説明

ポイントカード兼用診察券管理システムおよびそのポイントカード兼用診察券

【課題】流通業界でのポイントサービスと病院での患者情報の管理とを統合し、病院などで商品を購入した場合にポイント化によるサービス向上を目指したポイントカード兼用診察券管理システムおよびそのポイントカード兼用診察券を提供することを課題とする。
【解決手段】患者情報およびポイント情報を一枚の診察券にともに更新可能に表示ないし保存することに着目し、患者情報のうち必要最小限の情報を更新可能に表示するとともに各種商品の販売にもとづくポイント情報を更新可能に表示するポイントカード兼用診察券と、患者情報およびポイント情報を管理するホストコンピューター2と、各科サブコンピューター4および販売店サブコンピューター5と、を有し、ポイントカード兼用診察券6は、各科サブコンピューター4において患者情報を更新可能とするとともに、販売店サブコンピューター5においてポイント情報を更新可能とすることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポイントカード兼用診察券管理システムおよびそのポイントカード兼用診察券にかかるもので、とくに病院で治療を受ける患者の診察券と、商品(物品やサービス)の販売にともなって発行されるポイントカードと、を兼用するようにしたポイントカード兼用診察券管理システムおよびそのポイントカード兼用診察券に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近の病院では、IT(情報技術)化の流れにより、患者の電子カルテを始め、院内の総合管理システムが導入されてきており、既存の患者データベースを利用して治療の予約管理などを行う診察券を発行するシステムが主流となってきている。
また、病院内あるいは病院との提携関係にある各種販売店での物品やサービスの提供も行われており、これら各種販売店での販売にもとづくサービスが要望されている。
【0003】
【特許文献1】特開2004−258699号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、患者の患者情報と、販売実績にもとづくポイントサービスをともなうポイント情報を単一のカード(券)に一体化可能なポイントカード兼用診察券管理システムおよびそのポイントカード兼用診察券を提供することを課題とする。
【0005】
また本発明は、流通業界でのポイントサービスと、病院での患者情報の管理と、を統合可能なポイントカード兼用診察券管理システムおよびそのポイントカード兼用診察券を提供することを課題とする。
【0006】
また本発明は、一枚のカードで、患者情報およびポイント情報を管理可能なポイントカード兼用診察券管理システムおよびそのポイントカード兼用診察券を提供することを課題とする。
【0007】
また本発明は、病院などで商品を購入した場合にその購入金額に応じたポイント化によるサービス向上を目指したポイントカード兼用診察券管理システムおよびそのポイントカード兼用診察券を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち本発明は、患者情報およびポイント情報を一枚の診察券にともに更新可能に表示ないし保存することに着目したもので、第一の発明は、患者に関する患者情報のうち必要最小限の情報を更新可能に表示するとともに、各販売店における各種商品の販売にもとづくポイント情報を更新可能に表示するポイントカード兼用診察券と、このポイントカード兼用診察券の上記患者情報および上記ポイント情報を管理するホストコンピューターと、このホストコンピューターに接続する各科の各科サブコンピューターおよび上記各販売店の販売店サブコンピューターと、を有し、上記ポイントカード兼用診察券は、上記各科サブコンピューターにおいて上記患者情報を更新可能とするとともに、上記販売店サブコンピューターにおいて上記ポイント情報を更新可能とすることを特徴とするポイントカード兼用診察券管理システムである。
【0009】
上記ホストコンピューターは、上記患者情報の患者情報データベースと、上記各販売店における上記各種商品の商品データベースと、を有することができる。
【0010】
上記ホストコンピューターは、上記各販売店における上記販売にもとづくポイント情報を更新可能に保存するポイントデータベースを有することができる。
【0011】
