイン、脱脂粉乳、アイシングラスなどを含む。安定剤は容易に入手可能であり、当分野で周知であって、例えばラベル付き試薬を安定させるために使用可能である。
【0042】
[053] 前述のように、テスト・デバイスはテスト・ストリップを含むことができる。例えばテスト・デバイスは基板を含み、基板はテスト・ストリップを含むことができる。テスト・ストリップは基板の一部とするか、或いは、基板及び/又はハウジングに関連付けられた膜又は他の材料とすることが可能であり、この場合、基板はテスト・ストリップのバッキングを形成することができる。本明細書でテスト・デバイスとの関連において使用される場合、「テスト・ストリップ」、「テスト膜」、又は「側方流動膜」という用語は、コンテキストに応じて区別なく使用することができる。
【0043】
[054] ある諸実施形態で示されるように、テスト・ストリップは、側方流動膜、軸流動膜などの膜とするか、又は1つ又は複数の材料のマトリックスとして形成することができる。このコンテキストでは、側方流動膜は、テスト流体などのサンプルを移動又は移送するために、毛管作用を採用するか、又は、例えばガス圧、水圧(ピストン又はロータリ、ベロー又は他のタイプの分析流体のポンプ、電場による静電運動を使用した、直接ポンピング)、重力などの集積によって、流体がポンピングされるような場合に、毛管作用とは別の流体の動きを採用するように、構成可能である。
【0044】
[055] したがって、テスト・ストリップ又はその一部は、多孔質材料の側方流動膜を含むが、これに限定されない、様々な材料のうちの1つ又は複数で構成可能である。例えば一実施形態では、好適なテスト・ストリップは、米国ジョージア州フェアバーンのPrex Technologies Corp.によって製造されるような、高密度ポリエチレン・シート材料で構成することができる。このシート材料は、開口気孔構造を有することができる。例えば開口気孔構造は、気孔率40%で、密度0.57gm/cc及び平均気孔径1〜250マイクロメータとすることが可能であり、通常、平均は3〜100マイクロメータである。ある実施形態では、テスト・ストリップはニトロセルロース膜とすることができる。
【0045】
[056] ある諸実施形態では、開示は、側方流動テスト・ストリップを含むテスト・デバイスを提供する。前述のように、テスト・ストリップは1つ又は複数のゾーン又はパッドを含むことができる。例えばある諸実施形態では、テスト・ストリップは、サンプル・パッド、テスト・パッド、及び/又は吸収パッドなどの、複数のパッドを含むことができる。例えばある諸実施形態では、吸収材料を含むサンプル・パッドが含まれ、サンプル・パッドはテスト・パッドのダウンストリームに配置することができる。さらにテスト・ストリップは、ウィッキング材料を含む吸収パッドを含むことが可能であり、吸収パッドはテスト・パッドのアップストリームに配置することができる。さらに側方流動膜はテスト・パッドを含むことが可能であり、さらにテスト・パッドは複数の位置付け可能ラインを含み、各ラインは、結合剤及び/又は問題の検体などの対応する部分と結合可能な、例えば核酸、タンパク質などの、特定の結合ペアの成分(member)などの、捕捉部分を固定化することができる。
【0046】
[057] 例えばいくつかの実施形態では、テスト・ストリップはテスト・パッド又は膜基板を含むことができる。テスト・パッドは、例えばNew Merge又はHDK材料などの、不織の紡糸入りアクリル繊維などの多孔質材料で構成することができる。テスト・パッドは、それ自体が、テスト・ゾーン及び制御ゾーンなどの(サンプル流動が予測通りであることを検証するために有用なゾーンなどの)、1つ又は複数のゾーンを含むことができる。制御ゾーンのそれぞれが、ラベル付き制御試薬に反応する特定の結合ペアの固定化成分を含むことが可能な、空間的に区別される領域を含むことができる。一実施形態では、制御ゾーンは、問題の検体又はその一部を含む基準サンプルを含むことができる。動作時には、ラベル付き試薬を、1つ又は複数の制御ゾーンそれぞれの中に拘束することができる。したがっていくつかの実施形態では、テスト・ストリップ及び/又はテスト・デバイスの基板は、1、2、3、4、5、6、7、8、又はそれ以上の、位置付け可能なテスト及び/又は制御ラインを含む、テスト膜を含む、テスト・ストリップとすることができる。
【0047】
[058] テスト膜基板のアップストリームは、ウィッキング基板とすることができる。テスト膜基板のダウンストリームに、吸収基板などの別の基板を配設することができる。吸収基板の製造に好適な材料には、親水性ポリエチレン材料又はパッド、アクリル繊維、ガラス繊維、ろ過紙又はパッド、乾燥紙、製紙用パルプ、織物などが含まれるが、これらに限定されるものではない。例えば側方流動膜の吸収ゾーンは、不織の紡糸入りアクリル繊維、すなわちNew Merge(DuPontから入手可能)又はHDK材料(HDK Industries, Incから入手可能)、材料の親水性を向上させるよう処理された不織ポリエチレンなどの材料で構成可能である。テスト膜基板は、重ね合わせるか、或いは、ウィッキング基板及び吸収基板のうちの1つ又は両方に、それぞれ隣接することができる。
【0048】
[059] 加えて、前述のように、テスト・デバイスは1つ又は複数のしるし(本明細書では複数で「indicias」としても示される)を含むことができる。例えばテスト・デバイスは、テスト・ストリップ及び/又は基板を含むことが可能であり、テスト・ストリップ及び/又は基板はしるしを含むことが可能である。しるしはマーキング又はラベル、或いは、スキャナ又はその構成要素による読み取りが可能な他の形の参照又は指示とすることができる。例えばしるしは、テスト・デバイス・リーダ又はスキャナによる読み取りが可能な信号の放出が可能な、磁気、電子、又は蛍光のマーキング又はラベルなどとすることができる。放出信号は、受け取った電磁照射などの、受け取った照射に応答して放出することができる。
【0049】
[060] したがって、本明細書で開示されたデバイス及び方法によれば、テスト・デバイスが提供可能であり、このテスト・デバイスはサンプルの受け入れに使用するため、及びサンプル内に存在する検体(例えば問題の標的検体)の検出を支援するために、構成される。ある諸実施形態では、テスト・デバイスはテスト・ストリップを含み、テスト・ストリップは、基板又は他のバッキングに関連付けられることが可能であるか又は不可能であり、さらにデバイスのケーシング又は本体内に格納されることが可能であるか又は不可能である、側方流動膜を含むことができる。基板及び/又はテスト・ストリップ及び/又はハウジングは、サンプルによって接触され、サンプル内の検体を検出するためにスキャニング・デバイス/リーダによってスキャン及び/又は読み取りが行われるように構成可能である。
【0050】
[061] したがって一態様では、本開示はスキャニング・デバイス/リーダに関する。スキャニング・デバイスは、前述のテスト・デバイスなどのテスト・デバイスのスキャン及び/又は読み取り、及び/又はその上の信号の有無の検出が可能である限り、任意の好適なスキャニング及び/又は読み取りデバイスとすることが可能であり、信号は、テストされるサンプル及び/又はテスト・デバイス上に配置されたしるしにおける1つ又は複数の検体の存在を示すものとすることができる。本明細書で使用される場合、スキャニング・デバイスとは、一般に、テスト・デバイスに含まれるテスト・ストリップ又はしるし上にあるか、又はそれらからなどの、データ又は放出を検出及び/又は定量化するための機器を言い表す。データ又は放出は肉眼で見える場合もあるが、必ずしも可視とは限らない。例えばある諸実施形態では、スキャニング・デバイスは、電磁スペクトル内或いは可視光又は不可視光の波長で、放出/反射を検出するように構成された、反射率及び/又は蛍光性ベースのスキャニング・デバイス及び/又はテキスト・リーダとすることができる。したがって様々な実施形態では、スキャニング・デバイスは、例えばテスト・デバイス(例えば米国のLRE Medical)の基板から検出されることになる信号に応じて、反射、透過、蛍光、化学的生物発光、磁気、電磁、及び/又は電流測定のスキャナ(又はこれら要素のうちの2つ又はそれ以上の組み合わせ)とすることができる。一実施形態では、スキャニング・デバイスは、蛍光信号を検出する紫外線(UV)LEDスキャナである。
【0051】
[062] スキャニング・デバイスは、それぞれハウジング又はシャーシ内に封入可能な、電磁放射線などのエネルギー源、光学アセンブリ、検出器、及びマイクロプロセッサのうちの、1つ又は複数を含むことが可能である。様々な実施形態では、任意の好適なエネルギー源が提供可能である。例えばある諸実施形態では、エネルギー源は電磁放射線源とすることができる。電磁放射線源が検出可能部分による受け取りが可能なタイプの電磁放射線を放出可能であり、その後検出可能部分が、受け取った電磁放射線に応答して、例えば蛍光などの検出可能信号の生成に関与可能である限り、任意の好適な電磁放射線源をスキャニング・デバイス内で使用することが可能である。例えば好適なエネルギー源は、レーザ・ダイオード、発光ダイオード(LED)、LEDアレイ、又はフラッシュランプなどの、1つ又は複数の電磁放射線源を含むことができる。エネルギー源は、赤外線、近赤外線、紫外線、及び/又は可視波長の光を発することができる。加えてスキャニング・デバイスは、光学アセンブリを含むこともできる。
【0052】
[063] スキャニング・デバイスは、検出器を含むこともできる。検出器が、電磁放射線の信号などの受け取った信号に応答して、検出可能部分によって生成された励起信号の受信及び検出が可能である限り、任意の好適な検出器を使用することができる。例えば好適な検出器とは、スキャニング・デバイスの発光ダイオードによって励磁された蛍光信号などの、蛍光信号が検出できるものとすることが可能であり、発光ダイオードは、光学スペクトルのUV領域内、及び蛍光信号の吸光度ピーク内(例えばランタニド・ラベル)で光を放出する。例えば好適な検出器は、光電子倍増管、フォトダイオード、PINフォトダイオード、シリコン・フォトダイオード、差動フォトダイオード、ダブル・ダイオード、4重ダイオード(fourfold diode)、ダブル・ウェッジ・ダイオード、円環ダイオード、フォトダイオード・ライン、マトリックス・フォトダイオード、PINアレイ、線形ダイオード・アレイ(20〜30ダイオード)、フォトダイオード・アレイ(PDA)とすることができる。ある諸実施形態では、検出器は、電荷結合素子(CCD)、COMS素子、又はLEDフォトダイオードとすることができる。一実施形態では、ダイオードはUVレーザ・ダイオードである。従来のUV、LED、又はフォトダイオードが使用可能である。
【0053】
[064] いくつかの実施では、CCD又はCMOS素子などのイメージング・チップを使用して、1つ又は複数の次元で蛍光などの電磁放射線を検出することができる。これらの実施では、検出器は、テスト・サンプルを経時的にスキャンすることによって収集された、一連の2次元イメージ・フレーム又は1次元ラインを含む、信号を提供するように構成可能である。例えばテスト・サンプルは、読み取られたサンプルの速度、サンプル提示における速度変化を決定するため、サンプル提示における角度オフセットの検出及び修正、及び/又は、サンプルをしるしに関してなどの基準位置又は場所へ位置決め又は参照するための他の処理の提供を実行するために、センサ及びコンピュータ・モジュール(より詳細に説明される)に送られた一連のフレーム又はライン全体に渡すことができる。検出器は、波長の領域全体にわたって電磁放射線を検出するように構成可能である、及び/又は、検出を個別の波長又は波長領域に限定するためのフィルタ又は他の構成を含むことができる。
【0054】
[065] 加えてスキャニング・デバイスは、1つ又は複数のフィルタを含むことができる。例えばスキャニング・デバイスが、放出された蛍光信号をスキャン及び検出するために構成されている場合、放出された蛍光信号がフォトダイオードによって検出された後、検出された信号の波長は、漂遊放出光を遮断し、蛍光放出ラベルのピーク放出波長とその周辺の波長の光を受け入れる、ロング・パス・フィルタを使用して制限される。他の諸実施形態では、ロング・パス・フィルタをバンド・パス・フィルタに置き換えることができる。さらに、バンド・パス・フィルタによって励起光を制限することもできる。
