説明

ポイントオブケア流体システムおよびその使用

【課題】患者と医療実務者との間の実時間データ伝送が、歩行用の状況において効率的な伝達および高処理能力ポイントオブケア検査を可能にする方法および装置を提供する。
【解決手段】本発明は、医療デバイスの分野の発明である。特に、本発明は、生体液からの検体を実時間で検出することが可能である携帯用医療デバイスを提供する。方法およびデバイスは、様々な医学的応用のためのポイントオブケア検査を行うのに特に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(相互参照)
本出願は、2005年5月9日に出願された米国仮特許出願第60/678,801号、2005年8月5日に出願された米国仮特許出願第60/705,489号、2005年9月16日に出願された米国仮特許出願第60/717,192号、および2005年9月28日に出願された米国仮特許出願第60/721,097号の利益を請求しており、それらはすべてその全体が本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(技術分野)
本発明は医療デバイスの分野である。特に、本発明は、生体液からの検体を実時間で検出することが可能である携帯用医療デバイスを提供する。方法およびデバイスは、様々な医学的応用のためのポイントオブケア(point−of−care)検査を行うのに特に有用である。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
膨大な数の疾病バイオマーカーの発見および微小マイクロ流体システムの設置は、新しい手段を開拓し、ポイントオブケア設定において疾病の予見、診断および治療のための方法およびシステムを考案してきた。ポイントオブケア検査は、結果を速やかに医療実務者に伝え、診察を早くすることができるので特に望ましい。初期診断により医療実務者は治療をより早く開始することができ、それにより付き添いの患者の状態の退歩を回避することができる。ポイントオブケア分析の実例には、グルコース検査、薬物の不正使用、血清コレステロール、妊娠、および排卵が含まれる。しかしながら、これらならびに現在使用できる他のポイントオブケア方法およびシステムは、サンプル採取、検査、分析および必要なときに医療実務者または保健提供者へ結果を伝達するための統合的解決法を提供しない。従って、オンラインの医療診察または意思決定と同様に、便利で迅速なデータ収集、伝送、分析を提供する携帯用多重パラメーター測定機器の注目に値する必要性が残る。
【0004】
新しく改善されたポイントオブケア検査もまた、薬物が市場に出た後の可能性のある薬物有害反応(ADR)を監視するだけでなく、治療薬の研究および開発するために必要である。
【0005】
薬物の安全性および有効性は、薬物の薬物動態(薬物に対して身体は何をするか)および薬力学的パラメーター(身体に対して薬物は何をするか)によって決定する。目下、薬物の薬物動態(PK)および薬力学的(PD)パラメーターは一般に、第1に患者から血液サンプルを採取することにより決定され、実験室分析が続く。かかる取り組みは多数の欠点を有する。第1に、患者は一般に、複数の時点で血液または尿サンプルなどの臨床サンプルを提供するために来院することが必要である。第2に、薬物動態(PK)および薬力学的(PD)パラメーターのどちらかを反映する標的検体およびバイオマーカー濃度を決定するための分析技術のほとんどは、パラメーターを決定できる前に血液サンプルを予備的処理をすることを要求する。これは、データ反応の遅延、生理学的薬物分布および代謝作用の変動性(投与不良を当然とする)、わずかなサンプリング、ならびに投与歴の不足をもたらす。明白に、多数の臨床試験は、患者の薬剤服用順守不良のため血液検査の不十分な数をしばしば経験し、患者はしばしば、試験に必要な血液サンプルを提供するために瀉血専門医に戻りそこなう。
【0006】
同様に、ADRを監視するための最新技術およびシステムもまた不十分である。ADRは、医療における罹患率および死亡率の主要原因のうちの1つである。医学研究所は、44,000から98,000の死亡は医療ミスにより発生し、そのうち7,000の死亡はADRによるものであったと2000年1月に公表した。入院患者母集団で実施された他の調査は、いくつかのADRのさらに高い全発生率を指摘してきた。いくつかの理由がADRの有病率の一因となる。第1に、患者はより多くの併用療法が利用できるようになった。第2に、薬物の連用に関する増勢がみられる(LipitorなどのスタチンおよびVioxxなどのCox−2阻害剤)。薬物の連用はまた、患者のライフスタイル、健康状態および他の医薬の使用における変化が起こる可能性を高める。女性においては、薬物の連用は、女性が妊娠した場合に不測の結果をもたらすことができる。かかるリスクは、奇形発生を含みADRの影響をとりわけ受けやすい胎児にとって特段の懸案事項である。
【0007】
薬物療法のリスクおよび恩恵を管理する際にさらに重要な要素は、患者の薬剤服用順守である。患者はしばしば、薬物の指定用量を飲みそこない、処方用量より多く飲み、または薬物療法の治療単位を完了しそこなう(特に感染性疾患の治療によく起こる)。これらの行為(意図的な、または故意ではない)は、重篤有害事象を引き起こすことができる、身体内の不適切なレベルの薬物をもたらす。患者は通常、そのような因果関係を記憶せず、処方した医師もまた、いくつかの結果が起こる前はその問題を実感することが少ない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このようにして、患者と医療実務者との間の実時間データ伝送が、歩行用の状況において効率的な伝達および高処理能力ポイントオブケア検査を可能にする方法および装置の差し迫った必要が残る。有益なシステムは、歩行用の設定において実時間で治療薬のADR、有効性および/または毒性を検出することになる。それはまた、臨床試験または継続治療の治療単位の間の治療薬に対する患者の生理学的状態を医療実務者が評価するのを容易にする。本発明はこれらの必要性を充足させ、また関連する有利性も同様に提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の要旨)
本発明の一側面は、患者と医療実務者との間の実時間データ伝送を提供し、歩行用の設定において高処理能力ポイントオブケア検査を容易にすることができるシステムの設計である。本明細書に提供している前記システムおよび方法は、実験室の備品または設備を使用することなく、被験体(例えば、患者)から収集されたサンプルを処理および分析する、骨の折れる、また費用のかかる手順を簡略化する。前記システムおよび方法は、診断、予後診断、治療、および治療法の開発を開始するために、体液の小さなサンプルから検体を検出するのに特に有用である。
【0010】
従って、一実施態様では、本発明は、被験体からの体液中の検体を検出するためのシステムを提供する。前記システムは、a)流体デバイスであって、サンプル収集ユニットおよびアッセイアセンブリを備え、前記サンプル収集ユニットは、500μl未満の体液のサンプルを前記アッセイアセンブリ内に含有されている反応物質と反応させ、前記体液のサンプル中の収集された前記検体の存在を示す検出可能な信号を発生する、流体デバイスと、b)前記検出可能な信号を検出するための検出アセンブリを備える読取機アセンブリと、c)前記検出信号を外部デバイスへ伝送するための通信アセンブリとを備える。
【0011】
その他の実施態様では、本発明は、流体デバイスを備えるシステムを提供する。前記流体デバイスは、以下の要素、a)サンプル収集ユニットおよびアッセイアセンブリであって、前記サンプル収集ユニットは、体液のサンプルを外部デバイスから伝送されるプロトコルに基づき前記アッセイアセンブリ内に含有されている反応物質と反応させ、前記検体
の存在を示す検出可能な信号を発生する、サンプル収集ユニットおよびアッセイアセンブリと、b)前記検出可能な信号を検出するための検出アセンブリを備える読取機アセンブリと、c)前記検出信号を外部デバイスへ伝送するための通信アセンブリとを備える。
【0012】
一側面では、前記システムは、外部デバイスから伝送されるプロトコルを使用し、好ましくは携帯電話などの無線デバイスを経由する。その他の側面では、前記流体デバイスは、前記プロトコルの前記伝送の誘因となるよう適合する前記流体デバイスの同一性を与える識別子をさらに備える。望ましい場合には、前記プロトコルは、識別子検出器によって認識可能な前記流体デバイスの前記同一性に依存して変化してもよい。
【0013】
本発明はまた、前記システムおよび本明細書に提供している他のデバイスを使用する方法を提供する。一実施態様では、本発明は、被験体の体液中の検体を検出するための方法を提供する。前記方法は、a)対象のシステムを提供するステップと、b)体液のサンプルを前記アッセイアセンブリ内に含有されている前記反応物質と反応させ、前記検体の存在を示す検出可能な信号を発生するステップと、c)前記検出可能な信号を検出するステップとを伴う。望ましい場合には、前記方法は、前記体液中に存在している前記検体の量を定量化するステップをさらに含んでもよい。前記方法はまた、前記生体液中に存在している前記検体の前記量を前記検体の所定の量と比較するステップをさらに含んでもよい。さらに、前記体液中に存在している前記検体の前記量が、統計的に前記所定の量と異なる場合は、医療行為を起こすステップを前記方法に任意に含む。前記医療行為は、かかる被験体のための処方薬を変える必要があることを薬局に通知するステップを伴う。
【0014】
本発明は、治療薬の有効性および/または毒性を評価するために有用な2つ以上の薬理学的パラメーターを測定するためのシステムをさらに提供する。前記システムは通常、a)カートリッジを備える流体デバイスであって、前記カートリッジは少なくとも1つのサンプル収集ユニットおよびアセンブリを備え、前記サンプル収集ユニットは、指標となる複数の検体または前記2つ以上の薬理学的パラメーターを備える体液のサンプルを、前記アッセイアセンブリ内に含有されている反応物質と反応させ、前記反応は、前記体液のサンプルから前記2つ以上の薬理学的パラメーターの前記値を示す検出可能な信号を発生する、流体デバイスと、b)前記検出可能な信号を検出するための検出アセンブリを備える読取機アセンブリと、c)前記検出信号を外部デバイスへ伝送するための通信アセンブリとを備える。
【0015】
本発明はまた、かかるシステムを使用する方法を提供する。一般に、前記方法は、a)前記2つ以上の薬理学的パラメーターをプロファイリングするために、前記医薬品を投与された被験体からの体液のサンプルを流体デバイスに入れるステップであって、前記流体医療デバイスは、カートリッジであって、少なくとも1つのサンプル収集ユニットと、反応試薬を含むアッセイアセンブリとを備えるカートリッジを備える、ステップと、b)前記流体デバイスを作動させ、前記流体デバイス内の前記免疫アッセイ試薬を方向づけるステップと、c)前記体液のサンプルを免疫アッセイ試薬と反応させ、前記サンプルからの前記2つ以上の薬理学的パラメーターの前記値を示す検出可能な信号を発生するステップと、d)前記体液のサンプルから生成される前記検出可能な信号を検出するステップとを伴う。
【0016】
治療薬を伴う医療的処置の患者の薬剤服用順守を自動監視する方法を本発明でさらに提供する。前記方法は、a)前記患者からの体液のサンプルを提供するステップと、b)前記体液のサンプルを流体デバイスでのアッセイ試薬と反応させ、前記医療的処置の薬剤服用順守または薬剤服用不順守を示す検体を検出するステップと、c)前記検体の有無を検出するステップと、d)前記患者または医療実務者に前記薬剤服用順守または薬剤服用不順守を通知するステップとを伴う。
【0017】
個人に合わせた医療的処置を提供する際に臨床医を支援するビジネス方法をさらに含む。前記方法は、a)医薬を受け取る個人から少なくとも1つの薬理学的パラメーターを収集するステップであって、体液のサンプルを流体デバイスに含有されている反応物質に与えることにより開始され、それが前記個人に提供されて前記少なくとも1つの薬理学的パラメーターを示す検出可能な信号を発生する、収集するステップと、b)前記個人のコンピュータ医療記録の補助と前記個人の前記少なくとも1つの薬理学的パラメーターを相互参照することにより、個人に合わせた医療的処置を提供する際に前記臨床医を支援するステップとを伴う。
【0018】
本発明は、治療薬の臨床試験を監視するビジネス方法を提供する。前記方法は通常、a)前記臨床試験において複数の時間間隔で被験体から少なくとも1つの薬理学的パラメーターを収集するステップであって、前記収集するステップは、それぞれの時間間隔で、前記被験体からの体液のサンプルを流体デバイスに含有されている反応物質に与えることにより開始され、前記流体デバイスを前記被験体に提供し、複数の時間間隔で前記少なくとも1つの薬理学的パラメーターの前記値を示す検出可能な信号を発生する、収集するステップと、b)前記検出された値を前記薬理学的パラメーターの所定の閾値と比較するステップと、c)統計的に重大な相違が前記検出された値と前記閾値との間に存在する場合は、前記臨床試験に関与している臨床医および/または治験依頼者に通知するステップとを含む。
【0019】
別の実施態様では、本発明は、実験動物から治療薬の有効性および/または毒性を評価するために有用な薬理学データを獲得するための方法をさらに提供する。前記方法は通常、a)少なくとも1つのサンプル収集ユニットおよびアッセイアセンブリを備える流体デバイスと、前記サンプル収集ユニットおよび/または前記アッセイアセンブリと流体連通している複数のチャネルとを提供するステップと、b)約50μl未満の生体液のサンプルを前記アッセイアセンブリ内に含有されている反応物質と反応させ、薬理学的パラメーターを示す前記サンプル中の最初に収集された検体から生成される検出可能な信号を発生する、ステップと、c)前記検出可能な信号を検出するステップと、d)前記同じ実験動物から生体液の第2のサンプルを使用して前記反応および検出するステップを反復するステップとを伴う。さらにその他の実施態様では、前記方法は、麻酔を受けない実験動物を使用する。
【0020】
本発明は、流体システムを較正する精度を向上させる方法を提供し、a)前記体液を提供するための流体デバイスを備える被験体からの体液中の検体を検出するためのシステムと、較正アセンブリを有する前記流体デバイスと、前記検体の存在を検出するための読取機アセンブリとを提供するステップと、b)前記流体デバイスに関連する較正曲線の1つ以上のパラメーターを測定するステップと、c)前記1つ以上のパラメーターを前記流体デバイスに関連する所定のパラメーターと比較するステップとを含む。本発明はまた、流体システムの前記較正を向上させる方法を提供する。前記方法は、a)検体の既知量を含むオリジナルのサンプルで第1の信号を測定するステップと、b)前記オリジナルのサンプル中の前記検体の既知量を混ぜた後で、第2の信号を測定するステップと、c)目標値が前記検体の前記既知量から予想される信号である場合、前記目標値に対する前記第1および第2の信号との差をプロットするステップと、d)前記目標値と計算された検体値との前記差の平方和を最小限にすることによってパラメーターの最良適合に達するステップとを含む。
【0021】
流体デバイスを用いて体液中の検体のためのアッセイの信頼性を評価する方法を、本発明によってさらに提供し、それは、a)システムを提供するステップであって、前記システムは流体デバイスを備え、前記流体デバイスは、被験体からの体液中の検体の存在を検
出するために、サンプル収集ユニットは、体液のサンプルをアッセイアセンブリ内に含有されている反応物質と反応させる、サンプル収集ユニットおよびアッセイアセンブリと、前記検体の存在を検出するための読取機アセンブリを備える、ステップと、b)センサーにより前記システムが通常動作する動作パラメーターにおける変化を検知するステップとを含む。
【0022】
本発明はまた、被験体における検体の濃度での動向分析を実行する方法を提供する。前記方法は、a)少なくとも1つのサンプル収集ユニット、免疫アッセイ試薬を含有している免疫アッセイアセンブリ、前記サンプル収集ユニットおよび/または前記免疫アッセイアセンブリと流体連通している複数のチャネルを備える流体デバイスを提供するステップと、b)前記流体デバイスを作動させ、前記流体デバイス内の前記免疫アッセイ試薬を方向づけるステップと、c)約500μl未満の体液のサンプルを前記アッセイ免疫アッセイアセンブリ内に含有されている前記免疫アッセイ試薬と反応させ、前記サンプル中の前記検体の存在を示す検出可能な信号を発生するステップと、d)前記体液のサンプル中の収集された前記検体から生成される前記検出可能な信号を検出するステップと、e)前記検体の濃度を検出ために、ある期間にわたって一人の患者のためにステップa)からステップd)を反復することによって前記動向分析を実行するステップとを伴う。
【0023】
本発明は、被験体の生体液中の検体を検出するための装置を提供し、ここでは複数の反応部位は光学バリアを備える。一側面では、少なくとも1つの反応部位での前記結合される反応物質は不規則に分配され、例えば、前記反応部位の中心の周囲に限局される。本発明はまた、かかる装置を使用する方法を提供する。
【0024】
最後に、本発明は、被験体の生体液中の検体を検出するための流体デバイスを製造する方法を提供する。前記方法は、a)流体デバイスの複数の層を提供するステップと、
b)流体ネットワークがサンプル収集ユニットと、少なくとも1つの反応物質チェンバーと、少なくとも1つの反応部位と、少なくとも1つの廃棄チェンバーとの間に存在するように前記層を合わせて超音波溶接するステップとを伴う。
【0025】
対象の発明の実践においては、前記デバイスに含有されている前記反応物質は、免疫アッセイ試薬を含んでもよい。一側面では、前記免疫アッセイ試薬は、細菌、ウイルス、真菌、および原虫から成る群から選択される微生物を検出する。その他の側面では、前記免疫アッセイ試薬は、ポリペプチド糖タンパク質、多糖類、脂質、核酸、およびそれらの組み合わせを検出してもよい。その他の側面では、前記免疫アッセイ試薬は、薬物、薬物代謝産物、疾病を示すバイオマーカー、組織特異的マーカー、および細胞または細胞型に対して特異的なバイオマーカーから成る群から選択される要素を検出する。さらにその他の側面では、前記免疫アッセイは、発光信号、好ましくは化学発光信号を発生する。望ましい場合には、前記対象の流体デバイスは、複数の検体を検出するよう構成することができる。前記複数の検体は、3桁の範囲にわたり検出可能な明確な信号によって識別される。前記検出可能な信号は発光信号であり得、光ルミネッセンス、エレクトロルミネッセンス、化学発光、蛍光発光、リン光を含むがそれらに限定されない。
本発明はまた、以下の項目を提供する。
(項目1)
被験体からの体液中の検体を検出するためのシステムであって、
a)流体デバイスであって、サンプル収集ユニットおよびアッセイアセンブリを備え、該サンプル収集ユニットは、体液のサンプルを、外部デバイスから伝送されるプロトコルに基づき該アッセイアセンブリ内に含有されている反応物質と反応させ、該検体の存在を示す検出可能な信号を発生する、流体デバイスと、
b)該検出可能な信号を検出するための検出アセンブリを備える読取機アセンブリと、
c)該検出信号を該外部デバイスへ伝送するための通信アセンブリと、
を備える、システム。
(項目2)
上記プロトコルは外部デバイスから無線で伝送される、項目1に記載のシステム。
(項目3)
上記流体デバイスは、上記プロトコルの上記伝送の誘因となるよう適合する該流体デバイスの同一性を与える識別子をさらに備える、項目1に記載のシステム。
(項目4)
上記プロトコルは、識別子検出器によって認識可能な上記流体デバイスの上記同一性に依存して変化する、項目1に記載のシステム。
(項目5)
上記体液のサンプルは約500μl未満である、項目1に記載のシステム。
(項目6)
被験体からの体液中の検体を検出するためのシステムであって、
a)流体デバイスであって、サンプル収集ユニットおよびアッセイアセンブリを備え、該サンプル収集ユニットは、500μl未満の体液のサンプルを該アッセイアセンブリ内に含有されている反応物質と反応させ、該体液のサンプル中の収集された該検体の存在を示す検出可能な信号を発生する、流体デバイスと、
b)該検出可能な信号を検出するための検出アセンブリを備える読取機アセンブリと、
c)該検出信号を外部デバイスへ伝送するための通信アセンブリと、
を備える、システム。
(項目7)
上記反応物質は免疫アッセイ試薬を含む、項目1または6に記載のシステム。
(項目8)
上記免疫アッセイ試薬は、細菌、ウイルス、真菌、および原虫から成る群から選択される微生物を検出する、項目7に記載のシステム。
(項目9)
上記免疫アッセイ試薬は、ポリペプチド糖タンパク質、多糖類、脂質、核酸、およびそれらの組み合わせを検出する、項目7に記載のシステム。
(項目10)
上記免疫アッセイ試薬は、薬物、薬物代謝産物、疾病を示すバイオマーカー、組織特異的マーカー、および細胞または細胞型に対して特異的なバイオマーカーから成る群から選択される要素を検出する、項目7に記載のシステム。
(項目11)
上記流体デバイスは複数の検体を検出し、かつ該流体デバイスは、該複数の検体のために免疫アッセイ試薬を備える、項目1または6に記載のシステム。
(項目12)
上記複数の検体は、3桁の範囲にわたり検出可能な明確な信号によって識別される、項目11に記載のシステム。
(項目13)
上記検出可能な信号は発光信号である、項目7に記載のシステム。
(項目14)
上記流体デバイスは、上記体液のサンプルを採取するための極微針をさらに備える、項目1または6に記載のシステム。
(項目15)
被験体の体液中の検体を検出するための方法であって、
a)項目1または6に記載のシステムを提供するステップと、
b)体液のサンプルを上記アッセイアセンブリ内に含有されている上記反応物質と反応させ、該検体の存在を示す検出可能な信号を発生するステップと、
c)該検出可能な信号を検出するステップと、
を含む、方法。
(項目16)
上記体液中に存在している上記検体の量を定量化するステップをさらに含む、項目15に記載の方法。
(項目17)
上記生体液中に存在している上記検体の上記量を上記検体の所定の量と比較するステップをさらに含む、項目16に記載の方法。
(項目18)
上記体液中に存在している上記検体の上記量が、統計的に上記所定の量と異なる場合は、医療行為を起こすステップをさらに含む、項目15に記載の方法。
(項目19)
上記医療行為は、上記被験体のための処方薬を変える必要があることを薬局に通知するステップを含む、項目18に記載の方法。
(項目20)
上記通知は電子的に伝送される、項目19に記載の方法。
(項目21)
上記通知は無線で伝送される、項目19に記載の方法。
(項目22)
上記医療行為は、被験体の治療薬の用量を変えるステップを含む、項目18に記載の方法。
(項目23)
被験体からの体液中の検体を検出する方法であって、
a)少なくとも1つのサンプル収集ユニット、免疫アッセイ試薬を含有している免疫アッセイアセンブリ、該サンプル収集ユニットおよび/または該免疫アッセイアセンブリと流体連通している複数のチャネルを備える流体デバイスを提供するステップと、
b)該流体デバイスを作動させ、該流体デバイス内の該免疫アッセイ試薬を方向づけるステップと、
c)約500μl未満の体液のサンプルを該アッセイ免疫アッセイアセンブリ内に含有されている該免疫アッセイ試薬と反応させ、該サンプル中の該検体の存在を示す検出可能な信号を発生するステップと、
d)該体液のサンプル中の収集された該検体から生成される該検出可能な信号を検出するステップと、
を含む、方法。
(項目24)
上記方向づけるステップは、毛管作用、真空吸引、引っ張り、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される機構によって達成される、項目23に記載の方法。
(項目25)
上記流体デバイスは複数の検体を検出し、かつ該流体デバイスは該複数の検体のために免疫アッセイ試薬を備える、項目23に記載の方法。
(項目26)