上記ホストコンピューターは、上記ポイントカード兼用診察券に表示している上記患者情報の診察券データベースを有し、この診察券データベースは、上記患者の次回治療に関する予約情報の予約データベースと、上記各販売店における上記販売にもとづくポイント情報を更新可能に保存するポイントデータベースと、を有することができる。
【0012】
第二の発明は、患者に関する患者情報のうち必要最小限の情報を更新可能に表示するとともに、この患者が購入した商品に対応するポイント情報を更新可能に表示可能とすることを特徴とするポイントカード兼用診察券である。
【0013】
上記患者情報および上記ポイント情報を電子的あるいは磁気的に保存可能としていることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によるポイントカード兼用診察券管理システムおよびそのポイントカード兼用診察券においては、患者情報およびポイント情報を一枚の診察券(ポイントカード兼用診察券)にともに更新可能に表示するようにしたので、患者は、病院での診察ないし治療というサービスと、病院に付属する各種販売店での購入にともなう各種のポイントサービスと、をともに一枚のポイントカード兼用診察券により、カード枚数が増えることなく、享受可能である。
【0015】
とくに第一の発明によれば、ポイントカード兼用診察券の患者情報を管理するホストコンピューターに各科の各科サブコンピューターおよび各販売店の販売店サブコンピューターを接続し、ポイントカード兼用診察券が、各科サブコンピューターにおいて患者情報を更新可能とするとともに、販売店サブコンピューターにおいてポイント情報を更新可能とするようにしているので、病院としては、患者の診察ないし治療と、商品販売によるサービス提供と、を総合的に管理し、かつ提供することができる。
【0016】
とくに第二の発明によれば、当該ポイントカード兼用診察券が、患者に関する患者情報およびポイント情報をともに更新可能に表示可能とするようにしたので、患者あるいはその家族や関係者は、治療とともに、各種商品(物品、サービス)やそのポイントにともなう各種のサービスの提供を一枚のカードで管理し、かつ享受することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、患者情報およびポイント情報を一枚のポイントカード兼用診察券にともに更新可能に表示して管理可能としたので、病院および患者ともにサービスの提供および享受を簡略化して授受することができるポイントカード兼用診察券管理システムおよびそのポイントカード兼用診察券を実現した。
【実施例】
【0018】
つぎに本発明の実施例によるポイントカード兼用診察券管理システム1およびそのポイントカード兼用診察券を図1および図2にもとづき説明する。
図1は、ポイントカード兼用診察券管理システム1の概略説明図であって、ポイントカード兼用診察券管理システム1は、ホストコンピューター2と、このホストコンピューター1に接続する受付の受付サブコンピューター3、内科や外科その他各科の各科サブコンピューター4および各販売店の販売店サブコンピューター5と、患者に提供して使用してもらうポイントカード兼用診察券6と、を有する。
【0019】
ホストコンピューター2は、入院あるいは通院などにより病院での治療を受けるすべての患者に関する情報(患者情報)、さらには病院内あるいは提携先の各販売店における各種商品の情報(商品情報)を更新可能に保存および管理するもので、患者情報としては、たとえば患者特定のための氏名および住所、患者識別番号、治療を受ける科の名称や担当医、病状および治療に関する情報をはじめ、とくに更新可能な情報として予約日時(予約情報)およびポイント情報を保存管理する。
すなわち、ホストコンピューター2は、患者情報の患者情報データベース7と、各種商品の商品データベース8と、ポイントカード兼用診察券6に表示ないし保存する患者情報の診察券データベース9と、を有する。
【0020】
患者情報データベース7は、上述の患者に関する患者情報のすべてを更新可能に保存する。
商品データベース8は、病院に付属する各種商品の販売店、あるいは提携している各種の販売店において販売している商品情報のすべてを更新可能に保存している。
診察券データベース9は、予約データベース10と、ポイントデータベース11と、を有する。
予約データベース10は、患者の次回治療に関する予約日時のデータ(予約情報)を更新可能に保存する。
ポイントデータベース11は、各販売店における販売にもとづくポイント情報を更新可能に保存する。
【0021】