【0055】
[066] 加えてスキャニング・デバイスは、例えば1つ又は複数の内蔵マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSPデバイス、ASIC、FPGA、又は他のプログラム可能デバイス(本明細書では集合的に「マイクロプロセッサ」と呼ぶ)と、マイクロプロセッサとは物理的に分離すること、及び/又はマイクロプロセッサに組み込むことが可能な、関連メモリとを含むことが可能な、コンピュータ・モジュールを含むことができる。コンピュータ・モジュールは、一般に、テスト・サンプルをスキャンし、サンプル・スキャンに関連付けられた位置情報及び/又は動き情報を決定するよう、コンピュータに命令するための実行用命令をマイクロプロセッサ上に格納するように構成された、1つ又は複数のメモリ・スペースを含む。加えて、命令は、以下でより詳細に説明するような、検体を検出するためにテスト・サンプルを処理するための命令を含むことができる。以下でさらに詳細に説明するように、マイクロプロセッサは、データ処理ソフトウェア・モジュールを含むプロセッサ実行可能命令を含むか、又はこれによる制御を受けることが可能であり、ソフトウェア・モジュールは、オプションで、生物学的サンプル内の検体の存在及び/又は濃度を正確に決定するための訓練を受けたニューラル・ネットワークと組み合わせた、データ整理及び曲線適合アルゴリズムを採用可能である。加えてソフトウェア・モジュールは、スキャナ/リーダに関してサンプルの位置及び/又は動き情報を検出するための命令を含むことができる。この検出は、サンプルの放出又は反射並びに1つ又は複数のしるしからの放出又は反射に基づくものとすることができる。位置及び/又は動き情報を使用して、検体検出結果を調節又は修正することができる。
【0056】
[067] 例示的なソフトウェア・モジュールは、所与のサンプル内の検体の存在又は量を決定するために、オプションで、周辺光及び/又は他の背景雑音に関して補償するために構成されたソフトウェアと組み合わせた、曲線適合アルゴリズムを含むことができる。その後、スキャニング・デバイスから取得されたデータを、病状のリスク査定又は診断を出力として提供するように、診断システム・プログラム又はデータの出力を読み取ることができる人物によってさらに処理することができる。代替実施形態では、出力を、こうしたデータを評価するための訓練を受けたニューラル・ネットワークなどの後続の意思決定支援システムへの入力として使用することができる。加えて、スキャニング・デバイスは、1つ又は複数の物理メモリ・デバイスを含むこと、並びに/或いは、例えば外部コンピュータからリモート・コマンドを受け取るための受信器、及び/又は、例えば外部コンピュータへデータを送信するための送信器のうちの、1つ又は複数を含むことが可能であり、データは、RF周波、IR放射線、Bluetooth(登録商標)などの搬送波によって無線で転送できるか、或いは、ワイヤ又はケーブルなどの好適なコネクタを使用して転送することが可能である。ある諸実施形態では、スキャニング・デバイスは、外部コンピュータに直接関連付ける、及び/又はこれと通信するための、USBポート又は他の通信ポートを含むこともできる。これは、IEEE 802.11(Wi−Fi)構成要素又はモジュール、Bluetooth(登録商標)構成要素又はモジュール、他の無線ネットワーキング構成要素又はモジュールなどの、外部無線接続要素を組み込むか又はこれらを使用することによって、実施可能である。
【0057】
[068] 前述のように、スキャニング・デバイスは好適なハウジング又はシャーシを含むことができる。シャーシは、ポリ塩化ビニール又は当業者に知られた何らかの他のこうした重合体材料などの、一般に剛性の、好ましくは重合体材料で形成することができる。例示的実施形態では、シャーシは、ユーザが手で持てるか又はユーザがポケットに入れられるようなサイズで構成することができる。シャーシは、例えば使用中にテスト・デバイスに向かってエネルギーが誘導される際に通過する、スリット又はアパチャを有するインターフェース領域を含むことができる。シャーシは、実際のキーボード、又は例えばタッチ・スクリーン・ディスプレイ上に存在するような仮想キーボードを含むことができる。キーボードは、電源オン/オフ・キー、スキャン・キー、取消キー、エンター・キー、英数キー、或いは、キーパッド又はタッチ・スクリーン上の他のキーなどを含む、複数のアクチュエータ又はキーを含むことができる。キーによってユーザは、他のハンドヘルド機器と同様に、機器と通信することができる。ハウジングは、LED又はLCDディスプレイなどのディスプレイ、及び/又はプリンタを含むことができる。シャーシは、出力ポート又は他のデータ・ポートなどを封入する、取り外し可能カバーを含むことができる。データ・ポートは、USDドライブ、SD、メモリ・スティック、コンパクト・フラッシュ又は他のメモリ・カード、或いは他の同様のデバイスなどの、取り外し可能メモリ・デバイスを受け入れるように構成することができる。シャーシは、インターフェース領域を取り囲むような、位置合わせシステム及び/又は遮光体も含むことができる。
【0058】
[069] 前述のように、スキャナ及び/又はリーダは、開示の検出可能反応生成物及び/又はしるしを含む、テスト・ストリップ及び/又は基板と対話するために構成することが可能であり、テスト・ストリップ及び/又は基板は、本明細書で説明されるように、テスト・デバイスの一部を形成することができる。例えば、一実施形態では、スキャナは、基板及び/又は基板を含むテスト・デバイスを受け入れるように設計された、受入れポートを含むことができる。ある諸実施形態では、受入れポートは、サンプル入口アパチャのアップストリームにある押し下げ可能(例えば押しボタン)手段が押し下げられた場合のみ、テスト・デバイスを受入れポートに挿入できるようにすることが可能であり、それによって、テスト・デバイスの全体又は一部を受入れポートにはめ込むことができる。ある諸実施形態では、スキャナは、テスト・デバイス用の受入れポートに適合される。ある諸実施形態では、スキャナは、テスト・デバイスを物理的に係合することなく、テスト・ストリップのスキャン及び/又は読み取りを行うように構成される。したがってこうした実施では、スキャナは受入れポートを含まない。
【0059】
[070] ここで図1に注目すると、スキャニング・デバイス15及びテスト・デバイス20を含む、本発明に従った診断分析システム10の一実施形態の細部が示されており、それぞれについて以下でより詳細に説明する。テスト・デバイス20及びスキャニング・デバイス15は、それぞれが手で持つこと、バッテリ充電が可能であり、したがって容易に携帯できるように構成可能である。スキャニング・デバイス15は、電磁放射線源25などのエネルギー放出源、光学アセンブリ30、検出器35、及びマイクロプロセッサ40(回路基板又は他の取付け構造体43上にあり、典型的には1つ又は複数のメモリ・デバイス及び他の電子構成要素(図示せず)を伴う)、及び/又はシャーシ45のうちの、1つ又は複数を含むことが可能であり、以下でより詳細に説明する。スキャニング・デバイス15のシャーシ45は、ユーザが手で持てるような寸法、及び、シャーシ45の遠位端付近に配置可能なインターフェース領域50を含むことができるような寸法で、構成可能である。インターフェース領域50は、スリット又はアパチャ55(図4では255として図示)を含むことが可能であり、エネルギー源25からのエネルギーを、例えば使用中にテスト・デバイス20に向けて誘導する際に通過させることができる。
【0060】
[071] テスト・デバイス20は基板5を含むことが可能であり、基板5は、ハウジング7と、サンプル収集デバイスの一部を受け入れるために構成された開口部9を含むことが可能であり、診断レーン60をさらに含むことが可能である。診断レーン60は、以下でより詳細に説明されるテスト・ストリップ65を有することが可能であり、隣接する参照マーク又はしるし70を含むことが可能である。診断レーン60内のテスト・ストリップ65は、例えばサンプル又はその一部と接触した場合に患者から取得された、流体サンプル内の検体との対話が可能な結合捕捉部分を含むことができる。
【0061】
[072] 例えば例示的実施形態では、テスト・ストリップ65は、所定の場所でテスト・ストリップ65の表面に固定される捕捉部分を含む。捕捉部分は、所定の場所で検体を結合及び固定化するように、サンプル内の検体又はその一部と明確に対話するように構成可能である。あるインスタンスでは、サンプルは、内部に存在するいかなる検体もラベル付けされるように事前処理されている。ラベル機能の存在により、所定の場所で固定化されている検体が検出できるようになる。
【0062】
[073] 前述のように、基板5は1つ又は複数の参照マーク又はしるし70を含むことができる。しるしは診断レーン60に隣接可能であり、同様にスキャニング・デバイス15によって読み取り可能であり、スキャニング・デバイス15が情報を読み取ってその読み取り情報を解釈できるように、参照ポイントとしての役割を果たすことができる。しるし70は、診断レーン60内のテスト・ライン267(図2に関してさらに例示及び説明される)と共に、スキャニング・デバイス15によって同時に読み取られることができる。しるし70は、参照ポイントとしての役割を果たすことが可能であり、デバイスの向きを解釈し、それによって読み取り値の正確さを保証するために標準化を提供することができる。ある諸実施形態では、しるしは、読み取られるサンプル内に存在する検体などのように、ラベル付けされている検体ではない。図1に示されるように、しるしは円又はドットの形であるが、様々な実施形態では異なる形状及び/又は隆起構造などの表面特徴が与えられる可能性がある。
【0063】
[074] スキャニング・デバイスは、読み取りの目的で、別のチャネルを含むか、又は、読み取り値を解釈するために別の波長又は検出器又は処理アルゴリズムを使用することができる。以下で説明するように、スキャニング・デバイスは、別のチャネルを含むか、又は、テスト・ストリップ及び/又はしるし70からのデータを解釈及び/又は別の方法で使用するために、別の波長又は検出器又はアルゴリズムを使用することができる。例示的実施形態では、テスト・デバイスとスキャナとの間の相対的な動き及び角度を標準化し、テスト・デバイス上のしるし70、及びいくつかのインスタンスでは、読み取られることになるテスト・サンプル内の検体からのラベルの検出に従って修正することができる。しるし70は、診断レーン60内のテスト・ラインが読み取られる時点、例えば、スキャニング・デバイスが診断レーン60内の各テスト・ラインと一致した時点を、スキャニング・デバイスに通知することもできる。
【0064】
[075] 典型的な諸実施形態では、テスト・デバイス20は、スキャニング・デバイスがテスト・ストリップ65を「読み取り」、ラベル付け及び内部に固定化された検体を検出し、それによって問題の検体に関する情報を提供できるように、スキャニング・デバイス15と対話することができる。テスト・デバイス20及びスキャニング・デバイス15は、2つのデバイスが、例えば少なくとも1平面内で、互いに関連して自由に移動できるように構成可能である。テスト・デバイス20及びスキャニング・デバイス15は、複数の平面内で自由に移動できるように構成することもできる。いくつかの実施形態では、テスト・デバイス20は、テスト・デバイス20の結果を正確に読み取るためにスキャニング・デバイス15のシャーシ45内に必ずしも挿入されない。あるインスタンスでは、スキャニング・デバイス15のシャーシ45は、内部にテスト・デバイス20が受け入れられるように構成することができる。加えてシャーシ45は、読み取り時にテスト・デバイス20がスキャニング・デバイス15と機械的に位置合わせ及び/又はロックできるように、構成可能である。しかしながら本システム固有の構成により、必ずしも当てはまるとは限らない。