上記体液のサンプルおよび上記免疫アッセイ試薬は、上記検出するステップの後も上記流体デバイスにとどまる、項目23に記載の方法。
(項目27)
上記免疫アッセイは薬物動態パラメーターを示す、項目23に記載の方法。
(項目28)
上記免疫アッセイは薬力学的パラメーターを示す、項目23に記載の方法。
(項目29)
上記流体デバイスは、上記信号に関するデータを無線伝送器経由で伝達する、項目23に記載の方法。
(項目30)
無線デバイスは、上記流体デバイスで実施される免疫アッセイプロトコルを転送する、項
目23に記載の方法。
(項目31)
上記免疫アッセイプロトコルは、上記流体デバイスの同一性に依存して変化する、項目23に記載の方法。
(項目32)
上記流体デバイスは識別され、そして該流体デバイスの有効期限が登録される、項目23に記載の方法。
(項目33)
上記免疫アッセイは、疾病マーカー、薬物代謝産物および病原体についてのアッセイである、項目23に記載の方法。
(項目34)
上記検出可能な信号は化学発光信号である、項目23に記載の方法。
(項目35)
上記免疫アッセイ試薬は、アルカリホスファターゼまたは西洋ワサビペルオキシダーゼを含む、項目23に記載の方法。
(項目36)
上記検出可能な信号を上記検出するステップのためにCCDを使用する、項目23に記載の方法。
(項目37)
上記流体デバイスは、少なくとも1つのごみ処理機をさらに備える、項目23に記載の方法。
(項目38)
増幅器と接続されたピンダイオードが、上記検出可能な信号を検出するために使用される、項目23に記載の方法。
(項目39)
上記免疫アッセイアセンブリが、複数の免疫アッセイを備える、項目23に記載の方法。(項目40)
上記流体デバイスは、上記体液のサンプルを採取するために極微針をさらに備える、項目23に記載の方法。
(項目41)
治療薬の有効性および/または毒性を評価するために有用な2つ以上の薬理学的パラメーターを測定するためのシステムであって、
a)カートリッジを備える流体デバイスであって、該カートリッジは少なくとも1つのサンプル収集ユニットおよびアセンブリを備え、該サンプル収集ユニットは、指標となる複数の検体または該2つ以上の薬理学的パラメーターを備える体液のサンプルを、該アッセイアセンブリ内に含有されている反応物質と反応させ、該反応は、該体液のサンプルから該2つ以上の薬理学的パラメーターの値を示す検出可能な信号を発生する、流体デバイスと、
b)該検出可能な信号を検出するための検出アセンブリを備える読取機アセンブリと、
c)該検出信号を外部デバイスへ伝送するための通信アセンブリと、
を備える、システム。
(項目42)
上記流体デバイスは、外部デバイスから伝送されるプロトコルに基づき上記検出可能な信号を発生する、項目41に記載のシステム。
(項目43)
上記プロトコルは無線で伝送される、項目42に記載のシステム。
(項目44)
上記流体デバイスは、上記プロトコルの上記伝送の誘因となるよう適合する該流体デバイスの同一性を与える識別子をさらに備える、項目41に記載のシステム。
(項目45)
上記プロトコルは、識別子検出器によって認識可能な上記流体デバイスの上記同一性に依存して変化する、項目41に記載のシステム。
(項目46)
上記体液のサンプルは約500μl未満である、項目41に記載のシステム。
(項目47)
上記体液のサンプルは、約50μl未満である、項目41に記載のシステム。
(項目48)
上記反応物質は免疫アッセイ試薬を含む、項目41に記載のシステム。
(項目49)
上記免疫アッセイ試薬は、ポリペプチド糖タンパク質、多糖類、脂質、核酸、およびそれらの組み合わせを検出する、項目48に記載のシステム。
(項目50)
上記免疫アッセイ試薬は、薬物、薬物代謝産物、疾病を示すバイオマーカー、組織特異的マーカー、および細胞または細胞型に対して特異的なバイオマーカーから成る群から選択される要素を検出する、項目48に記載のシステム。
(項目51)
上記複数の検体は、3桁の範囲にわたり検出可能な明確な信号によって識別される、項目41に記載のシステム。
(項目52)
上記検出可能な信号は発光信号である、項目41に記載のシステム。
(項目53)
上記検出可能な信号は化学発光信号である、項目41に記載のシステム。
(項目54)
上記流体デバイスは、上記体液のサンプルを採取するための極微針をさらに備える、項目41に記載のシステム。
(項目55)
上記薬理学的パラメーターは薬物動態パラメーターである、項目41に記載のシステム。(項目56)
上記薬理学的パラメーターは薬力学的パラメーターである、項目41に記載のシステム。(項目57)
上記複数の上記検体のうちの少なくとも1つは、薬力学的パラメーターを示すバイオマーカーである、項目41に記載のシステム。
(項目58)
上記複数の上記検体のうちの少なくとも1つは、薬物動態パラメーターを示す上記治療薬または該治療薬の代謝産物である、項目41に記載のシステム。
(項目59)
上記流体デバイスは、上記信号に関するデータを無線伝送器経由で伝達する、項目41に記載のシステム。
(項目60)
上記無線伝送器は携帯電話を備える、項目59に記載のシステム。
(項目61)
治療薬の有効性および/または毒性を評価するために有用な2つ以上の薬理学的パラメーターを測定するための方法であって、
a)該2つ以上の薬理学的パラメーターをプロファイリングするために、該治療薬を投与された被験体からの体液のサンプルを流体デバイスに入れるステップであって、該流体医療デバイスは、
カートリッジであって、少なくとも1つのサンプル収集ユニットと、反応試薬を含むアッセイアセンブリとを備える、ステップと、
b)該流体デバイスを作動させ、該流体デバイス内の該免疫アッセイ試薬を方向づけるステップと、
c)該体液のサンプルを免疫アッセイ試薬と反応させ、該サンプルからの該2つ以上の薬理学的パラメーターの値を示す検出可能な信号を発生するステップと、
d)該体液のサンプルから生成される該検出可能な信号を検出するステップと、
を含む、方法。
(項目62)
上記被験体に伝達される無線信号によって促進される時間間隔で(a)〜(d)の上記ステップを反復するステップをさらに含む、項目61に記載の方法。
(項目63)
上記2つ以上の薬理学的パラメーターは、上記治療薬の有効性および/または毒性を評価するのに有用な薬物動態指標および薬力学指標の両方を含む、項目61に記載の方法。
(項目64)
上記薬理学的パラメーターは薬物動態指標である、項目61に記載の方法。
(項目65)
上記薬理学的パラメーターは薬力学指標である、項目61に記載の方法。
(項目66)
上記薬理学的パラメーターは上記治療薬の濃度によって反映される、項目61に記載の方法。
(項目67)
上記薬理学的パラメーターは上記治療薬の代謝産物の濃度によって反映される、項目61に記載の方法。
(項目68)
上記薬理学的パラメーターは、上記治療薬によって直接的または間接的に作用されるバイオマーカーによって反映される、項目61に記載の方法。
(項目69)
上記薬理学的パラメーターは、上記治療薬に対する副作用を表示するバイオマーカーによって反映される、項目61に記載の方法。
(項目70)
治療薬を伴う医療的処置の患者の薬剤服用順守を自動監視するための方法であって、
a)該患者からの体液のサンプルを提供するステップと、
b)該体液のサンプルを流体デバイスでのアッセイ試薬と反応させ、該医療的処置の薬剤服用順守または薬剤服用不順守を示す検体を検出するステップと、
c)該検体の有無を検出するステップと、
d)該患者または医療実務者に該薬剤服用順守または薬剤服用不順守を通知するステップと、
を含む、方法。
(項目71)
上記流体デバイスは、
サンプル収集ユニットおよびアッセイアセンブリであって、該サンプル収集ユニットは、該体液のサンプルを外部デバイスから伝送されるプロトコルに基づき該アッセイアセンブリ内に含有されている反応物質と反応させ、上記検体の存在を示す検出可能な信号を発生する、サンプル収集ユニットおよびアッセイアセンブリと、
該検出可能な信号を検出するための検出アセンブリを備える読取機アセンブリと、
該検出信号を外部デバイスへ伝送するための通信アセンブリと
を備える、項目70に記載の方法。
(項目72)
上記信号と、上記医療的処置と関連することが知られているプロファイルとを自動的に比較する上記ステップをさらに含み、上記患者が該医療的処置を順守しているか、または順守していないかどうかを決定する、項目71に記載の方法。
(項目73)
上記通知は電子的に伝送される、項目70に記載の方法。
(項目74)
上記通知は無線で伝送される、項目70に記載の方法。
(項目75)
上記通知は携帯端末経由で伝送される、項目70の記載に方法。
(項目76)
上記体液のサンプルは約500μl未満である、項目70に記載の方法。
(項目77)
上記反応物質は免疫アッセイ試薬を含む、項目70に記載の方法。
(項目78)
上記検出可能な信号は発光信号である、項目71に記載の方法。
(項目79)
上記検出可能な信号は化学発光信号である、項目71に記載の方法。
(項目80)
流体デバイスを使用して体液のサンプルを検査するよう患者に警告する方法であって、
a)該流体デバイスで実施される、外部デバイスに位置しているプロトコルを提供するステップであって、該プロトコルは、該患者に関連付けられ、かつ該体液のサンプルを検査する時間および/または日付を含む、ステップと、
b)該サンプルがまだ検査されていなければ、該時間および/または日付で該体液を検査するよう該患者に通知するステップと、
を含む、方法。
(項目81)
上記流体デバイスは、
サンプル収集ユニットおよびアッセイアセンブリであって、該サンプル収集ユニットは、上記体液のサンプルを外部デバイスから伝送されるプロトコルに基づき該アッセイアセンブリ内に含有されている反応物質と反応させ、上記検体の存在を示す検出可能な信号を発生する、サンプル収集ユニットおよびアッセイアセンブリと、
該検出可能な信号を検出するための検出アセンブリを備える読取機アセンブリと、
該検出信号を外部デバイスへ伝送するための通信アセンブリと
を備える、項目80に記載の方法。
(項目82)
上記通知は電子的に伝送される、項目81に記載の方法。
(項目83)
上記通知は無線で伝送される、項目80に記載の方法。
(項目84)
上記通知は携帯端末経由で伝送される、項目80に記載の方法。
(項目85)
上記体液のサンプルは約500μl未満である、項目80に記載の方法。
(項目86)
上記反応物質は免疫アッセイ試薬を含む、項目80に記載の方法。
(項目87)
上記検出可能な信号は発光信号である、項目81に記載の方法。
(項目88)
個人に合わせた医療的処置を提供する際に臨床医を支援するビジネス方法であって、
a)医薬を受け取る個人から少なくとも1つの薬理学的パラメーターを収集するステップであって、体液のサンプルを流体デバイスに含有されている反応物質に与えることにより開始され、それが該個人に提供されて該少なくとも1つの薬理学的パラメーターを示す検出可能な信号を発生する、収集するステップと、
b)該個人のコンピュータ医療記録の補助と該個人の該少なくとも1つの薬理学的パラメーターを相互参照することにより、個人に合わせた医療的処置を提供する際に該臨床医を支援するステップと、
を含む、ビジネス方法。
(項目89)
上記薬理学的パラメーターは薬物動態パラメーターである、項目88に記載のビジネス方法。
(項目90)
上記薬理学的パラメーターは薬力学的パラメーターである、項目88に記載のビジネス方法。
(項目91)
上記反応物質は免疫アッセイ試薬を含む、項目88に記載のビジネス方法。
(項目92)
治療薬の臨床試験を監視するビジネス方法であって、
a)上記臨床試験において複数の時間間隔で被験体から少なくとも1つの薬理学的パラメーターを収集するステップであって、該収集するステップは、それぞれの時間間隔で、該被験体からの体液のサンプルを流体デバイスに含有されている反応物質に与えることにより開始され、該流体デバイスを該被験体に提供し、複数の時間間隔で該少なくとも1つの薬理学的パラメーターの値を示す検出可能な信号を発生する、収集するステップと、
b)該検出された値を該薬理学的パラメーターの所定の閾値と比較するステップと、
c)統計的に重大な相違が該検出された値と該閾値との間に存在する場合は、該臨床試験に関与している臨床医および/または治験依頼者に通知するステップと、
を含む、ビジネス方法。
(項目93)
上記統計的に重大な相違に基づき医療行為を起こすステップをさらに含む、項目92に記載のビジネス方法。
(項目94)
上記医療行為は上記治療薬の用量を調整するステップを伴う、項目93に記載のビジネス方法。
(項目95)
上記臨床試験を継続、修正または終了するステップを伴うビジネス決定を行うステップをさらに含む、項目92に記載のビジネス方法。
(項目96)
上記流体デバイスは、
サンプル収集ユニットおよびアッセイアセンブリであって、該サンプル収集ユニットは、上記体液のサンプルを外部デバイスから伝送されるプロトコルに基づき該アッセイアセンブリ内に含有されている反応物質と反応させ、上記検出可能な信号を発生する、サンプル収集ユニットおよびアッセイアセンブリと、
該検出可能な信号を検出するための検出アセンブリを備える読取機アセンブリと、
該検出信号を外部デバイスへ伝送するための通信アセンブリと
を備える、項目92に記載のビジネス方法。
(項目97)
上記反応物質は免疫アッセイ試薬を含む、項目92に記載のビジネス方法。
(項目98)
治療薬の有効性および/または毒性を実験動物から評価するために有用な薬理学データを獲得するための方法であって、
a)少なくとも1つのサンプル収集ユニットおよびアッセイアセンブリを備える流体デバイスと、該サンプル収集ユニットおよび/または該アッセイアセンブリと流体連通している複数のチャネルとを提供するステップと、
b)約50μl未満の生体液のサンプルを該アッセイアセンブリ内に含有されている反応物質と反応させ、薬理学的パラメーターを示す該サンプル中の最初に収集された検体から生成される検出可能な信号を発生する、ステップと、
c)該検出可能な信号を検出するステップと、
d)同じ実験動物から生体液の第2のサンプルを使用して該反応および検出するステップを反復するステップと、
を含む、方法。
(項目99)
治療薬の有効性および/または毒性を実験動物から評価するのに有用な薬理学データを採取する方法であって、
a)少なくとも1つのサンプル収集ユニット、アッセイアセンブリを備える流体デバイスと、該サンプル収集ユニットおよび/または該アッセイアセンブリと流体連通している複数のチャネルを提供するステップと、
b)生体液のサンプルを、該アッセイアセンブリ内に含有されている反応物質と反応させ、薬理学的パラメーターを示す該サンプル中の最初に収集された検体から生成される検出可能な信号を発生するステップと、
c)該検出可能な信号を検出するステップと、
d)該動物が麻酔を受けていない場合、同じ実験動物から生体液の第2のサンプルを使用して該反応および検出するステップを反復するステップと、
を含む、方法。
(項目100)
上記流体デバイスは、
サンプル収集ユニットおよびアッセイアセンブリであって、該サンプル収集ユニットは、上記体液のサンプルを外部デバイスから伝送されるプロトコルに基づき該アッセイアセンブリ内に含有されている反応物質と反応させ、上記検体の存在を示す上記検出可能な信号を発生する、サンプル収集ユニットおよびアッセイアセンブリと、
該検出可能な信号を検出するための検出アセンブリを備える読取機アセンブリと、
該検出信号を外部デバイスへ伝送するための通信アセンブリと
を備える、項目98または99に記載の方法。
(項目101)
上記流体デバイスは、外部デバイスから伝送されるプロトコルに基づき上記アッセイアセンブリ含有されている上記反応物質を充てる、項目100に記載の方法。
(項目102)
上記プロトコルは外部デバイスから無線で伝送される、項目100に記載の方法。
(項目103)
上記流体デバイスは、上記プロトコルの上記伝送の誘因となるよう適合する該流体デバイスの同一性を与える識別子をさらに備える、項目100に記載の方法。
(項目104)
上記プロトコルは、識別子検出器によって認識可能な上記流体デバイスの上記同一性に依存して変化する、項目100に記載の方法。
(項目105)
上記反応物質は免疫アッセイ試薬を含む、項目100に記載の方法。
(項目106)
上記免疫アッセイ試薬は、ポリペプチド糖タンパク質、多糖類、脂質、核酸、およびそれらの組み合わせを検出する、項目105に記載の方法。
(項目107)
上記免疫アッセイ試薬は、薬物、薬物代謝産物、疾病を示すバイオマーカー、組織特異的マーカー、および細胞または細胞型に対して特異的なバイオマーカーから成る群から選択される要素を検出する、項目105に記載の方法。
(項目108)
上記バイオマーカーは表4に示す要素である、項目105に記載の方法。
(項目109)
上記流体デバイスは複数の検体を検出し、かつ該流体デバイスは該複数の検体のための免疫アッセイ試薬を備える、項目100に記載の方法。
(項目110)
上記複数の検体は、3桁の範囲にわたり検出可能な明確な信号によって識別される、項目100に記載の方法。
(項目111)
上記検出可能な信号は発光信号である、項目100に記載の方法。
(項目112)
上記流体デバイスは、上記体液のサンプルを採取するために極微針をさらに備える、項目100に記載の方法。
(項目113)
上記生体液のサンプルは、約10マイクロリットル未満である、項目100に記載の方法。
(項目114)
上記生体液のサンプルは約5マイクロリットル未満である、項目100に記載の方法。
(項目115)
上記生体液のサンプルは約5マイクロリットルと約10マイクロリットルとの間である、項目100に記載の方法。
(項目116)
上記薬理学データは薬物動態および/または薬力学的パラメーターを含む、項目100に記載の方法。
(項目117)
流体システムを較正する精度を向上させる方法であって、
a)体液を提供するための流体デバイスを備える、被験体からの該体液中の検体を検出するためのシステムを提供するステップであって、該流体デバイスは、較正アセンブリと、該検体の存在を検出するための読取機アセンブリとを有する、ステップと、
b)該流体デバイスに関連する較正曲線の1つ以上のパラメーターを測定するステップと、
c)該1つ以上のパラメーターを該流体デバイスに関連する所定のパラメーターと比較するステップと、
d)該1つ以上のパラメーターおよび該所定のパラメーターの比率によって信号出力を調整するステップと、
を含む、方法。
(項目118)
流体システムの較正を向上させる方法であって、
a)検体の既知量を含むオリジナルのサンプルで第1の信号を測定するステップと、
b)該オリジナルのサンプル中の該検体の既知量を混ぜた後で、第2の信号を測定するステップと、
c)目標値が該検体の該既知量から予想される信号である場合、該目標値に対する該第1および第2の信号との差をプロットするステップと、
d)該目標値と計算された検体値との該差の平方和を最小限にすることによって、パラメーターの最良適合に達するステップと、
を含む、方法。
(項目119)
流体デバイスを用いて体液中の検体のためのアッセイの信頼性を評価する方法であって、a)システムを提供するステップであって、該システムは流体デバイスを備え、該流体デバイスは、被験体からの体液中の検体の存在を検出するために、サンプル収集ユニットおよびアッセイアセンブリと、上記検体の存在を検出するための読取機アセンブリとを備え、該サンプル収集ユニットは、体液のサンプルを該アッセイアセンブリ内に含有されている反応物質と反応させる、ステップと、
b)センサーにより、該システムが通常動作する動作パラメーターにおける変化を検知するステップと、
を含む、方法。
(項目120)
被験体の生体液中の検体を検出するための装置であって、
a)複数の反応部位と流体連通している生体液を導入するためのサンプル収集ユニットと、
b)該反応部位と流体連通している複数の反応物質を運ぶ複数の反応物質チェンバーであって、該複数の反応部位は該検体を検出するためにそこに結合される複数の反応物質を含んでいる、複数の反応物質チェンバーと、
c)該生体液および該複数の反応物質を、該装置に流れさせる流体チャネルのシステムであって、該複数の反応部位の間に位置している少なくとも1つのチャネルは光学バリアを備え、該検体の検出の間に該複数の該反応部位の間の光クロストークの量を軽減するシステムと、
を備える、装置。
(項目121)
被験体の生体液中の検体を検出するための装置であって、
a)複数の反応部位と流体連通している生体液を導入するためのサンプル収集ユニットであって、該複数の反応部位は、該検体を検出するための複数の結合された反応物質を含むサンプル収集ユニットと、
b)該反応部位と流体連通している複数の反応物質を運ぶ複数の反応物質チェンバーと、c)該生体液および該複数の反応物質を該装置に流れさせる流体チャネルのシステムであって、少なくとも1つの反応部位での該結合された反応物質が不規則に分配されるシステムと、
を備える、装置。
(項目122)
被験体の生体液中の検体を検出するための流体デバイスを製造する方法であって、
a)流体デバイスの複数の層を提供するステップと、
b)流体ネットワークがサンプル収集ユニットと、少なくとも1つの反応物質チェンバーと、少なくとも1つの反応部位と、少なくとも1つの廃棄チェンバーとの間に存在するように該層を合わせて超音波溶接するステップと、
を含む、方法。
【0026】
(参照としての援用)
本明細書に言及するすべての公開および特許出願は、それぞれ個々の公開または特許出願が、参照することによって組み込まれるよう明確に、または個別に表示するとの同じ程度まで、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明の新しい特長は、添付の特許請求の範囲に詳細を説明する。本発明の原理を利用する説明に役立つ実施態様、および以下の添付図面を説明する以下の詳細な説明を参照することによって、本発明の特長および有利性のより深い理解が得られるであろう。
【図1】図1は、本システムの複数の構成要素を示す一実施態様である。
【図2】図2は、アセンブリの前の例となる流体デバイスの異なる層を示す。
【図3】図3は、例となる流体デバイス内の流体ネットワークを例示する。
【図4】図4は、例となる流体デバイス内の流体ネットワークを例示する。
【図5】図5は、本発明の例となる試薬チェンバーの上面図、側面図、および下面図を示す。
【図6】図6は、流体デバイスと流体連通している試薬チェンバーの例となる側面図を例示する。
【図7】図7は、試薬を充填された例となる試薬チェンバーを例示する。
【図8】図8は、読取機アセンブリの作動要素との組み合わせである例となる流体デバイスの側面図を例示する。
【図9】図9は、読取機アセンブリの作動要素との組み合わせである例となる流体デバイスの側面図を例示する。
【図10】図10は、二段階アッセイと競合的結合アッセイを比較する。
【図11】図11は、例となる二段階化学発光酵素免疫アッセイを示す。
【図12】図12は、二段階化学発光酵素免疫アッセイの感受性の向上を示す。
【図13】図13は、理想的とは言えないサンプルのアッセイを行い、望ましい感受性を維持するTOSCAの能力を示す。
【図14】図14A〜図14Cは、反応部位の間の例となる流体チャネルを例示する。
【図15】図15Aおよび図15Bは、反応部位にとどまる分離複合体からの信号を低減する反応部位を例示する。
【図16】図16は、気泡が反応部位に入るのを阻止する例となる気泡捕捉器または気泡除去器を示す。
【図17】図17は、競合的結合と比較して、TOSCAを使用して達成された感受性上昇を示す。
【図18】図18は、識別および定量化されていて、それらの濃度が3桁より大きく異なる2つの検体、プロスタサイクリン代謝産物およびトロンボキサン代謝産物を示す。
【図19】図19は、治療薬の臨床試験を監視するビジネス方法の例となるフローチャートを示す。
【図20】図20は、様々な関係者と流体デバイスにより検出された情報の同時共有を示す。
【図21】図21は、TxB2のための二段階アッセイの一般的なアッセイ用量反応データを示す。
【図22】図22は、較正パラメーターにおいて誤差ありおよび誤差なしで算出された用量反応を示す。
【図23】図23は、AおよびD較正値の1%誤った見積もりによって生成される算出濃度誤差を示す。