受付サブコンピューター3、各科サブコンピューター4および販売店サブコンピューター5は、LANその他任意の双方向データ交信が可能なネットワーク12により、これをホストコンピューター2に接続している。
受付サブコンピューター3は、受付において患者の受付処理を行うとともに、ディスプレイ13およびキーボード14を有し、さらにカード発行機15を接続してあって、上記ポイントカード兼用診察券6を発行可能とする。
【0022】
各科サブコンピューター4は、診察および治療を行う各科にこれを備えてあって、ディスプレイ13およびキーボード14を有し、さらにカードリライター16を接続してあって、ポイントカード兼用診察券6の表示データおよび保存データを更新可能とする。
【0023】
販売店サブコンピューター5は、各販売店にこれを備えてあって、ディスプレイ13およびキーボード14を有し、さらにカードリライター16を接続してあって、ポイントカード兼用診察券6の表示データおよび保存データを更新可能とする。
【0024】
ポイントカード兼用診察券6は、患者に関する患者情報のうち必要最小限の情報、および各種販売店における各種商品の販売にもとづくポイント情報を更新可能に表示するものであるが、このポイントカード兼用診察券6は、各科サブコンピューター4において患者情報を更新可能とするとともに、販売店サブコンピューター5においてポイント情報を更新可能とする。
図2は、ポイントカード兼用診察券6の平面図であって、ポイントカード兼用診察券6は、患者認識番号欄17と、保険の種類欄18と、患者の氏名欄19と、累計ポイント欄20と、次回予約日時欄21と、担当医欄22と、メッセージ欄23と、データ保存領域24と、を有する。
ポイントカード兼用診察券6は、ホストコンピューター2における患者情報データベース7、商品データベース8および診察券データベース9(予約データベース10、ポイントデータベース11)のデータにもとづき、受付サブコンピューター3において所定の編集を行って、カード発行機15によりこれを発行するとともに、各科サブコンピューター4および販売店サブコンピューター5における処理にもとづいて必要なデータ更新を行う。
【0025】
データ更新の際におけるデータ表示変更可能な表示手段としては、任意のものを採用可能であり、たとえば、酸化還元作用にともなって色調が可逆的に変化する有機色素たとえばロイコ染料を利用したリライトカードとしてポイントカード兼用診察券6を準備することができる。もちろん、その他の作用を利用したリライトカードや、逐次変更データを印字するカードであってもよい。
【0026】
データ保存領域24には、磁気的あるいは電子的に書き込みおよび読み取り可能なデータ(患者認識番号欄17における患者の認識番号など)を保存するもので、磁気テープを用いたり、あるいは大量のデータを保存する場合には、ICチップなどを用いることができる。
なお、ポイントカード兼用診察券6に表示している各種の情報(予約情報やポイント情報など)を必要に応じて、このデータ保存領域24に保存しておくこともできる。
【0027】
こうした構成のポイントカード兼用診察券管理システム1およびポイントカード兼用診察券6において、受付サブコンピューター3におけるカード発行機15において発行されたポイントカード兼用診察券6を用いて、患者は、次回予約日時欄21において自分の診察ないし治療の予約日時を確認することができるとともに、病院に関係した任意の販売店で商品を購入した際に所定の割合のポイントを付加され、累計ポイント欄20においてポイント情報を確認し、所定のサービスを受けることができる。
具体的には、販売店において患者ないしその関係者が商品を購入した際に、その購入金額に応じたポイント換算が行われ、販売店サブコンピューター5におけるカードリライター16によりポイントカード兼用診察券6の累計ポイント欄20にポイント表示(印字)される。所定量だけ貯まったポイントは、商品の値引きあるいは景品の交換対象となる。
商品購入例としては、たとえば総合病院であれば、一般雑貨および病院内での必要商品があり、歯科医院であれば、歯磨き、歯ブラシやガムなどのデンタルヘルスケア商品があり、動物病院では、動物治療以外のサービスたとえばトリミング、ホテルやペットフードなどの販売がある。
【0028】
なお、ポイントカード兼用診察券6における累計ポイント欄20および次回予約日時欄21の表示変更とともに、対応するデータをデータ保存領域24に更新して保存することもできるし、これらの対応データの保存更新を行う代わりに、データ保存領域24に保存されている患者の認識番号からホストコンピューター2における診察券データベース9(予約データベース10、ポイントデータベース11)のデータにアクセス可能とすることできる。