【0065】
[076] テスト・デバイスとテスト・サンプルとスキャナとの間の相対的な動き及び角度に関する標準化、及び、例えば本明細書で説明されるような修正ソフトウェア・モジュールを介した修正に関連して、読み取りが実行可能な様々な方法がある。一実施形態では、テスト・デバイスは、例えば卓上に置かれるなど定常とすることが可能であり、スキャニング・デバイスは、例えばユーザが手に持つなど可動とすることが可能であるため、結果としてスキャニング・デバイスが、読み取り値を取得するためにテスト・デバイスの診断レーン及び/又はしるし全体にわたって通されることになる。他の実施形態では、スキャニング・デバイスは定常とし、テスト・デバイスを、例えばユーザが手に持つなど可動とすることが可能であり、結果としてテスト・デバイスは、読み取り値を取得するためにスキャニング・デバイスのインターフェース領域の前を通されることになる。他の実施形態では、テスト・デバイス及びスキャニング・デバイスの両方を可動とすることが可能であり、例えばユーザは読み取り時にそれぞれを手に持つことができる。テスト・デバイスとスキャニング・デバイスとの間の相対的な動き及び角度は、テスト・デバイス及び/又はテスト・ストリップ上のしるし及び/又はラベルの検出、並びにソフトウェア・アルゴリズム又は1つ又は複数のソフトウェア・モジュール内で実施されるアルゴリズムによって実行される計算に従って、標準化及び修正可能である。
【0066】
[077] 例示的テスト・デバイス
前述のように、開示された診断分析システムはテスト・デバイス及びスキャニング・デバイスを含むことが可能であり、デバイスはサンプル内の1つ又は複数の問題の検体を検出するように互いに関連して使用可能であって、サンプルはテスト・デバイスによって処理され、検体はスキャニング・デバイスによって検出されることが可能である。いくつかの実施では、テスト・デバイス及びスキャニング・デバイスは別々の実施形態として提供可能であり、それぞれ、本明細書で説明されるように、それらの対応する機能の少なくとも一部を提供するように構成される。
【0067】
[078] 図2Aに進むと、テスト・デバイス220の一実施形態は、1つ又は複数のテスト・ライン、ドット又は他の形状267を有する、テスト・ストリップ265を含むことができる。テスト・ライン267は、本明細書で説明されるスキャニング・デバイスによって問題の検体が捕捉され「読み取られる」ように、内部に捕捉部分が結合された領域とすることが可能である。
【0068】
[079] テスト・デバイスとの関連において本明細書で使用される場合、「テスト・ストリップ」又は「テスト膜」又は「側方流動膜」という用語は、区別なく使用することができる。テスト・ストリップ265は、側方流動膜、軸流動膜、又はマトリックスとすることができる。ある実施形態では、テスト・ストリップ265はニトロセルロース膜とすることができる。テスト・デバイス220は、ハウジング又は他の本体を備えた基板505、又はテスト・ストリップ265が関連付けられる材料を含むことができる。テスト・ストリップ265は捕捉部分を含むことが可能であり、捕捉部分は、当分野で知られた方法を使用して所定の位置でテスト・ストリップにリンクすることができる。
【0069】
[080] 例えば一実施形態では、テスト・デバイス220は、基板505のハウジング又は本体内に配設されたテスト・ストリップ265を含むことができる(例えば図2Aを参照のこと)。本体505は、テスト・ストリップ265が露出される際に通過する、診断レーン260付近の窓510又は複数の窓を含むことができる。本体505は、サンプル収集デバイスを取り付けるポート又は開口部515、及び分析のためにテスト・デバイス220に送達されるサンプルを含むこともできる。テスト・デバイス220は、必ずしも本体505を含むとは限らないことを理解されたい。テスト・デバイスの本体505は、ガラス、セラミック、金属、プラスチック、重合体、共重合体、又はそれらの組み合わせなどの、剛性又は半剛性の透水性材料で構成することができる。本体505は、スキャニング・デバイスでテスト・ストリップ265を直接読み取るためのアダプタとして機能することも可能である。
【0070】
[081] 前述のように、テスト・デバイス220の本体505は、以下で説明するスキャニング・デバイスなどのスキャニング・デバイスとインターフェース可能な機能を含むことができる。例えば、図2Bに関してわかるように、スキャニング・デバイス215が位置合わせシステム257を含む場合、テスト・デバイスの本体505は、スキャニング・デバイスの位置合わせシステム257とインターフェースする補助位置合わせ機構272を有することができる。図2A〜2Dで最もよく示されるように、スキャニング・デバイスの位置合わせシステム257は、例えば、デバイス215のインターフェース領域250(図4を参照のこと)付近のアパチャ255のいずれかの端部に配置された、1対の並行レールとすることができる。こうした位置合わせシステム257は、例えば、テスト・デバイス220の表面に存在する対応する位置合わせ機構272と、スライド可能なようにインターフェースすることができる。テスト・デバイス220の位置合わせ機構272は、例えば1対の縦方向チャネルとすることができる。別の方法として、テスト・デバイス220の位置合わせ機構272は、スキャニング・デバイス215の位置合わせ機構272がスワイプ中にその上を誘導される隆起トラックを含むことができる(図2Dを参照のこと)。位置合わせシステム257及び対応する位置合わせ機構272の構成は変更可能である。本明細書で説明されるスキャニング・デバイス及びテスト・デバイスは、必ずしも機械的に結合しているとは限らないことも理解されたい。たとえ位置合わせシステム257がスキャニング・デバイス内に組み込まれている場合であっても、テスト・デバイス及びスキャニング・デバイスは独立しており、互いに関連して自由に移動することができる。
【0071】
[082] 前述のように、本体505又はテスト・ストリップ265は、診断レーン260に隣接して配置された参照マーク又はしるし270を含むことができる。前述のように、こうしたしるしは、読み取られるサンプル内のラベル付けされた検体から独立して検出することができる。しかしながらしるし270は、テスト・ライン267と同時など、スキャニング・デバイスによって同様に読み取ることが可能であり、参照ポイントとしての役割を果たし、読み取り値の正確さを保証するように読み取り方向の向きを解釈するための標準化を提供することができる。しるしを使用して、スキャナに対する提示の角度及び/又はサンプルの速度の変化を修正することもできる。
【0072】
[083] 前述のように、スキャニング・デバイスは、しるし270からのデータ又は放出を解釈及び/又は他の方法で使用するために、別のチャネルを含むか、又は別の波長又は検出器又はアルゴリズムを使用することができる。したがって、テスト・デバイスとスキャナとの間の相対的な動き及び角度を標準化し、テスト・デバイス上のしるし270の検出に従って修正することができる。しるし270は、テスト・ライン267が読み取られる時点、例えばスキャニング・デバイスが各テスト・ライン267と一致した時点を、スキャニング・デバイスに通知することもできる。
【0073】
[084] しるし270は、テスト・デバイス220上に直接印刷する、テスト・ストリップ265と一体化する、又は取り外し可能な貼り付け式ラベルなどによってデバイスに貼り付けることができる。しるし270はパターンを形成することができる。例えばパターンは、1次元、2次元、又は3次元とすることができる。パターンを使用して、スキャナ内のしるし読み取り値を知られた参照パターンと相関させ、相関に応答して読み取りデータを調整することができる。これは、マイクロプロセッサ40などのマイクロプロセッサに関してスキャナのソフトウェア・モジュール内で実行可能である。
【0074】
[085] 一実施形態では、しるし270は、ユーロピウム・ラベル又は他の検出可能ラベルなどの、ラベル付けされた参照ポイントとすることができる。しるし270は、グレー・スケール又はカラーとすることができる。一実施形態では、しるし270は2色のパターンを形成する。しるし270は、本体505内の盛り上がった突起、刻み目、又は金属電極とすることも可能であり、スキャニング・デバイス215を用いて機械的又は電気的に検出される。例えばスキャニング・デバイス215は、しるし270として働く電極と接触する1つ又は複数の側面に電極を有することができる。別の方法として、スキャニング・デバイス215は、底面から下方に延在するヒンジ付き又は屈曲可能なフラップを有することが可能であり、これはしるしとして働く突起の上を通過すると曲がるか、又はしるし270として働く刻み目の上を通過すると下方に移動する。こうしたフラップをリード線に接続することが可能であり、リード線はフラップがある方向に曲がるか又は移動すると電気信号を担持することができる。
【0075】
[086] 図3の概略図に示されているように、診断レーン260内のテスト・ストリップ265は1つ又は複数のテスト・ライン267を含むことができる。テスト・ライン267は、流体サンプルから問題の検体610を捕捉するために捕捉部分605が固定化される領域とすることができる。捕捉部分605は、流体サンプルからの1つ又は複数の問題の検体610へ直接又は間接的のいずれかで結合する。当分野で知られているか又は開発されたサンドイッチ免疫測定法などを介した間接結合を組み込むことができる。問題の検体610の間接結合には、捕捉部分605上に固定化された捕捉抗体又は捕捉プローブ615などの結合剤の使用が含まれる。検出プローブ620は流体サンプル内の問題の検体を捕捉する結合剤を言い表し、検出可能ラベル625、部分、又は信号生成部分にリンクされる。捕捉プローブ615及び検出プローブ620は、それぞれ目標検体610に明確に結合することができる。
【0076】
[087] テスト・ストリップ265は、制御ライン又はスポット(図示せず)を含むこともできる。制御ラインは、十分な量の捕捉部分605が、特定の検体610と複合体を形成された(complexed)対応する捕捉プローブ615と反応できることを確実にすることが可能である。制御試薬は、免疫複合体が診断レーン260へと移動し、テスト結果が陽性の場合、ラベルが付けられた検体610の集積が可視又は他の方法で読み取り可能な信号を生成することになる量がテスト・ライン267を横切ることを確実にすることが可能である。
【0077】
[088] 捕捉部分605は、アビジン及び/又はストレプトアビジンなどの当分野で知られた結合ペア、並びに、ピラノシルRNA(pRNA)、オリゴヌクレオチド、アプタマー、修飾核酸、核酸ピラノシル−RNA配列、ナノ粒子、ポリペプチド、タンパク質、抗体、又はそれらの組み合わせのうちの、1つ又は複数を含むことができる(結合ペア、捕捉部分、及びラベルの例に関する、全体として参照により本明細書に組み込まれたPCT公開第WO07098184号及び第WO09014787号を参照のこと)。当分野で知られるように、追加の捕捉部分又は捕捉部分の組み合わせを使用することができる。したがって、捕捉プローブ615及び検出プローブ620は、抗体、アプタマー、オリゴヌクレオチドなどを含むことができる。当分野で知られるように、追加のプローブ又はプローブの組み合わせを使用することができる。
【0078】
[089] ラベル625は、可視又は計測手段によって検出可能な信号を生成できる任意の物質とすることができる。例示的ラベル625は、酵素、基質、クロマゲン、触媒、蛍光性又は蛍光性様化合物及び/又は粒子、磁性化合物及び/又は粒子、化学発光化合物及び/又は粒子、並びに放射性ラベルを含むことができる。他の好適なラベルには、金などのコロイド金属粒子、セレン又はテルルなどのコロイド非金属粒子、染色プラスチック又は染色微生物などの染色又は着色粒子、有機重合体ラテックス粒子及びリポソーム、着色ビーズ、重合体マイクロカプセル、液嚢、赤血球、赤血球ゴースト、又は他の小胞、直接可視物質、金属、フルオロフォア、発色団、ユーロピウム、又はそれらの任意の組み合わせなどの、微粒子ラベルが含まれる。当分野で知られるか又は開発されるような、追加のラベル又はラベルの組み合わせが使用可能である。