【図24】図24は、「微分」アプローチを使用した較正を例示する。
【図25】図25は、「1ポイントスパイク」方法を使用して較正の検証を示す(対数スケール)。
【図26】図26は、「1ポイントスパイク」方法を使用して較正の検証を示す(リニアスケール)。
【図27】図27は、非常に低いTxB2濃度の血漿サンプルに対して較正されたアッセイの用量反応を示す。
【図28】図28は、「C」パラメーターの較正誤差を排除するためのスパイク回収の使用を示す。
【図29】図29は、2つのサンプルの濃度の差異の計算を例示する。
【図30】図30は、血漿サンプルのアッセイを例示する。
【図31】図31は、アッセイ信号生成の経時変化を示す。
【図32】図32は、アッセイ較正での較正パラメーター「A」における変化の影響を示す。
【図33】図33は、基準治療指数をいかに算出するかを示す。
【図34】図34は、治療指数の算出を例示する。
【図35】図35は、算出治療指数の重回帰分析を示す。
【図36】図36は、測定薬物、検体とバイオマーカー濃度ならびに治療指数との関係の例示である。
【図37】図37は、薬物有害反応を最低限にする本発明の適用の例示である。
【図38】図38は、例となる患者入力値を示す。
【図39】図39は、自閉症患者における治療経過をたどる治療指数の使用を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(発明の詳細な説明)
システム
本発明の一側面は、体液のサンプル中の検体を検出するためのシステムである。システムは、特異の生物過程、生理学的状態、疾患または疾患の期に関連する検体を検出および/または定量化することができる。
【0029】
被験体システムは、1つ以上の以下の構成要素:サンプル収集ユニット、アッセイアセンブリ、読取機アセンブリ、および通信アセンブリを有する流体デバイスを備える。通常、サンプル収集ユニットは、被験体から収集された体液のサンプルを、当該の検体の存在を示す信号を発生するためにアッセイアセンブリ内に含有されている反応物質と反応させることができる。読取機アセンブリは信号を検出し、次いでそれはさらなる処理のために通信アセンブリ経由で外部デバイスへ伝送される。
【0030】
当該の検体を含有すると疑われる体液はいずれも、被験体システムまたはデバイスと併せて使用することができる。一般に用いられる体液は、血液,血清,唾液,尿,胃液および消化液、涙液、便、精液、膣液、腫瘍性組織から抽出される間質液、ならびに脳脊髄液を含むが、これらに限定されない。好ましい実施態様では、体液は、さらに処理することなく被験体流体デバイスによって、そこに存在している検体を検出するために直接使用される。しかしながら、望ましい場合には、体液は、被験体流体デバイスによる分析を実行する前に、前処理を行うことができる。前処理の選択は、使用する体液の型および/または調査中の検体の性質によって決まるものである。例えば、検体が体液のサンプル中に低濃度で存在している場合には、検体の濃度を高めるために従来のどんな手段によってでもサンプルを濃縮することができる。検体を濃縮する方法は、乾燥、蒸発、遠心分離、沈殿、沈降、および増幅を含むが、これらに限定されない。検体が核酸である場合には、Sambrookら(「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」)に説明している手順に従い様々な溶菌酵素または化学溶液を使用して、または製造業者による付属使用説明書に従い核酸結合樹脂を使用して抽出することができる。検体が細胞上またはその内側に存在している分子である場合には、SDSなどの変性洗浄剤またはテシット(thesit)などの非変性洗浄剤、ナトリウムデオキシレート(sodium deoxylate)、トリトンX−100、およびトゥイーン−20を含むがこれらに限定されない溶解剤を使用して抽出を行うことができる。
【0031】
本発明の流体デバイスによって使用される体液の容積は、略約500マイクロリットル未満であり、通常約1から100マイクロリットルの間である。望ましい場合には、1から50マイクロリットルまたは1から10マイクロリットルのサンプルが、被験体流体デバイスを使用して検体を検出するために使用することができる。
【0032】
体液は患者から採取し、ランセットによる切開、注射、またはピペットを含むがそれらに限定されない様々な方法で流体デバイスに入れてもよい。一実施態様では、ランセットは皮膚を穿刺し、例えば、重力、毛管作用、吸引、または真空力を使用してサンプルを流体デバイスに引き入れる。ランセットは、流体デバイスの一部、または読取機アセンブリの一部、または独立型構成要素であってもよい。必要な場合には、ランセットは、様々な機械的、電気的、電気機械的、もしくは知られている他のどんな活性化機構またはかかる方法のどの組み合わせによってでも活性化してもよい。その他の実施態様では、能動機構が必要とされない場合は、患者は、例えば、唾液サンプルで行うことができるように、体液を流体デバイスに単に提供することができる。収集された流体は、流体デバイス内のサンプル収集ユニットに取り付けることができる。さらに他の実施態様では、流体デバイスは、皮膚を穿刺する少なくとも1つの極微針を備える。極微針は流体デバイスだけと一緒
に使用することができ、または流体デバイスを読取機アセンブリに挿入した後に皮膚を穿刺することができる。
【0033】
いくつかの実施態様では、極微針は、人毛ぐらいの大きさであり、統合マイクロ容器またはキュベットを有する。極微針は、無痛で皮膚を貫通し、少量の血液サンプルを採取してもよい。さらに好ましくは、極微針は約0.01から約1マイクロリットル、好ましくは約0.05から約0.5マイクロリットル、より好ましくは約0.1から約0.3マイクロリットルの毛細管血を採取する。いくつかの実施態様では、極微針はシリコンから作ってもよく、直径約10から約200ミクロン、好ましくは直径約50から約150ミクロン、最も好ましくは直径約100ミクロンであり、皮膚への穿刺を事実上無痛にする。針が毛細血管を実際に突き当てることを確実にするために、サンプル採取に複数の極微針を使用してもよい。かかる極微針は、Pelikan(Palo Alto、カリフォルニア)および/またはKumetrix(Union City、カリフォルニア)によって販売されている型で作ってもよい。米国特許6,503,231号は、本発明に使用してもよい極微針を開示している。
【0034】
本明細書に開示されている極微針を作るのに使用してもよい微細加工プロセスは、リソグラフィー;湿式化学、乾燥、およびフォトレジスト除去などのエッチング技術;シリコンの熱酸化;電気メッキおよび化学メッキ;ホウ素、リン、ヒ素、およびアンチモン拡散などの拡散処理;イオンインプランテーション;蒸発(フィラメント、電子ビーム、閃光、ならびにシャドーイングおよびステップカバレジ)などの膜蒸着、スパッタリング、化学気相蒸着(CVD)、エピタキシー(気相、液相、および分子線)、電気メッキ、スクリーン印刷、およびラミネート加工を含むがそれらに限定されない。Jaeger、Introduction to Microelectronic Fabrication(Addison−Wesley Publishing Co.,Reading Mass.1988);Runyanら、Semiconductor Integrated Circuit Processing Technology (Addison−Wesley Publishing Co.、Reading Mass.1990);Proceedings of the IEEE Micro Electro Mechanical Systems Conference1987−1998;Rai−Choudhury編集,Handbook of Microlithography,Micromachining & Microfabrication (SPIE Optical Engineering Press,Bellingham,Wash.1997)を一般に参照されたい。あるいは、極微針はシリコンウエハーで鋳造し、次いでニッケル、金、チタニウムまたは他の様々な生体適合性金属を使用した従来の ワイヤー切断技術を用いてめっきしてもよい。いくつかの実施態様では、極微針は生体高分子から創出することができる。いくつかの実施態様では、Mukerjeeら、Sensors and Actuators A: Physical、114巻、2〜3号、2004年9月1日、頁267〜275の方法に従って極微針を加工し、請求の範囲に記載されているデバイスに使用してもよい。
【0035】
好ましい実施態様では、極微針は1度だけ使用し、次いで廃棄される。いくつかの実施態様では、機械的アクチュエータは挿入し、患者から極微針を抜き、使用した針を廃棄し、新しい極微針を再び付けることができる。微細な椎間板のために超高容量に開発および製造された機械的技術は、一式の類似した動きおよび低価格要求を有する。好ましい実施態様では、アクチュエータは、半導体に似たバッチ処理を使用して加工されたMEMS(微小電気機械システム)デバイスである。かかるアクチュエータは、ニッケルチタニウム合金、ニューマチック、または圧電性物質デバイスを含むがそれらに限定されない。いくつかの実施態様では、極微針は、厚さ約1ミクロンから約10ミクロン、好ましくは厚さ約2ミクロンから約6ミクロン、最も好ましくは厚さ約4ミクロンである。いくつかの実
施態様では、極微針は、長さ約10ミクロンから約100ミクロン、好ましくは長さ約30ミクロンから約60ミクロン、最も好ましくは長さ約40ミクロンである。
【0036】
図1は、本発明の例となるシステムを例示する。例示するように、流体デバイスは患者からの体液を提供し、読取機アセンブリに挿入することができる。流体デバイスは様々な構成にされてもよく、いくつかの実施態様では、流体デバイスはカートリッジの形状であってもよい。識別子(ID)検出器は、識別子を流体デバイスで検出してもよい。識別子検出器は、識別子を外部デバイスへ伝送する制御器経由で通信アセンブリと伝達する。望ましい場合には、外部デバイスは、識別子に基づき、外部デバイスに保存されているプロトコルを通信アセンブリに送信する。流体デバイスで実施されるプロトコルは、読取機アセンブリの制御器に対する指示を含み、実施される特定のアッセイおよび実行される検出方法を含むがそれらに限定されない、流体デバイスでのプロトコルを実行してもよい。ひとたびアッセイを流体デバイスで実行すると、体液サンプル内の検体を示す信号が生成され、検出アセンブリによって検出される。次いで検出信号は通信アセンブリへ伝達されてもよく、ここではそれは、サンプル内の検体濃度の計算を含むがそれに限定れない処理のために外部デバイスへ伝送することができる。
【0037】
図2は、以下により詳細に開示する流体デバイスを組み立てる前の、本発明による流体デバイスの例となる層を例示する。図3および図4は、デバイスを組み立てた後の例となる流体デバイスの上面図および下面図をそれぞれ示す。異なる層は、三次元の流体チャネルネットワークを形成するよう設計し、組み立てる。サンプル収集ユニット4は、患者からの体液のサンプルを提供する。以下にさらに詳細に説明するように、読取機アセンブリは、流体デバイスでの体液サンプルおよびアッセイ試薬の流れを開始し、方向付けるよう流体デバイスを作動させることができる作動要素(図示せず)を備える。いくつかの実施態様では、作動要素は最初に、サンプル収集ユニット4から反応部位6へ流体デバイス2でのサンプルの流れを起こし、G’地点からG地点へ、次いで廃棄チェンバー8へ流体デバイス内の上方へサンプルを移動させる。作動要素は次に、サンプルと同じ方法で、試薬チェンバー10からB’地点、C’地点、およびD’地点へ、次いでそれぞれ上方のB地点、C地点、およびD地点へ、それからA地点へ、下方のA’地点へ、次いで廃棄チェンバー8へ試薬の流れを開始する。
【0038】
流体デバイス2でのサンプル収集ユニット4は、上述の方法のいずれによってでも、患者からの体液サンプルを提供してもよい。必要ならば、サンプルは最初に、希釈チェンバーで体液を希釈して処理してもよく、および/またはろ過チェンバーで赤血球から血漿を分離してろ過してもよい。いくつかの実施態様では、サンプル収集ユニット、希釈チェンバー、およびろ過チェンバーは同じ構成要素であってもよく、またいくつかの実施態様では、それらは異なる構成要素であってもよく、または任意の2つが同じ構成要素で、別のものが別個の構成要素であってもよい。いくつかの実施態様では、流体デバイスには2つ以上のサンプル収集ユニットがあってもよい。
【0039】
いくつかの実施態様では、細胞表面上、細胞膜内部、または細胞の内側に検体の存在を検出することが望ましい。かかる検体を検出するのが困難であるのは、細胞および他の有形成分が微粒子であり、細胞の構成要素が、溶液中の検体で行うよう設計されている従来のアッセイ化学と容易に相互作用しないからである。細胞表面の検体は、ゆっくり非効率的に表面結合プローブと反応し、また細胞の内側の検体は、結合プローブと全く反応することができない。かかる検体の検出を可能にするために、いくつかの実施態様では、流体デバイスは、体液サンプル中に存在している細胞を溶解させるための溶解アセンブリを含んでもよい。溶解アセンブリは、サンプル収集ユニット、希釈チェンバー、および/またはろ過チェンバーに組み込んでもよい。いくつかの実施態様では、サンプル収集ユニット、希釈チェンバー、溶解構成要素は、流体デバイスでの同じ要素内にある。いくつかの実
施態様では、溶解構成要素は、以下に説明するアッセイ試薬に組み込んでもよい。
【0040】
望ましい場合には,溶解剤は、多孔マット、ガラス繊維マット、Porexなどの焼結ガラス原料または粒子、紙、または類似している他の材料に浸透させ、次いで乾燥してもよい。溶解剤は、平面の上で乾燥してもよい。溶解剤はまた、液体賦形剤または他の液体試薬に溶解してもよい。好ましい実施態様では、非常に安定していると思われる乾燥形状で溶解剤を保存することができるので、多孔質材は溶解剤を保存するのに使用される。サンプルは多孔質材を進むので、サンプル用に蛇行経路を設けることによって、多孔質材はまた、体液サンプルと溶解剤との混合を容易にする。好ましい実施態様では、かかる多孔質材は、厚さよりも大きな直径を有する円盤形である。いくつかの実施態様では、溶解剤は、凍結乾燥、受身蒸発、温暖乾燥流動気体への暴露、または知られている他の方法を使用して多孔質材の上に乾燥してもよい。
【0041】
様々な溶解剤が当技術分野において利用でき、被験体流体デバイスに関連して使用するのに適切である。好ましい溶解剤は、非変性洗浄剤など変性させないものである。限定されない非変性洗浄剤の例は、テシット(thesit)、ナトリウムデオキシレート(sodium deoxylate)、トリトンX−100、およびトゥイーン−20を含む。薬剤を固形多孔質材に浸透させる実施態様では、薬剤は非揮発性が好ましい。いくつかの実施態様では、溶解剤は混合される。他の材料は、溶解剤と混合して溶解効力を加減してもよい。かかる例となる材料は、緩衝剤、塩、およびタンパク質であってもよいが、それらに限定されない。好ましい実施態様では、溶解剤は、細胞を溶解させるのに必要な最小量を上回る量で使用されることになる。いくつかの実施態様では、白血球および赤血球のどちらも溶解させることができる溶解剤を使用することになる。
【0042】
本発明の有利性の1つは、本発明による流体デバイスでアッセイを実行するのに必要などんな試薬も好ましくは、アッセイの前、間、および後に流体デバイス上にある、または内臓されていることである。このようにして、流体デバイスからの唯一の注入口または注出口は好ましくは、流体デバイスによって最初に提供される体液サンプルである。すべての流体または液体がデバイスにとどまる場合には、この設計はまた、使い捨ての流体デバイスの作成に役立つ。デバイス上の設計はまた、流体デバイスから質が低下することなく維持されるように、流体デバイスから読取機アセンブリへの漏出を防止する。
【0043】
好ましい実施態様では、少なくとも1つの試薬チェンバーがある。いくつかの実施態様では、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、もしくはそれ以上、または本発明の目的を達成ために必要とされる試薬チェンバーはいくつあってもよい。試薬チェンバーは好ましくは、少なくとも1つの反応部位と流体連通していて、流体デバイスが本明細書に説明するよう作動される場合には、前記試薬チェンバーに含有されている試薬は、流体デバイス内の流体チャネルに放出される。
【0044】
本発明による試薬は、洗浄緩衝剤、酵素基質、希釈緩衝剤、複合体、酵素標識複合体、DNA増幅器、サンプル希釈、洗浄溶液、洗浄剤などの添加剤を含むサンプル前処理試薬、ポリマー、キレート剤、アルブミン結合試薬、酵素阻害薬、酵素、抗凝固剤、赤血球凝集剤、抗体、または流体デバイスでアッセイを実施するのに必要な他の材料を含むがそれらに限定されない。酵素複合体は、適切な基質と反応した時点で、検出可能な信号を発生することができる酵素で標識されたポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体のどちらかであり得る。かかる酵素の限定されない例は、アルカリホスファターゼおよび西洋ワサビペルオキシダーゼである。いくつかの実施態様では、試薬は免疫アッセイ試薬を含む。
【0045】
いくつかの実施態様では、試薬チェンバーは、近似的に約50μlから約1mlの流体
を含有する。いくつかの実施態様では、チェンバーは約100μlの流体を含有してもよい。試薬チェンバーでの液体の容積は、実施されるアッセイの種類および提供される体液のサンプルによって変化してもよい。いくつかの実施態様では、試薬は最初に乾燥状態で保存し、流体デバイスで実施されるアッセイが開始される時点で液化する。
【0046】
図5および図6は、密封試薬チェンバーの例となる実施態様を例示する。図5は、試薬チェンバーの上面図、側面図、および下面図を示す。最上層11は、複数の気泡または小袋13を含む。下端層15は、図6に示すように、流体デバイス基部17に接合される底面を有する。下端層15は、表面全体を通り分散する複数の流体チャネル19を有し、ここでそれぞれのチャネルは下端層15を縦走する。試薬チェンバー内流体は、流体チャネル19とチェンバー13との間の破裂可能な封印21を圧することによりチェンバーに封じ込める。所定の圧力で封印は破裂し、チェンバー13内の流体が流体チャネル19へ流出できるよう破裂可能な封印21は設計される。
【0047】
図7は、例えば、試薬で試薬チェンバー13を充填する例となる工程を示す。試薬チェンバー13は、充填チャネルおよび真空吸引チャネルを使用して流体で充填してもよい。試薬を充填する工程は、最初にすべての空気をチェンバーから除去することを伴う。これは、真空吸引チャネルを通して真空吸引することにより行う。ひとたび真空吸引すると、永続的な封印が充填チャネルと真空吸引チャネルとの間に取り付けられる。次に、所要の試薬は、充填チャネルを通してチェンバーに分注する。次いで後永続的な封印が、チェンバーと充填チャネルとの間に取り付けられる。これは、チェンバーが圧縮される場合には、流体が破裂可能な封印に向かって一方向にだけ流れることができることを確実にする。圧縮が封印の破裂圧力より大きな圧力をかけるならば、封印は破裂し、流体は流体チャネルに流れる。
【0048】
図8および図9は、本発明に説明するように、作動要素により作動されている流体デバイスの実施態様を例示する。流体デバイス2は、試薬チェンバー10および試薬チェンバー囲い込んでいる破裂可能な金属薄片12の層を含む。破裂可能な金属薄片12の上には、マイクロ流体回路14の一部がある。頑丈であるがエラストマー系の上ぶた16は、流体デバイス2の最上層の役割をする。読取機アセンブリはバルブ作動板18を含む。板を下げると針の鋭端がエラストマー系のふた16と接触するように、芯を抜いていない針20を板18に確実に取り付ける。上ぶたはまた、水蒸気不浸透性の封印の役割をすることになる柔軟性のあるシリコン材料から作ることもできる。この実施態様はまた、アッセイを開始するまで、流体デバイス内のどんな液体試薬もどんな乾燥試薬からも隔離することによって、溶液は液体蒸発および流体デバイスから漏出する。
【0049】
好ましい実施態様では、試薬チェンバーおよびサンプル収集ユニットは、反応部位と流体接続され、ここでは結合プローブはアッセイを使用して体液サンプル中に当該検体を検出することができる。次いで反応部位は、当該検体の存在を示す信号を提供し、次に以下の本明細書に詳細に説明する検出デバイスによって検出することができる。
【0050】
いくつかの実施態様では、反応部位は平面であるが、代替の様々な外形を呈してもよい。反応部位は好ましくは、反応物質が固定化できる固定支柱を形成する。反応部位表面はまた、適切な光吸収性を提供するよう選択する。例えば、反応部位は、機能性ガラス、Si、Ge、GaAs、GaP、SiO、S1N、変性シリコン、もしくは多種多様のゲルまたは(ポリ)テトラフルオロエチレン、(ポリ)ビニリデンジフルオリド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、などのポリマーのうちのいずれか、およびそれらの組み合わせであってもよい。他の適切な材料は、本発明により使用してもよい。
【0051】
反応部位で固定化される反応物質は、体液のサンプル中に当該の検体を検出するのに有
用などんなものでもあり得る。例えば、かかる反応物質は、核酸プローブ、抗体、細胞膜受容体、モノクローナル抗体および特異の検体とよく反応する抗血清を含むが、それらに限定されない。特異の検体のために特に開発された多クローン性およびモノクローナル抗体の宿主などの、市販の様々な反応物質を使用することができる。
【0052】
当業者は、反応が起こることができる支柱に様々な反応物質を固定化する多くの方法が存在することを理解するであろう。固定化は、リンカー部経由で、または固定化した部につなぐことによる共有原子価または非共有原子価であってもよい。これらの方法は、固相合成およびマイクロアレイ(Beierら、Nucleic Acids Res.27:1970−1−977(1999)の分野でよく知られている。抗体などの核酸またはタンパク性分子のどちらかを固定支柱に取り付けるための限定されない例となる結合部は、とりわけストレプトアビジンまたはアビジン/ビオチン結合、カルバメート結合、エステル結合、アミド、チオールエステル、(N)−官能化チオ尿素、官能化マレイミド、アミノ、ジスルフィド、アミド、ヒドラゾン結合を含む。さらに、シリル部は、当技術分野で知られている方法を使用して、ガラスなどの基質に核酸を直接取り付けることができる。
【0053】
いくつかの実施態様では、同じ体液のサンプルから当該の複数の検体を検出することを可能にする2つ以上の反応部位が存在する。いくつかの実施態様では、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、もしくはそれ以上の反応部位、または本発明の目的を達成ために必要とされる反応部位はいくつあってもよい。
【0054】
流体デバイスに複数の反応部位を有する実施態様では、それぞれの反応部位は、異なる反応部位での反応物質と異なる反応物質により固定化してもよい。例えば、3つの反応部位を有する流体デバイスでは、3つの異なるプローブが存在してもよく、それぞれは異なる反応部位に結合され、サンプルで当該の3つの異なる検体を結合する。いくつかの実施態様では、例えば、複数の異なる検体が単一の反応部位で検出されるように、複数の検出領域を有するCCDを検出デバイスとして使用したならば、単一の反応部位に異なる反応物質を結合してもよい。それぞれの反応部位での複数の異なるプローブに加えて複数の反応部位を使用する能力は、本発明の高処理能力性を可能にする。
【0055】