さらに、データ保存領域24の磁気的あるいは電子的に保存されているデータにもとづき、病院の地域の販売店などとの提携関係を活用してサービス網を拡大することもできる。
【0029】
しかも、患者としては、これらの診察や治療およびポイントにもとづくサービスを、一枚のポイントカード兼用診察券6で受けることができるものであり、カード枚数を増やすことなく、病院本来の治療はもちろん、治療以外の各種サービスの恩恵にあずかることが可能となるとともに、病院側としても、そのサービス向上による患者の固定化を期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施例によるポイントカード兼用診察券管理システム1の概略説明図である。
【図2】同、ポイントカード兼用診察券6の平面図である。
【符号の説明】
【0031】
1 ポイントカード兼用診察券管理システム(実施例、図1)
2 ホストコンピューター
3 受付サブコンピューター
4 各科サブコンピューター
5 販売店サブコンピューター
6 ポイントカード兼用診察券(実施例、図2)
7 患者情報データベース
8 商品データベース
9 診察券データベース
10 診察券データベース9の予約データベース
11 診察券データベース9のポイントデータベース
12 ネットワーク
13 ディスプレイ
14 キーボード
15 カード発行機
16 カードリライター
17 患者認識番号欄(図2)
18 保険の種類欄
19 患者の氏名欄
20 累計ポイント欄
21 次回予約日時欄
22 担当医欄
23 メッセージ欄
24 データ保存領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に関する患者情報のうち必要最小限の情報を更新可能に表示するとともに、各販売店における各種商品の販売にもとづくポイント情報を更新可能に表示するポイントカード兼用診察券と、
このポイントカード兼用診察券の前記患者情報および前記ポイント情報を管理するホストコンピューターと、
このホストコンピューターに接続する各科の各科サブコンピューターおよび前記各販売店の販売店サブコンピューターと、
を有し、
前記ポイントカード兼用診察券は、
前記各科サブコンピューターにおいて前記患者情報を更新可能とするとともに、
前記販売店サブコンピューターにおいて前記ポイント情報を更新可能とすることを特徴とするポイントカード兼用診察券管理システム。
【請求項2】
前記ホストコンピューターは、
前記患者情報の患者情報データベースと、
前記各販売店における前記各種商品の商品データベースと、を有することを特徴とする請求項1記載のポイントカード兼用診察券管理システム。
【請求項3】
前記ホストコンピューターは、
前記各販売店における前記販売にもとづくポイント情報を更新可能に保存するポイントデータベースを有することを特徴とする請求項1記載のポイントカード兼用診察券管理システム。
【請求項4】
前記ホストコンピューターは、
前記ポイントカード兼用診察券に表示している前記患者情報の診察券データベースを有し、
この診察券データベースは、
前記患者の次回治療に関する予約情報の予約データベースと、
前記各販売店における前記販売にもとづくポイント情報を更新可能に保存するポイントデータベースと、を有することを特徴とする請求項1記載のポイントカード兼用診察券管理システム。
【請求項5】
患者に関する患者情報のうち必要最小限の情報を更新可能に表示するとともに、
この患者が購入した商品に対応するポイント情報を更新可能に表示可能とすることを特徴とするポイントカード兼用診察券。
【請求項6】
前記患者情報および前記ポイント情報を電子的あるいは磁気的に保存可能としていることを特徴とする請求項5記載のポイントカード兼用診察券。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−112226(P2008−112226A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−293410(P2006−293410)
【出願日】平成18年10月30日(2006.10.30)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)
【Fターム(参考)】