【0079】
[090] 本明細書で開示されたシステムによって分析されることになる問題の目標検体は変更可能である。本明細書で使用される「検体」又は「複数の検体」という用語は、検出又は測定される化合物又は合成物を言い表し、少なくとも1つのエピトープ又は結合部位を有する。検体は、自然発生的又は合成の検体特有の結合成分が存在するか、又は、例えば炭水化物とレクチン、ホルモンと受容体、相補的核酸などの、検体特有の結合成分が準備可能な、任意の物質とすることができる。さらに可能な検体は、実質的には、免疫学的に検出可能ないずれの化合物、合成物、凝集、又は他の物質も含まれる。すなわち、検体又はその一部は、少なくとも1つの決定基部位を有する抗原性又はハプテン性とすることが可能であるか、又は自然発生的な結合ペアの成分となる。他の諸実施形態では、検出される1つ又は複数の検体は、サンプル(例えば尿、口腔液、血液、血漿、又は血清サンプル)中の抗体(例えばIgG、IgM)であり、抗体は、ウィルス又はウィルス成分、バクテリア又はバクテリア成分、がん細胞又は腫瘍抗原に対して特有である。例えば1つ又は複数の抗体を検出することによって、分析は、患者が以前に感染性病原体に感染したか、又は抗体が関連付けられる基礎となる条件を受けたことを示す。他の諸実施形態では、アレルギー検出テストは、特定のアレルゲンに対する対象者の口腔液、全血、尿、血漿、又は血清中の特定のIgG、IgM、及び/又はIgE Abの存在の検出を含む。
【0080】
[091] 問題の検体は、毒素、有機化合物、タンパク質、ペプチド、微生物、バクテリア、ウィルス、酵母、真菌、寄生虫、がん細胞、アミノ酸、核酸、修飾核酸、ポリペプチド、タンパク質、抗体、病原体由来、炭水化物、ホルモン、ステロイド、ビタミン、薬品(治療目的で投与されたもの並びに不法な目的で投与されたものを含む)、汚染物質、農薬、及び上記物質のいずれかの代謝産物又はこれに対する抗体、抗原物質、ハプテン、高分子、及びそれらの組み合わせを含むことができる。問題の他の検体は、インフルエンザA、インフルエンザB、季節性インフルエンザ亜型(H1N1及びH3N2)、流行性インフルエンザ亜型H5N1、BNP、NT−proBNP、proBNP、CNP、ANP、RSV、アデノウィルス、上気道感染パネル、肺炎連鎖球菌、マイコプラズマ肺炎、HIV、HCV抗原、結核、SARS関連コロナウィルス、B型肝炎表面Ag又はAb、B型肝炎コアAb、A型肝炎ウィルスAb、及びC型肝炎ウィルスの選択を含む肝炎パネル、抗カルジオリピンAb(IgG、IgA、及びIgMアイソタイプ)の選択を含むリン脂質パネル、リウマチ因子、15抗核抗体、及び尿酸の選択を含む関節炎パネル、エプスタイン・バー核Ag、エプスタイン・パー・ウィルス・カプシドAg、及びエプスタイン・バー・ウィルス、早期抗原を含むエプスタイン・バー・パネル、HIVパネル、ループス・パネル、H.パイロン・パネル、トキソプラズマ・パネル、ヘルペス・パネル、ボレリア・パネル、風疹パネル、サイトメガロウィルス・パネル、亜急性心筋梗塞又は鬱血性心不全向けテスト・パネルを含む他のパネル、アイソタイプ・トロポニン、ミオグロビン、ナトリウム利尿ペプチド(例えばANP、pro−ANP、BNP、pro−BNP、CNP、NT−proBNPなど)、D二量体、及び/又はCKMBを含む検体など、1つ又は複数のウィルス又はウィルス成分、1つ又は複数のバクテリア又はバクテリア成分、1つ又は複数のがん細胞又はがん細胞成分、脳疾患、損傷、又は疾病、心疾患、損傷、又は疾病、がん又は腫瘍性疾患、又は疾病、肝疾患、損傷、又は疾病、腎疾患、損傷、又は疾病、又はそれらの組み合わせなどの、疾患に関連付けられた、1つ又は複数の検体を含むことができる。
【0081】
[092] 様々な実施形態では、検出される検体は感染性病原体に関連付けられる。感染性病原体とは、いかなる制限もなしに、バクテリア、酵母、菌類、ウィルス、真核性寄生虫などを含む、任意の病原体とすることができる。いくつかの実施形態では、感染性病原体は、インフルエンザ・ウィルス、パラインフルエンザ・ウィルス、アデノウィルス、rhoウィルス(rhovirus)、コロナウィルス、A型、B型、C型、D型、E型などの肝炎ウィルス、HIV、エンテロ・ウィルス、パピローマ・ウィルス、コクサッキー・ウィルス、単純ヘルペス・ウィルス、又はエプスタイン・バー・ウィルスである。他の諸実施形態では、感染性病原体は、マイコバクテリウム、連鎖球菌、サルモネラ、赤痢菌、ブドウ球菌、ナイセリア、クロストリジウム、又は大腸菌である。当業者であれば、様々な感染性病原体は、感染性病原体のタイプ又はサブタイプ特有の結合剤の異なるパネル(抗体)を使用して検出可能であることが明らかとなろう。
【0082】
[093] 例示的スキャニング・デバイス
図4及び図5は、スキャニング・デバイス215の例示的実施形態を示す。前述のように、スキャニング・デバイス215は、エネルギー放出源225、光学アセンブリ230、検出器235、並びにマイクロプロセッサ240及び関連付けられたメモリを含むことが可能であり、それぞれシャーシ245内に配設される。スキャニング・デバイス215は、容易に持ち運べるよう構成可能であり、バッテリ充電可能であり、ユーザが手に持つことが可能であり、ユーザのポケットに十分入るように小型であることが可能である。シャーシ245の遠位部分付近には、以下でより詳細に説明するように、スキャニング・デバイス215が診断レーンを含むテスト・デバイスを読み取る際に通過するアパチャ255を有するインターフェース領域250がある。テスト・デバイスの読み取りを実行するために、シャーシ245は、インターフェース領域250が診断レーン方向を指示した状態で、テスト・デバイスの診断レーンの上を掃引される。スキャニング・デバイス215のシャーシ245は、テスト・デバイスに関してユーザが自由に動かすように構成可能であり、その逆もまた可能である。ある諸実施形態では、テスト・デバイスはスキャニング・デバイス215のシャーシ245内に挿入又は装填されない。
【0083】
[094] スキャニング・デバイス215は、テスト・ストリップ265のテスト・ライン267で固定化されたラベル付きサンプルを励起するために発光する、電磁放射線源などの1つ又は複数のエネルギー放出源225を含むことができる。エネルギー源225は、例えばレーザ・ダイオード、発光ダイオード(LED)、LEDアレイ、フラッシュランプ、及び/又は、当分野で知られているか又は開発された他の源などの、1つ又は複数の電磁放射線源を含むことができる。エネルギー源225は、例えば赤外線、近赤外線、紫外線、及び可視波長で発光可能である。源225によって発せられる光は、特定の周波数又は周波数域、或いは、周波数又は周波数域のセットに調節することができる。ある実施形態では、デバイス215は複数のエネルギー源225を含む。他の実施形態では、デバイス215はエネルギー源225のアレイを含む。
【0084】
[095] スキャニング・デバイス215は、1つ又は複数の検出器235を含むこともできる。検出器235は、デバイス215の診断レーン60の方向から反射又は放出された光、蛍光、又は他の電磁エネルギーを、検出、捕捉、及び/又は感知し、対応する出力信号を提供するように構成可能である。例えば検出器235は、エネルギー源225からの励起エネルギーに応答して、ラベル付けされた検体から放出された光を検出することができる。検出器235は、例えばユーロピウム又は他のラベルを検出するように最適化可能である。一実施形態では、デバイス215は複数の検出器を含む。他の実施形態では、デバイス215は検出器のアレイを含む。
【0085】
[096] 検出器235は、光電子倍増管、フォトダイオード、PINフォトダイオード、シリコン・フォトダイオード、差動フォトダイオード、ダブル・ダイオード、4重ダイオード、ダブル・ウェッジ・ダイオード、円環ダイオード、フォトダイオード・ライン、マトリックス・フォトダイオード、PINアレイ、線形ダイオード・アレイ(20〜30ダイオード)、フォトダイオード・アレイ(PDA)とすることができる。ある諸実施形態では、検出器235は、電荷結合素子(CCD)、COMS素子、又はLEDフォトダイオードとすることができる。このタイプの検出器は、一列に並べられた何十、何百、又は何千という小型の光センサのアレイを採用する。各センサは、光の強度を測定することが可能であり、電圧パターンを生成する。こうしたセンサは、エネルギー源から発せられる特定周波数の反射光を測定するのではなく、テスト・デバイスから放出される周辺光を測定することができる。一実施形態では、検出器235は、例えば小型のビデオ・カメラを使用してイメージを捕捉する、2次元イメージングを採用することができる。このタイプのイメージングは、CCD技術又はCMOSセンサを使用することができる。1列のセンサ(すなわち1次元検出器)の代わりに、2次元アレイのセンサを採用することができる。この検出器構成は、角度及び/又は動きに関するテスト・サンプルの位置合わせを修正するように、位置又は位置決め、並びに動きを決定するためにマイクロプロセッサに提供可能な、一連の2次元フレーム又は1次元ラインを提供することができる。
【0086】
[097] 図7は、デバイス715及び関連付けられた電子機器要素の実施形態をさらに詳細に示す。デバイス715は、図1及び図2Bで示されたデバイス15及び215に対応することができる。図7に示されるように、回路基板或いは電子機器を組み込んだ他の同様の又は等価の構造743は、マイクロプロセッサ740(図1及び図2Aのマイクロプロセッサ40及び240に対応可能である)、1つ又は複数のメモリ・デバイス750、1つ又は複数の入力/出力(I/O)デバイス730、並びに、当分野で知られた他の電子機器要素(見やすいように図示せず)を含むことができる。一般に、マイクロプロセッサ740は通信可能なようにメモリ787に結合され、メモリ787は、1つ又は複数のソフトウェア・モジュールを備える命令、並びにサンプル・データ、ユーザ入力、出力データ、及び/又は他の関連付けられたデータ又は情報を格納するように構成可能である。I/Oモジュール780は、デバイス715を、本明細書で説明されるような外部コンピュータ又は他のシステムなどの外部デバイスと電子的に結合するように構成可能である。I/Oモジュール780は、直列又は並列の通信要素(USBモジュール、ファイアワイヤ・モジュール、又は他の同様のモジュールなど)、無線通信モジュール(Wi−Fi、Bluetooth(登録商標)、又は他の無線モジュールなど)、光I/Oモジュール、又は当分野で知られるか又は開発された他の通信モジュールを含むことができる。デバイス716は、USBデバイス、SD、CompactFlash(登録商標)、メモリ・スティック、又は他のデバイスなどの、メモリ・ストレージ・デバイスを受け入れるように構成された、1つ又は複数のデータ・ポート785を含むことができる。
【0087】
[098] 加えてデバイス715は、LED、LCD、或いは他のディスプレイ又は指示モジュールなどの、1つ又は複数のディスプレイ・モジュール710、及び、
押しボタン、キーパッド、マウス、及びその他ユーザの入力を受け取るためのものなどの、1つ又は複数のユーザ入力モジュール775を含むことができる。加えて、デバイス715は、検出器35及び235に対応可能な1つ又は複数の検出器モジュール735、並びに、源25及び225に対応可能な1つ又は複数のエミッタ/源モジュール725を含むことができる
【0088】