本発明は、同じ流体デバイスで複数の検体の検出を可能にする。異なる発光強度により隣接する反応部位でアッセイを実施する場合は、光子が部位を接続する流体チャネルを通して進むことを可能にする材料から反応部位を作ってもよいので、光子(反応から発する信号)は、1つの反応部位から隣接する反応部位へ進んでもよい。この光クロストークは、検出光子の精度に関して妥協してもよい。図14Bおよび図14Cは、光クロストークの量を削減または低減することができる本発明の異なる実施態様を例示する。非線形チャネル22は、光子(光)を通すことはない。従って、図14Bおよび図14Cに示すもののような実施態様は、反応部位からの信号に、検出デバイスが検出してもよい隣接する部位から生成される信号の質を低下させることはない。さらに、反応部位の端または壁は、光学的に不透明な材料を使用して作ってもよいので、光はウェルから漏れることがない。いくつかの実施態様では、反応部位は白色または不透明色である。
【0056】
いくつかの実施態様では、分離複合体が基質を活性化、および不正確な信号を発生しないように、分離複合体は反応部位から洗浄する必要がある場合がある。例えば、余分の洗浄溶液がない流体デバイスなどでは、反応部位の端についている複合体を除去することは困難である場合がある。反応部位の端に張り付いている分離複合体から発せられる信号を低減するために、張り付いている複合体を、結合反応物質によって表されている、実際の望ましい検出領域から遠ざけるために、反応部位の端または壁の半径を拡大することは有利である場合がある。図15Aおよび図15Bは、この概念を例示する。反応部位6は、
反応表面24および端面または壁面26を含む。図15Bでは、端面26は、従来技術による設計の端面よりも反応部位6の中心から遠距離で示す。これは分離複合体を端面と接着させ、結合複合体から遠ざけることができ、反応部位6の中心により近く集中する。
【0057】
本発明の好ましい実施態様では、流体デバイスは少なくとも1つの廃棄チェンバーを含み、アッセイで使用した後すべての液体を捕捉または捕獲する。好ましい実施態様では、2つ以上の廃棄チェンバーが存在し、その少なくとも1つは、以下の本明細書に説明する較正アセンブリで使用されることになる。さらに、デバイス上の廃棄チェンバーは、デバイスを使い捨てにできる。廃棄チェンバーは好ましくは、少なくとも1つの反応部位と流体連通している。
【0058】
これらのチャネルの少なくとも1つは通常、小さな断面寸法を有することになる。いくつかの実施態様では、寸法は約0.01mmから約5mmであり、好ましくは約0.03mmから約3mmであり、より好ましくは約0.05mmから約2mmである。流体デバイスでの流体チャネルは、例えば、限定されないが、精密射出成形、レーザーエッチング、または本発明の目的を達成するために当技術分野で知られている他のどんな技術によって創出してもよい。
【0059】
マイクロ流体に基づくアッセイシステムで直面するよく起こる問題のうちの1つは、空気または気体の気泡の存在である。ひとたび気泡を流体チャネルに捕捉すると、それを除去することは極めて困難である。気泡は、流体回路、特にアッセイの性能を妥協することができる反応部位のどこにでも存在している。気泡は、結局反応部位の表面領域のすべての部分を占有することになる場合がある。その結果として、結局読取機は無言信号を読み取る、または信号を全く読み取らない場合がある。図16は、気泡が反応部位6に達する前にフィルター28内に捕捉することができる実施態様を例示する。気泡捕捉器28は、サンプル収集ユニット4と反応部位6との間に位置付けることができる。気泡捕捉器は、気泡がこの表面の端に移動する傾向があり、そのおかげで張り付いた状態を維持することにより反応部位へ入らないような配置を有することができる。
【0060】
反応部位で生成された所定の光子数が、サンプルでの当該の検体の正確な濃度と相関することを確実にするために、好ましくは光子を検出前に流体デバイスを較正することは有利である。流体デバイスは使用する前に出荷され、温度の変化を受ける場合があるので、例えば、製造の時点で流体デバイスを較正することは、例えば、製造時で実行した較正が、流体デバイスの構造またはそこに含有されている試薬へ続くどんな変化も生じさせないように、正確な検体濃度が決定されたことを確実にするには不十分である。本発明の好ましい実施態様では、サンプルが較正アセンブリに導入されることを除いては、流体デバイスは、構成要素および設計でのアッセイアセンブリを模倣する較正アセンブリを有する。図3および図4を参照すると、較正アセンブリは流体デバイス2の約半分を占有し、試薬チェンバー32、反応部位34、廃棄チェンバー36、および流体チャネル38を含む。アッセイアセンブリと同様に、試薬チェンバーおよび反応部位の数は、流体デバイスで実施されるアッセイおよび検出される検体の数によって変化してもよい。
【0061】
望ましい場合には、被験体流体デバイスを用いた体液中の検体のためのアッセイの信頼性を評価するためのセンサーは、流体デバイス、読取機と一緒に、および/または被験体システムのパッケージ化の中に提供してもよい。センサーは、被験体システムが通常動作する動作パラメーターにおける変化を検出することができる。動作パラメーターは、本システムの性能に影響を及ぼす可能性のある温度、湿度、および圧力を含むが、それらに限定されない。
【0062】
流体デバイスおよび読取機アセンブリは、製造後、一緒に、または個別にエンドユーザ
ーに出荷してもよい。読取機アセンブリは複数の流体デバイスに繰返し使用されるので、例えば、出荷の間のかかる変化を検出するために、流体デバイスおよび読取機アセンブリの両方にセンサーを有することが必要となる可能性がある。出荷の間、圧力または温度変化は、本システムの多くの構成要素の性能に影響を与えることができ、流体デバイスまたは読取機アセンブリのどちらかに位置しているようなセンサーは、これらの変化を、例えば、外部デバイスへ中継することができ、較正の間、または外部デバイスでのデータ処理の間に調整を行うことができる。例えば、流体デバイスの圧力が、出荷の間にある程度まで下がったとすると、流体デバイスに位置しているセンサーはこの変化を検出し、ユーザーが読取機アセンブリに挿入すると、この情報を読取機アセンブリに伝達する。これを、またはその他のシステム構成要素に組み込んでもよいようなデバイスを実行するために、読取機アセンブリに付加的な検出デバイスが存在してもよい。いくつかの実施態様では、この情報は、読取機アセンブリまたは外部デバイスのどちらかへ無線で伝送してもよい。同様に、読取機アセンブリでのセンサーは、類似している変化を検出することができる。いくつかの実施態様では、システム構成要素の代わりに、またはそれに加えて、出荷パッケージ化にも同様にセンサーを有することが望ましい場合がある。
【0063】
流体チャネルの製造は一般に、当技術分野でよく知られているいくつの微細加工技術によってでも実行してもよい。例えば、リソグラフィー技術は、フォトリソグラフィーエッチング、血漿エッチングまたは湿式化学エッチングなど半導体製造業でよく知られている方法を使用して、例えば、ガラス、石英またはシリコン基質を加工する際に任意に使用する。あるいは、レーザードリル加工、マイクロフライス加工および同等物などのマイクロマシン方法は任意に使用する。同様に、ポリマー基質については、よく知られている製造技術もまた使用してもよい。これらの技術は、多数の基質が、例えば、マイクロスケール基質の大きなシートを生成する圧延打ち抜きを使用して任意に生成される射出成形または打ち抜き成形方法または基質がマイクロマシン型内で重合するポリマーマイクロキャスティング技術を含む。
【0064】
いくつかの実施態様では、流体デバイスの少なくとも1つの異なる層は、ポリマー基質から作ってもよい。ポリマー材料の限定されない例は、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリジメチシロキサン(PDMS)、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル(PVC)、およびポリサルフォンを含む。
【0065】
流体デバイスは、打ち抜き、熱接合、接着、または例えば、ガラス、もしくは半剛体および非剛体のポリマー基質など特定の基質の場合は、2つの構成要素の間の天然接着により製造してもよい。いくつかの実施態様では、流体デバイスは、超音波または音響溶接によって製造してもよい。
【0066】
図2は、流体デバイス2が7つの層から成っている本発明の一実施態様を示す。示す特長は、例えば、層が適切に位置付けられる場合は、アセンブリが流体ネットワークを形成するように、ポリマー基質における切断である。いくつかの実施態様では、より多くの、またはより少ない層を流体デバイスを作るのに使用し、本発明の目的を達成してもよい。
【0067】
本発明の1つの目的は、流体デバイスの内側の流体が、乾燥状態および/または質が低下していない状態を維持する必要がある場合がある読取機アセンブリの構成要素と接触することを阻止し、さらに読取機アセンブリ内の検出デバイスの質が低下することを阻止する。流体デバイス内の漏出は、結果的に液体、例えば、試薬または廃棄物が流体デバイスから漏れ、読取機の質を低下させる。他の実施態様では、ひし形模様に見られるポリマー材料などの液体吸収材料は、廃液を吸収するよう流体チャネルまたは廃棄チェンバーの一部の中に取り付けることができる。かかるポリマーの限定されない例は、ポリアクリル酸ナトリウムである。かかるポリマーは、それらの重量の何百倍もの流体を吸収することが
できる。従って、ほんの微量のかかるポリマー材料が、漏液を吸収する目的を達成するのに必要である場合がある。いくつかの実施態様では、廃棄チェンバーは超吸収性材料で充填される。いくつかの実施態様では、漏液はゲルまたは固形もしくは半固形に変化させてもよい。
【0068】
本システムのその他の目的は、体液サンプルから検出されている検体にかかわらず、流体デバイスで様々なアッセイを実施することができる流体デバイスを提供することである。流体デバイスの同一性によって決まるプロトコルは、外部デバイスから転送されてもよく、ここでは読取機アセンブリが流体デバイスでの特異のプロトコルを実施できるよう読取機アセンブリに保存することができる。好ましい実施態様では、流体デバイスは、本明細書に説明する識別子検出器によって検出または読み取りが行われる識別子(ID)を有する。次いで識別子は、通信アセンブリへ伝達することができ、ここではそれは次いで、外部デバイスへ転送または伝送することができる。
【0069】
いくつかの実施態様では、識別子は、一連の白黒線を有するバーコード識別子であってもよく、それはよく知られているバーコード読取機などの識別子検出器によって読み取ることができる。他の識別子は、一連のアルファベットや数値、色、隆起した段差、または他のどんな識別子でもあり得、流体デバイスに位置し、識別子検出器によって検出または読み取ることができる。いつくかの実施態様では、識別子は、貯蔵庫またはメモリデバイスを含んでもよく、情報を識別検出器へ伝送することができる。いくつかの実施態様では、両方の技術を使用してもよい。
【0070】
ひとたび体液サンプルが流体デバイスへ提供されると、それは読取機アセンブリに挿入される。いくつかの実施態様では、流体デバイスは手動で部分的に挿入し、次いで読取機アセンブリでの機械スイッチは自動的に、読取機アセンブリの内側に流体デバイスを適切に位置付ける。ディスクまたはカートリッジをデバイスに挿入するための、当技術分野で知られている他のどんな機構も同様に使用してもよい。いくつかの実施態様では、手動による挿入だけが必要な場合もある。
【0071】
いくつかの実施態様では、読取機アセンブリは、流体デバイスでの識別子を検出または読み取るための識別子検出器、検出アセンブリを自動制御するための制御器さらに流体デバイスを通る流体を制御または方向づけをするための、例えば、ポンプおよび/またはバルブなどの読取機アセンブリの機械構成要素、流体デバイスで実施されるアッセイによって創出される信号を検出するための検出デバイス、および外部デバイスと伝達するための通信アセンブリを備える。
【0072】
識別子検出器は、通信アセンブリと伝達する流体デバイスで識別子を検出する。いくつかの実施態様では、識別子検出器は、流体デバイスでのバーコードを読み取るバーコード光学読取デバイス似のデバイスであり得る。識別子検出器はまた、光を反射し、流体デバイスの同一性を決定する識別子検出器によって測定される識別子と相互作用することができる光を放射するLEDであってもよい。
【0073】
好ましい実施態様では、読取機アセンブリは、流体デバイス内の液体の流れを制御および方向付けをするポンプおよび一連のバルブを制御する制御器を内蔵する。いくつかの実施態様では、読取機アセンブリは複数のポンプを備えてもよい。読取機アセンブリ内のポンプを駆動する間に、サンプルおよび試薬は好ましくは、少なくとも1つのバルブを連続的に開閉することによって発生する真空力によって流体チャネルを貫通する。少なくとも1つのバルブおよび少なくとも1つのポンプを使用して真空力を発生させる方法はよく知られている。負のけん引力が使用されている可能性がある間に、正の押す力もまた、本発明による少なくとも1つのポンプおよびバルブによって生成してもよい。他の実施態様で
は、流体デバイスでの流体の動きは、電気浸透圧性作用、毛管作用、圧電性作用、またはマイクロアクチュエータ動作によるものであってもよい。
【0074】
図8および図9は、流体デバイス内の試薬の流れを起こす例となる順序を例示する。読取機アセンブリでの作動板18は、上ぶた16は好ましくはしっかりした作りで柔軟性のあるエラストマー系の材料で作られるので、下がると上ぶた16を曲げる芯を抜いていない針またはピン20を備える。しかしながらその結果、容易に破裂可能となる金属薄片12は、上ぶた16の屈曲により誘発される応力により破裂する。試薬チェンバーへの下流に位置しているバルブは、流体デバイス内の金属薄片の異なる領域を穿刺し、次いで読取機アセンブリ内のポンプと連携して、試薬チェンバー6から試薬を取り出し、流体チャネルへ入れ、次いで反応部位へ試薬の流れを方向付ける真空力を発生させる。少なくとも1つのバルブは好ましくは、読取機アセンブリに内蔵されているポンプと流体接続されている。デバイスが読取機アセンブリから取り外されると、芯を抜いていない針またはピン20は、流体デバイスから取り除かれる。この実施態様の有利性の1つは、オンチップポンプを必要とせず、それは少なくとも、流体デバイスの大きさを縮小し、費用を削減し、またデバイスを使い捨てにできることである。
【0075】
反応アセンブリは好ましくは、流体デバイス上の少なくとも1つのアッセイによって生成される信号を検出するための検出アセンブリを内蔵する。図1は、流体デバイスの下方にある流体デバイスに関して本発明の検出デバイスの例となる位置を例示する。検出アセンブリは、流体デバイスの上方にあってもよく、または、例えば、実行されているアッセイの種類および使用されている検出機構に基づき流体デバイスに対して異なる方位にあってもよい。
【0076】
好ましい実施態様では、光学検出器が検出デバイスとして使用される。限定されない例には、フォトダイオード、光電子増倍管(PMT)、光子計数検出器、または電荷結合素子(CCD)が含まれる。いくつかの実施態様では、ピンダイオードを使用してもよい。いくつかの実施態様では、ピンダイオードは、増幅器に連結し、PMTに相当する感受性を有する検出デバイスを創出することができる。いくつかのアッセイは、本明細書に説明するような発光を生じてもよい。いくつかの実施態様では、化学発光が検出される。いくつかの実施態様では、検出アセンブリは、束状構造としてCCD検出器またはPMTアレイに接続される複数の光ファイバーケーブルを含むこともあり得る。光ファイバーの束状構造は、離散ファイバー、または中空でない束状構造を形成するために融合される多数の小さなファイバーから作ることもあり得る。かかる中空でない束状構造は市販されており、CCD検出器と容易に結合させられる。
【0077】
いくつかの実施態様では、検出システムは、患者の特定のパラメーターを検出するための非光学検出器またはセンサーを備えてもよい。かかるセンサーは、例えば、O、H、およびIなど酸化された、もしくは還元された、または化合物、または易酸化性/還元可能な有機化合物のために、温度、伝導性、電位差滴定および電流滴定を含んでもよい。
【0078】
通信アセンブリは好ましくは、読取機アセンブリに内蔵され、外部デバイスから無線で情報を伝送および受け取ることができる。かかる無線の伝達は、ブルートゥースまたはRTM技術であってもよい。様々な伝達方法は、モデムを使用するダイヤルアップ有線接続、T1、ISDNなどの直接接続、またはケーブル回線などを使用することができる。好ましい実施態様では、無線接続は、携帯電話、サテライト、もしくはポケベルネットワークなどの例となる無線ネットワーク、GPRS、およびローカルエリアネットワーク上のイーサネット(登録商標)またはトークンリングなどのローカルデータ転送システムを使用して設定される。いくつかの実施態様では、情報は無線ネットワーク上に伝送される前
に暗号化される。いくつかの実施態様では、通信アセンブリは、情報を受信及び送信するために、無線赤外線通信構成要素を含んでもよい。
【0079】
いくつかの実施態様では、通信アセンブリは、収集された情報を保存することができるメモリまたはストレージデバイス、例えば、局所的RAMを有することができる。情報が、例えば、ネットワークへの無線接続が一時的にできないため、所定の時間で伝送できないならば、ストレージデバイスが必要とされる場合がある。情報は、ストレージデバイス内の流体デバイス識別子と関連付けることができる。いくつかの実施態様では、通信アセンブリは、特定の時間が経った後、保存された情報の送信の再試行をすることができる。いくつかの実施態様では、メモリデバイスは、情報を消去する前の10日間情報を保存することができる。
【0080】
好ましい実施態様では、外部デバイスは、読取機アセンブリ内の通信アセンブリと伝達する。外部デバイスは無線で読取機アセンブリと伝達することができるが、患者、医療関係者、臨床医、実験室関係者、または医療業界のその他のものを含むがそれらに限定されない第三者とさらに伝達することができる。
【0081】
いくつかの実施態様では、外部デバイスは、コンピュータシステム、サーバー、または情報を保存または情報を処理できる他の電子デバイスであり得る。いくつかの実施態様では、外部デバイスは、1つ以上のコンピュータシステム、サーバー、または情報を保存または情報を処理できる他の電子デバイスを含む。いくつかの実施態様では、外部デバイスは、例えば、診療記録もしくは患者の病歴、臨床試験記録、または前臨床試験記録に限定されないが、患者の情報のデータベースを含んでもよい。好ましい実施態様では、外部デバイスは、どの流体デバイスが読取機アセンブリに挿入されたかを表示する識別子を受信したとき、読取機アセンブリの通信アセンブリに伝送することができる流体デバイス上で実施されるプロトコルを保存する。いくつかの実施態様では、プロトコルは、流体デバイスの識別子によって決定することができる。いくつかの実施態様では、外部デバイスは、それぞれの流体デバイスために2つ以上のプロトコルを保存する。他の実施態様では、外部デバイス上の患者の情報は、2つ以上のプロトコルを含む。好ましい実施態様では、外部サーバーは、通信アセンブリから送信される光子計数を処理する数学アルゴリズムを保存し、いくつかの実施態様では、体液サンプル内の検体濃度を計算する数学アルゴリズムを保存する。
【0082】
いくつかの実施態様では、外部デバイスは、当技術分野で知られていて、市販されている1つ以上のサーバーを含むことができる。かかるサーバーは、1つ以上のサーバーまたは外部デバイスの他の構成要素が故障した場合には、負荷バランシング、タスク管理、およびバックアップ容量を提供して、サーバーの可用性を向上させることができる。サーバーはまた、当技術分野で知られている、ストレージおよびプロセッサ装置の分散型ネットワーク上に実装することもでき、ここでは本発明によるデータ処理は、コンピュータなどのワークステーション上に備わることにより、サーバーの必要性を除去する。
【0083】
サーバーは、データベースおよびシステム工程を含むことができる。データベースは、サーバー内に備わることができ、またはサーバーにアクセス可能な別のサーバーシステムに備わることができる。データベース内の情報は機密情報を含む場合があるので、権限のないユーザーがデータベースにアクセスことを阻止するセキュリティーシステムを導入することができる。
【0084】
本発明の1つの有利性は、情報は外部デバイスから読取機アセンブリに戻るだけでなく、他の関係者または例えば、PDAまたは携帯電話に限定されないが、他の外部デバイスへも伝送することができることである。かかる伝達は、本明細書に説明するような無線ネ
ットワーク経由で達成することができる。いくつかの実施態様では、計算された検体濃度または他の患者の情報は、例えば、医療関係者または患者に限定されないが、送信することができる。
【0085】
使用方法
対象の装置およびシステムは、被験体からの体液中に存在している検体の高処理能力および実時間検出のための有効な手段を提供する。検出方法は、特異の生物過程、生理学的状態、疾患および疾患の期に関連している検体の識別および定量化を含み、多種多様な状況において使用してもよい。そのようなものとして、対象の装置およびシステムは、例えば、薬物スクリーニング、疾病診断、系統発生的分類、母体となる識別、および法医学的識別において広範囲に渡る実用性を有する。対象の装置およびシステムはまた、治療法の開発の前臨床病期および臨床病期を進めるのに、患者の薬剤服用順守を向上させるのに、処方薬に関連するADRを監視するのに、また個人に合わせた医薬を開発するのに特に有用である。
【0086】
従って、一実施態様では、本発明は、少なくとも1つのサンプル収集ユニット、免疫アッセイ試薬を含有している免疫アッセイアセンブリ、前記サンプル収集ユニットおよび/または前記免疫アッセイアセンブリと流体連通している複数のチャネルを備える流体デバイスを提供するステップと、前記流体デバイスを作動させ、前記流体デバイス内の前記免疫アッセイ試薬を方向づけるステップと、体液のサンプルを前記アッセイ免疫アッセイアセンブリ内に含有されている前記免疫アッセイ試薬と反応させ、前記体液中の前記検体の存在を示す検出可能な信号を発生するステップと、前記体液のサンプル中の最初に収集された前記検体から生成される前記検出可能な信号を検出するステップとを含む、被験体からの体液中の検体を検出する方法を提供する。好ましくは、約1ml未満、好ましくは約500μl未満の体液のサンプルが、これらの適用のうちの1つ以上に使用される。
【0087】
本明細書で使用するように、用語「被験体」または「患者」は本明細書では、置換可能に使用され、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトを指す。哺乳動物には、マウス、サル、ヒト、家畜、運動動物、およびペットが含まれるが、これらに限定されない。
【0088】
いくつかの実施態様では、体液のサンプルは、本明細書に説明するどんな方法によってでも流体デバイスに最初に提供することができる。次いで流体デバイスは、読取機アセンブリに挿入することができる。読取機アセンブリに内蔵されている識別検出器は、流体デバイスの識別子を検出することができ、また好ましくは読取機アセンブリに内蔵されている通信アセンブリに識別子を伝達することができる。ついで通信アセンブリは、通信アセンブリに対する識別子に基づき流体デバイス上で実施するプロトコルを伝送する外部デバイスに識別子を伝送する。好ましくは読取機アセンブリに内蔵される制御器は、デバイス内の流体の動きを制御し、方向づける流体デバイスと相互作用する少なくとも1つのポンプおよび1つのバルブを含む作動要素を制御する。いくつかの実施態様では、アッセイの第1のステップは、洗浄緩衝剤を使用して流体デバイス内のすべての表面を濡らす洗浄サイクルである。流体デバイスは次に、較正反応部位を通りアッセイで使用されるものと同じ試薬を実施することにより較正アセンブリを使用して較正され、次いで反応部位からの発光信号は検出手段により検出され、信号は較正流体デバイスで使用される。検体を含有しているサンプルは、流体チャネルに導入する。サンプルは希釈してもよく、さらに血漿または他の望ましい要素にフィルターで分離してもよい。分離されたサンプルは直ちに反応部位を通って流れ、そこに存在している検体は、その上に結合されている反応物質と結合することになる。サンプル流体の血漿は次に、反応ウェルから廃棄チェンバーへ流れ出る。実施しているアッセイに応じて、アッセイを達成するために適切な試薬が反応部位を通るよう方向づける。較正ステップを含む、様々なステップで使用されたすべての洗浄緩
衝剤および他の試薬は、洗浄槽に収集される。反応部位で生成された信号は次に、本明細書に説明する方法のいずれかにより検出される。
【0089】
様々なアッセイは本発明よる流体デバイス上で実行し、サンプル中の当該の検体を検出してもよい。対象アッセイを実行するために使用することができる多種多様な標識が、当技術分野で利用することができる。いくつかの実施態様では、標識は、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、または化学的手段によって検出可能である。例えば、有用な核酸標識は、32P、35S、蛍光染料、電子密度の高い試薬、酵素、ビオチン、ダイオキシン、または抗血清もしくはモノクローナル抗体蛾利用できるハプテンおよびタンパク質を含む。生物学的要素を標識化するのに適切な多種多様な標識は知られており、科学文献および特許文献のどちらにも頻繁に報告されており、また生物学的要素の標識化のために本発明に広く適用できる。適切な標識は、放射性ヌクレオチド、酵素、基質、共同因子、阻害因子、蛍光部、化学発光部、生物発光標識、熱量測定標識、または磁粉を含む。標識薬剤は、例えば、モノクローナル抗体、多クローン性抗体、タンパク質、もしくは親和性マトリクスなどの他のポリマー、炭水化物または脂質を任意に含む。検出は、放射性もしくは蛍光性マーカーの分光学的もしくは光学的追跡、または大きさ、電荷もしくは親和性の基づき分子を追跡する他の方法を含み、知られている様々な方法のいずれかにより開始する。検出可能な部は、検出可能な物理的または化学的性質を有するどんな材料からも作ることができる。かかる検出可能な標識は、ゲル電気泳動、カラムクロマトグラフィー、固体基質、分光学的技術、および同等物の分野で十分に開発されており、一般に、かかる方法において有用な標識は、本発明に適用することができる。このようにして、標識は、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、電気的、光学熱的、または化学的手段によって検出可能などんな組成物も含むが、それらに限定されない。
【0090】
いくつかの実施態様では、当技術分野でよく知られている方法により、標識は、生成物、基質、または酵素など検出される分子に直接的または間接的に連結する。上述のように、必要な感受性、化合物の共役の容易さ、安定性の要求、利用できる器具類、および廃棄に関する規定に応じて標識の選択により、多種多様な標識が使用される。非放射性標識はしばしば、間接的な手段により結合される。一般に、配位子分子は、ポリマーに共有結合的に結合される。配位子は次に、生得的に検出可能な、または検出可能な酵素、蛍光性化合物、もしくは化学発光化合物などの信号システムに共有結合的に結合される非配位子分子に結合する。多くの配位子および非配位子を使用することができる。配位子が自然の非配位子、例えば、ビオチン、チロキシン、およびコルチゾールを有する場合には、標識化された非配位子と併せて使用することができる。あるいは、いかなるハプテン性または抗原性化合物は、抗体と組み合わせて使用することができる。
【0091】
いくつかの実施態様では、標識はまた、例えば、酵素または蛍光プローブとの共役により、化合物を生成する信号に直接共役することができる。標識化するように当該の酵素は主として、加水分解酵素、特にホスファターゼ、エステラーゼおよびグリコシダーゼ、またはオキシドレダクターゼ、特にペルオキシダーゼとなる。蛍光性化合物は、フルオレセインおよびその誘導体、ローダミンおよびその誘導体、ダンシル、およびウンベリフェロンを含む。化学発光化合物は、ルシフェリン、およびルミノーなどの2,3−ジヒドロフタラジンジオンを含む。
【0092】
標識を検出する方法は、当業者にはよく知られている。従って、例えば、標識が放射性標識である場合には、検出する手段は、シンチレーションカウンターまたはオートラジオグラフィーにおける写真用フィルムを含む。標識が蛍光性標識である場合には、それは、適切な光の波長により蛍光色素を励起ことにより、ならびに例えば、顕微鏡検査、目視検査により、写真用フィルムにより、デジタルカメラ、電荷結合素子(CCD)もしくは光電子増倍管および光電管などの電子検出器、または他の検出デバイスを用いることにより
得られた蛍光発光を検出することにより検出してもよい。同様に、酵素標識は、酵素のために適切な基質を提供することによって、ならびに得られた反応生成物を検出することによって検出する。最後に、簡易比色分析標識はしばしば、標識に関連する色を観察するだけで検出する。例えば、様々な複合体ビーズがビーズの色のように見えるが、複合金はしばしばピンクに見える。
【0093】
いくつかの実施態様では、検出可能な信号は、発光源によって供給されてもよい。「発光」は、温度の上昇以外の任意の理由により物質からの光の放出を指すのに一般に使用される用語である。一般に、次に「励起状態」からそれより低エネルギー状態(通常は基底状態)へ移動する場合は、原子または分子は電磁エネルギー(例えば、光)の光子を放射し、この工程はしばしば「放射性崩壊」と称される。励起には多くの原因が存在する。励起の原因が光子であれば、発光過程は「光ルミネッセンス」と称される。励起の原因が電子であれば、発光過程は「エレクトロルミネッセンス」と称される。より具体的には、エレクトロルミネッセンスは直接噴射、電子正孔対を形成する電子の除去、および光子を放射する電子正孔対の次の再結合に起因する。化学反応に起因する発光は通常、「化学発光」と称される。有機体によって生成される発光は通常、「生体発光」と称される。光ルミネッセンスがスピンで許された遷移(例えば、一重一重項遷移、三重項三重項遷移)に起因するならば、光ルミネッセンスの過程は通常、「蛍光発光」と称される。通常、励起の原因が、かかるスピンで許された遷移により速やかに緩む可能性のある短命な励起状態の結果として除去された後は、蛍光発光の放射は持続しない。光ルミネッセンスがスピン禁制遷移(例えば、三重項一重項遷移)の結果であるならば、光ルミネッセンス過程は通常、「リン光」と称される。通常、励起の原因が、かかるスピン禁制遷移だけにより緩む可能性のある長命な励起状態の結果として除去されたずっと後にも、リン光放射は持続する。「光るラベル」は上述の性質のうちのいずれか一つを有してもよい。
【0094】
適切な化学発光法源は、化学反応によって電子的に励起されることになり、次いで検出可能な信号としての役割をする、または蛍光アクセプターにエネルギーを提供してもよい光を放射してもよい化合物を含む。化合物の種の多様な数が発見され、多様性または状態の元で化学発光を提供してきている。化合物の1つの種は、2,3−ジヒドロ−l,4−フタラジンジオンである。頻繁に使用される化合物は5−アミノ化合物であるルミノーである。種の他の要素は、5−アミノ−6,7,8−トリメトキシ−およびジメチルアミノ[ca]ベンズ類似物である。これらの化合物は、アルカリ性過酸化水素または次亜塩素
酸カルシウムおよび塩基とともに冷光を発するよう作ることができる。化合物の別の種は、親生成物の一般名称がロフィンである、2,4,5−トリフェニルイミダゾールである。化学発光法による類似物は、パラ−ジメチルアミノおよび−メトキシ置換基を含む。化学発光はまた、シュウ酸塩、通常オキサリル活性エステル、例えば、塩基性条件下で、過酸化水素などのp−ニトロフェニルおよび過酸化物により獲得してもよい。同様に知られている他の有用な化学発光法による化合物は、−N−アルキルアクリジナム(acridinum)エステルおよびジオキセタンを含む。あるいは、ルシフェリンは発光酵素またはルシゲニンと併せて使用し、生体発光をもたらしてもよい。
【0095】
いくつかの実施態様では、免疫アッセイは流体デバイス上で実施する。当技術分野でよく知られている競合的結合アッセイは、いくつかの実施態様で実施してもよいが、好ましい実施態様では、混合物を抗体に触れさせる前に複合体とサンプルを混合する必要性を除去する二段階方法を使用し、それは、本発明の流体デバイスのように、非常に小さな容積のサンプルおよび複合体を使用する場合には望ましい可能性がある。本明細書に説明するような流体デバイスとともに使用する場合は、二段階アッセイは競合的結合アッセイより付加的な優位性を有する。それは、サンドイッチ(競合的結合)免疫アッセイの使い勝手の良さ及び高感受性を、アッセイの小分子に対する能力を組み合わせる。
【0096】
図10に示す例となる二段階アッセイでは、検体(「Ag」)を含有しているサンプルは、最初に抗体(「Ab」)を含有している反応部位を越えて流れる。抗体はサンプル内に存在している検体を結合する。サンプルが表面を通り越した後で、高濃度でマーカー(「標識付きAg」)と複合する検体を有する溶液は、表面を通り越す。複合体は、検体をまだ結合していない抗体のいずれかを飽和させる。平衡に達し、事前に結合された非標識検体のいかなる置換も発生する前に、高濃度の複合体の溶液は洗い落とされる。次いで表面と結合された複合体の量は、適切な技術によって測定され、検出複合体はサンプル内に存在している検体の量と反比例する。
【0097】
二段階アッセイのための例となる測定技術は、図11に示すように化学発光酵素免疫アッセイである。当分野で知られているように、マーカーは、発光性ではないが、例えば、アルカリホスファターゼによる加水分解の後で発光性となるジオキシタン−ホスフェート(dioxitane−phosphate)などの市販のマーカーであり得る。アルカリホスファターゼなどの酵素はまた、基質を通り越して、マーカーが冷光を発することをもたらす。いくつかの実施態様では、基質溶液は、限定されないが、混合ミセルにおけるフルオレセイン、水溶性ポリマー、または発光団単独よりさらにいっそう明るい信号を発生するPVCなどの促進剤で補完する。さらに、市販用アッセイで使用されるものより高い代謝回転数を有するアルカリホスファターゼ複合体を使用する。これは、信号生成にさらにいっそう速やかに進ませ、より高い全体的な信号が達成される。二段階化学発光酵素免疫アッセイ(TOSCA)の感受性の上昇を図12に例示している。図12は、ピコモル濃度における検体のために、TOSCAが、競合的結合アッセイより強い信号(より高い感受性)を提供することができることを示す。このようにして、二段階結合アッセイを使用することは、本発明のより高い感受性性能に貢献する。
【0098】
さらに、TOSCAは、他の方法論よりマトリクス効果に対して感受性が低い。これは、例えば、固相抽出およびクロマトグラフィーなどの標準的な実験室における技術を使用して、広範囲にわたる予備的処理がされていないサンプルに取り組みをさせる。決して理想的とはいえないサンプルの分析、および望ましい感受性を維持するTOSCAの能力を図13に例示する。競合的結合アッセイと比較して、すべてのサンプルの調製(および希釈)に関して、TOSCAは競合的結合より優れた感受性を有する。これをまた、TOSCAを使用して達成される感受性上昇を二段階アッセイと比較している図17に例示する。
【0099】
本発明による用語「検体」は、薬物、プロドラッグ、医薬品、薬物代謝産物、発現タンパク質および細胞マーカーなどのバイオマーカー、抗体、血清タンパク質、コレステロール、多糖類、核酸、生物学的検体、バイオマーカー、遺伝子、タンパク質、もしくはホルモン、またはそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。分子レベルでは、検体は、ポリペプチド糖タンパク質、多糖類、脂質、核酸、およびそれらの組み合わせであり得る。
【0100】
特に興味深いのは、特定の疾病または特定の病期に関連するバイオマーカーである。かかる検体は、自己免疫疾患に関連するもの、肥満、高血圧症、糖尿病、神経および/または筋肉変性疾患、心疾患、内分泌障害、それらの任意の組み合わせを含むが、それらに限定されない。
【0101】
さらに興味深いのは、心臓、肝臓、前立腺、肺、腎臓、骨髄、血液、皮膚、膀胱、脳、筋肉、神経、および異なる種類の癌(悪性または非転移性)、自己免疫疾患、炎症性疾患または変性疾患などの様々な疾病によって影響を受ける選択組織を含み、1つ以上の体内組織で様々な存在度で存在しているバイオマーカーである。
【0102】
さらに興味深いのは、微生物を示す検体である。例となる微生物は、細菌、ウイルス、真菌および原虫を含むが、それらに限定されない。対象の方法によって検出することができる検体はまた、表皮ブドウ球菌、大腸菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MSRA)、黄色ブドウ球菌、常在性ブドウ球菌、大便連鎖球菌、緑膿菌、スタフィロコッカスキャピティス、スタフィロコッカスバルネイ、肺炎桿菌、インフルエンザ菌、スタフィロコッカスシムランス、肺炎連鎖球菌およびカンジダアルビカンスから成る限定されない群から選択される血液感染性の病原体を含む。
【0103】
対象の方法によって検出することができる検体はまた、以下の、淋病(Neisseriagorrhoeae)、梅毒(Treponenapallidum)、クラミジア(Clamydatracomitis)、非淋菌性尿道炎(Ureaplasmurealyticum)、イースト菌感染症(カンジダアルビカンス)、軟性下疳(軟性下疳菌)、トリコモナス症(膣トリコモナス)、陰部ヘルペス(HSVタイプI&II)、HIV I、HIV IIおよびTTVに起因する肝炎と同様に肝炎A、B、C、Gから選択される様々な性感染症を網羅する。
【0104】
対象の方法によって検出することができる付加的な検体は、緑膿菌、チシリン耐性黄色ブドウ球菌(MSRA)、肺炎桿菌、インフルエンザ菌、黄色ブドウ球菌、ステノトロフォモナスマルトフィリア、ヘモフィルスパラインフルエンザ、大腸菌、大便連鎖球菌、霊菌、Haemophilisparahaemolyticus、Enterococcuscloacae、カンジダアルビカンス、Moraxiellacatarrhalis、肺炎連鎖球菌、シトロバクターフロインディー、エンテロコッカスフェシウム、Klebsellaoxytoca、Pseudomonasfluorscens、Neiseriameningitidis、化膿レンサ球菌、ニューモシスティスカリニ、肺炎桿菌レジオネラニューモフィラ、肺炎マイコプラズマ、およびヒト型結核菌を含むが、限定されない多様な呼吸器病原体を網羅する。
【0105】
以下に記載するのは、本発明による付加的な例となるマーカーである、テオフィリン、CRP、CKMB、PSA、ミオグロビン、CA125、プロゲステロン、TxB2、6−ケト−PGF−l−アルファ、およびテオフィリン、エストラジオール、黄体形成ホルモン、高感受性CRP、トリグリセリド、トリプターゼ、低比重リポタンパク質コレステロール、高比重リポタンパク質コレステロール、コレステロール、IGFRである。
【0106】
例となる肝臓マーカーは、LDH、(LD5)、(ALT)、アルギナーゼ1(肝臓型)、アルファフェトプロテイン(AFP)、アルカリホスファターゼ、アラニンアミノトランスフェラーゼ、乳酸脱水素酵素、およびビリルビンを含むが、それらに限定されない。
【0107】
例となる腎臓マーカーは、TNFa受容体、シスタチンC、リポカリン型尿中プロスタグランジンD、合成(LPGDS)、肝細胞増殖因子受容体、ポリシスチン2、ポリシスチン1、フィブロシスチン、ウロモジュリン、アラニン、アミノペプチダーゼ、N−アセチル−B−D−グルコサミニダーゼ、アルブミンおよびレチノール結合タンパク質(RBP)を含むが、それらに限定されない。
【0108】
例となる心臓マーカーは、トロポニンI(TnI)、トロポニンT(TnT)、CK、CKMB、ミオグロビン、脂肪酸結合タンパク質(FABP)、CRP、D−二量体、S−100タンパク質、BNP、NT−プロBNP、PAPP−A、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)、グリコーゲンホスホリラーゼアイソザイムBB(GPBB)、トロンビン活性化線溶阻害因子(TAFI)、フィブリノゲン、虚血性修飾アルブミン(IMA)、カーディオトロフィン−1、およびMLC−I(ミオシン軽鎖−I)を含むが、それらに
限定されない。
【0109】
例となる膵臓マーカーは、アミラーゼ、膵炎関連蛋白(PAP−1)、および再生蛋白(REG)を含むが、それらに限定されない。
【0110】
例となる筋肉組織マーカーはミオスタチンを含むが、それに限定されない。
【0111】
例となる血液マーカーはエリスロポエチン(EPO)を含むが、それに限定されない。
【0112】
例となる骨マーカーは、骨コラーゲンの骨型Iコラーゲン(NTx)カルボキシ末端架橋テロペプチドの架橋N−テロペプチド、リシル−ピリジノリン(デオキシピリジノリン)、ピリジノリン、酒石酸塩耐性酸性ホスファターゼ、プロコラーゲン型I Cプロペプチド、プロコラーゲン型I Nプロペプチド、オステオカルシン(bonegla−protein)、アルカリホスファターゼ、カテプシンK、COMP(CartillageOligimericMatrixProtein)、OsteocrinOsteoprotegerin(OPG)、RANKL、sRANK、TRAP5(TRACP5)、骨芽細胞特異的因子1(OSF−1プレイオトロフィン)、水溶性細胞接着分子、sTfR、sCD4、sCD8、sCD44、および骨芽細胞特異的因子2(OSF−2、ペリオスチン)を含むが、それらに限定されない。
【0113】
いくつかの実施態様では、本発明によるマーカーは疾患特異的である。例となる癌マーカーは、PSA(総前立腺特異抗原)、クレアチニン、前立腺酸性ホスファターゼ、PSA複合体、前立腺特異遺伝子−1、CA12−5、癌胎児性抗原(CEA)、アルファフェトプロテイン(AFP)、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)、Inbibin、CAA卵巣C1824、CA27.29、CA15−3、CAA胸部C1924、Her−2、膵臓、CA19−9、癌胎児性抗原、CAA膵臓、ニューロン特異的エノラーゼ、アンギオスタチンDcR3(水溶性おとり受容体3)、エンドスタチン、Ep−CAM(MK−I)、遊離免疫グロブリン軽鎖カッパ、遊離免疫グロブリン軽鎖ラムダ、Herstatin、クロモグラニンA、アドレノメデュリン、インテグリン、上皮増殖因子受容体、上皮増殖因子受容体−チロシンキナーゼ、Pro−adrenomeduUinN−terminal20ペプチド、血管内皮増殖因子、血管内皮増殖因子受容体、幹細胞因子受容体、c−kit/KDR、KDR、およびミッドカインを含むが、それらに限定されない。
【0114】
例となる感染症マーカーは、ウイルス血症、菌血症、敗血症、PMNエラスターゼ、PMNエラスターゼ/α1−PI複合体、サーファクタントタンパク質D(SP−D)、HBVc抗原、HBVs抗原、抗−HBVc、抗−HIV、T−サプレッサ細胞抗原、T−細胞抗原比率、T−ヘルパー細胞抗原、抗−HCV、ピロゲン、p24抗原、ムラミールジペプチドを含むが、それらに限定されない。
【0115】
例となる糖尿病マーカーは、C−ペプチド、ヘモグロビンA1c、糖化アルブミン、終末糖化産物(AGE)、1,5−アンヒドログルシトール、胃抑制ポリペプチド、グルコース、ヘモグロビン、ANGPTL3および4を含むが、それらに限定されない。
【0116】
例となる炎症マーカーは、ウマトイド因子(RF)、抗核抗体(ANA)、C−反応性蛋白(CRP)、クララ細胞タンパク(ウテログロビン)を含むが、それらに限定されない。
【0117】
例となるアレルギーマーカーは、総IgEおよび特異的IgEを含むが、それらに限定されない。
【0118】
例となる自閉症マーカーは、セルロプラスミン、メタロチオネイン、亜鉛、銅、B6、B12、グルタチオン、アルカリホスファターゼ、およびアポ−アルカリホスファターゼの活性剤を含むが、それらに限定されない。
【0119】
例となる凝固障害マーカーは、b−トロンボグロブリン、血小板因子4、フォンヴィレブランド因子を含むが、それらに限定されない。
【0120】
いくつかの実施態様では、マーカーは療法特異的であってもよい。COX阻害因子は、TxB2(Cox−1)、6−ケト−PGF−l−α(Cox2)、11−デヒドロ−TxB−la(Cox−1)を含むが、それらに限定されない。
【0121】
本書の他のマーカーは、レプチン、レプチン受容体、およびプロカルシトニン、脳Sl00タンパク質、物質P、8−Iso−PGF−2aを含むが、それらに限定されない。
【0122】
例となる老年病マーカーは、ニューロン特異的エノラーゼ、GFAP、およびSl00Bを含むが、それらに限定されない。
【0123】
例となる栄養状態のマーカーは、プレアルブミン、アルブミン、レチノール結合蛋白(RBP)、トランスフェリン、アシル化刺激蛋白(ASP)、アディポネクチン、アグーチ関連蛋白(AgRP)、アンジオポイエチン様蛋白4(ANGPTL4、FIAF)、C−ペプチド、AFABP(脂肪細胞脂肪酸結合タンパク質、FABP4)アシル化刺激蛋白(ASP)、EFABP(表皮脂肪酸結合タンパク質、FABP5)、グリセンチン、グルカゴン、グルカゴン様ペプチド−1、グルカゴン様ペプチド−2、グレリン、インスリン、レプチン、レプチン受容体、PYY、RELM、レジスチン、およびsTfR(水溶性トランスフェリン受容体)を含むが、それらに限定されない。
【0124】
例となる脂質代謝のマーカーは、アポ−リポタンパク質(いくつかの)、アポ−Al、アポ−B、アポ−C−CII、アポ−D、アポ−Eを含むが、それらに限定されない。
【0125】
例となる凝固状態マーカーは、因子I:フィブリノゲン、因子II:プロトロンビン、因子III:組織因子、因子IV:カルシウム、因子V:プロアクセレリン、因子VI、因子VII:プロコンバーチン、因子VIII:、抗溶血性因子、因子IX:クリスマス因子、因子X:スチュアート因子、因子XI:血漿トロンボプラスチン前駆物質、因子XII:ハーゲマン因子、因子XIII:フィブリン安定因子、プレカリクレイン、高分子量キニノーゲン、タンパク質C、タンパク質、D−二量体、組織プラスミノーゲン活性化因子、プラスミノーゲン、a2−抗プラスミン、プラスミノーゲン活性化阻害因子1(PAIl)を含むが、それらに限定されない。
【0126】
例となるモノクローナル抗体は、EGFR、ErbB2、およびIGFlRのためのそれを含む。
【0127】
例となるチロシンキナーゼ阻害因子は、Ab1、Kit、PDGFR、Src、ErbB2、ErbB4、EGFR、EphB、VEGFRl−4、PDGFRb、FLt3、FGFR、PKC、Met、Tie2、RAF、およびTrkAを含むが、それらに限定されない。
【0128】
例となるセリン/トレオニンキナーゼ阻害因子は、AKT、オーロラA/B/B、CDK、CDK(pan)、CDKl−2、VEGFR2、PDGFRb、CDK4/6、MEK1−2、mTOR、およびPKC−ベータを含むが、それらに限定されない。
【0129】
GPCR標的は、ヒスタミン受容体、セロトニン受容体、アンジオテンシン受容体、アドレナリン受容体、ムスカリン性アセチルコリン受容体、GnRH受容体、ドーパミン受容体、プロスタグランジン受容体、およびADP受容体を含むが、それらに限定されない。
【0130】
別個の実施態様では、本発明は、治療薬の有効性および/または毒性を評価するために有用な2つ以上の薬理学的パラメーターを測定する方法を提供する。方法は、前記2つ以上の薬理学的パラメーターを測定するために、前記治療薬を投与された被験体からの体液のサンプルを流体デバイスに入れるステップであって、少なくとも1つのサンプル収集ユニットと、反応試薬を含むアッセイアセンブリとを備える前記流体デバイスを備えるステップと、前記流体デバイスを作動させ、前記流体デバイス内の前記免疫アッセイ試薬を方向づけるステップと、前記体液のサンプルを免疫アッセイ試薬と反応させ、前記サンプルからの前記2つ以上の薬理学的パラメーターの前記値を示す検出可能な信号を発生するステップと、前記体液のサンプルから生成される前記検出可能な信号を検出するステップとを含む。望ましい場合には、方法は、被験体に伝達される無線信号によって促進される時間間隔で前記ステップを反復するステップをさらに伴う。