[099] 次に図6に注目すると、いくつかの実施形態の追加の細部を示す。図6に示されるように、いくつかの実施形態では、デバイス215は2つ(又はそれ以上)の検出器235、237を含むことができる。検出器235、237は、エネルギーの波長領域のうち異なる波長を検出することができる。一実施形態では、検出器235は、例えば赤外線、近赤外線、紫外線、及び可視波長の領域内の波長を検出する。一実施形態では、検出器235及び237によって検出される波長は、背景雑音を減らすため、背景エネルギー源225から放出される励起光の波長とは大幅に異なる。一実施形態では、検出器235は、テスト・デバイス220のテスト・ストリップ265上に固定化された問題のラベル付けされた検体からの波長を検出し、検出器237は、テスト・デバイス220上のしるし270から波長を検出する。検出器235、237は、診断レーン260全体にわたるシャーシ245の単一パスで、ラベル付き検体からの波長並びにしるし270からの波長を検出するように構成可能である。この実施形態では、一方の検出器、例えば235は、ラベルから放出されたエネルギーの波長をその励起された形で検出し、他方の検出器、例えば237は、しるしから放出されたエネルギーの波長を検出するが、いくつかの実施形態では、ラベルから放出されたエネルギーの波長並びにしるしから放出されたエネルギーの波長の両方を、単一の検出器が受信及び検出するように構成可能であることに留意されたい。
【0089】
[0100] 使用されるラベルに応じて、エネルギー源225から放出される励起可能エネルギーは、励起されたサンプルからの放出エネルギーとは異なる波長であり、結果として検出器によって測定される背景信号は最小限となる。システムの信号対背景比をさらに向上させるために、潜在的に検出器の背景源となり得る好ましい励起波長より下の周波数(上の波長)のエネルギー源の周波数をカットオフするために、高域フィルタなどの、1つ又は複数のフィルタを含めることができる。好ましい検出周波数より上の周波数(下の波長)のエネルギー源の周波数をカットオフするために、低域フィルタも含めることができる。
【0090】
[0101] 本明細書で説明されるスキャニング・デバイスは、追加のエネルギー源及び追加の検出器又は他の組み合わせのエネルギー源及び検出器を含むことが可能であることを理解されたい。例えばバーコード、無線周波エミッタ、光エネルギー・エミッタ、電磁波エミッタ、磁気ストリップ、誘導性回路、又はそれらの組み合わせなどの、テスト・デバイスからの他のラベルを検出する検出器を含めることができる。こうしたラベルによって提供される情報は、例えば患者の識別、サンプルの識別、サンプルのタイプ、サンプル上で実行されることになるテストの識別、又はそれらの組み合わせなどを含むことができる。
【0091】
[0102] 図6に示されるように、スキャニング・デバイス215は光学アセンブリ230を含む。光学アセンブリ230は、エネルギー源225からテスト・デバイス220方向へ、シャーシ245のインターフェース領域250内のアパチャ255を通ってエネルギーを送るように構成可能である。光学アセンブリ230を通過するエネルギーは、テスト・デバイス220の診断レーン260全体に広がるため、テスト・デバイス220上のテスト・ライン267並びにしるし270にエネルギーが与えられる。テスト・デバイス全体にわたるスキャニング・デバイスの単一パスで、反射読み取り並びに蛍光読み取りが同時に実行可能である。
【0092】
[0103]光学アセンブリ230は、1つ又は複数のフィルタ、レンズ、ミラーなどを含むことができる。エネルギーは、ある諸実施形態では、テスト・デバイスに対して少なくとも約90度の角度とすることが可能なその軸で、光学アセンブリ230によって送ることができる。一実施形態では、エネルギー源225から放出されるエネルギーは、およそ45度の角度でテスト・デバイスに向けて送られる。様々な実施形態では、他の角度及び代替構成も使用可能である。
【0093】
[0104] エネルギーがテスト・デバイスに向かって特定の角度で放出されるように、エネルギー源225を配置することができる。一実施形態では、源225はテスト・デバイスに対して90度の角度で配置可能である。他の諸実施形態では、テスト・デバイスに関して90度より大きいか又は小さい角度で、源225を配置することができる。同様に、1つ又は複数の検出器235は、テスト・デバイス上のラベル付けされた検体及び/又はしるしからの光を、特定の角度、例えばテスト・デバイスに対して90度より大きいか又は小さいか又は等しい角度で受け取ることができる。
【0094】
[0105] 光学アセンブリ230の一部として、例えば背景を減らすためのカットオフ又は帯域通過フィルタなどのフィルタを含めることができる。エネルギー源が特定の波長で励起エネルギーを提供する場合、放出される波長は、背景を減らすために励起波長とは十分異なる波長とすることができる。
【0095】
[0106] 再度図5に戻ると、検出器235は、検出された光信号をマイクロプロセッサ240へ送る。マイクロプロセッサ240は、検出器235から応答又は出力信号へのデータを処理する。マイクロプロセッサ240は、テスト・デバイスとスキャニング・デバイス215のシャーシ245との間の相対的な動きを読み取り中に検出、補償、及び修正できるような、データ整理及び曲線適合アルゴリズムを含むことが可能な、1つ又は複数のソフトウェア・モジュールを実行するように構成される。例えば、テスト・デバイスの任意の特定の場所で、変化する速度及び滞留時間に関する修正が実行可能である。検出器235とテスト・デバイス220との間の角度又は相対的な位置合わせも、修正可能である。修正は、例えばx、y、及びzの平面を含む、1つ又は複数の平面で実行可能である。
【0096】
[0107] 図8は、図1に示されたようなしるし及びテスト・ラインを含む、テスト・ストリップ265上のテスト・サンプルの読み取りの細部を示す。テスト・ストリップ265は、前述のように、検出器235が典型的にはスキャン方向の線形の動きで通過できるように配置される。テスト・ストリップは、電磁放射線を放射又は反射させ、その後検出器要素によって検出できるように、源225などの前述のような源によって照射することができる。図8では、テスト・ストリップは検出器に関して角度αでオフセットされているが、しるし70の相対的な位置を決定することによって、検出器235(及び関連付けられたスキャナ/リーダ)に関する対応するテスト・ストリップの位置合わせを、検出されたしるし及び/又はテスト・ライン267の処理によって決定することができる。加えて、検出されたしるし及び/又はテスト・ラインの処理、並びに、しるし及び/又はテスト・ラインの間隔などの知られたパラメータに基づく、サンプルの提示における相対的な速度及び/又は速度変化の算出によって、同様に速度を決定することができる。
【0097】
[0108] 図9は、図8に示されたようなテスト・ストリップ265を処理するためのプロセス900の実施形態の細部を示す。ステージ910でテスト・サンプルのスキャンが開始され、サンプルは検出器に関連して移動される。前述のように、これはいくつかの方法のうちのいずれかで実行可能である。テスト・ストリップが検出器235を横切って移動されると、目標検体が存在する場合などに検出可能な出力を放出又は反射するように、源225などの源によってこれを照射することができる。ステージ915では、1つ又は複数のしるし及び/又は1つ又は複数のテスト・ストリップが、検出器235によって検出可能である。テスト・ストリップからの放出又は反射は、参照場所として関連付けられたしるしの検出に応答して、読み取ることができる。しるしからの放出又は反射を使用して、テスト・ストリップの読み取りを起動することができる。検出は、テスト・ストリップから放出又は反射された放射線の検出とすることが可能であり、1次元、2次元、又は3次元の放出又は反射検出を表すことができる。検出された放出又は反射は検出信号に組み込むことが可能であり、その後この信号を、プロセッサ240などのプロセッサに送信することができる。
【0098】
[0109] ステージ920では、1つ又は複数のソフトウェア・モジュール内でテスト・ストリップの位置合わせ及び/又は動きが決定される。これは、例えばしるし及び/又はテスト・ストリップからの検出信号内の放出又は反射データの相対的なタイミングを比較することによって、並びに/或いは、信号の性質に応じて1次元、2次元、又はそれ以上の次元の処理において、実行可能である。同様に、これらの動き、速度、及び/又は変化、並びに他の関連情報は、ステージ925で、しるし及び/又はテスト・ストリップから受け取られた放出又は反射に基づいて決定することができる。検出信号としるし参照パターンとの相関を使用して、このステージを実施することができる。修正された検出データのセットは、このステージの出力として提供可能である。
【0099】
[0110] ステージ930では、テスト結果出力データを生成するために、ステージ920及び925で実行された、位置合わせ及び/又は動き決定及び/又は修正済み検出データに基づいて、生の検出されるテスト・ストリップ・データを調整することができる。例えばデータを使用して、テスト・ストリップの動きに基づき、受け取るテスト・ストリップ放出の相対的レベルを調整することができる。加えて、この調整を使用して、特定のテスト・ラインでのテスト・ストリップ・データを、しるしに基づいて決定された参照位置と一致させることができる。これを使用して、テスト・ストリップ結果を特定のテスト・サンプルにマッピングし、対応する出力を提供することができる。動き検出に関連付けられたデータを使用して、スキャナを通じたサンプルの供給速度の変化を修正することもできる。いくつかの実施では、しるしから検出された動き及び/又は位置データを制御又はフィードバック・ループで使用して、サンプルの適切な時間での照射、及び/又は、事前に定義されたタイミング・ウィンドウ内などの適切な時間でのサンプルの放出又は反射の検出のために、源からの放出を起動又は制御することが可能である。
【0100】
[0111] ステージ935では、テスト結果出力データを出力すること、並びに/或いは、さらに検討及び/又は処理するためにメモリに格納することが可能である。出力されるテスト結果は、サンプル内での目標又は検体の有無に関する定量的データを含むことができる。いくつかの実施形態では、テスト結果出力データを使用して、ディスプレイ又は他の出力デバイス上に提供されるテスト結果出力を提供することができる。別の方法として、又は加えて、出力を、データ・ポートを介してメモリ・デバイス上に格納すること、及び/又は、I/Oインターフェースを介して外部デバイス又はシステムに提供することが可能である。
【0101】
[0112] 前述のように、典型的な諸実施形態では、マイクロプロセッサ240及びソフトウェア・モジュールも、出力として分析に関する量的決定を提供することができる。例えば、テスティング領域260内の各テスト・ライン267に対する肯定的又は否定的な結果を、前述のようなマイクロプロセッサにおけるテスト・サンプルの読み取り及び関連付けられた読み取りの処理に基づいて提供することができる。例えば、テスト・ライン267からの目標照射を、量的な肯定的結果に関する基本として使用すること、及び、しるし及び/又は動き又は位置の決定に基づいて調整することが可能である。加えて、サンプル内の検体の濃度に関する情報も提供することができる。疾病又は疾患のリスク又は存在を示す指標がスキャニング・デバイスによって提供されるように、情報を相関することができる。オプションで、情報を意思決定支援システムに入力し、病状のリスクの査定を強化するように処理することができる。加えて、テストからの情報を、視覚的又は聴覚的或いはその両方で、デバイス215のディスプレイ上に提供することもできる。
【0102】
[0113] マイクロプロセッサ240は、スキャニング・デバイス215の特定の動作、並びに機械的、光学的、及び/又は電子的機能を含むデバイス215の様々な機能も、制御可能である。マイクロプロセッサ240は、バス構造又は他の通信インターフェースを介して機能を制御する、中央プロセッサとすることができる。マイクロプロセッサ240は、スキャニング・デバイスの様々な構成要素のうちの1つ又は複数に処理機能を分散することによって実施可能である。前述のように、マイクロプロセッサ240は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSPデバイス、ASICS、FPGA、又は当分野で知られるか又は開発された他のプログラム可能デバイスなどの、1つ又は複数の物理デバイスを備えることができる。さらにマイクロプロセッサ240は、本明細書で説明されるような機能及び他の機能を実行するためのデータ及び/又は命令を格納するために、メモリを組み込むことができる。