【0131】
本発明の目的のために、「治療薬」は治療的有用性および/または可能性を有するどんな物質を含むことを目的としている。かかる物質は、単純または複合、有機または無機分子、ペプチド、タンパク質(例えば、抗体)またはポリヌクレオチド(例えば、アンチセンス)などの生物学的または化学的化合物を含むが、それらに限定されない。ありとあらゆる化合物は、例えば、ポリペプチドおよびポリヌクレオチドなどのポリマー、および様々なコア構造に基づく合成有機化合物と合成することができ、これらはまた、用語「治療薬」に含まれる。さらに、多様な自然源は、植物または動物抽出物、および同等物などの、選別するために化合物を提供することができる。常に明確に述べているわけではないが、薬剤は、単独で、または発明的ふるいによって識別される薬剤として、同じ、または異なる生物学的活動を有するその他の薬剤と組み合わせて使用されることが理解されるべきである。薬剤および方法はまた、その他の療法を組み合わせることを意図している。
【0132】
本発明による薬力学的(PD)パラメーターは、体温、心拍/脈拍、血圧、および呼吸数などの物理的パラメーター、ならびにタンパク質、細胞、および細胞マーカーなどのバイオマーカーを含むが、それらに限定されない。バイオマーカーは疾病を示すことができ、薬物の作用の結果であり得る。本発明による薬物動態(PK)パラメーターは、薬物および薬物代謝産物の濃度を含むが、それらに限定されない。サンプル容積からの実時間でPKパラメーターを識別および定量化することは、薬物の適当な安全性および有効性のために極めて望ましい。薬物および代謝産物の濃度が望ましい範囲外にある、および/または予想外の代謝産物が、薬物に対する予想外の反応により生成されるならば、緊急行動は、患者の安全性を確実にするために必要となる場合がある。同様に、薬力学的(PD)パラメーターのいずれも、治療計画の間に望ましい範囲に入らないならば、緊急行動をさらに取る必要がある場合がある。
【0133】
好ましい実施態様では、物理的パラメータデータは、保存される、または毒性および投薬のために薬理ゲノム学および薬物動態データを型に組み込む、外部デバイスにあってもよいbioinforrnaticsシステムに、または物理的パラメータデータの保存プロファイルと比較して前記システムに保存してもよい。これは、現行の工程の何年も前に臨床試験用のデータを生成するだけでなく、実時間の継続的な監視により、薬物の明白な有効性および実際の毒性との間の現在の格差を除去することができる。臨床試験のでの進行させる/進行させないの決定過程の間、大規模な比較人口調査は、データベースに保存されているデータを使用して実施することができる。データのこの編集および実時間の
監視は、より多くの患者に、現在可能なものより早く安全な方法で、臨床試験に入らせる。その他の実施態様では、ヒトの細胞研究で発見されたバイオマーカーは、癌研究において薬物経路および有効性を決定する際に、精度を向上させるためにデバイスによって狙うことができる。
【0134】
その他の実施態様では、本発明は、サンプル収集ユニット、アッセイアセンブリ、および前記サンプル収集ユニットおよび/または前記アッセイアセンブリと流体連通している複数のチャネルを備える流体デバイスを提供する方法を含む、被験体からの体液中に異なる濃度の少なくとも2つの明確な検体を検出するステップと、体液のサンプルは、前記アッセイアセンブリ内に含有されている反応物質と反応し、前記少なくとも2つの検体の濃度を示す信号を発生するステップと、少なくとも2つの明確な検体の有無を示す前記信号を検出するステップであって、前記信号は3桁の範囲にわたり検出可能であるステップの方法を提供する。
【0135】
目下、例えば、1つの検体がpg/ml濃度にあり、もう1つがng/ml濃度にあるなど、検体が広範囲にわたって変わる濃度に存在する、2つ以上の検体を検出するための必要性が存在している。本明細書に説明するTOSCAは、広範囲にわたる濃度範囲にある同じサンプルに存在している検体を同時に分析する能力を有する。図18は、2つの検体、プロスタサイクリン代謝産物およびトロンボキサン代謝産物が識別および定量化されており、またはそれらの濃度が3桁より多く異なる一実施態様を示す。広範囲にわたる濃度範囲に存在している異なる検体の濃度を検出することができるもう1つの有利性は、これらの検体の濃度比を患者に投与した複数の薬物の安全性および有効性に関連付ける能力である。例えば、予想外の薬物と薬物の相互作用は、薬物有害反応のよくある原因となり得る。異なる検体を測定するための実時間、同時測定法は、不利な薬物と薬物の相互作用の潜在的な悲惨な結果を回避するのに役立つことになる。
【0136】
一人の被験体においてある期間にわたって検体濃度またはPDもしくはPKの変化率を測定することができること、それらが薬物の濃度またはそれらの代謝産物であってもなくても、濃度、PDまたはPKで動向分析を実行することができることは、潜在的な危険な状況を回避するのに役立つことができる。例えば、グルコースが当該の検体ならば、ある所定の期間にわたってグルコース濃度の変化率と同様に、所定の時間でサンプル内のグルコースの濃度は、例えば、低血糖症事象を予測し、回避する際に大いに有用となり得る。かかる動向分析は、薬物投与計画において広範囲の有益な結果を有する。複数の薬物およびそれらの代謝産物が関与する場合は、動向を見極め、未然防止策を講じる能力はしばしば望ましい。
【0137】
このようにして、本発明はまた、被験体における検体の濃度での動向分析を実行する方法を提供する。前記方法は、a)少なくとも1つのサンプル収集ユニット、免疫アッセイ試薬を含有している免疫アッセイアセンブリ、前記サンプル収集ユニットおよび/または前記免疫アッセイアセンブリと流体連通している複数のチャネルを備える流体デバイスを提供するステップと、b)前記流体デバイスを作動させ、前記流体デバイス内の前記免疫アッセイ試薬を方向づけるステップと、c)約500μl未満の体液のサンプルを前記アッセイ免疫アッセイアセンブリ内に含有されている前記免疫アッセイ試薬と反応させ、前記サンプル中の前記検体の存在を示す検出可能な信号を発生するステップと、d)前記体液のサンプル中の収集された前記検体から生成される前記検出可能な信号を検出するステップと、e)前記検体の濃度を検出ために、ある期間にわたって一人の患者のためにステップa)からステップd)を反復することによって前記動向分析を実行するステップとを含む。
【0138】
いくつかの実施態様では、外部デバイスから伝送されるアッセイを使用して、被験体か
らの体液中の検体を検出する方法を提供する。前記方法は、少なくとも1つのサンプル収集ユニットおよび免疫アッセイ試薬を含有している免疫アッセイアセンブリを備える流体デバイスを提供するステップと、前記流体デバイスを検出して、免疫アッセイプロトコルを前記デバイスに無線で伝送するステップと、体液のサンプルを免疫アッセイ試薬と反させ、前記伝送された免疫アッセイプロトコルを使用して、前記検体の存在を示す検出可能な信号を発生するステップと、前記検出可能な信号を検出するステップとを含む。
【0139】
読取機アセンブリと外部ストレージデバイスとの間の伝達は、本発明の読取機アセンブリを可能にさせ、流体デバイスの同一性に基づき流体デバイスで実施する流体デバイス特異のプロトコルをダウンロードする。これは、読取機アセンブリに、本明細書に説明する任意の適切な流体デバイスと置換可能に使用させる。さらに、外部デバイスは、所定の流体デバイスと関連する複数のプロトコルを保存することができ、例えば、被験体の治療計画または計画に応じて、異なるプロトコルは、外部デバイスから読取機アセンブリへ伝達することができ、様々な検体を検出するよう流体デバイスで実施される。外部デバイスはまた、プロトコルが流体デバイスと同様に被験体と関連付けられるように、流体デバイスだけでなく、特定の一人の被験体または複数の被験体と関連する複数のプロトコルを保存することができる。
【0140】
いくつかの実施態様では、本発明は、医薬を受け取る個人から少なくとも1つの薬理学的パラメーターを収集するステップであって、体液のサンプルを流体デバイスに含有されている反応物質に与えることにより開始され、それが前記個人に提供されて前記少なくとも1つの薬理学的パラメーターを示す検出可能な信号を発生する、収集するステップと、前記個人のコンピュータ医療記録の補助と前記個人の前記少なくとも1つの薬理学的パラメーターを相互参照することにより、個人に合わせた医療的処置を提供する際に前記臨床医を支援するステップとを含む、個人に合わせた医療的処置を提供する際に臨床医を支援するビジネス方法を提供する。
【0141】
本発明は、例えば、測定されたパラメーターの履歴、または被験体のその他のグループの診療記録を含んでもよい患者の診療記録とのパラメーターの自動比較と同様に、患者の薬理学的パラメーターの自動定量化を可能にする。例えば、データ処理またはアルゴリズムのどんなタイプの実行と同様にデータを保存できる外部デバイスにより監視する実時間の検体を結合することは、例えば、現在の患者データと過去の患者データを比較することを含むことができる一般的な患者のケアを支援することができるデバイスを提供する。従って、発明は、医療関係者によって現在実行されている患者の監視の少なくとも1部を効率的に実行するビジネス方法を創出する。
【0142】
いくつかの実施態様では、本発明は、前記臨床試験において複数の時間間隔で被験体から少なくとも1つの薬理学的パラメーターを収集するステップであって、前記収集するステップは、それぞれの時間間隔で、前記被験体からの体液のサンプルを流体デバイスに含有されている反応物質に与えることにより開始され、前記流体デバイスを前記被験体に提供し、複数の時間間隔で前記少なくとも1つの薬理学的パラメーターの前記値を示す検出可能な信号を発生する、収集するステップと、前記検出された値を前記薬理学的パラメーターの所定の閾値と比較するステップと、統計的に重大な相違が前記検出された値と前記閾値との間に存在する場合は、前記臨床試験に関与している臨床医および/または治験依頼者に通知するステップとを含む、治療薬の臨床試験を監視するビジネス方法を提供する。
【0143】
図19は、医薬品の臨床試験を監視するビジネス方法の例となるフローチャートを示す。本明細書に開示するように、流体デバイスは、当該の患者に関連するPKおよび/またはPDパラメーターを収集する。データは、例えば、携帯電話ネットワークまたはインタ
ーネット上で安全に伝送され、データの解釈は、薬力学、薬物動態、および遺伝薬理学的プロフィルを相互に関連付ける外部デバイスでの一連の生物統計学的アルゴリズムでの算出結果により得られる。さらに、データは、データベースに保存されている情報と比較することができる。保存されている情報は、前回の治療計画にわたる患者自身のPKおよびPDデータ、プラシーボに関連するデータ、特定の患者に関連している薬理ゲノム学的データ、または被験体のグループに関連するデータであり得る。ステップ2で行われた分析が、適切なアルゴリズムを使用して決定したように、患者のデータと保存されたデータとの間に有意差がないと示唆するならば、ひいては「実行されない」。しかしながら、有意差があるならば、ひいてはステップ4は、差異の大きさを決定する。差異が大きいのであれば、緊急行動が取られる。緊急行動の例となるタイプは、患者のヘルスケア提供者に緊急警戒を発令するものとなり得る。緊急行動のその他の種類は、医薬品の投薬を変えるよう流体デバイスに指示を送信するものとなり得る。ステップ4で、差異が小さいのであれば、ひいてはアルゴリズムは、パラメーターの監視を継続するかどうか、および/または医薬品の用量を変えるかどうかを決定することもあり得る。この方法は、付加的な医療行為を取る考えられる必要性を少なくとも医療関係者または被験体に自動通知をする。
【0144】
検出値と閾値との間に統計的に重大な相違が存在する場合には、医療実務者によってさらなる処置が取られてもよい。かかる処置は、治療薬の用量を調整するなどの医療行為を伴ってもよく、さらに臨床試験を継続、修正、または終了するなどのビジネス決定を伴ってもよい。
【0145】
想定されるネットワークの有意義な有利性の1つを図20に例示する。すべての情報はインターネットにより安全に送られるので、適切な臨床的な、規制の、ビジネスの必要性を満たすと同時に、これは様々な関係者と情報の同時共有を可能にする。例えば、フローチャートは患者の臨床的必要性がいかに満たされるかを示す。薬物研究、例えば、臨床試験または薬物の性能の安全性および有効性を実時間で監視するための市場流通後の第4相調査を依頼する企業の能力は、大変価値のある規制の、およびビジネス情報を提供する。同様に、有効性、およびおそらく費用有効性を監視する支払人の能力は、実時間でデータを獲得する能力によって大いに強化される。
【0146】
いくつかの実施態様では、本発明は、患者の薬理学的パラメーターを、少なくとも1つのサンプル収集ユニットおよびアッセイアセンブリを備える流体デバイスを提供するステップを含む携帯端末経由で伝送するステップと、体液のサンプルに前記アッセイアセンブリ内に含有されている反応物質と反応させ、前記検体の存在を示す検出可能な信号を発生するステップと、前記検出可能な信号を検出するステップと、前記信号を外部デバイスに伝送するステップと、前記外部デバイスでの前記信号を処理するステップと、前記処理された信号を携帯端末経由で伝送するステップの方法を提供する。
【0147】
本発明の1つの有利性は、アッセイの結果が、結果を獲得することにより利益を得る可能性のある任意の第三者に実質上直ちに伝達することができることである。例えば、ひとたび検体濃度が外部デバイスで決定されると、それはさらなる処置を取る必要がある可能性のある患者または医療関係者に伝送することができる。第三者へ伝達するステップは、本明細書に説明するような無線で実行することができ、データを第三者の携帯用デバイスに伝送することによって、第三者は、実質的にいつでもどこでもアッセイの結果を通知を受けることができる。このようにして、時間依存シナリオでは、緊急の医療行為が必要な可能性があるならば、患者にどこでも直ちに連絡を取ることが可能である。
【0148】
いくつかの実施態様では、識別子検出器および識別子を備える流体デバイスを提供するステップを含む流体デバイスで実施されるプロトコルを自動選択するステップと、前記識別子検出器内の前記識別子を検出するステップと、前記識別子を外部デバイスへ転送する
ステップと、前記識別子に関連する前記外部デバイスでの複数のプロトコルから前記流体デバイスで実施されるプロトコルを選択するステップの方法。
【0149】
流体デバイスを読取機アセンブリに挿入した後、流体デバイスに関連する識別子に基づきそれぞれの流体デバイスを検出することによって、本発明のシステムは、流体デバイス特異のプロトコルを外部デバイスからダウンロードし、流体デバイスで実施することができる。いくつかの実施態様では、外部デバイスは流体デバイスに関連する、または特定の患者または患者グループに関連する複数のプロトコルを保存することができる。例えば、識別子が外部デバイスへ伝送される場合は、外部デバイスでのソフトウェアは識別子を獲得することができる。ひとたび獲得すると、データベースなどの外部デバイスでのソフトウェアは、識別子を使用して、識別子に関連するデータベースに保存されるプロトコルを識別する。1つのプロトコルだけが識別子と関連するならば、例えば、データベースはプロトコルを選択することができ、次いで外部デバイスでのソフトウェアは、プロトコルを読取機アセンブリでの通信アセンブリに伝送することができる。流体デバイスに特に関連するプロトコルを使用する能力は、どんな適切な流体デバイスでも、単一の読取機アセンブリと使用することができ、従って、当該のどんな検体も実質的には、単一の読取機アセンブリにより検出することができる。
【0150】
いくつかの実施態様では、複数のプロトコルが単一の識別子に関連する場合がある。例えば、同じ患者から週に1回検体を、また週に2回別の検体を検出することが有益であるならば、識別子に関連する外部デバイスでのプロトコルはまた、それぞれ週の異なる日と関連することができるので、識別子を検出する場合は、外部デバイスでのソフトウェアは、曜日に関連する特異のプロトコルを選択することができる。
【0151】
いくつかの実施態様では、患者は複数の流体デバイスを提供され、様々な検体を検出するのに使用してもよい。被験体は、例えば、異なる曜日に異なる流体デバイスを使用してもよい。いくつかの実施態様では、識別子とプロトコルに関連付ける外部デバイスでのソフトウェアは、例えば、流体デバイスが臨床試験に基づき使用される日と当日を比較する工程を含んでもよい。例えば、週のうちの2日が全く同じでないならば、外部デバイスは、本明細書に説明する、または当技術分野で知られている方法を使用して、被験体に無線で通知を送信し、不適当な流体デバイスが読取機アセンブリにあること、さらにその日に使用する正しい流体デバイスを通知することができる。この例は、単に説明に役立つものであり、例えば、流体デバイスが正しい時刻に使用されていないことを被験体に通知することなどに、容易に拡大することができる。
【0152】
いくつかの実施態様では、本発明は、材料の複数の層を提供するステップを含む、被験体の生体液中の検体を検出するために流体デバイスを製造する方法を提供する。前記方法は、流体デバイスの複数の層を提供するステップと、流体ネットワークが、サンプル収集ユニットと、少なくとも1つの反応物質チェンバーと、少なくとも1つの反応部位と、少なくとも1つの廃棄チェンバーとの間に存在するように、前記層を超音波溶接して合わせるステップとを含む。望ましい場合には、この方法によって製造された流体デバイスは、前記層のうちの少なくとも1つで、サンプル収集ユニット、ろ過場所を備える少なくとも1つの前記層と、反応物質チェンバーを備える少なくとも1つの前記層と、流体チャネルを備える少なくとも1つの前記層と、反応部位を備える少なくとも1つの前記層と、廃棄チェンバーを備える少なくとも1つの前記層を備える。
【0153】
好ましい実施態様では、流体デバイスの異なる層は、当技術分野で知られている方法による超音波溶接で合わせられる。層はまた、打ち抜き、熱接合、接着、または例えば、ガラス、もしくは半剛体および非剛体のポリマー基質など特定の基質の場合は、2つの構成要素の間の天然接着を含むが、それらに限定されない他の方法を使用して結合してもよい

【0154】
いくつかの実施態様では、本発明は、実験動物から医薬品の有効性および/または毒性を評価するために有用な薬理学データを獲得する方法を提供する。前記方法は、a)少なくとも1つのサンプル収集ユニット、アッセイアセンブリを備える流体デバイスと、前記サンプル収集ユニットおよび/または前記アッセイアセンブリと流体連通している複数のチャネルとを提供するステップと、b)約50μl未満の生体液のサンプルを前記アッセイアセンブリ内に含有されている反応物質と反応させ、薬理学的パラメーターを示す前記サンプル中の最初に収集された検体から生成される検出可能な信号を発生するステップと、c)前記検出可能な信号を検出するステップと、d)同じ実験動物から生体液の第2のサンプルを使用して反応および検出するステップを反復するステップとを伴う。関連する実施態様では、本発明は、a)少なくとも1つのサンプル収集ユニット、アッセイアセンブリとを備える流体デバイスと、前記サンプル収集ユニットおよび/または前記アッセイアセンブリと流体連通している複数のチャネルとを提供するステップと、b)生体液のサンプルは、前記アッセイアセンブリ内に含有されている反応物質と反応し、薬理学的パラメーターを示す前記サンプル中の最初に収集された検体から生成される検出可能な信号を発生するステップと、c)前記検出可能な信号を検出するステップと、d)動物は麻酔を受けない場合、同じ実験動物から生体液の第2のサンプルを使用して反応および検出するステップを反復するステップを含む方法を提供する。
【0155】
医薬品の前臨床試験において実験動物を使用する場合は、当該の検体を検出するためのアッセイを実行するために、十分な血液を抽出するよう試験用被験体を致死させることがしばしば必要となる。これは財政的および倫理的影響のどちらも有し、そのようなものとして、動物を致死させる必要がないような実験動物からの血液量を取り出すことは有利である場合がある。さらに、これはまた、同じ実験動物を時を異にして複数の医薬品で試験でき、ひいてはより効率的な前臨床試験が可能となる。平均して、例えば、マウスの全血液量は、体重100グラムあたり6〜8mLの血液である。本発明の利点は、非常に少量の血液のみが、マウスまたは他の実験動物での前臨床試験を実行するのに必要であることである。いくつかの実施態様では、約1マイクロリットルと約50マイクロリットルとの間が取り出される。好ましい実施態様では、約1マイクロリットルと10マイクロリットルとの間が取り出される。好ましい実施態様では、約5マイクロリットルの血液が取り出される。
【0156】
実験動物を生存させておくことのさらなる有利性は、前臨床経時変化研究において明白である。例えば、複数のマウスを長い間に被験体の体液の検査において検体の濃度を測定するのに使用する場合は、複数の被験体を使用する付加変数は試験に導入される。しかしながら、単一の実験動物が、時間の経過とともに自身の対照として使用することができる場合は、より正確で有益な前臨床試験を実行することができる。
【0157】
いくつかの実施態様では、流体デバイスを使用して医療的処置の患者の薬剤服用順守を自動監視する方法は、体液のサンプルに流体デバイス内のアッセイ試薬と反応させ、前記サンプル内の検体の存在を示す検出可能な信号を発生するステップと、前記流体デバイス内の前記信号を検出するステップと、前記患者が前記医療的処置と薬剤服用順守している、または薬剤服用不順守しているかを究明するために、前記信号を前記医療的処置と関連している知られているプロファイルと比較するステップと、患者に前記薬剤服用順守または薬剤服用不順守を通知するステップとを含む。
【0158】
臨床試験を含み、医療的処置の薬剤服用不順守は、治療または試験の有効性を著しく台無しにする。そのようなものとして、いくつかの実施態様では、本発明のシステムは、患者の薬剤服用順守を監視するのに使用し、患者または他の医療関係者にかかる薬剤服用不
順守を通知することができる。例えば、医療的処置計画の一環として医薬品を服用している患者は、本明細書に説明するような分析される体液サンプルを採取することができるが、例えば、読取機アセンブリによって検出された代謝産物濃度が、服用された医薬品の複数回投与を表示する既知のプロファイルと比較して高い濃度にある場合がある。患者または医療関係者は、PDAまたは携帯電話などの携帯端末経由での通知を含むがそれに限定されない、本明細書に論じているいかなる、または無線方法によりかかる薬剤服用不順守を通知を受けてもよい。知られているかかるプロファイルは、本明細書に説明する外部デバイスに配置し、保存してもよい。
【0159】
いくつかの実施態様では、薬剤服用不順守は、複数回投与および投与なしを含むが限定されない、医薬品の不適切な投与を受けることを含む場合があり、または医薬品を不適切に混ぜることを含む場合がある。好ましい実施態様では、患者は、信号が知られているプロファイルと比較された事実上直後に通知される。
【0160】
患者または臨床試験の被験体は、本明細書に説明するような体液サンプルを採取することを忘れる場合がある。いくつかの実施態様では、本明細書に説明するような流体デバイスを使用して体液のサンプルを検査するよう患者に警告する方法は、前記流体デバイスで実施される、外部デバイスに位置しているプロトコルを提供するステップであって、前記プロトコルは、前記患者に関連付けられ、また前記体液のサンプルを検査する時間および日付を含む、ステップと、前記サンプルがまだ検査されていなければ、前記時間および日付で前記体液を検査するよう患者に通知するステップとを含む。いくつかの実施態様では、患者は、本明細書に説明するように無線で通知を受けてもよい。
【0161】
患者は、一般的ないかなる方法、例えば、薬局で薬物の処方薬を調達する場合は、1つの流体デバイスまたは複数のデバイスを用意してもよい。同様に、臨床試験の被験体は、臨床試験を開始する場合に、かかるデバイスを用意してもよい。携帯電話、電子メールアドレス、テキストメッセージアドレス、または無線伝達の他の手段を含むが、それらに限定されない患者または被験体の連絡先は、外部デバイスの中に、および例えば、データベースなど、本明細書に説明するような患者または被験体と関連して、その時入力してもよい。外部デバイスのソフトウェアは、検出デバイスから生成された信号が、例えば、所定の時間に外部デバイスにまだ送信されていない場合に検出することができる脚本または他のプログラムを含んでもよく、ひいては外部デバイスは、患者に体液サンプルを採取するよう通知する警告を送信することができる。
【0162】
いくつかの実施態様では、本発明は、流体デバイスを用いて体液中の検体のためのアッセイの信頼性を評価する方法を提供する。前記方法は、a)システムを提供するステップであって、前記システムは流体デバイスを備え、前記流体デバイスは、前記サンプル収集ユニットが、被験体から体液中の検体の存在を検出するために、体液のサンプルを前記アッセイアセンブリ内に含有されている反応物質と反応させる、サンプル収集ユニットおよびアッセイアセンブリと、前記検体の存在を検出するための読取機アセンブリを備える、ステップと、b)センサーによりシステムが通常動作する動作パラメーターにおける変化を検知するステップとを含む。
【0163】
いくつかの側面では、センサーは、流体デバイス、読取機アセンブリ、両方に存在していてもよく、またはいくつかの場合には、流体デバイスおよび/または読取機アセンブリがパッケージ化されるパッケージにセンサーを含めることは有利である。センサーは、限定されないが、例えば、不正確な検体濃度の計算をもたらす可能性のある温度または圧力変化を検出することができる。例えば、前記流体デバイス内に保存されている試薬の温度が、許容できる温度範囲に入らないならば、これは、例えば、そのとき現在の較正および処理アルゴリズムを使用して、検出が正確ではないことを表示する可能がある。同様に、
例えば、読取機アセンブリ内のポンプの圧力は許容できる範囲に入らない場合がある。いくつかの実施態様では、水蒸気センサーは、アッセイが始まる前にカートリッジ内の水蒸気の存在を検出するために用意される。いくつかの実施態様では、流体デバイスの1つの層にチオシアネートが、およびもう1つの層に鉄塩が存在していてもよく、ここでこれらを混合するとき染料を形成することにより、染料が水蒸気の存在の可視指示となる。
【0164】
いくつかの使い捨てのシステム、特に、サンプルの採取が患者またはエンドユーザーによって実行される場合のシステムでは、測定誤差はまれではない。例えば、サンプルを取り扱う患者による大幅な誤差は、サンプル収集方法に起因する可能性がある。患者は、サンプルの正確な容積を収集しない場合があり、適切な時間に収集されない場合があり、またはサンプルは適切な方法で扱われない場合があり、従ってサンプルの完全性を落とすことになる。患者が最初のサンプル収集を管理する、使い捨てのシステムを使用および取り扱う場合は、例えば、患者に検査を繰り返すか、またはかかる誤差を補正するための較正ステップを使用するかのどちらかを警告することによって、かかる誤差の因果関係を最小限にするための方法を使用することは有利となる場合がある。
【0165】
従って、携帯用または使い捨のアッセイユニット、特に、サンプルおよび試薬容積がマイクロリットルおよびナノリットルの範囲にある場合、制御された温度を維持することが非実用的である場合、例えば、ヘマトクリット値などの誤差が妨害物質によって引き起こされるように、サンプルが「きれい」でない場合、または適切なサンプル容積およびユーザーによる取り扱いを含み、温度または試薬の質などの望ましい条件を維持することが困難である場合のこれらのユニットにおいて、較正を改善することになる方法のためのかなりの必要性が存在する。
【0166】
免疫アッセイは、よく知られているスキャッチャード結合等温線(結合/最大結合(B/B0)=配位子濃度/(K+配位子濃度)と形の上で類似している特徴的な反応を有し、ここでBは、検体が存在する場合に固相に結合している標識化検体の量であり、B0は検体が存在しない場合に結合している量であり、Kは解離定数である。かかるアッセイ反応の数学的形式は、双曲線である。
【0167】
上述の型の免疫アッセイの結果は通常、知られている(ln−ロジット)または(対数ロジット)関数を使用して分析され、ここでは検体がアッセイ(「B」)に存在する場合に固相に結合しているアッセイ標識(例えば、二段階工程では、アルカリホスファターゼ標識化検体)は、検体が(「B0」)に存在しない場合に結合する量と比較して、比率B/B0を提供する。次いで、「ロジット」関数(ロジット=対数[(B/B0)/(l−
B/B0)])は、直線をもたらす対数(検体濃度)に対してプロットされる。(自然対
数はまた、底10の対数の代わりに使用することができる)。このプロットの勾配および切片は、(a)検体濃度の関数としてのアッセイ信号(b)アッセイ信号の関数としての検体濃度の計算を可能にする一次方程式を導くのに使用することができる。当該の検体としてのトロンボキサンを使用してかかる分析の例を図21に示す。データに対する最良適合は、方程式1:信号=(A−D)/(l+(検体濃度./C^B)+D[方程式1]によって得られ、ここでAはゼロ検体濃度での信号、Dは無限大検体濃度での信号、CはAとDとの中間の信号レベルに達した検体濃度、Bは形状パラメーターである。検体濃度と信号との関係は、検体濃度=C*((((A−D)/(信号−D)−1)^(1/B))[方程式2]によって得られ、ここでA、B、CおよびDは、方程式1に使用したパラメーターと同一である。
【0168】
上の本明細書に説明している方程式を使用して、較正の誤りから発生する誤差を算出することは可能である。(方程式2からの検体濃度の関数は、それぞれの可能性のある変数A、B、C、Dおよび信号に関して区別される)。変数の理想値とシステムでの実際の値
との差異の概算は、演算でΔ値として使用される(Δ(濃度)=(d(濃度)/d(パラム))Δパラム)。較正での誤差は、A、B、CおよびDの誤りのある値に反映される。これらのパラメーターのそれぞれは、異なる因数によって左右される。例えば、免疫アッセイの較正での温度効果は、ln−ロジット較正のA、CおよびDパラメーターでの最強の影響力を有するが、形状パラメーターBでは最小の影響力を有することになりそうである。検体濃度を決定するのに順に使用することができる検出信号は、以下に記載の、信号測定のための機器に使用される光学、温度制御、酵素反応およびを抗原と抗体との間の平衡を含み、最も多い化学的工程は温度感性が高く、アッセイステップのタイミング、「理想的な」機器に関する較正、使用する場合に流体デバイスを手動で再較正する患者の無力さ、流体デバイスの寸法、アッセイアセンブリの容積およびその形状、デバイス内の流体の動き、流体の動きのタイミングおよび均一性、混合の際の効率性(ディスポに使用され、マイクロ流体を使用するほとんどのアッセイ方法は、いくつかの混合するステップを伴う)など、読取機アセンブリおよび流体デバイスの特徴のうちの1つ以上によってバイアスをかけられる。以下の試薬変形物はまた、バイアスをかけられた検出信号、試薬量、試薬溶解(乾燥型であるならば)、製造業に従う試薬の活性における変化(不安定率)の一因となる。(ディスポの耐用年数が通常、例えば、20%の活性を失うことができる試薬によって決定される場合、これは「分散システム」のために特に重要である、アッセイ性能を著しく落とすことなくそれらを使用することができれば、費用のかかる多くのディスポの保管期間は、数倍延長することができ、ディスポ用の保存場所(冷却および同等物)についての深刻な制約を緩和することができる)。さらに、工場で較正が実行される場合は、較正パラメーターの概算における小さな誤差は、計算された検体濃度における誤差をもたらすことができる。
【0169】
これらの較正誤差の大きさおよびその結果として検体濃度を概算する際に導入される誤差は非常に大きくなり得る。図21は、トロンボキサンのための二段階アッセイ用の用量反応データを示す。図22の上端の曲線(ロジット検査)は一般的な(ln−ロジット)アッセイ反応を示す。それぞれ「ゼロ信号をずらす」および「100%信号をずらす」と示す、最高の信号(A)および最低の信号(D)のレベルを調整する場合は、曲線は図22に見られるようにずれる。方程式2から計算されることになる濃度における誤差の対応する算出値は、図23に示すように大きかった(アッセイの全範囲にわたり>20%)。図22では、信号は、信号からD値を減じ、その差を(A−D):(信号−D)/(A−D)で除することによって正規化する。これは、通常B/B(ゼロ検体濃度に対する所定の検体濃度での結合標識の比率)として説明されるものをもたらす。正規化信号を再計算する前に、ln−ロジット関数は、Dに(A−D)の10%を加えること、またはAから(A−D)の10%を減じることによって修正した(大きな較正誤差の2つの型に対応する(AまたはDの値をそれぞれずらす)。AとDとの中間の信号レベルでは、変更されたものは、10%*(オリジナルの信号−D)/(A−D)調整した。図23は、1%(A−D)だけ修正された場合は、検体濃度は算出され、濃度の誤差は、検体濃度範囲のある部分でまだ大きかったことを示す。
【0170】
実験室の設定では、較正誤差による血液または他の体液の生化学的パラメーターを測定する際の誤差は、知られている多くの補償機構を使用して対応される。最も簡易な技術のうちの1つは、放射性標識検体の微量の既知量を加え、これらの表示に基づき較正曲線を作ることである。他の方法は、標準の既知量を分析が必要な検体溶液に加えることを含む。しかしながら、かかる技術は、少容量のサンプルに対応するためのこれらの技術の特定の順応、大量の他の溶液(緩衝剤など)の不足、ならびにサンプルおよびそれらの希釈の容積に対する正確な対照を用いる能力がなくては、分析用の使い捨てにできる、携帯用システムでは非実用的である。
【0171】
従来、較正の実施は、サンプルを分析すること並行して行われる。しかしながら、小型
で費用のかからないことを目的としている、内蔵型でディスポのアッセイシステムではこれは非実用的である。本発明の流体デバイスを使用して検体を分析する間に発生する可能性のある較正に関するどんな難問にも対応するために、いくつかの実施態様では、上の本明細書に説明している方程式1のパラメーターA、または好ましい実施態様ではAおよびDは、製造者の値または外部デバイスを使用するよりもむしろ流体デバイス内で測定する。値(複数)は、流体デバイスが製造者によって較正されたとき概算されるパラメーター値と比較する。次に信号の結果は以下に記載の方程式、調製された信号=信号(A工場の較正アッセイ内で測定されたA)を使用して調整し、次いでオリジナルの較正の方程式(方程式1)は、検体濃度を計算するのに使用する。あるいは、アッセイ時に測定されるAおよびD値は、工場の較正の間に獲得されたAおよびD値と置換する。通常、それぞれのアッセイが同様に、較正パラメーターを変える様々な因数に対応するならば、(A/D)の較正測定は、好ましくは、それぞれの検体(複数の検体アッセイデバイスにおいて)、または1つの検体のみのために緩衝剤サンプルで行わる。
【0172】
本発明のいくつかの実施態様では、方程式1の較正パラメーターは異なる較正を使用して修正する。検体としてのトロンボキサンB2を使用する以下の例は、この取り組みを例示している。トロンボキサンB2(TxB2)(1.25mg)をジメチルスルホキシド(342μl)と水(342μl)との混合物に溶解した。これに、水(0.1g/ml)中のl−(3−(dimemylamino)プロピル)−3−エチル−カルボジイミド塩酸塩の5μlの溶液、および水(0.1g/ml)中のn−ヒドロキシル−スクシンイミドの10μlの溶液を加えた。1時間後室温で、得られたTxB2のNHS−エステルを、さらに精製することなくアルカリホスファターゼ(以下に説明する)と標識化したTxB2の調製に使用した。アルカリホスファターゼ(ウシ腸、シグマアルドリッチ)を1mg/mlのリン酸塩緩衝化マグネシウムに溶解した。この溶液の1mlに、TxB2の120μlのNHSエステルを加え、混合物を室温で1時間反応させた。次いで酵素−TxB2複合体は、MgCl2を含有しているトリス緩衝化マグネシウムに対して透析によって一晩中精製した。
【0173】
TxB2が検体である場合の二段階酵素免疫アッセイの例を説明する。サンプルおよびマウスモノクローナル抗−TxB2(ケイマンケミカルキットカタログ番号10005065の15μl、アッセイ設計緩衝剤に適切に希釈される)を、抗マウスIgGが固定化された384−ウェルプレートに加えた((BectonDickenson356177))。サンプルは、アッセイ緩衝剤(アッセイ設計相互関連−CLIA(TM)キット910−002)と1:4で希釈された30μlの血漿であり、TxB2の既知濃度で補完した。サンプルの他の型(例えば、アッセイ緩衝剤に溶解させたTxB2)は代用することができる。
【0174】
蒸発を防ぐためにプレートを覆い、オービタルシェイカーで12時間徐々に混合(100rpm)し、室温でインキュベートした。次いでウェルの内容物を吸引により除去した。アルカリホスファターゼ(アッセイ緩衝剤と1:1500で希釈された25μl)に標識化されたトロンボキサンを加え、室温で2分インキュベートした。ウェルを内容物を吸引により除去し、ウェルを100μlの洗浄緩衝剤(アッセイ設計キット910−002から)で3度洗浄した。
【0175】
次いでウェルに結合される酵素は、(4−メトキシ−4−(3−リン酸塩−フェニル−スピロ−[l,2−ジオキセタン−3,2’−アダマンタン]))を含有する40μlのLumiphosTM530基質溶液の加えることにより測定する。インキュベーションは1時間軌道の混合により進められ、発光性産物は、分子素子MD5スペクトロメータ(0.5秒の積分時間)で測定した。
【0176】
図21は、TxB2のための二段階アッセイようの一般的なアッセイ用量反応データを示す。方程式1を使用して、パラメーターA、B、CおよびDは図21に示す曲線に適合する。本明細書に説明するように、パラメーターAおよびDの値における小さな変化でさえ、測定濃度に重大な影響を与えることができる。従って、AおよびDを算出する際のいかなる誤差も、概算の検体(TxB2)濃度において拡大される。この概念を図22および図23に例示し、ここでは、(A−D)の1%の変化でさえ、サンプル中のTxB2濃度を概算する際大幅な誤差をもたらした。図22では、信号はD値を減じ、その差を(A−D)viz:(信号−D)/(A−D)で除することによって正規化する。これは、通常B/B0(ゼロ検体濃度に対する所定の検体濃度での結合標識の比率)として説明されるものを計算する。正規化信号を再計算する前に、(ln−ロジット)関数は、Dに(A−D)の10%を加えること、またはAから(A−D)の10%を減じることによって修正した(大きな較正誤差の2つの型に対応する(AまたはDの値をそれぞれずらす)。AとDとの中間の信号レベルでは、変更されたものは、10%(オリジナルの信号−D)/(A−D)調整した。図23は、AおよびDを概算する際の1%の誤差のための、検体濃度の概算の際の算出された誤差を示す。低い検体濃度に見られるように、較正パラメーターAおよびDでの小さな誤差に対してでも明白である。
【0177】
図24〜27は、未知の検体濃度を含有するサンプルが、検体の知られている濃度でスパイクし、較正誤差を最小限にする、本発明の実施態様を例示する。スパイクは様々な方法、例えば、流体デバイスの製造の間に既知量の検体をアッセイウェルに組み込むなどよって達成することができる。別個のスパイクウェルはまた、本発明に説明している流体デバイスに収容することも可能となる。図24は、スパイクされていない、およびスパイクされているサンプルの間の信号応答の間の差異を使用した較正を示す。スパイクされている検体の量は、×2で表示し、オリジナルのもの(サンプル中の内因性濃度)は、オリジナルの濃度または×l(pg/ml)で表示した。スパイクされていない、およびスパイクされているサンプル間の信号の差異は、サンプルに導入された検体(スパイク)の様々な量の既知量のために、オリジナルの濃度の信号に対してプロットされる。(ln−ロジット)パラメーター(図24の上端の曲線)を表1に示す。
【0178】
(表1:図24に示すデータのためのオリジナルの較正パラメーター)
【0179】
【表1】

図24の上端の曲線に示すデータは、それぞれのオリジナルの濃度レベルおよび200pg/ml検体でスパイクされたそれぞれのレベルのための信号における差異に対する較正によって再較正を実施するのに使用した。以下に示す方程式3を経験的に導き、検体のオリジナルの内在性濃度を計算するのに有用である。表2の最良適合パラメーター値は、標的と計算された検体値との差の二乗の合計の最小化によって算出した。濃度=C((A−D)/((信号−D)^(1/B))+E [方程式3]
(表2:1−ポイント較正のための計算されたパラメーター値)
【0180】
【表2】

この較正を図25(対数スケール)および図26(リニアスケール)に示すように検証する。回帰方程式は線形形式におけるデータのために計算されたことに留意されたい。式はほぼ完璧な結果となった。
【0181】
本発明の一実施態様の結果を図27に示し、ここではスパイク信号の回復の範囲は、スパイクされていないサンプルの値の濃度を修正するために使用する。この方法は、例えば、試薬の不安定率のために、(ln−ロジット)方程式におけるパラメーターCでの変化が明らかにされているという利点を有する。前記方法は、以下に記載の、オリジナルの較正を使用して×1(内因性濃度)、および×2(スパイク濃度)を計算する、%(×2−×l)/スパイク[方程式4]としてスパイクの回復を計算する、回復因数で×1を修正する:(×l*100/スパイク回復)[方程式5]というステップを伴う。
【0182】
これは、図24および表1のオリジナルの較正パラメーターに示す較正曲線により検査した。表3に示すように、100〜500pg/mlのスパイク濃度値、および修正C値に対応する実際の信号が、オリジナルのC値に関する状況であったものから大変著しく変化し、またスパイク回復(ひとたびスパイクの回復に対して修正されると)それぞれ42〜420%の範囲にあるオリジナルのC値、その上スパイクされていないサンプルの回復で計算された、が全体の較正範囲にわたり100%であるように、500から50まで変化するC値を使用することは可能である。この効果をグラフを使って図28に例示し、ここではCパラメーターは50と500(10倍の範囲)との間で変化するが、検体濃度(×l)の修正値は、予想検体濃度に正確に反映する。
【0183】
(表3:2つのオリジナルの濃度レベルにおけるスパイクおよび検体でのCパラメーターにおける変化の効果)
【0184】
【表3】

表3では、×lは内因性濃度であり、×2はスパイク濃度であり、Sは指定された検体濃度に対応する信号レベルであり、×2回復は×2の見掛け回復であり、また×1回復は×2回復(方程式4を使用)を補完した後計算される(方程式5使用)。
【0185】
スパイクレベルは注意深く選ぶ必要がある。最適レベルは、アッセイの操作範囲とサンプルの濃度のありそうな範囲との間で妥協することになる。低すぎるならば、スパイクによって引き起こされる信号内の変化は、確実に測定するには小さすぎることになる。高すぎるならば、アッセイ反応は、スパイクを測定するには浅すぎることになる。理想的なスパイクレベルは、信号での標準偏差より非常に多くのものにより測定信号を変化させることになる。上の例では、アッセイの範囲は、有用と思われる、約0から約500pg/mlの範囲の濃度、および約200から約1000pg/mlのスパイクを有するサンプルを測定するよう調整されてきた。
【0186】
いくつかの実施態様では、スパイクレベルを選ぶために以下に記載の、スパイクは観察信号を望ましい範囲にわたり少なくとも10%変化させるべきである、スパイクはサンプル濃度の予想中間範囲と同じ範囲にあるべきである、スパイクはオリジナルの値の約3倍より少なくあるべきである、など多様な指針が続くことができる。用量反応の有用な部分は、約0.2Cから約5Cまでであることに留意されたい。
【0187】
以下の例は、スパイク回復を使用して、内因性TxB2濃度の概算を例示する。2つのクエン酸ヒト血漿サンプルを二段階アッセイによって分析した。サンプルのアリコートはまた、アッセイの前に知られている濃度のTxB2で補完(スパイク)した。いくつかのサンプルはまた、インドメタシン(0.1mM)および/またはEDTA(5mM)で補完した。アッセイの前に、サンプルを急速冷凍し次いで解凍するか、または未冷凍で冷蔵するか、どちらかで保存した。これらの手順を、様々なオリジナルの内因性濃度で一連のサンプルを生成した(保存および冷凍および解凍は、血小板活性化およびTxB2の生成を引き起こす傾向があり、インドメタシンはTxB2の生成を抑制する)。
【0188】
上の実験の結果を図27に示す。サンプル5Aは、非常に低いTxB2濃度(<10pg/mlであると推測される)を有することで知られていた。サンプル5でのアッセイの用量反応をアッセイを較正するのに使用する場合は、濃度はゼロであると見なした。他のサンプル4A、4N、5Nのための用量反応は次いでプロットされ、またそれらの反応は
TxB2のより高い濃度に対応し、ある一定のTxB2濃度をそれぞれの知られているスパイクレベルから除去することに対応する量によって左(より低い濃度の方向)へそれぞれを移動させることにより5N反応に適合することが可能であることが観察された。AUサンプルは、サンプル5Nの形状とほぼ同一である反応を有した。A5曲線に可能な限り密接に適合する場合は、TxB2の濃度は名目上、サンプルでのTxB2濃度の予測に対応して除去された。
【0189】
図27のオリジナルのデータは、最良適合の(ln−ロジット)近似値によって図29に表した。マイクロソフトエクセルでのソルバー機能を、サンプルN5の近似値に対するA5反応を引き起こすTxB2の値を算出するのに使用した。分かるように、これは良適合を生成し、算出値(471pg/ml)は2つのサンプルでのTxB2レベル間の濃度差の概算である。
【0190】
本発明のその他の実施態様では、前の図24〜図27に例示した複数点のスパイクよりむしろ単一点(すべての点は較正曲線に密接に適合するので、どの単一点も使用することができた)を使用することが可能である。以下の実験はこの概念を例示する。2つの血漿サンプルはTxB2の多くのレベルにスパイクし、二段階方法によって分析した。血漿ベースの材料よりむしろ緩衝剤較正器を使用して、アッセイを較正した。結果を図30に表した。前に説明したように、血漿を分析した。図30でのデータは対数スケールプロットする。スパイクされていないサンプルの濃度を、較正および「内因性+スパイク」として採取されたスパイクされているサンプルの濃度から計算した。結果はスパイクされているサンプルのためだけにプロットする。分かるように、約50から約10,000pg/mlまでの範囲にわたり、計算値と既知数との間に望ましい相関関係が存在した。約40から約2,500pg/mlの範囲内のスパイクに対して回復を概算する場合は、相関関係は99.7%であった。
【0191】
較正パラメーターを修正するためのスパイク回復方法は、ときどき携帯用分析システムまたはアッセイシステムとも称される、内蔵型ディスポ分析システムにおける免疫アッセイでの温度効果を補正するために有用である。よく知られているように、アッセイの間の温度における不安定率は、概算の検体濃度で大幅な誤差を導入する。免疫アッセイの較正での温度効果は、(ln−ロジット)較正のA、CおよびDパラメーターにおいて最強の影響を有する。B(形状)パラメーターは、温度変化によって受ける影響はごくわずかであるように思われる。上に示すように、スパイク回復方法は、Cパラメーターで導入された誤差を修正することができ、従って(ln−ロジット)方程式の較正パラメーターを算出する際の温度に誘発される誤差を修正するための優れた取り組みとなり得る。同様に、前に説明したように、信号レベルをゼロ検体較正レベルに正規化することは、温度変化によって再び悪影響を受けるAおよびDパラメーターにおける誤差を補正することができる。