【0103】
[0114] スキャニング・デバイス215には、例えば、ユーザ・インターフェース275、通信モジュール280、データ・ポート285、メモリ287、電源290、位置合わせシステム257、及び遮光体259を含む、追加の機能的特徴が提供可能であり、それぞれについては以下でより詳細に説明する。これらの機能のいずれか又はすべてを、所望の用途に適切なように、スキャニング・デバイス215に含めることができる。
【0104】
[0115] ユーザ・インターフェース275は、デバイスの動作及び結果の表示に使用することができる。ユーザ・インターフェース275は、例えばキーパッド、及び/又は、小型の白黒又はカラーのLCDディスプレイなどのディスプレイを含むことができる。ユーザ・インターフェース275は、タッチ・スクリーン・ディスプレイなどのデバイスの使用に適した設定をユーザがタッチ及び選択できるようにする技術を含むことができる。同様に、例えばキーボード、マウス、トラックボール、又は他のユーザ・インターフェース・デバイスなどの、代替インターフェースが提供可能である。
【0105】
[0116] スキャニング・デバイス215と共にデータ・ポート285を使用することができる。データ・ポート285は、取り外し可能ROMチップを受け入れるように構成されたROMチップ・ソケット、又はメモリ・カードなどを受け入れるように構成されたSDタイプ・メモリ・カード・スロットとすることができる。データ・ポート285及び関連付けられたストレージ・デバイスを使用して、データ又はロット特有の方法パラメータの格納及び/又はバックアップ、ソフトウェアの更新、プログラム命令の格納、制御及び較正曲線、オペレーション・データ、履歴ログ、及び、デバイス215で使用可能な他の情報の格納に使用することができる。データ・ポート285及び関連付けられたストレージ・デバイスを、結果の保存に使用し、この情報を、実験室情報システム(LIS)又はシステム・パーソナル・コンピュータ(PC)などの情報システムに転送することができる。デバイスは、こうした情報をデバイスからLIS又はPCに伝送可能な、通信モジュール280も含むことができる。通信・モジュール280は、有線又は無線の送信器、Bluetooth(登録商標)、双方向通信インターフェース、赤外線インターフェース、RS−232インターフェース、RFインターフェース、ネットワーク・インターフェース、又は他の通信インターフェースとすることができる。伝送される情報は、テスト結果、統計、及び他の情報、並びに外部ソースからの情報及び命令の受信を含むことができる。
【0106】
[0117] メモリ287を使用して、デバイス215の動作中に、マイクロプロセッサ240によって使用されるプログラム・データ又は他のデータ用のストレージを提供することができる。メモリ287は、様々なRAM又はROMメモリ・デバイスを使用して実施可能である。メモリ287を使用して、動作命令の格納、並びに動作及びストレージのためのメモリ・レジスタの提供が実行可能である。メモリは、データ・ポート285及び関連付けられたストレージ・デバイスと共に使用することもできる。メモリ287は、通常、頻繁に又は即時にアクセスされるデータのみを格納するために使用される。
【0107】
[0118] スキャニング・デバイス215は電源290を含むこともできる。電源290は、バッテリ、太陽電池、AC電源の変換に使用される変圧器、又はデバイス215の構成要素に適切な電力レベルを提供するための他の技法を含むことができる。ある実施形態では、電源290は、例えば、従来のコンセントからのAC電源に接続された充電器を使用して再充電可能な、ニッケルカドミウム電池又はニッケル水素電池などの、再充電式バッテリとすることができる。電源290は、電源290を活動化し、デバイス215の電源を入れるためにユーザが作動可能な、ボタン277又は他のメカニズムに関連付けることができる。
【0108】
[0119] 図3及び図2A〜2Dで示されるように、一実施形態では、スキャニング・デバイス215は位置合わせシステム257を含むことができる。位置合わせシステム257を使用して、図5Aに示されるような対応する位置合わせ機構272を有するテスト・デバイスをスキャンする際に支援することができる。位置合わせシステム257は、例えば、デバイス215のインターフェース領域250付近のアパチャ255のいずれかの端部に配置される、1対の並行レールとすることができる。位置合わせシステム257は、例えば、テスト・デバイス220の表面上に存在する対応する位置合わせ機構222とスライド可能なようにインターフェースすることができる。テスト・デバイス220の位置合わせ機構272は、例えば1対の縦方向チャネルとすることができる。別の方法として、テスト・デバイス220の位置合わせ機構272は、スキャニング・デバイス215の位置合わせ機構272がスワイプ中にその上を誘導される隆起トラックを含むことができる(図2Dを参照のこと)。位置合わせシステム257及び対応する位置合わせ機構272の構成は変更可能である。
【0109】
[0120] 遮光体259は、スキャニング・デバイス215のインターフェース領域250に取り付けることも可能である(図2Bを参照のこと)。遮光体259は、1つ又は複数の側でデバイス215のインターフェース領域250及びアパチャ255を囲む。遮光体259並びに位置合わせシステム257は、使用中にデバイス215又はデバイス220の診断レーン260に入って来る周辺光を遮蔽することができる。位置合わせシステム257及び遮光体259はシャーシ245又はモジュラと一体化することが可能であり、結果としてインターフェース領域250付近のデバイス215の遠位部分に結合される。
【0110】
[0121] 例示的作業フロー及び方法
サンプル収集デバイス(SCD)は、同様に、本明細書で説明される診断分析システムに含められることを理解されたい。一般に、サンプルは、サンプルをテスト・デバイスに印加するための準備を行い、スキャナを介して結果を読み取るSCDを使用して、処理可能である。例えばいくつかの実施形態では、サンプルは、SCD(例えば検出及び捕捉プローブ、及び/又は抽出試薬)内に存在する試薬に接触する、SCD及び1つ又は複数の検体から取得又はこれに追加することができる。その後サンプルは処理され、SCDを介してテスト・デバイスへ移送され、スキャナで読み取られることが可能である。
【0111】
[0122] 例えば、サンプル混合物を当分野で知られたテスト・デバイスに入れることができる。サンプルは、毛管力及び/又はテスト・デバイスに含まれる洗浄緩衝剤によって運ぶことが可能であり、それによって任意の検体−プローブ複合体をテスト・デバイスに含まれる側方流動膜を通じて渡すことができる。捕捉プローブ及び補助的に固定化された捕捉部分は、側方流動膜上の所定のライン又はスポットで互いに結合又は混成され、それによって検出プローブは(その上に含まれる共役ラベルを介して)検出可能な信号を提供し、その後これを読み取って、処理済みのサンプル内に検体が存在したかどうかを判別することができる。
【0112】
[0123] その後、スキャニング・デバイスを使用してテスト・デバイスを読み取り、テスト・デバイス上の1つ又は複数の定義済みライン及び/又はしるしでの検出可能な信号の存在を検出することができる。結合された検体を伴うテスト・ラインを読み取るために、ユーザはスキャニング・デバイスのシャーシを保持し、インターフェース領域がテスト・ストリップの方向を指示する状態でテスト・デバイスの診断レーン上を掃引させる。テスト・デバイスは、診断レーン上の単一パス又はテスト・デバイス上の複数のパスで、読み取り可能である。テスト・デバイス及びスキャニング・デバイスは、互いに関連して自由に移動可能であり、これは、ユーザが手に持ったスキャニング・デバイスをテスト・デバイスに関して自由に動かすことができること、又はその逆を意味する。ある諸実施形態では、テスト・デバイスはスキャニング・デバイスに挿入又は装填されない。
【0113】
[0124] 問題の検体に関する情報、リスクの指標、疾病又は疾患の存在、患者情報、テスト情報は、テスト・デバイス全体に渡ってスキャニング・デバイスを掃引させることで提供可能である。オプションで、情報を意思決定支援システムに入力し、病状のリスクの査定を強化するように処理することができる。スキャニング・デバイスは、結果を自動的に表示、印刷、保存、又はアップロードすることができる。本明細書で説明されるスキャニング・デバイスは、分析が解釈の必要なしに読み取り及び記録されるように、単純な制御及びユーザ・インターフェースを備えるように設計される。
【0114】
[0125] スキャナをキットに組み込むことができることを理解されたい。ある実施形態では、キットは1つ又は複数のテスト・デバイス及びハンドヘルド・スキャナを含むことができる。ある実施形態では、このキットはさらにサンプル収集デバイスを含む。
【0115】
[0126] 本明細書で説明された本主題の範囲を逸脱することなくある変更が実行可能であるため、前述の説明に含まれるか又は添付の図面に示されるすべての主題は、例示的なものであり、文字通りの意味では解釈されない(すなわち限定的ではない)ことが意図される。当業者であれば、本明細書で記載及び説明される方法、デバイス、及びシステム構成は、本明細書で説明される現行の主題の範囲内にある複数の可能なシステム構成の例であることを理解されよう。
【0116】
[100] 本明細書で説明される主題について、特定の実施形態を参照しながら説明してきたが、当業者であれば、様々な変更が実行可能であり、本明細書で説明された主題の趣旨及び範囲を逸脱することなく等価物に置き換え可能であることを理解されたい。加えて、特定の状況、材料、組成物、プロセス、プロセス・ステップを、本明細書で説明される主題の目的及び範囲に適合するために、多くの修正が実行可能である。こうした修正のすべては、添付の特許請求の範囲内にあるものと意図される。
【0117】
[101] 本明細書全体を通じて、様々な公告、特許、及び公開特許明細書が引用可能である。本明細書で参照されるこれらの公告、特許、及び公開特許明細書の開示は、全体として参照により本開示に組み込まれる。公告、公開特許明細書、又は特許の出願人による本明細書における引用は、当該公告、公開特許明細書、又は特許の出願人による認可ではない。したがって、本明細書で引用されるすべての公告及び特許は、あたかもそれぞれ個々の公告又は特許が参照により組み込まれるように具体的かつ個別に示されているかのように、参照により組み込まれている。
【0118】
[102] 本明細書は多くの細部を含むが、これらは、請求されるか又は請求される可能性のある本発明の範囲に関する制限とみなされるべきではなく、むしろ特定の諸実施形態に特有の特徴の説明である。個別の複数の実施形態との関連において本明細書で説明されるある特徴は、単一の実施形態において組み合わせて実施することも可能である。その逆に、単一の実施形態との関連において説明されている様々な特徴は、複数の実施形態において個別に、又は任意の好適な下位組み合わせで実施することも可能である。さらに、前述の特徴は、ある組み合わせで動作するものとして説明され、初期にはそのように請求されることが可能であるが、請求された組み合わせからの1つ又は複数の特徴は、いくつかの場合に、その組み合わせから削除可能であり、請求された組み合わせは、下位組み合わせ又は下位組み合わせの変形を対象とすることが可能である。同様に、動作は特定の順序で図面内に示されているが、こうした動作が図示された特定の順序又は順次実行されること、又は所望の結果を達成するために、例示されたすべての動作を実行することが、必ずしも必要でないことを理解されたい。
【0119】
[103] 1つ又は複数の例示的実施形態では、本明細書で説明される機能、プロセス、及び方法は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせで実施可能である。ソフトウェアで実施される場合、機能は、コンピュータ読み取り可能媒体上の1つ又は複数の命令又はコードに格納されるか、又はそれらの命令又はコードとして符号化されることが可能である。コンピュータ読み取り可能媒体には、コンピュータ・ストレージ媒体が含まれる。ストレージ媒体は、コンピュータによるアクセスが可能な任意の使用可能媒体とすることができる。例を挙げると、こうしたコンピュータ読み取り可能媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROM又は他の光ディスク・ストレージ、磁気ディスク・ストレージ又は他の磁気ストレージ・デバイス、或いは、所望のプログラム・コードを命令又はデータ構造の形で実施又は格納するために使用可能であり、コンピュータによるアクセスが可能な、任意の他の媒体を含むことができるが、これらに限定されない。本明細書で使用されるディスク(disk and disc)は、コンパクト・ディスク(CD)、レーザ・ディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピィ・ディスク、及びブルーレイ・ディスクを含み、ディスク(disk)は通常磁気的にデータを再生し、ディスク(disc)はレーザで光学的にデータを再生する。前述の組み合わせも、コンピュータ読み取り可能媒体の範囲内に含まれるものとする。
【0120】
[104] 開示されたプロセスにおけるステップ又はステージの特定の順序又は階層は、例示的手法の一例であることを理解されよう。設計のプリファレンスに基づき、プロセス中のステップの特定の順序又は階層は、本開示の範囲内に保持しながら、再配置構成可能であることを理解されよう。添付の方法請求項は、様々なステップの要素を例示的順序で提示可能であり、提示された特定の順序又は階層に限定されることを意味するものではない。
【0121】
[105] 当業者であれば、情報及び信号は、任意の多様な異なる技術及び技法を使用して表すことが可能であることを理解されよう。例えば、前述の説明全体を通じて言及される可能性のある、データ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、記号、及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁場又は磁性粒子、光場又は光学粒子、或いはそれらの任意の組み合わせによって表すことができる。
【0122】
[106] 当業者であれば、本明細書で開示された実施形態と共に説明される様々な例示的論理ブロック、モジュール、回路、及びアルゴリズム・ステップは、電子ハードウェア、コンピュータ・ソフトウェア、又はその両方の組み合わせとして実施可能であることを理解されよう。このハードウェア及びソフトウェアの互換性をわかりやすくするために、様々な例示的構成要素、ブロック、モジュール、回路、及びステップは、上記で一般にそれらの機能に関して説明されている。こうした機能がハードウェア又はソフトウェアのいずれで実施されるかは、システム全体に課せられた特定の応用例及び設計制約に依存する。当業者であれば、説明された機能を特定の応用例それぞれについて様々な方法で実施可能であるが、こうした実施の決定は、本開示の範囲を逸脱するものと解釈されるべきではない。
【0123】
[107] 本明細書で開示された諸実施形態に関して説明される様々な例示的論理ブロック、モジュール、及び回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)又は他のプログラマブル論理デバイス、離散ゲート又はトランジスタ論理、離散ハードウェア構成要素、又は、本明細書で説明される機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせに関して、実施又は実行可能である。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサとすることが可能であるが、代替実施形態では、プロセッサは任意の従来型のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又は状態機械とすることができる。プロセッサは、例えば、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと関連した1つ又は複数のマイクロプロセッサ、或いは任意の他のこうした構成などの、コンピューティング・デバイスの組み合わせとしても実施可能である。
【0124】
[108] 本明細書で開示された諸実施形態に関連して説明される方法又はアルゴリズムの諸ステップは、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェア・モジュール、又はその2つの組み合わせで、直接具体化することが可能である。ソフトウェア・モジュールは、RAMメモリ、フラッシュ・メモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、取り外し可能ディスク、CD−ROM、又は当分野で知られたストレージ媒体の任意の他の形に常駐可能である。例示的ストレージ媒体はプロセッサに結合され、このプロセッサは、ストレージ媒体から情報を読み取ること、及びストレージ媒体に情報を書き込むことが可能である。代替実施形態では、ストレージ媒体とプロセッサとを一体化させることができる。プロセッサ及びストレージ媒体はASIC内に常駐可能である。ASICはユーザ端末内に常駐可能である。代替実施形態では、プロセッサ及びストレージ媒体は離散構成要素としてユーザ端末内に常駐可能である。
【0125】
[109] 開示された実施形態の前述の説明は、当業者が本開示を製造又は使用できるように提供されたものである。これらの実施形態に対する様々な修正は、当業者であれば容易に理解され、本明細書に定義された一般的な原理は、本開示の趣旨又は範囲を逸脱することなく、他の実施形態に適用可能である。したがって本開示は、本明細書に示された実施形態に限定されるものではなく、本明細書で開示された原理及び新規な特徴に従った最も広い範囲に一致するものであることが意図される。
【0126】
[110] 特許請求の範囲は、本明細書に示された諸態様に限定されるものではなく、特許請求の範囲の用語に適合する全範囲に一致するものであることが意図され、単数形の要素への言及は、特に指定されない限り「唯一(one and only one)」ではなく、むしろ「1つ又は複数(one or more)」を意味するものと意図される。その他の方法で特に指定されていない限り、「いくつか(some)」という用語は1つ又は複数を言い表す。列挙されたアイテムのうちの「少なくとも1つ(at least one of)」という語句は、単一のメンバを含むそれらのアイテムの任意の組み合わせを言い表す。一例として「a、b、又はcのうちの少なくとも1つ」は、aと、bと、cと、a及びbと、a及びcと、b及びcと、a、b、及びcとをカバーしているものと意図される。
【0127】
[111] 以下の特許請求の範囲及びそれらの等価物が本発明の範囲を定義するものであることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又は複数のテスト・ライン及び1つ又は複数のしるしを有するテスト・ストリップを含むテスト・デバイスと
i)電磁放射線源、
ii)電磁放射線を誘導するために配設された光学アセンブリ、
iii)前記テスト・ストリップからの放射又は反射を受け取るために配設された検出器、
iv)マイクロプロセッサ、及び
v)シャーシ
を備える、スキャニング・デバイスと、
を備え、
前記テスト・デバイス及び前記スキャニング・デバイスは、前記スキャニング・デバイスの動作中に互いに関連して移動可能なように構成され、前記マイクロプロセッサは、前記しるし及び1つ又は複数の前記テスト・ラインに少なくとも部分的に基づいてテスト結果データを生成するように構成される、
診断分析システム。
【請求項2】
前記しるしが前記テスト・ストリップと一体化して配設される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記しるしが、各しるしがテスト・ラインに対応するように前記1つ又は複数のテスト・ラインに隣接して配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記1つ又は複数のテスト・ラインに隣接する前記しるしがパターンを形成し、前記マイクロプロセッサが前記パターンに少なくとも部分的に基づいて前記テスト結果データを生成するように構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記パターンが1次元パターンである、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記パターンが2次元パターンである、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記しるしがユーロピウム参照マークを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記テスト・デバイスが窓を有する本体をさらに備え、前記本体が、前記1つ又は複数のテスト・ラインが前記窓を通過する前記源からの出力に対して露出可能なように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記検出器が、1つ又は複数の前記テスト・ラインから提供される放射又は反射を検出するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
第2の検出器をさらに備え、前記第2の検出器が前記しるしのうちの1つ又は複数からの放射又は反射を検出するように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記検出器が、前記しるしのうちの1つ又は複数からの放射又は反射を検出するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記テスト・デバイス及び前記スキャニング・デバイスが、少なくとも1つの平面内で互いに関連して自由に移動できるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記テスト・デバイス及び前記スキャニング・デバイスが、少なくとも2つの平面内で互いに関連して自由に移動できるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記シャーシが、前記テスト・デバイスを受け入れられないように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記シャーシがハンドヘルド・シャーシとして構成され、前記シャーシの遠位領域付近にテスト・デバイス・インターフェースをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記テスト・デバイス・インターフェースがアパチャを備え、前記アパチャが前記テスト・デバイスとオープンに通信するように構成される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記テスト・デバイス・インターフェースに結合された遮蔽体をさらに備え、前記遮蔽体が、前記アパチャを通過して前記スキャニング・デバイスに入って来る周辺光を遮蔽するように、前記アパチャを囲むように構成される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記ハンドヘルド・シャーシが、前記テスト・デバイス・インターフェース付近の前記シャーシの前記遠位領域から離れるように延在する並行レールを備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記テスト・デバイスが、前記ハンドヘルド・シャーシの前記並行レールを受け入れるように形作られた1対の縦方向チャネルを備える、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記ハンドヘルド・シャーシの前記並行レールが、前記テスト・デバイスの前記縦方向チャネルとスライド可能なようにインターフェースする、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記マイクロプロセッサが、前記テスト・デバイスと前記スキャニング・デバイスとの間の相対的な動きを補償するように、前記テスト結果データを生成するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