【0192】
内部較正するおよび/または較正のスパイク回復手段は、従来の工場較正方法を越えて重要な利点を有する。1つの明白な利点は、1つよりむしろ、アッセイの信頼性を向上させる、アッセイに関連する情報の2つの量をアッセイ結果を算出するのに使用することである。第2の利点は、この取り組みが試薬の不安定率を大幅に補正することである。その他の利点は、いくつかの機器、アッセイ環境、および手続きに関する変数をアッセイ結果の要素に入れることである。
【0193】
温度変化に加えて、システム反応におけるその他の制御されていない変化はまた、計算されたAおよびDパラメーターに悪影響を与えることができる。例えば、図31は、アッセイの間の信号発生の経時変化を示す。これらの誤差を修正するために、請求の範囲に記載されている発明の一実施態様は、流体デバイスでのアッセイ信号Bを、システム反応で
の制御されていない変化による、アッセイ信号の絶対値の偏差による誤差を概算するためのB0信号と比較するものである。この概念は、以下の実験によって検証した。
【0194】
TxB2のための競合的免疫アッセイは、対応するCorrelate−CLEIAキット(カタログ910−002)のためのAssay Designs Product
Literature説明しているプロトコルを使用して設定した。アルカリホスファターゼ複合体を前に説明したように調製し、1:112,000に希釈し、キット複合体と置換した。AおよびDパラメーターは、アッセイ反応に対する(対数ロジット)適合において使用される較正パラメーターである。最良適合値をそれぞれの時点で獲得した。ゼロ時でAおよびDパラメーターを測定しないが、すべての信号値はゼロになる可能性がある(なると知られている)ことに留意されたい。比率D/Aは、同じスケールで提出できるようにIe6で乗じた時間に対してプロットされた場合は、AおよびD値は非常に異なり、特にA値が異なる(ゼロ検体)。事実上ゼロ勾配を有する直線から分かるように、測定されたD/Aは長期にわたって一定を維持する。
【0195】
次いで、アッセイ信号(B)をゼロ検体濃度(B0)の信号に正規化することによって上の実験データを分析した。この正規化した信号(B/BQ)を使用して、(対数ロジット)最良適合をそれぞれの時点で獲得し平均した。毎回これらの較正パラメーターを使用して、検体の濃度を算出した。図32は、それぞれ個々の時点で導かれたAパラメーターに対してプロットされた生成濃度を示す。それぞれの線は、約39から約10,000pg/mlまでの範囲にある異なる検体濃度(pg/ml)に対応する。図32から分かるように、信号値が実験の過程において約2倍変化したとしても、生成検体濃度は、約39から約10,000pg/mlまでの範囲に及ぶ検体濃度にわたり基本的に一定であった。計算された濃度の偏差を算出して、39〜625pg/mlの較正範囲(大部分の範囲に及ぶ)にわたり平均して2.7%だけであることが分かった。
【0196】
製造中に検体を抗体(または他の固相捕捉剤)を加え、次いで乾燥することにより、続いて製造中に検体を適切なウェルに加える(次いで乾燥する)ことにより、または検体を、次いで適切なウェルに送られるアッセイ緩衝剤の一部に加えることにより較正スパイクが可能となる。方法1および2は、スパイクされている検体は、サンプルまたは緩衝剤が入るように、ウェルから流れ出ることもある危険を有する。これは、抗原の堅固性に依存する、流れているサンプルまたは緩衝剤(ウェルから出る)にウェルが影響を受ける短い間の抗体相互作用、または液体の流れを注意深く管理し、入ってくる液体に対して最遠位となるようスパイクウェルを設置すること(充填される最後のウェルは最も少ない流れを有する)などのいくつかの方法のうちの1つで対処してもよい。
【0197】
検体濃度を測定する際の誤差はまた、前分析フェーズでのばらつきによる可能性がある。この種類の誤差の一番の原因は、患者がサンプルの不正確な容積を収集すること、またはサンプル完全性が落ちていることによる。不正確なサンプリング容積による誤差は、様々な手段によって修正することができる。1つの方法は、前処理ステップの間にサンプルの容積を測定することである。測定した容積が予想容積と著しく異なるならば、患者は新しいサンプルを提供するよう指示を受けることができる。これは、例えば、本明細書に説明するような外部デバイスとの無線通信によって達成することができる。あるいは、分析方法または外部デバイスでのアルゴリズムは、サンプル容積における変化を補正するために再較正することも可能である。再較正は、標準較正技術、または本明細書に説明してきた較正工程に対する修正のいずれかを使用することが可能である。
【0198】
以下は、本明細書に説明する流体デバイスのサンプル収集ユニットに提供されるサンプルの精度を決定するための方法のうちの一実施態様の説明である。サンプル収集ユニットに、メスシリンダーまたは計量用ジャーの目盛と類似している−知られている分類での間
隙を介している導体素子を並べることができる。それぞれの導体の場所は、特定のサンプル容積に対応することができる。流体が導体と接触するようになるとともに、その導体の測定伝導率は著しく増加することになる。最も伝導率変化を受けている導体の場所を識別することによって、サンプル収集ユニットの容積を算出することができる。
【0199】
あるいは、サンプル容積が最小限になる必要があれば、導体素子はウェルでの適切なレベルに設置することが可能である。カセットを手持ちサイズの機械に導入する(またはサンプル保持器が分析システムに導入される)場合は、それにより患者は、サンプリング過程を完了したことを表示し、センサーの伝導率がベースライン値にとどまるのであれば、患者が必要なサンプル容積を提供していないことを容易に結論付けることが可能となる。患者は、サンプルを交換する、またはサンプルを補充などの適切なフィードバックを得ることが可能となる。あるいは、バックエンドサーバーまたはネットワーク本部でのコンピュータに、問題および行うべき適切な是正処置を通知することも可能である。正確な容積を電気的に検出する代替物は、知られている光検出手段を使用することが可能である
サンプルの完全性は、多くの要因によって影響を受けることができ、いくつかは患者に内因性、またいくつは外因性である。以下に記載の、(i)間質液と血液との混合、(ii)ヘマトクリット値濃度におけるばらつき、(iii)溶血反応、および(iv)血小板およびサンプル凝固の活性化は、サンプルの完全性における誤差の原因のうちのいくつかである。
【0200】
時折、間質液は指の刺創から漏れる可能性があり、血液と混ざる可能性がある。あるいは、患者が血液サンプルを採取する前に手洗いをすることによりそこに液体があるならば、かかる液体はまた血漿と混ざる可能性がある。上述の流体、間質液および洗液はどちらも赤血球を含有せず、血漿と混ざることになる。間質液の量が多いので、有効マトクリット値は非常に低くなる場合は、外部標準(フルオレセイン)の測定濃度は低くなる。この信号は、サンプルが分析するのに不適切であり、またそれは不正確な結果につながると結論付けるのに使用することが可能である。血液が水(低伝導率を有する)により不純になる場合は、サンプルの流体部分の伝導率を測定することによりこれを検出することは可能である(血漿は特徴のある高伝導率を有するが、日々による、または個人個人による偏差に左右されない)。サンプルの測定伝導率が血漿伝導率より低いならば、サンプルは不純になっていると思われる。
【0201】
誤差はまた、機器の不正確な操作による可能性があり、これらの誤差の検出および補正の手段を以下に説明している。誤差の1つの原因は、ディスポが適切に携帯用システムに収容されていないことである。センサーに手持ちサイズの機械でのディスポの適切な一致を検出および報告をさせることは、この問題を回避する1つの手段となる。誤差のその他の原因は、サンプルウェル内のサンプルが入れられる場所、また入れられたサンプルの容積に関する問題がある場合がある流体システムから生じる。この場合もやはり、サンプルが入れられたことを検出し、入れられた容積の妥当性について報告をする適切なセンサーを用いることにより対処することができる。流体に関連する他の問題は、チャネルの閉塞、試薬の不足、気泡などであり、そのすべてはこの場合もやはり適切なセンサーを用いて検出および報告することが可能となる。
【0202】
いくつかの実施態様では、本明細書に説明する誤差のうちのいずれも、流体デバイスまたは読取機アセンブリのどちらかに位置しているセンサーを使用して測定することができる。いくつかの実施態様では、誤差のメッセージは、手持ちサイズの機械上のマイクロチップの処理能力を使用して、読取機アセンブリ内のLCD画面に表示することが可能である。あるいは、センサーからの信号は外部デバイスに伝達することが可能であり、次いでそれは誤差のメッセージを読取機アセンブリまたはPDAもしくは携帯電話などの第三のデバイスに中継することができる。かかる対策は、患者が受け取ることができる音声、ビ
デオまたは簡単なテキストメッセージの形式で患者に伝達されるメッセージである可能性がある。いくつかの実施態様では、外部サーバーは、修正された較正パラメーターを読取機アセンブリに伝送し、本明細書に説明する誤差のうちのいずれも補正することができる。
【0203】
さらにその他の実施態様では、識別子が、例えば、プロトコルを決定するために本明細書に説明するような識別子検出器によって検出された後も、センサーによって伝送された信号が、センサー信号のための予測値に一致しないならば、ひいては外部デバイスは、それぞれのカートリッジバーコードおよび検出された信号に基づき前プログラム化した警告を、指定された行動を取るために、例えば、読取機アセンブリ上のLCDディスプレイ、または携帯用デバイスのどちらかに伝送することができる。誤差の警告、表示される問題、取るべき必要な行動の限定されない例は、例えば、以下のとおりである。
【0204】
【表4】

識別子検出器が識別子を検出してプロトコルを決定し、検知されたいかなる信号も検出し、また患者への通知が完了するか、または較正パラメーターが更新された後で、流体デバイスを較正することができ、続いて適切なアッセイを行うことができる。
【0205】
本発明に説明した是正処置にもかかわらず、生成された検体濃度値はまだ誤りがある可能性がある。例えば、実際の検体濃度は、予測範囲のはるか外側にある可能性があり、従って、使用される較正パラメーターは不正確である場合がある。ありそうもなく、不可能であり、特定の患者についての前のデータと矛盾している値は、フラッグが立てられ、ソフトウェアレビューに従う。精度が疑わし値は、患者の医師など、適切な意思決定者に伝達することができる。
【0206】
基準治療指数(TI)の概念およびその算出方法を図33および図34に例示する。TIは、当該の薬物の血液濃度、それらの代謝産物、患者が飲む薬物により濃度が変化する血液中の他の検体およびバイオマーカー、生理的パラメーター(例えば、血圧、呼吸数、体温、心拍など)、および疾患の増悪(例えば、アンギナ、脳卒中、梗塞など)を表示する臨床的パラメーターを含み、多くの測定パラメーターのレトロスペクティブ分析から算出される。通常、多くの連続的測定は、多くの治療施行患者および対応する対照(投薬な
し、またはプラシーボ治療)のために行われることになる。臨床的パラメーターは、「結果パラメーター」(OP)となることになる。他の測定パラメーターは「入力パラメーター」(IP)となり得る。
【0207】
レトロスペクティブ分析およびTI算出結果のために、身長、体重、人種、性別、家系など被験体に関連する詳細事項と含み、多くの被験体およびその人たちそれぞれの出力および入力パラメーターからのデータは、データベースに投入されることになる。それぞれの候補者の結果パラメーター(脳卒中、梗塞、アンギナ、死亡など)は、入力パラメーターに対して重回帰分析を受けることになる。
【0208】
重回帰分析は、利用できるすべてのIPと対比してそれぞれ候補者のOPのために実行する。データベースの列は、それぞれのIP、それぞれのIP^2、および交差項(IPi*IPj)を使用することによって作る。次いで分析は以下の方程式を使用して行われる。
OPi=(aIPl+bIP2+...nIPn)+(aaIPl^2+bbIP2^2+...+nnIPn^2)+(aaaIPlIP2+bbbIPlIP3+...+nnnIPn−lIPn)、ここでa...n、aa...nn、aaa...nnnは任意定数である。
【0209】
重回帰分析は方程式に対して最良適合を定め、IPが含めるのに強力な候補者であることを表示す。弱い相関性があるIPは落ちて、それぞれ候補者のOPが残りのIPに対して最適な関係を有するまで分析を反復する。ひいては治療指数は以下の式を有することになる。
TI=aIP+ccrP3^2+nnnIP3IP5+...(方程式6)
図34は、TIの算出結果および治療効力を決定するためのTI概念の使用を例示する(治療指数はまた、項目の効力指数によって表示される)。図34に例示している例は、パラメーターA、BおよびCによって表される3つの生化学的検体によって表示される疾病状態(アテローム性動脈硬化)の成功している薬物療法の経時変化を示す。疾病の治療(例えば、スタチンを使用して)は、ゼロ日に開始している。
【0210】
パラメーターA、BおよびCは、本明細書に説明するような歩行用システムを使用して毎日測定する。最初に、「理想的なレベル」に関連して、パラメーターA(例えば、LDL−コレステロール)を高め、パラメーターB(例えば、HDL−コレステロール)を低くし、またパラメーターC(例えば、アラニンアミノトランスフェラーゼ、肝臓障害の指標)を標準にする。すべてのパラメーター(A、B、C)は、それぞれの理想的なレベルに正規化され存在している、療法が進むにつれて、薬物はAおよびBのレベルに正常値に接近させるが、異なる速度である。検体Cは、薬物が肝臓障害を引き起こしていないことを示し、依然として正常である。患者のための結果の相対危険度は、最初は未知のTLによって表される。上述のように、TIは、患者の生理学的機能(血圧など)、または患者記録における他の前識別される要素を反映する結果パラメーターの代行人であり、患者の状態における進歩を示すことができる。我々はさらに、パラメーターTIが、パラメーターAおよびBによって影響を受けていると見なす。特定の場合には、本研究の初めに、この関係は依然として未定である。
【0211】
監視システム(デバイス入力)および患者入力からのデータは、上述にように、TIの重回帰および測定値A、BおよびCによって分析する。示している例では、これらのデータは、パラメーターA、B、Cおよびそれらの二乗の関数ならびにペアワイズ交差項(ABなど)としてのパラメーターTIに適合する重回帰分析を使用して分析する。図35に示すように、図34に示す模擬値のために、すべてのパラメーターが含まれた場合は、優良適合が得られた(R^2=0.99)。パラメーターのほとんどは、AおよびA*B
だけを残して削除できることが、適合検査から明白である。これが完了した場合は、適合はさらに非常に良好である(R^2=0.95)。
【0212】
重回帰により導かれた関数は、第1の候補者のTIデータを生成した基底関数と同一ではないが、必要ならば、臨床評価の前に測定パラメーター(通常わずかしかない)からTIの概算を算出するのに功を奏する。TIの適切な閾値、または最適な閾値は、TIrefと称す(または「活動閾値」)。次いで熟達者による精査は、特定のその患者または患者区分のために最適な治療指数を決定することができる。算出TIが前もってセットされたTIrefを超えるならば、適切な行動を取ることができる。適切な行動は、医師に警告する、医薬を停止する、または同等のものであり得る。理解できるように、患者のための適切なTIrefは、その個々の患者のためのヘルスケア提供者の判断に基づき決定することになる。TIの式は、臨床研究および/または既存の臨床情報から導かれるデータセットの熟達者による分析を使用する1回限りの実施として導かれる。
【0213】
ひとたびTIrefが識別されると、ひいてはこのパラメーターの使用を図36に例示する。薬物、検体およびバイオマーカー濃度を測定する、ならびに流体デバイスおよび読取機アセンブリを使用してデータベースへの双方伝達を実施する方法を本明細書の以下に説明する。様々な測定および算出パラメーターの経時変化を図36に示す。曲線で表示されたCBX用量は、定期的に服用された薬物の経時変化を例示する。プロットされた値は、その測定のための「理想的なレベル」と見なされるものに正規化される。例えば、CBXの予測される理想的な血液濃度が100ng/mlであるならば、また血液中の測定濃度が100ng/mlならば、パラメーター値はCBXのために1.0(消失なしで)となる。同様に、薬物の濃度および疾病状態に対応して変化する、CXBの濃度、CBXの代謝産物、バイオマーカーTx−MおよびPGI−Mはまた、それらの理想的な値に正規化され、プロットされる。すべての薬物、検体およびバイオマーカー濃度は、本明細書に説明するようなシステムを使用して測定することが可能である。上に説明したように、この特定の患者のためのTirefは、平地線として図36にプロットしている。方程式6パラメーター値(a....n、aann、aaa...nnn)および測定入力パラメーター(IP)を使用して、患者のための最新のTIを計算する。算出されたTIがTIref値を超えるならば、ひいては警告を発令することができる。警告は、順に適切な行動を取ることができる患者のヘルスケア提供者を対象とすることが可能である。適切な行動は、他の臨床的適応のために絶えず患者に注目し、および/または患者が服用している用量および薬物を変えることであることが可能である。
【0214】
図36および図37は、算出TIがTIrefを超える場合の、積極的な行動がADRを防ぐことが可能な方法に関する概念を例示する。図36では、患者のTIはおおよそ15日目にTIrefを超えた。患者はしっかり監視され、TI値が30日目を過ぎても上昇し続けると、医師が介在し、用量を減らす。この行動は患者のためのTIを下げ始め、最終的におおよそ60日目の許容レベルに達するまで再治療する。
【0215】
1人以上の個人または患者の世話にかかわる実在者(看護師、医師、薬剤師など)は、適切な行動を取ることができるように算出TIがTIrefを超えたときに警告を受けることができる。さらに、動向が認められ、TIが特定の値に達する前に適切な行動を取ることができる。
【0216】
いくつかの実施態様では、TIを算出する間に、多くの異なる検体を入力パラメーター、IPとして測定および解釈することができる。使用してもよいかかる検体を本明細書に説明する。さらに、前記は、その上疾病領域によっても拡大または修正することができる。特定の疾病および薬物治療、例えば、癌および感染症ならびにNSAIDSの患者に関するパラメーターの適切なリストを本明細書に開示する。
【0217】
本発明のその他の側面では、TIは、患者の生体サンプル、および薬物に関連しない患者情報、デバイス入力を使用して計算する。例えば、歩行用の設定では、薬物代謝産物および他の生物学的マーカーの濃度に関する情報は、本明細書に説明するように血液中に検出することができる。患者はまた、薬物に関連しない個人的な多くのパラメーターを入力することができる。この「患者の入力」は、患者の個人的情報、例えば、身長、体重、性別、日常の運動状況、食糧摂取量などに関連付けることができる。患者の入力はまた、患者のヘルスケア提供者によって行うことも可能である。患者の入力パラメーターおよび入力手段の例を図38に示す。
【0218】
いくつかの実施態様では、デバイスの入力および患者の入力は、TIを算出するのに使用する。患者のための基準TIは、データベースに入っているデータのレトロスペクティブ分析を使用して既に知られている。重回帰分析を使用してTIを公式化する際に、方程式6に示すようなパラメーターを使用する。次いで同じパラメーターはデバイスの入力および患者の入力とともに使用し、TIを算出する。TIとTIrefを比較すると、療法の有効性を決定することが可能である。TIがTIrefの所定の範囲内に入るならば、ひいては治療は有効であると見なされる。その範囲を下回る値は、治療の効果がないことを表示し、その範囲より高い値は、望ましくないと見なされ、また有害事象を引き起こす可能性がある。
【0219】
その他の例は、頻回な測定をすることは困難であり、また治療の有効性を定量化することは困難である場合の疾病における療法の有効性を研究するための本発明の実施を例示する。例は、自閉症の子供たちにおける薬物療法の有効性を決定している。頻回なサンプリングおよび付随する実験室分析は子供たちにとって非実用的である。特定の金属の血中濃度における異常性は、自閉症に関与している。従って、自閉症児における特定の金属、例えば、亜鉛の血中濃度を追跡することは、診療行為の有効性を明らかにする可能性がある。しかしながら、治療のため、例えば、亜鉛の濃度を下げることは、療法の効果があることを暗示しているわけではないことが報告されてきている。それは指針ではあるが、治療の有効性を決定するための最も確実な代行人ではない。自閉症児における様々な適当なマーカーの濃度、および薬物による診療行為によるそれらの変化をシミュレートすることによって図39にこれを示す。
【0220】
プログラムは、有毒金属、金属(メタロチオネインなど)のための代理マーカー、および他の生化学的マーカーに対して長期にわたり被験体および対応対照の個人を監視するステップを伴うことができる。被験体は自閉症の傾向のあるもの、または自閉症に苦しむものであり、対象は状況対応の人々である。状況対応の人々がいることが必須ではない。シナリオは、研究の間に深刻な「事象」が起こることを前提としている。事象は、より危険な、もしくはそれほど危険ではない環境、または療法の開始へとの移動することが可能である。被験体は、本発明に説明している歩行用システムを使用して、いくつかのパラメーター(デバイス入力)に対して頻回に監視することが可能である。歩行用システムで測定できない追加の実験室におけるアッセイは、実験室におけるアッセイを使用して、より少ない頻回で実行することが可能である。患者の情報、局所環境、薬物の使用、食事療法などの付加的なデータは、記録を取ることになる(患者の入力)。このシナリオの特に興味深いのは、鉛、水銀などへの暴露などの情報である。
【0221】
図39に示す経時変化は、33日で事象(療法の開始)予想する。CPおよびMTの異常レベルを示している被験体は徐々に、正常なレベルのマーカーに戻る。TIは、すべの情報に基づき被験体の危険な、または安全なレベルを獲得する。研究は、TIを決定するのに最良な入力を定義することになる。
【0222】
上述のように、TIは、薬物治療の有効性を決定するのに使用することができる。同様な取り組みもまた、臨床試験の間に薬物の有効性を決定するために適切である。さらに、この取り組みは、所定の治療計画によく、または不十分に反応する患者のサブグループを識別するのに有益に使用することが可能である。応答者を未応答者から分離する能力は、極めて有用なツールである。TIを使用する概念は、治療計画の間だけでなく、例えば、患者が前立腺特異のマーカーの精密検査の後に生検を必要としているかどうか決定する診断学的検査を実行するために使用することができる。
【0223】
【表5】

【0224】
【表6】

【0225】
【表7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書中に記載の発明。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【公開番号】特開2013−29525(P2013−29525A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−238759(P2012−238759)
【出願日】平成24年10月30日(2012.10.30)
【分割の表示】特願2008−511111(P2008−511111)の分割
【原出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(506083408)セラノス, インコーポレイテッド (8)
【Fターム(参考)】