前記補償が、前記テスト・デバイスと前記スキャニング・デバイスとの間の前記相対的な動きの間の可変速度の補償を含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記マイクロプロセッサが、前記テスト・ストリップと前記スキャニング・デバイスとの間の相対的な角度オフセットを補償するように、前記テスト結果データを生成するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項24】
前記検出器が、電荷結合素子(CCD)又は相補型金属半導体(CMOS)素子を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項25】
前記テスト・ラインが捕捉部分を固定化した、請求項1に記載のシステム。
【請求項26】
前記捕捉部分が、1つ又は複数の問題の検体を直接又は間接的に明確に結合するために配設される、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記1つ又は複数のテスト・ラインが側方流動膜内に配設され、前記1つ又は複数のテスト・ラインが1つ又は複数の問題の検体を直接又は間接的に明確に結合する捕捉部分を固定化した、請求項1に記載のシステム。
【請求項28】
前記テスト・デバイスが基板を含み、前記基板が1つ又は複数の制御ラインをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項29】
前記しるしが、各しるしが制御ラインに対応するように、前記1つ又は複数の制御ラインに隣接して配置される、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
問題の検体を検出するためにサンプルを分析する方法であって、
サンプル収集デバイスからのサンプルをテスト・デバイスに提供するステップであって、前記テスト・デバイスが、1つ又は複数の問題の検体を直接又は間接的に明確に結合する捕捉部分が固定化された1つ又は複数のテスト・ラインを備え、前記しるしが、前記1つ又は複数のテスト・ラインに隣接する前記テスト・デバイスの表面上に位置する、提供するステップと、
前記1つ又は複数のテスト・ライン及び前記1つ又は複数のしるしを読み取るように、スキャニング・デバイスに関連して前記テスト・デバイスを移動するステップと、
前記1つ又は複数のしるし及び前記1つ又は複数のテスト・ラインの前記読み取りに少なくとも部分的に基づいてテスト結果データを生成するステップと、
前記テスト結果データをメモリに格納するステップと、
を含む、方法。
【請求項31】
前記1つ又は複数のテスト・ラインが側方流動膜内に配設され、前記1つ又は複数のテスト・ラインが1つ又は複数の問題の検体を直接又は間接的に明確に結合する捕捉部分を固定化した、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記1つ又は複数のしるしがパターンを形成し、前記テスト結果データが前記パターンに少なくとも部分的に基づく、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記パターンが1次元パターンである、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記パターンが2次元パターンである、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記テスト結果を生成するステップが、前記テスト・デバイスと前記スキャニング・デバイスとの間の相対的な動きに関して前記テスト結果を補償するステップを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項36】
前記補償が、前記スキャニング・デバイスに関する前記テスト・デバイスの前記動きの間の可変速度に関する前記テスト結果を補償するステップを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項37】
前記補償が、前記テスト・ストリップと前記スキャニング・デバイスとの間の相対的な角度オフセットに関する前記テスト結果を補償するステップを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項38】
電磁放射線出力を前記テスト・ストリップに提供するステップをさらに含み、前記読み取りが、前記放射線出力に応答した前記1つ又は複数のしるしからの放射又は反射に少なくとも部分的に基づく、請求項30に記載の方法。
【請求項39】
電磁放射線出力を前記テスト・ストリップに提供するステップをさらに含み、前記読み取りが、前記放射線出力に応答した前記1つ又は複数のテスト・ラインからの反射又は放射に少なくとも部分的に基づく、請求項30に記載の方法。
【請求項40】
前記読み取りが、前記放射線出力に応答した前記1つ又は複数のしるしからの反射又は放射に少なくとも部分的に基づく、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記1つ又は複数のしるしからの前記反射又は放射及び前記1つ又は複数のテスト・ラインからの前記反射又は放射が、異なる波長又は波長の領域である、請求項30に記載の方法。
【請求項42】
1つ又は複数のテスト・ラインを有するテスト・ストリップと、
1つ又は複数のしるしと、
を含む基板を備える、テスト・デバイスであって、
前記しるしが、スキャナへの前記テスト・デバイスの提示を補償するように、前記スキャナに関した前記テスト・デバイスの位置決めを容易にするように前記基板上に配設される、
テスト・デバイス。
【請求項43】
前記1つ又は複数のしるしが、前記スキャナへの前記テスト・デバイスの提示速度における変化の修正を容易にするように配設される、請求項42に記載のテスト・デバイス。
【請求項44】
前記1つ又は複数のしるしが、前記スキャナへの前記テスト・デバイスの提示角度における変化の修正を容易にするように配設される、請求項42に記載のテスト・デバイス。
【請求項45】
前記1つ又は複数のしるしが前記テスト・ストリップと一体化して配設される、請求項42に記載のテスト・デバイス。
【請求項46】
前記しるしが、各しるしがテスト・ラインに対応するように前記1つ又は複数のテスト・ラインに隣接して配置される、請求項42に記載のテスト・デバイス。
【請求項47】
前記1つ又は複数のテスト・ラインに隣接する前記しるしがパターンを形成し、前記マイクロプロセッサが前記パターンに少なくとも部分的に基づいて前記テスト結果データを生成するように構成される、請求項42に記載のテスト・デバイス。
【請求項48】
前記パターンが1次元パターンである、請求項42に記載のテスト・デバイス。
【請求項49】
前記パターンが2次元パターンである、請求項42に記載のテスト・デバイス。
【請求項50】
前記しるしがユーロピウム参照マークを含む、請求項42に記載のテスト・デバイス。
【請求項51】
電磁放射線源と、
電磁放射線を誘導するために配設された光学アセンブリと、
前記テスト・ストリップからの放射又は反射を受け取るために配設された検出器と、
マイクロプロセッサと、
シャーシと、
を備える、スキャナであって、
前記マイクロプロセッサが、前記テスト・デバイス上に配設された関連付けられた1つ又は複数のしるしと、前記テスト・デバイス上に配設された1つ又は複数のテスト・ラインとに基づいて、テスト結果データを生成するように構成される、
スキャナ。
【請求項52】
前記しるしが、パターンを形成するように前記1つ又は複数のテスト・ラインに隣接して配設され、前記マイクロプロセッサが、前記パターンに少なくとも部分的に基づく前記テスト結果データを生成するように構成される、請求項51に記載のスキャナ。
【請求項53】
前記検出器が、前記テスト・ラインのうちの1つ又は複数から提供される放射又は反射を検出するように構成される、請求項51に記載のスキャナ。
【請求項54】
第2の検出器をさらに備え、前記第2の検出器が、前記しるしのうちの1つ又は複数からの放射又は反射を検出するように構成される、請求項51に記載のスキャナ。
【請求項55】
前記検出器が、前記しるしのうちの1つ又は複数からの放射又は反射を検出するように構成される、請求項53に記載のスキャナ。
【請求項56】
前記スキャナがシャーシを含み、前記シャーシが、前記テスト・デバイスを受け入れられないように構成される、請求項51に記載のスキャナ。
【請求項57】
前記スキャナがシャーシを含み、前記シャーシがハンドヘルド・シャーシとして構成され、前記シャーシの遠位領域付近にテスト・デバイス・インターフェースをさらに備える、請求項51に記載のスキャナ。
【請求項58】
前記テスト・デバイス・インターフェースがアパチャを備え、前記アパチャが前記テスト・デバイスとオープンに通信するように構成される、請求項57に記載のスキャナ。
【請求項59】
前記テスト・デバイス・インターフェースに結合された遮蔽体をさらに備え、前記遮蔽体が、前記アパチャを通過して前記スキャニング・デバイスに入って来る周辺光を遮蔽するように、前記アパチャを囲むように構成される、請求項57に記載のスキャナ。
【請求項60】
前記シャーシが、前記テスト・デバイス・インターフェース付近の前記シャーシの前記遠位領域から離れるように延在する並行レールを備える、請求項57に記載のスキャナ。
【請求項61】
前記シャーシの前記並行レールが、前記テスト・デバイスの前記縦方向チャネルとスライド可能なようにインターフェースする、請求項60に記載のスキャナ。
【請求項62】
前記マイクロプロセッサが、前記テスト・デバイスと前記スキャニング・デバイスとの間の相対的な動きを補償するように、前記テスト結果データを生成するように構成される、請求項51に記載のスキャナ。
【請求項63】
前記補償が、前記テスト・デバイスと前記スキャニング・デバイスとの間の前記相対的な動きの間の可変速度の補償を含む、請求項51に記載のスキャナ。
【請求項64】
前記マイクロプロセッサが、前記テスト・ストリップと前記スキャニング・デバイスとの間の相対的な角度オフセットを補償するように、前記テスト結果データを生成するように構成される、請求項51に記載のスキャナ。
【請求項65】
前記検出器が、電荷結合素子(CCD)又は相補型金属半導体(CMOS)素子を備える、請求項51に記載のスキャナ。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−523568(P2012−523568A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−504841(P2012−504841)
【出願日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【国際出願番号】PCT/US2010/030309
【国際公開番号】WO2010/118185
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(509264936)ネクサス・ディーエックス・インコーポレイテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】Nexus Dx, Inc.
【Fターム(参考)】